(3. 発明の概要)
本発明は一部、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の高濃度液体製剤の開発を基にしており、この製剤は、製造、調製、輸送及び貯蔵時に、界面活性剤、糖質、糖アルコール及びヒスチジン以外のアミノ酸の非存在下(好ましくはpKa値が5未満及び7以上のアミノ酸非含有)で、安定性、低レベルから検出不能なレベルまでの抗体断片化及び/又は凝集、並びに抗体(それらの抗体断片を含む)の生物学的活性の非常に少ない喪失から喪失なしまでを示す。本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連するか又はこれを特徴とする疾患又は障害、並びにIL-9受容体("IL-9R")又はそれらの1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連するか又はこれを特徴とする疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、もしくは感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状(例えば、喘鳴)の予防、治療、管理及び改善のための、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の投与を促進する。自己免疫疾患の例は、糖尿病、橋本病、自己免疫性副腎機能不全、真性赤血球性貧血、多発性硬化症、リウマチ性心臓炎、全身性紅斑狼瘡、関節リウマチ、慢性炎症、シェーグレン症候群多発性筋炎、皮膚筋炎又は強皮症を含むが、これらに限定されるものではない。炎症障害の例は、喘息及びアレルギー反応(I-IV型)を含むが、これらに限定されるものではない。呼吸器感染症の例は、ウイルス感染症、細菌感染症及び/又は真菌感染症を含む上気道及び下気道の感染症を含むが、これらに限定されるものではない。ウイルス感染症は、パラインフルエンザウイルス感染症、インフルエンザウイルス感染症、メタニューモウイルス(metapenumovirus)感染症、又は呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症を含む。本発明の抗体製剤は、気管支肺形成異常、先天性心臓病、嚢胞性線維症又は後天性もしくは先天性免疫不全症を有する又は既応のある対象を治療するために使用することもできる。特に本発明の液体製剤は、医療従事者が、投与前の抗体(それらの抗体断片を含む)の正確かつ無菌的な再構成を必要とせずに、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の無菌用量を迅速に投与することを可能にする。
本発明は、界面活性剤を実質的に含まないの液体製剤を提供し、該製剤は好ましくはヒスチジンを濃度約5〜約25mM以上の範囲(好ましくは濃度10mM)で、NaClを濃度約100〜約200mMの範囲(好ましくは濃度150mM)で、及びIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を濃度50mg/ml以上含有する(しかしある実施態様において、抗体の濃度は50mg/ml未満である)。本発明は、界面活性剤、糖質、糖アルコール、及び/又はアミノ酸を実質的に含まない(好ましくは、pKa値が5未満及び7以上のアミノ酸、特にヒスチジン以外のアミノ酸を非含有)液体製剤も提供し、該製剤は、pH約5.0〜約7.0の範囲、好ましくは約pH6.0を有し、及びヒスチジンを含有し、及びIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を50mg/ml以上の濃度で含有する。本発明の液体製剤は更に、1以上の賦形剤、例えばサッカリド、アミノ酸(例えば、アルギニン、リシン及びメチオニン)並びにポリオールを含有してもよい。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤は、ヒスチジン、及びIL-9ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を95mg/ml以上の濃度で含有し、該製剤は、界面活性剤、糖質、糖アルコール及び/又はヒスチジン以外のアミノ酸を実質的に含有しない。
本発明は、製造、調製、輸送、及び長期貯蔵の間の、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4の検出不能な程低レベルの抗体凝集及び/又は断片化で、生物学的活性の喪失が非常に少ないかもしくはないものを示す、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4(アミノ酸配列について、2003年6月10日出願された米国特許出願第60/477,797号、及び現時点で2004年4月12日に出願される米国特許非仮出願(代理人整理番号10271-112-999)「組換えIL-9抗体及びその使用(Recombinant IL-9 and Uses Thereof)」を参照し、これらは両方とも全体が本願明細書に参照として組入れられている)の安定した液体製剤を包含している。本発明は、例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4などの公知の抗体と比べ、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合し、及び増大したin vivo半減期を有する抗体の安定した液体製剤も包含し、該製剤は、低レベルから検出不能なレベルまでの抗体凝集及び/又は断片化、並びに抗体(それらの抗体断片を含む)の生物学的活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なしを示す。本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の安定した液体製剤も包含し、該抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH及び/又はVLドメインのアミノ酸配列を有する可変重鎖(VH)及び/又は可変軽鎖(VL)ドメインを含み、該製剤は、低レベルから検出不能なレベルの抗体凝集及び/又は断片化、並びに抗体(それらの抗体断片を含む)の生物活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なしを示す。本発明は更に、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の安定した液体製剤を包含し、該抗体(それらの抗体断片を含む)は、下記表1に列記した1以上のVH CDR及び/又はVL CDRのアミノ酸配列を有する1以上のVH相補性決定領域(CDR)及び/又は1以上のVL CDRを含み、該製剤は、低レベルから検出不能なレベルの抗体凝集及び/又は断片化、並びに抗体(それらの抗体断片を含む)の生物活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なしを示す。
![Figure 2007532660](https://patentimages.storage.googleapis.com/e7/c6/27/a02e88ca05a675/2007532660-9.png)
本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の液体製剤を包含し、該製剤は高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)での評価において、38〜42℃で安定性を有する。本発明の液体製剤は、HPSECによる評価において、温度範囲38〜42℃で少なくとも15日間だが25日間を超えず;温度範囲20〜24℃で少なくとも6ヶ月間だが1.5年を超えず;並びに、温度範囲2〜8℃(特に4℃)で少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも2.5年間、又は少なくとも3年間の安定性を示す。本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の液体製剤も包含し、該製剤は、HPSECによる測定において、低レベルから検出不能なレベルの抗体凝集を有する。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤は、HPSECによる測定において、38〜42℃で少なくとも15日間安定性を示し、及び低レベルから検出不能なレベルの抗体凝集を示し、更に例えばELISAのような抗体結合アッセイによる測定において、参照抗体と比べ、製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)の生物活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なしを示す。
本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の液体製剤の調製法を提供し、該方法は、精製された抗体を含有する画分を、適当な分子量(MW)カットオフ値(例えば、全抗体分子及びF(ab')2断片について30kDカットオフ値;及び、Fab断片などの抗体断片について10kDカットオフ値)を有する半透膜を用い、最終抗体濃度約1mg/ml、約5mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、又は約200mg/mlへ濃縮する工程、並びに濃縮された抗体画分の製剤緩衝液への同じ膜を使用するダイアフィルトレーションの工程を含む。本発明の製剤緩衝液は、ヒスチジンを、濃度範囲約1mM〜約100mM、好ましくは約5mM〜約50mM、より好ましくは約10mM〜約25mMで含有する。本発明の製剤緩衝液は、更にNaClを、濃度範囲約10mM〜約200mM、約50〜約200mM、約100〜約150mM、より好ましくは約150mMで含有する。この製剤のpHは、約5.0〜約7.0、好ましくは5.5〜約6.5、より好ましくは約5.8〜約6.2の範囲、最も好ましくは約6.0であることができる。特定の抗体について適当なpHを得るために、ヒスチジン(及び添加される場合はグリシン)が最初に水に溶解され、所望のpHよりも高いpHの緩衝液を得、次にHClの添加によりpHが所望のレベルへ低下されることが好ましい。この様式で、無機塩の形成(例えば、ヒスチジンの給源として、ヒスチジン塩酸塩が使用され、及びpHはNaOHの添加により所望のレベルへ上昇される場合は、NaClの形成)を避けることができる。
本発明の液体製剤は、0.2μフィルターを使用する滅菌濾過により滅菌することもできる。滅菌された本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、もしくは感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び改善のために対象へ投与される。本発明の液体製剤は、他の療法(例えば、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体以外の予防的又は治療的薬剤、例えば抗炎症薬、免疫変調薬及び抗癌薬)と組合せて投与することができる。
本発明は、例えば医療担当者による使用のために、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の液体製剤を含むキットも提供する。本発明は更に、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、もしくは感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又は前述のいずれか1以上の症状の予防、治療、管理、又は改善する方法も提供する。本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、もしくは感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又は前述のいずれか1以上の症状の予防、治療、管理又は改善するために、対象へ、非経口的(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内及び皮下)、経口的、又は鼻腔内に投与することができる。本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、もしくは感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の診断、検出又はモニタリングのために使用することもできる。
(3.1. 用語)
先に説明されたIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体及び/又は抗体断片の全ての液体製剤は、本願明細書において集合的に「本発明の液体製剤」、「本発明の抗体液体製剤」、「本発明の抗体製剤」、「IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又は断片の液体製剤」、又は「抗-IL-9抗体液体製剤」と称される。
本願明細書において使用される用語「異常な」は、正常、例えば平均の健常対象及び/又は平均の健常対象集団からの逸脱を意味する。本願明細書において使用される用語「異常な発現」は、正常、健常な細胞もしくは対象及び/又は正常、健常な細胞もしくは対象の集団と比べ、細胞又は対象による遺伝子産物(例えば、RNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチド)の異常な発現を意味する。そのような異常な発現は、遺伝子の増幅の結果であることがある。具体的な実施態様において、用語「異常な発現」は、正常、健常な細胞もしくは対象及び/又は正常、健常な細胞もしくは対象の集団による遺伝子産物の発現と比べ、細胞又は対象によるIL-9及び/又はIL-9Rもしくはそれらのサブユニットの異常な発現を意味し、並びに細胞又は対象内の通常でない位置でのIL-9及び/又はIL-9Rもしくはそれらのサブユニットの遺伝子産物の発現、細胞又は対象内での変更されたレベルでのIL-9及び/又はIL-9Rもしくはそれらのサブユニットの遺伝子産物の発現、変異されたIL-9及び/又はIL-9Rもしくはそれらのサブユニットの遺伝子産物の発現、又はそれらの組合せを包含する。本願明細書において使用される用語「異常な活性」は、正常、健常な細胞もしくは対象及び/又は正常、健常な細胞もしくは対象の集団と比較して、細胞又は対象における遺伝子産物の変更されたレベル、遺伝子産物による活性の増加、又は遺伝子産物の活性の喪失を意味する。具体的な実施態様において用語「異常な活性」は、健常な細胞もしくは対象及び/又は正常、健常な細胞もしくは対象の集団において通常認められるものから逸脱したIL-9及び/又はIL-9Rもしくはそれらのサブユニットの活性を意味する(例えば、IL-9Rに関するIL-9親和性の増加)。IL-9活性の例は、IL-9Rのリン酸化、Jak3の活性化、MEKの活性化、STAT-1の活性化、及びSTAT-3の活性化を含むが、これらに限定されるものではない。
所定の数値又は範囲に関し本願明細書において使用される用語「約」は、与えられた値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である値又は範囲を意味する。
タンパク質性物質(例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド及び抗体)に関連して本願明細書において使用される用語「アナログ」は、第二のタンパク質性物質に類似又は同一の機能を有するが、必ずしも第二のタンパク質性物質に類似又は同一のアミノ酸配列を含まないか、もしくは第二のタンパク質性物質に類似又は同一の構造を有する、タンパク質性物質を意味する。類似したアミノ酸配列を有するタンパク質性物質は、以下の少なくともひとつを満足する第二のタンパク質性物質を意味する:(a)第二のタンパク質性物質のアミノ酸配列と少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する、タンパク質性物質;(b) 第二のタンパク質性物質の少なくとも5個の隣接アミノ酸残基、少なくとも10個の隣接アミノ酸残基、少なくとも15個の隣接アミノ酸残基、少なくとも20個の隣接アミノ酸残基、少なくとも25個の隣接アミノ酸残基、少なくとも40個の隣接アミノ酸残基、少なくとも50個の隣接アミノ酸残基、少なくとも60個の隣接アミノ酸残基、少なくとも70個の隣接アミノ酸残基、少なくとも80個の隣接アミノ酸残基、少なくとも90個の隣接アミノ酸残基、少なくとも100個の隣接アミノ酸残基、少なくとも125個の隣接アミノ酸残基、又は少なくとも150個の隣接アミノ酸残基をコードしているヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされた、タンパク質性物質;並びに、(c)第二のタンパク質性物質をコードしているヌクレオチド配列と少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた、タンパク質性物質。第二のタンパク質性物質と類似の構造を有するタンパク質性物質は、第二のタンパク質性物質と類似した二次、三次又は四次構造を有するタンパク質性物質を意味する。タンパク質性物質の構造は、ペプチド配列決定、X-線結晶解析、核磁気共鳴、円偏光二色、及び結晶学的電子顕微鏡を含むが、これらに限定されるものではない、当業者に公知の方法により決定することができる。
ふたつのアミノ酸配列又はふたつの核酸配列の%同一性を決定するために、これらの配列は、比較を最適とすることを目的として並置される(例えば、第二のアミノ酸又は核酸配列とのアラインメントを最適化するために、第一のアミノ酸又は核酸配列の配列内に、ギャップを導入することができる)。次に対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置の、アミノ酸残基又はヌクレオチドが比較される。第一の配列の位置が、第二の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドにより占拠されている場合、この分子はその位置について同一である。ふたつの配列間の%同一性は、これらの配列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、%同一性=同一に重複する位置の数/位置の総数×100%)。ひとつの実施態様において、ふたつの配列は同じ長さである。
ふたつの配列間の%同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用し実行することもできる。ふたつの配列の比較に関して使用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的例は、Karlin及びAltschulのアルゴリズム(1990, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87:2264-2268)、Karlin及びAltschulの変法(1993, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:5873-5877)である。このようなアルゴリズムは、AltschulらのNBLAST及びXBLASTプログラム(1990, J. Mol. Biol. 215:403)に組込まれる。BLASTヌクレオチド検索は、例えばスコア=100、ワードレングス=12のような、NBLASTヌクレオチドプログラムパラメータセットで実行し、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、例えばスコア=50、ワードレングス=3のXBLASTプログラムパラメータセットで実行し、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップ付きアラインメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschulらの論文(1997, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402)に説明されたように利用することができる。あるいは、PSI-BLASTを使用し、分子間の個別の関係を検出する反復検索を実行することができる(同上)。BLAST、Gapped BLAST、及びPSI-Blastプログラムが使用される場合、各プログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用することができる(例えばNCBIウェブサイト参照)。配列比較に使用される数学的アルゴリズムの別の好ましい非限定的例は、Myers及びMillerのアルゴリズム(1988, CABIOS 4:11-17)である。このようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(ver.2.0)に組込まれている。アミノ酸配列比較にALIGNプログラムを使用する場合、PAM 120重み残基テーブル、ギャップレングスペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用することができる。
ふたつの配列間の%同一性は、先に説明されたものに類似した技術を用い、ギャップを伴う又は伴わずに、決定することができる。%同一性の計算では、典型的には正確なマッチのみをカウントする。
非タンパク質性アナログに関連して本願明細書において使用される用語「アナログ」は、第一の有機又は無機分子と類似又は同様の機能を有し、及び第一の有機又は無機分子と構造的に類似している第二の有機又は無機分子を意味する。
本願明細書において使用される用語「(単数又は複数の)アンタゴニスト」は、別の分子の機能、活性及び/又は発現をブロック、阻害、低下又は中和する、任意のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド擬態、糖タンパク質、抗体、抗体断片、炭水化物、核酸、有機分子、無機分子、巨大分子、又は小分子を意味する。様々な実施態様において、アンタゴニストは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)のような対照に対し、別の分子の機能、活性及び/又は発現を、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%低下する。
本願明細書において使用される用語「抗体断片」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の断片を意味する。抗体断片は、当業者に公知の任意の技術により作製することができる。例えばFab及びF(ab')2断片は、パパイン(Fab断片作製)又はペプシン(F(ab')2断片作製)のような酵素を使用し、免疫グロブリン分子のタンパク質分解性切断により作製される。F(ab')2断片は、完全な軽鎖、可変領域、重鎖のCH1領域及びヒンジ領域を含む。抗体断片は、組換えDNA技術によっても作製される。抗体断片は、抗体の1以上の相補性決定領域(CDR)、又は抗体の1以上の抗原結合断片であってよい。
本願明細書において使用される用語「(単数又は複数の)抗体」は、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化された抗体、camelised抗体、キメラ抗体、1本鎖Fv(scFv)、1本鎖抗体、単ドメイン抗体、Fab断片、F(ab')断片、ジスルフィド結合したFv(sdFv)、及び抗-イディオタイプ(抗-Id)抗体(例えば本発明の抗体に対する抗-Id抗体を含む)、細胞内抗体、及び前記のいずれかのエピトープ-結合断片を意味する。特に抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性のある断片、すなわち抗原結合部位を含む分子を含む。免疫グロブリン分子は、いずれかの型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスであることができる。
本願明細書において使用される用語「IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又は抗体断片」及び同様の用語は、IL-9ポリペプチド又はIL-9ポリペプチドの断片に特異的に結合するが、他のポリペプチドには特異的に結合しない抗体又は抗体断片を意味する。好ましくは、本発明の抗体又は抗体断片は、他のポリペプチド又は他のポリペプチドの断片への親和性と比べた場合に、IL-9ポリペプチド又はIL-9ポリペプチド断片に対するより高い親和性を有する。抗体の親和性は、単独の抗原-抗体部位での特異的抗原へのその結合の測定値であり、本質的に抗体の抗原-結合部位と特定のエピトープの間の相互作用に存在する引力及び反発力の全ての合計である。特定の抗原(例えば、IL-9ポリペプチド又はIL-9ポリペプチドの断片)への抗体の親和性は、式K=[Ag Ab]/[Ag][Ab]により定義される、平衡定数Kにより表すことができ、これは抗体-組合せ部位の親和性である(式中、[Ag]は遊離の抗原の濃度であり、[Ab]は遊離の抗体の濃度であり、及び[Ag Ab]は抗原-抗体複合体の濃度である。)。抗原及び抗体が、互いに強力に反応する場合、遊離の抗原又は遊離の抗体は非常に少なく、その結果平衡定数又は抗体親和性は高いであろう。高親和性抗体は、抗原及び抗体が良好に合致する場合に認められる(抗体親和性に関する考察については、Sigal及びRon編集の著書、1994, 「Immunology and Inflammation - Basic Mechanisms and Clinical Consequences」, McGraw-Hill、Inc. ニューヨーク、56-57頁;及び、Seymourらの著書、1995, 「Immunology - An Introduction for the Health Sciences」、McGraw-Hill Book Company、オーストラリア、31-32頁を参照のこと)。好ましくは、IL-9ポリペプチド又はそれらの断片へ免疫特異的に結合する抗体又は抗体断片は、他の抗原と交差反応しない。すなわち、本発明の抗体又は抗体断片は、IL-9ポリペプチド又はそれらの断片へ、他のポリペプチド又は他のポリペプチド断片に対するよりもより高いエネルギーで、免疫特異的に結合する(例えば、抗体特異性に関する考察については、Paul編集の著書、1989、「Fundamental Immunology」、2版、Raven Press, ニューヨーク、332-336頁参照)。IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又は抗体断片は、例えばイムノアッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、及びBIAcoreアッセイ(下記5.7項にて説明)又は当業者に公知の他の技術などにより、同定することができる(例えば、in vivoにおける抗体-抗原相互作用を決定する様々なアッセイの考察については、Seymourらの著書、1995, 「Immunology - An Introduction for the Health Sciences」、McGraw-Hill Book Company、オーストラリア、33-41頁を参照のこと)。好ましくは、IL-9ポリペプチド又はそれらの断片へ免疫特異的に結合する抗体又は抗体断片は、IL-9ポリペプチドのみを拮抗し、他の活性は有意に拮抗しない。
本願明細書において使用される用語「対照IgG抗体」は、IgG抗体、又はIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合しない及び好ましくはIL-9ポリペプチドと交差反応しない他の「対照抗体」を意味する。
本願明細書において使用される用語「サイトカイン受容体モジュレーター」は、サイトカイン受容体のリン酸化、サイトカイン受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、及び/又はサイトカインのような特定のタンパク質の発現を変調する物質を意味する。そのような物質は、サイトカイン受容体のリン酸化、サイトカイン受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、及び/又はサイトカインのような特定のタンパク質の発現を、直接又は間接に変調することができる。従って、サイトカイン受容体モジュレーターの例は、サイトカイン、サイトカインの断片、融合タンパク質、及びサイトカイン受容体へ免疫特異的に結合する抗体、もしくは抗体の断片又はサイトカイン受容体を含むが、これらに限定されるものではない。更にサイトカイン受容体モジュレーターの例は、サイトカイン又はそれらの断片へ免疫特異的に結合するペプチド、ポリペプチド(例えば、可溶性サイトカイン受容体)、融合タンパク質及び抗体を含むが、これらに限定されるものではない。
タンパク質性物質(例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、及び抗体)に関連して本願明細書において使用される用語「誘導体」は、アミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加の導入により変更されるアミノ酸配列を含むタンパク質性物質を意味する。本願明細書において使用される用語「誘導体」は、すなわち任意の型の分子のタンパク質性物質への共有的結合により、修飾されたタンパク質性物質も意味する。例えば抗体は、限定するものではないが、例えばグリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による二量体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンド又は他のタンパク質への連結などにより修飾することができる。タンパク質性物質の誘導体は、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含むが、これらに限定されるものではない、当業者に公知の技術を用いる化学修飾により作製することができる。更にタンパク質性物質の誘導体は、1以上の非-古典的アミノ酸を含んでもよい。タンパク質性物質の誘導体は、それが誘導された元のタンパク質性物質に類似した又は同一の機能を有する。
非-タンパク質性誘導体に関連して本願明細書において使用される用語「誘導体」は、第一の有機又は無機分子の構造を基に形成された第二の有機又は無機分子を意味する。有機分子の誘導体は、例えば、ヒドロキシル、メチル、エチル、カルボキシル、ニトリル、又はアミン基の付加又は欠失により修飾された分子を含むが、これらに限定されるものではない。有機分子は、エステル化、アルキル化及び/又はリン酸化されてもよい。
本願明細書において使用される用語「障害」及び「疾患」は、対象が、健常な、非罹患の対象とは異なる対象の状態を意味するように、互換的に使用される。特に用語「自己免疫疾患」は、用語「自己免疫障害」と互換的に使用され、対象自身の細胞、組織及び/又は臓器への対象の免疫学的反応により引き起こされた細胞、組織及び/又は臓器の損傷により特徴付けられる、対象の状態を意味する。用語「炎症疾患」は、用語「炎症障害」と互換的に使用され、炎症、好ましくは慢性炎症により特徴付けられる、対象の状態を意味する。自己免疫障害は、炎症と関連してもしなくともよい。更に炎症は、自己免疫障害により引き起こされてもされなくともよい。ある状態は、1以上の障害を特徴とすることができる。例えばある状態は、自己免疫及び炎症障害の両方を特徴とすることができる。
本願明細書において使用される用語「有効量」とは、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患もしくは障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の重症度及び/又は期間を軽減及び/又は改善するか、該疾患又は障害の進行を防止するか、該疾患又は障害の寛解を引き起こすか、該疾患又は障害に関連した1以上の症状の再発、発生もしくは発症を防止するか、又は他の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的作用(複数)を増強もしくは改善するのに十分である、療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の量を意味する。
本願明細書において使用される用語「エピトープ」は、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトにおいて、抗原性又は免疫原性活性を有するポリペプチド又はタンパク質の断片を意味する。免疫原性活性を有するエピトープは、動物において抗体応答を誘起するポリペプチド又はタンパク質の断片である。抗原性活性を有するエピトープは、例えばイムノアッセイのような当業者に周知の任意の方法により決定される、それに抗体が免疫特異的に結合するポリペプチド又はタンパク質の断片である。例えば抗原性エピトープは、免疫原性である必要はない。
本願明細書において使用される用語「賦形剤」は、希釈剤、ビヒクル、保存剤、結合剤、又は増加したタンパク質安定性、増加したタンパク質溶解度、及び減少した粘度のような有益な物理的特性を製剤にもたらす安定化剤として通常使用される不活性物質を意味する。賦形剤の例は、タンパク質(例えば、血清アルブミン)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、グリシン及びヒスチジン)、界面活性剤(例えば、SDS、ポリソルベート及び非イオン性界面活性剤)、サッカリド(例えば、グルコース、スクロース、マルトース及びトレハロース)、ポリオール(例えば、マンニトール及びソルビトール)、脂肪酸及びリン脂質(例えば、アルキルスルホン酸塩及びカプリル酸塩)を含むが、これらに限定されるものではない。賦形剤に関する追加の情報は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(Joseph P. Remington, 18版、Mack Publishing Co., Easton, PA)を参照し、これは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
本願明細書において使用される用語「断片」は、第二の異なるポリペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列の、少なくとも5個の隣接アミノ酸残基、少なくとも10個の隣接アミノ酸残基、少なくとも15個の隣接アミノ酸残基、少なくとも20個の隣接アミノ酸残基、少なくとも25個の隣接アミノ酸残基、少なくとも40個の隣接アミノ酸残基、少なくとも50個の隣接アミノ酸残基、少なくとも60個の隣接アミノ酸残基、少なくとも70個の隣接アミノ酸残基、少なくとも80個の隣接アミノ酸残基、少なくとも90個の隣接アミノ酸残基、少なくとも100個の隣接アミノ酸残基、少なくとも125個の隣接アミノ酸残基、少なくとも150個の隣接アミノ酸残基、少なくとも175個の隣接アミノ酸残基、少なくとも200個の隣接アミノ酸残基、又は少なくとも250個の隣接アミノ酸残基のアミノ酸配列を含む、ペプチド又はポリペプチドを意味する。別の実施態様において、タンパク質又はポリペプチドの断片は、タンパク質又はポリペプチドの少なくとも1種の機能を保持する。別の実施態様において、ポリペプチド又はタンパク質の断片は、ポリペプチド又はタンパク質の少なくとも2、3、4又は5種の機能を保持する。好ましくは、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の断片は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する能力を保持する。「機能性断片」は、タンパク質又はポリペプチドの少なくとも1種の機能を保持する断片である。
本願明細書において使用される用語「融合タンパク質」は、第一のポリペプチドもしくはタンパク質又はそれらの断片、アナログもしくは誘導体のアミノ酸配列、及び異種ポリペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列(すなわち、第一のポリペプチドもしくはタンパク質又はそれらの断片、アナログもしくは誘導体とは異なる、第二のポリペプチドもしくはタンパク質又はそれらの断片、アナログもしくは誘導体)を含む、ポリペプチド又はタンパク質を意味する。ひとつの実施態様において、融合タンパク質は、異種タンパク質、ポリペプチド又はペプチドに融合された予防的又は治療的薬剤を含む。この態様に従い、異種タンパク質、ポリペプチド又はペプチドは、予防的又は治療的薬剤の異なる型であってもよく、そうでなくともよい。例えば免疫変調活性を伴う2種の異なるタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドは、互いに融合され、融合タンパク質を形成する。好ましい実施態様において、融合タンパク質は、異種タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドに融合される前の、当初のポリペプチド又はタンパク質の活性と比べ、改善された活性を保持又は有する。
本願明細書で使用される用語「高濃度」及び「濃縮された抗体」は、抗体製剤中の、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の濃度が50mg/ml又はそれよりも高い、好ましくは95mg/ml又はそれよりも高いことを意味する。
本願明細書において使用される用語「宿主細胞」は、核酸分子で形質移入されたか又は形質転換された特定の対象細胞、及びそのような細胞の子孫及び可能性のある子孫を含む。そのような細胞の子孫は、世代継続又は核酸分子の宿主細胞ゲノムへの組込みにおいて起こり得る変異又は環境の影響のために、核酸分子で形質移入された親細胞と同一ではなくて良い。
本願明細書において使用される用語「ヒト小児」又は「小児」又はそれらの変形は、年齢24ヶ月〜18歳までのヒトを意味する。
本願明細書において使用される用語「高齢なヒト」、「高齢者」又はそれらの変形は、年齢65歳又はそれよりも年長、好ましくは70歳又はそれよりも年長のヒトを意味する。
本願明細書において使用される用語「ヒト乳児」又は「乳児」又はそれらの変形は、年齢24ヶ月未満、好ましくは12ヶ月未満、6ヶ月未満、3ヶ月未満、2ヶ月未満又は1ヶ月未満のヒトを意味する。
本願明細書において使用される用語「早期に生まれたヒト乳児」、「早産児」又は「未熟児」又はそれらの変形は、年齢6ヶ月未満の、好ましくは3ヶ月未満の、より好ましくは2ヶ月未満の、及び最も好ましくは1ヶ月未満である、妊娠週齢40週未満、好ましくは妊娠週齢35週未満で生まれたヒトを意味する。
本願明細書において使用される用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ」は、互いに少なくとも30%(好ましくは35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%)の同一性のヌクレオチド配列が、互いにハイブリダイズされ続けるようなハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を説明する。このようなストリンジェントな条件は、当業者に公知であり、及び例えば「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons, N. Y. (1989及び最新版))の6.3.1-6.3.6.に見ることができる。
一般にストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度のpHで、特定の配列に関して、融解温度(Tm)よりも約5〜10℃低いように選択される。Tmは、標的と50%相補的なプローブが、平衡状態で標的配列とハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度、pH及び核酸濃度で)である(標的配列は過剰に存在するので、Tmで平衡時にプローブの50%は占拠される)。ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩濃度が、約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(又は他の塩)、並びに温度が、短いプローブ(例えば10〜50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃及び長いプローブ(例えば50ヌクレオチドよりも大きい)少なくとも60℃であるものであろう。ストリンジェントな条件は、例えばホルムアミドのような脱安定化剤の添加により実現することもできる。選択的又は特異的ハイブリダイゼーションに関して、陽性シグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍であり、好ましくはバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍である。
ひとつの非限定的例において、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーション、それに続く0.1XSSC、0.2%SDS中で約68℃での1回以上の洗浄である。好ましい非限定的例において、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6XSSC中、約45℃でのハイブリダイゼーション、それに続く0.2XSSC、0.1%SDS中で50〜65℃での洗浄(すなわち、50℃、55℃、60℃又は65℃での1回又は複数回の洗浄)である。
本願明細書において使用される用語「IL-9ポリペプチド」は、IL-9の成熟型及び未熟型を含む、IL-9、それらのアナログ、誘導体もしくは断片(Van Snickらの論文、1989, J Exp. Med. 169:363-68、及びYangら, 1989, Blood 74:1880-84参照し、両方ともそれらの全体が本願明細書に参照として組入れられている)、又はIL-9、それらのアナログ、誘導体もしくは断片を含む融合タンパク質を意味する。IL-9ポリペプチドは、任意の種に由来してよい。IL-9ポリペプチドのヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列は、文献又は公表されたデータベースに見ることができるか、又はそのヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列は、当業者に公知のクローニング及び配列決定技術を用いて決定することができる。例えば、ヒトIL-9のヌクレオチド配列は、GenBankデータベースに見ることができる(例えば、寄託番号NM_000590;図12参照)。ヒトIL-9のアミノ酸配列は、GenBankデータベース(例えば、寄託番号A60480, NP_000584及びAAC17735;図13参照)、並びに2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号「組換え抗-インターロイキン-9抗体(Recombinant Anti-IL-9 Antibodies)」(15頁のヒトIL-9のアミノ酸配列は、本願明細書に参照として具体的に組入れられている)に見ることができる。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドは、ヒトIL-9、それらのアナログ、誘導体もしくは断片である。
本願明細書において使用される用語「IL-9受容体」及び「IL-9R」は、IL-9受容体、又はそれらのアナログ、誘導体もしくは断片か、又はIL-9受容体もしくはそれらのアナログ、誘導体もしくは断片を含む融合タンパク質を意味する。IL-9Rに関連して本願明細書において使用される用語「1以上のサブユニット」及び「サブユニット」は、IL-9Rリガンド-特異性αサブユニット("IL-9Rα")及び/又は機能性IL-9R又はそのアナログ、誘導体もしくは断片の共通のγc鎖(IL-2R、IL-4R、IL-7R、及びIL-15R複合体にも存在する)を意味する。好ましい実施態様において、当業者に公知の細胞増殖アッセイ(例えば、[3H]-チミジン取込みアッセイ又はヘキソサミニダーゼアッセイ)により決定されたように、機能性IL-9Rは、IL-9で処理されたT細胞の増殖反応を媒介する(例えば、Renauldらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5690-94、及びBauerらの論文、1998, J Biol. Chem. 273:9255-60を参照し、これらは両方ともそれらの全体が本願明細書に参照として組入れられている)。好ましくは、機能性IL-9Rを発現しているT細胞株(例えば、ヒト及びマウスの両IL-9Rαを発現しているTS1 RA3細胞(R&D Systems))のIL-9による処理は、当業者に公知の任意の細胞増殖アッセイにより測定すると、T細胞増殖の投与量-依存型の増加を生じる(例えば、Renauldらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5690-94、及びBauerらの論文、1998, J Biol. Chem. 273:9255-60を参照し、これらは両方ともそれらの全体が本願明細書に参照として組入れられている)。別の好ましい実施態様において、γc鎖及びIL-9Rαを含有する機能性IL-9Rは、JanusキナーゼJAK1及びJAK3を介したシグナル伝達カスケードを開始し、これによりシグナル伝達性転写(STAT)因子STAT-1、STAT-3及びSTAT-5のホモ及びヘテロ二量体を活性化する(Bauerらの論文、1998, J Biol. Chem. 273:9255-60参照)。別の好ましい実施態様において、当業者に公知のアポトーシスアッセイにより決定されるように、機能性IL-9Rは、STAT-3及びSTAT-5に関与する機構を介して、アポトーシスを防止することができる(Bauerらの論文、1998, J Biol. Chem. 273:9255-60参照)。IL-9R又はその1以上のサブユニットは、任意の種に由来してよい。IL-9R及びそのサブユニットのヌクレオチド及び/もしくはアミノ酸配列は、文献又は公表されたデータベースに見ることができるか、又はそのヌクレオチド及び/もしくはアミノ酸配列は、当業者に公知のクローニング及び配列決定技術を用いて決定することができる。例えば、ヒトIL-9Rのヌクレオチド配列は、GenBankデータベースに見ることができる(例えば、寄託番号NM_002186、NM_176786、及びNM_000206;図14参照)。ヒトIL-9Rのアミノ酸配列は、GenBankデータベース (例えば、寄託番号NP_002177;NP_789743、及びNP_000197;図15参照)、並びに2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号「組換え抗IL-9抗体(Recombinant Anti-Interleukin-9 Antibodies)」(16頁のヒトIL-9のアミノ酸配列は、本願明細書に参照として具体的に組入れられている)に見ることができる。好ましい実施態様において、IL-9又はその1以上のサブユニットは、ヒトIL-9R又は1以上のサブユニット、それらのアナログ、誘導体もしくは断片である。
本願明細書において使用される用語「免疫変調剤」又は免疫変調剤、イムノモジュラントもしくは免疫調節薬を含むがこれらに限定されるものではないそれらの変形は、宿主の免疫系を変調する物質を意味する。具体的な実施態様において、免疫変調剤は、対象の免疫応答のひとつの態様をシフトする物質である。ある実施態様において、免疫変調剤は、対象の免疫系を阻害又は低下する物質である(すなわち、免疫抑制剤)。ある別の実施態様において、免疫変調剤は、対象の免疫系を活性化又は増大する物質である(すなわち、免疫刺激剤)。本発明に従い、本発明の併用療法において使用される免疫変調剤は、本発明の抗体を含まない。免疫変調剤は、小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、生物学的活性タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードしているアンチセンスヌクレオチド配列、三重鎖、RNAi、及びヌクレオチド配列を含むが限定されないDNA及びRNAヌクレオチド)、抗体、合成又は天然の無機分子、擬態物質、並びに合成又は天然の有機分子を含むが、これらに限定されるものではない。本願明細書において使用される用語「併用」は、1以上の療法(例えば、予防的及び/又は治療的薬剤) の使用を意味する。用語「併用」の使用は、療法(例えば、予防的及び/又は治療的薬剤)が疾患又は障害(例えば、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状)を伴う対象へ投与される順番は、制限しない。第一の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、疾患又は障害(例えば、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状)を伴う対象へ、第二療法(例えば、予防的又は治療的薬剤の)投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、投与と同時に、又は投与に引き続き(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後に)投与される。
本願明細書において使用される用語「抗原へ免疫特異的に結合する」及び類義語は、抗原又は断片に特異的に結合し、他の抗原には特異的に結合しないペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質及び抗体(それらの抗体断片を含む)を意味する。抗原へ免疫特異的に結合するペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又は抗体は、例えば、イムノアッセイ、BIAcore、又は当該技術分野において公知の他のアッセイにより決定される場合、より低い親和性を伴う他のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に結合する。抗原へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)は、関連した抗原と交差反応することができる。好ましくは、抗原へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)は、他の抗原と有意に交差反応しない(すなわち、通常の免疫学的アッセイでは検出不能である)。ラジオイムノアッセイ(RIA)及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)のような、実験技術を用い決定される場合、抗体は、交差反応性抗原よりも、より高い親和性を伴う抗原へ特異的に結合する場合に、抗原へ特異的に結合する。抗体特異性に関する考察については、例えば、Paul編集の著書、1989,「Fundamental Immunology」(2版、Raven Press, ニューヨーク)の332-336頁を参照のこと。
本願明細書において使用される用語「併用」は、1以上の療法(例えば、1以上の予防的薬剤及び/又は治療的薬剤)の使用を意味する。用語「併用」の使用は、療法(例えば、予防的及び/又は治療的薬剤)が呼吸器の状態を伴う対象へ投与される順番は、制限しない。第一の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、呼吸器の状態を伴う対象へ、第二療法(例えば、予防的又は治療的薬剤の)投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、投与と同時に、又は投与に引き続き(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後に)投与される。
本願明細書において使用される用語「無機塩」は、金属又は金属のように作用する基による、酸水素又は酸の一部又は全ての置換から生じ、並びに時には医薬組成物及び生物学的物質の調製物において、等張化化合物として使用される、炭素を含有しない任意の化合物を意味する。最も一般的な無機塩は、NaCl、KCl、NaH2PO4などである。
タンパク質性物質又は核酸分子以外の有機又は無機分子(これは小分子又は巨大分子のいずれかである)に関連して本願明細書において使用される用語「単離された」は、異なる有機又は無機分子を実質的に非含有の有機又は無機分子を意味する。好ましくは、有機又は無機分子は、第二の異なる有機又は無機分子を60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%含まない。好ましい実施態様において、有機及び/又は無機分子が単離される。
タンパク質性物質(例えば、ペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、又は抗体)に関連して本願明細書において使用される用語「単離された」は、それが由来する細胞もしくは組織給源由来の細胞性物質又は夾雑タンパク質を実質的に含まないか、又は化学的に合成された場合に化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないような、タンパク質性物質を意味する。語句「細胞性物質を実質的に含まない」とは、タンパク質性物質が、それから単離されるか又は組換えにより生成される細胞の細胞性成分から分離されたタンパク質性物質の調製物を含む。従って、細胞性物質を実質的に含まないタンパク質性物質は、異種タンパク質、ポリペプチド、ペプチド又は抗体(同じく「夾雑タンパク質」と称される)を約30%、20%、10%、又は5%(乾質量%)未満有するタンパク質性物質の調製物を含む。タンパク質性物質が組換えにより生成される場合、好ましくは、これは培養培地を実質的に含まず、すなわち培養培地は、タンパク質性物質調製物の約20%、10%又は5容量%未満である。タンパク質性物質が化学合成により生成される場合、好ましくは、化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まず、すなわち、これはタンパク質性物質の合成に関与する化学前駆体又は他の化学物質から分離される。従って、このようなタンパク質性物質の調製物は、関心のあるタンパク質性物質以外の化学前駆体又は化合物を約30%、20%、10%、5%(乾質量%)未満有する。具体的な実施態様において、本願明細書に明らかにされたタンパク質性物質が開示される。好ましい実施態様において、本発明の抗体は、単離される。具体的な実施態様において、「単離された」抗体は、3種のクロマトグラフィー工程(カチオン交換、プロテインA及びアニオン交換)、ナノ濾過工程、及び低pH処理工程を含む、多工程精製プロセスにより精製される(詳細な説明は、下記セクション6参照)。
核酸分子に関連して本願明細書において使用される用語「単離された」は、その核酸分子の天然の給源に存在する他の核酸分子から分離された核酸分子を意味する。更に、「単離された」核酸分子、例えばcDNA分子などは、他の細胞性物質、又は組換え技術により生成された場合は培養培地を実質的に含まないか、又は化学合成された場合は、化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないことができる。具体的な実施態様において、核酸分子は単離される;しかし、「単離された」は、cDNAライブラリーのようなクローンライブラリー集団の一員は除外する。
本願明細書において使用される語句「低レベルから検出不能なレベルの凝集」は、高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)により測定した場合に、タンパク質質量の 5%を超えない、4%を超えない、3%を超えない、2%を超えない、1%を超えない、最も好ましくは0.5%を超えない凝集を含有する試料を意味する。
本願明細書において使用される用語「低レベルから検出不能なレベルの断片化」は、分解されない抗体又は分解されないそれらの断片を表す、例えばHPSECにより決定された場合に1本ピークであり、又は還元キャピラリーゲル電気泳動(rCGE)により2本ピーク(例えば、重鎖及び軽鎖)(又はサブユニットが存在する場合は多くのピーク)が、総タンパク質の80%、85%、90%、95%、98%又は99%と同等又はそれよりも多く含有する試料を意味し、並びに各々総タンパク質の5%よりも多い、4%よりも多い、3%よりも多い、2%よりも多い、1%よりも多い、又は0.5%よりも多い他の1本ピークを有さない。本願明細書において使用される用語「還元キャピラリーゲル電気泳動」は、抗体のジスルフィド結合を還元するのに十分な還元条件下でのキャピラリーゲル電気泳動を意味する。
本願明細書において使用される用語「管理する」、「管理している」及び「管理」は、対象が療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)から得る(derive)恩恵のある作用を意味し、これは疾患の治癒を生じるものではない。ある実施態様において、対象は、疾患の進行又は増悪を防ぐ目的で、疾患を「管理する」ために、1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)が投与される。
本願明細書において使用される用語「マスト細胞モジュレーター」は、マスト細胞の活性化、マスト細胞脱顆粒、及び/又はサイトカインなどの特定のタンパク質の発現を変調する物質を意味する。このような物質は、マスト細胞の活性化、マスト細胞脱顆粒、及び/又はサイトカインなどの特定のタンパク質の発現を、直接又は間接に変調してよい。マスト細胞モジュレーターの非限定的例は、幹細胞因子、マスト細胞プロテアーゼ、サイトカイン(例えばIL-3、IL-4、及びIL-9)、サイトカイン受容体(例えばIL-3R、IL-4R及びIL-9R)、並びに幹細胞受容体の発現、機能及び/又は活性を阻害及び/又は低下する、小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、生物学的活性タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードしているアンチセンスヌクレオチド配列、三重鎖、RNAi、及びヌクレオチド配列を含むが限定されない、DNA及びRNAヌクレオチド)、融合タンパク質、抗体、合成又は天然の無機分子、合成又は天然の有機分子、又は擬態物質を含むが、これらに限定されるものではない。マスト細胞モジュレーターの他の非限定的例は、IgEの発現、機能及び/又は活性を阻害及び/又は低下する、小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、生物学的活性タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードしているアンチセンスヌクレオチド配列、三重鎖、RNAi、及びヌクレオチド配列を含むが限定されない、DNA及びRNAヌクレオチド)、融合タンパク質、抗体、合成又は天然の無機分子、合成又は天然の有機分子、又は擬態物質を含むが、これらに限定されるものではない。ある実施態様において、マスト細胞モジュレーターは、マスト細胞の脱顆粒後の追加のマスト細胞の活性化を防止又は低下する物質である。別の実施態様において、マスト細胞モジュレーターは、マスト細胞脱顆粒を阻害又は低下する物質である。
本願明細書において使用される用語「非-反応性」及び「難治性」は、その障害に関連した1以上の症状を緩和するのに臨床的に適していない、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状について、現在利用可能な療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)で治療される患者を説明する。典型的にはこのような患者は、重度の、持続性に活性のある疾患に罹患し、その障害に関連した症状を改善するために、追加療法が必要である。
本願明細書において使用される語句「医薬として許容し得る」とは、動物、より詳細にはヒトにおける使用に関して、連邦又は州政府の規制機関により承認されるか、又は米国薬局方、欧州薬局方もしくは他の一般に認められる薬局方に収載されていることを意味する。
本願明細書において使用される用語「ポリオール」は、通常のサッカリドと比べ、多くの-OH基を含む糖質を意味する。
本願明細書において使用される用語「予防する」、「予防している」、及び「予防」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の発生もしくは発症を阻害すること、又は療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の投与、もしくは療法の組合せ(例えば、予防的又は治療的薬剤の組合せ)の投与から生じる、対象における呼吸器の状態の1以上の症状の再発、発症もしくは発生を予防することを意味する。
本願明細書において使用される用語「(単数又は複数の)予防的薬剤」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の発症、再発又は発生の予防において使用することができる任意の薬剤(複数)を意味する。ある実施態様において、用語「予防的薬剤」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を意味する。ある別の実施態様において、用語「予防的薬剤」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体以外の物質を意味する。好ましくは、予防的薬剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の発症、発生、進行及び/又は重症度を予防又は遅らせるために、有用であることがわかっているか又は使用されてきたか又は現在使用されている物質である。予防的薬剤は、その薬剤がin vitro及び/又はin vivoにおいて有する1以上の作用を基に、異なる物質として特徴付けられてもよい。例えばマスト細胞モジュレーターは、免疫変調剤としても特徴付けられる。
本願明細書において使用される用語「予防的有効量」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の発生、再発、もしくは発症の予防を生じるか、又は別の療法(例えば、予防的薬剤)の予防的作用(複数)を増強もしくは改善するのに十分である療法(例えば、予防的薬剤)の量を意味する。
