JP2009118992A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 当せん内容を含む情報を報知する報知手段と、当せんが次回遊技に持ち越されることなく、対応する特定図柄の組合せが停止表示されることで継続する遊技回数が異なるリプレイタイムに移行する複数の特定役が設けられ、所定の特定役に当せんする抽せん対象が、複数設定されるとともに、他の特定役と同時に当せんする抽せん対象が少なくとも一つ設定され、各特定役に対応する各リールに表された図柄が、各特定の図柄の組合せが同時に停止表示されない所定の間隔をもって、配置され、報知手段が、所定の特定役に当せんした場合において、少なくとも当該所定の特定役に関する情報を報知する構成としてある。
【選択図】 図15
Description
そして、内部抽せんにおける抽せん対象には、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象と、なんら遊技価値が付与されない抽せん対象であるハズレがある。遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象は、役と呼ばれ、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」、次回の一遊技が内部抽せんに基づく停止制御によらず、所定の小役の成立が容易になる特別な遊技状態に移行する「SCT(シングルチャレンジタイム)」、次回の一遊技が所定の小役が高確率で当せんする特別な遊技状態に移行する「SB(シングルボーナス)」などがある。
これらの抽せん対象が抽せんされる抽せん確率は、通常、ハズレが頻出するとともに、小役、再遊技役などが時折発生し、ボーナス役が稀に発生するように設定されている。したがって、遊技状態のうちの大半は、ハズレや小役、再遊技役が発生する通常遊技が占めることになり、遊技者は、このような通常遊技において、ボーナス役の当せんを期待しつつ、スロットマシン遊技を進行させている。
遊技者に有利となる遊技状態としては、上記の再遊技役が高確率で発生し、再遊技が頻出する状態(再遊技高確率遊技)が継続する、いわゆる「リプレイタイム(RT)」(以下、再遊技高確率遊技をリプレイタイムと称し、必要に応じて再遊技高確率遊技を使用する)と呼ばれる遊技状態が知られている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生することから、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。
例えば、通常遊技からリプレイタイムに移行する条件には、ボーナス遊技の終了後や、特定の図柄の組合せ(以下、特定図柄の組合せという。)の停止表示などがある。
このような条件が成立することで、所定の遊技の間、リプレイタイムが継続するようになっている。
中には、電源投入時から、リプレイタイムに移行し、特定図柄の組合せの停止表示により、通常遊技に移行するスロットマシンもある(例えば、特許文献1)。
このような特定役は、今回の遊技限りにおいて当せんが有効な役であって、当該特定役に当せんしても、対応する特定図柄の組合せが停止表示されないときには、次回の遊技では、当該当せんが無効となる、いわゆる「フラグの持ち越し」ができない役となっている。
特定役に当せんしたにも拘わらず、対応する特定図柄の組合せが停止表示されないときには、前述したような有利な遊技状態(リプレイタイム)を享受することができないため、遊技者は、「目押し」に失敗し、対応する特定図柄の組合せが停止表示されない、いわゆる「取りこぼし」とならないように、慎重に「目押し」を行う。
このような仕様の場合、遊技者は当せんした特定役を予測し、予測した特定役に対応する図柄の組合せを構成する図柄を「目押し」するため、スリル感のある遊技を楽しめるようになっている。
例えば、各特定図柄の組合せに対応する特定役は、内部抽せんによって、所定の抽せん確率に基づき、各々独立して抽せんされるようになっている。このような場合、各特定役の抽せん確率は、リプレイタイムが継続する遊技回数に応じた重みで設定され、通常、リプレイタイムが継続する遊技回数の多い特定役ほど抽せん確率が低く、リプレイタイムが継続する遊技回数の少ない特定役ほど抽せん確率が高く設定されている。
そのため、たとえ抽せん確率が高く設定されたリプレイタイムが継続する遊技回数の少ない特定役に対応する図柄を「目押し」をしても、遊技回数の少ない特定役にさえ当せんしていない場合もあるため、遊技者にとっては、なんら補償がなく、常にリスクが付きまとい、リスクを回避する余地がなかった。
これにより、リプレイタイムを確実に獲得する余地を確保しつつ、儲けを重視する冒険をも試みることができる。
反対に、報知手段が所定の特定役が一以上の他の特定役と同時に当せんする「重複抽せん対象」として当せんした場合も少なくとも所定の特定役に関する情報を報知することを認識している遊技者は、一以上の他の特定役に当せんしている可能性も認識している。そして、重複抽せん対象に当せんしている場合には、所定の特定役より継続する遊技回数が多いリプレイタイムに移行する他の特定役に当せんしていることもある。
このような場合、遊技者は、当せん内容が、重複抽せん対象と予測して、他の特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄を「目押し」をし、予測が的中していたときには、他の特定役に対応する特定図柄の組合せが停止表示され、所定の特定役より継続する遊技回数が多いリプレイタイムに移行させることもできる。
一方、予測がはずれていた場合には、他の特定役に対応する特定図柄の組合せは停止表示されず、なんら遊技価値が付与されない「ハズレ」となる。
このように、本発明では、報知された所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムを確実に獲得するか、継続する遊技回数の異なるリプレイタイムの獲得にチャレンジするかの選択を遊技者に委ねることができ、従来のスロットマシンのように各々単独で当せんする場合と異なり、遊技者にとっては、儲けを重視する可能性を残しつつ、投資した遊技資金、手持ちの出玉や、残りの遊技時間等を考慮し、リスクを回避したリプレイタイムを確実に獲得する選択も可能となる。
具体的には、例えば、一の特定役を特定役Aとした場合、特定役Aに単独で当せんする単独抽せん対象と、特定役Aと一以上の他の特定役である特定役Bとに同時に当せんする第一の重複抽せん対象が設定される場合である。
なお、同時に当せんする他の特定役は、一以上なので、他の特定役の数に応じて設けることができ、他の特定役が特定役Bと特定役Cであれば(以下、特定役は三つで説明する。)、特定役Cにも同時に当せんしてもよい。また、第一の重複抽せん対象の他にも第一の重複抽せん対象と組合せの異なる、例えば、特定役Aと特定役Cに同時に当せんする第二の重複抽せん対象が設定されてもよい。
本発明の報知手段は、所定の特定役(特定役A)を少なくとも含む抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも当該所定の特定役(特定役A)に関する情報を報知するため、上記のいずれに当せんした場合においても少なくとも所定の特定役(特定役A)に関する情報を報知することになる。
その結果、遊技者は、この報知に従い特定役Aに対応する図柄の「目押し」をすることもできるし、重複抽せん対象に当せんしている可能性を認識している場合には、特定役B又は特定役Cに対応する図柄の「目押し」をすることもできる。
例えば、上記と同様に一の特定役を特定役Aとした場合、特定役Aと一以上の他の特定役である特定役Bが同時に当せんする第一の重複抽せん対象と、特定役Aと一以上の他の特定役である特定役Cとに同時に当せんする第二の重複抽せん対象(他の特定役は、一以上なので、特定役Bにも同時に当せんしてもよい。)が設定される場合である。
報知手段は、この場合にも、所定の特定役(特定役A)を少なくとも含む抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも当該所定の特定役(特定役A)に関する情報を報知するため、上記のいずれに当せんした場合においても少なくとも所定の特定役(特定役A)に関する情報を報知することになる。
その結果、遊技者は、この報知に従い特定役Aに対応する図柄の「目押し」をすることもできるし、他の特定役に当せんしている可能性も認識しているため、特定役B又は特定役Cに対応する図柄の「目押し」をすることもできる。
例えば、二以上の特定役を特定役Aと特定役Bとした場合、特定役Aと特定役Bが同時に当せんする第一の重複抽せん対象と、特定役Aと特定役Bと一以上の他の特定役である特定役Cとに同時に当せんする第二の重複抽せん対象が設定される場合である。
報知手段は、この場合にも、所定の特定役(特定役Aと特定役B)を少なくとも含む抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも当該所定の特定役(特定役Aと特定役B)に関する情報を報知するため、上記のいずれに当せんした場合においても少なくとも所定の特定役(特定役Aと特定役B)に関する情報を報知することになる。
その結果、遊技者は、この報知に従い特定役A又は特定役Bに対応する図柄の「目押し」をすることもできるし、他の特定役に当せんしている可能性も認識しているため、特定役Cに対応する図柄の「目押し」をすることもできる。
以上のいずれにおいても、所定の特定役が、一以上の他の特定役と同時に当せんする、いわゆる「重複抽せん対象」として設定されているため、所定の特定役に対応する所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムを確保する余地を残しつつ、これと継続する遊技回数の異なるリプレイタイムの獲得にチャレンジすることもできる。
これにより、当せん内容が次回遊技に持ち越されるボーナス役の当せんと異なり、1回のゲームが遊技の結果を左右する重みのあるゲームとすることができ、遊技者は、緊張感のある遊技を堪能することができる。
なお、各特定役に対応する特定の図柄の組合せが同時に停止表示されない所定の間隔は、三つのリールにおける縦方向に連続して隣接する三つの図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンでは、少なくとも一のリールに表された各特定役に対応する特定の図柄の組合せを構成する各図柄が2コマ以上の間隔をもって配置されれば足りる。
なお、この場合において、報知手段が行う当せん内容を含む情報の報知は、少なくとも当せん内容に対応する情報が含まれれば足り、当せんしていない他の抽せん対象の情報を同時に報知することもできる。
