JP4787223B2 - スロットマシン - Google Patents

Description

本発明は、遊技媒体を投入後、スタート操作により回転を開始する複数のリール（回胴）を、停止操作により停止させ、各リールに付された絵柄，文字等の図柄が有効ライン上で所定の図柄の組合せで表示されることによって、表示された図柄の組合せに応じた遊技媒体を獲得できるスロットマシン（回胴式遊技機）に関し、特に、遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを、特定の小役に対応する特定の図柄の組合せの停止表示によって終了させるスロットマシンに関する。

一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル（コイン）や遊技球（パチンコ球）を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字，文字等の図柄が表された複数のリール（通常３個のリール）が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止表示されたリール上の図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体が払い出される遊技機である。

このようなスロットマシンでは、一遊技毎にスタートレバーの操作のタイミングで、所定の抽せん確率に基づいて、内部抽せんが行われる。内部抽せんの結果、複数の抽せん対象から今回の遊技の当せん内容が決定され、当せん内容に対応した図柄の組合せで停止表示されるように、停止ボタンの押下タイミングに基づき、各リールが停止制御されるようになっている。
そして、内部抽せんにおける抽せん対象には、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象と、なんら遊技価値が付与されない抽せん対象であるハズレがある。遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象は、役と呼ばれ、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
これらの抽せん対象が抽せんされる抽せん確率は、通常、ハズレが頻出するとともに、小役、再遊技役が時折発生し、ボーナス役が稀に発生するように設定されている。したがって、遊技状態のうちの大半は、ハズレや小役、再遊技役が発生する通常遊技が占めることになり、遊技者は、このような通常遊技において、ボーナス役の当せんを期待しつつ、スロットマシン遊技を進行させている。

近年のスロットマシンにおいては、上記の通常遊技、ボーナス遊技の外に、遊技者に有利となるその他の遊技状態が設定されているスロットマシンもある。
遊技者に有利となる遊技状態としては、上記の再遊技役が高確率で発生し、再遊技が頻出する状態（再遊技頻出遊技）が継続する、いわゆる「リプレイタイム（ＲＴ）」（以下、再遊技頻出遊技をリプレイタイムと称し、必要に応じて再遊技頻出遊技を使用する）と呼ばれる遊技状態が知られている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生することから、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。

以上のような複数の遊技状態は、通常遊技を基本の遊技状態として、一定の条件が成立することで順次遷移するようになっている。
ボーナス遊技は、内部抽せんにより、ボーナス役に当せんするとともに、「７・７・７」などの所定の停止図柄の組合せが停止表示されることにより、通常遊技等からボーナス遊技に移行するようになっている。
ボーナス遊技は、所定の小役が高確率で発生するように設定され、既定のメダル数の獲得により終了するようになっている。

リプレイタイムは、ボーナス遊技の終了後や、長期間ボーナス役の当せんがなく通常遊技が継続する、いわゆる「はまりモード」を救済するために、一定の遊技回数の間、ボーナス役の当せんがない状態が継続した場合などに移行するようになっている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生するとともに、この間の抽せん対象には、「ボーナス役」が含まれている。これにより、リプレイタイムでは、遊技者は、通常遊技より少ない遊技投資で、ボーナス役の当せんを期待しながら、遊技を楽しめるようになっている。
リプレイタイムの終了条件には、リプレイタイム中におけるボーナス役の当せんや、ボーナス役に対応する図柄の組合せの停止表示によるボーナス遊技への移行以外に、例えば、あらかじめ定められた遊技回数が消化されることや、特定の図柄の組合せ（以下、特定図柄の組合せ）が停止表示されることなどが、遊技機に関する規則において規定されている。

最近では、リプレイタイム中において、特定小役に当せんし、当該特定小役に対応する特定図柄の組合せの停止表示を終了条件とする場合において、遊技者にリプレイタイムの継続の成否に関与させる仕様のスロットマシンが多く見受けられる。
このようなスロットマシンでは、各リールを停止させる停止ボタンの操作時に、一定の技術を介入させた遊技者の選択により、特定図柄の組合せの停止表示を回避させる、いわゆる「ハズシ」を行わせることで、引続きリプレイタイムを継続させるようにしている。
例えば、特許文献１では、特定小役に当せんしたときに、停止ボタンの操作手順（押し順）の違いにより、特定図柄の組合せが停止表示される場合と、特定図柄の組合せが停止表示されない場合に制御するとともに、このような特定小役を複数設け、各々特定図柄の組合せが停止表示される押し順を相違させた発明が開示されている。
これにより、リプレイタイム中にいずれかの特定小役に当せんした場合に、当該当せんを遊技者に報知し、遊技者に停止ボタンの押し順を選択させることで、リプレイタイムの継続の成否を決定させることができるようになっている。
すなわち、遊技者の予測した特定小役が、内部抽せんに当せんした特定小役と合致し、かつ、当該特定小役に対応する押し順で停止ボタンを操作することで、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させることができる。

また、特許文献１では、停止ボタンの操作タイミングよって、対応する所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示可能な範囲にあるときには、特定図柄の組合せが停止表示されず、所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示され、所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示可能な範囲以外のときには、特定図柄の組合せが停止表示される一般小役を複数設けるとともに、各々所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示される範囲が重複しないように配置された発明も開示されている。
これにより、リプレイタイム中にいずれかの一般小役に当せんした場合に、当該当せんを遊技者に報知し、いずれかの一般小役に対応する所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示可能な範囲を選択させて、停止ボタンを操作させる、いわゆる「目押し」を行わせることで、リプレイタイムの継続の成否を決定させることができるようになっている。
すなわち、遊技者の予測した一般小役が、内部抽せんに当せんした一般小役と合致し、かつ、当該一般小役に対応する所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示可能な範囲で停止ボタンを「目押し」することで、所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示（入賞）され、一般小役を取りこぼすことなく、リプレイタイムを継続させることができる。
一方、当せんした一般小役を取りこぼすと、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムが終了するようになっている。

また、特許文献２では、リプレイタイム中に、特定小役の当せんを報知し、特定図柄の組合せを停止表示させないような情報を表示する発明が開示されている。
特定図柄の組合せを停止表示させないような情報には、当該特定図柄の組合せを停止させないことを遊技者に暗示する画像とともに、当該特定図柄の組合せを構成する図柄自体を表示するなどが例示されている。
これにより、特定図柄の組合せを停止表示させないような情報に基づき、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができる。

特開２００６−３２６２７９号公報 特開２００６−３３４１２０号公報

しかしながら、リプレイタイムにおいて遊技者の関与により、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させる場合、これまで提案されているスロットマシンでは、以下のような弊害も生じていた。
例えば、リプレイタイムにおいて遊技者の関与により、リプレイタイムを確実に継続させたい場合がある。
例えば、前述した「はまりモード」を救済するために、一定の遊技回数の間ボーナス役の当せんがない状態が継続した場合に移行するリプレイタイムでは、内部抽せんにおいて、特定小役に当せんしたときに、ボーナス役に当せんするまで、リプレイタイムを継続させるように、当該当せんを遊技者に報知し、特定図柄の組合せを停止表示させないようにする必要がある。

特定図柄の組合せを停止表示させないように報知する場合において、当せんした特定小役に対応している特定図柄の組合せの情報は報知できるものの、当せんした特定小役に対応していない他の図柄（ハズシ図柄）の情報を報知することは、当せん内容と異なる結果を報知することになり、遊技の公正を害する調整機能に該当するおそれがある。
すなわち、遊技者に、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させる、いわゆる「ハズシ」行わせるために、当せんした特定小役に対応する特定図柄の組合せの情報を所定の表示器等を用いて報知することはできる。
しかしながら、特定図柄の組合せを構成する図柄以外の他の図柄（ハズシ図柄）を遊技者に積極的に狙わせて「目押し」をさせるために、当せん内容に対応した特定図柄の組合せを表示することなく、特定図柄の組合せ以外の他の図柄（ハズシ図柄）を表示して報知することは、当せん内容と合致していない報知となるため、遊技の公正を害する調整機能に該当するおそれがある。

そのために、特許文献２においても、特定図柄の組合せを停止させないことを遊技者に暗示する画像（例えば、特定図柄の組合せを構成する一の図柄の上に「×」を表示する）とともに、特定図柄の組合せを構成する一の図柄を表示する消極的な報知手法が採用されている。
この結果、遊技者は、報知された特定図柄の組合せを構成する一の図柄を誤って狙って「目押し」をすることがあり、意に反してリプレイタイムが、終了してしまう事態を生じてしまっていた。
このような事態は、遊技者に「目押し」において、狙ってはいけない図柄と認識させる意図で特定図柄の組合せを構成する一の図柄を報知したものの、反対に狙うべき図柄（ハズシ図柄）と認識させてしまうことから生じる。
これは、遊技者は、通常、表示器等で報知された内容に従って、遊技操作を行うことに慣れているためで、咄嗟の判断で逆の思考をすることに慣れていないからである。

なお、特許文献１おける後者の発明においては、一般小役の当せんとともに、一般小役に対応する所定の図柄（ハズシ図柄）の情報の報知を行えば、抽せん内容に従った報知となるため、所定の図柄（ハズシ図柄）を、遊技者に、積極的に狙わせ「目押し」をさせることができる。
ところが、上記の発明では、一般小役に当せんし、当該一般小役に対応する所定の図柄（ハズシ図柄）が停止表示されずに、取りこぼした場合、結果的に特定図柄の組合せが停止表示されるが、このときには、入賞に該当しないため、一切、遊技媒体が獲得できず、リプレイタイムが終了することになる。
つまり、「ハズシ」に成功せず、リプレイタイムが終了となっても、せめて遊技媒体の獲得が得られれば、遊技者は納得できることもあるが、上記発明では、なんら遊技媒体が獲得されないでリプレイタイムが終了するため、遊技者にとって後味の悪いものとなっていた。

以上のような従来のスロットマシンが有する問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを対応する停止図柄の組合せに含む特定小役と、ハズシ図柄を対応する停止図柄の組合せに含む一般小役と、に同時に当せんする重複役（重複当せんフラグ）を備えることで、ハズシ図柄を積極的に報知可能とするとともに、いずれかの入賞によっても遊技媒体が獲得できる従来には存在しない魅力的なスロットマシン遊技を実現し得る本発明に想到するに至ったものである。

すなわち、本発明は、上述したような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、リプレイタイムが終了する特定図柄の組合せの停止表示を回避させるハズシ図柄を積極的に報知するとともに、特定図柄の組合せ又はハズシ図柄を含む停止図柄の組合せのいずれの停止表示においても、遊技媒体が獲得されるスロットマシンの提供を目的とする。

上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、スタート操作により数種類の図柄が表された複数のリールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止し、停止した各リールに表された図柄で構成される停止図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した停止図柄の組合せを構成する図柄が停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にある場合に、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、前記再遊技頻出遊技における抽せん対象であって、各々の停止表示により遊技媒体が付与されるとともに、停止表示されることで前記再遊技頻出遊技が終了する特定図柄の組合せを停止図柄の組合せに含む特定小役と、停止図柄の組合せを構成する少なくとも一のリールに表された図柄が、前記特定図柄の組合せを構成する当該リールに表された図柄と図柄の種類が異なるハズシ図柄を含む一般小役と、に同時に当せんする重複役が設定される重複役設定手段と、前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、前記ハズシ図柄の情報を報知するハズシ図柄報知手段と、を備え、前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんし、前記ハズシ図柄が表されたリールに対応する停止ボタンが停止操作され、当該停止操作のタイミングから前記図柄コマ数内に前記ハズシ図柄がある場合に、前記停止制御手段が、前記ハズシ図柄を停止表示させるように当該ハズシ図柄が表されたリールを停止制御することで、前記特定図柄の組合せが停止表示されない構成としてある。

このような構成とすることにより、遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされ、再遊技が頻出する遊技状態（再遊技頻出遊技）となる、いわゆるリプレイタイム（ＲＴ）が搭載され、特定図柄の組合せが停止表示されることで、当該リプレイタイムが終了するスロットマシンにおいて、特定図柄の組合せに対応する特定小役に当せんした場合でも、ハズシ図柄を停止表示される図柄の組合せを構成する図柄に含む一般小役も同時に当せんしているため、積極的にハズシ図柄に関する情報を報知できる。
すなわち、重複役設定手段により、停止表示されることがリプレイタイムが終了する条件である特定図柄の組合せを対応する停止図柄の組合せに含む特定小役と、ハズシ図柄を対応する停止図柄の組合せを構成する図柄に含む一般小役と、に同時に当せんする重複役が設定されるため、リプレイタイムにおいて特定小役に当せんした場合には、同時に一般小役にも当せんしているので、一般小役に対応する停止図柄の情報を報知することができる。その結果、ハズシ図柄の情報も積極的に報知することができる。
前述したように、当せん内容と合致していない報知は、遊技の公正を害する調整機能に該当することになるが、本発明では、特定小役と一般小役が同時に当せんするため、特定小役に対応する特定図柄の組合せに関する情報はもちろん、一般小役に対応するハズシ図柄の情報も報知することができる。

