JP2007527463A - 原子移動ラジカル重合法 - Google Patents

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Abstract

本発明の重合法の態様は、少なくとも一つの遷移金属触媒および原子移動ラジカル重合開始剤を最初に含む重合基材の存在下でフリーラジカル重合性モノマーを重合させることに関する。該重合基材は、還元剤を更に含むことができる。該還元剤は、最初に、または重合法中に連続または断続方式で加えることができる。該重合法は、更に、ラジカル移動性原子または基を含む化合物および酸化状態にある少なくとも一つの遷移金属触媒と、還元剤を反応させて、重合法の制御に有意に関与することがない化合物を形成することを含むことができる。本発明の態様は、ラジカル移動性原子または基を含む化合物および酸化状態にある少なくとも一つの触媒と、還元剤を反応させて、重合法を開始することおよび/または触媒活性を重合法の間中維持することを含む。

Description

発明の分野
本発明は、触媒制御重合法に関する。より直接的に、本発明の態様は、低触媒濃度を含む原子移動ラジカル重合(「ATRP」)に関する。本発明の態様は、ラジカル移動性原子または基を含む化合物および酸化状態にある少なくとも一つの触媒と、還元剤を反応させて、重合法を開始することおよび/または触媒活性を重合法の間中維持することを含む。
背景
ATRPは、最も成功した制御/「リビング」ラジカル法(CRP)の一つであると考えられるが、本明細書中に全て援用される米国特許第5,763,548号;第5,807,937号;第5,789,487号;第5,945,491号;第6,111,022号;第6,121,371号;第6,124,411号;第6,162,882号;第6,407,187号;第6,512,060号;第6,538,091号;第6,541,580号;第6,624,262号;第6,624,263号;第6,627,314号;第6,759,491号;および米国特許出願第09/534,827号;第09/972,056号;第10/034,908号;第10/269,556号;第10/289,545号;第10/638,584号;第10/860,807号;第10/684,137号;第10/781,061号および第10/992,249号などの、本出願と同じ譲受人に譲渡された一連の米国特許および出願に充分に記載されている。ATRPは、更に、共著者としての Matyjaszewski との多数の発行物に論じられ、いくつかの章に概説されている。[ACS Symp. Ser., 1998, 685; ACS Symp. Ser., 2000; 768; Chem. Rev. 2001, 101, 2921-2990; ACS Symp. Ser., 2003; 854.]これら発行物において、類似の重合が、遷移金属媒介重合または原子移動重合のような異なった名称で論じられることがありうるが、それら方法は類似していて、本明細書中において「ATRP」として論じられる。
制御ラジカル重合(「CRP」)法は、制御重合条件下においてラジカル機構によって進行する連鎖成長と共に行われる方法であり、ATRP、安定フリーラジカル重合(「SFRP」)、最も頻繁には、ニトロキシド媒介重合(「NMP」)、可逆的付加−フラグメンテーション移動(「RAFT」)または縮退移動(degenerative transfer)などの系があるが、これに制限されるわけではない。CRPの特徴は、活性ポリマー鎖と休眠ポリマー鎖との間の平衡の生成である。若干の態様において、それは、ポリマー鎖の大部分が休眠ポリマー鎖として存在する場合に好適でありうる。活性鎖と休眠鎖との間の平衡は、典型的に、慣用的なラジカル重合に相対して一層制御された連鎖成長を与える。CRP法は、単なる均一ポリマーを生じることができるが;しかしながら、活性な成長性鎖は、停止反応において反応して、一層高い多分散性を生じることがありうる。したがって、典型的に、停止反応を最小限にするには、活性な成長性種の瞬間濃度を低濃度で維持する。
CRPの場合、活性種と休眠種との間の平衡および重合法の初期の定量的開始を維持するまたは調整する能力は、適当な条件下において、特別な構造および官能性を有するポリマーの合成のための能力を可能にする。更に、所望ならば、全モノマー転化率は、未制御重合と同等の比率でありうる。制御重合法は、消費されたモノマー対開始剤の量比、ポアソン分布に近い多分散性、および官能性付加された鎖末端より概算されうる重合度を有するポリマーを製造するのに用いることができる。
本明細書中で用いられる「ポリマー」は、モノマーの化学ユニオン、典型的には、5個またはそれを超えるモノマーによって形成される高分子を意味する。ポリマーという用語は、ホモポリマーおよびコポリマーのブロックコポリマー、およびスターポリマー、ブロックコポリマー、勾配コポリマー、周期コポリマー、テレケリック(telechelic)ポリマー、ボトル・ブラシコポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、交互コポリマー、グラフトポリマー、分岐状または超分岐状ポリマー、コームポリマー、粒子表面からつながれたこのようなポリマー、更には、他のポリマー構造体を含めた、いずれかのトポロジーを有するポリマーを包含する。
ATRPは、コーティング、シーラント、接着剤、分散剤が含まれるが、健康および美容製品、エレクトロニクスおよび生物医学的用途のための材料も含めた多数の特殊材料に有意の商業的可能性を有する、最もしばしば用いられる技法である。最も頻繁に用いられるATRPは、レドックス活性遷移金属化合物によって触媒される簡単な可逆的ハロゲン原子移動に基づいている。
ATRPの若干の利点は、次の通りであり、多数の商業的に入手可能な開始剤を用いることができ、ウェファー、コロイド、ガラス、紙、およびタンパク質、DNA、炭水化物および多数の市販のポリマーを含めた生物活性分子を含めたいろいろなマクロ開始剤は、簡単に合成することができ;ATRP由来多数のポリマーは、求核置換、ラジカル付加または他のラジカル組合せ反応によって末端ハロゲンをアジド、アミン、ホスフィンおよび他の官能性で置き換えることにより、末端基の容易な官能性付加または変換を可能にし;豊富な重合性モノマーが入手可能であり;組成(ブロック、勾配、周期コポリマー)を調節する能力に、そしてポリマー立体規則性の調節にも共役した、スター、コームおよび樹状体などの複雑なトポロジーを有する高分子の生成を可能にし;そしてバルクで、または有機溶媒の存在下で、または均一または不均一条件下の水中、イオン液およびCO中で行うことができる簡単な反応を可能にする。
しかしながら、若干の用途において、ATRP重合基材中の遷移金属触媒の濃度は、最終生成物中で減少しているべきでありうる。そのことで、処理中に遷移金属の量を除去するまたは減少させるように開発されたいくつかの方法があったが、これらは、ATRPによるポリマーの製造に追加費用を与える。最終生成物中の触媒濃度を減少させるのに用いられる方法には、より活性な触媒の開発が含まれ、例えば、MeTRENで錯体形成されたCuBrは、ピリミジンリガンドで錯体形成された触媒よりも約10,000大きい活性であり;触媒は、固体状に固定されていて;ハイブリッド触媒系は、固定されたものおよび低濃度の可溶性触媒(約10〜20ppm)双方を含む。更に、触媒を濾過、沈殿または抽出によって分離することを含めた、触媒を回収し且つ再生するように開発されたいくつかの方法がある。例えば、CuBr/PMDETA錯体は、空気への暴露によってCu(II)種へと酸化し、トルエンから水へと定量的に抽出して、ポリマー中に残留する触媒を、ある場合には、<1ppm程度に少なくすることができる。したがって、触媒の濃度を減少させ、同時に、ポリマー反応速度を維持し且つMWおよびPDIの調節を保持することが要求されるし、ATRPによって生じるポリマー中の触媒濃度を減少させる一層有効な方法が要求される。
3種類の異なったATRP開始方法または活性化反応、すなわち、正常ATRP開始、「逆」ATRP開始、および正常・逆併発開始(SR&NI)ATRPが開示された。米国特許第5,763,548号および第6,759,491号を参照されたい。
典型的には、ATRP法は、遷移金属錯体を含む。その遷移金属錯体は、反復レドックス反応に関与して、ラジカル移動性原子または基を、開始剤分子または休眠ポリマー鎖P−からホモリシスで除去して、活性な成長性種P を形成後、移動性原子または基を戻すことにより、活性な成長性種P を失活させることができる(スキーム1)。
この反復付加法のための遷移金属触媒は、少なくとも部分的には、より低い酸化状態で、またはアクチベーター状態M /リガンドで存在すべきである。しかしながら、典型的には、遷移金属触媒のより低い酸化状態は、容易に酸化される。したがって、大規模バルクおよび溶液基材重合法に関連した触媒の取扱い、および痕跡レベルの酸素が除去されるべきエマルジョン法およびミニエマルジョン法には、固有の難点がある。アクチベーター(M /リガンド)対デアクチベーター(X−M n+1/リガンド)の典型的な比率は、具体的なモノマーおよび反応基材の極性、更には、他の因子で異なり、99部アクチベーター対1部デアクチベーター〜5部アクチベーター対95部デアクチベーターである。
動的平衡を維持することが可能で且つポリマー鎖と一緒に移動性原子または基を含むレドックス反応に関与する遷移金属錯体はいずれも、ATRPにおいて触媒として用いることができ、多数の例は、引用された技術分野で論じられている。適する平衡は、酸化状態、適するリガンドでの錯体形成、および得られた錯体のレドックス電位の検討後に形成されて、広範囲のコモノマーの所望の(共)重合のために触媒を与えることができる。広範囲のリガンドが、異なった溶解性、安定性および活性を示す遷移金属触媒錯体を製造するために開発された。
正常ATRP開始
典型的に、ATRP法は、1個またはそれを超える移動性原子または基を含む開始剤と、リガンド、溶媒分子またはモノマーで錯体形成された、より低い酸化状態で遷移金属塩を含む触媒錯体との間のレドックス反応によって開始する。移動性原子または基は、触媒によって開始剤からホモリシスで切断され、それによって、より高い酸化状態へと触媒を酸化し、そしてモノマー付加を可能にする活性な成長性種を形成することができる原子または基である。開始後、ATRP法は、概して、レドックス反応による類似のホモリシス原子または基移動によってポリマー鎖を可逆的に活性化し且つ失活させる遷移金属錯体間の動的平衡に基づいている。(スキーム1)動的平衡中に、遷移金属錯体は、より低い酸化状態とより高い酸化状態との間を循環する。
正常ATRP開始の利点には、加えられた開始剤が、各々のポリマー鎖を開始し且つ引き続き繰り返し停止するのに必要な移動性原子または基を包含するので、重合法の他の成分によって追加の移動性原子または基を加える必要がないということが含まれる。したがって、より低い酸化状態にある充分な遷移金属錯体を加えることは、その処理に適する触媒活性を与える。「適する触媒活性」により、重合は、所望の性状を有するポリマーを生じる適当な熱調節で所望の重合度へと反応を推進するのに必要な一定量の触媒を含むということを意味する。典型的に、ATRP法は、停止反応による触媒活性損失を全て補償するのに充分な触媒量を必要とする。
ATRP触媒は、遷移金属の性状、リガンド、および反応基材の温度および極性、更には、他の因子に基づいて触媒活性が異なることがありうる。概して、より活性な触媒は、それらのより低い酸化状態において酸化的安定性に劣る。この酸化的不安定性ゆえに、より低い酸化状態にある活性触媒は、取扱いが一層困難であり;例えば、痕跡レベルの酸素または他の酸化体は、より低い酸化状態にある活性触媒の添加前に重合基材から除去して、より高い酸化状態デアクチベーターへと触媒が転化されないようにすべきである。
逆ATRP開始
逆ATRPでは、より高い酸化状態にあるより安定な触媒錯体を、重合基材に加えることができる。概して、遷移金属錯体のより高い酸化状態は、一層低費用で且つ一層酸化的に安定な状態の錯体であり、しばしば、空気の存在下で貯蔵することができる。
逆ATRPでは、正常ATRPとは反対に、移動性原子または基が、より高い酸化状態にある遷移金属塩または遷移金属錯体上の対イオンまたはリガンドとして始まる。次に、「逆ATRP」反応は、標準的なフリーラジカル開始剤の分解などによる既知の方法によるラジカルの発生によって開始するが、それは、より高い酸化状態遷移金属とのレドックス反応に直接的に関与して、より低い酸化状態の遷移金属錯体と、ATRP反応の開始に適する移動性原子を含む分子を形成するかまたは、それは、より高い酸化状態にある遷移金属錯体によって速やかに失活する重合を開始することができる。典型的に、逆ATRP法は、適当な濃度のラジカル移動性原子または基を反応に導入して、制御重合を維持することおよび所望の分子量のポリマーを高モノマー−ポリマー転化率で得ること双方を行うために、高い触媒濃度を必要とする。
更に、典型的な逆ATRP法は、狭い温度範囲で開始して、標準的なフリーラジカル開始剤の有効な熱分解を確実にして、触媒錯体を還元し且つ低い多分散性を有するポリマーを生じるべきである。更に、最初のラジカルは、正常ラジカル開始剤によって与えられるので、正常開始の場合より複雑な構造のホモテレケリック(homo-telechelic)ポリマー、ブロックまたはグラフトコポリマーを製造することは容易ではない。
SR&NI ATRP
SR&NI重合法は、原子移動ラジカル重合のための二重開始系を含む。その開始系は、標準的なフリーラジカル開始剤および移動性原子または基を含む開始剤双方の側面を含む。二重開始系は、ホモポリマー、ランダム、統計的、勾配、交互のコポリマー、ブロック、グラフト、分岐状または超分岐状、スター、コームおよびボトル・ブラシ、更には、他のポリマー構造体などがあるがこれに制限されるわけではない、ATRPによって製造することができるいずれかのタイプのポリマーを製造するのに用いることができる。
しかしながら、SR&NI重合での重合は、二つの異なった開始剤から進行する。若干の態様において、これは望ましいことがありうる。例えば、一つの開始剤が、「正常」で開始されるATRPでブロックコポリマーを形成するのに用いられるマイクロ開始剤であるとしても、「逆ATRP」で活性触媒錯体を形成するのに加えられる慣用的なラジカル開始剤は、若干の用途に望ましくない副生成物と考えられることがありうるホモポリマーを形成するであろう。
したがって、このような制限を免れる改善されたATRP法が要求される。
要旨
本発明の重合法の態様は、少なくとも一つの遷移金属触媒および原子移動ラジカル重合開始剤を最初に含む重合基材の存在下でフリーラジカル重合性モノマーを重合させることに関する。その重合基材は、還元剤を更に含むことができる。還元剤は、最初に、または重合法中に連続または断続方式で加えることができる。重合法は、更に、ラジカル移動性原子または基を含む化合物および酸化状態にある少なくとも一つの遷移金属触媒と、還元剤を反応させて、重合法の制御に有意に関与することがない化合物を形成することを含むことができる。
本発明の態様において、還元剤は、酸化状態にある遷移金属錯体を還元して、例えば、停止反応を補償するのに用いられる。したがって、本発明の方法の態様において、重合速度を維持し且つ重合基材中の遷移金属の全濃度を減少させるには、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比は、0.25未満であってよく、若干の態様において、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比は、0.1未満であってよく、そして好ましくは、若干の態様は、0.05未満または0.02でもある、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比を含むことができる。
本発明の重合法の態様は、バルク重合法、溶媒中で行われる重合法、エマルジョン重合法、ミニエマルジョン重合法、マイクロエマルジョン法、逆エマルジョン重合法および懸濁重合法を包含する。このような方法において、エマルジョン重合法は、更に、懸濁媒;界面活性剤;およびラジカル重合性モノマーの少なくとも一部分を含むモノマー相の内の少なくとも一つを含むことができる。
本明細書および特許請求の範囲中で用いられる単数形は、その内容がそれ以外に明示されなければ、複数の意味を包含するということに留意すべきである。したがって、例えば、「ポリマー」という意味には、2個以上のポリマーが含まれてよい。
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲中で用いられる成分の量、時間、温度などを表す全ての数字は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されると理解されるはずである。したがって、それに反して示されない限り、次の明細書および特許請求の範囲に示される数値パラメーターは、本発明によって得ることが求められる所望の性状に依存して異なることがありうる近似値である。少なくとも、そして特許請求の範囲に対する均等論の原則の適用を制限する試みとしてではなく、数値パラメーターは各々、少なくとも、報告された有効桁数に照らして且つ常套の四捨五入法を適用することによって解釈されるはずである。
本発明の広い範囲を示している数値の範囲およびパラメーターが近似値であるということにもかかわらず、具体的な実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、本質的に、それぞれの検査測定値で見出される標準偏差によって必然的に生じる若干の誤差を含有することがありうる。
本発明が、本明細書中に開示される具体的な組成物、成分または処理工程に制限されないということは理解されるはずであり、それ自体、異なっていてよい。更に、本明細書中で用いられる専門用語は、具体的な態様を記載するためのものであり、制限するものではないということは理解されるはずである。
本発明の態様の説明
本発明の重合法の態様は、少なくとも一つの遷移金属触媒と、原子移動ラジカル重合開始剤を最初に含む重合基材の存在下でフリーラジカル重合性モノマーを重合させることに関する。その重合基材は、還元剤を更に含むことができる。その重合法は、更に、ラジカル移動性原子または基を含む化合物および酸化状態にある少なくとも一つの遷移金属触媒と、還元剤を反応させて、重合法の制御に有意に関与することがない化合物を形成することを含むことができる。若干の態様において、重合法の制御に有意に関与することがない化合物は、制御された重合法に関与しうるラジカル移動性原子または基を含んでいない。
本発明において、還元剤は、酸化状態にある遷移金属錯体を還元して、実質的に不可逆的な反応においてアクチベーター状態の遷移金属触媒を形成することができる。遷移金属の還元が重合を開始する態様を、「電子移動由来アクチベーター(Activator Generated by Electron Transfer)」ATRP(「AGET」または「AGET ATRP」)と称する。AGET ATRPは、安定な触媒前駆体の本質的に非ラジカル形成性の活性化の意味を含むことができる。次に、アクチベーター状態の遷移金属触媒は、ラジカル移動性原子または基を有する化合物との可逆的レドックス反応を行って、成長性の活性ポリマー鎖を形成することができる。還元剤は、更に、ラジカル移動性原子または基を有する化合物と直接的に反応して、実質的に不可逆的な電子移動反応において成長性の活性ポリマー鎖を形成することができる。この場合、より高い酸化状態にある遷移金属錯体は、その成長性の活性ポリマー鎖と反応して、可逆的レドックス反応によって休眠ポリマー鎖を形成することができる。更に、還元剤を、ATRP法の最後に加えて、より高い酸化状態にある遷移金属触媒錯体を活性化させて、後重合反応を可能にすることができる。
