[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。なお、以下では記載された数値の後に「(H)」と付している場合は16進法の数値を表し、「(D)」と付している場合は10進法の数値を表し、「(B)」と付している場合は2進法の数値を表している。また、特に断りなく単に数値のみが記載されている場合は10進法の数値を表している。
[筐体の外部構成に関する説明]
図1に、本発明に係る遊技機の第1実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、前面扉14とによって構成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられており、各リールの回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。前面扉14は、本体部12の正面左側に取り付けられたヒンジによって開閉可能に取り付けられており、前面扉14のほぼ中央部に設けられたフロントパネル20に形成されている表示窓21から各リールの図柄を視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3(図柄)×3(リール)=9つの図柄が停止表示される。以下、表示窓21に停止表示される各リールの連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
3つのリールが停止したときに何らかの役が入賞したか否かは、上述した9つの図柄のうち、所定の停止表示位置に停止表示された図柄の組合せ(以下、「図柄組合せ」という。)によって判断され、これらの停止表示位置を結ぶ線を入賞ラインという。本実施形態では、左リール40L、中リール40C及び右リール40Rの各中段Mを結ぶライン(中段水平ライン)が入賞ラインLとなる。そして、現在の遊技においてベットすることができるメダル枚数(規定数)のメダルが賭けられた状態で遊技が行われると、入賞ラインLに停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。したがって、入賞ラインとなっている停止表示位置のことを、「入賞停止位置」ともいう。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄組合せが揃った」と記載している場合は、その図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された(換言すると、図柄組合せに対応する役が入賞した)ことを意味する。
また、入賞ラインLとは別に、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を上段水平ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を下段水平ラインという。また、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を右上がりライン、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を右下がりラインという。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓21の右側には後述するAT中に点灯するATランプALPが設けられている。ATランプALPの発光源は、フロントパネル20の背面に設けられた2つのLEDであり、これらLEDの光が図1中、破線で示す透光領域を透過することによってATランプALPの点灯を視認することができる。
表示窓21の下側には、クレジット数表示器27(以下、「クレジット枚数表示器27」、「貯留枚数表示器27」ともいう。)、および、獲得枚数表示器28(以下、「払出枚数表示器28」ともいう。)が設けられている。クレジット数表示器27および、獲得枚数表示器28は、各々2桁の8セグメント表示器からなり、各8セグメント表示器は、7つのセグメントa~gおよびセグメントDPを備えている(例えば図11(a)の左端の表示器を参照)。
クレジット数表示器27は、セグメントa~gにスロットマシン10にクレジット(以下、「貯留」ともいう。)されているメダルの枚数(上限は50枚)を表示する。スロットマシン10にクレジットされているメダルの枚数は、記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている。また、クレジット数表示器27の下位桁の8セグメント表示が有するセグメントDPは、後述する有利区間ランプ(以下、「有利区間LED」、「有利区間表示器」、「区間表示器」ともいう。)として使用される。なお、クレジット数表示器27のセグメントDPの代わりに、獲得枚数表示器28の下位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして使用してもよい。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはコインに埋設されたICチップなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。これらの記録媒体は、スロットマシン10に直接投入することができるようになっていてもよいし、スロットマシン10以外の外部装置に投入し、記録媒体に記録された価値を示す情報が外部装置を介して、スロットマシン10に投入することができるようになっていてもよい。スロットマシン10は、規定数のメダルがベットされると1回の遊技が可能となる。
獲得枚数表示器28は、入賞した役に応じて遊技者へ払い出される(遊技者が獲得する)メダルの枚数を表示する。なお、獲得枚数表示器28は必ずしも8セグメント表示器で構成する必要は無く、セグメントDPを使用しない場合には、セグメントa~gのみからなる7セグメント表示器を採用してもよい。以下では、8セグメント表示器および7セグメント表示器の総称として「セグメント表示器」ともいう。
フロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、投入されたメダルを選別するためのセレクタ80(後述する)が設置され、セレクタ80内に設けられたメダルセンサによってメダル投入口32から投入されたメダルが検出されると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常(以下、「エラー」ともいう。)の検出を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1-ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技における規定数のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。また、規定数を越えるメタルがメダル投入口32に投入されると、その投入されたメダルはクレジットされる。具体的には、主制御手段100のRWMに投入されたメダルの枚数が記憶される。規定数のメダルがベットされており、かつ、クレジット(RWMに記憶)された枚数が上限(50枚)に達した状態で、メダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ(「方向スイッチ」ともいう。)38および決定スイッチ(「メニュースイッチ」ともいう。)39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。
ここで、上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチは、各スイッチに個々に対応するボタンを設けて、個別にオン/オフできるようにしてもよいし、十字型のキートップ(十字キー)を設けて十字キーを傾倒操作した方向のスイッチがオンにされるようにしてもよい。十字キーにより上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチをオン/オフ可能とする場合、隣り合った2つのスイッチ(上と右、右と下、下と左、左と上)は同時にオンすることが可能であるが、対向するスイッチ(上と下、右と左)については同時にオンすることができないようにしてもよい。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられており、決定スイッチ39の操作が無効になっているときはスイッチ内部の光源が消灯し、有効になっているときは点滅(点灯でもよい)するようになっている。
操作パネル部30の正面左側には、リールを回転させるためのスタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(再遊技役が入賞した)ときは、そのときにベットされていたメダルと同じ枚数のメダルが次の遊技(再遊技)で自動的にベットされて、スタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この自動的にベットされた状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合は、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、上限(50枚)に達するまでクレジットするようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示される。ただし、フリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示されるようにしてもよい。フリーズ演出は、遊技の進行が遅延している状態(フリーズ)において実行される演出であり、特に、スタートスイッチが操作された直後に遊技の進行を遅延させる場合は、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるフリーズ演出を実行することができる。
ここで、フリーズ中にリール40L,40C,40Rを回転させて行う演出のことを「リール演出」ともいう。リール演出としては、例えば、通常の回転方向(上から下)とは逆方向(下から上)にリールを回転させたり、リールを所定の図柄数分だけ上から下または下から上に回動させて特定の図柄組合せを停止表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止させたまま、他のリールを回転させたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりしてもよい。
操作パネル部30の正面中央部には、リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。具体的には、ストップスイッチ37L,37C及び37Rが、リール40L,40C及び40Rに対応して設けられている。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受け付けられない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤く発光し、操作が有効(受け付け可能な状態)になっているときは青く発光する。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに消灯させてもよい。
