JPH09214139A - 多層プリント配線基板の製造方法 - Google Patents
多層プリント配線基板の製造方法Info
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- JPH09214139A JPH09214139A JP1369896A JP1369896A JPH09214139A JP H09214139 A JPH09214139 A JP H09214139A JP 1369896 A JP1369896 A JP 1369896A JP 1369896 A JP1369896 A JP 1369896A JP H09214139 A JPH09214139 A JP H09214139A
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Abstract
り、ねじれの少ない信頼性の高いプリント配線板の製造
方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも単繊維と水分散型熱硬化樹脂
からなる不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸してなる絶縁
層を有し、かつ2層以上の金属配線層を有する多層プリ
ント配線基板の製造方法であって、加熱加圧による積層
工程が不織布補強材の水分散型熱硬化樹脂のガラス転移
点以下の温度で行い、積層工程と金属配線パターン形成
工程を所望の回数繰り返し行った後、配線パターン形成
済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力で、かつ不織布
補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転移点以上の温
度で熱処理を行う。
Description
などの電子部品を登載し、回路配線を設けた電子機器用
プリント配線基板の製造方法に関するものである。
ばず高機能化のため電子回路のデジタル化、高速化が一
段と進展している。そしてこれらを構成する半導体やプ
リント基板もより高密度なものが要求されており、新規
な電子機器の開発にはこれらの半導体やプリント基板そ
のものの開発も重要な要素となっている。
化のためさらに狭ピッチ、多ピン化がますます進展して
いる。そのため今後はチップサイズがパッケージと同一
サイズになるチップサイズパッケージCSPや、半導体を
直接基板に実装するチップオンボードCOB技術が重要
と考えられておりこれら開発が各方面で検討されてい
る。一方、プリント基板もこれら電子機器の要求と半導
体の進展に伴ってにプリント基板の小型、軽量化および
高速信号処理化、さらには、高密度実装化が要求されて
いる。
ガラスエポキシ基板がある。これは、ガラス織布に耐熱
性のエポキシ樹脂を含浸させたものを絶縁基板材料とし
て用いたものである。
ーター用として開発されたものであるが、現在では民生
用にも広く利用されている。ガラスーエポキシ多層基板
の製造プロセスは、前述のガラス織布にエポキシ樹脂を
含浸させたもの(プリプレグと呼称)にCu箔を熱プレ
スにより接着させ、フォトリソ技術によりパターン形成
したものを基本とし、これに別のプリプレグとCu箔で
さらに熱プレスすることで多層積層体を形成する。この
積層体にドリルによりスルーホール穴明けを行いその内
壁にメッキ法によってCu電極を形成しそれぞれの層間
の電気的接続を行う。そして表面のCuパターン形成を
エッチング法で行うのが一般的な製造方法である。
図を示す。図4において、400はガラス織布にエポキ
シ樹脂を含浸させた絶縁基材であり、401は内層配線
層、402は多層積層後に加工したドリル穴、403は
メッキ法で形成された内壁のCu層であり、404は最
上層配線パターンである。このようなガラスエポキシ基
材による内層および外層の電気的接続のために行うドリ
ルとCuメッキスルーホール(貫通スルー)は、長年の
技術開発により確立されたもので広く世の中で認められ
ている。
化の要求に対して、十分であるとはいえない。それは、
通常のガラスーエポキシ多層基板が貫通スルーホールで
あるため高密度な配線を行う場合、貫通穴が配線スペー
スを阻害し引き回したい配線を迂回させる必要が生じ、
結果的に配線長が長くなる。また配線スペースが少ない
ため、CADによる自動配線が困難となる。さらに今後
の小径穴明けに対しドリル加工が困難となり今以上にド
リル加工に要するコスト比率が高くなっている。また、
貫通スルーホールに必要なCuメッキ工程は、地球環境