これにより、リプレイタイムにおいて、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させる場合には、当該重複役に当せんしたときに、ハズシ図柄の情報を遊技者に報知することで、遊技者は、当該当せんを察知するとともに、ハズシ図柄が表されたリールを、ハズシ図柄が停止表示されるように「目押し」をすることができる。
その結果、本発明の停止制御手段が、ハズシ図柄が、「目押し」の停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にある場合に、抽せんされた当せん内容、つまり、一般小役に対応した停止図柄の組合せを構成する図柄であるハズシ図柄が停止表示されるようにハズシ図柄が表されたリールを停止制御するため、特定図柄の組合せを構成するハズシ図柄が表されたリールにおいては、ハズシ図柄が停止表示されることになり、結果的に特定図柄の組合せを構成する全ての図柄が停止表示されなくなる。

なお、ハズシ図柄の情報を報知するハズシ図柄報知手段は、光、音声などの演出により遊技者にハズシ図柄の情報を認識させるものである。光で視覚的に認識させる手法では、例えば、液晶表示器やＬＥＤ発光ダイオードなどの表示媒体を用いて、ハズシ図柄自体の絵柄や色などの視覚的な特徴を表示したり、ハズシ図柄が表されたリールを特定する表示をしたりすることができる。
音声により聴覚的に認識させる手法では、ハズシ図柄の名称やハズシ図柄が表されたリール名称を発声することができる。
また、ハズシ図柄報知手段によるハズシ図柄の情報の報知は、所定の条件に基づき行われるため、リプレイタイムを終了させる場合には、ハズシ図柄の情報を報知しなければ、重複役の当せんを報知しない限り、外部から察知されないため、リプレイタイムを終了させるように作用させることもできる。

また、特定小役と一般小役は、遊技媒体が付与される抽せん対象であるため、各小役に対応する図柄が、停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にあり、いずれかの対応する停止図柄の組合せで停止表示された場合には、取りこぼすことなく遊技媒体が獲得できる。
これにより、ハズシ図柄を含む停止図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムが継続した場合のみならず、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムの終了した場合でも、遊技媒体の獲得ができる。
その結果、リプレイタイムの終了を回避する「ハズシ」が失敗した場合でも、遊技媒体が獲得でき、遊技者が納得できるようになる。

また、本発明のスロットマシンは、前記重複役を複数備え、前記各重複役が、前記特定小役と、前記ハズシ図柄が各々異なる前記一般小役と、からなり、前記再遊技頻出遊技において前記複数の重複役のうちいずれかの重複役に当せんした場合に、当せんした重複役を特定せずに重複役の当せんを報知する重複役報知手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、リプレイタイムにおいて、複数の重複役のうちのいずれかの重複役に当せんした場合に、重複役報知手段が、当せんした重複役を特定せずに重複役の当せんを報知するため、遊技者に、どの重複役に当せんしたのか、予測させて、当該重複役に対応するハズシ図柄を「目押し」をさせることで、リプレイタイムの終了か、継続かの成否を決定させることができる。

すなわち、例えば、各々同一のリール上に、異なるハズシ図柄を停止図柄の組合せを構成する図柄に含む一般小役を３つ設け、各々の一般小役が一の特定小役と組合されて、３つの重複役として構成された場合において、リプレイタイムにおいて、３つうちいずれかの重複役に当せんしたときに、当せんした重複役を特定せずに重複役の当せんを報知する。
そして、遊技者に、当せんした重複役を予測させ、予測した重複役に対応するハズシ図柄を「目押し」をさせるようにする。
その結果、当せんした重複役と予測した重複役が合致し、当せんした重複役に対応するハズシ図柄の「目押し」に成功した場合には、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムが継続する。
一方、当せんした重複役と予測した重複役が不一致となった場合には、当せんした重複役に対応するハズシ図柄は停止表示されない。この場合には、停止制御手段により、特定図柄の組合せが停止表示されるようにすることもできる。
このように遊技者に、リプレイタイムの終了か、継続かの成否を決定させることで、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。

また、本発明のスロットマシンは、前記特定小役に対応する停止図柄の組合せが、複数のリールのうちの特定リールに表され、当該特定リールに対応する停止ボタンが停止操作されたときに、前記停止制御手段により、常に停止表示可能となるように所定の間隔で配置された第一特定図柄と、前記特定リール以外の他のリールに表されたすべての図柄と、で構成され、前記ハズシ図柄が、前記特定リール以外の他のリールに表される場合において、前記停止制御手段が、前記第一特定図柄が停止表示されるように前記特定リールを停止制御する構成とすることができる。

このような構成とすることにより、特定小役は、特定リール以外の他のリールの停止図柄の組合せを問わず特定リールに表された第一特定図柄の停止表示のみで入賞が確定する小役である、例えば「チェリー役」に該当するため、特定リール以外の他のリールに表されたハズシ図柄も特定小役に対応する停止図柄の組合せに図柄に含まれることになる。
さらに、特定リールに表された第一特定図柄は、常に停止表示可能となるよう所定の間隔で配置されているとともに、停止制御手段が、特定リールを停止制御することで、第一特定図柄が常に停止表示される。
このことから、第一特定図柄が表された特定リールでは、第一特定図柄が必ず停止表示される。

したがって、特定図柄の組合せの停止表示又はハズシ図柄を含む停止図柄の組合せの停止表示のいかんに拘わらず、特定リールにおいて第一特定図柄が常に停止表示されることで、特定小役が必ず成立する。
これにより、ハズシ図柄を狙った「目押し」の成功又は失敗によらず、特定小役には、必ず入賞させることができ、遊技媒体を取りこぼすことなく、獲得できる。
すなわち、特定小役は取りこぼすことがなくなり、必ず遊技媒体が獲得できるとともに、ハズシ図柄を狙った「目押し」の成功により、特定図柄の組合せの停止表示も回避することができる。

さらに、本発明のスロットマシンは、前記複数のリールが、左リール、中リール、右リールの３つのリールからなる場合において、前記ハズシ図柄が右リールに表された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、通常、遊技者が行う停止操作は、左リール、中リール、右リールの順など右リールより先に左リールに停止させるように停止ボタンを操作する、いわゆる「順押し」による停止順が多いため、ハズシ図柄が右リールに表されることで、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させる特殊な意味をもつ図柄であることを、遊技者に認識させることができる。
これにより、例えば、通常の「順押し」と異なり右リールを最初に停止させるように停止ボタンを操作する、いわゆる「逆押し」をした場合に、ハズシ図柄を優先して停止表示させるような停止制御を設けることもでき、遊技者の「目押し」による負担を軽減させることができる。
また、ハズシ図柄報知手段により、ハズシ図柄を遊技者に認識させる場合においても、「右リール」や「逆押し」等の演出を含めることができ、通常の「順押し」における遊技との違いを明確にすることができる。
また、端部のリールに表すことで、遊技者にも「目押し」において見易くすることができる。

また、本発明のスロットマシンは、前記特定図柄の組合せが、左リールに表された前記第一特定図柄と、中リールに表されたすべての図柄からなる第二図柄（以下、便宜上、第二特定図柄という）と、右リールに表され、当該右リールに対応する停止ボタンが停止操作されたときに、前記停止制御手段により、常に停止表示可能となるように所定の間隔で配置された第三特定図柄と、からなり、前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんした場合に、前記停止制御手段が、少なくとも左リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作されたときには、前記特定図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御するとともに、少なくとも右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから前記図柄コマ数内に前記ハズシ図柄があるときには、当該ハズシ図柄が停止表示されるように右リールを停止制御することで、前記特定図柄の組合せが停止表示されない構成とすることができる。

このような構成とすることにより、少なくとも左リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作されたときには、特定図柄の組合せが停止表示され、少なくとも右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にハズシ図柄があるときには、特定図柄の組合せが停止表示されず、ハズシ図柄が停止表示されるため、リールに対応して設けられた停止ボタンを、左停止ボタンから停止操作するか、右停止ボタンから停止操作するかの押し順の違いのみで、特定図柄の組合せの停止表示か否かを両分することができる。

すなわち、リプレイタイムにおいて重複役に当せんした場合に、左リールに対応する左停止ボタンが最初に停止操作される「順押し」をしたときは、必ず、特定図柄の組合せが停止表示されるため、リプレイタイムを終了させることができる。
一方、右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作される「逆押し」をし、かつ、当該停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にハズシ図柄があるときは、必ず、特定図柄の組合せが停止表示されず、ハズシ図柄が停止表示されるため、リプレイタイムの終了を回避することができる。
特に、左リールが最初に停止操作される「順押し」による場合は、特定図柄の組合せが停止表示されるので、ハズシ図柄報知手段や重複役報知手段により重複役の当せんを報知せずに、リプレイタイムを積極的に終了させたい場合には、遊技者が無意識に行う「順押し」により、リプレイタイムを終了へと導くこともできる。

また、本発明のスロットマシンは、前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんした場合に、前記停止制御手段が、右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから前記図柄コマ数内に前記ハズシ図柄がないときには、前記特定図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御する構成とすることができる。

このような構成とすることにより、右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にハズシ図柄がないときには、特定図柄の組合せが停止表示されるため、前述した当該停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にハズシ図柄があるときと、排反事象とすることができる。
すなわち、右リールに対応する停止ボタンの停止操作を誤り、右リールにハズシ図柄を狙う「目押し」に失敗した場合には、ハズシ図柄が停止表示されず、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムが終了する。一方、右リールにハズシ図柄を狙う「目押し」に成功した場合には、リプレイタイムが継続することになる。
これにより、リプレイタイムにおいて重複役に当せんし、右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作された場合には、ハズシ図柄又は特定図柄の組合せのいずれかが必ず停止表示されることになり、リプレイタイムの継続か、又は終了かのいずれかに二分することができ、遊技状態の移行を明確にすることができる。

本発明のスロットマシンによれば、リプレイタイムが終了する特定図柄の組合せの停止表示を回避させるハズシ図柄を積極的に報知するとともに、特定図柄の組合せ又はハズシ図柄を含む停止図柄の組合せのいずれの停止表示においても、遊技媒体が獲得される、従来には存在しない魅力的なスロットマシン遊技を実現することができる。

以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の制御、例えば、リールの回転開始，リールの停止制御，内部抽せん等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各制御，動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めＲＯＭ等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行される。

［スロットマシン本体］
まず、図１〜図３を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図２は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図３は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これら図に示すように、本実施形態のスロットマシン１は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン１に備えられた複数のリール２１ａ，２１ｂ，２１ｃを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。

そして、本実施形態のスロットマシン１では、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを対応する停止図柄の組合せに含む特定小役と、ハズシ図柄を対応する停止図柄の組合せに含む一般小役と、が同時に当せんされる重複役を備えることで、ハズシ図柄を積極的に報知可能とするとともに、いずれかの入賞によっても遊技媒体が獲得できるようになっている。

具体的には、本実施形態のスロットマシン１は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部１０及び必要な機械，装置等を収納可能な前面側が開口された筐体１ｂと、前面側を開閉可能に覆う前扉１ａとからなる筐体状に構成されている。
前扉１ａは、図１及び図２に示すように、スロットマシン１の筐体１ｂにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉１ａに前面パネル２とその他各部が備えられてスロットマシン１の正面部を構成している。

前扉１ａの最上部には、表示器Ｌ１が備えられ、また、表示器Ｌ１の左右両脇にはスピーカ９が備えられている。
表示器Ｌ１は、液晶表示装置等からなる本発明に係るハズシ図柄報知手段や重複役報知手段として機能し、リプレイタイムにおいて、重複役に当せんし、所定の条件が成立したときに、リプレイタイムの終了を回避するハズシ図柄の絵柄やハズシ図柄が表された停止操作すべきリールの情報や、重複役の当せん情報を演出画像（動画及び静止画像を含む）として表示することで、遊技者に報知するようになっている。
この表示器Ｌ１による演出は、スピーカ９からの音による演出と連動して、又はスピーカ９による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器Ｌ１は、制御部１０から送信されるとともに、筐体１ｂに設けられた演出制御部４０が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部４０に備えられる表示器駆動回路４２によって駆動制御される（図５参照）。

スピーカ９は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生する本発明に係るハズシ図柄報知手段や重複役報知手段として機能するようになっており、このスピーカ９を介して、上述した表示器Ｌ１とともに、又は表示器Ｌ１とは別個に、音による所定の演出が行われるようになっている。
例えば、リプレイタイムにおいて、重複役に当せんした場合に、所定の条件が成立したときに、リプレイタイムの終了を回避するハズシ図柄の図柄名称やハズシ図柄が表された停止操作すべきリール名称、又は重複役の当せん情報が、音声によりスピーカ９から出力されることで、遊技者に報知することができる。
このスピーカ９から発生される音声は、制御部１０から送信されるとともに、筐体１ｂに設けられた演出制御部４０が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部４０に備えられるサウンド回路４１によって生成・出力されるようになっている（図５参照）。