また、報知手段が所定の特定役に関する情報のみならず、他の特定役に関する情報をも報知する場合は、例えば、所定の表示器で表示するときに、所定の特定役に対応する図柄を他の特定役に対応する図柄より大きく表示するなど、少なくとも所定の特定役の当せんを示唆するような報知を行うことが好ましい。
このような構成とすることにより、所定の特定役に対応するリプレイタイムが継続する遊技回数が、他の特定役に対応する遊技回数より少ないため、他の特定役にチャレンジする価値があること遊技者に認識させることができる。
すなわち、所定の特定役に対応するリプレイタイムが継続する遊技回数が、他の特定役に対応する遊技回数より多ければ、遊技者は、リスクを負ってまで、他の特定役に対応する特定図柄を停止表示させる必要はないが、他の特定役に対応する遊技回数が、所定の特定役に対応する遊技回数より多く設定されているため、遊技者に、チャレンジするように仕向けることができる。
このような構成とすることにより、各特定役に対応する特定の図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄が、所定の図柄コマ数を超える間隔をもって、各リールにおいて配置されるため、停止制御手段により停止表示される各特定役に対応する特定の図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄は、重複することがない。
また、停止制御手段は、当せん内容に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御し、当せんしていない図柄の組合せが停止表示されることはない。
その結果、例えば、特定役が2つしか存在せず、報知手段によって、いずれかの特定役の当せんが特定されずに報知されたような場合、遊技者が、停止制御手段が停止制御可能な図柄が重複して存在する範囲で停止ボタンを停止操作したときには、停止制御手段が、当せん内容に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御するため、必ず、いずれかの特定の図柄の組合せが停止表示されることになる。
これにより、遊技者は、取りこぼすことなく、必ず、いずれかのリプレイタイムを確保できてしまい本発明の目的である、所定の特定役に対応する所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムの確保か、これと継続する遊技回数の異なるリプレイタイムのチャレンジか、という択一的な選択を遊技者に委ねることができなくなる。
これにより、遊技者が行う停止ボタンの停止操作も択一的な選択となり、内部抽せん確率に基づいた公正、かつ、平等な遊技性を担保しつつ、特定役に当せんした1回のゲームの重みをさらに増大させることができる。
このような構成とすることにより、報知手段が、所定の特定役に当せんしない抽せん対象に当せんした場合、所定の特定役に関する情報を報知しないため、反対に、所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんした場合に報知する所定の特定役に関する情報が、虚偽の報知でないことが担保される。
これにより、報知手段により所定の特定役に関する情報が報知された場合には、少なくとも所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんしたことが、確定されるため、遊技者は、安心して、所定の特定役に対応した図柄の組合せを構成する図柄の「目押し」を行うことができる。
このような構成とすることにより、報知手段が、所定の特定役に関する情報と他の特定役に関する情報を報知するため、重複抽せん対象に当せんした可能性を遊技者に意識させることができる。
これにより、遊技者は、重複抽せん対象の当せんの可能性を認識することで、他の特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する図柄の「目押し」を試みることができる。
このような構成とすることにより、報知手段が、所定の遊技条件が成立後、当せんした特定役に関する情報のみ報知するため、遊技者は、この報知に従って、当せんした特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄を「目押し」することで、特定図柄の組合せが停止表示され、所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムに確実に移行させることができる。
これにより、遊技者は、リスクを負ってチャレンジする必要がなくなり、確実にリプレイタイムを確保することができる。
このような場合の報知としては、当せんした特定役を確実に告知する、例えば、「確定」の文字等とともに、当せんした特定役に対応する図柄を表示することもできる。
なお、重複抽せん対象として、当せんした場合には、同時に当せんした特定役に関する情報をすべて報知することもできるし、遊技者に有利なように、継続するリプレイタイムの遊技回数の多い特定役に関する情報のみ報知することもできる。
このような構成とすることにより、少なくとも遊技者が、継続する遊技回数の異なるリプレイタイムに対応する特定図柄の「目押し」に試みた結果、取りこぼした場合に該当するため、このような遊技条件の成立後において、報知手段が、当せんした特定役に関する情報のみ報知することで、遊技者を間接的に救済することができる。
このような遊技条件の成立後に、報知手段が、当せんした特定役に関する情報のみ報知することで、遊技者は、この報知に従って、当せんした特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する図柄を「目押し」することで、特定図柄の組合せが停止表示され、所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムに確実に移行させることができる。
これにより、遊技者は、リスクを負ってチャレンジしても、見返りとして間接的な救済が図られるため、チャレンジする意識が働き、遊技性を向上させることができる。
なお、所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんし、かつ、当該所定の特定役に対応する特定の図柄の組合せが停止表示されない場合を少なくとも含む遊技条件であれば足り、さらに、所定の抽せんゲームの当せんなどの他の条件を付加することもできる。
すなわち、再遊技役に対応する図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄は、前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、各リールにおいて配置されていることから、再遊技役に対応する図柄の組合せは、停止ボタンの停止操作のタイミングに拘わらず停止表示可能である。
さらに、通常遊技においては、特別役と再遊技役は、当該特別役と当該再遊技役とに同時に当せんする抽せん対象として設けられるとともに、当該抽せん対象に当せんした場合に、停止制御手段が、再遊技役に対応する図柄の組合せが優先して停止表示されるように各リールを停止制御するため、通常遊技においては、特別役に対応する図柄の組合せは停止表示されることはなく、再遊技役に対応する図柄の組合せのみ停止表示されることになる。
その結果、通常遊技においては、特別役と再遊技役とに同時に当せんする抽せん対象は、単独で当せんする再遊技役と等価な抽せん対象とすることができる。
これにより、通常遊技において対応する図柄の組合せが停止表示されることがなかった特別役が、リプレイタイムにおいては、停止表示されることになる。その結果、リプレイタイムにおいては、通常遊技と異なり、再遊技役が高確率で頻出する遊技者に有利な遊技状態になるだけでなく、通常遊技で停止表示されることがなかった特別役に対応する図柄の組合せが停止表示されることなる。これより、再遊技役が単に高確率で頻出する通常のリプレイタイムに比べ、スロットマシンに投入するメダルに対するスロットマシンから払出されるメダルの割合である出玉率を高く設定することができ、通常のリプレイタイムのような手持ちのメダルの維持ではなく、メダルを積極的に増加させることができる。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の制御、例えば、リールの回転開始,リールの停止制御,内部抽せん等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各制御,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM等の記録媒体に格納されており、当該コンピュータにプログラムを読み込ませることで、上記の各制御,動作が実行されるようになっている。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
表示器L1は、液晶表示装置等からなり、後述する内部抽せんに当せんした当せん内容を含む情報を動画及び静止画像として報知する本発明に係る報知手段として機能するようになっている。例えば、当せん内容に対応する図柄の組合せを構成する各図柄の絵柄などが表示される。表示器L1が行う当せん内容を含む情報の報知は、少なくとも当せん内容に対応する情報が含まれれば足り、当せんしていない他の抽せん対象に関する情報を同時に報知することもできる。
また、通常遊技において、少なくとも本発明の所定の特定役を含む抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも所定の特定役に関する情報を報知するようになっている。
この表示器L1による演出は、スピーカ9からの音による演出と連動して、又はスピーカ9による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器L1は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
また、通常遊技において、少なくとも本発明の所定の特定役を含む抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも所定の特定役に関する情報を報知するようになっている。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられるサウンド回路41によって生成・出力されるようになっている(図5参照)。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
そして、この表示窓3を介して視認されるリール21の停止図柄の組合せには、有効ラインが設定されている。
図3に示すように、有効ラインは、水平に3つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられ、有効ライン1〜5に沿って停止表示されたリール21a〜21cに表された図柄の組合せによって、所定の遊技価値が付与されるようになっている(図9参照)。