原子移動ラジカル重合法において、重合速度は、アクチベーター状態の遷移金属触媒対デアクチベーター状態の遷移金属触媒のモル比に比例する。しかしながら、活性な成長性ポリマー鎖間の停止反応のために、重合法中にデアクチベーター状態の遷移金属錯体の量の増加がありうる。典型的に、ATRP法の場合、アクチベーター状態にある過剰の遷移金属触媒は、デアクチベーター状態の増加を補償するために加えられると考えられる。しかしながら、本発明の方法では、還元剤は、デアクチベーター状態の遷移金属触媒と反応するのに用いられ、それによって、デアクチベーター状態の触媒の量を減少させ且つ重合速度の低下を遅らせることができる。したがって、還元剤を用いて、アクチベーター対デアクチベーターの比率を維持し、それによって、遷移金属触媒の全濃度を減少させることができる。
本発明のATRPの態様は、酸化状態にある遷移金属錯体の還元のための還元剤を含むが、還元反応後、その還元剤は、活性な成長性種、有効なATRP触媒またはATRP開始剤を形成することはない。新しい鎖を開始することが可能なラジカルの形成を本質的に伴うことなく還元反応を行う還元剤は、用いることができる。AROPに用いられる2−エチルヘキサン酸スズ(Sn(2EH))は、本発明の態様において用いることができるいくつかの可能な還元剤の一つである。Sn(2EH)は、Cu(II)をCu(I)へと還元することができる。(スキーム3)
このような態様において、各々の還元剤が、重合基材の能力について異なった還元速度を有することは、望ましいことがありうる。したがって、本発明の態様では、還元剤を用いて、酸化状態にある遷移金属錯体を還元して、例えば、停止反応を補償する。遷移金属の還元を用いて、重合中に触媒アクチベーターを触媒デアクチベーターから再生する態様を、「電子移動由来再生アクチベーター(Activator ReGenerated by Electron Transfer)」ATRP(「ARGET」または「ARGET ATRP」)と称する。したがって、重合基材中の遷移金属の全濃度を減少させることができ、本発明の態様における遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比は、0.25未満であってよく、若干の態様において、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比は、0.1未満であってよく、そして好ましくは、若干の態様は、0.05未満または0.01未満でもある、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比を含むことができる。
或いは、本発明の重合法の態様は、1000rpm未満のまたは100ppm未満もの濃度の遷移金属触媒を重合基材中に含むことができ、若干の態様において、重合基材中の遷移金属触媒の濃度は、50ppm未満であってよい。重合基材中への塩基または過剰のリガンドの添加は、還元反応を助けることができる。
他の還元剤も、ATRP反応中のデアクチベーターまたは永続性ラジカルの濃度を減少させ、それによって、反応速度を増加させるのに用いられてきた。ATRP法は、アクチベーターの濃度が低下するにつれて減速することがありうるし、そして全てのアクチベーターが、停止反応によってデアクチベーターへと転化されるならば、停止するであろう。糖は、第二銅塩の還元剤として知られてきた。Cramer, W. Proc. Chem. Soc. 1914, 30, 293 を参照されたい。いろいろな還元性単糖は、ブチルメタクリレートのATRPの速度に作用する。本明細書中にそのまま援用される de Vries, A.; Klumperman, B.; de Wet-Roos, D.; Sanderson, R.D. Macromol. Chem. Phys. 2001, 202, 1645-1648 を参照されたい。還元剤の添加は、ある場合には、重合速度の100%増加を伴って、ATRPの重合速度に影響を与えることが分かった。これら知見について可能な説明は、成長するラジカル失活させるCu(II)種の部分をCu(I)へと還元し、それによって、活性鎖と休眠鎖との間の平衡を、得られた反応速度の増加で、前者の方向にシフトさせる還元糖の能力である。Klumpermann et al., は、この反応が、反応中のデアクチベーターを全て還元するのに用いられうるということを示唆しなかった。その系は、完全に制御されたし、しかもこれら有機還元剤は、形成されたポリ(ブチルメタクリレート)の分子量、分子量分布にほとんど作用しないし、しかもそれらポリマーは、1.2より充分に低いままの多分散性指数を有した。このような糖は、触媒と有意に相互作用することはないし、それと一緒に副生成物(錯体)を形成することはあり得ないし、そして還元活性は、反応基材中への糖の低溶解性によって少なくとも部分的に低下する。したがって、これら糖は、触媒を完全に還元することはないが、成長速度を増加させることに成功し、したがって、反応への制御を保持した。
米国特許第6,310,149号は、フェノールをATRP法に加える場合に注目された重合速度の増加を記載している。フェノールは、Cu(II)種を還元し且つ逆ATRPを開始するように作用することができる。本明細書中にそのまま援用される Gnanou et al., Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry 2004, 42, 351-359 を参照されたい。しかしながら、マクロ開始剤を、フェノールで活性化される逆ATRPにおいてATRP開始剤として用いた場合、ポリマーは、2モード分子量分布を示したので、低分子量ピークの形成を引き起こす副反応があったかもしれないと結論づけられた。それら結果についての機構は考えられなかったが、低分子量ピークは、その系におけるフェノキシラジカルからの重合のためであるという可能性がある。
フリーラジカル連鎖移動剤であるオクタンチオールの添加も、ATRP法の速度の増加を引き起こした。オクタンチオールは、ジスルフィドへのチオールの酸化の結果として、Cu(II)の濃度を減少させたかもしれない。本明細書中にそのまま援用されるHeuts, J. P. A. et. al. Macromol. Chem. Phys. 1999, 200, 1380-1385 を参照されたい。
ルイス酸、金属ハロゲン化物、アセチルアセトネート、およびカンフルスルホン酸などの他の有機酸の添加によってATRP法の速度を増加させる方法は、開示された。好適なルイス酸には、アルミニウム錯体化合物、金属ハロゲン化物、例えば、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化リチウム、三塩化鉄、三フッ化ホウ素が含まれる。好適なアルミニウム化合物は、メチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル)フェノキシドである。増加速度についての機構は示唆されなかったし、それら反応が、逆ATRPを活性化するのに用いられうるということも示唆されなかった。本明細書中に援用されるWO00/47634号を参照されたい。
還元剤での先の重合の内で、ATRPに可能な機構を決定することに着手したものはなかったし、しかも還元剤を用いて、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比を減少させることができるということは示唆されていない。事実、典型的には、それら方法は、1に等しいまたはそれより大の、遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比を必要とした。
本発明の還元剤は、ATRP法の開始反応に用いることができる。還元剤は、酸化状態にある遷移金属錯体と反応して、アクチベーター状態の遷移金属触媒を形成することができるし、またはラジカル移動性原子または基を有する化合物と直接的に反応して、実質的に不可逆的な電子移動反応において成長性の活性ポリマー鎖を形成して、本発明の態様を開始することができる。還元剤は、デアクチベーター状態の遷移金属の増加ゆえに、重合速度の低下について、開始および補償双方の反応に関与することができる。若干の態様において、重合基材中には、二つまたはそれを超える異なった還元剤が存在してよい。一方の還元剤は、主に、重合法の開始に関与することができ、そして第二還元剤は、主に、アクチベーター状態の遷移金属触媒の増加を補償することができる。
いろいろな遷移金属錯体の還元力が知られており[Lingane, J. J., Chem. Rev.; 29 1 1941: Vlcek, A. A., Coord. Chem. Rev. 43 39, 1982; van Gaal, H. M. L., van der Linden, J. G. M., Coord. Chem. Rev. 47 41 1982]、ATRP反応のための触媒として選択される遷移金属錯体を、好ましくは、重合法に更に有意に関与することなく還元することができる錯体を選択すべきであるにすぎない。異なった遷移金属錯体は、同じ試薬によって異なった程度に還元することができる。
モノマー/触媒錯体前駆体のいくつか代表的な組合せが、バルク重合を例示して論じられているが、スチレン/CuCl/dNbpy、オクタデシルメタクリレート/CuCl/dNbipy、メチルメタクリレート/CuCl/PMDETA、n−ブチルアクリレート/CuBr/PMDETAおよびメチルアクリレート/CuCl/MeTRENが含まれ、そこにおいて、本発明の方法の態様の広範な応用性を示している。これら重合は、全ての系について制御方式で進行して、調節された重合度および狭い分子量分布を有する充分に規定されたポリマーを生じ、それによって、AGET ATRPの強靱な性質を決定した。AGET ATRPの強靱な性質も、二相系において、多官能性開始剤から、スター、スターブロックコポリマー、ハイブリッド材料およびブラシコポリマーを高収率および高転化率で形成する種々のモノマーの重合によって例示される。
示唆された機構によって制限されたくはないが、スキーム4は、本重合法の態様について考えられる機構を示し、しかも初期重合基材中に存在する全成分を斜体で示している。スキーム4は、全ての試薬を、還元剤の添加前に反応に加えることができるということ、および還元剤をいったん加えたら、正常ATRP反応が起こりうるということを示している。
本発明の方法の態様は、酸化的に安定な遷移金属錯体を、本質的には、非ラジカル形成性還元剤によって、所望の程度に還元する重合を包含し、しかもより高い酸化状態の遷移金属錯体上のラジカル移動性原子または基と相互作用する還元剤は、そのラジカル移動性原子が、より低い酸化状態遷移金属触媒錯体によって容易に引き離され得ない種を含む分子を形成する、すなわち、より高い酸化状態遷移金属錯体上の前者リガンドまたは対イオンは、還元剤上に活性置換基を形成することがない。これは、トリフラートまたはオキシドのようなラジカル移動性対イオンを有していない遷移金属還元剤の選択によって達成することができるし、またはハロゲン対イオンが存在する場合、何等かの試薬で、急速脱ハロゲン化水素が起こる場合にこれを達成することができる。追加の塩基は、追加のN含有リガンドの形でありうる。
還元反応は、選択的に、現場でまたは所望ならば、反応基材への触媒錯体の添加前に行うことができる。適当な条件は、下に注記されるように、遷移金属化学についての還元反応速度論を検討することによって決定することができるし、または多官能性マクロ開始剤を用いた反応を行った後、生成物のGPC分析を行うことによって有効にすることができる。単一モードMWDが生じるはずである。(下の実施例10、実験KM241による図3bを参照されたい。)この方法では、正常ATRP反応を行った場合と同じ生成物が得られるが、この場合、反応は、非ATRP開始剤形成によるデアクチベーターの活性化、還元反応、すなわち、形成されたアクチベーターおよび加えられた開始剤分子または活性表面による反応の正常開始後に開始する。この手順は、開始剤の存在下において、そして下記のように、場合により、溶解した酸素の存在下において、一層安定なより高い酸化状態にある反応基材に触媒錯体を加えることの利点または自由に加えて、正常ATRP開始重合の利点を全て有する。ある場合には、還元剤を表面に取り付けることができる。
本発明の方法の態様は、安定なミニエマルジョンが、重合を開始する前に、高剪断力、通常は、音波処理(sonification)の助けを借りて生じることから、ミニエマルジョン系において特に好都合である。音波処理は、重合した基材中の溶解した酸素の濃度を増加させることができる。このような方法では、遷移金属触媒の酸化を免れ、それによって、音波処理中のアクチベーターの濃度を調節することは一層困難である。
ミニエマルジョン重合法において、モノマー小滴は、水性分散またはエマルジョン重合中のモノマー輸送に関連した問題を最小限にする。ミニエマルジョン小滴は各々、「ミニバルク」系のように挙動する。ミニエマルジョンで成功したATRPを行うためには、開始剤、モノマーおよび双方の酸化状態の触媒を含めた各々の成分が、全体の重合のために、モノマー小滴内部で安定なままであるべきである。安定なミニエマルジョンは、重合を開始する前に、高剪断力の助けを借りて生じる。音波処理手順は、活性化Cu1+錯体が、溶解した酸素に感受性であることから、直接ATRPについて問題を与える。逆ATRPおよびSR&NIは、ミニエマルジョン重合に適用されたが、比較実験で示されるように、逆ATRPは、音波処理中の触媒酸化が、あまり挑発的でないことから、ミニエマルジョンに一層適応可能である。しかしながら、逆ATRPには、ある程度制限があり、触媒の量は、独立して減少させることができないし、しかも加えられたCu2+錯体が移動性原子源を与えることから、ラジカル開始剤に匹敵する濃度で存在すべきである。更に、ブロックコポリマーは、逆ATRPを用いて合成することが難しいが、それは、これが、マクロフリーラジカル開始剤の製造および使用を必要とすると考えられるからである。これら問題は、逆・正常併発開始(SR&NI)法の開発によって部分的には解決された。この方法では、ATRP開始剤、すなわち、アルキルハライドまたはハロゲン末端付きマクロ開始剤を、慣用的なラジカル開始剤と一緒に反応に加える。それらは双方とも、ATRP平衡に寄与するので、触媒の相対量を劇的に減少させることができるし、ブロックコポリマーの合成を達成することができる。実際上、SR&NIは、バルクおよびミニエマルジョン双方の方法において、有意に減少した濃度の触媒で、ホモポリマー、ブロックコポリマー、スター・ブロックコポリマーおよび勾配コポリマーの製造に成功した。もう一方において、SR&NI法は、ブロックおよびグラフトコポリマーを合成するのに用いられた場合、固有の欠点を示した。(SR&NIによって製造された材料の分析については図1および図2を参照されたい且つAGET ATRPによって製造された材料の分析を示している図4および図5と比較されたい)この欠点は、安定な高酸化状態触媒錯体を還元する慣用的なラジカル開始剤の使用に由来したが、それは、最初に生じたフリーラジカルに基づく新しい開始性種を導入していた。これらフリーラジカルは、第二モノマーだけから成るホモポリマー鎖を生じ、それは、マクロ開始剤からのブロックコポリマーの成長と拮抗した。したがって、最終生成物は、所望のブロックコポリマーに加えて、ホモポリマーの一部分を含有した。得られた材料の組成を評価するために、ブロック共重合を行い、最終生成物の組成を2Dクロマトグラフィーによって分析した。
AGET ATRPは、反応基材への多官能性マクロ開始剤、または表面上に開始剤を含む固体粒子の添加を、懸濁媒中への分散の前に行うことを可能にする。もう一つの改善は、アクチベーターを還元剤によって生じることであり、したがって、開始および成長の反応速度は、還元剤の添加速度/量または組成によって変わることがありうる。この方法において、ATRPの速度は、還元剤の添加でCu(I)/Cu(II)比を調整することによって、重合の間中、一定に制御することができる。(スキーム5)
ATRP重合の速度方程式、スキーム5は、重合速度(R)は、反応中に存在する遷移金属触媒の絶対量ではなく、アクチベーターM (n)対デアクチベーターM (n+1)のモル比に比例するということを示している。したがって、ATRP重合の速度は、アクチベーター対デアクチベーターの比率に比例する。したがって、アクチベーター対デアクチベーターの比率を維持することができる場合、ATRP重合は、速度に影響を与えることなく、低濃度の全触媒量で作業しうると考えられる。しかしながら、ビラジカル停止反応ゆえに、アクチベーターは、デアクチベーターへと転化され、したがって、アクチベーター対デアクチベーターの比率を減少させて、反応を減速させる、そしてことによると、最後には停止させるかもしれない。したがって、慣用的なATRPにおいては、充分に過剰なアクチベーターを加えて、この問題を克服し且つ反応を完了させた。反応に加えられる触媒の量は、停止反応の濃度を有意に超えるが、典型的には、開始剤の1〜10モル%である。停止反応を補償するのに必要な高濃度の触媒は、ATRPに必要な触媒の量が、遷移金属錯体を反応から除去する問題を与えるという確信をもたらした。
Sn(II)とのCu(II)錯体を還元することを含むMMAのバルク重合の態様において、異なった濃度およびSn(II)錯体対Cu(II)比率を用いて、重合速度および反応の制御レベルを変更することができる。実際上、この第二遷移金属は、過剰におよび/または適当な比率で加えられた場合、反応の間中、連続的にCu(II)を還元し、それによって、重合法の間中、反応速度を維持するまたは増加させる。メチルメタクリレート(MMA kp=2 10mol−1Ls−1)およびn−ブチルアクリレート(BA kp=5 10mol−1Ls−1)の、80℃でほぼ完全に転化するための比較的有効なデアクチベーター(MMAについてkda=10mol−1Ls−1およびBAについてkda=10mol−1Ls−1)について、2000の重合度および1.2のPDIを有するポリマーを得るのに必要なCu(II)種の最小濃度は、MMAについては僅か2.5 10−5mol/LおよびBAについて6 10−5mol/Lであると推定される。これは、モノマー(5mol/L)に対して5ppmおよび12ppmのCu(II)に相当する。これら値は、僅か1000の重合度を有するポリマー(MW約100,000)について、5倍も小さい(それぞれ、1ppmおよび2ppm)と推定される。
したがって、銅濃度は、速度を減少させることなく、ppmレベルへと有意に減少させうるが、同時に、分子量および官能性の調節を保存しうると考えられる。触媒のこのような減少を妨げる唯一の問題は、活性化Cu(II)種を全て消費すると考えられる停止反応である。したがって、この問題は、調節に必要な量を超えて形成されるいずれかのCu(II)種が、所望のCu(I)状態へと再生されうるならば、解決されうると考えられる。
