JP4502056B2 - 放射線検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4502056B2
JP4502056B2 JP2008242868A JP2008242868A JP4502056B2 JP 4502056 B2 JP4502056 B2 JP 4502056B2 JP 2008242868 A JP2008242868 A JP 2008242868A JP 2008242868 A JP2008242868 A JP 2008242868A JP 4502056 B2 JP4502056 B2 JP 4502056B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scintillator
radiation detector
light
scintillators
light guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008242868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009031304A (ja
Inventor
寛道 戸波
淳一 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2008242868A priority Critical patent/JP4502056B2/ja
Publication of JP2009031304A publication Critical patent/JP2009031304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4502056B2 publication Critical patent/JP4502056B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Nuclear Medicine (AREA)

Description

この発明は、シンチレータ,ライトガイド,光電子増倍管の順に光学的に結合された放射線検出器の製造方法に関する。
この種の放射線検出器は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)から放出された放射線(例えばガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層画像を得るための装置、例えば例えばPET(Positron Emission Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置などの医用診断装置に用いられる。放射線検出器は、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータと、前記シンチレータからの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管とから構成されている。このような放射線検出器については、従来ではシンチレータと光電子増倍管とが一対一に対応していたが、近年では複数のシンチレータに対して、その数よりも少ない複数の光電子増倍管を結合する方式を採用している(例えば、特許文献1参照)。かかる方式では、これらの光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定することで、分解能を高めている。以下、図面を参照して従来の放射線検出器の構成を説明する。
図9は従来例の放射線検出器を示す外観図であり、図10は図9の100−100面の断面図である。なお、図9、図10は、特公平06−95146号に開示された例の外観を示している。この放射線検出器RDAは、シンチレータ群SAと、このシンチレータ群SAに対して光学的に結合されたライトガイドLAと、このライトガイドLAに対して光学的に結合された複数個(図9、図10では4個)の光電子増倍管K1,K2,K3(図には現れていない),K4とから構成されている。シンチレータ群SAは、多数の光反射材DAが周囲に挟み込まれることで区画されたシンチレータSの集合体で構成されている。なお、シンチレータ群SAは、その外周に光反射材(図示省略)で挟み込んで構成される場合もある。
この放射線検出器RDAでは、ライトガイドLAは光学的に透明な材料から製造されており、ダイシングソーやワイヤーソーで切断することにより所定の深さのスリットMAが多数個形成されている。そして、このスリットMAに光学的部材(例えば光反射材または光透過材)が挿入されている。なお、各スリットMAの長さはライトガイドLAの内側から外側へいくにしたがって長くなるように調整されている。このように調整することで、4個の光電子増倍管K1〜K4へ分配する各シンチレータSからの光量を調整して、ガンマ線の入射位置を弁別している。
特公平06−95146号公報
しかしながら、上述した従来例の放射線検出器RDAの場合には、次のような問題がある。
近年、高感度なシンチレータSを使用した高分解能の放射線検出器RDAが提案されており、旧来のものに比べシンチレータ群SAの数が非常に多いものとなっている。したがって、1個のシンチレータSの断面は従来のものよりもさらに小さくなっている。一般的に、シンチレータSのサイズが小さいほど吸収や散乱により内部で発生した光子がライトガイドLAへ飛び出す確率が低くなり、ガンマ線の入射位置弁別能力が低下し、その結果、ガンマ線の入射位置検出能力が低下する。
