JP2004361303A - 放射線検出器 - Google Patents

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Hiromichi Tonami
寛道 戸波
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Abstract

【課題】2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群と、このシンチレータ群に対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータ群の本数よりも少ない複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器において、いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持することが可能な放射線検出器を提供する。
【解決手段】複数本のシンチレータSを密着配置したシンチレータ群S1から光電子増倍管K1との間に介在される透明板T1内に光電子増倍管K1側へ射出される光を止める光ストッパを設ける。具体的には反射材または遮光材が設けられた傾斜面を有する格子枠体が内設される。したがって光電子増倍管K1への光は側管P1へ入射されず、すべて光電面C1へ入射される。したがって、いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)からの放出された放射線(ガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層像を得るための装置、例えばポジトロンCT装置やシングルフォトンECT装置などに用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の放射線検出器は基本的には、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータと、このシンチレータの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管とから構成されている。従来における放射線検出器は、シンチレータと光電子増倍管とが一対一に対応するものがあるが、近年、複数のシンチレータに対して、それよりも個数の少ない光電子増倍管を光学的に結合し、これらの光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定するという方式を採用することによって、分解能を高める開発が進められている。そこで、従来ではシンチレータを複数個の光電子増倍管に適正に分配するための構造を備えた種々の放射線検出器が提案されている(たとえば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
以下、これら従来の技術を図9から図11にしたがって説明する。
まず第1の従来例は特公平6−95146号公報に示される例で、その構成は図9に示すとおりである。この放射線検出器RDAは、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットMAによって区画されたシンチレータ群SA(図9では25個の例が図示されている)と、このシンチレータ群SAに光学的に結合される光反射材もしくは光遮蔽部材により奥行きの異なる小区画を画定しているライトガイドLAと、ライトガイドLAに光学的に結合される4個の光電子増倍管KA(図9では3個のみが図示されている)とから構成されている。この放射線検出器RDAでは、ライトガイドLA内の各スリットmAの長さが内側から外側へなるにしたがい、長くなるように設定されてガンマ線の入射位置を弁別している。TAはライトガイドLAと光電子増倍管KAとの間に介在された透明板である。
【0004】
つぎに第2の従来例を説明する。この従来例も特公平6−95146に示される例で、その構成は図10に示すとおりである。この放射線検出器RDBでは、光反射材もしくは光遮蔽材が埋め込まれた多数のスリットMBによって区画されたシンチレータ群SBと、このシンチレータ群SBに光学的に結合される4個の光電子増倍管KB(図10では3個のみが図示されている)とから構成されている。この放射線検出器RDBは、シンチレータ群SB内の各スリットMBの長さを内側から外側になるに従って長くなるように設定され、ガンマ線の入射位置を弁別している。TBはシンチレータ群SBと光電子増倍管KBとの間に介在された透明板である。
【0005】
