JP2007329190A - 誘電体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘電体層が薄くてもリーク電流を十分に抑えられる誘電体素子を提供する。
【解決手段】 誘電体素子10は、誘電体層14と、この誘電体層に接する複数の金属層12、16を備えている。これらの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでいる。これらの金属層の各々と誘電体層との間には、界面18、20が存在する。これらの界面の算術平均粗さの平均値をRamと表すと、このRamと誘電体層の厚みTとは、T/Ram≧1.3を満たしている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、誘電体素子に関する。
誘電体層上に電極が設けられた構造の誘電体素子が知られている。誘電体素子の典型的な例は、コンデンサである。下記の特許文献1には、表面に誘電体層を形成した金属箔を用いてコンデンサを製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、基板上に下部電極、誘電体層および上部電極を順次に積層した薄膜コンデンサが開示されている。
特開平2004−319561号 特開平5−251258号
近年では、誘電体素子の小型化と高品質化の要求に伴い、誘電体層の薄化が要望されている。しかしながら、誘電体層を過度に薄くすると、電極間のリーク電流が大きく増加してしまう。
そこで、本発明は、誘電体層が薄くてもリーク電流を十分に抑えられる誘電体素子を提供することを課題とする。
発明に係る誘電体素子は、誘電体層と、この誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層とを備えている。第1〜第nの金属層の各々と誘電体層との界面は、それぞれ算術平均粗さRa〜Ra(nm)を有している。これらの算術平均粗さRa〜Raの平均値Ram(nm)と誘電体層の厚みT(nm)とは、T/Ram≧1.3を満たしている。
誘電体層が薄くても、各金属層と誘電体層との界面の粗さを適切に設定してT/Ram≧1.3を満たすことにより、誘電体素子のリーク電流を十分に抑えることができる。
より好ましくは、T/Ram≧3.6である。この場合、T/Ramが3.6未満のときに比べて誘電体素子のリーク電流が大きく低減される。
さらに好ましくは、T/Ram≧12である。この場合、T/Ramが12未満のときに比べて誘電体素子のリーク電流が大きく低減される。
さらに好ましくは、T/Ram≧28である。この場合、T/Ramが28未満のときに比べて誘電体素子のリーク電流が大きく低減される。
第1〜第nの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでいてもよい。卑金属の例としては、Ni、Cu、Alなどが挙げられる。金属表面の精密研磨には、機械的な研磨とともに化学的エッチングを併用する技術(例えば、化学機械研磨法、等)が多用されている。金属層が卑金属である場合、あるいは卑金属を含んでいる場合、この化学的エッチングがより速やかに進行するため、上記の表面粗さを容易に得ることが出来る。卑金属を含んでいる金属層では、卑金属の含有量が40質量%以上であることが好ましい。第1〜第nの金属層の一つは、誘電体層を支持する金属箔であってもよい。誘電体層は、Ba、Sr、Ca、Pb、Ti、ZrおよびHfのうち一つ以上の元素を含む酸化物から構成されていてもよい。また、誘電体層は、ペロブスカイト構造を有する酸化物から構成されていてもよい。
本発明によれば、誘電体層が薄くてもリーク電流を十分に抑えられる誘電体素子を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
始めに、本発明の基本原理を説明する。誘電体層に複数の金属層が接する誘電体素子に関して、本発明者らは、リーク電流に影響を及ぼすパラメータとして、誘電体層の厚みに加えて、誘電体層と各金属層との界面の粗さに注目した。
誘電体層が薄いほど、金属層同士の間に電圧を印加したときに流れるリーク電流は増加する傾向にある。この傾向は、誘電体層を挟むように一対の金属層が形成されている場合だけではなく、誘電体層の一方の主面上に複数の金属層が形成されている場合でも同様である。
一方、本発明者らの研究によれば、誘電体層と各金属層との界面の粗さが小さいほど、金属層同士の間に流れるリーク電流は減少する傾向にある。誘電体素子には金属層と同数の界面が存在し、その各々の粗さがリーク電流に影響を及ぼす。そこで、本発明者らは、誘電体層と複数の金属層との各界面の粗さを、それらの平均値を用いて総合的に評価することにした。
誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層の粗さをそれぞれRa〜Ra(nm)と表すと、それらの平均値Ram(nm)は、Ram={Ra+Ra+…+Ra}/nと表される。この粗さの平均値Ramが小さいほど、金属層間のリーク電流は減少する。したがって、誘電体層が薄くても、粗さの平均値が小さければ、リーク電流を十分に抑えることが可能である。
このように、誘電体層の厚みが大きいほど、また、界面粗さの平均値が小さいほど、リーク電流が抑えられる。これは、誘電体層の厚みT(nm)と界面粗さの平均値Ramとの比T/Ramが大きいほどリーク電流が抑えられることを意味する。したがって、誘電体層が薄くても(Tが小さくても)、Ramを適切に設定して、T/Ramを十分に大きくすることにより、リーク電流が十分に抑えられた誘電体素子を得ることができる。
以下では、具体例を挙げながら、リーク電流を抑えるために適切なT/Ramの数値を説明する。図1は、本実施形態に係る誘電体素子10の構造を示す概略断面図である。誘電体素子10は、下部金属層としての金属箔12と、金属箔12の上面に設けられた誘電体層14と、誘電体層14の上面に設けられた上部金属層16を有している。つまり、金属箔12は誘電体層14の一方の主面(下面)に接し、上部金属層16は誘電体層14の他方の主面(上面)に接している。図1において、18は金属箔12と誘電体層14との界面、20は誘電体層14と上部金属層16との界面を示している。この誘電体素子10は、金属箔12と上部金属層16を一対の対向電極として使用する薄膜コンデンサである。
金属箔12は自立可能であり、したがって、誘電体層14および上部金属層16を支持するための基材として機能する。金属箔12および上部金属層16の材料としては、安価で低抵抗な卑金属、例えばCu、Ni、Alを使用することが好ましい。
以下では、誘電体素子10の製造方法を説明する。図2は、この製造方法を示す工程図である。まず、金属箔12を用意し(図2(a))、その一方の主面(上面)を研磨して鏡面化する(図2(b))。研磨の方法としては、化学機械研磨(CMP)の他、バフ研磨、ラッピング、ブラシ研磨、電解化学研磨などが挙げられる。
次に、金属箔12の研磨された上面に誘電体層14を形成する(図2(c))。誘電体層14の形成方法としては、例えば、溶液法やスパッタ法が挙げられる。具体的には、金属箔12の上面に誘電体材料を付着させ、それを焼成することにより誘電体層14を形成する。
続いて、誘電体層14の上面に、スパッタ法などによって上部金属層16を形成する(図2(d))。こうして、誘電体素子10が得られる。
上述のように、誘電体層14が薄くても、下部金属層12と誘電体層14との界面18や誘電体層14と上部金属層16との界面20の粗さが小さければ、リーク電流を十分に抑えられる。これらの界面の粗さは、界面18の算術平均粗さRaと界面20の算術平均粗さRaとの平均値Ram(={Ra+Ra}/2)を用いることにより、総合的に評価することができる。そして、誘電体層14の厚みTと界面粗さの平均値Ramとの比(T/Ram)が大きいほど、金属箔12および上部金属層16間のリーク電流を抑えることができる。
なお、算術平均粗さはJIS B 0601に規定されており、界面18、20の算術平均粗さも、その規定に従って求められる。以下では、これらの界面の算術平均粗さの測定方法を説明する。
界面18、20の算術平均粗さを求めるには、まず、誘電体素子10の断面を露出させる。これは、誘電体素子10を樹脂に埋め込んで機械的に研磨する方法や、集束イオンビーム法などによって実行することができる。
次に、露出した断面のうち界面18および20の断面曲線を含む部分を、走査電子顕微鏡などを用いて観察し、その部分の画像を取得する。図3は、こうして取得した断面画像を示す概略図である。図3において18a、20aは、それぞれ界面18、20の断面曲線を表す。この断面画像の横方向(図3のX方向)の長さは、JIS B 0633の7.2.1.に規定される基準長さ以上に設定される。界面18と界面20とで異なる基準長さが求まる場合は、長い方の基準長さ以上となるように断面画像の横方向の長さを設定する。
