JP2007332314A - 熱硬化性樹脂組成物および光半導体用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ当量が1,600g/モル以下のポリオルガノシロキサンおよび(B)金属キレート化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物およびそれにより封止された光半導体素子。
【選択図】なし
Description
UV耐久性に優れた樹脂としてシリコーン樹脂を接着剤として用いることが試みられているが十分な接着力が得られないことや、樹脂が柔らかいため、振動で金のワイヤーが切れやすいなどの不具合があった。
しかし、この組成物はエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(A液)とカルボン酸無水物硬化剤(B液)を混ぜ合わせると硬化が始まる2液タイプのため、A、B液の混合後の保存安定性が十分でなく、そのため成型加工の都度A液とB液を混合しなければならなかった。このため硬化剤あるいは硬化触媒を混ぜておいても(1液タイプ)安定して保管できる、保存安定性の優れた熱硬化性樹脂組成物の開発が望まれていた。
一方、エポキシをカチオン重合させる触媒としてアルミニウムキレート化合物を用いる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、エポキシ樹脂を用いているため、青色もしくは紫外光を発光する光半導体の封止材としてUV耐久性の点で満足のいくものではなかった。
(A)エポキシ当量が1,600g/モル以下のポリオルガノシロキサンおよび(B)金属キレート化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物によって達成される。
本発明の上記熱硬化性樹脂組成物からなる光半導体用接着剤によって達成される。
本発明で用いられるポリオルガノシロキサン(α)は、エポキシ当量が1,600g/モル以下であり、例えば下記式(1)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(1)」という。)および/またはその部分縮合物(以下、シラン化合物(1)とその部分縮合物をまとめて「シラン化合物(1)等」ともいう。)と下記式(2)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(2)」という。)および/またはその部分縮合物(以下、シラン化合物(2)とその部分縮合物をまとめて「シラン化合物(2)等」ともいう。)とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解および縮合させて得られる。
式(1)において、Xのエポキシ基を1個以上有する1価の有機基としては、特に限定されるものではなく、例えば、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(3,4−エポキシシクロペンチル)メチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、2−(3,4−エポキシシクロペンチル)エチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、2−(3,4−エポキシシクロペンチル)プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、3−(3,4−エポキシシクロペンチル)プロピル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等の炭素数5〜20の基を挙げることができる。
これらのエポキシ基を1個以上有する1価の有機基のうち、γ−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等が好ましく、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が特に好ましい。
式(1)において、Y1の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
式(1)におけるY1としては、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
また、R1の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基としては、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、(メタ)アクリロキシアルキル基およびメルカプトアルキル基を挙げることができる。これらの具体例としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、(トリフルオロメチル)メチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロ−n−プロピル基、2−(トリフルオロメチル)エチル基、(ペンタフルオロエチル)メチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−(トリフルオロメチル)−n−プロピル基、2−(ペンタフルオロエチル)エチル基、(ヘプタフルオロ−n−プロピル)メチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、4−(トリフルオロメチル)−n−ブチル基、3−(ペンタフルオロエチル)−n−プロピル基、2−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)エチル基、(ノナフルオロ−n−ブチル)メチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、5−(トリフルオロメチル)−n−ペンチル基、4−(ペンタフルオロエチル)−n−ブチル基、3−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−プロピル基、2−(ノナフルオロ−n−ブチル)エチル基、(パーフルオロ−n−ペンチル)メチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、7−(トリフルオロメチル)−n−ヘプチル基、6−(ペンタフルオロエチル)−n−ヘキシル基、5−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−ペンチル基、4−(ノナフルオロ−n−ブチル)−n−ブチル基、3−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−プロピル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