JP2004354343A - 放射線検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】2次元的に密着配置され入射されたガンマ線により発光する複数本のシンチレータ群からの光がライトガイドを経てシンチレータの本数よりも少ない複数本の光電子増倍管に入射される放射線検出器であって、いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下せず高分解能な放射線検出器を提供する。
【解決手段】本発明の放射線検出器におけるライトガイドL1は、シンチレータ群S1からの光入力面LF1はシンチレータ群S1の光出力面の大きさに整合するよう設定されるとともに、光電子増倍管K1、K2との結合面である光出力面LF2は光電子増倍管K1、K2の光電面と光学的に結合する外周の領域に整合する大きさに設定されている。したがって、シンチレータSのいかなる場所にガンマ線が入射しても正確に位置弁別できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の放射線検出器におけるライトガイドL1は、シンチレータ群S1からの光入力面LF1はシンチレータ群S1の光出力面の大きさに整合するよう設定されるとともに、光電子増倍管K1、K2との結合面である光出力面LF2は光電子増倍管K1、K2の光電面と光学的に結合する外周の領域に整合する大きさに設定されている。したがって、シンチレータSのいかなる場所にガンマ線が入射しても正確に位置弁別できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)からの放出された放射線(ガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層像を得るための装置、例えばポジトロンCT装置やシングルフォトンECT装置などに用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の放射線検出器は、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群と光学的に結合され光を案内するライトガイドと、このライトガイドと光学的に結合されライトガイドからの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管とから構成されている。このような放射線検出器では、従来、シンチレータと光電子増倍管とが一対一に対応するものがあったが、近年、複数のシンチレータにそれよりも少ない数の光電子増倍管を結合し、これらの光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定するという方式を採用することによって、分解能を高めている。従来より、シンチレータを複数個の光電子増倍管に適正に分配するための構造を備えた種々の放射線検出器が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
従来より提供されている放射線検出器は、図5に示すとおりである。すなわち、図5は特公平6−95146に示される技術を図解したものであるが、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットMAによって区画されたシンチレータ群SAと、このシンチレータ群SAに光学的に結合される光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数スリットmAにより奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドLAと、ライトガイドLAに光学的に結合される2個の光電子増倍管KA、KBとから構成されている。それぞれの光電子増倍管KA、KBは仕切り板NA、NBにより、2極別々に信号を検出できるものを使用している。この放射線検出器RDAでは、ライトガイドLA内の各スリットmAの長さを内側から外側になるにしたがい長くなるように設定している。このような構成によりガンマ線の入射位置を弁別するようにしている。なお、光電子増倍管KA、KBは真空密閉形の容器で上面には光電面(図5には図示されていない)が設けられ、また容器をなす周囲の側管PAは破線で示すように一定の肉厚を有している。
【0004】
ここでライトガイドLAは光学的に透明な材料から製造されており、ダイシングソーやワイヤーソーで切断することにより所定の深さのスリットmAを形成している。その後適当な光反射材もしくは光遮蔽部材をこれらスリットmAに挿入する。従来例によるとこれらの光反射材もしくは光遮蔽部材は硫化バリウム反射塗料などの反射媒体も含んでいる。なお、図5においてTA、TBは透明板でライトガイドLAと光電子増倍管KA、KBとの間に介在され、両者を光学的に結合している。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−95146号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の放射線検出器RDAは次のような問題がある。すなわち、高感度なシンチレータSを使用した高分解能の放射線検出器RDAはシンチレータSの数が非常に多いものとなっている。一方、コストを抑えるため光電子増倍管KA、KBは従来と同様のものを使用しなければならないという要求がある。従って1個のシンチレータSの断面は従来のものよりも小さいものとなる。このような条件のもとでは、特にライトガイドLAの最外周端の区画では、光電子増倍管KA、KBと光学的に結合される出力面において問題を有している。すなわち、光電子増倍管KAは上述したように真空容器で一定の肉厚を有する側管PAで容器が形成されているとともに、容器の上面には光電面が形成されている。他方、この光電子増倍管KA、KBとライトガイドLAとの間には透明板TA、TBが介在されている。