つぎに第3の従来例を説明する。この従来例は特許第2565278号に示される例で、その構成は図11に示すとおりである。この放射線検出器RDCでは、シンチレータSSが対向する面の所要領域に光学的反射材を被着されたシンチレータ群SCと、このシンチレータ群SCに光学的に結合される4個の光電子増倍管KC(図11では3個のみが図示されている)とから構成されている。TCはシンチレータ群SCと光電子増倍管KCとの間に介在された透明板である。この放射線検出器RDCは、シンチレータ群SC内に反射材RCが被着される面積を各シンチレータSSの配列順序に関連して変化させて設定することによって、ガンマ線の入射位置を弁別するようになっている。
【0006】
以上説明した従来の放射線検出器RDA、RDB、RDCにおいて使用されている光電子増倍管KA、KB、KCは、図9〜図11に示すように容器の構造をなしている。すなわち、外観的には上方端には光電面(図示せず)が設けられ、側方周囲はガラス製の側管PA、PB、PCを有し、内方が排気された真空管を構成している。そして、この真空管内部には透明板TA、TB、TCの下面側に面接合する光電面(図示せず)及び光電子を増倍するための電極(図示せず)が多段状に配設されている。下方端には真空導入端子(図示せず)が植設されていて真空管内部への電力供給と外部へ信号取出しができるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特公平6−95146号公報
【特許文献2】
特許2565278号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上詳述したそれぞれの従来技術においてはつぎのような問題を有している。すなわち、近年では高感度なシンチレータを使用した高分解能の放射線検出器が提案されており、旧来のものに比べてシンチレータ群SA〜SCの個数が非常に多い形のものとなっている。他方、コストを抑えるため光電子増倍管KA〜KCは旧来と同様のものを使用しなければならないという要求がある。したがって1個のシンチレータの断面は従来のものよりもが小さいものとなる。
【0009】
このような条件のもとでは、図9、10、11に示すように特にライトガイドLA(もしくは図10、図11の例ではシンチレータSBとSC)の最外周端部は、透明板TA〜TCをはさんで側管PA〜PCに対向している。したがって、ライトガイドLA(もしくはシンチレータSBとSC)の最外周端部から光電子増倍管KA〜KC側へ射出される光はその多くが側管PA〜PCの上端面へ射出(逃光)することになる。このような現象が起こると、最外周端部近傍に入射するガンマ線における出力が極端に低下し正確に位置弁別できなくなり、全体の画質を劣化させることになる。
この発明はこのような問題点を解決する放射線検出器を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明が第1に提供する放射線検出器は、上記課題を解決するために、複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群に対して光学的に結合され光を案内するライトガイドと、前記シンチレータからの光を電気信号に変換する光電子増倍管を前記シンチレータの個数より少なくして前記ライトガイドに対して光学的に結合された放射線検出器において、前記ライトガイドからのすべての光を前記光電子増倍管に入射させる手段を設けたものである。
【0011】
このすべての光を光電子増倍管に入射させる手段は、具体的にはライトガイドと光電子増倍管との間に介在される透明板に設けられ、ライトガイドからの光が前記光電子増倍管の側管に入射させるのを阻止する光ストッパで構成する。さらにこの光ストッパはライトガイドから光電子増倍管に入射する光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、ライトガイドからの光がこの傾斜面によって光電子増倍管の方向に反射される枠体として構成される。そしてさらにこの光ストッパの傾斜面には反射鏡が形成される。
【0012】
さらに本発明が第2に提供する放射線検出器は、複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して透明板を介して光学的に結合され、前記シンチレータ群からの光を電気信号に変換する光電子増倍管であってかつ前記シンチレータの本数よりも少ない個数の光電子増倍管を備えた放射線検出器において、前記シンチレータ群から前記光電子増倍管へ射出されるすべての光を前記光電子増倍管に入射できるようにしたものである。具体的には、側管へ入射するのを阻止する光ストッパで構成し、これを前記透明板内に設置する。この光ストッパはシンチレータ群から光電子増倍管に入射する光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、シンチレータ群からの光がこの傾斜面によって光電子増倍管の方向に反射される枠体として構成される。なお、具体的には光ストッパの傾斜面には反射鏡が形成される。
