JP3704799B2 - 放射線検出器アレイの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線撮影装置等に使用される放射線検出器アレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、X線断層撮影装置では、被検体の体軸を中心にして、被検体の周囲を回動するX線管と、被検体を透過したX線を検出する検出器とを少なくとも具備し、被検体の体軸を中心として所定の角度ずつX線管を回動しながらX線を被検体に爆射し、被検体を透過するX線を検出した検出器から出力されるデータを基に画像再構成処理を行って、断層像を得るようにしている。
【0003】
この種の装置では正確な医学的判断を可能にするために高品質画像が要求されるが、そのためには検出器の性能向上がきわめて重要となっている。
【0004】
従来、放射線検出器アレイは図6のように構成されている。シンチレータ素子41と、シンチレータ素子41下面に光透過性の良い接着剤42を介して接着されたフォトダイオード等の光電変換素子43からなる放射線検出器を遮蔽板45を介して多数配列して、放射線検出器アレイを形成している。
【0005】
放射線がシンチレータ素子41の上面に入射すると、シンチレータ素子41内で、放射線が光に変換され、その発光は光電変換素子43で検知され、電気信号に変換されて、入射放射線量に比例した信号が取り出される。
【0006】
このような放射線検出器アレイを構成するために、直方体状のシンチレータ結晶から各シンチレータ素子41に切り出した後、光電変換素子43を接着剤42で接着し、次いで遮蔽板45を挿入するようにして支持部材44上に各放射線検出器を精密に配列していくのであるが、この過程で各シンチレータ素子を同一寸法に形成するのが困難であるとともに、各放射線検出器を精密に配列するのが容易ではなく、組み立て精度に狂いがあった。
【0007】
そこで、各シンチレータ素子を同一寸法に容易に形成し、作業性及び配列精度の向上を図るために、図7に示すような放射線検出器アレイが考えられている。直方体状のシンチレータ結晶51の一部を繋げたままの状態で残すように切削して、等間隔で複数の溝52を形成し、シンチレータ素子51Aを形成する。次に、接着剤53を介して光電変換部54を接着し、溝52に遮蔽板を挿入固着する。
【0008】
このようにして構成される放射線検出器アレイは最初の溝52の形成によりシンチレータ素子の寸法が決定され、シンチレータ結晶51の一部を繋げたままの状態で組み立て作業が進行するので、作業性や配列精度は向上する。
【0009】
この放射線検出器アレイはこのまま使用されるか、または、シンチレータ結晶の連結した部分を切り落としたり、研磨により取り除いたり、その部分に反射剤をコーティングする方法が考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図7の検出器アレイでは、図6の方法より、検出器組み立ての作業性及び配列精度を向上させることができるものの、シンチレータ結晶の一部を連結したままであると、シンチレータ素子間でクロストークを起こし、性能が劣化する。
【0011】
また、クロストークを防止するため、シンチレータ結晶の連結した部分を切り落としたり、研磨により取り除いたり、その部分に反射剤をコーティングする方法では、取り除かれた部分やコーティングされた部分は検出器としての役割を果たさないので、非常な無駄が発生していた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために創案されたもので、検出器アレイの各チャネル間の間隔を容易に制御でき、配列精度を向上させることができるとともにシンチレータ結晶を無駄なく使用することができる放射線検出器アレイの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記目的を達成するために、本発明の放射線検出器アレイの製造方法は、アレイ状に配列され、放射線により発光する蛍光体素子と、蛍光体素子による蛍光を検出する光電変換素子とを備えた検出器アレイを製造する場合に、放射線透過性のプラスチックフィルム上にブロック状の蛍光体を固着した後、前記ブロック状の蛍光体に平行に多数の溝を切削してアレイ状に分割された蛍光体素子列を形成し、その後前記フィルムと反対側の各蛍光体素子列の面に光電変換素子を接着固定することを特徴とする。
【0014】
また、前記フィルムのシンチレータとの接合側面が白色に形成されていることを特徴とする。また、蛍光体に溝を切削する際にフィルムの所定の深さまで切削するようにしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を、以下、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明による放射線検出器アレイの製造方法を、図2は完成後の放射線検出器アレイの断面詳細図を示している。
【0017】
1は入射放射線を光に変換する蛍光体としてのブロック状のシンチレータ結晶、2及び6は放射線や光の透過性をもつ光学接着剤、3は支持材としての機能を有し、プラスチック、例えばポリエステルからなる放射線透過性のフィルム、4は切削された溝、5はシンチレータ結晶1での蛍光を電気信号に変換する光電変換素子としてのフォトダイオードアレイ、7は遮蔽材、8は反射材である。
【0018】
まず、(a)のように、直方体状のシンチレータ結晶1をフィルム3の上に光学接着剤2で接着する。
【0019】
次に、(b)のようにマルチワイヤソーやダイアモンドカッター等で、シンチレータ結晶1に平行に多数の溝4を切削して所定形状の各シンチレータ素子1Aを形成する。このとき、切削加工する溝4はシンチレータ結晶1の下端または光学接着剤2の深さまでで、それ以上は切り込みをいれないようにする。このようにして所定ピッチでアレイ状に完全に分割されたシンチレータ素子列が形成される。
【0020】
ここで、遮蔽材7を中心として反射材8でその両側を挟み込むような形にして、溝4に挿入し固着する
そして、(c)に示すようにシンチレータ結晶1の上に、さらにフォトダイオードアレイ5を光学接着剤6を介して接着固定すれば放射線検出器アレイが完成する。