【0007】
ところで、ライトガイドLAの最外周の大きさは光電子増倍管KA、KBの最外周端面で合致しており、したがってライトガイドLAの光出力面(透明板TA、TBとの接触面)は光電子増倍管KA、KBにおける側管PAにまで及んでいる。すなわち、光電子増倍管KAの受光面である光電面(図示されていない)が側管PAの厚さ分だけ狭くなっており、ライトガイドLAから光電子増倍管KA、KBへ射出される光は多くが側管PAへ射出して(逃げて)いる。さらにその隣の内側のライトガイドLAでも、程度は少ないものの同様の現象が生じている。このような現象が生じると、最端部近傍に入射するガンマ線における出力が極端に低下し正確に位置弁別できなくなり、全体の画質をも劣化させるという問題が発生する。本発明はこのような問題を解決する放射線検出器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する放射線検出器は、上記目的を達成するために2次元的に密着配置された複数本のシンチレータと、このシンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、このライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの本数よりも少ない複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器であって、ライトガイドはその光の入力面がシンチレータ群の光出力面と整合する大きさに設定されるとともに、他方の光出力面が光電子増倍管の光入力面と互いに整合する大きさに設定されている。
【0009】
また前記ライトガイドは、光反射材が光遮蔽材あるいは光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットによって奥行きの異なる小区画を形成されており、入力面側は各シンチレータの大きさ(幅)と互いに整合している。さらに前記各小区画の延長は出力面側で等間隔の大きさ(幅)となるように設定されている。
【0010】
したがって、2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群の内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通って光反射材もしくは光遮蔽部材により奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドへ入射される。ライトガイドへ入射された光はライトガイド内で分散し各光電子増倍管へ入射する。1個の光電子増倍管に入射する光量はガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように光反射材か光遮蔽材あるいは光透過材の何れかにより奥行きが設定されていて、高分解能の放射線検出器で1個のシンチレータの断面が小さいものであっても、上述した構成をとっているのでガンマ線がシンチレータのどの位置に入射しても出力を低下させることなく正確に位置弁別できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が提供する放射線検出器を図面にしたがって説明する。
図1は本発明に係る放射線検出器の一実施例の外観を斜視的に示す図であり、図2は図1のA−A面からみた縦断面図である(したがって透明板T1、光電子増倍管K1は図示されていない)。さらに図3はこの放射線検出器RD1を図2のB−B面からみた図である。
【0012】
放射線検出器RD1は、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットM1によって区画されX方向に10個、Y方向に10個の合計100個のシンチレータSを2次元的に密着配置したシンチレータ群S1と、このシンチレータ群S1に光学的に結合され光反射材か光遮蔽材あるいは光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットm1により奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドL1と、このライトガイドL1に透明板T1、T2を介して光学的に結合される2個の光電子増倍管K2(図2において光電子増倍管K1は示されていない)とから構成されている。なお、この個々の光電子増倍管K1、K2は仕切板N1等により、2極別々に信号を検出できるものを使用している。シンチレータSは、たとえばBGO、GSO、あるいはヨウ化ナトリウム、フッ化バリウム、フッ化セシウムなどの無機結晶が用いられる。この放射線検出器RD1では、ライトガイドL1内の各スリットm1の長さは内側から外側になるにしたがって、長くなるように設定されている。
【0013】
以上の構成において、本発明はライトガイドL1の光入力面LF1すなわちシンチレータ群S1との結合面から光出力面LF2すなわち光電子増倍管K1との結合面へ向かうにしたがって断面積が減少する形になっており、この点に特徴を有している。すなわち、光入力面LF1はシンチレータ群S1の下面積とほぼ同じ大きさにされていて整合されており、他方、光出力面LF2は、光電子増倍管K2における光電面C2の面積に整合する大きさに設定されている。この整合状態は図3からも明らかである。図示されていないが、光電子増倍管K1における光電面C1との整合も同様になっている。なお、ライトガイドL1の光出力面LF2と光電面C2との間には透明板T2が介在されている。
