JP2001345205A - プリント基板における薄膜抵抗体素子の形成方法、薄膜抵抗体素子及び薄膜コンデンサ素子 - Google Patents

プリント基板における薄膜抵抗体素子の形成方法、薄膜抵抗体素子及び薄膜コンデンサ素子

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JP2001345205A
JP2001345205A JP2001102412A JP2001102412A JP2001345205A JP 2001345205 A JP2001345205 A JP 2001345205A JP 2001102412 A JP2001102412 A JP 2001102412A JP 2001102412 A JP2001102412 A JP 2001102412A JP 2001345205 A JP2001345205 A JP 2001345205A
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thin film
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Motoshi Shindo
素志 真道
Keishi Segawa
恵嗣 瀬川
Mitsuru Otsuki
充 大槻
Shigeru Michiwaki
茂 道脇
Koichi Kamiyama
孝一 神山
Hisanori Yoshimizu
久典 吉水
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法や厚さが高精度にコントロールされた薄
膜抵抗体を形成することができるプリント基板における
薄膜抵抗体の形成方法を提供する。 【解決手段】 プリント基板12における薄膜抵抗体素
子10の形成方法において、前記プリント基板上の絶縁
層14の上に半導体プロセス等に用いられるドライプロ
セスにより所定の厚さの薄膜抵抗層26を形成する薄膜
抵抗層形成工程と、前記薄膜抵抗層の上に導電層28を
形成する導電層形成工程と、前記導電層を選択的にエッ
チングして少なくとも2つの導電層パッド18を形成す
ることにより前記導電層パッド間に所定の抵抗値の薄膜
抵抗体16を形成する薄膜抵抗体形成工程とを有する。
これにより、寸法や厚さが高精度にコントロールされた
薄膜抵抗体を形成することが可能となる。同様な手法を
用いて、誘電体層を中に介在させて薄膜の上部及び下部
電極層を形成して薄膜コンデンサも形成可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板にお
ける薄膜抵抗体素子の形成方法、薄膜抵抗体素子及び薄
膜コンデンサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種電子機器等に用いられるプ
リント基板は、更なる小型化及び軽量化が求められてお
り、その中でも抵抗体をどのように組み込むかは、その
抵抗値の精度を維持しつつ小型化する要請と相まって、
重要なことである。このような抵抗体を形成する方法の
一例として、例えばセラミック基板を用いた場合には、
このセラミック基板の表面の配線上に抵抗ペーストを印
刷法によって塗布し、抵抗体を形成することは広く一般
的に行われている。この印刷法によって形成した抵抗体
を、印刷抵抗体と呼ぶ。
【0003】このような印刷抵抗体の製造方法について
図20を参照して説明する。図20において、2はセラ
ミック基板であり、その表面は絶縁層(絶縁状態)とな
っている。まず、このセラミック基板2上にAg−Pd
ペースト等よりなる導電ペーストを印刷法によって塗布
することによって所定の間隔だけ離間された導電層パッ
ド4を形成する(図20(A))。次に、上記離間され
た導電層パッド4間をつなぐようにして抵抗ペーストを
印刷法によって塗布することによって、印刷抵抗体6を
形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記印刷抵
抗体6の抵抗値は、上記抵抗ペーストの塗布形成サイ
ズ、すなわち抵抗長L、抵抗幅W(図示せず)、膜厚t
に依存する。このように印刷抵抗体6の寸法サイズによ
り抵抗値が変化するので、次のような問題があった。ま
ず、上記導電ペーストや抵抗ペーストをスクリーン印刷
する際に、このニジミ、印刷ズレ等が発生することは避
け難く、印刷抵抗体6の抵抗値がばらついてしまう、と
いう問題があった。また、特に上記抵抗ペーストの膜厚
は、スキージ圧、スキージ角度等の印刷条件や抵抗ペー
ストの粘度等の管理が難しいことからバラツキが大き
く、その結果、印刷抵抗体6の抵抗値のバラツキを更に
助長してしまう、といった問題もあった。
【0005】また、導電層パッド4が銅の場合には、こ
れとのオーミックコンタクトが取りにくく、導電層パッ
ド4の接点部で余計な抵抗を持ってしまうため、印刷抵
抗体6の形成後、設計値通りの抵抗値を得にくい、とい
った問題もある。このため、この抵抗値が設定値に対し
±30%程度とバラツキが大きくなるのが一般的である
ので、そのため最終段階でトリミング等による抵抗値の
調整が必要になる不都合もあった。また、上述のような
小型、薄膜化の要請は、抵抗のみならず、コンデンサ素
子にもあった。この要請に対応したコンデンサ素子とし
て、例えば特開平9−116247号公報に開示された