貯留枚数表示部2a,状態表示部2b及び獲得枚数表示部2cは、それぞれ7セグメントLED等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
貯留枚数表示部2aは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2bは、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、獲得枚数表示部2cは、入賞時の払出数が表示される。
各表示部は、制御部10に備えられた表示部駆動回路15によって駆動制御される(図5参照)。
ボーナス当せん告知部L2は、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、ボーナス役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するLED発光ダイオード(以下、LEDという)と、LEDの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
そして、ボーナス当せん告知部L2は、制御部10から送信されるとともに、演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図5参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに表された図柄を所定の組合せの停止表示となるようスロットマシン遊技を行うことができる。
メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口6からメダルが1枚投入されれば1枚賭けのゲーム、2枚投入されれば2枚賭けのゲーム、3枚投入されれば3枚賭け(MAXBET)のゲームが行えるようになる。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留,記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル2の貯留枚数表示部2aに数値として表示される。
この精算ボタン6bが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置30から遊技メダル払出口8に排出され、RAM11bに記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることで貯留枚数表示部2aの数値もゼロ表示となる。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル(通常3枚)を貯留メダルから投入する3枚賭け用のMAXBETボタン7aと、一回の押下で1枚のメダルを貯留メダルから投入する1枚賭け用の1BETボタン7bとが備えられている。
1BETボタン7bは一回押下するたびに1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けとBET数が増加するようになっている。
このBETボタン7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図5参照)、押下された回数と同数のメダルが、RAM11bに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、RAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、貯留枚数表示部2aの表示数値も投入数だけ減ることになる。
停止ボタン5の押下によって停止された各リール21が所定の図柄の組合せとなった場合に、筐体内のメダル払出装置30から図柄の組合せに応じた数量のメダルが、遊技メダル払出口8より、払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成する獲得枚数表示部2cに表示される。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、各リール21a〜21cが一回転する毎に各リール21a〜21cの基準位置を検出してマーカー信号として制御部10に出力する回胴位置検出部24と、を備えている(図5参照)。
各リール21a〜21cに表された図柄は、図4に示すように、各リール毎に等間隔で配設され、例えば色違いの3種類の「7」や「ベル」,「オレンジ」,「チェリー」,「リプレイ」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
その結果、後述するように各小役に同時に当せんする重複抽せん対称として当せんした場合でも、上記の特定図柄の組合せは、有効ライン1〜5に沿って、同時に停止表示されることはないため、遊技者は、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを構成する「7」を選択して、停止ボタン5の停止操作を行わなければならないようになっている。
また、回転中の各リール21を停止制御する後述するリール停止制御処理において、停止ボタン5が停止操作されたタイミングから各リールが停止制御され、停止表示可能な図柄送りコマ数(0〜4コマ)の最大値である4コマに対して、本実施形態では、「赤7」、「黄7」、「青7」は、6コマの間隔をもって均等に配置されているため、停止ボタン5を停止操作した場合のタイミングで停止制御される「7」は、重複しないようになっている。
停止表示可能な図柄送りコマ数の範囲内に、各「7」が重複して存在している場合には、重複した図柄に対応する一方の特定役に当せんしているときには、重複した範囲で遊技者が停止ボタン5を停止操作すると、取りこぼすことなく、当該一方の特定役に対応する図柄の組合せを停止表示できてしまう。
そこで、本実施形態では、各「7」は、停止表示可能な図柄送りコマ数(0〜4コマ)の最大値である4コマを超える間隔である6コマの間隔をもって配置してある。
これにより、各「7」の停止表示可能な図柄コマ数の範囲は、特有の範囲として一義的に定まるため、遊技者が行う停止ボタンの停止操作も択一的な選択となり、内部抽せん確率に基づいた公正、かつ、平等な遊技性を担保しつつ、特定役に当せんした1回のゲームの重みを増大させることができる。
また、均等に6コマの間隔をもって配置されているため、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを選択し、当該小役に対応する図柄の組合せを構成する「7」の「目押し」を行う場合、タイミングが図り易く、目的とする「7」を容易に停止表示できるようになっている。
これにより、リール停止制御処理において、遊技者の停止ボタン5の停止操作のタイミングに拘わらず、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」を、有効ラインに沿って停止表示できるようになっている。
同様に、本発明に係る特別役であるSCT(シングルチャレンジタイム)に対応する図柄の組合せ「リプレイ・リプレイ・オレンジ」(図9参照)を構成する図柄「オレンジ」及び、同じく本発明に係る特別役であるSB(シングルボーナス)に対応する図柄の組合せ「リプレイ・リプレイ・ベル」(図9参照)を構成する図柄「ベル」は、図4に示すように、右リール21cにおいて、停止表示可能な図柄送りコマ数の最大値(4コマ)を超えない間隔をもって配置されている。
これにより、リール停止制御処理において、遊技者の停止ボタン5の停止操作のタイミングに拘わらず、上記各図柄を、有効ラインに沿って停止表示できるようになっている。
小役Eは、中リール21b,右リール21cに停止表示される図柄の種類は問わないため、「チェリー」のみが、図3に示す「上a,中a,下a」のいずれかの停止位置に停止表示されれば足りる。
そこで、図4に示すように、回転中の左リール21aに対応する停止ボタン5aの停止操作タイミングにおいて、「上a,中a,下a」のいずれかに「チェリー」が位置する場合(3コマ)と、「上a,中a,下a」に位置しない場合であっても、少なくとも「上a」の停止位置まで図柄送り可能な最大のコマ数(4コマ)との合計である7コマの範囲内に各「チェリー」が配置されるようになっている。
これより、リール停止制御処理において、遊技者の停止ボタン5の停止操作のタイミングに拘わらず、「チェリー」を左リール21aの「上a,中a,下a」のいずれかの停止位置に停止表示できるようになっている。
また、左リール21aにおいては、上記の「チェリー」と同様に、7コマの範囲内に各「ベル」が配置されるようになっている。
これにより、リール停止制御処理において、遊技者が左リール21aに対応する停止ボタン5aを最初に停止操作する場合において、「ベル」を左リール21aの「上a,中a,下a」のいずれかの停止位置に停止表示できるため、停止操作のタイミングに拘わらず、「ベル・ベル・ベル」を、有効ラインに沿って停止表示できるようになっている。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22に制御部10からパルス(駆動)信号が入力され、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御が行われる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部抽せんが行われ、制御部10からのパルス信号によりドラムユニット20が制御されることで、停止ボタン5が押下されるタイミングに基づく所定の図柄送りコマ数の範囲内で、当せん内容に応じた図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるよう、各リール21a,21b,21cが停止制御されることになる。
そして、このメダル払出装置30から排出されるメダルが、前扉1aの遊技メダル払出口8からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。
次に、スロットマシン1全体を制御する制御部10について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図6は、本実施形態に係る制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する、IC,メモリ,各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体1bの後部に配設されている。