、(パーフルオロ−n−ヘプチル)メチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、9−(トリフルオロメチル)−n−ノニル基、8−(ペンタフルオロエチル)−n−オクチル基、7−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−ヘプチル基、6−(ノナフルオロ−n−ブチル)−n−ヘキシル基、5−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−ペンチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ブチル基、3−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−プロピル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、(パーフルオロ−n−ノニル)メチル基、パーフルオロ−n−デシル基、4−フルオロシクロペンチル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のフルオロアルキル基;ならびに
クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、4−クロロ−n−ブチル基、3−クロロシクロペンチル基、4−クロロシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシシクロペンチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基等を挙げることができる。
また、R1の炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
また、R1の炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。
式(1)におけるR1としては、メチル基、エチル基等が好ましい。
n=0の化合物として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等;
n=1の化合物として、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジエトキシシラン等;
n=2の化合物として、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジエチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジエチルシラン等
をそれぞれ挙げることができる。
本発明において、シラン化合物(1)およびその部分縮合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
式(2)において、Y2の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、前記式(1)におけるY1の対応する基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
式(2)におけるY2としては、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が好ましい。
式(2)におけるR2としては、フッ素原子、メチル基、エチル基、2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、ビニル基、アリル基、フェニル基等が好ましい。
m=0の化合物として、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等;
m=1の化合物として、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、
フルオロトリクロロシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−i−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、
メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、
2−(トリフルオロメチル)エチルトリクロロシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリメトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリエトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、
2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、
2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、
ヒドロキシメチルトリクロロシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−i−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−sec−ブトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、
アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ−n−プロポキシシラン、アリルトリ−i−プロポキシシラン、アリルトリ−n−ブトキシシラン、アリルトリ−sec−ブトキシシラン、
フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−i−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン等:
m=2の化合物として、メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジ−i−プロポキシシラン、メチルジ−n−ブトキシシラン、メチルジ−sec−ブトキシシラン、
ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、
(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジクロロシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジエメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−sec−ブトキシシラン、
(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、