ものが知られている。ここで開示されているものは、絶
縁層に開口部を設けてここに誘電体ペーストを埋め込
み、このペーストを上下電極で挟むことによってコンデ
ンサを形成するものである。しかしながら、通常、絶縁
層の厚みは数十μm以上あるため、誘電体の膜厚が厚
く、高容量には不利である。本発明は、以上のような問
題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたもの
であり、その目的は寸法や厚さが高精度にコントロール
された薄膜抵抗体を形成することができるプリント基板
における薄膜抵抗体の形成方法、薄膜抵抗体及び薄膜コ
ンデンサ素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明によ
れば、プリント基板における薄膜抵抗体素子の形成方法
において、前記プリント基板上の絶縁層の上に半導体プ
ロセス等に用いられるドライプロセスにより所定の厚さ
の薄膜抵抗層を形成する薄膜抵抗層形成工程と、前記薄
膜抵抗層の上に導電層を形成する導電層形成工程と、前
記導電層を選択的にエッチングして少なくとも2つの導
電層パッドを形成することにより前記導電層パッド間に
所定の抵抗値の薄膜抵抗体を形成する薄膜抵抗体形成工
程とを有するようにしたものである。これにより、膜厚
の精度の高い薄膜抵抗層を形成でき、しかもフォトリソ
法により導電層パッドを形成しているのでその平面的な
寸法精度も高くでき、結果的に、薄膜抵抗体の抵抗値の
バラツキを抑えて、これを高い精度で制御することが可
能となる。
【0007】この場合、請求項2に規定するように、前
記薄膜抵抗体は、コア材上に絶縁層とパターン化された
導電層とを順次積層するビルドアップ基板またはビルド
アップ多層基板の形成時に作られるようにしてもよい。
請求項3に係る発明は、上記請求項1の方法発明により
製造された薄膜抵抗体を規定したものであり、すなわ
ち、プリント基板における薄膜抵抗体素子において、前
記プリント基板上の絶縁層の上に半導体プロセス等に用
いられるドライプロセスにより形成された所定の厚さの
薄膜抵抗層と、前記薄膜抵抗体を形成するために前記薄
膜抵抗層の上に離間させて形成された少なくとも2つの
導電層パッドとを備える。この場合、請求項4に規定す
るように、前記薄膜抵抗体が、内層に設けられた薄膜抵
抗体の場合には、この薄膜抵抗体の上部、またはこの近
傍の導電層の上部の絶縁層には、放熱用の凹部が形成さ
れるようしてもよい。これによれば、薄膜抵抗体より発
生する熱の放熱性を高めることが可能となる。請求項5
に係る発明によれば、プリント基板における薄膜コンデ
ンサ素子において、前記プリント基板上の絶縁層の上に
半導体プロセス等に用いられるドライプロセスにより形
成された所定の厚さの下部電極層と、前記下部電極層上
に前記ドライプロセスにより形成された誘電体層と、前
記誘電体層上に前記ドライプロセスにより形成された上
部電極層とを備え、前記下部電極層は前記上部電極層よ
りも水平方向に延ばされて下部電極引き出し用パッドに
接続されていることを特徴とするプリント基板における
薄膜コンデンサ素子である。これにより、薄膜や平面的
な寸法精度の高い上部、下部電極層や誘電体層を形成で
き、結果的に、容量値のバラツキを抑えて、これを高い
精度で制御することが可能となる。この場合、例えば請
求項6に規定するように、前記上部電極層の上面と前記
下部電極引き出し用パッドの上面は実質的に同一高さに
なされている。また、例えば請求項7に規定するよう
に、前記プリント基板上の絶縁層は、請求項3または4
に規定される薄膜抵抗体素子が形成されている絶縁層と
同一であり、前記薄膜抵抗体素子と同一面側に設けられ
ている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るプリント基
板における薄膜抵抗体素子の形成方法、薄膜抵抗体素子
及び薄膜コンデンサ素子の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係る薄膜抵抗体素子の第1
実施例を示す斜視図、図2は本発明に係る薄膜抵抗体素
子の第2実施例を示す斜視図、図3は本発明に係る薄膜
抵抗体素子の第3実施例を示す断面図である。本発明
は、スクリーン印刷方法を用いた従来の方法とは全く異
なる方法を用いて薄膜抵抗体を形成するものである。図
1(A)に示すように、この薄膜抵抗体素子10は、プ
リント基板12の表面にある絶縁層14上に形成され
る。この場合、この絶縁層14はプリント基板12自体
の表面の絶縁層の場合もあるし、プリント基板12上に
複数層に亘ってビルドアップ層の形成を行なった後の絶
縁層の場合もあり、いずれの絶縁層の場合でも適用でき
る。尚、実際のプリント基板12の基本構成は、コア材
上に、例えば銅よりなる層パターンが形成されている
が、図示例ではこの層パターンの記載を省略している。
この場合、絶縁層14は、上記層パターンよりも上層に
形成されている。
【0009】上記薄膜抵抗体素子10は、この絶縁層1
4の上面に、図示例では所定の厚さtで例えば長方形状
にパターン形成された薄膜抵抗体16と、この薄膜抵抗
体16の両端部上に形成された例えばCuよりなる一対
の導電層パッド18とにより主に構成されている。この
薄膜抵抗体素子10の抵抗値は、薄膜抵抗体16の厚さ
t及びパターンサイズ、詳しくは抵抗幅Wと抵抗長L
(一対の導電層パッド18の対向面間の距離)とに依存