本願明細書において使用される「予防的プロトコール」は、予防的作用を有する1以上の療法(例えば、1以上の予防的薬剤)の投薬及び投与の時期に関するレジメンを意味する。
本願明細書において使用される「プロトコール」は、投薬スケジュール及び投薬レジメンを含む。本願明細書のプロトコールは、使用法であり、並びに予防的及び治療的プロトコールを含む。
本願明細書において使用される用語「サッカリド」は、多価アルコールの誘導体である分子クラスを意味する。サッカリドは、通常炭水化物と称され、例えば、単糖、二糖、及び多糖の糖質(サッカリド)単位の異なる量を含むことができる。
本願明細書において使用される語句「副作用」は、予防的又は治療的薬剤の望ましくない作用及び有害作用を包含している。副作用は常に望ましくないが、望ましくない作用は必ずしも有害ではない。療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)からの有害作用は、危険であるか、不快であるか又はリスクがある。
REMICADE(商標)投与の副作用は、重篤な感染症及び過敏反応のリスクを含むが、これらに限定されるものではない。他の副作用は、発熱もしくは悪寒、掻痒もしくは蕁麻疹、及び胸部疼痛、低血圧、高血圧又は呼吸困難などの心肺反応などの非特異的症状から、多発性筋痛及び/又は関節痛、発疹、顔面、手もしくは口唇の浮腫、嚥下困難、咽頭炎、及び頭痛などの作用までの範囲である。更に別の副作用は、腹部ヘルニア、脾臓梗塞、巨脾種、眩暈、上部運動ニューロン障害、全身性紅斑狼瘡、リウマチ結節、耳垢症、腹部疼痛、下痢、胃潰瘍、腸閉塞、腸穿孔、腸狭窄、悪心、膵炎、吐気、背痛、骨折、腱障害又は損傷、心不全、心筋虚血、リンパ腫、血小板減少症、蜂巣炎、不安、混乱、せん妄、鬱病、眠気、自殺願望、貧血、膿瘍、細菌感染症、及び敗血症を含むが、これらに限定されるものではない。ENBREL(商標)投与の副作用は、死亡を含む、重篤な感染症及び敗血症のリスクを含むが、これらに限定されるものではない。有害副作用は、腎盂腎炎、気管支炎、敗血症性関節炎、腹部膿瘍、蜂巣炎、骨髄炎、創傷感染症、肺炎、足の膿瘍、下腿潰瘍、下痢、副鼻腔炎、敗血症、頭痛、悪心、鼻炎、眩暈、咽頭炎、咳、無気力、腹部疼痛、発疹、末梢浮腫、呼吸器障害、消化不良、副鼻腔炎、吐気、口腔潰瘍、脱毛、及び肺炎などの重篤な感染症から、心不全、心筋梗塞、心筋虚血、脳虚血、高血圧、低血圧、胆のう炎、膵炎、胃腸管出血、滑液包炎、鬱病、呼吸困難、深部静脈血栓症、肺塞栓症、膜性糸球体腎炎、多発性筋炎、及び血栓静脈炎などの他のより頻度の低い有害作用までの範囲に及ぶ。メトトレキセートの投与から生じる副作用は、致命的であり得る重篤な毒性反応、例えば予想外に重症の骨髄抑制、胃腸管毒性、肝毒性、長期使用後の線維症及び硬変、肺疾患、下痢、及び潰瘍性胃炎、悪性リンパ腫及び場合によっては致命的に重症の皮膚反応を含むが、これらに限定されるものではない。
化学療法の副作用は、初期及び後期発生する下痢及び鼓腸;悪心;吐気;食欲不振;白血球減少症;貧血;好中球減少症;無気力;腹部仙痛;発熱;疼痛;体重減少;脱水;脱毛;呼吸困難;不眠症;眩暈、粘膜炎、口内乾燥、及び腎不全などであるがこれらに限定されるものではない胃腸管毒性、更には便秘、神経及び筋作用、腎臓及び膀胱の一時的又は永久の損傷、流感様症状、液体貯留、及び一時的又は永久の不妊を含むが、これらに限定されるものではない。放射線療法からの副作用は、疲労、口腔乾燥、及び食欲不振を含むが、これらに限定されるものではない。他の副作用は、初期及び後期発生する下痢及び鼓腸;悪心;吐気;食欲不振;白血球減少症;貧血;好中球減少症;無気力;腹部仙痛;発熱;疼痛;体重減少;脱水;脱毛;呼吸困難;不眠症;眩暈、粘膜炎、口内乾燥、及び腎不全などであるが、これらに限定されるものではない胃腸管毒性を含む。生物学的療法/免疫療法の副作用は、投与部位の発疹又は腫脹、発熱、悪寒及び疲労などの流感様症状、消化管の問題及びアレルギー反応を含むが、これらに限定されるものではない。ホルモン療法の副作用は、悪心、不妊の問題、鬱病、食欲減退、目の問題、頭痛、及び体重変動を含むが、これらに限定されるものではない。典型的には患者により経験される追加の望ましくない作用は多く、及び当該技術分野において公知である。多くは、「Physicians' Desk Reference」(56版、2002及び57版、2003)に説明されている。
本願明細書において使用される用語「小分子」及び類義語は、ペプチド、ペプチド擬態、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログ、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、分子質量約10,000g/モル未満を有する有機もしくは無機化合物(すなわちヘテロ有機化合物及び有機金属化合物を含む)、分子質量約5,000g/モル未満を有する有機もしくは無機化合物、分子質量約1,000g/モル未満を有する有機もしくは無機化合物分子質量約500g/モル未満を有する有機もしくは無機化合物、並びにそのような物質の塩、エステル及び他の医薬として許容し得る形を含むが、これらに限定されるものではない。
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する液体製剤に関連して本願明細書において使用される用語「安定性」及び「安定した」は、所定の製造、調製、輸送及び貯蔵条件下での、製剤中の抗体又は(それらの抗体断片を含む)の分解又は断片化に対する抵抗を意味する。本発明の「安定した」製剤は、所定の製造、調製、輸送及び貯蔵条件下で、生物学的活性を保持する。該抗体(それらの抗体断片を含む)の安定性は、HPSECによる測定において、分解又は断片化の程度により参照製剤と比較し、評価することができる。例えば参照製剤は、150mM NaClを含有するヒスチジン-HCl緩衝液(pH6.0)中、抗体(それらの抗体断片を含む)10mg/ml(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5又は7F3com-3D4)からなる-70℃で凍結された参照標準であることができ、この参照製剤は、通常HPSECにより単独のモノマーピーク(≧97%面積)を示す。あるいは、参照製剤は、ヒスチジン-HCl緩衝液(pH6.0)中、抗体(それらの抗体断片を含む)10mg/ml(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5又は7F3com-3D4)からなる-70℃で凍結された参照標準であることができ、この参照製剤は、通常HPSECにより単独のモノマーピーク(≧97%面積)を示す。IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する製剤の全般的安定性は、例えば単離されたIL-9ポリペプチド分子又はこれを発現している細胞を使用する、ELISA及びラジオイムノアッセイを含む、様々な免疫学的アッセイにより評価することができる。
本願明細書において使用される用語「対象」及び「患者」は、互換的に使用される。本願明細書において使用される用語「(単数又は複数の)対象」は、動物、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット及びマウス)及び霊長類(例えば、カニクイザルのようなサル、チンパンジー、及びヒト)を含む哺乳類を意味し、より好ましくはヒトを意味する。ある実施態様において、対象は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を伴う哺乳類、好ましくはヒトである。別の実施態様において、対象は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を伴う家畜(例えば、ウマ、ブタ、又はウシ)又はペット(例えば、イヌ又はネコ)である。別の実施態様において、対象は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の発生のリスクのある、哺乳類(例えば、免疫無防備状態の又は免疫抑制状態の哺乳類)、好ましくはヒトである。別の実施態様において、対象は、免疫無防備状態又は免疫抑制状態の哺乳類、好ましくはヒトではない。別の実施態様において、対象は、約500個細胞/mm3を下回らないリンパ球数を伴う、哺乳類、好ましくはヒトである。別の実施態様において、対象は、ヒト乳児又はヒト未熟児である。別の実施態様において、対象は、ヒト小児又はヒト成人である。別の実施態様において、対象は、気管支肺形成異常、先天性心臓病、又は嚢胞性線維症を伴うヒト小児である。別の実施態様において、対象は、高齢者である。更に別の実施態様において、対象は、老人ホームなどであるが、これらに限定されるものではない施設又はグループホームに滞在するヒトである。
本願明細書において使用される用語「界面活性剤を実質的に含まない」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する製剤であり、該製剤が界面活性剤を0.0005%未満、0.0003%未満、0.0001%未満含有することを意味する。
用語「糖質、糖アルコール、及びヒスチジン以外のアミノ酸を実質的に含まない」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する製剤であり、該製剤が糖質、糖アルコール、及びヒスチジン以外のアミノ酸を0.0005%未満、0.0003%未満、0.0001%未満含有することを意味する。
本願明細書において使用される用語「相乗的」は、2以上の単独の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の相加作用よりも、より効果的である、療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の組合せを意味する。療法の組合せ(例えば、予防的又は治療的薬剤の組合せ)の相乗作用は、呼吸器の状態を伴う対象への1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)のより低い用量及び/又は該療法のより少ない投与頻度の使用を可能にする。療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)のより低い用量及び/又は該療法のより低い頻度での投与を利用する能力は、呼吸器の状態の予防又は治療における該療法の有効性を低下することなく、対象への該療法の投与に関連した毒性を低下する。加えて相乗作用は、呼吸器の状態の予防又は治療における療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の改善された有効性を生じることができる。最後に、療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の組合せの相乗作用は、いずれかの単独療法の使用に関連した有害な又は望ましくない副作用を回避又は軽減することができる。
本願明細書において使用される用語「T細胞受容体モジュレーター」は、T細胞受容体のリン酸化、T細胞受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、及び/又はサイトカインのようなT細胞受容体活性に関連した特定のタンパク質の発現を変調する物質を意味する。このような物質は、T細胞受容体のリン酸化、T細胞受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、及び/又はサイトカインのようなT細胞受容体活性に関連した特定のタンパク質の発現を、直接又は間接に変調することができる。T細胞受容体モジュレーターの例は、T細胞受容体又はそれらの断片へ免疫特異的に結合するペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質及び抗体を含むが、これらに限定されるものではない。更にT細胞受容体モジュレーターの例は、T細胞受容体又はそれらの断片のリガンドに免疫特異的に結合する、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド(例えば、可溶性T細胞受容体)、融合タンパク質及び抗体を含むが、これらに限定されるものではない。
本願明細書において使用される用語「(単数又は複数の)治療的薬剤」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に使用することができる、任意の物質(複数)を意味する。ある実施態様において、用語「治療的薬剤」は、IL-9ポリペプチドに結合する抗体を意味する。ある別の実施態様において、用語「治療的薬剤」は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体以外の物質を意味する。好ましくは、治療的薬剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用であるか、又は使用されてきたかもしくは現在使用されていることがわかっている物質である。治療的薬剤は、in vivo及び/又はin vitroにおいて1以上の作用を有することを基に、異なる物質として特徴付けることができ、例えば抗炎症薬は、免疫変調剤として特徴付けることもできる。
本願明細書において使用される用語「治療的有効量」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の重症度を低下するのに十分な、呼吸器の状態の期間を短縮するのに十分な、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状により特徴付けられる疾患又は障害の1以上の症状の、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の改善に十分な、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の後退を引き起こすのに十分な、又は別の療法の治療的作用(複数)を増強もしくは改善するのに十分である、療法(例えば、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体)の量を意味する。
用語「(単数又は複数の)療法」は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理、又は改善に使用することができる任意のプロトコール(複数)、方法(複数)、及び/又は物質(複数)を意味する。ある実施態様において、用語「(単数又は複数の)療法」は、熟練した医療担当者に公知の、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の治療、管理、予防又は改善に有用な、抗-ウイルス療法、抗-菌療法、抗-真菌療法、生物学的療法、支持療法、及び/又は他の療法を意味する。
本願明細書において使用される用語「治療的プロトコール」は、治療効果を有する1以上の療法(例えば、治療的薬剤)の投薬レジメン及び投与時期を意味する。
本願明細書において使用される用語「治療する」、「治療」及び「治療している」は、1以上の療法の投与(1以上の予防的又は治療的薬剤の投与を含むが、これらに限定されるものではない)から生じる、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の進行、重症度及び/又は期間の軽減又は改善を意味する。ある実施態様において、このような用語は、臓器もしくは組織の腫脹の減少、又は呼吸器の状態に関連した疼痛の軽減を意味する。別の実施態様において、このような用語は、喘息に関連した気道(複数)の炎症又は収縮の減少を意味する。別の実施態様において、このような用語は、感染性物質の複製の低下、又は感染性物質の対象内の他の臓器もしくは組織へのもしくは他の対象への播種の低下を意味する。別の実施態様において、このような用語は、マスト細胞による炎症性物質の放出の低下、又はそのような炎症性物質による生物学的作用の低下を意味する。別の実施態様において、このような用語は、高増殖性細胞(例えば、癌細胞)の成長、形成及び/又は数の増加の低下を意味する。更に別の実施態様において、このような用語は、原発性、局所的又は転移性癌の根絶、除去又は制御(例えば、癌の播種の最小化又は遅延)を意味する。
本願明細書において使用される用語「生物活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なし」は、ELISA及びラジオイムノアッセイを含むが限定されない様々な免疫学的アッセイにより測定される、抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9ポリペプチドへの特異的結合能を含むが、これらに限定されるものではない、抗体活性を意味する。ひとつの実施態様において、本発明の製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)は、当業者に公知の又は本願明細書に説明された免疫学的アッセイにより測定された場合、参照抗体(それらの抗体断片を含む)(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4)と比べて、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する能力を、約50%、好ましくは55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%保持する。例えば、ELISAベースのアッセイを用い、抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する能力を、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4参照標準と比較することができる。IL-9 Binding ELISAと称されるこのアッセイにおいて、プレートは、単離されたIL-9で被覆され、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4参照標準の設定濃度の結合シグナルが、被験抗体(それらの抗体断片を含む)の同じ濃度の結合シグナルと比較される。本願明細書において使用される「参照標準」は、150mM NaClを含有するヒスチジン-HCl緩衝液(pH6.0)中、10mg/mlの抗体(それらの抗体断片を含む)(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4)を含有し、-70℃で凍結された、抗体(それらの抗体断片を含む)(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4)を意味し、この参照製剤は通常、HPSECにより単独のモノマーピーク(≧97%面積)を示す。別の実施態様において、本願明細書において使用される用語「生物活性の非常に少ない喪失もしくは喪失なし」は、その抗体の他のエフェクター活性を含む、抗体活性を意味する。
(5. 発明の詳細な説明)
本発明の液体製剤は、再構成のための調製物の正確かつ無菌技術を必要とせず、対象へ製剤を投与する前に溶液が透明化するまでの期間を待つことがなく、対象へ投与するためのIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)のそのまま使用できる調製物を提供する。加えてこのような再構成された溶液は、ある期間内に使用されなければならず、このことは非常な経費の浪費に繋がる。これは、医療従事者にとって、製剤を対象へ投与する手法を単純化する。更に本発明の製剤は、その貯蔵時の高度の安定性のために、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を、長期貯蔵時のタンパク質凝集及び/又は断片化に起因した抗体の生物学的活性に有害作用を引き起こすことなく、約1mg/ml〜約300mg/mlの濃度範囲で含有することができる。このような安定性は、抗体の有効性を単に確実にするのみではなく、対象における可能性のある有害作用のリスクも低下する。更に、製剤中のより少ない成分の使用は、夾雑のリスクを低下する。加えて本発明の液体製剤の製造法は、単純化され、並びに液体製剤の製造の全ての工程を水溶液中で実行することができ、凍結乾燥及びフリーズ-ドライのような乾燥プロセスが関与しないので、凍結乾燥型の製造法よりもより効率的である。従って、更にこれは経費効果がある。
(5.1. 抗体製剤)
本発明の液体製剤は、実質的に界面活性剤、及び/又は他の賦形剤、例えば糖質、糖アルコール、アミノ酸(好ましくは、pKa値が5未満又は7よりも高い、及び/又はヒスチジンもしくはリシン以外のアミノ酸)を含まず、並びに長期貯蔵時に依然高い安定性を示す、抗体製剤を提供する。具体的な実施態様において、このような抗体製剤は均質である。好ましい実施態様において、本発明の製剤は、無菌である。本発明の製剤は、水性担体、ヒスチジン及びNaCl緩衝液、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を濃度約15mg/ml〜約300mg/mlで含有する。ひとつの実施態様において、本発明の製剤は、水又は適当な溶媒以外は、他の成分を含有しない。別の好ましい実施態様において、水は蒸留水である。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの抗原結合断片である。別の実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの抗原結合断片ではない。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、前記表1に列記された1以上のVH CDR及び/又は1以上のVL CDRを含む抗体(それらの抗体断片を含む)である。別の実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)は、異種ポリペプチド、別の抗体(それらの抗体断片を含む)、マーカー配列、診断用物質、治療的薬剤、放射性金属イオン、ポリマー、アルブミン及び固相支持体を含むが限定されない、別の部分に複合された抗体(それらの抗体断片を含む)である。更に別の実施態様において、本発明の液体製剤は、2以上のIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有し、ここで少なくとも1種の抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの抗原結合断片である。
本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の濃度は、少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも30mg/ml、少なくとも35mg/ml、少なくとも40mg/ml、少なくとも45mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも55mg/ml、少なくとも60mg/ml、少なくとも65mg/ml、少なくとも70mg/ml、少なくとも75mg/ml、少なくとも80mg/ml、少なくとも85mg/ml、少なくとも90mg/ml、少なくとも95mg/ml、少なくとも100mg/ml、少なくとも105mg/ml、少なくとも110mg/ml、少なくとも115mg/ml、少なくとも120mg/ml、少なくとも125mg/ml、少なくとも130mg/ml、少なくとも135mg/ml、少なくとも140mg/ml、少なくとも150mg/ml、少なくとも175mg/ml、少なくとも200mg/ml、少なくとも250mg/ml、少なくとも275mg/ml、又は少なくとも300mg/mlである。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の濃度は、約75mg/ml、約100mg/ml、約125mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、約200mg/ml、約225mg/ml、約250mg/ml、約275mg/ml、又は約300mg/mlである。別の実施態様において、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の濃度は、15〜500mg/ml、50〜300mg/ml、50〜250mg/ml、50〜200mg/ml、50〜175mg/ml、50〜150mg/ml、50〜125mg/ml、又は50〜100mg/mlである。
好ましくは、この製剤は、ヒスチジンにより緩衝される(しかし他の適当な緩衝液も使用することができる)。本発明の液体製剤に含まれるヒスチジンの濃度は、1mM〜100mM、好ましくは5mM〜50mM、より好ましくは10mM〜約25mMの範囲である。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤に含まれるヒスチジンの濃度は、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM又は50mMである。ヒスチジンは、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、又はそれらの混合物の形であることができるが、L-ヒスチジンが最も好ましい。ヒスチジンは、水和物の形であることもできる。ヒスチジンは、塩酸塩(例えば、一塩酸塩及び二塩酸塩)、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの、医薬として許容し得る塩の形で使用することもできる。ヒスチジンの純度は、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%でなければならない。ヒスチジンに関連して本願明細書において使用される用語「純度」は、当該技術分野において理解されるような、ヒスチジンの化学純度を意味し、例えば「The Merck Index」13版、O'Neilら編集(Merck & Co., 2001)に説明されている。
この製剤のpHは一般に、製剤において使用される特定の抗体(それらの抗体断片を含む)の等電点と等しくなく(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4の等電点は、8.65〜8.89の範囲である)、及び約5.0〜約7.0、好ましくは約5.5〜約6.5、より好ましくは約5.8〜約6.2、最も好ましくは約6.0である。
ヒスチジン及びIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)に加え、本発明の製剤は更に、グリシンを濃度150mM未満、100mM未満、75mM未満、50mM未満、25mM未満、10mM未満、5.0mM未満又は2.0mM未満含有することができる。具体的な実施態様において、本発明の製剤は更に、グリシンを濃度1mM〜150mM、1mM〜100mM、1mM〜75mM、1mM〜50mM、1mM〜25mM、1mM〜10mM、1mM〜5.0mM、又は1mM〜2.0mMで含有する。その等電点での抗体の沈殿を避けることができるように、製剤中のグリシンの量は、著しい緩衝作用を引き起こしてはならない。グリシンは、医薬として許容し得る塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの形で使用することもできる。グリシンの純度は、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは99.5%でなければならない。グリシンに関連して本願明細書において使用される用語「純度」は、当該技術分野において理解されるような、グリシンの化学純度を意味し、例えば「The Merck Index」13版、O'Neilら編集(Merck & Co., 2001)に説明されている。具体的な実施態様において、グリシンは本発明の製剤中に含まれない。
任意に、本発明の製剤は更に、他の賦形剤、例えばサッカリド(例えば、スクロース、マンノース、トレハロースなど)及びポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど)を含有することができる。ひとつの実施態様において、他の賦形剤はサッカリドである。具体的な実施態様において、サッカリドは、濃度が製剤の約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約15%、より好ましくは約8%〜10%の範囲であるスクロースである。別の実施態様において、サッカリドは、濃度は製剤の1%、3%、5%、8%、10%、15%、又は20%であるスクロースである。別の実施態様において、賦形剤はポリオールである。しかし好ましくは、本発明の液体製剤は、マンニトールを含有しない。具体的な実施態様において、ポリオールは、濃度が製剤の約0.001%〜約1%、好ましくは約0.01%〜約0.1%の範囲であるポリソルベート(例えばTween 20)である。具体的な実施態様において、ポリオールは、濃度が製剤の0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、又は1%であるポリソルベート(例えばTween 20)である。
本発明の液体製剤は、高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)で評価された場合、温度範囲38℃〜42℃で少なくとも15日間、一部の態様においては25日よりも長くない安定性を示し、温度範囲20℃〜24℃で少なくとも6ヶ月間、温度範囲2℃〜8℃(特に4℃)で少なくとも6ヶ月間、少なくとも1年間、少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも2.5年間、少なくとも3年間又は少なくとも4年間の、並びに温度-2O℃で少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、又は少なくとも5年間の安定性を示す。すなわち、本発明の液体製剤は、前述のような限定された期間の貯蔵後に、本願明細書に説明されたように、低レベルから検出不能なレベルの凝集及び/又は断片化を有する。好ましくは、HPSECによる測定において、前述のような限定された期間の貯蔵後に、5%を超えない、4%を超えない、3%を超えない、2%を超えない、1%を超えない、最も好ましくは0.5%を超えない抗体(それらの抗体断片を含む)が、凝集体を形成する。更に本発明の液体製剤は、抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する能力を測定するために、例えば酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラジオイムノアッセイを含む、様々な免疫学的アッセイにより評価される場合、前述の条件下長期間の貯蔵時に、抗体(それらの抗体断片を含む)の生物学的活性の喪失をほとんど示さない。本発明の液体製剤は、前述の限定された期間の貯蔵後、貯蔵前の製剤の最初の生物学的活性(例えば、IL-9ポリペプチドへの結合能)の80%よりも多く、85%よりも多く、90%よりも多く、95%よりも多く、98%よりも多く、99%よりも多く又は99.5%よりも多くを保持する。一部の態様において、本発明の液体製剤は、前述の限定された期間の貯蔵後に、貯蔵前の抗体を表す参照抗体と比べ、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%又は少なくとも99.5%の生物学的活性(例えば、IL-9ポリペプチドへの結合能)を保持する。
本発明の液体製剤は、単位剤形として調製することができる。例えば、1バイアル当たりの単位剤形は、約15mg/ml〜約300mg/ml、約50mg/ml〜約300mg/ml、約75mg/ml〜約300mg/ml、約95mg/ml〜約300mg/ml、約100mg/ml〜約300mg/ml、約150mg/ml〜約300mg/ml、約200mg/ml〜約300mg/ml、約100mg/ml〜約200mg/ml、約100mg/ml〜約150mg/ml、又は約100mg/ml〜約175mg/mlの範囲の様々な濃度のIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又は抗体断片を1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、又は20ml含有することができる。必要であるならば、これらの調製物は、無菌希釈剤を各バイアルへ添加することにより、所望の濃度に調節することができる。
本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する単独の抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する、安定した液体製剤を包含している。本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する2以上の抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する、安定した液体製剤も包含している。具体的な実施態様において、本発明の安定した液体製剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの断片を含有する。別の実施態様において、本発明の安定した液体製剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する2以上の抗体(それらの抗体断片を含む)を含有し、ここで抗体(それらの抗体断片を含む)の1種は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの抗原結合断片である。別の実施態様において、本発明の安定した液体製剤は、抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの抗原結合断片を含まないという条件で、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する2以上の抗体(それらの抗体断片を含む)を含む。
(5.1.1. IL-9抗体)
本発明は、IL-9ポリペプチド(好ましくはヒトIL-9ポリペプチド)へ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。特に本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する下記の抗体の製剤を提供する:4D4又はその抗原結合断片、4D4 H2-1 D11又はその抗原結合断片、4D4com-XF-9又はその抗原結合断片、4D4com-2F9又はその抗原結合断片、7F3又はその抗原結合断片、71 A10又はその抗原結合断片、7F3 22D3又はその抗原結合断片、7F3com-2H2又はその抗原結合断片、7F3com-3H5又はその抗原結合断片、及び7F3com-3D4又はその抗原結合断片である。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、7F3com-2H2又はそれらの抗原結合断片(例えば、7F3com-2H2の1以上のCDR)である。4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、及び7F3com-3D4の定常領域は、パリズビツマブ(palizvizumab)IgG1の定常領域(Medlmmune, Inc.)と同じである(1998年10月20日に公開された米国特許第5,824,307号参照)。
本発明は、抗体が、4D4(図1A;配列番号:7)、4D4 H2-1 D11(図2A;配列番号:9)、4D4com-XF-9(図3A;配列番号:15)、4D4com-2F9(図4A;配列番号:17)、7F3(図5A;配列番号:21)、71 A10(図6A;配列番号:23)、7F3 22D3(図7A;配列番号:21)、7F3com-2H2(図8A;配列番号:27)、7F3com-3H5(図10A;配列番号:29)、又は7F3com-3D4(図11A;配列番号:31)のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、7F3com-2H2(図8A;配列番号:27)のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。
本発明は、抗体が、先の表1に列記したVH CDRのいずれかひとつのアミノ酸配列を有するVH CDRを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。特に本発明は、抗体が、先の表1に列記したVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVH CDRを1、2、3、4、5又はそれよりも多く含有する(あるいは、からなる)、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を提供する。ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
本発明は、抗体が、4D4(図1B;配列番号:8)、4D4 H2-1 D11(図2B;配列番号:8)、4D4com-XF-9(図3B;配列番号:16)、4D4com-2F9(図4B;配列番号:18)、7F3(図5B;配列番号:22)、71 A10(図6B;配列番号:24)、7F3 22D3(図7B;配列番号:25)、7F3com-2H2(図8B;配列番号:28)、7F3com-3H5(図10B;配列番号:30)、もしくは7F3com-3D4(図11B;配列番号:32)のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含むIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、7F3com-2H2(図8B;配列番号:28)のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
本発明は、抗体が、先の表1に列記したVL CDRのいずれかひとつのアミノ酸配列を有するVL CDRを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。特に本発明は、抗体が、先の表1に列記したVL CDRのいずれかアミノ酸配列を有するVL CDRを1、2、3又はそれよりも多く含有する(あるいは、からなる)、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、及び配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、その抗体の一部である、配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
本発明は、抗体が、本願明細書に明らかにされたVHドメインを、本願明細書に明らかにされたVLドメイン、又は他のVLドメイン(例えば、2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号、及び2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,728号に開示された、VLドメイン、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)と一緒に含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。本発明は、抗体が、本願明細書に明らかにされたVLドメインを、本願明細書に明らかにされたVHドメイン、又は他のVHドメイン(例えば、2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号、及び2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,728号に開示された、VHドメイン、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)と一緒に含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体も提供する。
本発明は、抗体が、前記表1に列記されたVH CDR、並びに2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号、及び2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,728号に開示されたVL CDRを含む(あるいは、からなる)、
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を提供する、本発明は該抗体が、前記表1に列記されたVL CDR、並びに2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号、及び2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,728号に開示されたVH CDRを含む(あるいは、からなる)、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤も提供する。本発明は、抗体が、本願明細書に開示された、並びに2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,683号、及び2002年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/371,728号に開示された、VH CDR及びVL CDRの組合せを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を提供する。
本発明は、抗体が、前記表1に列記された1以上のVH CDR及び1以上のVL CDRを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。特に本発明は、抗体が、VH CDR1及びVL CDR1;VH CDR1及びVL CDR2;VH CDR1及びVL CDR3;VH CDR2及びVL CDR1;VH CDR2及びVL CDR2;VH CDR2及びVL CDR3;VH CDR3及びVH CDR1;VH CDR3及びVL CDR2;VH CDR3及びVL CDR3;VH1 CDR1、VH CDR2及びVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2及びVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2及びVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3及びVL CDR1;VH CDR2、VH CDR3及びVL CDR2;VH CDR2、VH CDR2及びVL CDR3;VH CDR1、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR1、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR2、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR2、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3及びVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3及びVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR2及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3;又は、前記表1に列記された、VH CDR及びVL CDRの任意の組合せを含む(あるいは、からなる)、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を提供する。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:1、配列番号:11、配列番号:19、又は配列番号:26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2、又は配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:2又は配列番号:10のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、及び配列番号:4又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、及び配列番号:5又は配列番号:14のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、配列番号:3又は配列番号:12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、及び配列番号:6又は配列番号:20のアミノ酸配列を有する。
本発明は、抗体が、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する、本願明細書に開示されたVHドメイン、VH CDR、VLドメイン、又はVL CDRの誘導体を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。当業者に公知の標準技術を使用し、本発明の抗体をコードしているヌクレオチド配列へ、変異(例えば、欠失、付加及び/又は置換)を導入することができ、これは例えばアミノ酸置換を生じる位置指定突然変異誘発及びPCR-媒介型突然変異誘発を含む。好ましくは、これらの誘導体は、当初の分子に対し、25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3個未満のアミノ酸置換、又は2個未満のアミノ酸置換を含む。好ましい実施態様において、これらの誘導体は、1以上の予想された非-必須アミノ酸残基(すなわち、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体にとって重要でないアミノ酸残基)で生じる、保存的アミノ酸置換を有する。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似した電荷を伴う側鎖を有するアミノ酸残基と交換されるものである。類似した電荷を伴う側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖を持つアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、未帯電の極性側鎖を持つアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、システイン)、非極性側鎖を持つアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分岐した側鎖を持つアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を持つアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。あるいは変異は、例えば飽和突然変異誘発により、コード配列の全て又は一部に沿って、ランダムに導入することができ、得られる変異体は、活性を保持する変異体を同定するために、生物学的活性についてスクリーニングすることができる。突然変異誘発後、コードされた抗体は発現され、この抗体の活性を測定することができる。
本発明は、抗体が、可変軽鎖(VL)ドメイン及び/又は可変重鎖(VH)ドメイン内に1以上のアミノ酸残基置換を伴う、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のアミノ酸配列を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。本発明は、抗体が、1以上のVL CDR及び/又は1以上のVH CDR内に1以上のアミノ酸残基置換を伴う、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のアミノ酸配列を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。本発明は、抗体が、1以上のVHフレームワーク及び/又は1以上のVLフレームワーク内に1以上のアミノ酸残基置換を伴う、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のアミノ酸配列、又はそれらのVH及び/もしくはVLドメインを含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体も提供する。VHドメイン、VH CDR、VLドメイン、VL CDR及び/又は4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のフレームワークにおける置換の導入により作出される抗体は、in vitro及び/又はin vivoにおいて、例えばIL-9ポリペプチドへのその結合能について、又はIL-9媒介した細胞増殖のその阻害能もしくは低下能について、又は自己免疫障害、 炎症障害、増殖障害もしくは呼吸器感染症、又はそれらの症状の予防、治療及び/又は改善の能力について、試験することができる。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの抗原結合断片をコードしているヌクレオチド配列へ、例えば、6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのフィルター-結合したDNAへのハイブリダイゼーション、それに続く0.2xSSC/0.1%SDS中約50〜65℃での1回もしくは複数回の洗浄のような、ストリンジェントな条件下、例えば、6xSSC中、約45℃でのフィルター-結合したDNAへのハイブリダイゼーション、それに続く0.1xSSC/0.2%SDS中約68℃での1回もしくは複数回の洗浄のような、高度にストリンジェントな条件下、又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、Ausubel, F.M.ら編集、1989, 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol.I, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., ニューヨーク、頁6.3.1-6.3.6及び2.10.3参照)で、ハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書に説明されたストリンジェントな条件下又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH又はVLドメインをコードしているヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインのアミノ酸配列又はVLドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書に説明されたストリンジェントな条件下又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH及びVLドメインをコードしているヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインのアミノ酸配列及びVLドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書に説明されたストリンジェントな条件下又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、前記表1に列記されたVH CDR又はVL CDRのいずれかひとつをコードしているヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRのアミノ酸配列又はVL CDRのアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書に説明されたストリンジェントな条件下又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、前記表1に列記されたVH CDRのいずれかひとつ、及び前記表1に列記されたVL CDRのいずれかひとつをコードしているヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRのアミノ酸配列及びVL CDRのアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの抗原結合断片のアミノ酸配列と、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のVHドメインと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一であるVHドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のVLドメインと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一であるVLドメインのアミノ酸配列を含む。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、前記表1に列記されたVL CDRのいずれかと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一である1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、前記表1に列記されたVL CDRのいずれかひとつと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一である1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。
本発明は、本願明細書に説明された抗体と、IL-9ポリペプチドへの結合に関して競合する抗体の製剤を包含している。特に本発明は、IL-9ポリペプチドへの結合に関して、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの抗原結合断片と競合する抗体を包含している。具体的な実施態様において、本発明は、本願明細書において説明された競合アッセイ又は当該技術分野において公知の競合アッセイにおいて、PBSのような対照と比べ、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4の、IL-9ポリペプチドへの結合を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれよりも多く、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%減少する抗体を包含している。別の実施態様において、本発明は、ELISA競合アッセイにおいて、PBSのような対照と比べ、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4の、IL-9ポリペプチドへの結合を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれよりも多く、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%減少する抗体の製剤を包含している。好ましい実施態様において、ELISA競合アッセイは、以下の様式で実行することができる:組換体IL-9を、PBS中に、濃度10μg/mlで調製する。この溶液100μlを、ELISA 98-ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに添加し、一晩4〜8℃でインキュベーションした。ELISAプレートを、0.1%Tweenを補充したPBSで洗浄し、過剰な組換えIL-9を除去した。非-特異的タンパク質-タンパク質相互作用を、PBS中に最終濃度1%で調製したウシ血清アルブミン(BSA) 100μlの添加によりブロックした。室温で1時間経過後、ELISAプレートを洗浄した。非標識の競合する抗体を、濃度1μg/ml〜0.01μg/mlの範囲で、ブロック液中に調製した。対照ウェルは、ブロック液のみ又は対照抗体濃度範囲1μg/ml〜0.01μg/mlのいずれかを含んだ。ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識した被験抗体(例えば、7F3com-2H2)を添加し、固定最終濃度1μg/mlの抗体希釈液と競合した。被験及び競合抗体混合物100μlを、ELISAウェルに3つ組で添加し、及びこのプレートを、室温で1時間インキュベーションした。残存する未結合の抗体は、洗浄除去した。結合した被験抗体を、各ウェルへの、基質ホースラディッシュペルオキシダーゼ100μlの添加により検出した。このプレートを、30分間室温でインキュベーションし、吸光度を自動プレートリーダーを用いて読みとった。3つ組ウェルの平均を計算した。被験抗体とよく競合する抗体は、対照ウェルと比較して、測定された吸光度を低下した。別の好ましい実施態様において、本発明は、ELISA競合アッセイ(前記)において、PBSのような対照と比較して、7F3com-2H2のIL-9ポリペプチドへの結合を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれ以上、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%減少する。
別の実施態様において、本願明細書において説明された又は当該技術分野において公知の競合アッセイにおいて、PBSのような対照と比べ、少なくとも2%、IL-9ポリペプチドへの、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4の抗原結合断片(例えば、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン又はVL CDR)を含む(あるいはからなる)抗体の結合を少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれよりも多く、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%、減少する抗体の製剤を包含している。別の実施態様において、本発明は、ELISA競合アッセイにおいて、PBSのような対照と比べ、IL-9ポリペプチドへの、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4の抗原結合断片(例えば、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン又はVL CDR)を含む(あるいはからなる)抗体の結合を少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれよりも多く、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%、減少する抗体を包含している。好ましい実施態様において、本発明は、ELISA競合アッセイにおいて、PBSのような対照と比べ、IL-9ポリペプチドへの7F3com-2H2の抗原結合断片を含む(あるいはからなる)抗体の結合を少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれよりも多く、又は5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、もしくは75〜99%、減少する抗体を包含している。
本発明は、IL-9ポリペプチドへの結合に関して、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVHドメインと競合するVHドメインを含む(あるいはからなる)ポリペプチド又はタンパク質の製剤を包含している。本発明は、IL-9ポリペプチドへの結合に関して、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVLドメインと競合するVLドメインを含む(あるいはからなる)ポリペプチド又はタンパク質の製剤も包含している。
本発明は、IL-9ポリペプチドへの結合に関して、上記表1に列記されたVH CDRと競合するVH CDRを含む(あるいはからなる)ポリペプチド又はタンパク質の製剤を包含している。本発明は、IL-9ポリペプチドへの結合に関して、上記表1に列記されたVL CDRと競合するVL CDRを含む(あるいはからなる)ポリペプチド又はタンパク質の製剤も包含している。
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、修飾された、すなわち共有的結合のような、任意の分子型の抗体への共有的結合により修飾された、誘導体を含む。例えば限定するものではないが、抗体誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンド又は他のタンパク質への連結などにより修飾された抗体を含む。多くの化学修飾のいずれかは、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含むが限定されない公知の技術により行うことができる。加えて、この誘導体は、1以上の非-古典的アミノ酸を含有することができる。
本発明は、抗体は、当業者に公知のフレームワーク領域(例えば、ヒト又は非-ヒトフレームワーク)を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤も提供する。フレームワーク領域は、天然の又はコンセンサスフレームワーク領域であってよい。好ましくは本発明の抗体の断片領域は、ヒトである(例えば、ヒトフレームワーク領域の列記に関しては、Chothiaらの論文、1998, J. Mol. Biol. 278:457-479参照、これは全体が本願明細書に参照として組入れられている。)。