具体的には、制御部10は、CPU11と、当該CPU11に内蔵され記憶手段であるROM11a及びRAM11b、基準クロックを発生する本体クロック発生回路12、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路14、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ13、各表示部2a〜2cを駆動する表示部駆動回路15等を備えている。
そして、制御部10では、ROM11aに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン1全体を制御する処理が実行されるようになっている。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図6のフローチャートに基づき、制御部10で実行される処理の流れを詳細に説明する。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技が可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイム(RT)が設けられている。
リプレイタイム(RT)は、継続する遊技回数の異なる3種類のリプレイタイム(RT1,RT2,RT3)が設定され、各リプレイタイム(RT1,RT2,RT3)では、通常遊技より、再遊技役が抽せんされる確率が高く設定された遊技状態となっている。
通常遊技においても、再遊技役は抽せんされる抽せん対象となっているため、再遊技役の抽せん確率で比較すると、リプレイタイム(RT1,RT2,RT3)(高確率)>通常遊技(低確率)、となる関係が成り立つようになっている。
なお、ボーナス遊技においては、再遊技役は抽せんされないようになっている。
同図に示すように、リプレイタイム(RT1,RT2,RT3)は、いずれかの特定役に当せんするとともに、対応する特定図柄の組合せの停止表示により移行し、停止表示させた各特定図柄の組合せに対応する遊技回数までリプレイタイムが継続した後、通常遊技に移行するようになっている。なお、リプレイタイムの間に、ボーナス役に当せんし、かつ、ボーナス役に対応する図柄の組合せ(以下、ボーナス図柄という。)が停止表示された場合には、通常遊技に移行するようになっている。
なお、リプレイタイムは、当該リプレイタイムの間に再びいずれかの特定図柄の組合せが停止表示されても、新たに更新されることはなく、当該リプレイタイムの間にボーナス役に当せんしない限り、対応する規定の遊技回数までリプレイタイムが継続し、その後、通常遊技に移行するようになっている。
また、本実施形態では、電源投入時の遊技状態は、通常遊技から開始されるように設定されている。
このため、初期設定では、電源投入時の遊技状態を管理するため、ゲームモードフラグを通常遊技に設定する処理を行うようになっている。
ゲームモードフラグは、スロットマシン1の遊技状態を管理するフラグであり、同図に示すように、RAM11bに設けられたゲームモード領域にビット単位で設定されるようになっている。
具体的には、「ビット0」に「1」をセットで通常遊技、「ビット1」に「1」をセットでリプレイタイム(RT1)、「ビット2」に「1」をセットでリプレイタイム(RT2)、「ビット3」に「1」をセットでリプレイタイム(RT3)、「ビット4」に「1」をセットでボーナス遊技となり、設定されたビット毎のゲームモードフラグを1ゲーム毎に参照することで、スロットマシン1が各遊技状態となるように制御される(ゲーム管理手段)。
そして、初期設定では、通常遊技となるように、同図における「ビット0」に「1」をセットし、その他のビットは、「0」でクリアされるようになっている。
これにより、電源投入後、ボーナス役に当せんし、ボーナス遊技となるか、又は、いずれかの特定役に当せんし、対応する特定図柄の組合せが停止表示され、いずれかのリプレイタイムに移行するまで、通常遊技が継続されるようになっている。
メダル投入処理では、具体的には、メダルセレクタ6aからのメダル信号及びBETボタン7(MAXBETボタン7a,1BETボタン7b)からのメダル信号の入力を監視し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数、又はBETボタン7が押下されて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、BETボタン7からのメダル信号に基づき、RAM11bで記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに賭けられる賭け数1〜3が決定されることになる。
これにより、1回のゲームがスタート可能な状態となる。
以下、本実施形態に係る内部抽せんについて説明する。
更新範囲(0〜16383)で発生する乱数カウンタ13から出力される乱数をスタートレバー4の操作のタイミングで取得(ラッチ)し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんするようになっている。
遊技価値が付与される役には、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」、遊技媒体は付与されないが、次回の一遊技が内部抽せんに基づく停止制御によらず所定の小役に対応する図柄の組合せを停止表示可能な特別な遊技状態に移行する「SCT(シングルチャレンジタイム)」、遊技媒体は付与されないが、次回の一遊技が所定の小役が高確率で当せんする特別な遊技状態に移行する「SB(シングルボーナス)」がある。
図9に本実施形態の各役と、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値との関係を示す。
「特別役」は、「SCT(シングルチャレンジタイム)」と「SB(シングルボーナス)」が設定され、「SCT」は、対応する図柄の組合せ「リプレイ・リプレイ・オレンジ」の停止表示により、次回の一遊技が所定の小役(後述する小役D、小役Eなど)に対応する図柄の組合せを内部抽せんに基づく停止制御によらず停止ボタン5の停止操作により停止表示可能な特別な遊技状態に移行するようになっている。「SB」は、対応する図柄の組合せ「リプレイ・リプレイ・ベル」の停止表示により、次回の一遊技が所定の小役(後述する小役D)が高確率で当せんする特別な遊技状態に移行するようになっている。
「再遊技役」は、対応する図柄の組合せ「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の停止表示により、メダルの配当はないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技をすることができるようになっている。
「小役A」は、本発明に係る特定役であり、対応する停止図柄の組合せ「赤7・赤7・赤7」の停止表示により、メダルが15枚配当されるとともに、再遊技役が高確率で抽せんされる遊技回数が150回継続するリプレイタイム(RT1)に移行するようになっている。
「小役B」は、本発明に係る特定役であり、対応する停止図柄の組合せ「黄7・黄7・黄7」の停止表示により、メダルが15枚配当されるとともに、再遊技役が高確率で抽せんされる遊技回数が50回継続するリプレイタイム(RT2)に移行するようになっている。
「小役C」も同様に、本発明に係る特定役であり、対応する停止図柄の組合せ「青7・青7・青7」の停止表示により、メダルが15枚配当されるとともに、再遊技役が高確率で抽せんされる遊技回数が15回継続するリプレイタイム(RT3)に移行するようになっている。
「小役D」は、対応する停止図柄の組合せ「ベル・ベル・ベル」の停止表示により、メダルが15枚配当されるようになっている。
「小役E」は、対応する停止図柄の組合せ「チェリー・ANY・ANY」の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。「ANY」は、中リール21b,右リール21cに表された全ての図柄(図4参照)が対象となることを意味するため、「小役E」は、左リール21aに「チェリー」が停止表示されることで、事実上、入賞が確定するようになっている。
本実施形態の内部抽せんにおける遊技状態別の抽せん対象を図10に示す。
同図に示すように、本実施形態の抽せん対象は、単独抽せん対象、重複抽せん対象となる場合を含め、例えば、16種類の組合せが設けられている。
本発明に係る特定役である「小役A」,「小役B」,「小役C」は、同図に示すように、単独で抽せんされる単独抽せん対象として設定される場合(抽せん番号4,5,6)と、二以上の特定役が同時に当せんする重複抽せん対象として設定される場合(抽せん番号7,8,9,10)が設けられている。
また、本発明に係る特別役である「SCT(シングルチャレンジタイム)」と「SB(シングルボーナス)」、及び再遊技役である「リプレイ」も、同図に示すように、単独で抽せんされる単独抽せん対象として設定される場合(抽せん番号2,3,15)と、「SCT」と「リプレイ」及び、「SB」と「リプレイ」が同時に当せんする重複抽せん対象として設定される場合(抽せん番号13,14)が設けられている。
具体的には、同図に示すように、遊技状態別に異なる乱数テーブルが参照され、通常遊技では、通常遊技用の乱数テーブル、リプレイタイム(RT)では、リプレイタイム用の乱数テーブルを参照して内部抽せんが行われるようになっている。
そして、各参照される乱数テーブルは、抽せん対象毎に抽せんされる確率が異なるように、抽せん対象が当せんすることとなる当せん範囲が異なる値に設定されている。
なお、図中の「・・・」は設定されている当せん確率の所定の数値を示している。
これにより、通常遊技においては、「SCT」と「SB」に単独で当せんすることはなく、リプレイタイム(RT)のみにおいて単独で当せんするようになっている。
また、「SCT」と「リプレイ」に同時に当せんする重複抽せん対象として設定された抽せん番号13と、「SB」と「リプレイ」に同時に当せんする重複抽せん対象として設定された抽せん番号14は、通常遊技用の乱数テーブルでは、当せん確率が「1/21」で設定されるとともに、リプレイタイム用の乱数テーブルでは、当せん確率が「0(ゼロ)」で設定されている。
なお、「SCT」又は「SB」と「リプレイ」との重複抽せん対象に当せんした場合には、後述するリール停止制御処理により、「リプレイ」に対応する図柄の組合せのみ停止表示されるようになっているため、抽せん番号13と抽せん番号14は、抽せん番号15の「リプレイ」と等価な再遊技役に相当することになっている。その結果、通常遊技においては、「リプレイ」が実質、抽せん番号13と抽せん番号14と抽せん番号15の各当せん確率の合計の当せん確率である「1/7」(=[1/21]+[1/21]+[1/21])で当せんすることになる。
これにより、各遊技状態における「リプレイ」に当せんする当せん確率を比較すると、リプレイタイム(RT)の当せん確率(高確率)>通常遊技の当せん確率(低確率)の関係となっている。
