次に、本発明の最良の形態によるパチスロ機1について説明する。
図1は本発明の最良の形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、3個のリール2〜4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。リール2〜4および表示窓5〜7は、複数のシンボルを表示する図柄表示手段を構成している。これらシンボルはパチスロ機1の正面の表示窓5〜7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5〜7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技価値であるメダルが投入される、メダル投入口8が設けられている。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインL2A,L2Bが加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインL3A,L3Bが加わって5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。なお、以降有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。
また、表示窓5〜7の左方には、遊技動作表示器9〜12、BETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状況に応じて点灯制御され、そのときの遊技状況が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、RBゲームの残り入賞可能回数などをデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインにボーナスの作動に対応するシンボルが揃った時などに点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向の操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示され、クレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30および停止ボタン31〜33が設けられている。貯留メダル精算ボタン29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。スタートレバー30が遊技者に操作されることにより各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2〜4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a〜47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図6参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2〜4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”のコードナンバーが付され、これらコードナンバーはデータテーブルとしてプログラムROM65(図5参照)に格納されている。各リール2〜4上には、“赤7”、“青7”、“BAR”、“スイカ”、“リプレイ”、“ベル”および“チェリー”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2〜4は、シンボル列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「ボーナス内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類および成立させることが可能なボーナスの種別により区別される。
BBまたはRBのボーナス当選フラグは、ボーナスに内部当選した後、ボーナスが実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、当選役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の遊技には持ち越されない。
BBの成立を契機として発生し、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。また「ボーナス内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、以下「内部当選状態」という。「内部当選状態」では、少なくともいずれか一方のボーナス当選フラグを持ち越している状態にある。
また、「一般遊技状態」中には、他の遊技状態に比べて後述の再遊技に内部当選する確率が高い確率抽選テーブル(図8(b)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルB)が用いられるRT状態がある。「一般遊技状態」中にRT状態が発生する条件は、後述するRTが表示役になること(図19のS124,S125の判別が“YES”)である。「RT状態」の第1の終了条件は、表示役がチェリーで図17のS92の判別が“YES”になり、続くS93でRTフラグがオフになることである。第2の終了条件は、RTゲーム数カウンタの値が“0”で図17のS95の判別が“YES”になり、続くS96でRTフラグがオフになることである。第3の終了条件は、確率抽選処理で内部当選役として決定されたBBまたはRBが持越役としてセットされて(図13,S55)、続くS56でRTフラグがオフになることである。
図5および図6は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図5に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルやシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、プログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部39に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、一般遊技状態または内部当選状態のときに、遊技者にボーナスの作動に係るシンボルの組合せを表示可能であることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、リール2〜4の停止制御時、および全リール停止後の表示役の確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S〜28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、開始操作を検知したことに基づいて、単位遊技の開始を指令する信号を出力する開始信号出力手段を構成している。