例えば、リールの回転中に1-ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35またはスタートスイッチ36が操作された場合、それらのスイッチが操作されている間は回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が受け付けられない状態(無効)となる。また、既に停止しているリール対応するストップスイッチが操作されている場合にも、未だ回転しているリールに対応するストップスイッチの操作が受け付けられない状態となる。これと同様に、遊技が終了してメダルの投入が可能なときに、いずれかのストップスイッチまたはスタートスイッチ36が操作されている場合は、その間1-ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35の操作が受け付けられない状態となる。また、規定数のメダルが投入されている状態で、1-ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35またはいずれかのストップスイッチが操作されている場合は、その間スタートスイッチ36の操作が受け付けられない状態となる。
ただし、リールの回転中に、後述する選択スイッチ38または決定スイッチ39が操作されていたとしても、それによってストップスイッチの操作は無効化されない。同様に、また、メダルの投入が可能なときに、選択スイッチ38または決定スイッチ39が操作されていたとしても、それにより1-ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35の操作は無効化されない。さらに規定数のメダルが投入されている状態で、選択スイッチ38または決定スイッチ39が操作されていたとしても、それによりスタートスイッチ36の操作は無効化されない。
ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、少なくともリール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。ここで、定速は1分間当たり80回転を越えない範囲で予め定められた回転速度になっている。ストップスイッチの操作を有効にする条件として、全リールの回転速度が定速に達し、かつ、すべてのリールのインデックス(後述する)を検出した(換言すると、後述する回胴センサ信号の立ち上がりを検出した)ことを条件にしてもよい。スタートスイッチ36が操作されたことによって遊技が開始され、全リールが回転しているときに左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lの停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cの停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rの停止制御が行われて回転が停止する。
以下では、ストップスイッチを操作することを「停止操作」といい、全リールが回転を開始してから最初の停止操作を第1停止操作、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目(最後)の停止操作を第3停止操作または最終停止操作という。なお、リールおよびストップスイッチを各々4つずつ備えるスロットマシンの場合は、3番目の停止操作を第3停止操作、4番目(最後)の停止操作を第4停止操作または最終停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置ともいう。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、清算受付期間内に操作されると(すなわち、清算条件が満たされると)、すでにベットされていたメダルとクレジットされていたメダルとがすべて払い戻され(返却され)、クレジット数表示器27の表示が「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。上述した清算受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作がなされたときまでの間とする。
上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが一度に払い戻されるようになっている。これに限らず、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことが可能な状態になったときに清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが小役(「入賞役」ともいう。)に対応していた場合、その小役に対応した枚数のメダルがクレジット(RWMに記憶)されるか、またはホッパー83(後述する)のホッパーモータ46が作動して、ホッパー83に貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが実際に払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされていたメダルが実際に払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。この画像表示装置70は、主に抽せんの結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像(いわゆる演出画面)、スロットマシンの遊技の進行(メダルをベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リールの回転停止)に応じた演出画像(いわゆる演出画面)等を表示することができる。また、演出画像の他にも、総遊技回数(総ゲーム数ともいう)やボーナス役の総当せん回数等を表示するための遊技履歴用の画像(いわゆる遊技履歴画面)等を表示することもできる。さらに、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面。遊技待機画面ともいう。)も表示することもできる。
加えて、例えば遊技が行われていないときに決定スイッチ39が操作されると画像表示装置70に複数の項目を含んだメニュー画面を表示し、表示されたメニュー画面において、選択スイッチ38の操作に応じて選択された項目に対応する情報を表示するようにしてもよい。このメニュー画面は、遊技者に提供する情報を選択させるための情報選択画面ともいえる。ここで、メニュー画面の操作に応じて表示される画面としては、上述した各種遊技履歴を表す画面、遊技者が所定のサーバ(例えば、インターネットに接続され、スロットマシン10に関する各種サービスを提供するサーバ)から入手したパスワードの入力画面、パスワードの入力後からの遊技回数(ゲーム数ともいう)やボーナス役の当選回数等を含んだ二次元コードを表示するための画面(いわゆる二次元コード画面)などがある。
なお、画像表示装置70は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中や非遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることができる。また、上述したメニュー画面に含まれる項目として、演出音の音量調整の項目や、演出時に点灯するランプ類の明るさ調整の項目を含めてもよく、これらの項目が選択されたときは、例えば遊技者が選択スイッチ38の上スイッチおよび下スイッチを操作することにより、音量や明るさを増減可能としてもよい。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、メダルが払い出されやすい状態(例えば、ボーナス遊技中やAT中のように、遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅(または点灯)する演出用ランプ72が設けられている。
[筐体の内部構成に関する説明]
次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構成について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図2において、前面扉14の裏面上方、図1に示した画像表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出の実行を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述する副制御基板202と画像制御基板204とによって構成される(図10参照)。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。図2中、表示窓21の右側には、複数のLEDが設けられており、そのうちLED29a,29bは、図1に示したATランプALPの発光源になっている。
表示窓21の下側には、セレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルの中から正規のメダルを選別する。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。一方、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するホッパー83のメダル貯留部90(メダルを貯留する容器)へ送出するための受入通路81bへ導く。前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lの位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
本体部12内部の正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図2ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。本体部12の内部、背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100のハードウェア部分を構成する主制御基板101を収容した主制御基板ケース102が取り付けられている。
主制御基板101上には、4つの8セグメント表示器からなる役比モニタ103(後述する)と、1つの8セグメント表示器からなる設定値表示器104(後述する)とが設けられており、主制御基板ケース102の正面には、役比モニタ103の表示を視認するための役比モニタ表示窓YMが形成されている。役比モニタ103は、スロットマシン10が遊技場に設置された後に、スロットマシン10が不正に改造されていないことを確認しやすくするために設けられるものである。役比モニタ103には、スロットマシン10の稼働実績に基づいてメダルの払出枚数や遊技状態に関する複数の情報を表示されるが、それらの表示内容については後に詳しく説明する。
ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、小役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、1BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述するAT中にオン状態となるAT信号等がある。AT信号に代えて、有利区間に滞在している間はオン状態になる有利区間信号としてもよい。
