JP2007092014A - 新規リビングラジカル重合法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性が高く、環境に優しいリビングラジカル重合触媒を提供すること
【解決手段】リビングラジカル重合方法のための触媒であって、ゲルマニウム、スズ、またはアンチモンから選択される中心元素と、該中心元素に結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む触媒が提供される。この触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させることにより、分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。本発明は、触媒の低毒性、低使用量、高溶解性、温和な反応条件、無着色・無臭(成形品の後処理が不要)などの利点を有し、従来のリビングラジカル重合方法に比べて格段に環境に優しく経済性に優れる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リビングラジカル重合に用いられる高活性触媒およびそれを用いた重合方法に関する。より具体的には、本発明は、典型元素(ゲルマニウム、スズ、またはアンチモン)を中心元素として有する触媒をリビングラジカル重合に用いる。
従来から、ビニルモノマーを重合してビニルポリマーを得る方法として、ラジカル重合法が周知であったが、ラジカル重合法は一般に、得られるビニルポリマーの分子量を制御することが困難であるという欠点があった。また、得られるビニルポリマーが、様々な分子量を有する化合物の混合物になってしまい、分子量分布の狭いビニルポリマーを得ることが困難であるという欠点があった。具体的には、反応を制御しても、重量分子平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、2〜3程度にまでしか減少させることができなかった。
このような欠点を解消する方法として、1990年頃から、リビングラジカル重合法が開発されている。すなわち、リビングラジカル重合法によれば、分子量を制御することが可能であり、かつ分子量分布の狭いポリマーを得ることが可能である。具体的には、Mw/Mnが2以下のものを容易に得ることが可能であることから、ナノテクノロジーなどの最先端分野に用いられるポリマーを製造する方法として脚光を浴びている。
リビングラジカル重合法に現在用いられる触媒としては、主に、ニトロキシル系触媒、ジチオエステル系触媒、および遷移金属錯体系触媒が知られている。
しかしながら、ニトロキシル系触媒およびジチオエステル系触媒においては、触媒と組み合わせて特殊な保護基をポリマー成長鎖に導入する必要があり、この保護基が非常に高価であるという欠点がある。また、重合反応に高温(例えば、100℃以上)が必要であるという欠点がある。さらに、生成するポリマーが好ましくない性能を有しやすいという欠点がある。すなわち、生成するポリマーがその高分子本来の色と異なる色に着色されたものになりやすく、また、生成するポリマーが臭気を有するものになりやすいという欠点がある。
他方、遷移金属錯体系触媒としては、例えば、Cu、Ni、Re、Rh、Ruなどを中心金属とする化合物に配位子を配位させた錯体が使用されている。このような触媒は、例えば、以下の文献に記載されている。
特開2002−249505号公報 特開平11−322822号公報 Journal of The American Chemical Society 119,674−680(1997) 特許文献1は、Cu、Ru、Fe、Niなどを中心金属とする錯体を触媒として使用することを開示する。
特許文献2は、ヒドリドレニウム錯体を触媒として使用することを開示する。
非特許文献1は、4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジンを臭化銅に配位させた化合物を触媒として使用することを開示する。
しかしながら、このような遷移金属錯体触媒を用いる場合には、使用量として多量の遷移金属錯体触媒が必要であり、反応後に使用された大量の触媒を製品から完全に除去することが容易でないという欠点があった。また不要となった触媒を廃棄する際に環境上の問題が発生し得るという欠点があった。さらに、遷移金属には毒性の高いものが多く、製品中に残存する触媒の毒性が環境上問題となる場合があり、遷移金属を食品包装材、生体・医療材料などに使用することは困難であった。また、反応後に製品から除去された触媒の毒性が環境上問題となる場合もあった。さらに、導電性の遷移金属がポリマーに残存するとそのポリマーに導電性が付与されてしまって、レジストなどの電子材料に使用することが困難であるという問題もあった。また、錯体を形成させないと反応液に溶解しないため、配位子となる化合物を用いなければならず、このために、コストが高くなり、かつ、使用される触媒の総重量がさらに多くなってしまうという問題もあった。さらに、配位子は、通常、高価であり、あるいは煩雑な合成を要するという問題もあった。
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、リビングラジカル重合のための高い活性を有する触媒およびこの触媒を用いた重合法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果として、本発明を完成させた。すなわち、本発明によれば、以下の触媒および重合方法が提供され、そのことにより上記課題が解決される。
(1) リビングラジカル重合法のための触媒であって、ゲルマニウム、スズ、またはアンチモンから選択される少なくとも1つの中心元素と、該中心元素に結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む化合物からなる、触媒。
(2) 上記項1に記載の触媒であって、以下の一般式(I)の化合物からなる、触媒:
MX (I)
ここで、Rはアリールまたは置換アリールであり、
nは0〜3の整数であり、
Mはゲルマニウム、スズ、またはアンチモンであり
はハロゲンであり、
mは1〜4の整数である。