ここで、シンチレータ群SAにおいて、多数の光反射材DAで個々のシンチレータSの周囲を挟み込もうとすると、個々のシンチレータSや光反射材DAの部品数が非常に多く、製造上において煩雑となりコストの高いものになってしまう。
また、加工後に適当な光反射材DAをスリットMAに挿入した場合に、光反射材DAとスリットMAとの間に隙間が生じ、このことにより反射効率が低下するという問題も生じる。これらの要因で入射ガンマ線による出力が低下して位置弁別が正確に行えないと、全体の画質も劣化する。
具体的に説明すると、弁別能力が低下すると、結果的には分解能が下がってしまう。かかる放射線検出器RDAを、PET装置やSPECT装置などの医用診断装置に用いると、その装置によって得られる画像の画質は劣化してしまう。例えば関心部位が腫瘍の場合には、その腫瘍が画像上で正確に出力されない場合がある。
さらに、各シンチレータS間が光学的部材として光反射材DAもしくは光透過材が挿設または充填される場合、特に光透過材のときには、より一層、位置弁別が正確に行えないという問題がある。すなわち、光透過材を構成する部分については、透過性のよい光学接着材を用いるのが一般的である。しかし、光学接着材を用いるとそれが接着層であるので、光透過材の厚さを制御するのが困難である。その結果、各光透過材の厚さにバラツキがでて、各シンチレータが等間隔で並ばなくなり、ガンマ線の位置弁別がより一層正確に行えなくなる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高分解能で高画質を維持することが可能で、簡易に実現できる放射線検出器の製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの数よりも少ない複数の光電子増倍管とを備えた放射線検出器の製造方法において、前記シンチレータ群を、(A)複数の板状の光学的部材を格子状に組み合わせて格子枠体を作成する工程と、(B)この格子枠体が収容可能な矩形状容器に格子枠体を収納する前あるいは収納した後に、その矩形状容器に透明な液体樹脂を流し込む工程と、(C)格子枠体を矩形状容器に収納して、かつ前記液体樹脂を矩形状容器に流し込んだ後に、シンチレータを矩形状容器に収納する工程と、(D)硬化した液体樹脂と格子枠体とシンチレータとが一体化した硬化樹脂体を矩形状容器から取り出して外形を整えてシンチレータ群とする工程とを経て製造することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、(A)〜(D)の工程を経て製造することで、ダイシングソーやワイヤーソーといった切断を行うことなく光学的部材をシンチレータ群内に配設することができ、加工精度の高い放射線検出器を実現することができる。このように、(A)〜(D)の工程を経て製造することで、放射線検出器を簡易に実現することができる。
上述した放射線検出器の製造方法の発明において、各々のシンチレータ間に介在する光学的部材は、シンチレータ群のライトガイド側に等間隔に配設された位置決め部材と、シンチレータ間の位置決め部材以外の部分に配設された、光を透過させる光学接着材とで構成されており、位置決め部材は、反射材または透明フィルムであるのが好ましい。
位置決め部材を等間隔にそれぞれ配設することで、シンチレータ群のライトガイド側には、位置決め部材によってシンチレータが等間隔で並び、弁別能力がより一層向上する。
この発明に係る放射線検出器の製造方法によれば、(A)〜(D)の工程を経て製造することで、放射線検出器を簡易に実現することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図(側面図)であり、図2は、放射線検出器をX方向からみたY方向の外観図(正面図)である。
本実施例に係る放射線検出器RDAは、シンチレータ群10と、このシンチレータ群10に対して光学的に結合されたライトガイド20と、このライトガイド20に対して光学的に結合された4個の光電子増倍管301,302,303,304とから構成されている。なお、図1では光電子増倍管301と光電子増倍管303とが図示されており、図2では光電子増倍管301と光電子増倍管302とが図示されている。
シンチレータ群10は、光反射材11および光透過材12が挟み込まれることによって区画されたシンチレータ1Sを2次元的に密着配置して構成されている。本実施例では、X方向に9個、Y方向に10個の合計90個のシンチレータ1Sを2次元的に配置している。ライトガイド20は、光反射材21などの光学的部材で形成された短冊(図示省略)を格子状に組み合わせた格子枠体(図示省略)を有している。そして、この格子枠体により多数の小区画が形成されている。シンチレータ1Sとしては、例えばBiGe12(BGO)、GdSiO(GSO)、LuSiO:Ce(CeがドープされたLuSiOすなわちLSO)、LuYSiO:Ce(CeがドープされたLuYSiOすなわちLYSO)、あるいはNaI(ヨウ化ナトリウム)、BaF(フッ化バリウム)、CsF(フッ化セシウム)などの無機結晶が用いられる。