本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールに設けられているインデックスを検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。本実施形態では、各回胴センサが、表示窓21の中段Mにおける中央位置に設けられている。上述したインデックスは、回胴センサによって検出されるものであることから、「被検出部材」ともいう。
本体部12内の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、ホッパー83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常(一部の異常は除く)が検知されたことによって遊技の進行(制御処理)が強制的に停止された場合に、再び遊技の進行(制御処理)を開始させる際に操作されるものである。
メダル補助収容庫84は上面に開口を有する箱状の部材であり、ホッパー83のメダル貯留部90に蓄積されたメダルが許容量を超えたことにより、メダル貯留部90から溢れ出たメダルを収容する。
ホッパー83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットされていたメダルを遊技者へ返却するときに作動してメダルを払い出す装置である。ホッパー83は、上側の開口部よりメダルを受け入れて貯留可能なメダル貯留部90と、メダル貯留部90の底部に位置する払出機構部92とを備えている。払出機構部92は、ホッパーモータ46を駆動し、回転捕捉板91を回転させることによってメダル貯留部90に貯留されたメダルを1枚ずつメダル排出口92aから外部へ排出される。払出機構部92内には、払い出されたメダルを検出する払出センサ47(図10参照)が設けられている。メダル排出口92aから排出されたメダルは、前面扉14の裏面に取り付けられている排出通路81cに穿設されたメダル孔81dを通って図1のメダル払出口60から受け皿61へと排出される。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図3を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図3(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。なお、図3(a)に示す矢印は、遊技中(ただしリール演出中を除く)でリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、リールテープの長手方向において、20個に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図3(b)に示すように、数字の“7”を赤、緑、白の各色で表した「赤7」図柄、「緑7」図柄および「白7」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイA」図柄および「リプレイB」図柄と、赤いサクランボおよび緑色のサクランボを各々モチーフとした「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄および「ブランクC」図柄と、がある。ここで、「ブランクA」図柄における樹木の色は白、「ブランクB」図柄における樹木の色は薄いグレー、「ブランクC」図柄における樹木の色はダークグレーとなっている。
リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図3(a)に示すように0~19の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図3(a)に示す各リールテープは、図柄番号0と図柄番号1の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号0と図柄番号1の図柄が連続することになる。
[特典が付与される図柄組合せの説明]
次に、遊技者に対して特典を付与される図柄組合せについて図4~図9を参照して説明する。図4~図9に示す各図柄組合せは、全リールが停止したときに入賞ラインL上に表示されると、遊技者に対して所定の特典が付与される図柄組合せを図示している。遊技者に対して付与される特典には、ボーナス遊技、再遊技および入賞(メダルの払い出し)の3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。以下では、入賞ラインL上に揃った場合、再遊技が行われることとなる図柄組合せを再遊技役またはリプレイ役、入賞となる図柄組合せを小役または入賞役、ボーナス遊技が行われることとなる図柄組合せをボーナス役ともいう。
ボーナス役の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う(ボーナス役が入賞する)と、その図柄組合せに応じたボーナス遊技が開始される。なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図4に示す1BB-Aの図柄組合せは「ブランクC-赤7-緑7」と記す。本実施形態では、図4に示すように、1BB-Aから1BB-Jまでの10種類のボーナス役がある。これらのボーナス役のうち、1BB-A~1BB-Dの4種類のボーナス役は、3枚のメダルを投入して行われた遊技(3枚賭け遊技)でのみ入賞する可能性が有り、1BB-E~1BB-Jの6種類のボーナス役は、2枚のメダルを投入して行われた遊技(2枚賭け遊技)でのみ入賞する可能性が有る。
ボーナス役が入賞すると、次の遊技からボーナス遊技が開始され、所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技が繰り返し行われる。本実施形態では、1BB-A~1BB-Dのいずれかのボーナス役が入賞したときは、ボーナス遊技が開始されるとRB-A遊技が繰り返し実行され、1BB-E~1BB-Jのいずれかのボーナス役が入賞したときはボーナス遊技が開始されるとRB-B遊技が繰り返し実行される。RB遊技中は抽せんにおいて小役が極めて高い確率(100%であってもよい)で当せんし、所定回数の遊技が行われるか、または、所定回数の小役が入賞するかの、いずれか早い方が達成されたときに終了する。
本実施形態では、RB-A遊技およびRB-B遊技のいずれも、2回の遊技が行われたとき、および、小役が2回入賞したとき、のいずれか一方の終了条件が先に成立するか、双方の終了条件が同時に成立すると終了する。そして、1BB-A~1BB-Dのいずれかのボーナス役が入賞した場合は、ボーナス遊技中のメダル払出枚数が95枚を越えるとボーナス遊技が終了する。これに対して、1BB-E~1BB-Jのいずれかのボーナス役が入賞した場合は、ボーナス遊技中のメダル払出枚数が4枚を越えるとボーナス遊技が終了する。
なお、RB遊技は第一種特別役物ともいい、RB遊技が繰り返し行われる(第一種特別役物が連続して作動する)ボーナス遊技のことを、第一種特別役物に係る役物連続作動装置または1BB遊技という。また、上述した1BB遊技では、1BB遊技の開始とともにRB遊技が連続して行われていたが、1BB遊技の開始後、RB遊技が開始されることとなる図柄組合せ(以下、「RB図柄組合せ」ともいう。)が表示された場合にRB遊技を開始するようにしてもよい。すなわち、1BB遊技中が開始されると、まず1BB遊技中の一般遊技(以下、「BB中一般遊技」という。)が開始され、BB中一般遊技中にRB図柄組合せが表示されるとRB遊技が開始される。そして、RB遊技の終了条件が成立すると再びBB中一般遊技中が開始され、以下、1BB遊技の終了条件が成立するまでBB中一般遊技またはRB遊技を行う。
また、BB中一般遊技中にRB図柄組合せが表示されてRB遊技が開始されると、再度RB遊技を行うか否かを決定する抽せん(以下、「RB抽せん」という。)を、当該RB遊技中に行うようにしてもよい。この場合、当該RB遊技の終了条件が成立すると、次の遊技から再びBB中一般遊技が開始されるが、RB遊技中に上述したRB抽せんに当せんしていた場合は、RB遊技後のBB中一般遊技中においてRB図柄組合せが表示可能な状態になっている。
1BB遊技中は、1回のRB遊技が終了すると引き続き次のRB遊技が開始され、これを1BB遊技が開始されてから所定枚数を越えるメダルが払い出されると1BB遊技が終了する。本実施形態では、「白7」図柄が入賞ライン上に揃った場合は、1BB遊技中に払い出されたメダルが100枚を超えると1BB遊技が終了し、「赤7」図柄が入賞ライン上に揃った場合は、1BB遊技中に払い出されたメダルが30枚を超えると1BB遊技が終了する。以下では、「白7」図柄が入賞ライン上に揃ったときに行われる1BB遊技を1BB-A遊技といい、「赤7」図柄が入賞ライン上に揃ったときに行われる1BB遊技を1BB-B遊技という。
次に、再遊技役の種類は、図4~図6に示すように、再遊技01~再遊技04の4種類あり、各再遊技役に対して複数の図柄組合せが対応付けられている。具体的には再遊技01に対して2種類の図柄組合せが対応し、再遊技02に対して8種類の図柄組合せが対応し、再遊技03に対して16種類の図柄組合せが対応し、再遊技04に対して32種類の図柄組合せが対応している。
小役の図柄組合せが入賞ラインL上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される。小役の種類は、図7~図9に示すように、入賞01~入賞23の18種類あり、各小役に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられている。入賞01~入賞12に対しては、各々1つの図柄組合せが対応付けられており、対応する図柄組合せが揃った場合は15枚のメダルが払い出される。入賞13および入賞14に対しては、それぞれ2つの図柄組合せと4つの図柄組合せとが対応付けられており、いずれかの図柄組合せが揃った場合は15枚のメダルが払い出される。
入賞15~入賞20に対しては複数の図柄組合せが対応付けられており、具体的には入賞15および入賞18に対して8種類の図柄組合せが対応し、入賞16および入賞17に対して6種類の図柄組合せが対応し、入賞19に対して16種類の図柄組合せが対応し、入賞20に対して4種類の図柄組合せが対応している。また、入賞21および入賞22に対しては各々1つずつ図柄組合せが対応付けられている。入賞15~入賞22に対応付けられた図柄組合せのうちいずれかが揃った場合は、1枚のメダルが払い出される。入賞23には1つの図柄組合せが対応付けられ、その図柄組合せが揃った場合は、15枚のメダルが払い出される。ただし入賞23の図柄組合せはRB-A遊技およびRB-B遊技中に限って揃う可能性がある。
[制御手段の説明]
次に、図10に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、演出の実行を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づき、遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知(表示等)を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段の構成>