(3) 上記項2に記載の触媒であって、Rはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
(4) 上記項3に記載の触媒であって、Mはゲルマニウムであり、Rはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
(5) 上記項2に記載の触媒であって、Mはスズまたはアンチモンであり、nは0であり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
(6) リビングラジカル重合を行う方法であって、上記項1に記載の触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含する、方法。
(7) リビングラジカル重合を行う方法であって、炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物および上記項1に記載の触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含する、方法。
(8) 上記項7に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物が、以下の一般式(II)を有する化合物である、方法:
CR (II)
ここで、RおよびRは、独立して、ハロゲン、水素またはアルキルであり、Rはハロゲン、水素、アルキル、アリールまたはシアノであり、Xはハロゲンである。
(9) 上記項8に記載の方法であって、触媒濃度が、反応溶液のうちの1重量%以下であり、反応温度が、20℃〜90℃である、方法。
本発明によれば、高い活性を有するリビングラジカル重合のための触媒およびそれを用いた重合方法が提供される。この触媒は、低毒性であるという利点を有する。この触媒は、反応液に高溶解性であるという利点を有し、そのため、配位子を添加して錯体とする必要もない。この触媒は、高い活性を有するため、重合反応に100℃以上の高温を必要とすることもなく、そして触媒の使用量を低減することができる。また、ポリマー成長鎖を反応中に保護するために高価な特殊な保護基を必要とすることもない。さらに、本発明の方法により得られたポリマーから得られる成形品は、成形時に着色したり臭いがついたりすることが実質的にないという利点を有する。
このように、本発明によれば、従来法に比べて格段に環境に優しく経済性に優れるリビングラジカル重合法が実現された。
以下、本発明を詳細に説明する。
(一般的用語)
以下に本明細書において特に使用される用語を説明する。
本明細書において「アルキル」とは、鎖状または環状の脂肪族炭化水素(アルカン)から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいう。鎖状の場合は、一般にC2k+1−で表される(ここで、kは正の整数である)。鎖状のアルキルは、直鎖または分枝鎖であり得る。環状のアルキルは、環状構造のみから構成されてもよく、環状構造にさらに鎖状アルキルが結合した構造であってもよい。アルキルの炭素数は、任意の自然数であり得る。好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20である。
本明細書において「低級アルキル」とは、炭素数の比較的少ないアルキル基を意味する。好ましくは、C1〜10アルキルであり、より好ましくは、C1〜5アルキルであり、さらに好ましくは、C1〜3アルキルである。具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどである。
本明細書において「置換アルキル」とは、アルキル基の水素が置換基に置換された基を意味する。このような置換基としては、例えば、アリールまたはシアノなどが挙げられる。
本明細書において「ハロゲン化置換アルキル」とは、アルキル基の水素がハロゲンに置換され、かつアルキル基の別の水素が別の置換基に置換された基を意味する。当該別の置換基としては、例えば、アリールまたはシアノなどが挙げられる。
本明細書において「アリール」とは、芳香族炭化水素の環に結合する水素原子が1個離脱して生ずる基をいう。具体的には、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどである。
本明細書において「置換アリール」とは、アリールに置換基が結合して生ずる基をいう。
本明細書において「ハロゲン」とは、周期表7B族に属するフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)などの元素の1価の基をいう。
本明細書において「リビングラジカル重合」とは、ラジカル重合反応において連鎖移動反応および停止反応が実質的に起こらず、単量体が反応しつくした後も連鎖成長末端が活性を保持する重合反応をいう。この重合反応では、重合反応終了後でも生成重合体の末端に重合活性を保持しており、モノマーを加えると再び重合反応を開始させることができる。
リビングラジカル重合の特徴としては、モノマーと重合開始剤の濃度比を調節することにより任意の平均分子量をもつ重合体の合成ができること、また、生成する重合体の分子量分布が極めて狭いこと、ブロック共重合体へ応用できること、などが挙げられる。なお、リビングラジカル重合は「LRP」と略される場合もある。
本明細書において「中心元素」とは、触媒となる化合物を構成する原子のうち、ハロゲン原子と結合して主に触媒作用を担う原子を意味する。従来技術において使用される「中心金属」との用語と同じ意味であるが、本発明において用いられるゲルマニウムは一般には半導体であって、金属に分類されないことが多いことから、誤解を避けるために、従来技術における用語「中心金属」の代わりに、「中心元素」との用語を用いる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(触媒)
本発明においては、リビングラジカル重合法のための触媒として、中心元素がゲルマニウム、スズ、またはアンチモンである化合物を用いる。
この化合物は、少なくとも1つの中心元素を有する。1つの好ましい実施形態では、1つの中心元素を有するが、2つ以上の中心元素を有しても良い。
