以下、本発明に好適な実施形態について、図を参照しながら説明する。
〈システムの全体構成〉
図1は、本発明に係るサーバ1及び複数の遊技機2を有するクレジット還元システム(以下、クレジットを遊技媒体と称することとする)の構成を示すブロック図である。
この図1に示す遊技媒体還元システムにおいて、遊技機2はネットワークNTを介してサーバ1に接続されている。このネットワークNTを介してサーバ1と種々の情報を送受信できるようになされている。
サーバ1は、複数の遊技機2を管理するものであり、各遊技機2にはそれぞれ固有の識別番号が付され、サーバ1は当該識別番号により各遊技機2から送られてくるデータの出所を判別している。サーバ1から遊技機2にデータを送信する場合にも、上述した識別番号を用いて送信先を指定している。
また、遊技機2から送受信されるデータには、各遊技機に設定された遊技機ごとの識別番号以外に、その遊技機で遊技を行っている遊技者を識別する識別情報も含まれている。この識別情報により、サーバ1では、遊技機2が遊技中であるか否か、遊技機2で遊技を行う遊技者が変更されたか否か等を判別するようにしている。
〈遊技機の構成〉
図2及び図3は、遊技機2の全体構成を示す外観斜視図及び縦断面図である。この図2及び図3に示されるように、遊技機2においては、中空箱状の枠体3に対して蝶番3A,3Bによって前面パネル4が開閉可能に取り付けられている。
前面パネル4の裏面には、3個の円筒形状のドラム体5(5A〜5C)が並置されており、当該ドラム体5を背面側から覆うケース6が取り付けられている。各ドラム体5A〜5Cは、それぞれ回転軸7を中心にして回転自在に枢支されており、当該各ドラム体5A〜5Cの外周面には図柄(「7」,ベル,プラム,チェリー等)が周方向に列をなすように描かれている。これら3個のドラム体5A〜5Cの外周面に描かれた図柄(マーク)は、前面パネル4に設けられている表示窓8A〜8Cを介して遊技機の正面側から、各ドラム体5A〜5Cにつき1個ずつ視認可能となるようになされている。
上述した各ドラム体5A〜5Cは、遊技機2のフレームに所定のブラケット(図示せず)を介して、回転自在に取り付けられており、ステッピングモータ11A〜11C(図4参照)によってそれぞれ回転駆動され、制御装置12(図4参照)によって所定の回転角度位置で停止されるように制御がなされる。ドラム体5A〜5Cの各々の周端部には基準位置を表す突起部(図示せず)が設けられており、これらの突起部が各ドラム体5A〜5Cに対応して設けられている各光センサ(図示せず)の光軸を横切ることにより、制御装置12では当該各ドラム体5A〜5Cの回転基準位置を検出することができる。尚、ステッピングモータ11A〜11Cは、図柄を変動表示される速度が一定である。
表示窓8A〜8Cの隣には、当該表示窓8A〜8Cに表示される図柄の停止ラインのいずれを賭けの対象とするかを表示するための賭けライン表示ランプ13が設けられている。前面パネル4に設けられた操作部14には、投入口15から投入されたメダルを何枚賭けるのかを設定するベットボタン16が設けられており、遊技者は賭けようとする賭け枚数分だけベットボタン16を押圧操作することにより、対応する賭けライン表示ランプ13が点灯する。また、賭けメダル枚数は、3枚が上限である。
尚、ベットボタン16が押圧操作される回数により賭けラインが異なる。1回の押圧操作では、表示窓8A〜8Cの中段において水平に延びる1ラインが賭けラインの対象となる。また、2回の押圧操作では、前記1ラインに、表示窓8A〜8Cの上下段において水平に延びる2ラインを加えた3ラインが賭けラインの対象となる。更にまた、3回の押圧操作では、前記3ラインに、表示窓8A〜8Cの対角線上の2ラインを加えた5ラインが賭けの対象となる。尚、4回以上の押圧操作は、無効となる。
このようにして、賭けるメダルの枚数が設定されると、制御装置12は遊技者によって設定された賭け枚数分のメダルを取り込むことにより、遊技を開始する条件が整うこととなり、この状態において遊技者がスタートレバー17を操作すると、制御装置12によって各ドラム体5A〜5Cの回転が開始される。
3個のストップボタン18A〜18Cは、各ドラム体5A〜5Cに対応しており、これらストップボタン18A〜18cの押圧操作により、その対応するドラム体を停止させる。
デジタル式の得点表示器19には、予め投入されているメダル枚数,排出されるメダル枚数等が表示される。遊技者が賭けた停止ライン上に、ドラム体5A〜5Cの予め定めた特定の組合せ(賞態様)の1つが並んだときは、その組合せの重みに従って予め定められている枚数のメダルが、メダル排出装置によりメダル排出口20から排出される。
さらに、遊技機2の前面パネル4には、カード挿入口22が設けられている。カード挿入口22は、遊技者が遊技機2で遊技を行うときに、遊技者を特定するための認証番号データ等が記録されたカードを挿入するためのものであり、挿入されたカードは、カードリーダ23(図4参照)により、そのデータが読み込まれるようになっている。
〈遊技機の制御部の構成〉
図4は、本発明の実施例である遊技機2の制御装置12及びこれに電気的に接続された周辺装置の回路構成を示すブロック図である。
ベットボタン16は、遊技機2の前部に設けられており、インターフェイス回路群31に接続されている。また、当該インターフェイス回路群31は、入出力バス32に接続されている。遊技者によりベットボタン16が押圧操作されたときには、操作信号がベットボタンからインターフェイス回路群31に発せられる。インターフェイス回路群31は、操作信号を所定の電圧信号に変換し入出力バス32に供給する。後述する如く、遊技が開始される前において、操作信号が示す値に応じた所定枚数のメダルが、賭けの対象として遊技機に投入される。
上述した入出力バス32は、中央演算処理回路(以下、CPUと称する)33にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。また、上述したスタートレバー17及びストップボタン18A〜18Cもインターフェイス回路群31に接続されており、スタートレバー17から発せられる始動開始信号や、ストップボタン18A〜18Cから発せられる停止信号も、インターフェイス回路群31により所定の電圧信号に変換されて入出力バス32に供給される。
遊技を開始すべくスタートレバー17が操作されたときには、上述した始動開始信号がCPU33に供給される。CPU33は、後述する如く、始動開始信号が供給されたときには、ドラム体5A〜5Cを回転動作させるべく、ステッピングモータ11A〜11Cに制御信号を発する。
更に、ドラム体5A〜5Cを停止させるべく、ストップボタン18A〜18Cが押圧操作されたときには、当該ストップボタン18A〜18Cの各々から停止信号がCPU33に供給される。尚、ドラム体5Aを停止させる際には、遊技者はストップボタン18Aを押圧操作し、ドラム体5Bを停止させる際には、遊技者はストップボタン18Bを押圧操作し、ドラム体5Cを停止させる際には、遊技者はストップボタン18Cを押圧操作する。後述する如く、停止信号が供給されたときには、CPU33は、押圧操作されたストップボタンに対応するドラム体を停止させるべく、ステッピングモータ11A〜11Cに停止信号を発する。
また、回転位置センサ34A〜34Cは、上述したステッピングモータ11A〜11Cの各々の近傍に設けられており、回転位置センサ34A〜34Cもインターフェイス回路31に接続されている。これらの回転位置センサ34A〜34Cは、例えば、ロータリーエンコーダからなり、ステッピングモータ11A〜11Cの各々の回転角度位置を示す角度位置信号をインターフェイス回路群31に発する。
更に、基準位置センサ35A〜35Cは、ドラム体5A〜5Cの各々の近傍に設けられ、インターフェイス回路31に接続されている。これらの基準位置センサ35A〜35Cは、上述した如く光センサからなり、ドラム体5A〜5Cの各々の基準位置を検出したときに、基準位置信号をインターフェイス回路群31に発する。
カードリーダ23は、遊技機2の内部に設けられており、インターフェイス回路31に接続されている。このカードリーダ23からは、CPU33の信号発信要求に従って、所定のタイミングでカード状態信号が送信されている。カード状態信号は、カード挿入口22にカードが挿入されると信号レベルが変化し、CPU33がカードが挿入されたことを検出するものである。また、カードが非挿入状態(カード挿入口22からカードが抜かれた状態)になると、同様にカード状態信号のレベルが変化し、CPU33がカードが挿入されていない状態であることを検出するように構成されている。
CPU33は、後述する如く、回転位置センサ34A〜34Cから発せられる角度位置信号や、基準位置センサ35A〜35Cから発せられる基準位置信号を検出することにより、表示窓8A〜8Cに表示される図柄データを取得することができる。