本発明は、抗体は、フレームワーク領域に変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)を伴う4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のアミノ酸配列を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を包含する。ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、VH及び/又はVLドメインのフレームワーク領域内に、1以上のアミノ酸残基の置換を伴う4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のアミノ酸配列を含む。好ましくは、フレームワーク領域内のアミノ酸置換は、抗体のIL-9ポリペプチドへの結合を改善する。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のCDR、アミノ酸配列QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKAS (配列番号:33)又はQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKAS (配列番号:37)を有するVHフレームワーク領域1、アミノ酸配列WVRQAPGQGLEWMG (配列番号:34)を有するVHフレームワーク領域2、アミノ酸配列RVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAR (配列番号:35)又はRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR (配列番号:38)を有するVHフレームワーク領域3、及びアミノ酸配列WGQGTLVTVSS (配列番号:36)を有するVHフレームワーク領域4の1以上のアミノ酸配列を含む。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のCDR、アミノ酸配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC (配列番号:39)を有するVLフレームワーク領域1、アミノ酸配列WYQQKPGKAPKLLIY (配列番号:40)を有するVLフレームワーク領域2、アミノ酸配列GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC (配列番号:41)を有するVLフレームワーク領域3、及びアミノ酸配列FGGGTKVEIK (配列番号:42)を有するVLフレームワーク領域4の1以上のアミノ酸配列を含む。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のCDR、配列番号:33又は配列番号:37のアミノ酸配列を有するVHフレームワーク領域1、配列番号:34のアミノ酸配列を有するVHフレームワーク領域2、配列番号:35又は38のアミノ酸配列を有するVHフレームワーク領域3、配列番号:36のアミノ酸配列を有するVHフレームワーク領域4、配列番号:39のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域1、配列番号:40のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域2 、配列番号:41のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域3、及び配列番号:42のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域4の1以上のアミノ酸配列を含む。
本発明は、抗体が、可変領域及びフレームワーク領域内に変異(例えば、1以上のアミノ酸残基置換)を伴う、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4のアミノ酸配列を含む、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤も包含している。好ましくは、可変領域及びフレームワーク領域のアミノ酸置換は、抗体のIL-9ポリペプチドへの結合を改善する。
本発明は、当業者に公知の定常領域を含む本発明の抗体の製剤も提供する。好ましくは本発明の抗体の定常領域又はそれらの断片は、ヒトである。
本発明は、活性化されたT細胞又はマスト細胞のような免疫細胞により発現されたIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の製剤を包含している。本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合し、並びにT細胞、B細胞、マスト細胞、好中球及び/又は好酸球の活性又は機能を変調する抗体も包含している。本発明は更に、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合し、並びに炎症細胞の対象の組織、関節もしくは臓器への浸潤を阻害もしくは減少する、及び/又は上皮細胞過形成を阻害もしくは減少する抗体も包含している。
本発明は、周囲に認められるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する、すなわちIL-9R又はそのサブユニットには結合しない抗体の製剤を包含している。本発明は、可溶性IL-9Rαサブユニットに結合したIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体も包含している。本発明は更に、細胞膜-結合したIL-9R又はそのサブユニットに結合したIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体も包含する。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、ELISAなどのイムノアッセイ)において、IL-9ポリペプチドとIL-9R又はそのサブユニットの間の相互作用を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、約25%、好ましくは約30%、約35%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約98%阻害及び/又は減少する。代わりの態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、ELISAなどのイムノアッセイ)において、IL-9ポリペプチドとIL-9R又はそのサブユニットの間の相互作用を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ阻害しない。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、例えばELISAなどのイムノアッセイを用い、IL-9ポリペプチドとIL-9Rの間の相互作用を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、20%未満、15%未満、10%未満又は5%未満阻害する。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、ヒトIL-9Rを発現しているIL-9依存型マウスT細胞株のような、IL-9依存型細胞株を使用する細胞増殖アッセイ)において、IL-9ポリペプチドとIL-9R又は1以上のそれらのサブユニットの間の相互作用を、リン酸緩衝された生理食塩水("PBS")又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%阻害又は減少する。代わりの態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、ヒトIL-9Rを発現しているIL-9依存型マウスT細胞株のような、IL-9依存型細胞株を使用する細胞増殖アッセイ)において、IL-9ポリペプチドとIL-9R又は1以上のそれらのサブユニットの間の相互作用を、リン酸緩衝された生理食塩水("PBS")又は対照IgG抗体のような対照と比べ阻害しない。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、ヒトIL-9Rを発現しているIL-9依存型マウスT細胞株のような、IL-9依存型細胞株を使用する細胞増殖アッセイ)において、IL-9ポリペプチドとIL-9R又は1以上のそれらのサブユニットの相互作用を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満阻害する。
本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合し、並びに、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBSもしくは対照IgG抗体のような対照に対し、サイトカイン発現及び/又は放出を誘導又は低下しない抗体の製剤を包含ている。ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中の例えば、IFN-γ、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、及びIL-23などのサイトカインの濃度の、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度に対する、増加を誘導しない。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBSもしくは対照IgG抗体のような対照に対し、サイトカイン発現及び/又は放出を誘導する。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中の例えば、IFN-γ、IL-2、IL-12、及びIL-15などのサイトカイン濃度の、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度に対する増加を誘導する。別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中のIFN-γ及びIL-12などのTh1細胞により産生されるサイトカインの濃度の、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度に対する増加を誘導する。別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中の例えば、IL-4、IL-5、IL-10、IL-13及びIL-23などのサイトカインの濃度の、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度に対する減少を誘導する。別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中のTNF-α、IL-4及びIL-13のようなマスト細胞により産生されるサイトカインの濃度の、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度に対する減少を誘導する。更に別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、そのような抗体が投与された対象の血清中のIL-4、IL-5、IL-13及びIL-10のようなTh2細胞により産生されるサイトカインの濃度を、PBS又は対照IgG抗体のような対照が投与された対象の血清中のそのようなサイトカイン濃度と比べ、減少を誘導する。サイトカインの血清濃度は、例えば、ELISA又はウェスタンブロットアッセイなどの、当業者に周知の任意の技術により、測定することができる。
ひとつの実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ又は3H-チミジンアッセイ)において、炎症細胞(例えば、マスト細胞、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、好塩基球及び/又は好酸球)の増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少及び/又は阻害する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、炎症細胞の上部及び/又は下部気道への浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少及び/又は阻害する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、炎症細胞の上部及び/又は下部気道への浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少及び/又は阻害し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ又は3H-チミジンアッセイ)において、炎症細胞の増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少及び/又は阻害する。
ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マスト細胞脱顆粒を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少する(マスト細胞脱顆粒アッセイの例は、例えば、Windmiller and Backer, 2003, J. Biol. Chem. 278:11874-78参照)。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マスト細胞活性化を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マスト細胞活性化及び/又は脱顆粒の産物の発現及び/又は放出を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、キマーゼ及びトリプターゼのようなマスト細胞プロテアーゼの発現、活性、血清濃度及び/又は放出を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。好ましい実施態様において、マスト細胞活性は、初代マスト細胞又はマスト細胞株の、IL-9 10ng/mlの存在下でのin vitro培養により、測定することができる。プロテアーゼ(例えば、キマーゼ及びトリプターゼ)及びロイコトリエンのベースラインレベルは、市販のELISAキットにより上清中で測定される。プロテアーゼ又はロイコトリエンレベルを変調する抗体の能力は、IL-9-反応性抗体又は対照抗体の細胞培養物への濃度1μg/mlでの直接の添加により、評価される。プロテアーゼ及びロイコトリエンレベルは、24及び36時間目に評価される。別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、C4、D4及びE4のようなマスト細胞ロイコトリエンの発現、活性、血清濃度及び/又は放出を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。別の具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えばELISA又はウェスタンブロットアッセイ)において、TNF-α、IL-4及びIL-13のようなマスト細胞サイトカインの発現、活性、血清濃度及び/又は放出を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マスト細胞浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、マスト細胞増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マスト細胞浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、マスト細胞増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。好ましい実施態様において、マスト細胞浸潤の減少は、in vivoにおいて、動物をオボアルブミンに感作することにより測定することができる。簡単に述べると、アルミニウムアジュバントに複合したオボアルブミン100μgが、1及び21日目に皮下投与される。3週間の感作法を通じ、動物には、IL-9反応性抗体又は対照抗体が投与量10mg/kgで5〜7日毎に投与される。29、30及び31日目に、動物を、あるいは、PBS中に調製した1μ/ml溶液100μlのエアゾール送達によるか、鼻内(intrasal)注入により、アジュバントを伴わないオボアルブミンに曝す。31日目に、最後のオボアルブミンチャレンジの6時間後、動物を安楽死させ、肺組織を、ホルマリンで灌流することにより固定する。マスト細胞浸潤は、肺上皮組織切片内の1視野当たりのマスト細胞数を計測することにより、組織学的に評価される。この実験デザインを使用し、(例えば)異染性顆粒が存在するかどうかを評価すること、及び/又は分化-依存型細胞表面マーカーを使用する免疫組織学(例えばFcepsilonRI)により、マスト細胞前駆体は、肺上皮内のマスト細胞から分化することができる。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、上部及び/又は下部気道でのマスト細胞前駆体の浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、マスト細胞前駆体の増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、上部及び/又は下部気道へのマスト細胞前駆体の浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、マスト細胞前駆体の増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。好ましい実施態様において、マスト細胞前駆体浸潤は、in vivoにおいて、先に説明されたマスト細胞浸潤アッセイにより測定することができる。
ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、T細胞、特にTh2 細胞のアポトーシスの増加を誘導することにより、末梢血T細胞の枯渇を媒介する。好ましい実施態様において、Th2 Tリンパ球枯渇は、in vivoにおいて、動物のオボアルブミンによる感作により測定することができる。簡単に述べると、アルミニウムアジュバントに複合したオボアルブミン100μgが、1及び21日目に皮下投与される。3週間の感作法を通じ、動物には、IL-9反応性抗体又は対照抗体が投与量10mg/kgで5〜7日毎に投与される。28日目に、動物は、アジュバントを伴わないブースターのオボアルブミンタンパク質100μgを経静脈的に受け取る。経静脈的ブースト後2日目に、動物を安楽死させる。脾臓細胞を回収し、フローサイトメトリーにより分析する。IL-4の細胞質染色により同定される脾Th2 Tリンパ球は、IL-9中和抗体を受け取った動物において、対照抗体レシピエントと比べ低下するはずである。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、FACS)において、Th1及びTh2分化を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少することを媒介する。ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、上部及び/又は下部気道でのT細胞浸潤、特にTh2細胞浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、T細胞増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、上部及び/又は下部気道でのT細胞浸潤、特にTh2細胞浸潤を、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、T細胞増殖、特にTh2細胞増殖を、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びにT細胞アポトーシスを増加する。
ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マクロファージ浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少する。好ましい実施態様において、マクロファージ浸潤の減少は、動物をオボアルブミンに感作することによりin vivoにおいて測定することができる。簡単に述べると、アルミニウムアジュバントに複合したオボアルブミン100μgが、1及び21日目に皮下投与される。3週間の感作法を通じ、動物には、IL-9反応性抗体又は対照抗体が投与量10mg/kgで5〜7日毎に投与される。29、30及び31日目に、動物を、PBS中に調製した1μ/ml溶液100μlのエアゾール送達によるか、あるいは、鼻内注入により、アジュバントを伴わないオボアルブミンに曝す。31日目に、最後のオボアルブミンチャレンジの6時間後、動物を安楽死させ、肺組織を、ホルマリンで灌流することにより固定する。マクロファージ浸潤は、肺組織切片内の1視野当たりのCD14陽性細胞数を計測することにより、免疫細胞化学的に評価される。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、マクロファージ増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マクロファージ浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、マクロファージ増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。
ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、B細胞浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少する。好ましい実施態様において、Bリンパ球浸潤の減少は、in vivoにおいて、動物のオボアルブミンに対する全身感作により測定することができる。簡単に述べると、アルミニウムアジュバントに複合したオボアルブミン100μgが、1及び21日目に皮下投与される。3週間の感作法を通じ、動物には、IL-9反応性抗体又は対照抗体が投与量10mg/kgで5〜7日毎に投与される。29、30及び31日目に、動物を、PBS中に調製した1μ/ml溶液100μlのエアゾール送達によるか、あるいは、鼻内注入により、アジュバントを伴わないオボアルブミンに曝す。31日目に、最後のオボアルブミンチャレンジの6時間後、動物を安楽死させ、肺組織を、ホルマリンで灌流することにより固定する。Bリンパ球浸潤は、肺組織切片内の1視野当たりのCD19陽性細胞数を計測することにより、免疫細胞化学的に評価される。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、B細胞増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は低下する。更に別の実施態様において、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、B細胞浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は低下し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、B細胞増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は低下する。
ある実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、上部及び/又は下部気道での好酸球浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%低下する(例えば、Liらの論文、2000, Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 25:644-51参照)。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された(5.6項参照)又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、好酸球増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、好酸球浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、好酸球増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、好中球浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS又は3Hチミジンアッセイ)において、好中球増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。更に別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、好中球浸潤を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少し、並びに本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、好中球増殖を、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%阻害及び/又は減少する。
好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、炎症細胞動員、上皮細胞過形成、上皮細胞のムチン生成、並びにマスト細胞の活性化、脱顆粒、増殖及び/又は浸潤を含むが限定されないIL-9が媒介した生物学的作用を、中和又は阻害する。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、IgEの発現、機能、及び/もしくは活性に拮抗するタンパク質性物質(例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質(抗体を含む))並びに/又は非-タンパク質性物質と相乗的に作用し、マスト細胞の活性化、脱顆粒、増殖及び/又は浸潤を、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少もしくは阻害する。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、マスト細胞プロテアーゼの発現、機能、及び/もしくは活性に拮抗するタンパク質性物質(例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質(抗体を含む))並びに/又は非-タンパク質性物質と相乗的に作用し、マスト細胞の活性化、脱顆粒、増殖及び/又は浸潤を、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少もしくは阻害する。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、幹細胞因子の発現、機能、及び/もしくは活性に拮抗するタンパク質性物質(例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質(抗体を含む))並びに/又は非-タンパク質性物質と相乗的に作用し、マスト細胞の活性化、脱顆粒、増殖及び/又は浸潤を、本願明細書において説明された又は当業者に周知のin vivo及び/又はin vitroアッセイにおいて、PBS又は対照IgG抗体のような対照と比べ、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%減少もしくは阻害する。好ましい実施態様において、初代マスト細胞又はマスト細胞株は、1ng/ml IL-9+1ng/ml幹細胞因子の存在下、in vitroにおいて培養される。上清中のプロテアーゼ(例えば、キマーゼ及びトリプターゼ)並びにロイコトリエンのベースラインレベルは、市販のELISAキットにおいて決定される。抗体のプロテアーゼ又はロイコトリエンレベルを変調する能力は、IL-9反応性抗体又は対照抗体の細胞培養物への濃度1μg/mlでの直接の添加により評価される。プロテアーゼ及びロイコトリエンレベルは、24及び36時間目に評価される。
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の抗体の製剤は、単特異性、二重特異性、三重特異性又はより多い多重特異性であることができる。多重特異性抗体は、IL-9ポリペプチドの様々なエピトープに対して特異性があるか、又はIL-9ポリペプチドに加え、異種ポリペプチドもしくは固相支持物質のような異種エピトープの両方について特異性があることができる。例えば、国際公開公報代93/17715号、第92/08802号、第91/00360号、及び第92/05793号;Tuttらの論文、J. Immunol. 147:60-69(1991);米国特許第4,474,893号、第4,714,681号、第4,925,648号、第5,573,920号、及び第5,601,819号;並びに、Kostelnyらの論文、J. Immunol. 148:1547- 1553 (1992)参照のこと。
本発明は、IL-9ポリペプチドへの高い結合親和性を有する抗体を提供する。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、会合速度定数又はkon速度(抗体(Ab)+抗原(Ag) −(kon)→ Ab-Ag)の少なくとも105 M-1s-1、少なくとも1.5X105 M-1s-1、少なくとも2X105 M-1s-1、少なくとも2.5X105 M-1s-1、少なくとも5X105 M-1s-1、少なくとも106 M-1s-1、少なくとも5X106 M-1s-1、少なくとも107 M-1s-1、少なくとも5X107 M-1s-1、もしくは少なくとも108 M-1s-1、又は105〜108 M-1s-1、1.5X105 M-1s-1〜1X107 M-1s-1、2X105〜1X106 M-1s-1、又は4.5X105〜107 M-1s-1を有する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、BIAcoreアッセイにより決定されたkonの少なくとも2X105 M-1s-1、少なくとも2.5X105 M-1s-1、少なくとも5X105 M-1s-1、少なくとも106 M-1s-1、少なくとも5X106 M-1s-1、少なくとも107 M-1s-1、少なくとも5X107 M-1s-1、又は少なくとも108 M-1s-1を有し、及び本願明細書に説明されたような微量中和アッセイにおいて、この抗体はヒトIL-9を中和する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、BIAcoreアッセイにより決定されたkonの大きくても108 M-1s-1、大きくても109 M-1s-1、大きくても1010 M-1s-1、大きくても1011 M-1s-1、又は大きくても1012 M-1s-1を有し、及び本願明細書に説明されたような微量中和アッセイにおいて、この抗体はヒトIL-9を中和する。これらの態様に従い、このような抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVHドメイン及び/もしくはVLドメイン、又は4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH CDR及び/もしくはVL CDRを含むことができる。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、koff速度(抗体(Ab)+抗原(Ag) ←(koff)− Ab-Ag)の10-3 s-1未満、5X10-3 s-1未満、10-4 s-1未満、2x10-4 s-1未満、5X10-4 s-1未満、10-5 s-1未満、5X10-5 s-1未満、10-6 s-1未満、5X10-6 s-1未満、10-7 s-1未満、5X10-7 s-1未満、10-8 s-1未満、5X10-8 s-1未満、10-9 s-1未満、5X10-9 s-1未満もしくは10-10 s-1未満、又は10-3〜10-10 s-1、10-4〜10-8 s-1、もしくは10-5〜10-8 s-1を有する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、BIAcoreアッセイにより決定されたkoffの10-5 s-1未満、5X10-5 s-1未満、10-6 s-1未満、5X10-6 s-1未満、10-7 s-1未満、5X10-7 s-1未満、10-8 s-1未満、5X10-8 s-1未満、10-9 s-1未満、5X10-9 s-1未満又は10-10 s-1未満を有し、及び本願明細書に説明されたような微量中和アッセイにおいて、この抗体はヒトIL-9を中和する。別の好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、10-13 s-1より大きい、10-12 s-1より大きい、10-11 s-1より大きい、10-10 s-1より大きい、10-9 s-1より大きい、10-8 s-1より大きいkoffを有する。これらの態様に従い、このような抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVHドメイン及び/もしくはVLドメイン、又は4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH CDR及び/もしくはVL CDRを含むことができる。
別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、親和定数Ka(kon/koff)の少なくとも102 M-1、少なくとも5X102 M-1、少なくとも103 M-1、少なくとも5X103 M-1、少なくとも104 M-1、少なくとも5X104 M-1、少なくとも105 M-1、少なくとも5X105 M-1、少なくとも106 M-1、少なくとも5X106 M-1、少なくとも107 M-1、少なくとも5X107 M-1、少なくとも108 M-1、少なくとも5X108 M-1、少なくとも109 M-1、少なくとも5X109 M-1、少なくとも1010 M-1、少なくとも5X1010 M-1、少なくとも1011 M-1、少なくとも5X1011 M-1、少なくとも1012 M-1、少なくとも5X1012 M-1、少なくとも1013 M-1、少なくとも5X1013 M-1、少なくとも1014 M-1、少なくとも5X1014 M-1、少なくとも1015 M-1、もしくは少なくとも5X1015 M-1、又は102〜5X105 M-1、104〜1X1010 M-1、もしくは105〜1X108 M-1を有する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、Kaの大きくても1011 M-1、大きくても5X1011 M-1、大きくても1012 M-1、大きくても5X1012 M-1、大きくても1013 M-1、大きくても5X1013 M-1、大きくても1014 M-1、又は大きくても5X1014 M-1を有する。別の実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、解離定数又はKd(koff/kon)の10-5M未満、5X10-5M未満、10-6M未満、5X10-6M未満、10-7M未満、5X10-7M未満、10-8M未満、5X10-8M未満、10-9M未満、5X10-9M未満、10-10M未満、5X10-10M未満、10-11M未満、5X10-11M未満、10-12M未満、5X10-12M未満、10-13M未満、5X10-13M未満、10-14M未満、5X10-14M未満、10-15M未満、もしくは5X10-15M、又は10-2M〜5X10-5M、10-6〜10-15M、もしくは10-8〜10-14Mを有する。好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、BIAcoreアッセイにより決定されたKdの10-9M未満、5X10-9M未満、10-10M未満、5X10-10M未満、1X10-11M未満、5X10-11M未満、1X10-12M未満、5X10-12M未満、10-13M未満、5X10-13M未満もしくは1X10-14M未満、又は10-9M〜10-14Mを有し、及び本願明細書に説明されたような微量中和アッセイにおいて、この抗体はヒトIL-9を中和する。別の好ましい実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、10-9Mより大きい、5X10-9Mより大きい、10-10Mより大きい、5X10-10Mより大きい、10-11Mより大きい、5X10-11Mより大きい、10-12Mより大きい、5X10-12Mより大きい、6X10-12Mより大きい、10-13Mより大きい、5X10-13Mより大きい、10-14Mより大きい、5X10-14Mより大きい、又は10-9M〜10-14MのKdを有する。これらの態様に従い、このような抗体は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVHドメイン及び/もしくはVLドメイン、又は4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4のVH CDR及び/もしくはVL CDRを含むことができる。
ある実施態様において、本発明の抗体の製剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する当該技術分野において公知の抗体を含まない。公知のIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体の非限定的例は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4を含む。
具体的な実施態様において、本発明の抗体の製剤は、IL-9の抗原性エピトープ-生じるペプチド及びポリペプチドへ結合し、並びに該抗原性エピトープ-生じるペプチド及びポリペプチドは、任意の種において認められるIL-9の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、より好ましくは少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50の隣接アミノ酸残基、及び好ましくは約15〜約30の隣接アミノ酸の、アミノ酸配列を含む又はアミノ酸配列からなる。免疫原性又は抗原性エピトープを含む好ましいポリペプチドは、長さが少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、又は少なくとも35のアミノ酸残基である。
IL-9エピトープを有するペプチド、ポリペプチド及びそれらの断片は、常法により生成することができる。例えば、Houghten, R. A.の論文(1985) 「多数のペプチドの迅速な固相合成の一般的方法:個々のアミノ酸レベルでの抗原-抗体相互作用の特異性(General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides: specificity of antigen- antibody interaction at the level of individual amino acids)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5 13 1-5 135を参照し;この「同時多ペプチド合成(SMPS)」プロセスは更に、Houghtenらの米国特許第4,631,211号に開示されている(1986)。
本発明は、本願明細書に説明された抗体の1以上の可変又は超可変領域を含む、ペプチド、ポリペプチド及び/又はタンパク質の製剤を提供する。好ましくは、本発明の抗体の1以上の可変又は超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は更に、異種アミノ酸配列を含む。ある実施態様において、このような異種アミノ酸配列は、少なくとも5隣接アミノ酸残基、少なくとも10隣接アミノ酸残基、少なくとも15隣接アミノ酸残基、少なくとも20隣接アミノ酸残基、少なくとも25隣接アミノ酸残基、少なくとも30隣接アミノ酸残基、少なくとも40隣接アミノ酸残基、少なくとも50隣接アミノ酸残基、少なくとも75隣接アミノ酸残基、少なくとも100隣接アミノ酸残基又はより多くの隣接アミノ酸残基を含む。このようなペプチド、ポリペプチド及び/又はタンパク質は、融合タンパク質と称される。
具体的な実施態様において、本発明の抗体の1以上の可変又は超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド又はタンパク質の製剤は、長さが10アミノ酸残基、15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基、30アミノ酸残基、35アミノ酸残基、40アミノ酸残基、45アミノ酸残基、50アミノ酸残基、75アミノ酸残基、100アミノ酸残基、125アミノ酸残基、150アミノ酸残基、又はそれよりも多いアミノ酸残基である。ある実施態様において、本発明の抗体の1以上の可変又は超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する。別の実施態様において、本発明の抗体の1以上の可変又は超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合しない。
具体的な実施態様において、本発明は、本願明細書に説明された抗体の1種のVHドメイン及び/又はVLドメインを含むペプチド、ポリペプチド及び/又はタンパク質の製剤を提供する(前記表1参照)。好ましい実施態様において、本発明は、上記表1に列記されたCDRのいずれかのアミノ酸配列を含む1以上のCDRを含むペプチド、ポリペプチド及び/又はタンパク質を提供する。これらの態様において、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は更に、異種アミノ酸配列を含む。
1以上の可変又は超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、例えば、次に疾患又は障害(例えば、自己免疫障害、炎症障害、増殖障害又は感染症(好ましくは、呼吸器感染症))に関連した1以上の症状の予防、治療及び/又は改善に使用することができる、抗-イディオタイプ抗体の生成における、利用性を有する。生成された抗-イディオタイプ抗体は、例えば、抗-イディオタイプ抗体の生成において使用されるペプチド、ポリペプチド又はタンパク質に含まれる可変又は超可変領域を含む抗体の検出に関するELISAなどのイムノアッセイにおいても使用することができる。
(5.1.1.1. IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する延長された半減期を有する抗体)
本発明は、in vivoにおいて延長された半減期を有するIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体及び抗体断片の製剤を提供する。特に本発明は、動物、好ましくは哺乳類及び最も好ましくはヒトにおける半減期が3日より長い、7日より長い、10日より長い、好ましくは15日より長い、25日より長い、30日より長い、35日より長い、40日より長い、45日より長い、2ヶ月より長い、3ヶ月より長い、4ヶ月より長い、又は5ヶ月より長い、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体及び抗体断片の製剤を提供する。
In vivoにおける抗体(例えば、モノクローナル抗体及び単鎖抗体)又は抗体断片(例えば、Fab断片)の血清循環を延長するために、例えば高分子量ポリエチレングリコール(PEG)のような不活性ポリマー分子を、抗体のN-又はC-末端へPEGの位置-指定複合を介するか、又はリシン残渣上に存在するε-アミノ基を介するかのいずれかにより、抗体(それらの抗体断片を含む)へ、多機能性リンカーを伴い又は伴わずに結合することができる。生物学的活性の最低の喪失を生じる直鎖又は分枝したポリマー誘導体形成を、使用することができるであろう。PEG分子の抗体への適切な複合を確実にするために、複合の程度は、SDS-PAGE及び質量分析により密にモニタリングすることができる。未反応のPEGは、抗体-PEG複合体から、サイズ排除又はイオン交換クロマトグラフィーにより分離することができる。PEG-誘導体化された抗体(それらの抗体断片を含む)は、例えば本願明細書に説明されたイムノアッセイにより、当業者に公知の方法を使用し、結合活性、更にはin vivo有効性について試験することができる。
延長されたin vivo半減期を有する抗体は、1以上のアミノ酸修飾(すなわち、置換、挿入又は欠失)の、IgG定常ドメイン、又はそれらのFcRn結合断片(好ましくはFc又はヒンジ-Fcドメイン断片)への導入により作製することができる。例えば、国際公開公報第98/23289号;国際公開公報第97/34631号;及び、米国特許第6,277,375号を参照し、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている。
更に抗体(それらの抗体断片を含む)は、in vivoにおいてより安定した抗体(それらの抗体断片を含む)を作製するか又はより長いin vivo半減期を有するために、アルブミンへ複合することができる。これらの技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、国際公開公報第93/15199号、第93/15200号、及び第01/77137号;並びに、欧州特許第EP 413, 622号を参照し、これらは全て本願明細書に参照として組入れられている。
(5.1.1.2. 抗体複合体)
本発明は、融合タンパク質を生成するために、異種タンパク質又はポリペプチド(又はそれらの断片、好ましくは少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90又は少なくとも100個のアミノ酸のポリペプチド)へ、組換え的に融合された又は化学的に複合された(共有的及び非-共有的複合を含む) IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の製剤を提供する。特に本発明は、本願明細書に説明された抗体の抗原結合断片(例えば、Fab断片、Fd断片、Fv断片、F(ab)2断片、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン又はVL CDR)、並びに異種タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドを含む融合タンパク質の製剤を提供する。好ましくは、抗体(それらの抗体断片を含む)が融合される異種タンパク質、ポリペプチド又はペプチドは、抗体の呼吸器上皮細胞、マスト細胞、好中球、好酸球、B細胞、マクロファージ、又は活性化されたT細胞への標的化に有用である。例えば、特定の細胞型(例えば、呼吸器上皮細胞、マスト細胞、好中球、好酸球、B細胞、マクロファージ、又は活性化されたT細胞)により発現された細胞表面受容体へ免疫特異的に結合する抗体は、本発明の抗体(それらの抗体断片を含む)へ融合又は複合することができる。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、抗-幹細胞因子又は抗-kitリガンドへ融合又は複合される。タンパク質、ポリペプチド又はペプチドを抗体(それらの抗体断片を含む)へ融合又は複合する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号、及び第5,112,946号;欧州特許第EP 307,434号及び第EP 367,166号;国際公開公報第96/04388号、及び第91/06570号;Ashkenaziらの論文、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 10535-10539;Zhengらの論文、1995, J. Immunol. 154:5590-5600;及び、Vilらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 11337- 11341参照(該参考文献は、それらの全体が本願明細書に参照として組入れられている)。
追加の融合タンパク質は、遺伝子-シャッフリング、モチーフ-シャッフリング、エキソン-シャッフリング、及び/又はコドン-シャッフリング(集合的に「DNAシャッフリング」と称される)の技術を介して、作製することができる。DNAシャッフリングを使用し、本発明の抗体又はそれらの断片(例えば、高親和性及び低解離速度の抗体又は断片)の活性を変更することができる。全般的には、米国特許第5,605,793号、第5,811,238号、第5,830,721号、第5,834,252号、及び第5,837,458号;Pattenらの論文、1997, Curr. Opinion Biotechnol. 8:724-33;Harayamaの論文、1998, Trends Biotechnol. 16(2):76-82;Hanssonらの論文、1999, J. Mol. Biol. 287:265-76;並びに、Lorenzo及びBlascoの論文、1998, Biotechniques 24(2):308-313を参照(これらの特許及び出版物の各々は、その全体が本願明細書に参照として組入れられている)。抗体(それらの抗体断片を含む)、又はコードされた抗体もしくはそれらの断片は、組換え前の誤りがちなPCR、ランダムヌクレオチド挿入又は他の方法により、ランダム突然変異誘発を施すことにより変更することができる。IL-9ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)をコードしているポリヌクレオチドは、1以上の異種分子の1以上の成分、モチーフ、切片、部品、ドメイン、断片などにより組換えることができる。
更に抗体(それらの抗体断片を含む)は、精製を促進するために、ペプチドのようなマーカー配列に融合することができる。好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、市販されている多くの中で、とりわけ例えばpQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)で提供されたタグのような、ヘキサ-ヒスチジンペプチドである。Gentzらの論文、1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821-824に説明されたような、例えばヘキサ-ヒスチジンは、融合タンパク質の簡単な精製を提供する。精製に有用な他のペプチドタグは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来のエピトープに相当する、ヘマグルチニン("HA")タグ(Wilsonらの論文、1984, Cell 37:767)、及び「フラッグ」タグを含むが限定されない。
別の実施態様において、本発明の抗体又はそれらの断片は、診断薬又は検出薬に複合される。このような抗体は、特定の療法の有効性を決定するような、臨床試験法の一部としての、疾患又は障害(例えば、自己免疫障害、炎症障害、増殖障害、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症))の発症、発生、進行及び/又は重症度のモニタリング又は予後判定に有用であることができる。このような診断及び検出は、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼを含むが限定されない様々な酵素;ストレプトアビジンビオチン及びアビジン/ビオチンなどであるが限定されない補欠分子群;ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル又はフィコエリトリンなどであるが、これらに限定されるものではない蛍光物質;ルミノールなどであるが限定されない化学発光物質;ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンなどであるが限定されない生物発光物質;ヨウ素(131I、125I、123I、及び121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、及び111In)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、及び117Snなどであるが、これらに限定されるものではない放射性物質;並びに、様々な陽電子放出断層撮影を使用する陽電子放出金属、及び、非放射性常磁性金属イオンを含むが限定されない、検出可能な物質への抗体のカップリングにより実現することができる。
本発明は更に、治療的部分に複合された抗体又はそれらの断片の使用を包含している。抗体又はそれらの断片は、細胞毒素、例えば、静細胞剤又は殺細胞剤、治療的薬剤又は放射性金属イオン、例えば、α線-放出剤などの、治療的部分へ複合することができる。細胞毒素又は細胞毒性物質は、細胞に有害な物質を含む。治療的部分は、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン);アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾシン、マイトマイシンC、及び白金(II)シスジクロロジアミン(DDP)、及びシスプラチン);アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)及びドキソルビシン);抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC));アウリスタチン(Auristatin)分子(例えば、アウリスタチンPHE、ブリオスタチン1、及びソラスタチン10;Woykeらの論文、Antimicrob. Agents Chemother. 46:3802-8 (2002)、Woykeらの論文、Antimicrob. Agents Chemother. 45:3580-4 (2001)、Mohammadらの論文、AntiCancer Drugs 12:735-40 (2001)、Wallらの論文、Biochem. Biophys. Res. Commun. 266:76- 80 (1999)、Mohammadらの論文、Int. J. Oncol. 15:367-72 (1999)参照のこと、全て本願明細書に参照として組入れられている);ホルモン(例えば、糖質コルチコイド、プロジェスチン、アンドロゲン及びエストロゲン)、DNA-修復酵素阻害剤(例えば、エトポシド又はトポテカン)、キナーゼ阻害剤(例えば、化合物ST1571、メシル酸イマチニブ(Kantarjianらの論文、Clin Cancer Res. 8(7):2167- 76 (2002));細胞毒性物質(例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミスラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルコルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロパノロール、及びプロマイシン並びにそれらのアナログ又はホモログ、並びに米国特許第6,245,759号、第6,399,633号、第6,383,790号、第6,335,156号、第6,271,242号、第6,242,196号、第6,218,410号、第6,218,372号、第6,057,300号、第6,034,053号、第5,985,877号、第5,958,769号、第5,925,376号、第5,922,844号、第5,911,995号、第5,872,223号、第5,863,904号、第5,840,745号、第5,728,868号、第5,648,239号、第5,587,459号);ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、R115777、BMS-214662、及び例えば米国特許第6,458,935号、第6,451,812号、第6,440,974号、第6,436,960号、第6,432,959号、第6,420,387号、第6,414,145号、第6,410,541号、第6,410,539号、第6,403,581号、第6,399,615号、第6,387,905号、第6,372,747号、第6,369,034号、第6,362,188号、第6,342,765号、第6,342,487号、第6,300,501号、第6,268,363号、第6,265,422号、第6,248,756号、第6,239,140号、第6,232,338号、第6,228,865号、第6,228,856号、第6,225,322号、第6,218,406号、第6,211,193号、第6,187,786号、第6,169,096号、第6,159,984号、第6,143,766号、第6,133,303号、第6,127,366号、第6,124,465号、第6,124,295号、第6,103,723号、第6,093,737号、第6,090,948号、第6,080,870号、第6,077,853号、第6,071,935号、第6,066,738号、第6,063,930号、第6,054,466号、第6,051,582号、第6,051,574号、及び第6,040,305号に開示されたもの);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン;イロノテカン;SN-38;トポテカン;9-アミノカンプトテシン;GG-211(GI 147211);DX-8951f;IST- 622;ルビテカン;ピラゾロアクリジン;XR-5000;サイントピン;UCE6;UCE1022;TAN-1518A;TAN-1518B;KT6006;KT6528;ED-110;NB-506;ED-110;NB-506;及び、レベッカマイシン);ブルガレイン;DNA副溝結合剤、例えばHoescht色素33342及びHoechst色素33258;ニチジン(nitidine);ファガロニン(fagaronine);エピベルベリン;コラリン;β-ラパコン;BC-4-1;ビスホスホネート(例えば、アレンドロネート、シマドロンテ、クロドロナート、チルドロナート、エチドロナート、イバンドロナート、ネリドロナート、オルパンドロナート、リセドロナート、ピリドロナート、パミドロナート、ゾレンドロナート);HMG-CoA還元酵素阻害剤(例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、アトロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、セリバスタチン、レスコール、ルピトール、ロスバスタチン及びアトロバスタチン);アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,277,832号、第5,998,596号、第5,885,834号、第5,734,033号、第5,618,709号に開示されたもの);アデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、リン酸フルダラビン、及び2-クロロデオキシアデノシン);イブリツマブチウテタン(ZEVALIN(登録商標));トシツモマブ(BEXXAR(登録商標)))、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、キレート剤、及びプロドラッグを含むが、これらに限定されるものではない。
更に、抗体又はそれらの断片は、所定の生物学的反応を修飾する治療的部分又は薬物部分へ複合されてもよい。治療的部分又は薬物部分は、古典的化学的治療的薬剤に限定されるように構築されることはない。例えば薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質、ペプチド又はポリペプチドであることができる。そのようなタンパク質は、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、コレラ毒、又はジフテリア毒などの毒素;腫瘍壊死因子、α-インターフェロン、β-インターフェロン、神経増殖因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質;アポトーシス性物質、例えば、TNF-α、TNF-β、AIM I(国際公開公報第97/33899号参照)、AIM II(国際公開公報第97/34911号参照)、Fasリガンド(Takahashiらの論文、1994, J. Immunol, 6:1567-1574)、及びVEGF(国際公開公報第99/23105号参照);抗-血管形成剤、例えば、アンギオスタチン、エンドスタチン、又は凝固系路の成分(例えば、組織因子);又は、生物学的反応修飾剤、例えばリンホカイン(例えば、インターフェロンガンマ("IFN-γ")、インターロイキン-1("IL-1")、インターロイキン-2("IL-2")、インターロイキン-5("IL-5")、インターロイキン-6("IL-6")、インターロイキン-7("IL-7")、インターロイキン-10("IL-10")、インターロイキン-12("IL- 12")、インターロイキン-15("IL- 15")、インターロイキン-23("IL-23")、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子("GM-CSF")、及び顆粒球コロニー刺激因子("G-CSF"))、又は増殖因子(例えば、成長ホルモン("GH"));又は凝固物質(例えば、カルシウム、ビタミンK、組織因子、例えば、Hageman因子(因子XII)、高分子量キニノーゲン(HMWK)、プレカリクレイン(PK)、凝固タンパク質第II因子(プロトロンビン)、第V、XIIa、VIII、XIIIa、XI、XIa、IX、IXa、X因子、リン脂質、フィブリノーゲンα及びβ鎖由来のフィブリノペプチドA及びB、フィブリンモノマーなどであるが、これらに限定されるものではない)を含むことができる。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト、ザフィルカスト、プランルカスト、及びザイロイトン)と複合される。