する。上記薄膜抵抗体16を形成するには、半導体プロ
セス等に用いられるドライプロセスが使用される。この
ドライプロセスによる成膜方法には、スパッタ法、イオ
ンプレーティング法、蒸着法、CVD法等がある。ドラ
イプロセスによる成膜の特長は、従来用いていたスクリ
ーン印刷法に比べて、膜厚のコントロールがし易いた
め、所定の膜厚に精度良く成膜することが可能である。
また、ドライプロセスでは、パターニング方法にフォト
リソがあるが、これもスクリーン印刷法に比べて、パタ
ーン精度がよい。
【0010】また、一対の導電層パッド18を形成する
には、表面全体に導電層を形成し、この導電層のみを選
択的(薄膜抵抗体16の層を残して導電層のみをエッチ
ング)、かつ所定サイズ(抵抗長L×抵抗幅W)にエッ
チングすることで、下層の薄膜抵抗体16の層を露出さ
せて薄膜抵抗体16を形成し、これにより任意の抵抗値
に設定することができる。以上により、ドライプロセス
によってスクリーン印刷法よりも精度の高い薄膜抵抗体
16を形成することができる。尚、上記薄膜抵抗体16
等は、絶縁層例えば樹脂と導電層パッド18を形成する
導電層例えばCuとの密着性をとるためのコンタクト層
を利用して形成することができる。
【0011】本出願人が、先の出願(特願平11−95
469号)でも触れたように、ファインパターン化によ
り導電層と絶縁層の密着性が落ちるため、従来の表面処
理方法では十分な密着性がとれないので、絶縁層と導電
層の間にドライプロセスによるコンタクト層を形成する
ことを提案した。このコンタクト層にパターニングを施
してこれを薄膜抵抗体16とする。この薄膜抵抗体16
の材料としては、Ni、Ni−Cr、Ni−Cuなど様
々な抵抗材料を適用することが可能である。このよう
に、図1(A)に示す第1実施例の薄膜抵抗体素子10
は基本モデルを示しており、図1(B)に示す薄膜抵抗
体素子10Aは、例えば薄膜抵抗体16の幅W2を変え
た実施例を示している。図2に示す第2実施例は、中央
の導電層パッド18Aを共通にして例えば図1(A)に
示す形状の薄膜抵抗体素子10と図1(B)に示す形状
の薄膜抵抗体素子10Aとを直列に接続した実施例を示
している。それぞれの抵抗長さを、L1及びL2として
表している。
【0012】また、図3に示す第3実施例は、例えばコ
ア材上に絶縁層とパターン化された導電層とを順次積層
するようにして形成されたビルドアップ基板(ビルドア
ップ多層基板を含む)に本発明を適用したものである。
すなわち、下層の薄膜抵抗体16Aと上層の薄膜抵抗体
16Bとが、その間に絶縁層14Aを介在して積層され
ており、上記両薄膜抵抗体16A、16Bの両側は、そ
れぞれ例えばCuよりなる導電層パッド18Bにより接
続されている。これにより、両薄膜抵抗体16A、16
Bは、並列接続されている。ここでは各薄膜抵抗体16
A、16Bの抵抗長さをそれぞれL3及びL4として表
している。
【0013】次に、上記した薄膜抵抗体素子の製造方法
について図4も参照して説明する。ここではプリント基
板として、例えば板状のコアの表面に銅張を形成してな
るビルドアップ多層基板としてのコア材を用いた場合を
例にとって説明する。図4(A)において20は、樹脂
板等よりなるコア22の表面に銅張24がなされたコア
材(プリント基板)であり、この銅張24は例えばフォ
トリソによるウェットエッチングがなされて内層パター
ン24Aとなっている。この内層パターン24Aの表面
は、黒化処理やソフトエッチング等の表面処理が施され
て、その上にスクリーン印刷等によって、絶縁層14が
形成されている。そして、この絶縁層14に対してドラ
イ、或いはウェットプロセスにより表面処理(粗化或い
は活性化処理)を施す。
【0014】次に、図4(B)に示すように、この絶縁
層14上に抵抗体となる材料(例えばNi:99.9%
を使用)をドライプロセス、例えばスパッタ法により成
膜し、所定の厚さ、例えば0.15μm程度の薄膜抵抗
層26を堆積する。この時の成膜条件は、例えば使用ガ
ス=Ar、ガス圧=0.4Pa(3mTorr)、DC
電源出力=400W、温度=常温である。この時、上記
スパッタ法による薄膜抵抗層26の膜厚のバラツキは±
5%程度であり、従来の印刷法による抵抗ペーストの膜
厚のバラツキである±20%に比べて、膜厚精度ははる
かに良好である。また、薄膜抵抗層26のパターン形成
における寸法精度は±5%程度である。次に、この薄膜
抵抗層26でメッキ導通をとり、図4(C)に示すよう
にこの薄膜抵抗層26の上に例えばCuよりなる導電層
28を電気メッキにより形成し、更にフォトリソによっ
て外層となるパターンを形成する。特に、抵抗率の高い
抵抗材料を用いる場合、メッキ導通がとりにくいため、
薄膜抵抗層26の形成後に、薄膜Cu層をスパッタ等で
形成することで、銅メッキが可能となる。この時のパタ
ーニングは、導電層28及び薄膜抵抗層26の両方をエ
ッチングする。例えば導電層Cu/薄膜抵抗層Niの場
合には、塩化第二銅溶液を使用すればこれらを同時にエ
ッチングすることができる。また、導電層28と薄膜抵
抗層26は設計仕様によって別々にエッチングしても良
いし、同時にエッチングしても良い。
【0015】次に、図4(D)に示すように選択エッチ
ングのマスク材として、例えば通常は保護膜として使わ
れているフォトソルダーレジスト30をスクリーン印刷
で塗布し、露光・現像を行なうことで薄膜抵抗体となる