入出力バス32には、ROM(リード・オンリー・メモリ)36及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)37も接続されている。ROM36は、後述する如き遊技機を制御し、遊技球を払い戻すためのプログラムや、これらのプログラムで用いる変数の初期値が記憶されている。一方、RAM37には、後述する如きフラグや変数の値が記憶される。
また、入出力バス32には、通信インターフェイス回路41が接続されており、この通信インターフェイス回路41は、遊技機2とサーバ1との間でデータの送受信を行うときに用いられるものとなっている。
ROM36には、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群も記憶されている。この乱数を発生させるための乱数発生器38も入出力バス32に接続されている。乱数を発生させるための命令がCPU33から乱数発生器38へ発せられたときには、乱数発生器38は所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号を入出力バスに発する。後述する如く、乱数が乱数発生器38から発せられたときには、その乱数に対応する図柄の組合せを定めるべく、上述したデータ群を検索し、その図柄の組合せに対応する数値を変数に代入する。
遊技機2は、通常遊技又は特別遊技のいずれかの遊技を行うことができる。この通常遊技において、有効なライン上に停止表示された図柄の組合せが、当選パターンと一致し得る当選可能状態と、図柄の組合せが、当選パターンと一致し得ない当選不可状態と、がある。
上述した当選不可状態では、有効なライン上に変動する図柄の組合せは、はずれパターンと小当たりパターンとである。小当たりパターンとは、「チェリー」や「ベル」といった図柄が有効なライン上に所定個揃ったときに発生し、数枚のメダルがメダル排出口20から排出される。一方、はずれパターンとは、小当たりパターンとは異なり、図柄が有効なライン上に揃わないパターンであり、メダルは排出されない。また、当選不可状態は、後述する内部抽選処理により、当選可能状態に移行し得る状態である。尚、当選不可状態は、ストップボタンが押圧操作されるタイミングに関わらず、当選パターンを揃えることができない状態であり、もちろん、特別遊技状態には移行できない。
一方、当選可能状態は、上述した当選不可状態とは異なり、ストップボタンが押圧操作されるタイミングによって停止表示される図柄の組合せが当選パターンと一致し得る唯一の状態であり、いわゆる「目押し」が利く状態である。有効ライン上に停止表示される図柄の組合せが当選パターンと一致したときには当選となり、遊技者が大量のメダルを獲得し得る特別遊技に移行する。尚、ストップボタンが押圧操作されるタイミングを損ない、当選パターンを揃えられなかった場合には、上述したはずれパターン、若しくは、小当たりパターンが揃う。また、当選可能状態は、一旦設定されると、停止表示される図柄の組合せが当選パターンと一致となるまで継続され、当選不可状態に移行することはない。
また、上述した特別遊技では、有効なライン上に停止表示される図柄の組合せが小当たりパターンと一致し得る確率が極めて高く設定されており、大量のメダルを獲得することが出来る可能性が高くなる。また、特別遊技は、その遊技を終えると通常遊技に移行する。尚、特別遊技の後に、通常遊技に移行した際においては、当選可能状態に移行するか、当選不可状態に移行するかは、後述する内部抽選処理により定まる。
また、上述した入出力バス32には、インターフェイス回路群39が接続されている。インターフェイス回路群39には、ステッピングモータ11A〜11C、賭けライン表示ランプ13、得点表示器19並びにスピーカ40も接続されており、インターフェイス回路群39は、上述した装置の各々に駆動信号や駆動電力を供給する。
例えば、上述したベットボタン16が遊技者により押圧操作されたときには、投入された遊技メダルの枚数に応じて有効となった賭けラインを示すべく、賭けライン表示ランプ13に駆動電流が供給される。更に、遊技が終了したときには、遊技の入賞態様に応じた得点を表示すべく、駆動信号が得点表示器19に供給される。更にまた、スピーカ40は、遊技が開始又は終了されたときに、これらの遊技の状況に対応する効果音を発する。
以下においては、遊技機は予め起動されており、後述する如きフラグや変数は所定の値に初期化されているものとする。
図5は、本発明の実施例である遊技機2を制御するサブルーチンを示す。
最初に、ベットボタン16が遊技者により押圧操作されたか否かを判断するベットボタン操作処理を行う(ステップS11)。ベットボタン操作処理は、ベットボタン16の押圧操作に応じた処理であり、ベットボタン16が押圧操作されて、ベットボタン16から操作信号が発せられたか否かを検出することにより、押圧操作により投入された遊技メダル枚数を記録し、その投入された遊技メダルの枚数に応じて有効となった賭けラインを示すべく、賭けライン表示ランプ13に駆動信号を発する処理である。
次いで、ベットボタン16の押圧操作が行われて、かつ、スタートレバー17の操作が行われたかを判断する(ステップS12)。ベットボタン16の押圧操作が行われて、かつ、スタートレバー17の操作が行われたと判別したときには、次のステップS13に処理を移す。一方、ベットボタン16の押圧操作が行われていないと判別したときや、スタートレバー17の操作が行われていないと判別したときには、ステップS11に処理を戻し、再びベットボタン操作処理を行う。尚、後述する如く、全ドラム体5A〜5Cが回転開始し始めてから停止するまでを一連の遊技と考えることとする。
上述したステップS12の処理を実行した後、内部抽選処理を行う(ステップS13)。この内部抽選処理は、上述した乱数発生器38を制御して乱数を発生させ、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群を検索して発生させた乱数に応じて図柄の組合せを定めるものである。尚、後述する如く、前回の遊技において停止表示された図柄の組合せはRAM37に記録され、その図柄の組合せを読み出し、内部抽選処理を行う。
この内部抽選処理は、停止表示され得る図柄の組合せを上述したように抽選し、その抽選した結果を示す数値は現在遊技抽選データに代入される。例えば、当選不可状態であり、かつ、はずれである場合には、現在遊技抽選データは、「00」に設定され、当選不可状態であり、かつ、小当たりパターンと一致した場合には、現在遊技抽選データは、「01」に設定され、当選可能状態である場合には、現在遊技抽選データは、「12」に設定される。尚、特別遊技状態であり、はずれである場合には、現在遊技抽選データは、「20」に設定され、特別遊技状態であり、小当たりパターンと一致した場合には、現在遊技抽選データは、「21」に設定される。なお、特にこの内部抽選処理を行わずに、停止した図柄によって遊技者が有利な状態に移行したか否かを調べるようにしてもよい。
次いで、ステッピングモータ制御処理に関するサブルーチン(図示せず)を呼び出し、上述したステッピングモータ11A〜11Cの各々を所定の回転速度で回転駆動すべく、制御信号をステッピングモータ11A〜11Cに発する(ステップS14)。尚、回転速度とは、上述した一連の遊技内において、ドラム体5A〜5Cの回転により図柄が変動表示される速度のことをいい、回転開始直後や、回転停止直前等の過渡状態を含まない概念である。
上述した過去遊技抽選データは、現在の遊技より以前の遊技における抽選結果を示すデータであり、RAM37に記録されている。尚、後述する如く、特別遊技終了後に移行する通常遊技における最初の遊技で、過去遊技抽選データがリセットされる。また、過去遊技抽選データは、後述する如く、各遊技の最後の処理として、現在の遊技より以前に行われた遊技の結果に、現在の遊技の結果を順次蓄積していくことにより更新されていく。
次いで、遊技者がドラム体5A〜5Cを停止させるべく、ストップボタン18A〜18Cのいずれかが押圧操作されて、ストップボタン18A〜18Cの停止信号が発せられたか否かを判断する(ステップS15)。ストップボタン18A〜18Cのいずれからも停止信号が発せられていないと判別したときには、再び本ステップS15を実行する。
一方、ストップボタン18A〜18Cのいずれかから停止信号が発せられたと判別したときには、後述するステッピングモータ停止処理を行う(ステップS16)。このステッピングモータ停止処理は、上述した乱数発生器38を制御して乱数を発生させ、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群を検索して発生させた乱数に対応する図柄の組合せを定めるものである。