中心元素は、ゲルマニウム、スズまたはアンチモンから、ポリマーの用途などに応じて選択される。例えば、ポリマー中に導電性物質が残存することが望ましくない用途(例えば、レジスト材料などの電子材料)に用いられるポリマーの場合には、中心元素としてゲルマニウムを有する触媒を用いることが好ましい。ゲルマニウムを有する触媒を用いることにより、導電性材料の残存しないポリマーを容易に得ることができるからである。
また、ゲルマニウムは、人体への毒性および環境への影響においても有利である。このため、導電性物質の残存が許容される用途であっても、ゲルマニウムを有する触媒を用いることは、従来技術における遷移金属錯体触媒などに比べて著しく有利である。
また、導電性物質の残存が許容される用途においては、スズまたはアンチモンを有する触媒を好適に使用することができる。
さらに、本発明の触媒は、少ない使用量で触媒作用を行うことができるという特徴があるから、上述したように、人体への毒性および環境への影響が少ない材料を、少ない量で使用することが可能になり、従来の触媒に比べて、非常に有利である。
(触媒中のハロゲン原子)
上記触媒の化合物中には、少なくとも1つのハロゲン原子が中心元素に結合している。上記触媒の化合物が2つ以上の中心元素を有する場合、それぞれの中心元素に対して少なくとも1つのハロゲン原子が結合している。このハロゲン原子は、好ましくは、塩素、臭素またはヨウ素である。より好ましくは、ヨウ素である。ハロゲン原子は1分子中に2原子以上存在してもよい。例えば、2原子、3原子、または4原子存在してもよく、それ以上存在してもよい。好ましくは、2〜4個である。ハロゲン原子が1分子中に2原子以上存在する場合、その複数のハロゲン原子は同一であってもよく、異なる種類であってもよい。
(触媒中のハロゲン以外の基)
触媒化合物は、必要に応じて、ハロゲン以外の基を有していてもよい。例えば、中心元素に、任意の有機基または無機基を結合させることが可能である。
このような基は、有機基であってもよく、無機基であってもよい。有機基としては、アリール、置換アリール、アルコキシ基(メトキシ基など)、エステル基(脂肪族カルボン酸エステルなど)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基など)などが挙げられる。1つの好ましい実施形態では、アリールまたは置換アリールである。
また、無機基としては、水酸基、アミノ基、シアノ基などが挙げられる。
有機基として、アリールまたは置換アリールを有する触媒化合物は、ラジカルの活性がより高くなる傾向にあり、好ましい。
置換アリールにおいてアリールに結合する置換基としては、置換アリールにおいてアリールに結合する置換基としては、例えば、アルキルまたはアルキルオキシなどが挙げられる。このようなアルキルとしては、低級アルキルが好ましく、より好ましくは、C〜Cアルキルであり、さらに好ましくは、C〜Cアルキルであり、特に好ましくは、メチルである。アルキルオキシにおけるアルキルとしては、低級アルキルが好ましく、より好ましくは、C〜Cアルキルであり、さらに好ましくは、C〜Cアルキルであり、特に好ましくは、メチルである。すなわち、1つの実施形態において、中心元素に結合する有機基は、フェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルである。
上記有機基および無機基の数は特に限定されないが、好ましくは、3以下であり、より好ましくは、1である。
なお、置換アリールにおける当該置換基の数は、特に限定されないが、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1〜2であり、さらに好ましくは、1である。
置換アリールにおける当該置換基の位置は、任意に選択される。アリールがフェニルである場合(すなわち、置換アリールが置換フェニルである場合)、置換基の位置は中心元素に対してオルト、メタ、パラのいずれの位置であってもよい。好ましくは、パラの位置である。
なお、本発明の触媒化合物には、配位子を配位結合させて錯体として重合反応に用いることも可能である。しかし、本発明の触媒化合物は、通常、そのままで重合反応に用いることが可能であり、配位子を加えて錯体を形成する必要がない。従来技術における遷移金属錯体系の触媒においては、一般的に、反応溶液に遷移金属化合物が難溶性であり、適切な配位子を加えて錯体を形成させる必要があったが、本発明においてはそのような必要はない。配位子を用いなければ、材料コストの点でも有利であり、また、使用触媒の重量を減らすことが可能である点でも有利である。また、一般的に配位子に用いられるアミン化合物は、通常、高価であるか、あるいは煩雑な合成が必要である。さらに、アミンの性質を考慮すると、遷移金属のアミン錯体は、生成高分子に吸着されやすいと考えられ、そのため、いっそうその除去に手間がかかると考えられる。
(触媒の製造方法)
本発明の触媒として使用される化合物は、その多くは公知化合物であり、試薬販売会社などから市販されているものをそのまま用いることが可能であり、あるいは、公知の方法により合成することが可能である。
触媒として、ゲルマニウムに有機基R(例えば、アリールまたは置換アリール)が結合したものを用いる場合、このような化合物は公知の方法により合成することができる。例えば、有機基Rのヨウ化物 RI にヨウ化ゲルマニウムを反応させる方法によって、RGelを合成することができる。
−I + GeI → RGel
ヨウ化物RIは、多くの場合、液体であるので、液体の場合は溶媒なしで反応を行うことが可能であり、また、必要に応じて、溶媒(例えば、ベンゼン、トルエンなど)を用いても良い。また、ヨウ化物RIが固体である場合には、溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエンなどを用いることができる。なお、特に触媒を使用しなくてもこの反応は進行する。このような反応の具体例については、例えば、文献Journal of Organometallic Chemistry 56,1−39(1973)などに記載されており、この文献に記載された方法を応用することにより、様々な有機基Rがゲルマニウムに結合した化合物を合成することができる。