これにより、本実施形態のリプレイタイム(RT)においては、通常遊技と異なり、「リプレイ」が高確率で頻出する遊技者に有利な遊技状態になるだけでなく、通常遊技で停止表示されることがなかった「SCT」と「SB」に対応する図柄の組合せが停止表示されることで、メダルが獲得できるため、再遊技役が単に高確率で頻出する通常のリプレイタイムに比べ、スロットマシン1に投入するメダルに対するスロットマシンから払出されるメダルの割合である、いわゆる「出玉率」を高く設定することができる(本実施形態では、出玉率>1として設定)。その結果、通常のリプレイタイムのような手持ちのメダルの維持ではなく、メダルを積極的に増加させることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
但し、リプレイタイム(RT)において、これらの特定図柄の組合せで停止表示された場合に、リプレイタイムが新たに開始され、リプレイタイムが上乗せされて更新するように設定することもできる。
この場合において、例えば、他の抽せん対象の抽せん確率はそのままで、「SCT」と「SB」に関する抽せん確率の設定のみ、リプレイタイム(RT1,RT2,RT3)毎に変更することもできる。
具体的には、「リプレイ」に高確率で当せんする遊技回数が150回継続するリプレイタイム(RT1)用の乱数テーブルは、図10と同様、「SCT」と「SB」に各々単独で当せんするように設定し、遊技回数が50回継続するリプレイタイム(RT2)用の乱数テーブルは、抽せん番号2の「SCT」のみ当せんするように、「SCT」の当せん確率を「1/21」、「SB」の当せん確率を「0(ゼロ)」とし、遊技回数が15回継続するリプレイタイム(RT3)用の乱数テーブルは、反対に抽せん番号3の「SB」のみ当せんするように、「SCT」の当せん確率を「0(ゼロ)」、「SB」の当せん確率を「1/21」とすることもできる。
これにより、小役Aに対応するリプレイタイム(RT1)は、「リプレイ」に高確率で当せんする遊技回数の違いのみならず、「SCT」と「SB」の双方に当せんする場合があるため、リプレイタイムの中でも最も出玉率の高い遊技者に有利な遊技状態と位置づけることができ、後述する報知手段により、リプレイタイムの遊技回数の少ない特定役に対応する小役Bや小役Cを含む当せんが報知された場合でも、小役Aに対応する図柄の「目押し」にチャレンジさせるだけの価値性が付与されることになる。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ13から取得された乱数と、を比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図11は、RAM11bにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域1〜当せんフラグ領域3が設けられ、当せんフラグ領域1は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域2は、再遊技役(リプレイ)を設定する領域、当せんフラグ領域3は、各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。
また、重複抽せん対象として設定された抽せん番号7の「小役A+小役B」に当せんした場合には、当せんフラグ領域3の「ビット0」に「1」、「ビット1」に「1」が重複してセットされる。
同様に、重複抽せん対象として設定された抽せん番号10の「小役A+小役B+小役C」に当せんした場合には、当せんフラグ領域3の「ビット0」に「1」、「ビット1」に「1」、「ビット2」に「1」が重複してセットされる。
さらに、重複抽せん対象として設定された抽せん番号13の「SCT+リプレイ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域1の「ビット1」に「1」、当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」が重複してセットされる。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「0」でクリアされるようになっている。
一方、本発明の特定役である小役A〜小役Cも含め、「ボーナス」以外の役はすべて、内部抽せんが行われた当該遊技限り有効で、次回の遊技にフラグが持ち越されないようになっている。
このため、特に特定役である小役A〜小役Cに当せんし、対応する特定図柄の組合せが停止表示されない、いわゆる「取りこぼし」となった場合には、いずれの遊技回数のリプレイタイムにも移行しない、単なる「ハズレ」となり、遊技者が大きな損失を蒙ることになる。
この場合は、「ボーナス」は、フラグ持ち越し可能である一方、「小役A」は、フラグ持ち越し不可であるため、内部抽せんにおいて当該重複抽せん対象に当せんし、報知手段によって、当該当せんが報知された場合には、遊技者は、まず「ボーナス図柄」を停止表示させることなく、「小役A」に入賞するように「目押し」を行うことができる。これにより、リプレイタイムRT1に移行し、メダルの増加を図るとともに、この間には、「ボーナス」のフラグは持ち越されているため、ボーナス役に対応する図柄の組合せ「赤7・赤7・青7」を停止表示させない、いわゆる「ハズシ」を行うように、停止ボタン5を停止操作しつつ、リプレイタイムRT1を進行させることもできる。
そして、リプレイタイムRT1が遊技回数150回で終了した後に、ボーナス役に対応する図柄の組合せ「赤7・赤7・青7」を停止表示させるように「目押し」を行い、ボーナス遊技に移行させることもできる。
その結果、遊技者は、リプレイタイムRT1の利益のみならず、ボーナス遊技の利益も余すことなく享受でき、効率良くメダルを獲得できる。
このようにフラグ持ち越し可能な「ボーナス」とフラグ持ち越し不可な特定役である「小役A」と同時に当せんする重複抽せん対象を設定することで、二つのゲーム性を楽しむことができ、さらに遊技性を向上させることもできる。
なお、上記の場合では、特定役である「小役A」に対応する図柄の組合せを停止表示させることで、リプレイタイムには移行するようにしたが、リプレイタイムには移行しない、単に「入賞」となる仕様とすることもできる。
そして、各リール21の回転中においては、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号により、各リール21a〜21cの図柄位置を監視する処理が行われるようになっている。
具体的には、RAM11bの所定の領域には、図12に示すように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1(図3参照)に位置する各リール21a〜21cの図柄番号を管理する図柄番号領域が、各リール単位で設けられている。
図柄番号領域は、制御部10がモータ駆動回路22に出力するパルス(駆動)信号が所定パルス数(各図柄間の回転角度に相当)毎に+1更新されるとともに、各リールが一周する毎に回胴位置検出部24から出力されるマーカー信号により、初期化(図柄番号0)されるようになっている。
すなわち、各リール21の回転動作に同期して各図柄番号領域の値も更新され、その結果、各図柄番号領域の値は、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号の図柄と常に一致している(図4参照)。
これにより、後述するリール停止制御処理や停止図柄判定処理において、各図柄番号領域の値を参照することで、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することができる。
例えば、リール停止制御処理では、各リール対応する停止ボタン5が停止操作されたときの各図柄番号領域の値を参照することで、停止表示可能な図柄コマ数(0〜4コマ)の範囲内で、各リール21を回転させて停止することで、当せん内容に対応する図柄の組合せとなるように停止制御したり、停止図柄判定処理では、各リールが停止したときの各図柄番号領域の値を参照することで、有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定したりすることができるようになっている。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン5を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール21を停止制御する(S6)。
具体的には、各リール21の停止制御は、リール21毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にある当せんフラグに対応した図柄の組合せを構成する図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路22に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール21を回転させた後、各リール21を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した図柄の組合せを構成する停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にない場合には、図9のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。
遊技者が停止ボタン5を押下するタイミングは任意であり、当該タイミングにおける各リール21の中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する図柄は各リール21に表されたすべての図柄が対象となるため、停止図柄テーブルには、各リールに表されたすべての図柄に対応して「0〜4コマ」の図柄送りコマ数が割り振られている。
なお、図柄送りコマ数の「0コマ」は、停止ボタン5の停止操作タイミングでリール21を停止させる、すなわち、停止操作タイミングにおけるリール21の中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する図柄で停止させることを意味する。
さらに、同一の抽せん対象に当せんした場合でも、停止ボタン5の停止操作の順番により、各リール毎に異なる停止図柄テーブルが選択されるようになっている。