さらにライトガイドL1の小区画は、光入力面LF1側ではシンチレータSの大きさ(幅)と整合する大きさに設定されており、各小区画の延長の投影が光出力面LF2の側では等間隔の大きさ(幅)となるように構成されている。
【0014】
つぎに、この放射線検出器RD1の作動について説明する。まず、たとえばX方向に配列された10個のシンチレータSにガンマ線が入射するとガンマ線は可視光に変換される。この光は光学的に結合されるライトガイドL1を通して光電子増倍管K1、K2へ導かれる。このとき、X方向に配列されたそれぞれ2個の光電面C1、C2からの出力比が一定の割合で変化するようライトガイドL1のそれぞれのスリットm1の長さが設定されている。より具体的には一方の光電面C1からの出力をD1、他方の光電面C2からの出力をD2とすると、計算値(D1−D2)/(D1+D2)がシンチレータSの位置に応じて一定の割合で変化するように調整されている。なお、この出力D1、D2については図4に示されている。
【0015】
一方、Y方向に配列された10個のシンチレータSの場合も同様に、光学的に結合されるライトガイドL1を通して光電子増倍管K1、K2へ光が導かれる。このとき、Y方向に配列された2個の光電面C1、C2からの出力比が一定の割合で変化するようにライトガイドL1のそれぞれのスリットm1の長さが調整されている。より具体的には一方の光電面C1からの出力をD2、他方の光電面C2からの出力をD4とすると、計算値(D2−D4)/(D2+D4)がシンチレータSの位置に応じて一定の割合で変化するように設定されている。なお、各シンチレータSが対向していない外表面は、光電子増倍管K1、K2の側との光学結合面を除き反射材(図示せず)で覆われている。なお、この出力D2、D4については図4に示されている。
【0016】
図4は光電子増倍管K1、K2の光電面C1、C2からの出力に基づいて、ガンマ線の入射位置を検出する位置検出部の概略構成を示したブロック図である。この図に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するために、一方の光電面C1からの出力D1と他方の光電面C2からの出力D2とが加算器1に入力されるとともに、他列の一方の光電面C1からの出力D3と他方の光電面C2からの出力D4とが加算器2に入力される。両加算器1、2の各加算出力(D1+D3)と(D2+D4)とが位置弁別回路5へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のX方向の入射位置が求められる。同様にガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、一方の光電面C1からの出力D1と他方の光電面C2からの出力D2とが加算器3に入力されるとともに、他列の一方の光電面C1からの出力D3と他方の光電面C2からの出力D4とが加算器4に入力される。両加算器3、4の各加算出力(D1+D2)と(D3+D4)とが位置弁別回路6へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のY方向の入射位置が求められる。
【0017】
本発明による放射線検出器は上述した構成であり、ライトガイドL1の最外周端の区画であっても、光電子増倍管K1と光学的に結合される光出力面LF2において、ライトガイドL1から光電子増倍管K1、K2へ射出される光が側管P1へ射出されることはなく、すべて光電面C1、C2に入射される。したがって、ガンマ線がシンチレータ群S1のどの位置に入射しても出力を低下させることなく正確に位置弁別できる。
なお、上述した実施例では、100個のシンチレータ群とライトガイドとの結合に係る放射線検出器を例にとって説明したが、本発明はこの個数に限定されるものではなく、シンチレータSや光電子増倍管K1、K2の数は任意に設定できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明が提供する放射線検出器は以上詳述したとおりであり、ライトガイドは、光反射材、光遮蔽材、光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットによって奥行きの異なる小区画を形成されており、その光入力面側は各シンチレータ群の大きさ(幅)と整合されており、各小区画の延長は光出力面側で等間隔の大きさ(幅)であり、したがってシンチレータのいかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線検出器を斜視的に示す図である。
【図2】本発明による放射線検出器を図1のAA面で縦断して示す縦断面図である。
【図3】本発明による放射線検出器を図2のBB面よりみた図である。
【図4】本発明による放射線検出器のための位置検出部をブロックで示す図である。
【図5】従来における放射線検出器を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 加算器
5、6 位置弁別回路
S1、SA シンチレータ群
S シンチレータ
MA、M1、mA、m1 スリット
LA、L1 ライトガイド
LF1 光入力面
LF2 光出力面
K1、K2、KA、KB 光電子増倍管
C1、C2、CA 光電面
T1、T2、TA、TB 透明板
N1、NA、NB 仕切板
PA、P1 側管