本実施例では、X方向に配置された各シンチレータ1S間には光反射材11が全て介在されているとともに、Y方向に配置された10個のシンチレータ1Sでは、中心4本のシンチレータ1Sのそれぞれの間には光透過材12が、そしてそれ以外のシンチレータ1Sのそれぞれの間には光反射材11が介在されている。すなわち、上述したライトガイド20と同様に、シンチレータ群10も、光反射材11や光透過材12などの光学的部材で形成された短冊51〜53(図6を参照)を格子状に組み合わせた格子枠体50(図6参照)を有している。そして、この格子枠体50により多数の小区画が形成されている。
図1に示すように、X方向に配置された9個のシンチレータ1Sにガンマ線が入射すると、そのシンチレータ1Sはガンマ線を吸収して発光する。具体的には、可視光に変換さされる。この光は光学的に結合されたライトガイド20を通して光電子増倍管301〜304へ導かれる。その際に、X方向に配置された光電子増倍管301(303)と光電子増倍管302(304)との出力比が所定の割合で変化するように、ライトガイド20における各々の光反射材21の位置や長さや角度が調整される。
より具体的には、光電子増倍管301の出力をP1、光電子増倍管302の出力をP2とすると、計算値(P1−P2)/(P1+P2)が各シンチレータ1Sの位置に応じて所定の割合で変化するように、光反射材21の所定の長さや、各光反射材21間の間隔がシンチレータ群10の配置方向に対して所定の間隔・角度に調整されている。なお、光反射材21は長いほど隣り合うシンチレータ1Sの弁別能力が向上するが、光の減衰は大きい。また、位置や角度や長さをわずかに変えるだけで光量を落とさずに弁別能力が向上する。
一方、図2に示すように、Y方向に配置された10個のシンチレータ1Sの場合もX方向の場合と同様に、光学的に結合されたライトガイド20を通して光電子増倍管301〜304へ光が導かれる。Y方向に配置された光電子増倍管301(302)と光電子増倍管303(304)との出力比が所定の割合で変化するように、ライトガイド20における各々の光反射材21の位置や長さや角度が調整される。
なお、シンチレータ群10とライトガイド20との間にはカップリング接着材15が介在しており、ライトガイド20と光電子増倍管301〜304との間にカップリング接着材16が介在している。かかる接着材15,16を介在させることで、シンチレータ群10およびライトガイド20を互いに光学的に結合させるとともに、ライトガイド20および光電子増倍管301〜304を互いに光学的に結合させる。
ここで、上述したように、Y方向に配置された10個のシンチレータ1Sのうち、中心4本のシンチレータ1Sのそれぞれの間には光透過材12が挿設されている。この光透過材12を構成する部分については、シンチレータの発光波長特性に合わせた透過性のよい光学接着材を用いるのが一般的である。もし透明フィルムなどを用いると、光が減衰して出力が減衰する。その結果、ガンマ線の入射位置を正確に弁別することができなくなる。
ところが、光透過材12で構成する部分について光学接着材のみで用いるとそれが接着層であるので、光透過材12の厚さを制御するのが困難である。その結果、図3に示すように、各光学接着材31の厚さにバラツキがでる。その結果、各シンチレータ1Sが等間隔で並ばなくなる。図3の例では右端にある光透過材12の部分において他の光透過材12と比較すると厚い光学接着材31が形成されてしまい、シンチレータ1S間の隙間が片寄っている。特に、シンチレータ群10のライトガイド20側の面、すなわちシンチレータ群10とライトガイド20とのカップリング面に、各シンチレータ1Sが等間隔で並ばないと、ガンマ線の入射位置が正確に弁別することができなくなる。
そこで、本実施例では、光透過材12を構成する部分については、透過性のよい光学接着材13とシンチレータ群10のライトガイド20側の面に等間隔に配設された位置決め用反射材14とを用いている。ここで、位置決め用反射材14は光反射材11と同じ厚さ寸法である。また、位置決め用反射材14は、光反射材11と同じ材料・材質であれば、製造価格や構造の簡易性においてより好ましい。位置決め用反射材14は、この発明における位置決め用光反射材に相当し、この発明における位置決め部材にも相当する。
光透過材12を光学接着材13と位置決め用反射材14とで構成し、位置決め用反射材14を等間隔にそれぞれ配設することで、シンチレータ群10のライトガイド20側の面には光透過材12が等間隔で並ぶ。したがって、シンチレータ群10のライトガイド20側の面には、位置決め用反射材14によってシンチレータ1Sが等間隔で並び、弁別能力が向上する。
なお、位置決め用反射材14は光の透過の妨げにならないように構成するのが好ましい。具体的には、位置決め用反射材14の総面積が、光透過材12の全体面積の1/4以下であるのが好ましい。さらには、位置決め用反射材14の総面積が、光透過材12の全体面積の1/10以下であるのがより好ましい。
なお、位置決め部材の変形として、位置決め用光反射材(位置決め用反射材14)のかわりに透明フィルムで形成してもよい。透明フィルムを用いると光が減衰して出力が下がるが、位置決め用反射材14のときと同様に、光の透過の妨げにならない程度の面積の透明フィルムであればよい。すなわち、好ましくは透明フィルムの総面積が、光透過材12の全体面積の1/4以下、より好ましくは透明フィルムの総面積が、光透過材12の全体面積の1/10以下にする。透明フィルムは、この発明における位置決め用透明フィルムに相当し、この発明における位置決め部材にも相当する。