更に、抗体は、213Biのようなα線放射物質、又はポリペプチドへの131In、131L、131Y、131Ho、131Smを含むがこれらに限定されるものではない放射性金属イオンの抱合に有用な大環状キレート剤、又は先に列記されたもののいずれかの、放射性金属イオンのような治療的部分に複合することができる。ある実施態様において、大環状キレート剤は、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N",N"'-テトラ酢酸(DOTA)であり、これは抗体へリンカー分子を介して結合することができる。このようなリンカー分子は、当該技術分野において周知であり、並びにDenardoらの論文、1998, Clin Cancer Res. 4(10):2483-90;Petersonらの論文、1999, Bioconjug. Chem. 10(4):553-7;及び、Zimmermanらの論文、1999, Nucl. Med. Biol. 26(8):943-50に説明されており、これらの各論文は全体が本願明細書に参照として組入れられている。
治療的部分を抗体へ複合する技術は周知であり、例えば、Arnonらの著書「癌治療における免疫標的のためのモノクローナル抗体(Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy)」、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeldら(編集), pp. 243-56(Alan R. Liss, Inc. 1985);Hellstromらの著書、「ドラッグデリバリーのための抗体(Antibody For Drug Delivery)」、Controlled Drug Delivery (第2版)、Robinsonら(編集), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpeの著書、「癌治療における細胞毒性薬剤の抗体担体:総説(Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review)」、Monoclonal Antibodies 84: Biological And Clinical Applications、Pincheraら(編集), pp. 475-506 (1985);「癌治療における放射性標識化抗体の治療的使用の分析、結果、及び将来の期待(Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy)」、Monoclonal Antibodies And Cancer Detection And Therapy, Baldwinら(編集), pp. 303-16 (Academic Press 1985)、及びThorpeらの論文、1982, Immunol. Rev. 62:119-58を参照のこと。
あるいは、抗体は、二次抗体へ複合し、Segalの米国特許第4,676,980号に開示されたような、抗体異種複合体を形成することができ、この特許は全体が本願明細書に参照として組入れられている。
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又はそれらの断片に複合された治療的部分又は薬物は、対象における、特定のIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状に関する所望の予防的又は治療的作用(複数)を実現するように選択される。臨床医又は他の医療関係者は、どの治療的部分または薬物がIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又はそれらの断片に複合するかを決断する際に、その疾患の性質、疾患の重症度及び対象の状態を考慮しなければならない。
抗体は、固相支持体に結合され、これは特に、標的抗原のイムノアッセイ又は精製に有用である。このような固相支持体は、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリプロピレンを含むが、これらに限定されるものではない。
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)に複合される治療的部分又は薬物は、対象における特定の障害に関する所望の予防的又は治療的作用(複数)を実現するように選択される。臨床医又は他の医療関係者は、どの治療的部分または薬物がIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)に複合するかを決断する際に、その疾患の性質、疾患の重症度及び対象の状態を考慮しなければならない。
(5.2. 抗体製剤の調製法)
本発明は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体又はそれらの誘導体、アナログ、もしくは断片の液体製剤の調製法を提供する。図16は、精製された抗-IL-9抗体の調製の概要を示す概略図である。本発明の液体製剤の調製法は、以下を含む:馴化培地(培地の単独ロット又はプールされたロットのいずれか)からの抗体(それらの抗体断片を含む)の精製、並びに精製された抗体(それらの抗体断片を含む)の画分の最終濃度約15mg/ml、約20mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、約200mg/ml、約250mg/ml又は約300mg/mlへの濃縮。IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する馴化培地には、CUNO濾過が施され、濾過された抗体に、HS50カチオン交換クロマトグラフィーが施される。その後HS50カチオン交換クロマトグラフィーからの画分には、rProteinAアフィニティクロマトグラフィー、その後低pH処理が施される。低pH処理後、抗体(それらの抗体断片を含む)画分には、スーパーQ 650アニオン交換クロマトグラフィー及びその後ナノ濾過が施される。ナノ濾過後に得られた抗体(それらの抗体断片を含む)の画分は、次にダイアフィルトレーションが施され、抗体(それらの抗体断片を含む)画分が同じ膜を用い製剤緩衝液へ濃縮される。抗体製剤の調製に関する詳細は、下記6項を参照のこと。
本発明の製剤緩衝液は、ヒスチジンを、濃度範囲約1mM〜約100mM、約5mM〜約50mM、約10mM〜約30mM、又は約10mM〜約25mMで含有する。具体的な実施態様において、本発明の製剤緩衝液は、ヒスチジン を、濃度約10mM、約12mM、約15mM、約20mM、又は約25mMで含有する。この製剤は更に、グリシンを、濃度150mM未満、100mM未満、75mM未満、50mM未満、10mM未満、3.0mM未満又は2.0mM未満で含有する。製剤中のグリシンの量は、その等電点での抗体沈殿を避けるために、著しい緩衝を引き起こしてはならない。この製剤のpHは、約5.0〜約7.0、好ましくは約5.5〜約6.5、より好ましくは約5.8〜約6.2の範囲、最も好ましくは約6.0である。特定の抗体に関する適当なpHを得るために、ヒスチジン(及び添加される場合はグリシン)が最初に水へ溶解され、所望のpHよりもよりも高いpHの緩衝液を得、次にこのpHをHClを添加して所望のレベルに低下することが好ましい。この方法で、追加の無機塩の形成(例えば、ヒスチジン塩酸塩がヒスチジンとして使用され、及びpHは、所望のレベルへNaOHの添加により上昇する場合は、NaClの形成)を避けることができる。
本発明の液体製剤は、1回使用用の液体製剤のアリコートを含有するバイアルを調製することにより、単位剤形として調製することができる。例えば、1バイアル当たりの単位剤形は、約15mg/ml〜約300mg/mlの範囲の、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する異なる濃度の抗体(それらの抗体断片を含む)を、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml又は20ml含有してもよい。必要ならば、これらの調製物は、無菌希釈剤を各バイアルへ添加することにより、所望の濃度に調製することができる。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤は、10mMヒスチジン緩衝液(pH6.0)及び150mM塩化ナトリウムを含有する無菌液体として、単回投与量バイアルに製剤することができる。溶液各1.0mLは、水中に抗体(それらの抗体断片を含む)100mg、ヒスチジン1.6mg及び塩化ナトリウム8.9mgを含有する。製造プロセス時に、製剤緩衝液のpHは、塩酸を用いて6.0に調節される。好ましい実施態様において、本発明の抗体(それらの抗体断片を含む)は、3ccのUSP I型ホウケイ酸ガラス褐色バイアル(West Pharmaceutical Services - 部品番号6800-0675)中に100mg/mlで供給される。目標の充填容量は、1.2mLである。
本発明の液体製剤は、滅菌濾過、放射線照射などを含む様々な滅菌法により、滅菌することができる。最も好ましい実施態様において、ダイアフィルトレーションされた抗体製剤は、予備滅菌した0.2μmフィルターにより濾過滅菌される。本発明の滅菌された液体製剤は、疾患又は障害(例えば、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状)を予防、治療又は改善するために対象へ投与される。
本発明は、液体の凍結乾燥されない製剤に関するが、本発明の製剤は、望ましいならば凍結乾燥することができることと同等の目的であることは注意されなければならない。従って本発明は、そのような凍結乾燥された製剤は好ましくはないが、本発明の製剤の凍結乾燥された形を包含している。
(5.3. 抗体の調製法)
抗原へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)は、特に化学合成により、好ましくは組換え発現技術による、抗体の合成に関する当該技術分野において公知の方法により作製することができる。
抗原に免疫特異的なポリクローナル抗体は、当該技術分野において周知の様々な手法により作製することができる。例えばヒト抗原を、ウサギ、マウス、ラットなどを含むが、これらに限定されるものではない、様々な宿主動物へ投与し、ヒト抗原に対し特異的なポリクローナル抗体を含有する血清の生成を誘導することができる。宿主種に応じ免疫学的応答を増大するために、様々なアジュバントを使用してもよく、これはフロイント(完全及び不完全)、水酸化アルミニウムのような無機ゲル、リゾレシチンのような界面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油状乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、及び有用な可能性のあるヒトアジュバント、例えばBCG(バシラス・カルメット・ゲラン)及びコリネバクテリウム・パルブムを含むが、これらに限定されるものではない。このようなアジュバントも、当該技術分野において周知である。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え体、及びファージディスプレー技術、又はそれらの組合せを含む、当該技術分野において公知の多種多様な技術を用いて調製することができる。例えばモノクローナル抗体は、当該技術分野において公知のもの、及び以下に記されるものを含む、ハイブリドーマ技術を用いて作製することができる:例えば、Harlowらの著書、「抗体:研究室マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)」(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第2版 1988);Hammerlingらの著書、「モノクローナル抗体、及びT-細胞ハイブリドーマ(Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas)」 563-681 (Elsevier, N.Y., 1981)、及びHarlow らの著書、「抗体の使用:研究室マニュアル(Using Antibodies: A laboratory Manual)」(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1999))(これらの文献は全体が本願明細書に参照として組入れられている)。本願明細書において使用される用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術を通じ作製される抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、任意の真核、原核又はファージクローンを含む単独のクローンに由来した抗体を意味し、それを作製する方法ではない。
ハイブリドーマ技術を用い特異的抗体を作製及びスクリーニングする方法は、日常的であり、かつ当該技術分野において周知である。簡単に述べると、マウスを、非-マウス抗原で免疫処置し、一旦免疫応答が検出された、例えばその抗原に特異的抗体がマウス血清中に検出されたならば、マウス脾臓を摘出し、脾細胞を単離する。次に脾細胞を、周知の技術により、適当な骨髄腫細胞、例えばATCCより入手可能な細胞株SP20由来の細胞へ融合する。ハイブリドーマが選択され、限定希釈によりクローニングされる。加えてRIMMS(多位置反復免疫)技術を使用し、動物を免疫処置する(Kilpatrackらの論文、1997, Hybridoma 16:381-9、全体が本願明細書に参照として組入れられている)。次にハイブリドーマクローンは、本発明のポリペプチドの結合が可能な抗体を分泌する細胞について、当該技術分野において公知の方法によりアッセイされる。高レベルの抗体を含有する腹水が、マウスを陽性ハイブリドーマクローンにより免疫処置することにより、作製される。
本発明は、モノクローナル抗体に加え、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞の培養を含む方法により作製された抗体を作製する方法を提供し、ここで好ましくはこのハイブリドーマは、非-マウス抗原で免疫処置されたマウスから単離された脾細胞の、骨髄腫細胞との融合、その後の抗原に結合することができる抗体を分泌するハイブリドーマクローンに関する融合から得たハイブリドーマのスクリーニングにより作製される。
特異的特定のエピトープを認識する抗体断片は、当業者に公知の技術により作製することができる。例えば、本発明のFab及びF(ab')2断片は、パパイン(Fab断片を作製)又はペプシン(F(ab')2断片を作製)のような酵素を使用する、免疫グロブリン分子のタンパク質分解性切断により作製することができる。F(ab')2断片は、可変領域、軽鎖定常領域及び重鎖のCH1ドメインを含む。更に本発明の抗体は、当該技術分野に公知の様々なファージディスプレイ法を用いて、作製することもできる。
ファージディスプレイ法において、機能的抗体ドメインは、それらをコードしているポリヌクレオチド配列を有するファージ粒子の表面にディスプレイされる。特に、VH及びVLドメインをコードしているDNA配列は、動物cDNAライブラリー(例えば、罹患組織のヒト又はマウスのcDNAライブラリー)から増幅される。VH及びVLドメインをコードしているDNAは、PCRによりscFvリンカーと組換えられ、ファージミドベクターへクローニングされる。このベクターは、大腸菌中で電気穿孔され、大腸菌中は、ヘルパーファージにより感染される。これらの方法において使用されるファージは、典型的にはfd及びM13を含む繊維状ファージであり、並びにVH及びVLドメインは通常、ファージ遺伝子III又は遺伝子VIIIのいずれかへ組換え融合される。特定の抗原へ結合する抗原結合ドメインを発現しているファージは、例えば、標識された抗原又は固形物表面もしくはビーズへ結合もしくは捕獲された抗原を使用し、抗原により選択又は同定される。本発明の抗体を作製するために使用することができるファージディスプレイ法の例は、Brinkmanらの論文、 1995, J. Immunol. Methods 182:41-50;Amesらの論文、1995, J. Immunol. Methods 184:177-186;Kettleboroughらの論文、1994, Eur. J. Immunol. 24:952-958;Persicらの論文、1997, Gene 187:9-18;Burtonらの論文、1994, Advances in Immunology 57:191-280;国際出願PCT/GB91/O1 134;国際公開公報第90/02809号、第91/10737号、第92/01047号、第92/18619号、第93/11236号、第95/15982号、第95/20401号、及び第97/13844号;並びに、米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号、第5,969,108号、第6,33,187号、第5,824,520号、及び第5,702,892号に開示されており;これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている。
前記参考文献に説明されたように、ファージ選択後、ファージから抗体コード領域が単離され、これを使用し、ヒト抗体を含む完全抗体、又は任意の他の所望の抗原結合断片を作製し、例えば以下に説明されるような、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、及び細菌を含む任意の所望の宿主において発現される。Fab、Fab'及びF(ab')2断片を組換え的に作製する技術も、PCT公開国際公開公報第92/22324号;Mullinaxらの論文、1992, BioTechniques 12(6):864-869;Sawaiらの論文、1995, AJRI 34:26-34;及び、Betterらの論文、1988, Science 240:1041-1043に開示されたもののような、当該技術分野において公知の方法を使用することができる(前記参考文献は全体が本願明細書に参照として組入れられている)。
完全抗体を作製するために、VH又はVLヌクレオチド配列、制限部位及び制限部位を保護するためのフランキング配列を含むPCRプライマーを使用し、scFvクローンにおいてVH又はVL配列を増幅することができる。当業者に公知のクローニング技術を使用し、PCR増幅したVHドメインを、例えばヒトγ4定常領域のようなVH定常領域を発現しているベクターへクローニングし、及びPCR増幅したVLドメインを、例えばヒトκ又はλ定常領域のようなVL定常領域を発現しているベクターへクローニングする。好ましくはVH又はVLドメインを発現しているベクターは、EF-1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメイン、定常ドメイン及びネオマイシンのような選択マーカーのクローニング位置を含む。このVH及びVLドメインは、必要な定常領域を発現しているベクターへもクローニングすることができる。次に重鎖変換(conversion)ベクター及び軽鎖変換ベクターが、細胞株へ同時-形質移入され、当業者に公知の技術を使用し、例えばIgGのような、完全長抗体を発現する安定した又は一過性の細胞株を作製する。
ヒトにおける抗体のin vivo使用及びin vitro検出アッセイを含む、一部の使用のために、ヒト化抗体又はキメラ抗体の使用が好ましいことがある。完全なヒト抗体及びヒト化抗体が、ヒト対象の治療的処置のためには特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを使用する、前述のファージディスプレイ法を含む、当該技術分野において公知の様々な方法により作製することができる。同じく米国特許第4,444,887号及び第4,716,111号;並びに国際公開公報第98/46645号、第98/50433号、第98/24893号、第98/16654号、第96/34096号、第96/33735号、及び第91/10741号を参照し;これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている。
ヒト抗体は、機能的内在性免疫グロブリンの発現が不可能であるが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを使用し作製することもできる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体を、マウス胚性幹細胞へ、無作為に又は相同組換えにより導入することができる。あるいはヒト可変領域、定常領域、及び多様性領域を、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子に加えてマウス胚性幹細胞へ導入することができる。このマウス重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えにより、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と個別に又は同時に非-機能性となることがある。特にJH領域のホモ接合性欠失は、内因性抗体産生を防止する。修飾された胚性幹細胞は、増殖され、胚盤胞へ微量注入され、キメラマウスを作出する。次にキメラマウスは繁殖され、ヒト抗体を発現するホモ接合体子孫を作出する。トランスジェニックマウスは、例えば、本発明のポリペプチドの全て又は一部のような選択された抗原により、通常の様式で免疫処置される。この抗原に対するモノクローナル抗体は、通常のハイブリドーマ技術を使用し、免疫処置したトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスに収容されたヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化時に再編成され、引き続きクラススイッチ及び体細胞変異を受ける。従ってこのような技術を使用し、治療的に有用なIgG、IgA、IgM及びIgE抗体を作製することが可能である。ヒト抗体を作製する技術の総覧については、Lonberg及びHuszarの論文(1995, Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照のこと。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体の作製の詳細な考察並びにそのような抗体を作製するプロトコールは、例えば国際公開公報第98/24893号、第96/34096号、及び第96/33735号;並びに、米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、及び第5,939,598号を参照し、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。加えて、Abgenix, Inc.(フリーモント, CA)及びGenpharm (サンノゼ, CA)などの会社が、前述の技術に類似した技術を使用し、選択された抗原に対するヒト抗体を提供することに携わっている。
キメラ抗体は、抗体の異なる部分が、異なる免疫グロブリン分子に由来している分子である。キメラ抗体の作出法は、当該技術分野において公知である。例えば、Morrisonの論文、1985, Science 229:1202;Oiらの論文、1986, BioTechniques 4:214;Gilliesらの論文、1989, J. Immunol. Methods 125:191-202;並びに、米国特許第5,807,715号、第4,816,567号、第4,816,397号、及び第6,331,415号を参照し、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
ヒト化抗体は、予め決定された抗原に結合することが可能であり、並びにヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク領域及び非-ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するCDRを含む、抗体又はその変種又はそれらの断片である。ヒト化抗体は、全て又は実質的に全てのCDR領域が、-ヒト免疫グロブリンのものに相当し(すなわちドナー抗体)、及び全て又は実質的に全てのフレームワーク領域が、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1種、典型的には2種の可変ドメイン(Fab、Fab'、F(ab')2、Fabc、Fv)を実質的に全て含む。好ましくは、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれも含む。通常は、この抗体は、軽鎖に加え、少なくとも重鎖の可変ドメインの両方を含むであろう。この抗体は、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3及びCH4領域も含むことができる。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含む免疫グロブリンの任意のクラス、並びにIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む任意のアイソタイプから選択することができる。通常定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞傷害活性を示すことが望ましい、補体結合性定常ドメインであり、このクラスは、典型的にはIgG1である。そのような細胞傷害活性が望ましくない場合は、定常ドメインは、IgG2クラスのものである。ヒト化抗体は、1以上のクラス又はアイソタイプ由来の配列も含むことができ、及び所望のエフェクター機能を最適化するための特定の定常ドメインの選択は、当該技術分野の通常の技術内である。ヒト化抗体のフレームワーク及びCDR領域は、親配列には正確に対応する必要はなく、例えば、ドナーCDR又はコンセンサスフレームワークは、少なくとも1個の残基の置換、挿入又は欠失により突然変異誘発され、その位置でのCDR又はフレームワーク残基は、コンセンサス又は輸入抗体のいずれにも対応していない。しかしこのような変異は、広範ではない。通常ヒト化抗体残基の少なくとも75%、より頻繁には90%、最も好ましくは95%よりも多くが、親のフレームワーク及びCDR配列のそれに対応する。ヒト化抗体は、当該技術分野において公知の様々な技術を用いて作製することができ、これはCDR-移植(欧州特許第EP 239,400号;国際公開公報第91/09967号;及び、米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、及び第5,585,089号)、veneering又はresurfacing(欧州特許第592,106号及び第519,596号;Padlanの論文、1991, Molecular Immunology 28(4/5):489-498;Studnickaらの論文、1994, Protein Engineering 7(6):805-814;及び、Roguskaらの論文、1994, PNAS 91:969-973)、連鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)、並びに例えば、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開公報第9317105号、Tanらの論文、J. Immunol. 169:1119-25 (2002)、Caldasらの論文、Protein Eng. 13(5):353-60 (2000)、Moreaらの論文、Methods 20(3):267-79 (2000)、Bacaらの論文、J. Biol. Chem. 272(16):10678-84 (1997)、Roguskaらの論文、Protein Eng. 9(10):895-904 (1996)、Coutoらの論文、Cancer Res. 55 (23 Supp):5973s- 5977s (1995)、Coutoらの論文、Cancer Res. 55(8):1717-22 (1995)、Sandhu JS, Gene 150(2):409-10 (1994)、及びPedersenらの論文、J. Mol. Biol. 235(3):959-73 (1994)に開示された技術を含むが、これらに限定されるものではない。時には、フレームワーク領域内のフレームワーク残基は、抗原結合を変更、好ましくは改善するために、CDRドナー抗体由来の対応する残基で置換されるであろう。これらのフレームワーク置換は、例えば、特定の位置で通常でないフレームワーク残基を同定するために、抗原結合及び配列比較に重要な残基を同定するための、CDR及びフレームワーク残基の相互作用のモデリングなどにより、当該技術分野において周知の方法により同定される(例えば、Queenらの特許、米国特許第5,585,089号;及び、Riechmannらの論文、1988, Nature 332:323を参照し、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている)。
単ドメイン抗体、例えば軽鎖を欠いている抗体は、当該技術分野において周知の方法により作製することができる。Riechmannらの論文、1999, J. Immuno. 231 :25-38;Nuttallらの論文、2000, Curr. Pharm. Biotechnol. 1(3):253-263;Muyldermanの論文、2001, J. Biotechnol. 74(4):277302;米国特許第6,005,079号;及び、国際公開公報第94/04678号、第94/25591号、及び第01/44301号を参照し、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている。
更に、抗原(例えば、IL-9ポリペプチド)へ免疫特異的に結合する抗体を利用し、当業者に周知の技術を用い、次に抗原を「模倣する」抗-イディオタイプ抗体を作製することができる(例えば、Greenspan及びBonaの論文、1989, FASEB J. 7(5):437-444;及びNissinoff、1991, J. Immunol. 147(8):2429-2438参照)。
(5.3.1. 抗体の組換え発現)
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の製剤に含まれる抗体の組換え発現(例えば、本発明の抗体の重鎖もしくは軽鎖又はそれらの断片又は本発明の1本鎖抗体)は、抗体をコードしているポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築が必要である。一旦抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖又はそれらの断片(好ましくは重鎖又は軽鎖可変ドメインを含むが必ずしもではない)をコードしているポリヌクレオチドが得られたならば、抗体分子を作製するためのベクターは、当該技術分野において周知の技術を使用する、組換えDNA技術により作製することができる。従って抗体をコードしているヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを発現することによりタンパク質を調製する方法が、本願明細書において説明されている。当業者に周知の方法を使用し、抗体コードしている配列並びに適当な転写及び翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法は、例えばin vitro組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝子組換えを含む。従って本発明は、プロモーターへ機能的に連結された、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の可変ドメインの重鎖もしくは軽鎖(それらの抗体断片を含む)、又は重鎖もしくは軽鎖CDRをコードしているヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターを提供する。このようなベクターは、抗体分子の定常領域をコードしているヌクレオチド配列を含むことができ(例えば、国際公開公報第86/05807号;国際公開公報第89/01036号;及び、米国特許第5,122,464号参照)、並びに抗体の可変ドメインは、全重鎖、全軽鎖、又は全重及び軽両鎖の発現のために、そのようなベクターへクローニングされる。
発現ベクターは、通常の技術により宿主細胞へ移され、次に形質移入された細胞は、通常の技術により培養され、本発明の抗体を作製する。従って本発明は、異種プロモーターへ機能的に連結された、本発明の抗体もしくはそれらの断片、又はそれらの重鎖もしくは軽鎖、又はそれらの断片、又は本発明の1本鎖抗体をコードしているポリヌクレオチドを含む宿主細胞を含む。2本鎖抗体発現の本発明の好ましい実施態様において、重鎖及び軽鎖の両方をコードしているベクターは、以下に詳述されるように全免疫グロブリン分子の発現のために、宿主細胞において同時発現され得る。
本発明の抗体分子を発現するために、様々な宿主-発現ベクター系を利用することができる(例えば、米国特許第5,807,715号参照)。このような宿主-発現系は、関心のあるコード配列が作製され、引き続き精製されるビヒクルを表すが、適当なヌクレオチドコード配列で形質転換又は形質移入された場合に、その場で本発明の抗体分子を発現することができる細胞も表す。これらは、微生物、例えば、抗体コード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNA発現ベクターで形質転換された、細菌(例えば、大腸菌及び枯草菌);抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミセス・ピキア);抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染された昆虫細胞系;抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)で感染された、又は組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞;又は、哺乳類細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)又は哺乳類ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築体を収容する哺乳類細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NSO及び3T3細胞)などを含むが、これらに限定されるものではない。特に全組換え抗体分子の発現のためには、好ましくは大腸菌のような細菌細胞、更に好ましくは真核細胞が、組換え抗体分子の発現に使用される。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のような哺乳類細胞は、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要中初期(major intermediate early)遺伝子プロモーターエレメントなどのベクターと組合せて、抗体の効果的発現系である(Foeckingらの論文、1986, Gene 45:101;及び、Cockettらの論文、1990, Bio/Technology 8:2)。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチド又はそれらの断片へ免疫特異的に結合する本発明の抗体、それらの誘導体、アナログ又は断片をコードしているヌクレオチド配列の発現は、構成的プロモーター、誘導的プロモーター又は組織特異性プロモーターにより調節される。
細菌系において、多くの発現ベクターは、発現される抗体分子の意図された用途に応じ、有利に選択することができる。例えば、抗体分子の医薬組成物の製造のために、大量のそのような抗体が作製される場合、迅速に精製される高レベルの融合タンパク質産物の発現を指示するベクターが望ましい。このようなベクターは、抗体コード配列が、融合タンパク質が産生されるように、lac Zコード領域と共にこのベクターへインフレームで個別に連結されている大腸菌発現ベクターpUR278(Rutherらの論文、1983, EMBO 12:1791);pINベクター(Inouye及びInouyeの論文、1985, Nucleic Acids Res. 13:3101- 3109;Van Heeke及びSchusterの論文、1989, J. Biol. Chem. 24:5503-5509);などを含むが、これらに限定されるものではない。pGEXベクターも、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現するために、使用される。一般にこのような融合タンパク質は可溶性であり、並びにマトリックスグルタチオンアガロースビーズへの吸着及び結合、それに続く遊離のグルタチオンの存在下での溶離により、溶解された細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物がGST部分から放出されるように、トロンビン又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含むようにデザインされる。
昆虫系において、キンウワバ(Autographa californica)核多核体病ウイルス(AcNPV)が、外来遺伝子を発現するためのベクターとして使用される。このウイルスは、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞において増殖する。抗体コード配列は、ウイルスの非-必須領域(例えば多核体病遺伝子)へ個別にクローニングされ、及びAcNPVプロモーター(例えば多角体病プロモーター)の制御下に配置される。
哺乳類宿主細胞において、多くのウイルス-ベースの発現系が利用される。アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合、関心のある抗体コード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーター及び三部分リーダー配列に連結することができる。このキメラ遺伝子は次に、in vitro又はin vivo組換えにより、アデノウイルスゲノムへ挿入される。ウイルスゲノムの非-必須領域(例えば、領域E1又はE3)の挿入は、感染宿主において生存及び抗体分子の発現可能な組換えウイルスを生じるであろう(例えば、Logan及びShenkの論文、1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8 1 :355-359参照)。特異的開始シグナルも、挿入された抗体コード配列の効率的翻訳には必要である。これらのシグナルは、ATG開始コドン及び隣接配列を含む。更に開始コドンは、全挿入配列の翻訳を確実にするために、所望のコード配列のリーディングフレームと同相(in phase)にある。これらの外因性翻訳制御シグナル及び開始コドンは、天然及び合成の両方の、様々な起源のものであることができる。発現効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどの封入により増強することができる(例えば、Bittnerらの論文、1987, Methods in Enzymol. 153:51-544参照)。
加えて、挿入された配列の発現を変調する、又は遺伝子産物を望ましい特異的様式で修飾及びプロセッシングする宿主細胞株を、選択することができる。このようなタンパク質生成物の修飾(例えば、グリコシル化)及びプロセッシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に重要である。様々な宿主細胞は、タンパク質及び遺伝子産物の翻訳後プロセッシング及び修飾に関する特徴的かつ特異的機構を有する。適当な細胞株又は宿主系は、発現される外来タンパク質の正確な修飾及びプロセッシングを確実にするように選択することができる。この目的のために、一次転写産物の適切なプロセッシング、遺伝子産物のグリコシル化及びリン酸化に適した細胞機構を有する真核宿主細胞を使用することができる。このような哺乳類宿主細胞は、CHO、VERY BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2O及びT47D、NSO(免疫グロブリン鎖を内因性に生成しないマウスの骨髄腫細胞株)、CRL7O3O及びHsS78BsT細胞を含むが、これらに限定されるものではない。
組換えタンパク質の長期高収量生成に、適した発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定して発現する細胞株を操作することができる。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを使用するよりも、宿主細胞は、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)及び選択マーカーにより制御されたDNAにより形質転換され得る。外来DNAの導入後、操作された細胞は、富化培地中で、1〜2日間増殖することができ、その後選択培地に移される。組換えプラスミド内の選択マーカーは、選択に対する抵抗を付与し、細胞が、それらの染色体へこのプラスミドを安定して組込ませ、及び叢を形成するように増殖させ、次に細胞株へクローニング及び増殖されることが可能である。この方法は有利なことに、抗体分子を発現する細胞株を操作するために使用することができる。このような操作された細胞株は、抗体分子と直接的又は間接的に相互作用する組成物のスクリーニング及び評価において特に有用である。
多くの選択システムを使用することができ、これは各々、tk-、hgprt-又はaprt-細胞を使用する、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerらの論文、1977, Cell 11 :223)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシル転移酵素(Szybalska及びSzybalskiの論文, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)、及びアデニンホスホリボシル転移酵素(Lowyらの論文、1980, Cell 22:8-17)を含むが、これらに限定されるものではない。同じく代謝拮抗剤を、以下の遺伝子の選択の基準として使用することができる:メトトレキセートへの抵抗性を付与するdhfr (Wiglerらの論文、1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:357;O'Hareらの論文、1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);ミコフェノール酸への抵抗性を付与するgpt(Mulligan及びBergの論文、1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);アミノグリコシドG-418への抵抗性を付与するneo(Wu及びWuの論文, 1991, BioTherapy 3:87-95;Tolstoshevの論文、1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulliganの論文、1993, Science 260:926-932;並びに、Morgan及びAndersonの論文、1993, Ann. Rev. Biochem. 62: 191-217;Mayの論文、1993, TIB TECH 11(5):155-2 15);並びに、ヒグロマイシンへの抵抗性を付与するhygro(Santerreらの論文、1984, Gene 30:147)。組換えDNA技術の当該技術分野において一般に公知の方法は、所望の組換えクローンを選択するために、日常的に適用することができ、例えば、Ausubelら(編集)の著書「分子生物学の現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」(John Wiley & Sons, NY (1993));Rrieglerの著書「遺伝子導入、及び発現、研究室マニュアル(Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual)」(Stockton Press, NY (1990));及び、Dracopoliら(編集)の著書「ヒト遺伝子の現在のプロトコル(Current Protocols in Human Genetics)」(John Wiley & Sons, NY (1994))の12及び13章;Colberre- Garapinらの論文、1981, J. Mol. Biol. 150:1に説明されており、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅により増加することができる(総説は、Bebbington及びHentschelの著書「DNAクローニングにおける哺乳動物のクローン遺伝子の発現のための、遺伝子増幅に基づくベクターの使用(The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning)」3(Academic Press, ニューヨーク, 1987)を参照)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅される場合、宿主細胞の培養物中に存在する阻害剤のレベルの上昇は、マーカー遺伝子のコピー数を増加するであろう。増幅された領域は抗体遺伝子と会合されるので、抗体産物も増加するであろう(Grouseらの論文、1983, Mol. Cell. Biol. 3:257)。
宿主細胞は、重鎖由来のポリペプチドをコードしている第一のベクター及び軽鎖由来のポリペプチドをコードしている第二のベクターの2種の発現ベクターで同時形質移入される。これら2種のベクターは、重鎖及び軽鎖ポリペプチドを同等に発現することができる、同じ選択マーカーを含むことができる。あるいは、重鎖及び軽鎖の両ポリペプチドをコードし及び発現が可能である単独のベクターを使用することができる。このような状況において、過剰な毒性のある遊離の重鎖を避けるために、軽鎖は重鎖の前に配置されなければならない(Proudfootの論文、1986, Nature 322:52;及び、Kohlerの論文、1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:2 197)。重鎖及び軽鎖のコード配列は、cDNA又はゲノムDNAを含むことができる。
一旦本発明の抗体分子が、組換え発現により作製されたならば、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特にプロテインA後の特異的抗原へのアフィニティー、及びサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差的溶解度、又は他のタンパク質精製の標準技術のような、免疫グロブリン分子の精製に関して当該技術分野において公知の任意の方法により精製することができる。更に本発明の抗体又はそれらの断片を、精製を促進するために本願明細書において説明された又は当該技術分野において公知の異種ポリペプチド配列へ融合することができる。
(5.4. 抗体製剤の安定性及び凝集のモニタリング法)
タンパク質の生理的及び化学的構造に加えそれらの生物学的活性を基にした抗体製剤を含む、タンパク質製剤の安定性の評価に利用可能な様々な方法が存在する。例えばタンパク質の変性を試験するために、電荷-移動吸収、熱分析、蛍光光度計、円偏光二色、NMR及びHPSECのような方法が利用可能である。例えばWangらの論文、1988, J. of Parenteral Science & Technology 42(Suppl):S4-S26を参照のこと。
rCGE及びHPSECが、タンパク質凝集体の形成、タンパク質分解及びタンパク質断片化を評価するために、最も一般的かつ簡単な方法である。従って、本発明の液体製剤の安定性は、これらの方法により評価することができる。
例えば本発明の液体製剤の安定性は、HPSEC又はrCGEにより評価することができ、ここでピーク面積の割合は、分解していない抗体又は分解していない抗体断片を表している。特に約250μgのIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)(該抗体又は抗体断片10mg/mlを含有する液体製剤約25μl)が、TSK SW x1ガードカラム(6.0mm CX 4.0cm)を装着したTosoH Biosep TSK G3000SWXLカラム(7.8mmx30cm)に注入される。抗体(それらの抗体断片を含む)は、0.1M硫酸ナトリウム及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する、0.1Mリン酸二ナトリウムにより、流量0.8〜1.0ml/分で定組成溶離される。溶離されたタンパク質は、280nmでのUV吸光度を用いて検出される。4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4(又は本発明の製剤中に存在する他の任意の抗体)の参照標準は、このアッセイにおいて対照として試行され、結果は、約12〜14分で観察された含まれた容量ピークを除いた、全ての他のピークに対する生成物の単量体ピークの面積率として報告される。単量体ピークよりも早い溶離ピークは、凝集体の割合として記録した。
本発明の液体製剤は、HPSEC又はrCGEによる測定において、低レベルから検出不能なレベル凝集、すなわちタンパク質質量の5%を超えず、4%を超えず、3%を超えず、2%を超えず、1%を超えず、最も好ましくは0.5%を超えない凝集を示し、並びに低レベルから検出不能なレベルの断片化、すなわち無傷の抗体(それらの抗体断片を含む)を表しているピーク(複数)が総ピーク面積の80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、もしくは99%以上、又は99.5%以上を示す。SDS-PAGEの場合、染色又は放射性同位元素で標識された各バンドの密度又は放射能を測定し、分解されない抗体(それらの抗体断片を含む)を表すバンドの%密度又は%放射能を得ることができる。
本発明の液体製剤の安定性は、製剤中の抗体の生物学的活性を測定する任意のアッセイにより評価することもできる。抗体の生物学的活性は、抗原-結合活性、補体-活性化活性、Fc-受容体結合活性などを含むが、これらに限定されるものではない。抗体(それらの抗体断片を含む)の抗原-結合活性は、当業者に公知の任意の方法により測定することができ、これはELISA、ラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロットなどを含むが、これらに限定されるものではない。補体-活性化活性は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体が、補体成分の存在下でIL-9ポリペプチドを発現している細胞と反応されるシステムにおけるC3a/C4aアッセイにより測定することができる。同じくHarlowらの著書「Antibodies: A Laboratory Manual」(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988)を参照のこと(これは全体が本願明細書に参照として組入れられている)。例えばELISAベースのアッセイを、抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9ポリペプチドへ、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4(又は本発明の製剤中に存在する他の任意の抗体)の参照標準へ、免疫特異的に結合する能力の比較に使用することができる。VnR結合ELISAと称されるこのアッセイにおいて、プレートが、単離されたIL-9ポリペプチドで被覆され、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4参照標準のセット濃度の結合シグナルが、同じ濃度の被験抗体(それらの抗体断片を含む)のシグナルと比較される。
本発明の液体抗体製剤の純度は、例えば、HPSECのような、当業者に周知の任意の方法により測定することができる。液体抗体製剤の無菌性は、以下のように評価することができる:液体抗体製剤を公称多孔度0.45μmを有する滅菌フィルターを通して濾過することにより、無菌ダイズ-カゼイン消化培地及び液体チオグリコラート培地に、被験液体抗体製剤を接種する。Sterisure(商標)又はSteritest(商標)法を使用する場合、各フィルター装置には、無菌ダイズ-カゼイン消化培地又は液体チオグリコラート培地の約100mlが無菌的に充填される。常法を使用する場合、チャレンジしたフィルターは、無菌ダイズ-カゼイン消化培地及び液体チオグリコラート培地100mlに、無菌的に移される。この培地は、適当な温度でインキュベーションされ、細菌又は真菌増殖の証拠に関して、14日間にわたり3回観察される。
(5.5. 抗体製剤の予防的及び治療的利用性)
本発明は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理又は改善のために、対象、好ましくはヒトへ、本発明の液体抗体製剤(又は単数もしくは複数の「抗体製剤」)を投与することが関与する、抗体-ベースの療法にも関する(2003年6月10日に出願された米国特許仮出願第60/477,801号「呼吸器病態の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions)」、2003年4月11日に出願された米国特許仮出願第60/462,307号「呼吸器病態の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions)」、及び2004年4月12日に出願された米国特許仮出願(代理人整理番号10271-113-999)「呼吸器病態の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions)」を参照し、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている)。本発明の液体製剤は、抗体(それらの抗体断片を含む)を、ヒスチジンを含有する溶液中に、濃度約15mg/ml〜約300mg/ml含有し、この抗体(それらの抗体断片を含む)は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する。本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4)へ免疫特異的に結合する単独の抗体(それらの抗体断片を含む)を含有することができる。本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する2以上の抗体(それらの抗体断片を含む)を含有することもできる。具体的な実施態様において、そのような液体製剤に含まれる抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの断片である。代わりの態様において、そのような液体製剤に含まれる抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの断片ではない。更に別の実施態様において、本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を含み、この抗体(それらの抗体断片を含む)は、異種タンパク質、ペプチド又はポリペプチド、別の抗体(それらの抗体断片を含む)、マーカー配列、診断的物質、治療的薬剤、放射性金属イオン、及び固相支持体を含むが、これらに限定されるものではない別の部分へも複合される。
本発明の液体製剤は、治療薬として体内で局所的又は全身的に使用することができる。特に本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び改善において使用することができる。本発明の製剤は、IL-9Rを発現する細胞の活性を調節するために使用することができる。具体的な実施態様において、本発明の製剤は、免疫機能を含むが限定されない、体の様々な活性を調節するために使用することができる。本発明の製剤は有利なことに、1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)と組合せて、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び改善に有用な療法と組合せて、利用することもできる。1以上の他の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)が使用される場合、これらは、個別に、適当な形で及び適当な経路で投与することができる。治療的又は予防的薬剤は、小分子、合成薬、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、生物学的活性タンパク質、ポリペプチド又はペプチドをコードしているアンチセンスヌクレオチド配列、三重鎖、RNAi、及びヌクレオチド配列を含むが、これらに限定されるものではない、DNA及びRNAヌクレオチド)、抗体、合成又は天然の無機分子、擬態物質、並びに合成又は天然の有機分子を含むが、これらに限定されるものではない。
IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善に、有用であることが公知であるか、又は使用されてきたもしくは現在使用されている、任意の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)を、本願明細書に明らかにされた本発明に従い本発明の液体抗体製剤と組合せて使用することができる。IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理、及び/又は改善について、使用されてきた又は現在使用されている、療法、特に予防的又は治療的薬剤に関する情報については、例えば、Gilmanらの著書、「Goodman and Gilman 's: 治療の薬理的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」、10版, McGraw-Hill, ニューヨーク, 2001;「診断、及び治療のメルクのマニュアル(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)」、Berkow, M.D.ら(編集)、17版、Merck Sharp & Dohme Research Laboratories, Rahway, NJ, 1999;及び、「医学のセシルのテキスト(Cecil Textbook of Medicine)」、20版、Bennett及びPlum(編集)、W.B. Saunders, Philadelphia, 1996を参照のこと。予防的及び治療的薬剤の例は、免疫変調剤、抗炎症薬(例えば、アドレノコルチコイド、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカソン、トリアムシノロン、メチルプレドニソロン、プレドニソン、ヒドロコルチゾン)、糖質コルチコイド、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナック、及びCOX-2阻害薬)、及びロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト、メチルキサンチン、ザフィルカスト、及びジロートン)、β2-アゴニスト(例えば、アルブテロール、ビテロール、フェノテロール、イソエタリ(isoetharie)、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロール、サルメテロール、及びサルブタモールテルブタリン)、抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウム及び臭化オキシトロピウム)、スルファサラジン、ペニシルアミン、ダプソン、抗ヒスタミン薬、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン)、抗ウイルス薬、及び抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(フォルメリ・アクチノマイシン)、ブレオマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の液体製剤は、哺乳類、好ましくはヒトへ、1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法と同時に、投与することができる。用語「同時に」は、正確に同時の予防的又は治療的薬剤/療法の投与に限定されず、むしろこの液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)が、他の物質/療法と一緒に作用し、それらがそうでなく投与された場合よりも増大した恩恵を提供することができるように、本発明の液体製剤及び他の物質/療法が、順番にかつ時間間隔内で哺乳類へ投与されることを意味する。例えば、本発明の液体製剤並びにIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な1以上の他の予防的又は治療的薬剤は、同時に、又は異なる時点で任意の順番で逐次投与することができるが;しかし同時に投与される場合は、これらは所望の治療的又は予防的作用を提供するために、十分に密接した時間で投与されなければならない。
様々な実施態様において、本発明の液体製剤及び1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、1時間未満間隔で、約1時間間隔で、約1時間〜約2時間間隔で、約2時間〜約3時間間隔で、約3時間〜約4時間間隔で、約4時間〜約5時間間隔で、約5時間〜約6時間間隔で、約6時間〜約7時間間隔で、約7時間〜約8時間間隔で、約8時間〜約9時間間隔で、約9時間〜約10時間間隔で、約10時間〜約11時間間隔で、約11時間〜約12時間間隔で、24時間を超えない間隔で又は48時間を超えない間隔で投与される。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤及び1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、同じ患者来院時に投与される。別の実施態様において、本発明の液体製剤及び1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、約2〜4日間隔で、約4〜6日間隔で、約1週間間隔で、約1〜2週間間隔で、又は2週間よりも長い間隔で投与される。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤及び「1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくは」IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、両方の物質が依然活性がある時間枠内で投与される。当業者は、投与される物質の半減期を決定することにより、そのような時間枠を決定することができるであろう。