RD1、RDA 放射線検出器
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)からの放出された放射線(ガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層像を得るための装置、例えばポジトロンCT装置やシングルフォトンECT装置などに用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の放射線検出器は、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータ群と、このシンチレータ群と光学的に結合され光を案内するライトガイドと、このライトガイドと光学的に結合されライトガイドからの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管とから構成されている。このような放射線検出器では、従来、シンチレータと光電子増倍管とが一対一に対応するものがあったが、近年、複数のシンチレータにそれよりも少ない数の光電子増倍管を結合し、これらの光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定するという方式を採用することによって、分解能を高めている。従来より、シンチレータを複数個の光電子増倍管に適正に分配するための構造を備えた種々の放射線検出器が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
従来より提供されている放射線検出器は、図5に示すとおりである。すなわち、図5は特公平6−95146に示される技術を図解したものであるが、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットMAによって区画されたシンチレータ群SAと、このシンチレータ群SAに光学的に結合される光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数スリットmAにより奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドLAと、ライトガイドLAに光学的に結合される2個の光電子増倍管KA、KBとから構成されている。それぞれの光電子増倍管KA、KBは仕切り板NA、NBにより、2極別々に信号を検出できるものを使用している。この放射線検出器RDAでは、ライトガイドLA内の各スリットmAの長さを内側から外側になるにしたがい長くなるように設定している。このような構成によりガンマ線の入射位置を弁別するようにしている。なお、光電子増倍管KA、KBは真空密閉形の容器で上面には光電面(図5には図示されていない)が設けられ、また容器をなす周囲の側管PAは破線で示すように一定の肉厚を有している。
【0004】
ここでライトガイドLAは光学的に透明な材料から製造されており、ダイシングソーやワイヤーソーで切断することにより所定の深さのスリットmAを形成している。その後適当な光反射材もしくは光遮蔽部材をこれらスリットmAに挿入する。従来例によるとこれらの光反射材もしくは光遮蔽部材は硫化バリウム反射塗料などの反射媒体も含んでいる。なお、図5においてTA、TBは透明板でライトガイドLAと光電子増倍管KA、KBとの間に介在され、両者を光学的に結合している。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−95146号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の放射線検出器RDAは次のような問題がある。すなわち、高感度なシンチレータSを使用した高分解能の放射線検出器RDAはシンチレータSの数が非常に多いものとなっている。一方、コストを抑えるため光電子増倍管KA、KBは従来と同様のものを使用しなければならないという要求がある。従って1個のシンチレータSの断面は従来のものよりも小さいものとなる。このような条件のもとでは、特にライトガイドLAの最外周端の区画では、光電子増倍管KA、KBと光学的に結合される出力面において問題を有している。すなわち、光電子増倍管KAは上述したように真空容器で一定の肉厚を有する側管PAで容器が形成されているとともに、容器の上面には光電面が形成されている。他方、この光電子増倍管KA、KBとライトガイドLAとの間には透明板TA、TBが介在されている。
【0007】
ところで、ライトガイドLAの最外周の大きさは光電子増倍管KA、KBの最外周端面で合致しており、したがってライトガイドLAの光出力面(透明板TA、TBとの接触面)は光電子増倍管KA、KBにおける側管PAにまで及んでいる。すなわち、光電子増倍管KAの受光面である光電面(図示されていない)が側管PAの厚さ分だけ狭くなっており、ライトガイドLAから光電子増倍管KA、KBへ射出される光は多くが側管PAへ射出して(逃げて)いる。さらにその隣の内側のライトガイドLAでも、程度は少ないものの同様の現象が生じている。このような現象が生じると、最端部近傍に入射するガンマ線における出力が極端に低下し正確に位置弁別できなくなり、全体の画質をも劣化させるという問題が発生する。本発明はこのような問題を解決する放射線検出器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する放射線検出器は、上記目的を達成するために2次元的に密着配置された複数本のシンチレータと、このシンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、このライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの本数よりも少ない複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器であって、ライトガイドはその光の入力面がシンチレータ群の光出力面と整合する大きさに設定されるとともに、他方の光出力面が光電子増倍管の光入力面と互いに整合する大きさに設定されている。