次に、この断面画像から各界面の断面曲線18aおよび20aにおける起伏(山および谷)の情報を取得する。具体的には、JIS B 0601の3.1.6に規定されるように、高域フィルタを用いて断面曲線18aおよび20aの各々から長波長成分を遮断し、粗さ曲線を得る。図4は、粗さ曲線の一例を示す図である。図4において、22は粗さ曲線を示し、24は粗さ曲線22の平均線を表している。
この後、界面18および20の各々に対応する粗さ曲線に基づいて下記の式で表される演算を行うことにより、各界面の算術平均粗さが求まる。
Figure 2007329190

この式は、JIS B 0601の4.2.1に規定されている。ここで、Raは算術平均粗さ、lrは基準長さを表している。Z(x)は、JIS B 0601の3.2.8.に規定される縦座標値であり、任意の横方向位置xにおける粗さ曲線の高さを表す。Z(x)の符合は、平均線の下側を負、上側を正とする。
本発明者らは、多数の誘電体素子10を上述した製造方法により様々な条件下で製造し、得られた素子の各々について誘電体層14の厚みTと界面粗さの平均値Ramとの比T/Ramを求め、リーク電流を抑えるために適切なT/Ramの数値範囲を調べた。
下記の表1に製造条件を示す。
Figure 2007329190
この表において「研磨」の各項目は、金属箔12の研磨条件を示している。金属箔12は純Niから構成されており、その上面は片面研磨機を用いた化学機械研磨(CMP)により研磨される。ただし、製造条件1−1、1−2、1−3においてはCMP研磨を行わなかった。それら以外の製造条件においては、表1に記載の時間分のCMP研磨を行った。すなわち、製造条件2−1、2−2、2−3ではCMP研磨時間が1分、製造条件3−1、3−2、3−3ではCMP研磨時間が6分、製造条件4−1、4−2、4−3ではCMP研磨時間が9分、製造条件5−1、5−2、5−3ではCMP研磨時間が95分、製造条件6−1、6−2、6−3ではCMP研磨時間が140分である。
次に、この研磨された上面に誘電体層14を形成する。その形成条件は、表1の「誘電体形成」の各項目に示されている。誘電体層14の材料としては、BST、すなわちチタン酸バリウムストロンチウム(BaSr)TiOが使用される。誘電体層14の形成方法としては、溶液法が使用される。金属箔12の研磨された上面にBSTの溶液(ゾル液)をスピンコートによって塗布し、それを焼成することにより誘電体層14が形成される。製造条件は、誘電体層14の厚みに応じて、さらに3種類に分類される。すなわち、製造条件1−1、2−1、3−1、4−1、5−1、6−1では誘電体層14の厚みが100nmであり、製造条件1−2、2−2、3−2、4−2、5−2、6−2では200nm、製造条件1−3、2−3、3−3、4−3、5−3、6−3では700nmである。
誘電体層14の形成後、誘電体層14の上面にスパッタ法によって上部金属層16を形成する。上部金属層16の材料および寸法は、表1の「誘電体形成」の各項目に示されている。すなわち、全ての製造条件において、上部金属層16としてのCu層を厚み200nm、形状4.0mm×4.0mmにて形成した。
本発明者は、各製造条件の下で誘電体素子10を50個同時に製造し、それを製造条件ごとに2回ずつ実施した。そして、得られた誘電体素子10の各々について、(1)金属箔12及び誘電体層14間の界面18の算術平均粗さRa、(2)誘電体層14および上部金属層16間の界面20の算術平均粗さRa、(3)RaとRaの平均値Ram、(4)Ramと誘電体層14の厚みTとの比T/Ram、および(5)金属箔12および上部金属層16間のリーク電流密度を測定した。RaおよびRaの測定方法は、図3および図4を参照して上述した通りである。リーク電流密度は、室温下で金属箔12および上部金属層16間に1Vの直流電圧を印加してリーク電流を測定し、そのリーク電流を上部金属層16の面積で除算することにより求めた。
下記の表2は、この実験結果を示している。
Figure 2007329190
この表では、各製造条件の下で同時に製造される50個の誘電体素子群が実験例1、実験例2というように表記されている。表2に記載される各実験例のRa、Ra、RamおよびT/Ramは、各実験例に含まれる50個の誘電体素子について測定されたRa、Ra、RamおよびT/Ramの平均値である。また、表2には、各実験例の50個の誘電体素子の平均リーク電流密度と、50個の誘電体素子のうち10−6A/cm以下という低いリーク電流密度を有する素子の割合も示されている。
図5は、表2に示される実験結果を抜粋して表示するグラフである。横軸は誘電体層14の厚みTと界面粗さの平均値Ramとの比T/Ramを表し、縦軸はリーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10の割合を表している。
図6は、表2に示される実験結果を抜粋して表示するグラフである。横軸は誘電体層14の厚みTと界面粗さの平均値Ramとの比T/Ramを表し、縦軸は平均リーク電流密度を表している。
表2、図5および図6に示されるように、T/Ramが1.29以下の各実験例では、50個の誘電体素子10のうちリーク電流密度が10−6A/cm以下のものは存在しなかった。これらの誘電体素子の平均リーク電流は10−2〜10−3A/cmであった。これに対し、T/Ramが1.33の実験例3では、6%の割合でリーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子を得ることができた。平均リーク電流は3.10×10−4A/cmと比較的高い値であったが、6%という割合の数値からみてT/Ramが1.3以上であれば、誘電体層14の厚みが薄くても、誘電体素子10のリーク電流密度を十分に抑えられると推定される。
また、T/Ramが3.29の実験例13では、リーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10が得られる割合が16%であり、平均リーク電流は3.90×10−5A/cmであるのに対し、T/Ramが3.65の実験例14では、リーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10が得られる割合が42%と飛躍的に上昇しており、平均リーク電流も5.30×10−6A/cmと大きく減少している。したがって、T/Ramが3.6以上になると、誘電体素子10のリーク電流密度が効果的に低減されると推定される。
T/Ramが4.60の実験例10では、リーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10が得られる割合が44%であり、平均リーク電流は4.70×10−5A/cmであるのに対し、T/Ramが12.1の実験例15では、リーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10が得られる割合が82%にまで達し、平均リーク電流は3.50×10−8A/cmと極めて大きく減少している。したがって、T/Ramが12以上になると、誘電体素子10のリーク電流密度が極めて効果的に低減されると推定される。
なお、T/Ramが15.4の実験例5では、平均リーク電流が5.10×10−7A/cmであり、T/Ramが12.1の実験例15に比べて平均リーク電流が上昇する。しかしながら、T/Ramが3.65の実験例14やT/Ramが4.60の実験例10と比べると、平均リーク電流は10分の1であり、依然として極めて小さい。また、実験例5では、10−6A/cm以下の誘電体素子10が得られる割合が98%と、極めて高くなっている。
T/Ramが28.6以上の実験例では、リーク電流密度が10−6A/cm以下の誘電体素子10が100%の割合で得られ、いずれも平均リーク電流は10−7〜10−8A/cmであった。したがって、T/Ramが28以上になると、極めて低いリーク電流密度が、より確実に得られると推定される。
上記の実験から、T/Ramが大きいほどリーク電流を抑えられるという傾向が分かる。しかし、T/Ramを大きくするために、Tを過度に大きくし、あるいはRamを過度に小さくすると、弊害が生じるおそれがある。
例えば、誘電体層14の厚みTが過度に大きいと、誘電体層14にクラックが起こりやすくなる。このクラックはリーク電流を増すことになる。クラックを防ぐ観点からは、T≦1000nmであることが望ましい。また、界面粗さの平均値Ramが過度に小さいと、金属箔12から誘電体層14が剥離し、あるいは誘電体層14から上部金属層16が剥離しやすくなる。剥離を防ぐ観点からは、Ram≧0.5nmであることが望ましい。これらを総合すると、T/Ram≦2000であることが望ましい。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上述した誘電体素子10は、一対の金属層によって誘電体層が挟まれる構造を有しているが、上述したT/Ramの数値範囲によるリーク電流の低減効果は、誘電体層に複数の電極が接する構造の誘電体素子であれば共通して得られるものと考えられる。例えば、誘電体層の一方の主面上に複数の金属層が形成されている場合にも、上述した数値範囲にT/Ramを設定することで、誘電体素子のリーク電流を抑えることができる。リーク電流の大きさには、誘電体層と金属層との各界面の算術平均粗さが寄与するが、Ramは各界面の算術平均粗さの平均値なので、上述したT/Ramの数値範囲は、誘電体層に複数の電極が接する構造の誘電体素子に共通して適用できる。
上記の実験例では誘電体層14がBSTから構成されているが、本発明の誘電体素子の誘電体層は他の材料から構成されていてもよい。例えば、誘電体層は、Ba、Sr、Ca、Pb、Ti、ZrおよびHfのうち一つ以上の元素を含む酸化物から構成されていてもよい。また、誘電体層は、ペロブスカイト構造を有する酸化物から構成されていてもよい。ペロブスカイト構造を有する酸化物は、一般式ABOで表される組成を有しており、その例としては、BSTの他に、BT、すなわちチタン酸バリウムBaTiOや、チタン酸ストロンチウムSrTiO、(BaSr)(TiZr)O、BaTiZrOを挙げることができる。
実施形態に係る誘電体素子の構造を示す概略断面図である。 誘電体素子の製造方法を示す工程図である。 誘電体素子の断面画像を示す概略図である。 粗さ曲線の一例を示す図である。 実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。
符号の説明
10…誘電体素子、12…金属箔、14…誘電体層、16…上部金属層、18、20…界面。

Claims (7)

  1. 誘電体層と、この誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層とを備える誘電体素子であって、
    前記第1〜第nの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでおり、
    前記第1〜第nの金属層の各々と前記誘電体層との界面は、それぞれ算術平均粗さRa〜Ra(nm)を有しており、
    これらの算術平均粗さRa〜Raの平均値Ram(nm)と前記誘電体層の厚みT(nm)とが、T/Ram≧1.3を満たしている、誘電体素子。
  2. 誘電体層と、この誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層とを備える誘電体素子であって、
    前記第1〜第nの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでおり、
    前記第1〜第nの金属層の各々と前記誘電体層との界面は、それぞれ算術平均粗さRa〜Ra(nm)を有しており、
    これらの算術平均粗さRa〜Raの平均値Ram(nm)と前記誘電体層の厚みT(nm)とが、T/Ram≧3.6を満たしている、誘電体素子。
  3. 誘電体層と、この誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層とを備える誘電体素子であって、
    前記第1〜第nの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでおり、
    前記第1〜第nの電極の各々と前記誘電体層との界面は、それぞれ算術平均粗さRa〜Ra(nm)を有しており、
    これらの算術平均粗さRa〜Raの平均値Ram(nm)と前記誘電体層の厚みT(nm)とが、T/Ram≧12を満たしている、誘電体素子。
  4. 誘電体層と、この誘電体層に接する第1〜第n(nは2以上の整数)の金属層とを備える誘電体素子であって、
    前記第1〜第nの金属層の少なくとも一つは、卑金属を含んでおり、
    前記第1〜第nの電極の各々と前記誘電体層との界面は、それぞれ算術平均粗さRa〜Ra(nm)を有しており、
    これらの算術平均粗さRa〜Raの平均値Ram(nm)と前記誘電体層の厚みT(nm)とが、T/Ram≧28を満たしている、誘電体素子。
  5. 前記第1〜第nの金属層の一つは、前記誘電体層を支持する金属箔である、請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体素子。
  6. 前記誘電体層は、Ba、Sr、Ca、Pb、Ti、ZrおよびHfのうち一つ以上の元素を含む酸化物から構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体素子。
  7. 前記誘電体層は、ペロブスカイト構造を有する酸化物から構成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体素子。
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