ある実施態様において、本発明の液体製剤及び「1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくは」IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、対象へ周期的に投与される。周期的療法は、第一の物質のある期間の投与、それに続く第二の物質及び/又は第三の物質のある期間の投与、この連続投与の反復が関与している。周期的療法は、1以上の療法に対する抵抗の発生を低下し、その療法のひとつの副作用を避けるかもしくは低下し、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
ある実施態様において、本発明の液体製剤及び1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、約3週間未満のサイクルで、約2週間に1回、約10日に1回又は約1週間に1回で投与される。1サイクルは、毎サイクル約90分、毎サイクル約1時間、毎サイクル約45分間に及ぶ注入による、治療的又は予防的薬剤の投与を含む。各サイクルは、少なくとも1週間の休薬、少なくとも2週間の休薬、少なくとも3週間の休薬を含むことができる。投与されるサイクルの数は、約1〜約12サイクル、より典型的には約2〜約10サイクル、及びより典型的には約2〜約8サイクルである。
別の実施態様において、本発明の液体製剤及び1以上の他の療法(例えば、1以上の他の予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法は、連続注入又は延長された休薬期間を伴わない、頻回投与のいずれかにより、メトロノーム投薬レジメンで投与される。このようなメトロノーム投与は、休薬期間を伴わない、一定期間の投薬が関与している。典型的には、予防的又は治療的薬剤、特に細胞傷害性物質が、低用量で使用される。このような投薬レジメンは、延長された期間の比較的低用量の長期間の毎日投与を含む。好ましい実施態様において、低用量の使用は、毒性副作用を最低とし、及び休薬期間を排除することができる。ある実施態様において、予防的及び治療的薬剤は、長期低用量又は連続注入により、約24時間から、約2日間、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間までの範囲で送達される。
ひとつの実施態様において、本発明の液体製剤は、連続してIL-9R活性をブロックする所望のレベル(例えば、約0.1〜約100μg/ml)で、IL-9ポリペプチドに免疫特異性の抗体(それらの抗体断片を含む)の血漿濃度を維持する投薬レジメンで投与される。具体的な実施態様において、抗体(それらの抗体断片を含む)の血漿濃度は、0.2μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml、6μg/ml、7μg/ml、8μg/ml、9μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/ml又は50μg/mlで維持される。対象において望ましい血漿濃度は、疾患又は障害の性質、疾患又は障害の重症度、並びに対象の状態を含むが、これらに限定されるものではない、いくつかの要因に応じて変動するであろう。このような投薬レジメンは特に、慢性の疾患又は障害の予防、治療、管理及び改善において有益である。
ひとつの実施態様において、本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を伴う対象へ、IL-9RのIL-9ポリペプチドへの結合を少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%ブロックするレベルで、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の血漿濃度を維持する投薬レジメンを用い、投与される。具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を伴う対象において、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の血漿濃度は、約0.1μg/ml〜約100μg/mlで維持される。
幾つかの態様において、本発明の液体製剤は、対象へ断続的に投与され、ここでこの液体製剤は、部分(例えば、治療的薬剤又は毒素)へ複合された抗体(それらの抗体断片を含む)を含む。
IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な他の療法(例えば、予防的及び/又は治療的薬剤)が併用される場合、本発明の液体製剤及び他の療法は、相加的、より好ましくは相乗的である。本発明は、本発明の液体製剤の他の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)、好ましくはIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理又は改善に有用な療法と組合せた、同じ又は異なる投与経路、例えば経口及び非経口による投与を企図している。ある実施態様において、本発明の液体製剤が有害な副作用(毒性を含むが、これらに限定されるものではない)を生じる可能性のある1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)と同時に投与される場合、この療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)は有利なことに、有害な副作用が誘起される閾値を下回る投与量で、投与される。
(5.5.1. 癌治療)
本発明の液体製剤は、癌又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理又は改善のために、それが必要な対象へ投与することができる。本発明の液体製剤は、1以上の他の療法、好ましくは癌の予防、管理又は治療に有用な療法(下記5.5.1.1項に列記された、予防的又は治療的薬剤を含むが、これらに限定されるものではない)と組合わせて、癌又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理又は改善するために、それが必要な対象へ投与することもできる。具体的な実施態様において、本発明は、癌又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理又は改善する方法を提供し、該方法は、それらの必要な対象へ、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量を投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、癌又はそれらの1以上の症状を予防、治療、又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びに1以上の療法(例えば、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量を、それが必要な対象へ投与することを含む。
本発明の液体製剤は、第一、第二、第三又は第四系統の癌治療として使用することができる。本発明は、そのような癌の通常の療法に対し難治性の対象における癌の1以上の症状を治療又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量を、該対象へ投与することを含む。癌は、癌細胞の少なくとも一部有意な部分が殺傷されないか、又はそれらの細胞分裂が療法へ反応して停止しない場合に、療法手段に難治性であると決定される。このような決定は、そのような状況で当該技術分野において許容された意味の「難治性」を使用し、癌細胞への治療の有効性のアッセイに関して当該技術分野において公知の任意の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかにおいて行うことができる。具体的な実施態様において、癌細胞の数が有意に低下しない、又は増加した場合に、癌は難治性である。
本発明は、そのような癌に関する現存する単剤療法に対し難治性である対象における、癌又はそれらの1以上の症状を管理、治療、又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量を、該対象へ投与することを含む。本発明は、他の治療に対し難治性であることが証明されているが、最早これらの治療を受けていない患者へ、本発明の液体製剤を、任意の他の治療(例えば、放射線療法、化学療法又は手術)と組合せて投与することによる、癌を管理、治療、又は改善する方法も提供する。本発明は同じく、癌を有し、及び先に受けた他の癌療法のために、免疫抑制された患者の管理又は治療の方法を提供する。本発明は、癌又はそれらの1以上の症状を管理、治療又は改善する代替法も提供し、ここで化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び/又は生物学的療法/免疫療法は、治療される対象へ、あまりにも毒性がある、すなわち許容しがたい又は耐え難い副作用を生じることが証明されているか又は証明され得る。更に本発明は、本発明の液体製剤を投与することによる、治療され及び疾患活動を有さない患者における癌の再発を予防する方法を提供する。
本発明により包含される方法で治療される癌は、新生物、腫瘍、転移、又は制御できない細胞増殖を特徴とするいずれかの疾患もしくは障害を含むが、これらに限定されるものではない。癌は、原発性又は転移性癌であり得る。癌は、IL-9Rを発現してもしなくてもよい。本発明により包含される方法で治療される癌の具体例は、頭部、頸部、目、口、咽頭、食道、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、乳房、卵巣、腎臓、肝臓、膵臓及び脳の癌を含むが、これらに限定されるものではない。追加の癌は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:急性白血病、急性リンパ球性白血病、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球、単球、赤白血病などの急性骨髄球性白血病、並びに骨髄異形成症候群、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病などであるが限定されない慢性白血病などであるが限定されない、白血病;真性赤血球増加症;ホジキン病、非ホジキン病などであるが限定されない、リンパ腫;くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、血漿細胞白血病、孤立性プラズマ細胞種及び髄外プラズマ細胞腫などであるが限定されない、多発性骨髄腫;ヴァルデンストロームマクログロブリン血症;重要性が決定されていない単クローン性高ガンマグロブリン血症;良性単クローン性高ガンマグロブリン血症;重鎖疾患;骨の肉腫、骨髄腫性骨疾患、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨のパジェット病、悪性巨細胞腫瘍、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑液肉腫などであるが限定されない、骨癌及び結合組織肉腫;神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、稀突起神経膠腫、非神経膠腫、前庭神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫などであるが限定されない、脳腫瘍;腺癌、小葉(小細胞)癌、管内癌、髄質乳癌、ムチン乳癌、管状乳癌、乳頭癌、パジェット病(若年性パジェット病を含む)、炎症性乳癌を含むが、これらに限定されるものではない乳癌;褐色細胞腫及び副腎皮質癌などであるが限定されない、副腎癌;乳頭状又は小胞状甲状腺癌、髄質性甲状腺癌及び退形成性甲状腺癌などであるが限定されない、甲状腺癌;インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌型腫瘍、及び類癌腫又は島細胞腫瘍などであるが限定されない、膵臓癌;クッシング病、プロラクチン産生腺腫、末端肥大症、及び尿崩症などであるが限定されない、下垂体癌;眼球黒色腫、例えば虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、及び毛様体黒色腫、並びに網膜芽細胞腫などであるが限定されない、眼の癌;扁平上皮細胞癌、腺癌、及び黒色腫などの、膣癌;扁平上皮細胞癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫及びパジェット病などの、外陰部癌;扁平上皮細胞癌、及び腺癌などであるが限定されない、子宮頸癌;子宮内膜癌及び子宮肉腫などであるが限定されない、子宮体癌;卵巣上皮癌、境界型腫瘍、生殖細胞腫瘍、及びストローマ細胞腫瘍などであるが限定されない、卵巣癌;扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘膜表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、プラズマ細胞腫、いぼ状癌腫、及び燕麦細胞癌(小細胞癌)などであるが限定されない、食道癌;腺癌、菌状肉芽腫(ポリープ)、潰瘍性、表在拡大型、広範散在型、悪性リンパ腫、リンパ肉腫、繊維肉腫、及び癌肉腫などであるが限定されない、胃癌;結腸癌;直腸癌;肝細胞癌及び肝芽腫などであるが限定されない、肝臓癌、腺癌などの胆嚢癌;乳頭、結節性、及び拡散性などであるが限定されない、胆管癌;非小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞及び小細胞肺癌などの、肺癌;胚性腫瘍、精上皮腫、退形成、古典的(典型的)、精母細胞、非セミノーマ、胎生期癌、奇形腫、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)などであるが限定されない、精巣癌;腺癌、平滑筋肉腫、及び横紋筋肉腫などであるが限定されない、前立腺癌;陰茎(penal)癌;扁平上皮細胞癌などであるが限定されない、口腔癌;基底細胞癌;腺癌、粘膜表皮癌、腺様嚢胞癌などであるが限定されない、唾液腺癌;扁平上皮細胞癌、及びいぼ状などであるが限定されない、咽頭癌;基底細胞癌、扁平上皮細胞癌及び黒色腫、表在散在性黒色腫、結節性黒色腫、悪性黒子黒色腫、末端性黒子性黒色腫などであるが限定されない、皮膚癌;腎細胞癌、腺癌、副腎腫、繊維肉腫、移行上皮癌(腎盂及び/又は子宮)などであるが限定されない、腎臓癌;ウィルムス腫瘍;移行上皮癌、扁平上皮細胞癌、腺癌、癌肉腫などであるが限定されない、膀胱癌。加えて、癌は、粘液肉腫、骨肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫(synovioma)、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性肺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌及び乳頭腺癌がある(このような障害の検証については、Fishmanらの論文、 1985, Medicine, 2版, J.B. Lippincott Co., Philadelphia and Murphyらの論文、1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照のこと)。アポトーシス異常により引き起こされる癌も、本発明の方法及び組成物により治療することができることも企図されている。このような癌は、濾胞性リンパ腫、p53変異を伴う癌、乳房、前立腺及び卵巣のホルモン依存性癌、並びに家族性腺腫性ポリポーシスのような前癌性病変、並びに骨髄異形成症候群を含むが、これらに限定されるものではない。
(5.5.1.1. 抗癌療法)
本発明は、癌又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善する方法を提供し、この方法は、それが必要な対象へ、本発明の液体製剤及びIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)を投与することを含む。治療的又は予防的薬剤は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、擬態物質、合成薬物、無機分子、及び有機分子を含むが、これらに限定されるものではない。癌又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善のために有用であることがわかっているか、又は使用されてきたもしくは現在使用されている、任意の物質又は療法(例えば、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、及び/又は生物学的療法/免疫療法)を、本願明細書に説明された本発明に従い本発明の液体製剤と併用することができる。
ある実施態様において、抗癌薬は、免疫変調剤、例えば化学療法薬である。ある別の実施態様において、抗癌薬は、化学療法薬以外の免疫変調剤である。別の実施態様において、抗癌薬は、免疫変調剤ではない。具体的な実施態様において、抗癌薬は、抗-血管形成薬である。別の実施態様において、抗癌薬は、抗-血管形成薬ではない。具体的な実施態様において、抗癌薬は、抗炎症薬である。別の実施態様において、抗癌薬は、抗炎症薬ではない。
特定の実施態様において、抗癌薬は、以下のものであるが、これらに限定されるものではない:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルタチミド;アムサクリン;アナストロゾール; アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート;ビスホスホン酸塩(例えば、パミドロネート(Aredria)、クロドロネートナトリウム(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロネート(Fosamax)、エチドロネート、イバンドロネート、シマドロネート、リセドロネート、及びチルドロメート(tiludromate));ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン;カラセミド;カルベチメール;カルボプラチン; カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキシオルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジキオン(diaziquone);ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ヂュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;EphA2阻害薬(例えば、EphA2のリン酸化及びEphA2の分解を生じる抗-EphA2抗体(米国特許出願第60/418,213号参照、これはその全体が本願明細書に参照として組入れられている);エルサミツルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロメート(enpromate);エピロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロキシウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;フォスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモフォシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンII、又はrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソンキサントロン(losoxantrone);マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;抗-CD2抗体(例えば、シプリツマブ(Medlmmune Inc.;国際公開公報第02/098370号参照、これは全体が本願明細書に参照として組入れられている));酢酸メゲステロール;酢酸メレンゲステロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツルデパ(meturedepa);ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメールナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン(prednimustine);塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフムゴル(safmgol);塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン; テコガランナトリウム;テガファー;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン(vinleurosine);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロイシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンである。
他の抗癌薬は、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない:20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamstine);アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管形成阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗−背側化形態発生タンパク質(ADMP)-1;抗アンドロゲン薬、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシジネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;アラ-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;βクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害薬;ビカルタミド;ビサントレン;ビザジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL-2;カペシタビン;カルボキシアミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロルリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリマイシンA;コリマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞障害因子;シトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデシンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシイフォスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォスチン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エピステリド(epristeride);エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタニ;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン;フォルフェニメックス(forfenimex);フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ゴドリニウムタキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス(ganirelix);ゲラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;HMG CoA還元酵素阻害薬(例えば、アトロバスタチン、セルバスタチン、フルバスタチン、ロスコル(lescol)、ルピトール(lupitor)、ロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン);ヘプサルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;アイロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激性ペプチド;インスリン-様成長因子-1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール;4-イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲストロン;ロイプロレリン;レバミソール;LFA-3TIP(Biogen, Cambridge, MA;国際公開公報第93/0686号及び米国特許第6,162,432号);リアロゾール;直鎖ポリアミンアナログ;親油性ジサッカリドペプチド;親油性白金化合物;リソクラミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害薬;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害薬;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害薬;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチの二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド(mitonafide);分裂毒性(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk; モピダモール;複数の薬物耐性遺伝子阻害薬;多発性腫瘍抑制剤1-ベースの療法;マスタード抗癌薬;ミカペルオキシドB;ミコセル細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N-置換されたベンズアミド; ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ナイサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;ニトロオキシド酸化防止剤;オナプリストン;06-ベンジルグアニン;オクトレチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルボロン(perflubron);ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害薬;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害薬;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害薬;プロテインA-ベースの免疫変調剤;プロテインキナーゼC阻害薬;プロテインキナーゼC阻害薬、ミクロアルガル(microalgal);タンパク質チロシンリン酸化酵素阻害薬;プリンヌクレオシドリン酸化酵素阻害薬;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化されたヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasフェルネシルタンパク質転移酵素阻害薬;ras阻害薬;ras-GAP阻害薬;脱メチル化されたレテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス(roquinimex);ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬態;セムスチン;セネシン由来の阻害薬1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害薬;シグナル伝達モジュレーター;1本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプレート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害薬;幹細胞分裂阻害薬;スチピアミド(stipiamide);ストロメリシン阻害薬;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;5-フルオロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガファー;テルラピリリム;テロメラーゼ阻害薬;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬態;サイマルファシン;サイモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルスズエチオプルプリン;チラパザミン;チタノコンビクロリド;トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害薬;トレチオニン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害薬;チルホスチン;UBC阻害薬;ウベニメックス;尿生殖器洞-由来の増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム赤血球遺伝子療法;タリドミド;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフォム(verteporfm);ビノレルビン;ビンキサルチン;VITAXIN(商標)(2002年11月14日付けの米国特許公開第2002/0168360 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法(Methods of Preventing, or Treating, Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists In the Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Drugs)」参照);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及び、ジノスタチンスチマラマーである。別の好ましい実施態様において、Bi-Specific T Cell Engagers (BiTE(商標);Medlmmune, Inc.)として公知の抗体誘導体のクラスの一部である、MT 103のような抗体誘導体も、本発明の1以上の液体製剤と併用することができる。
抗癌薬の他の例は、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない:血管形成阻害薬、トポイソメラーゼ阻害薬及び免疫変調剤(化学療法薬及び-治療的免疫変調剤などで、以下を含むが、これらに限定されるものではない:抗-T細胞受容体抗体(例えば、抗-CD4抗体(例えば、cM-T412(Boeringer)、IDEC-CE9.1(登録商標)(IDEC and SKB)、mAB 4162W94、Orthoclone及びOKTcdr4a(Janssen-Cilag))、抗-CD3抗体(例えば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson & Johnson)、又はRituxan(IDEC))、抗-CD5抗体(例えば、抗-CD5リシン-連結免疫複合体)、抗-CD7抗体(例えば、CHH-380(Novartis))、抗-CD8抗体、抗-CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、IDEC-131 (IDEC))、抗-CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H (Ilex))、抗-CD2抗体(例えば、MEDI-507 (Medlmmune, Inc.、国際公開公報第02/098370号及び第02/069904号)、抗-CD11a抗体(例えば、Xanelim (Genentech))、並びに抗-B7抗体(例えば、IDEC-114) (IDEC));抗-サイトカイン受容体抗体(例えば、抗-IFN受容体抗体、抗-IL-2受容体抗体(例えば、Zenapax (Protein Design Labs))、抗-IL-4受容体抗体、抗-IL-6受容体抗体、抗-IL-10受容体抗体、及び抗-IL-12受容体抗体)、抗-サイトカイン抗体(例えば、抗-IFN抗体、抗-TNF-α抗体、抗-IL-1β抗体、抗-IL-6抗体、抗-IL-8抗体(例えば、ABX-IL-8 (Abgenix))、及び抗-L-12抗体));CTLA4-免疫グロブリン;LFA-3TIP (Biogen、国際公開公報第93/08656号及び米国特許第6,162,432号);可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF-α受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン、IL-1β受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン、及びIL-6受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン);サイトカイン又はそれらの断片(例えば、インターロイキン(IL)-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-15、TNF-α、TNF-β、インターフェロン(IFN)-α、IFN-β、IFN-γ、及びGM-CSF);並びに、抗-サイトカイン抗体(例えば、抗-IL-2抗体、抗-IL-4抗体、抗-IL-6抗体、抗-IL-10抗体、抗-IL-12抗体、抗-IL-15抗体、抗-TNF-α抗体、及び抗-IFN-γ抗体)、並びに腫瘍関連抗原に免疫特異的に結合する抗体(例えば、HERCEPTIN(登録商標))である。
本発明は、癌細胞を破壊するためのx-線、γ線及び他の放射線源の使用を含む放射線療法と組合せた、本発明の液体製剤の投与も包含している。好ましい実施態様において、放射線治療は、照射が遠隔地の線源から指示される外部ビーム照射又は遠隔療法により投与される。別の好ましい実施態様において、放射線療法は、放射線源が、癌細胞又は腫瘍塊に近接して体内に配置される内部療法又は近接照射療法として投与される。
具体的な実施態様において、乳癌患者には、以下を含むが、これらに限定されるものではない1以上の乳癌療法に有用な他の物質の予防的又は治療的有効量の投与と組合せた、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される:ドキソルビシン、エピルビシン、ドキソルビシン及びシクロホスファミドの併用(AC)、シクロホスファミド、ドキソルビシン及び5-フルオロウラシルの併用(CAF)、シクロホスファミド、エピルビシン及び5-フルオロウラシルの併用(CEF)、Herceptin(登録商標)、タモキシフェン、タモキシフェン及び細胞傷害性化学療法の併用である。ある実施態様において、転移性乳癌患者は、ドセタキセル及びパクリタキセルなどのタキサン系の有効量の投与と組合せて、1以上の本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される。別の実施態様において、結節-陽性局在化された乳癌の補助治療のための予防的又は治療的有効量のタキサン+標準ドキソルビシン及びシクロホスファミドの投与と組合せて、予防的又は治療的有効量の本発明の液体製剤が投与される。
具体的な実施態様において、前立腺癌患者には、以下を含むが、これらに限定されるものではない1以上の前立腺癌療法に有用な他の物質の予防的又は治療的有効量の投与と組合せた、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される:外部-ビーム放射線療法、放射性同位元素の間隙埋植(すなわち、I125、パラジウム、イリジウム)、ロイプロリド又は他のLHRHアゴニスト、非-ステロイド系抗男性ホルモン(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド)、ステロイド系抗男性ホルモン(酢酸シプロテロン)、ロイプロリド及びフルタミドの併用、エストロゲン、例えばDES、クロロトリアニセン、エチニルエストラジオール、米局方複合エストロゲン、DES-二リン酸塩、放射性同位元素、例えばストロンチウム-89、外部-ビーム放射線療法及びストロンチウム-89の併用、二段階ホルモン療法、例えばアミノグルテチミド、ヒドロコルチゾン、フルタミド離脱、プロゲステロン、及びケトコナゾール、低用量プレドニソン、又は症状の主観的改善及びPSAレベルの低下を生じることが報告されている他の化学療法レジメンであり、ドセタキセル、パクリタキセル、エストラムスチン/ドセタキセル、エストラムスチン/エトポシド、エストラムスチン/ビンブラスチン、及びエストラムスチン/パクリタキセルを含むものである。具体的な実施態様において、卵巣癌患者には、以下を含むが、これらに限定されるものではない1以上の卵巣癌療法に有用な他の物質の予防的又は治療的有効量の投与と組合せた、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される:腹腔内放射線療法、例えばP32療法、腹部及び骨盤全体の放射線療法、シスプラチン、パクリタキセル(Taxol)又はドセタキセル(Taxotere)及びシスプラチン又はカルボプラチンの併用、シクロホスファミド及びシスプラチンの併用、シクロホスファミド及びカルボプラチンの併用、5-FU及びロイコボリンの併用、エトポシド、リポソーム性ドキソルビシン、ゲムシタビン又はトポテカンである。予防的又は治療的有効量の本発明の液体製剤が、白金-難治性疾患の患者へTaxol投与と組合せて投与されることも企図されている。以下の投与を含む、難治性卵巣癌患者の治療も含まれる:白金-難治性である疾患の患者におけるイフォスファミド、シスプラチン-ベースの併用レジメンに失敗した後のサルベージ化学療法としてのヘキサメチルメラミン(HMM)、及び腫瘍部に細胞質エストロゲン受容体の検出可能なレベルを伴う患者におけるタモキシフェンである。具体的な実施態様において、骨肉腫患者には、以下を含むが、これらに限定されるものではない1以上の骨肉腫療法に有用な他の物質の予防的又は治療的有効量の投与と組合せた、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される:ドキソルビシン、イフォスファミド、シスプラチン、高用量メトトレキセート、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、及び手術である。
具体的な実施態様において、骨への腫瘍転移を伴う患者には、以下を含むが、これらに限定されるものではない1以上の骨転移性腫瘍療法に有用な他の物質の予防的又は治療的有効量の投与と組合せた、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が投与される:基礎となる悪性疾患の治療に使用される物質又は療法(非限定的例は、骨に転移した前立腺癌及び乳癌のホルモン阻害薬及び手術)、放射線療法(非限定的例は、ストロンチウム89及びサマリウム153、これらは抗腫瘍作用を発揮し及び症状を軽減することができる骨-探索する放射性核種である)、及びジホスホン酸塩である。
癌療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.2. 増殖障害)
本発明の液体抗体製剤は、増殖障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善に使用することができる。具体的な実施態様において、増殖障害は、IL-9がT細胞、赤血球前駆細胞、B細胞、マスト細胞、好酸球、好中球及び胎児胸腺細胞を含むが限定されないものの増殖を媒介する、細胞の異常な増殖(例えば、制御できない増殖又は増殖の欠如)により特徴付けられる。
本発明は、IL-9媒介した細胞の過増殖、特に上皮細胞(例えば、喘息、COPD、肺線維症、気管支過敏、乾癬、リンパ増殖性疾患、及び脂漏性皮膚炎)、並びに内皮細胞(例えば、再狭窄、過増殖性血管疾患、ベーチェット病、アテローム性動脈硬化症、及び黄斑変性)に関連した非-癌性障害(すなわち、転移の可能性のない障害)の1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。本発明は、IL-9媒介した細胞の過増殖に関連した非-癌性障害を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法も提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体の有効量、並びに該障害の予防、治療、管理及び/又は改善に有用な本発明の抗体以外の1以上の他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。
本発明は、IL-9媒介した細胞過増殖に関連した非-癌性障害の従来の療法に難治性の対象におけるそのような障害の1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、有効量の本発明の1以上の抗体、組成物、又は併用療法を対象へ投与することを含む。ある実施態様において、IL-9媒介した細胞過増殖に関連した非-癌性障害を伴う患者は、過増殖が根絶されず及び/又はその症状が改善されない場合に、療法に対し難治性である。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況で「難治性」の当該技術分野において許容された意味を用い、非-癌性過増殖障害の治療の有効性をアッセイする、当該技術分野において公知の任意の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかにより行うことができる。様々な実施態様において、IL-9媒介した細胞過増殖に関連した非-癌性障害を伴う患者は、患者のIL-9レベルが異常であり続けるか及び/又は細胞増殖が減少しない場合に、難治性である。本発明は、そのような障害の従来の療法に難治性の対象におけるIL-9媒介した細胞過増殖に関連した非-癌性障害を予防、管理、治療及び/又は改善する方法も提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量、並びに該障害の予防、治療、管理及び/又は改善に有用な本発明の抗体製剤以外の1以上の他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。
具体的な実施態様において、本発明の1以上の抗体の有効量が、抗体(それらの抗体断片を含む)(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、又は7F3com-3D4)を含有する本発明の液体製剤の有効量と組合せて、増殖障害のリスクのある又はそれを有する対象へ投与される。本発明の液体抗体製剤又は本発明の併用療法は、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善するための第一、第二、第三、第四又は第五の療法として使用することができる。本発明は、他の疾患又は障害に関して治療を受けている患者において、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法も含む。本発明は、本発明の抗体以外の療法に対する何らかの有害作用又は不忍容性が生じる前に患者において、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善する方法を包含している。本発明は、従来の療法に有害反応を受けやすい患者において、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善する方法も包含している。
本発明は、本発明の抗体、組成物、又は併用療法以外の療法に対する難治性が証明された患者における、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を包含している。ある実施態様において、増殖障害の患者は、増殖障害が根絶されないか及び/又はその症状が改善されない場合に、療法に難治性である。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況において「難治性」の当該技術分野において許容された意味の意味を用い、非-癌性過増殖障害の治療の有効性をアッセイする、当該技術分野において公知の任意の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかにより行うことができる。様々な実施態様において、増殖障害を伴う患者は、患者のIL-9レベルが異常であり続けるか及び/又は細胞増殖が減少しない場合に、難治性である。
本発明は、他の従来の療法への代替として、増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を包含している。具体的な実施態様において、本発明の方法により管理又は治療される患者は、他の療法に対するか、又はそのような療法について有害反応を受けやすい。この患者は、抑制された免疫を伴うヒト(例えば、術後の患者、化学療法中の患者、及び免疫不全症患者)、腎又は肝機能が損なわれたヒト、高齢者、小児、乳児、神経精神病障害を伴うヒト又は抗精神病薬を服用しているヒト、発作の既応のあるヒト、又は増殖障害の管理もしくは治療に使用される従来の薬物との負の相互作用する薬物療法を受けているヒトである。
増殖障害又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.3. 炎症障害治療)
本発明の液体製剤は、炎症障害(例えば、喘息)又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために、それが必要な対象へ投与することができる。本発明の液体製剤は、炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために、1以上の他の療法、好ましくは炎症障害の予防、管理、治療又は改善に有用な療法(下記5.5.3.1項に記載された予防的又は治療的薬剤を含むが、これらに限定されるものではない)と組合せて、それが必要な対象へ投与されてもよい。具体的な実施態様において、炎症障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、炎症障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の他の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量、それを必要とする対象へ投与することを含む。
本発明は、そのような炎症障害の従来の療法(例えば、メトトレキセート及びTNF-αアンタゴニスト(例えば、REMICADE(商標)又はENBREL(商標)))に対し難治性の対象において、炎症障害の1以上の症状を管理、治療、又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量を、該対象へ投与することを含む。本発明は、そのような炎症障害の現存する単剤療法に対し難治性の対象において、炎症障害の1以上の症状を管理、治療、又は改善する方法も提供し、該方法は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量を、該対象へ投与することを含む。本発明は、他の治療に難治性であることが証明されているが最早これらの治療を受けていない患者へ、他の治療と組合せた、本発明の液体製剤の投与により、炎症障害を管理又は治療する方法も提供する。本発明は、別の療法が、治療される対象について毒性がある、すなわち許容しがたい又は耐え難い副作用を生じることが証明された又は証明され得る場合に、炎症障害を治療する代替法も提供する。例えば、本発明の液体製剤は、ここで対象は、TNFアンタゴニスト又はメトトレキセートに対し難治性である対象へ投与される。更に本発明は、本発明の液体製剤の投与により治療された又は疾患活動を有さない患者において、炎症障害の再発を予防する方法を提供する。
本発明により包含された方法により治療することができる炎症障害は、喘息、脳炎、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー障害、敗血症性ショック、肺線維症、未分化の脊椎関節炎、未分化の関節症、関節炎、変形性関節症、脊椎関節炎(例えば、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群(反応性関節炎)、炎症性骨溶解、ウィルソン病、及び慢性ウイルス性もしくは細菌感染症に由来する慢性炎症を含むが、これらに限定されるものではない。本願明細書の5.5.4.1項に説明されたように、一部の自己免疫障害は、炎症状態に関連している。
抗-炎症療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.3.1. 抗-炎症療法)
本発明は、炎症障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療、又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤、並びに1以上の療法(例えば、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の予防的又は治療的薬剤)を、それらを必要とする対象へ投与することを含む。炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために、有用であることがわかっているか、又は使用されたかもしくは現在使用されている物質又は療法は、本願明細書に説明された本発明に従い本発明の液体製剤と組合せて使用することができる。
当業者に周知の、炎症障害の療法において有用である物質を含む抗炎症薬は、本発明の組成物及び方法において使用することができる。抗炎症薬の非限定的例は、非-ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ステロイド性抗炎症薬、抗コリン作用薬(例えば、硫酸アトロピン、メチル硝酸アトロピン、及び臭化イプラトロピウム(ATROVENT(商標))、β2-アゴニスト(例えば、アブテロール(VENTOLIN(商標)及びPROVENTIL(商標)、ビトルテロール(TORNALATE(商標))、レバルブテロール(XOPONEX(商標))、メタプロテレノール(ALUPENT(商標))、ピルブテロール(MAXAIR(商標))、テルブトライン(BRETHAIRE(商標)及びBRETHINE(商標))、アルブテロール(PROVENTIL(商標)、REPETABS(商標)、及びVOLMAX(商標))、フォルモテロール(FORADIL AEROLIZER(商標))、及びサルメテロール(SEREVENT(商標)及びSEREVENT DISKUS(商標)))、及びメチルキサンチン(例えば、テオフィリン(UNIPHYL(商標)、THEO-DUR(商標)、SLO-BID(商標)、及びTEHO-42(商標)))を含む。NSAIDの例は、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(商標))、エトドラック(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトララック(TORADOL(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ナブメトン(RELAFEN(商標))、スリンダック(CLINORIL(商標))、トルメンチン(TOLECTIN(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、ナプロキセン(ALEVE(商標)、NAPROSYN(商標))、ケトプロフェン(ACTRON(商標))及びナブメトン(RELAFEN(商標))を含むが、これらに限定されるものではない。このようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX-1及び/又はCOX-2)を阻害することにより機能する。ステロイド性抗-炎症薬の例は、糖質コルチコイド、デキサメタゾン(DECADRON(商標))、コルチコステロイド(例えば、メチルプレドニソロン(MEDROL(商標)))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニソン(PREDNISONE(商標)及びDELTASONE(商標))、プレドニソロン(PRELONE(商標)及びPEDLAPRED(商標))、トリアムシノロン、アズリフィジン、及びエイコサノイド阻害薬(例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、及びロイコトリエン(ロイコトリエンの非限定的例及びそのような薬物の典型的用量については、下記表2参照))を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、本発明の1以上の抗体の有効量が、有効量のVITAXIN(商標)(Medlmmune, Inc.、国際公開公報第00/78815号、2002年9月12日付けの国際公開公報第02/070007 A1号の「インテグリンαvβ3アンタゴニストの投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists)」、2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075957 A1号の「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の薬剤との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法(The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination with Other Agents)」、2002年11月14日付けの米国特許公開第2002/0168360 A1号の「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists in Combination with Other Prophylactic or Therapeutid Agents)」、並びに2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075741 A2号の「インテグリンαvβ3アンタゴニストのHMG-CoA還元酵素又はビスホスホネートとの併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法(Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists in Combination with HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate)」、各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)と組合せて、対象へ投与される。別の実施態様において、炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、本発明の1以上の抗体の有効量が、有効量のシプリツマブ(Medlmmune, Inc.、国際公開公報第02/069904号)と組合せて、対象へ投与される。別の実施態様において、炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、本発明の1以上の抗体の有効量が、有効量の1以上のEphA2阻害薬(例えば、1以上の抗-EphA2抗体(Medlmmune, Inc.;2002年12月27日付けの国際公開公報第02/102974 A4号の「変異タンパク質、高い効能の阻害抗体及びFIMCH結晶構造(Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure)」、2003年11月20日付けの国際公開公報第03/094859 A2号の「EphA2モノクローナル抗体及びそれらの使用法(EphA2 Monoclonal Anticbodies and Methods of Use Thereof)」、米国特許出願第10/436,783号;並びに、米国特許出願第60/379,368号、これらは各々本願明細書に参照として組入れられている))と組合せて、対象へ投与される。更に別の好ましい実施態様において、炎症障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、本発明の1以上の抗体の有効量が、有効量のVITAXIN(商標)、シプリツマブ、及び/又はEphA2阻害薬と組合せて、対象へ投与される。
ひとつの実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量が、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬と組合せて、炎症障害のリスクのある又は障害を伴う対象へ投与される。別の実施態様において、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬は、GW-45、GW-58、及びゲニステインなどであるが限定されない、トリプターゼキナーゼ阻害薬である。具体的な実施態様において、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬は、カルホスチンCなどであるが限定されない、ホスファチジルイノシチド-3'(PI3)-キナーゼ阻害薬である。別の実施態様において、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬は、スタウロスポリンなどであるが限定されない、プロテインキナーゼ阻害薬である。この態様に従い、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬は、患部へ局所的に投与されることが好ましい。
本発明の液体製剤と組合せて炎症障害の対象へ投与することができる免疫変調剤の具体例は、メトトレキセート、レフルノミド、シクロホスファミド、シトキサン、Immuran、シクロスポリンA、ミノサイクリン、アザチオプリン、抗生物質(例えば、FK506(タクロリマス))、メチルプレドニソロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、 ミコフェノレートモフェチル、ラパマイシン(シロリマス)、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナール、マロノニトリルアミド(例えば、レフルナミド)、抗-T細胞受容体抗体(例えば、抗-CD4抗体(例えば、cM-T412 (Boeringer)、IDEC-CE9.1(登録商標)(IDEC and SKB)、mAB 4162W94、Orthoclone及びOKTcdr4a (Janssen-Cilag))、抗-CD3抗体(例えば、Nuvion (Product Design Labs)、OKT3 (Johnson & Johnson)、又はRituxan (IDEC))、抗-CD5抗体(例えば、抗-CD5リシン-連結免疫複合体)、抗-CD7抗体(例えば、CHH-380 (Novartis))、抗-CD8抗体、抗-CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、IDEC-131 (IDEC))、抗-CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗-CD2抗体(例えば、MEDI-507 (Medlmmune, Inc.、国際公開公報第02/098370号及び第02/069904号)、抗-CD11a抗体(例えば、Xanelim (Genentech))、並びに抗-B7抗体(例えば、IDEC-114) (IDEC));抗-サイトカイン受容体抗体(例えば、抗-IFN受容体抗体、抗-IL-2受容体抗体(例えば、Zenapax (Protein Design Labs))、抗-IL-4受容体抗体、抗-IL-6受容体抗体、抗-IL-10受容体抗体、及び抗-IL-12受容体抗体)、抗-サイトカイン抗体(例えば、抗-IFN抗体、抗-TNF-α抗体、抗-IL-1β抗体、抗-IL-6抗体、抗-IL-8抗体(例えば、ABX-IL-8 (Abgenix))、及び抗-IL-12抗体));CTLA4-免疫グロブリン;LFA-3TIP (Biogen、国際公開公報第93/08656号及び米国特許第6,162,432号);可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF-α受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン、IL-1β受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン、及びIL-6受容体又はそれらの断片の細胞外ドメイン);サイトカイン又はそれらの断片(例えば、インターロイキン(IL)-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-15、TNF-α、TNF-β、インターフェロン(IFN)-α、IFN-β、IFN-γ、及びGM-CSF);並びに、抗-サイトカイン抗体(例えば、抗-IL-2抗体、抗-IL-4抗体、抗-IL-6抗体、抗-IL-10抗体、抗-IL-12抗体、抗-IL-15抗体、抗-TNF-α抗体、及び抗-IFN-γ抗体)を含むが、これらに限定されない。