メインCPU64、乱数発生器69、およびサンプリング回路70は、開始信号出力手段により出力された信号を検知したことに基づいて、当選役を決定する当選役決定手段を構成している。マイコン63は、リール2〜4により所定のシンボル組合せ(本実施形態ではRTに対応するシンボル組合せ)が表示されることを条件に、遊技者にとって相対的に有利な特典遊技(RT状態)を発生させる特典遊技発生手段を構成している。また、マイコン63は、当選役決定手段により決定された特定の当選役(本実施形態ではチェリーの小役)に対応するシンボル組合せがリール2〜4により表示されることを条件に、特典遊技を終了させる特典遊技終了手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、開始信号出力手段により出力された信号を検知したことに基づいて、リール2〜4により表示されているシンボルを変動させる図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が押された時に対応するリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。停止ボタン31〜33およびリール停止信号回路78は、停止操作を検知したことに基づいて、図柄変動手段により行われているシンボルの変動の停止を指令する信号を出力する停止信号出力手段を構成している。
ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、リール停止信号回路78、およびマイコン63は、停止信号出力手段により出力された信号を検知したことと、当選役決定手段により決定された当選役とに基づいて、図柄変動手段により行われているシンボルの変動を停止する変動表示停止手段を構成している。
また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、開始信号出力手段により出力された信号を検知してから所定時間(本実施形態では後述する自動停止タイマの値が“0”になるまでの36秒の期間)が経過したことを条件に、図柄変動手段により行われているシンボルの変動を自動停止する変動表示自動停止手段を構成している。変動表示自動停止手段は、リール2〜4により表示されるシンボルの組合せが当選役決定手段により決定された当選役に対応する組合せと異なる組合せとなるように、図柄変動手段によるシンボルの変動表示を自動停止する。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図6に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。液晶表示装置22、マイコン81、VDP90、キャラクタROM92、ビデオRAM93、および画像制御ワークRAM98は、特典遊技(RT状態)が発生しているときに、当選役決定手段により特定の当選役(チェリー)が決定されることを条件に、遊技者に所定時間(36秒)が経過するまで停止操作を行わないことを指示する情報を報知する報知手段を構成している。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
次に、図7を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている表示役特定テーブルについて説明する。
図7は、表示役特定テーブルを概念的に示す図である。
表示役特定テーブルは、後述するメインフローチャート(図10参照)のS15において、表示役およびメダル払出枚数を特定する際に用いられる。表示役特定テーブルは、シンボル組合せとメダル払出枚数と表示役との関係を記憶しており、同図においてシンボル組合せの欄に表されるシンボル組合せが有効化入賞ライン上に表示されると、対応する払出枚数の欄に表される枚数および表示役がメダル払出枚数および表示役として特定される。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役が表示役として特定され、払出枚数としてメダル2枚が特定される。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役が表示役として特定され、払出枚数としてメダル15枚が特定される。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役が表示役として特定され、払出枚数としてメダル8枚が特定される。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ(再遊技)」が表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定される。但し、「リプレイ(再遊技)」が表示役として特定された場合には、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりBBが表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定される。但し、BBが表示役として特定された場合には、BB遊技状態が作動する。また、“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりRTが表示役として特定され、払出枚数としてメダル3枚が特定される。但し、「非RT状態」でRTが内部当選した単位遊技において、RTが表示役として特定された場合には、RT遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりRBが表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定される。但し、RBが表示役として特定された場合には、RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“リプレイ−リプレイ−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、SRBが表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定される。但し、SRBが表示役として特定された場合には、RB遊技状態が作動する。上記以外のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並ぶと「ハズレ」が表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定される。