の上からも問題となると想像される。また部品実装にお
いても貫通孔部分がある場合その部分に部品が実装でき
ないため高密度な基板が得られないなどの問題を有して
いる。
る上で多層プリント基板としての重要な点は、各配線層
間で電気的に接続できるインナービア接続可能な基板を
得ることであり、かつ貫通孔がない構造であることであ
る。
する新しい多層プリント基板の提案がなされた(特願平
5−77840号)。
ず、完全なIVH(インナービアホール)構造を有する
基板であり、上記従来の課題を解決するために、レーザ
ー加工が容易な有機質の不織布に熱硬化樹脂を含浸させ
た基板材料を用い、レーザー穴加工した後、導電性ペー
ストによりビア充填を形成し、さらにその後銅箔との接
着を行う両面プリント基板とさらに前記プリント基板を
組み合わせることで各層間のみを接続するインナビアホ
ール接続を可能ならしめ、高信頼性および高品質のプリ
ント基板を実現したものである。特に有機質不織布にパ
ラ系アラミド繊維からなる基板材料を使用することで、
1)誘電率が低い。2)熱膨張係数が小さい。3)不織布であ
るため表面平滑性が良好である。など将来の電子機器実
現に有効なものと想像される。
来の構成では、不織布、特にパラ系アラミド繊維と水分
散型熱硬化樹脂をバインダとした混合物を用いるための
課題を有している。この有機質不織布を補強材とする基
板材料は、ガラス織布を用いたものに比べ、熱プレス時
の加圧圧力が高い。これは不織布繊維の存在が、含浸し
た樹脂を十分に流動させ、ポアーの除去や、配線間の充
填させるには抵抗として働くためである。そのため結果
としてガラス織布と同様の樹脂流れを確保するには不織
布基材の熱プレスは高圧力となる。
ラス繊維によるガラス織布を用いた多層基板に比べ基板
のそり、ねじれが大きいとされている。
一に分散させることが困難であるためであり、平均的な
繊維の向きすなわち繊維配向を持つ。そのため基板作製
後の基板物性、例えば熱膨張性、弾性率などが基板面内
に方向性を持ち、この物性の異方性を有する基材を積層
することにより基板そりやねじれを生じさせるのであ
る。
ミド繊維と水分散型熱硬化樹脂により構成されている場
合、基板のそり、ねじれが特に大きい。これは、前述の
加熱加圧による積層工程で、170℃から200℃の高
温で熱プレスするため、前記の水分散型熱硬化樹脂のガ
ラス転移温度以上となり、また前記のように高圧でプレ
スされるため、前記の水分散型熱硬化樹脂が粘性を示
し、パラ系アラミド繊維とともに移動する。このため不
織布自身の役割である補強材としての機能が発揮できな
くなり、部分的な寸法変化が生じる。これにより基板の
そり、ねじれが起こる。
ガラス繊維を用いたガラス不織布を補強材とするプリン
ト基板でも、内部の層に不織布によるプリプレグを持い
最外層部分にはコストアップになるがガラス織布よりな
るプリプレグを使用することで基板そり、ねじれを防い
でいるのである。
法変化が部分的に不均一になり、基板の寸法精度を悪く
する原因となっている。
め、積層工程での寸法変化を抑え、かつ基板そり、ねじ
れの少ない信頼性の高いプリント配線板の製造方法を提
供することを目的とする。
に本発明のプリント配線基板の製造方法は、単繊維と水
分散型熱硬化樹脂からなる不織布補強材に熱硬化樹脂を
含浸してなる絶縁層と、2層以上の金属配線層を有する
プリント配線基板の積層体の作製方法について、加熱加
圧による積層工程が前記不織布補強材の水分散型熱硬化
樹脂のガラス転移点以下の温度で行い、前記積層工程と
金属配線パターン形成工程を所望の回数繰り返し行って
後、前記配線パターン形成済みの積層体を10Kg/cm2
以下の圧力でかつ前記不織布補強材に含浸された熱硬化
樹脂のガラス転移点以上の温度で熱処理を行うことで多
層プリント配線基板が得られる。
る不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸した絶縁層と、2層
以上の金属配線層とを有し、前記金属配線層と金属配線
層間の所望の位置に少なくとも熱硬化樹脂と金属フィラ
ーからなる導電性接続部を有するプリント配線基板の積
層体の作製方法について、加熱加圧による積層工程が前
記不織布補強材の水分散型熱硬化樹脂のガラス転移点以
下の温度で行い、前記積層工程と金属配線パターン形成
工程を所望の回数繰り返し行って後、前記配線パターン
形成済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力でかつ前記