当業者に周知のTNF-αアンタゴニストを、本発明の組成物及び方法において使用することができる。本発明の液体製剤と組合せて炎症障害の対象へ投与することができるTNF-αアンタゴニストの非限定的例は、TNF-αの機能、活性及び/又は発現をブロック、低下、阻害又は中和する、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、TNF-αへ免疫特異的に結合する抗体のような、抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab断片、F(ab)2断片、及びそれらの抗原結合断片)、核酸分子(例えば、アンチセンス分子又は三重鎖)、有機分子、無機分子、及び小分子を含む。様々な実施態様において、TNF-αアンタゴニストは、TNF-αの機能、活性及び/又は発現を、リン酸緩衝された生理食塩水(PBS)などの対照と比べ、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%低下する。TNF-αへ免疫特異的に結合する抗体の例は、インフリキシマブ(REMICADE(商標);Centacor)、D2E7 (Abbott Laboratories/Knoll Pharmaceuticals Co., Mt. Olive, N.J.)、HUMICADE(登録商標)としても公知のCDP571、及びCDP-870(両方ともCelltech/Pharmacia, Slough, U.K.)、及びTN3-19.12 (Williamsらの論文、1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 2762-2766;Thorbeckeらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7375-7379)を含むが、これらに限定されるものではない。本発明は同じく、本発明の組成物及び方法における、以下の米国特許において開示されたTNF-αに免疫特異的に結合する抗体の使用も包含している:米国特許第5,136,021号;第5,147,638号;第5,223,395号;第5,231,024号;第5,334,380号;第5,360,716号;第5,426,181号;第5,436,154号;第5,610,279号;第5,644,034号;第5,656,272号;第5,658,746号;第5,698,195号;第5,736,138号;第5,741,488号;第5,808,029号;第5,919,452号;第5,958,412号;第5,959,087号;第5,968,741号;第5,994,510号;第6,036,978号;第6,114,517号;及び、第6,171,787号;これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている。可溶性TNF-α受容体の例は、sTNF-R1 (Amgen)、エタネルセプト(ENBREL(商標);Immunex)及びそのラットホモログRENBREL(商標)、TNFrI、TNFrII(Kohnoらの論文、1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:8331-8335)、及びTNF-αInh (Seckingerらの論文、1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:5188-5192)由来のTNF-αの可溶性阻害薬を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明に包含された他のTNF-αアンタゴニストは、インターフェロンγ-活性化されたマクロファージを介してTNF-α産生をブロックすることが知られているIL-10(Oswaldらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8676-8680)、TNFR-IgG (Ashkenaziらの論文、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10535-10539)、マウス生成物TBP-1(Serono/Yeda)、ワクチンCytoTAb (Protherics)、アンチセンス分子104838 (ISIS)、ペプチドRDP-58 (SangStat)、タリドミド(Celgene)、CDC-801 (Celgene)、DPC-333 (Dupont)、VX-745 (Vertex)、AGIX-4207 (AtheroGenics)、ITF-2357 (Italfarmaco)、NPI-13021-31 (Nereus)、SCIO-469 (Scios)、TACE標的化剤(Immunix/AHP)、CLX-120500 (Calyx)、チアゾロピリム(Dynavax)、アウラノフィン(Ridaura)(SmithKline Beecham Pharmaceuticals)、キナクリン(メパクリンジクロロ水和物)、テニダップ(Enablex)、Melanin(Large Scale Biological)、及びUriachの抗-p38 MAPK物質を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の液体製剤と併用し炎症障害の対象へ投与することができる抗炎症薬の非限定的例は、非-ステロイド性抗-炎症薬(NSAID)、ステロイド性抗-炎症薬、β-アゴニスト、抗コリン作用薬、及びメチルキサンチンがある。NSAIDの例は、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(商標))、エトドラック(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトララック(TORADOL(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ナブメトン(RELAFEN(商標))、スリンダック(CLINORIL(商標))、トルメンチン(TOLECTIN(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、ナプロキセン(ALEVE(商標)、NAPROSYN(商標))、ケトプロフェン(ACTRON(商標))及びナブメトン(RELAFEN(商標))を含むが、これらに限定されるものではない。このようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX-1及び/又はCOX-2)を阻害することにより機能する。ステロイド性抗-炎症薬の例は、糖質コルチコイド、デキサメタゾン(DECADRON(商標))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニソン(DELTASONE(商標))、プレドニソロン、トリアムシノロン、アズリフィジン、及びエイコサノイド阻害薬(例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、及びロイコトリエン)を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、変形性関節症を有する患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が、以下を含むが限定されない、他の変形性関節症の予防、治療、管理又は改善に有用な物質又は療法と組合せて投与される:鎮痛薬(非限定的例は、アセトアミノフェンの最大投与量4000mg/d;フェナセチン;及び、トラマドールの一日量200〜300mgの範囲);NSAID(非限定的例は、アスピリン、ジフルニサル、ジクロフェナク、エトドラック、フェナメート、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メチルサリチレート、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダック及びトルメチンを含むが、これらに限定されるものではない。低用量NSAIDが好ましく、例えば、イブプロフェン1200mg/d、ナプロキセン500mg/dである。胃粘膜保護薬、例えばミソプロストール、ファモチジン又はオメプラゾールが、現在NSAIDとの併用に好ましい);サルサレートを含むが限定されないアセチル化されないサリチル酸塩;セレコキシブ及びロフェコキシブを含むが限定されない、シクロオキシゲナーゼ(Cox)-2-特異性阻害薬(CSI);糖質コルチコイドデポ剤の関節内又は関節周辺への注射;ヒアルロン酸の関節内注射;カプサイシンクリーム;フィブリン、軟骨破片及び他のデブリを除去するための、変形性関節症の膝の大量灌流;並びに、人工関節留置術。本発明の液体製剤は、変形性関節症の予防、治療、管理及び改善において、他の非薬学的手段と組合せて使用することもでき、これは以下を含むが限定されない:関節負荷の軽減(非限定的例は、姿勢不良の補正、過度の脊柱前湾症の支持、関連した関節の過剰は負荷の回避、長時間の立位、中腰及びスクワットの回避);罹患関節の温め;エアロビック運動及び他の物理療法である。
具体的な実施態様において、関節リウマチの患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量が、以下を含むが、これらに限定されるものではない、他の関節リウマチの予防、治療、管理又は改善に有用な物質又は療法と組合せて投与される:NSAID(非限定的例は、アスピリン、ジフルニサル、ジクロフェナック、エトドラック、フェナメート、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メチルサリチレート、ナブメトン、ナプロキシン、オキサプラジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダック及びトルメチン);鎮痛薬(非限定的例は、アセトアミノフェン、フェナセチン及びトラマドール);セレコキシブ及びロフェコキシブを含むが限定されない、CSI;糖質コルチコイド(好ましくは低用量経口糖質コルチコイド、例えば<7.5mg/dプレドニソン、又は毎月間隔の高用量糖質コルチコイド、関節内糖質コルチコイド);メトトレキセート(好ましくは断続的低用量、例えば7.5〜30mg週1回で投与される)、金化合物(例えば、金塩)、D-ペニシラミン、抗マラリア薬(例えば、クロロキン)、及びスルファサラジンを含むが限定されない疾患修飾する抗リウマチ薬(DMARD);エタネルセプト及びインフリキシマブを含むが限定されないTNF-α中和薬;免疫抑制薬及び細胞傷害薬(例は、アザチオプリン、レフルノミド、シクロスポリン、及びシクロホスファミドを含むが、これらに限定されるものではない。)、及び手術(例は、関節形成術、全関節交換、手再建手術(reconstructive hand surgery)、開放又は関節鏡下滑膜切除術、並びに手首の初期腱滑膜切除術を含むが、これらに限定されるものではない。)を含む。本発明の液体製剤は、以下を含むが限定されない関節リウマチの予防、治療、管理及び改善において他の手段と組合せて使用することもできる:休息、炎症を起こした関節の望ましくない運動を軽減するための副木、運動、様々な矯正及び補助装置の使用、他の物理療法。本発明の液体製剤は、以下を含むが限定されない関節リウマチの予防、治療、管理及び改善においていくつかの伝統的でない方法と組合せて使用することもできる:食事療法(例えば、肉に見られるω-6必須脂肪酸の、魚油に見られるエイコサペンタン酸などのω-3脂肪酸との置換)、ワクチン、ホルモン及び外用調剤。
具体的な実施態様において、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量を、以下を含むが限定されないCOPDの予防、治療、管理及び改善において有用な他の物質又は療法と組合せて使用することもできる:短期-及び長期-作用性β2-アドレナリン作用性アゴニスト(短期-作用性β2アゴニストの例は、アルブテロール、ピルブレロール(pirbulerol)、テルブタリン、及びメタプロテレノールを含むが限定されず;長期-作用性β2アゴニストの例は、経口徐放性アルブテロール及び吸引サルメテロールを含むが限定されない)、抗コリン作用薬(例はイプラトロピウムブロミドを含むが限定されない)、並びにテオフィリン及びその誘導体(テオフィリンの治療域は、好ましくは10〜20μg/mL)を含むが限定されない、気管支拡張剤;糖質コルチコイド;外因性α1AT(例えば、毎週の投与量60mg/kgが静脈内投与されたプールされたヒト血漿由来のα1AT);酸素;肺移植;肺容積低下術;気管支末端挿管、換気支援;毎年のインフルエンザワクチン及び23-価のポリサッカリドによる肺炎球菌ワクチン;運動;及び禁煙である。
具体的な実施態様において、肺線維症患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量を、以下を含むが限定されない肺線維症の予防、治療、管理及び改善において有用な他の物質又は療法と組合せて使用することもできる:酸素;コルチコステロイド(非限定的例は、プレドニソンの、1〜1.5mg/kg/d(最大100mg/d)から開始する6週間の毎日の投与、維持量0.25mg/kg/dで3〜6ヶ月かけた緩徐な退薬である);細胞傷害性薬物(非限定的は、シクロホスファミドの毎日100〜120mgの経口、及びアザチオプリンの3mg/kg、最大200mgの経口1日1回である);気管支拡張薬(非限定的例は、短期-及び長期-作用性β2-アドレナリン作用性アゴニスト、抗コリン作用薬、並びにテオフィリン及びその誘導体である);並びに、抗ヒスタミン薬(非限定的例は、ジフェンヒドラミン及びドキシルアミンである)。
具体的な実施態様において、喘息患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量を、喘息の予防、治療、管理及び改善において有用な他の1以上の物質又は療法と組合せて使用することもできる。そのような物質の非限定的例は、アドレナリン作用性刺激薬(例えば、カテコールアミン(例えば、エピネフリン、イソプロテレノール、及びイソエタリン)、レゾシノール(例えば、メタプロテレノール、テルブタリン、及びフェノテロール)、及びサリゲニン(例えば、サルブタモール))、アドレノコルチコイド、ブルココルチコイド(blucocorticoid)、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタドン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカソン、トリアムシノロン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、及びプレドニソン)、他のステロイド、β2-アゴニスト(例えば、アルブテロール、ビトルテロール、フェノテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロール、サルメテロール、及びアルブタモールテルブタリン)、抗コリン作用薬(例えば、イプラトロピウムブロミド及びオキシトロピウムブロミド)、IL-4アンタゴニスト(抗体を含む)、IL-5アンタゴニスト(抗体を含む)、IL-13アンタゴニスト(抗体を含む)、PDE4-阻害薬、NF-κ-β阻害薬、VLA-4阻害薬、CpG、抗-CD23、セレクチンアンタゴニスト(TBC 1269)、マスト細胞プロテアーゼ阻害薬(例えば、トリプターゼキナーゼ阻害薬(例えば、GW-45、GW-58、及びゲニステイン)、ホスファチジルイノシチド-3'(PI3)-キナーゼ阻害薬(例えば、カルホスチンC)、及び他のキナーゼ阻害薬(例えば、スタウロスポリン)(Temkinらの論文、2002 J Immunol 169(5):2662-2669;Vossellerらの論文、1997 Mol. Biol. Cell 8(5):909-922;及び、Nagaiらの論文、1995 Biochem Biophys Res Commun 208(2):576-581参照))、C3受容体アンタゴニスト(抗体を含む)、免疫抑制剤(例えば、メトトレキセート及び金塩)、マスト細胞モジュレーター(例えば、クロモリンナトリウム(INT AL(商標))及びネドクロミルナトリウム(TILADE(商標)))、並びに粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン))である。具体的な実施態様において、抗炎症薬は、ロイコトリエン阻害薬(例えば、モンテルカスト(SINGULAIR(商標))、ザフィルカスト(ACCOLATE(商標))、プランルカスト(ONON(商標))、又はジロートン(ZYFLO(商標))(表2参照))がある。
具体的な実施態様において、アレルギー患者は、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量を、アレルギー療法に有用な他の1以上の物質又は療法と組合せて使用することもできる。そのような物質の非限定的例は、抗メディエーター薬(例えば、抗ヒスタミン、抗ヒスタミン薬の非限定的例及びそのような薬物の代表的用量は、下記表3参照)、コルチコステロイド、鬱血除去薬、交感神経擬態薬(例えば、α-アドレナリン作用性及びβ-アドレナリン作用性薬物)、TNX901(Leungらの論文、2003, N Engl J Med 348(11):986-993)、IgEアンタゴニスト(例えば、抗体rhuMAb-E25オマリツマブ(Finnらの論文、2003 J Allergy Clin Immuno 111(2):278-284;Correnらの論文、2003 J Allergy Clin Immuno 111(1):87-90;Busse及びNeavilleの論文、2001 Curr Opin Allergy Clin Immuno 1(1):105-108;並びに、Tang及びPowellの論文、2001, Eur J Pediatr 160(12): 696-704参照)、HMK-12及び6HD5(Miyajimaらの論文、2202 Int Arch Allergy Immuno 128(1):24-32参照)、及びmAB Hu-901 (van Neervenらの論文、2001 Int Arch Allergy Immuno 124(l-3):400参照)、テオフィリン及びその誘導体、糖質コルチコイド、並びに免疫療法(例えば、アレルゲンの反復長期注射、短期間の脱感作、及び毒素免疫療法)を含む。
(5.5.4. 自己免疫障害治療)
本発明の液体製剤は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために、それが必要な対象へ投与することができる。本発明の液体製剤は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために、それが必要な対象へ、1以上の他の療法、好ましくは自己免疫障害の予防、管理又は治療に有用な療法(下記5.5.4.1項に列記された予防的又は治療的薬剤を含むが限定されない)と一緒に投与することもできる。具体的な実施態様において、本発明は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療又は改善する方法を提供し、該方法は、それが必要な対象へ、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量を、投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療又は改善する方法を提供し、該方法は、それが必要な対象へ、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量を、投与することを含む。
本発明は、そのような自己免疫障害の従来の療法に難治性の対象において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療又は改善する方法を提供し、該方法は、該対象へ、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量を投与することを含む。本発明は、そのような自己免疫障害の現存する単剤療法に難治性の対象において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を管理、治療又は改善する方法を提供し、該方法は、該対象へ、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の投与量、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の予防的又は治療的有効量の投与量を、投与することを含む。本発明は、他の治療に対し難治性であることが証明されたが最早これらの治療を受ていない患者へ、本発明の液体製剤を、任意の他の治療と組合せて投与することにより、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を管理、治療又は改善する方法を提供する。本発明は同じく、別の療法は、治療される対象について毒性がある、すなわち、許容し難い又は耐え難い副作用を生じることが証明されたか又は証明され得るような場合に、自己免疫障害の管理又は治療のための代替法を提供する。特に本発明は、患者が他の療法に対し難治性である場合に、自己免疫障害の管理又は治療のための代替法を提供する。更に本発明は、本発明の液体製剤の投与により治療され及び疾患活動を有さない患者において、自己免疫障害の再発を予防する方法を提供する。
自己免疫障害において、免疫系は、異物との戦いが存在しない場合に免疫応答を誘起し、及び体の正常な保護免疫系は、誤った自己攻撃により、自身の組織の損傷を引き起こす。異なる経路で体に影響する多種多様な自己免疫障害が存在する。例えば、脳は多発性硬化症の個体で影響を受け、消化管はクローン病の個体で影響を受け、並びに様々な関節の滑膜、骨及び軟骨は関節リウマチの個体で影響を受ける。自己免疫障害は1以上の体組織型を破壊するように進行するので、臓器の異常な成長、又は臓器機能の変化を生じ得る。自己免疫障害は、ただひとつの臓器又は組織型に影響するか、又は複数の臓器及び組織へ影響することがある。自己免疫障害の影響を受けた臓器及び組織は一般に、赤血球、血管、結合組織、内分泌腺(例えば甲状腺又は膵臓)、筋肉、関節及び皮膚を含む。本発明の方法で治療することができる自己免疫障害の例は、円形脱毛症、限局性強直性脊椎関節炎、抗リン脂質症候群、自己免疫アジソン病、副腎の自己免疫疾患、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、自己免疫卵巣炎及び精巣炎、自己免疫血小板減少症、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、セリアック病-皮膚炎、慢性疲労免疫傷害症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパシー、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、CREST症候群、寒冷凝集素症、クローン病、円板状エリスマトーデス、必須混合クリオグロブリン血症、線維筋痛-線維筋炎、糸球体腎炎、グレーブ病、ギラン-バーレ病、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少症紫斑病(ITP)、IgAニューロパシー、若年性関節炎、扁平苔癬、紅斑狼瘡、メニエル病、混合型結合組織疾患、多発性硬化症、1型又は免疫-媒介型糖尿病、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発性動脈炎、多発性軟骨炎、多腺症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆管硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー病、ライター症候群、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフマン症候群、全身性紅斑狼瘡、紅斑狼瘡、タカヤス動脈炎、仮性動脈炎/巨細胞動脈炎、潰瘍性結腸炎、ブドウ膜炎、疱疹状皮膚炎脈管炎などの脈管炎、白斑、及びウェーゲナー肉芽腫を含むが、これらに限定されるものではない。
自己免疫療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.4.1. 自己免疫障害療法)
本発明は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療、又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の液体製剤及びIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)を、それらが必要な対象へ、投与することを含む。自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善に有用であることが公知であるか、又は使用されたもしくは現在使用されている任意の物質又は療法を、本願明細書に説明された本発明に従い本発明の液体製剤と組合せて使用することができる。このような物質の例は、免疫変調剤、抗炎症薬及びTNF-αアンタゴニストを含むが、これらに限定されるものではない。自己免疫障害の予防、管理、治療又は改善のために本発明の液体製剤と併用することができる免疫変調剤、抗炎症薬及びTNF-αアンタゴニストの具体例は、本願明細書において先に明らかにされている。
具体的な実施態様において、多発性硬化症(MS)患者には、本発明の液体製剤予防的又は治療的有効量が、以下を含むが限定されないMSの予防、治療、管理及び改善に有用な他の物質又は療法と組合せて投与される:IFN-β1b(Betaseron)(例えば、8.0 MIUが、1日おきに皮下注射により投与される);IFN-β1a(Avonex)(例えば、6.0 MIUが、週1回筋肉内注射により投与される);酢酸グラチラマー(Copaxone) (例えば、20mgが毎日皮下注射により投与される);ミトキサントロン(例えば、12mg/m2が3ヶ月毎に静脈内注入により投与される);アザチオプリン(例えば、2〜3mg/kg体重が、毎日経口投与される);メトトレキセート(例えば、7.5mgが週1回経口投与される);シクロホスファミド;静脈内免疫グロブリン(例えば、0.15〜0.2g/kg体重が、最大2年間毎月投与される);糖質コルチコイド;メチルプレドニソロン(例えば、高用量が隔月のサイクルで投与される);2-クロロデオキシアデノシン(クラドリビン);バクロフェン(例えば、15〜80mg/dの分割投与量、又は最大240mg/dの高用量が経口的に、又は留置カテーテルを介し髄腔内へ);塩酸シクロエンザプリン(例えば、5〜10mg bid又はtid);クロナゼパム(例えば、0.5〜1.0mg tid、就寝時用量含む);塩酸クロニジン(例えば、0.1〜0.2mg tid、就寝時用量含む);カルバマゼピン(例えば、100〜1200mg/d、分割、漸増用量);ガバペンチン(例えば、300〜3600mg/d);ジランチン(例えば、300〜400mg/d);アミトリプチリン(例えば、25〜150mg/d);バクロフェン(例えば、10〜80mg/d);プリミドン(例えば、125〜250mg bid又はtid);オンダセトロン(例えば、4〜8mg bid又はtid);イソニアジド(例えば、最大1200mg、分割用量);オキシブチニン(例えば、5mg bid又はtid);トルテロジン(例えば、1〜2mg bid);プロパンテリン(例えば、7.5〜15mg qid);ベタネコール(例えば、10〜50mg tid又はqid);塩酸テラゾシン(例えば、1〜5mg、就寝時);クエン酸シルデナフィル(例えば、50〜100mg po prn);アマンタジン(例えば、100mg bid);ペモリン(例えば、37.5mg bid);高用量ビタミン;オロチン酸カルシウム;ガンシクロビル;抗生物質;並びに、血漿交換である。
具体的な実施態様において、乾癬患者には、本発明の液体製剤予防的又は治療的有効量が、以下を含むが限定されない乾癬の予防、治療、管理及び改善に有用な他の物質又は療法と組合せて投与される:外用ステロイドクリーム剤又は軟膏剤;タール(例は、Estar、Psorigel、Fototarクリーム剤、及びNutradermローション中のLCD 10%、又はトリアムシノロン0.1%クリーム剤との直接混合を含むが限定されない);閉鎖(occlusion);外用ビタミンDアナログ(非限定的例はカルシポトリエン軟膏剤);紫外線照射;PUVA(プソラレン+A波紫外線);メトトレキセート(例えば、最大25mg週1回、又は週1回の3回投与量について12時間毎に分割用量);合成レチノイド(非限定的例は、エトレチネート、例えば用量0.5〜1mg/kg/d);免疫変調療法(非限定的例はシクロスポリン);スルファサラジン(例えば、用量1gを1日3回)である。
具体的な実施態様において、クローン病患者には、本発明の液体製剤予防的又は治療的有効量が、以下を含むが限定されないクローン病の予防、治療、管理及び改善に有用な他の物質又は療法と組合せて投与される:止瀉薬(例えば、ロペラミド2〜4mgを1日最大4回、ジフェノキシラートとアトロピン1錠を1日最大4回、オピウムチンキ剤8〜15滴を1日最大4回、コレスチラミン2〜4g又はコレスチポール5gを1日1もしくは2回)、鎮痙薬(例えば、食前にプロパンテリン15mg、ジシクロミン10〜20mg、又はヒオスシアミン0.125mg)、5-アミノサリチル酸薬(例えば、スルファサラジン1.5〜2gを1日2回、メサラミン(ASACOL(登録商標))及びその徐放型(PENTAS A(登録商標))を特に高用量で、例えばPENTASA(登録商標)1gを1日4回及びASACOL(登録商標)0.8〜1.2gを1日4回)、コルチコステロイド、免疫変調薬(例えば、アザチオプリン(1〜2mg/kg)、メルカプトプリン(50〜100mg)、シクロスポリン、及びメトトレキセート)、抗生物質、TNF阻害薬(例えば、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)))、免疫抑制薬(例えば、タクロリマス、ミコフェノレートモフェチル、及びタリドミド)、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL-10及びIL-11)、栄養療法、経腸必須食事療法(例えば、Vivonexを4週間)、及び非経口的総栄養である。
具体的な実施態様において、紅斑狼瘡患者には、本発明の液体製剤予防的又は治療的有効量が、以下を含むが限定されない紅斑狼瘡の予防、治療、管理及び改善に有用な他の物質又は療法と組合せて投与される:抗マラリア薬(ヒドロキシクロロキンを含むが限定されない);糖質コルチコイド(例えば、低用量、高用量、又は高用量静脈内パルス療法を使用することができる); 免疫抑制薬(シクロホスファミド、クロラムブシル、及びアザチオプリンを含むが限定されない);細胞傷害薬(メトトレキセート及びミコフェノレートモフェチルを含むが限定されない);アンドロゲン性ステロイド(ダナゾールを含むが限定されない);及び、抗凝固薬(ワーファリンを含むが限定されない)である。
具体的な実施態様において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために対象へ、本発明の1以上の液体抗体製剤の予防的又は治療的有効量は、有効量のVITAXIN(商標)(Medlmmune, Inc.,国際公開公報第00/78815号、国際公開公報第02/070007 A1号、2002年9月12日付け、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、国際公開公報第03/075957 A1号、2003年9月18日、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の薬剤との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2002年11月14日付けの米国特許出願第2002/0168360 A1号「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、並びに2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075741 A2号「インテグリンαvβ3アンタゴニストのHMG-CoA還元酵素又はビスホスホネートとの併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)と組合せて投与される。別の好ましい実施態様において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために対象へ、本発明の1以上の抗体の有効量は、有効量のシプリツマブ(Medlmmune, Inc.、国際公開公報第02/069904号)と組合せて投与される。別の実施態様において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために対象へ、本発明の1以上の抗体の有効量は、有効量の1以上のEphA2阻害薬(例えば、1以上の抗-EphA2抗体(Medlmmune, Inc.;国際公開公報第02/10297 A A4号、2002年12月27日付け「変異タンパク質、高い効能の阻害抗体及びFIMCH結晶構造」、国際公開公報第03/094859 A2号、2003年11月20日「EphA2モノクローナル抗体及びそれらの使用法」、米国特許出願第10/436,783号;並びに、米国特許出願第60/379,368号、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている))と組合せて投与される。更に別の実施態様において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために対象へ、本発明の1以上の抗体の有効量は、有効量のVITAXIN(商標)、シプリツマブ、及び/又はEphA2阻害薬と組合せて投与される。
本発明の抗体製剤又は本発明の併用療法は、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善のための第一、第二、第三、第四又は第五の療法として使用されてもよい。本発明は、他の疾患又は障害のために療法を受けている患者において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法を含む。本発明は、本発明の抗体以外の療法に対し先に何らかの有害作用又は不忍容性を示した患者における、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善する方法を包含している。本発明は、難治性患者において、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法も包含している。本発明は、本発明の抗体、組成物又は併用療法以外の療法に対し難治性であることが証明された患者において、増殖障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法を包含している。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況で「難治性」の当該技術分野において容認された意味を用い、自己免疫障害の治療の有効性をアッセイするための当該技術分野において公知の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかで行うことができる。ある実施態様において、自己免疫障害の患者(patent)は、自己免疫障害の1以上の症状が予防、管理及び/又は改善されない場合に、療法に対し難治性である。本発明は、従来の療法に対し有害反応を受けやすい患者における、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法を包含している。
本発明は、従来の療法の変法としての、自己免疫障害又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法を包含している。具体的な実施態様において、本発明の方法により管理又は治療される患者は、他の療法に対し難治性であるか、又はそのような療法から有害反応を受けやすい。この患者は、抑制された免疫系を有するヒト(例えば、術後患者、化学療法中の患者、及び免疫不全症患者、気管支-肺形成異常患者、先天性心臓病患者、嚢胞性線維症患者、後天性又は先天性心臓病患者、並びに感染症に罹患した患者を含む)、腎又は肝機能障害のあるヒト、高齢者、小児、乳児、未熟児、神経精神病的障害のあるヒト、又は抗精神病薬を服用しているヒト、発作の既応のあるヒト、又はウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために使用される従来の薬物と負に相互作用する薬物療法を受けているヒトであり得る。
自己免疫療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.5. ウイルス感染症)
本発明の1以上の抗体製剤は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善するために対象へ投与することができる。本発明の1以上の抗体製剤は、ウイルス感染症、好ましくは呼吸器ウイルス感染症の素因のある又は罹患した対象へ、ウイルス感染症の予防、治療、管理又は改善に有用な本発明の抗体製剤以外の1以上の他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)と組合せて投与されてもよい。抗ウイルス薬の非限定的例は、ウイルスのその受容体へ結合、ウイルスの細胞へのインターナリゼーション、ウイルスの複製、又は細胞からのウイルスの放出を阻害及び/又は低下する、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子及び小分子を含む。特に抗ウイルス薬は、ヌクレオシドアナログ(例えば、ジドブジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、イドキシウリジン、トリフルリジン及びリバビリン)、フォスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、リトナビル、α-インターフェロン及び他のインターフェロン、並びにAZTを含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、抗ウイルス薬は、ウイルス抗原に免疫特異性がある免疫変調剤である。本願明細書において使用される用語「ウイルス抗原」は、免疫応答を誘起することが可能であるウイルスペプチド、ポリペプチド及びタンパク質(例えば、HIV gp120、HIV nef、RSV F糖タンパク質、RSV G糖タンパク質、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、HTLV tax、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質(例えば、gB、gC、gD及びgE)、並びにB型肝炎表面抗原)を含むが、これらに限定されるものではない。ウイルス感染症の治療のための本発明の有用な抗体は、以下を含むが限定されない病原性ウイルスの抗原に対する抗体を含むが、これらに限定されるものではない:アデノウイルス科(例えばマストアデノウイルス及びアビアデノウイルス)、ヘルペスウイルス科(例えば単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、単純ヘルペスウイルス5及び単純ヘルペスウイルス6)、レヴィウイルス科(例えばレヴィウイルス、腸内細菌MS2相、アロレ(allole)ウイルス)、ポックスウイルス科(例えばコルド(chordo)ポックスウイルス、パラポックスウイルス、アビポックスウイルス、カプリポックスウイルス、レポリポックスウイルス、スウポックスウイルス、モルシポックスウイルス、及びエントモ(entomo)ポックスウイルス)、パポバウイルス科(例えばポリオーマウイルス及び乳頭腫ウイルス)、パラミクソウイルス科(例えばパラミクソウイルス、パラインフルエンザウイルス1、モルビリウイルス(例えば麻疹ウイルス)、ルベラウイルス(例えばムンプスウイルス)、ニューモウイルス(例えばニューモウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス)、及びメタニューモウイルス(例えばトリニューモウイルス及びヒトメタニューモウイルス))、ピコルナウイルス科(例えばエンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス(例えばヒトA型肝炎ウイルス)、カルジオウイルス、及びアフソウイルス)、レオウイルス科(例えばオルソレオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、サイポ(cypo)ウイルス、フジウイルス、フィトレオウイルス、及びオリザウイルス)、レトロウイルス科(例えば哺乳類B型レトロウイルス、哺乳類C型レトロウイルス、トリC型レトロウイルス、D型レトロウイルス群、BLV-HTLVレトロウイルス、レンチウイルス(例えばヒト免疫不全ウイルス1及びヒト免疫不全ウイルス2)、スプマウイルス)、フラビウイルス科(例えば、C型肝炎ウイルス)、ヘパドナウイルス科(例えばB型肝炎ウイルス)、トガウイルス科(例えばアルファウイルス(例えばシンドビウイルス)及びルビウイルス(例えば風疹ウイルス))、ラブドウイルス科(例えばベジクロウイルス、リッサウイルス、エフェメロウイルス、サイトルハブド(cytorhabdo)ウイルス、及びネクレオルハブド(necleorhabdo)ウイルス)、アレナウイルス科(例えばアレナウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、イッピウイルス、及びラッサウイルス)、並びにコロナウイルス科(例えば、コロナウイルス及びトロウイルス)である。
ウイルス性感染症の治療に有用な利用可能な抗体の具体例は、HIV感染症の治療に有用なCD4融合抗体であるPRO542 (Progenies);B型肝炎ウイルスの治療に有用なヒト抗体であるOstavir (Protein Design Labs, Inc., CA);並びに、サイトメガロウイルス(CMV)の治療に有用なヒト化されたIgG1抗体であるProtovir (Protein Design Labs, Inc., CA);並びに、RSVの治療に有用なヒト化抗体であるパリビツマブ(SYNAGIS(登録商標);Medlmmune, Inc.;国際公開公報第02/43660号)を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明の組成物及び方法において使用される抗ウイルス薬は、肺又は呼吸器のウイルス感染症を阻害又は低下し、肺又は呼吸器感染症を引き起こすウイルスの複製を阻害又は低下し、もしくは肺又は呼吸器感染症を引き起こすウイルスの他の細胞又は対象への播種を阻害又は低下する。別の好ましい実施態様において、本発明の組成物及び方法において使用される抗ウイルス薬は、RSV、hMPV、又はPIVによる感染症を阻害又は低下するか、RSV、hMPV、又はPIVの複製を阻害又は低下するか、もしくはRSV、hMPV、又はPIVの他の細胞又は対象への播種を阻害又は低下する。RSV、hMPV、又はPIV感染症を治療する物質及び方法の例は、ヌクレオシドアナログ、例えばジドブジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、イドキシウリジン、トリフルリジン、及びリバビリン、更にはフォスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、リトナビル、及びα-インターフェロンを含むが、これらに限定されるものではない。2002年7月25日に出願された米国特許出願第60/398,475号「抗-RSV、抗-HMPV、及び抗-PIV抗体を使用するRSV、HMPV、及びPIVの治療及び予防法(Methods of Treating, and Preventing RSV, HMPV, and PIV Using Anti-RSV, Anti-HMPV, and Anti-PIV Antibodies)」、並びに2003年2月21日に出願された米国特許出願第10/371,122号を参照し、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
好ましい実施態様において、ウイルス感染症はRSVであり、抗ウイルス抗原はRSVの抗原に免疫特異的に結合する抗体である。ある実施態様において、抗-RSV-抗原抗体は、RSVのA群のRSV抗原へ免疫特異的に結合する。別の実施態様において、抗-RSV-抗原抗体は、RSVのB群のRSV抗原へ免疫特異的に結合する。別の実施態様において、抗体は、ひとつの群のRSVの抗原へ結合し、それ以外の群の同様の抗原と交差反応する。特定の実施態様において、抗-RSV-抗原抗体は、RSV核タンパク質、RSVリンタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV小型の疎水性タンパク質、RSV RNA-依存型RNAポリメラーゼ、RSV Fタンパク質、及び/又はRSV Gタンパク質へ免疫特異的に結合する。加えて具体的な実施態様において、抗-RSV-抗原抗体は、RSV核タンパク質、RSVヌクレオカプシドタンパク質、RSVリンタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV結合糖タンパク質、RSV融合糖タンパク質、RSVヌクレオカプシドタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV小型の疎水性タンパク質、RSV RNA-依存型RNAポリメラーゼ、RSV Fタンパク質、RSV Lタンパク質、RSV Pタンパク質及び/又はRSV Gタンパク質のアレル変種へ結合する。
RSV抗原へ免疫特異的に結合する抗体は当該技術分野において公知であることは認められるはずである。例えば、SYNAGIS(登録商標)(パリビツマブ)は、小児患者のRSV感染症の予防に現在使用されるヒト化されたモノクローナル抗体である。具体的な実施態様において、本発明の方法で使用される抗体は、パリビツマブ又はそれらの抗体-結合断片(例えば、パリビツマブの1以上の相補性決定領域(CDR)及び好ましくは可変ドメインを含む断片)である。パリビツマブのアミノ酸配列は、例えば、Johnsonらの論文、1997, J. Infectious Disease 176:1215-1224、及び米国特許第5,824,307号及びYoungらの国際公開公報第02/43660号、「予防及び治療のための抗-RSV抗体の投与/投薬法(Methods of Administering/ Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment)」に開示されており、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
パリビツマブのFcドメインよりもFcRn受容体に対しより高い親和性を有するFcドメインを含むRSV抗原へ免疫特異的に結合する1以上の抗体又はそれらの抗原結合断片も、本発明に従い使用することができる。このような抗体は、2001年12月12日に出願された米国特許出願第10/020,354号に開示されており、これは全体が本願明細書に参照として組入れられている。更に抗-RSV-抗原抗体A4B4;P12f2 P12f4;P11d4;Ale9;A12a6;A13c4;A17d4;A4B4;1X-493L1;FR H3-3F4;M3H9;Y10H6;DG;AFFF;AFFF(1);6H8;L1-7E5;L2-15B10;A13a11;A1h5;A4B4(1);A4B4-F52S;又は、A4B4LlFR-S28Rを、本発明に従い使用することができる。これらの抗体は、Youngらの国際公開公報第02/43660号「予防及び治療のための抗-RSV抗体の投与/投薬法」、及び2002年7月25日に出願された米国特許仮出願第60/398,475号「抗-RSV、抗-HMPV、及び抗-PIV抗体を使用するRSV、HMPV、及びPIVの治療及び予防法」に開示されており、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
ある実施態様において、抗-RSV-抗原抗体は、Youngらの「予防及び治療のための抗-RSV抗体の投与/投薬法(Methods of Administering/ Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment)」である、2000年11月28日に出願された米国特許出願第09/724,531号;2001年11月28日に出願された第09/996,288号;及び、2001年11月28日に出願された第09/996,265号に開示された抗-RSV-抗原抗体であるか、又はその方法により調製されたものであり、これらの出願は全て全体が本願明細書に参照として組入れられている。本発明の方法において使用することができる安定化された抗体製剤に関する方法及び組成物は、2002年6月14日に出願された米国特許仮出願第60/388,921号、及び2002年6月14日に出願された第60/388,920号に開示されており、これらは全体が本願明細書に参照として組入れられている。
抗-ウイルス療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。呼吸器ウイルス感染症に関する追加の情報は、「Cecil Textbook of Medicine」(18版、1988)で得ることができる。
(5.5.5.1.ウイルス感染症の療法)
具体的な実施態様において、本発明は、ウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、それが必要な対象へ、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、ウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象へ、本発明の1以上の抗体製剤の有効量、並びに本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量を投与することを含む。
ある実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症、好ましくはウイルス呼吸器感染症、又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善に現在使用されている、使用されてきた、又は有用であることがわかっている、1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与される。ウイルス感染症、好ましくはウイルス呼吸器感染症の療法は、アマンタジン、オセルタミビル、リバビラン、パリビツマブ(SYNAGIS(商標))、及びアナミビル(anamivir)などの抗ウイルス薬を含むが、これらに限定されるものではない。ある実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療及び/又は改善するために、それが必要な対象へ、1以上の支持的手段と組合せて投与される。支持的手段の非限定的例は、超音波ネブライザーによる空気の加湿、噴霧されるラセミ体エピネフリン、経口デキサメタゾン、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えばイブプロフェン、アセトメタフィン)、並びに抗生物質及び/又は抗真菌療法(すなわち続発する細菌感染症の予防又は治療)を含む。
任意の種類のウイルス感染症、又はウイルス感染症の結果もしくはそれに関連した状態(例えば呼吸器の状態)は、本発明の方法により予防、治療、管理及び/又は改善することができ、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は別の療法(例えば、本発明の抗体製剤以外の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて投与することを含む。ウイルス感染症を引き起こすウイルスの例は、レトロウイルス(例えばヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)I及びII型、並びにヒト免疫不全ウイルス(HIV))、ヘルペスウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)I及びII型、エプスタイン-バーウイルス、HHV6-HHV8、及びサイトメガロウイルス)、アレナウイルス(例えばラッサ熱ウイルス)、パラミクソウイルス(例えばモルビリウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、ムンプス、hMPV、及びニューモウイルス)、アデノウイルス、ブニヤウイルス(例えばハンタウイルス)、コロナウイルス、フィロウイルス(例えばエボラウイルス)、フラビウイルス(例えばC型肝炎ウイルス(HCV)、黄熱病ウイルス、及び日本脳炎ウイルス)、ヘパドナウイルス(例えばB型肝炎ウイルス(HBV))、オルソミクソウイルス(例えばインフルエンザウイルスA、B及びC型並びにPIV)、パポバウイルス(例えば乳頭腫ウイルス)、ピコルナウイルス(例えばライノウイルス、エンテロウイルス及びA型肝炎ウイルス)、ポックスウイルス、レオウイルス(例えばロタウイルス)、トガウイルス(例えばルベラウイルス)、及びラブドウイルス(例えば狂犬病ウイルス)を含むが、これらに限定されるものではない。ウイルス感染症に対する生物学的反応は、IgE抗体レベルの上昇、T細胞増殖及び/又は浸潤の増加、B細胞増殖及び/又は浸潤の増加、上皮過形成、及びムチン形成を含むが、これらに限定されるものではない。具体的な実施態様において、本発明は、通常の風邪、ウイルス性咽頭炎、ウイルス性喉頭炎、ウイルス性クループ、ウイルス性気管支炎、インフルエンザ、パラインフルエンザウイルス疾患("PIV")(例えばクループ、細気管支炎、気管支炎、肺炎)、呼吸器合胞ウイルス("RSV")疾患、肺炎後ウイルス疾患、及びアデノウイルス疾患(例えば有熱呼吸器疾患、クループ、気管支炎、肺炎)に関連した又はこれを引き起こす、ウイルス性呼吸器感染症を予防、治療、管理及び/又は改善する方法も提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は他の療法の有効量と組合せて投与することを含む。
具体的な実施態様において、インフルエンザウイルス感染症、PIV感染症、hMPV感染症、アデノウイルス感染症、及び/もしくはRSV感染症、又はそれらの1以上の症状は、本発明の方法により予防、治療、管理及び/又は改善される。具体的な実施態様において、本発明は、RSV呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又はアマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル(znamivir)、リバビラン、RSV-IVIG(すなわち静脈内免疫グロブリン注入)(RESPIGAM(商標))、及びパリビツマブ(SYNAGIS(商標))などであるが限定されない1以上の抗-ウイルス薬と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。具体的な実施態様において、本発明は、PIV感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又はアマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、リバビラン、及びパリビツマブ(SYNAGIS(商標))などであるが限定されない1以上の抗-ウイルス薬と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の具体的な実施態様において、本発明は、hMPV感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又はアマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、リバビラン、及びパリビツマブ(SYNAGIS(商標))などであるが限定されない1以上の抗-ウイルス薬と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。具体的な実施態様において、本発明は、インフルエンザを予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又はザナミビル(RELENZA(登録商標))、オセルタミビル(TAMIFLU(登録商標))、リマンタジン、及びアマンタジン(SYMADINE(登録商標);SYMMETREL(登録商標))などであるが限定されない1以上の抗-ウイルス薬と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。
本発明は、ウイルス性呼吸器感染症に罹患している又は罹患した対象における喘息の発生を予防する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は他の療法の有効量と組合せて投与することを含む。具体的な実施態様において、対象は、未熟児、乳児、又は小児である。別の具体的な実施態様において、対象は、RSV感染症に罹患した又は罹患している。
具体的な実施態様において、本発明は、原発性ウイルス感染症に続発する1以上の反応を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は他の療法(例えば、他の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて投与することを含む。原発性ウイルス感染症、特に原発性ウイルス性呼吸器感染症に続発する反応の例は、粘膜刺激に対する喘息-様反応、総呼吸抵抗の増加、二次的ウイルス、細菌、及び真菌感染症に対する易罹患性の増加、肺炎、クループ及び有熱気管支炎などであるが限定されないそのような状態の発生を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、VITAXIN(商標)(Medlmmune, Inc., 2002年9月12日付けの国際公開公報第00/78815号、国際公開公報第02/070007 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、国際公開公報第03/075957 A1号、2003年9月18日、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の薬剤との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2002年11月14日付け米国特許出願第2002/0168360 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、並びに2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075741 A2号「インテグリンαvβ3アンタゴニストのHMG-CoA還元酵素又はビスホスホネートとの併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の具体的な実施態様において、本発明は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、シプリツマブ(Medlmmune, Inc., 国際公開公報第02/069904号)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、1以上のEphA2阻害薬(例えば、1以上の抗-EphA2抗体(Medlmmune, Inc.;2002年12月27日付けの国際公開公報第02/102974 A4号「変異タンパク質、高い効能の阻害抗体及びFIMCH結晶構造」、2003年11月20日付けの国際公開公報第03/094859 A2号、「EphA2モノクローナル抗体及びそれらの使用法」、米国特許出願第10/436,783号;並びに、米国特許出願第60/379,368号、各々本願明細書に参照として組入れられている))の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。更に別の実施態様において、本発明は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、VITAXIN(商標)、シプリツマブ、及び/又はEphA2の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。
ひとつの実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、1以上の抗-IgE抗体の有効量と組合せて対象へ投与される。具体的な実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、抗-IgE抗体TNX901の有効量と組合せて対象へ投与される。具体的な実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、抗-IgE抗体rhuMAb-E25オマリツマブ(omalizumab)の有効量と組合せて対象へ投与される。別の実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、抗-IgE抗体HMK-12の有効量と組合せて対象へ投与される。具体的な実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、抗-IgE抗体6HD5の有効量と組合せて対象へ投与される。別の実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、ウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のために、抗-IgE抗体MAb Hu-901の有効量と組合せて対象へ投与される。
