JP2010059359A - エポキシ基含有多官能ポリシロキサンおよびその製造方法、ならびに硬化性ポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一定の分子構造を有するエポキシ基含有アルコキシシランと、一定の構造を有する2官能アルコキシシランと、重量平均分子量が300〜5000の範囲にあるヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを反応させる工程、および前記工程の反応生成物を水と反応させる工程を含む、重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲にあるエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法、この製造方法により得られるポリシロキサン、およびこのポリシロキサンと金属キレート化合物とを含有する硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
しかし、前者は触媒被毒による硬化不良という問題があり、後者は硬化剤として用いる酸無水物が耐熱性、耐光性や硬化体の透明性に影響を与える等の問題があった。
下記(I)工程および(II)工程を含むことを特徴とする、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲にあるエポキシ基含有多官能ポリシロキサンを製造するエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法である。
(式(1)中、REはエポキシ基を含有する有機基、R1、R2はそれぞれ独立に非置換
または置換の1価の炭化水素基を示し、mは1または2、nは2または3である)
で表される少なくとも1種のエポキシ基含有アルコキシシランと、
で表される少なくとも1種の2官能アルコキシシランと、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が300〜5000の範囲にあるヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと
を塩基性化合物および金属キレート化合物から選ばれる少なくとも一種の存在下反応させる工程。
前記エポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法の好適な態様として、前記(I)工程において、エポキシ基含有アルコキシシランと2官能アルコキシシランとヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを、(i)(ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンのモル
数)/((エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)+(2官能アルコキシシランのモル数))が1.0〜2.0であり、(ii)(エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)/((エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)+(2官能アルコキシシランのモル数)
)が0.30〜0.99であるという条件を満たす比率で反応させ、
前記式(1)中のREが、エポキシシクロアルキル基およびγ−グリシドキシプロピル
基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する有機基である。
前記硬化性ポリシロキサン組成物の好適な態様として、前記金属キレート化合物がアルミニウムキレートである。
また他の発明は、前記硬化体からなることを特徴とするLED封止材である。
本発明のエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法は、
(I)下記式(1)
たは置換の1価の炭化水素基を示し、mは1または2、nは2または3である。但し、m+nは0〜4の整数である。)
で表される少なくとも1種のエポキシ基含有アルコキシシランと、
で表される少なくとも1種の2官能アルコキシシランと、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が300〜5000の範囲にあるヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと
を塩基性化合物および金属キレート化合物から選ばれる少なくとも一種の存在下反応させる工程(以下「工程(I)」という。)、および
(II)(I)工程で得られた反応生成物を、塩基性化合物および金属キレート化合物から選ばれる少なくとも一種の存在下、水と反応させる工程(以下「工程(2)」という
。)
を含むことを特徴とする。
〔工程(I)〕
〔エポキシ基含有アルコキシシラン〕
エポキシ基含有アルコキシシランは、上記式(1)に示すように、エポキシ基を含有する有機基と2個または3個のアルコキシ基を有するシラン化合物である。
2官能アルコキシシランは、上記式(2)に示す構造を有する。上記式(2)において、2つのR3および2つのR4は、それぞれ独立に非置換または置換の1価の炭化水素基であり、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等であり、好ましくは、メチル基、エチル基である。
〔その他のオルガノシラン〕
本発明のエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法においては、硬化物の硬度調整のため、前記エポキシ基含有アルコキシシランおよび2官能アルコキシシラン以外のアルコキシシランを適宜加えることができる。これらのシランとしては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、およびテトラエトキシシラン等を挙げることができる。
ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、その分子の主鎖および/または側鎖の末端
に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上のヒドロキシ基を有する。このようなヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、たとえば、ジメチルジアルコキシシランまたはジメチルジクロロシランを加水分解および縮合させることによって製造できる。