前面パネル２には、ほぼ中央部分に表示窓３が設けられ、筐体内の各リール２１ａ〜２１ｃが外部から視認可能となっている。
表示窓３は、スロットマシン１内部に配設された三つのリール（左）２１ａ，リール（中）２１ｂ，リール（右）２１ｃ（図２参照）の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール２１の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認，識別できるようになっている。
そして、この表示窓３を介して視認されるリール２１の停止図柄の組合せには、メダルの賭け数に応じて有効となる停止図柄の並びが変化する有効ラインが設定されている。
図３に示すように、有効ラインは、水平に３つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン１、有効ライン２、有効ライン３と、斜めにクロスする２つの有効ライン４、有効ライン５の計５ラインが設けられ、有効ライン１〜５に沿って停止表示されたリール２１ａ〜２１ｃに表された図柄の組合せによって、ゲームの結果が決定されるようになっている。

前面パネル２の表示窓３の下側には、貯留枚数表示部２ａと、状態表示部２ｂと、獲得枚数表示部２ｃとが備えられている。
貯留枚数表示部２ａ，状態表示部２ｂ及び獲得枚数表示部２ｃは、それぞれ７セグメントＬＥＤ等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
貯留枚数表示部２ａは、貯留メダル数が表示され、状態表示部２ｂは、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、獲得枚数表示部２ｃは、入賞時の払出数が表示される。
各表示部は、制御部１０に備えられた表示部駆動回路１５によって駆動制御される（図５参照）。

前面パネル２の表示窓３の左側には、下側より、ボーナス当せん告知部Ｌ２、小役当せん告知部Ｌ３、三択当せん告知部Ｌ４が備えられている。
ボーナス当せん告知部Ｌ２は、スロットマシン１の制御部１０における内部抽せんの結果、ボーナス役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するＬＥＤ発光ダイオード（以下、ＬＥＤという）と、ＬＥＤの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
小役当せん告知部Ｌ３ａ〜Ｌ３ｃは、本発明に係るハズシ図柄報知手段として機能し、後述する複数の小役と対応するように設けられ、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するＬＥＤと、内部抽せんに当せんした小役に対応する絵柄等をＬＥＤの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
三択当せん告知部Ｌ４は、本発明に係る重複役報知手段として機能し、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するＬＥＤと、絵柄等をＬＥＤの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。

前面パネル２の表示窓３の右側には、上側より、ＲＴ状態告知部Ｌ５、押し順告知部Ｌ６が備えられている。
ＲＴ状態告知部Ｌ５は、リプレイタイムにおいて、点灯又は点滅するＬＥＤと、絵柄等をＬＥＤの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
押し順告知部Ｌ６ａ，Ｌ６ｂは、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するＬＥＤと、絵柄等をＬＥＤの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
押し順告知部Ｌ６ａは、左リール２１ａに対応した停止ボタン５ａからの停止操作を示唆する「→」などの絵柄が表され、押し順告知部Ｌ６ｂは、本発明に係るハズシ図柄報知手段や重複役報知手段として機能し、右リール２１ｃに表されたハズシ図柄の「目押し」を指示するように、リール２１ｃに対応した停止ボタン５ｃからの停止操作を示唆する「←」などの絵柄が表されている。
そして、上記の各告知部Ｌ２〜Ｌ６は、制御部１０から送信されるとともに、演出制御部４０が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部４０に備えられる表示器駆動回路４２によって駆動制御される（図５参照）。

前面パネル２の下側の前扉１ａのほぼ中央部分には、スタートレバー４，停止ボタン５，メダル投入口６，精算ボタン６ｂ，ＢＥＴボタン７等の遊技者が操作するためのボタン類が備えられている。
スタートレバー４は、三つの各リール２１の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー４が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部１０にスタート信号が出力され（図５参照）、本体内部の各リール２１ａ〜２１ｃが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー４の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部１０において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。

停止ボタン５は、回転するリール２１を停止させる停止手段であり、三つのリール（左）２１ａ，リール（中）２１ｂ，リール（右）２１ｃに対応して設けられた三つの停止ボタン（左）５ａ，停止ボタン（中）５ｂ，停止ボタン（右）５ｃが備えられている。この各停止ボタン５ａ，５ｂ，５ｃが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御部１０にストップ信号が出力され（図５参照）、対応する各リール２１ａ，２１ｂ，２１ｃの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー４及び停止ボタン５を操作することにより、三つのリール２１ａ〜２１ｃを回転及び停止させて、各リール２１ａ〜２１ｃに表された図柄を所定の組合せの停止表示となるようスロットマシン遊技を行うことができる。

メダル投入口６は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口６から投入されたメダル数に応じてゲームが行えるようになっている。
メダル投入口６の本体内部側には、図２に示すようにメダルセレクタ６ａが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部１０に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口６からメダルが１枚投入されれば１枚賭けのゲーム、２枚投入されれば２枚賭けのゲーム、３枚投入されれば３枚賭け（ＭＡＸＢＥＴ）のゲームが行えるようになる。
これに対応して、前述の有効ラインが増加するようになっており、１枚賭けでは、中段の有効ライン１のみ有効ラインとなるゲーム、２枚賭けでは、さらに上段、下段の有効ライン２、有効ライン３が有効ラインに追加されるゲーム、３枚賭けでは、さらに斜めにクロスする有効ライン４、有効ライン５が、有効ラインに追加されるゲームと変化するようになっている。

また、メダル投入口６から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として制御部１０内のＲＡＭ１１ｂに記憶されるようになっており（図５参照）、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留，記憶できるようになっている。
具体的には、メダルが３枚投入されている状態で、さらにメダル投入口６からメダルが投入されると、４枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数（例えば、最大５０枚）が貯留，記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル２の貯留枚数表示部２ａに数値として表示される。

精算ボタン６ｂは、遊技の終了時等に貯留メダルを精算するためのスイッチである。
この精算ボタン６ｂが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置３０から遊技メダル払出口８に排出され、ＲＡＭ１１ｂに記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることで貯留枚数表示部２ａの数値もゼロ表示となる。

メダルのＢＥＴボタン（投入ボタン）７は、メダル投入口６から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する（賭ける）メダルを投入（ＢＥＴ）するメダル投入用のスイッチである。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル（通常３枚）を貯留メダルから投入する３枚賭け用のＭＡＸＢＥＴボタン７ａと、一回の押下で１枚のメダルを貯留メダルから投入する１枚賭け用の１ＢＥＴボタン７ｂとが備えられている。
１ＢＥＴボタン７ｂは一回押下するたびに１枚賭け、２枚賭け、３枚賭けとＢＥＴ数が増加するようになっている。
このＢＥＴボタン７が押下されると、メダル信号が制御部１０に出力され（図５参照）、押下された回数と同数のメダルが、ＲＡＭ１１ｂに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、ＲＡＭ１１ｂに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、貯留枚数表示部２ａの表示数値も投入数だけ減ることになる。

スロットマシン１の最下部には、遊技メダル払出口８が備えられている。
停止ボタン５の押下によって停止された各リール２１が所定の図柄の組合せとなった場合に、筐体内のメダル払出装置３０から図柄の組合せに応じた数量のメダルが、遊技メダル払出口８より、払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓３の下側にある状態表示部を構成する獲得枚数表示部２ｃに表示される。

スロットマシン１の筐体内部には、図２に示すように、三個のリール２１ａ〜２１ｃを回転及び停止駆動するドラムユニット２０や、メダルを払い出すメダル払出装置３０、その他の機械，装置等が備えられている。
ドラムユニット２０は、三つのリール２１ａ，２１ｂ，２１ｃと、三つのリール２１ａ〜２１ｃを回転自在に保持し、各リール２１ａ〜２１ｃに対応するステッピングモータ２３ａ〜２３ｃを回転駆動することで各リール２１ａ〜２１ｃの回転の始動，定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路２２と、各リール２１ａ〜２１ｃが一回転する毎に各リール２１ａ〜２１ｃの基準位置を検出してマーカー信号として制御部１０に出力する回胴位置検出部２４と、を備えている（図５参照）。

リール２１は、既存のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数（通常２１個）の絵柄や文字等の図柄が表された円筒状部分からなり、縦方向（図面上から下方向）に回転する三つのリール（左）２１ａ，リール（中）２１ｂ，リール（右）２１ｃが横方向（図面左右方向）に一列に並んで配設されている（図２参照）。
各リール２１ａ〜２１ｃに表された図柄は、図４に示すように、各リールごとに等間隔で配設され、例えば色違いの３種類の「７」や「ベル」，「スイカ」，「チェリー」，「リプレイ」，「ブランク」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、各リールに２１個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、これらのリール２１ａ〜２１ｃに表された図柄が、スタートレバー４が押下操作されることで、下方向に回転するとともに、対応する停止ボタン５ａ〜５ｃが押下操作されることで、各リール２１ａ〜２１ｃに表された縦方向に連続して隣接する三つの図柄が、上述した表示窓３の有効ライン１〜５に沿って停止し、停止表示された停止図柄の組合せによって、遊技価値が付与される（図９参照）。

このような三つのリール２１ａ〜２１ｃは、制御部１０とドラムユニット２０のモータ駆動回路２２及び回胴位置検出部２４によって駆動制御及び停止制御される。制御部１０では、前述の回胴位置検出部２４から入力される基準位置を示すマーカー信号に基づき、各リール２１ａ〜２１ｃの現在の回転位置を常時監視するようになっている。
ドラムユニット２０では、三つのリール２１ａ〜２１ｃは対応する三つのステッピングモータ２３ａ〜２３ｃによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー４及び停止ボタン５ａ〜５ｃが押下操作されることで、モータ駆動回路２２に制御部１０からパルス（駆動）信号が入力され、ステッピングモータ２３ａ〜２３ｃを駆動して（図５参照）、対応するリール２１ａ〜２１ｃの回転の始動，定速回転及び停止の制御が行われる。

そして、遊技者が停止ボタン５を押下したタイミングに基づき、制御部１０で行われる内部抽せんにおける当せん内容に応じてリール２１の停止位置が制御されて、各リール２１ａ〜２１ｃの現在の停止可能な回転位置から所定の図柄コマ数の範囲内（０〜４コマの範囲内）で、当せん内容に対応する図柄が有効ライン１〜５に停止するように、リール２１が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー４からのスタート信号を契機として制御部１０で内部抽せんが行われ、制御部１０からのパルス信号によりドラムユニット２０が制御されることで、停止ボタン５が押下されるタイミングに基づく所定の図柄コマ数の範囲内で、当せん内容に応じた停止図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるよう、各リール２１ａ，２１ｂ，２１ｃが停止されることになる。

メダル払出装置３０は、筐体内のドラムユニット２０の下側に配設されるメダル払出用の装置であり、払出用のメダルを収納するホッパー３１と、ホッパー３１に設けられたメダル払出モータを駆動制御して所定数のメダルを排出させるホッパー駆動回路３２と、排出されたメダルの枚数を所定のセンサによって検出して払出信号として制御部１０に出力するメダル検出部３３と、を備えている（図５参照）。
そして、このメダル払出装置３０から排出されるメダルが、前扉１ａの遊技メダル払出口８からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。

［制御部］
次に、スロットマシン１全体を制御する制御部１０について、図５、図６を参照して説明する。
図５は、本実施形態に係る制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図６は、本実施形態に係る制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図５に示すように、本実施形態の制御部１０は、上述したスロットマシン１の各部を制御する、ＩＣ，メモリ，各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体１ｂの後部に配設されている。
具体的には、制御部１０は、ＣＰＵ１１と、当該ＣＰＵ１１に内蔵され記憶手段であるＲＯＭ１１ａ及びＲＡＭ１１ｂ、基準クロックを発生する本体クロック発生回路１２、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路１４、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ１３、各表示部２ａ〜２ｃを駆動する表示部駆動回路１５等を備えている。
そして、制御部１０では、ＲＯＭ１１ａに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン１全体を制御する処理が実行されるようになっている。

具体的には、制御部１０において、メダル投入を監視し、ゲーム可能な状態とし、スタートレバー４の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン５の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール２１を停止制御する。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図６のフローチャートに基づき、制御部１０で実行される処理の流れを詳細に説明する。

まず、スロットマシン１が電源投入されると、初期化処理が行われるようになっている（Ｓ１）。初期化処理では、ＲＡＭ１１ｂの作業領域を初期化するとともに、各種の初期設定が行われる。初期設定では、遊技状態を管理するゲームモードフラグを設定する処理も行われる。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイム（ＲＴ）が設けられている。
さらに、リプレイタイム（ＲＴ）は、再遊技役が抽せんされる確率が異なるＲＴ１とＲＴ２が設けられている。
ＲＴ１は、ＲＴ２より、再遊技役が抽せんされる確率が高く設定された遊技状態となっている。
通常遊技においても、再遊技役は抽せんされる抽せん対象となっているため、再遊技役の抽せん確率で比較すると、ＲＴ１（高確率）＞ＲＴ２（中確率）＞通常遊技（低確率）、となる関係が成り立つようになっている。
なお、ボーナス遊技においては、再遊技役は抽せんされないようになっている。