主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ)、RWM(リード・ライト・メモリ)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、入力ポートおよび出力ポート(両者をまとめて「I/Oポート」ともいう。)が1つのチップ内に構成されたものである。このチップを含め、主制御手段100の機能を実現するための回路は、一枚の主制御基板上に構成されている。
上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、LD命令を実行した結果「0」がセットされときに「1」となるフラグである。これらCPU内の各種レジスタ、および前述したROMとRWMとは、各々記憶手段ともいえる。
<主制御手段周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、前述したI/Oポートを介して図1に示した各種ランプやスイッチおよび表示器および図2に示した各種装置との間で信号のやり取りを行う。I/Oポートを介して信号の授受を行う構成としては、操作手段300、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、図2に示したセレクタ80内に設けられソレノイド45およびた投入センサ48、ドアスイッチ44、外部集中端子基板86、ステッピングモータ42L,42C,42R、回胴センサ43L,43C,43R、ホッパーモータ46、払出センサ47、役比モニタ103および設定値表示器104などがある。
操作手段300は、図1に示した清算スイッチ33、1ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rからなる。主制御手段100は、操作手段300から出力される各スイッチのオン/オフ信号を取り込み、図1に示したクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28に対して、各8セグメント表示器のセグメントa~g(図11(a)参照)に関する点灯/消灯信号を出力する。
主制御手段100は、投入センサ48から出力されるメダル検出信号を取り込み、ソレノイド45に対するオン/オフ信号を出力する。また、主制御手段100は、本体部12内に設けられたドアスイッチ44から出力される前面扉14の開閉信号を取り込み、外部集中端子基板86に対しては、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、AT信号等を出力する。本体部12内に設けられたステッピングモータ42L,42C,42Rに対しては、各相に対する励磁信号を出力し、回胴センサ43L,43C,43Rから各々出力される回胴センサ信号を取り込む。ホッパー83については、ホッパーモータ46に対して駆動信号を出力し、払出センサ47から出力されるメダル払出信号を取り込む。
(役比モニタの表示内容について)
主制御手段100は、主制御基板に設けられた役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器のセグメントa~gに関する点灯/消灯信号を出力する。役比モニタ103は、図11(a)に示すように4つの8セグメント表示器からなり、その表示内容は図2に示した主制御基板ケース102の役比モニタ表示窓YMから視認することができる。4つの8セグメント表示器のうち、上位2桁(図11(a)中、左側2つ)の8セグメント表示器は、比率表示部RAに表示された比率の種類(以下、「識別子」ともいう。)を表示する識別子表示部IDになっており、下位2桁(図11(a)中、右側の2つ)の8セグメント表示器は、各種の比率(後述する)を表す数値を表示する比率表示部RAになっている。
役比モニタ103に表示される項目としては、(i)指示込み役物比率、(ii)中期間連役比、(iii)中期間役比、(iv)長期連役比、(v)長期役比、(vi)累計状態比率という6種類の情報が、1つずつ循環的に順次切り替えられて表示される。(i)指示込み役物比率は、識別子が「7P」であり、175000ゲーム数(累積ゲーム数)で払い出されたメダル枚数のうち、遊技者に対してストップスイッチの操作態様が報知された遊技および役物作動中(1BB-A~1BB-J遊技中)に払い出されたメダル枚数の割合を、2桁の百分率で表した値である。
(ii)の中期間連役比は、識別子が「6y」であり、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物の作動中(RB遊技中)に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。(iii)の中期間役比は、識別子が「7y」であり、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物(いわゆるCB)および普通役物(いわゆるSB)の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。本実施形態では、第二種特別役物および普通役物が搭載されていないため、中期間役比の値は(ii)の中期間連役比と同じ値になる。
(iv)の長期連役比は、識別子が「6A」であり、原則として直近の17500ゲーム中で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。(v)の長期役比は、識別子が「7A」であり、原則として直近の17500ゲーム中で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物および普通役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。本実施形態では、第二種特別役物および普通役物が搭載されていないため、累計役比の値は(iv)の累計連役比と同じ値になる。
(vi)の累計状態比率は、識別子が「5H」であり、175000ゲーム(累計ゲーム数)のうち、役物作動中(第一種特別役物、第二種特別役物、普通役物、役物連続作動装置)の遊技回数を合算したものの割合を2桁の百分率で表した値である。本実施形態では、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が搭載されている。
上述した各種情報は、指示込み役物比率→中期間連役比→中期間役比→累計連役比→累計役比→累計状態比率という順で、循環的に表示され、各情報は各々5秒間(許容差±10%)ずつ表示される。また、役比モニタ103に上述した各情報を表示しているときは、識別子表示部IDの下位桁側の8セグメント表示器において、小数点を表すセグメントDPを点灯させる。これにより、識別子表示部IDの表示態様は「7P.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「5H.」→「7U.」→……と遷移し、比率表示部RAには表示された識別子に対応する百分率の値が表示される。
図11(b)に示すように、比率表示部RAには、各々対応する項目における百分率の値が「00」~「99」の数値範囲内で表示される。また、比率表示部RAに表示される百分率の値は小数点以下を切り捨てた値であり、算出された比率が100%であるときには、比率表示部RAに「99」が表示されるように制御される。本実施形態の遊技機では、指示込み役物比率(7P)が70%以下、中期間連役比(6y)が60%以下、中期間役比(7y)が70%以下、長期連役比(6A)が60%以下、長期役比(7A)が70%で以下、累計状態比率(5H)が50%以下となるように設計されている。
指示込み役物比率、中期間連役比および中期間役比を表示する際に、たとえば稼働を開始してから日が浅いなどの理由で、総ゲーム数が6000回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「6y」,「7y」)を点滅させる。また、指示込み役物比率、累計連役比および累計役比を表示するときに、総ゲーム数が17500回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「7P」,「6A」,「7A」)を点滅させる。これらの場合における点滅表示は、点灯期間と消灯期間の合計時間が0.6秒間(許容差±10%)であり、点灯期間のデューティ比が50%とされる。すなわち、点灯期間が約0.3秒、消灯期間が約0.3秒となるように制御される。
また、役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器は、スロットマシン10の電源が投入されると、不具合を起こしているセグメントの有無をチェックし易くするためのテストパターンの表示として、全セグメントが所定時間(例えば5秒間)点灯するようになっている。また、役比モニタ103に表示する各項目(前述した(i)~(v))の演算処理が行われる直前に、電源断処理(後述する図24のステップS504参照。)が実行された場合、電源が復帰して上述したテストパターンを表示しつつ役比モニタ103に表示する各項目の演算処理を実行し、テストパターンの表示終了後に演算後の値を参照して役比モニタ103に表示するようにしてもよい。さらに、設定値を変更するための操作が行われたときに、役比モニタ103におけるテストパターンの表示を所定時間(例えば5秒間)行ってもよく、この間に役比モニタ103へ表示する各項目の演算処理を実行してもよい。
なお、ぱちんこ遊技機においても性能表示モニタという表示器を設け、役比モニタ103に類似する表示を行っている。ここで、スロットマシンにおける役比モニタと、ぱちんこ遊技機における性能表示モニタを、合わせて「管理情報表示LED」ともいう。性能表示モニタでは、遊技球を60000個発射するごとに、100個のアウト球に対するセーフ球の個数の割合(「ベース」ともいい、アルファベットの“B”で表す)の値を、前々回の60000個発射時のベースと、前回の60000個発射時のベースと、現在のベースとを、順次切り換えて循環的に表示する。この性能表示モニタにおいても、テストパターンの表示と、その間における表示する項目に関する演算処理とを、前述した役比モニタ103と同様に実行してもよい。
(設定値表示器の表示内容について)
主制御手段100は、所定の操作が行われたことによって設定変更モードまたは設定確認モードへ移行した場合、現在の設定値の値を表示するために設定値表示器104のセグメントa~gに関する点灯/消灯信号を出力する。本実施形態では、遊技機の電源をオフにした状態で、図2に示したキースイッチ82bに設定キーを挿入してオンにした状態で電源スイッチ82aをオンにすると、設定変更モードへ移行して現在設定されている設定値が設定値表示器104に表示される。詳しくは後述するが本実施形態では、設定値が「1」、「2」、「5」、「6」の4通りあり、設定値の値が大きくなるほど各種抽せん(例えば、何らかの条件装置が作動する確率、AT移行確率、AT中の延長に関する確率など)の当せん確率が高くなる。すなわち、設定値が「1」のときは当せん確率が最も低くなり、設定値が「6」のときは当せん確率が最も高くなる。