工程(I)は、前記エポキシ基含有アルコキシシランと2官能アルコキシシランとヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを、触媒の存在下反応させ、主として脱アルコールカップリング反応によりシロキサン結合を形成するものである。
.99 の範囲であり、好ましくは(i)が1.0〜1.8、(ii)が0.50〜0.90の
範囲であり、より好ましくは(i)が1.0〜1.5、(ii)が0.50〜0.90 の範囲
である。前記混合モル比が上記範囲にあると、脱アルコール反応が効率よく進行し、上述したエポキシ当量範囲内のエポキシ基含有ポリジメチルシロキサンが得られ、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。なお、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンのモル数は、混合したヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンの量を重量平均分子量で除算した値をとする。
好ましくは1〜24時間、特に好ましくは2〜12時間である。脱アルコール反応は、各成分を反応容器に一括で仕込んで実施してもよいし、一方の成分に他方の成分を間欠的にもしくは連続的に添加しながら行ってもよい。また、脱アルコール反応は、有機溶媒中で触媒を用いて行うことが好ましい。
第1のエポキシ基含有アルコキシシランまたは2官能アルコキシシランが結合し、その結
合したエポキシ基含有アルコキシシランまたは2官能アルコキシシランに第2のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンのヒドロキシ末端が結合し、さらに第2のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンの他の末端に第2のエポキシ基含有アルコキシシランまたは2官
能アルコキシシランが結合し、以下同様の結合が形成される。第1のヒドロキシ末端ポリ
ジメチルシロキサンのヒドロキシ末端に2官能アルコキシシランが結合し、その2官能アルコキシシランに第2のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンが結合した場合には、架橋点が存在しない連鎖部が形成される。一方、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンのヒドロキシ末端にエポキシ基含有アルコキシシランが結合した場合には、その結合したエポキシ基含有アルコキシシランの部分において、架橋点が形成される。したがって、この脱アルコール反応において、2官能アルコキシシランに比較してエポキシ基含有アルコキシシランの配合割合を高くすると、分子鎖に短い間隔で架橋点が導入されたポリシロキサン分子が得られ、エポキシ基含有アルコキシシランに比較して2官能アルコキシシランの配合割合を高くすると、長い間隔をおいて架橋点が導入されたポリシロキサン分子が得られる。つまり、上記3成分を適当な比率で反応させることにより、生成されるポリシロキサン分子の連鎖上に適度の間隔をおいて架橋点を導入することが可能になる。このポリシロキサンは、その架橋点において架橋することにより硬化するので、短い間隔で架橋点が導入されている場合には、架橋が密になって硬度の高い硬化体が得られ、長い間隔で架橋点が導入されている場合には、架橋が疎になって硬度の低い、柔軟性の高い硬化体が得られる。したがって、上記3成分の比率を適宜決定することにより、所望の硬度、柔軟性を有する硬化体を調製することができる。また、反応温度、反応時間等の反応条件を適宜決定することによって、生成するポリシロキサンの分子量を調整することができる。
〔工程(II)〕
工程(II)においては、工程(I)で得られたアルコキシ基含有ポリシロキサンを触媒の存在下、水と反応させる。この反応により、アルコキシ基含有ポリシロキサン中に含まれるアルコキシ基が水酸基に変換されて、シラノール基が生成され、エポキシ基含有多官能シロキサンが得られると考えられる。
換されている必要はなく、一部アルコキシ基の状態で残存していてもよい。また、上記エポキシ基含有多官能ポリシロキサンのシラノール基の一部は、縮合していてもよい。
量部、より好ましくは30〜100重量部である。水の添加量が上記範囲にあると、加水分解反応が十分に進行するとともに、反応後に除去する水の量が少ないため好ましい。
上記工程(I)および工程(II)においては、有機溶媒を用いることができる。上記脱アルコール反応および加水分解反応において用いられる有機溶媒としては、たとえば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、およびジアセトンアルコールなどを挙げることができる。芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどが挙げられる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、およびジオキサンなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびジイソブチルケトンなどが挙げられる。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピル、3−エトキシプロピオン酸メチル、および3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらの有機溶媒のうち、脱アルコール反応では、反応を促進する観点から、アルコール以外の有機溶媒、たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどを使用することが好ましい。
上記工程(I)および工程(II)に用いられる触媒としては、塩基性化合物、有機スズ化合物およびこの部分加水分解化合物が挙げられる。
上記塩基性化合物としては、アンモニア(アンモニア水溶液を含む)、有機アミン化合物、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、ならびにナトリウムメトキシドおよびナトリウムエトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等が挙げられる。これらの中でも、アンモニアおよび有機アミン化合物が好ましい。
アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリブチルアミンなどの炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルアミンなどが挙げられる。