重合の間中、重合速度を維持するために、還元剤は、推定の停止連鎖の場合を超えるモル濃度で加えるべきである。上記のスキーム4および5についての充分な理解と共に、この考察から得ることができる予想外の結論は、低濃度の遷移金属触媒と還元剤を加えて、アクチベーター対デアクチベーターの比率を維持することができるということである。選択的に、何等かの態様について、この還元反応または再活性化法は、連続方式で行われるであろうし、そして比較的一定のアクチベーター対デアクチベーター比を維持することができる。若干の態様において、第二薬剤を用いることができるが、一方は、酸化された遷移金属触媒を活性化する還元剤であり、第二は、所望のアクチベーター対デアクチベーター比を維持する還元剤である。そのままで、二つの還元剤が異なった還元速度を有することは、望ましいことがありうる。初期触媒アクチベーターを形成する最初の還元は、遷移金属触媒およびATRP開始剤を速やかに活性化するために比較的速く且つ有効であることが望まれることがありうるが、第二還元剤は、停止反応の速度に対応して、より低い還元速度を有し、それによって、所望の反応速度を維持することができる。第二還元剤は、連続方式で遷移金属錯体を還元することができる。本発明の方法の態様は、更に、還元剤を重合法に加えることを包含し、ここにおいて、酸化状態の遷移金属触媒の還元剤の還元速度は、重合速度の変化を引き起こす。還元剤の還元速度は、重合の初期速度の増加かまたは低下を引き起こすことがありうる。態様は、更に、三つ以上の異なった還元剤を加えることを包含することができる。
停止反応の数は、異なった(コ)モノマーについて異なることがありうるので、異なった還元剤で、または個々の共重合各々について第一還元剤の添加速度を監視することによって、この第二連続還元を制御することは望ましいことがありうる。例えば、約ΔP=4 10−4mol/Lの連鎖は、kt=10mol−1Ls−1を仮定して、MMAについて停止し、BAについては10−6mol/Lのはずである。これら値は、DP=200およびDP=1000の8%を標的とする場合、MMAの全連鎖の約2%である。停止連鎖の割合は、BAの1%よりはるかに小さい。
本発明者は、したがって、反応への低レベルの遷移金属触媒の添加を可能にする方法を提供している。例えば、上の実施例において、MMA重合についてDP=1000を標的として慣用的なATRPに典型的に加えられる触媒錯体の8%未満を有意に加えうると考えられる。若干の態様において、ARGET ATRPに加えられる遷移金属錯体のレベルは、反応基材が無色でありうるように低くてよく、しかも遷移金属錯体は、最終生成物中に残っていることがありうるかまたは、ある態様においては、このような低レベルで加えられることから、反応の最後に、活性な支持体上への濾過または水などの溶媒中への抽出によって反応から安価に且つ容易に除去することができる。更に、遷移金属は、通常は、より高い酸化状態錯体として、すなわち、空気への暴露後に除去されることから、それは、触媒前駆体としてAGET ATRPへの添加に理想的な成分である。
若干の態様において、加えられる還元剤の量は、好ましくは、最初に加えられたCu(II)の大部分をCu(I)へと還元し、その系から過剰の酸素を全て除去した後、免れられない停止反応の結果として形成される過剰のCu(II)を、Cu(II)の形成と同様の速度で、すなわち、反応の間中徐々に変化しうる速度で還元し続けるのに利用可能であるように充分であるべきである。したがって、本発明のもう一つの側面は、還元剤を加え且つ重合法を開始する前に、重合系から酸素を除去する必要がないということであり、それは、還元剤が、より高い酸化状態遷移金属錯体を連続的に還元することができ、その結果、それが溶解した酸素と更に相互作用し且つ重合法から酸素を除去するからである。加えられた薬剤による酸素のこのような触媒に基づく除去は、ATRPだけでなく、全ての制御ラジカル重合法について行うことができる。
本発明の態様は、より高い酸化状態が、ラジカル移動性原子または基、典型的には、ハロゲンの除去によってリガンドまたは対イオンとしてラジカル移動性原子または基を含む場合、ラジカル移動性原子または基が、重合法の制御に更に関与するのを妨げる方法で、酸化状態の遷移金属触媒を還元する還元剤を包含する。還元剤は、一層安定なより高い酸化状態への還元剤の酸化によって、または例えば、脱ハロゲン化水素反応のような、反応体として重合法に更に関与することがないハロゲン含有化合物を形成するハロゲンとの反応によって、ラジカル移動性原子または基が、重合法に更に関与するのを妨げることができる。還元剤は、還元能力を含む無機化合物または有機化合物であってよい。アスコルビン酸は、酸素の存在下でもATRP触媒として適している遷移金属、具体的には、鉄を還元することが判明した。本明細書中に双方ともそのまま援用される Samuni, A. et. al. European Journal of Biochemistry; 1983, 137, 119-124 および Davis, M.B. Polyhedron 1992, 11, 285-321 を参照されたい。本発明に適する還元剤は、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸−6−パルミテート(A6P)、第一スズ化合物、シュウ酸第一スズ、亜硫酸ナトリウム、低酸化状態の硫黄化合物、亜硫酸水素ナトリウム、金属イオンを含む無機塩、ヒドラジン水和物、アルキルチオール、メルカプトエタノール、容易にエノール化されうるカルボニル化合物、アセチルアセトネート、カンフルスルホン酸、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、グルコースおよび関連糖、テトラヒドロフラン、ジヒドロアントラセン、シラン、2,3ジメチルブタジエン、アミン、ポリアミン、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物、アルデヒド、およびこのような化合物の誘導体であってよい。無機塩の金属イオンは、例えば、Sn2+、Fe2+、Cr3+、Al3+、Ti3+およびTi4+の内の少なくとも一つであってよく、好ましくは、若干の態様において、金属イオンは、Sn2+、Fe2+、Cr3+およびTi3+の内の少なくとも一つであってよい。若干の態様において、還元剤は、好ましくは、酸素と反応可能であってよいし、または重合基材中の溶解した酸素などの酸素によって酸化された遷移金属触媒を還元可能であってよい。還元剤は、更に、好ましくは、重合基材中に、または少なくとも二つの相を有する重合法用の懸濁相またはモノマー相のような、重合基材の少なくとも一つの相中に可溶性であってよい。典型的な多相重合法において、重合基材は、水基懸濁媒を包含してよい。好ましくは、還元剤は、重合基材の所望の相中に可溶性であろうし、遷移金属について所望のより低い酸化状態対より高い酸化状態の比率を実質的に維持する還元速度を有する。重合基材のいずれかの相への塩基または過剰のリガンドの添加は、遷移金属触媒を還元することまたはラジカル重合性原子または基の抽出を助けることができる。
還元剤は、ミニエマルジョンなどの水基系へのアスコルビン酸の添加のような、モノマー可溶性還元剤または水溶性還元剤であってよい。還元剤は、より高い酸化状態触媒錯体に加えて、可能ならば、外圏電子移動反応によって、または独立した開始性種の形成を引き起こしうる中間体種の完全分離を生じないより低いエネルギー遷移状態錯体を介するアクチベーターの形成によって、活性触媒錯体を形成することができる。
若干の態様において、還元剤は、ハロゲントラップであると考えることができる。本明細書中で用いられるハロゲントラップは、ハロゲンが、ラジカル移動性原子または基として重合法に更に関与することを妨げるようにハロゲンを捕捉することができるいずれかの化合物である。例えば、重合を開始するために、ハロゲントラップは、より高い酸化状態の遷移金属化合物をより低い酸化状態の遷移金属化合物へと還元することができる。
本発明の重合法の態様は、いずれのATRP開始剤も含むことができる。ATRP開始剤は、連鎖成長を開始することができる移動性(プソイド)ハロゲンを有する化学分子または官能性付加された粒子のような、ラジカル移動性原子または基を含むいずれかの化合物であってよい。制御重合において、迅速開始は、低い多分散性を有する充分に規定されたポリマーを得るのに重要である。種々の開始剤、典型的には、アルキルハライドは、ATRPに首尾よく用いられてきた。多数の異なったタイプのハロゲン化化合物は、可能なATRP開始剤である。ATRP開始剤は、少なくとも二つのラジカル移動性原子または基を含んでいてよいし、またはポリマーまたは固体に取り付けられたラジカル移動性原子または基を含むポリマーまたは固体であってよい。
本発明の重合法の態様は、エマルジョン重合法、ミニエマルジョン重合法、マイクロエマルジョン法、逆エマルジョン重合および懸濁重合法を包含する。このような方法において、重合法は、更に、懸濁媒;界面活性剤;およびラジカル重合性モノマーの少なくとも一部分を含むモノマー相の内の少なくとも一つを含むことができる。好ましくは、エマルジョンまたはミニエマルジョン系のための本発明の方法の態様は、更に、相間移動剤を加えること、還元剤の制御添加、または油溶性還元剤の添加を包含することができる。
本発明の方法の態様は、バルクでまたは溶媒中で行うことができる。溶媒を用いる場合、その溶媒は、プロトン性基材であってよいしまたは非プロトン性基材であってよい。プロトン性基材は、プロトン供与体であることが可能な少なくとも一つの成分を含む基材である。プロトン性基材は、例えば、水および少なくとも一つのアルコールを含むことができる。プロトン性基材のアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘプタノールまたはそれらの混合物であってよい。本発明の態様は、更に、ラジカル重合性モノマーを非プロトン性基材中で重合することを包含するが、ここにおいて、プロトン性基材は、アニソール、キシレン、ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン誘導体または他の非プロトン性溶媒などの芳香族溶媒を含むが、これに制限されるわけではない。
本発明の重合工程に用いられる適するモノマーは、少なくとも一つのジエン基または少なくとも一つのビニル基を含む。例には、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリル酸エステル、マレイン酸およびフマル酸ジエステル、ビニルピリジン、ビニルN−アルキルピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジン、ビニルイミダゾール、ビニルケトン、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、スチレンおよびこれらモノマーの誘導体が含まれるが、これに制限されるわけではない。ビニルケトンには、アルキル基のα炭素原子が水素原子を有していないものであって、双方のα炭素が、C〜Cアルキル基、ハロゲン等を有するビニルケトン;またはフェニル基が、1〜5個のC〜Cアルキル基および/またはハロゲン原子で置換されていてよいビニルフェニルケトンなどが含まれる。スチレンには、ビニル基が、α炭素原子でのようにC〜Cアルキル基で置換されているもの;および/またはフェニル基が、C〜Cアルキル、アルケニル(ビニルを含めた)、アルキニル(アセチレニルを含めた)またはフェニル基、およびC〜Cアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ(C〜Cアシル基で保護されたものを含めた)およびシアノ基などの官能基を含めた1〜5個の置換基で置換されているものが含まれる。具体的な例には、アクリル酸のエステルであって、C〜C20アルコールのアクリル酸エステル、C〜C20アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、メチルアクリレート(MA)、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、t−ブチルアクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニトリル、スチレン、DMAEMA、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピリジンおよびそれらの誘導体などが含まれる。
本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等のような、概して、1〜24個の炭素原子を含む分岐状または未分岐状の飽和炭化水素基、更には、シクロペンチル、シクロヘキシル等のようなシクロアルキル基を意味する。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルケニル」という用語は、概して、2〜24個の炭素原子を含み且つ少なくとも1個の二重結合を含有する、典型的には、1〜6個の二重結合、より典型的には、1個または2個の二重結合を含有する分岐状または未分岐状の炭化水素基、例えば、エテニル、n−プロペニル、n−ブテニル、オクテニル、デセニル等、更には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等のようなシクロアルケニル基を意味する。「低級アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子、好ましくは、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルキレン」という用語は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ヘキシレン、デシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン等のような、概して、1〜24個の炭素原子を含む二官能性の分岐状または未分岐状の炭化水素基を意味する。「低級アルキレン」という用語は、1〜6個の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルコキシ」という用語は、Rが、上に定義のようなアルキルである置換基--O--Rを意味する。「低級アルコキシ」という用語は、Rが低級アルキルであるこのような基を意味する。
置換基または化合物に関する「不活性」という用語は、置換基または化合物が、(1)その置換基または化合物に接触する可能性がある試薬の存在下においてかまたは、(2)その置換基または化合物に施される可能性がある条件下において(例えば、支持体表面への「不活性」部分の取り付け後に行われる化学処理)、修飾されることがないということを意味する。
置換されていてよい炭素原子に関する「利用可能」という用語は、残りの分子構造を破壊するまたは脱安定化することなく、示された置換基で置き換えることができる1個またはそれを超える水素原子に共有結合している炭素原子を意味する。
「任意の」または「場合により」は、引き続き記載された状況が、起こってよいまたは起こらなくてよいということを意味するが、不可欠ではないので、その記載は、その状況が起こる場合、およびそれが起こらない場合を包含する。例えば、「置換されていてよい」という句は、非水素置換基が存在してよいまたは存在しなくてよいということを意味し、したがって、その記載は、非水素置換基が存在する構造、および非水素置換基が存在しない構造を包含する。
「ラジカル」という用語は、ある結合のホモリシス開裂によって形成される非イオン活性ラジカルに基づく種を全て包含し、系中のいずれか他の成分と相互作用することがない、炭素中心のフリーラジカルに制限されない。
ラジカルは、ATRPおよびいずれか他のCRP法で形成されるが、成長するのみならず、ラジカル停止反応によって停止することもありうる。典型的には、1〜10%の連鎖が、重合法において、反応条件に依存して停止することができる。単官能性開始剤から成長する典型的な連鎖について、単一停止反応だけが、更なる連鎖成長を妨げるであろう。しかしながら、多官能性開始剤を用いた場合、多数の分子内カップリング停止反応が、ゲル化または架橋をもたらすことがありうる。したがって、本発明のエマルジョン重合法は、3種類またはそれを超える開始性種を含む多官能性開始剤に特に有用であるが、しかしながら、より大きい利点は、10個またはそれを超える開始部位を有する多官能性開始剤で判明することがありうるし、そして100個を超える開始部位を有する多官能性開始剤での停止反応の量は、はるかに大きく、したがって、本発明の方法は、このような多官能性開始剤に特に有用である。したがって、コロイド粒子から成長する何百もの連鎖での種々のスターポリマー、多官能性分子ブラシおよびハイブリッドの合成は、典型的には、ラジカル−ラジカル停止反応による架橋を最小限にするために、高希釈下、低モノマー転化率で、長い反応時間にわたって行われた。一つのレベルにおいて、バルクとミニエマルジョンとの間の相違は明らかではないが(図4)、それは、ミニエマルジョン系において、重合は、隔てられた「ミニバルク」ドメイン中で起こり、そして反応は、類似の分子量およびPDIを有するポリマーを与える類似の速度で進行するからである。しかしながら、ミニエマルジョン系の一つの利点は、反応を、より高い転化率へと推進して、より低いレベルの非官能性生成物を含むポリマー性材料を形成することができるということである。図1を図2と比較されたい。この予想外の知見を理解することは、グラフトコポリマーの製造の場合のように、多官能性開始剤を用いる場合に特に有用である。マクロ開始剤からのグラフト形成(grafting)またはブロック形成(blocking)は、グラフトコポリマーおよびマルチアームスターブロックコポリマーのような、調節されたトポロジーを有するポリマーの製造への有用なアプローチである。方法によるグラフト形成は、マクロ開始剤からモノマーを重合することを含む。マクロ開始剤には、天然産物、合成ポリマー、有機基材粒子、および種々の官能性を含む無機化合物が含まれる。連鎖間の反発相互作用は、それら連鎖が漸進的に成長し且つモノマー単位のアプローチを容易にするので、その上にグラフト形成する場合よりはるかに小さい。このようなアプローチについての多数の例の内の一つは、米国特許第6,541,580号および第6,627,314号、および米国特許出願第09/534,827号および第10/638,584号を含めた、共通譲渡された特許および特許出願に例示のように、多官能性有機マクロ開始剤、またはシリカ、金または他のコロイド表面のような無機基材開始剤からの何百ものポリマー鎖の同時成長による、充分に規定されたポリマー性ブラシコポリマーおよび有機・無機ハイブリッドの合成である。
本発明のミニエマルジョン法の態様によって製造されたポリマーは、バルクおよび溶液基材CRPで認められるよりも高いレベルの制御の証拠を示す。ミニエマルジョンでの重合の区画化(compartmentalization)は、CRPを開始することができる官能基を最初に含むいずれかのタイプの固体表面からグラフト形成することによって形成されるテレケリック材料、スターコポリマー、ボトル・ブラシコポリマーおよびブラシコポリマーを含めた多官能性材料の製造への一層経済的且つ環境的に実現可能なアプローチを与えることができる本発明の方法をもたらす。