設定値表示器104に現在の設定値が表示されている状態で、図2に示した設定/リセットスイッチ82cが押下されるごとに、設定値の値が変化していく。例えば、現在の設定値が「1」だったとすると、設定/リセットスイッチ82cが押下されるごとに「1」→「2」→「5」→「6」→「1」→「2」→……と、設定値の値が循環的に変化する。なお、設定値の値は主制御手段100が備えるRWMに記憶されているが、上述した設定変更モードへ移行すると、RWMの所定記憶領域に記憶されていた情報をクリアし、クリアした各情報について予め定められた初期値を記憶する。ここで、クリアされる情報としては、設定値の値を示す情報(設定値データ)や各条件装置が作動しているい否かを示す情報(作動条件装置情報)などがある。また、設定変更モードへ移行したことによって設定値データの値がクリアされた場合は、設定値データの初期値として「1」が所定の記憶領域に記憶される。
設定値表示器104に表示された値を視認しつつ、設定/リセットスイッチ82cを操作して、所望する設定値を表示されているときにスタートスイッチ36を操作すると、設定値の値が確定し、更新された設定値の値がRWMの所定記憶領域に記憶される。そして、設定キーによってキースイッチ82bをオフにすると、設定変更モードが終了して通常の電源投入時の処理へ移行する。
また、既にスロットマシン10の電源がオンにされており、遊技が行われていない状態(非遊技状態)のときにキースイッチ82bに設定キーを挿入してオンにすると、設定確認モードへ移行して、設定値表示器104に現在の設定値が表示される。設定確認モードでは、現在の設定値が設定値表示器104に表示されるだけなので、この状態で設定/リセットスイッチ82cを操作しても設定値の値は変化しない。そして、設定キーによりキースイッチ82bがオフにされると、設定確認モードを終了して非遊技状態へ戻る。
<主制御手段の機能ブロック>
主制御手段100は、抽せん手段110と、リール制御手段115と、RT状態制御手段120と、遊技区間制御手段125と、フリーズ制御手段130と、報知遊技制御手段135と、入賞判定手段140と、異常検出手段145と、LED表示制御手段150と、制御コマンド送信手段155と、外部信号送信手段160と、を含んでいる。これら各手段の機能は、主制御手段100が備えるCPUが、ROMに記憶された制御プログラムを実行する(制御処理を行う)ことで実現される。
(抽せん手段の説明)
抽せん手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0~65535)と、主制御手段100のROMに記憶されている抽せんテーブルとに基づく抽せんを行い、これにより作動する条件装置を決定する。ここで、抽せん手段110による抽せんの結果によって作動し得る条件装置の種類を図12に示す。また、抽せんテーブル(「置数表」ともいう。)の内容を図13~図16に示す。
(条件装置の種類について)
図12に示すように、各条件装置には1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられており、抽せんによっていずれかの条件装置が作動すると、その条件装置に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えることができる状態となる。たとえば、1BB-Aの条件装置が作動した場合は、1BB-Aの図柄組合せ(図4参照)を揃えられる状態となる。また、再遊技-Aの条件装置が作動した場合は、再遊技02または再遊技03の図柄組合せ(図4および図5参照)を揃えられる状態となる。
図12に示す各条件装置のうち、ボーナス役に関する各条件装置には固有のボーナス条件装置番号(図12中、「ウ」欄参照。)が対応付けられ、ボーナス役以外の各条件装置には、固有の入賞及び再遊技条件番号(図12中、「イ」欄参照。)が対応付けられている。具体的には、ボーナス役に対応する条件装置は、1BB-A~1BB-Jがあり、各条件装置に対して、「1」~「10」のボーナス条件装置番号が対応付けられている。また、再遊技-A~再遊技-Dの各条件装置に対して、「1」~「4」の入賞及び再遊技条件番号が対応付けられている。さらに、入賞-A1~入賞-A12に対しては「5」~「16」の入賞及び再遊技条件番号が対応付けられ、入賞-B1~入賞-B6に対しては「17」~「22」の入賞及び再遊技条件番号が対応付けられ、入賞-C~入賞-Jに対しては「23」~「30」の入賞及び再遊技条件番号が対応付けられている。
抽せん手段110で行われた抽せんによって、いずれかの条件装置が作動した場合は、その条件装置に対応するボーナス条件装置番号または入賞及び再遊技条件番号に基づいてリール停止制御などが行われる。また、小役または再遊技役の各条件装置に対しては演出グループ番号(図12中、「ア」欄参照。)が対応付けられており、作動した条件装置に対応する演出グループ番号が副制御手段200へ送信される。これにより、副制御手段200は、受信した演出グループ番号に応じた演出を行う。演出グループ番号は、ストップスイッチの操作態様(押し順・操作するタイミング)に応じて遊技者が獲得する利益が異なってくる条件装置のグループに対して1つの番号が付与されている。具体的には、入賞-A1~A12に対して演出グループ番号「5」が対応付けられ、入賞-B1~B6に対して演出グループ番号「6」が対応付けられている。
なお、ボーナス役に関する条件装置が作動した場合は、その遊技において、作動したボーナス役に関する条件装置に対応するボーナス条件装置番号と、演出グループ番号「0」とが副制御手段200へ送信される。そして、ボーナス役に関する条件装置が作動した場合は、作動した条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインLに揃うまで、作動した状態を維持する。
すなわち、小役および再遊技役の条件装置が作動した場合は、その遊技が終了すると条件装置の作動も終了するが、ボーナス役に関する条件装置は、対応するボーナス役の図柄組合せが揃うまで作動し続ける。すなわち、小役および再遊技役の条件装置が作動した場合は、その遊技でしか作動した条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができないが、ボーナス役に関する条件装置が作動したときは、作動したボーナス役に関する条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができるまで、その図柄組合せを揃えられる状態が継続する。以下、この状態を「ボーナス内部中」または単に「内部中」という。
内部中のときは、抽せんによって他のボーナス役の条件装置または同じボーナス役の条件装置が再び作動することはない。また、内部中に、抽せんによって何らかの小役または再遊技役の条件装置が作動したときは、作動した小役または再遊技役の条件装置に対応する演出グループ番号と、すでに作動しているボーナス役の条件装置に対応するボーナス条件装置番号とが副制御手段200へ送信される。
なお、ボーナス役に関する条件装置が作動していない状態で、図11に示すいずれかの条件装置が作動した場合は、作動した入賞及び再遊技条件番号に対応する演出グループ番号と、ボーナス条件装置番号「0」とが副制御手段200へ送信される。
(抽せんテーブルについて)
次に、抽せん手段110が抽せんを行う際に参照する抽せんテーブルの内容を図13~図16に示す。図13~図16に示す抽せんテーブルは、主制御手段100の乱数生成手段が発生し得る乱数値の数(「0」から「65535」までの65536)のうち、各条件装置が作動することとなる乱数値の数(以下、「置数」という。)を示すものである。したがって、各条件装置に対応する置数を65536で割った値が、各条件装置が作動する確率となる。
本実施形態では、非RT、RT1、RT2、RT3、RB-A作動時およびRB-B作動時の、5つのRT状態があり、抽せん手段110は、各RT状態に対応する抽せんテーブルを参照して抽せんを行う。ここで、非RT、RT1、RT2およびRT3のRT状態をまとめて「役物未作動時」ともいう。役物未作動時は、2枚賭け遊技と3枚賭け遊技とが可能であるが、RB-A作動時およびRB-B作動時(まとめて「RB作動時」ともいう。)は3枚賭け遊技のみ可能である。図13および図14は、役物未作動時において3枚賭け遊技が行われたときに参照される抽せんテーブルを示す。図16は、役物未作動時において2枚賭け遊技が行われたときに参照される抽せんテーブルを示す。図15は、RB作動時に参照される抽せんテーブルを示す。
各RT状態において、非RTはボーナス役に係る条件装置が作動しておらず、ボーナス遊技中でもない状態である。RT1は1BB-A~1BB-Dのいずれかの条件装置が作動している状態である。RT2は1BB-E~1BB-Gのいずれかの条件装置が作動している状態である。RT3は1BB-H~1BB-Jのいずれかの条件装置が作動している状態である。すなわち、RT1~RT3は内部中であるため、これらのRT状態においてはボーナスに係る条件装置に割り振られる置数は0(当せん確率0)になっている。
非RTにおいては、遊技が行われたときの投入メダル枚数に応じて当せんし得るボーナス役の種類が異なっている。具体的には、3枚賭け遊技においては1BB-A~1BB-Dの条件装置が作動し得る(図13参照)。これに対して2枚賭け遊技においては1BB-E~1BB-Jの条件装置が作動し得る(図16(a)参照)。さらに2枚賭け遊技において、設定値が「1」、「2」、「5」のときには1BB-E~1BB-Gの条件装置が作動する可能性があり、1BB-H~1BB-Jの条件装置が作動する可能性は無い。これに対して、設定値が「6」のときには1BB-E~1BB-Jの条件装置が作動する可能性があるが、1BB-E~1BB-Gの条件装置が作動する確率よりも、1BB-H~1BB-Jの条件装置が作動する確率が高く設定されている。
図16(a)に示した抽せんテーブルでは、設定値が「1」、「2」、「5」のときに1BB-H~1BB-Jの条件装置が作動する可能性は無い(置数が0)が、できるだけ小さい確率で作動し得るように置数を割り当ててもよい。できるだけ小さい確率で作動し得る置数として、例えば、遊技を所定回数行った場合に少なくとも1回は作動する確率となるよう定めることができる。例えば、17500回遊技を行った場合に1回は作動する確率にする場合、65536/17500=3.7449…となるため、置数を4としてもよい。
図13および図14に示す3枚賭け遊技のときに参照される抽せんテーブルにおいて、作動し得る小役に係る条件装置の種類は、入賞-A1~A12、入賞-B1~B6および入賞-C~入賞-Gの条件装置となっている。入賞-A1~A12の条件装置に割り振られた置数は、役物未作動時の各RT状態(非RT、RT1~RT3)および各設定値において同じ値(3710)になっている。これに対して、入賞-B1~B6および入賞-C~入賞-Gの条件装置に割り振られた置数は、設定値が「6」についてのみ、設定値が「1」、「2」および「5」と異なっている。また、非RT、RT1~RT3の各RT状態において、各小役に係る条件装置に割り振られた置数は共通の値になっている。
再遊技に係る条件装置について、非RTおよびRT1では、再遊技-B(通常リプレイ2)の条件装置に割り振られた置数が、他の再遊技の条件装置よりも大きく設定されており、各設定値において同じ値の置数が割り当てられている(図13参照)。これに対して、RT2では再遊技-A(通常リプレイ1)の条件装置に割り振られた置数が、他の再遊技の条件装置に割り振られた置数よりも大きくなっており、各設定値において同じ値の置数が割り振られている(図14参照)。RT3では、再遊技-B(通常リプレイ2)の条件装置に割り振られた置数が、他の再遊技の条件装置に割り振られた置数よりも大きくなっているが、設定値が「1」、「2」および「5」ときの置数(8078)よりも「6」のときの置数(8970)の方が若干高く設定されている。