CPU33は、上述した回転位置センサ34A〜34C,基準位置センサ35A〜35Cの各々から発せられる回転位置信号,基準位置信号により、表示窓8A〜8Cに現在表示されている図柄を取得する。CPU33は、上述した図柄データと、ステップS13の内部抽選処理からの現在遊技抽選データと、に応じて、ステッピングモータ11A〜11Cを制御し、停止位置を決定する。
尚、CPU33は、現在遊技抽選データに応じてステッピングモータ11A〜11Cを停止させるが、ストップボタン18A〜18Cのいずれかが押圧操作されたと判別した際には、現在遊技抽選データに応じた図柄が停止表示し得ない場合、最大図柄4つ分の範囲で余分に移動させることができる。また、その範囲内に、現在遊技抽選データに応じた図柄がない場合、現在遊技抽選データに応じた図柄を既に停止表示させることはできない。例えば、当選可能状態で、2つのドラム体が停止しており、かつ、当選パターンと一致し得る図柄が揃っていても、最後に停止されることとなるドラム体に対応するストップボタンが押圧操作されるタイミングにより、当選パターンと一致しない場合が生ずる。一方、当選不可状態において、2つのドラム体が既に停止しており、当選パターンと一致し得る図柄が揃っていても、最後に停止されることとなるドラム体に対応するストップボタンをタイミングよく押圧操作しても、当選パターンと一致し得ないようにステッピングモータ11A〜11Cを制御する。
次いで、ストップボタン18A〜18Cの全てが押圧操作されたか否かを判断する(ステップS17)。このステップS17の処理はストップボタン18A〜18Cの押圧操作に応じて発せられる停止信号が全て検出されたか否かを判断する処理である。ストップボタン18A〜18Cの全てが押圧操作されていないと判別したときは、ステップS15に処理を戻す。ストップボタン18A〜18Cの全てが操作されたと判別したときは、後述するステップS18に処理を移す。
次いで、有効となったラインに沿った図柄の組合せが、入賞態様と一致するか否かを判断し、その入賞態様に応じた遊技メダルを払い戻すメダル払戻処理を行う(ステップS18)。有効となったラインに沿った図柄の組合せと、入賞態様とが一致すると判別したときには、入賞態様に応じて払い戻す遊技メダルの枚数を算出し、算出した数の遊技メダルの枚球を払い戻し、ステップS19に処理を移す。一方、有効となったラインに沿った図柄の組合せと、入賞態様とが一致しないと判別したときには、遊技メダルを払い戻さず、ステップS19に処理を移す。
次に、上述した現在遊技抽選データを主に記録する現在遊技結果記録処理が行われる(ステップS19)。ここで、本発明の一実施形態に係る遊技機においては、CPU33は、RAM37から過去遊技抽選データを読み出し、当該過去遊技抽選データに現在遊技抽選データを追加した状態でRAM37に記録し、本サブルーチンを終了させる。尚、記録されるデータは、現在遊技抽選データだけではなく、現在の遊技において実際に停止表示された図柄を示すデータ等も記録されるものとする。
次に、本実施形態における遊技機2を用いて遊技を行うときの遊技機2の動作について説明する。
図6は、本実施形態における遊技機2の遊技状態における動作の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理手順は、図5について上述した遊技機2のサブルーチンと併行して実行される処理ルーチンである。
この図6に示されるように、遊技機2は、まず、遊技者の判断を行う(ステップS20)。
遊技者の判断処理は、遊技機2のCPU33が行うものであって、遊技機2が遊技中であるか否か、遊技中である場合にその遊技者は誰であるか、そしてその遊技者は前の遊技者と変更されたか否か、を判断するために行うものである。
本発明は、遊技機ごとに還元を行う従来の遊技機と異なり、遊技者ごとに還元を行うもの(すなわち、遊技者が変われば今までの上限に関する遊技状態はリセットされるもの)となっているので、遊技者が変わったことを検出し、判断する必要がある。従って、このような遊技者の判断をする処理が必要なのである。
図7に、遊技者を判断する処理を行うときの遊技機2の動作の流れを説明するフローチャートを示す。なお、図7のフローチャートは、図6のステップS20のサブルーチンに相当するものである。
遊技機2は、まず、遊技状態の判断を行う処理に移行する(ステップS90)。
遊技状態の判断とは、遊技機2において遊技を行っている遊技者が存在するか否か、すなわち遊技機2が遊技中であるか否かを判断するための処理である。遊技機2が遊技中でないときには、以降の処理を行う必要はないため、まず、遊技中であるか否かを調べるのである。遊技状態の判断は、遊技機2の前面パネル4に設けられたカード挿入口22にカードが挿入されているか否かを検出することにより行われる。
遊技機2は、遊技状態を調べるために、カードが検出されるか否かを判断する処理に移行する(ステップS91)。
カードの検出は、カード挿入口22にカードが挿入されているか否かをカードリーダ23で感知することにより検出する。なお、ここで挿入されるカードとは、遊技者を特定するための情報等が記録された認証カードのようなものであり、特に認証カードとしての機能のみ独立して持つカードでなくても、プリペイドカードのようなものに個別に遊技者を特定する情報を記録したものでもよい。
カードの検出を行って、カードが挿入されていないものと判断されたときには、そのまま遊技者を判断する処理を終了する。なお、カードが検出されなかったときには、検出されなかったという判断結果に基づく信号を遊技機2からサーバ1に送信する(ステップS96)。信号の内容としては、例えば、カードが検出されなかったときには「0」のデータを送信し、後述するようにカードが検出されたときには「1」のデータを送信するようにすればよい。
カードが挿入されたものと判断されたときには、その遊技機で遊技中である遊技者を特定するための処理に移行する(ステップS92)。
カードが挿入されている場合には、カードリーダ23がカードに記録された情報を読み込むこととなる。本実施形態では、カード挿入口に挿入されるカードは、遊技者を特定するために、その遊技者独自の認証番号データを保持しているものである。遊技機2のCPU33は、この認証番号データを基に当該遊技機2で遊技を行っている遊技者を特定することとなる。
遊技者を判断する処理が終了すると、CPU33は、直前の遊技者履歴を参照する処理に移行する(ステップS93)。
遊技機2のRAM37には、各遊技機で遊技した遊技者の情報が履歴として記録されている。CPU33は、RAM37に記録された遊技者履歴を参照し、カードが検出されたことを示す信号を受信する直前の遊技者の認証番号を参照する。
直前の遊技者履歴を参照する処理が終了すると、遊技者が変更されたか否かを判断する処理に移行する(ステップS94)。
CPU33は、先のステップで参照した直前の遊技者の認証番号データと、カード検出信号とともに遊技機2に設けられたカードリーダ23から送信されてきた遊技者の認証番号データとを比較し、両者が一致するか否かを判断する。両者が一致する場合には、同じ遊技者が単に認証カードを挿入し直しただけであるので、遊技者は変更されていないものと判断する。逆に、両者が異なる場合には、遊技者が変更されたものと判断することとなる。
遊技者が変更されていない場合には、そのまま遊技者の判断を行う処理を終了する。
遊技者が変更されたものと判断された場合には、直前の遊技者の累積投入数をリセットする処理が行われる(ステップS95)。
CPU33は、先のステップS93で参照したRAM37に記録された遊技者履歴において、直前の遊技者が消費したクレジットの累積投入数のデータをリセットする処理を行う。
このことは、遊技者ごとに還元を行うという本発明の内容を実現するためのものであり、他の遊技者が投入したクレジット数に加算する形でクレジットの累積投入数を増やしていくことはできないということを意味している。クレジットの累積投入数が上限に到達する前に遊技をやめて他の遊技機に移動した遊技者も、同様に、移動した先の遊技機ではクレジットの累積投入数が0に戻った状態から遊技を始めることになる。これにより、遊技者は、遊技機をむやみに変更することがなくなり、さらに累積投入数が上限に到達すれば還元が行われる可能性が高くなることを知っているので、安心して遊技を続行することができることになる。
直前の遊技者の累積投入数をリセットする処理が終了すると、遊技機2は、判断結果を送信する処理を行う(ステップS96)。
CPU33は、通信インターフェイス回路41、ネットワークNT、及びサーバ1の通信インターフェイス53を介して、サーバ1に対し、遊技者の情報を送信する。送信するデータとしては、上述したように「1」の値を付した遊技者の情報を送信すればよい。また、遊技機2では、RAM37に記録された過去の遊技者の履歴情報を新しい遊技者の情報に書き換えて記録する。