【0009】
また前記ライトガイドは、光反射材が光遮蔽材あるいは光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットによって奥行きの異なる小区画を形成されており、入力面側は各シンチレータの大きさ(幅)と互いに整合している。さらに前記各小区画の延長は出力面側で等間隔の大きさ(幅)となるように設定されている。
【0010】
したがって、2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群の内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通って光反射材もしくは光遮蔽部材により奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドへ入射される。ライトガイドへ入射された光はライトガイド内で分散し各光電子増倍管へ入射する。1個の光電子増倍管に入射する光量はガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように光反射材か光遮蔽材あるいは光透過材の何れかにより奥行きが設定されていて、高分解能の放射線検出器で1個のシンチレータの断面が小さいものであっても、上述した構成をとっているのでガンマ線がシンチレータのどの位置に入射しても出力を低下させることなく正確に位置弁別できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が提供する放射線検出器を図面にしたがって説明する。
図1は本発明に係る放射線検出器の一実施例の外観を斜視的に示す図であり、図2は図1のA−A面からみた縦断面図である(したがって透明板T1、光電子増倍管K1は図示されていない)。さらに図3はこの放射線検出器RD1を図2のB−B面からみた図である。
【0012】
放射線検出器RD1は、光反射材もしくは光遮蔽部材が埋め込まれた多数のスリットM1によって区画されX方向に10個、Y方向に10個の合計100個のシンチレータSを2次元的に密着配置したシンチレータ群S1と、このシンチレータ群S1に光学的に結合され光反射材か光遮蔽材あるいは光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットm1により奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイドL1と、このライトガイドL1に透明板T1、T2を介して光学的に結合される2個の光電子増倍管K2(図2において光電子増倍管K1は示されていない)とから構成されている。なお、この個々の光電子増倍管K1、K2は仕切板N1等により、2極別々に信号を検出できるものを使用している。シンチレータSは、たとえばBGO、GSO、あるいはヨウ化ナトリウム、フッ化バリウム、フッ化セシウムなどの無機結晶が用いられる。この放射線検出器RD1では、ライトガイドL1内の各スリットm1の長さは内側から外側になるにしたがって、長くなるように設定されている。
【0013】
以上の構成において、本発明はライトガイドL1の光入力面LF1すなわちシンチレータ群S1との結合面から光出力面LF2すなわち光電子増倍管K1との結合面へ向かうにしたがって断面積が減少する形になっており、この点に特徴を有している。すなわち、光入力面LF1はシンチレータ群S1の下面積とほぼ同じ大きさにされていて整合されており、他方、光出力面LF2は、光電子増倍管K2における光電面C2の面積に整合する大きさに設定されている。この整合状態は図3からも明らかである。図示されていないが、光電子増倍管K1における光電面C1との整合も同様になっている。なお、ライトガイドL1の光出力面LF2と光電面C2との間には透明板T2が介在されている。
さらにライトガイドL1の小区画は、光入力面LF1側ではシンチレータSの大きさ(幅)と整合する大きさに設定されており、各小区画の延長の投影が光出力面LF2の側では等間隔の大きさ(幅)となるように構成されている。
【0014】
つぎに、この放射線検出器RD1の作動について説明する。まず、たとえばX方向に配列された10個のシンチレータSにガンマ線が入射するとガンマ線は可視光に変換される。この光は光学的に結合されるライトガイドL1を通して光電子増倍管K1、K2へ導かれる。このとき、X方向に配列されたそれぞれ2個の光電面C1、C2からの出力比が一定の割合で変化するようライトガイドL1のそれぞれのスリットm1の長さが設定されている。より具体的には一方の光電面C1からの出力をD1、他方の光電面C2からの出力をD2とすると、計算値(D1−D2)/(D1+D2)がシンチレータSの位置に応じて一定の割合で変化するように調整されている。なお、この出力D1、D2については図4に示されている。
【0015】