本実施形態における各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を図７に示す。
同図に示すように、電源投入時においては、再遊技役の抽せん確率が最も高確率であるＲＴ１に移行するようになっている。
これに伴い、初期設定では、電源投入時の遊技状態を管理するため、ゲームモードフラグをＲＴ１に設定する処理を行う。
本実施形態におけるゲームモードフラグと遊技状態の関係を図８に示す。
同図に示すように、ゲームモードフラグは、ＲＡＭ１１ｂに設けられたゲームモード領域にビット単位で設定されるようになっている。
具体的には、「ビット０」に「１」をセットで通常遊技、「ビット１」に「１」をセットで電源投入後のＲＴ１（ＲＴ１ａ）、「ビット２」に「１」をセットでボーナス遊技終了後のＲＴ１（ＲＴ１ｂ）、「ビット３」に「１」をセットで通常遊技１５００回後のＲＴ１（ＲＴ１ｃ）、「ビット４」に「１」をセットでＲＴ２、「ビット５」に「１」をセットでボーナス遊技となり、設定されたビット毎のゲームモードフラグを１ゲーム毎に参照することで、各遊技状態となるように制御される（ゲーム管理手段）。
そして、初期設定では、電源投入後に再遊技役の抽せん確率が最も高確率であるＲＴ１ａに移行するように、同図における「ビット１」に「１」をセットし、その他のビットは、「０」でクリアされるようになっている。
これにより、図７に示すように、電源投入後、特定図柄の組合せが停止表示されるまで、又はボーナス役に当せんするまで、ＲＴ１の遊技状態が継続されるようになっている。

次に、制御部１０では、メダル投入を監視するメダル投入処理を行う（Ｓ２）。
メダル投入処理では、具体的には、メダルセレクタ６ａからのメダル信号及びＢＥＴボタン７（ＭＡＸＢＥＴボタン７ａ，１ＢＥＴボタン７ｂ）からのメダル信号の入力を監視し、メダル投入口６から投入されたメダルの枚数、又はＢＥＴボタン７が押下されて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、ＢＥＴボタン７からのメダル信号に基づき、ＲＡＭ１１ｂで記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに賭けられる賭け数１〜３が決定されることになる。
これにより、１回のゲームがスタート可能な状態となる。

さらに、制御部１０は、遊技者によるスタートレバー４操作を監視し（Ｓ３）、スタートレバー４操作に伴い生成されるスタート信号が入力されると、内部抽せん処理（Ｓ４）を行うとともに、リール２１の制御信号となるパルス（駆動）信号をドラムユニット２０へ出力し、リール２１ａ〜２１ｃを回転させるリール回転制御処理を行うようになっている（Ｓ５）。
以下、本実施形態に係る内部抽せんについて説明する。

内部抽せんは、ゲーム毎に遊技者のスタートレバー４の操作のタイミングで行われる抽せん処理であり、カウンタＩＣ等からなる乱数カウンタ１３から取得される乱数と、ＲＯＭ１１ａに予め設定・記憶された乱数テーブルの値とを比較・判定することにより実行される。
更新範囲（０〜１６３８３）で発生する乱数カウンタ１３から出力される乱数をスタートレバー４の操作のタイミングで取得（ラッチ）し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんするようになっている。

内部抽せんにおいて抽せんされる抽せん対象には、遊技者に対して遊技価値が付与される役と呼ばれるものと、なんら遊技価値の付与されないハズレがある。
遊技価値が付与される役には、対応する停止表示される各リール２１に表された図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
図９に本実施形態の抽せん対象である各役と、対応する停止表示される各リール２１に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値との関係を示す。

同図に示すように、「ボーナス役」は、停止図柄の組合せの色の違いで、対応する停止図柄の組合せが「赤７・赤７・赤７」となるボーナス役Ａ、対応する停止図柄の組合せが「白７・白７・白７」となるボーナス役Ｂ、対応する停止図柄の組合せが「黄７・黄７・黄７」となるボーナス役Ｃの３種類が設けられ、いずれの図柄の組合せの停止表示によっても、同様なボーナス遊技に移行するとともに、ボーナス遊技後には、リプレイタイム（ＲＴ１）に移行するようになっている（図７参照）。
「再遊技役」は、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルの配当はないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技をすることができるようになっている。

「小役」は、対応する停止図柄の組合せの違いにより、小役Ａ〜小役Ｈの８種類が設けられている。
小役Ａは、対応する停止図柄の組合せが「チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが２枚配当されるようになっている。「ＡＮＹ」は、中リール２１ｂ，右リール２１ｃに表された全ての図柄（図４参照）が対象となることを意味するため、小役Ａは、左リール２１ａに「チェリー」が停止表示されることで、事実上、入賞が確定するようになっている。
さらに、小役Ａは、本発明に係る特定小役であって、「チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の組合せには、停止表示されることでリプレイタイム（ＲＴ１）が終了する特定図柄の組合せ（「チェリー・ＡＮＹ・ベル」）が含まれている（図１０参照）。
これより、「チェリー」が本発明の「第一特定図柄」、「ＡＮＹ」が本発明の「第二特定図柄」、「ベル」が本発明の「第三特定図柄」に該当するとともに、「チェリー」が停止表示されることで、入賞が確定する左リール２１ａは、本発明の「特定リール」に該当することになる。

小役Ｂ、小役Ｃ、小役Ｄは、本発明に係る一般小役に該当し、対応する停止図柄の組合せが各々「スイカ・スイカ・赤７」、「スイカ・スイカ・白７」、「スイカ・スイカ・黄７」からなる、右リール２１ｃのみ色の異なる「７」を構成する図柄に有する小役であり、各停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが１枚配当されるようになっている。
そして、各小役Ｂ〜Ｄは、後述するように、それぞれ小役Ａと同時に当せんする本発明に係る重複役として構成される。
さらに、本発明の「特定リール」である左リール２１ａ以外の他のリールである右リール２１ｃに表された色の異なる「７」が本発明に係る「ハズシ図柄」として機能するようになっている。
これにより、リプレイタイム（ＲＴ１）において、各重複役に当せんした場合に、当該重複役における小役に対応する「ハズシ図柄」が停止表示されることにより、「特定図柄の組合せ」が停止表示されないようになっている（図１１参照）。

小役Ｅ、小役Ｆ、小役Ｇは、対応する停止図柄の組合せが各々「赤７・ベル・ベル」、「白７・ベル・ベル」、「黄７・ベル・ベル」からなる、左リール２１ａのみ色の異なる「７」を構成する図柄に有する小役であり、各停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが１５枚配当されるようになっている。
これらの小役Ｅ〜Ｇは、リプレイタイム（ＲＴ１）においては、前述の各小役当せん告知部Ｌ３に備えるＬＥＤの点滅・点灯表示により、対応関係にある該当する小役の当せんが報知され、該当小役に対応する左リール２１ａの色の異なる「７」を停止表示させることで、容易に各小役に入賞させることができるようになっている。
また、小役Ｈは、対応する停止図柄の組合せが「スイカ・スイカ・スイカ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが１５枚配当されるようになっている。

そして、各役は、内部抽せんにおいて、単独で抽せんされる抽せん対象となる場合もあるが、複数の役が組合され、複数の役が同時に当せんする本発明の重複役（重複当せんフラグ）として抽せん対象となる場合もある。
本実施形態の内部抽せんにおける遊技状態別の抽せん対象を図１２に示す。
同図に示すように、抽せん対象には、４８種類の組合せが設けられている。
前述した役において、小役Ａ（特定小役）以外はすべて単独でも抽せんされるように設定されている。
言い換えると、小役Ａ（特定小役）は、すべて他の役と同時に当せんされる重複役として成立するように設定されている。
特に、小役Ａ（特定小役）は、抽せん番号４４〜４６では、小役Ｂ〜Ｄ（一般小役）と同時に当せんする重複役として設定され、リプレイタイム（ＲＴ１）において、抽せん番号４４〜４６が当せんすることで、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了か、継続かの成否が決定されるようになっている（重複役設定手段）。

なお、小役Ａ（特定小役）は、抽せん番号１０〜１２，２２〜２４，３４〜３６においても、重複役として成立するように設定されているが、各々後述するように当せんフラグが持ち越し可能なボーナス役Ａ，Ｂ，Ｃと組合わされているため、特定図柄の組合せの停止表示により、リプレイタイム（ＲＴ１）が終了しても、いずれボーナス遊技に移行し、その後再びリプレイタイム（ＲＴ１）に移行することになり、実質的には、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了には該当しないようになっている。
このことからこれらの抽せん番号で当せんすると、反対に以下の作用効果も望める。特定図柄の組合せの停止表示により、リプレイタイム（ＲＴ１）が終了しても、ボーナス役の当せんの可能性があるため、特定図柄の組合せの停止表示が、ボーナス役の予告手段として機能するようになり、遊技者にとっては、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了により落胆しても、ボーナス役の当せんの可能性が残され、遊技性の向上が図られるようになっている。

以上のような４８種類からなる抽せん対象は、遊技状態毎で、抽せんされる確率が異なるように設定されている。
具体的には、同図に示すように、遊技状態別に異なる乱数テーブルが参照され、通常遊技では、通常遊技用の乱数テーブル、リプレイタイム（ＲＴ１）では、ＲＴ１用の乱数テーブル、リプレイタイム（ＲＴ２）では、ＲＴ２用の乱数テーブルを参照して内部抽せんが行われるようになっている。
そして、各参照される乱数テーブルは、抽せん対象が抽せんされる確率が異なるように、抽せん対象が当せんすることとなる当せん範囲が異なる値に設定されている。

同図における各乱数テーブルに表された値は、乱数の更新範囲（０〜１６３８３）における各抽せん対象が抽せんされることとなる乱数の当せん範囲から算出された各抽せん対象の当せん幅を示している。各抽せん対象は、乱数カウンタ１３から出力される乱数が、抽せん対象毎にあらかじめ定められた当せん範囲に該当した場合に、当せんされるようになっている。各抽せん対象の当せん幅は、この当せん範囲の上限値から下限値を減算することで算出され、乱数の更新範囲に占める各抽せん対象の当せん幅の割合から各抽せん対象の当せん確率が算出されるようになっている。
なお、図中の「・・・」は抽せん対象毎に設定されている当せん幅の所定の数値を示している。
たとえば、抽せん番号４７に該当する「リプレイ」の当せん幅は、通常遊技用の乱数テーブルでは、「２２４５」、ＲＴ１用の乱数テーブルでは、「１３６５０」、ＲＴ２用の乱数テーブルでは、「５１２１」と設定されており、これにより各遊技状態における再遊技役（「リプレイ」）の当せん確率は、通常遊技では、「１／７．３」（≒２２４５／１６３８４）、リプレイタイム（ＲＴ１）では、「１／１．２」（≒１３６５０／１６３８４）、リプレイタイム（ＲＴ２）では、「１／３．２」（≒５１２１／１６３８４）となっている。
その結果、各遊技状態における再遊技役（「リプレイ」）の当せん確率を比較すると、リプレイタイム（ＲＴ１）の当せん確率（高確率）＞リプレイタイム（ＲＴ２）の当せん確率（中確率）＞通常遊技の当せん確率（低確率）の関係となっている。
なお、リプレイタイム（ＲＴ２）における抽せん番号１〜３６に対応する抽せん対象は、リプレイタイム（ＲＴ２）がボーナス役の当せんからボーナス役に対応する停止図柄の組合せの停止表示（「７・７・７」）までの遊技状態であるため（図７参照）、再度のボーナス役の当せんを回避すべく、ボーナス役が抽せん対象から除外されている。

そして、遊技状態別の乱数テーブルは、前述のゲームモードフラグの値を参照することで、使用する乱数テーブルが決定されるようになっている。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ１３から取得された乱数と、を比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図１３は、ＲＡＭ１１ｂにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域１〜当せんフラグ領域３が設けられ、当せんフラグ領域１は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域２は、再遊技役（リプレイ）を設定する領域、当せんフラグ領域３は、各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。

例えば、図１２における、抽せん番号１の抽せん対象である「ボーナスＡ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域１における「ビット０」に「１」がセットされる。
また、抽せん番号３４の抽せん対象である重複役「ボーナスＣ＋小役Ａ＋小役Ｂ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域１の「ビット２」に「１」、当せんフラグ領域３の「ビット０」に「１」、「ビット１」に「１」が重複してセットされる（重複当せんフラグ）。
同様に、本発明の特定小役と一般小役の重複役である抽せん番号４４の抽せん対象である「小役Ａ＋小役Ｂ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域３の「ビット０」に「１」、「ビット１」に「１」が重複してセットされる（重複当せんフラグ）。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「０」でクリアされるようになっている。
なお、これらの当せんフラグのうち、ボーナス役であるボーナスＡ、Ｂ、Ｃに関する当せんフラグは、対応する停止図柄の組合せ（「７・７・７・」）で停止表示されない限り、当せんフラグはクリアされず、当せんフラグが次回の遊技に持ち越されるようになっている。