触媒として、スズに有機基R(例えば、アリールまたは置換アリール)が結合したものを用いる場合、このような化合物は公知の方法により合成することができる。例えば、(RSnにSnIを反応させる方法によって、(RSnl(n+m=4かつn=1、2、または3)を合成することができる。このような反応の具体例については、例えば、文献Angewandte Chemie 75,225−235(1963)などに記載されており、この文献に記載された方法を応用することにより、様々な有機基Rがスズに結合した化合物を合成することができる。
触媒として、アンチモンに有機基R(例えば、アリールまたは置換アリール)が結合したものを用いる場合、このような化合物は公知の方法により合成することができる。例えば、上記ゲルマニウムまたはスズの場合と同様の方法によって、合成することができる。
(触媒の使用量)
本発明の触媒は、極めて活性が高く、少量でリビングラジカル重合を触媒することが可能である。
好ましい実施形態では、反応溶液1リットルに対して、触媒使用量を10ミリモル(mM)以下とすることが可能である。さらに好ましい実施形態では、反応溶液1リットルに対して、触媒使用量を5ミリモル以下とすることが可能であり、2ミリモル以下とすることも可能である。重量基準では、触媒使用量を反応溶液のうちの1重量%以下とすることが可能である。さらに好ましい実施形態では、0.5重量%以下とすることが可能であり、0.2重量%以下とすることも可能である。
また、触媒の使用量は、好ましくは、反応溶液1リットルに対して、0.1ミリモル以上であり、より好ましくは、0.5ミリモル以上であり、さらに好ましくは、0.8ミリモル以上である。重量基準では、触媒使用量を反応溶液のうちの0.01重量%以上とすることが好ましく、より好ましくは、0.05重量%以上であり、さらに好ましくは、0.08重量%以上である。触媒の使用量が少なすぎる場合には、分子量分布は広くなり易い。
(保護基)
本発明の方法には、リビングラジカル重合の反応途中の成長鎖を保護する保護基を用いる。このような保護基としては、従来からリビングラジカル重合に用いる保護基として公知の各種保護基を用いることが可能である。
(有機ハロゲン化物)
1つの好ましい実施形態では、本発明の方法においては、炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を反応材料に添加し、この有機ハロゲン化物から成長鎖に与えられるハロゲンを保護基として用いる。このような有機ハロゲン化物は比較的安価であるので、リビングラジカル重合に用いられる保護基のために用いられる公知の他の化合物に比べて有利である。
有機ハロゲン化物は、分子中に少なくとも1個の炭素−ハロゲン結合を有するものであればよく特に限定されるものではない。しかし、一般的には有機ハロゲン化物の1分子中にハロゲン原子が1個または2個含まれているものが好ましい。
有機ハロゲン化物のハロゲン原子は、触媒中のハロゲン原子と同一であってもよく、異なってもよい。異種のハロゲン原子であっても、有機ハロゲン化物と触媒の化合物との間で、互いにハロゲン原子を交換することが可能であるからである。ただし、有機ハロゲン化物のハロゲン原子と、触媒中のハロゲン原子とが同一であれば、有機ハロゲン化物と触媒の化合物との間でのハロゲン原子の交換がより容易であるので、好ましい。
1つの実施形態において、有機ハロゲン化物は、以下の一般式(II)を有する。
CR (II)
ここで、Rは、ハロゲン、水素またはアルキルである。好ましくは、水素または低級アルキルである。より好ましくは、水素またはメチルである。
は、Rと同一であってもよく、または異なってもよく、ハロゲン、水素またはアルキルである。好ましくは、水素または低級アルキルである。より好ましくは、水素またはメチルである。
は、ハロゲン、水素、アルキル、アリールまたはシアノである。好ましくは、アリールまたはシアノである。Rが、ハロゲン、水素またはアルキルである場合、RはRまたはRと同一であってもよく、または異なってもよい。
は、ハロゲンである。好ましくは、塩素、臭素またはヨウ素である。R〜Rにハロゲンが存在する場合、Xは、そのR〜Rのハロゲンと同一であってもよく、異なっていてもよい。1つの実施形態では、Xのハロゲンは、触媒化合物に含まれるハロゲンと同じハロゲンとすることができる。しかし、触媒化合物に含まれるハロゲンと異なるハロゲンであってもよい。
上記R〜RおよびXは、それぞれ、互いに独立して選択されるが、R〜Rのうちにハロゲン原子が0または1つ存在すること(すなわち、有機ハロゲン化物として、化合物中に1または2つのハロゲン原子が存在すること)が好ましい。
1つの好ましい実施形態では、有機ハロゲン化物は、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化置換アルキルである。より好ましくは、ハロゲン化置換アルキルである。ここで、アルキルは2級アルキルであることが好ましく、より好ましくは3級アルキルである。すなわち、有機ハロゲン化物のハロゲンが結合している炭素が有する水素は、2つ以下であることが好ましく、1つ以下であることがより好ましく、水素を有さないことがさらに好ましい。
ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化置換アルキルにおいてアルキルの炭素数は2または3であることが好ましい。従って、有機ハロゲン化物は、さらに好ましくは、ハロゲン化置換エチルまたはハロゲン化置換イソプロピルであるハロゲン化置換アルキルにおける置換基としては、例えば、フェニルまたはシアノなどが挙げられる。
有機ハロゲン化物の好ましい具体例としては、例えば、以下の、CH(CH)(Ph)I、およびC(CH(CN)Iなどである。
Figure 2007092014
Figure 2007092014