パターンを形成する。このフォトソルダーレジスト30
は、次工程のアルカリエッチング溶液に対応するため、
耐アルカリ性の性質を持つものを使用するのがよい。次
に、図4(E)に示すように、上記フォトソルダーレジ
スト30をマスクとして、上記導電層28のみをエッチ
ングする。通常、Cuをエッチングする溶液は酸系のも
のであるが、下地の薄膜抵抗層26を残すためにここで
はアルカリ性の溶液を使用し、選択性を持たせる。エッ
チング液として、例えばメルテックス社製のAプロセス
溶液を使用できる。また、エッチング条件は、温度=4
5℃・時間=60秒にてスプレー方式で行えばよい。こ
の結果、導電層28を形成するCuはマスク部分を残し
て完全にエッチアウトされ、下地の薄膜抵抗層26が表
面に露出される。露出した薄膜抵抗層の表面をESCA
(アルバックファイ社製)にて表面分析した結果、スパ
ッタ後の表面状態と比較してNiのピーク量には差がな
かった。また、Niよりなる薄膜抵抗層26の厚みを測
定したが、スパッタ後との差はなかった。
【0016】次に、マスクとなったフォトソルダーレジ
スト30を剥離することにより、図4(F)に示すよう
に、残留した導電層28が導電層パッド18として露出
形成されることになる。この時、フォトソルダーレジス
ト30の剥離は専用液、例えば日本マクダーミッド社製
のレジストストリッパー9296を使用した。このよう
に、図4(D)、図4(E)及び図4(F)に示すパタ
ーニングをフォトリソプロセス等を用いることで薄膜抵
抗体16のサイズの寸法精度を±5%にすることができ
るため、従来用いたスクリーン印刷法の抵抗ペーストの
寸法精度±10%に比べて精度良く寸法を管理すること
ができる。また、上述したような薄膜抵抗体16に限ら
ず、抵抗体は通電することによって発熱する。この発熱
の程度は、電流密度、抵抗材料、設置状態などによる。
例えば内層抵抗体は外層抵抗体に比べて上下に絶縁層
(樹脂)によってサンドイッチされているため放熱性が
悪く、このため発熱による温度上昇が大きくなるなどの
特性を有する。そこで、下記に示すように薄膜抵抗体1
6の放熱性を向上させるようにしてもよい。
【0017】まず、抵抗長L5の短い薄膜抵抗体16
を、図5(A)に示すように直列に配置することで、図
5(B)に示す抵抗長の長い薄膜抵抗体16よりも大き
な電力を印加することが可能となる。この際、抵抗長L
5、L6は以下に示す式の関係になる。抵抗長L5×n
(正の整数)=抵抗長L6また、図6(A)及び図6
(B)に示すように、薄膜抵抗体16が絶縁層32によ
り覆われて内層されている場合には、この薄膜抵抗体1
6の上部、またはこの近傍の導電層(導電層パッド1
8)の上部の絶縁層32に、放熱用の凹部34となる、
例えば穴や溝を形成し、放熱を促進させるようにしても
よい。この図示例では導電層パッド18の上方において
絶縁層32に凹部34を形成している場合を示してい
る。また、この場合、図7(A)及び図7(B)に示す
ように、上記放熱用の凹部34の内面に、例えば導電性
材料よりなる熱伝導層36を設けて放熱効率を促進させ
るようにしてもよい。また更に、この場合、図8に示す
ように、上記熱伝導層36にフォトリソ、レーザ加工、
粗化処理等によって凹凸状のフィン38を形成してその
表面積を増加することにより、より一層放熱効率を向上
させるようにしてもよい。
【0018】また、ここでは同一平面上において薄膜抵
抗体を形成した場合を例にとって説明したが、これに限
定されず、絶縁層に形成したビアホールを介して同一平
面上の回路パターン間、或いは異なる層の回路パターン
間に薄膜抵抗体を接合する場合にも本発明を適用できる
のは勿論である。例えば図9は内層回路パターンの間に
薄膜抵抗体を形成する場合を示す断面図である。図9
(A)に示すように例えばコア材20の表面の内層回路
パターン40上に形成された絶縁層42にビアホール4
4を形成して上記内層回路パターン40を露出させてお
き、この表面全体に薄膜抵抗層46と例えばCuよりな
る導電層48とを順次積層する。
【0019】次に、図9(B)に示すように、上記導電
層48と上記薄膜抵抗層46とを一体的にエッチングす
ることによりパターンニングする(図4(C)参照)。
次に、図9(C)に示すように、最上層のCu導電層4
8のみを選択的にパターンエッチングすることによって
下地の薄膜抵抗層46を表面に露出させるようにしてい
る(図4(E)及び(F)参照)。これによれば、ビア
ホール44を形成して任意の箇所に薄膜抵抗体を形成す
ることができる。
【0020】上記実施例にあっては、能動素子として薄
膜抵抗体素子を形成する場合について説明したが、これ
に限定されず、能動素子として例えばコンデンサ素子、
或いはコイル素子を上述したような方法を用いて作成し
てもよい。ここで、上述した方法を用いて作成される薄
膜コンデンサ素子について説明する。ここでは、前述し
た薄膜抵抗体素子の製造方法と同様に、半導体プロセス
等で用いられる成膜技術(ドライプロセス)を用い、薄
膜コンデンサ素子をプリント基板に形成したり、或いは
内蔵することを特徴とする。詳しくは、下部電極層、誘
電体層、上部電極層をスパッタなどのドライプロセス
(または、メッキ等のウェットプロセスの併用)により
形成する。このドライプロセスによる成膜方法は他に、
スパッタ、イオンプレーティング、蒸着、CVD等を用
いることもできる。このドライプロセスによる成膜の特