次に、図16に示す2枚賭け遊技のときに参照される抽せんテーブルにおいて、作動し得る小役に係る条件装置の種類は、入賞-B1~B6、入賞-Hおよび入賞-Iの条件装置となっている。これら小役に係る条件装置に割り振られた置数は、役物未作動時の各RT状態および各設定値において、同じ値が割り振られている。また、再遊技に係る条件装置については、非RTにおいては再遊技-Aの条件装置に対してのみ置数が割り振られているが、RT1~RT3においては再遊技-Aの条件装置に加え、再遊技-Bの条件装置に対してもごく僅かながら置数が割り振られている。
次に、図15に示すRB作動時の抽せんテーブルにおいて、RB-A作動時およびRB-B作動時のいずれにおいてもボーナスおよび再遊技に係る条件装置に対しては、置数が割り振られておらず、小役については入賞-Iおよび入賞-Jの条件装置に対してのみ置数が割り振られている。また、小役に係る条件装置に割り振られた置数は、設定値に関わらず一定であり、入賞-Jの条件装置に割り振られた置数よりも、入賞-Iの条件装置に割り振られた置数の方が極めて大きくなっている。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段115は、リール40L,40C,40Rを回転および停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。具体的には、遊技者によって規定数のメダルが投入され、スタートスイッチ36が操作されたことに基づいてリール40L,40C,40Rの回転を開始させる。そして、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達した後は、定速を維持する。その後、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させる場合は、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させる。すなわち、いわゆる滑りコマ数は、最大で5コマ(5図柄)となる。
また、リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインL上の停止表示位置(すなわち、本実施形態においては中段M。以下、「入賞停止位置」ともいう。)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させないようにステッピングモータを制御する。したがって、停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで(換言すると、5図柄分)」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段115は、基本的に、抽せん手段110の抽せんによっていずれかの条件装置が作動すると、作動した条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインLに停止するように、停止制御範囲内においてリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、その図柄組合せを構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、作動していない条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインLに揃わないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。また、抽せんでいずれの条件装置も作動しなかった場合も蹴飛ばし制御を行う。
例えば、抽せん手段110による抽せんの結果、再遊技-Dの条件装置が作動した場合、リール制御手段115は、再遊技03の図柄組合せ(図5参照)について引込制御を行う。したがって、左ストップスイッチ37Lが操作されたときに、停止制御範囲内に「赤7」図柄、「緑7」図柄、「白7」図柄または「ブランクA」図柄があった場合は、それらの図柄のうちいずれかを入賞停止位置(中段M)に停止させる。また、中ストップスイッチ37Cが操作されたときに、停止制御範囲内に「リプレイA」図柄があった場合は、「リプレイA」図柄を入賞停止位置に停止させる。さらに、右ストップスイッチ37Rが操作されたときに、停止制御範囲内に「赤7」図柄、「緑7」図柄、「白7」図柄または「ブランクC」図柄があった場合は、それらの図柄のうちいずれかを入賞停止位置(中段M)に停止させる。ここで、図3に示した各リールの図柄配列において、上述した引込制御を行う各図柄は、その配列上、如何なるタイミングでストップスイッチが操作されても、停止制御範囲に存在することになる。したがって、再遊技-Dの条件装置が作動した場合は、いかなるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、必ず再遊技03の図柄組合せが入賞ラインLに揃うことになる。
これに対して、例えば入賞-A1~A12の条件装置が作動した場合、リール制御手段115は、各条件装置に対応付けられた図柄組合せについて引込制御を行う。一例として入賞-A1の条件装置が作動した場合、リール停止制御部115は、入賞01の図柄組合せ(「赤7-赤チェリー-赤チェリー」)について引込制御を行う。ここで、図3の各リールの図柄配列に示すように、左リール40Lにおける「赤7」図柄は、図柄番号「15」と「17」に配置されている。したがって、この2つの「赤7」図柄が停止制御範囲に無いタイミングで左ストップスイッチ37Lが操作された場合は、入賞01の図柄組合せを入賞ラインL上に揃えられず、メダルが払い出されない(いわゆる「取りこぼす」)ことになる。
具体的には、左リール40Lにおいて、図柄番号11~17の図柄(7図柄)が中段Mを通過中に左ストップスイッチ37Lが停止操作された場合は、図柄番号15または17の「赤7」図柄を中段Mに停止させることができる。また、中リール40Cについては、図柄番号9~18の図柄(10図柄)が中段Mを通過中に中ストップスイッチ37Cが停止操作された場合は、図柄番号13または18の「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。さらに、右リール40Rについては、図柄番号10~19の図柄(10図柄)が中段Mを通過中に右ストップスイッチ37Rが停止操作された場合は、図柄番号14または19の「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。
この様に、左リール40Lについては、図柄番号11~17までの7図柄分が中段Mを通過中に左ストップスイッチ37Lが停止操作されれば、「赤7」図柄を中段Mに停止させることができる。また、図柄番号5~10までの6図柄分が中段Mを通過中に左ストップスイッチ37Lが停止操作されれば、「白7」図柄を中段Mに停止させることができる。さらに、図柄番号18~19および0~4までの7図柄分が中段Mを通過中に左ストップスイッチ37Lが停止操作されれば、「緑7」図柄を中段Mに停止させることができる(図17(a))。
また、中リール40Cについては、図柄番号9~18までの10図柄分が中段Mを通過中に中ストップスイッチ37Cが停止操作されれば、「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。これに対して、図柄番号19および0~8までの10図柄分が中段Mを通過中に中ストップスイッチ37Cが停止操作されれば、「緑チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。
また、右リール40Rについては、図柄番号10~19までの10図柄分が中段Mを通過中に右ストップスイッチ37Rが停止操作されれば、「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。これに対して、図柄番号0~9までの10図柄分が中段Mを通過中に右ストップスイッチ37Rが停止操作されれば、「緑チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。
以下、入賞-A1~A12の条件装置に対応する入賞01~入賞12の図柄組合せを構成する図柄のことを「目押し図柄」ともいう。例えば、入賞-A1の条件装置が作動した場合、入賞01の図柄組合せ(「赤7-赤チェリー-赤チェリー」)から、左リール40L上の目押し図柄は「赤7」図柄、中リール40C上の目押し図柄は「赤チェリー」図柄、右リール40R上の目押し図柄は「赤チェリー」図柄となる。また、目押し図柄を停止制御によって入賞ラインL上に停止させることができる範囲(コマ数)を「引込可能範囲」という。
(目押し図柄の配置について)
ここで、入賞01~入賞12の図柄組合せにおける左リール40L上の目押し図柄の配置について、図17(a)を参照して説明する。図17(a)は、図3に示した図柄配列の説明図と同様であるが、左リール40L上の目押し図柄の配置のみを示している。また、図3においては左リール40Lの展開位置を図柄番号0と1の間としていたが、図17(a)では目押し図柄の配置間隔を分かり易くするため、左リール40Lの展開位置を図柄番号17と18の間としている。
まず、入賞-A1~A12の条件装置のいずれが作動したかを遊技者が知らずに左ストップスイッチ37Lを停止操作する場合、任意のタイミングで左ストップスイッチ37Lを停止操作したときに、左リール40L上の目押し図柄(「赤7」図柄、「白7」図柄または「緑7」図柄)が入賞ラインLの位置に停止する確率は均等であることが望ましい。また、1つの引込可能範囲に複数種類の目押し図柄を配置してしまうと、遊技者は少しでもメダルが払い出される確率を上げるため、その引込可能範囲内を狙って停止操作を行う可能性が高い。さらに、目押し図柄同士の配置間隔にバラツキがあると、遊技者が目押しのタイミングを計りにくくなってしまう。したがって、各目押し図柄は、1つの引込可能範囲内に1種類、かつ、目押し図柄の配置間隔を均等にするのが好ましい。
しかしながら、本実施形態においては、入賞ラインが中段1ラインであり、1リールの図柄数が20であるため、入賞01~入賞12の図柄組合せにおける左リール40L上の目押し図柄(「赤7」図柄、「白7」図柄、「右7」図柄の3種類)を均等に配置することはできない。したがって、少しでも均等な間隔で目押し図柄を配置しようとすると、引込可能範囲を2つの目押し図柄について7コマ、1つの目押し図柄について6コマとせざるを得ない。加えて本実施形態では、前述したように停止制御範囲が5コマとなっているため、引込可能範囲を7コマまたは6コマとするには、各目押し図柄ごとに複数個の図柄を配置する必要がある。
したがって、本実施形態では、図柄番号15と17に「赤7」図柄を配置することで、図柄番号11~17の7コマを「赤7」図柄の引込可能範囲としている。また、図柄番号9と10に「白7」図柄を配置して図柄番号5~10の6コマを「白7」図柄の引込可能範囲としている。さらに、図柄番号2と4に「緑7」図柄を配置して図柄番号18~19および0~2の7コマを「緑7」図柄の引込可能範囲としている。また、「赤7」図柄、「白7」図柄および「緑7」図柄の間隔は、5コマ(停止制御範囲)以上となるように配置されている。