すなわち、本実施形態の場合は、各リール21を停止ボタン5の停止操作の順番で停止させるとともに、停止ボタン5の停止操作タイミングから停止表示可能な図柄コマ数(0〜4コマ)の範囲内に当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する図柄が位置する場合には、当該図柄をいずれかの有効ライン1〜5に停止表示させるようになっている。その結果、同一のリールでも、最初に停止される場合と、最後に停止される場合では、停止可能な範囲が異なるようになる。つまり、最初に停止される場合は、「上,中,下」にいずれかの停止位置に目的とする図柄を停止させればよいが、最後に停止される場合は、先に停止させたリールの図柄の停止位置に拘束され、一つの有効ラインに沿って目的とする図柄を停止させなければならず、停止位置が「上,中,下」のいずれか一つに限定される。
このために、同一の抽せん対象に当せんした場合でも、停止ボタン5の停止操作の順番により、異なる停止図柄テーブルを選択しなければならないようになっている。
以下に、本実施形態の当せん対象のリール停止制御処理について具体的に説明する。
このため、単独抽せん対象として設定されているか又は重複抽せん対象として設定されているかを問わず、また、停止ボタンの停止操作の順番に拘わらず、図10における抽せん番号2の「SCT」、抽せん番号3の「SB」、抽せん番号11の「小役D」、抽せん番号13の「SCT+リプレイ」、抽せん番号14の「SB+リプレイ」に当せんした場合に選択される停止図柄テーブルは、対応する図柄の組合せが、いずれかの有効ライン1〜5に沿って停止表示されるように設定されている。
その結果、通常遊技において、これらの抽せん対象に当せんした場合には、「SCT」及び「SB」に対応する図柄の組合せは停止表示されず、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」が停止表示されるため、これらの抽せん対象は、単独抽せん対象として設定された抽せん番号15の「リプレイ」と等価な機能を果たすことになる。
一方、リプレイタイム(RT)においては、「SCT」及び「SB」は前述のように単独抽せん対象としてのみ出現するように抽せん確率が設定されているため、抽せん番号2の「SCT」又は抽せん番号3の「SB」に当せんした場合に選択される停止図柄テーブルは、取りこぼすことなく「リプレイ・リプレイ・オレンジ」又は「リプレイ・リプレイ・ベル」が停止表示されるように設定されている。
「ANY」は、中リール21b,右リール21cに停止表示される図柄の種類は問わないことを意味するため、「チェリー」のみが、「上a,中a,下a」のいずれかの停止位置に停止表示されるように停止制御すれば足りる。
そこで、小役Eに当せんした場合に選択される停止図柄テーブルは、回転中の左リール21aに対応する停止ボタン5aの停止操作タイミングにおいて、「上a,中a,下a」のいずれかに「チェリー」が位置する場合は、その時点で左リール21aが停止されるように設定されており、「上a,中a,下a」に位置しない場合は、少なくとも「上a」の停止位置まで左リール21aを回転させる図柄送りコマ数が設定されている。
つまり、「チェリー」は、「上a,中a,下a」のいずれかに位置する場合の「3コマ」と、少なくとも「上a」の停止位置まで左リール21aを回転させる図柄送りコマ数の最大値の「4コマ」の合計である「7コマ」の範囲内に必ず配置されているため、抽せん番号12の「小役E」に当せんした場合に選択された停止図柄テーブルは、「チェリー・ANY・ANY」が、いずれかの有効ライン1〜5に沿って停止表示されるように設定されている。
そこで、小役Dに当せんした場合に左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、上記の「チェリー」と同様、回転中の左リール21aに対応する停止ボタン5aの停止操作タイミングにおいて、「上a,中a,下a」のいずれかに「ベル」が位置する場合は、その時点で左リール21aが停止されるように設定されており、「上a,中a,下a」に位置しない場合は、少なくとも「上a」の停止位置まで左リール21aを回転させる図柄送りコマ数が設定されている。
つまり、「ベル」は、「上a,中a,下a」のいずれかに位置する場合の「3コマ」と、少なくとも「上a」の停止位置まで左リール21aを回転させる図柄送りコマ数の最大値の「4コマ」の合計である「7コマ」の範囲内に必ず配置されているため、抽せん番号11の「小役D」に当せんした場合に選択された停止図柄テーブルは、左リール21aに対応する停止ボタン5aを最初に停止操作するときには、「ベル・ベル・ベル」が、いずれかの有効ライン1〜5に沿って停止表示されるように設定されている。
このため、いずれかの小役に当せんしても、停止ボタン5を停止操作したタイミングにおいて、停止表示可能な図柄コマ数(0〜4)の範囲内に、対応する色の図柄「7」が位置しないことがある。
ここで、具体的に、抽せん番号4の「小役A」、抽せん番号5の「小役B」、抽せん番号6の「小役C」に当せんした場合に選択される停止図柄テーブルについて説明する。
同図に示す各停止図柄テーブルには、停止ボタン5cの停止操作タイミングにおける右リール21cの図柄番号に対応して0〜4コマの図柄コマ数が割り振られており、この図柄コマ数に従って停止ボタン5cの停止操作タイミングから右リール21cが回転制御され、停止されるようになっている。なお、図中の「*」は、0〜4コマのいずれかの値を示すとともに、当せんした小役に対応する「7」が停止表示されず、かつ、図9に示すいずれの役に対応する図柄の組合せとならない値が設定されている。
例えば、停止図柄テーブル1においては、図柄番号「0、17〜20」に該当する図柄で、停止ボタン5cの停止操作タイミングが生じたときのみ、「赤7」が「中c」に停止表示され、それ以外の図柄番号に該当する図柄で、停止ボタン5cの停止操作タイミングが生じたときは、「赤7」以外の図柄が停止表示されるように設定されている。
停止図柄テーブル2及び3においても同様で、「黄7」、「青7」を停止表示可能な図柄番号に該当する図柄は、限定されている。
つまり、二つのいずれかのリール21が既に停止制御され、既に停止された二つのリール21において、いずれかの有効ライン1〜5に沿って、同色の「7」が並んだ、いわゆる「リーチ」の状態にあったとしても、最後に停止操作する停止ボタン5の操作タイミング次第で、当せんした小役に対応する特定図柄の組合せが停止表示されるか、又は、当せんした小役に対応する特定図柄の組合せが停止表示されない、いわゆる「取りこぼし」となるかが決定されるように設定されている。
これにより、本発明の特定役である抽せん番号4の「小役A」、抽せん番号5の「小役B」、抽せん番号6の「小役C」に当せんし、後述する報知手段によって、各当せん内容に関する情報が報知された場合には、遊技者は、「取りこぼし」とならないように、各小役に対応する特定図柄の組合せを構成する色の「7」を慎重に「目押し」することになり、スリルのあるゲームを興趣することができる。
前述したように、「小役A」、「小役B」、「小役C」に対応する特定図柄の組合せを構成する図柄である「赤7」、「黄7」、「青7」は、図4に示すように、6コマの間隔をもって、各リール21において均等に配置されている。
その結果、有効ライン1〜5に沿って停止表示可能な、「7・7・7」の組合せは、自ずと一つに限定され、いずれかの小役に対応する図柄の組合せのみ停止表示可能となる。
すなわち、たとえ、「赤7・赤7・赤7」、「黄7・黄7・黄7」、「青7・青7・青7」のいずれかの特定図柄の組合せの停止表示によりリプレイタイムに移行する、「小役A」と「小役B」と「小役C」に同時に当せんする重複抽せん対象として設定された抽せん番号10に当せんしたとしても、いずれか一つの特定図柄の組合せのみ停止表示可能なため、遊技者は、いずれかの特定図柄の組合せを構成する図柄の「7」を択一的に選択して「目押し」を行うことになる。
そのため、例えば、既に左リール21a及び中リール21bが停止制御され、既に停止された二つのリール21において、有効ライン1に沿って、「赤7」が並んだ、いわゆる「リーチ」の状態にある場合には、上記の単独抽せん対象として設定された抽せん番号4の「小役A」と同様に、右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル1が選択される。その結果、「赤7」を停止表示可能な図柄番号に該当する図柄は限定され、最後に停止操作する停止ボタン5の操作タイミング次第で、「赤7・赤7・赤7」が停止表示されるか、又は、「取りこぼし」となるかが決定されるようになっている。
なお、上記の例では、停止図柄テーブル1が選択されたが、前述したように、各「7」の停止表示可能な図柄コマ数の範囲は重複しないため、いずれの色の「7」が並んだ「リーチ」の状態においても共通して選択されるように停止図柄テーブル1〜3を結合した停止図柄テーブルを作成し、これを選択することもできる。
これにより、二つ以上の特定役に同時に当せんする重複抽せん対象として設定された抽せん番号7〜10に当せんし、後述する報知手段によって、各当せん内容である重複抽せん対象に関する情報(例えば、対応する図柄の色の「7」)が確実に報知された場合には、遊技者は、リプレイタイムが継続する遊技回数の多い小役に対応する特定図柄の組合せを構成する色の「7」を選択するとともに、「取りこぼし」とならないように、慎重に該当する「7」を「目押し」することになる。
このように、二つ以上の特定役に同時に当せんする重複抽せん対象として設定された抽せん番号7〜10に当せんした場合においても、停止表示可能な特定図柄の組合せは一つに限られるため、遊技者は、一の特定図柄の組合せを選択して停止ボタン5を停止操作する択一的な選択を行うようになっている。
また、抽せん番号16の抽せん対象である「ハズレ」に当せんした場合には、ハズレ専用の停止図柄テーブルが選択されることで、各リールが停止制御され、図9に示すいずれの組合せにも該当しないハズレの組合せが停止表示される。
以上のように、リール停止制御処理においては、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応する停止図柄テーブルが選択されることで、当該当せん内容に対応する図柄の組合せが停止表示されるように各リール21が停止制御される。