(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジメトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、
(メチル)(ビニル)ジクロロシラン、(メチル)(ビニル)ジメトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジエトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−sec−ブトキシシラン、
ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、
ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン等;
m=3の化合物として、クロロジメチルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、
クロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシシラン、ヨードトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、n−プロポキシトリメチルシラン、i−プロポキシトリメチルシラン、n−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、
(クロロ)(ビニル)ジメチルシラン、(メトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(エトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、
(クロロ)(メチル)ジフェニルシラン、(メトキシ)(メチル)ジフェニルシラン、(エトキシ)(メチル)ジフェニルシラン等
をそれぞれ挙げることができる。
ポリオルガノシロキサン(α)は、シラン化合物(1)等とシラン化合物(2)等とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解および縮合させることにより製造することが好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール等を使用することができる。水と均一に混合しない溶媒が好ましい。
有機溶媒の使用量は、全シラン化合物100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部、より好ましくは50〜5,000重量部である。
前記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン等の1〜2級の有機アミン;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級の有機アミン等を挙げることができる。
これらの有機塩基のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級の有機アミンが好ましい。
有機アミンの使用量は、有機アミンの種類、温度などの反応条件等により異なり、特に限定されないが、全シラン化合物に対して、好ましくは0.01〜3倍モル程度、より好ましくは0.05〜1倍モル程度である。なお、有機アミン類以外の有機塩基を用いる場合の使用量も、ほぼ有機アミンに準じる量で十分である。
ポリオルガノシロキサン(α)を製造する際の水の使用量は、全シラン化合物に対して、好ましくは0.5〜100倍モル程度、より好ましくは1〜30倍モル程度である。
ポリオルガノシロキサン(α)を製造する際の加水分解および縮合反応は、シラン化合物(1)等とシラン化合物(2)等とを有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基および水と混合し、次いで例えば油浴などにより加熱することにより実施することができる。
反応終了後、反応液から有機溶媒層を分取して、好ましくは水で洗浄する。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水、例えば0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液などで洗浄することにより、洗浄操作が容易になる。洗浄は洗浄後の水が中性になるまで行い、その後有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブス等の乾燥剤で乾燥したのち、濃縮することにより、目的とするポリオルガノシロキサン(α)を得ることができる。
このようにして得られるポリオルガノシロキサン(α)は、残存する加水分解性基例えば、アルコキシル基等やシラノール基が少ないため、溶剤で希釈しなくても室温で1ヶ月以上ゲル化することなく保存できる。また所望により、反応終了後に、残存するシラノール基をヘキサメチルジシラザン等によりトリメチルシリル化することによって、さらにシラノール基を減らすことができる。
ポリオルガノシロキサン(α)のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは500〜1,000,000、より好ましくは1,000〜100,000であり、
ポリオルガノシロキサン(α)は、エポキシ当量が1,600g/モル以下であり、好ましくは160〜900g/モル、さらに好ましくは180〜500g/モルである。エポキシ当量が1,600g/モルを超えると、得られるポリオルガノシロキサンに耐熱性の低下や着色などの不具合を生じるようになる。
さらに、ポリオルガノシロキサン(α)は、3つ以上の酸素原子に結合しているケイ素原子の全ケイ素原子に対する割合が、好ましくは10%以上であることが望ましい。3つ以上の酸素原子に結合しているケイ素原子の全ケイ素原子に対する割合が10%未満であると、後述する各光半導体封止用組成物から得られる硬化物の硬度や基板との密着性に不具合を生じるおそれがある。
ポリオルガノシロキサン(α)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明で使用される(B)金属キレート化合物は、好ましくは下記式(3)で表すことができる。
式(3)において、MはAl、Ti、Zrが好ましく、Alが特に好ましい。
Lとしてはβジケトンまたは下記式(4)で表される化合物が好ましい。
化合物Lとしては、より具体的には(A)〜(H)のそれぞれで表わされる化合物を挙げることができる。
Q1〜Q3は、互に独立に、水素原子、フッ素原子、フッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基およびフッ素原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基より選ばれる。Q1〜Q3としては、水素原子、メチル基またはエチル基が好ましい。