長は、膜厚のコントロールがし易いため、所定の膜厚
に、且つ精度良く成膜でき、しかも薄膜化が容易なため
に高容量が得られることである。また、フォトリソ法に
より精度のよい電極パターンを形成することができる。
その結果、容量のバラツキが小さく精度の良いコンデン
サが得られる。
【0021】ここで、上記薄膜コンデンサ素子の製造方
法について添付図面を参照して説明する。図10及び図
11は本発明の薄膜コンデンサ素子を作る製造方法を示
す図、図12は図10(G)中の薄膜コンデンサ素子を
示す斜視図、図13は図12に示す薄膜コンデンサ素子
の平面図である。まず、図10(A)において、図1に
おいて説明したと同様なプリント基板12上に、スクリ
ーン印刷等により絶縁層14を形成する。この点は、図
1に示す構造と同じである。尚、これ以降の図10
(B)〜(G)、及び図11においてはプリント基板1
2の記載を省略する。次に、図10(B)に示すよう
に、逆スパッタなどのドライプロセスにより絶縁層14
の表面を活性化処理する。この時、この表面は分子レベ
ルで活性化するのみならず、ある程度、表面粗化もされ
る。この時の表面粗さRaは1μm以下である。次に、
下部電極層50となる材料をドライプロセスにより成膜
する。この下部電極層50はコンタクト層52(例えば
NiCr)と導電層54(例えばCu)とから成る。こ
こではコンタクト層52の膜厚を0.1μm,導電層5
4の膜厚を0.3μmとし、それぞれ順次スパッタによ
り形成した。尚、このNiCrのコンタクト層52は、
後述する薄膜抵抗体としても機能することになる。
【0022】次に、図10(C)に示すように、メタル
マスク(図示せず)をセットし、コンデンサ素子を作る
必要な部分のみに、下部コンタクト層56、誘電体層5
8及び上部コンタクト層60を順次スパッタでそれぞれ
成膜して積層する。ここでは下部及び上部コンタクト層
56、60は共にそれぞれ、NiCrよりなり、それぞ
れの膜厚は共に0.1μm であり、誘電体層58はアル
ミナよりなり、その膜厚は0.1〜1.0μmである。
これらのコンタクト層の他の材料としてはPt、Ni,
Tiなどがある。また、誘電体層58の他の材料として
はBST,PZT,STO,TiOなどがある。次
に、図10(D)に示すように、メタルマスクを取り外
して上部電極層62となる材料をスパッタし、導電層6
4を全面に形成する。ここでは導電層64の材料として
Cuを用い、膜厚を0.3μmとした。次に、図10
(E)に示すように、電気Cuメッキを行い、Cuメッ
キ層66を形成する。ここではCuメッキ層66の厚さ
は25μmとした。
【0023】次に、図10(F)に示すように、スクリ
ーン印刷法、または電着法でフォトレジスト68を形成
し、これをパターニングする。この時、上部電極層62
に対応する部分となるフォトレジスト68の面積は、下
層の誘電体層58の面積よりも少し大きく設定してお
き、また、下部電極引き出し用パッド70(図10
(G)参照)に対応する部分にもフォトレジスト68の
パターンを形成しておく。次に、図10(G)に示すよ
うに、プリント基板で一般的に用いられるエッチング液
(塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液など)により、上記
パターン化されたフォトレジスト68をマスクとして、
パターンエッチングを行う。尚、このエッチング液とし
ては、銅やNiCrはエッチングするが、誘電体層58
はエッチングできないものを用いる。そして、その後に
レジスト68を剥離する。この工程でのポイントは、同
時に上部電極層62と下部電極層50をエッチングして
パターニング形成するため、上下の電極層62、50の
位置ズレが生じない点である。これにより、下部電極層
50と誘電体層58と上部電極層50とよりなる薄膜コ
ンデンサ素子72を形成することができる。この場合、
下部電極層50は、誘電体層58の端部よりも更に水平
方向に延びており、そして、その先端側は下部電極引き
出し用パッド70に接続されて、そのパッド70の上端
は上記上部電極層62の上端と略同一高さになってい
る。
【0024】この時の薄膜コンデンサ素子72の部分の
みの斜視図は図12に示され、また、この平面図は図1
3に示されている。尚、図10(G)においては、後述
するように薄膜抵抗体素子を形成するためのランド部7
4が形成されており、これはコンタクト層52、導電層
54、導電層64及びCuメッキ層66の積層構造とな
っている。以上により薄い誘電体膜を使った薄膜コンデ
ンサ素子72を絶縁層14上に形成することができる。
そして、さらにこのコンデンサ素子72が形成されてい
る絶縁層と同じ絶縁層14上に薄膜抵抗体素子を形成す
る場合には、次の工程を追加することで可能となる。こ
の薄膜抵抗体素子を形成するには、図10(G)にて示
したランド部74を用いる。
【0025】まず、図10(G)に示す構造の絶縁層1
4の上面側に、図11(A)に示すように、スクリーン
印刷法、または電着法でフォトレジスト76を形成し、
抵抗体素子形成用のパターニングを施す。次に、図11
(B)に示すように、アルカリ性エッチング液(例えば
メルテックス社製Aプロセス)や蟻酸系エッチング液
(例えばメック社製CZ8100)により、Cu膜のみ
を選択的にエッチングして、Ni−Crのコンタクト層
52よりなる薄膜抵抗体素子78を形成する。次に、以
上のように形成した薄膜抵抗体素子78や薄膜コンデン