不織布補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転移点以
上の温度で熱処理を行うことで多層プリント配線基板が
得られる。
ド繊維もしくはパラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊
維の混合物、あるいはガラス繊維であることが望まし
い。
脂がエポキシ樹脂もしくはポリイミド樹脂からなること
が望ましい。
熱硬化樹脂の主成分がエポキシ樹脂からなることが望ま
しく、また導電性ペーストの無機フィラーがAg、C
u,もしくはNiのうち少なくとも1種以上の粉末から
なることが望ましい。
度が100℃から140℃の範囲で行うことが望まし
い。
理温度が220℃から260℃の範囲で行うことが望ま
しい。
維と水分散型熱硬化樹脂からなる不織布補強材に熱硬化
樹脂を含浸してなるプリント配線基板の積層体の積層時
に前記不織布補強材の水分散型熱硬化樹脂のガラス転移
点以下の温度で行うことで、積層時の基板材料の寸法変
化を小さくできる。また前記積層工程と金属配線パター
ン形成工程を所望の回数繰り返し行って後、前記配線パ
ターン形成済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力でか
つ前記不織布補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転
移点以上の温度で熱処理を行うことで、充分な熱硬化樹
脂の硬化が行え、かつ低圧もしくは無圧で熱処理するの
で寸法変化も小さく、また織布を一切使用せず不織布の
みの基板であっても基板そり、ねじれが小さい基板が実
現できる。
硬化収縮反応を進行させることができるので、その後の
半田付けなどの熱履歴で基板が変形することはなく、実
装時の寸法安定性、基板変形も抑えることができる。
る不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸してなるプリント配
線基板の積層体であって、しかもその層間の電気接続に
導電性ペーストによる接続部を形成するため完全なイン
ナーバイアホール構造が実現でき、織布を一切使用せず
不織布だけでも基板そり、ねじれの少ないかつ表面の平
滑性に優れたインナービア構成の多層プリント配線基板
が得られる。この方法によれば、ビア導体の充填により
層間の電気接続を行うので、メッキによる銅電極層の形
成が不必要になり、地球環境上有利である。
硬化樹脂がエポキシ樹脂もしくはポリイミド樹脂を用い
ることで不織布として引っ張り強度、繊維配向など安定
で均質なものが得られる。
ペーストの熱硬化樹脂の主成分がエポキシ樹脂を使用す
ることで熱的に安定でヒートサイクルなどの熱衝撃でも
安定な信頼性が得られる。、また導電性ペーストの無機
フィラーがAg、Cu,もしくはNiのうち少なくとも
1種以上の粉末を使用することで接続抵抗の極めて小さ
い層間接続が得られる。
程の加熱温度が100℃から140℃の範囲で行うこと
で寸法変化を小さく抑制できる。
工程の熱処理温度が220℃から260℃の範囲で行う
ことで熱硬化樹脂の硬化が完全に行え、かつ基板製造後
の半田リフローなどの熱履歴でも基板変形が極めて少な
い基板が得られる。
アラミド繊維もしくは、パラ系アラミド繊維とメタ系ア
ラミド繊維を単繊維に使用すると、基板としての熱膨張
係数がガラスエポキシ基板に比べ小さい。その結果半導
体などのベアーチップを実装するCSP、COB用途に適
している。
含浸樹脂と導電性樹脂組成物の一成分である樹脂とがと
もに熱硬化性樹脂であると、耐熱性に優れたものとな
る。
性樹脂がエポキシ樹脂,フェノール樹脂及びポリイミド
樹脂から選ばれる少なくとも一つであると、耐熱面から
実用性に優れたものとなる。
ト配線基板の製造方法について、図面を参照しながら説
明する。
の実施の形態1における多層プリント配線基板の製造工
程を示す工程断面図である。まず不織布基材としてのパ
ラ系アラミド繊維はK-49(デュポン社製登録商標 Kevl
ar-49)の繊維径15ミクロンのものを3mmの繊維長
にカットしたものを使用した。次に長網型抄造マシーン
で水中に分散させて抄紙した。このあと湿潤状態の紙に
スプレーにて水中に分散させた水分散型エポキシ樹脂を
振りかけた。そして、圧策の後、加熱ロールにて乾燥
し、さらにカレンダー装置で不織布基材を作製した。
ー処理により硬化し、K−49繊維同士を接着させ基板
材料の補強材として機能する。水分散型エポキシ樹脂の
量は、K−49繊維に対し10重量%の比率で含有され
ており、その不織布としての坪量は70g/m2、密度は0.