次に、図8を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている確率抽選テーブルについて説明する。
同図(a)〜(e)は、確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
確率抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの確率抽選処理(図10,S6)において、内部当選役を抽選する際に用いられる。確率抽選テーブルは、乱数発生器69で発生し、サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするデータを記憶している。各内部当選役には、0〜16383の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた内部当選役が選択される。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値がどの乱数範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
同図(a)は、「非RT中」の「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルAを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値149の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜149の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は150/16384である。「ベル」の小役には下限値150,上限値1649の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が50〜1649の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は1500/16384である。「スイカ」の小役には下限値1650,上限値1749の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1650〜1749の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は100/16384である。「リプレイ」には下限値1750,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜3994の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384である。「RT」には下限値3995,上限値4034の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が3995〜4034の範囲に属すると内部当選役として「RT」が選択される。「RT」の当選確率は40/16384である。「BB」には下限値4035,上限値4074の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4035〜4074の範囲に属すると内部当選役として「BB」が選択される。「BB」の当選確率は40/16384である。「RB」には下限値4075,上限値4094の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4075〜4094の範囲に属すると内部当選役として「RB」が選択される。「RB」の当選確率は20/16384である。「ハズレ」には下限値4095,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4095〜16383の範囲に属すると内部当選役として「ハズレ」が選択される。「ハズレ」の当選確率は12289/16384である。
同図(b)は、「RT中」の「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルBを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルAと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値12974の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜12974の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は11225/16384である。「RT」には下限値12975,上限値13014の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が12975〜13014の範囲に属すると内部当選役として「RT」が選択される。「RT」の当選確率は40/16384である。「BB」には下限値13015,上限値13054の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が13015〜13054の範囲に属すると内部当選役として「BB」が選択される。「BB」の当選確率は40/16384である。「RB」には下限値13055,上限値13074の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が13055〜13074の範囲に属すると内部当選役として「RB」が選択される。「RB」の当選確率は20/16384である。「ハズレ」には下限値13075,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が13075〜16383の範囲に属すると内部当選役として「ハズレ」が選択される。「ハズレ」の当選確率は3309/16384である。