その結果、抽せん番号16の抽せん対象である「ハズレ」に当せんした場合において、左リール21a及び中リール21bに「赤7」がリーチ状態となる割合を多く含む停止図柄テーブルを設定することで、通常遊技において、「赤7」のリーチを頻出させることができる。このリーチ演出により、遊技者は、特定役である「小役A」の当せんか、「ボーナス役」の当せんかを期待することになり、通常遊技における遊技者の飽きが防止され、期待感を持続して遊技を進行させることができる。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致しているため、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、すべての有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを、図4に示す図柄の配列に基づき、判定することができる。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せ(図9参照)か否か判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、ボーナス役、特別役、再遊技役、各小役の場合について説明する。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにも拘わらず、対応する停止図柄の組合せである「赤7・赤7・青7」で停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域1の対応する「ビット0」を「0」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せである「赤7・赤7・青7」で停止しない限り、継続されるようになっている。
なお、本実施形態では、特定役である小役A〜小役Cのいずれかに当せんし、対応する特定図柄の組合せの停止表示により、リプレイタイム(RT1,RT2,RT3)に移行するようになっているが、これに加え、ボーナス役に当せんし、ボーナス遊技終了後に、リプレイタイムに移行するようにすることもできる。
特別役である「SCT」に対応する図11に示す当せんフラグ領域1の「ビット1」に「1」がセットされ、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・オレンジ」で停止したと判定した場合には、当該領域を「0」でクリアすると同時に、次回の一遊技のみ、内部抽せんに基づくリール停止制御によらずに、小役Dや小役Eに対応する図柄の組合せ、又は、この遊技限りに有効となるメダルの配当が得られる所定の図柄の組合せを、遊技者の停止ボタン5の停止操作タイミングによって停止表示できるゲームに移行するようになっている。
また、特別役である「SB」に対応する図11に示す当せんフラグ領域1の「ビット2」に「1」がセットされ、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・ベル」で停止したと判定した場合には、当該領域を「0」でクリアすると同時に、次回の一遊技のみ、小役Dに高確率で当せんするゲームに移行するようになっている。
再遊技役に対応する図11に示す当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」がセットされ、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止したと判定した場合には、当該領域を「0」でクリアすると同時に、次回遊技において、メダル投入することなく遊技可能となるよう、図6に示すように、前述したメダル投入処理が終了した後の遊技状態に移行させるようになっている(S8)。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図6に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され(S9)、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、その後、メダル払出処理(S10)に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、いわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、特別役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理(S2)以前の遊技状態に移行するようになっている。
すなわち、小役Aに対応する停止図柄の組合せである「赤7・赤7・赤7」で停止表示された場合には、150回の遊技回数継続するリプレイタイム(RT1)に移行し、小役Bに対応する停止図柄の組合せである「黄7・黄7・黄7」で停止表示された場合には、50回の遊技回数継続するリプレイタイム(RT2)に移行し、小役Cに対応する停止図柄の組合せである「青7・青7・青7」で停止表示された場合には、15回の遊技回数継続するリプレイタイム(RT3)に移行する。
本実施形態では、図9における各役のメダルの配当及び図10に示す抽せん確率によって、例えば、リプレイタイム(RT)における出玉率が「1」を超え、1ゲーム当りメダルが概ね2枚増加する、遊技者に有利な遊技状態となるように設定されている。
「ボーナス」に当せんし、前述したボーナス当せん告知部L2において、当該当せんが報知された場合には、「ボーナス」は前述のように、フラグ持ち越し可能であるため、遊技者は、敢えて「ボーナス」に対応する図柄の組合せ「赤7・赤7・青7」が停止表示されないように、いわゆる「ハズシ」を行い、ボーナス遊技への移行を回避しつつ、メダルの増加を図り、リプレイタイム(RT)を進行させることもできる。そして、リプレイタイムが規定の遊技回数で終了した後に、「赤7・赤7・青7」を停止表示させるように「目押し」を行い、ボーナス遊技に移行させることもできる。
これにより、遊技者は、リプレイタイムにおけるメダルの増加を無駄にすることなく、さらに、ボーナス遊技の利益も余すことなく享受でき、効率良くメダルを獲得できる。
リプレイタイム(RT)の遊技回数は、RAM11bの所定の領域に設けられた遊技回数計数カウンタを、停止図柄の組合せの判定毎に更新することで、計数されるようになっている。なお、本実施形態では、リプレイタイム(RT)において、ボーナス役に当せんし、かつ、ボーナス図柄が停止表示されたときには、通常遊技に移行するようになっている。
この場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)を終了させ、通常遊技に移行するようになっている(図7)。
具体的には、メダル払出処理では、図5に示すにホッパー駆動回路32を制御することで、ホッパー31内に設けられたメダル払出モータが駆動制御され、メダルを払出すようになっている。
そして、メダルが払出されることで、メダル検出部33の所定のセンサから1枚メダルが払出される毎に1パルスの払出信号が出力されるようになっている。
制御部10では、この払出信号を監視し、パルス数が各小役のメダル配当数になるまで、ホッパー駆動回路32を制御するようになっている。
これにより、小役の種類に応じた所定数のメダルを払出すことができる。
以上のように、図6に示すフローチャートに基づき制御部10において行われるメダル投入処理からメダル払出処理までの処理により、スロットマシン遊技における1ゲームをなすとともに、この1ゲームが繰り返されることで遊技が進行するようになっている。
次に、報知手段として機能する演出制御部40について説明する。
演出制御部40は、制御部10と同様に、CPUやROM、RAMが搭載されたマイクロコンピュータであり、制御部10から送信された制御コマンドに従って、サウンド回路41及び表示器駆動回路42を制御することで、表示器L1,ボーナス当せん告知部L2及びスピーカ9が所定の演出を行うように駆動制御される。
なお、制御部10と演出制御部40間の通信は、制御部10から演出制御部40への一方向性が担保された通信形態で構成されており、演出制御部40における制御処理により、制御部10が影響されないようになっている。
制御部10は、1ゲーム毎に内部抽せんにおける当せん内容やゲームモードフラグの内容を含む制御コマンドを演出制御部40に送信するようになっている。
その結果、演出制御部40では、この制御コマンドを解読することで、制御部10が管理する遊技状態に対応し、かつ、内部抽せんにおける当せん内容に即した演出を行うことが可能となっている。
具体的に、報知手段が作動する条件と報知態様について説明する。
図14は、報知手段が作動することになる当せん内容と表示器L1の表示態様との関係を示す図であり、図15及び図16は、報知手段が作動した場合の表示器L1の表示態様の一例を示す図である。
例えば、図14に示すように、少なくとも小役Cに当せんする抽せん対象であって、抽せん番号6、抽せん番号8、抽せん番号9、抽せん番号10のいずれかに当せんする「当せんパターン1」(図10参照)では、図15(a)に示すように、少なくとも小役Cに対応する図柄の組合せを構成する図柄である「青7」を表示することもできる。
この場合において、小役Cは本発明に係る「所定の特定役」に該当することになるため、少なくとも小役Cに関する情報を報知するようになっている。
これにより、遊技者は、リプレイタイムRT3を確実に確保するように「所定の特定役」である小役Cに対応する「青7・青7・青7」となる特定図柄の組合せを停止表示させることもできるし、小役C以外の他の特定役である小役A及び/又は小役Cとに同時に当せんする「重複抽せん対象」として当せんしたと予測して、小役Cとリプレイタイムが継続する遊技回数が異なる他の小役A又は小役Bに対応する特定図柄の組合せとなる「赤7・赤7・赤7」又は「黄7・黄7・黄7」を停止表示させるように試みることもできる。
これにより、遊技回数が15回継続するリプレイタイムを確実に獲得する余地を確保しつつ、儲けを重視し、遊技回数が150回継続するリプレイタイムや遊技回数が50回継続するリプレイタイムの獲得を試みることができる。
この場合においては、少なくとも「所定の特定役」である小役Cに当せんしていることを示唆するために、小役Cに対応する図柄を他の特定役に対応する図柄より大きく表示したり、遊技者に対して最も手前側に表示したりするなど、少なくとも小役Cの当せんを知らしめるような報知を行うことが好ましい。
これにより、「所定の特定役」である小役Cに関する情報と、小役C以外の他の特定役である小役Aと小役Bに関する情報を報知するため、「重複抽せん対象」に当せんした可能性を遊技者に意識させることができる。
このように、遊技者に、「重複抽せん対象」の当せんの可能性を示唆することで、他の特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄を「目押し」をさせるようにチャレンジさせることができる。
例えば、上記において、小役Cの当せんが示唆されたにも拘わらず、小役Aに対応する図柄を「目押し」した結果、「赤7・赤7・赤7」が停止表示されず、「取りこぼし」となった場合において、その後の、例えば、100ゲームの間に、いずれかの特定役である小役A〜小役Cに当せんした場合には、図15(c)に示すように「CHANCE」の演出表示とともに当せん内容の色の「7」を表示させることもできる。