xは1〜4の整数である。
また、上記式(4)において、pはN/2が好ましい。
式(B)で表わされる金属キレート化合物としては、以下の構造を有するものが特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には硬化をさらに効率的に行う目的で(C)成分として酸を添加することもできる。酸は熱や加水分解により発生するものでもよい。
このような酸としては、例えばシラノールやその誘導体、フェノールやその誘導体および縮合物、スクアリン酸やその誘導体を好ましく用いることができる。
シラノールやその誘導体としては、例えば下記式(5)で表される化合物を挙げることができる。
かかるエポキシ樹脂としては、例えば下記式(13)〜(25)のそれぞれで表わされる化合物を挙げることができる。
上記脂肪族あるいは脂環族エポキシ化合物は(A)のポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.1〜1,000重量部で加えることができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、リードフレームとの密着性を上げる目的で密着助剤をさらに添加することもできる。密着助剤としては、例えばβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデカンジチオール、式(26)、(27)の化合物。
密着助剤の添加量は好ましくは(A)成分100重量部に対し、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。
さらに、クラックやリードフレームとの剥離を防ぐ目的で応力緩和剤を添加することもできる。応力緩和剤としては、例えばエポキシ変性シリコーン、カルボキシル基変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、両末端カルボキシ変性水添ポリブタジエンおよび両末端ヒドロキシ変性ポリブタジエンを挙げることができる。
エポキシ変性シリコーンとして例えばKF−105,X−22−163A,X−22−163B,X−22−163C、KF−1001、KF−101、X−22−2000、X−22−169AS、X−22−169B、KF−102(以上信越化学工業(株)製)、SF8421(東レダウ(株)製)、カルボキシル基変性シリコーンとしてX−22−162C、X−22−3701E、X−22−3710(以上信越化学工業(株)製)、メルカプト変性シリコーンとしては、例えばX−22−167B、KF−2001、KF−2004(以上信越化学工業(株)製)、両末端カルボキシ変性水添ポリブタジエンとしてCI1000(日本曹達(株)製)、両末端ヒドロキシ変性ポリブタジエンとしてGI2000、GI3000(以上、日本曹達(株)製)を挙げることができる。
具体的にはF−474、F−479(以上、大日本インキ工業(株)製)、FC−4430、FC−4432(以上、住友スリーエム(株)製)、KP323、KP341(以上、信越化学工業(株)製)、PAINTAD32、PAINTAD54、DK8−8011(東レダウ(株)製)、エマルゲン104P、エマルゲン109P、エマルゲン123、レオドール8P(以上、花王(株)製)を挙げることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、UV耐久性をさらに向上させ、また粘度の調整等の目的で、必要に応じて、無機酸化物粒子を配合することもできる。
これらの無機酸化物粒子のうち、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化アンチモン等の微粒子が好ましい。
また、前記無機酸化物粒子は、アルキル化、ポリシロキシル化、(メタ)アクリロキシアルキル化、グリコキシアルキル化、アミノアルキル化等の表面処理を適宜施して使用することもできる。
無機酸化物粒子の一次平均粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは1〜80nmである。この場合、無機酸化物粒子の一次平均粒径が100nmを超えると、得られる硬化物の透明性が損なわれるおそれがある。
無機酸化物粒子の使用量は、(A)ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。無機酸化物粒子の使用量が90重量部を超えると、組成物が増粘して、加工が困難になるおそれがある。
前記無機酸化物粒子は、場合により、適当な溶媒に分散した分散液として使用することもできる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステルまたはラクトン;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドまたはラクタム
等を挙げることができる。
無機酸化物粒子の分散液の固形分濃度は、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
さらに必要に応じて、無機酸化物粒子と共に、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高分子分散剤等の分散剤を1種以上併用することができる。
無機酸化物粒子やその分散液は市販されており、これらの市販品を使用することもできる。
また、熱硬化性樹脂組成物には、硬化物の着色を抑えるために、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することもできる。
前記紫外線吸収剤としては、商品名で、例えば、Viosorb80、Viosorb110、Viosorb130、Viosorb520、Viosorb583、Viosorb590(以上、共同薬品(株)製);TinuvinP、Tinuvin213、Tinuvin234、Tinuvin320、Tinuvin326、Tinuvin328(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製);AdekastabLA−31(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
この熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分を主成分とするポリオルガノシロキサン液と(B)成分を主成分とする硬化剤液とを別々に調製しておき、使用時にこれらを混合して調製してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は光半導体用接着剤として用いることができる。