位置決め用反射材14の配設の変形として、図4に示すように、光透過材12を構成する部分について、光反射材11と同じ厚さ寸法の位置決め用反射材14を、シンチレータ群10のライトガイド20側の面(シンチレータ群10とライトガイド20とのカップリング面)に配設するとともに、ライトガイド20側とは反対側の面にも配設する。そして、両面に配設された各位置決め用反射材14間に光学接着材13を挟み込む。
このように反対側の面にも位置決め用反射材14を配設することで、シンチレータ群10のライトガイド20側の面に等間隔で並ぶとともに、反対側の面においてもシンチレータ群10が等間隔で並び、シンチレータ1Sが等間隔で、より精度良く並ぶことができる。
この場合においても、位置決め用反射材14は光の透過の妨げにならないように、好ましくは両面における各位置決め用反射材14を合わせた面積、すなわち位置決め用反射材14の総面積が、光透過材12の全体面積の1/4以下、より好ましくは位置決め用反射材14の総面積が、光透過材12の全体面積の1/10以下にする。また、この場合においても、位置決め用反射材14のかわりに透明フィルムで位置決め部材を形成してもよい。
このように、光透過材12を、位置決め用反射材14や透明フィルムのような位置決め部材と、光学接着材とで構成する場合には、位置決め部材を、シンチレータ群10のライトガイド20側の面に等間隔に少なくとも配設すればよい。
図5は、放射線検出器の位置演算回路の構成を示すブロック図である。位置演算回路は、加算器1,2,3,4と位置弁別回路5,6とから構成されている。図5に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するために、光電子増倍管301の出力P1と光電子増倍管303の出力P3とが加算器1に入力されるとともに、光電子増倍管302の出力P2と光電子増倍管304の出力P4とが加算器2に入力される。両加算器1,2の各加算出力(P1+P3)と(P2+P4)とが位置弁別回路5へ入力され、両加算出力に基づきガンマ線のX方向の入射位置が求められる。
同様に、ガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、光電子増倍管301の出力P1と光電子増倍管302の出力P2とが加算器3に入力されるとともに、光電子増倍管303の出力P3と光電子増倍管304の出力P4とが加算器4に入力される。両加算器3,4の各加算出力(P1+P2)と(P3+P4)とが位置弁別回路6へ入力され、両加算出力に基づきガンマ線のY方向の入射位置が求められる。
次に、シンチレータ群10の具体的な構成について、図6を参照して説明する。図6は、シンチレータ群10の格子枠体の斜視図である。すなわち、シンチレータ群10は透明体を主体とし、図6に示すように、その内方には格子枠体50が埋設されている。格子枠体50により形成された各小区画にはシンチレータ1Sがそれぞれ収納されている。格子枠体50は上述した光反射材11や光透過材12などの光学的部材(すなわち短冊51〜53)を格子状に組み合わせて構成されている。
各シンチレータ1S間における光反射材11、およびライトガイド20の光反射材21は、酸化珪素と酸化チタニウムとの多層構造からなるポリエステルフィルム、研磨されたアルミニウム、薄い基板の表面に酸化チタンや硫酸バリウムを塗布したもの、薄い基板の表面に白色テープを貼り付けたもの、薄い平滑な基板の表面にアルミニウムを蒸着したものなどが適用される。
次に、シンチレータ群10の製造方法について、図7を参照して説明する。図7は、格子枠体を構成する光学的部材を分解して斜視的に示した図である。この光学的部材として、前記の光反射材または透明フィルムのいずれか、あるいは両者を組み合わせて使用する。光学的部材は、図5に示すように薄い短冊51〜53に形成され、各々の短冊51〜53にはスリットMが形成されている。このスリットMで互いに組み合わされて格子枠体50が構成されている。なお、短冊53は図2に示す位置決め用反射材14に相当する。この格子枠体50の作成は、この発明における(A)の工程に相当する。
短冊51〜53の外形加工としては、ダイシングカット、レーザカット、刃物によるカット、エッチング、打ち抜きなどいずれの手法を用いてもよい。短冊51〜53が薄板なので容易に精密にカットすることが可能である。
次に、このシンチレータ群10を用いた放射線検出器の製造方法について、図6〜図8を参照して説明する。図8は、放射線検出器の製造に使用される枠台の斜視図である。この製造に際しては、図8に示すように、格子枠体50が収納できる凹部61を有する矩形状の枠台60を準備する。この枠台60の凹部61の内方に、図6に示す格子枠体50が収納される。凹部61は格子枠体50を完全に覆うだけの面積と深さとを有している。なお、完成品としてのシンチレータ(図示省略)を凹部61から容易に取り出せるように、収納前に凹部61の内面に離型剤などを塗布する。枠台60は、この発明における矩形状容器に相当する。なお、枠台60は、離型作用に優れたフッ素樹脂や、フッ素樹脂コーティングが表面に施されたアルミニウムやステンレス鋼などの金属加工品が好ましい。
そして、完全に脱泡された光学的に透明な光学接着材を透明な液体樹脂として枠台60の凹部61の内方に流し込む。流し込んで光学接着材が硬化するまでに、格子枠体50を枠台60内に収納して、その後にシンチレータ1Sを収納する。