同図(c)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、および「RT」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルAと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「ハズレ」には下限値4035,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12349/16384である。また、「BB」および「RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には、内部当選役として「BB」および「RB」は選択されないが、内部当選役として「リプレイ」以外が選択されたときには、ボーナスのシンボル組合せを表示させることが出来る。
同図(d)は、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルAと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「RB」には下限値1750,上限値1769の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は20/16384である。また、「SRB(RB)」には下限値1770,上限値3749の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は1980/16384である。また、「ハズレ」には下限値3750,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12634/16384である。また、「リプレイ」、「RT」、および「BB」には乱数範囲が割り当てられておらず、このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には、内部当選役として「リプレイ」、「RT」、および「BB」は選択されない。
同図(e)は、「RB遊技状態」において用いられるRB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルAと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値15149の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は15000/16384である。「スイカ」の小役には下限値15150,上限値15249の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384である。「ハズレ」には下限値15250,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は1134/16384である。また、「リプレイ」、「RT」、「BB」および「RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、このRB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には、内部当選役として「リプレイ」、「RT」、「BB」および「RB」は選択されない。
上述した同図(b)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルBでは、同図(a)に示す一般遊技状態中用確率抽選テーブルAに比べ、「リプレイ」の当選確率が高く設定されており、その分「ハズレ」の抽選確率が低く設定されている。
図9(a)〜(c)は、各停止テーブルのうち、確率抽選処理(図10,S6)で内部当選役として「チェリー」の小役が選択されたときに用いられる停止テーブルを概念的に示す図である。
各停止テーブルは、左,中,右の各リール2〜4の停止制御に用いられるもので、各遊技状態および内部当選役の種類毎に選択される。同図(a),(b),(c)に示す各停止テーブルには、左,中,右の各リール2,3,4毎に「停止操作位置」および「停止制御位置」が示されている。「停止操作位置」の欄の各数値は、各停止ボタン31〜33が操作された際に、入賞ラインL1上に位置しているシンボルのコードナンバーを表す。「停止制御位置」の欄の各数値は、対応する「停止操作位置」で各停止ボタン31〜33が操作されると、入賞ラインL1上に停止表示されるシンボルのコードナンバーを表す。「滑りコマ数」の欄の各数値は、対応する「停止操作位置」で各停止ボタン31〜33が操作されたときの滑りコマ数を表す。例えば、同図(a)に示す停止テーブルでは、左リール2の「停止操作位置」がコードナンバー“20”のシンボル「赤7」の場合には、「停止制御位置」がコードナンバー“20”のシンボル「赤7」で滑りコマ数が0であるため、入賞ラインL1上にはシンボル「赤7」が停止表示する。また、左リール2の回転中においてコードナンバー“19”のシンボル「ベル」が入賞ラインL1上に位置したときに、停止ボタン31が操作されると、滑りコマ数である4コマ離れたコードナンバー“15”のシンボル「スイカ」が有効化入賞ラインL1上に停止表示するように、左リール2が引込停止制御される。
同図(a)に示す停止テーブルでは、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“1”,“6”,“8”,“13”,“15”,“20”である。コードナンバー“8”,“15”はシンボル「スイカ」、コードナンバー“6”,“20”はシンボル「赤7」、コードナンバー“13”はシンボル「BAR」にぞれぞれ対応する。また、同図(b)に示す停止テーブルでは、中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“0”,“4”,“8”,“12”,“16”,“19”である。コードナンバー“0”はシンボル「赤7」、コードナンバー“4”,“12”,“16”はシンボル「リプレイ」、コードナンバー“19”はシンボル「ベル」にぞれぞれ対応する。また、同図(c)に示す停止テーブルでは、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“1”,“6”,“11”,“16”,“18”である。コードナンバー“1”,“6”はシンボル「リプレイ」、コードナンバー“11”,“16”はシンボル「チェリー」、コードナンバー“18”はシンボル「ベル」にぞれぞれ対応する。
左リール2について、コードナンバー“8”,“15”のシンボル「スイカ」が表示窓5の中段に位置するときには、コードナンバー“7”,“14”のシンボル「チェリー」が表示窓5の上段に位置して表示される。また、コードナンバー“6”,“20”のシンボル「赤7」、コードナンバー“13”のシンボル「BAR」が表示窓5の中段に位置するときには、コードナンバー“0”,“7”,“14”のシンボル「チェリー」が表示窓5の下段に位置して表示される。従って、このチェリー停止テーブルが用いられた場合には、必ず「チェリー」の小役が入賞する。このように、本実施形態の図柄表示手段は、確率抽選処理で「チェリー」の小役が内部当選役として決定されたときに、停止ボタン31〜33の操作が行われてリール2〜4によるシンボルの変動が停止されると、「チェリー」の小役に対応したシンボルの組合せが左リール2に停止表示されるシンボルの表示配列を有している。