【0021】
図2の断面詳細図からもわかるように、シンチレータ結晶1は各チャネルに完全に分離され、各シンチレータ素子1Aの間には遮蔽材7と反射材8が挿入されているので、シンチレータ素子1A内で発光した光が隣接するシンチレータ素子に入射するのを防ぐことができ、クロストークを防止できる。
【0022】
上述の実施例では、図1(b)において溝4を形成する場合には、シンチレータ結晶1下端または光学接着剤2の深さまでとしているが、図3に示すようにフィルム3の所定の深さまで切削して、その分深く遮蔽材7と反射材8を挿入するようにし、シンチレータ素子の深さ方向の長さよりも長くしても良い。
【0023】
このようにすれば、光学接着剤2を通る光のクロストークとフィルム3を通る光のクロストークの大部分を防ぐことができ、分解能を向上させることができる。
【0024】
図4は他の実施例を示す。
【0025】
21は入射放射線を光に変換する蛍光体としてのブロック状のシンチレータ結晶、22、24、28は放射線や光の透過性をもつ光学接着剤、23は白色マイラーフィルム(マイラーに酸化チタンの顔料を含んだもの)等の反射膜、25は支持材としての機能を有し、例えば、0.2mm厚程度のポリエステルからなる放射線透過性のフィルム、26は切削された溝、27は遮蔽材、反射材としての反射フィルム、29はシンチレータ結晶21での蛍光を電気信号に変換する光電変換素子としてのフォトダイオードアレイである。
【0026】
まず、(a)のように、直方体状のシンチレータ結晶21を反射膜23上に光学接着剤で接着し、さらにこれらをフィルム25の上に光学接着剤24で接着する。 次に、(b)のようにマルチワイヤソーやダイアモンドカッター等で、シンチレータ結晶21に平行に多数の溝26を切削して所定形状の各シンチレータ素子21Aを形成する。このとき、切削加工する溝26はシンチレータ結晶21の下端または光学接着剤22の深さまでで、それ以上は切り込みをいれないようにする。このようにして所定ピッチでアレイ状に完全に分割されたシンチレータ素子列が形成される。
【0027】
そして、(c)に示すように反射フィルム27を各溝26に挿入し固着する。最後に、(d)に示すようにシンチレータ結晶21の上に、さらにフォトダイオードアレイ29を光学接着剤28を介して接着固定すれば放射線検出器アレイが完成する。
【0028】
このようにすれば、放射線の入射によりシンチレータ素子21Aで発光した光が反射膜23の存在によってフィルム25の方へ漏れるのを防ぎ、フォトダイオードアレイ29へ取り込むことができるので、感度が向上する。
【0030】
上記の実施例では、図4(b)において溝26を形成する場合には、シンチレータ結晶21下端または光学接着剤22の深さまでとしているが、前記図3と同様、図5に示すようにフィルム25の所定の深さまで切削して、その分深く反射フィルム27を挿入するようにし、シンチレータ素子の深さ方向の長さよりも長くしても良い。このようにすれば、隣接するシンチレータ素子間のクロストークが減少し、分解能が向上する。
【0031】
なお、上記各実施例における放射線透過性のフィルムとしては、他にトリアセテート、ポリカーボネート等であっても良い。また、ここで用いるフィルムのシンチレータとの接合側面を白色に形成することで、シンチレータからの光の透過が抑制され、より効率よく放射線の検出を行うことが可能となる。
【0032】
以上のように、放射線入射方向に配置する放射線透過性のフィルムをダミーとしてこの上にシンチレータ結晶を固着し、フィルム自体は分断せずに、シンチレータ結晶を所定の形状のシンチレータ素子に完全に分離するようにしているので、このフィルムが各シンチレータ素子の連結材の役割を果たし、各シンチレータ素子の配列を乱さないので、検出器アレイの各チャネル間の間隔を容易に制御でき、配列精度を向上させるとともに、従来のようにシンチレータ結晶の一部を取り除いたりする必要がなくシンチレータ結晶を無駄なく使用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線検出器アレイの製造方法によれば、放射線入射方向に配置する放射線透過性のフィルムにブロック状の蛍光体を放射線入射方向とは反対の面に固着した後、前記蛍光体結晶を所定形状の蛍光体素子に分離するようにしているので、各チャネル間の間隔を容易に制御でき、配列精度を向上させることができるとともに、蛍光体結晶を無駄なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の放射線検出器アレイの製造方法を示す図である。
【図2】本発明による放射線検出器アレイの断面を示す図である。
【図3】本発明による放射線検出器アレイの他の構成方法を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例の放射線検出器アレイの製造方法を示す図である。
【図5】図4に示す放射線検出器アレイの他の構成方法を示す図である。
【図6】従来の放射線検出器アレイを示す図である。
【図7】従来の放射線検出器アレイを示す図である。
Claims (3)
- アレイ状に配列され放射線により発光する蛍光体素子と、蛍光体素子による蛍光を検出する光電変換素子とを備えた検出器アレイの製造方法において、放射線透過性のプラスチックフィルム上にブロック状の蛍光体を固着した後、前記ブロック状の蛍光体に平行に多数の溝を切削してアレイ状に分割された蛍光体素子列を形成し、その後前記フィルムと反対側の各蛍光体素子列の面に光電変換素子を接着固定することを特徴とする放射線検出器アレイの製造方法。
- 前記プラスチックフィルムは、蛍光体との接合側面が白色に形成されていることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器アレイの製造方法。
- 蛍光体に溝を切削する際にフィルムの所定の深さまで切削するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の放射線検出器アレイの製造方法。
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