【0013】
したがって、この放射線検出器では複数本のシンチレータすなわちシンチレータ群内にガンマ線が入射して発光するとその光はすべて各光電子増倍管へ入射する。1個の光電子増倍管に入射する光量はガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように光反射材もしくは光遮蔽部材による奥行きが調節されている。その際、最外周端部近傍に入射するガンマ線であっても、光電子増倍管の面板の中に光反射材もしくは光遮蔽材が設けられているため、シンチレータ群から光電子増倍管へ射出される光は光電子増倍管の側管へ入射することはなくすべて光電面へ入射させることができる。そして、しかも光ストッパによって光はすべて光電面へ入射される。
【0014】
さらに本発明が第3に提供する放射線検出器は、対向する面の所要領域に光学的反射材が設けられた複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群からの光を受けて電気信号に変換する光電子増倍管との組み合わせからなる放射線検出器において、シンチレータ群からの光をすべて光電子増倍管へ入射させるようにしたものである。具体的には、このシンチレータ群と光電子増倍管との間に介在された透明板に光ストッパを設けたものである。この放射線検出器では、光電子増倍管の側管に入射しようとする光を光電子増倍管の内方に入射させる反射面が光ストッパとして配置されている。したがって、ガンマ線の入射によって発光した光は反射材が塗布されていない境界面を通って互いに隣接するシンチレータに入射すると分散し、さらに隣接するシンチレータに入射する。各シンチレータの対向する面に塗布されている反射材の面積は、各シンチレータの配列順序に関連して変化させ、隣接するシンチレータに入射する光量が、ガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化する。光電子増倍管の出力比は、ガンマ線の入射位置に応じて変化する。このような特徴が生かされ、かつ各光電子増倍管の上部における透明板に光反射材もしくは光遮蔽材からなる光ストッパが設けられているため、光は光電子増倍管の側管へ入射されることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が提供する放射線検出器の構成を、3個の実施例について詳細に説明する。
【0016】
第1実施例
この第1実施例は図1にその外観が示されており、以下この図1にしたがって放射線検出器RD1の構成を説明する。なお図2はこの第1実施例の放射線検出器RD1を図1のA−A面で断面して示す図である。
この実施例に係る放射線検出器RD1は、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットM1によって区画されX方向に10個のシンチレータS(両端のみ符号を付して示す)と、Y方向にも10個シンチレータS(同じく両端のみ符号を付して示す)の合計100個のシンチレータSを2次元的に密着配置したシンチレータ群S1と、このシンチレータ群S1に光学的に結合され、光反射材または光遮蔽部材(ともに図示せず)が埋め込まれた多数のスリットm1により奥行きの異なる小区画を画定しているライトガイドL1と、このライトガイドL1に光学的に結合される4個の光電子増倍管K1(3個が図示され左方奥のものは図示されていない)とから構成されている。
【0017】
このシンチレータ群S1は、たとえばBGO、GSO、LSOあるいはルテチゥムセシュウム、酸化シリコン、ヨウ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化バリウム、フッ化セシウムなどの無機結晶体が用いられる。またこの放射線検出器RD1では、ライトガイドL1内の各スリットm1の長さは内側から外側になるにしたがって長く設定されている。光反射材もしくは光遮蔽部材としては、例えば硫酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミニウム、フッ素樹脂、酸化シリコンと酸化チタニウムの多層膜構造のポリエステルフィルムなどが用いられる。
【0018】
さて、本発明の特徴はシンチレータ群S1から発光された光が光電子増倍管K1に効率よく入射されるように構成されている点にあるが、この構成は図2に明らかにされている。すなわち、図2に示すようにライトガイドL1と光電子増倍管K1との間には透明板T1が介設されている。そして、この透明板T1の下面に光電子増倍管K1の光電面C1が面接している。各光電子増倍管K1は有底形の容器をなし、真空排気されて真空であり、かつ図示していないが内部には光電子を反射の繰り返しで増倍していく電極が多段状態に配設されている。また、有底部には端子t1が埋め込まれ突設されていて、電力の供給と信号の取り出しが可能になっている。