5g/cc、厚みは140ミクロンである。
硬化状態(Bステージともいう)のフ゜リフ゜レク゛を作製す
る。作製方法は、含浸する熱硬化樹脂として難燃性を付
与したエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株製商品名エ
ピコート5048−B−70、難燃性エポキシ樹脂)を
用い、MEK溶剤(70重量%)に溶解させたものに本
不織布を浸せきし、乾燥させることで得られる。乾燥後
の重量変化から、含浸した樹脂の量は、プリプレグの重
量の50%であった。図1(a)は本エポキシ樹脂を含浸
し、乾燥したプリプレグ100である。次に本プリプレ
グ100の両面に図1(b)のように金属箔102を両面
に張合せる。具体的には、両面を粗化した電解Cu箔(厚
み18ミクロン)を両面に配置し、熱プレスにより加圧
積層する。このときの本発明の積層条件は、昇温スピー
ドが毎分5℃で加熱し、130℃で30分保持し、さら
に昇温と同じスピードで降温させた。保持温度は前述の
水分散型エポキシ樹脂のTg温度が140℃であることか
ら130℃に設定した。
したところ大きな変化はなかった。また、含浸樹脂は完
全には硬化が進んでおらず、B’ステージの状態であ
る。次に図1(c)のようにフォトリソ法により配線パタ
ーンの形成を行う。具体的には従来から周知のドライフ
ィルムレジストDFRを用い、DFRのラミネート、紫外線に
よる露光、現像、エッチングを行い配線パターン形成を
行う方法である。さらに多層化する場合、図1(d)のよ
うに、前記のように作製した両面基板101を中央に配
し、また前記のプリプレグ100と新たな銅箔104を
その両面に重ね合わせて、再度前記と同一の条件の水分
散型エポキシ樹脂のTg以下の温度で熱プレスにより、積
層を行う。図1(e)に積層後の4層基板を示す。次に図
1(f)に示す様に基板の任意の位置にドリルにより穴加
工を行う。ドリル径は0.3mm径である。以上のように
して作製した基板を電解銅メッキ法でドリル加工した穴
の内壁を含め全面に銅メッキ処理を行い、さらに最上層
配線を前述と同様のフォトリソ法でパターニングを行っ
た。図1(g)参照。
(h)に示す工程で熱処理する。具体的には、本4層基板
をステンテスの板(厚み1mm)2枚ではさみ、熱プレ
スにて2Kg/cm2の圧力で加圧し、同時に220℃
の温度で加熱して行った。この工程により前記の含浸樹
脂が完全に硬化した。
板そりも少なかった。本発明の基板そり、ねじれは、J
IS法で測定したところ0.001(1/mm)であ
り、従来の不織布を補強材として使用した方法の場合に
比べ約半分の値を示した。
様問題のないものであった。なお今回の熱処理におい
て、加圧して行ったが無圧の状態でも、加熱時に基板が
変形しない程度に抑えれば同様の効果が得られた。ま
た、図1(a)〜(e)を任意の回数繰り返すことにより4層
以上の多層基板を作製できることは言うまでもない。
水分散型エポキシ樹脂による不織布を用いたが、パラ系
アラミド繊維にメタ系アラミド繊維を用いた場合でも、
またガラス繊維からなる不織布においても、水分散型エ
ポキシ樹脂を繊維の結着剤として用いたものでも同様の
効果があることはいうまでもない。
形態2における多層プリント基板の断面図である。
板の製造工程を示す工程断面図である。
リント配線基板は、熱硬化樹脂と補強材からなる絶縁基
板209に金属箔配線層208を交互に積み重ねた構造
を有し、かつ前記配線層間に少なくとも熱硬化樹脂と導
電性フィラーよりなる導電性ペーストにより、電気的接
続箇所204を有する多層プリント配線基板構成であ
る。
(a)に示すように、実施の形態1で示した不織布をその
まま使い、熱硬化性エポキシ樹脂(たとえば、Shell社
製“EPON1151B60”)をメチルエチルケトンMEKで希
釈したものを含浸、乾燥したプリプレグ200に厚さ1
0μmのポリエチレンテレフタレート202を離型フィ
ルムとして張合せた。具体的には、100℃の温度で圧
力が5Kg/cm2の条件で熱プレスしたものである。
ム202を有するプリプレグ200の所定の箇所に、た
とえば炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザ加工法で孔
径200μmの貫通孔203を形成した。この時、炭酸ガ
スレーザー以外にもドリルによる加工や金型によるパン
チング加工でも貫通孔を形成することができるが、その
加工面は、離型フィルム側から加工する方が貫通孔の加
工形状は良好である。
に導電性ペースト204を充填した。ここで導電性ペー
スト204は、導電物質として平均粒子直径2μmの銅
パウダー、バインダ樹脂としては無溶剤型のエポキシ樹