有機ハロゲン化物の別の具体例としては、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ブロモメチル、ジブロモメタン、ブロモホルム、テトラブロモメタン、ブロモエタン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモエタン、ブロモトリクロロメタン、ジクロロジブロモメタン、クロロトリブロモメタン、ヨードトリクロロメタン、ジクロロジヨードメタン、ヨードトリブロモメタン、ジブロモジヨードメタン、ブロモトリヨードメタン、テトラヨードメタン、ヨードホルム、ジヨードメタン、ヨウ化メチル、塩化イソプロピル、塩化t-ブチル、臭化イソプロピル、臭化t−ブチル、トリヨードエタン、ヨウ化エチル、ジヨードプロパン、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化t−ブチル、ブロモジクロロエタン、クロロジブロモエタン、ブロモクロロエタン、ヨードジクロロエタン、クロロジヨードエタン、ジヨードプロパン、クロロヨードプロパン、ヨードジブロモエタン、ブロモヨードプロパン等が挙げられる。これらのハロゲン化物は単独で用いてもよく、または組合せて用いてもよい。
本発明の方法における有機ハロゲン化物の使用量は、重合反応系中におけるラジカル重合開始剤1モル当たり0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.5モル以上であり、さらに好ましくは1モル以上である。また、重合系中におけるラジカル重合開始剤1モル当たり100モル以下であることが好ましく、より好ましくは30モル以下であり、さらに好ましくは5モル以下である。さらに、ビニル系単量体の1モル当たり0.001モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.005モル以上である。また、ビニル系単量体の1モル当たり0.5モル以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル以下である。
上記有機ハロゲン化物は、その多くの化合物が公知化合物であり、試薬販売会社などから市販されている試薬などをそのまま用いることが可能である。あるいは、従来公知の合成方法を用いて合成してもよい。
(モノマー)
本発明の重合方法には、モノマーとして、ラジカル重合性モノマーを用いる。ラジカル重合性モノマーとは、有機ラジカルの存在下にラジカル重合を行い得る不飽和結合を有するモノマーをいう。このような不飽和結合は二重結合であってもよく、三重結合であってもよい。すなわち、本発明の重合方法には、従来から、リビングラジカル重合を行うことが公知の任意のモノマーを用いることができる。
より具体的には、いわゆるビニルモノマーと呼ばれるモノマーを用いることができる。ビニルモノマーとは、一般式「CH=CR」で示されるモノマーの総称である。
この一般式においてRがメチルであり、Rがカルボシキシレートであるモノマーをメタクリレート系モノマーといい、本発明に好適に用いることができる。
メタクリレート系モノマーの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート等が挙げられる。また、メタクリル酸も用いることができる。
上記ビニルモノマーの一般式においてRが水素であり、Rがカルボキシレートで示されるモノマーは、一般にアクリル系モノマーと言い、本発明に好適に使用可能である。
アクリレート系モノマーの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。また、アクリル酸も使用可能である。
上記ビニルモノマーの一般式においてRが水素であり、Rがフェニルで示されるモノマーはスチレンであり、本発明に好適に使用可能である。Rがフェニルまたはフェニル誘導体で示されるモノマーは、スチレン誘導体といい、本発明に好適に使用可能である。具体的には、o−、m−、p−メトキシスチレン、o−、m−、p−t−ブトキシスチレン、o−、m−、p−クロロメチルスチレン等が挙げられる。
上記ビニルモノマーの一般式においてRが水素であり、Rがアルキルであるモノマーはアルキレンであり、本発明に好適に使用可能である。
本発明には、2つ以上のビニル基を有するモノマーも使用可能である。具体的には、例えば、ジエン系化合物(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)、アリル系を2つ有する化合物(例えば、ジアリルフタレートなど)、ジオール化合物のジメタクリレート、ジオール化合物のジアクリレートなどである。
本発明には、上述した以外のビニルモノマーも使用可能である。具体的には、例えば、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル)、ビニルケトン類(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン)、N−ビニル化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール)、(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド)、ハロゲン化ビニル類(例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラクロロエチレン、ヘキサクロロプロピレン、フッ化ビニル)、アクリル酸、メタアクリル酸などである。
これらは単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
上述したモノマーの種類と、本発明の触媒の種類との組み合わせは特に限定されず、任意に選択されたモノマーに対して任意に選択された本発明の触媒を用いることが可能である。ただし、メタクリレート系モノマーについては、芳香環を有する置換基を有する触媒、より具体的にはアリールまたは置換アリールを有する触媒を使用することが、反応性の点で、それ以外の触媒よりも好ましい。
(ラジカル反応開始剤)
本発明のリビングラジカル重合方法においては、必要に応じて、必要量のラジカル反応開始剤を用いる。このようなラジカル反応開始剤としては、ラジカル反応に使用する開始剤として公知の開始剤が使用可能である。例えば、アゾ系のラジカル反応開始剤および過酸化物系のラジカル開始剤などが使用可能である。アゾ系のラジカル反応開始剤の具体例としては、例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)が挙げられる。過酸化物系のラジカル開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