次に、制御部１０では、各リール２１を回転制御するリール回転制御処理を行う。リール回転処理では、モータ駆動回路２２にパルス（駆動）信号を出力し、ステッピングモータ２３ａ〜２３ｃを駆動して（図５参照）、対応するリール２１ａ〜２１ｃの回転の始動，定速回転の制御が行われる。
そして、各リール２１の回転中においては、ドラムユニット２０から入力されるマーカー信号により、各リール２１ａ〜２１ｃの図柄位置を監視する処理が行われるようになっている。
具体的には、ＲＡＭ１１ｂの所定の領域には、図１４に示すように、中段の有効ライン１に位置する各リール２１ａ〜２１ｃの図柄番号を管理する図柄番号領域が、各リール単位で設けられている。
図柄番号領域は、制御部１０がモータ駆動回路２２に出力するパルス（駆動）信号が所定パルス数（各図柄間の回転角度に相当）毎に＋１更新されるとともに、各リールが一周する毎に回胴位置検出部２４から出力されるマーカー信号により、初期化（図柄番号０）されるようになっている。
そして、各図柄番号領域の値は、そのときの中段の有効ライン１に位置する各リール２１ａ〜２１ｃの図柄番号と一致している（図４参照）。
これにより、後述するリール停止制御処理や停止図柄判定処理において、各リールに対応する停止ボタン５が停止操作された場合の中段の有効ライン１に位置する各リール２１ａ〜２１ｃの図柄を判別することで、リール停止制御処理では、停止表示可能な図柄コマ数（０〜４コマ）の範囲内で、各リール２１を回転させて停止することで、当せん内容に対応する図柄の組合せとなるように停止制御したり、停止図柄判定処理では、有効ライン１〜５に停止表示された図柄の組合せを判定したりすることができるようになっている。

次に、遊技者の停止ボタン５の停止操作により、各リール２１を停止制御する本発明の停止制御手段として機能するリール停止制御処理について説明する。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン５を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容（当せんフラグ）に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール２１を停止制御する（Ｓ６）。
具体的には、各リール２１の停止制御は、リール２１毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内（０〜４コマ）にある当せんフラグに対応した停止図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路２２に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール２１を回転させた後、各リール２１を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内（０〜４コマ）にない場合には、図９のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。

各リール２１毎に決定される停止図柄は、ＲＯＭ１１ａに記憶された停止図柄テーブル基づき、決定される。
停止図柄テーブルは、当せんフラグと、リールの停止操作の順番と、図柄番号領域の図柄番号の値とにより、選択される停止図柄テーブルが異なるように複数の停止図柄テーブルが設けられ、各停止図柄テーブルには、ストップ信号のタイミングにおける図柄番号からリールを回転させる図柄コマ数が設定されている。
停止図柄テーブルは、前述した図１２における抽せん対象毎に異なる組合せとなるように選択される。これは、各抽せん対象に対応して、停止表示される図柄が異なるためである。また、停止ボタン５の停止操作の順番により、選択される停止図柄テーブルも異なるようになっている。
なお、選択される停止図柄テーブル及び停止図柄テーブルに設定された図柄コマ数は、図４に示す図柄の配列及びストップ信号のタイミングから回転可能な図柄送りコマ数（０〜４コマ）の範囲に基づいて、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されている。
ストップ信号のタイミングから回転可能な図柄送りコマ数（０〜４コマ）の範囲に当せん内容に対応する停止図柄が存在しない場合は、他の当せん内容に対応する停止図柄の組合せとなることもなく、図９におけるいずれの役にも該当しない「ハズレ」の組合せで停止表示されるように設定されている。

ここで、小役Ｂに当せんした場合に、リールの停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルによって、小役Ｂに対応する停止図柄の組合せである「スイカ・スイカ・赤７」が停止表示されるまでについて一例を挙げて説明する。
図１５は、小役Ｂに当せんした場合のリールの停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルを示した図である。
同図に示すように、選択される停止図柄テーブルは、停止ボタン５の停止操作の順番により異なるようになっている。停止操作の順番は、遊技者の任意の選択により６通り存在する。

具体的には、左リール２１ａに対応する左停止ボタン５ａを最初に停止操作する場合では、「左停止ボタン５ａ→中停止ボタン５ｂ→右停止ボタン５ｃ」の順番で停止操作をする停止順１と、「左停止ボタン５ａ→右停止ボタン５ｃ→中停止ボタン５ｂ」の順番で停止操作をする停止順２とがある。
中リール２１ｂに対応する中停止ボタン５ｂを最初に停止操作する場合では、「中停止ボタン５ｂ→左停止ボタン５ａ→右停止ボタン５ｃ」の順番で停止操作をする停止順３と、「中停止ボタン５ｂ→右停止ボタン５ｃ→左停止ボタン５ａ」の順番で停止操作をする停止順４とがある。
また、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃを最初に停止操作する場合では、「右停止ボタン５ｃ→中停止ボタン５ｂ→左停止ボタン５ａ」の順番で停止操作をする停止順５と、「右停止ボタン５ｃ→左停止ボタン５ａ→中停止ボタン５ｂ」の順番で停止操作をする停止順６とがある。
これらの停止順は、各停止ボタン５の押下操作により発生するストップ信号に基づき、判別されるようになっている。
そして、各停止順毎に、停止図柄テーブルが順次選択されることで、当せん内容に対応した停止図柄の組合せが停止表示されるようになっている。

同図の各停止順１〜６における数字は、選択される停止図柄テーブルの番号を示すとともに、「１○○」は左リール２１ａに該当する停止図柄テーブル、「２○○」は中リール２１ｂに該当する停止図柄テーブル、「３○○」は右リール２１ｃに該当する停止図柄テーブルを示している。さらに各停止図柄テーブルにおける「上ａ」，「中ａ」，「下ａ」は、図３の左リール２１ａの図柄の停止位置を示し、「上ｂ」，「中ｂ」，「下ｂ」は、同図の中リール２１ｂの図柄の停止位置を示し、「上ｃ」，「中ｃ」，「下ｃ」は、同図の右リール２１ｃの図柄の停止位置を示している。
停止図柄テーブルは、当せん内容に対応する停止図柄が、各リールにおける停止位置（上ａ〜下ａ、上ｂ〜下ｂ、上ｃ〜下ｃ）に可能な限り停止するように設定されており、同図の各停止順に示す例では、小役Ｂに対応する停止図柄の組合せ（「スイカ・スイカ・赤７」）が停止するようになっている。

例えば、停止順１では、最初に左停止ボタン５ａの操作のタイミングで、停止図柄テーブル１０１が選択される。
そして、停止図柄テーブル１０１では、停止ボタン５ａの操作タイミングにおける左リール図柄番号領域の図柄番号の値に応じて、「スイカ」の停止位置が「上ａ」又は「下ａ」に振り分けられるように設定されている。
そして、「上ａ」に振り分けられた場合には、中停止ボタン５ｂの停止操作による検出されるストップ信号により停止図柄テーブル２０１が選択される。停止図柄テーブル２０１では、中停止ボタン５ｂの操作タイミングにおける中リール図柄番号領域の図柄番号の値に応じて、「スイカ」の停止位置が「上ｂ」又は「中ｂ」に振り分けられるようになっている。これにより、有効ライン２又は有効ライン４に小役Ｂに対応する停止図柄の組合せ（「スイカ・スイカ・赤７」）を停止させることができるようになっている。

さらに、「上ｂ」に振り分けられた場合には、右停止ボタン５ｃの停止操作に拘わらず、停止図柄テーブル３０１が自動的に選択され、右停止ボタン５ｃの操作タイミングにおける右リール図柄番号領域の図柄番号の値に応じて、「赤７」が停止位置「上ｃ」に停止するようになっている。
その結果、この例では、有効ライン２において小役Ｂに対応する停止図柄の組合せ（「スイカ・スイカ・赤７」）を停止させることができるようになっている。

上記の例の有効ライン２において小役Ｂに対応する停止図柄の組合せ（「スイカ・スイカ・赤７」）を停止させるために選択される停止図柄テーブルを図１６に示す。
同図に示すように、各停止図柄テーブルは、停止ボタン５の操作タイミングにおける各リール図柄番号領域の図柄番号の値に対応した図柄コマ数が「０〜４」のいずれかに割り当てられている。
図柄コマ数は、停止ボタン５の操作タイミングにおける中段の有効ライン１における図柄位置から回転する図柄送りコマ数を示しており、該当する図柄コマ数分、各リールを回転させることで、目的とする停止図柄で停止することができるようになっている。
なお、図柄コマ数「０」は、停止ボタン５の操作タイミングにおける各リール図柄番号領域の図柄番号の値の図柄で停止させることを示している。
停止図柄テーブル１０１は、「スイカ」を停止位置「上ａ」又は「下ａ」に停止させるように設定されている。
停止図柄テーブル２０１は、「スイカ」を停止位置「上ｂ」又は「中ｂ」に停止させるように設定されている。
同様に、停止図柄テーブル３０１は、「赤７」を停止位置「上ｃ」に停止させるように設定されている。

なお、同図における「−」は、「スイカ」や「赤７」を目的とする停止位置に停止できない場合を示している。これは、各停止ボタン５の停止操作から回転可能な図柄コマ数が最大４コマと定められていることと、図４に示すように、各リール２１に表された図柄の配置に制限があるためである。
すなわち、図４に示すように、中リール２１ｂに表された「スイカ」は二つの配置箇所でしか存在せず、また右リール２１ｃに表された「赤７」は、一つの配置箇所でしか存在しないため、最大の４コマの図柄送り数でも、目的とする停止位置に停止できない場合がある。
この結果、当せん内容に対応する停止図柄の組合せが、停止ボタン５の操作タイミングによっては、目的とする停止位置に停止できず、図９におけるいずれの役にも該当しない「ハズレ」の組合せとなるように設定されている。これは、小役Ｂに対応する停止図柄の組合せに限らず、配置箇所が少なく、配置の間隔が一定の図柄コマ数を超えている場合には、このような事態が生じることになっている。
このような事態は、いわゆる「取りこぼし」と呼ばれ、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとならず「ハズレ」となるため、小役に当せんした場合にも、該当する配当数のメダルも獲得できないこととなる。
なお、本実施形態では、当せん内容に対応した目的とする停止位置に停止できない場合は、図９におけるいずれの組合せにも該当しない「ハズレ」の組合せとなるように設定された値を意味する「＊」（但し、「０〜４」のいずれかの値）が表してある。

以上のように、内部抽せんにおいて小役Ｂに当せんし、停止順１で停止ボタン５が停止操作され、停止図柄テーブル１０１、停止図柄テーブル２０１、停止図柄テーブル３０１が選択され、「取りこぼし」に該当しない場合には、図１７に示すように、有効ライン２において、「スイカ・スイカ・赤７」が停止表示される。

次に、内部抽せんにおいて、図１２における抽せん番号４４に該当する本発明に係る特定小役と一般小役との重複役である「小役Ａ」と「小役Ｂ」に重複して当せんした場合における、各リール２１の停止制御について説明する。
図１８は、「小役Ａ」と「小役Ｂ」に重複して当せんした場合における、リールの停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルを示した図である。
「小役Ｂ」で説明した場合と同様に、停止順毎に異なる停止図柄テーブルが順次選択されることで、「小役Ａ」と「小役Ｂ」の重複役に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるようになっている。
なお、本発明では、左リール２１ａに対応する左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合には、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示され、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングにおいてが停止可能な図柄コマ数内にハズシ図柄「赤７」ある場合には、右リールにおいてハズシ図柄「赤７」が停止表示されることで、「チェリー・ＡＮＹ・赤７」が停止操作されるようになっている。
さらに、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃが最初に停止操作された場合においては、停止操作のタイミングにおいてが停止可能な図柄コマ数内にハズシ図柄「赤７」がない場合には、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。
そこで、左リール２１ａに対応する左停止ボタン５ａを最初に停止操作する場合（停止順１，停止順２）と、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃを最初に停止操作する場合（停止順５，停止順６）ついて、詳細に説明する。

具体的には、各停止順において、特徴的なことは、左リール２１ａを停止制御するための、停止図柄テーブルが、停止順に拘わらず、左リール２１ａの「上ａ」又は「下ａ」に「チェリー」を停止させるための停止図柄テーブル１５１の一種類のみからなる。
これは、次のような理由に基づくためである。
すなわち、図４に示すように、左リール２１ａの図柄の配列における「小役Ａ」に対応する停止図柄を構成する図柄である「チェリー」と「小役Ｂ」に対応する停止図柄を構成する図柄である「スイカ」は、各々７コマ毎に均等な間隔をおいて配置されている。
これにより、前述した図柄コマ送り「０〜４」の範囲では、「チェリー」及び「スイカ」のいずれも停止位置「上ａ」又は「中ａ」又は「下ａ」に停止させることができるようになっている。
また、同図に示す左リール２１ａの図柄の配列における「チェリー」と「スイカ」は、停止位置「上ａ」、「中ａ」、「下ａ」に同時に停止されないように最低２コマの間隔をもって配置されているとともに、前述したように中リール２１ｂにおける「スイカ」と右リール２１ｃにおける「赤７」は、取りこぼす可能性があるように配置されている。