このように各光電子増倍管K1は、有底形の密閉容器をなし、そのために周囲には一定の厚さを有する側管部(本発明では以下単に側管という)を有している。本発明はこの側管P1にライトガイドL1からの光が入射しないように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
この具体的な構成の説明をするにあたり、まず図2に示すようにガンマ線が入射されたときの機能を説明する。図2においては、シンチレータ群S1に入射された3個のガンマ線を示しているが、これらガンマ線の入射により発光された光の放射状況を示している。そしてライトガイドL1と光電子増倍管K1に導かれた光は可視光に変換されるが、その際、X方向に配列された光電子増倍管K1とY方向に配列された光電子増倍管K1との出力比が一定の割合で変化するようにライトガイドL1の各スリットの長さが設定されている。より具体的にはX方向の2個の光電子増倍管K1のそれぞれの出力をD1、D2とすると、計算値(D1−D2)/(D1+D2)がX方向に配置されている各シンチレータ群S1の位置に応じて一定の割合で変化するように設定されている。
【0020】
一方、Y方向に配列されたシンチレータ群S1の場合も同様に、光学的に結合されるライトガイドL1を通して4個の光電子増倍管K1へ光が導かれるが、Y方向に配列された2個の光電子増倍管のそれぞれの出力比が一定の割合で変化するように、ライトガイドL1の各スリットm1の長さが設定されている。
なお、各シンチレータSにおいて、それぞれ対向していないシンチレータSの外表面は、光電子増倍管K1との光学結合面を除き反射材(図示せず)で覆われている。
【0021】
図3は4個の光電子増倍管K1の出力に基づいて、ガンマ線の入射位置を検出する位置検出部(図示せず)の概略構成を示したブロック図である。この図3に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するため、X方向の一方の光電子増倍管K1の出力D1と他方の光電子増倍管K1の出力D2とが加算器1に入力される。さらに他列の一方の光電子増倍管K1の出力D3と他方の光電子増倍管K1の出力D4とが加算器2に入力される。両加算器1、2の各加算出力D1+D2とD3+D4とが位置弁別回路5へ入力され、両加算出力に基づいて、ガンマ線のX方向の入射位置が求められる。
【0022】
同様にガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、この方向列の一方の光電子増倍管K1の出力D1と他方の光電子増倍管K1の出力D3とが加算器3に入力されるとともに、他列の一方の光電子増倍管K1の出力D2と他方の光電子増倍管K1の出力D4とが加算器4に入力される。両加算器3、4による各加算出力D1+D2とD3+D4とが位置弁別回路6へ入力され、両加算出力に基づいて、ガンマ線のY方向の入射位置が求められる。本発明が提供する放射線検出器RD1は、以上詳述したとおり機能してガンマ線の位置検出を行うが、シンチレータ群S1からからの光をすべて光電子増倍管K1に導くことができるものであり、したがって上記計算式からも明らかなように位置検出の分解能を高めることになる。
【0023】
さて本発明はライトガイドL1からの光をすべて光電子増倍管に入射させる手段を設けたものである。以下、この点について詳述する。すなわち、ライトガイドL1の最外周端部は、各光電子増倍管K1と光学的に結合される面が透明板T1をはさんで側管P1に位置し光電面C1の最外周端部より外方に偏位している。この状態ではライトガイドL1からの光が側管P1へ入射されることになる。そこで本発明はこの透明板T1の内方に光ストッパを設けたものである。この光ストッパの設置によってライトガイドL1から各光電子増倍管K1側へ射出される光は、側管P1へは入射されずすべて光電面C1へ入射される。
【0024】
この光ストッパの具体的な構成は、たとえば図4に示すような井桁構造の格子枠体R1で構成される。この格子枠体R1が透明板T1の内方に封入埋設されている。この格子枠体R1としては、製造工程を容易にすることから、透明板の材質(一般にはガラス)に近い熱膨張係数をもつモリブデン、タングステン、コバール等が使用される。そしてこの格子枠体R1の傾斜面RFは光反射材もしくは光遮蔽材であることが必要である。望ましくは分解能を高める上で光反射材が良い。反射効率を上げるためには表面が鏡面のように研磨された反射面を設けるのが最適である。
【0025】