ラジカル開始剤の使用量は特に限定されないが、好ましくは、反応液1リットルに対して、1ミリモル以上であり、より好ましくは、5ミリモル以上であり、さらに好ましくは、10ミリモル以上である。また、好ましくは、反応液1リットルに対して、500ミリモル以下であり、より好ましくは、100ミリモル以下であり、さらに好ましくは、50ミリモル以下である。
(溶媒)
モノマーなどの反応混合物が反応温度において液体であれば、必ずしも溶媒を用いる必要はない。必要に応じて、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、従来、リビングラジカル重合に用いられていた溶媒をそのまま使用することが可能である。
(反応温度)
本発明の方法における反応温度は特に限定されない。好ましくは、10℃以上であり、より好ましくは、20℃以上であり、さらに好ましくは、30℃以上であり、いっそう好ましくは、40℃以上であり、特に好ましくは、50℃以上である。また、好ましくは、130℃以下であり、より好ましくは、110℃以下であり、さらに好ましくは、100℃以下であり、いっそう好ましくは、90℃以下であり、特に好ましくは、85℃以下である。
温度が高すぎる場合には、加熱のための設備等にコストがかかるという欠点がある。温度が室温以下の場合には、冷却のための設備等にコストがかかるという欠点がある。また、室温以下で重合するように反応混合物を調製すると、その反応混合物が室温では不安定で反応してしまうために、反応混合物の保管が困難になるという欠点がある。したがって、上記の、室温より少し高く、かつ過度に高すぎない温度範囲(例えば、50℃から85℃)は、実用的な意味において非常に好適である。
(反応時間)
本発明の方法における反応時間は特に限定されない。好ましくは、15分間以上であり、より好ましくは、30分間以上であり、さらに好ましくは、1時間以上である。また、好ましくは、3日以下であり、より好ましくは、2日以下であり、さらに好ましくは、1日以下である。
反応時間が短すぎる場合には、充分な分子量を得ることが難しい。反応時間が長すぎる場合には、プロセス全体としての効率が悪い。適切な反応時間とすることにより、優れた性能(適度な重合速度と副反応の軽減)が達成され得る。
(反応メカニズム)
本発明は特に理論に束縛されないが、その推定されるメカニズムを説明する。
リビングラジカル重合法の基本概念はドーマント種(P−X)の成長ラジカル(P・)への可逆的活性化反応にあり、保護基 Xにハロゲンを、活性化の触媒として遷移金属錯体を用いた系は、有用なリビングラジカル重合法の一つである。本発明によれば、Ge化合物、Sn化合物またはSb化合物を用いて、高い反応性で、有機ハロゲン化物のハロゲンを引き抜くことが可能であり、ラジカルを可逆的に生成させることができる(スキーム1)。
従来から、一般に、遷移金属はその電子が様々な遷移状態にあり得るため、各種化学反応を触媒する作用に優れることが知られている。このため、リビングラジカル重合の触媒としても、遷移金属が優れていると考えられていた。逆に、典型元素はこのような触媒には不利であると考えられていた。
しかしながら、予期せぬことに、本発明によれば、典型元素のうち、ゲルマニウム、スズまたはアンチモンを中心元素とする触媒を用いることにより、図1の模式図に示すように、触媒化合物と反応中間体との間でハロゲンを交換しながら、極めて効率よく重合反応が進行する。これは、中心元素とハロゲンとの結合が、反応中間体とのハロゲンの交換を行う上で適切であることによると考えられる。従って、基本的には、この中心元素とハロゲンとの結合を有する化合物であれば、中心元素およびハロゲン以外の置換基を有する化合物であっても、良好にリビングラジカル重合を触媒できると考えられる。
(スキーム1)
Figure 2007092014

(ポリマーの用途)
上述した本発明のリビングラジカル重合方法によれば、分子量分布の狭いポリマーが得られる。例えば、反応材料の配合や反応条件を適切に選択することにより、重合平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.5以下のポリマーを得ることが可能であり、さらに反応材料配合および反応条件を適切に選択することにより、Mw/Mnが1.4以下、1.3以下、1.2以下、さらには1.1以下のポリマーを得ることが可能となる。
本発明のリビングラジカル重合方法により得られるポリマーは、各種用途に使用可能である。例えば、レジスト、接着剤、潤滑剤、塗料、インク、包装材、薬剤、パーソナルケア製品(整髪料・化粧品など)などの生産に使用可能である。
また、触媒の中心元素として、ゲルマニウムを用いた場合、ゲルマニウムには導電性がないため、導電性不純物がポリマー中に残存しないことが必要とされる、例えばレジスト等の用途においても、好適に使用可能なポリマーが得られる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1および比較例1)
ハロゲン化アルキルとして、0.0186gの1−フェニルエチルヨージド(PE−I)を用いた。Ge化合物として0.0029gのGeIを用いた。ラジカル開始剤として0.0048gの過酸化ベンゾイル(BPO)を用いた。これらの材料を1gのスチレンに溶解して反応溶液とした。これらの材料の溶解性は良好であり、均一な溶液が形成された。反応溶液中の濃度は、以下のとおりであった。
PE−I 80mM、
GeI 5 mM、
BPO 20 mM
アルゴンにて残存酸素を置換し、この反応溶液を80℃に加熱することにより重合反応を行った。
なお、濃度の「mM」は、モノマー1リットルを基準とするミリモル数を示す。例えば、80mMは、モノマー1リットルに80ミリモルが溶解していることを意味する。