サ素子72などの受動素子の内蔵化を図る。まず、Cu
膜の表面処理を行った後、図11(C)に示すようにス
クリーン印刷等により絶縁層80を全面に形成する。
【0026】次に、図11(D)に示すように、レーザ
加工等によりコンタクトをとるためのVIAホール82
をそれぞれの電極に向けて形成し、逆スパッタなどのド
ライプロセスにより絶縁層80の表面を活性化処理し、
この表面にコンタクト層84(例えばNiCr)と導電
層86(例えばCu)を順次積層して形成する。ここで
は、コンタクト層84の膜厚を0.1μm、導電層86
の膜厚を0.3μmにそれぞれ設定し、順次スパッタに
て形成した。次に、図11(E)に示すように、プリン
ト基板の表面全体に電気Cuメッキを行い、Cuメッキ
層88を形成する。ここではメッキ層88の厚さを25
μmとした。次に、図11(F)に示すように、絶縁層
80上のコンタクト層84、導電層86及びCuメッキ
層88を図10(F)及び図10(G)で説明したと同
様な方法でパターニングする。以上により、プリント基
板上に薄膜コンデンサ素子72と薄膜抵抗体素子78と
を内蔵させることができる。
【0027】ここで以上のように形成した薄膜コンデン
サ素子72の電気的特性を図14及び図15に示す。図
14は誘電体層の厚さと絶縁抵抗との関係を示すグラ
フ、図15は誘電体層の厚さと容量値との関係を示すグ
ラフである。図14及び図15に示すグラフから明らか
なように、誘電体層58であるアルミナの膜厚が厚いほ
ど、絶縁抵抗が大きくなり、更にキャパシタンス容量が
小さくなることを確認することができた。尚、上部電極
層62の面積と誘電体層58の厚さの設定で所望のコン
デンサ容量値を得ることができる。このように、本実施
例では、半導体プロセス等で用いられるドライプロセス
により薄膜コンデンサ素子を絶縁層上に形成することが
できるので、電極や誘電体のパターンの寸法精度を上げ
て、コンデンサ容量のバラツキを抑制して精度を高くす
ることができる。
【0028】また、下地の絶縁層の表面を逆スパッタな
どのドライプロセスで活性化して上層との密着性を向上
させているので、ショートが多発するといった問題があ
る従来の表面粗化手法を用いた場合と異なり、耐電圧の
向上を図ることができると共に、薄膜化が可能なため高
容量化に有利である。また、上部電極層と下部電極層
(誘電体層膜をエッチングマスクとする)と下部電極引
き出し用パッドを同時にパターンエッチングするので、
これにより、工程数の削減を図ることができる。また、
それらを同時にパターンエッチングするため、上下間の
電極位置ズレが生ずることもない。また、上部電極を電
気メッキにより形成するため、上部電極層の膜厚を厚く
することができ、その結果、上部電極層の引き出しパッ
ドを設けることなく、薄膜コンデンサ素子の直上にVI
Aホールを形成することが可能である。また、絶縁層形
成前の表面処理による上部電極層及び誘電体層のダメー
ジもない。また、上部電極層の上端と下部電極引き出し
用パッドの上端が略同一水平レベルなので、VIAホー
ルを形成する際に、加工レーザのパワーを同じに設定で
き、煩わしいパワー調整を行う必要がない。
【0029】また、ここでは能動素子として薄膜抵抗体
素子や薄膜コンデンサ素子を形成した場合を例にとって
説明したが、これに限定されず、例えば薄膜コイル素子
も形成することができる。この場合には、図10(G)
に示すグランド部74に、例えば図16及び図17に示
すように、Cuメッキ層66、導電層64、54及びコ
ンタクト層52を螺旋状にエッチング形成し、その両端
を電極とすればよい。ここで図16は薄膜コイル素子9
0の平面図を示し、図17は図16中のA−A線矢視断
面図である。
【0030】上記実施例では薄膜コンデンサ素子72の
誘電体層58をスパッタで形成したが、これをペースト
印刷等で形成するようにしてもよい。ここで、上述のよ
うに形成される本発明の他の変形例を図18及び図19
を参照して説明する。図18及び図19は、本発明の他
の変形例の薄膜コンデンサ素子の製造方法を示す図であ
る。尚、ここではプリント基板の一面(上面)にペース
トコンデンサ素子を形成し、他の一面(下面)に薄膜抵
抗体素子を形成する場合を例にとって説明するが、両者
をいずれか一面側に並設するようにして形成してもよい
のは勿論である。まず、図18(A)に示すように、プ
リント基板12の表面に形成されている例えばCuより
なる導電層92を所定のパターンにエッチング形成し、
更に、密着強度を図るためにこの表面を、例えばメック
社製のCZ−8100等を用いてマイクロエッチングす
る。図示例では下面の導電層は除去されている。尚、上
記導電層92としては、プリント基板12の表面に予め
形成されている銅膜を用いてもよいし、積層途中に形成
した銅膜を用いてもよいのは勿論である。
【0031】次に、図18(B)に示すように、プリン
ト基板12の両面全体にエポキシ樹脂等からなる誘電率
の低い有機樹脂をコーティングして絶縁層94を形成す
る。次に、図18(C)に示すように、外層との導通を
取るために、CO レーザ或いはYAGレーザ等を用
いてブラインド状のVIAホール96とコンデンサを形
成するためのザグリ孔98を、上記導電層92に対応さ
せて絶縁層94に形成する。この場合、絶縁層94にキ
ャパシタ相当面積の凹部をレーザで形成する際、1ショ
ットで開口できる径の1/2〜1/1の間隔でレーザビ