リードフレームに本発明の光半導体封止用接着剤をスタンピングなどの方法で塗布し、LEDチップをのせて50〜250℃のオーブンで30分〜4時間加熱して接着させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は光半導体用封止材として用いることもできる。
光半導体封止材を形成する際には、光半導体層を有する基板の所定箇所に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、例えば、塗布、ポッティング、含浸等により施工したのち、加熱して硬化させる。
組成物のより具体的な施工方法としては、例えば、ディスペンサーによる塗布またはポッティング、真空下または常圧下におけるスクリーン印刷による塗布、反応射出成型等の公知の方法を採用することができる。
また、施工後の各光半導体封止用組成物を硬化させる方法としては、例えば、密閉式硬化炉、連続硬化が可能なトンネル炉等の従来公知の硬化装置を用いることができる。
硬化条件は、例えば、80〜250℃で30秒〜15時間程度が好ましい。硬化に際して、硬化物の内部応力を低減させることを目的とする場合は、例えば80〜120℃で0.5〜5時間程度の条件で予備硬化させたのち、例えば120〜180℃で0.1〜15時間程度の条件で後硬化させることが好ましく、また短時間硬化を目的とする場合は、例えば150〜250℃で30秒〜30分程度の条件で硬化させることが好ましい。
Mwの測定方法:カラム:東ソー製TSKgelGRCXLH、溶剤:テトラヒドロフラン、温度:40℃、圧力:68kgf/cm2
エポキシ当量の測定方法:
JIS C 2105の塩酸−メチルエチルケトン法に準じた。
撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)60.0g、ジメチルジメトキシシラン(DMDS)40.0g、メチルイソブチルケトン(MIBK)500g、トリエチルアミン10.0gを加え、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下したのち、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液で、洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒および水を留去して、(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
この(A)ポリオルガノシロキサンについて、1H−NMR分析を行なったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。
この(A)ポリオルガノシロキサンのMwおよびエポキシ当量を表1に示す。
仕込み原料を表1に示すとおりとした以外は、合成例1と同様にして、各(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
光半導体封止用組成物の成型治具と硬化条件、並びに硬化物の外観、UV耐久性および硬度の評価要領は、下記のとおりである。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを表面に貼り付けたガラス板2枚を対向させ、ガラス板の端部に直径2mmのシリコンゴムロッドをU字状にして挟み込んで、成型治具とした。
前記成型治具に光半導体封止用組成物を注入し、70℃のオーブンで30分150℃のオーブンで1時間加熱して硬化させて硬化物を得た。
硬化物に対して、紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)を用い、紫外線(UV)を63℃で2週間連続照射して、照射前後における波長470nmでの透過率を分光光度計にて測定した。
○・・・(照射後の透過率)/(初期透過率)≧0.9
×・・・(照射後の透過率)/(初期透過率)<0.9
硬化物の初期および150℃のオーブンに120時間放置した後の470nmでの透過率を測定した。
○・・・(照射後の透過率)/(初期透過率)≧0.9
×・・・(照射後の透過率)/(初期透過率)<0.9
リードフレームに光半導体封止用接着剤を塗布し、サファイアのチップを乗せて150℃のオーブンで1時間加熱し接着試験サンプルとし20個作成した。次に接着試験サンプルを150℃のホットプレート上に置き、ピンセットでつついたときの剥がれを生じた接着試験サンプルの数を数えた。
○・・・剥がれた接着試験サンプル≦2個
×・・・剥がれた接着試験サンプル≧3個
熱硬化性組成物を調整後TV型粘度計にて25℃での粘度を測定し、初期粘度とした。この熱硬化性組成物を−15℃で2ヶ月保存した後の粘度を同様の方法で測定し、保存後粘度とした。
○・・・(保存後粘度)/(初期粘度)<1.2
×・・・(保存後粘度)/(初期粘度)≧1.2
(A)成分として、合成例1で得た(A)ポリオルガノシロキサン10g、(B)成分としてアルミニウムアセチルアセトナート(以下、Alacac3と略)1mgを加えて、均一に混合し、脱泡したのち、上述の方法で硬化物および接着試験サンプルを作成してUV耐久性、耐熱性、接着性の評価を行った。結果を表3に示す。
表2に示す各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化物を得た。各硬化物の評価結果を表3に示す。
表2に示す各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化物を得た。各硬化物の評価結果を表3に示す。
表2における前記以外の成分の内容は、下記のとおりである。
102 実装基板
103 LEDチップ
104 蛍光物質
105 導電性ワイヤ
106 実装基板の電極
107 導体配線
108 封止樹脂
109 光半導体接着剤
Claims (6)
- (A)エポキシ当量が1,600g/モル以下のポリオルガノシロキサンおよび(B)金属キレート化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- (A)成分が下記式(1)で表されるシラン化合物および/またはその部分縮合物と下記式(2)で表されるシラン化合物および/またはその部分縮合物とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解および縮合させて得られる、ポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のポリオルガノシロキサンである請求項1の熱硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100重量部に対して(B)成分が0.001〜0.1重量部からなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる光半導体用接着剤。
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