以上のように構成された放射線検出器RD1ではライトガイドL1から光電子増倍管K1側へ射出される光は、側管P1へ射出されることはなくすべて光電面C1へ入射される。したがって、いかなる場所にガンマ線が入射してもすべての光が光電子増倍管K1に入射されることになり、出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持することが可能である。
【0026】
第2実施例
つぎに本発明が第2に提供する放射線検出器RD2について説明する。図5はこの本発明に係る放射線検出器RD2の一実施例の外観を斜視的に示す図であり、図6は図5のA−A面からみた縦断面図である。
この放射線検出器RD2は、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットM2によって奥行きの異なる小区画を画定され、X方向に配列された10個のシンチレータS(両端のみ符号を付し中間は符号を省略)と、Y方向に配列された10個のシンチレータS(両端のみ符号を付し中間は符号を省略)の合計100個のシンチレータSを2次元的に密着配置したシンチレータ群S2と、このシンチレータ群S2に光学的に結合される4個(図面では3個が示されている)の光電子増倍管K2とから構成されている。
【0027】
図6の縦断面図に示すように、例えばX方向に配列されたシンチレータSに入射するガンマ線は可視光に変換され、この光は光学的に結合された各光電子増倍管K2へ導かれるが、その際、X方向に配列された一方の光電子増倍管K2と他方の光電子増倍管K2の出力比が一定の割合で変化するように、シンチレータ群S2の各スリットM2の長さが設定されている。より具体的にはX方向の一方の光電子増倍管K2の出力をD1、他方の光電子増倍管K2の出力をD2とすると、計算値(D1−D2)/(D1+D2)がX方向のシンチレータK2の位置に応じて一定の割合で変化するように設定されている。
【0028】
一方、Y方向に配列されたシンチレータSの場合もX方向と同様に、光学的に結合される各光電子増倍管K2へ光が導かれるが、Y方向に配列された一方の光電子増倍管K2と他方の光電子増倍管K2の出力比が一定の割合で変化するように、シンチレータ群S2の各スリットM2の長さが設定されている。
なお、各シンチレータSにおいて、それぞれ対向していないシンチレータSの外表面は、光電子増倍管K2との光学結合面を除き反射材(図示せず)で覆われている。
【0029】
さて、以上の構成において放射線検出器RD2には、シンチレータ群S2と光電子増倍管K2との間に介在された透明板T2の内方に光ストッパを設けられている。この光ストッパは本発明が第1に提供する放射線検出器RD1に示す実施例と同様、格子枠体R2が使用される。この格子枠体R2の形状は図4と同一である。各傾斜面RFには反射面が設けられ、あるいは光遮断材が付設される。したがって、シンチレータ群S2から光電子増倍管側へ射出される光は図6に示すように側管P2へ射出されるものはなくすべて光電面C2へ入射される。
以上詳述したように、放射線検出器RD2においてもシンチレータ群S2から光電子増倍管K2側へ射出される光は、側管P2へ射出されず、すべて光電面C2へ入射され、いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはない。
【0030】
第3実施例
つぎに本発明が第3に提供する放射線検出器RD3について説明する。図7はこの発明に係る放射線検出器RD3の一実施例の外観を斜視的に示す図、図8は図7のA−A面からみた縦断面図である。
この放射線検出器RD3は、X方向に配列された10個のシンチレータS(両端のみ符号を付している)と、Y方向に配列された10個のシンチレータS(両端のみ符号を付している)の合計100個のシンチレータSを2次元的に密着配置したシンチレータ群S3と、このシンチレータ群S3に光学的にすなわち透明板T3を介して結合された4個の光電子増倍管K3とから構成されている。
【0031】
図8の縦断面図に示すように、例えばX方向に配列された各シンチレータSは互いに対向する面に反射材RMを塗布する部分と塗布しない部分とを有し、これらの割合は、X方向に配列された一方の光電子増倍管K3と他方の光電子増倍管K3の出力比が一定の割合で変化するように実験的に設定される。より具体的には一方の光電子増倍管K3の出力をD1、他方の光電子増倍管K3の出力をD2とすると、計算値(D1−D2)/(D1+D2)が各シンチレータSの位置に応じて一定の割合で変化するように反射材RMの塗布面積が設定されている。
【0032】
一方、Y方向に配列された各シンチレータSの場合もX方向に配列された各シンチレータSと同様に、Y方向に配列された一方の光電子増倍管K3と他方の光電子増倍管K3の出力比が一定の割合で変化するように、各シンチレータSの対向面に反射材RMを適宜な割合で被着されている。