本発明のミニエマルジョン法を用いて、多官能性開始剤からつながれた(コ)ポリマー鎖を含むグラフトコポリマーまたは材料の製造中に高モノマー転化率に達することができる。その方法は、マクロ開始剤および多官能性開始剤を用いたいずれかのラジカルに基づく重合法に適用することができるし、そして成長するポリマーをモノマー小滴に閉じ込め、それによって、ミニバルク重合を行うことによって巨視的ゲル化を免れる。重合法のこのフラグメント化は、カップリング反応の確率も、材料のバルク性状へのいずれかのカップリング反応の影響も減少させる。その方法は、スター、ブラシ、ナノコロイドおよびいずれかの多官能性系の製造に用いることができる。
区画化の利点は、n−ブチルアクリレート(BA)の典型的なATRPを考えることによって理解することができる。BAの重合(バルクまたはミニエマルジョン重合)において成長するラジカルの濃度は、典型的に、約10−9Mの範囲内である。(ラジカルの濃度は、重合速度:dln[M]/dt=k[P]から概算することができ、それによって、80%転化率が70℃、k=40,000M−1−1において約10時間で達せられる場合、[P]約10−9M)。本明細書中に記載のATRPミニエマルジョン実験において、モノマー小滴の平均直径は、d約200nmであったが、これは、約4×10nmまたは4×10−18Lの小滴体積vに相当する。このようなモノマー小滴中には、約2×10分子のBAが存在する(v[BA])。米国特許第6,627,314号に記載のような、200の最終重合度(DP=[BA]/[RBr])を標的として表面に固定された約1000の2−ブロモイソブチレート開始剤分子を含有するd=20nmのシリカ粒子からのミニエマルジョン重合を考える場合、小滴毎に、全100,000個の開始部位を有する約100個のシリカ粒子が存在する。これら条件下において、いずれの瞬間にも、400個の小滴中の1個だけが成長性ラジカルを含有し、したがって、僅か0.25%の小滴が活性であり且つ99.75%は活性でないであろうが、それは、全てのポリマー鎖が休眠段階(n=v[P])で存在するであろうからである。したがって、このような条件下において、停止連鎖の確率は、比較的小さいはずであり、停止連鎖の比率は、バルク溶液重合の転化条件と比較して一層低いはずである。したがって、このような条件下において、停止連鎖の比率は、米国特許第6,627,314号のバルク溶液重合の転化条件と比較して、比較的小さいはずである。停止速度定数について大きい値k=10−1−1を仮定すると、論じられた条件下において、10時間後、停止連鎖の全濃度は、Δ[P]=k[PまたはΔt約4 10−6Mであるはずである。それは、停止しうる系中に存在する全R−Br成長性鎖の約0.01%であり、それは、小滴1個につき約10の停止連鎖に相当すると考えられる。したがって、10%以下のシリカ粒子が、カップリングまたは連結することができ、ことによると、またはおそらくは、そのレベルは、同じ粒子から成長する連鎖の何等かの粒子内停止の発生の可能性のために、はるかに小さいであろう。
多官能性材料からフリーラジカル(共)重合性モノマーを重合するためのミニエマルジョン重合系についての本発明の態様は、重合法の区画化または物理的フラグメント化を可能にして、(共)重合環境における活性ラジカル濃度を有効に減少させる。これは、更に、停止反応の影響を減少させる。多官能性開始剤を利用する二相区画(共)重合法について開示された手順は、全てのCRPに適用可能である。
反応は、10時間で達した80%転化率での一次速度論に続いた。小滴サイズは、全体の重合中、約20nmであった。個々のシリカ粒子のサイズは、ミニエマルジョン破壊後に決定され、DSLによって測定したが、モノマー転化と共にほぼ直線的に増加した。凝集体および架橋粒子の比率は、図16〜19で示されるように、きわめて小さかった。HFでの処理によってシリカ粒子から離れたpBAの分子量は、転化と共に直線的に増加したが、多分散性は低い。図16および図17は、表面につながれた異なった分子量ポリ(ブチルアクリレート)鎖を含むグラフト形成したシリカ粒子のTEM画像を示す。ポリマーに取り付けられた低い方の分子量の粒子は、高い方の分子量材料よりも互いに接近している。双方の画像において、粒子−粒子カップリングはほとんど検出することができない。
ミニエマルジョンでのATRP法において、反応体基材は、モノマー、触媒および開始剤のみならず、界面活性剤および疎水性物質も包含することができる。好ましくは、1種類または複数のリガンドは、双方の酸化状態の触媒を有機相中に選択的に押しやると同時に、適当な活性を有する触媒錯体を形成するはずである。例えば、dNbpyをリガンドとして用いたある種の態様は、還元剤の添加後に、きわめて低い安定性および有意の量のフロキュレーションを示したが、BPMODAをリガンドとした態様は、安定であった。
遷移金属錯体のリガンドは、更に、反応を完了した後の有機相からの遷移金属の除去を容易にすることができる。ある程度の親水性を有するリガンドは、特に、より高い酸化状態遷移金属と錯体形成した場合、遷移金属錯体のより高い酸化状態を、有機相から水性相へと移動させることができる。更に、遷移金属錯体は、水性相から固体錯体として分離することができ、それによって、遷移金属を再循環する手段を与えることができる。例えば、反応中に、より高い酸化状態の遷移金属錯体を、より低い酸化状態へと還元剤によって転化させ、移動を最小限にする。しかしながら、反応を完了後、空気への暴露は、触媒をより高い酸化状態にし、懸濁相への移動を増大させる。次に、触媒は、固体として分離し且つ容易に再循環することができる。得られたポリマーは、本質的に無色である。
典型的に、遷移金属錯体のより低い酸化状態を、分散相中に少なくとも部分的に可溶性であるようにすることは好適であるが、より高い酸化状態は、分散相中にほとんど可溶性でないことがありうる。本発明のATRP法の態様のための水溶性還元剤は、より高い酸化状態遷移金属以降、水性相中で還元され且つ重合相に戻されると考えられる。このアプローチは、ARGET ATRPのための薬剤を選択する場合に特に有用である。還元剤を、更に環境的に良好であるように選択することができる方法の一例は、100ppm未満の遷移金属錯体を触媒として必要とするように設計されたミニエマルジョン重合法において、最初の還元剤にアスコルビン酸、すなわちビタミンC、そして第二還元剤に糖を選択することであると考えられる。
電子移動によるより高い酸化状態遷移金属の還元、すなわち、非開始剤形成反応、または活性開始性種を形成しない反応の概念は、停止反応が、より高い酸化状態遷移金属錯体を生じ、それによって、系中の遷移金属の絶対レベルを減少させる場合、電子移動によるより高い酸化状態遷移金属の連続再生を可能にするように更に拡大することができる。反応に加えることができる還元剤または薬剤の量は、反応に加えられる遷移金属の量、系中の不純物レベル、および停止反応によって形成されると予想される無効連鎖の概数を考慮して概算することができる。
実施例及び実施例の説明
次の実施例の多くにおいて、精製モノマーを、酸素不含条件下で重合した。後に実施例で示されるように、これは、バルク系かまたは二相系でAGET ATRPまたはARGET ATRPを実施するための必要条件ではないが、大部分の実施例において、比較例で論じられる先行系とATRP反応を開始する新しい方法との直接比較を可能にするように用いられた。
化学製品。スチレン(St)、メチルメタクリレート(MMA)、n−ブチルアクリレート(nBA)およびメチルアクリレート(MA)(Aldrich,99%)を、中性アルミナを充填したカラムを介して通過させ、水素化カルシウム上で乾燥させ、そして減圧下で蒸留した。n−オクタデシルメタクリレート(ODMA)(Polysciences Inc., 99%)を、ヘキサン中への溶解および5%水性NaOHで4回の抽出によって精製した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥後、その溶液を、中性アルミナを介して通過させ、溶媒を減圧下で除去した。ε−カプロラクトン(CL)(Aldrich,99%)を、水素化カルシウム上、窒素下において25℃で乾燥させ、そして使用直前に減圧下で蒸留し(0.5〜0.6mmHgにおいてT=74〜76℃)、4Åモレキュラーシーブ上で貯蔵した。4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン(dNbpy)、トリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(MeTREN)および1,1,1−トリス(4−(2−ブロモイソブチリルオキシ)フェニル)エタン(TBriBPE)を、以前に報告された手順にしたがって合成した。N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)(99%)、2−ブロモイソ酪酸エチル(EtBrIB)(Acros,98%)、塩化銅(II)(Acros,99%)、臭化銅(II)(Acros,99%)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(Sn(2EH))(Aldrich)、アニソール(Aldrich,99%)、ジフェニルエーテル(Acros,99%)、2−ブロモイソブチリルブロミド(Aldrich,97%)、エチレングリコール(Aldrich,無水)およびトリエチルアミン(Fisher,99%)を、受け取った状態として用いた。トルエン(Fisher Scientific,99.9%)を、ナトリウム上で蒸留し、モレキュラーシーブ上で貯蔵した。塩化銅(I)(Acros,95%)および臭化銅(I)(Acros,98%)を、氷酢酸で洗浄して、可溶性酸化種を全て除去し、濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥させた。
分子量は、自動試料採取器(Waters,717プラス)、1mL/分でのHPLCポンプ(Waters,515)および4本のカラム(ガード、10Å、10Åおよび100Å;Polymer Standards Services)を連続して装備したGPCによって決定した。トルエンを内部標準として用いた。線状ポリスチレン標準に基づく検量線を、示差屈折計(Waters,2410)と共に用いた。
臨界条件での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)。試料の分析は、臨界条件において、Waters 600コントローラーおよびポンプを用いてポリスチレン(PS)について行った。移動相は、テトラヒドロフラン(THF)およびアセトニトリルの混合物(49%/51%,v/v)であった。分離用に用いられたカラムは、Macherey & Nagel, Nucleosil 300−5 C18(粒度5μm、細孔度300Åおよびカラム寸法250×4mm内径)および Nucleosil 1000−7 C18(粒度7μm、細孔度1000Åおよびカラム寸法250×4mm内径)であった。カラムオーブン温度は、32℃に設定した。移動相流速は、0.5mL/分であった。蒸発光散乱検出器(ELSD,Polymer Laboratories,PL−ELS1000,窒素流1.2L/分,蒸発温度90℃)を用いた。稀薄ポリマー溶液を、50%/50%v/vのTHF/アセトニトリル(2mg/mL)中で作成し、各々の時間に、5μL試料を分析に用いた。データ取得は、Polymer Standards Service(PSS;Mainz, Germany)製のPSS−WINGPC7で行った。
2次元(2D,HPLC−GPC)クロマトグラフィー。第一次元HPLCについて、流速を、0.5mL/分の代わりに0.08mL/分で設定したことを除いて、PSの臨界条件でのHPLC分析について記載されたのと同じ分析条件を用いた。第一次元による試料画分を、二つの200μLループから成る8ポートバルブシステム(VICI Valco EHC8W)によって第二次元(GPC)へと移した。第二次元(GPC)は、5mL/分の流速でTHFを送達する Waters 515ポンプから成った。用いられたカラムは、Polymer Standards Service SDV直線M、高速カラム(細孔度5μm、寸法50×20mm内径)であった。HPLC分析の場合と同じELSD検出器を用い、第二次元は、ポリスチレンホモポリマー標準を用いて検量した。稀薄ポリマー溶液を、50%/50%v/vのTHF/アセトニトリル(5mg/mL)中で調製し、5μL試料を分析に用いた。データ取得および処理は、それぞれ、Polymer Standards Service ソフトウェア:WINGPC7およびPSS−2D−GPCソフトウェアによって自動的に行った。
バルクまたは溶液(共)重合のAGET ATRP
AGET ATRPの主な利点を示すために、nBAの重合について、3種類の異なった手順:正常ATRP、SN&RI ATRPおよびAGET ATRPを用いた。
比較例1:n−ブチルアクリレートの正常ATRPの一般的な手順。
TBriBPE開始剤(25.1mg,3.3×10−2mmol)、CuBr(14.2mg,9.9×10−2mmol)およびCuBr(2.2mg,0.1×10−2mmol)を、25mL Schlenk フラスコに加え、そのフラスコを真空で充分にパージングし、窒素をフラッシュした。窒素パージングされたnBA(5.0ml,35.1mmol)を、シリンジによって加えた。脱気したアニソール中のPMDETA(20.6μl,9.9×10−2mmol)の溶液を加え、その混合物を15分間撹拌して、CuCl/PMDETA錯体およびCuBr/PMDETA錯体を予備形成した。次に、フラスコを、70℃で恒温の油浴に移し、初期速度論試料を採取した。試料を、重合中のいろいろな時間間隔で取り出し、そして転化率および分子量を、それぞれ、GCおよびGPCで決定した。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。
比較例2:n−ブチルアクリレートのSR&NI ATRPの一般的な手順。
TBriBPE開始剤(25.1mg,3.3×10−2mmol)、AIBN(8.7mg,5.3×10−2mmol)およびCuBr(22.2mg,9.9×10−2mmol)を、25mL Schlenk フラスコに加え、そのフラスコを真空で充分にパージングした後、窒素をフラッシした。脱気したnBA(5.0ml,35.1mmol)を、シリンジによって加えた。アニソール中のPMDETA(20.6μl,9.9×10−2mmol)のパージングされた溶液を加え、その混合物を15分間撹拌して、CuBr/PMDETA錯体を予備形成した。次に、フラスコを、70℃で恒温の油浴に移し、AIBNの分解が活性CuBr/PMDETA錯体を形成し、そして初期速度論試料を採取した。試料を、重合中のいろいろな時間間隔で取り出し、そして転化率および分子量を、それぞれ、GCおよびGPCで決定した。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。
比較例3:バルク共重合でのSR&NI
典型的なバッチ重合において、CuBrおよびリガンド、PMDETAを、Schlenk フラスコ中において3回の窒素/真空サイクルで脱気した。次に、脱酸素モノマーを、予めパージングされたシリンジを用いてフラスコに加えた。その溶液を60℃で10〜20分間撹拌して、Cu(II)錯体を均一溶液中で形成した。脱酸素アルキルハライド(すなわち、MBPまたはEBiB)を、窒素雰囲気下においてフラスコに注入した。そのフラスコを、80℃で恒温の油浴中に浸漬した。予めパージングされたシリンジを用いた、アニソール中の脱酸素AIBN溶液の注入により、重合を開始した。試料を定期的に抜き取って、モノマー転化率、コポリマー組成および分子量を監視した。実験ML143を行って、3アームポリ(メチルアクリレート)マクロ開始剤を製造し、それを単離し且つ精製後、実験ML144(バルク)で連鎖伸長を行った。
実験ML144で製造されたポリマーの2−Dクロマトグラフィーの結果を、図1に示す。その最終生成物は、材料中に存在する12%ホモポリスチレンを有した。
比較例4:第二銅錯体を還元するシュウ酸第一スズの能力の識別。
C4a.カプロラクトンおよびオクタデシルメタクリレートの同時共重合。
初期二重処理共重合:原子移動ラジカル重合(ATRP)およびアニオン開環重合(AROP)を、同時に実施する。(スキーム6)
ε−カプロラクトン(CL)のAROPのための触媒は、エチルヘキサン酸スズ(II)であったし、オクタデシルメタクリレート(ODMA)のATRPのための触媒は、CuCl/d−n−bipyであった。ポリマーを、NMRで特性決定し、生じたホモポリマーブロック各々の同時重合が証明された。この方法の速度論の後、重合が進行するのと同時に、GPCを行って、コポリマーのMWおよびPDIおよびODMAの転化率を与えた。CLの重合の速度論は、GCを用いて反応を追跡することによって得た。
WJ70として認定されている実験の反応条件は、Schlenk フラスコへのε−カプロラクトン(85のDPを標的とする充分なモノマー)およびオクタデシルメタクリレート(30のDPを標的とする充分なモノマー)の添加後、トルエン(ε−カプロラクトンと同じ容量)、ジ−n−bpy(ODMAに関して0.5当量)および塩化第一銅(ODMAに関して0.5当量)の添加であった。そのフラスコに、窒素を通気することによって酸素を除去後、オクタン酸スズ(ε−カプロラクトンに関して3当量)および2−ブロモイソ酪酸ヒドロキシルエチル(ε−カプロラクトンに関して1当量)を加えた。その反応を油浴中に浸漬し且つ75℃で撹拌した。結果を、表1および図6に示す。
ODMAの重合は、CLのアニオン開環重合よりはるかに速い。50分後、CLが5%未満の時に、ODMAの転化率は90%に達した。コポリマーのGPCは、分子量の規則的増加と、得られたコポリマーについて低い多分散性PDI=1.34を示したが、しかしながら、より高いMw=28600で、理論値Mtheory=20000(双方のモノマーの100%転化率について)であった。これは、GPCを検量するのに用いられた標準であったPMMAとコポリマーの流体力学的容量の相違によって生じる。
C4b.二重機構共重合への第二銅錯体の添加。
(オクタン酸スズの役割の確認)
この反応に用いられた条件は、ODMAのATRPを減速させ且つCLのAROPを促進することを試みて選択した。ATRP法の速度は、AROP法よりも速かったので、銅(II)を、ATRPおよびAROP双方について同じ速度を達成するために、その系に加えた。実験WJ77を、0.18当量の塩化第二銅および追加の0.18当量のジ−n−bpyを反応に加えたことを除いて、実験WJ70と同様の条件下で行った。(これら工程は、ODMAの重合速度を10倍だけ減少させるはずである)。更に、反応を90℃に加熱して、CLのAROP速度を増加させた。これら工程は、ODMAのATRPを減速しなかった。反対の作用が認められた;ATRP重合の促進が起こった。この挙動の理由を、下に示す。
Sn(2EH)+2CuCl/L→Sn(2EH)Cl+2CuCl/L
(II)は、スズ(II)触媒と反応し、スズ(IV)および銅(I)を生じることができるが、それは、ODMAの重合を促進であろう。
反応WJ78において、WJ77と同じ条件を用いたが、いずれかのスズ(II)触媒の初期添加を伴うことはなかった。溶液の色は、20分で暗褐色から緑色へと変化した。反応を20時間続けたが、表2に示されるように、この時間中に重合は起こらなかった。この時間後、スズ触媒を加え、そして反応溶液の色は直ちに褐色に変わり、重合が起こった。これは、Sn(II)とCu(II)との間に反応が起こってSn(IV)およびCu(I)を生じたこと、およびCu(I)がATRPを活性化しうるということの最良の指標である。