本発明は、ウイルス感染症に罹患することが予想される、もしくはそのような感染症のリスクが増加した患者、例えば抑制された免疫系を伴う患者(例えば、臓器移植レシピエント、AIDS患者、化学療法を受けている患者、高齢者、未熟児、乳児、小児、閉塞を伴う食道癌の患者、気管気管支フィステルを伴う患者、神経病患者(例えば、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及びミオパシーにより引き起こされた)、並びに既に呼吸器感染症に罹患した患者)において、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症の発生を予防する方法を包含している。患者は、先に呼吸器感染症の治療を受けてもよく、受けなくともよい。
本発明の抗体製剤又は本発明の併用療法は、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善のための第一、第二、第三、第四又は第五の療法として使用されてもよい。本発明は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる他の疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる他の疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状のために療法を受けている患者において、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善する方法を含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し先に何らかの有害作用又は不忍容性を示した患者における、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善する方法を包含している。本発明は、難治性患者において、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法も包含している。ある実施態様において、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症の患者は、感染症が著しく根絶されず、及び/又は症状が著しく緩和されない場合は、療法に対し難治性である。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況で「難治性」の当該技術分野において容認された意味を用い、感染症の治療の有効性をアッセイするための当該技術分野において公知の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかで行うことができる。様々な実施態様において、ウイルス性呼吸器感染症の患者は、ウイルス複製が、減少しない場合、又は増加した場合に難治性である。本発明は、そのような感染症の発症のリスクのある患者におけるウイルス性呼吸器感染症の発症又は再発を予防する方法も包含している。本発明は、従来の療法に対し有害反応を受けやすい患者において、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症、又はそれらの症状を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法も包含している。本発明は更に、抗-ウイルス療法が利用できない患者のために、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し難治性であることが証明されているが、最早これらの療法を受けていない患者における、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。ある実施態様において、本発明の方法により管理又は治療される患者は、抗生物質、抗-ウイルス薬、抗真菌薬、又は他の生物学的療法/免疫療法により既に治療を受けている患者である。中でも患者は、難治性患者、従来の療法に若すぎる患者、及び現存する療法による管理又は治療にもかかわらずウイルス感染症を再発している患者である。
本発明は、他の従来の療法の代替として、ウイルス感染症、好ましくはウイルス性呼吸器感染症又はそれらの症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。具体的な実施態様において、本発明の方法で管理又は治療されている患者は、他の療法に対し難治性であるか、又はそのような療法から有害反応を受けやすい。この患者は、抑制された免疫系を伴うヒト(例えば、術後患者、化学療法中の患者、免疫不全症患者)、腎又は肝機能の障害のあるヒト、高齢者、小児、乳児、未熟児、神経精神病的障害のあるヒト、又は抗精神病薬を服用しているヒト、発作の既応のあるヒト、又はウイルス感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために使用される従来の薬物と負に相互作用する薬物療法を受けているヒトであり得る。
ウイルス感染症療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.6. 細菌感染症)
本発明は、細菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、細菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量、並びに本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。細菌感染症を予防、治療、管理、及び/又は改善する当業者に周知の抗菌薬及び療法は、本発明の組成物及び方法において使用することができる。抗菌薬の非限定的例は、細菌感染症を阻害又は低下する、細菌の複製を阻害又は低下する、もしくは細菌の他の対象への播種を阻害又は低下するタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、及び小分子を含む。特に抗菌薬の例は、ペニシリン、セファロスポリン、イミペネム、アズトレオナム(axtreonam)、バンコマイシン、シクロセリン、バシトラシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、ノルフロキサシン、リファンピン、ポリミキシン、アンホテリシンB、ナイスタチン、ケトカナゾール、イソニアジド、メトロニダゾール、及びペンタミジンを含むが、これらに限定されるものではない。
好ましい実施態様において、抗菌薬は、肺又は呼吸器の細菌感染症を阻害又は低下する、肺又は呼吸器感染症を引き起こす細菌の複製を阻害又は低下する、もしくは肺又は呼吸器感染症を引き起こす細菌の他の対象への播種を阻害又は低下する物質である。肺又は呼吸器の細菌感染症がマイコプラズマ感染症(例えば、咽頭炎、気管気管支炎、及び肺炎)である場合には、抗菌薬は好ましくは、テトラサイクリン、エリスロマイシン、又はスペクチノマイシンである。肺又は呼吸器の細菌感染症が、好気性グラム陰性菌(GNB)により引き起こされる場合は、抗菌薬は好ましくは、ペニシリン、第一、第二又は第三世代のセファロスポリン(例えばセファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、又はセファゾリン)、エリスロマイシン(erythomycin)、クリンダマイシン、アミノ配糖体(例えばゲンタマイシン、トブラマイシン、又はアミカシン)、又はモノラクタム(例えばアズトレオナム)がある。肺又は呼吸器の細菌感染症が結核である場合、抗菌薬は、リファンピシン、イソナイジド(isonaizid)、ピランジナミド(pyranzinamide)、エタムブトール、及びストレプトマイシンが好ましい。呼吸器感染症が再発性嚥下性肺炎である場合、抗菌薬は、ペニシリン、アミノ配糖体、第二又は第三世代のセファロスポリン好ましい。
(5.5.6.1. 細菌感染症の療法)
細菌感染症(例えば呼吸器感染症)の結果の又は関連した任意の種類の細菌感染症又は状態を、本発明の方法で予防、治療、管理及び/又は改善することができる。細菌感染症を引き起こす細菌の例は、アクワスピリルム科、アゾスピリラム科、アゾトバクター科、バクテロイデス科、バルトネラ種、ブデロビブリオ科、カンピロバクター種、クラミジア種(例えば、クラミジアは胃炎病原体)、クロストリジウム、腸内細菌科(例えば、シトロバクター種、エドワージエラ、エンテロバクター・アエルギノーサ、エルシニア(Erwinia)種、大腸菌、ハフニア種、クレブシエラ種、モルガネラ種、プロテウス・ブルガリス、プロビデンシア、サルモネラ種、セラチア・マルセッセンス、及びフレクスナー赤痢菌)、ガルジネラ(Gardinella)科、インフルエンザ菌、ハロバクテリウム科、ヘリコバクター科、レジオネラ科、リステリア種、メチロコッカセエ科、マイコバクテリア(例えば、結核菌)、ナイセリア科、オセアノスピリウム科、パスツレラ科、肺炎球菌種、シュードモナス種、リゾビウム科、スピリルム科、スピロソーマ科、スタヒロコッカス(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌及び化膿ブドウ球菌)、連鎖球菌(例えば、腸球菌、糞便連鎖球菌、及び肺炎連鎖球菌)、バンピオビブリオ・ヘリコバクター科、及びバンピオビブリオ科を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明は、細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量、並びに本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む。
ある実施態様において、本発明は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤を、細菌感染症の予防、治療、管理及び/又は改善に使用される、本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。細菌感染症、特に細菌呼吸器感染症の療法は、抗菌薬(例えば、アミノ配糖体(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルミシン)、アズトレオナム、セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファゾリン)、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えば、ペニシリンV、結晶ペニシリンG、プロカインペニシリンG)、スペクチノマイシン、及びテトラサイクリン(例えば、クロロテトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリン))、並びに支持呼吸器療法、例えば補助及び機械的換気を含むが、これらに限定されるものではない。ある実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤は、細菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するために、1以上の支持手段と組合せて、それが必要な対象へ投与される。支持手段の非限定的例は、超音波ネブライザーによる空気の加湿、噴霧されるラセミ体エピネフリン、経口デキサメタゾン、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えばイブプロフェン、アセトメタフィン)、並びに抗生物質及び/又は抗ウイルス療法(すなわち随伴する細菌感染症の予防又は治療)を含む。
本発明は、IgE抗体レベルの上昇、マスト細胞増殖、脱顆粒及び/又は浸潤、B細胞の増加した増殖及び/又は浸潤、並びにT細胞の増加した増殖及び/又は浸潤などであるが限定されない、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症の生物学的反応を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。本発明は、肺炎球菌肺炎、好気性グラム陰性菌により引き起こされる肺炎、再発性嚥下性肺炎、レジオネラ症、連鎖球菌疾患、ヘモフィルス菌により引き起こされた感染症、喘鳴を伴う咳、髄膜炎、又は結核などであるが限定されない、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症により引き起こされる又はこれに関連した呼吸器の状態を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法も提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、有効量の他の療法と組合せて、それが必要な対象へ投与することを含む。
具体的な実施態様において、本発明の方法は、肺炎球菌、マイコバクテリウム、好気性グラム陰性菌、連鎖球菌、又はヘモフィルス菌により引き起こされた細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するために利用され、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は本発明の抗体製剤以外の1以上の他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。
具体的な実施態様において、本発明は、原発性細菌感染症、好ましくは原発性細菌呼吸器感染症の1以上の随伴状態又は反応を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。原発性細菌感染症、好ましくは原発性細菌呼吸器感染症の随伴状態又は反応の例は、粘膜刺激に対する喘息-様反応、上昇した総呼吸抵抗、増加した続発性ウイルス、細菌及び真菌感染症への易罹患性の上昇、並びに肺炎、クループ及び有熱気管支炎などであるが限定されないような状態の発生を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明の方法は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するために使用され、該方法は、本発明の1以上の抗体の有効量を、VITAXIN(商標)(Medlmmune, Inc., 2002年9月12日付けの国際公開公報第00/78815号、国際公開公報第02/070007 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2003年9月18日付け国際公開公報第03/075957 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の薬剤との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2002年11月14日付け米国特許公開第2002/0168360 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、並びに2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075741 A2号「インテグリンαvβ3アンタゴニストのHMG-CoA還元酵素又はビスホスホネートとの併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の具体的な実施態様において、本発明の方法は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するために使用され、該方法は、本発明の1以上の抗体の有効量を、シプリツマブ(Medlmmune, Inc., 国際公開公報第02/069904号)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明の方法は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するために使用され、該方法は、本発明の1以上の抗体の有効量を、1以上のEphA2阻害薬(例えば、1以上の抗-EphA2抗体(Medlmmune, Inc.;2002年12月27日付けの国際公開公報第02/102974 A4号「変異タンパク質、高い効能の阻害抗体及びFIMCH結晶構造」、2003年11月20日付けの国際公開公報第03/094859 A2号、「EphA2モノクローナル抗体及びそれらの使用法」、米国特許出願第10/436,783号;並びに、米国特許出願第60/379,368号、各々本願明細書に参照として組入れられている))の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。更に別の実施態様において、本発明は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、VITAXIN(商標)、シプリツマブ、及び/又はEphA2の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。
本発明は、細菌呼吸器感染症に罹患すると予想されるか、もしくはそのような感染症のリスクが増加した患者、例えば、抑制された免疫系を伴う患者(例えば、臓器-移植レシピエント、AIDS患者、化学療法を受けている患者、高齢者、未熟児、乳児、小児、閉塞を伴う食道癌患者、気管気管支フィステルを伴う患者、神経疾患患者(例えば、発作、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及びミオパシーにより引き起こされた)、並びに感染症、特に呼吸器感染症の既応のある患者における、細菌感染症、特に細菌呼吸器感染症の発生を予防する方法を提供する。患者は、先に感染症の治療を受けても、受けなくともよい。
本発明の抗体製剤又は本発明の併用療法を、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善のための第一、第二、第三、第四又は第五の療法として使用されてもよい。本発明は、他の疾患又は障害の療法を受けている患者における、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又は1以上の症状の予防、治療、管理、及び/又は改善の方法を含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し先に何らかの有害作用又は不忍容性を示した患者における、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、及び/又は改善する方法を包含している。本発明は、難治性患者において、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善の方法も包含している。ある実施態様において、細菌呼吸器感染症患者は、感染症が著しく根絶されず、及び/又は症状が著しく緩和されない場合は、療法に対し難治性である。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況で「難治性」の当該技術分野において容認された意味を用い、感染症の治療の有効性をアッセイするための当該技術分野において公知の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかで行うことができる。様々な実施態様において、細菌呼吸器感染症の患者は、細菌複製が、減少しない場合、又は増加した場合に難治性である。本発明は、そのような感染症の発症のリスクのある患者における細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症の発症又は再発を予防する方法も包含している。本発明は、従来の療法に対し有害反応を受けやすい患者において、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症、又はそれらの症状を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法も包含している。本発明は更に、抗菌療法が利用できない患者のために、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し難治性であることが証明されているが、最早これらの療法を受けていない患者における、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。ある実施態様において、本発明の方法により管理又は治療される患者は、抗炎症薬、抗生物質、抗-ウイルス薬、抗真菌薬、又は他の生物学的療法/免疫療法により既に治療を受けている患者である。中でも患者は、難治性患者、従来の療法に若すぎる患者、及び現存する療法による管理又は治療にもかかわらず細菌感染症を再発している患者である。
本発明は、他の従来の療法の代替として、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。具体的な実施態様において、本発明の方法で管理又は治療されている患者は、他の療法に対し難治性であるか、又はそのような療法から有害反応を受けやすい。この患者は、抑制された免疫系を伴うヒト(例えば、術後患者、化学療法中の患者、免疫不全症患者)、腎又は肝機能の障害のあるヒト、高齢者、小児、乳児、未熟児、神経精神病的障害のあるヒト、又は抗精神病薬を服用しているヒト、発作の既応のあるヒト、又は細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために使用される従来の薬物と負に相互作用する薬物療法を受けているヒトであり得る。
細菌感染症療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.5.7. 真菌感染症)
真菌感染症又はそれらの1以上の症状(例えば、真菌呼吸器感染症)の予防、管理、治療及び/又は改善のために当業者に周知の抗真菌薬及び療法は、本発明の組成物及び方法において使用することができる。抗真菌薬の非限定的例は、真菌感染症を阻害及び/又は低下する、真菌の複製を阻害又は低下する、もしくは真菌の他の対象への播種を阻害又は低下するタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、及び小分子を含む。特に抗真菌薬の具体例は、アゾール系薬物(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(NIZORAL(登録商標))、酢酸カスポファンギン(CANCIDAS(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール(例えば、フルコナゾール(DIFLUCAN(登録商標)))、及びイトラコナゾール(SPORANOX(登録商標)))、ポリエン(例えば、ナイスタチン、アンホテリシンB(FUNGIZONE(登録商標))、アンホテリシンB脂質複合剤("ABLC")(ABELCET(登録商標))、アンホテリシンBコロイド分散剤("ABCD")(AMPHOTEC(登録商標))、リポソームのアンホテリシンB(AMBISONE(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン(ANCOBON(登録商標)))、及びボリコナゾール(VFEND(登録商標))を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、具体的抗真菌薬及びそれらの推奨用量のリストは、表4を参照のこと。
ある実施態様において、抗真菌は、呼吸器真菌感染症を阻害又は低下する、肺又は呼吸器感染症を引き起こす真菌の複製を阻害又は低下する、もしくは肺又は呼吸器感染症を引き起こす真菌の他の対象への播種を阻害又は低下する物質である。肺又は呼吸器真菌感染症がブラストミセス・デルマチチデスである場合は、抗真菌薬は好ましくは、イトラコナゾール、アンホテリシンB、フルコナゾール、又はケトコナゾールである。肺又は呼吸器真菌感染症が肺アスペルギロームである場合は、抗真菌薬は好ましくは、アンホテリシンB、リポソームのアンホテリシンB、イトラコナゾール、又はフルコナゾールである。肺又は呼吸器真菌感染症がヒストプラスマである場合は、抗真菌薬は好ましくは、アンホテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、又はケトコナゾールである。肺又は呼吸器真菌感染症がコクシジオイデミコーシスである場合は、抗真菌薬は好ましくは、フルコナゾール又はアンホテリシンBである。肺又は呼吸器真菌感染症がクリプトコックスである場合は、抗真菌薬は好ましくは、アンホテリシンB、フルコナゾール、又はこれら2薬の組合せである。肺又は呼吸器真菌感染症がクロモミコーシスである場合は、抗真菌薬は好ましくは、イトラコナゾール、フルコナゾール、又はフルシトシンである。肺又は呼吸器真菌感染症がムコールミコーシスである場合は、抗真菌薬は好ましくは、アンホテリシンB又はリポソームのアンホテリシンBである。肺又は呼吸器真菌感染症がシュードアレシェリアである場合は、抗真菌薬は好ましくは、イトラコナゾール又はミコナゾールである。
抗真菌療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、Doddsらの論文(Pharmacotherapy, 20(11) 1335-1355(2000))、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)、並びに「診断、及び治療のメルクのマニュアル(Merk Manual of Diagnosis and Therapy)」(17版, 1999)などの文献に記されている。
(5.5.7.1. 抗真菌療法)
本発明の1以上の抗体製剤は、真菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理及び/又は改善するために、対象へ、本発明に従い投与することができる。本発明の1以上の抗体製剤は、真菌感染症及び/又はそれらの1以上の症状を治療、管理及び/又は改善するために、真菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、又は改善するのに有用である本発明の抗体製剤以外の1以上の他の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)と組合せて、対象へ投与することもできる。
具体的な実施態様において、本発明は、真菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、それが必要な対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、真菌感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量、並びに本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の有効量を、それが必要な対象へ投与することを含む。
真菌感染症(例えば呼吸器感染症)の結果の又は関連した任意の種類の真菌感染症又は状態を、本発明の方法で予防、治療、管理及び/又は改善することができる。真菌感染症を引き起こす細菌の例は、アブシディア種(例えば、アブシディア・コリンビフェラ及びアブシディア・ラモス)、アスペルギルス種(例えば、アスペルギルス・フラビス、アスペルギルス・フミンガス、アスペルギルス・ニジュランス、アスペルギルス・ニガー、及びアスペルギルス・テレウス)、バシジオボーラス・ラナルム、ブラストミセス・デルマチチデス、カンジダ種(例えば、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・ケフィル、カンジダ・クルセイ、カンジダ・パロプシロシス、カンジダ・シュードトロピカリス、カンジダ・ギリエルモンジ、カンジダ・ルゴサ、カンジダ・ステラトイデア、及びカンジダ・トロピカリス)、コクシジオイデス・イミチス、コニディオボールス種、クリプトコッカス・ネオフォルム、クニングハメラ種、皮膚糸状菌、ヒストプラスマ・カプスラタム、石膏状小胞子菌、ムコール・パシラス、ブラジル・パラコクシジオイデス、シュードアレシェリア・ボイジイ、リノスポリジウム シーベリ、ニューモシスティス カリニ、リゾープス種(例えば、リゾープス・アリズス、リゾープス オリザエ、及びリゾープス ミクロスポラ)、サッカロミセス種、スポロスリックス シェンキー、接合菌類、並びに接合菌、子嚢菌、担子菌、不完全菌、及び卵菌などの科を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明は、真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤を有効量、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤を有効量、並びに本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)を有効量、それを必要とする対象へ投与することを含む。
ある実施態様において、1以上の抗体製剤の有効量が、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症の予防、管理、治療又は改善に現在使用される、使用された又は有用であることがわかっている本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それが必要な対象へ投与される。真菌感染症の療法は、抗真菌薬、例えばアゾール薬、例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(NIZORAL(登録商標))、酢酸カスポファンギン(CANCIDAS(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール(例えば、フルコナゾール(DIFLUCAN(登録商標)))、及びイトラコナゾール(SPORANOX(登録商標)))、ポリエン(例えば、ナイスタチン、アンホテリシンBコロイド分散剤("ABCD")(AMPHOTEC(登録商標))、リポソームのアンホテリシンB(AMBISONE(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン(ANCOBON(登録商標)))、及びボリコナゾール(VFEND(登録商標))を含むが、これらに限定されるものではない。ある実施態様において、本発明の1以上の抗体製剤の有効量は、真菌感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療及び/又は改善のために、1以上の支持手段と組合せて、それが必要な対象へ投与される。支持手段の非限定的例は、超音波ネブライザーによる空気の加湿、噴霧されるラセミ体エピネフリン、経口デキサメタゾン、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えばイブプロフェン、アセトメタフィン)、並びに抗ウイルス又は抗菌療法(すなわち、続発するウイルス又は細菌感染症を予防又は治療する)を含む。
本発明は、IgE抗体レベルの上昇、神経増殖因子(NGF)レベルの上昇、マスト細胞増殖、脱顆粒及び/又は浸潤、B細胞の増加した増殖及び/又は浸潤、並びにT細胞の増加した増殖及び/又は浸潤などであるが限定されない、真菌呼吸器感染症の生物学的反応を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は1以上の他の療法と組合せて投与することを含む。
具体的な実施態様において、本発明は、原発性真菌感染症、好ましくは原発性真菌呼吸器感染症の1以上の随伴状態又は反応を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、単独で、又は本発明の抗体製剤以外の1以上の療法(例えば、1以上の予防的又は治療的薬剤)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。原発性細菌感染症、特に原発性細菌呼吸器感染症の随伴状態又は反応の例は、粘膜刺激に対する喘息-様反応、上昇した総呼吸抵抗、増加した続発性ウイルス、真菌及び真菌感染症への易罹患性の上昇、並びに肺炎、クループ及び有熱気管支炎などであるが限定されないような状態の発生を含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、本発明は、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、VITAXIN(商標)(Medlmmune, Inc., 2002年9月12日付けの国際公開公報第00/78815号、国際公開公報第02/070007 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2003年9月18日付け国際公開公報第03/075957 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の薬剤との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、2002年11月14日付け米国特許公開第2002/0168360 A1号、「インテグリンαvβ3アンタゴニストの他の予防薬又は治療薬との併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、並びに2003年9月18日付けの国際公開公報第03/075741 A2号「インテグリンαvβ3アンタゴニストのHMG-CoA還元酵素又はビスホスホネートとの併用投与による炎症又は自己免疫障害の予防及び治療法」、各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の具体的な実施態様において、本発明は、真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、シプリツマブ(Medlmmune, Inc., 国際公開公報第02/069904号)の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。別の実施態様において、本発明は、真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、1以上のEphA2阻害薬(例えば、1以上の抗-EphA2抗体(Medlmmune, Inc.;2002年12月27日付けの国際公開公報第02/102974 A4号「変異タンパク質、高い効能の阻害抗体及びFIMCH結晶構造」、2003年11月20日付けの国際公開公報第03/094859 A2号、「EphA2モノクローナル抗体及びそれらの使用法」、米国特許出願第10/436,783号;並びに、米国特許出願第60/379,368号、各々本願明細書に参照として組入れられている))の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。更に別の実施態様において、本発明は、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を提供し、該方法は、本発明の1以上の抗体製剤の有効量を、VITAXIN(商標)、シプリツマブ、及び/又はEphA2の有効量と組合せて、それを必要とする対象へ投与することを含む。
本発明は、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症に罹患すると予想される、又はそのような感染症のリスクが増加した患者における、真菌呼吸器感染症の発生を予防する方法を含包している。そのような対象は、抑制された免疫系を伴う患者(例えば、臓器-移植レシピエント、AIDS患者、化学療法中の患者、閉塞を伴う食道癌患者、気管気管支フィステルを伴う患者、神経疾患を伴う患者(例えば、発作、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及びミオパシーにより引き起こされた)、並びに感染症、特に呼吸器感染症の既応のある患者を含むが、これらに限定されるものではない。具体的な実施態様において、患者は、気管支肺形成異常、先天性心臓病、嚢胞性線維症、及び/又は後天性もしくは先天性免疫不全症に罹患している。別の具体的な実施態様において、患者は、未熟児、乳児、小児、高齢者、又はグループホーム、老人施設又はいくつかの他の種類の施設に滞在するヒトである。本発明は、利用可能な療法が存在しない呼吸器の状態の従来の療法に対し有害反応を生じやすい患者における、呼吸器の状態又はそれらの1以上の症状を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法を包含している。
本発明の抗体製剤又は本発明の併用療法は、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の症状予防、管理、治療及び/又は改善のための第一、第二、第三、第四又は第五の療法として使用されてもよい。本発明は、他の疾患又は障害の療法を受けている患者における、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又は1以上の症状の予防、治療、管理、及び/又は改善の方法も含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し先に何らかの有害作用又は不忍容性を示した患者における、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、及び/又は改善する方法を包含している。本発明は、難治性患者において、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの症状の予防、治療、管理及び/又は改善する方法も包含している。ある実施態様において、真菌呼吸器感染症患者は、感染症が著しく根絶されず、及び/又は症状が著しく緩和されない場合は、療法に対し難治性である。患者が難治性であるかどうかの決定は、そのような状況で「難治性」の当該技術分野において容認された意味を用い、感染症の治療の有効性をアッセイするための当該技術分野において公知の方法により、in vivo又はin vitroのいずれかで行うことができる。様々な実施態様において、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症の患者は、真菌複製が、減少しない場合、又は増加した場合に難治性である。本発明は、そのような感染症の発症のリスクのある患者における真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症の発症又は再発を予防する方法も包含している。本発明は、従来の療法に対し有害反応を受けやすい患者において、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症、又はそれらの症状を予防、管理、治療、及び/又は改善する方法も包含している。本発明は更に、抗真菌療法が利用できない患者のために、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の療法に対し難治性であることが証明されているが、最早これらの療法を受けていない患者における、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。ある実施態様において、本発明の方法により管理又は治療される患者は、抗生物質、抗-ウイルス薬、抗真菌薬、又は他の生物学的療法/免疫療法により既に治療を受けている患者である。中でも患者は、難治性患者、従来の療法に若すぎる患者、及び現存する療法による管理又は治療にもかかわらず真菌感染症を再発している患者である。
本発明は、他の従来の療法の代替として、真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善する方法を包含している。具体的な実施態様において、本発明の方法で管理又は治療されている患者は、他の療法に対し難治性であるか、又はそのような療法から有害反応を受けやすい。この患者は、抑制された免疫系を伴うヒト(例えば、術後患者、化学療法中の患者、免疫不全症患者)、腎又は肝機能の障害のあるヒト、高齢者、小児、乳児、未熟児、神経精神病的障害のあるヒト、又は抗精神病薬を服用しているヒト、発作の既応のあるヒト、又は真菌感染症、好ましくは真菌呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療又は改善のために使用される従来の薬物と負に相互作用する薬物療法を受けているヒトであり得る。
真菌感染症療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨用法は、当該技術分野において公知であり、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(59版、2005)などの文献に記されている。
(5.6. 抗体製剤の投与法)
本発明は、本発明の液体製剤の有効量を対象へ投与することによる、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の治療、管理、予防、及び改善の方法を提供する。本発明の液体製剤又は予防的もしくは治療的薬剤を投与するために、様々な送達システムが公知であり、使用することができる。本発明の抗体液体製剤又は療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)を投与する方法は、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内及び皮下)、硬膜外投与、外用投与、及び経粘膜投与(例えば、鼻腔内及び経口経路)を含むが、これらに限定されるものではない。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤は、筋肉内、静脈内、又は皮下投与される。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤は、皮下投与される。これらの製剤は、通常の経路、例えば注入又はボーラス注射によるか、上皮又は粘膜層(例えば、口腔粘膜、直腸及び小腸粘膜など)を通る吸収により投与され、他の生物学的活性物質と共に投与されてもよい。投与は全身的又は局所的であることができる。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤は、腫瘍内又は炎症部位へ投与される。
具体的な実施態様において、本発明の抗体製剤は、医薬として許容し得る担体を含有する。好ましい実施態様において、医薬として許容し得る担体は、注射用水、USP水、水中5%デキストロース(D5W)又は生理食塩水である。
一般に、本発明の液体製剤中に含まれるIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)は、同じ種起源である又は本発明の液体製剤のレシピエントとして反応性の種である対象に由来する。従って好ましい実施態様において、本発明の液体製剤中にヒトの又はヒト化されたIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体を含有する本発明の液体製剤は、ヒト患者へ、治療又は予防のために投与される。
本発明は、本発明の液体製剤が、抗体(それらの抗体断片を含む)の量を示すアンプル又はサシェのような密閉された容器内に包装されることも提供する。好ましくは、本発明の液体製剤は、抗体(それらの抗体断片を含む)の量及び濃度を示す密閉された容器内に存在する。好ましくは、本発明の液体製剤は、密閉された容器中で供給され、並びにIL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を少なくとも15mg/ml、20mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、250mg/ml、又は300mg/mlで、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、又は20ml、及び最も好ましくは1.2mlの量で含有する。本発明の具体的な実施態様において、本発明の液体製剤は、密閉された容器中で供給され、並びに静脈内注射のためには、IL-9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの抗原結合断片)へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも100mg/ml、少なくとも150mg/ml、少なくとも175mg/ml、少なくとも200mg/ml、少なくとも250mg/ml又は少なくとも300mg/ml、並びに反復皮下投与のためには、IL-9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4又はそれらの抗原結合断片)へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)を少なくとも15mg/ml、20mg/ml、50mg/ml、80mg/ml、100mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、250mg/ml又は300mg/ml含有する。具体的な実施態様において、本発明の抗体製剤は、水性抗体製剤の凍結乾燥により製造することができる。具体的な実施態様において、凍結乾燥された抗体の水性抗体溶液は、医薬として許容し得る担体により再構成することができる。具体的な実施態様において、医薬として許容し得る担体は、注射用水、USP水、水中5%デキストロース(D5W)又は生理食塩水である。
IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の治療、管理、予防又は改善に有効である本発明の液体製剤の量は、当該技術分野において周知の又は本願明細書に説明された標準の臨床技術により決定することができる。この製剤において使用されるべき正確な投与量は、投与経路、並びに炎症障害、自己免疫障害又は癌の重篤度により左右され、医師の判断及び各患者の状況に従い決定されなければならない。有効量は、in vitro又は動物モデル試験システムから得た用量-反応曲線から外挿される。
本発明に包含される抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド及び融合タンパク質の製剤に関して、患者へ投与される用量は、患者の体重(キログラム(kg))に、投与されるべき投与量(mg/kg)を積算することにより算出することができる。その後与えられるのに必要な容積(mL)が、必要な投与量(mg)を、抗体製剤の濃度で除算することにより決定される。最終の算出された必要な容積は、注射筒(複数)へと、本発明の抗体製剤を投与するために必要な数のバイアルの内容物をプールすることにより、得ることができる。最終の算出された必要な容積は、注射筒(複数)へと、薬剤を投与するために必要な数のバイアルの内容物をプールすることにより、得ることができる。抗体製剤の最大容積2.0mLを、1部位へ注射することができる。この投与量(mL)は、下記式を用いて算出することができる:投与量(mL)=[志願者体重](kg)×[投与量](mg/kg)÷100mg/ml抗体製剤。一般に外来ポリペプチドに対する免疫応答のために、ヒト抗体は、ヒト体内で、他の種由来の抗体よりも半減期が長い。従ってより低い用量のヒト抗体及びより少ない頻度の投与が可能であることが多い。更に本発明の液体製剤の用量、投与容積及び頻度は、製剤中の抗体(それらの抗体断片を含む)濃度の増加、抗体(それらの抗体断片を含む)の親和性及び/もしくは結合力の増加、並びに/又は抗体(それらの抗体断片を含む)の半減期の延長により、低下することができる。
具体的な実施態様において、患者へ投与される用量は、患者の体重(kg)の、投与されるべき投与量(mg/kg)による積算を用いて算出される。その後与えられるのに必要な容積(mL)が、必要な投与量(mg)を、製剤中の抗体(それらの抗体断片を含む)の濃度(100mg/ml)で除算することにより決定される。最終の算出された必要な容積は、注射筒(複数)へと薬物を投与するために必要な数のバイアルの内容物をプールすることにより、得ることができる。製剤中の抗体(それらの抗体断片を含む)の最大容積2.0mLを、1部位へ注射することができる。
小分子の投与量の例は、対象の体重1kg当たりの、又は試料質量(kg)当たりの、小分子(mg又はμg)を含む(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、又は約1μg/kg〜約50μg/kg)。
具体的な実施態様において、本発明の液体製剤中のIL-9ポリペプチド (例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの断片)へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の0.1〜20mg/kg/週、好ましくは1〜15mg/kg/週、より好ましくは2〜8mg/週、更により好ましくは3〜7mg/kg/週、及び最も好ましくは4〜6mg/kg/週が、炎症障害、自己免疫障害又は癌の対象へ、投与される。別の実施態様において、対象には、本発明の液体製剤の予防的又は治療的有効量の1以上の投与量が投与され、ここで予防的又は治療的有効量は、各投与量について同じではない。
ひとつの実施態様において、本発明の液体製剤は、IL-9ポリペプチド活性を連続してブロックする所望のレベル(例えば、約0.1〜約100μg/ml)でαvβ3に免疫特異的な抗体の血漿濃度を維持する投薬レジメンにおいて投与される。具体的な実施態様において、この抗体の血漿濃度は、0.2μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml、6μg/ml、7μg/ml、8μg/ml、9μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/ml又は50μg/mlで維持される。対象において望ましい血漿濃度は、疾患又は障害の性質、疾患又は障害の重症度、及び対象の状態を含むが限定されないいくつかの要因により変動する。このような投薬レジメンは、慢性疾患又は障害の予防、治療、管理及び改善において、特に有用である。
具体的な実施態様において、IL-9ポリペプチドに免疫特異的な複合された抗体(それらの抗体断片を含む)を含有する本発明の液体製剤は、断続的に投与される。本願明細書において使用される「複合された抗体又は抗体断片」は、異種ペプチド、ポリペプチド、他の抗体(それらの抗体断片を含む)、マーカー配列、診断薬、治療的部分、治療的薬物、放射性金属イオン、ポリマー、アルブミン、及び固相支持体を含むが限定されない別の部分へ複合された又は融合された抗体(それらの抗体断片を含む)を意味する。
別の実施態様において、対象、好ましくはヒトには、本発明の液体製剤中のIL-9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの断片)へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の予防的又は治療的有効量の1以上の投与量が投与され、ここで、該対象へ投与される本発明の液体製剤中の抗体(それらの抗体断片を含む)の予防的又は治療的有効量の投与量は、治療が進行するにつれ、例えば、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、又は125μg/kg増加される。
別の実施態様において、対象、好ましくはヒトには、本発明の液体製剤中のIL-9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又はそれらの断片)へ免疫特異的に結合する抗体(それらの抗体断片を含む)の予防的又は治療的有効量の1以上の投与量が投与され、ここで、該対象へ投与される本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)の予防的又は治療的有効量の投与量は、治療が進行するにつれ、例えば0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、又は125μg/kg減少される。
予防的又は治療的薬剤の用量は、「医家向け医薬品便覧(PDR)」(56版、2002、及び57版、2003)などの文献に記されている。
(5.7. 生物学的アッセイ)
本発明の液体製剤中の抗体(それらの抗体断片を含む)は、当業者に周知の様々な方法により特徴付けられる。特に本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する能力についてアッセイされる。このようなアッセイは、溶液中(例えば、Houghtenの論文、1992, Bio/Techniques 13:412-421)、ビーズ上(Lamの論文、1991, Nature 354:82-84)、チップ上(Fodor, 1993, Nature 364:555-556)、細菌(米国特許第5,223,409号)、胞子(米国特許第5,571,698号;第5,403,484号;及び、第5,223,409号)、プラスミド(Cullらの論文、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)、又はファージに対し(Scott and Smithの論文、1990, Science 249:386-390;Cwirlaらの論文、1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378-6382;及び、Feliciの論文、1991, J. Mol. Biol. 222:301-310)(これらの各参照は全体が各々本願明細書に参照として組入れられている)で実行される。その後IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合することが同定されている抗体(それらの抗体断片を含む)は、IL-9ポリペプチドへのそれらの特異性及び親和性についてアッセイすることができる。
本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)は、当該技術分野において公知の任意の方法により、IL-9ポリペプチドへの免疫特異的結合及び他の抗原との交差反応性についてアッセイすることができる。免疫特異的結合及び交差反応性について分析するために使用されるイムノアッセイは、いくつか例を挙げるとウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降(precipitin)反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体-結合アッセイ、イムノ放射性測定アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの技術を使用する、競合的及び非-競合的アッセイシステムを含むが、これらに限定されるものではない。このようなアッセイは、日常的であり、及び当該技術分野において周知である(例えば、Ausubelら編集の著書、1994, 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., ニューヨーク参照、これは全体が本願明細書に参照として組入れられている)。例証的イムノアッセイは以下に簡単に説明されている(しかし限定を意図するものではない。)。
免疫沈降プロトコールは一般に、タンパク質リン酸化酵素及び/又はプロテアーゼ阻害薬(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPA緩衝液(1%NP-40又はTriton X-100、1%デオキシコレートナトリウム、0.1%SDS、0.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム、pH7.2、1%Trasylol)などの溶解緩衝液中で、細胞集団を溶解し、この細胞溶解液に関心のある抗体を添加し、40℃である期間(例えば、1〜4時間)インキュベーションし、この細胞溶解液にプロテインA及び/又はプロテインGセファロースビーズを添加し、40℃で約1時間以上インキュベーションし、溶解緩衝液中でビーズを洗浄し、及びビーズをSDS/試料緩衝液中に再懸濁することを含む。関心のある抗体が特定の抗原を免疫沈降する能力は、例えば、ウェスタンブロット分析により評価することができる。当業者は、抗体の抗原への結合を増加し及びバックグラウンドを低下するように修飾することができるパラメータに関する知識が豊富であろう(例えば、細胞溶解液のセファロースビーズによる予備透明化)。免疫沈降プロトコールに関する更なる考察については、例えば、Ausubelら編集の著書、1994, 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., ニューヨーク の10.16.1を参照のこと。
ウェスタンブロット分析は一般に、タンパク質試料の調製、ポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じた8%〜20%SDS-PAGE)でのタンパク質試料の電気泳動、タンパク質試料のポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDF又はナイロンなどのメンブレンへの転写、メンブレンのブロック液(例えば、3%BSA又は無脂肪乳を含有するPBS)中でのインキュベーション、メンブレンの洗浄緩衝液(例えば、PBS-Tween 20)中での洗浄、メンブレンのブロック緩衝液中に希釈した一次抗体(関心のある抗体)とのインキュベーション、メンブレンの洗浄緩衝液による洗浄、メンブレンのブロック緩衝液中に希釈された酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)又は放射性分子(例えば、32P又は125I)に複合された二次抗体(一次抗体を認識する、例えば、抗-ヒト抗体)とのインキュベーション、メンブレンの洗浄緩衝液による洗浄、並びに抗原の存在の検出を含む。当業者は、検出されるシグナルを増加し及びバックグラウンドノイズを減少するように修飾することができるパラメータに関する知識が豊富であろう。ウェスタンブロットプロトコールに関する更なる考察は、例えば、Ausubelら編集の著書、1994, 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., ニューヨークの10.8.1.を参照のこと。
ELISAは、抗原の調製、この抗原による96ウェルマイクロタイタープレートのウェルの被覆、酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)のような検出可能な化合物に複合された関心のある抗体のウェルへの添加、及びある期間のインキュベーション、並びに抗原の存在の検出を含む。ELISAにおいて、関心のある抗体は、検出可能な化合物に複合されず;代わりに、検出可能な化合物へ複合された二次抗体(関心のある抗体を認識する)が、ウェルへ添加される。更に抗原によるウェルの被覆の代わりに、抗体でウェルを被覆することができる。この場合、検出可能な化合物に複合された二次抗体が、被覆されたウェルへの関心のある抗原の添加後、添加される。当業者は、検出されるシグナルを増加するように修飾することができるパラメータに加え、当該技術分野で公知のELISAのその他の変形に関する知識が豊富であろう。好ましい実施態様において、ELISAは、高度に結合する96-ウェルマイクロタイタープレート(Costar)を、PBS中のrhu-IL-9の2μg/mlで一晩被覆することにより実行することができる。PBSによる3回洗浄後、このプレートは、Fabの3-倍の連続希釈物と共に25℃で1時間インキュベーションされる。更にPBSで3回洗浄した後、1μg/ml抗-ヒトκ-アルカリホスファターゼ-複合体が添加され、プレートは25℃で1時間インキュベーションされる。PBSTで3回洗浄後、アルカリホスファターゼ活性が、50μl/AMP/PPMP基質で測定される。この反応が停止され、560nmの吸光度が、VMAXマイクロプレートリーダーにより決定される。ELISAに関する更なる考察は、Ausubelら編集の著書、1994, 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., ニューヨークの11.2.1.を参照のこと。
抗体の抗原への結合親和性及び抗体-抗原相互作用のオフ速度(off-rate)は、競合的結合アッセイにより決定することができる、競合的結合アッセイの一例は、ラジオイムノアッセイであり、漸増量の未標識の抗原の存在下での、標識された抗原(例えば、3H又は125I)の関心のある抗体とのインキュベーション、並びに標識された抗原に結合した抗体の検出を含む。本発明の液体製剤に含まれる抗体又はそれらの断片のIL-9ポリペプチドへの親和性及び結合オフ速度は、散布図解析データから決定することができる。二次抗体との競合も、ラジオイムノアッセイを用いて決定することができる。この場合、IL-9ポリペプチドは、漸増量の未標識の二次抗体の存在下で、標識された化合物(例えば、3H又は125I)へ複合された本発明の抗体と共にインキュベーションされる。
好ましい実施態様において、BIAcore速度解析を使用し、本発明の液体製剤の抗体のIL-9ポリペプチドへの結合のオン及びオフ速度が決定される。BIAcore速度解析は、その表面に固定された本発明の抗体を伴うチップへの、IL-9ポリペプチドの、結合及び解離を分析することを含む。典型的 BIAcore速度試験は、抗原が固定されているセンサーチップ表面上への、0.005%Tween-20を含有するHBS緩衝液中の変動濃度の抗体試薬(mAb, Fab)の250μLの注入に関連している。流量は、75μL/分で維持される。解離データを15分間、又は必要ならばそれよりも長く収集する。各注入/解離サイクル後に、結合したmAbを、希酸、典型的には10〜100mM HClの短い、1分間パルスを用い、抗原表面から除去したが、他の再生物は、状況の保証のために使用される。より詳細には、会合速度kon及び解離速度koffの測定のために、抗原が、標準アミンカップリング化学、すなわちEDC/NHS法(EDC=N-ジエチルアミノプロピル)-カルボジイミド)を使用し、センサーチップ表面上に直接固定される。簡単に述べると、10mM NaOAc(pH4又はpH5)中抗原5〜100nMの溶液が調製され、抗原の約30〜50 RU'の価値(worth)が固定されるまで、EDC/NHS-活性化された表面上を通過させられる。この後、未反応の活性エステルは、1M Et-NH2の注入により、「キャップ」除去される。抗原を含まないブランク表面が、参照のために、同じ固定条件で調製される。一旦適当な表面が調製されたならば、各々1種の抗体試薬の適当な連続希釈が、HBS/Tween-20中に調製され、連続して連結された、抗原及び参照細胞の両表面上を通過させられる。調製される抗体濃度の範囲は、推定される平衡結合定数KDに応じて、変動する。先に説明されたように、結合された抗体は、適当な試薬を用い、各注入/解離サイクル後に除去される。