表1および表2に示すとおりに、反応材料および反応条件を変更しながら、No.1〜No.12ならびに比較1および比較2の実験を行った。No.1〜No.12の実験が実施例1の実験であり、No.C1およびC2の実験が比較例1の実験である。
この重合では、BPOの開裂により生じたラジカルPが、GeI(不活性化剤)のヨウ素を引き抜き、P−Xと活性化剤GeI が生成する。このようにして可逆的活性化反応が生ずる。
図2の黒丸に重合結果を示す。数平均分子量Mは重合率に比例して増大し、理論値とよく一致した。分子量分布指数M/Mは重合初期から約1.2であって、小さく、活性化(ハロゲン交換)の頻度は十分高いと言える。重合率は21hで50%であった。GeIを含まない場合では、重合後期においても、M/Mは1.5程度であった。GeIに代えて、GeI、SnI、またはSnIを用いた場合も、図2に示すように、M/Mは重合初期から約1.2と小さかった。いずれの化合物においても、少量(5mM、反応溶液中の0.29重量%)の添加で、分子量分布の狭いポリマーが得られ、それらの触媒活性が高いことが理解された。
表2にスチレンの重合実験の結果をまとめる。表中、「PDI」の欄に、Mw/Mnの値を記載する。適当な条件下で、Mw/Mnが1.1を下回るきわめて分子量分布の狭いポリマーを得ることができた(No.10)。また、高重合率を達しつつ、分子量分布の狭いポリマーを得ることもできた(例えば、No.3、4、6、7、9、13)。仕込みのPE−I濃度を下げることにより、例えば、GeI系でMn=11400、Mw/Mn=1.29(No.5)、SnI系でMn=22000、Mw/Mn=1.18(No.11)のポリマーを得るなど、比較的高分子量で分子量分布の狭いポリマーを得ることもできた。触媒量を上述した量(5mM)よりもさらに減らした実験においても(1−2mM、反応溶液中の0.06−0.12重量%)、分子量分布の狭いポリマーを得ることができた(No.2、4、11)。比較例1、すなわち、触媒を含まない系では、重合後期においても、Mw/Mnは1.5以上であって、本発明の触媒を用いたスチレンの重合実験結果よりも分子量分布が広かった(No.C1、C2)。分子量分布の制御は触媒の作用によると言える。生成したポリマーのタクティシティから本重合がラジカル重合であることを確認した。
Figure 2007092014

BPO: ベンゾイルパーオキサイド
AIBN:アゾビス(イソブチロニトリル)
Figure 2007092014

80℃においては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)
60℃においては、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)
b [M]、[PE−I]および重合率により計算されるMnの理論的計算値。Mはモノマーを表す。

(実施例2および比較例2:メタクリル酸メチル(MMA))
実施例1と同様に実験を行った。ただし、一部の実験においては、2級アルキルのPE−Iに替え、3級アルキルのメタクリロニトリル型ヨウ化アルキル(MAN−I)を使用した。また、ラジカルの活性が高いと考えられる触媒を合成した。スキーム2に示す既知の反応を利用して、置換基の異なる3種類の触媒、CHPhGeI(TGeI)、CHOPhGeI(AGeI)、およびPhGeIを合成した(下式)。
スキーム 2:
R−I + GeI → RGel
PhGeI、TGeI、およびAGeIの構造式を以下に示す。
Figure 2007092014

ヨウ化アルキル、合成した触媒、ラジカル開始剤としてAIBNを用いてMMAの重合を70℃で行った。表4に重合結果を示す。No.1〜No.10の実験が実施例2の実験であり、No.C1の実験が比較例2の実験である。
No.1の実験では、比較的分子量が低く、分子量分布も比較的広かったが、従来技術における遷移金属錯体系触媒と比較すると優れた活性を示す結果であり、本発明の作用効果を奏していることが確認された。
ヨウ化アルキルとしてMAN−Iを用いることで開始効率が上がった(No.5対No.6)。触媒として、PhGeI、AGeI、TGeIを用いることで重合速度(活性化速度)が大きくなった。分子量、分子量分布の制御されたポリマーを得ることができた(No.2−5)。最も重合結果が良かった(重合速度および活性化速度が大きかった)TGeIを触媒として用い、組成比を変えて重合を行ったところ、M/Mが1.2を下回る分子量分布のかなり狭いポリマーを得ることができ(No.7)、また、Mが10000を超える比較的高分子量で分子量分布の狭いポリマーを得ることもできた(No.9)。高重合率を達しつつ、分子量分布の狭いポリマーを得ることもできた(例えば、No.5、9、10)。比較例2、すなわち、触媒を含まない系では、重合後期においても、Mw/Mnは1.8以上と分子量分布は制御されなかった(No.C1)。
Figure 2007092014
Figure 2007092014

アゾビス(イソブチロニトリル) (AIBN)。
[M]、[R−X]および重合率により計算されるMnの理論的計算値
なお、上記実験に加えて、さらに、Ge(II)を中心元素とする触媒を用いて、同様の実験を行った。その結果、Ge(II)を中心元素とする触媒がリビングラジカル重合反応の触媒として充分に作用することを確認した。
(実施例3:イソプレン(ジエン類))
イソプレン1gに対して、ヨウ化アルキルとして0.0093gのPE−I、触媒として0.0031gのSnI、ラジカル開始剤として0.0097gのBPOを添加し、80℃でイソプレンの重合を行った。重合結果を以下の表5に示す。
Figure 2007092014

ベンゾイルパーオキサイド(BPO)。
[M]、[R−X]および重合率により計算されるMnの理論的計算値
(比較例3)
以下の配合を用いた以外は、実施例1と同様に重合実験を行った。
モノマー:スチレン、8.0M(1g)
ハロゲン化アルキル:1−フェニルエチルブロミド、80mM(0.016g)
(以下の表中では「PEB」と略す)
触媒:CuBr 5mM(0.00071g)
配位子:4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン 10mM(0.0035g)