ームを移動させ、パルスショットで凹部を形成するのが
よい。これによれば、絶縁層94に蓄積される熱による
影響を小さく抑えることができ、精度の良い面積を得る
ことができる。
【0032】次に、コンデンサを形成するために上記ザ
グリ孔98にのみ対応する印刷マスク99をマスクとし
て用い、チタン酸バリウム等の誘電率の高いフィラーを
含有するペーストをスキージ102で印刷し、上記ザグ
リ孔98内に高誘電率ペースト100を充填する。この
時に充填するペースト100の量は、硬化後に絶縁層9
4のザグリ孔98の深さと同じ、もしくは若干低くなる
ように印刷マスク99の厚み等の印刷条件を設定する。
また、ペーストの粘度によってはディスペンサを用いて
もよい。次に、図18(E)に示すように、上記充填し
たペースト100が平坦にレベリングされるまでホール
ドした後、このペースト100を硬化させる。次に、図
19(A)に示すように、上下両面の絶縁層94の表面
及び上記ペースト100の表面を、アルゴン等のプラズ
マエッチングを用いて活性化(マイクロエッチング)さ
せる。この時の表面粗さRaは、例えば0.01〜1μ
m程度の範囲内である。
【0033】次に、図19(B)に示すように、プリン
ト基板12の両面全面に、無電解メッキ、またはスパッ
タ法でニッケル、またはニッケル合金を薄く形成してコ
ンタクト層104を形成する。このコンタクト層104
は、下面側では抵抗パターンになるので、その厚さは必
要とされる抵抗値に応じて調整する。例えば要求抵抗値
に応じて、その厚さは0.010〜2.0μmの範囲内
で調整可能である。次に、図19(C)に示すように、
プリント基板12の両面に上記コンタクト層104を下
地として電気メッキによりCuメッキ層106を形成す
る。
【0034】次に、図19(D)に示すように、外層導
通パターン、抵抗、コンデンサとなる各パターンを、ド
ライフィルムレジストやEDレジストとエッチング液を
用いてパターン形成する。このエッチング液としては、
ニッケルまたはニッケル合金と銅の両方を溶解するエッ
チング液、例えば塩化第2銅溶液等を用いる。この場
合、ペーストコンデンサ素子112の上部電極層106
Aの大きさは、この下部のザグリ孔18の径よりもひと
回り以上大きく設定するのがよい。これによれば、上部
電極層106Aの下層との密着強度の向上及び耐湿性の
向上を図ることができる。
【0035】次に、図19(E)に示すように、抵抗と
なるパターンに抵抗パターンレジストをのせて、ニッケ
ルまたはニッケル合金には溶解せずに銅のみを溶解する
選択エッチング液を用いて下面側をエッチングすること
により、抵抗パターン108を形成する。ここでは、例
えばドライフィルムレジストを用い、エッチング液とし
て蟻酸をベースとしたメック社製のCZ−8100やア
ルカリ現像型レジストを用い、エッチング液としてアン
モニアをベースとしたAプロセス(メルテックス社製)
等を用いることができる。これにより、下面側の薄膜抵
抗体素子110と上面側のペーストコンデンサ素子11
2を形成することができる。その後は、必要に応じては
んだ付けランド用のソルダーレジストやシルク印刷、表
面処理(金メッキや耐熱フラックス等)を行う。
【0036】本実施例では、ペースト100の表面をプ
ラズマエッチングすることで表面にサブミクロンのアン
カー(凹凸)をつける効果と表面を活性化させる効果を
利用し、且つコンタクト層104として銅より結合力の
強いニッケルまたはニッケル合金を用い、その上に銅メ
ッキを行うことで密着強度の高い電極が形成できる。ま
た、高誘電率ペースト100の充填に際して、印刷マス
ク99の開口径を充填面積よりも小さくすることで、高
誘電率ペースト100のザグリ開口径からのはみ出しを
抑え、且つペースト高さを絶縁層94の厚みと同一、も
しくはそれより低くすることで、ペースト除去するため
の研磨工程を省くことができ、しかも研磨しないことで
絶縁層94の表面の粗さを抑えることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリント
基板における薄膜抵抗体素子の形成方法、薄膜抵抗体素
子及び薄膜コンデンサ素子によれば、次のように優れた
作用効果を発揮することができる。請求項1乃至3に規
定する発明によれば、寸法や厚さが高精度にコントロー
ルされた薄膜抵抗体を形成することができ、例えば従来
のペースト抵抗では設定値に対して±30%程度のばら
つきだったのに対し、本発明の薄膜抵抗体では設定値に
対して±10%程度のばらつきに抑えることができる。
この結果、高精度でかつオーミックコンタクトの良好な
薄膜抵抗体を形成することができる。請求項4に規定す
る発明によれば、薄膜抵抗体、或いはその近傍の構造設
計によって導通時に薄膜抵抗体から発生する熱を効率よ
く放熱することができる。請求項5〜7に規定する発明
によれば、薄膜や平面的な寸法精度の高い上部、下部電
極層や誘電体層を形成でき、結果的に、容量値のバラツ
キを抑えて、これを高い精度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜抵抗体素子の第1実施例を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係る薄膜抵抗体素子の第2実施例を示
す斜視図である。
【図3】本発明に係る薄膜抵抗体素子の第3実施例を示
す断面図である。
【図4】薄膜抵抗体素子の製造方法を示す工程図であ