判断結果を送信する処理が終了すると、再び遊技者の判断を行う処理を繰り返すこととなる。
なお、本実施形態においては、遊技者を特定するものとして、遊技者の認証データが記録された認証カード又はIDカードのようなものを用いているが、本発明ではこれに限らず、遊技機2にセンサのようなものを設けて人体を検知するようにしてもよいし、遊技者が遊技を行うときに腰掛ける椅子に体重計としての機能を付け、遊技者の体重を量って記録することにより遊技者を特定するようにしてもよいものとする。
遊技者を判断する処理が終了すると、遊技機2は、還元を行う際に基準となる上限値の設定を行う(ステップS21)。
上限値とは、例えばスロット遊技機で遊技を行うときに用いられる、遊技媒体であるメダル等の枚数のことをいうものであり、ある遊技者が使用したメダルの枚数がその値に達したときには、スロット遊技機から当該ある遊技者に対して還元が行われ得るものである。
上限値の設定には、様々な態様が考えられる。例えば、予め設定された上限値を用いる場合もあれば、遊技機の所有者等が設定する場合、又は、遊技状態に応じて適宜自動的に変更される場合等が挙げられる。ただし、このように様々な態様を採りうる上限値の設定処理は、いずれも遊技機2において遊技を行う遊技者が変更された場合に行われるものであり、先のステップS21で遊技者が変更されたか否かの結果を必ず参照してから行われるものとする。遊技者が変更されたか否かの判断結果は、サーバ1からデータとして遊技機2に送信されてくるものであり、遊技者が変更されている場合には「1」の値を付したものが、変更されていない場合には「0」の値を付したものが送信されてくることになる。
ここでは、上述の様々な態様のうちの一つである、予め設定された上限値を用いる場合について説明する。
予め設定された上限値は、RAM37に記憶されているものであり、CPU33は、RAM37からその上限値データを読み出し、上限値の設定を終了することとなる。
なお、予め設定された上限値を用いずに上限値の設定を行う場合については、後述することとする。
上限値を設定する処理が終了すると、CPU33は、図5に示されたステップS11の処理結果に基づいて、遊技者が投入した遊技媒体であるメダルの枚数を加算する処理、及び上限を報知する処理に移行する(ステップS22)。
まず、投入数を加算する処理について説明する。
前述した投入口15から投入されたメダルは、遊技機2の内部に設置されたメダル検知センサ(図示せず)により、その枚数が計数されることとなる。計数された枚数のデータは現在投入メダルデータとして過去に投入したメダルのデータである累積投入数データに加算して記憶される。なお、ここではクレジットの累積消費量をメダルの累積投入数と表現している。
累積投入数データはRAM37に記録されているデータである。CPU33は、RAM37から過去投入メダルデータを読み出し、当該累積投入数データにメダル検知センサで計数された現在投入メダルデータを加算し、更新された累積投入数データとしてRAM37に記録することとなる。
なお、先に遊技者を判断する処理(ステップS20)で述べたように、この累積投入数データは、遊技者が変更された場合にはリセットされるものである。
次に、上限報知処理について説明する。
上限の報知とは、遊技者に対して、その遊技機があとどの程度で上限に到達するかを報知することをさすものである。報知の具体的な内容としては、設定された上限の値及び現在の累積投入数、又は上限の値に対する累積投入数の割合(すなわち、上限に対する到達度を百分率で表現したもの)等が考えられる。
この報知により、遊技者は、あとどの程度遊技を行えば還元が行われるのかを把握できるため、安心して遊技を行うことができる。従って、常に上限の報知を行っていることが好適であると考えることができる。しかし、反面、上限まで遠ければそこで遊技をやめてしまう可能性もある。従って、上限を報知するのか否かを、遊技者の遊技状態によって判断する必要があると考えることもできる。
以上より、上限の報知に関しては2つの態様が考えられる。一つは常に報知を行うか、若しくは常に報知を行わないという態様であり、もう一つは報知を行うか行わないかを遊技状態によって判断する態様である。
ここでは、前者のうち、常に報知を行う態様を採るものとし、後者の態様については後に説明することとする。
投入したメダル数を加算する処理、及び上限の報知を判断する処理が終了すると、累積投入数が上限に到達したか否かを判断する処理が行われる(ステップS23)。
上限に到達したか否かの判断は、先のステップS22でRAM37に記録された累積投入数データと、先のステップS21で設定された上限値を比較することによって行われる。CPU33は、RAM37に記憶された上記2つのデータの値を比較し、遊技者が遊技機に投入したメダルの枚数が設定された上限に到達したか否かを判断することとなる。
累積投入数データが上限に到達していないものと判断された場合には、ステップS22に戻って、引き続き遊技者が遊技機に投入するメダルの枚数を加算する処理を行うこととなる。
累積投入数データが上限に到達しているものと判断された場合には、上限到達結果をサーバに送信する処理に移行する(ステップS24)。
遊技機2のCPU33は、累積投入数データが上限に到達したことを示す信号、先のステップS21で設定された上限値のデータ、及び後述する還元率のデータを、遊技機2の通信インターフェイス回路41を介してサーバ1に送信する。
上限に到達したことを示す信号は、例えば「1」という数値で表現されるものである。また、累積投入数データが上限に到達したことを示す信号には、遊技機2を指定する信号、すなわちサーバ1が管理する複数の遊技機のうち、どの遊技機に相当するのかを示すデータが付されることとなる。例えば、遊技機2が、サーバ1の管理する複数の遊技機の中で「123番」という識別番号を付されている場合には、上限に到達したことを示す信号である「1」を各遊技機の識別番号に続けて表現するようにして、例えば、「123−1」のような信号をサーバに1に送信することとなる。
上限値のデータは、上述したように、RAM37に記録されているものである。上限値は、当該遊技者に還元を行うこととなった場合に、還元するメダル数を決定するために用いるデータである。還元するメダル数とは、後述する還元率を上限値に乗じて算出されるものである。
また、遊技機2のRAM37には、上限に達したときに当該遊技機の上限値に対してどの程度の割合で還元を行っていくかを決定する還元率のデータが記録されている。この還元率のデータも、遊技機2からサーバ1に送信されることとなる。
ここで、還元率は予め設定された数値を用いるのが通常であるが、この還元率を様々な態様で変化させることも可能であり、それによりゲーム性をより高めることもできる。
サーバに対して、累積投入数データが上限に到達したことを示す信号を送信する処理が終了すると、遊技機2は、還元指令の待ち受けをする状態に移行する(ステップS25)。
還元指令とは、サーバ1から累積投入数データが上限に到達した遊技機2に対して送信される信号のことで、還元のタイミング等を制御するためのものである。遊技機2は還元指令を待ち受けている間にも、遊技者が遊技可能な状態となっている。
還元指令を待ち受ける状態になると、次に報知を行うか否かの判断をする処理に移行する(ステップS26)。
ここで、報知とは、遊技機2の遊技者に対して、これから還元が行われることを知らせることを指すものである。また、報知の判断をする処理とは、報知を行うか否かを判断する処理をさすものである。
報知を行うか否かは、CPU33がRAM37のデータを参照することにより判断する(ステップ27)。RAM37には、報知を行うか否かのデータが記録されており、報知を行う場合には「1」というデータが与えられており、報知を行わない場合には「0」というデータが与えられている。これらのデータは、予め設定されているようにしてもよいし、遊技機の所有者等が適宜設定することにしてもよい。
RAM37に記録されているデータが「1」であった場合、CPU33は遊技者に対して、当該遊技者が遊技している遊技機の投入累積メダル数が上限に到達し、そろそろ還元が行われることの報知をする(ステップS28)。報知は、遊技機2に内蔵された照明等を用いて行ってもよいし、遊技機2に報知を行うための表示部を設け、表示部から遊技者に対して報知してもよい。また、遊技機2に一体に設けられた報知手段でなくても、遊技者が今から還元が行われることを知ることができるようなものであればよいものとする。
報知を行う処理が終了したとき、又は報知を行わないものとの判断が終了したときには、次に、還元指令を受信したか否かを判断する処理に移行する(ステップS29)。