次に、図10に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化処理を行う(図10,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容を消去する(S2)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、後述するメダル投入・スタートチェック処理を行い(S3)、続いて、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出する(S4)。次に、メインCPU64は、後述する遊技状態監視処理を行い(S5)、後述する確率抽選処理を行う(S6)。また、メインCPU64は、S6の確率抽選処理での抽選結果に基づき、今回の単位遊技のリール停止制御処理で用いる停止テーブルを決定する。続いて、メインCPU64は、スタートコマンドをメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S7)。「スタートコマンド」は、S5で識別した遊技状態、S6の確率抽選処理で抽選した当選役等の情報を含むコマンドである。
続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S8)。この判別が“NO”のときは、4.1秒が経過するまでウエイト処理(S9)が行われる。ウエイト処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、各種タイマを制御RAM66の所定領域にセットする(S10)。S10でセットされるタイマには、各単位遊技の時間を監視するゲーム監視用タイマや、遊技者の停止ボタン31〜33の停止操作によらずに自動的にリール2〜4を停止させるための自動停止用タイマが含まれる。自動停止用タイマは、本実施形態では36秒でタイム・アップする。
S10の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求し(S11)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、後述する停止制御処理を行う(S12)。次に、メインCPU64は、「リール停止コマンド」をメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S13)。次に、メインCPU64は、全てのリール2〜4の回転が停止したか否かを判別し(S14)、この判別が“NO”の場合には、処理はS12に戻って上述の処理が繰り返される。一方、判別が“YES”の場合には、メインCPU64は、表示役特定テーブル(図7参照)に基づいて、表示役と払出枚数を特定する(S15)。また、メインCPU64は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致をとり、表示役に誤りがあってイリーガルヒットに該当する場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーを表示する。
次に、メインCPU64は、表示役が正常でイリーガルヒットでない場合に、後述するRT終了処理を行い(S16)、続いて、「表示役コマンド」をメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S17)。「表示役コマンド」は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などを含んだコマンドである。
次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S18)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。
S18の処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S19)、何れかのフラグが“オン”である場合には、後述するボーナス終了チェック処理を行い(S20)、何れのフラグも“オン”でない場合には、ボーナス作動チェック処理を行う(S21)。S20またはS21の処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図11を参照して、図10,S3で行われるメダル投入・スタートチェック処理について説明する。
このメダル投入・スタートチェック処理では、まず、メインCPU64は、メダルセンサ・ベットスイッチのチェック処理を行う(図11,S31参照)。この処理では、メダル投入口8から投入されたメダルを投入メダルセンサ8Sが検知したか、また、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが検知したか否かをチェックする。次に、メインCPU64は、S31の処理に基づきメダルが投入されたか否か、つまり、投入メダルセンサ8Sがメダルを検知し、または、貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検知したかを判別する(S32)。この判別が“YES”の場合には、メインCPU64は、単位遊技に賭けられたメダル枚数をカウントする投入枚数カウンタの更新を行い(S33)、続いて、更新された投入枚数カウンタの値を含むベットコマンドを制御RAM66の通信データ格納領域にセットする(S34)。S33で投入枚数が“3”になると、メダルの投入が禁止されて以降クレジットが更新される。S32の判別が“NO”の場合、または、ベットコマンドをセットした後、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値が“3”であるか否かを判別し(S35)、判別が“NO”のときは、処理はS31に戻って上述の処理が繰り返される。一方、S35の判別が“YES”のときは、スタートスイッチはオンである否か、つまり、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力があるか否かを判別する(S36)。この判別が“NO”のときは、処理はS31に戻り、上述の処理が繰り返される。S36の判別が“YES”になると、メダル投入・スタートチェック処理は終了する。