さらに、上記以外の有機アミンとして、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、およびテトラブチルアンモニウムハイドロキサイドなどのテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイド;テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、およびテトラブチルエチレンジアミンなどのテトラアルキルエチレンジアミン;メチルアミノメチルアミン、メチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノメチルアミン、エチルアミノエチルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノメチルアミン、プロピルアミノエチルアミン、プロピルアミノプロピルアミ
ン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノメチルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、およびブチルアミノブチルアミンなどのアルキルアミノアルキルアミン;ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ならびにジアザビシクロウンデセンなども挙げられる。
上記有機スズ化合物としては、1つのスズ原子に炭素数1〜10個のアルキル基が1〜2個結合した4価のスズの有機金属化合物が挙げられる。具体的には、たとえば、
(C4H9)2SnOおよび(C8H17)2SnOなどの有機スズオキサイド、およびこれ
らの有機スズオキサイドとシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物;
などが挙げられる。
中和後の水洗に使用する水は、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとエポキシ基含有アルコキシシランとの合計100重量部に対して、通常10〜500重量部、好ましくは20〜300部、より好ましくは30〜200部である。
後、下層の水分を除去することにより行う。水洗回数は好ましくは1回以上、さらに好ましくは2回以上である。
本発明に係るエポキシ基含有多官能ポリシロキサンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲にある。前記重量平均分子量としては、2000〜80000であることが好ましく、5000〜60000であることがさらに好ましい。前記重量平均分子量が、前記範囲内にあると、硬化物作製時に必要な強度が得られるという点で好ましい。
<硬化性ポリシロキサン組成物>
本発明に係る硬化性ポリシロキサン組成物は、上記エポキシ基含有多官能ポリシロキサンと金属キレート化合物とを含有する。この組成物は加熱により硬化する。これは金属キレート化合物の作用によりシラノール基から水素イオンが解離し、この水素イオンによりエポキシ基が開環して架橋構造を形成するためであると推察される。
物、チオール化合物、イソシアヌル環構造を有する化合物、ならびにアルコキシシランおよびその加水分解物および縮合物などを含んでいてもよい。また、本発明の硬化性ポリシロキサン組成物は、さらに蛍光体を含有することができ、蛍光体を含有した硬化性ポリシロキサン組成物の硬化体は、LED封止材として使用することができる。
シリカ粒子溶媒系のゾルもしくはコロイドを用いる場合、その固形分濃度は通常0重量%を超えて50量%以下、好ましくは0.01重量%以上40重量%以下である。
上記エポキシ基含有多官能ポリシロキサン以外のエポキシ基含有ポリシロキサンとしては、上記式(1)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランと、下記式(3)
で表されるアルコキシシランとの加水分解縮合物や、シラノール基を含有しないエポキシ基含有ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類(式(3)においてp=1);
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類(式(3)においてp=2);
が挙げられる。
本発明に係る硬化体は、前記硬化性ポリシロキサン組成物を硬化することにより得られる。本発明に係る硬化体は、たとえば、本組成物を基板上に塗布した後、100〜180℃で3〜13時間加熱することによって硬化させ、硬化体を作製することができる。硬化は段階的に昇温を行う過程(ステップキュア)で行ってもよい。本発明の硬化性ポリシロキサン組成物は、オニウム塩などの酸発生剤を含まないため、透明性に優れた硬化体を形成できる。
本発明の硬化性ポリシロキサン組成物をLED素子等の発光素子にコーティングし、硬化させることにより発光装置を得ることができる。LED素子としては、青色LED素子、白色LED素子、紫外LED素子等を用いることができる。さらに、硬化体中に蛍光体を含有させ、LED素子から発せられた光を変換することもできる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特記しない限り、「重量部」および「重量%」を示す。また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行った。
シロキサンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより下記条件で測定し、ポリスチレン換算値として示した。
装置:HLC−8120C(東ソー社製)
カラム:TSK−gel MultiporeHXL−M(東ソー社製)
溶離液:THF、流量0.5mL/min、負荷量5.0%、100μL
(2)保存安定性
得られたエポキシ基含有多官能ポリシロキサンをポリエチレン製容器内で常温で1ヶ月間密栓保存して、ゲル化の有無を目視により判定した。ゲル化していないものについては東京計器社製のBM型粘度計により25℃で粘度測定を行い、下記基準で評価した。
A:保存前後の粘度変化率が20%以下
B:保存前後の粘度変化率が20%超
(3)硬化性
得られた組成物を乾燥膜厚が2mmになるようにテフロン(登録商標)シャーレに流し入れ、オーブンで100℃で1hr乾燥させ、次いで150℃で5hr加熱し、硬化物を作製した。この硬化体の硬化性を下記基準で評価した。
A:流動性は無く、タックも無し
B:流動性は無いが、タックが僅かに有る。
C:流動性は無いが、顕著なタックが有る。
D:流動性有り
(4)透明性
得られた組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体について、波長400〜700nmの分光透過率を紫外可視分光光度計により測定し、下記基準で評価した。
A:光透過率が90%超
B:光透過率が70〜90%