このことから、「小役Ｂ」に対応する停止図柄である「スイカ・スイカ・赤７」を構成する左リール２１ａにおける「スイカ」を停止させるようにするよりも、「チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の停止図柄の組合せで停止し、左リール２１ａにおける「チェリー」のみの停止表示により、入賞が確定する「小役Ａ」が成立するほうが、取りこぼしもなく、遊技者に有利に作用するとともに、メダルの配当数も、図９に示すように、「小役Ａ」の成立の方が多く獲得できるため、左リール２１ａに「チェリー」が常時停止表示される停止図柄テーブル１５１が常に選択されるように設定されている。
これにより、「チェリー」が左リール２１ａにおいて常に「上ａ」又は「下ａ」に停止表示されるため、全リールが停止表示された場合に「チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ」となり、特定図柄の組合せ又はハズシ図柄を含む停止図柄の組合せの停止表示を問わず「小役Ａ」が必ず成立することになり、取りこぼすことなく、４枚のメダル（「チェリー」が２つ有効ラインに位置するため、２枚×２＝４枚）を獲得することができるようになっている（図９参照）。

一方、右リール２１ｃにおける停止図柄テーブルは、選択される停止図柄テーブルが、停止順により異なるようになっている。
具体的には、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）には、停止図柄テーブル３５１が選択され、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作された場合（停止順５，停止順６）には、停止図柄テーブル３５２が選択されるようになっている。

停止図柄テーブル３５１は、右リール２１ｃにおける「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させるように設定されている。
図４に示すように、右リール２１ｃにおける「ベル」は、最大４コマの間隔をおいて配置されているため、停止可能な図柄コマ送り数「０〜４」の範囲では、十分に停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させることができるようになっている。
これにより、前述の停止図柄テーブル１５１との組合せにより、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、常に本発明に係る特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。
すなわち、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）には、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示される。

なお、中リール２１ｂは、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）、停止位置「上ｂ」又は「中ｂ」又は「下ｂ」に「スイカ」を停止させるための停止図柄テーブル２０３が選択されるようにしてある。
左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合は、左リール２１ａにおいて「小役Ａ」の成立が確定する「チェリー」が既に停止表示されていることから、中リール２１ｂにおいては、図柄の種類が特定されない「ＡＮＹ」を停止表示させればよいため、他の役に対応する図柄の組合せが停止表示されない限り、特に停止表示させる図柄に制限はないが、本実施形態では、同時に当せんされる「小役Ｂ」に対応する停止図柄である「スイカ・スイカ・赤７」を構成する中リール２１ｂにおける「スイカ」を停止表示させるように設定されている。

ここで、図１９に左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）の停止図柄テーブル１５１と停止図柄テーブル２０３と停止図柄テーブル３５１を示す。
停止図柄テーブル１５１では、「チェリー」を停止位置「上ａ」又は「下ａ」に停止させるように設定されている。
停止図柄テーブル２０３は、「スイカ」を停止位置「上ｂ」又は「中ｂ」又は「下ｂ」に停止させるように設定されている。
なお、「−」は、前述の小役Ｂが単独で当せんした場合の説明と同様、「スイカ」を目的とする停止位置に停止できない場合を示し、「＊」は、小役Ａに対応する組合せとなるように設定された図柄コマ送り数（但し、「０〜４」のいずれかの値）を意味する。
同様に、停止図柄テーブル３５１は、「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させるように設定されている。
これにより、内部抽せんにおいて「小役Ａ」と「小役Ｂ」が同時に当せんされる重複役に当せんし、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）には、停止図柄テーブル１５１、停止図柄テーブル２０３、停止図柄テーブル３５１が選択され、図２０に示すように、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、常に本発明に係る特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。

一方、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作された場合（停止順５，停止順６）には、停止図柄テーブル３５２が選択されるようになっている。
停止図柄テーブル３５２は、右リール２１ｃにおける小役Ｂに対応する停止図柄の組合せを構成する「赤７」が停止可能な図柄コマ送り数「０〜４」の範囲に存在するときには「赤７」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させ、それ以外のときには、「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させるように設定されている。

図２１は、右リール２１ｃが「赤７」又は「ベル」で停止される停止図柄テーブル３５２を示す図である。
右リール２１ｃにおいては、「赤７」は一つしか存在しないため（図４参照）、図２１に示すように、「赤７」が、停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止可能となる右リール図柄番号領域における図柄番号は、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲となっている。
すなわち、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲にあるときには、「赤７」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させるようになっている。
なお、「赤７」が停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止したときは、同時に「ベル」が停止位置「下ｃ」又は「上ｃ」に停止しないように配置されている（図４参照）。

一方、同図２１に示すように、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「赤７」が停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止可能となる「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲外である「図柄番号０〜図柄番号１１」及び「図柄番号１９，図柄番号２０」のときには、前述したように停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に常に停止可能な「ベル」が停止されるように設定されている。
すなわち、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲外である「図柄番号０〜図柄番号１１」及び「図柄番号１９，図柄番号２０」の範囲にあるときには、「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させるようになっている。

なお、中リール２１ｂは、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作され、次に中停止ボタン５ｂが停止操作される場合（停止順５）は、右リール２１ｃにおいて停止表示されている図柄によって、選択される停止図柄テーブルが異なるようになっている。
右リール２１ｃに「赤７」が停止位置「上ｃ」に停止されている場合には、有効ライン２又は有効ライン５において小役Ｂを成立させようと停止制御するため、停止位置「上ｂ」又は「中ｂ」に「スイカ」を停止させる停止図柄テーブルが選択される。
一方、右リール２１ｃに「赤７」が停止位置「下ｃ」に停止されている場合には、有効ライン３又は有効ライン４において小役Ｂを成立させようと停止制御するため、停止位置「中ｂ」又は「下ｂ」に「スイカ」を停止させるための停止図柄テーブルが選択される。
上記のいずれでもなく、右リール２１ｃに「赤７」が停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止されていない場合には、他の役に対応する図柄の組合せが停止表示されない限り、特に停止表示させる図柄に制限はない。
さらに、中リール２１ｂは、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作され、次に左停止ボタン５ａが停止操作される場合（停止順６）は、左リール２１ａにおいて「小役Ａ」の成立が確定する「チェリー」が既に停止表示されていることから、中リール２１ｂにおいては、図柄の種類が特定されない「ＡＮＹ」を停止表示させればよいため、他の役に対応する図柄の組合せが停止表示されない限り、特に停止表示させる図柄に制限はない。

以上のように、中リール２１ｂは、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作されたときには、右リール２１ｃにおいて停止表示されている図柄によって、選択される停止図柄テーブルが異なる場合もある。ところが、いずれの場合においても、左リール２１ａにおいて「チェリー」が停止表示され、「小役Ｂ」は成立せず、最終的に「小役Ａ」が成立するように停止制御しているため、中リール２１ｂに停止表示される図柄は「ＡＮＹ」として扱えば足りる。このため、本実施形態では、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作され場合に選択される停止図柄テーブルを、便宜上、停止図柄テーブル２０３としてある。

以上のような構成により、内部抽せんにおいて「小役Ａ」と「小役Ｂ」が同時に当せんされる重複役に当せんし、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作された場合（停止順５，停止順６）には、停止図柄テーブル１５１、停止図柄テーブル２０３、停止図柄テーブル３５２が選択され、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲外である「図柄番号０〜図柄番号１１」及び「図柄番号１９，図柄番号２０」の範囲にあるときには、「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させる。その結果、図２０と同様に、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、本発明に係る特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。

一方、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲にあるときには、「赤７」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させることで、図２２に示すように、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」の停止表示が回避される「チェリー・ＡＮＹ・赤７」が停止表示されるようになっている。
これにより、「赤７」が本発明の「ハズシ図柄」として機能し、リプレイタイム（ＲＴ１）において、「小役Ａ」と「小役Ｂ」が同時に当せんされる重複役に当せんし、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作（停止順５，停止順６）されるとともに、右リール図柄番号領域における図柄番号が、「図柄番号１２〜図柄番号１８」の範囲で停止ボタン５ｃが停止操作された場合には、「チェリー・ＡＮＹ・赤７」が停止表示され、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」の停止表示を回避することができる（図１１参照）。
その結果、遊技者は、ハズシ図柄「赤７」が停止表示される上記の範囲内にハズシ図柄「赤７」を狙う「目押し」を行うことで、特定図柄の組合せが停止表示されることを回避し、リプレイタイム（ＲＴ１）を継続させることができる。

また、遊技者が行う停止ボタン５の停止操作は、通常、左リール２１ａを最初に停止させるように左停止ボタン５ａから停止操作するため、本実施形態のようにハズシ図柄「赤７」が右リール２１ｃに表されることで、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了を回避させ、リプレイタイム（ＲＴ１）を継続させるための特別な図柄としての意味合いを持たせることができるとともに、端部のリールに表すことで、遊技者が「目押し」をする場合にも見易くなる。

また、遊技者が行う停止ボタン５の停止操作は、通常、左リール２１ａが最初に停止するよう操作する停止順１又は停止順２に該当するいわゆる「順押し」による場合が多いため、ハズシ図柄「赤７」が右リール２１ｃに表されることで、「順押し」と、停止順５又は停止順６に該当する「順押し」と異なる「逆押し」とで、本実施形態のように、リール２１の停止制御に違いを持たせることができる。
このようにリール２１の停止制御に違いを持たせることで、リールの停止操作順の違いにより、リプレイタイム（ＲＴ１）が終了することとなる停止操作順と、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了が回避されることとなる停止操作順とに区別することができる。
また、後述するハズシ図柄報知手段により、通常と異なる停止操作順である「逆押し」等を示唆する演出を含めることもでき、特別な遊技であることを遊技者に認識させることができる。
さらに、本実施形態のように、ハズシ図柄に、通常、リール２１に表された図柄の種類のなかでも、最も大きく目立つように形成されたボーナス役に対応する停止図柄の組合せを構成する図柄「赤７」を流用することで、ハズシ図柄の「目押し」を容易にすることができる。

なお、特定小役と一般小役に同時に当せんする重複役は、図１２に示した抽せん番号４４に該当する重複役だけでなく、抽せん番号４５，抽せん番号４６に該当する重複役も設けられている。
そして、これらの重複役に当せんした場合も抽せん番号４４と同様にリール２１が停止制御されて、当せん内容に対応した停止図柄の組合せで停止表示されるようになっている。

具体的には、各重複役とも、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）には、抽せん番号４４と同一の停止図柄テーブルが選択されるようになっている。
その結果、抽せん番号４５，抽せん番号４６に該当する各重複役ともに、左停止ボタン５ａが最初に停止操作された場合（停止順１，停止順２）は、図２０に示すように、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。

一方、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作された場合（停止順５，停止順６）には、各重複役とも、各々固有の停止図柄テーブルが選択され、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、それぞれ「白７」又は「黄７」が停止可能な範囲外にあるときには、「ベル」を停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させる。その結果、図２０と同様に、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになっている。
反対に、停止ボタン５ｃの停止操作のタイミングにおいて、右リール図柄番号領域における図柄番号が、それぞれ「白７」又は「黄７」が停止可能な範囲にあるときには、「白７」又は「黄７」を、停止位置「上ｃ」又は「下ｃ」に停止させることで、図２２に示した「赤７」が「白７」又は「黄７」に入れ替わる態様で、有効ライン２又は有効ライン３又は有効ライン４又は有効ライン５において、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」の停止表示が回避される「チェリー・ＡＮＹ・白７」又は「チェリー・ＡＮＹ・黄７」が停止表示されるようになっている。
これにより、「白７」又は「黄７」が本発明の「ハズシ図柄」として機能し、リプレイタイム（ＲＴ１）において、「小役Ａ」と、「小役Ｃ」又は「小役Ｄ」が同時に当せんされる重複役に当せんし、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作（停止順５，停止順６）されるとともに、右リール図柄番号領域における図柄番号が、それぞれ「白７」又は「黄７」が停止可能な範囲で停止ボタン５ｃが停止操作された場合には、「チェリー・ＡＮＹ・白７」又は「チェリー・ＡＮＹ・黄７」が停止表示され、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」の停止表示を回避することができる（図１１参照）。