各シンチレータSの対向面に所要の面積で反射材RMを被着する手法は種々あげられるが、たとえば硫酸バリウムなどの粉末をバインダーとなる合成樹脂に混ぜ合わせた反射材塗料を作成し、シンチレータSの対向面に所要の領域が開口したマスクをあてがい、その上からスプレーで前記反射材塗料を塗布し乾燥させることによって完成させる方法がある。この手法は容易に作成できる利点がある。なお、各シンチレータSが対向していない側の外表面は、光電子増倍管K3との光学結合面を除き反射材(図示せず)で覆われている。
【0033】
以上の構成において、放射線検出器RD3には、シンチレータ群S3の数が非常に多いのに対して1個のシンチレータSの断面が小さくなるという問題を解決するために透明板T3の内方に光ストッパが設けられている。この光ストッパとしては、前記格子枠体R1と同様な格子枠体R3を使用する。この格子枠体R3の傾斜面RFには反射材が設けられ、あるいは光遮断材が設けられる。したがって、シンチレータ群S3から光電子増倍管K3へ射出される光は側管P3へ射出されることはなく、すべて光電面C3へ入射される。
【0034】
以上詳述したように放射線検出器RD3においてもシンチレータ群S3から光電子増倍管K3の側へ射出される光は側管P3へ射出されず、すべて光電面C3へ入射させることができ、いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはない。
本発明が提供する放射線検出器の特徴は以上詳述したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく、種々の変形例を挙げることができる。特に本発明の要部である光ストッパの構成については、図示例のような格子枠体R1〜R3に限定されるものではない。透明板(ガラス板)の内方に傾斜した膜状の反射層ないし遮光層を形成する例も挙げられる。さらに透明板を介在させないで、空間を設け、この空間域に格子枠体R1〜R3のような光ストッパを介在させる実施例を挙げることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、発明によれば、2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群S1〜S3と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータSの本数よりも少ない複数本の光電子増倍管K1〜K3を備えた放射線検出器RD1〜RD3において、シンチレータ群S1〜S3と光電子増倍管K1〜K3との間に透明板に光ストッパ(光反射材または光遮断材)が設置されており、前記光電子増倍管K1〜K3へ射出される光は光電子増倍管K1〜K3の側管P1〜P3へ射出されることはなくなり、すべて光電面C1〜C3へ入射する。特に光ストッパを反射材で構成した場合、いかなる場所にガンマ線が入射してもすべての光が各光電子増倍管K1〜K3に入射され出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る放射線検出器の縦断面を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る放射線検出器の位置検出回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の要部に係る光ストッパの構成を斜視的に示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る放射線検出器の縦断面を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る放射線検出器の縦断面を示す図である。
【図9】従来における放射線検出器の第1の例を示す図である。
【図10】従来における放射線検出器の第2の例を示す図である。
【図11】従来における放射線検出器の第3の例を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 加算器
5、6 位置弁別回路
S1、S2、S3 シンチレータ群
S シンチレータ
M1、M2、M3、m1 スリット
T1、T2、T3 透明板
C1、C2、C3 光電面
K1、K2、K3 光電子増倍管
KA、KB、KC 光電子増倍管
L1 ライトガイド
P1、P2、P3 側管
PA、PB、PC 側管
R1、R2、R3 格子枠体
RF 傾斜面
RF 反射材
RD1、RD2、RD3 放射線検出器
RDA、RDB、RDC 放射線検出器
SA、SB、SC シンチレータ群
SS シンチレータ
TA、TB、TC 透明板
MA、MB、MC、mA スリット

Claims (12)