C:光透過率が70%未満
(5)耐光性
得られた組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体に波長350nm以下の光をカットしたスポットUV照射装置(ウシオ電機社製:SP−VII)を使用して照度5000mW/cm2の紫外線を500時間照射した。紫外線照射後の硬化体の外観を目視で観察し、下記基準で評価した。
A:変化なし
B:黄変した
C:黒く焼け焦げた
(6)耐熱性
得られた組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体を150℃で500時間保管し、保管後の硬化体の外観を目視で観察し、下記基準評価した。
(色変化)A:変化なし
B:わずかに変色
C:黄色化した
(クラック)A:変化無し
B:少量発生
C:全面に発生
(7)耐湿熱性
得られた組成物約2gをアルミ皿に正確に秤量し、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体を温度85℃、湿度85%RHの条件下で14日間保管し、保管前後の重量から重量保持率を算出し、下記基準で評価した。
A:99%以上
B:95%以上〜99%未満
C:95%未満
(8)エポキシ当量
JIS C2105に準拠し、得られたエポキシ基含有多官能シロキサンのエポキシ当
量を測定した。
加し、25℃で1時間加水分解反応を行った後、6%シュウ酸水溶液128部を加えて室温で1時間中和反応を行った。その後、水層を分離し、有機相を水113部で洗浄した。この水洗操作を3回行った後、溶媒を留去してMw=20,000のエポキシ基含有多官能シロキサン(1)を得た。このエポキシ基含有多官能シロキサン(1)の保存安定性とエポキシ当量を上記方法により評価した。結果を表1に示す。
した以外は実施例(1)と同様にして、硬化性ポリシロキサン組成物(2)を調製した。硬化性ポリシロキサン組成物(2)について、上記方法により硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性を評価した。結果を表1に示す。
いて、上記方法により、硬化性、透明性、耐熱性、耐光性、耐湿熱性を評価した。結果を表1に示す。
組成物(7)を調製した。硬化性ポリシロキサン組成物(7)について、上記方法により硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性を評価した。結果を表1に示す。
触媒としてジアザビシクロウンデカン9部を混合し、25℃で8時間脱アルコール反応させた。以下、実施例(1)と同様の操作により、Mw=7,000のエポキシ基含有多官能シロキサン(6)を得た。このエポキシ基含有多官能シロキサン(6)の保存安定性とエポキシ当量を上記方法により評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
市販のエポキシ基末端ポリジメチルシロキサン(信越化学工業製、商品名:X−22−163C,エポキシ当量2700)を100部に、硬化剤としてトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムの10重量%トルエン溶液を1部加えて十分に攪拌して、硬化性ポリシロキサン組成物(10)を調製した。硬化性ポリシロキサン組成物(10)について、上記方法により、硬化性を評価した。結果を表2に示す。透明性、耐熱性、耐光性および耐湿熱性については、完全な硬化体が形成されなかったので評価できなかった。
51封止材
52蛍光部
53バインダー
54蛍光体
Claims (7)
- 下記(I)工程および(II)工程を含むことを特徴とする、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲にあるエポキシ基含有多官能ポリシロキサンを製造するエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法。
(I)下記式(1)
たは置換の1価の炭化水素基を示し、mは1または2、nは2または3である)
で表される少なくとも1種のエポキシ基含有アルコキシシランと、
で表される少なくとも1種の2官能アルコキシシランと、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が300〜5000の範囲にあるヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと
を塩基性化合物および金属キレート化合物から選ばれる少なくとも一種の存在下反応させる工程。
(II)(I)工程で得られた反応生成物を、塩基性化合物および金属キレート化合物から選ばれる少なくとも一種の存在下、水と反応させる工程。 - 前記(I)工程において、エポキシ基含有アルコキシシランと2官能アルコキシシランとヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを、(i)(ヒドロキシ末端ポリジメチルシロ
キサンのモル数)/((エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)+(2官能アルコキシシランのモル数))が1.0〜2.0であり、(ii)(エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)/((エポキシ基含有アルコキシシランのモル数)+(2官能アルコキシシランのモル数))が0.30〜0.99であるという条件を満たす比率で反応させることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ基含有多官能ポリシロキサンの製造方法。 - 前記式(1)中のREが、エポキシシクロアルキル基およびγ−グリシドキシプロピル
基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する有機基であることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ基含有多官能シロキサンの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造されたエポキシ基含有多官能ポリシロキサンと金属キレート化合物とを含有することを特徴とする硬化性ポリシロキサン組成物。
- 前記金属キレート化合物がアルミニウムキレートであることを特徴とする請求項4に記載の硬化性ポリシロキサン組成物。
- 請求項4または5に記載の硬化性ポリシロキサン組成物を硬化してなることを特徴とする硬化体。
- 請求項6に記載の硬化体からなることを特徴とするLED封止材。
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