なお、特に図示はしないが、右停止ボタン５ｃが最初に停止操作（停止順５，停止順６）される場合において、右リール２１ｃを停止制御する停止図柄テーブルは、抽せん番号４４，４５，４６の各重複役それぞれにおいて、固有の停止図柄テーブルが選択されるようになっている。
そして、各固有の停止図柄テーブルは、各小役Ｂ，Ｃ，Ｄに対応した右リール２１ｃにおける色の「７」を停止するよう、前述した抽せん番号４４における右リールの図柄番号領域の図柄番号（「図柄番号１２〜図柄番号１８」）の範囲幅（７）と同様な図柄番号の範囲幅（７）を有して設定されており、対応関係にない色の「７」は、「上ｃ」又は「下ｃ」に停止しないように排除してある。
また、図４に示すように、各色の「７」は、同時に停止表示されない間隔で配置されている。
これにより、抽せん番号４４，４５，４６の各重複役それぞれにおいて、「ハズシ図柄」は、一対一に定まることになる。
また、各固有の停止図柄テーブルは、各小役Ｂ，Ｃ，Ｄともに、対応した右リール２１ｃにおける色の「７」が停止不能な範囲では「上ｃ」又は「下ｃ」に「ベル」が停止するように設定されている。

その結果、後述する本発明に係る重複役報知手段により、リプレイタイム（ＲＴ１）において、抽せん番号４４，４５，４６のいずれかの重複役に当せんした場合において、当せんした重複役を特定せずに、これらの重複役の当せんを報知した場合には、遊技者は、三者択一で右リール２１ｃにいずれかの色の「７」を狙った「目押し」を行うことになる。
そして、当せんした重複役と、遊技者が予測した重複役とが合致し、かつ、当せんした重複役に対応した色のハズシ図柄「７」が停止可能な範囲（上記の図柄番号の範囲幅）で、「目押し」を行った場合には、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムが継続する。一方、当せんした重複役と予測した重複役が不一致となった場合、又は当せんした重複役に対応した色のハズシ図柄「７」が停止可能な範囲外で「目押し」を行った場合には、当せんした重複役に対応するハズシ図柄の「７」は停止表示されないため、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」が停止表示されるようになる。
このように遊技者に、リプレイタイムの終了か、継続かの成否を遊技者に委ねて決定させることで、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。
また、この三者択一においては、必ずハズシ図柄の停止表示、又は特定図柄の組合せの停止表示が、排反事象として振り分けられるため、リプレイタイムの終了か、継続かのいずれかの遊技状態に確実に遷移させることができる。

次に、制御部１０では、上記のようなリール停止制御処理に続いて、図６に示すように、停止表示された停止図柄の組合せを判定する停止図柄判定処理（Ｓ７）が行われるようになっている。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段の有効ライン１に位置する各リール２１ａ〜２１ｃの図柄番号と一致しているため、中段の有効ライン１に位置する各リール２１ａ〜２１ｃの図柄を判別することで、すべての有効ライン１〜５に停止表示された図柄の組合せを判定することができる（図４参照）。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せか否か判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、ボーナス役、再遊技役、小役の場合について説明する。

当せんした当せんフラグが、ボーナス役Ａ，Ｂ，Ｃのいずれかのボーナス役であり、かつ、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「７・７・７」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図１３における当せんフラグ領域１の対応する「ビット」を「０」でクリアする。
そして、図８におけるゲームモードフラグをボーナス遊技に該当する「ビット５」に「１」をセットし、他のビットを「０」でクリアすることで、ボーナス遊技に移行するようになっている。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにも拘わらず、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「７・７・７」で停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図１３における当せんフラグ領域１の対応する「ビット」を「０」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「７・７・７」で停止しない限り、継続されるようになっている。
そして、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越した場合には、図８におけるゲームモードフラグをリプレイタイム（ＲＴ２）に該当する「ビット４」に「１」をセットし、他のビットを「０」でクリアすることで、リプレイタイム（ＲＴ２）に移行するようになっている（図７参照）。

リプレイタイム（ＲＴ２）に移行すると、前述したように、内部抽せんにおいてＲＴ２用の乱数テーブルが参照され、再遊技役である「リプレイ」が１／３．２の割合の中確率で頻出する遊技状態になり、通常遊技より、メダル投入を抑えることができるとともに、ボーナス役の当せんフラグが既にセットされているため、多量のメダルを投資することなく、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「７・７・７」を停止表示させることで、ボーナス遊技に移行させることができる。

ボーナス遊技では、所定の小役が非常に高い確率で当せん・入賞する状態となり、ボーナス遊技における獲得メダル枚数が、規定枚数を超えると、ボーナス遊技が終了するようになっている。
そして、ボーナス遊技が終了した時点で、図８におけるゲームモードフラグをボーナス遊技終了後のリプレイタイム（ＲＴ１ｂ）に該当する「ビット２」に「１」をセットし、他のビットを「０」でクリアすることで、リプレイタイム（ＲＴ１）に移行するようになっている（図７参照）。

リプレイタイム（ＲＴ１）に移行すると、前述したように、内部抽せんにおいてＲＴ１用の乱数テーブルが参照され、再遊技役である「リプレイ」が１／１．２の割合の高確率で頻出する遊技状態になり、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。これにより、遊技者は、メダルの投資を抑えつつ、ボーナス役の当せんを期待した遊技状態を楽しむことができるようになっている。
一方、このような遊技状態において、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了か継続かの成否が決定される特定図柄の組合せが停止表示されることになる特定小役と一般小役の重複役が、図１２のＲＴ１用の乱数テーブルに基づき抽せんされるようになっている。

そして、抽せん番号４４，４５，４６のいずれかに該当する特定小役と一般小役の重複役に当せんした場合には、後述するハズシ図柄報知手段により、対応する色のハズシ図柄「７」が報知され、右停止ボタン５ｃを最初に停止操作しつつ、右リール２１ｃにおける対応する色の「７」を停止可能な範囲で「目押し」をすることで、特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了が回避され、リプレイタイム（ＲＴ１）を継続させることができる。
また、ハズシ図柄報知手段が作動せずに、後述の重複役報知手段が作動した場合には、遊技者は、当せんした重複役を予測し、抽せん番号４４，４５，４６に対応するいずれかの色の「７」を三者択一で選択をして、右停止ボタン５ｃを最初に停止操作しつつ、右リール２１ｃにおいて「目押し」を行う。そして、遊技者の予測が当せんした重複役と合致していたときには、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了が回避され、リプレイタイム（ＲＴ１）を継続させることができる。
また、いずれの報知手段も作動させない場合には、上記重複役の当せんは、外部から察知されないため、特定図柄の組合せが高確率で停止表示されるようになり、リプレイタイム（ＲＴ１）を終了させるように作用させることもできる。

そして、リプレイタイム（ＲＴ１）において、特定図柄の組合せの停止表示が判定された場合には、図８におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット０」に「１」をセットし、他のビットを「０」でクリアすることで、通常遊技に移行するようになっている（図７参照）。

なお、停止図柄判定処理では、停止図柄の判定毎に、通常遊技における遊技回数を計数するようになっている。
通常遊技の遊技回数は、ＲＡＭ１１ｂの所定の領域に設けられた遊技回数計数カウンタを、停止図柄の組合せの判定毎に更新することで、計数されるようになっている。そして、本実施形態では、ボーナス役の当せんがなく通常遊技が１５００回継続した場合に、リプレイタイム（ＲＴ１）に移行するようになっている。
この場合には、図８におけるゲームモードフラグを通常遊技１５００回後のリプレイタイム（ＲＴ１ｃ）に該当する「ビット３」に「１」をセットし、他のビットを「０」でクリアすることで、リプレイタイム（ＲＴ１）に移行する（図７）。

次に、停止図柄判定処理において当せんフラグが、再遊技役の場合について説明する。
当せんした当せんフラグが、再遊技役の「リプレイ」であり、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図１３における当せんフラグ領域２の対応する「ビット０」を「０」でクリアと同時に、次回遊技において、メダル投入することなく遊技可能となるよう、図６に示すように、前述したメダル投入処理が終了した後の遊技状態に移行させるようになっている（Ｓ８）。
なお、再遊技役に対応する停止図柄の組合せを構成する図柄である「リプレイ」は、図４に示すように、各リールとも最大でも４コマの間隔をもって配置されているため、図柄コマ送り数「０〜４」の範囲であれば、停止ボタンの停止操作のタイミングによらず、常に「上・中・下」のいずれの停止位置にも停止可能である。
さらに、再遊技役に対応する停止図柄テーブルにおいても、停止順によらず、常時「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の組合せで停止させるように設定されている。
このため、再遊技役は、取りこぼすことなく、必ず成立するようになっている。

当せんフラグが小役の場合は、以下のような処理が行われる。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図６に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され（Ｓ９）、当せん時にセットされた図１３における当せんフラグ領域３の各小役に対応する「ビット」を「０」でクリアし、その後、メダル払出処理（Ｓ１０）に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、前述したいわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図１３における当せんフラグ領域３の各小役に対応する「ビット」を「０」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理（Ｓ２）以前の遊技状態に移行するようになっている。

「入賞」として判定された場合のメダル払出処理（Ｓ１０）では、図９に示すように小役の種類に応じた配当数のメダルを払出すような制御が行われる。
具体的には、メダル払出処理では、図５に示すにホッパー駆動回路３２を制御することで、ホッパー３１内に設けられたメダル払出モータが駆動制御され、メダルを払出すようになっている。
そして、メダルが払出されることで、メダル検出部３３の所定のセンサから１枚メダルが払出される毎に１パルスの払出信号が出力されるようになっている。
制御部１０では、この払出信号を監視し、パルス数が各小役のメダル配当数になるまで、ホッパー駆動回路３２を制御するようになっている。
これにより、小役の種類に応じた所定数のメダルを払出すことができる。
なお、小役Ａ（特定小役）と小役Ｂ又は小役Ｃ又は小役Ｄ（一般小役）との重複役は、前述したように、特定図柄の組合せ又はハズシ図柄を含む停止図柄の組合せの停止表示のいかんに拘わらず、小役Ａが必ず成立するようになっているため、取りこぼすことなく、メダルを獲得できるようになっている。
以上のように、図６に示すフローチャートに基づき制御部１０において行われるメダル投入処理からメダル払出処理までの処理により、スロットマシン遊技における１ゲームをなすとともに、この１ゲームが繰り返されることで遊技が進行するようになっている。

［演出制御部］
次に、本発明のハズシ図柄報知手段及び重複役報知手段として機能する演出制御部４０について説明する。
演出制御部４０は、制御部１０と同様に、ＣＰＵやＲＯＭ、ＲＡＭが搭載されたマイクロコンピュータであり、制御部１０から送信された制御コマンドに従って、サウンド回路４１及び表示器駆動回路４２を制御することで、表示器Ｌ１，各告知部Ｌ２〜Ｌ６及びスピーカ９が所定の演出を行うように駆動制御される。
なお、制御部１０と演出制御部４０間の通信は、制御部１０から演出制御部４０への一方向性が担保された通信形態で構成されており、演出制御部４０における制御処理により、制御部１０が影響されないようになっている。
制御部１０は、１ゲーム毎に内部抽せんにおける当せん内容やゲームモードフラグの内容を含む制御コマンドを演出制御部４０に送信するようになっている。
その結果、演出制御部４０では、この制御コマンドを解読することで、制御部１０が管理する遊技状態に対応し、かつ、内部抽せんにおける当せん内容に即した演出を行うことが可能となっている。

ハズシ図柄報知手段及び重複役報知手段は、内部抽せんにおいて、特定小役と一般小役との重複役に当せんし、この当せん内容の制御コマンドを受信した場合に、各リプレイタイム（ＲＴ１ａ〜ＲＴ１ｃ）毎に、作動するときと、作動しないときがあるように設定されている。
各リプレイタイム（ＲＴ１ａ〜ＲＴ１ｃ）におけるハズシ図柄報知手段及び重複役報知手段の作動状態を図２３に示す。
同図に示すように、電源投入後のリプレイタイム（ＲＴ１ａ）では、ハズシ図柄報知手段及び重複役報知手段は、未作動としてある。
これにより、内部抽せんにおいて、特定小役と一般小役との重複役に当せんした場合には、当せん内容を外部から察知することができないため、ほぼ特定図柄の組合せが停止表示され、その結果、電源投入後のリプレイタイム（ＲＴ１ａ）が終了し、通常遊技に移行するようになる。

また、ボーナス遊技後のリプレイタイム（ＲＴ１ｂ）では、多彩な遊技性を備えるように、演出制御部４０における抽せん処理やボーナス遊技後のゲーム回数に応じて作動、未作動が決定されるように設定されている。
例えば、演出制御部４０において抽せん処理を行い、この抽せん処理に当せんした場合にハズシ図柄報知手段が作動するようにしてもよい。又は、ボーナス遊技後の所定のゲーム回数の間（例えば１００ゲーム間）は、ハズシ図柄報知手段のみ作動し、その後は、重複役報知手段のみ作動するように設定することもできる。