実施例1.オクタン酸スズでの第二銅ハロゲン化物錯体の活性化による同時ATRPおよびAROP
ATRP触媒を、第二銅錯体としてのみ反応に加えた。実験(WJ95):CLの標的DP=95;ODMAの標的DP=30;正常ATRP開始剤:2−ブロモイソ酪酸ヒドロキシルエチル(1当量);CuCl(0.15当量);リガンド:ジ−n−bpy(0.15当量);ROP触媒:エチルヘキサン酸スズ(II);溶媒:トルエン(CLに1当量);温度90℃。それら結果を、表3と、図7および図8に示す。
双方のモノマーの重合が起こったということ、およびODMAのATRPが、最初の比較実験WJ70の場合とほぼ同程度に速やかに起こったということが明らかに分かる。図8のGPCトレースは、狭い分子量分布を有するブロックコポリマーを製造した、すなわち、双方の重合機構が充分に制御されたということを示している。これは、オクタン酸スズが、第二銅ハロゲン化物錯体をCu(I)状態へと還元するように作用したということ、およびこの現場で形成された錯体が、加えられたアルキルハライド開始剤からのATRPを活性化することができるということ、およびオクタン酸スズが、カプロラクトンのROPを開始することもできるということを示している。
実施例2
n−ブチルアクリレートのATRPのための電子移動由来アクチベーターの一般的な手順。
TBriBPE開始剤(25.1mg,3.3×10−2mmol)およびCuBr(22.2mg,9.9×10−2mmol)を、25mL Schlenk フラスコに加え、そのフラスコを真空で充分にパージングした後、窒素をフラッシュした。窒素パージングされたnBA(5.0ml,35.1mmol)を、シリンジによって加えた後、アニソール中のPMDETA(20.6μl,9.9×10−2mmol)のパージングされた溶液を加えた。Sn(2EH)(15.0μl,4.5×10−2mmol)を加え、その混合物を15分間撹拌して、CuBr/PMDETA錯体を予備形成した。次に、フラスコを、70℃で恒温の油浴に移し、初期速度論試料を採取した。試料を、重合中のいろいろな時間間隔で取り出し、そして転化率および分子量を、それぞれ、GCおよびGPCで決定した。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。
これら反応の条件および結果を、表4に示す。
三官能性開始剤TBriBPEを、各々の場合に用いて、生成物のGPC分析において、いずれかの非官能性付加ホモポリマーの存在を明らかに示した。正常ATRP中に(表4、項目1)、反応は、充分に制御されていて、低い多分散性指数PDIを得た(M/M=1.1)。nBAを、AIBNを含むSR&NI ATRPを用いて重合した場合(表4、項目2)に形成されたポリマーのGPCトレースは、明らかな2モード分布を示した。低分子量ピークは、本来はAIBNによる線状ホモポリマーの存在のためであり、高分子量ピークは、3アームスターポリマーに起因する。次の反応では(表4、項目3)、同じ条件を用いたが、AIBNをSn(2EH)で置き換えて、AGET ATRPのための条件を生じた。結果は、純粋スターポリマーを、線状ポリマー副生成物を全く伴うことなく得たということである。反応は、充分に制御されていて、低PDI(1.09)を得た。反応混合物に加えられたCu(II)錯体は、オクタン酸スズ(II)との反応によって、本質的には非ラジカル処理でまたは非開始剤形成処理でCu(I)へと効率よく還元されたと結論付けることができる。
バルク共重合での方法の一定範囲のモノマーへの広範な適用性を、ここで更に例示する。
実施例3
スチレンのAGET ATRP。
スチレン(5ml,43.6mmol)、CuCl(29.3mg,21.8×10−2mmol)およびdNbipy(178.2mg,43.6×10−2mmol)を、25mL Schlenk フラスコ中に入れ、窒素を15分間通気した。Sn(2EH)(31.8μl,9.8×10−2mmol)と、トルエン中のEtBrIB(29.7μl,20.3×10−2mmol)のパージングされた溶液を加え、その密封したフラスコを、110℃で恒温の油浴中に入れた。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。
正常およびAGETのATRPについての条件および結果を、表5に示す。反応は全て、理論値に近い実測値分子量で、充分に制御されていた。しかしながら、僅かながら高いPDI(1.37)が、Cu(II)対開始剤の量が1:1であった場合のAGET ATRPについて認められたが(表5、項目2)、最終GPCトレースは単一モードのままであった。AGET ATRPにおいてCu(II)/開始剤の比率を0.3へと減少させることは(表5、項目3)、制御された反応と、より低いPDI(1.22)を有する最終ポリマーをもたらした。
実施例4
オクタデシルメタクリレートのAGET ATRP。
同じ手順を、T=60℃の温度を用いたことを除いて、オクタデシルメタクリレートの重合に適用した。この一連の実施例において、還元剤の量を変更して、重合の最適制御のための条件を決定した。AGET ATRPの場合、dNbpy/CuClを、活性錯体の前駆体として反応に加え、EtBrIBを開始剤として加えた。これら重合の条件および結果を、表6に示す。
正常ATRP中に(表6、項目1)、反応は、単一モードであるGPCトレースによって証明されるように、充分に制御されていて、低い多分散性を有するポリマーを形成した(PDI=1.2)。次に、ODMAを、AGET ATRPを用いて重合した。還元剤Sn(2EH)の量は、Cu(II)に対して2:1〜0.9:1および0.45:1の当量と変更した。最良の結果は、0.45当量のSn(2EH)を用いた場合に得られた(表6、項目4)。この場合、スキーム3で示される方程式が、生成物へと強くシフトするということを考えるが、Cu(II)が全て、Cu(I)へと還元されることはなく、Cu(II)の残留割合(約10%)の結果として、反応にわたるより良い制御が得られる。全ての反応において、単一モード分子量分布を有するポリマーが認められた。
したがって、ODMAのATRPを、EtBrIBおよびSn(2EH)単独の存在下において、いずれのCu種も伴うことなく試みた(表6、項目5)。きわめて低い転化率(11%)および極端に低い開始剤効率(0.07%)が認められた。PODMAのきわめて高い分子量は、Sn(2EH)は、Cu種の還元剤であるけれども、それは不十分なATRP触媒であるということを示唆している。これは、還元が、内圏電子移動(すなわち、ハロゲン原子移動)によるよりもむしろ、外圏電子移動によって起こると考えられるということを示している。
実施例5
メチルメタクリレートのAGET ATRP。
MMA(4ml,37.3mmol)およびCuCl(25.2mg,18.7×10−2mmol)を、25mL Schlenk フラスコに加え、その混合物に窒素を15分間通気した。アニソール中のPMDETA(39.1μl,18.7×10−2mmol)のパージングされた溶液を加え、混合物を撹拌した。Sn(2EH)(36.9μl,11.4×10−2mmol)と、アニソール中のEtBrIB(27.4μl,18.7×10−2mmol)のパージングされた溶液を加え、その密封されたフラスコを、90℃で恒温の油浴中で加熱した。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。
MMAを、正常およびAGETのATRPにより、異なった開始剤対Cu(II)比を用いて重合させた。この場合、PMDETA/CuClを、活性錯体の前駆体として、そしてEtBrIBを開始剤として用いた。それら反応の条件および結果を、表7に示す。
正常ATRP中に(表7、項目1)、反応は、単一モード分子量分布および低PDI(1.34)によって証明されるように、充分に制御されていた。AGET ATRPに用いられたSn(2EH)の量は、Cu(II)に対して2.00当量および0.45当量であった。ODMAの重合と同様、最良の結果は、0.45当量のSn(2EH)を用いた場合に得られたが、しかしながら、AGET ATRPを用いて合成された最終ポリマーは、正常ATRPを用いて合成されたポリマーより高いPDIを有した。それにもかかわらず、重合は、MMAのAGET ATRPについての単一モードGPCトレースの展開によって証明されるように制御されていた。次の反応では(表7、項目4および5)、Cu(I)/PMDETAは、(メタ)アクリレートについて比較的活性な触媒であることから、Cu(II)の量を、開始剤に対して1〜0.4当量および0.2当量と減少させた。双方の場合において、より良い結果が得られ、単一モード分子量分布および低PDI(1.10および1.12)が認められた。
これは、還元剤/触媒前駆体、ここではSn/Cu(II)の濃度を、加えられたATRP開始剤の濃度とは無関係に変更して、反応の制御を最適にすることができるということを示している。
実施例6
メチルアクリレートのAGET ATRP。
同じ手順を、MeTRENをリガンドとして、トルエンを溶媒として用い、そして温度を25℃で保持したことを除いて、メチルアクリレートの重合に適用した。MAも、正常およびAGET双方のATRPによって重合させたが、それら反応に用いられた条件および結果を、表8に示す。
それら反応の結果および速度論プロットは、正常ATRPが、AGET ATRPより速かったことを示している。これは、Cu(I)へのCu(II)の不完全な還元によると考えられる。残留するCu(II)は、増加した失活速度ゆえに、反応を減速させ、そしてAGET重合の最終速度は、Cu(I)を最初に用いた正常ATRPより遅い。
より遅い重合速度を確実にすることは、Sn(2EH)と、モノマーまたは成長性ポリマー鎖末端との相互作用によることはなかったが、Sn(2EH)を含むおよび含まない二つの慣用的なラジカル重合を行った。双方の重合速度は同じであり、AGET ATRPは、正常ATRPより遅いということが示されたが、それは、AGET ATRPがより良く制御されたという結果を有する各々の系のCu(II)濃度の相違によると考えられ、そして最終ポリマーは、還元剤対遷移金属錯体のモル比の適当な選択によって反応中で保持されたCu(II)による成長性種の有効な失活のゆえに、より低いPDI(M/M)を有した。GPCトレースは、分子量の単一モード分布を示した。
これら結果は、MeTRENの存在下におけるMAのATRPの先の研究と一致する。MeTRENリガンドは、最も還元性の銅錯体の内の一つ、すなわち、最も活性な触媒系の内の一つを生じ、そしてSn(2EH)は、それをCu(I)状態へと完全に還元することができないと考えられ、したがって、ある程度のCu(II)は系中に残り、そして一層制御された重合をもたらす。これは、全体の制御が、失活状態に、すなわち、[Cu(II)]に常に依存しているので重要であり、そして制御を与えるためには、充分なCu(II)が常に存在しているべきである。これは、次の一連の方程式で説明することができる。平衡を考えられたい:
平衡定数は、次のように定義される。
物質収支方程式は、次である。
方程式(2)、(3)および(4)を組み合わせて、平衡にある系に存在する[Cu]および[CuII]の量を表す。
充分に制御された重合を達成するために、系中に存在する必要があるCu(II)の量が、x[Cu]tot(xはモル分率である)である場合、平衡に到達後の還元剤の還元型の割合は、次によって計算することができる。
依存性(7)は、レドックス平衡定数の3種類の異なった値について図9に示されている。平衡が確定した後に残留するSn(II)の割合は、KREDOXのいくつかの値についてのCu(II)の平衡値で異なり、後者は、銅イオンに錯体形成したリガンド、更には、溶媒/モノマーの性質に強く依存する。
要約すると、触媒の量は、ATRP速度法則にしたがって、きわめて小さいことがありうるし、アクチベーター対デアクチベーターの比率は、重合速度に比例する。
反応を制御するのに望まれるデアクチベーターCuIIの濃度は、次の式によって表される。
そのままで、Mn約100,000およびPDI約1.2および約90%転化率でのMMAの重合について、MeTREN/CuBrをkd約10−1−1およびkp約2 10−1−1で90℃において用いると、デアクチベーターの量は、僅か5 10−6M(1ppm)のCuIIと算出される。
Mn約100,000およびPDI約1.2および約90%転化率でのnBAの重合について、MeTREN/CuBrをkd約10−1−1およびkp約5 10−1−1で90℃において用いると、デアクチベーターの量は、僅か10−5M(2ppm)のCuIIと算出される。
同じ計算により、ポリ(MMA)のMn約20,000の重合について、約5ppmのCuIIが必要であり、そしてポリ(BA)については、約10ppmのCuIIが必要である。
アスコルビン酸またはビタミンCについて、次のスキーム7は、還元に関与する化学を示し、しかも酸化剤は、ATRP反応を開始しうるいずれの官能基も含有しないということを示している。
実施例7
MMAのARGET ATRP
一連の実験を、強力な還元性錯体PMDETAおよびMeTRENを形成するリガンドで形成された低濃度の銅錯体で作成した。Sn(2EH)は、Cu(II)をCu(I)へと効率よく還元して(スキーム3)、停止反応によるCuIIの生成を補償し且つ活性触媒を生じることができるということが分かったので、それを還元剤として用いた。遷移金属触媒対ATRP開始剤のモル比は、0.1〜0.001(5ppm)であった。これら実験において、還元剤対開始剤の比率は、0.1で一定に保持した。結果を表9に示す。
7a.低濃度のCuCl/PMDETA触媒錯体を用いたMMAのATRP
試薬の比率:[MMA]/[EtBrIB]=200;[MMA]=6.22M;T=90℃、アニソール中(モノマーに対して0.5体積当量)。
この一連の実験による速度論プロットは、重合速度が、0.1のATRP開始剤:銅(Ini:Cu)比での反応(WJ−02−86)について最低であったことを示した。反応は、30分後に25%の転化率で減速した。この早期の重合反応停止について考えられる原因は、Sn(2EH)の量が、Cu(II)をCu(I)へと還元するのにも、反応を開始し且つ停止反応ゆえに形成されるCu(II)をまた再生するのにも、小さすぎたということであった。30分後、系中のCu(II)の量は、多すぎる状態になり、反応は減速したが、分子量は理論値に近づき、低PDIを有するポリマーを得た(1.2)。次の二つの実験では(WJ−02−87,88)、銅の量を、0.01および1:0.001のIni:Cuへと減少させた。反応は双方とも、前の反応よりも速く、そして分子量は、反応が進行するにつれて、より高い分子量へときれいにシフトした。(図10a〜10cを参照されたい)
Sn(Oct)は、開始剤からの移動性原子または基の除去によって重合反応を徐々に活性化することができるが、反応は未制御である。触媒の存在は、デアクチベーターを与える。
7b.CuCl/MeTREN触媒錯体を用いたMMAのATRP。
反応(WJ−02−89,90,91)は、僅かに遅かったし、そして再度、形成されたポリマーの分子量は、転化と共により高い値へときれいにシフトした。図10dおよび図10eは、より低い濃度の銅錯体を用いた実験についての分子量の増加を示している。(すなわち、反応中に35ppmおよび3.5ppmのCu)
一連の実験双方において、分子量は理論値よりも高く、より大きいPDI(>1.4)が認められた。これは、反応の初期段階に存在するデアクチベーターの量に相対して高濃度の開始剤に起因しうると考えられる。これは、この具体的なアクチベーター/リアクチベーター系について、より高い重合度を標的とすることによって、または活性触媒錯体の連続再生についてSn(2EH)より低い還元能力を有する追加の還元剤を与えることによって解決することができる。好ましくは、不可欠ではないが、停止反応と概して同等の速度でデアクチベーター錯体を還元すること。すなわち、Cu(I)対Cu(II)のほぼ一定の比率を保持すること。
7c.CuCl/dNBPY触媒錯体を用いたMMAのATRP。
二つの実験を、dNBPYをリガンドとして用いて、過剰の還元剤で活性化された一層低レベルの銅(II)錯体で実施した。Cu(II)対Sn(II)の比率が1:1であった場合、反応は、モノマー転化率が増加するにつれて、GPCトレースのより高い値へのきれいなシフトで、きわめて充分に制御され(図11)、そしてポリマーの分子量は、理論値に近づいた。(図10f)その比率が1:100へと減少した場合、分子量は転化と共に増加し、そして転化と共にMWのシフトがあったが、しかしながら、開始剤の遅い活性化かまたは成長性ポリマー鎖の遅い失活の徴候があった(図10g)。
7d.アスコルビン酸−6−パルミテート(palmamite)(AGP)で活性化されたCuCl/dNBPY触媒錯体を用いたBAのATRP。
A6Pは、アスコルビン酸の構造と同様の構造を有するが、異なった溶解性を有する還元剤である。A6Pは、室温でアニソール中に部分可溶性であったが、しかしながら、90℃の実験温度では、A6Pは溶解すると考えられた。A6Pは、アスコルビン酸またはSn(2EH)より弱いまたは一層遅い還元剤であるので、反応は、数時間後まで変色しなかった。A6Pを、加えられた開始剤に匹敵するように、Cu(II)に対して0.1:0.1の比率で加えた場合、12時間後に転化が検出されなかったが、それは、銅錯体のきわめて遅い還元を示していると考えられる。比率が0.1:0.01であった場合、反応は、きわめて遅い転化へと徐々に進行した。比率が0.1:0.001であった場合、反応は、比較的速く進行したが、分子量展開により、依然として、広範な多分散性を生じる遅い開始が示された。
7e.過剰のリガンドの存在下でCuCl/MeTREN触媒錯体を用いたStのATRP。
一連のスチレン重合を、異なったモル比の銅対スズおよび異なった比率の銅対MeTRENで行った。それら結果を表10に示す。1:1:1のモル比のCuCl:MeTREN:Sn(2EH)では、反応は充分に制御されたし、そして転化率は、17時間にわたって67%に達した。しかしながら、そのモル比を0.1対0.1対1に変更した場合(すなわち、はるかに低い銅濃度)、反応は、事実上、カチオンであるように見え、オリゴマーを生じたが、銅に関して過剰のリガンドの添加が、制御されたラジカル重合法へと回復させた。0.1:0.3:1の比率で、2倍過剰のリガンドが存在した場合、反応は制御されが、0.1:1.1:1の比率で、更に大過剰のリガンドが存在した場合、反応は制御されないだけでなく、銅の10倍程度に最初の実験より速く、7.6時間で59%転化率に達した。WJ−03−05、同07および同08の実験において、GPC曲線は、反応が進行するにつれて、より高い分子量へのきれいなシフトを示し、転化率速度論は時間経過で直線であった。
実施例8
ブロックコポリマーの合成。
8a.AGET ATRPによるPODMA−b−PMMA。