ここで、シンチレータ1Sの収納の際に、枠台60から光学接着材があふれてくることがあるが、その都度、拭き取りながら収納作業を行えばよい。すべてのシンチレータ1Sを収納すれば、さらに上方から透明な光学接着材を滴下して、シンチレータ1Sと格子枠体50との隙間やシンチレータ1S同士の隙間に滴下された光学接着材が完全に充填されるように、真空脱泡を行う。このときに、図2に示す光学接着材13も形成される。光学接着材が硬化した後に、格子枠体60と光学接着材とが硬化樹脂体として一体化される。これを取り出して外形を整えるなどの切削および研磨を行うことで、図1、図2に示すようなシンチレータ群10ができる。光学接着材の流し込みまでは、この発明における(B)の工程に相当し、シンチレータ1Sの収納までは、この発明における(C)の工程に相当し、外形を整えるまでは、この発明における(D)の工程に相当する。光学接着材は、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤などが好ましい。
なお、脱泡された光学接着材を流し込むことで、硬化した樹脂内に空隙ができるのを防止することができるとともに、空隙による分解能の低下を防止することができる。なお、脱泡の方法は、脱泡された光学接着材を流し込むのに限定されず、真空脱気可能な空間(例えばチャンバ)内に枠台60を収納した後に、真空脱気しながら光学接着材を流し込んでもよい。また、枠台60の凹部61に光学接着材を流し込んだ後で、それが硬化する前までに格子枠体50を収納したが、枠台60の凹部61に格子枠体50を収納した後に、光学接着材を流し込んで硬化してもよい。
このようにして製造されたシンチレータ群10を、図1、図2に示すカップリング接着材15によってライトガイド20と光学的に結合させ、シンチレータ群10とライトガイド20とが光学的に結合したものを、図1、図2に示すカップリング接着材16によって光電子増倍管301〜304と光学的に結合させて放射線検出器RDAを製造する。これによって高分解能の放射線検出器RDAを簡易に実現することができる。例えば、シンチレータ1Sの断面が小さいものでも、上記した製造方法により形状精度が高い。また、光反射材11の厚さや角度が自由に選べ、シンチレータ1Sと光反射材11との間やシンチレータ1S同士間には透明な光学接着材が充填されており反射効率が劣化することもない。また、部品数を最小限にすることができる。また、ダイシングソーやワイヤーソーといった切断を行うことなく光学的部材をシンチレータ群10内に配設することができ、加工精度の高い放射線検出器RDAを実現することができる。
また、格子枠体50については設計どおりに比較的に作成しやすいので、この格子枠体50によって形成された小区画についても設計どおりに形成されやすく、その小区画の各々のシンチレータ1Sについても設計どおりに形成されやすくなる。したがって、シンチレータ1Sと、シンチレータ1S間に介在する光反射材11や光透過材12との間で隙間が生じにくくなり、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持することが可能である。
また、光透過材12を光学接着材13と位置決め用反射材14とで構成し、位置決め用反射材14を等間隔にそれぞれ配設することで、シンチレータ群10のライトガイド20側の面には、位置決め用反射材14によってシンチレータ1Sが等間隔で並び、弁別能力がより一層向上する。
かかる高分解能で高画質の放射線検出器RDAを、PET装置やSPECT装置などの診断装置に用いると、その装置によって得られる画像も高画質なものとなる。例えば、関心部位が腫瘍の場合でも、その腫瘍が画像上に正確に出力されやすくなる。なお、シンチレータ1Sの間隔が2.5mmの場合では、視野中心部で直径3.0mm程度の腫瘍を正確に出力することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、ガンマ線を検出する放射線検出器であったが、ガンマ線以外の放射線、例えばX線を検出する検出器に適用してもよい。
(2)上述した実施例では、シンチレータ群10を構成する光学的部材として光反射材11および光透過材12を用いたが、光反射材11のみでもよい。光透過材12を用いない場合には、必ずしも光透過材12を位置決め部材と光学接着材とで構成する必要はない。
(3)上述した実施例では、完成品としてのシンチレータ群を枠台60から容易に取り出すために、離型剤を塗布してから液体樹脂を流し込んだが、離型剤を必ずしも塗布する必要はない。
(4)上述した実施例では、液体樹脂として光学接着材を流し込んだが、光学接着材以外の液体樹脂を流し込んでシンチレータ群10を製造してもよい。
(5)上述した実施例では、シンチレータ1Sと格子枠体50との隙間やシンチレータ1S同士の隙間に滴下された光学接着材が完全に充填されるように、枠台60の上方から透明な光学接着材を滴下したが、滴下しなくともシンチレータ1Sと格子枠体50との隙間やシンチレータ1S同士の隙間に充填されるのならば、必ずしも光学接着材を滴下する必要はない。
(6)上述した実施例では、液体樹脂を流し込む際にその液体樹脂を脱泡したが、必ずしも脱泡する必要はない。
以上のように、この発明は、PET装置やSPECT装置などの医用診断装置に適している。