次に、図12を参照して、図10,S5で行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図12,S41参照)。この判別が“YES”のときは、メインCPU64は、遊技状態をRB遊技状態にセットし(S42)、判別が“NO”のときは、BB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S43)。この判別が“YES”のときは、メインCPU64は、遊技状態をBB中一般遊技状態にセットする(S44)。S43の判別が“NO”のときは、メインCPU64は、持越役がセットされているか否かを判別し(S45)、判別が“YES”のときは、持越役に応じて、遊技状態をBB内部当選状態またはRB内部当選状態にセットする(S46)。一方、S45の判別が“NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットする(S47)。S42,S44,S46,またはS47の処理が行われると遊技状態監視処理は終了する。
次に、図13を参照して、図10,S6で行われる確率抽選処理について説明する。
この確率抽選処理において、まず、メインCPU64は、RTフラグがオンであるか否かを判別し(図13,S51参照)、この判別が“YES”である場合には、図8(b)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルBを参照して内部当選役を決定する(S52)。一方、S51の判別が“NO”である場合、メインCPU64は、遊技状態に応じた確率抽選テーブルを参照して内部当選役を決定する(S53)。
S52またはS53の処理の後、メインCPU64は、決定された内部当選役はBBまたはRBであるか否かを判別し(S54)、この判別が“YES”である場合には、内部当選役に基づいて持越役をセットし(S55)、続いて、RTフラグをオフにし(S56)、確率抽選処理を終了する。なお、S54の処理でRBにはSRBも含まれる。一方、S54の判別が“NO”である場合には、そのまま確率抽選処理を終了する。
次に、図14を参照して、図10,S12で行われる停止制御処理について説明する。
この停止制御処理において、まず、メインCPU64は、リール2〜4の回転が定速になっていずれかの停止ボタン31〜33が操作され、有効なストップスイッチが“オン”されたか否かを判別する(図14,S61参照)。この判別が“NO”である場合には、次に、停止ボタン31〜33が操作されずに自動停止タイマの値が“0”となったか否かを判別する(S62)。この判別が“NO”である場合には、処理はS61に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、自動停止タイマの値が“0”になってS62の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、より右側のリール2〜4を制御対象にし(S63)、続いて、抽出したリール2〜4が第3停止リールであるか否かを判別する(S64)。この判別が“YES”である場合、メインCPU64は、自動停止時にリール2〜4に入賞シンボル組合せを揃わせない後述する自動第3停止処理を行う(S65)。
有効なストップスイッチが“オン”されてS61の判別が“YES”の場合、または、抽出したリール2〜4が第3停止リールでなくてS64の判別が“NO”の場合、または、S65の処理が行われた後、メインCPU64は、後述する滑りコマ数決定処理を行い(S66)、続いて、リール停止コマンドをメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S67)。次に、メインCPU64は、滑りコマ数分、停止制御の対象となっているリール2〜4が回転するのを待ち(S68)、リール2〜4の回転停止を要求する(S69)。次に、メインCPU64は、停止要求のあったリールの停止が最後のリールの停止であるか否かを判別し(70)、この判別が“YES”である場合には、停止制御処理を終了する。一方、判別が“NO”である場合には、処理はS61に戻り、上述の処理が繰り返される。
次に、図15を参照して、図14,S65で行われる自動第3停止処理について説明する。
この自動第3停止処理において、まず、メインCPU64は、停止制御の対象のリールは左リール2であるか否かを判別し(図15,S71参照)、この判別が“YES”である場合には、表示役判定データとして「ハズレ」をセットし(S72)、自動停止時には必ず「ハズレ」となるようにする。なお、自動停止が行われない場合には、全ての役が表示役判定データとしてセットされている。一方、停止制御の対象のリールが左リール2でなくてS71の判別が“NO”である場合には、中リール3または右リール4にシンボル「チェリー」を停止させても「チェリー」入賞はしないため、メインCPU64は、表示役判定データとして「ハズレ」および「チェリー」をセットする(S73)。S72またはS73の処理の後、メインCPU64は、停止制御対象のリールについてのシンボルの位置を取得し、第3停止リールが停止した場合にリール2〜4に揃う全ての表示役を予想する(S74)。次に、メインCPU64は、予想された結果と、表示役判定データとを比較し(S75)、表示役判定データとしてセットされた役に対応するシンボルを有効化入賞ライン上に停止可能か否か、つまり、有効化入賞ライン上に位置するシンボルが表示役判定データに含まれるか否かを判別する(S76)。この判別が“NO”である場合には、停止制御対象のリールについての1周分全てのシンボルをチェックしたか否かを判別する(S77)。この判別が“NO”である場合には、処理はS74に戻り、上述の処理が繰り返される。つまり、リール2〜4の自動停止中はストップスイッチの入力は受け付けられない。S76またはS77の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、自動停止フラグを“オン”にし(S78)、自動停止処理を終了する。
次に、図16を参照して、図14,S66で行われる滑りコマ数決定処理について説明する。
この滑りコマ数決定処理において、まず、メインCPU64は、自動停止フラグが“オン”であるか否かを判別し(図16,S81参照)、この判別が“YES”である場合には、停止可能な位置でリール2〜4を止めるために滑りコマ数として“0”を決定する(S83)。一方、判別が“NO”である場合には、停止テーブルに基づいて滑りコマ数を決定する(S82)。S82またはS83の処理が行われた後、滑りコマ数決定処理は終了する。
次に、図17を参照して、図10,S16で行われるRT終了処理について説明する。