また、通常遊技１５００回後のリプレイタイム（ＲＴ１ｃ）では、ハズシ図柄報知手段は、特定小役と一般小役との重複役に当せんする度に、作動するように設定してある。
通常遊技１５００回後のリプレイタイム（ＲＴ１ｃ）は、長期間の通常遊技により、大量のメダルを投資した結果、遊技者を救済するために設けられたリプレイタイムであるため、ボーナス役に当せんするまで、必ずハズシ図柄報知手段を作動させるようになっている。
これにより、遊技者は、右リール２１ｃに当せんした重複役に対応した色の「７」を「目押し」することで、リプレイタイム（ＲＴ１ｃ）の終了が回避され、ボーナス役に当せんするまで、リプレイタイム（ＲＴ１ｃ）を継続させることができる。

次に、ハズシ図柄報知手段又は重複役報知手段が作動した場合の報知態様について説明する。
図２４は、ハズシ図柄報知手段又は重複役報知手段が作動した場合の表示器Ｌ１及び各告知部Ｌ３，Ｌ４，Ｌ６ｂの表示態様を示す図である。
同図に示すように、ハズシ図柄報知手段が作動した時には、遊技者が、当せんした重複役に対応する色のハズシ図柄「７」が判別可能となるように、特定小役である小役Ａと同時に当せんした小役Ｂ、小役Ｃ、小役Ｄ毎に表示態様が異なるようになっている。
具体的には、表示器Ｌ１では、各小役に対応した色の「７」が表示され、小役当せん告知部Ｌ３では、各小役に対応した「７」の色のＬＥＤが点灯するとともに、押し順告知部Ｌ６ｂでは、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃから最初に停止操作するように、「←」が表示されるようになっている。
なお、同図中の「−」は、消灯を示している。
これにより、遊技者は、右リール２１ｃに各小役に対応した色の「７」を直接的に狙って「目押し」を行うことができる。
このように、本発明のハズシ図柄報知手段では、内部抽せんの当せん内容にもとづく正当な報知であるため、ハズシ図柄を直接的に報知することができるようになっている。これにより、遊技者も、勘違いすることなく、迷わず各小役に対応した色の「７」を狙って「ハズシ」を行い、リプレイタイム（ＲＴ１）の終了を回避することができる。

一方、重複役報知手段が作動した時には、遊技者が、特定小役である小役Ａと同時に当せんした小役Ｂ、小役Ｃ、小役Ｄのいずれかの当せん内容に当せんしたことが判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器Ｌ１では、各小役に対応した３色の「７」が同時に表示され、三択当せん告知部Ｌ４では、点滅表示が行われる。これらの表示は、いずれか一方のみで行われることもある。押し順告知部Ｌ６ｂでは、右リール２１ｃに対応する右停止ボタン５ｃから最初に停止操作するように、「←」が表示されるようになっている。
なお、このとき小役当せん告知部Ｌ３は消灯となっているため、同時に当せんした小役は、判別不能となっている。
その結果、遊技者は、当せんしたいずれかの小役を予測して、右リール２１ｃに予測した色のハズシ図柄「７」を狙って「目押し」を行うようになっている。
これにより、遊技者に、リプレイタイムＲ１の終了か、継続かの成否を遊技者に委ねて決定させることができ、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。

なお、上記の例では、ハズシ図柄報知手段及び重複役報知手段が作動した場合の表示器及び各告知部による視覚的な報知態様を示したが、サウンド回路４１を制御することで、スピーカ９より音声を伴った演出を行うようにすることもできる。
例えば、ハズシ図柄報知手段が作動した場合には、右リール２１ｃに各小役に対応した色のハズシ図柄「７」を狙うように、「右押し」、「赤７」などの音声を出力することもできる。
また、重複役報知手段が作動した場合には、「右押し」、「三択」などの音声を出力してもよい。

以上説明したように、本実施形態のスロットマシン１では、リプレイタイムが終了する特定図柄の組合せに対応する特定小役に当せんした場合でも、ハズシ図柄「７」を停止図柄の組合せを構成する図柄に含む一般小役も同時に当せんしているため、積極的に右リールに表されたハズシ図柄「７」に関する情報を報知できる。
すなわち、停止表示されることがリプレイタイムが終了する条件である特定図柄の組合せを対応する停止図柄の組合せに含む特定小役と、ハズシ図柄「７」を対応する停止表示される図柄の組合せを構成する図柄に含む一般小役と、に同時に当せんする重複役が設定されるため、リプレイタイムにおいて特定小役に当せんした場合には、同時に一般小役にも当せんしているので、一般小役に対応する停止図柄の情報を報知することができる。その結果、ハズシ図柄「７」の情報も積極的に報知することができる。
当せん内容と合致していない報知は、遊技の公正を害する調整機能に該当することになるが、本発明では、特定小役と一般小役が同時に当せんするため、特定小役に対応する特定図柄の組合せの情報はもちろん、一般小役に対応するハズシ図柄「７」の情報も報知することができる。

これにより、リプレイタイムにおいて、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させる場合には、当該重複役に当せんしたときに、ハズシ図柄「７」の情報を遊技者に報知することで、遊技者は、当該当せんを察知するとともに、ハズシ図柄「７」が表された右リール２１ｃを、ハズシ図柄「７」が停止表示されるように「目押し」をすることができる。
その結果、制御部１０におけるリール停止制御処理において、ハズシ図柄「７」が、「目押し」の停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にある場合に、抽せんされた当せん内容、つまり、一般小役に対応した停止図柄の組合せとなるように右リール２１ｃを停止制御するため、特定図柄の組合せである「チェリー・ＡＮＹ・ベル」を構成する図柄のうち、右リール２１ｃの「ベル」は、ハズシ図柄「７」が表されることで、停止表示されなくなり、結果的に特定図柄の組合せを構成する全ての図柄が停止表示されなくなる。

なお、ハズシ図柄「７」の情報を報知するハズシ図柄報知手段は、光、音声などの演出により遊技者にハズシ図柄の情報を認識させるものである。光で視覚的に認識させる手法では、例えば、液晶表示器やＬＥＤ発光ダイオードなどの表示媒体を用いて、ハズシ図柄「７」自体の絵柄や色などの視覚的な特徴を表示したり、ハズシ図柄「７」が表された右リール２１ｃを特定する表示したりすることができる。
音声により聴覚的に認識させる手法では、ハズシ図柄「７」の色の名称やハズシ図柄「７」が表された右リール２１ｃの名称を発声することができる。
また、ハズシ図柄報知手段によるハズシ図柄「７」の情報の報知は、所定の条件に基づき行われるため、リプレイタイムを終了させる場合には、ハズシ図柄「７」の情報を報知しなければ、重複役の当せんを報知しない限り、外部から察知されないため、リプレイタイムを終了させるように作用させることもできる。

また、特定小役と一般小役は、遊技媒体が付与される抽せん対象であるため、各小役に対応する図柄が、停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にあり、いずれかの対応する停止図柄の組合せで停止表示された場合には、取りこぼすことなく遊技媒体が獲得できる。
特に、本実施形態では、特定小役である小役Ａが、左リール２１ａの停止表示により確定する「チェリー役」であるとともに、当該役に対応する左リール２１ａにおける「チェリー」（第一特定図柄）は、必ず停止表示されるように左リール２１ａが停止制御されているため、「チェリー役」である小役Ａは、取りこぼすことなく成立するようになっている。
これにより、ハズシ図柄「７」を含む停止図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムが継続した場合のみならず、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムの終了した場合でも、確実に遊技媒体の獲得ができる。
その結果、リプレイタイムの終了を回避する「ハズシ」が失敗した場合でも、遊技媒体が獲得でき、遊技者が納得できるようになる。

以上、本発明のスロットマシンの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスロットマシンは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態のスロットマシンでは、使用する遊技媒体がメダル（コイン）の場合を示したが、本発明に係るスロットマシンに使用可能な遊技媒体はメダルに限られず、例えば、パチンコ球と同様の遊技球を遊技媒体として使用することもできる。このような遊技球を使用して遊技可能なスロットマシンは、パチロット等とも呼ばれ、本発明のスロットマシンとして適用可能である。

本発明は、遊技媒体として主にメダル（コイン）や遊技球（パチンコ球）を使用して遊技が行われるスロットマシン（回胴式遊技機）に利用することができ、特に、リプレイタイムが特定の図柄の停止表示により終了するスロットマシンに好適に利用することができる。

本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールの図柄配列と図柄番号との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部における制御処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンのゲームモード領域おける各ビットに対応する遊技状態の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象となる役と対応する停止図柄の組合せと付与される遊技価値との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの特定図柄の組合せを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンのハズシ図柄を含んで停止表示された図柄の組合せを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象と遊技状態別の乱数テーブルとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの当せんフラグ領域における各ビットに対応する抽せん対象の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに対応する図柄番号領域を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの小役Ｂに当せんした場合において停止順毎に選択される停止図柄テーブルを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの小役Ｂに当せんした場合において選択された停止図柄テーブルの値を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの小役Ｂに対応する停止図柄の組合せの表示例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの重複役に当せんした場合において停止順毎に選択される停止図柄テーブルを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの重複役に当せんした場合において特定図柄の組合せが停止されるように選択された停止図柄テーブルの値を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの重複役に当せんした場合において特定図柄の組合せが停止表示された表示例を示した図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの重複役に当せんした場合においてハズシ図柄が停止されるように選択された停止図柄テーブルの値を示した図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの重複役に当せんした場合においてハズシ図柄を含む図柄の組合せで停止表示された表示例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各報知手段の作動状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各報知手段の作動時における報知態様を示す図である。

符号の説明

１ スロットマシン
２ 前面パネル
３ 表示窓
４ スタートレバー
５（５ａ，５ｂ，５ｃ） 停止ボタン
６ メダル投入口
７ ＢＥＴボタン
８ 遊技メダル払出口
９ スピーカ
１０ 制御部
２０ ドラムユニット
２１（２１ａ，２１ｂ，２１ｃ） リール
３０ メダル払出装置
４０ 演出制御部

Claims (2)

1. スタート操作により数種類の図柄が表された複数のリールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止し、停止した各リールに表された図柄で構成される停止図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、
   複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した停止図柄の組合せを構成する図柄が停止操作のタイミングから所定の図柄コマ数内にある場合に、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、
   通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、
   前記再遊技頻出遊技における抽せん対象であって、各々の停止表示により遊技媒体が付与されるとともに、停止表示されることで前記再遊技頻出遊技が終了する特定図柄の組合せを停止図柄の組合せに含む特定小役と、停止図柄の組合せを構成する少なくとも一のリールに表された図柄が、前記特定図柄の組合せを構成する当該リールに表された図柄と図柄の種類が異なるハズシ図柄を含む一般小役と、に同時に当せんする重複役が設定される重複役設定手段と、
   前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、前記ハズシ図柄の情報を報知するハズシ図柄報知手段と、を備え、
   前記複数のリールが、左リール、中リール、右リールの３つのリールからなり、
   前記特定小役に対応する停止図柄の組合せが、
   左リールに表され、当該左リールに対応する停止ボタンが停止操作されたときに、前記停止制御手段により、常に停止表示可能となるように所定の間隔で配置された第一特定図柄と、中リール及び右リールに表されたすべての図柄と、で構成され、
   前記特定図柄の組合せが、
   左リールに表された前記第一特定図柄と、中リールに表されたすべての図柄からなる第二図柄と、右リールに表され、当該右リールに対応する停止ボタンが停止操作されたときに、前記停止制御手段により、常に停止表示可能となるように所定の間隔で配置された第三特定図柄と、で構成され、
   前記ハズシ図柄が、右リールに表され、
   前記停止制御手段が、
   前記再遊技頻出遊技において前記重複役に当せんした場合に、
   前記第一特定図柄が停止表示されるように前記左リールを停止制御することで、常に特定小役が成立するとともに、
   少なくとも左リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作されたときには、前記特定図柄の組合せが停止表示されるように各リールを停止制御することで、前記特定図柄の組合せが停止表示されるとともに、前記ハズシ図柄が停止表示されず、
   少なくとも右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから前記図柄コマ数内に前記ハズシ図柄があるときには、当該ハズシ図柄が停止表示されるように右リールを停止制御することで、前記ハズシ図柄が停止表示されるとともに、前記特定図柄の組合せが停止表示されず、
   少なくとも右リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作され、かつ、当該停止操作のタイミングから前記図柄コマ数内に前記ハズシ図柄がないときには、前記第三特定図柄が停止表示されるように右リールを停止制御することで、前記特定図柄の組合せが停止表示されるとともに、前記ハズシ図柄が停止表示されないことを特徴とするスロットマシン。
2. 前記重複役を複数備え、
   前記各重複役が、前記特定小役と、前記ハズシ図柄が各々異なる前記一般小役と、からなり、
   前記再遊技頻出遊技において前記複数の重複役のうちいずれかの重複役に当せんした場合に、当せんした重複役を特定せずに重複役の当せんを報知する重複役報知手段を備える請求項１記載のスロットマシン。

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