2回の連続AGET ATRPを、ブロックコポリマーPoly(PODMA−b−PMMA)の二段階合成に用いた。最初に、Poly(ODMA)ブロックを、実施例4の場合のようにAGET ATRPを用いて製造し、そして引き続きのMMAの重合にマクロ開始剤として用いた。Poly(ODMA)マクロ開始剤(Mw=13800,PDI=1.10)(3g,0.22mmol)およびCuCl(31.0mg,7.3×10−5mol)を、25mL Schlenk フラスコに加えた後、モノマー(MMA,9.4g,0.09mol)中に溶解させ、そして窒素を15分間通気した。トルエン(5ml)中のPMDETA(48.0μl,0.23mmol)のパージングされた溶液を加え、その混合物を撹拌した。次に、トルエン(4ml)中のSn(2EH)(34.0μl,0.10mmol)を加え、初期試料を得た。次に、そのフラスコを、90℃で恒温の油浴中に入れ、撹拌した。重合は、フラスコを開け且つ触媒を空気に暴露することによって停止した。AGET ATRPを用いたMMAでの連鎖伸長は、きわめて有効であり、120分の反応時間後、最終ブロックコポリマーによるGPCトレースは、37200の分子量および1.09のPDIで単一モードであった。
8b.3アームスターブロックコポリマー。
Sn(2EH)を用いて、線状および星形のブロックコポリマーの製造のための触媒錯体を活性化した。星形コポリマーは、二つの異なった3アームマクロ開始剤、すなわち、Poly(MA−Br)を含むもの(KM159)およびPoly(St−Br)を含むもの(KM161)のコアから製造した。GPCを用いて、速度論または連鎖伸長反応を追跡すると、転化率が増加するにつれて、より高い分子量への分子量のきれいなシフトが示された。2Dクロマトグラフィーを適当な手段として選択して、スターブロックコポリマーの真の分子量を分析した(図11)。連鎖伸長反応の生成物は、本質的に純粋であることが分かったが、ある程度の熱自己開始スチレン重合の発生は、実験KM161の2Dクロマトグラムで明らかである(図12b)。
ミニエマルジョンでのAGET ATRP
比較例5:ミニエマルジョン系でのSR&NI。
ラジカルデアクチベーター(CuBrおよびリガンド)、モノマーおよび補助安定剤(ヘキサデカン)を、丸底フラスコ中に入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら60℃で10〜20分間加熱して、均一溶液を形成した。室温に冷却後、AIBNを撹拌しながら入れた。界面活性剤溶液を加え、そして混合物を、氷浴中で超音波処理して(Heat Systems Ultrasonics W−385ソニケーター;出力調節8および負荷サイクル70%で1分間)、音波処理によって生じる有意の温度上昇を防止した。ホモジナイゼーション後、そのミニエマルジョンを25mL Schlenk フラスコに移し、そこで、純粋アルゴンを、ミニエマルジョンを介して30分間通気した後、それを、80℃で恒温の油浴中に浸漬した。マグネチックスターラー速度を700rpmで設定した。Schlenk フラスコを油浴中に浸漬した時に、重合の0時を記した。試料を、予め脱気したシリンジによって定期的に抜き取って、モノマー転化率、コポリマー組成および分子量を監視した。
ATRP法の逆・正併発開始によるミニエマルジョン系中の水媒介(water-borne)3アームポリ(n−ブチルアクリレート)の合成についての条件を、下に示す。
実験ML143の2Dクロマトグラフィー分析の結果を、図2に示す。最終生成物は、材料中に存在する4.5%ポリスチレンを有した。
実施例9
ミニエマルジョンでのAGETによるホモポリマーの合成。
空気へのその許容度ゆえに、AGETは、ミニエマルジョンでATRPを行うのに好都合な技法である。それは、Cu(II)化合物の価格が、概して、Cu(I)の価格より低いことから、経済的動機も与える。アスコルビン酸を、その水への溶解性および環境的に良好な性質ゆえに、AGET ATRPミニエマルジョン重合の代表的な還元剤として採用した。ある程度疎水性の還元剤は、ミニエマルジョン上に浮遊して、容易に小滴に入らないことがありうるが、その場合、それらは、触媒を還元し且つ重合を活性化しうると考えられる。これに反して、アスコルビン酸などの水溶性還元剤は、ミニエマルジョン中で容易に溶解して、Cu(II)錯体を水相中でかまたはモノマー小滴の界面で還元することができる。得られたCu(I)錯体は、Cu(II)錯体より疎水性であるので、その還元法は、本質的に、活性触媒を小滴中へと追い返す。
ミニエマルジョン重合を行う前に、Cu(II)錯体は、丸底フラスコ中で、CuBr(0.0218g,0.098mmol)およびリガンドBPMODA(0.0440g,0.098mmol)をn−ブチルアクリレート(5.0g,39mmol)中に60℃で溶解させることによって調製した。得られた溶液を、氷浴で冷却した。EBiB開始剤(28.7μL,0.196mmol)、ヘキサデカン(0.18g)およびBrij98水溶液(20mL,5mmol/L)を、その冷却された溶液に加えた後、混合物に音波処理を施した(Heat Systems Ultrasonics W−385ソニケーター;8に設定した出力調節および負荷サイクル70%で1分間)。得られた均一ミニエマルジョンを、Schlenk フラスコに移し、アルゴンを30分間パージングした。次に、フラスコを、80℃で恒温の油浴中に浸漬した。アスコルビン酸水溶液を反応に注入して、重合を開始した。アリコートを時々採取して、転化率を重量法によって測定し且つ分子量の展開を調べた。
重合を開始する前に、Cu(II)種の大部分は、BPMODAなどのきわめて疎水性のリガンドとの錯体形成ゆえに、モノマー小滴中に残っていたが、ある程度のCu(II)種は、水性基材中にも存在している。したがって、アスコルビン酸をミニエマルジョンに加えた時、それは、水相中に存在している僅かなCu(II)錯体およびモノマー小滴の表面付近のそれら錯体と直ちに相互作用し且つそれを還元することができ、その系は、速やかに再平衡し、それによって、大部分のCu(II)の還元を可能にする。初期の非定常期をなくすために、アスコルビン酸を10分間中に徐々に加えて、平衡を小滴内で達成させた。これは、全てのアスコルビン酸を、反応のごく最初に加えた場合に得られたものより直線の速度論を達成する反応を引き起こした。ATRPを調節するある程度過剰のCu(II)種を残すために、化学量論的量未満の還元剤を用いた。加えられる還元剤の量は、錯体の分配係数、所望の反応速度、ATRP平衡定数、標的分子量等に依存するであろう。アスコルビン酸の量が少なすぎると、より遅い重合がもたらされると考えられるが、量が多すぎると、低下したレベルの制御がもたらされることがありうる。実験結果は、アスコルビン酸対Cu(II)錯体の最良の比率が約0.4:1であるということを示唆した。この比率では、重合は充分に速く、有意の量のカップリング反応の影響を示さなかった。
実施例10
ブロックコポリマーの製造。
マクロ開始剤CuBrおよびBPMODAリガンドを、丸底フラスコ中のモノマー中に60℃で溶解させた。Cu(II)錯体の形成後、得られた溶液を、氷浴中に沈めることによって冷却した。ヘキサデカンおよびBrij98水溶液を、その冷却された溶液に加えた後、混合物に音波処理を施した(Heat Systems Ultrasonics W−385ソニケーター;8に設定した出力調節および負荷サイクル70%で1分間)。得られた実質的に均一の懸濁液を、Schlenk フラスコに移し、アルゴンを30分間パージングした。次に、フラスコを、80℃で恒温の油浴中に浸漬した。アスコルビン酸水溶液をフラスコに注入して、反応を開始した。アリコートを時々採取して、転化率を重量法によって測定し且つ分子量の展開を調べた。
大部分の態様において、AGETは、ブロックコポリマーの合成についてSR&NIより有効な技法のはずである。SR&NIのある種の態様では、活性触媒を選択し且つ慣用的なラジカル開始剤の量を低レベルへに減少させたとしても、ホモポリマーを生じる。AGETについて、Cu(I)錯体は、非開始性電子移動機構によって現場で、またはCu(II)錯体の有機フリーラジカルに基づく還元を用いるよりもむしろ低エネルギー錯体によって生じる。
スチレンを第二モノマーとするPMA−Brマクロ開始剤(KM219)の連鎖伸長による線状ブロックコポリマーの製造は、ミニエマルジョン(KM241)の場合よりも、バルク(KM242)においてはるかに遅かった。ミニエマルジョン連鎖伸長反応による生成物は、きれいなブロックコポリマーであった。このカップリング不含コポリマーは、最初に系に加えられた少量のアスコルビン酸によって生じて、アクチベーターおよびデアクチベーターの適当なバランスを反応の初めから与えた。多すぎるアスコルビン酸は、重合の開始時に瞬間カップリングをもたらすと考えられるが、この実施例において、アスコルビン酸対Cu(II)の比率は、1/3へと低下した。
重合条件:[スチレン]:[PMA]:[CuBr/BPMODA]:[アスコルビン酸]=200:1:0.4:0.16。反応温度80℃。ミニエマルジョン条件:[Brij98]=水に関して0.58wt%(油相に関して2.3wt%);[ヘキサデカン]=モノマーに関して3.6wt%。モル質量に加えて、化学組成または官能性の独立した評価。ポリマー混合物を、HPLC第一次元でのそれらの化学組成にしたがって最初に分離後、溶出物をGPC次元に移し、そして更に、それらのモル質量または流体力学的体積にしたがって分離した。
ポリ(メチルアクリレート)−b−ポリスチレン(PMA−b−PS)コポリマーのミニエマルジョン合成でのAGET ATRP中に製造されるホモポリマーの量を決定するために、ポリスチレン(PS)についての臨界条件を、HPLC分析に利用した。PSの臨界条件下において、PSと充填用カラムとの間のエントロピーおよびエンタルピー相互作用は補償され、カラム中のPSの溶離容量は、そのポリマー鎖のサイズとは無関係である。したがって、PSは、クロマトグラフィーでは不可視になる、すなわち、これら臨界条件下のPSのクロマトグラフィー挙動は、その化学組成または官能性を除いて、その流体力学的サイズに依存することはない。したがって、PMA−b−PSコポリマーの溶離容量は、コポリマー中のPMAセグメントのモル質量によって単独で決定する。更に、PSの臨界条件下において、PMAセグメントの溶離モードを、サイズ排除モードとして設定したが、それは、より長いPMAセグメントを含むPMA−b−PSコポリマー鎖は、より少ない溶離容量を有し且つより早期に溶離すると考えられることを示している。
図3は、ミニエマルジョンでのAGET ATRPによって合成された線状マクロ開始剤PMAおよび線状ブロックコポリマーPMA−b−PSの2Dクロマトグラムを示す。これら二つのクロマトグラムによれば、PMAマクロ開始剤および最終PMA−b−PSコポリマーは、異なった分子量を有するが、同様の溶離容量(4.52mL)を有する。その比較しうるほどの溶離容量は、PSセグメントが、PSの臨界条件下のHPLC分析においてクロマトグラフィーで不可視であるということを確証した。その臨界条件下のPSホモポリマーの溶離容量(4.88mL)は、ポリマーの分子量とは無関係である。更に、最終線状ブロックコポリマー生成物の輪郭には、4.88mLにピークがなかったことから、このAGET ATRPミニエマルジョン反応中に形成されたホモポリスチレンはなかった。4.24mLの溶離容量についてのコポリマークロマトグラム中の小領域は、より少ない溶離容量が、より大きいPMAセグメントに対応することから、スター−スターカップリング生成物に帰因した。これは、GPC次元からの分子量決定によって確証されたが、ここにおいて、小さい肩ピークは、主生成物PMA−b−PSの分子量(15,400g/mol)より大きい22,000g/molの分子量を有した。コポリマーの2Dクロマトグラム中の各々のピークの積分は、最終生成物の定量的組成情報を与えた。カップリング生成物は、最終生成物の約1wt%に相当したが、それは、ミニエマルジョンでのAGET ATRPによる高収率の線状ブロックコポリマーを示した。
実施例11
スターブロックコポリマーの合成。
スターブロックコポリマーは、線状ブロックコポリマーと比較して、増大した流動学的性質および機械的性質を有する。ミニエマルジョンでのSR&NI ATRPは、スターブロックコポリマーの合成に成功したが(比較例5)、しかしながら、SR&NIの限界もまた、明らかに認められた。図2は、ミニエマルジョンでのSR&NI法によって得られた3アームスターブロックコポリマーP(MA−b−S)の典型的な2Dクロマトグラムを示す。HPLCの4.56mLでのピークは、主な所望の3アームスターブロックコポリマーであったが、4.25mLでの肩ピークは、この肩ピークの分子量が、主要ピークの分子量より2倍大きかったことから、スター−スターカップリング反応に帰因することがありうる。更に、4.88mLの溶離容量での小ピークは、PSホモポリマーと識別された。PS標準を、GPC次元の検量標準として用い、そして得られたブロックコポリマーの組成情報を、2D輪郭の各々のピークの積分強度によって得た。ポリマー組成は、90.5wt%の3アームスターブロックコポリマー、5wt%のスター−スターカップリング反応によって生じるコポリマー、および4.5wt%の線状ホモポリマーPSであった。2Dクロマトグラフィーで検出されたホモポリマーPSは、触媒を活性化する慣用的なラジカル開始剤(例えば、AIBN)の使用によって生じていたかもしれない。スターブロックコポリマーについてのこの2Dクロマトグラフィー分析は、純粋ブロックコポリマーの製造におけるSR&NI法の主な限界を強調した。
新規な開示されたAGET技法は、この障壁を克服するきわめて有効な手順である。慣用的なラジカル開始剤の添加は免れるので、重合生成物は、直接ATRPを用いたかのような程度にきれいな状態のままであった。水溶性還元剤は、ミニエマルジョン系中に速やかに拡散して、Cu(II)をCu(I)へと還元した。最終生成物は、2Dクロマトグラフィーによって更に分析した。(図5および図13)充分に制御されたAGET ATRPで達成された最終生成物の制御および純度の改善は、図5と図2とを比較することによって理解することができる。
純粋スターブロックコポリマーの製造のための重合条件:[スチレン]:[(PMA−Br):[CuBr/BPMODA]:[アスコルビン酸]=400:1:0.6:0.24;80℃。ミニエマルジョン条件:[Brij98]=水に関して0.58wt%(油相に関して2.3wt%);[ヘキサデカン]=モノマーに関して3.6wt%。共重合は、バルクの場合よりもミニエマルジョンにおいて速かったが、それは、モノマー小滴からのCu(II)錯体の水への漸次拡散を示した。スター−スターカップリング反応は、特に、スチレン重合について、免れることが困難であった。カップリング反応の寄与は、転化と共に増加するが、ある限られた転化率で重合を停止することによって減少させうると考えられる。図5および図13は、同じ反応条件下であるが、異なった転化率で製造された二つの試料の2Dクロマトグラムを示す。その2Dクロマトグラム(図13)で示されるように、スター−スターカップリングは、43%転化率で有意であった、すなわち、スター−スターカップリング生成物の重量分率は、17.3wt%であった。しかしながら、20%転化率では(図5)、この2Dクロマトグラムに一つだけ大ピークが存在し、それは、PS標準を検量に用いた場合に19,400g/molの分子量を有するP(MA−b−S)スターブロックコポリマーであった。スター−スターカップリング生成物の重量分率は、図5に円形で示されるように、1wt%未満であった。更に、いずれの転化率でもホモポリマーは検出されなかったが、それは、AGETが、純粋スターブロックコポリマーの製造に有効な手順であるということを更に証明した。
図13で認められるスターブロックコポリマーのスター−スターカップリングは、上記のように、触媒錯体の形成のための強く結合する一層疎水性のリガンドの選択によって、または重合法中の有機相中で一層高濃度のデアクチベーターを与えるリガンドの選択によって、より低いモノマー転化率で最小限にしうると考えられる。還元糖は、環境的に良好なアプローチが望まれ且つ1回の薬剤添加が望まれる場合、好適な還元剤でありうる。ミニエマルジョンATRP中のCu(II)錯体への水溶性還元剤の添加を用いて、溶解した酸素を除去するパージングの必要を免れることができる。
酸素を除去するために、モノマー、溶媒、および不活性ガスを含む他の成分をパージングすることなく、ATRPによって重合行うことは、好都合であると考えられる。アスコルビン酸は、銅(I)へと還元される銅(II)イオンにきわめて有効な還元剤として知られている。銅イオンの存在下において、それは酸素をも還元する。
比較例6
C6a.還元剤としてのアスコルビン酸の存在下における直接ATRPによるn−BuMAのエマルジョン重合。
エマルジョンを、0.0068g(4.74,10−5mol)の臭化銅(I);1.5ml(1.341g;9.43mmol)のn−BuMA中に溶解した0.0382g(9.35,10−5mol)のdNBpy;および10mlの水中に溶解した0.205gのBrij98および0.0180g(0.1mmol)のアスコルビン酸より形成した。用いられたモノマーおよび水は、予め脱気しなかった。混合物は脱気しなかった。この方式で製造されたエマルジョンが入った Schlenk フラスコを、油浴中に90℃で入れた(撹拌する)。これに、6.9μl(0.0092g 4.7×10−5mol)のブロモイソ酪酸エチルを加えた。直ちに、GC用の試料を採取した。いくつかの時点で、試料を再度採取した。転化率は、GCによっておよび重量法によって決定した。ポリマーの分子量は、THF中の1,4−ジメトキシベンゼン内部標準で決定した。4時間撹拌後、混合物は緑色になった。
上の結果より、重合は制御されないということが分かる。アスコルビン酸は、開始時に阻害剤として作用し、そしてそれが消費された時(フラスコ中の酸素による酸化)、重合はきわめて速くなる。この実験は、おそらくは、アスコルビン酸による銅(II)のきわめて速い且つ連続した還元反応ゆえに、不成功であった。これら条件下において、系中にデアクチベーターは存在しない。
C6b.還元剤としての亜硫酸ナトリウムの存在下における直接ATRPによるn−BuMAのエマルジョン重合。
(II)のための、油(すなわち、モノマー)可溶性でない別の還元剤は、亜硫酸ナトリウムである。それはアルカリ性であるので、少量の酸の存在下で用いるべきである。これは、系をきわめて複雑にする。その重合は、極端に速かったので(10分で75%を超える転化率)、実験は不成功であった。実験は次のように行った。0.0071g(4.95×10−5mol)の臭化銅(I);1.5ml(1.341g;9.43mmol)のn−BuMA中に溶解した0.0382g(9.35,10−5mol)のdNBpyおよび0.2mlのC16;および10mlの水中に溶解した0.199gのBrij98および0.0390g(0.31mmol)の亜硫酸ナトリウムより、エマルジョンを製造した。用いられたモノマーおよび水は、実験前に脱気しなかった。混合物は脱気しなかった。エマルジョンが入った Schlenk フラスコを、油浴中に90℃で入れた(撹拌する)。これに、0.1mlの酢酸および6.9μl(0.0092g 4.7×10−5mol)のブロモイソ酪酸エチルを加えた。その混合物は、直ちに褐色になった。ポリマーが分離し始め、10分で多量のポリマーが分離し、重合を停止した。このポリマーは、メタノールで洗浄し且つ乾燥後、1.002g重量であった(75%を超える転化率)。
これら結果は、必要な/所望の量のCu(II)をCu(I)へと還元する適当量の還元剤だけを加える重要性を示している。デアクチベーター(Cu(II))は、ATRP反応を制御するために重合の間中存在する必要があるので、過剰の還元剤は免れるべきである。
実施例12
不活性ガスでのパージングを伴わないミニエマルジョンAGET ATRP。