る。
【図5】本発明の変形例を説明する説明図である。
【図6】放熱用の凹部を有する薄膜抵抗体素子を示す断
面図である。
【図7】放熱用の凹部を有する他の薄膜抵抗体素子を示
す断面図である。
【図8】放熱用の凹部を有する更に他の薄膜抵抗体素子
を示す断面図である。
【図9】内層回路パターンの間に薄膜抵抗体を形成する
場合を示す断面図である。
【図10】本発明の薄膜コンデンサ素子を作る製造方法
を示す図である。
【図11】本発明の薄膜コンデンサ素子を作る製造方法
を示す図である。
【図12】図10(G)中の薄膜コンデンサ素子を示す
斜視図である。
【図13】図12に示す薄膜コンデンサ素子の平面図で
ある。
【図14】誘電体層の厚さと絶縁抵抗との関係を示すグ
ラフである。
【図15】誘電体層の厚さと容量値との関係を示すグラ
フである。
【図16】薄膜コイル素子を示す平面図である。
【図17】図16中のA−A線矢視断面図である。
【図18】本発明の他の変形例の薄膜コンデンサ素子の
製造方法を示す図である。
【図19】本発明の他の変形例の薄膜コンデンサ素子の
製造方法を示す図である。
【図20】従来の印刷抵抗体の製造方法を示す工程図で
ある。
【符号の説明】
10…薄膜抵抗体素子、12…プリント基板、14…絶
縁層、16…薄膜抵抗体、18…導電層パッド、20…
コア材、26…薄膜抵抗層、28…導電層、32…絶縁
層、34…放熱用の凹部、50…下部電極層、58…誘
電体層、62…上部電極層、70…下部電極引き出し用
パッド、72…薄膜コンデンサ素子、78…薄膜抵抗体
素子、110…薄膜抵抗体素子、112…薄膜(ペース
ト)コンデンサ素子。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 B (72)発明者 大槻 充 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 道脇 茂 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 神山 孝一 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 吉水 久典 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板における薄膜抵抗体素子の
    形成方法において、前記プリント基板上の絶縁層の上に
    半導体プロセス等に用いられるドライプロセスにより所
    定の厚さの薄膜抵抗層を形成する薄膜抵抗層形成工程
    と、前記薄膜抵抗層の上に導電層を形成する導電層形成
    工程と、前記導電層を選択的にエッチングして少なくと
    も2つの導電層パッドを形成することにより前記導電層
    パッド間に所定の抵抗値の薄膜抵抗体を形成する薄膜抵
    抗体形成工程とを有するようにしたことを特徴とするプ
    リント基板における抵抗体素子の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記薄膜抵抗体は、コア材上に絶縁層と
    パターン化された導電層とを順次積層するビルドアップ
    基板またはビルドアップ多層基板の形成時に作られるこ
    とを特徴とする請求項1記載の抵抗体素子の形成方法。
  3. 【請求項3】 プリント基板における薄膜抵抗体素子に
    おいて、前記プリント基板上の絶縁層の上に半導体プロ
    セス等に用いられるドライプロセスにより形成された所
    定の厚さの薄膜抵抗層と、前記薄膜抵抗体を形成するた
    めに前記薄膜抵抗層の上に離間させて形成された少なく
    とも2つの導電層パッドとを備えたことを特徴とするプ
    リント基板における薄膜抵抗体素子。
  4. 【請求項4】 前記薄膜抵抗体が、内層に設けられた薄
    膜抵抗体の場合には、この薄膜抵抗体の上部、またはこ
    の近傍の導電層の上部の絶縁層には、放熱用の凹部が形
    成されることを特徴とする請求項3記載の薄膜抵抗体素
    子。
  5. 【請求項5】 プリント基板における薄膜コンデンサ素
    子において、前記プリント基板上の絶縁層の上に半導体
    プロセス等に用いられるドライプロセスにより形成され
    た所定の厚さの下部電極層と、前記下部電極層上に前記
    ドライプロセスにより形成された誘電体層と、前記誘電
    体層上に前記ドライプロセスにより形成された上部電極
    層とを備え、前記下部電極層は前記上部電極層よりも水
    平方向に延ばされて下部電極引き出し用パッドに接続さ
    れていることを特徴とするプリント基板における薄膜コ
    ンデンサ素子。
  6. 【請求項6】 前記上部電極層の上面と前記下部電極引
    き出し用パッドの上面は実質的に同一高さになされてい
    ることを特徴とする請求項5記載のプリント基板におけ
    る薄膜コンデンサ素子。
  7. 【請求項7】 前記プリント基板上の絶縁層は、請求項
    3または4に規定される薄膜抵抗体素子が形成されてい
    る絶縁層と同一であり、前記薄膜抵抗体素子と同一面側
    に設けられていることを特徴とする請求項5または6記
    載のプリント基板における薄膜コンデンサ素子。
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