このRT終了処理において、まず、メインCPU64は、RTフラグは“オン”であるか否かを判別し(図17,S91参照)、この判別が“YES”である場合には、表示役は「チェリー」の小役であるか否かを判別する(S92)。この判別が“YES”である場合には、RTフラグをオフする(S93)。S92の判別が“NO”である場合、メインCPU64は、RTゲーム数カウンタの値を“1”減算し(S94)、続いて、RTゲーム数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(S95)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、RTフラグをオフする(S96)。S91若しくはS95の判別が“NO”である場合、または、S93若しくはS96の処理を行った後、RT終了処理は終了する。
次に、図18を参照して、図10,S20で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。
このボーナス終了チェック処理において、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別する(図18,S101参照)。この判別が“YES”である場合には、遊技可能回数を1減算し、払い出しがある役の入賞が成立したなら、入賞可能回数を“1”減算する(S102)。次に、メインCPU64は、遊技可能回数および入賞可能回数のうち少なくとも一方が“0”となり、RB遊技状態の終了時か否かを判別する(S103)。この判別が“YES”である場合には、RB作動中フラグをクリア等するRB終了時処理を行う(S104)。S103の判別が“NO”である場合、または、S104の処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S105)、この判別が“NO”である場合には、そのままボーナス終了チェック処理を終了する。
S105の判別が“YES”の場合、または、S101の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、メダルの払出枚数に応じて払出可能枚数を減算し(S106)、続いて、払出可能枚数が“1”以下でBB終了時であるか否かを判別する(S107)。この判別が“YES”である場合には、BB作動中フラグをクリア等するBB終了時処理を行い(S108)、ボーナス終了チェック処理を終了する。S108の処理では、RB作動中フラグがオンの場合もあるので、RB終了時処理も含まれる。S107の判別が“NO”である場合、メインCPU64は、表示役がRBであるか否かを判別し(S109)、この判別が“NO”である場合には、そのままボーナス終了チェック処理を終了する。一方、判別が“YES”である場合には、RB作動時テーブルに基づいてRB作動中フラグ等をセットし(S110)、続いて、持越役をクリアし(S111)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図19を参照して、図10,S21で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。
このボーナス作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、リール2〜4に実際に揃って表示されている表示役はBBまたはRBであるか否かを判別する(図19,S121参照)。この判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、ボーナス作動時テーブルに基づいて作動中フラグ等をセットし(S122)、続いて、持越役をクリアする(S123)。また、メインCPU64は、セットされた作動中フラグに応じて、払出可能枚数や遊技可能回数や入賞可能回数をセットする。
一方、S121の判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、表示役はRTであるか否かを判別し(S124)、判別が“YES”である場合には、ボーナス内部当選状態中であるか否か、つまり、遊技状態が内部当選状態中であるか否かを判別する(S125)。この判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、RTフラグはオンであるか否かを判別し(S126)、判別が“NO”である場合には、RTフラグをオンし、RTゲーム数カウンタに100をセットする(S127)。一方、S126の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、RTゲーム数カウンタの値に“100”をセットする(S128)。S124の判別が“NO”若しくはS125の判別が“YES”の場合、または、S123、S127、若しくはS128の処理が行われた後、ボーナス作動チェック処理は終了する。
次に、図20のフローチャートを参照して、例えば、1.1173ms毎にメイン制御基板61で行われる定期割込処理の概略について説明する。
この定期割込処理において、まず、メインCPU64は、コマンド送信処理を行う(図20,S131参照)。コマンド送信処理は、メイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報を、サブ制御基板62へ送信する処理である。次に、メインCPU64は、リール2〜4の回転を制御するリール制御処理を行い(S132)、7SEG駆動処理を行い(S123)、続いて、ランプ駆動処理を行う(S124)。7SEG駆動処理では、貯留枚数表示部16やボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20などを構成する各LEDを表示数値に応じて点灯または消灯する。ランプ駆動処理では、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)を、各ランプの点灯または消灯のタイミングに応じて点灯または消灯する。次に、メインCPU64は、自動停止用タイマやゲーム監視用タイマの値の更新等を行うタイマ管理処理を行い(S125)、定期割込処理を終了する。
次に、図21〜図23を参照して、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
図21は、サブCPU82によって行われる、リセット割込処理の概略を示すフローチャートである。