アスコルビン酸は、銅(II)イオンに有効な還元剤として知られている。それは、本質的には、銅イオンの存在下において、酸素をも還元する。アスコルビン酸の溶液は、エマルジョンに、黄色の形成によって示されるように、有意の部分の酸素が除去されるまで、加えることができる。最終褐色懸濁液を反応温度に加熱した時、制御反応が結果として起こる。
この手順を用いて、いずれのラジカルミニエマルジョン法からも、ppmレベルの銅が加えられたとしても、溶解した酸素を除去することができる。
12a.この実験において、1.5当量のアスコルビン酸を、加えられたCu(II)錯体の量に基づいて用いた。理論上は、Cu(II)錯体を全て還元するのに、0.5当量のアスコルビン酸が必要であり、したがって、この実施例では、アスコルビン酸の必要量の3倍を用いた。ミニエマルジョンまたは還元剤溶液の脱酸素を含めた脱酸素処理は、この反応に試薬には適用しなかった。過剰の不注意による酸素の作用を免れるために、試料採取用シリンジも窒素でパージングした。実験は、成功したATRPが、脱酸素を必要とすることなく達成されうることを示した。重合は、図14で示されるような直線の速度論で、および反応の間中互いに近い実測値および理論値分子量、および狭い分子量分布で、少なくとも6時間は80%のモノマー対ポリマー転化率の活性状態のままであった。
実施例13
AGET ATRP後のATRC。
還元剤の研究に基づいて、ATRCを、ミニエマルジョン系で更に試みた。ATRCの場合、Cu(0)またはアスコルビン酸などの還元剤を、制御されたATRPの最後にまたはマクロ開始剤の溶液に過剰に加えて、アクチベーターの濃度を瞬間的に増加させ且ついずれか形成されたデアクチベーターの濃度を継続して減少させ、したがって、ラジカルの濃度を増加させるので、カップリング反応の発生は劇的に増加する。Br末端基を有する二官能性オリゴマーを開始剤として用い、アスコルビン酸を還元剤として用い、そしてスチレンをモノマーとして用いた。アスコルビン酸は、2回の異なった時点で反応に加えた。第一バッチは、AGET ATRPを開始するのに加え、そして第二バッチはATRCカップリングを触媒するのに加えた。しかしながら、第一バッチ中のモル過剰のアスコルビン酸の添加により、第二バッチの前に、ある程度のカップリング反応が既に明らかであった。結果を図14に示すが、カップリング反応を明らかに認めることができるし、より多量の還元剤の添加は、より多くの明らかなカップリング反応を示し、そして最終生成物は、多数のカップリング生成物ゆえの広い分子量分布を示した。上記のように、より少量のアスコルビン酸(例えば、アスコルビン酸:Cu(II)=0.5:1)の添加は、いずれのカップリング生成物の形成も引き起こさなかった。
単官能性開始剤も、ミニエマルジョンでのATRCに用いたが、しかしながら、アスコルビン酸は、強力な還元剤とは考えられなかったので、別の還元剤であるヒドラジン水和物を用いた。予想通り、このカップリング反応は速やかに起こり、60分後に完了した。
比較例7:ミニエマルジョンでの官能性付加されたシリカ粒子からのnBAのSR&NI ATRP。
1−(クロロジメチルシリル)プロピル2−ブロモイソブチレートの製造および引き続きのシリカ(メチルイソブチルケトン中の30%wt Silica,有効直径=20nm,MIBK−ST,Nissan)の官能性付加の手順は、援用された以前に記載の手順に由来した。コロイド開始剤を、官能性クロロシラン(1(クロロジメチルシリル))プロピル2−ブロモイソブチレートおよびヘキサメチルジシラザン双方を用いてシリカナノ粒子のシリル化によって製造した。官能性付加されたシリカコロイドの元素分析は、臭素(1.40%,0.1852mmolBr/1gSiO)の包含を確証した。ビス(2−ピリジルメチル)オクタデシルアミン(BPMODA)を、2−ピコリルクロリドおよびオクタデシルアミンから、以前に開示された手順によって製造した。試薬のモル比は、[200:1:X:3.6%:0.125:0.2:0.2]nBA:Si−エチル2BrIB:界面活性剤/Brij98:補助安定剤:ヘキサデカン:AIBN:CuBr:BPMODA]であった。
手順:0.0085gのCuBr、0.017gのBPMODAおよび4.86g(5.44mL/0.0379mol)のnBAを、丸底フラスコに加え、60℃で約20分間撹拌して溶解させた。次に、その溶液を、氷中にフラスコを浸漬することによって冷却した。氷上の間、brij98(DI水で20gに希釈された20mm溶液)、0.0039gの精製AIBN、0.125mL(0.18g)のヘキサデカンおよび0.61gのSi−ブロモイソブチレート官能性付加粒子を、フラスコに加えた。混合物を短時間撹拌後、氷上の間に3〜4分間音波処理後、Schlenk フラスコに移し、アルゴンガスを30分間通気した。次に、重合反応によるグラフト形成を、80℃で約6時間行った。転化率は、時間と共に直線的に増加し、重量法によって測定される64%に達した。シリカエッチング後のポリマーから離れグラフト形成したもののGPCは、PDI=1.47で約16Kであり(理論値(200137=274064=17K)に近い)、制御された重合が行われたことを示している。図18は、加えられたAIBNから生じるフリーポリマーの存在を示す。このフリーポリマーは、取り付けられたポリマーと同じ分子量を有し、しかもつながれたポリマー鎖中に可溶性であり、したがって、均一マトリックスが形成されるであろう。フリーポリマーは、マトリックス希釈剤として作用し、そして多数の用途について、これは、特に、バルク材料用途に、またはナノ複合材料を補強剤として用いる場合に、許容しうるであろう。
実施例14
AGET ATRP。
反応条件は、AIBNの代わりに還元剤を加えたことを除いて、上と同様であったが、図19に示されるように、かなり少量のフリーポリマーしか形成されない。このタイプの生成物は、ナノ複合粒子が、顔料分散剤などの用途で直接的に用いられる場合に好適であると考えられる。
コロイド粒子を含有するミニエマルジョン系の重合の速度論をガスクロマトグラフィーで追跡することは、いくつかの非溶解性種の存在ゆえに問題がありうる。同じ理由で、H−NMRによってモノマー添加を追跡することは、事実上不可能である。しかしながら、上に詳述されたように、ミニエマルジョン系の重合の速度論は、重量法によって追跡することができる。それら結果は、適切な再現性および理論的予測との充分な一致を有する。これは、これらハイブリッドミニエマルジョン系の場合にも証明された。反応を停止する直前に得られた重量測定値から予測される分子量(Mn)は、14,800g/molであったが(58%転化率×200×1×128g/molより計算される)、これは、シリカコアをエッチング後に決定された15,900g/molの実測Mnと充分に一致する。SEC測定のためにシリカのエッチングから用いられた条件は、以前に報告された。フリーn−BAポリマーの最終の多分散性は、比較的低かったが(1.4)、それは、密集によって引き起こされる分子内停止によって予想されるよりも僅かに広いことがありうる。
より高いDPを標的とする反応では、試薬の比率をしかるべく調整した。
これら結果と、シリカ粒子からのバルクグラフト形成についての先行技術実施例との比較は、ミニエマルジョン系で行われた反応が、活性種の分散した性質ゆえに、より速い速度でより高い転化率へと続行することができるということを示している。
タッピングモード原子力顕微鏡検査(AFM)分析を、Nanoscope-III Multimode System(Digital Instruments, Santa Barbara, CA)を用いて行った。画像は、空気中において標準ケイ素TESPプローブで得た(50N/mの名目ばね定数および300kHzの共鳴周波数)。シリカ上の変形性ポリマー層は、以前に記載された手順とは充分に対照的であった。透過型電子顕微鏡検査は、Hitachi H−7100電子顕微鏡を用いて行った。ハイブリッドナノ粒子のTEM試料は、1滴の稀薄コロイド溶液を炭素被覆銅グリッド上に落とすことによって調製した。エマルジョン小滴および粒子サイズは、動的光散乱高性能粒子サイザー(HPP5001型,Malvern Instruments)を用いて決定した。
得られた試料のAFMおよびTEM分析によって得られた画像は、一様なポリマー層によって取り囲まれた個々のシリカ粒子を示している。全ての画像(1〜4)において認められる凝集体およびカップリングした粒子の比率は、つながれたポリマーの転化率または分子量とは無関係に、きわめて小さい。画像1および画像2は、明らかに、ミニエマルジョンで製造された試料中に存在する低レベルの凝集体を示している。画像3および画像4の比較は、触媒錯体の活性化をSR&NI〜AGETへと移動する利点を示している。明らかに、AGET ATRPは、いずれのフリーポリマーの生成も伴わないことを除いて、完全転化および低い多分散性についてSR&NIミニエマルジョン系と同じ能力を与える。図18と比較して、図19には、検出可能なフリーポリマーがかなり少量しか存在しない。図19で認められる低レベルのホモポリマーは、音波処理中のシリカ粒子からのある程度の開始剤分離の結果でありうるし、または酸化防止剤の除去による試料製造中の過酸化物形成ゆえの酸素で開始されるホモ重合の結果でありうる。
これらAFM画像は、低レベルの粒子−粒子カップリングを示し、そしてTEM用薄膜の加工によって示される材料の加工性は、広範な架橋の全くの不存在を示している。分子量を増加させる作用は、TEM画像によって示されるが(画像1および画像2)、それらは、区画化されたミニエマルジョン系における固有の制御レベルを確証する。シリカコアの等間隔は、明らかに、これら画像で認められ、そしてシリカコア間の間隔の増加を引き起こす重合度(DP)を増加する作用も明らかである。図16において、ポリブチルアクリレートのDPが125である場合、シリカコア間の距離は、平均約20nmである。ところが、より高いDP(438)は、約50nmへの粒子−粒子間隔の増加を引き起こす。図17。したがって、TEMは、制御された系で予想されるような一様な間隔と一緒に、増加したDPと共に増加する粒子間距離を示す。個々のハイブリッド粒子のサイズは、DLSによるミニエマルジョン破壊後に決定されたが、ポリブチルアクリレート(DP=125)についてDeff=104.9nmであった。そのサイズは、より高いDP試料(438)についてはDeff=258.1nmへと増加する。DLS測定によるより大きい粒子サイズは、溶媒による膨潤のためである。実際に、小滴サイズのある程度の増加は、反応が停止する前に認められており、これは、重合が進行するにつれて、モノマー単位移動度の変化によって生じうると考えられる。これは、重合後のモノマー単位の移動度への制限のためと考えられる、すなわち、より大きい自由体積は、低MWモノマーが、消費され且つシリカ粒子の表面から整列するにつれて、粒子中に生じる。HFで処理後のシリカ粒子から離れたポリマーの分子量は、(重量分析による)理論値と一致し、PDIは低かった。
要約すると、この実施例において、本発明者は、ミニエマルジョンATRP反応において多官能性シリカ開始剤を用いたハイブリッドナノ粒子の成功した合成の最初の実施例を与える。それら実験は、理論的予測を確証している。反応は、一次速度論にしたがい、そしてカップリングした粒子の過度の生成を伴うことなく、高転化率へと高速反応で推進し、それによって、これら新規な、官能性について特注可能な材料であって、その性状を多数の具体的な用途を標的とするように予め選択することができる材料への実現可能な商業的アプローチを与えることができる。このアプローチは、マルチアームスター分子、分子ブラシ、および錯体構造を有する他の充分に規定されたポリマーを含めた他の多官能性開始剤を含む他のCRP系にも適用することができる。
純粋な多官能性材料は、ミニエマルジョン系において多官能性開始剤から製造することができる。それら反応は、より高い転化率、より高い収率を与える条件下で、および伝統的なバルクまたは溶液重合系に対して比較的高速で行うことができる。ミニエマルジョン系に存在する区画化は、多官能性開始剤から成長している活性ポリマー鎖が物理的に架橋する能力を最小限にするので、マクロ架橋を免れる、したがって、巨視的レベルでのゲル化を免れる鍵であり、マルチアームハイブリッドコポリマーの合成に好都合な経路を与える。これは、多官能性開始剤系を用いた制御重合を行う能力の前進をもたらしたが、主要な反応基材としての水の使用は、環境的影響を最小限にする条件下で基本的な科学を実施する現行努力にしたがっている。
実施例15
ミニエマルジョンでの官能性付加されたシリカ粒子からのANのAGET ATRP。
上の実験を、アクリロニトリルをモノマーとして用いて繰り返した。ポリマーをシリカ粒子から離した後、そのMWは4000g/モルであり、1.15のPDIを示した。制御重合を再度示すことは、カップリングも架橋も伴うことなく、多官能性表面から行うことができる。この実施例で製造された材料は、シリカナノ粒子の除去後に、充分に規定された多孔度を有する炭素基材薄膜を製造するのに用いることができる。
実施例16
シリカにつながれたポリ(ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)の合成。
(コア/シェルハイブリッド粒子の製造例。)
本発明者は、更に希釈された系をミニエマルジョンで用いることが、より反応性のモノマーの重合をきわめて充分に制御することを可能にするということを確認した(モノマー含有率を14%に減少させる。典型的には、モノマー含有率20%)。それは、つながれたポリ(n−ブチルアクリレート)の連鎖伸長のMMAでの重合についてハロゲン交換を用いた理由であるが、アスコルビン酸の量は0.2モルへと減少した。ミニエマルジョンでシリカマクロ開始剤から合成された、つながれたポリ(BA−b−MMA)は、連鎖開裂後、分子量が増加したことを示し、ブロックコポリマーの形成が示された。
SiO−nBA220を、上のように、ミニエマルジョンでのAGET ATRPで製造した。Mn=33K、PDI=1.2。TGA結果は、31.6%の残留物を生じた。次の計算を用いて、開始剤効率を決定した。
TEM(平均数):TEM=16±4.5nm
体積球=4/3πr=4/3π8=2145nm
密度=1.9g/cm(バルクシリカについて)=1.9×10−21g/nm
各SiO粒子のW==密度体積=1.9×10−21g/nm3*214nm=4.08×10−18
「Mn」(各シリカ粒子について)=N×wSiO=2.44×10g/粒子
シリカ%wt(TGAによる)=31.6%(DP=220について)
molポリマー/グラム=0.684pBA/33000g/mol=2.07×10−5mol
molシリカ/グラム=0.316SiO2/2.44×10g/mol=2.44×10−7mol
ポリマー鎖/シリカ=2.07×10−5mol/2.44×10−7mol=160
元素分析によるBr含量は、0.31mmol/gであった。
#部位/粒子=0.31mmolBr/g2.44×10g/粒子=758Br部位/粒子
開始効率=鎖/部位=160/758100=21%効率
したがって、SiO−nBA220について、0.31mmol Br/g0.21=0.065mmol Br/g
手順:40%アスコルビン酸を含む[600:1:0.2:0.2]:[MMA:SiO−nBA220:CuBr:BPMODA](0.00084gのCuCl2,6.24×10−6mol)、(0.0023g,6.24×10−6mol)BPMODAおよび1.87g(2.0mL/0.0187mol)のメチルメタクリレートを、丸底フラスコに加え、60℃で約20分間撹拌して、固体試薬を溶解させた。次に、その溶液を、氷中にフラスコを浸漬することによって冷却した。氷上の間、DI水(5.5g)中のbrij98(20mMを2g)、0.087mL(0.067g)のヘキサデカンおよび0.48gのn−ブチルアクリレートで官能性付加されたシリカ(上記)の溶液を、そのフラスコに加えた。その混合物を、氷と接触した状態に置きながら、3〜4分間音波処理後、Schlenk フラスコに移し、アルゴンガスを30分間通気した。アスコルビン酸溶液(0.mLのHO中の4.4×10−4g(原液))。0.35mLを最初に加え、残りの0.15mLを10分後に加えた。フラスコを、80℃に加熱された油浴に移し、1.5時間反応させ、その時点で、ミニエマルジョンをTHFに速やかに加え且つメタノール中に沈殿させることによってそれを停止し、収集のために濾過した。SEC測定のためのシリカのエッチングは、以前に報告されたように行った。GPCトレースは、PDI=2.1でMn=97Kを与え、つながれた鎖の連鎖伸長が起こって、コア/シェルハイブリッド粒子を形成したことが示された。やや広範なMWDは、二つの因子に帰因することがありうるが、一つは、生成物の量(ミニエマルジョンを不安定にする)、そしてもう一つは、最初のつながれたマクロ開始剤材料の合成を、最初のモノマー(SiO2−nBA)の完全転化へと進行させたということであり、それは、停止が(kは、モノマー濃度が低下するにつれて変化することはないので)好都合であったし、そして官能性のある程度の損失が分子内鎖−鎖カップリング中に起こったということを意味している。約50%転化率へと進行させただけであった材料で連鎖伸長を行うことは、より良い分析結果を生じると考えられる。
実施例14〜16は、充分に規定されたコアを有するハイブリッドナノ粒子の製造を記載し、そして有意の粒子−粒子カップリングを伴わない高収率反応での固体表面からコポリマー鎖にグラフト形成することが実現可能であるということを示している。しかしながら、線状、分岐状またはブロックのコポリマーマクロ多官能性開始剤を用いて、可溶性高分子ボトル・ブラシコポリマーを製造することも可能である。
AGET ATRPによるボトル・ブラシコポリマーの製造
比較例8:
固体粒子の表面からのグラフト形成は、CRPで用いられる多官能性開始剤の唯一のタイプではない。ボトル・ブラシコポリマーとして知られる材料は、各々のモノマー単位まで開始性種を更に含んでいるポリマー主鎖からグラフト形成することによって製造されてきた。粒子からのグラフト形成での場合と同様、これら製造は、概して、溶液中において低いモノマー対ポリマーの全転化率で行われてきた。
C8a.溶液中でのボトル・ブラシコポリマーp−(BPEM−g−(n−BA))の形成
480の重合度を有する線状多官能性ホモポリマーマクロ開始剤(共通譲渡された他の特許および出願に詳述されたように、ATRPによるHEMA TMSのホモ重合後、官能基のブロモエステルへの変換(p(BPEM))によって形成される)を、n−BAの重合用の開始剤として用いた。重合は、5.5時間行った。n−BAからグラフト形成した各々の鎖の重合度は、重量法によって測定したところ230、そしてGPC MALS(これは、過大数値を与える)によれば380であった。
C8b.ミニエマルジョンにおいてボトル・ブラシコポリマーp−(BPEM−g−(n−BA))を形成する「正常」ATRP反応を実施する試み。