一方、Y方向に配列された10個のシンチレータSの場合も同様に、光学的に結合されるライトガイドL1を通して光電子増倍管K1、K2へ光が導かれる。このとき、Y方向に配列された2個の光電面C1、C2からの出力比が一定の割合で変化するようにライトガイドL1のそれぞれのスリットm1の長さが調整されている。より具体的には一方の光電面C1からの出力をD2、他方の光電面C2からの出力をD4とすると、計算値(D2−D4)/(D2+D4)がシンチレータSの位置に応じて一定の割合で変化するように設定されている。なお、各シンチレータSが対向していない外表面は、光電子増倍管K1、K2の側との光学結合面を除き反射材(図示せず)で覆われている。なお、この出力D2、D4については図4に示されている。
【0016】
図4は光電子増倍管K1、K2の光電面C1、C2からの出力に基づいて、ガンマ線の入射位置を検出する位置検出部の概略構成を示したブロック図である。この図に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するために、一方の光電面C1からの出力D1と他方の光電面C2からの出力D2とが加算器1に入力されるとともに、他列の一方の光電面C1からの出力D3と他方の光電面C2からの出力D4とが加算器2に入力される。両加算器1、2の各加算出力(D1+D3)と(D2+D4)とが位置弁別回路5へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のX方向の入射位置が求められる。同様にガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、一方の光電面C1からの出力D1と他方の光電面C2からの出力D2とが加算器3に入力されるとともに、他列の一方の光電面C1からの出力D3と他方の光電面C2からの出力D4とが加算器4に入力される。両加算器3、4の各加算出力(D1+D2)と(D3+D4)とが位置弁別回路6へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のY方向の入射位置が求められる。
【0017】
本発明による放射線検出器は上述した構成であり、ライトガイドL1の最外周端の区画であっても、光電子増倍管K1と光学的に結合される光出力面LF2において、ライトガイドL1から光電子増倍管K1、K2へ射出される光が側管P1へ射出されることはなく、すべて光電面C1、C2に入射される。したがって、ガンマ線がシンチレータ群S1のどの位置に入射しても出力を低下させることなく正確に位置弁別できる。
なお、上述した実施例では、100個のシンチレータ群とライトガイドとの結合に係る放射線検出器を例にとって説明したが、本発明はこの個数に限定されるものではなく、シンチレータSや光電子増倍管K1、K2の数は任意に設定できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明が提供する放射線検出器は以上詳述したとおりであり、ライトガイドは、光反射材、光遮蔽材、光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットによって奥行きの異なる小区画を形成されており、その光入力面側は各シンチレータ群の大きさ(幅)と整合されており、各小区画の延長は光出力面側で等間隔の大きさ(幅)であり、したがってシンチレータのいかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線検出器を斜視的に示す図である。
【図2】本発明による放射線検出器を図1のAA面で縦断して示す縦断面図である。
【図3】本発明による放射線検出器を図2のBB面よりみた図である。
【図4】本発明による放射線検出器のための位置検出部をブロックで示す図である。
【図5】従来における放射線検出器を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 加算器
5、6 位置弁別回路
S1、SA シンチレータ群
S シンチレータ
MA、M1、mA、m1 スリット
LA、L1 ライトガイド
LF1 光入力面
LF2 光出力面
K1、K2、KA、KB 光電子増倍管
C1、C2、CA 光電面
T1、T2、TA、TB 透明板
N1、NA、NB 仕切板
PA、P1 側管
RD1、RDA 放射線検出器
Claims (2)
- 2次元的に密着配置され入射された放射線を光に変換する複数本のシンチレータからなるシンチレータ群と、このシンチレータ群の光出力面に対して光入力面が光学的に結合されたライトガイドと、このライトガイドの光出力面に対して光入力面が光学的に結合されて光を電気信号に変換し、かつ前記シンチレータの本数よりも少ない複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器において、前記ライトガイドの光入力面はシンチレータ群の光出力面と整合する大きさに設定されるとともに、光出力面は前記光電子増倍管の光入力面の大きさと整合する大きさに設定されていることを特徴とする放射線検出器。
- ライトガイドは、光反射材と光遮蔽材または光透過材の何れかが埋め込まれた多数のスリットによって奥行きの異なる小区画が形成され、その光入力面側は各シンチレータの大きさと整合するとともに、前記各小区画の出力面側は等間隔の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
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2003
- 2003-05-30 JP JP2003155520A patent/JP2004354343A/ja active Pending
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