還元指令は、上述したステップS25において、遊技機2がサーバ1から送信されるのを待ち受けていたものである。この還元指令は、遊技機2が上限に到達した場合には必ず還元が行われるような態様をとる遊技機はもちろん、上限に到達しても還元が必ず行われるとは限らないような態様をとる遊技機に対しても、サーバ1から必ず送信されるものである。
サーバ1は後述する通信インターフェイス53を介して、所定のタイミングで還元指令である信号を遊技機2に送信する。遊技機2では、通信インターフェイス回路41を介して還元に関する信号を受信し、入出力バス32を通じてCPU33が当該還元指令を受信する。還元指令を受信できなかった場合には、ステップS25に戻り、再び還元指令を待ち受けることとなる。
還元指令を受信する処理が終了すると、次に、還元処理を行うこととなる(ステップS30)。
還元処理は、先のステップS29でサーバ1から送信された還元指令に基づいて行われるものであり、当該還元指令のうち遊技機2に対してどの程度の還元を行うかを示すデータを受けて、CPU33が還元を行う。
上述したように、投入メダル数が上限に到達すれば必ず還元が行われる態様のときには、主にRAM37に記録された上限のデータと還元率のデータに基づいて算出された枚数のメダルを還元することとなる。また、投入メダル数が上限に到達しても必ず還元が行われるとは限らない態様の場合は、還元を行わないこととなったときに、必要に応じてRAM37に記録された投入数データをリセットするような処理を行うこともある。投入数データのリセットはCPU33の指示を受けたROM36に格納されたプログラムにより行われる。
還元を行う処理が終了すると、再び上限値の設定をする処理(ステップS21)に戻って、上述したような処理を繰り返し行うこととなる。
〈サーバの構成〉
次に、上述したサーバ1の構成について、図8を参照しながら説明する。
図8はサーバ1の構成を示すブロック図である。この図8に示されるように、サーバ1は、データバスBUSに接続されたCPU51、メモリ52、通信インターフェイス53及びデータベース54を有し、CPU51はメモリ52に格納されているプログラムに従って種々の処理を実行するようになされている。
すなわち、CPU51は通信インターフェイス53によって接続された回線を介して、遊技機2から送信されるデータを受け取り、これをメモリ52に格納する。これらのデータは、例えばサーバ1が管理する複数の遊技機の上限のデータ、還元率のデータ等であり、サーバ1に管理される各遊技機から送信される情報である。
CPU51は、データベース54に格納されているプログラムをメモリ52に読み出しこのプログラムに従って、当該メモリ52に格納された各遊技機から送信される情報に基づいてプログラムを進行させる。このプログラムの進行結果は、データベース54に格納される。
〈サーバの動作〉
次に、上述のような構成を採るサーバ1について、その各部の動作を説明することとする。
図9は、上述したような還元を各遊技機に対して行う為の準備としてサーバ1の各部がどのような動作を行うか、その流れの一例を示すフローチャートである。因みに、この動作はサーバ1において常時繰り返されているものとする。
図9に示されるように、サーバ1は、管理している遊技機2が上限に到達したときに還元を行う為の準備として、常時、各遊技機2に投入された(ステップS11)遊技媒体であるメダルの一部を保留している。
サーバ1では、各遊技機2から遊技媒体の投入結果を待ち受ける状態にある(ステップS41)。
遊技者が各遊技機において用いる遊技媒体としては、一般的に用いられるメダル、賞球、コイン又は紙幣のような形のある有体物が考えられるが、データとして数値等で表現されるものであれば、無体物であっても遊技媒体として考えられるものとする。ここでいう「投入」とは、遊技媒体の形態によらず、遊技者が遊技のために用いる意思をもって、遊技媒体を遊技機に認識させる行為をいうものとする。従って、メダル等のように、投入口15から投入され、遊技機2の内部に設置されたメダル検知センサ(図示せず)に検知されたものばかりでなく、遊技者により遊技に用いることを決定づけられた数値データのようなものも待ち受けの対象となっている。
サーバ1が遊技媒体の投入を待ち受けている状態においては、所定のタイミングで遊技媒体の投入データを受信したか否かの判断が行われている(ステップS42)。
本実施形態においては遊技媒体としてメダルを用いており、各遊技機では、遊技者が投入口15からメダルを投入しながら遊技を継続している。遊技者が投入口15から投入したメダルは、遊技機の内部に設置されたメダル検知センサ(図示せず)によりその枚数が検知され、データとして数値化され、遊技機2のRAM37に累積投入数のデータとして記録されている。この累積投入数のデータは、所定のタイミングで通信インターフェイス回路41を介してサーバ1に送信されてくるものである。
サーバ1では、この累積投入数データをサーバ1の通信インターフェイス53を介して受信し、CPU51の指示に基づいて当該データをメモリ52に適宜記録(保留)していくこととなる。
なお、ステップS42の判断において、サーバ1が投入データを受信していなかったときには、再度ステップS41に戻って処理を行うこととなる。
投入データの受信を判断する処理が終了すると、次に、サーバ1は、投入数の所定率を保留する処理に移行する(ステップS43)。
サーバ1では、上述したように、サーバ1が管理する各遊技機で遊技を行う遊技者に還元するための遊技媒体を、予め保留していることとなる。保留する量は、サーバにより異なるものであり、先のステップS42でサーバ1が受信した各遊技機の累積投入数データに対し、予め決定された所定の率(還元率)を乗じることによりその量を決定するものである。
保留を行う処理においては、サーバは、CPU51で算出された保留量の数値データを通信インターフェイス53を介して遊技機2に送信することとなる。遊技機2側では、受信した数値データに基づいて、CPU33が、累積投入数データの一部に相当する数値データを保留データとしてRAM37に記録しておくこととなる。
保留を行う処理が終了すると、サーバ1は、再び各遊技機からの投入データを待ち受ける状態(ステップS41)に戻り、上述したような処理を繰り返していくこととなる。
次に、管理する遊技機2に対して還元を行うときのサーバの動作について説明する。
図10は、サーバ1が還元を行うときの動作の流れを示すフローチャートである。この動作は、常時繰り返されているものとする。サーバ1では、まず、還元対象を抽選する処理を行う(ステップS51)。
還元対象の抽選は、主に、上限に到達した遊技機に対して必ず還元が行われるとは限らないような態様を採る場合に行われるものであり、抽選の内容としては、例えば、「今からN番目に上限に到達した遊技機に還元を行う」とか、「遊技機に付された番号の末尾が○○番に該当するものに還元を行う」とかいうようなものが挙げられる。上限に到達した遊技機に対して必ず還元が行われる態様を採る場合には、この抽選からは、例えば、「今から1番目に上限に到達した遊技機に還元を行う」とか、「遊技機に付された番号の末尾が0番、1番、…、9番(全ての遊技機の番号が指定されることとなる)に該当するものに還元を行う」といったような結果が得られることとなる。
これらの抽選結果は、CPU51の指示に基づいて、メモリ52に記録されることとなる。
還元対象の抽選を行う処理が終了すると、次に、サーバ1は、各遊技機2から上限到達結果が送信されるのを待ち受ける状態になる(ステップS52)。
上限到達結果とは、上述したように、遊技機2に投入された遊技媒体が予め設定された量に到達したことを示すもので、遊技機2において到達したか否かの判断が行われ、到達した場合にはサーバにその結果が送信されてくるものである。サーバ1では、通信インターフェイス53を介してその結果を受信するのを待ち受けることとなる。
サーバ1が上限到達結果を待ち受けている状態にあるときには、所定のタイミングで上限到達結果を受信したか否かを判断する処理を行うこととなる(ステップS53)。
この判断は、CPU51が行うものであり、上限到達結果を受信したものと判断されたときには次の処理に移行することとなる。逆に、上限到達結果を受信していないものと判断されたときには、サーバ1は再び上限到達結果を待ち受ける状態に移行し(ステップS52)、所定のタイミングで受信したか否かを判断する処理を繰り返すこととなる。
上限到達結果を受信したものと判断された場合には、当該上限到達結果を送信した遊技機2が還元対象であるか否かを判断する処理が行われる(ステップS54)。
還元対象であるか否かは、上述したステップS51で行われた抽選により定められたデータに基づいて行われるものであり、CPU51がメモリ52に記録されたデータを参照して、上限到達結果に付されているデータと比較してなされるものである。