このリセット割込処理では、パチスロ機1に電源が投入され、サブCPU82のリセット端子に信号が入力されると、サブCPU82は、制御RAM84や、ビデオRAM93、画像制御ワークRAM98の初期化や、割込を許可する初期化処理を行う(図21,S211)。次に、サブCPU82は、十字キー23や、「○」ボタン24、「×」ボタン25といった操作部からの入力を監視する処理を行い(S212)、その後、メイン制御基板61からのコマンドを処理する後述のコマンド入力処理を行う(S213)。次に、サブCPU82は、制御RAM84に記憶されている演出データに応じて、液晶表示装置22に画像の描画を指令したり、スピーカ96,96に音声の出力を指令したりするコマンド出力処理を行う(S214)。
図22は、図21のS213で実行されるコマンド入力処理の詳細なフローチャートである。このコマンド入力処理では、まず、サブCPU82は、メイン制御基板61から受信したコマンドのうち未処理コマンドがあるか否かを判別し(図22,S221参照)、この判別が“NO”の場合は、そのままコマンド入力処理を終了する。一方、この判別が“YES”の場合は、後述するように未処理コマンドに対応する処理を実行し(S222)、続いて、この処理で実行されたコマンドを処理済みコマンドに設定し(S223)、コマンド入力処理を終了する。
図23は、図22,S222の未処理コマンドに対応する処理の詳細なフローチャートである。この処理において、まず、サブCPU82は、未処理コマンドからスタートコマンドを抽出し(図23,S231参照)、続いて、遊技状態がRT状態であるか否かを判別する(S232)。この判別が“YES”の場合、確率抽選処理(図10,S6)で決定された内部当選役は「チェリー」の小役であるか否かを判別する(S233)。この判別が“YES”の場合には、36秒間、停止操作を待つことを報知する演出データを画像制御ワークRAM98にセットする(S234)。S232若しくはS233の判別が“NO”の場合、または、S234の処理を行った後、サブCPU82は、各々の内部当選役に対応した演出テーブルおよび演出識別子に基づいて演出データを決定する(S235)。S235の処理を行った後、未処理コマンドに対応する処理は終了する。
図24は、確率抽選処理でチェリーの小役が内部当選役として決定され、図23のS234の処理で36秒間停止操作を待つことを報知する演出データがビデオRAM93にセットされた場合に、図21のS214の処理によって、液晶表示装置22に表示される演出画像の例を示す図である。自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が例えば30秒になってから自動停止タイマの値が“0”になるまでの間、ビデオRAM93にセットされた演出データに基づき、キャラクタ「ドンちゃん」と、この「ドンちゃん」の「停止ボタンを操作しないで下さい」という台詞の吹き出しとから構成される画像が、液晶表示装置22に表示される。
遊技者がこの表示に従わないで、リール2〜4が回転を始めてから36秒間が経過する前に停止ボタン31〜33を操作すると、必ず「チェリー」の小役の入賞が成立し(図9(a)参照)、RT終了処理(図17)のS92で表示役は「チェリー」の小役であると判別され、続くS93でRTフラグがオフとなり、RT状態が終了する。一方、遊技者がこの表示に従って、リール2〜4が回転を始めてから36秒間が経過するまで停止ボタン31〜33を操作しない場合には、「チェリー」の小役の入賞が成立しないようなリール2〜4の自動停止制御が行われ(図15参照)、RT終了処理(図17)のS92で表示役は「チェリー」の小役でないと判別されて、RT状態が継続する。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、特典遊技であるRT状態が発生しているときに確率抽選処理でチェリーの小役が内部当選役に決定されると、自動停止タイマの値が“0”になってリール2〜4の回転が自動停止されるまで、停止操作を行わないことを指示する情報が液晶表示装置22の表示によって報知される。遊技者が報知された情報に従って自動停止タイマの値が“0”になるまで停止ボタン31〜33の操作を行わないと、リール2〜4の回転が自動停止し、チェリーの小役に対応するシンボル組合せと異なるシンボル組合せがリール2〜4により表示される。このため、確率抽選処理でチェリーの小役が内部当選役に決定された場合に、液晶表示装置22での報知に従うことにより、チェリーの小役に対応するシンボル組合せと異なるシンボル組合せを表示させて、RT状態が終了するのを避けることができる。従って、面白味があって遊技者に歓迎されるパチスロ機1を提供することができる。
なお、上記実施形態の説明では、遊技者に有利な特典遊技を「RT状態」とした場合について説明したが、遊技者にとって有利であれば、特典遊技は「RT状態」に限られず、例えば、リール2〜4の引き込み制御が行われずに遊技者の目押し操作によってリール2〜4が停止される単位遊技が行われるCT(チャレンジタイム)や、所定の内部当選役の入賞を成立させることができる停止ボタン31〜33の操作順序などが報知される単位遊技が行われるST(スーパータイム)等としてもよい。また、上記実施形態では、「RT状態」でチェリーの小役が入賞することを条件に「RT状態」が終了して遊技者に不利な状態が発生する構成としたが、例えば、一般遊技状態中にチェリーの小役が入賞すると、相対的に遊技者にとって不利な遊技状態に移行する構成としてもよい。また、チェリーの小役が入賞すると「RT状態」への突入確率が低くなる構成としてもよい。また、上記実施の形態では、RT状態を終了させる特定の当選役をチェリーの小役とした場合について説明したが、他の役を特定の当選役とする構成としてもよい。また、RTゲーム数も任意であり、適宜変更して差し支えない。また、停止ボタン31〜33を操作しないことを報知する態様や報知方法は任意であり、適宜変更して差し支えない。また、上記実施形態では、チェリーの小役が内部当選役として決定されても停止ボタン31〜33を操作できる構成としたが、チェリーの小役が内部当選役として決定されると停止ボタン31〜33を操作できない構成として、強制的にチェリーの小役の入賞が成立しないようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、リール2〜4の有するシンボルの表示配列によって、停止ボタン31〜33の操作が行われてリール2〜4によるシンボルの変動が停止されると、内部当選役として決定された「チェリー」の小役に対応したシンボルの組合せが停止表示されるようにした。しかし、変動表示停止手段によるリール2〜4の回転の停止制御によって、停止ボタン31〜33の操作が行われてリール2〜4によるシンボルの変動が停止されると、内部当選役として決定された「チェリー」の小役に対応したシンボルの組合せが停止表示されるようにしてもよい。