この発明の一実施例に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図である。 放射線検出器をX方向からみたY方向の外観図である。 光学接着材のみで光透過材を構成した場合での放射線検出器をX方向からみたY方向の外観図である。 変形例に係る放射線検出器をX方向からみたY方向の外観図である。 放射線検出器の位置演算回路の構成を示すブロック図である。 ライトガイドの格子枠体の斜視図である。 格子枠体を構成する光学的部材を分解して斜視的に示した図である。 放射線検出器の製造に使用される枠台の斜視図である。 従来例の放射線検出器を示す外観図である。 従来例の放射線検出器における図9の100−100面の断面図である。
符号の説明
RDA … 放射線検出器
10、SA … シンチレータ群
1S、S … シンチレータ
11、DA … 光反射材
12 … 光透過材
13 … 光学接着材
14 … 位置決め用反射材
20、LA … ライトガイド
21 … 光反射材
301、302、303、304 … 光電子増倍管
50 … 格子枠体
51、52、53 … 短冊
60 … 枠台

Claims (2)

  1. 2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの数よりも少ない複数の光電子増倍管とを備えた放射線検出器の製造方法において、前記シンチレータ群を、(A)複数の板状の光学的部材を格子状に組み合わせて格子枠体を作成する工程と、(B)この格子枠体が収容可能な矩形状容器に格子枠体を収納する前あるいは収納した後に、その矩形状容器に透明な液体樹脂を流し込む工程と、(C)格子枠体を矩形状容器に収納して、かつ前記液体樹脂を矩形状容器に流し込んだ後に、シンチレータを矩形状容器に収納する工程と、(D)硬化した液体樹脂と格子枠体とシンチレータとが一体化した硬化樹脂体を矩形状容器から取り出して外形を整えてシンチレータ群とする工程とを経て製造することを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器の製造方法において、各々の前記シンチレータ間に介在する前記光学的部材は、シンチレータ群のライトガイド側に等間隔に配設された位置決め部材と、前記シンチレータ間の当該位置決め部材以外の部分に配設された、光を透過させる光学接着材とで構成されており、前記位置決め部材は、反射材または透明フィルムであることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
JP2008242868A 2008-09-22 2008-09-22 放射線検出器の製造方法 Expired - Fee Related JP4502056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242868A JP4502056B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 放射線検出器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242868A JP4502056B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 放射線検出器の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004092077A Division JP4305241B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 放射線検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009031304A JP2009031304A (ja) 2009-02-12
JP4502056B2 true JP4502056B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=40401917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008242868A Expired - Fee Related JP4502056B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 放射線検出器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4502056B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL388555A1 (pl) * 2009-07-16 2011-01-17 Uniwersytet Jagielloński Urządzenie paskowe i sposób do wyznaczania miejsca i czasu reakcji kwantów gamma oraz zastosowanie urządzenie do wyznaczania miejsca i czasu reakcji kwantów gamma w emisyjnej tomografii pozytonowej
JPWO2015052977A1 (ja) * 2013-10-07 2017-03-09 株式会社島津製作所 放射線検出器および放射線検出器の製造方法
CN109864752B (zh) 2018-07-17 2021-06-01 山东麦德盈华科技有限公司 一种整体全角度符合脑部pet探测器及整体设备
CN109856664B (zh) * 2018-12-04 2020-12-01 山东麦德盈华科技有限公司 一种部分光导不切割的pet探测器