例えば、上述した例で「遊技機に付された番号の末尾が○○番に該当するものに還元を行う」という抽選結果が出ている場合には、CPU51は、当該抽選結果に付されている遊技機の識別番号のデータを読み出し、その番号の末尾が○○番に該当するか否かを判断するのである。
なお、上限に到達した場合には必ず還元が行われるような態様のときには、還元対象であるか否かの判断においては、必ず肯定の結果が出されることとなる。
還元対象でないものと判断された場合には、後述する還元制御信号を送信する処理において、還元を行わないことを示す信号が送信されることとなる。この信号は、CPU51の指示を受けて、通信インターフェイス53を介して遊技機2に送信されることとなる。
還元対象であるか否かを判断する処理において、肯定の結果が得られた場合には、サーバ1は、還元のタイミングを判断する処理に移行する(ステップS55)。
還元のタイミングには、様々な態様が考えられ、例えば、上限に到達し還元対象に該当する遊技機に対しては、サーバにおける全ての処理が終了した直後に強制的に還元を行うようにするようなことも考えられるし、また、サーバにおける全ての処理が終了した後に所定時間が経過した後、若しくは所定の遊技を行った後に還元を行うようにするようなことも考えられる。
還元のタイミングを判断する処理は、これらのどのタイミングで還元を行うかを判断するものであるが、還元のタイミングを単一に予め決めている場合には、そのタイミングを用いるものとする。
還元のタイミングを判断する処理が終了すると、還元のタイミングになっているか否かを判断する処理に移行する(ステップS56)。
還元のタイミングとは、先のステップS55で定めたものであるが、当該ステップで定めたタイミングについては、サーバ1のメモリ52に記録されている。この記録は、例えば、「上限に到達してから何分後」というように時間的なタイミングを与えた場合には、サーバ1に設けられたタイマ(図示せず)で時間を計ってそのタイミングを待つこととなる。また、例えば、「上限に到達してから遊技者が20回遊技を行った後」というように遊技者の遊技状況に応じたタイミングを与えた場合には、遊技機2に設けられた各種センサを用いて、所定の条件を満たしたときにサーバ1に遊技機2のCPU33から信号を送信して知らせるようにすることとなる。
サーバ1では、還元のタイミングになった後に還元に関する処理を開始するため、このタイミングになっていないものと判断された場合には、再びステップS55に戻り、以後の処理を繰り返すこととなる。
サーバ1が還元のタイミングになったものと判断したときには、先のステップS43で保留した遊技媒体の量(数)等を参照した還元数を決定する処理を行う(ステップS57)。
遊技機2に還元される量は先のステップS43(図9)で保留した遊技媒体により賄われるものである。通常、上限に到達したら予め定められた還元率を上限に乗じたものを還元することになっている。この場合、原則として、サーバ1は遊技機2から送信された上限到達結果に含まれている上限を表すデータ及び還元率を表すデータを基に還元数を算出する。また、これに対し、先の還元タイミングの抽選で、上限に到達してから還元を行うまでの時間が長期に及ぶこととなった場合、遊技者はその間にも遊技を行って還元を待つこととなるため、その間に消費したクレジット数に応じて、より多くの還元を行うことも考えられる。このような態様を採る場合にも、このステップS57のサブルーチンで、サーバ1が、上限到達後に消費されたクレジット数を考慮して、上記還元数に上乗せしたり、還元率を少し高めるようにしている。
なお、より高いゲーム性を演出するために、上限の値に応じて還元率を変化させるようにすることも考えられる。この場合には、予め定められた還元率を用いるのではなく、各遊技機を一括管理するサーバ1で抽選を行い、適宜還元率を変化させることとなる。
還元率を変化させてより高いゲーム性を演出する態様については、後述することとする。
還元数を決定する処理が終了すると、サーバ1は、遊技機に対して還元制御信号を送信する処理に移行する(ステップS58)。
ここでサーバ1から各遊技機2に送信される還元制御信号は、先の還元対象であるか否かを判断するステップ(ステップS54)での判断結果に応じて2種類に分かれることとなる。還元対象で有るか否かを判断するステップ(ステップS54)で、還元対象であるものと判断された遊技機に対しては、還元制御信号の一部に還元対象であることを示すデータである「1」の値を与えるようにし、還元対象でないものと判断された遊技機に対しては、還元制御信号の一部に還元対象でないことを示すデータである「0」の値を与えるようにする。なお、上限に到達した遊技機には必ず還元が行われるような態様を採る場合には、上述した還元制御信号の値は全て「1」に設定するようにすればよい。
還元制御信号には、どの程度の還元を行うかというデータも含まれており、これらの全てのデータが、サーバ1のCPU31の指示を受けて、通信インターフェイス33を介して送信される。
還元制御信号を送信する処理が終了すると、サーバ1は、保留数を減算する処理に移行する(ステップS59)。
保留数とは、先に説明した図9に記載したステップS43でサーバ1のメモリ52に保留された遊技媒体の数のことをさすものである。各遊技機への還元は、この保留された遊技媒体を用いて行われるものであるため、還元が終了した後には、還元した量に相当する遊技媒体の数のデータを減算しておく必要があるのである。
保留数を減算する処理は、CPU31が行うものであり、減算により更新されたデータは、メモリ52に新たに記録されることとなる。
なお、遊技機に還元する量が遊技状態に応じて変動する場合には、遊技機2での還元が終了した後に、遊技機2のCPU33が遊技者に還元した量を示すデータをサーバ1に送信し、それを受信した後に減算処理に移行してもよい。
保留数を減算する処理が終了すると、サーバ1はステップ51に戻り、還元対象の抽選以降の処理を再び行うこととなる。
以上、本発明のクレジット還元システムにおける遊技機及びサーバの構成及び動作についての概要を説明した。
以下、上述した説明の中で出てきた各種の設定処理、又は判定処理の内容について説明する。
〈上限を設定する処理〉
まず、図6のステップS21の上限を設定する処理について説明する。
上限の設定には、予め定められた上限値を用いる方法と、サーバ等で抽選により決定された上限値を用いる方法が考えられるが、先の説明で予め定められた上限値を用いる方法については説明したので、ここでは、抽選により決定された上限値を用いる方法について説明する。
図11は、上限値の設定をするときのサーバ1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは先の図6で示したステップS21のサブルーチンに相当するものである。
サーバ1では、まず、当該サーバが管理する各遊技機の遊技番号を待ち受ける状態になる(ステップS60)。
サーバ1は、上述したように、複数の遊技機からなる遊技機群を管理するものであるため、まず、サーバ1が管理する複数の遊技機のうちどの遊技機が上限値を設定しようとしているのかを特定する必要がある。上限値の設定を行おうとする遊技機2は、CPU33の指示により、通信インターフェイス回路41、ネットワークNT、及びサーバ1の通信インターフェイス53を介して、遊技機2に付された遊技機番号をサーバ1に送信するようになっている。
なお、ここで上限値を設定しようとしている遊技機とは、上述した遊技者の判断を行う処理(図6のステップS20)で、遊技者が変更されたものと判断された遊技機、又は前回設定された上限に到達した遊技機のことであり、遊技機2の遊技機番号のデータは、遊技者が変更されたことを示す信号、及び遊技者の情報のデータとともに、送信されるものである。すなわち、上限値の設定は、遊技者が変更されたとき、又は前回設定された上限に到達した遊技機に対して行われるものである。
サーバ1が、各遊技機の遊技機番号を待ち受ける状態になると、サーバ1のCPU51が遊技機番号を受信したか否かの判断を行う(ステップS61)。
遊技機番号を受信していないと判断された場合には、再びステップS60に戻り、遊技機番号待ち受ける状態となる。
遊技機番号を受信したものと判断すると、サーバ1は、遊技履歴を参照する処理に移行する(ステップS62)。
上述したように、図11は、繰り返し処理を行う図6のフローチャートのステップS21のサブルーチンに相当するので、遊技機2が初めてステップS21の処理を行う場合もあれば、一通り還元処理(ステップS30)まで行った後にステップS21に移行してきている場合もある。
遊技履歴を参照するのは、この遊技機2がどのような処理を経て上限値の設定処理(ステップS21)に移行してきているのかを知るためであるのと同時に、後述するように、還元後に上限の設定を行う態様も考えられるため、未だ遊技機2が到達していない上限値を二重に変更してしまうことを防ぐためでもある。