脂からなり、銅パウダーの含有量は85wt%であり、銅パ
ウダーとバインダ樹脂を三本ロールにて混練して作製し
たものである。導電性ペースト204を充填する方法と
しては、貫通孔204を有する基材を印刷機(図示せ
ず)のテーブル上に設置し、直接導電性ペースト204
を離型フィルム202の上から印刷した。印刷法として
は、たとえばロール転写印刷を用いることができる。こ
のとき、上面の離型フィルム202は印刷マスクの役割
と、プリプレグ200表面の汚染防止の役割を果たして
いる。
ースト204を充填したプリプレグ200の表面の離型
フィルム202を剥離し、代わりに銅箔205を両面に
配置し、実施の形態1と同様の条件で熱プレスした。こ
のときも実施の形態1と同じく含浸エポキシ樹脂は、完
全に硬化せずBステージのままである。このあと図3(e)
に示したように配線パターンを形成した。
両面基板201と導電性ペースト204を充填し、離型
フィルムを剥離したプリプレグ206と銅箔208を用
いて多層積層を行う。
6の組み合わせ方法を図3(f)に示す。図3(f)におい
て、各材料は所定の位置に精度良く配置し、前述の熱プ
レス条件と同一の条件下、即ち前記不織布材料に使用し
た水分散型エポキシ樹脂のTg温度より低温で、しかも低
圧力で行ったものである。次いで、図3(g)に示す様に
多層化された基板の表面をパターン形成し、回路配線を
形成する。この時の配線パターンの形成方法は、既存の
ドライフィルムレジストを用い紫外線硬化、現像、エッ
チング、ドライフィルム剥離の連続した装置で行われ
る。このようにして貫通孔がない未硬化状態の4層基板
が作製される。このときそれ以上の多層化が必要であれ
ば再度、図3(a)〜(g)を繰り返し行い多層化する。そし
て多層化が完了し、最上層配線のパターン形成が完了し
た時点で、図3(h)のように熱処理を行う。具体的に
は、本4層基板をステンテスの板(厚み1mm)2枚で
はさみ、熱プレスにて接触する程度のごく弱い圧力で、
220℃の温度に加熱して行った。この工程により前記
の含浸樹脂が完全に硬化した。以上の様にして作製され
た4層基板は、基板そりも少なかった。本発明の基板そ
り、ねじれは、JIS法で測定したところ0.0005
(1/mm)であり、従来の不織布を補強材として使用
した方法の場合に比べ小さな値を示した。
問題のないものであった。このことから本発明の多層プ
リント配線基板は、貫通孔が存在しないインナービア構
造を有し、表面が平滑な高信頼性、高密度な基板といえ
る。
水分散型エポキシ樹脂による不織布を用いたが、パラ系
アラミド繊維にメタ系アラミド繊維を用いた場合でも、
またガラス繊維からなる不織布においても、水分散型エ
ポキシ樹脂を繊維の結着剤として用いたものでも同様の
効果があることはいうまでもない。
基板の製造方法によれば、単繊維と水分散型熱硬化樹脂
からなる不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸してなるプリ
ント配線基板の積層体の積層時に、前記不織布補強材の
水分散型熱硬化樹脂のガラス転移点以下の温度で行うこ
とで、積層時の基板材料の寸法変化を小さくできる。
成工程を所望の回数繰り返し行った後、前記配線パター
ン形成済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力で、かつ
前記不織布補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転移
点以上の温度で熱処理を行うことで、充分な熱硬化樹脂
の硬化が行え、かつ低圧もしくは無圧で熱処理するので
寸法変化も小さく、また織布を一切使用せず、不織布の
みの基板であっても基板そり、ねじれが小さい基板が実
現できる。
硬化収縮反応を進行させることができるので、その後の
半田付けなどの熱履歴で基板が変形することはなく、実
装時の寸法安定性、基板変形も抑えることができる。
れている特徴を生かし、かつ基板そり、ねじれの少ない
多層プリント配線基板が簡単に得られる。また、導電性
ペーストとその充填による工法により、インアービア接
続構造を持つ多層プリント配線基板が得られ、高密度実
装に最適なものである。またこの方法によれば、ビア導
体を充填してから銅箔を接着する事ができるので、メッ
キによる銅電極層の形成が不必要になり、地球環境上有
利である。
る多層プリント配線基板作製の工程断面図
基板の断面図
る多層プリント配線基板作製の工程断面図
断面図
Claims (14)
- 【請求項1】少なくとも単繊維と水分散型熱硬化樹脂か
らなる不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸してなる絶縁層
を有し、かつ2層以上の金属配線層を有する多層プリン
ト配線基板の製造方法であって、加熱加圧による積層工
程が前記不織布補強材の水分散型熱硬化樹脂のガラス転
移点以下の温度で行い、前記積層工程と金属配線パター
ン形成工程を所望の回数繰り返し行って後、前記配線パ
ターン形成済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力でか
つ前記不織布補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転
移点以上の温度で熱処理を行うことを特徴とする多層プ
リント配線基板の製造方法。 - 【請求項2】単繊維がパラ系アラミド繊維であることを
特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線基板の製
造方法。 - 【請求項3】単繊維がパラ系アラミド繊維とメタ系アラ
ミド繊維の混合物であることを特徴とする請求項1に記
載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項4】単繊維がガラス繊維であることを特徴とす
る請求項1に記載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項5】少なくとも単繊維と水分散型熱硬化樹脂か
らなる不織布補強材に熱硬化樹脂を含浸した絶縁層と、
2層以上の金属配線層とを有し、前記金属配線層と金属
配線層間の所望の位置に少なくとも熱硬化樹脂と金属フ
ィラーからなる導電性接続部を有する多層プリント配線
基板の製造方法であって、加熱加圧による積層工程が前
記不織布補強材の水分散型熱硬化樹脂のガラス転移点以
下の温度で行い、前記積層工程と金属配線パターン形成
工程を所望の回数繰り返し行って後、前記配線パターン
形成済みの積層体を10Kg/cm2以下の圧力でかつ前記
不織布補強材に含浸された熱硬化樹脂のガラス転移点以
上の温度で熱処理を行うことを特徴とする多層プリント
配線基板の製造方法。 - 【請求項6】単繊維がパラ系アラミド繊維であることを
特徴とする請求項5に記載の多層プリント配線基板の製
造方法。 - 【請求項7】単繊維がパラ系アラミド繊維とメタ系アラ
ミド繊維の混合物であることを特徴とする請求項5に記
載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項8】単繊維がガラス繊維であることを特徴とす
る請求項5に記載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項9】熱硬化性樹脂の主成分がエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂のいずれかからなること
を特徴とする請求項1または5に記載の多層プリント配
線基板の製造方法。 - 【請求項10】水分散型熱硬化樹脂がエポキシ樹脂もし
くはポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1
または5に記載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項11】導電性ペーストの熱硬化樹脂の主成分が
エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載
の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項12】導電性ペーストの無機フィラーが、A
g、Cu,もしくはNiのうち少なくとも1種以上の粉
末からなることを特徴とする請求項5に記載の多層プリ
ント配線基板の製造方法。 - 【請求項13】積層工程の加熱温度が、100℃から1
40℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1または5
に記載の多層プリント配線基板の製造方法。 - 【請求項14】熱処理工程の熱処理温度が、220℃か
ら260℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1また
は5に記載の多層プリント配線基板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP1369896A JP3588888B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 多層プリント配線基板の製造方法 |
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