なお、この実験においては、過酸化物を用いなかった。銅錯体触媒の場合には過酸化物を用いないことが当業者の技術常識であったからである。その理由は、(1)銅錯体触媒の場合には、過酸化物を用いなくてもラジカル反応が開始されること、および、(2)銅錯体触媒に過酸化物を加えると、成長種の失活反応が起こってしまって却って分子量分布が広くなってしまうことである。具体的には、例えば、上記非特許文献1においても、過酸化物を含まない反応材料が用いられることが記載されている。
これらの材料をモノマーに溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、80℃に加熱した。結果は以下のとおりであった。
Figure 2007092014

この結果、実施例1におけるスチレンの重合率と比較して、重合率がかなり低かった。また、反応後のMnは1200〜1400であって著しく低く、高分子量のポリスチレンが得られなかった。またMw/Mnの値(PDI)も、実施例1における本発明の触媒における値よりもかなり大きくなっている。従って、遷移金属触媒の活性が、本発明の触媒の活性に比べて著しく劣ることが理解される。
この比較例3の結果と、実施例1の結果との対比からも理解されるとおり、本発明の触媒は、先行技術における遷移金属錯体触媒に比べて、著しく活性が高い。
上記の実施例は、先行技術に開示された先行技術の触媒の性能と比べても本発明が優れることを示している。
例えば、上述した非特許文献1に記載された実験例では、以下の反応溶液を反応させる:
スチレン 8.7 M (1 g)
1−フェニルエチルブロミド 87 mM (0.016 g)
CuBr 87 mM (0.013 g)
4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン 174 mM (0.076 g)
この反応溶液を110℃で7時間加熱して、ポリマーを得ている。モノマー1gに対して、錯体化合物を0.089g、すなわち、モノマーに対して8.9重量%という多量の触媒を用いている。
本発明においては、この例と比較して、触媒使用量を格段に減らすことができ、反応温度を30〜50℃下げることができ、かつ、配位子を用いる必要もない。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、当業者の技術常識に基づいて特許請求の範囲と等価な範囲を理解することができる。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
上述したとおり、本発明者らは、典型元素(ゲルマニウム、スズ、またはアンチモン)を触媒として利用した新しいタイプのリビングラジカル重合方法(精密制御ラジカル重合)を発明した。その特徴は、触媒の低毒性、低使用量、高溶解性(配位子が不要)、温和な反応条件、無着色・無臭(重合反応後の処理が不要)などにあり、従来のリビングラジカル重合に比べて格段に環境に優しく経済性に優れる。
世界の高分子化合物生産量の半分以上はラジカル重合によるが、リビングラジカル重合は、高付加価値材料である、レジスト、接着剤、潤滑剤、塗料、インク、包装材、薬剤、パーソナルケア製品などの生産に応用でき、市場規模は極めて大きい。あるいは、新しい電子材料、光学材料、分離材料、または生体材料を生産する優れたプロセスとして幅広く利用され得る。
本発明の概念を示す模式図である。 スチレン重合におけるMおよびM/M対Conversion(重合率)のプロットを示す。
[PE−I]=80mM;
[BPO]=20mM;
[XA]=5mM
XAは、GeI、GeI、SnI、またはSnIである。温度は、Sn化合物について60℃である。Ge化合物について80℃である。

Claims (9)

  1. リビングラジカル重合法のための触媒であって、ゲルマニウム、スズ、またはアンチモンから選択される少なくとも1つの中心元素と、該中心元素に結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む化合物からなる、触媒。
  2. 請求項1に記載の触媒であって、以下の一般式(I)の化合物からなる、触媒:
    MX (I)
    ここで、Rはアリールまたは置換アリールであり、
    nは0〜3の整数であり、
    Mは中心元素であって、ゲルマニウム、スズ、またはアンチモンであり
    はハロゲンであり、
    mは1〜4の整数である。
  3. 請求項2に記載の触媒であって、Rはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
  4. 請求項3に記載の触媒であって、Mはゲルマニウムであり、Rはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
  5. 請求項2に記載の触媒であって、Mはスズまたはアンチモンであり、nは0であり、Xはヨウ素であり、mは2〜4の整数である、触媒。
  6. リビングラジカル重合を行う方法であって、請求項1に記載の触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含する、方法。
  7. リビングラジカル重合を行う方法であって、炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物および請求項1に記載の触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含する、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物が、以下の一般式(II)を有する化合物である、方法:
    CR (II)
    ここで、RおよびRは、独立して、ハロゲン、水素またはアルキルであり、Rはハロゲン、水素、アルキル、アリールまたはシアノであり、Xはハロゲンである。
  9. 請求項8に記載の方法であって、触媒濃度が、反応溶液のうちの1重量%以下であり、反応温度が、20℃〜90℃である、方法。
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