このように、引込可能範囲を停止制御範囲よりも広くするために、本実施形態では1つの引込可能範囲に複数の目押し図柄を配置している。また、1つの引込可能範囲に同じ種類の目押し図柄を複数配置することで、その目押し図柄が視認しやすくなる。
次に、中リール40Cについては、図3に示すように、図柄番号13と18に「赤チェリー」図柄を配置して図柄番号9~18の10コマを「赤チェリー」図柄の引込可能範囲としている。また、図柄番号3と8に「緑チェリー」図柄を配置して図柄番号19および0~8の10コマを「緑チェリー」図柄の引込可能範囲としている。
そして、右リール40Rについては、図3に示すように、図柄番号14と19に「赤チェリー」図柄を配置して図柄番号10~19の10コマを「赤チェリー」図柄の引込可能範囲としている。また、図柄番号4と9に「緑チェリー」図柄を配置して図柄番号0~9の10コマを「緑チェリー」図柄の引込可能範囲としている。
なお、「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄は、例えば「赤7」図柄、「白7」図柄、「緑7」図柄などに比べて目立ちにくくなっており、リール回転中の視認性が低いため、必ずしも目押しが容易とはいえない。そこで本実施形態では、中リール40Cにおいては、図柄番号13と18の「赤チェリー」図柄の間(図柄番号16)に、同系色の「赤7」図柄を配置している。また、図柄番号3と8の「緑チェリー」図柄の間(図柄番号6)に、同系色の「緑7」図柄を配置している。また、右リール40Rにおいても同様に「赤7」図柄および「緑7」図柄を配置している。
これにより、中リール40Cおよび右リール40Rの「赤チェリー」図柄を目押しするときは、より視認性の高い「赤7」図柄を目印にしてストップスイッチを操作するタイミングを計ることができ、「緑チェリー」図柄を目押しするときは、より視認性の高い「緑7」図柄を目印にしてストップスイッチを操作するタイミングを計ることができる。また、視認性の低い目押し図柄のほぼ中間位置に、視認性の高い図柄が配置されているため、視認性の高い図柄が中段Mに達するよりも早いタイミングで操作した場合でも、遅いタイミングで操作した場合でも、視認性の低い目押し図柄を入賞ラインLの位置に停止させることができる。また、視認性の低い目押し図柄とその間に配置される視認性の高い図柄との色が同系色なので、回転中のリールにおいて、例えば赤色が支配的な領域と、緑色が支配的な領域とを識別しやすくなるため、より確実性の高い目押しを支援することができる。
以上のことから、入賞01~入賞12の図柄組合せを構成している各リールのうち、左リール40Lの「赤7」図柄、「緑7」図柄および「白7」図柄に関する各引込可能範囲は、重複することなく7コマ、6コマ、7コマと、ほぼ三均等になっている(図17(a)参照。)。また、中リール40Cの「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄に関する引込可能範囲は、20コマのうち10コマずつと、二均等になっている。そして、右リール40Rの「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄に関する引込可能範囲も、20コマのうち10コマずつと、二均等になっている。
そして、図3に示すように、入賞01~入賞12の図柄組合せは、左リール40Lについては、「赤7」図柄、「緑7」図柄および「白7」図柄の3種類、中リール40Cについては、「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄の2種類、右リール40Rについては、「赤チェリー」図柄および「緑チェリー」図柄の2種類の組合せからなっている。したがって、入賞01~入賞12を一括りにして目押しベルとして捉えると、目押しベルの図柄組合せは12通り(12択)ある。すなわち、抽せん手段110における抽せんの結果、入賞-A1~A12のいずれかの条件装置が作動したときに、各ストップスイッチを任意のタイミングで停止操作した場合、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃う確率は、約1/3×1/2×1/2=約1/12となる。
ただし、例えば入賞-A1~A12のいずれかの条件装置が作動したときに、どの条件装置が作動したのかを遊技者に報知すれば、遊技者は各ストップスイッチを停止操作するときに、どの図柄を目押しすればよいかを予め知ることができる。すなわち、各ストップスイッチを停止操作するタイミングを知ることができる。したがって、予め作動した条件装置の種類を報知することで、目押しに関する遊技者の技量が優れていれば、作動した条件装置に対応する図柄組合せを確実に入賞ラインLに揃えることができる。
したがって、入賞-A1~A12のいずれかの条件装置が作動したときに、作動した条件装置の種類を報知しなかった場合、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃う確率は、報知した場合に比べて約1/12となる。なお、作動した条件装置の種類を遊技者に報知するということは、遊技者に対して各ストップスイッチを停止操作するタイミングを報知している、ということもできる。
(ストップスイッチの押し順に応じたリール制御について)
リール制御手段115は、所定の条件装置が作動した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(押し順)に応じて、引込制御を行う図柄組合せを異ならせる。本実施形態では、入賞-B1~B6の条件装置が作動した場合、各条件装置に対応して予め定められた押し順(図12の「備考」欄参照。)でストップスイッチが操作されたときは、入賞13または入賞14の図柄組合せ(メダル払出枚数:15枚)を揃えるリール停止制御を行う。また、所定の押し順以外の押し順でストップスイッチが操作された場合、入賞13または入賞14以外の図柄組合せ(メダル払出枚数:1枚)について停止制御範囲内で引込制御を行う。
以下では、作動した条件装置に対応する複数の図柄組合せのうち最もメダル払出枚数の多い図柄組合せが揃う押し順を「正解押し順」ともいい、それよりも少ないメダル払出枚数の図柄組合せが揃う押し順を「不正解押し順」ともいう。リール制御手段115は、入賞-B1~B6の条件装置が作動したときに、各ストップスイッチが正解押し順で操作された場合は、枚数優先のリール停止制御(払出枚数がより多い図柄組合せの図柄を優先的に引き込むリール停止制御)を行い、不正解押し順で操作された場合は、個数優先のリール停止制御(より多くの小役の図柄組合せに関与している図柄を優先的に引き込むリール停止制御)を行っている。
ここで、入賞13および入賞14の図柄組合せは、各ストップスイッチを所定の押し順に従って操作した場合、その操作タイミングに関わらず必ず入賞ラインL上に揃うようになっている。すなわち、入賞13および入賞14の図柄組合せを構成している各図柄は、各リール上において、任意のタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、そのときの停止制御範囲内に少なくとも1つが含まれるように配置されている。
具体的には、例えば入賞13には、「白7-リプレイA-ブランクB」および「ブランクA-リプレイA-ブランクB」の図柄組合せが対応付けられている(図7参照。)。ここで、図3を参照して中リール40C上の「リプレイA」図柄を見ると、図柄番号4、9、14、19に配置されており、各「リプレイA」図柄は5コマ間隔となっている。したがって、中リール40C上の「リプレイA」図柄は、中ストップスイッチ37Cが任意のタイミングで操作されたとしても、そのときの停止制御範囲内に必ず「リプレイA」図柄が含まれることになり、その「リプレイA」図柄を中段Mに停止させることができる。これと同様に、右リール40R上の「ブランクB」図柄も、右ストップスイッチ37Rの操作タイミングに関わらず、中段Mに停止させることができる。
左リール40Lについては、図3に示すように、「白7」図柄は図柄番号9、10に配置され、「ブランクA」図柄は図柄番号3、5、11、16、18に配置されている。したがって、「白7」図柄と「ブランクA」図柄との間隔、および「ブランクA」図柄同士の間隔は5コマ以内となる。したがって、左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに関わらず、中段Mに「白7」図柄または「ブランクA」図柄を停止させることができる。
これと同様に、入賞14の図柄組合せについても、左リール40L上における「白7」図柄または「ブランクA」図柄、中リール40C上における「赤チェリー」図柄または「緑チェリー」図柄、右リール40R上における「リプレイA」図柄は、いずれも5コマ以内の間隔で配置されている。このため、所定の押し順で各ストップスイッチが操作されれば、操作タイミングに関わらず入賞14のいずれかの図柄組合せを入賞ラインL上に揃えることができる。
この「所定の押し順」は、図12の備考欄に示すように、入賞-B1の条件装置に対しては左→中→右(順押し)、入賞-B2の条件装置に対しては左→右→中(ハサミ押し)、入賞-B3の条件装置に対しては中→左→右(順中押し)、入賞-B4の条件装置に対しては中→右→左(逆中押し)、入賞-B5の条件装置に対しては右→左→中(逆ハサミ押し)、入賞-B6の条件装置に対しては右→中→左(逆押し)と、定められている。
ここで、入賞-B1~B6(押し順ベル)のいずれかの条件装置が作動したときに、任意の押し順で各ストップスイッチを操作した場合、ストップスイッチの押し順は6通り(6択)あることから、作動した条件装置に対応する「所定の押し順」でストップスイッチが操作される確率は1/6となる。したがって、入賞-B1~B6のいずれかの条件装置が作動したときに、作動した条件装置に対応する押し順を報知しなかった場合、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃う確率は、報知した場合に比べて1/6となる。
(目押しベルと押し順ベルとの比較)
前述した目押しベル(入賞-A1~A12)と、押し順ベル(入賞-B1~B6)とを比較すると、操作態様(操作タイミング、押し順)に関する報知がされた場合、目押しベルの図柄組合せを揃えるには目押し図柄を目押しする必要があるため、ストップスイッチの操作に関して遊技者に要求される技量が高いといえる。これに対して、押し順ベルの図柄組合せを揃えるには、報知された押し順に従って各ストップスイッチを操作するだけでよいので、遊技者に要求される技量は低いといえる。
また、操作態様(操作タイミング、押し順)に関する報知がされなかった場合、目押しベルの図柄組合せが揃う確率は1/12であるのに対して、押し順ベルの図柄組合せが揃う確率は1/6となり、押し順ベルの方が入賞しやすいといえる。その一方で、図13に示した3枚賭け遊技時の抽せんテーブルでは、目押しベルの合成当せん確率は3710/65536×12=約1/1.472に対して、押し順ベルの合成当せん確率は520/65536×6=約1/21となっており、択数の多い目押しベルの方が当せん確率が高くなっている。