なお、図15(c)は、上記の100ゲームの間に、小役Cに単独で当せんする抽せん番号6に当せんした「当せんパターン2」の一例であり、小役Aに単独で当せんする抽せん番号4に当せんした場合は、「赤7」が、また、重複抽せん対象として設定された抽せん番号7〜10のいずれかに当せんした場合は、同時に当せんした特定役に対応する色の「7」が同時にすべて表示されることは言うまでも無い。また、重複抽せん対象に当せんした場合において、リプレイタイムが継続する遊技回数が最も多く、遊技者に有利な特定役に対応する色の「7」のみを表示することもできる。
この場合においては、小役Bと小役Cが本発明に係る「所定の特定役」に該当することになるため、少なくとも小役Bと小役Cに対応する図柄を表示するとともに、小役Bと小役Cの当せんを示唆するように、これらの図柄が小役Aに対応する図柄「赤7」より大きく表示されている。
これにより、遊技者は、リプレイタイムRT2又はリプレイタイムRT3を確実に確保するように、小役Bに対応する「黄7・黄7・黄7」となる特定図柄の組合せ又は、小役Cに対応する「青7・青7・青7」となる特定図柄の組合せを停止表示させることもできるし、小役Aに当せんしたと予測して、小役Aに対応する特定図柄の組合せとなる「赤7・赤7・赤7」を停止表示させるように試みることもできる。
なお、この場合において、小役Bは「所定の特定役」であり、少なくとも小役Bに当せんしているため、リプレイタイムが継続する遊技回数が多く、遊技者に有利な特定役に対応する「黄7」のみを表示することもできる。
そして、このような演出の後の、例えば、100ゲーム間は、当せんした特定役に関する情報のみを報知してもよい。
なお、「白7」を表示した後、停止ボタン5の操作前に、「赤7」を表示することもできることは勿論である。
つまり、抽せん番号4、抽せん番号7、抽せん番号8、抽せん番号10のグループでは、小役Aが「所定の特定役」となり、抽せん番号5、抽せん番号7、抽せん番号9、抽せん番号10のグループでは、小役Bが「所定の特定役」となり、抽せん番号6、抽せん番号8、抽せん番号9、抽せん番号10のグループでは、小役Cが「所定の特定役」となり、抽せん番号7、抽せん番号10のグループでは、小役Aと小役Bが「所定の特定役」となり、抽せん番号8、抽せん番号10のグループでは、小役Aと小役Cが「所定の特定役」となり、抽せん番号9、抽せん番号10のグループでは、小役Bと小役Cが「所定の特定役」となる。
そして、これらの各グループに共通する特定役に関する情報が少なくとも報知されることで、報知された共通の特定役に対応する遊技回数のリプレイタイムを確実に確保するか、当該グループに含まれる他の特定役に対応する遊技回数のリプレイタイムを獲得するかの選択ができるようになっている。
ここで、所定の特定役が2以上ある場合には、リプレイタイムが継続する遊技回数が多く、遊技者に有利な特定役に関する情報を少なくとも報知することもできる。
これにより、所定の特定役に関する情報が報知された場合には、少なくとも所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんしたことが担保されるため、遊技者は、安心して、所定の特定役に対応した図柄の組合せを構成する「7」の「目押し」を行うことができる。
反対に、報知手段が所定の特定役が一以上の他の特定役と同時に当せんする「重複抽せん対象」として当せんした場合も少なくとも所定の特定役に関する情報を報知することを認識している遊技者は、一以上の他の特定役に当せんしている可能性も認識している。そして、重複抽せん対象に当せんしている場合には、所定の特定役より継続する遊技回数が多いリプレイタイムに移行する他の特定役に当せんしていることもある。
このような場合で、遊技者は、当せん内容が、重複抽せん対象と予測して、他の特定役に対応する特定図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄を「目押し」をし、予測が的中していたときには、他の特定役に対応する特定図柄の組合せが停止表示され、所定の特定役より継続する遊技回数が多いリプレイタイムに移行させることもできる。
一方、予測がはずれていた場合には、他の特定役に対応する特定図柄の組合せは停止表示されず、なんら遊技価値が付与されない「ハズレ」となる。
このように、本発明では、報知された所定の遊技回数まで継続するリプレイタイムを確実に獲得するか、継続する遊技回数の異なるリプレイタイムの獲得にチャレンジするかの選択を遊技者に委ねることができ、従来のスロットマシンのように各々単独で当せんする場合と異なり、遊技者にとっては、儲けを重視する可能性を残しつつ、投資した遊技資金、手持ちの出玉や、残りの遊技時間等を考慮し、リスクを回避したリプレイタイムを確実に獲得する選択も可能となる。
これにより、当せん内容が次回遊技に持ち越されるボーナス役の当せんと異なり、1回のゲームが遊技の結果を左右する重みのあるゲームとすることができ、遊技者は、緊張感のある遊技を堪能することができる。
なお、この場合において、報知手段が行う当せん内容を含む情報の報知は、少なくとも当せん内容に対応する情報が含まれれば足り、当せんしていない他の抽せん対象の情報を同時に報知することもできる。
また、報知手段が所定の特定役に関する情報のみならず、他の特定役に関する情報をも報知する場合は、例えば、表示器L1で表示するときに、所定の特定役に対応する図柄を他の特定役に対応する図柄より大きく表示するなど、少なくとも所定の特定役の当せんを示唆するような報知を行うことが好ましい。
例えば、上述した実施形態のスロットマシンでは、使用する遊技媒体がメダル(コイン)の場合を示したが、本発明に係るスロットマシンに使用可能な遊技媒体はメダルに限られず、例えば、パチンコ球と同様の遊技球を遊技媒体として使用することもできる。このような遊技球を使用して遊技可能なスロットマシンは、パチロット等とも呼ばれ、本発明のスロットマシンとして適用可能である。
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7 BETボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 メダル払出装置
40 演出制御部
Claims (8)
- スタート操作により数種類の図柄が表された複数のリールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止し、停止した各リールに表された図柄で構成される図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、
複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する図柄が停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にある場合に、当せん内容に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御する停止制御手段と、
少なくとも通常遊技と、遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技高確率遊技と、を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、
前記当せん内容を含む情報を報知する報知手段と、を備え、
当せんが次回遊技に持ち越されることなく、当せんした遊技限りにおいて、対応する特定の図柄の組合せが停止表示されることで継続する遊技回数が各々異なる前記再遊技高確率遊技に移行する複数の特定役が設けられ、
前記複数の特定役のうち一又は二以上の所定の特定役に当せんする抽せん対象が、複数設定されるとともに、前記所定の特定役に当せんする複数の抽せん対象のうち少なくとも一の抽せん対象は、当該所定の特定役と当該所定の特定役以外の一以上の他の特定役とに同時に当せんする抽せん対象として設定され、
前記各特定役に対応する特定の図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄が、当該各特定役に対応する特定の図柄の組合せが同時に停止表示されない所定の間隔をもって、配置され、
前記報知手段が、前記所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんした場合において、少なくとも当該所定の特定役に関する情報を報知することを特徴とするスロットマシン。 - 前記所定の特定役に対応する特定の図柄の組合せが停止表示されることで移行する前記再遊技高確率遊技の継続する遊技回数が、前記他の特定役に対応する特定の図柄の組合せが停止表示されることで移行する前記再遊技高確率遊技の継続する遊技回数より少なく設定される請求項1記載のスロットマシン。
- 前記各特定役に対応する特定の図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄が、前記所定の図柄コマ数を超える間隔をもって、各リールにおいて配置される請求項1又は2記載のスロットマシン。
- 前記報知手段が、前記所定の特定役に当せんしない抽せん対象に当せんした場合、前記所定の特定役に関する情報を報知しない請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシン。
- 前記報知手段が、前記所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんした場合において、当該所定の特定役に関する情報と前記他の特定役に関する情報を報知する請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
- 前記報知手段が、所定の遊技条件が成立後、当せんした特定役に関する情報のみ報知する請求項1〜5のいずれか一項に記載のスロットマシン。
- 前記所定の遊技条件の成立は、前記所定の特定役に当せんする抽せん対象に当せんし、かつ、当該所定の特定役に対応する特定の図柄の組合せが停止表示されない場合を少なくとも含む請求項6記載のスロットマシン。
- 対応する図柄の組合せの停止表示により次回の一の遊技が特別な遊技状態となる特別役が設けられ、
前記再遊技役に対応する図柄の組合せを構成する各リールに表された図柄が、前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、各リールにおいて配置され、
前記通常遊技においては、前記特別役と前記再遊技役は、当該特別役と当該再遊技役とに同時に当せんする抽せん対象として設けられるとともに、当該抽せん対象に当せんした場合に、前記停止制御手段が、前記再遊技役に対応する図柄の組合せが優先して停止表示されるように各リールを停止制御し、
前記再遊技高確率遊技においては、前記特別役と前記再遊技役は、各々独立して当せんする抽せん対象として設けられる請求項1〜7のいずれか一項に記載のスロットマシン。
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