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148148A (ja) * 1993-11-29 1995-06-13 Toshiba Corp X線ct装置用の2次元アレイ型放射線検出器
JPH11304928A (ja) * 1998-04-16 1999-11-05 Nippon Kessho Kogaku Kk セパレーター付きシンチレータアレイの作製方法
JP2003248059A (ja) * 2002-02-27 2003-09-05 Shinozaki Seisakusho:Kk 光学フィルムの介装方法及び光学セルブロック
JP2004245592A (ja) * 2003-02-10 2004-09-02 Shimadzu Corp 放射線検出器
US20040232342A1 (en) * 2003-05-20 2004-11-25 Cti Pet Systems, Inc. Grid array having graduated reflector walls
JP2005037363A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Shimadzu Corp 放射線検出器およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148148A (ja) * 1993-11-29 1995-06-13 Toshiba Corp X線ct装置用の2次元アレイ型放射線検出器
JPH11304928A (ja) * 1998-04-16 1999-11-05 Nippon Kessho Kogaku Kk セパレーター付きシンチレータアレイの作製方法
JP2003248059A (ja) * 2002-02-27 2003-09-05 Shinozaki Seisakusho:Kk 光学フィルムの介装方法及び光学セルブロック
JP2004245592A (ja) * 2003-02-10 2004-09-02 Shimadzu Corp 放射線検出器
US20040232342A1 (en) * 2003-05-20 2004-11-25 Cti Pet Systems, Inc. Grid array having graduated reflector walls
JP2005037363A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Shimadzu Corp 放射線検出器およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009031304A (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4305241B2 (ja) 放射線検出器
JP4525123B2 (ja) 放射線検出器およびその製造方法
RU2476906C2 (ru) Компоновка отражателя и коллиматора света для улучшенного накопления света в сцинтилляционных детекторах
JP4710975B2 (ja) 放射線検出器の製造方法
US7138638B2 (en) Edge effects treatment for crystals
EP2411838B1 (en) Method to optimize the light extraction from scintillator crystals in a solid-state detector
JP2007078567A (ja) 放射線検出器およびその製造方法
JP5099792B2 (ja) 放射線検出方法、装置、及び、陽電子放射断層撮像装置
US8842809B2 (en) Method and apparatus for X-ray radiographic imaging
US20040232342A1 (en) Grid array having graduated reflector walls
JP2009128339A (ja) 放射線検出器
JP2008510131A (ja) シンチレータおよび抗散乱グリッドの配置
JP4737292B2 (ja) 核医学診断装置
JP4502056B2 (ja) 放射線検出器の製造方法
JP4110994B2 (ja) 放射線検出器
JP2007101191A (ja) 放射線検出器
JP2004233240A (ja) 放射線検出器
JP3950964B2 (ja) 強磁場内作動型放射線位置検出器
WO2015056025A1 (en) Scintillating optical fiber
JP2004354343A (ja) 放射線検出器
CN114076974A (zh) 单光子发射断层成像装置
JP2004361302A (ja) 放射線検出器

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100412

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4502056

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees