JP4200802B2 - 素子内蔵基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は受動素子としてコンデンサを内蔵した多層プリント配線板またはその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い回路部品の高密度化、高機能化が強まっている。そのため、プリント配線板に電子部品を実装する場合においてはその実装効率を高めるためにコンデンサ(C)、レジスタ(R)、インダクタ(L)等の受動素子を基板内に内蔵した構造の素子内蔵プリント基板が注目されている。
【0003】
例えば、プリント基板に設けた透孔内にリードレスの回路部品を埋設する方法(例えば、特許文献1参照)、絶縁基板に設けた貫通孔内にセラミックコンデンサ等の受動部品を埋設する方法(例えば、特許文献2参照)、半導体素子のバイパスコンデンサをプリント基板の孔に埋設する方法(例えば特許文献3及び4参照)等が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記の方法によりあらかじめ大容量が確保されているチップコンデンサ等を貫通孔へ埋設、実装する場合は、現行で最小サイズの0603チップを用いたとしても0.3mmあるいは0.6mmの層厚みが伴うため、薄い多層基板を実現するのは困難である他、絶縁樹脂とチップ部品との熱膨張率の差によりクラックが発生することが懸念される。
【0005】
また、プリント配線板内にコンデンサを作り込む手法も多数考案されており、粗面処理された2枚の導電性フォイルによる電極と1枚の誘電体シートによりコンデンサを形成し、このコンデンサをプリント配線板に内蔵する提案(例えば、特許文献5参照。)がなされている。前記2枚の導電性フォイルは、それぞれ、粗さの程度が小さくなるように表面処理された一方の面(バレル面)を、内側の誘電体シートに接触し、より粗く粗面化処理された他方の面(マット面)は、外側の部材に接しアンカー効果により強固に取り付けられる。
【0006】
しかしながら、上記手法により製造したプリント配線板の場合、多層構造のコンデンサを形成すると次の問題を生じる。すなわち、多層構造にした場合、電極や導体回路の影響でプリント配線板の平坦性が悪くなる。特にコンデンサパターンは同じパターンを積層するので電極部が盛り上がってしまいがちである。電極の厚みを吸収するために誘電体層を厚くすればプリント配線板の平坦性は改善されるが、その場合はコンデンサの静電容量が小さくなり必要とする容量のコンデンサを得ることができない。そこで平坦かつ大容量のコンデンサを得るためには、導体回路や、特に電極の厚さを薄くする必要がある。前記コンデンサを得るためには薄い導電性フォイルを用いることになるが、薄い導電性フォイルを用いるとプレス加工の際にしわが発生しやすい。一方、高い歩留まりで安定して製造するためには導電性フォイルの厚さが少なくとも15μm程度必要となり、導電性フォイルの薄型化にも限界があるため、大容量のコンデンサを得るために多層化するなどの、より高密度化した部品実装を実現することができないのが実状である。
【0007】
このような問題点を改良したコンデンサ内蔵基板の製造方法には、プリント配線板のコア絶縁層あるいは層間絶縁層の1つを誘電体として電極層で挟むサンドイッチ型コンデンサとし、少なくとも電極の1つを無電解銅めっき、あるいは無電解銅めっきと電解銅めっきの複合めっきで設けることによって厚さ15μm以下となるように形成したコンデンサを内蔵したプリント配線板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。この方法によると、電極及び導体回路を薄くすることにより、それを覆う層間絶縁層を薄くしても十分に電極と導体回路を埋め込むことができるため、基板の平坦性を確保することができ、コンデンサの精度の向上や基板全体の薄肉化に効果がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭54−38561号公報
【特許文献2】
特公昭60−41480号公報
【特許文献3】
特開平4−73992号公報
【特許文献4】
特開平5−218615号公報
【特許文献5】
特許第2738590号
【特許文献6】
特開2002−176266号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のコンデンサ内蔵プリント配線板の製造方法では、コンデンサの電極と導体回路が同一面内に存在するため、電極の厚さを薄くすると導体回路の厚さも薄くなってしまう。このように導体回路の厚さが薄くなると導体抵抗が大きくなるため、特に微細配線を形成する場合には信号遅延(RC delay)が問題となる。特に、導体回路の厚さを10μm以下にすることはプリント配線板の高速化を妨げることになる。したがって、コンデンサ電極の厚さも10μm程度とするのが下限であり、この厚みでは電極を埋め込むことになる誘電体層の厚みも制限される。一方、全体を薄くするため誘電体層を薄くすると基板全体を十分に平滑にすることはできない。さらに、誘電体層は高誘電率化すればするほど誘電性フィラーが高充填されているため、フィルム状として用いた場合は内層導体回路の埋め込み性に乏しく、一方液状として用いた場合、埋め込み性には問題ないが硬化収縮のため表面平滑性が悪くなる。
【0010】
また、一般にプリント配線板コアはガラスクロスを含むために平滑性に乏しく、そのため前記コア上にコンデンサの電極を形成すると、平滑としやすいめっきで形成しても電極を十分に平滑とすることは難しく、特に電極を薄くするとその傾向は顕著である。したがって、上記方法では高容量のコンデンサを精度良く形成するのは難しい。
【0011】
本発明の課題は、プリント配線板内蔵型のコンデンサについて、従来と同様のプリント配線板製造プロセスで製造することができ、かつ、十分な静電容量を有し、信号遅延のおきにくく薄型で精度の良い素子内蔵型コンデンサ及びそれを内蔵した素子内蔵基板とその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための請求項1に係る発明は、コンデンサ下部電極とコンデンサ上部電極で誘電体層を挟持するコンデンサと導体回路とを備えた素子内蔵基板において、前記コンデンサ下部電極は、導通する第1の絶縁層の第1の導体回路と異なる面に存在し、厚さ1〜10μmの範囲にあって前記第1の絶縁層上に形成され、かつ、前記誘電体層に埋め込まれており、コンデンサ上部電極は第2の導体回路と同一面に存在しており、前記第2の絶縁層は前記誘電体層よりも軟らかいこと、を特徴とする素子内蔵基板である。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記コンデンサ下部電極の外部取り出し電極はインナービアホールの形成によって行われていることを特徴とする請求項1に記載の素子内蔵基板である。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記誘電体層は少なくとも誘電性フィラーと熱硬化性樹脂からなり、当該誘電性フィラーと当該熱硬化性樹脂の合計に占める誘電性フィラーは70重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の素子内蔵基板である。
【0018】
請求項4に係る発明は、少なくとも第1の絶縁層、コンデンサ下部電極、誘電体層、コンデンサ上部電極、第2の絶縁層の順で積層された部分を含む素子内蔵基板において、前記コンデンサ下部電極は、導通する第1の絶縁層の第1の導体回路と異なる面に存在し、厚さ1〜10μmの範囲にあって前記第1の絶縁層上に形成され、かつ、前記誘電体層に埋め込まれており、コンデンサ上部電極は第2の導体回路と同一面に存在しており、前記第2の絶縁層は前記誘電体層よりも軟らかい素子内蔵基板を製造する場合に、
少なくとも以下の工程を含む素子内蔵基板の製造方法。
1.前記第1の絶縁層上に厚さ1〜10μmの前記コンデンサ下部電極を形成する工程、
2.前記第1の絶縁層と前記コンデンサ下部電極上に前記誘電体層を形成し、当該コンデンサ下部電極を当該誘電体層に埋没させる工程、
3.前記コンデンサ下部電極の直上である前記誘電体層上に前記コンデンサ上部電極を形成する工程、
である。
【0019】
請求項5に係る発明は、前記コンデンサ下部電極の外部取り出し電極はインナービアホールの形成によって行われていることを特徴とする請求項4に記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0020】
請求項6に係る発明は、前記コンデンサ下部電極の取り出し電極であるビアホールはフィルドビアめっきによって電気的に接続され、前記コンデンサ下部電極はセミアディティブ法あるいはフルアディティブ法で形成されていることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記誘電体層と前記コンデンサ上部電極上に前記第2の絶縁層を形成し、当該コンデンサ上部電極を当該第2の絶縁層に埋没させていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0022】
請求項8に係る発明は、前記第2の絶縁層は、絶縁樹脂支持体上に少なくとも熱硬化性樹脂と有機及び/又は無機フィラーからなり、当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である絶縁層を積層した絶縁樹脂シートを、前記誘電体層にラミネートし、該絶縁樹脂支持体を剥離する工程、によって形成されたことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0023】
請求項9に係る発明は、前記誘電体層は、誘電樹脂支持体上に少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり、当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である誘電樹脂層を積層した誘電樹脂シートを、前記コンデンサ下部電極及び前記第1の絶縁層上にラミネートし、当該誘電樹脂支持体を剥離する工程、によって形成されたことを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0024】
請求項10に係る発明は、前記誘電体層上へのコンデンサ上部電極形成前に、当該誘電体層の表面粗さを1μm以内とする工程、を含むことを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0025】
請求項11に係る発明は、前記誘電体層上に金属箔を積層し、該金属箔をエッチングすることにより前記コンデンサ上部電極を設けることを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0026】
請求項12に係る発明は、少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である誘電樹脂層を金属箔上に積層した樹脂つき金属箔を、前記コンデンサ下部電極及び前記第1の絶縁層上に積層し、前記金属箔をエッチングすることにより前記コンデンサ上部電極を設けることを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0027】
請求項13に係る発明は、前記誘電体層は少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり、当該誘電性フィラーと当該熱硬化性樹脂の合計に占める誘電性フィラーは70重量%以上であることを特徴とする請求項4乃至12のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0028】
請求項14に係る発明は、前記第1の絶縁層と第2の絶縁層に挟持された前記誘電体層の厚みが10〜30μmの範囲にあることを特徴とする請求項4乃至13のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明による素子内蔵基板は、多層プリント配線板に内蔵するコンデンサにおいて、基板よりに形成されるコンデンサ下部電極を、導体回路とは別に絶縁層上に独自に形成することにより、該電極の厚さを10μm以下と薄くても、導体回路を信号遅延が起こらない十分な厚さで形成することが可能な構造とした。また本発明によれば、基板、特にガラスクロス等のコア基材に較べて平滑な絶縁層上にコンデンサ電極を形成するため、薄くしても平滑な電極とすることが可能である。さらに、誘電性フィラーが高密度で充填された高誘電樹脂シートを用いて薄い誘電体層を形成する場合でも、埋め込むのは薄くて平滑な電極だけであるため、当該誘電体層が平滑になり、高容量のコンデンサを精度良く形成することができるだけでなく、平滑な素子内蔵基板を得ることができる。
【0030】
以下、本発明の素子内蔵基板およびその製造方法の一例について図を用いて説明する。本明細書中では、各コンデンサの対向する電極のうち、第1の絶縁層3a上に先に形成されることになる電極をコンデンサ下部電極6とし、もう一方をコンデンサ上部電極8と呼ぶ。
【0031】
本発明中で述べるコンデンサの外部取り出し電極とは、コンデンサ上部あるいは下部電極に電気的に接続し、外部電源との導通を図る配線のことを意味し、一般的なプリント配線板へのビアの形成と同様にビアホールをコンデンサ上部あるいは下部電極に接続するように設け、このビアホールによって導通をとる、すなわち外部取り出し電極としてもよいし、コンデンサの電極と水平方向に接続されたランドをもって外部取り出し電極としてもよい。ランドを外部取り出し電極として形成する場合には、配線自体の厚みを考えるとコンデンサ上部電極の外部取り出し電極とすることが望ましい。
外部取り出し電極として設けたビアホールの電気的導通は、めっき形成後の上面を平坦にすることができるため、フィルドビアめっきによって図ることがこのましい。
【0032】
まず、第1の導体回路2b等が形成されたガラスクロスなどの基板1(図3(a))に、半硬化状態の絶縁樹脂シートを真空ラミネーターによりラミネートし、所定の温度に設定した熱風炉中で硬化させて第1の絶縁層3aを形成する(図3(b))。この第1の絶縁層3a上でコンデンサ下部電極6が形成される所定の位置にUV−YAGレーザーによりビアホール4を形成(図3(c))した後、フィルドビアめっきにより、ビアの電気的接続及び穴埋めとコンデンサ下部電極6の形成を同時に行う(図3(d))。ビアホール4の接続・穴埋めの方法は通常のプリント配線板の製造方法で用いられているものであれば特に限定されるものではなく、コンデンサ下部電極6はめっき以外のスパッタ、導電性ペースト等いずれの方法で形成されていても構わない。
【0033】
このようにして形成された第1の絶縁層3aとコンデンサ下部電極6上に熱硬化性樹脂と誘電性フィラーを含んだ半硬化状態の高誘電樹脂シートを真空ラミネーターによりラミネートして誘電体層7を形成(図3(e))し、ステンレス板による鏡面プレスで表面を平滑にする。この後、平滑にした誘電体層7上に導体層2aとして銅箔を真空ラミネーターにより貼り合わせ(図3(f))、所定の温度に設定した熱風炉中で一体硬化させる。以上の誘電体層7と導体層2aは、接着層として高誘電率シートを用いた樹脂付き金属箔を、内層基板に真空プレスで積層して設けても良い。この後、UV−YAGレーザにより導体層2a上からビアホール4の形成を行い(図3(g))、フィルドビアめっきによりビアホールを電気的に接続すると共に導体層2aを所定の厚さに調整する。さらに、フォトリソ工程により表層の導体層2aをパターニングして、コンデンサ上部電極8及び第2の導体回路2cを形成する(図3(h))。
以上の工程を複数回繰り返すことで、所望の素子内蔵基板を得ることができる(図3(i))。
【0034】
本発明における半硬化状態の絶縁樹脂シートは、所定の溶媒に溶解させた絶縁樹脂ワニスをロールコーター等で絶縁樹脂支持体に塗布した後、乾燥させて半硬化状態とすることで作製することができる。絶縁樹脂支持体としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET等のポリエステル、ポリカーボネート、離型紙等が挙げられる。なかでも、価格・耐熱性・寸法安定性等の点においてポリエステル系フィルムを使用することが特に好ましい。絶縁樹脂支持体の厚みとしては10〜150μmが一般的である。なお、絶縁樹脂支持体にはマッド処理、エンボス加工の他、離型処理が施してあっても良い。さらに必要に応じて、絶縁樹脂シートの絶縁樹脂支持体が無い面を保護フィルムで覆い、ロール状に巻き取って保存することもできる。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET等のポリエステル、さらには離型紙等が挙げられる。保護フィルムの厚みとしては10〜100μmが一般的である。また、保護フィルムにはマッド処理、エンボス加工の他、離型処理を施してあっても良い。
【0035】
本発明における絶縁層3a、3bを形成する絶縁樹脂は、熱硬化性樹脂を主成分として成る。例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂類、ビスマレイミド類とジアミンとの付加重合物、フェノール樹脂、レゾール樹脂、イソシアネート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びビニル基含有ポリオレフィン化合物等があげられるが、これらに限定されない。これら熱硬化性樹脂の中でも耐熱性、絶縁性等の性能とコストとのバランスからエポキシ樹脂、特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0036】
本発明で使用されるエポキシ樹脂は公知のものを用いることができる。例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族環を含むエポキシ類化合物の水素添加化合物、脂環式エポキシ樹脂やシクロヘキセンオキシドの各種誘導体、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等の含ハロゲンエポキシ樹脂等があげられ、これらを単独もしくは混合して用いることができる。
【0037】
本発明にて絶縁層となる熱硬化性樹脂に添加して用いられる硬化剤は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂の選択によってそれに対応する硬化剤を選ぶことができる。例えば熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、公知のエポキシ樹脂硬化剤を用いることができる。このようなエポキシ樹脂硬化剤として、例えばフェノールノボラック等の多価フェノール類、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン系硬化剤、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物硬化剤またはこれらの混合物等が挙げられる。中でも、低吸水性の点からフェノールノボラック等の多価フェノール類の使用が特に好ましい。
【0038】
エポキシ樹脂硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂との組み合わせで任意の割合で使用することができるが、通常はTgが高くなるようにその配合比が決定される。例えば、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノールノボラックを用いる場合は、エポキシ当量と水酸基当量が1:1になるように配合するのが好ましい。
【0039】
本発明における絶縁樹脂には前述の熱硬化性樹脂、硬化剤の他に熱可塑性樹脂を加えることが好ましい。熱可塑性樹脂を添加する理由は、特に硬化後の絶縁層の強靱性が向上するためである。通常エポキシ樹脂は銅とのめっき密着性や耐熱性に優れるが、固くて脆い特性を有しており、冷熱衝撃試験での樹脂クラック等の不具合を生じることがある。本発明ではポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を加えることにより、信頼性に優れた絶縁層を形成することができる。このような熱可塑性樹脂としては、上述した熱硬化性樹脂、硬化剤と同一の溶媒に溶解して混合できることが望ましい。また、熱可塑性樹脂の配合比は全樹脂固形分の10〜40重量%の範囲であることが好ましい。これは、熱可塑性樹脂の含量が全樹脂固形分の10重量%以下では熱可塑性樹脂の添加による靱性改善効果があまり得られない傾向があり、また40重量%以上では充分なめっき密着性が得られない傾向にあるためである。
【0040】
本発明における絶縁層を形成する絶縁樹脂には機械的、熱的、または電気的性質の改質を目的として公知の無機または有機フィラーを加えることができる。ファインパターンを形成するためにはこれらのフィラーの平均粒径が小さいもの程好ましく、平均粒径3μm以下のものが使用される。また、その配合比は絶縁樹脂に添加する熱硬化性樹脂の選択によって異なり、絶縁樹脂全体に対して5〜40wt%の範囲内であることが好ましい。有機フィラーとしては、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、グアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末等を、無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等を挙げることができる。なかでも、シリカフィラーは誘電率が低いこと、線膨張率が低いこと、表面粗化処理により絶縁層中から脱離してアンカーを形成しやすいことなどからより好ましく用いられている。
【0041】
本発明におけるコンデンサ下部電極6は、スパッタリング、めっき又は導電性ペーストにより形成される。ビアホールの導通も同時に図ることができ、かつ、平坦な導体層を得ることができるため、めっきはフィルドビアめっきとすることが望ましく、その後、セミアデティブ法もしくはフルアディティブ法によりコンデンサ下部電極が形成される。スパッタによる場合も、絶縁層のデスミア(表面粗化処理)が不要であり、薄く平滑な導体層を形成することができるため、好ましい。コンデンサ下部電極6上に積層される誘電体層7の厚さやコンデンサ下部電極6自体のサイズにもよるが、コンデンサ下部電極6の厚さは5μm以下であることが好ましい。コンデンサ下部電極6の厚さが5μm以上あると十分に誘電体層に埋没させることができず、コンデンサ下部電極6上に形成される誘電体層7の厚さが、当該コンデンサ下部電極中央部とエッジ部で大きく異なってしまい、誘電体層積層後に鏡面プレスを行っても充分に平滑にすることができなくなる。
【0042】
本発明における半硬化状態の高誘電樹脂シート及び誘電樹脂層である樹脂付き金属箔の接着層は、所定の溶媒に溶解させた高誘電樹脂ワニスをロールコーター等で誘電樹脂支持体あるいは金属箔に塗布した後、乾燥させて半硬化状態とすることで作製することができる。高誘電樹脂シートの誘電樹脂支持体としては、絶縁樹脂支持体に用いたものと同様のものを用いることができる。さらに必要に応じて、高誘電樹脂シートの支持体が無い面を、絶縁樹脂シートに用いたものと同様の保護フィルムで覆いロール状に巻き取って保存することもできる。また、樹脂付き金属箔には片面をマット処理した厚さ12〜18μmの金属箔上に半硬化状態の高誘電樹脂を10〜50μm程度形成したものを使用することができる。素子内蔵基板全体の薄型化のために高誘電樹脂は可能な限り薄い方が好ましく、誘電性フィラーの占める割合と当該誘電体層に埋め込むことになる下部コンデンサ電極の厚みを考慮すると、10〜30μmの範囲であることが望ましい。金属箔は加工性、延性、電気伝導性等の観点から銅箔を用いることが好ましい。また、高誘電樹脂の残留溶剤は3%以下にしておくことが好ましい。
【0043】
本発明における誘電体層を形成する高誘電樹脂は少なくとも熱硬化性樹脂及び誘電性フィラーより成る。熱硬化性樹脂には絶縁樹脂で使用されているものと同様のものを使用することができる。さらに絶縁樹脂と同様の硬化剤を添加することができる。本発明の目的を妨げない範囲内で熱可塑性樹脂を加えることもできる。
【0044】
また、高誘電樹脂の主成分となる誘電性フィラーとしては、例えばチタン酸バリウム,チタン酸ストロンチウム,チタン酸カルシウム,チタン酸マグネシウム,チタン酸亜鉛,チタン酸鉛等のチタン酸塩、あるいはジルコン酸カルシウム,ジルコン酸バリウム,ジルコン酸鉛等のジルコン酸塩等を主成分とした種々の誘電体セラミック組成物を使用することができる。この中でも特に誘電率の高いチタン酸バリウムが好ましい。高い誘電率を得るために、少なくとも誘電性フィラーと熱硬化性樹脂からなる誘電体層における、当該誘電性フィラーと当該熱硬化性樹脂の合計に占める誘電性フィラーは70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。誘電性フィラーの割合は多い方が静電容量の高い高性能のコンデンサとすることができるが、もろい誘電体層となって積層が困難となるため、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。
【0045】
本発明によれば、誘電体層に埋め込むコンデンサ下部電極が非常に薄く平坦であるため、高誘電樹脂をシート状にして積層する方法においても、十分に薄く平坦な誘電体層を形成することができ、従って精度の高い、高静電容量のコンデンサを内蔵した素子内蔵基板を得ることができる。
【0046】
本発明において、絶縁樹脂シート及び高誘電樹脂シートを真空ラミネーターによりラミネートする方法としては、減圧下、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよく、両面同時にラミネートするのが好ましい。ラミネート条件は絶縁樹脂及び高誘電樹脂の熱時溶融粘度、樹脂厚、導体層及びコンデンサ電極のパターン面積等により異なるが、一般的に圧着温度が70−200℃、圧着圧力が1〜10kgf/cm2であって、20Torr以下の減圧下において良好にラミネートすることができる。
【0047】
本発明の素子内蔵基板の製造方法において、誘電体層を高誘電樹脂シートのラミネートにより形成した場合は、高誘電樹脂シートの積層後、誘電樹脂支持体の剥離前に、高誘電樹脂を誘電樹脂支持体の上から支持体ごと鏡面プレスして、コンデンサ下部電極上の誘電体層の表面粗さ(Ra)を1μm以内にしておくことが好ましい。このように誘電体層の表面粗さを小さくしておくと、最終的に素子内蔵基板に内蔵されているコンデンサの誘電体厚さが均一になり、コンデンサの実際の容量と設計上の容量とのずれを小さくすることができるからである。
【0048】
本発明の素子内蔵基板の製造方法においては、高誘電樹脂シートによって誘電体層を積層し、誘電樹脂支持体を剥離除去した後、金属箔を真空ラミネーターでラミネートする。
ラミネートされる金属箔の粗化処理や防錆処理の種類は特に限定されず、一般的な方法が採用される。金属箔としてはニッケル箔、銅箔等が挙げられるが、加工性がよい銅箔が特に好ましい。本発明にて誘電体層上にラミネートされる金属箔は、圧延金属箔、電解金属箔のいずれでもよく、その厚みは3〜100μmのものが使用できる。さらに好ましくは12〜35μmである。これより薄いとラミネート時に銅箔にしわが寄るなどの歩留まり低下が発生し、また導体回路を形成したときにその断面積が減る結果となり、導体抵抗が増すため、プリント配線板の信号遅延の一因となり、好ましくない。
【0049】
誘電体層上に積層された銅箔などの金属箔からなる導体層2aをエッチングすることによりコンデンサ上部電極及び配線などの第2の導体回路2c(あるいは2b)を形成する(図3(h))。
【0050】
このようにして形成されたコンデンサ上部電極8及び第2の導体回路2c上に絶縁樹脂シート30のラミネート等の方法によって第2の絶縁層3bを形成し、コンデンサ上部電極及び第2の導体回路を絶縁層に埋め込む。絶縁層は誘電体層よりも軟らかいため、やや厚みのある導体回路等の上に積層しても、絶縁層表面を平坦なものとすることができる。
【0051】
この絶縁層上に更にコンデンサ下部電極を形成し、別のコンデンサを製作してもよいし、あるいは絶縁層上に導体回路等を設け、通常の多層配線板としてもよい。また、本発明の素子内蔵基板には絶縁層にレジスタ、インダクタ等の他の受動素子を内蔵することもできるし、また既知の素子内蔵基板製造方法と組み合わせて素子内蔵機坂内に素子を作り込んでも良い。
【0052】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
まず、本発明における実施例で用いた絶縁樹脂及び高誘電樹脂、並びにそのシート、樹脂付き金属箔への加工を示す。絶縁樹脂及び高誘電樹脂の組成は表1に記載の通りである。また、表1中の数値は特に示さない限り重量部である。
【0054】
【表1】
Figure 0004200802
【0055】
<絶縁樹脂シートの製造1>
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂成分としてエピコート1001(油化シェルエポキシ社製)90重量部、エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製)10重量部、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノールノボラック(日本化薬社製)24.6重量部、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂(フェノートYP−50、東都化成社製)37.4重量部をシクロヘキサノンとMEKの混合溶媒に溶解させた。この溶液にシリカフィラーのAEROSIL RY200(日本アエロジル社製)40.5重量部、硬化触媒の2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)0.32重量部を加え、練り込みロールで分散させた後に攪拌及び脱泡し、絶縁樹脂ワニスを調製した。このようにして得られた絶縁樹脂ワニス32を絶縁樹脂支持体31として厚さ30μmのPET支持体上に乾燥後の膜厚が50μmとなるようにロールコーターで塗布し、80℃で10分間乾燥させて絶縁樹脂シート30とした(図2(a))。さらに、支持体の無い樹脂面に、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを張り合わせ、絶縁樹脂面を保護した。
【0056】
<絶縁樹脂シートの製造2>
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂成分としてEPPN−502H(日本化薬社製)90重量部、エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製)10重量部、エポキシ樹脂硬化剤としてカヤハードNHN(日本化薬社製)99.4重量部、熱可塑性樹脂としてポリエーテルスルホン(スミカエクセル5003P、住友化学工業社製)59.8重量部を4−ブチロラクトンとN−メチル−2−ピロリドンの混合溶媒に溶解させた。この溶液にシリカフィラーのアドマファインSO−C1(アドマテックス社製)77.8重量部、硬化触媒の2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)0.78重量部を加え、練り込みロールで分散させた後に攪拌及び脱泡し、絶縁樹脂ワニスを調製した。このようにして得られた絶縁樹脂ワニス32を絶縁樹脂支持体31として厚さ30μmのPET支持体上に乾燥後の膜厚が50μmとなるようにロールコーターで塗布し、80℃で10分間乾燥させて絶縁樹脂シート30とした(図2(a))。さらに、支持体の無い樹脂面に、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを張り合わせ、絶縁樹脂面を保護した。
【0057】
<高誘電樹脂シートの製造1>
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂成分としてEPPN−502H(日本化薬社製)90重量部、エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製)10重量部、エポキシ樹脂硬化剤としてカヤハードNHN(日本化薬社製)99.4重量部をシクロヘキサノンに溶解させた。この溶液にチタン酸バリウム(富士チタン工業社製)797.6重量部、硬化触媒の2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)0.78重量部を加え、練り込みロールで分散させた後に攪拌及び脱泡し、高誘電樹脂ワニスを作成した。このようにして得られた高誘電樹脂ワニス42を誘電樹脂支持体41として厚さ30μmのPET支持体上に乾燥後の膜厚が25μmとなるようにロールコーターで塗布し、80℃で10分間乾燥させて高誘電樹脂シート40とした(図2(b))。さらに、支持体の無い樹脂面に、厚さ20μmのポリエチレン保護フィルムを張り合わせ、高誘電樹脂面を保護した。この高誘電樹脂シートを硬化させLCRメーターで1MHzにおける比誘電率を測定したところ38であった。
【0058】
<高誘電樹脂シートの製造2>
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂成分としてエポトートYDCN−703(東都化成社製)90重量部、エポトートYD−128(東都化成社製)10重量部、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノールノボラック(日本化薬社製)53.3重量部をγ−ブチルラクトンに溶解させた。この溶液にチタン酸ストロンチウム(富士チタン工業社製)613.2重量部、硬化触媒の2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)0.78重量部を加え、練り込みロールで分散させた後に攪拌及び脱泡し、高誘電樹脂ワニスを作成した。このようにして得られた高誘電樹脂ワニス42を誘電樹脂支持体41として厚さ30μmのPET支持体上に乾燥後の膜厚が25μmとなるようにロールコーターで塗布し、80℃で10分間乾燥させて高誘電樹脂シート40とした(図2(b))。さらに、支持体の無い樹脂面に、厚さ20μmのポリエチレン保護フィルムを張り合わせ、高誘電樹脂面を保護した。この高誘電樹脂シートを硬化させLCRメーターで1MHzにおける比誘電率を測定したところ10であった。
【0059】
<樹脂付き金属箔の製造1>
高誘電樹脂シートの製造1と同様にして高誘電樹脂ワニス42を作製し、導体層aになる金属箔43として厚さ12μmの片面処理電解銅箔のマット面にロールコーターで塗布・半硬化させ、厚さ30μmの、高誘電樹脂よりなる接着剤層を形成し、樹脂付き金属箔44を製造した。
【0060】
<樹脂付き金属箔の製造2>
高誘電樹脂シートの製造2と同様にして高誘電樹脂ワニス42を作製し、導体層aになる金属箔43として厚さ12μmの片面処理電解銅箔のマット面にロールコーターで塗布・半硬化させ、厚さ30μmの、高誘電樹脂よりなる接着剤層を形成し、樹脂付き金属箔44を製造した。
【0061】
[実施例1]
導体回路2bが形成された基材1(コア基材、コア厚0.8mm)(図4(a))上に、絶縁樹脂シートの製造1で製造した絶縁樹脂シートを、保護フィルムを剥がし、真空ラミネーターにより温度130℃、圧力3kgf/cm2でラミネートした。室温まで冷却して絶縁樹脂支持体31を剥離した後、170℃のオーブン中で30分間加熱して絶縁樹脂32を硬化させ、絶縁層3aとした。この後、所定のビアホール形成部にUV−YAGレーザーで穴開けを行った後(図4(c))、アルカリ性過マンガン酸塩による表面粗化を行い、セミアディティブ法によりビアホール4の電気的接続及びコンデンサ下部電極6の形成を行った(図4(d))。コンデンサ下部電極6の厚さは4.8μmであった。
【0062】
上述のように形成したコンデンサ下部電極6上に、高誘電樹脂シートの製造1で製造した高誘電樹脂シート40を、保護フィルムを剥がし、真空ラミネーターにより温度130℃、圧力5kgf/cm2でラミネートした(図4(e))。この後、誘電樹脂支持体41がついた状態のままステンレス製の鏡面板にて、圧力10kgf/cm2、温度130℃で5分間プレスして高誘電樹脂表面を平滑にし、室温まで冷却したのち誘電樹脂支持体41を剥離し、誘電層7を積層した。さらに導体層2aとして厚さ12μmの銅箔を誘電層7表面上に真空ラミネーターを用いて、温度150℃、圧力10kgf/cm2でラミネートした(図4(f))。所定のビアホール形成部にUV−YAGレーザーでビアホール4を形成し(図4(g))、フィルドビアめっきによりビアホールを電気的に接続した。銅箔をエッチングして導体回路2c及びコンデンサ上部電極8を形成した(図4(h))。以上の工程を2回繰り返すことによりコンデンサ9を内蔵したビルドアップ2層素子内蔵基板10を製造した(図4(i))。
【0063】
[実施例2]
実施例1と同様にして、導体回路2bが形成された基材1(コア基材、コア厚0.8mm)上に、絶縁層3a、導通をとったビアホール5及びコンデンサ下部電極6を形成した(図5(a)〜(d))。樹脂付き金属箔の製造1で製造した樹脂付き金属箔を、真空プレスにて圧力40kg/cm2、温度170℃で2時間加熱・加圧して積層し、誘電体層7及び導体層2aとした(図5(e))。続いてUV−YAGレーザーにより所定のビアホール4を形成した後(図5(f))、アルカリ性過マンガン酸塩によるデスミア処理を行った。この後、フィルドビアめっきを行いビアホール4を電気的に接続し、エッチングにより導体回路2c及びコンデンサ上部電極8を形成した(図5(g))。以上の工程を2回繰り返すことによりコンデンサ9を内蔵したビルドアップ2層素子内蔵基板10を製造した(図5(h))。
【0064】
[実施例3]
絶縁樹脂シートの製造2で製造した絶縁樹脂シートと、高誘電樹脂シートの製造2で製造した高誘電樹脂シートを用いた他は実施例1と同様にしてビルドアップ2層素子内蔵基板10を製造した(図4(a)〜(i))。
【0065】
[実施例4]
絶縁樹脂シートの製造2で製造した絶縁樹脂シートと、樹脂付き金属箔の製造2で製造した樹脂付き金属箔を用いた他は実施例2と同様にしてビルドアップ2層素子内蔵基板10を製造した(図5(a)〜(h))。
【0066】
[比較例1]
ガラスエポキシ両面銅貼り積層板表面の銅箔を全面エッチングにより除去し、無電解めっき、電気めっきによりガラスエポキシより成るコア材上の全面に導体層を形成した。このようにして形成された導体層をエッチングして、導体回路及びコンデンサ下部電極を形成した。導体回路及びコンデンサ下部電極の厚さは4.6μmであった。上述のように下部電極を形成した以降の工程は実施例1と同様にしてビルドアップ2層素子内蔵基板を製造した。
【0067】
[比較例2]
コンデンサ下部電極の厚さを18μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、ビルドアップ2層素子内蔵基板を製造した。
【0068】
[比較例3]
基材及び導体層となるガラスエポキシ両面銅貼り積層板(コア厚0.8mm)にコンデンサ内蔵用の貫通孔をドリル加工により形成し、貫通孔内をめっきにより導体で被覆した後、エッチングにより所定の導体回路を形成する。この貫通孔内に市販の0603チップコンデンサ(村田製作所製GRP033B10J103 KA01B)を実装した。さらに絶縁樹脂シートの製造1で製造した絶縁樹脂シートを、保護フィルムを剥がした後、真空ラミネーターにより温度130℃、圧力3kgf/cm2で両面同時にラミネートした。室温まで冷却して絶縁樹脂支持体を剥離した後、170℃のオーブン中で30分間加熱して絶縁樹脂を硬化させ、絶縁層とした。この後、所定のビアホール形成部にUV−YAGレーザーで穴開けを行った後、アルカリ性過マンガン酸塩による表面粗化を行い、セミアディティブ法によりビアホールの電気的接続及び導体回路の形成を行い、素子内蔵基板を製造した。
【0069】
上述のようにして作成した試料の評価方法は下記によった。結果を表2に示す。
<静電容量>
実施例及び比較例と同じ製造方法で作製した評価基板により、素子内蔵基板が内蔵するコンデンサの静電容量をマテリアルアナライザーにより測定した。尚、静電容量の設計値は誘電体層の誘電率と厚さ、電極の面積から計算した値である。以下で述べる実施例及び比較例では電極面積は全て2mm×2mmの4mm2で設計している。
<表面平滑性>
コンデンサ下部電極上に形成された誘電体層表面の表面粗さを触針式表面粗さ計により測定し、JIS−B0601に基づき誘電体層表面のRaを測定した。
<リフロー試験>
実施例及び比較例で製造した素子内蔵基板をJEDEC LEVEL1条件下で吸湿保存の前処理を行った後、260℃の温度ではんだリフロー試験を3回行い、樹脂クラックや導体の剥離等の不具合を観察した。全ての試験で剥離が生じなかったものを良好とし、それ以外を不良とした。
【0070】
【表2】
Figure 0004200802
【0071】
【発明の効果】
本発明おける素子内蔵基板の製造方法によれば、多層プリント配線板に内蔵するコンデンサにおいて、コンデンサ下部電極を、導体回路が形成されていない絶縁樹脂上に単独で形成することにより、コンデンサ下部電極の厚さを10μm以下と薄くしつつ、導体回路は信号遅延が起こらない十分な厚さで形成することを可能とした。さらに、コア材に較べて平滑な絶縁層上に平滑な電極を形成する事が可能であり、フィラーが高充填され流動性に乏しい高誘電樹脂シートで誘電体層を形成する場合でも、埋め込むのは薄い電極だけであるため、電極上に形成される誘電体層が平滑になり、高容量のコンデンサを精度良く形成することができた。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による素子内蔵基板を示す断面図である。
【図2】(a)は本発明で用いる絶縁樹脂シートの断面図である。(b)は本発明で用いる高誘電樹脂シートの断面図である。(c)は本発明で用いる樹脂付き金属箔の断面図である。
【図3】本発明による素子内蔵基板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図4】本発明による素子内蔵基板の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明による素子内蔵基板の製造方法のさらに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 …基板
2a…導体層
2b…第1の導体回路
2c…第2の導体回路
3a…第1の絶縁層
3b…第2の絶縁層
4 …ビアホール
5 …導通をとったビアホール
6 …コンデンサ下部電極
7 …誘電体層
8 …コンデンサ上部電極
9 …内蔵されたコンデンサ
10…素子内蔵基板
30…絶縁樹脂シート
31…絶縁樹脂支持体
32…絶縁樹脂(ワニス)
40…高誘電樹脂シート
41…誘電樹脂支持体
42…高誘電樹脂(ワニス)
43…金属箔
42…樹脂付き金属箔

Claims (14)

  1. コンデンサ下部電極とコンデンサ上部電極で誘電体層を挟持するコンデンサと導体回路とを備えた素子内蔵基板において、
    前記コンデンサ下部電極は、導通する第1の絶縁層の第1の導体回路と異なる面に存在し、厚さ1〜10μmの範囲にあって前記第1の絶縁層上に形成され、かつ、前記誘電体層に埋め込まれており、
    コンデンサ上部電極は第2の導体回路と同一面に存在しており、前記コンデンサ上部電極上に第2の絶縁層が存在し、当該コンデンサ上部電極は前記第2の絶縁層に埋没しており、前記第2の絶縁層は前記誘電体層よりも軟らかいこと、
    を特徴とする素子内蔵基板。
  2. 前記コンデンサ下部電極の外部取り出し電極はインナービアホールの形成によって行われていることを特徴とする請求項1に記載の素子内蔵基板。
  3. 前記誘電体層は少なくとも誘電性フィラーと熱硬化性樹脂からなり、当該誘電性フィラーと当該熱硬化性樹脂の合計に占める誘電性フィラーは70重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の素子内蔵基板。
  4. 少なくとも第1の絶縁層、コンデンサ下部電極、誘電体層、コンデンサ上部電極、第2の絶縁層の順で積層された部分を含む素子内蔵基板において、前記コンデンサ下部電極は、導通する第1の絶縁層の第1の導体回路と異なる面に存在し、厚さ1〜10μmの範囲にあって前記第1の絶縁層上に形成され、かつ、前記誘電体層に埋め込まれており、コンデンサ上部電極は第2の導体回路と同一面に存在しており、前記第2の絶縁層は前記誘電体層よりも軟らかい素子内蔵基板を製造する場合に、
    少なくとも以下の工程を含む素子内蔵基板の製造方法。
    1.前記第1の絶縁層上に厚さ1〜10μmの前記コンデンサ下部電極を形成する工程、
    2.前記第1の絶縁層と前記コンデンサ下部電極上に前記誘電体層を形成し、当該コンデンサ下部電極を当該誘電体層に埋没させる工程、
    3.前記コンデンサ下部電極の直上である前記誘電体層上に前記コンデンサ上部電極を形成する工程。
  5. 前記コンデンサ下部電極の外部取り出し電極はインナービアホールの形成によって行われていることを特徴とする請求項4に記載の素子内蔵基板の製造方法。
  6. 前記コンデンサ下部電極の取り出し電極であるビアホールはフィルドビアめっきによって電気的に接続され、前記コンデンサ下部電極はセミアディティブ法あるいはフルアディティブ法で形成されていることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  7. 前記誘電体層と前記コンデンサ上部電極上に前記第2の絶縁層を形成し、当該コンデンサ上部電極を当該第2の絶縁層に埋没させていることを特徴とする請求項4至6のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  8. 前記第2の絶縁層は、
    絶縁樹脂支持体上に少なくとも熱硬化性樹脂と有機及び/又は無機フィラーからなり、当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である絶縁層を積層した絶縁樹脂シートを、前記誘電体層にラミネートし、該絶縁樹脂支持体を剥離する工程、
    によって形成されたことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  9. 前記誘電体層は、
    誘電樹脂支持体上に少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり、当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である誘電樹脂層を積層した誘電樹脂シートを、前記コンデンサ下部電極及び前記第1の絶縁層上にラミネートし、当該誘電樹脂支持体を剥離する工程、
    によって形成されたことを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  10. 前記誘電体層上へのコンデンサ上部電極形成前に、当該誘電体層の表面粗さを1μm以内とする工程、
    を含むことを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  11. 前記誘電体層上に金属箔を積層し、該金属箔をエッチングすることにより前記コンデンサ上部電極を設けることを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  12. 少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり当該熱硬化性樹脂が半硬化状態である誘電樹脂層を金属箔上に積層した樹脂つき金属箔を、前記コンデンサ下部電極及び前記第1の絶縁層上に積層し、前記金属箔をエッチングすることにより前記コンデンサ上部電極を設けることを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  13. 前記誘電体層は少なくとも熱硬化性樹脂と誘電性フィラーからなり、当該誘電性フィラーと当該熱硬化性樹脂の合計に占める誘電性フィラーは70重量%以上であることを特徴とする請求項4乃至12のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
  14. 前記第1の絶縁層と第2の絶縁層に挟持された前記誘電体層の厚みが10〜30μmの範囲にあることを特徴とする請求項4乃至13のいずれかに記載の素子内蔵基板の製造方法。
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