  1. 複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群に対して光学的に結合され光を案内するライトガイドと、前記シンチレータ群からの光を電気信号に変換する光電子増倍管を前記シンチレータ群の個数より少なくして前記ライトガイドに対して光学的に結合させた放射線検出器において、前記ライトガイドからのすべての光を前記光電子増倍管に入射させる手段を設けたことを特徴とする放射線検出器。
  2. 光反射材または光遮蔽材が埋設されたスリットによって区画された複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群に対して光学的に結合され、シンチレータ群からの光を電気信号に変換する光電子増倍管を前記シンチレータ群の個数より少なくして光学的に結合された放射線検出器において、前記シンチレータ群からのすべての光を前記光電子増倍管に入射させる手段を設けたことを特徴とする放射線検出器。
  3. 対向する面の所要領域に光学的反射材が設けられた複数本のシンチレータが2次元的に密着配置され入射した放射線によって発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群に対して光学的に結合され、シンチレータ群からの光を電気信号に変換する光電子増倍管を前記シンチレータ群の個数より少なくして光学的に結合させた放射線検出器において、前記シンチレータ群からのすべての光を前記光電子増倍管に入射させる手段を設けたことを特徴とする放射線検出器。
  4. ライトガイドからのすべての光を光電子増倍管に入射させる手段を、ライトガイドと光電子増倍管との間に介在され、ライトガイドからの光が前記光電子増倍管の側管に入射させるのを阻止する光ストッパで構成したことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  5. 光ストッパはライトガイドから光電子増倍管に入射する光軸に対して傾斜した傾斜面を有する格子枠体で構成し、ライトガイドからの光がこの傾斜面によって光電子増倍管の方向に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の放射線検出器。
  6. 光ストッパの傾斜面には反射面が形成され、ライトガイドからの光がこの反射面によって光電子増倍管に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の放射線検出器。
  7. シンチレータ群からのすべての光を光電子増倍管に入射させる手段を、シンチレータ群と光電子増倍管との間に介在され、シンチレータ群からの光が前記光電子増倍管の側管に入射させるのを阻止する光ストッパで構成したことを特徴とする請求項2記載の放射線検出器。
  8. 光ストッパはシンチレータ群から光電子増倍管に入射する光軸に対して傾斜した傾斜面を有する格子枠体で構成し、シンチレータ群からの光がこの傾斜面によって光電子増倍管の方向に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の放射線検出器。
  9. 光ストッパの傾斜面には反射面が形成され、シンチレータ群からの光がこの反射面によって光電子増倍管に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の放射線検出器。
  10. シンチレータ群からのすべての光を光電子増倍管に入射させる手段を、シンチレータ群と光電子増倍管との間に介在され、シンチレータ群からの光が前記光電子増倍管の側管に入射させるのを阻止する光ストッパで構成したことを特徴とする請求項3記載の放射線検出器。
  11. 光ストッパはシンチレータ群から光電子増倍管に入射する光軸に対して傾斜した傾斜面を有する格子枠体で構成し、シンチレータ群からの光がこの傾斜面によって光電子増倍管の方向に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の放射線検出器。
  12. 光ストッパの傾斜面には反射面が形成され、シンチレータ群からの光がこの反射面によって光電子増倍管に反射されるように構成されていることを特徴とする請求項11記載の放射線検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013152160A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Canon Inc 放射線撮像装置及び放射線撮像システム
CN104049270A (zh) * 2013-11-22 2014-09-17 沈阳东软医疗系统有限公司 一种光导及其制备方法、辐射探测器
WO2019019449A1 (zh) * 2017-07-28 2019-01-31 苏州瑞派宁科技有限公司 一种核探测器

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