したがって、現在開発されている系を、ボトル・ブラシコポリマーの製造に適用することは興味深いことであった。実験KM271において、線状多開始剤主鎖からの直接ATRPを、ミニエマルジョンで行ったが、それは、その系に酸素が不存在であるべきなので、特に不都合である。CuBrおよびBPMODAを、50mL Schlenk フラスコに入れた後、それを真空にし、窒素で再充填した。このサイクルを4〜5回繰り返した後、脱酸素BAをフラスコに注入した。錯体Cu/BPMODAは、50℃未満で速やかに形成し、レモン色を示した。脱酸素ヘキサデカンおよびBrij98溶液を、その混合物に注入した。次に、ゴム隔壁を開けて空気にさらし且つソニケータープローブを混合物内に入れた時に、アルゴンの急激な通過で混合物をパージングした。1分間音波処理後、フラスコをゴム隔壁で速やかに密封し、そしてその均一混合物にアルゴン流を更に10分間パージングし続けた。次に、フラスコを、80℃で恒温の油浴中に浸漬した。窒素で既にパージングされたマクロ開始剤のアニソール溶液を、反応混合物に注入して、重合を開始した。しかしながら、連鎖伸長のためのこの手順を用いると、開始剤の非効率的分散ゆえに、共重合は困難である。マクロ開始剤の添加前に、ATRP法の各々の成分を、音波処理によってモノマー小滴中に分散させた。しかしながら、加えられた開始剤は、ミニエマルジョン混合物中に効率よく分散することはできない。開始剤は水に不溶性であるので、それは、アニソールなどの無極性溶媒中に溶解させるべきであったが、したがって、アニソール溶媒中の開始剤は、モノマー小滴内に行く推進力がない。反対に、撹拌しながら形成されたアニソール小滴は、凝集する傾向があった。それらは、ある程度のモノマーをそれらに接近させることができるが、1個のアニソール小滴中には多すぎる開始剤が存在すると考えられ、分子内または分子間カップリング反応が急速に生じ、それが、ゲル小滴を生じると考えられる。これらゲル小滴は、モノマー小滴よりますます多くのモノマーを吸収し、それらも凝集する傾向があった。大きいゲル小滴は、1時間後に認められた。
実施例17
ミニエマルジョンで製造されたボトル・ブラシコポリマー。
17a.SR&NIミニエマルジョンを用いたp−(BPEM−g−MMA)の合成
丸底フラスコ中で、0.0177gのBPMODA、4.10gのMMA、0.0527gのp−(BPEM)および0.0051gのCuClを、熱油浴中(T=60℃)で混合し且つ溶解させた。その青色溶液を、氷浴中で冷却した。次に、次の試薬を加えた。0.0042gのAIBN、0.26mLのヘキサデカンおよび16gのBrij98/HO(20mM)。その混合物を、Schlenk フラスコに移し、Nで15分間パージングした。その後、フラスコを熱油浴中(T=80℃)に浸漬し、反応を開始させた。約1.5mLの試料を、重力分析およびGC転化率分析のために30分毎に採取した。緩慢な開始が認められた後、MMAの急速重合が認められる。この重合の最終転化率は、GCにより71.3%である。t=150分後に、フラスコを油浴から外すことによって反応を停止した。ポリマーをMeOHから沈殿させた。得られた固体は、THF中に再溶解させ且つ流延して薄膜にし得た。そのキャストフィルムのAFM画像は、ブラシ−ブラシカップリングの不存在を示した。(図20。)
17b.ミニエマルジョンを用いた400:1のモル比でのp−(BPEM−g−MMA)の合成。
丸底フラスコ中で、0.0179gのBPMODA、7.99gのMMA、0.0534gのp−(BPEM)および0.0053gのCuClを、熱油浴中(T=60℃)で混合し且つ溶解させた。その青色溶液を、氷浴中で冷却した。次に、次の試薬を加えた。0.0023gのAIBN、0.52mLのヘキサデカンおよび32gのBrij98/HO。その混合物を、Schlenk フラスコに移し、Nで15分間パージングした。その後、フラスコを熱油浴中(T=65℃)に浸漬し、反応を開始させた。t=22.5時間後に、フラスコを油浴から外すことによって反応を停止した。ポリマーをMeOHから沈殿させた。
転化率が、バルクの場合よりもミニエマルジョンにおいて高い値に達しうるということ、およびグラフト形成鎖の分子量は、より高い値へと推進しうるということを証明するために、上の手順を、ミニエマルジョンでのSR&NI ATRPを用いたBA側鎖を含むブラシポリマーのいくつかの実施例に用いた。これを確証した。グラフトについて400の重合度を標的とした場合、転化率は7時間後に60%に達したが、開始時に、緩慢な活性を示す誘導期が存在し、引き続き直線状の転化速度が存在した(二つの実験についての速度論プロットを、図15に示す)。ミニエマルジョンは、反応後に安定のままであった。AFMは、現在のところ、モノマー小滴内部でカップリング反応が起こったか否かを分析する最良の方法であり、図20は、未架橋の分子が製造されたことを示している。
実施例18
AGET ATRPによるp−(BPEM−g−n−BA)の合成。
AGET ATRPミニエマルジョン重合系において、重合速度は、触媒錯体を活性化するために加えられたアスコルビン酸の量に、有意の程度に依存する。1:2のアスコルビン酸/Cu(II)比率を選択したが、それは、バルク/溶液重合で用いられたものより僅かに高かった。より高い比率を選択したのは、バルク系の場合、AGET ATRPは、重合速度に有意に影響を与える残留Cu(II)種の結果として制御方式で徐々に進行するからであった。他方、ミニエマルジョンの場合、モノマー小滴から出たCu(II)の拡散は、実際上、転化率を維持するのに役立ち、「過剰の」還元剤の添加は、還元されたCu(I)を小滴へと押し戻す。AGETミニエマルジョンによって製造されたブラシコポリマーのAFM画像は、アスコルビン酸をCu(II)に対して1:5の比率で加えた場合にほとんど架橋が存在しなかったということ、および反応中に形成されたホモポリマーはなかったということを示している。
図1は、AIBNを慣用的なラジカル開始剤とし、ポリ(メチルアクリレート)マクロ開始剤を正常ATRP開始剤とするSR&NIを用いて開始されるバルクATRPで製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含む3アームブロックコポリマーの2Dクロマトグラフィー特性表示である。 図2は、AIBNを慣用的なラジカル開始剤とし、ポリ(メチルアクリレート)マクロ開始剤を正常ATRP開始剤とし、そしてCuBr/BPMODAを触媒錯体とするSR&NIを用いてミニエマルジョン重合法で製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含む3アームブロックコポリマーの2Dクロマトグラフィー特性表示である。 図3aは、ミニエマルジョン重合法においてAGET ATRPで製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含むブロックコポリマーおよび線状ポリ(メチルアクリレート)マクロ開始剤の2Dクロマトグラフィー特性表示である。図3bは、PMAの臨界条件下における線状ブロックコポリマーPMA−b−PA(KM241)およびマクロ開始剤PMA−Br(KM219)についてのHPLC展開のグラフである。 図4は、異なった触媒を用いたBAのバルクおよびミニエマルジョン重合についての数平均分子量および分子量分布の速度論および展開のグラフである。 図5は、ミニエマルジョンにおいて20%転化率でポリ(メチルアクリレート)マクロ開始剤を用いて開始されるAGET ATRPで製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含む3アームブロックコポリマーの2Dクロマトグラフィー特性表示であり、第一次元は、ポリスチレンについての臨界条件下のHPLCであり、第二次元はGPCである。 図6は、カプロラクトンおよびオクタデシルメタクリレートのワンポット反応二重機構共重合の速度論のグラフである。 図7は、オクタン酸スズで現場で還元されたCu(II)錯体から出発するカプロラクトンおよびオクタデシルメタクリレートのワンポット反応二重機構共重合の速度論のグラフである。 図8は、オクタン酸スズで現場で還元されたCu(II)錯体から出発するカプロラクトンおよびオクタデシルメタクリレートの同時共重合についてのGPCトレースのグラフである。 図9は、平衡定数Kredoxのいくつかの値についてx[Cu]totに等しい[Cu(II)]の平衡値に達しさせるために、平衡において存在するSnIIの割合の依存性のグラフである。 図10a〜gは、ARGET ATRPにおいて低レベルの遷移金属を用いて製造された一連のポリマーについてのGPCトレースのグラフである。 図11は、低濃度の触媒を用いたMMAの重合についての速度プロットのグラフである。 図12は、Sn(2EH)を還元剤とするAGET ATRPで製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含むスターコポリマーの2Dクロマトグラフィー特性表示である。 図13は、過剰の還元剤を含むAGET ATRPで製造された、メチルアクリレートおよびスチレンのブロックを含むスターコポリマーの2Dクロマトグラフィー特性表示である。 図14は、溶解した酸素の濃度を減少させるパージングを伴うことなく行われたブチルアクリレートのAGET ATRPミニエマルジョン重合法の速度論のグラフである。 図15は、ミニエマルジョンでのポリマーブラシの製造についてのSR&NI ATRPの速度論のグラフであり、ここにおいて、KM93は、官能性付加されたシリカ粒子を開始剤として用いた重合法であり、KM281は、ボトル・ブラシコポリマーの製造のための重合法である。 図16は、ミニエマルジョン重合で製造された、シリカからグラフト形成した約125の重合度を有する(ポリ)n−BAのタッピング電子顕微鏡画像である。 図17は、ミニエマルジョン重合で製造された、シリカからグラフト形成した約438の重合度を有する(ポリ)n−BAのタッピング電子顕微鏡画像である。 図18は、SR&NIミニエマルジョンによる438の重合度を有する(ポリ)n−BAグラフト付きシリカの高転化率および高分子量でのポリマーと、AIBNから生じるフリーポリマーの低凝集を示す原子力顕微鏡画像である。 図19は、ミニエマルジョンでのAGET ATRPによる438の重合度を有する(ポリ)n−BAグラフト付きシリカの完全転化率および高分子量でのポリマーと、フリーポリマーの低凝集を示す原子力顕微鏡画像である。 図20は、ミニエマルジョンでのSR&NI ATRPによって製造されたボトル・ブラシコポリマーの原子力顕微鏡画像である。 図21は、アスコルビン酸を還元剤として含み且つ1:4のアスコルビン酸対Cu(II)比を有するミニエマルジョンでのARGET ATRPによって製造されたボトル・ブラシコポリマーの原子力顕微鏡画像である。

Claims (58)

  1. 重合法であって:
    還元剤と、
    少なくとも一つの遷移金属触媒;および
    原子移動ラジカル重合開始剤
    を初めに含む重合基材との存在下で、フリーラジカル(共)重合性モノマーを重合させることを含み;その際、
    該遷移金属触媒対該原子移動ラジカル重合開始剤のモル比が、0.5未満である、前記重合法。
  2. 遷移金属触媒が酸化状態にあり、そして重合法が、還元剤を、酸化状態にある少なくとも一つの遷移金属触媒と、ラジカル移動性原子または基を含む化合物と反応させて、重合法の制御に有意に関与することがない化合物を形成することを更に含む、請求項1に記載の重合法。
  3. 遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比が、0.1未満である、請求項1に記載の重合法。
  4. 遷移金属触媒対原子移動ラジカル重合開始剤のモル比が、0.05未満である、請求項1に記載の重合法。
  5. 重合基材中の遷移金属触媒の濃度が、1000ppm未満である、請求項1に記載の重合法。
  6. 重合基材中の遷移金属触媒の濃度が、100ppm未満である、請求項1に記載の重合法。
  7. 重合基材中の遷移金属触媒の濃度が、10ppm未満である、請求項1に記載の重合法。
  8. 重合基材が、懸濁媒を更に含む、請求項1に記載の重合法。
  9. 還元剤が、無機化合物である、請求項1に記載の重合法。
  10. 還元剤が、遷移金属化合物、低酸化レベルの硫黄化合物、亜硫酸水素ナトリウム、金属イオンを含む無機塩、ヒドラジン水和物およびこのような無機化合物の誘導体の内の少なくとも一つである、請求項9に記載の重合法。
  11. 金属イオンが、Sn2+、Fe2+、Cr3+、Al3+、Ti3+およびTi4+の内の少なくとも一つである、請求項10に記載の重合法。
  12. 金属イオンが、Sn2+、Fe2+、Cr3+およびTi3+の内の少なくとも一つである、請求項11に記載の重合法。
  13. 還元剤が、有機化合物である、請求項1に記載の重合法。
  14. 還元剤が、アルキルチオール、容易にエノール化されうるメルカプトエタノールまたはカルボニル化合物、アスコルビン酸、アセチルアセトネート、カンフルスルホン酸(camphosulfonic acid)、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、グルコース、アルデヒドおよびこのような有機化合物の誘導体の内の少なくとも一つである、請求項13に記載の重合法。
  15. 原子移動ラジカル重合開始剤が、少なくとも二つのラジカル移動性原子または基を含む、請求項1に記載の重合法。
  16. 原子移動ラジカル重合開始剤が、ポリマーまたは固体にくっついたラジカル移動性原子または基を含む、請求項1に記載の重合法。
  17. 重合基材が、溶媒または懸濁媒を更に含む、請求項1に記載の重合法。
  18. 重合法が、エマルジョン重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン法、逆エマルジョン重合および懸濁重合の内の一つである、請求項17に記載の重合法。
  19. 重合法が、懸濁媒;界面活性剤;およびラジカル重合性モノマーの少なくとも一部分を含むモノマー相を更に含む、請求項1に記載の重合法。
  20. 還元剤が、溶解した酸素と反応することができる、または酸素によって酸化された遷移錯体と反応する、請求項19に記載の重合法。
  21. 懸濁媒が、無機液体である、請求項19に記載の重合法。
  22. 懸濁媒が、水である、請求項21に記載の重合法。
  23. 還元剤が、水溶性である、請求項22に記載の重合法。
  24. 還元剤が、重合基材に少なくとも部分的に可溶性である、請求項1に記載の重合法。
  25. 遷移金属触媒が、高い酸化状態と低い酸化状態との間のレドックス反応に関与する、請求項1に記載の重合法。
  26. 還元剤対高い酸化状態にある遷移金属触媒のモル比が、1またはそれ未満である、請求項25に記載の重合法。
  27. 原子移動ラジカル重合開始剤が、アルキルハライドおよび置換エステルの内の少なくとも一つである、請求項1に記載の重合法。
  28. 重合基材が、塩基を更に含む、請求項19に記載の重合法。
  29. 原子移動ラジカル重合開始剤が、支持体にくっつけられたラジカル移動性原子または基を含む、請求項1に記載の重合法。
  30. 還元剤が、溶解した酸素と反応することができる、または酸素によって酸化された遷移錯体と反応する、請求項1に記載の重合法。
  31. 重合基材が、塩基を更に含む、請求項1に記載の重合法。
  32. 重合基材が、二つの還元剤を含む、請求項1に記載の重合法。
  33. 二つの還元剤の還元速度が異なる、請求項32に記載の重合法。
  34. 原子移動ラジカル重合開始剤が、少なくとも二つのラジカル移動性原子または基を含む、請求項18に記載の重合法。
  35. 還元剤が、懸濁相およびモノマー相の少なくとも一つに可溶性である、請求項19に記載の重合法。
  36. 還元剤対高い酸化状態にある遷移金属触媒のモル比が、1より大きい、請求項1に記載の重合法。
  37. 重合基材が、二つの還元剤を含む、請求項17に記載の重合法。
  38. 二つの還元剤の還元速度が異なる、請求項37に記載の重合法。
  39. エマルジョンまたはミニエマルジョン重合法であって:
    懸濁相;
    モノマー相;および
    モノマー相中の多官能性開始剤
    を初めに含む重合基材の存在下における制御ラジカル重合法によって、フリーラジカル(共)重合性モノマーを重合させることを含む、前記重合法。
  40. 還元剤および遷移金属錯体を重合基材に加えることを更に含む、請求項39に記載の重合法。
  41. 還元剤が、遷移金属化合物、低酸化レベルの硫黄化合物、亜硫酸水素ナトリウム、金属イオンを含む無機塩、ヒドラジン水和物およびこのような無機化合物の誘導体の内の少なくとも一つである、請求項40に記載の重合法。
  42. 金属イオンが、Sn2+、Fe2+、Cr3+、Al3+、Ti3+およびTi4+の内の少なくとも一つである、請求項41に記載の重合法。
  43. 金属イオンが、Sn2+、Fe2+、Cr3+およびTi3+の内の少なくとも一つである、請求項42に記載の重合法。
  44. 還元剤が、有機化合物である、請求項40に記載の重合法。
  45. 還元剤が、アルキルチオール、容易にエノール化されうるメルカプトエタノールまたはカルボニル化合物、アスコルビン酸、アセチルアセトネート、カンフルスルホン酸、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、グルコース、アルデヒドおよびこのような有機化合物の誘導体の内の少なくとも一つである、請求項44に記載の重合法。
  46. 還元剤を、エマルジョンの形成後に加える、請求項40に記載の重合法。
  47. 重合法が、エマルジョン重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン法、逆エマルジョン重合および懸濁重合の内の一つである、請求項39に記載の重合法。
  48. 重合法が、界面活性剤を更に含む、請求項39に記載の重合法。
  49. 還元剤が、溶解した酸素と反応することができる、または酸素によって酸化された遷移錯体と反応することができる、請求項40に記載の重合法。
  50. 懸濁媒が、水である、請求項39に記載の重合法。
  51. 還元剤が、水溶性である、請求項50に記載の重合法。
  52. 重合法であって:
    少なくとも一つの遷移金属触媒;および
    原子移動ラジカル重合開始剤
    を初めに含む重合基材の存在下で、フリーラジカル(共)重合性モノマーを重合させることを含み;その際、
    該遷移金属触媒対該原子移動ラジカル重合開始剤のモル比が、0.25未満である、前記重合法。
  53. 無機還元剤および有機還元剤の内の一つを含む、原子移動ラジカル反応法。
  54. 有機還元剤が、アルキルチオール、容易にエノール化されうるメルカプトエタノールまたはカルボニル化合物、アスコルビン酸、アセチルアセトネート、カンフルスルホン酸、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、グルコース、アルデヒドおよびこのような有機化合物の誘導体の内の少なくとも一つのものである、請求項53に記載の原子移動ラジカル反応法。
  55. 有機還元剤が、アスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体である、請求項54に記載の原子移動ラジカル反応法。
  56. 原子移動ラジカル反応法が、原子移動ラジカル付加、原子移動ラジカル環化、原子移動カップリングおよび原子移動ラジカル重合の内の一つである、請求項54に記載の原子移動ラジカル反応法。
  57. 塩基が、リガンドである、請求項28に記載の重合法。
  58. 塩基が、リガンドである、請求項31に記載の重合法。
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