遊技履歴は、後述する図16のようなものであり、サーバ1のデータベース54に格納されているものであり、サーバ1のCPU51がその処理を行うものである。この遊技履歴には、今までに設定された上限値や還元が行われたか否かを示すデータ等が記録されている。
遊技履歴を参照すると、サーバ1のCPU51は、前回上限に到達した際に、当該遊技機2に対して還元が行われたか否かを判断する処理に移行する(ステップS63)。
還元履歴の「還元の有無」の欄には、上限到達後に還元が行われたか否かを示すデータが記録されており、還元が行われたときには「1」のデータが、還元が行われなかったときには「0」のデータがこの欄に与えられている。
前回の上限到達後に還元が行われている場合には、その後、新たな上限値を設定しているものと判断して、上限値を設定する処理を終了する。
前回の上限到達後に還元が行われていないものと判断した場合には、上限値を抽選する処理に移行する(ステップS64)。
上限値の抽選は、メモリ52に記録された、上限値を抽選するためのプログラムを用いて、CPU51が行うものである。抽選は適当な範囲の数値、例えば1から200の数値の中からランダムに選択するようにして行われる。この数値は、図16の例からも分かるように、千円を単位とする数値であり、例えば抽選により10が選択された場合には、上限は1万円となる。
なお、上限値は金額のみで与えられるものではなく、例えば遊技媒体として想定されるメダルの枚数や、遊技時間、遊技数等で与えられてもよいものとする。
上限値の抽選を行う処理が終了すると、サーバ1は、上限値を抽選結果に変更する処理を行う(ステップS65)。
上限値の変更は、CPU51が行うものであり、新たな上限値をデータベース54の遊技履歴の「上限」の欄に記録することにより行われる。また、この上限値は、遊技機2にも送信されることとなる。
上限値の設定は、所定の還元が行われた後になされる場合も考えられる。
以下、還元後に上限値を設定する処理について説明する。
図12は、先に示した図6のステップS30のサブルーチンに相当するものである。すなわち、還元後の上限値の設定は、還元処理としてステップS30の処理に含まれるものとする。
図12の還元処理において、サーバ1は、まず、当該遊技機に還元があったか否かを判断する(ステップS70)。
還元の有無は、先に説明した還元履歴に記録されているものであり、還元履歴の「還元の有無」の欄に「1」のデータが与えられていれば還元が行われたことを示しており、「0」のデータが与えられていれば還元は行われなかったことを示している。また、この判断は、サーバ1のCPU51が行う。
還元が行われなかったものと判断された場合には、図6の上限値の設定(ステップS21)において、図11に示すサブルーチンに基づいて上限値の設定が行われることとなるので、そのまま処理を終了する。
還元が行われたものと判断された場合には、上限値を抽選する処理に移行する(ステップS71)。
上限値の抽選は、メモリ52に記録された、上限値を抽選するためのプログラムを用いて、CPU51が行う。抽選は、上述のように、適当な範囲の数値の中からランダムに選択するようにして行われる。
上限値の抽選を行う処理が終了すると、サーバ1は、上限値を抽選結果に変更する処理を行う(ステップS72)。
上限値の変更は、CPU51が行うものであり、新たな上限値をデータベース54の遊技履歴の「上限」の欄に記録することにより行われる。また、この上限値は、遊技機2にも送信されることとなる。
以上により、還元後に上限値の設定を行う処理が終了する。
さらに、上限値の設定は、遊技者が有利な状態に移行した後、すなわち大当たりを獲得した後にも行われる。以下、大当たり後に上限値の設定をする処理について説明する。
図13は、大当たり後に上限値の設定をする処理において、サーバ1の動作を示すフローチャートである。なお、図13の一連の処理は、先の図5に示す内部抽選処理(ステップS13)のサブルーチンである。なお、図13では、説明の便宜上、内部抽選処理開始(ステップS80)から図示しているが、この内部抽選処理は、各遊技機で行われるものとする。従って、ステップS81以降が、サーバ1の動作を示すものである。
サーバ1では、内部抽選処理の開始に伴って、内部抽選結果を待ち受ける状態となる(ステップS81)。
内部抽選結果が各遊技機から送信されてくると、サーバ1のCPU51は、その結果が大当たりであるか否かを判断する処理に移行する(ステップS82)。
内部抽選処理の結果、大当たりでないものと判断された場合には、そのままこの処理を終了することとなる。
大当たりであるものと判断された場合には、サーバ1は、上限値の抽選を行う処理に移行する(ステップS83)。
上限値の抽選は、メモリ52に記録された、上限値を抽選するためのプログラムを用いて、CPU51が行う。抽選は、上述したものと同様に、適当な範囲の数値の中からランダムに選択するようにして行われる。
上限値の抽選を行う処理が終了すると、サーバ1は、上限値を抽選結果に変更する処理を行う(ステップS84)。
上限値の変更は、CPU51が行うものであり、新たな上限値をデータベース54の遊技履歴の「上限」の欄に記録することにより行われる。また、この上限値は、遊技機2にも送信されることとなる。
以上により、大当たり後に上限値の設定を行う処理が終了する。
このように、還元を行うための基準となる上限の値を適宜変化させることにより、遊技者にとって、より高いゲーム性を演出する遊技機を提供することができる。また、上限値がどの程度であるかを報知する態様を採る遊技機の場合には、次の上限値が明確に表示されることにより、遊技者が安心して遊技を行うことができる可能性が生じる。さらに、次の上限値が高く設定された場合には、遊技者は、遊技を続けるか否かの判断を行うことができることになる。
〈報知の判断処理〉
次に、図6のステップS26の報知を判断する処理について説明する。
なお、ここでいう報知とは、遊技機2に投入された遊技媒体、例えばメダルの枚数が上限に到達したこと、又は上限に到達するまであとどのぐらいメダルを投入すればよいか(つまり、上限に到達するまでのギャップ)を、遊技者に対して知らせることである。
この、報知の方法としては、遊技機2の前面パネル4に設置されたデジタル式の得点表示器19を用いて、上限の値に到達するまでに必要な量を表示すればよい。例えば、上限値がメダルの枚数により与えられているとき、上限に到達するまでのギャップを表示する場合には上限に到達するまでの残りのメダルの枚数を、上限に到達したことを表示するためには得点表示器19の表示を点滅させるなどして、遊技者に報知するようにすればよい。また、本実施形態ではデジタル式の得点表示器を用いたが、本発明はこれに限らず、前面パネル4に別途液晶画面等を設けて、その画面を用いて表示をするようにしてもよい。液晶画面を設ける場合には、上限に到達したことを表示するときに、より効果的な演出、例えば、キャラクタ等を画面内に登場させて、その表情を変える等の演出を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、以下に示すように、上限に到達するまでの残りのメダルの枚数を表示するものとして説明するが、本発明においてはこれに限らず、上限とクレジットの累積消費量とのギャップを明示できるものであれば、他の態様で表示を行うものでもよい。他の態様としては、例えば、所定の上限の値とクレジットの累積消費量の双方を表示する方法、又は上限とのギャップを所定の上限に対するクレジットの累積消費量の占める割合(すなわち、累積消費量の到達度を百分率で表示したもの)を表示する方法等が挙げられる。
図14は、サーバ1が遊技機2に設けられた表示部に報知をいつ表示するか、いつ表示しないかを判断する際の動作の流れを示すフローチャートである。
サーバ1は、遊技機2に上述したような内容の報知を行うか否かを判断する判断材料として、その報知を行おうとする遊技機が遊技中であるか否かを基準としている。つまり、遊技中でない遊技機に対して、その遊技機が上限に到達するまでにかなりのギャップがあることを報知してしまうと、その遊技機で遊技を行おうとした遊技者がその報知を見て止めてしまう可能性が高くなることとなる。このような事態を防ぎ、より高いゲーム性を演出することが報知の表示、非表示を切り替える目的である。
まず、サーバ1は、遊技状態を判断する処理から始めることとなる(ステップS100)。
遊技状態の判断は、遊技機2に設けられたカード挿入口22にカードが挿入されているか否かを検出することで行われるものである。カードは、上述したように、遊技者の個人情報を記録した認証カードであってもよいし、単に遊技する前に一定量の遊技媒体を購入しておくためのプリペイドカードのようなものでもよい。本実施形態では、前者の認証カードを用いた場合を想定して、サーバ1の動作を説明する。