本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)も、当業者に公知の技術を使用し、その宿主細胞受容体へのIL-9の結合を阻害するそれらの能力についてアッセイすることができる。例えばIL-9受容体を発現している細胞は、本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)の存在又は非存在下でIL-9と接触することができ、IL-9の結合を阻害する抗体(それらの抗体断片を含む)の能力は、例えばフローサイトメトリー又はシンチレーションアッセイにより測定することができる。本発明の液体製剤中に含まれるIL-9又は抗体(それらの抗体断片を含む)は、IL-9とその宿主細胞受容体の間の相互作用を検出することができるように、放射性標識物(例えば、32P、35S、及び125I)又は蛍光標識物(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒド及びフルオレスカミン(fluorescamine))などの検出可能な化合物で、標識することができる。あるいは、本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9とのその受容体との結合を阻害する能力は、無細胞アッセイにおいて決定することができる。例えばIL-9ポリペプチドは、本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)と接触され、抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9ポリペプチドをその宿主細胞受容体との結合を阻害する能力が決定される。好ましくは、本発明の本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)は、固相支持体上に固定され、及びIL-9ポリペプチドは、検出可能な化合物で標識される。あるいは、IL-9ポリペプチドが、固相支持体上に固定され、本発明の液体製剤に含まれる抗体(それらの抗体断片を含む)が、検出可能な化合物で標識される。IL-9は、部分的又は完全に精製される(例えば、他のポリペプチドを部分的又は完全に非含有)であるか、又は細胞溶解液の一部であってよい。更にIL-9ポリペプチドは、IL-9、誘導体、アナログ又はそれらの断片及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどのドメインを含有する融合タンパク質であってよい。あるいは、IL-9ポリペプチドは、当業者に周知の技術を用い、ビオチン化することができる(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals; Rockford, IL)。
具体的な実施態様において、本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片を含む)のIL-9をその宿主細胞受容体との結合から阻害する能力は、細胞増殖アッセイにより測定することができる。好ましい実施態様において、ヒト及びマウスの両IL-9Rαを発現しているマウスのTS1-RA3 T細胞株は、rhuIL-9(25ng/ml, R & D Systems)を含有する増殖培地(DMEM)において連続して増殖される。rhuIL-9を取り除いた時点で、TS1-RA3は、18〜24時間で細胞死する。TS1-RA3細胞は、10%FBS及び25ng/ml rHu-IL9を補充したRPMI 1640(ATCC)培地で増殖する。このアッセイ前に、これらの細胞は、IL-9を含有しない培地で洗浄され、2ng/ml rhuIL-9を含有する培地内で、5X105個細胞/mlで再懸濁される。これらの細胞は、黒色透明な底の非-結合96-ウェルマイクロタイタープレート(100μl細胞/ウェル)に分配され、その後連続希釈した変種Fabsの100mlがプレートに添加される。プレートを、5%CO2で37℃で72時間インキュベーションする。Alamar blue(登録商標)の20μl/ウェルを添加し、細胞を更に4〜5時間インキュベーションする。細胞代謝は、励起555nm及び発光590nmの蛍光測定器を用い定量する。
(5.7.1. In Vitro試験)
本発明の抗体、組成物又は併用療法は、免疫細胞(例えば、T細胞、好中球、及びマスト細胞)、内皮細胞、及び上皮細胞の生物学的活性を変調するそれらの能力について、in vitro及び/又はin vivoにおいて試験することができる。本発明の抗体、組成物、又は併用療法の免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、マスト細胞、マクロファージ、好中球及び好酸球)、内皮細胞、及び上皮細胞の生物学的活性を変調する能力は、以下により評価することができる:抗原の発現(例えば、IL-9による遺伝子の活性化、ムチン遺伝子(例えば、MUC2、MUC5AC、MUC5B、及びMUC6)並びにリンパ球活性化に関与する遺伝子(例えば、Lガンマ-6A/E))などであるが限定されない)を検出すること;免疫細胞、内皮細胞及び/又は上皮細胞の増殖を検出すること;シグナル伝達分子の活性化(例えば、Stat2のリン酸化、JAK3のリン酸化、又はIL-9Rのリン酸化)を検出すること;免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、マスト細胞、マクロファージ、好中球、及び好酸球)、内皮細胞、及び/又は上皮細胞のエフェクター機能を検出すること;もしくは、免疫細胞、内皮細胞、及び/又は上皮細胞の分化を検出すること。当業者に公知の技術を使用し、これらの活性を測定することができる。例えば細胞増殖は、3H-チミジン取込みアッセイ及びトリパンブルー細胞カウントによりアッセイすることができる。抗原発現は、例えば、ウェスタンブロット、免疫組織化学ラジオイムノアッセイ、ELlSA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体-結合アッセイ、免疫放射能測定アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイ、及びFACS分析などの技術を使用する、競合的及び非競合的アッセイシステムを含むが、これらに限定されないイムノアッセイにより、アッセイすることができる。シグナル伝達分子の活性化は、例えば、キナーゼアッセイ及び電気泳動シフトアッセイ(EMSA)によりアッセイすることができる。マスト細胞脱顆粒は、高速液体クロマトグラフィーにより、例えばセロトニン(5-HT)放出又はヒスタミン放出を測定することによりアッセイすることができる(例えば、Taylorらの論文、1995 Immunology 86(3): 427- 433、並びにKurosawaらの論文、1998 Clin Exp Allergy, 28(8): 1007-1012参照のこと)。
本発明の抗体、組成物又は併用療法は、ヒトにおける使用の前に、所望の治療的又は予防的活性について、in vitroで、その後in vivoで試験されることが好ましい。例えば特定の医薬組成物の投与が適応されるかどうかを決定するために使用することができるアッセイは、患者組織試料が培地において増殖され、医薬組成物に曝露かそうでなければ接触され、並びにそのような組成物の組織試料に対する作用が観察される、細胞培養アッセイを含む。組織試料は、患者からの生検により得ることができる。この試験は、個々の患者各々に関する治療的に最も有効な療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の同定を可能にする。様々な具体的な実施態様において、本発明の医薬組成物がそのような細胞型に対し望ましい作用を有するかを決定するために、in vitroアッセイは、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、炎症疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)に関与した細胞型の代表的細胞で行うことができる。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法の末梢血リンパ球カウントに対する作用は、当業者に公知の標準技術を用いて、モニタリング及び/又は評価することができる。対象における末梢血リンパ球カウントは、例えば、該対象から末梢血試料を得、例えばFicoll-Hypaque(Pharmacia)勾配遠心を用い、血漿のような末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、並びにトリパンブルーを用いリンパ球をカウントすることにより、決定することができる。対象の末梢血T細胞カウントは、例えばFicoll-Hypaque(Pharmacia)勾配遠心を用い、血漿のような末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、FITC又はフィコエリトリンに複合されたT細胞抗原に対する抗体でT細胞を標識し、及びFACSによりT細胞数を測定することにより、決定することができる。
ウイルス性呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を治療、管理、予防、及び/又は改善する本発明の方法は、in vitroアッセイにおいて、ウイルス複製を阻害するか、又はウイルス負荷を低下するそれらの能力について試験することができる。例えば、ウイルス複製は、例えば、Johnsonらの論文(1997, Journal of Infectious Diseases 176:1215-1224 176:1215-1224)に説明されたプラークアッセイにより、アッセイすることができる。本発明の方法に従い投与される抗体、組成物、又は併用療法は、ウイルスポリペプチドの発現を阻害又はダウンレギュレートするそれらの能力について、アッセイすることもできる。ウェスタンブロット分析、ノーザンブロット分析、及びRT-PCRを含むが限定されない当業者に公知の技術を使用し、ウイルスポリペプチドの発現を測定することができる。
呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を予防、治療、管理、及び/又は改善するための本発明の方法は、当該技術分野において周知のin vitroアッセイにおいて、細菌が引き起こした呼吸器感染症に対する活性について試験することができる。当該技術分野において公知のin vitroアッセイも、本発明の療法(例えば、本発明の抗体、他の予防的又は治療的薬剤、それらの組合せ、又はそれらの組成物)に対する耐性菌の存在又は発生を試験するために使用することができる。このようなin vitroアッセイは、Galesらの論文、2002, Diag. Nicrobiol. Infect. Dis. 44(3):301- 311;Hicksらの論文、2002, Clin. Microbiol. Infect. 8(11): 753-757;及びNicholsonらの論文、2002, Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 44(1): 101-107に説明されている。
呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状を治療、管理、予防、及び/又は改善するために、本発明の療法(例えば、本発明の液体製剤の抗体を単独で、又は本発明の抗体以外の予防的又は治療的薬剤と組合せて)は、様々な真菌種に対する抗-真菌活性について試験することができる。当該技術分野において周知の任意の標準抗真菌アッセイを使用し、療法の抗真菌活性を評価することができる。様々な種の真菌に対する抗真菌作用を試験することができる。米国臨床検査標準化協会(NCCLS)により推奨される試験(NCCL標準を参照のこと、1995, Proposed Standard M27T. Villanova, Pa.、これらは全て全体が本願明細書に参照として組入れられている)及び当業者に公知の他の方法(Pfallerらの論文、1993, Infectious Dis. Clin. N. Am. 7: 435-444)を使用し、療法の抗真菌作用を評価することができる。療法の抗真菌特性は、真菌溶解アッセイに加え、特に増殖阻害アッセイ、蛍光-ベースの真菌生存度アッセイ、フローサイトメトリー分析及び当業者に公知の他の標準アッセイを含む、その他の方法により決定することもできる。
例えば、療法の抗真菌活性は、当業者に周知のプロトコールを使用し、マクロ希釈法及び/又はミクロ希釈法を用い試験することができる(例えば、Clancyらの論文、1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Ryderらの論文、1998, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 42(5): 1057-61;米国特許第5,521,153号;米国特許第5,883,120号、米国特許第5,521,169号、これらは全て全体が本願明細書に参照として組入れられている)。簡単に述べると、真菌株は、適当な液体培地において培養され、及び使用される特定の真菌株に応じた、適当な温度で同じく使用される特定の真菌株に応じて決定された時間、増殖される。その後接種材料を測光用に調製し、懸濁液の濁度を、標準、例えばMcFarland標準の濁度と合致させる。接種材料の濁度に対する療法の作用は、視認又は分光測定法により決定される。療法の最小阻害濃度("MIC")が決定され、これは培養物濁度を決定することにより測定されるような、接種材料の可視的増殖を阻害するリード化合物の最低濃度として定義される。
療法の抗真菌活性は、当業者に周知の比色ベースのアッセイを利用し、決定することもできる。療法の抗真菌活性を評価するために使用することができる比色アッセイの一例は、Pfallerらの論文(1994, Journal of Clinical Microbiology, 32(8): 1993-6、これはその全体が本願明細書に参照として組入れられている)に説明されており;同じく、Tiballiらの論文、1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(4): 915-7)も参照のこと。このアッセイは、酸化還元のインジケーター(Alamar Biosciences, Inc., サクラメント CA)を使用する比色エンドポイントを利用する。
療法の抗真菌活性は、当業者に周知の分光測定アッセイを用いて決定することもできる(例えば、Clancyらの論文、1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Jahnらの論文、1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(3): 661-667参照、これらは各々全体が本願明細書に参照として組入れられている)。この分光測定アッセイは3-(4,5-ジメチル-2チアゾリル)-2,5,-ジフェニル-2H-臭化テトラゾリウム(MTT)のホルマザンへの還元を介して生存真菌によるミトコンドリア呼吸を定量することを基にしている。このアッセイにより決定されたMICは、光学密度の最初の急激な下落に関連した被験療法の最高濃度として定義される。一部の態様において、療法は、マクロ希釈、ミクロ希釈及びMTTアッセイを平行して用い、抗真菌活性についてアッセイされる。
更に当業者に公知の任意のin vitroアッセイを使用し、呼吸器感染症又はそれらの1以上の症状に関して本願明細書に明らかにされた抗体、組成物、併用療法の予防的及び/又は治療的利用性を評価することができる。
(5.7.2. In Vivoアッセイ)
本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、ヒトにおける使用の前に、適当な動物モデルシステムにおいて試験することができる。このような動物モデルシステムは、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ブタ、イヌ、ウサギなどを含むが、これらに限定されるものではない。当該技術分野において周知の任意の動物システムを、使用することができる。この手法のいくつかの態様は、変動することができ;該態様は、療法(例えば予防的及び/又は治療的薬剤)の時間的投与レジメン、そのような療法が個別に又は混合物として投与されるかどうか、及び療法の投与頻度を含むが、これらに限定されるものではない。
自己免疫障害に関する動物モデルを使用し、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を評価することができる。1型糖尿病、甲状腺自己免疫、全身性紅斑狼瘡、及び糸球体腎炎などの自己免疫障害に関する動物モデルが、開発されている(Flandersらの論文、1999, Autoimmunity 29:235-246;Kroghらの論文、1999, Biochimie 81:511-515;Fosterの論文、1999, Semin. Nephrol. 19:12-24)。
自己免疫障害の予防、治療、管理、及び/又は改善の効能は、例えば、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の、自己免疫障害の1以上の症状を軽減する能力、平均絶対リンパ球カウントを減少する能力、T細胞活性化を低下する能力、T細胞増殖を低下する能力、サイトカイン産生を低下する能力、又は1以上の特定のサイトカインプロファイルを変調する能力の検出により明らかにされ得る。乾癬を予防又は治療する効能は、例えば、本発明の抗体、それらの断片、又は組成物の、乾癬の1以上の症状を軽減する能力、平均絶対リンパ球カウントを減少する能力、サイトカイン産生を低下する能力、1以上の特定のサイトカインプロファイルを変調する能力、落屑を減少する能力、紅斑を減少する能力、プラーク上昇を低下する能力、皮膚炎又は表皮炎患部でT細胞活性化を低下する能力、皮膚炎又は表皮炎患部へのT細胞浸潤を減少する能力、PASIを減少する能力、医師の全般的評価スコアを改善する能力、生活の質を向上する能力の検出により明らかにされ得る。
癌の動物モデルは、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を評価するために使用することができる。肺癌の動物モデルの例は、Zhang及びRothの論文(1994, In Vivo 8(5):755-69)に説明された肺癌動物モデル、並びに破壊されたp53機能を有するトランスジェニックマウスモデル(例えば、Morrisらの論文、1998, J La State Med Soc 150(4):179-85参照)を含むが、これらに限定されるものではない。乳癌の動物モデルの例は、サイクリンD1を過剰発現しているトランスジェニックマウス(例えば、Hosokawaらの論文、2001, Transgenic Res 10(5):471-8参照)を含むが、これらに限定されるものではない。結腸癌の動物モデルの例は、TCR b及びp53二重ノックアウトマウス(例えば、Kadoらの論文、2001, Cancer Res 61(6):2395-8参照)を含むが、これらに限定されるものではない。膵臓癌の動物モデルの例は、PancO2マウス膵臓腺癌の転移モデル(例えば、Wangらの論文、2001, Int J Pancreatol 29(1):37-46参照)、及び皮下に膵腫瘍が形成されたnu-nuマウス(例えば、Ghanehらの論文、2001, Gene Ther 8(3): 199-208参照)を含むが、これらに限定されるものではない。非-ホジキン型リンパ腫の動物モデルの例は、重症複合免疫不全症("SCID")マウス(例えば、Bryantらの論文、2000, Lab Invest 80(4):553-73参照)、及びIgHmu-HOX11トランスジェニックマウス(例えば、Houghらの論文、1998, Proc Natl Acad Sci USA 95(23):13853-8参照)を含むが、これらに限定されるものではない。食道癌の動物モデルの例は、ヒト乳頭ウイルス16 E7型癌遺伝子のトランスジェニックマウス(例えば、Herberらの論文、1996, J Virol 70(3): 1873-81参照)を含むが、これらに限定されるものではない。結腸直腸癌の動物モデルの例は、Apcマウスモデル(例えば、Fodde及びSmitsの論文、2001, Trends Mol Med 7(8):369-73、並びにKuraguchiらの論文、2000, Oncogene 19(50):5755-63)を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法の抗-炎症活性は、当該技術分野において公知であり並びにCrofford LJ.及びWilder R.L.の著書「Arthritis and Autoimmunity in Animals」、(Arthritis and Allied Conditions: A Textbook of Rheumatology, McCarty(編集), 30章 (Lee and Febiger, 1993))に説明された炎症性関節炎の様々な実験動物モデルを用いて決定することができる。炎症性関節炎及び自己免疫性リウマチ疾患の実験的及び自然発症的動物モデルも、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の抗-炎症活性を評価するために使用することができる。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法の抗-炎症活性は、Winter C. A.らの論文(「Carrageenan-Induced Edema in Hind Paw of the Rat as an Assay for Anti-Inflammatory Drugs」Proc. Soc. Exp. Biol Med. 111, 544-547, (1962))に説明された変法を使用し、ラットにおいてカラゲナン-誘導した足の浮腫の阻害を測定することによっても評価することができる。このアッセイは、ほとんどのNASIDの抗-炎症性活性の一次in vivoスクリーニングとしても使用され、並びにヒト効能の予測とみなされる。被験療法(例えば、予防的又は治療的薬剤)の抗-炎症性活性は、ビヒクル投与された対照群と比べた被験群の後肢重量の増加の阻害率として表される。
使用される実験動物モデルがアジュバント-誘導した関節炎ラットモデルである本発明の具体的な実施態様において、体重は、対照群に対して測定され、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の抗-炎症活性が決定される。
アレルギー及び喘息の動物モデルは、Ewartらの論文、1995 J Appl Physiol 79(2):560-566に説明された末端吸気閉塞を伴う定常流膨張、及び例えば、Komaiらの論文、2003 Br J Pharmacol 138(5): 912-920;Kenyonらの論文、2003 Toxicol Appl Pharmacol 186(2): 90-100;Pathらの論文、2002 Am J Resp & Critical Care Med 166(6): 818-826;Martinsらの論文、1990 Crit Care Med 19:515-519;Nicolaidesらの論文、1997 Proc Natl Acad Sci USA 94:13175-13180;McLaneらの論文、1998 19:713-720;及び、Temannらの論文、1998 J Exp Med 188(7): 1307-1320などに説明された他のアッセイなどが、当該技術分野において公知である。例えば、マウスの養子免疫伝達モデルは、喘息を含む予防、治療、管理についての本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を評価するために使用される動物モデルである。マウスの養子免疫伝達モデルにおいて、TH1又はTH2レシピエントマウスの空気アレルゲン誘発は、気道へのTHエフェクター細胞移動を生じ、これは強度の好中球(TH1)及び好酸球(TH2)肺粘膜炎症反応に関連している(Cohnらの論文、1997, J. Exp. Med. 1861737-1747)。マウスにおいて気道過敏は、オボアルブミン(Tomkinsonらの論文、2001, J. Immunol. 166:5792-5800)、又はマンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)卵抗原(Tesciubaらの論文、2001, J. Immunol. 167:1996-2003)により惹起される。
炎症障害の予防又は治療の効能は、例えば、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の、炎症障害の1以上の症状を軽減する能力、T細胞活性化を低下する能力、T細胞増殖を低下する能力、1以上のサイトカインプロファイルを変調する能力、サイトカイン産生を低下する能力、関節、臓器もしくは組織の炎症を軽減する能力、又は生活の質を改善する能力を検出することにより明らかにすることができる。
炎症疾患活性の変化は、柔らかくかつ膨潤した関節の数、疼痛及び疾患活性に関する患者及び医師の全般的スコア、並びにESR/CRPにより評価することもできる。構造的関節損傷の進行は、手、手首、及び足のX-線像の定量的スコア化により評価されてもよい(Sharp法)。炎症障害を伴うヒトにおける機能状態の変化は、身体機能障害度問診票(HAQ)を用いて評価することができ、及び生活の質は、SFにより評価される。
I型アレルギー反応の予防、治療、管理、及び/又は改善における本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能は、そのIgEがin vitroにおいてマスト細胞又は好塩基球上の受容体へ結合するのを阻害する抗-IgE抗体を誘導する能力により、評価することができる。IgEレベルは、イムノアッセイ、ゲル電気泳動その後の可視化、放射線免疫吸着試験(RIST)、放射性アレルゲン吸着(radioallergosorbent)試験(RAST)、又は任意の他の当業者に公知の方法によりアッセイすることができる。
ウイルス感染症の動物モデルも、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を評価するために使用することができる。EBV-関連疾患、ガンマヘルペスウイルス、伝染性単核球症、シミアン免疫不全ウイルス("SIV")、Borna病ウイルス感染症、肝炎、水痘ウイルス感染症、ウイルス性肺炎、エプスタイン-バーウイルス病原体、ネコ免疫不全ウイルス("FIV")、1型HTLV感染症、ヒトロタウイルス、及び性器ヘルペスなどのウイルス感染症の動物モデルが、開発されている(例えば、Hayashiらの論文、2002, Histol Histopathol 17(4): 1293-310;Aricoらの論文、2002, J Interferon Cytokine Res 22(11):1081-8;Flanoらの論文、2002, Immunol Res 25(3):201-17;Sauermann、2001, Curr Mol Med 1(4):515-22;Pletnikovらの論文、2002, Front Biosci 7:d593-607;Englerらの論文、2001, Mol Immunol 38(6):457-65;Whiteらの論文、2001, Brain Pathol 11(4):475-9;Davis & Matalonの論文、2001, News Physiol Sci 16:185-90;Wangの論文、2001, Curr Top Microbiol Immunol. 258:201-19;Phillipsらの論文、2000, J Psychopharmacol. 14(3):244-50;Kazanjiの論文、2000, AIDS Res Hum Retroviruses. 16(16):1741-6;Saifらの論文、1996, Arch Virol Suppl. 12:153-61;並びに、Hsiungらの論文、1984, Rev Infect Dis. 6(1):33-50参照)。
ウイルス性呼吸器感染症の動物モデルは、PIV(例えば、Shephardらの論文、2003 Res Vet Sci 74(2): 187-190;Ottoliniらの論文、2002 J Infect Dis 186(12): 1713-1717参照)、RSV(例えば、Culleyらの論文、2002 J Exp Med 196(10): 1381-1386;及び、Curtisらの論文、2002 Exp Biol Med 227(9): 799-802参照)などであるが限定されない。具体的な実施態様において、コトンラットに、本発明の方法に従い本発明の抗体、組成物、又は併用療法が投与され、RSVの105 pfuがチャレンジされ、4日目以降にこれらのラットは屠殺され、RSV力価及び抗-RSV抗体血清力価が測定される。従って、RSVの105 pfuがチャレンジされたコトンラットにおけるRSV力価の2 log減少又は99%減少を生じる用量は、RSVの105 pfuがチャレンジされたが製剤が投与されなかったコトンラットと比べ、RSV感染症に関連した1以上の症状の治療、予防又は改善のためにヒトへ投与することができる製剤の用量である。更にこの態様に従い、屠殺したラットから得た組織(例えば、肺組織)を、組織学的変化について試験することができる。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、ウイルス感染症の時間経過を低下するそれらの能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、ウイルス感染症に罹患したヒトの生存期間を少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%延長するそれらの能力について試験することもできる。更に本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、ウイルス感染症に罹患したヒトの入院期間を少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%短縮するそれらの能力について試験することができる。当業者に公知の技術を使用し、in vivoにおける本発明の抗体、組成物、又は併用療法の機能を分析することができる。
細菌感染症の動物モデルを使用し、本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を評価することができる。H.ピロリ感染症、性器マイコプラズマ病、原発性硬化性胆管炎、コレラ、緑膿菌による慢性肺感染症、レジオネラ病、胃十二指腸潰瘍、細菌性髄膜炎、胃ヘリコバクター感染症、肺炎球菌性中耳炎、実験的アレルギー性神経炎、らい性ニューロパシー、マイコバクテリウム感染症、心内膜炎、アエロモナス菌に関連した腸炎、バクテロイデス・フラギリス感染症、梅毒、ブドウ球菌性心内膜炎、急性血行性骨髄炎、ヒト草原熱、毒性ショック症候群、嫌気性菌感染症、大腸菌感染症、及びマイコプラズマ肺炎感染症などの細菌感染症の動物モデルが、開発されている(例えば、Sugiyamaらの論文、2002, J Gastroenterol. 37 Suppl 13:6-9;Brownらの論文、2001, Am J Reprod Immunol. 46(3):232-41;Vierlingの論文、2001, Best Pract Res Clin Gastroenterol. 15(4):591-610;Kloseの論文、2000, Trends Microbiol. 8(4):189-91;Stotlandらの論文、2000, Pediatr Pulmonol. 30(5):413-24;Brielandらの論文、2000, Immunopharmacology 48(3):249-52;Leeの論文、2000, Baillieres Best Pract Res Clin Gastroenterol. 14(l):75-96;Koedel及びPfisterの論文、1999, Infect Dis Clin North Am. 13(3):549-77;Nedrudの論文、1999, FEMS Immunol Med Microbiol. 24(2):243-50;Prellnerらの論文、1999, Microb Drug Resist. 5(l):73-82;Vriesendorpの論文、1997, J Infect Dis. 176 Suppl 2:S164-8;Shetty及びAntiaの論文、1996, Indian J Lepr. 68(1):95-104;Balasubramanianらの論文、1994, Immunobiology 191(4-5):395-401;Carbonらの論文、1994, Int J Biomed Comput. 36(1-2):59-67;Haberbergerらの論文、1991, Experientia. 47(5):426-9;Onderdonkらの論文、1990, Rev Infect Dis. 12 Suppl 2:S 169-77;Wicher及びWicherの論文、1989, Crit Rev Microbiol. 16(3):181-234;Scheld、1987, J Antimicrob Chemother. 20 Suppl A-71-85;Emslie及びNadeの論文、1986, Rev Infect Dis. 8(6):841-9;Ridgwayらの論文、1986, Lab Anim Sci. 36(5):481-5;Quimby及びNguyenの論文、1985, Crit Rev Microbiol. 12(1):1-44;Onderdonkらの論文、1979, Rev Infect Dis. 1(2):291-301;Smith、1976, Ciba Found Symp. (42):45-72、並びにTaylor-Robinsonの論文、1976, Infection. 4(1 Suppl):4-8参照)。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症の時間経過を、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%短縮するそれらの能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、細菌感染症に罹患したヒトの生存期間を少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%延長するそれらの能力について試験することもできる。更に本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、細菌感染症、好ましくは細菌呼吸器感染症に罹患したヒトの入院期間を少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%短縮するそれらの能力について試験することができる。当業者に公知の技術を使用し、in vivoにおける本発明の抗体、組成物、又は本発明の併用療法の機能を分析することができる。
真菌感染症を予防、管理、治療又は改善するための本発明の抗体、組成物、又は併用療法の効能を、そのような感染症の動物モデルにおいて評価することができる。カンジダ感染症、接合真菌症、カンジダ乳腺炎、潜在性トリコスポロン血症を伴う進行性播種性トリコスポロン症、播種性カンジダ症、肺パラコクシジオイドミコーシス、肺アスペルギルス症、ニューモシスティスカリニ肺炎、クリプトコックス髄膜炎、コクシジオイデス髄膜脳炎及び脳脊髄血管炎、アスペルギルス・ニガー感染症、フザリウム角膜炎、副鼻腔真菌症、アスペルギルス・フミガツス心内膜炎、脛骨軟骨形成不全症、カンジダグラブラタ膣炎、口腔咽頭カンジダ症、X-連鎖慢性肉芽腫疾患、足白癬、皮膚カンジダ症、真菌性胎盤炎、播種性トリコスポロン症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、真菌性角膜炎、クリプトコッカス・ネオフォルマンス感染症、真菌腹膜炎、クルブラリア・ゲニキュラタ感染症、ブドウ球菌眼内炎、スポロトリクス症、及び皮膚糸状菌症などの真菌感染症の動物モデルが、開発されている(例えば、Arendrupらの論文、2002, Infection 30(5):286- 91;Kameiの論文、2001, Mycopathologia 152(1):5-13;Guhadらの論文、2000, FEMS Microbiol Lett.192(1):27-31;Yamagataらの論文、2000, J Clin Microbiol. 38(9):32606;Andrutisらの論文、2000, J Clin Microbiol. 38(6):2317-23;Cockらの論文、2000, Rev Inst Med Trop Sao Paulo 42(2):59-66;Shibuyaらの論文、1999, Microb Pathog. 27(3): 123-31;Beersらの論文、1999, J Lab Clin Med. 133(5):423-33;Najvarらの論文、1999, Antimicrob Agents Chemother.43(2):413-4;Williamsらの論文、1988, J Infect Dis. 178(4): 1217-21;Yoshidaの論文、1988, Kansenshogaku Zasshi. 1998 Jun:72(6):621-30;Alexandrakisらの論文、1998, Br J Ophthalmol. 82(3):306-11;Chakrabartiらの論文、1997, J Med Vet Mycol. 35(4):295-7;Martinらの論文、1997, Antimicrob Agents Chemother. 41(1):13-6;Chuらの論文、1996, Avian Dis. 40(3):715-9;Fidelらの論文、1996, J Infect Dis. 173(2):425-31;Coleらの論文、1995, FEMS Microbiol Lett. 15; 126(2):177-80;Pollockらの論文、1995, Nat Genet. 9(2):202-9;Uchidaらの論文、1994, Jpn J Antibiot. 47(10):1407-12;Maebashiらの論文、1994, J Med Vet Mycol. 32(5):349-59;Jensen及びSchonheyderの論文、1993, J Exp Anim Sci. 35(4):155-60;Gokaslan及びAnaissieの論文、1992, Infect Immun. 60(8):3339-44;Kurupらの論文、1992, J Immunol. 148(12):3783-8;Singhらの論文、1990, Mycopathologia. 112(3): 127-37;Salkowski及びBalishの論文、1990, Infect Immun. 58(10):3300-6;Ahmadらの論文、1986, Am J Kidney Dis. 7(2):153-6;Alture-Werber E, Edberg SCの論文、1985, Mycopathologia. 89(2):69-73;Kaneらの論文、1981, Antimicrob Agents Chemother. 20(5):595-9;Barbeeらの論文、1977, Am J Pathol. 86(1):281-4;並びに、Maestroneらの論文、1973, Am J Vet Res. 34(6):833-6参照)。カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・フミガツス、侵襲性肺アスペルギルス症、ニューモシスティスカリニ、肺クリプトコッカス症、シュードモナス・アエルギノーサ、クニングハメラ・ベルソレティアなどの、真菌呼吸器感染症の動物モデルがある(例えば、Arataniらの論文、2002 Med Mycol 40(6):557-563;Bozzaらの論文、2002 Microbes Infect 4(13):1281-1290;Kurupらの論文、2002 Int Arch Allergy Immunol 129(2):129-137;Horiらの論文、2002 Eur J Immuno 32(5): 1282-1291;Riveraらの論文、2002 J Immuno 168(7): 3419-3427;Vassalloらの論文、2001, Am J Respir Cell Mol Biol 25(2): 203-211;Wilderらの論文、2002 Am J Respir Cell Mol Biol 26(3): 304-314;Yonezawaらの論文、2000 J Infect Chemother 6(3):155-161;Cacciapuotiらの論文、2000 Antimicrob Agents Chemother 44(8): 2017-2022;並びに、Hondaらの論文、1998 Mycopathologia 144(3): 141-146参照)。
本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、真菌呼吸器感染症の時間経過を少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%短縮するそれらの能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、又は併用療法は、真菌呼吸器感染症に罹患したヒトの生存期間を少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%延長するそれらの能力について試験することができる。更に本発明の方法で投与される抗体、組成物、又は併用療法は、真菌呼吸器感染症に罹患したヒトの入院期間を少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%短縮するそれらの能力について試験することができる。当業者に公知の技術を使用し、in vivoにおける本発明の抗体、組成物、又は併用療法の機能を分析することができる。
更に当業者に公知の任意のアッセイを使用し、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理及び/又は改善するために、本願明細書において開示された抗体、組成物、併用療法の予防的及び/又は治療的有用性を評価することができる。
(5.7.3. 毒性アッセイ)
本発明の予防的及び/又は治療的プロトコールの毒性及び/又は有効性は、例えばLD50(集団の50%の致死量)及びED50(集団の50%の治療的有効量)の決定のような、細胞培養物又は実験動物における標準の医薬手法により決定することができる。毒性作用と治療作用の間の投与量比は、治療指数であり、これは比LD50/ED50として表すことができる。大きい治療指数を示す療法が好ましい。毒性副作用を示す療法が使用されると同時に、影響を受けていない細胞の可能性のある損傷を最小化するために、罹患組織部位へそのような薬剤を標的化する送達システムをデザインするように注意することとし、これにより副作用を軽減することができる。
ヒトでの使用のために予防的及び/又は治療的薬剤を用量範囲で製剤する際には、細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータを使用することができる。このような薬剤の用量は、毒性がほとんど又は全くないED50を含む循環血濃度の範囲内であることが好ましい。この用量は、この範囲内で、使用される剤形及び利用される投与経路に応じて変動することができる。本発明の方法で使用される任意の療法に関して、治療的に有効な投与量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。投与量は、動物モデルにおいて、細胞培養において決定されたように、IC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を実現する被験化合物の濃度)を含む範囲の循環血漿濃度を実現するように製剤することができる。このような情報を用い、より正確にヒトにおける有用な投与量を決定することができる。血漿レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。
更に、当業者に公知の任意のアッセイを使用し、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状に関する、本願明細書に開示された抗体、組成物、併用療法の予防的及び/又は治療的有用性を評価することができる。
(5.8.抗体製剤の診断用途)
IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の抗体(それらの抗体断片又は変種を含む又はあるいはからなる分子を含む)を、診断目的で使用し、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状を検出、診断、予後判定、又は経過観察することができる。本発明は、以下の工程を含む、IL-9の異常な発現の検出を提供する:(a)IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の1以上の抗体を使用し、個体から得た生物学的試料中のIL-9の発現をアッセイする工程;及び、(b)このIL-9のレベルを、例えば正常生物学的試料のようなIL-9標準レベルと比較し、これにより標準IL-9レベルと比べたアッセイされたIL-9レベルの増加又は減少は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の指標である工程。具体的な実施態様において、IL-9の異常な発現レベルは、自己免疫障害又はそれに関連した疾患もしくは状態の指標である。別の具体的な実施態様において、IL-9の異常な発現レベルは、炎症障害又は喘息のようなそれに関連した疾患もしくは状態の指標である。好ましい実施態様において、IL-9の異常な発現レベルは、RSV、PVI又はhMPVなどであるが限定されない呼吸器感染症の指標である。
好ましい実施態様において、IL-9へ免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の標識された抗体は、呼吸器感染症、好ましくはRSV感染症、PIV感染症、又はhMPVの検出、診断、予後判定、又は経過観察の診断目的に使用することができる。本発明は、以下の工程を含む、呼吸器感染症の検出法を提供する:(a)IL-9へ免疫特異的に結合する1以上の抗体を使用し、対象の細胞又は組織試料中のIL-9の発現をアッセイする工程;及び、(b)このIL-9のレベルを、例えば罹患していない正常組織試料のような対照レベルと比較し、これにより対照IL-9レベルと比べたアッセイされたIL-9レベルの増加は、呼吸器感染症の指標である工程。
本発明の液体製剤の抗体を使用し、本願明細書に開示された又は当業者に公知の古典的免疫組織学的方法を使用し、生物学的試料中のIL-9レベルをアッセイすることができる(例えば、Jalkanenらの論文、1985, J. Cell. Biol. 101:976-985;及び、Jalkanenらの論文、1987, J. Cell . Biol. 105:3087-3096参照)。タンパク質遺伝子発現の検出に有用な他の抗体-ベースの方法は、イムノアッセイ、例えば酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラジオイムノアッセイ(RIA)を含む。適当な抗体アッセイ標識物が当該技術分野において公知であり、これは、例えばグルコースオキシダーゼなどの、酵素標識物;ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(121In)、及びテクネチウム(99Tc)などの、放射性同位元素;ルミノールなどの、化学発光標識物;並びに、フルオレセイン及びローダミンなどの、蛍光標識物、並びにビオチンを含む。
本発明のひとつの態様は、動物、好ましくは哺乳類、及び最も好ましくはヒトにおける、IL-9の異常な発現に関連した疾患又は障害の検出及び診断である。ひとつの実施態様において、診断は:a)IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の標識された抗体(それらの抗体断片又は変種を含むあるいはからなる分子を含む)の有効量を、対象へ投与(例えば、非経口、皮下、又は腹腔内)する工程;b)標識された抗体が、IL-9が発現される対象内の部位において優先的に濃縮される(及び、未結合の標識された分子は、バックグラウンドレベルまでクリアランスされる)ことを可能にするよう、次の投与まである期間待機する工程;c)バックグラウンドレベルを決定する工程;並びに、d)対象において標識された抗体を検出する工程を含み、その結果バックグラウンドレベルを上回るか又は疾患もしくは障害を伴わない対象において観察されたレベルを上回るような標識された抗体(それらの抗体断片を含む)の検出は、その対象が、IL-9の異常な発現に関連した特定の疾患又は障害を有することの指標である。バックグラウンドレベルは、検出された標識された分子の量を、特定システムに関して予め決定された標準値と比較することを含む様々な方法により決定することができる。IL-9の異常な発現は、特にリンパ腫及び骨髄腫細胞型で生じ得る。呼吸器感染症のより鑑別的診断は、医療担当者が、より早く予防手段又は積極的治療を利用し、これにより感染症の発生を、更には進行を予防することを可能にする。
当該技術分野において、対象のサイズ及び使用される造影システムは、診断画像を作製するために必要な造影部分の量を決定することは理解されるであろう。放射性同位元素部分の場合、ヒト対象に関して、注入される放射能の量は通常、99Tc約5〜20mCiであろう。その後標識された抗体は、特異的タンパク質を含む細胞の位置へ優先的に蓄積する。In vivo腫瘍造影は、S. W. Burchielらの著書「放射性標識化抗体、及びこれらの断片の免疫薬物動態学(Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments)」(腫瘍画像化;癌の放射化学的検出(Tumor Imaging: The Radiochemical Detection of Cancer)、S.W. Burchiel及びB. A. Rhodes編集、Masson Publishing Inc. (1982)の13章)に説明されている。使用される標識物の種類及び投与様式を含むいくつかの変数に応じて、標識された分子が優先的に対象の部位で濃縮されることができ、かつ未結合の標識された分子がバックグラウンドレベルまでクリアランスされることが可能な次の投与までの期間は、6〜48時間、6〜24時間、又は6〜12時間である。別の実施態様において、次の投与までの期間は、5〜20日間又は5〜10日間である。
ある実施態様において、疾患又は障害の経過観察は、例えば初回診断の1ヶ月後、初回診断の6ヶ月後、初回診断の1年後などに、疾患又は障害の診断のための方法を繰り返すことにより実行される。
標識されたIL-9抗体の存在は、in vivoスキャニングに関する当該技術分野において公知の方法を用い、患者において検出することができる。これらの方法は、使用される標識の種類によって左右される。当業者は、特定の標識を検出するのに適した方法を決定することができるであろう。本発明の診断法において使用することができる方法及び装置は、コンピュータ断層撮影(CT)、陽電子(position)放出断層撮影(PET)、磁気共鳴画像診断(MRI)、及び超音波などの全身スキャニングを含むが、これらに限定されるものではない。
具体的な実施態様において、IL-9抗体は、放射性同位元素により標識され、放射線反応型手術装置(Thurstonらの特許、米国特許第5,441,050号)を用い患者において検出される。別の実施態様において、IL-9抗体は、蛍光化合物で標識され、及び蛍光反応走査装置を用い患者において検出される。別の実施態様において、IL-9抗体は、陽電子放出金属により標識され、陽電子放出断層撮影を用い患者において検出される。更に別の実施態様において、IL-9抗体は、常磁性標識物により標識され、磁気共鳴画像診断(MRI)を用い患者において検出される。
本発明の抗体(それらの抗体断片又は変種を含むあるいはそれらからなる分子を含む)は、細胞株及び生物学的試料のそれらのIL-9発現又はIL-9受容体発現による免疫表現型決定に使用することができる。細胞集団(IL-9及び/又はIL-9受容体を発現している、特に免疫細胞、すなわちT及びBリンパ球、マスト細胞、好酸球、マクロファージ、好中球及び上皮細胞)、又はIL-9受容体について、本発明の液体製剤の抗体、断片又は変種を用いスクリーニングするために、様々な技術を利用することができ、並びに抗体-被覆した磁気ビーズを使用する磁気分離、固形マトリックス(すなわちプレート)に結合した抗体による「パンニング」、、及びフローサイトメトリー(例えば、米国特許第5,985,660号;及び、Morrisonらの論文、Cell, 96:737-49 (1999)参照)を含む。
これらの技術は、血液学的悪性疾患において認められるもののような細胞(すなわち急性白血病患者における微小残存病変(MRD))及び移植片-対-宿主反応疾患(GVHD)を予防するための移植時の「非-自己」細胞などの、特定の細胞集団のスクリーニングを可能にする。あるいは、これらの技術は、ヒト臍帯血中に認められるような、増殖及び/又は分化することが可能である造血幹細胞及び前駆細胞のスクリーニングを可能にする。
(5.9. キット)
本発明は、本発明の液体製剤で満たされた1以上の容器を備える、医薬パック又はキットを提供する。具体的な実施態様において、本発明の液体製剤は、異種タンパク質、異種ポリペプチド、異種ペプチド、巨大分子、小分子、マーカー配列、診断もしくは検出可能な薬剤、治療的部分、薬物部分、放射性金属イオン、二次抗体、及び固相支持体を含むが限定されない、別の部分へ組換えにより融合された又は化学的に複合された抗体(それらの抗体断片を含む)を含む。本発明は、1以上の第一の容器中の本発明の液体製剤、並びに1以上の第二の容器中の、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理又は治療するのに有用な1以上の他の予防的又は治療的薬剤を備える、医薬パック又はキットも提供する。好ましい実施態様において、本発明の液体製剤は、滅菌した液体として、10mMヒスチジン緩衝液(pH6.0)及び150mM塩化ナトリウムを含有する単回投与量バイアル中に製剤される。各溶液1.0mLは、IL-9抗体(それらの抗体断片を含む)100mg、ヒスチジン1.6mg及び塩化ナトリウム8.9mgを含む。製造過程において、製剤緩衝液のpHは、塩酸を用い、6.0に調節される。本発明の製剤は、目標容積1.2mLで、3ccのUSPのI型ホウケイ酸ガラス褐色バイアル(West Pharmaceutical Serices−部品番号6800-0675)中で供給することができる。任意に、このような容器(複数)は、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により規定された形式の注意書きを伴い、この注意書きは、ヒト投与に関する製造、使用又は販売の監督官庁による承認を反映するものである。
本発明は、前述の方法において使用することができるキットを提供する。ひとつの実施態様において、キットは、1以上の容器中に本発明の液体製剤を含む。別の実施態様において、キットは、1以上の容器中に本発明の液体製剤、並びに1以上の別の容器中に、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理又は治療に有用な1以上の他の予防的又は治療的薬剤を備える。具体的な実施態様において、該液体製剤に含まれる抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又は抗原結合断片である。代わりの態様において、該液体製剤に含まれる抗体(それらの抗体断片を含む)は、4D4、4D4 H2-1 D11、4D4com-XF-9、4D4com-2F9、7F3、71 A10、7F3 22D3、7F3com-2H2、7F3com-3H5、もしくは7F3com-3D4、又は抗原結合断片ではない。好ましくは更にキットは、障害の予防、治療、管理、又は改善(例えば、本発明の液体製剤を、単独で、又は他の予防的又は治療的薬剤と組合せて使用する)に加え、投与法の副作用及び用量情報に関する説明書を含む。
(5.10. 製品)
本発明は、完成され、包装され及びラベルが付けられた医薬品も包含している。この製品は、ガラスバイアルのような適当なボトルもしくは容器又は密封される他の容器中の、適当な単位剤形を含む。非経口投与に適した剤形の場合、活性成分、例えば、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する本発明の抗体は、滅菌され、及び粒子非含有溶液として投与されるのに適している。別の表現をすると、本発明は、各々無菌である、非経口溶液及び凍結乾燥された粉末の両方を包含し、後者は注射前に再構成されるのに適している。あるいは、この単位剤形は、経口、経皮、鼻腔内、又は外用送達に適した固形物であることもできる。
好ましい実施態様において、単位剤形は、静脈内、筋肉内、鼻腔内、経口、外用又は皮下送達に適している。従って本発明は、各送達経路に適した溶液、好ましくは無菌のものを包含している。
医薬品として、包装材料及び容器は、貯蔵及び出荷時の製品の安定性を保護するようにデザインされる。更に本発明の製品は、問題の疾患又は障害を適切に予防又は治療する方法を、医師、技師又は患者に助言する使用説明書又は他の情報資料を備える。別の表現をすると、製品は、実際の投与量、総リンパ球、マスト細胞カウント、T細胞カウント、IgE産生のモニタリング手段、及び他のモニタリング情報を含むがこれに限定されない投薬レジメンを指示又は示唆する説明手段を含む。
具体的には、本発明は、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、噴霧器、吸入器、点滴(i.v.)バッグ、封筒などの包装材料を含む製品を提供し;並びに、医薬剤の少なくとも1個の単位剤形が、該包装材料内に含まれ、ここで該医薬剤は、IL-9へ免疫特異的に結合する抗体を含有する液体製剤を含み、並びにここで該包装材料は、本願明細書に説明されたような、特定の投与量を投与し、特定の投薬レジメンを使用することにより、該抗体は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善に使用することができることの説明手段を含む。
本発明は、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、噴霧器、吸入器、点滴(i.v.)バッグ、封筒などの包装材料を含む製品を提供し;並びに、医薬剤の少なくとも1個の単位剤形が、該包装材料内に含まれ、ここで1個の医薬剤は、IL-9へ免疫特異的に結合する抗体を含有する液体製剤を含み、及び他の医薬剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する第二の異なる抗体を含有し、並びにここで該包装材料は、本願明細書に説明されたような、特定の投与量を投与し、特定の投薬レジメンを使用することにより、該薬剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善に使用することができることの説明手段を含む。
本発明は、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、噴霧器、吸入器、点滴(i.v.)バッグ、封筒などの包装材料を含む製品も提供し;並びに、各医薬剤の少なくとも1個の単位剤形が、該包装材料内に含まれ、ここで1種の医薬剤は、IL-9へ免疫特異的に結合する抗体を含有する液体製剤を含み、及び他の医薬剤は、IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体以外の予防的又は治療的薬剤を含有し、並びにここで該包装材料は、本願明細書に説明されたような、特定の投与量を投与し、特定の投薬レジメンを使用することにより、該薬剤は、IL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる疾患又は障害、自己免疫疾患、炎症疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、管理、治療、又は改善に使用することができることの説明手段を含む。
本発明は、本発明の方法により低下又は回避することができる有害作用は、自己免疫障害、炎症障害又は感染症の1以上の症状の予防、治療、及び/又は改善に使用するための製品中に梱包された情報資料に示されることを提供する。本発明の方法により低下又は回避することができる有害作用は、生命徴候異常(発熱、頻脈、徐脈、高血圧、低血圧)、血液学的事象(貧血、リンパ球減少症、白血球減少症、血小板減少症)、頭痛、悪寒、眩暈、悪心、無気力、背痛、胸痛(胸の圧迫)、下痢、筋痛、疼痛、掻痒、乾癬、鼻炎、発汗、注射部位の反応、及び血管拡張を含むが、これらに限定されるものではない。IL-9ポリペプチドへ免疫特異的に結合する抗体は、免疫抑制性であるので、延長された免疫抑制は、日和見感染症を含む、感染症のリスクを増大し得る。延長され及び持続された免疫抑制は、ある種の癌の発生のリスク増大も生じ得る。
更にIL-9ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる障害、IL-9R又はその1以上のサブユニットの異常な発現及び/又は活性に関連もしくはそれにより特徴付けられる障害、炎症疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、又は感染症(好ましくは呼吸器感染症)、又はそれらの1以上の症状の予防、治療、管理、又は改善のための使用に関する製品に梱包された情報資料は、外来タンパク質も、アナフィラキシーを含むアレルギー反応又はシトシン放出症候群を生じることを指摘している。この情報資料は、アレルギー反応は、軽度の掻痒性発疹のみを示すか、又はこれらは紅皮症、スティーブンス-ジョンソン症候群、血管炎もしくはアナフィラキシーなど、重症であるかを指摘している。この情報資料は、過敏症反応(アナフィラキシー)は、重篤であり、場合によっては致命的な過敏反応であることも指摘する。アナフィラキシーを含むアレルギー反応は、外来タンパク質が体に注入された場合に発生することがある。これらは、蕁麻疹又は発疹のような軽度の症状発現から、致命的全身反応まで幅がある。アナフィラキシー反応は、曝露直後、通常10分以内に生じる。患者は、感覚異常、低血圧、喉頭浮腫、精神状態の変化、顔面又は咽頭血管浮腫、気道閉塞、気管支収縮、蕁麻疹及び掻痒、血清病、関節炎、アレルギー性腎炎、糸球体腎炎、一過性関節炎、又は好酸球増加症を経験することがある。