遊技機2の内部にはカードリーダ23が取り付けられており、上述したように、カードが挿入されていることを検出することができるようになっている。具体的には、カードリーダがカードを検出した場合には遊技中であるものと、カードリーダがカードを検出しないときには遊技中でないものと判断するようなプログラムがROM36に記憶されており、CPU33の指示を受け、このプログラムが作動するようになっている。
このようにして、カードリーダ23を用いて遊技機2が遊技中であるか否かを判断する(ステップS101)。上述したように、遊技中である場合にはカードが検出され、遊技中でない場合にはカードは検出されないこととなる。カードの検出は遊技機2のCPU33が行い、カードの検出結果は、その検出信号を通信インターフェイス回路41、ネットワークNT及びサーバ1の通信インターフェイス53を介してサーバ1に送信することになる。検出信号としては、カードが検出されたときには「1」の値をデータとして送信し、カードが検出されないときには「0」の値をデータとして送信することとすればよい。
カードを検出する処理が終了すると、遊技者の情報を読み取り、遊技媒体の投入数を加算する処理に移行する(ステップS102)。
遊技媒体であるメダルの枚数は、上述したように、上限値を表示するか否かの判断基準となる。メダルの投入は、遊技機2のメダル投入口15の近傍に設けられたメダル検出用のセンサにより検出され、CPU33の指示に従って、検出された投入枚数をRAM37に記録していく。RAM37には、過去の投入枚数が記録されており、CPU33はこの投入枚数データを読み出し、新たに投入された投入枚数を加算して、上記データを更新したものをRAM37に記録するのである。RAM37に記録された累積投入数のデータは、所定のタイミングで通信インターフェイス回路41、ネットワークNT、及びサーバ1の通信インターフェイス53を介してサーバ1に送信されてくる。送信されてきたデータは、CPU51の指示に基づいて、メモリ52に記録されるようになっている。
遊技機2のCPU33が遊技媒体の投入数を加算する処理を行い、その累積投入数を表すデータをサーバ1が受信したすると、サーバ1では、累積投入数が上限値の60%以上に到達したか否かの判断を行う処理に移行する(ステップS103)。
上限値の60%以上というのは、後述するように、遊技機2が上限に到達するまでのギャップを遊技機2の表示部19に表示するための基準となる量である。なお、60%という数字は、一つの例として本実施形態において採用したものであって、特にこの数値に限定するものではないが、上限の少なくとも半分を超えた辺りを基準とするのが、遊技者の心理的な盛り上がりを考えた上でも好適であると思われる。
累積投入数が上限値の60%以上に到達したか否かは、遊技機2のCPU33が判断するものである。この判断により、累積投入数が上限値の60%以上に到達していないものと判断された場合には、遊技機2は再びステップS102に戻り、投入された遊技媒体(本実施形態においてはメダルに相当)の数を加算する処理を行うこととなる。
累積投入数が上限値の60%以上に到達したものと判断された場合には、遊技機2は上限の残りを表示する処理に移行する(ステップS104)。
上限の残りとは、先のステップS21(図6参照)で設定した上限値に到達するまでにあとどの程度の量のメダルを投入すればよいかをさすものである。上限の残りを表示する処理は、CPU33の指示を受けてROM36に記憶されたプログラムが行うものであり、上限の残りを算出し(上限値から累積投入数を引いたもの)、その数値を遊技機2に設けられた表示部19に表示させる処理をさすものである。
このような処理を行うことにより、遊技機2で遊技を行う遊技者は、遊技を始めて所定の状態に到達するまで、自分が遊技している遊技機2が上限に到達するまでのギャップについて知ることができないこととなる。これにより、遊技者は期待感を保ちながら遊技を行い続けることができるようになるため、ゲーム性の高い遊技機を提供することができる可能性が生じることとなる。
上限の残りを表示する処理が終了すると、遊技機2は、さらにその後の投入数を加算する処理に移行する(ステップS105)。
遊技媒体であるメダルの枚数は、上述したように、上限値を表示するか否かの判断基準となるものであり、メダルの投入は、遊技機2のメダル投入口15の近傍に設けられたメダル検出用のセンサにより検出され、その枚数に関するデータは、CPU33の指示に従って、RAM37に記録されていく。CPU33はRAM37に記録された過去の投入枚数データを読み出し、新たに投入された投入枚数を加算して、上記データを更新したものをRAM37に記録する。RAM37に記録された累積投入数のデータは、上述したように、所定のタイミングで通信インターフェイス回路41、ネットワークNT、及びサーバ1の通信インターフェイス53を介してサーバ1に送信される。送信されたデータは、CPU51の指示に基づいて、メモリ52に記録される。
遊技機2のCPU33が遊技媒体の投入数を加算する処理を行い、その累積投入数のデータをサーバ1が受信したとすると、サーバ1では、累積投入数が上限値の80%以上に到達したか否かの判断を行う処理に移行する(ステップS106)。
上限値の80%以上というのは、先のステップS104で遊技機2の表示部19に表示した、遊技機2が上限に到達するまでのギャップの表示を、非表示に切り替えるための基準となる量である。なお、80%という数字は、一つの例として本実施形態において採用したものであって、特にこの数値に限定するものではないが、上限に到達するまでに残り少しの辺りを基準とするのが、遊技者の心理的な盛り上がりを考えた上でも好適であると思われる。
累積投入数が上限値の80%以上に到達したか否かは、遊技機2のCPU33が判断するものである。この判断により、累積投入数が上限値の80%以上に到達していないものと判断された場合には、遊技機2は再びステップS105に戻り、投入された遊技媒体(本実施形態においてはメダルに相当)の数を加算する処理を行うこととなる。
累積投入数が上限値の80%以上に到達したものと判断された場合には、遊技機2は、上限の残りを非表示する処理に移行する(ステップS107)。
上限の残りを非表示にする処理は、CPU33の指示を受けてROM36に記憶されたプログラムが行うものであり、その数値を遊技機2に設けられた表示部19に表示されている上限までのギャップの表示を非表示の状態に移行させる処理をさすものである。
なお、先のステップS101において、カードが検出されなかった場合には、上限値を非表示にする処理に移行する(ステップS108)。
このような処理を行うことにより、遊技機2で遊技を行うものがいない状態のときには、遊技機2が上限に到達するまでのギャップについての情報が表示されない状態に移行することとなる。これにより、次に遊技機2で遊技を行おうとする者が、遊技機2に表示された上限の値を見て、遊技機を選択することを防止することができる。
なお、本実施形態においては認証カードを用いて遊技機2が遊技中であるか否かを判断しているが、本発明ではこれに限らず、前述したプリペイドカードを用いてもよい。この場合には、プリペイドカードに認証番号データを記録するようにしておけば好適である。認証番号データが記録されていないプリペイドカードを用いる場合には、遊技者の判別は不可能であるが、カードリーダ23の検出信号を受けて遊技機2が遊技中でない場合には非表示状態に移行し、遊技中である場合には所定条件に到達したときに表示状態に移行するようになすことができることとなる。
また、本実施形態においては、所定の上限の値を報知するか否かについてのみ説明したが、本発明はこれに限らず、遊技者が消費したクレジットの累積消費量と上限とのギャップが把握できるようなものであれば、このようなものも上記のような方法で表示状態と非表示状態を切り替えることができるものとする。上限とのギャップが把握できるようなものの例としては、例えば、所定の上限の値とクレジットの累積消費量の双方を表示する方法、又は上限とのギャップを所定の上限に対するクレジットの累積消費量の占める割合(すなわち、累積消費量の到達度を百分率で表示したもの)という形で表示する方法のようなものが挙げられる。
さらに、本実施形態においては、遊技者を特定するものとして、遊技者の認証データが記録された認証カード又はIDカードのようなものを用いているが、本発明ではこれに限らず、遊技機2にセンサのようなものを設けて人体を検知するようにしてもよいし、遊技者が遊技を行うときに腰掛ける椅子に体重計としての機能を付け、遊技者の体重を量ることにより遊技者を特定するようにしても本発明の目的は達成できることとなる。