このように、押し順ベルよりも択数の多い目押しベルの当せん確率を高くすることで、操作態様を報知しなかったときの出玉率をより低く抑制することができる。また、後述するように、操作態様を報知することができる遊技状態と、報知できない遊技状態とにおける出玉率の差が大きくなるため、操作態様を報知することができる遊技状態における遊技の興趣をより向上させることができる。
これとは逆に、目押しベルよりも択数の少ない押し順ベルの当せん確率を高くしてもよい。このように構成した場合は、遊技者に技量が要求される役のうち、要求される技量が低い役が当せんする機会が増え、その結果、メダルが払い出される頻度が高くなるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では図17(a)に示したように、目押しベルの図柄組合せを構成する図柄のうち、左リール40Lの図柄については3種類の目押し図柄を配置し、各目押し図柄について、ほぼ三均等(7コマ、6コマ、7コマ)に引込可能範囲を分けていた。これに対して、例えば図17(b)に示すように、目押し図柄を4種類にして引込可能範囲を四均等に分けることもできる。この場合、各目押し図柄の引込可能範囲は5コマ(停止制御範囲と同じコマ数)となり、図17(a)に示した目押し図柄の配置よりも、遊技者に要求される目押しの技量が高くなる。また、4種類の目押し図柄を配置したことにより、本実施形態よりも目押しベルの択数が増えるため、操作態様を報知しなかったときの(最大)メダル数の獲得機会をさらに低くすることもできる。例えば、3つのリール各々に4種類の目押し図柄を四均等に配置した場合、択数を4×4×4=64択とすることができる。
また、本実施形態では1リールの図柄数が20個であったため、3つの目押し図柄の引込可能範囲をできるだけ三均等となるように分割するために7コマ、6コマ、7コマに分割していたが、例えば図18(a)に示すように、入賞ラインを複数(例えば左上段U-中中段M-右上段U(L1)、左上段U-中中段M-右下段D(L2)、左下段D-中中段M-右上段U(L3)、左下段D-中中段M-右下段D(L4)の4ライン)、1リールの図柄数を21コマとすれば、1つの目押し図柄につき7コマの引込可能範囲に三均等することができる。しかしながら、昨今のスロットマシンにおいて、押し順ベルの制御は、いわゆる個数優先制御を採用した場合、入賞ラインは1ラインを採用するものがほとんどである。これに対して、入賞ラインが複数存在する場合、各入賞ラインについて引込制御が行われるため、押し順不正解時に表示可能な図柄組合せ(押し順正解時よりも少ない払出枚数が規定されている)の表示可能性が高くなる。一般に、スロットマシンにおいては、定められた遊技回数において、遊技者がメダルを増やすまたは減らす割合の限度が定められているため、押し順不正解時の表示可能性が高くなると、AT中に報知をできるゲーム数が少なくなる(換言すると、AT遊技の期間が短くなる)。これとは逆に、押し順不正解時の表示可能性を低くした場合は、AT遊技の期間を長くすることができる。
また、所定遊技回数におけるメダルの増減割合に限度が定められているため、非AT中からAT中へ至るまでのゲーム数を少なくする(いわゆる「初当たり」を早くする)には、非AT中のメダル獲得期待値をできる限り低くすることが望まれる。よって、個数優先制御を採用するにあたり、入賞ラインは1ラインが最適である。さらに、最大滑りコマ数が5コマであることから、1リールの図柄数が20個とする場合は最小で4領域の範囲で引込可能範囲(各領域の引込可能範囲は5コマ)を設定することが挙げられるが、2領域(各領域の引込可能範囲は5コマ×2=10コマ)で設定することも考えられる。
ただし、1リールの図柄数を21にした場合、目押し図柄を4種類配置して、各目押し図柄の引込可能範囲を均等に分割することできない。したがって、その場合は図18(b)に示すように、5コマの引込可能範囲が3つ、6コマの引込可能範囲が1つ、という分け方となる。ここで、引込可能範囲を6コマとする場合は、停止制御範囲よりも広くなるため、同じ種類の目押し図柄(図18(b)の場合は「青7」図柄)を複数配置することになる。
上述したように、押し順ベルの制御においては、入賞ラインの数は1本を採用する方がAT遊技の期間を長く、または、AT遊技の初当たりを早くすることができ、1リールの図柄数が20個の方が5コマの引込可能範囲を4均等で配置することができる。一方、目押しの制御においては、引込可能範囲が広い方が、遊技者への負担を軽減させることができる。これは、回転中のリールをストップスイッチの操作により停止させる際に、各領域間の引込可能範囲が狭いとストップスイッチが操作されてからリールが停止するまでの時間が短くなる(換言すると、滑りコマ数が少なくなる)。ゆえに、目押しの制御については、引込可能範囲が広い方が良い。よって、押し順ベルの制御と目押しの制御を共存させるにあたり、図3や図17(a)のような配置にすることで、遊技者への負担を軽減しつつ、押し順ベルが当せんしたときの取りこぼし機会を多く設けることが可能となり、ATゲームの提供機会を多く設けることができる。
(1リールの図柄数について)
過去のスロットマシンにおいては、1リールの図柄数を21個とするものが主流であった。これに対して本実施形態では、1リールの図柄数を20個とすることで、押し順ベルが当せんしたときのリール制御を行う上で以下の様な効果を奏する。前述したように、押し順ベルが当せんした場合、各ストップスイッチが正解押し順で操作されたときは、メダル払出枚数が15枚となる図柄組合せを揃えるリール制御を行い、不正解押し順で操作されたときは、メダル払出枚数が1枚となる図柄組合せ(「1枚役の図柄組合せ」ともいう。)を揃えるリール制御(個数優先のリール停止制御)を行う。
ここで、押し順ベルが当せんしたときに、各ストップスイッチが不正解押し順かつ任意のタイミングで操作された場合、1リールの図柄数が21個であるよりも、図17(a)および図17(b)に示すような1リールの図柄数が20個の方が、小役の図柄組合せが揃う確率を低くすることができる。したがって、前述したように、正解押し順が報知されない状態において、押し順ベルの条件装置が作動したときにおけるメダルの獲得機会を少なくすることができ、AT遊技の期間が長くなる、または、初当たりが早くなる仕様が実現可能となる。
これに対して、図18(a)に示すように1リールの図柄数が21個である場合は、引込可能範囲を3均等に分割することができ、かつ、1つの引込可能範囲につき7コマと、遊技者が目押し図柄を認識する時間的余裕を稼ぐことができる。また、図17(a)に示した1リールの図柄数が20個の場合であっても、各引込可能範囲に複数の目押し図柄を配置することで、7コマの引込可能範囲が2つ、6コマの引込可能範囲が1つと、目押し図柄を認識する時間的余裕を稼ぎつつ、引込可能範囲をほぼ均等に3分割することができる。したがって、図17(a)および図18(a)に示した図柄配置は、目押しベルによるAT遊技を重視したゲーム性を有するスロットマシンにおいては有効である。
以上のことを踏まえると、1リールの図柄数を20個とすれば、押し順ベルによるAT遊技と目押しベルによるAT遊技との双方に適した図柄配置が可能になるといえる。
(RT状態制御手段の説明)
図10に戻り、RT状態制御手段120は、前述した非RT、RT1、RT2、RT3および1種BB作動中という5つのRT状態を、所定の条件に基づいて移行させる。また、各RT状態には固有のRT状態番号(RT)が対応付けられており、非RTは0(RT=0)、RT1は1(RT=1)、RT2は2(RT=2)、RT3は3(RT=3)、1種BB作動中は4(RT=4)となっている。そして、抽せん手段110は、現在のRT状態番号に応じた抽せんテーブルに基づいて作動させる条件装置を決定する。
図19に示すように、本実施形態におけるRT状態の初期状態は非RT(RT=0)であり、非RTにおいて、抽せん手段110によって行われた抽せんの結果、1BB-A~Dのいずれかの条件装置が作動すると、RT状態は非RTからRT1(RT=1)へ移行する(矢印A)。非RTからRT1への移行は、非RTにおいて3枚賭け遊技が行われた場合に限られる。また、非RTにおいて1BB-E~Gのいずれかの条件装置が作動すると、RT状態はRT2(RT=2)へ移行する(矢印B)。非RTからRT2への移行は、設定値が1、2、5の何れかのときに非RTにおいて2枚賭け遊技が行われた場合に限られる。さらに、非RTにおいて1BB-H~Jのいずれかの条件装置が作動すると、RT状態はRT3(RT=3)へ移行する(矢印C)。非RTからRT3への移行は、設定値が6のときに非RTにおいて2枚賭け遊技が行われた場合に限られる。
そして、RT1において、1BB-A~Dの条件装置のうち、作動している条件装置に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT1から1種BB作動中(RT=4)へ移行して、揃った図柄組合せに対応する1BB遊技が開始される(矢印D)。また、RT2において、1BB-E~Gの条件装置のうち、作動している条件装置に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT2から1種BB作動中へ移行して、揃った図柄組合せに対応する1BB遊技が開始される(矢印E)。また、RT3において、1BB-H~Jの条件装置のうち、作動している条件装置に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT3から1種BB作動中へ移行して、揃った図柄組合せに対応する1BB遊技が開始される(矢印F)。1種BB作動中において、開始された1BB遊技が終了すると、RT状態は再び非RTへ戻る(矢印G)。
なお、本実施形態においては、1種BB作動中における遊技価値付与期待値は、非RTおよびRT1~3における遊技価値付与期待値よりも低く設定されている。ここで、遊技価値は小役が入賞したことによるメダルの払い出し、および再遊技役が入賞したことによる再遊技の実行を含めたものであり、遊技価値付与期待値は、各種の役の当せん確率および各小役のメダル払出枚数から算出可能である。
また、前述したように、1BB-A~1BB-Jのいずれかの条件装置が作動した場合、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃うまでは、主制御手段100のRWMに記憶されている作動条件装置情報(作動中であるか否かを示す情報)が「1」(作動中)となっている。ここで、1BB-A~1BB-Gの何れかの条件装置が作動しているときに、設定変更モードへ移行して設定値が変更されると、変更後の設定値において、作動していた条件装置の作動条件装置情報が「1」から「0」(非作動中)に更新される。これに対して、1BB-H~1BB-Jの何れかの条件装置が作動しているときに、設定変更モードへ移行して設定値が変更されると、設定変更後も、作動していた条件装置の作動条件装置情報は「1」のまま維持される。ここで、設定変更後も作動状態が維持される1BB-H~1BB-Jのような条件装置を、「特殊ボーナス」とも称する。
したがって、例えば設定値が「6」で非RTのときに2枚賭け遊技を行っているときに、何れか特殊ボーナスの条件装置が作動したときは、非RTからRT3へ移行する。そして、この状態で他の設定値(「1」、「2」または「5」)に変更されたとしても、作動している特殊ボーナスに係る条件装置の作動条件装置情報は「1」のまま維持されるので、RT状態は非RTとならずRT3を維持する。したがって、抽せん手段110は変更後の設定値においてRT3のときに参照する抽せんテーブルに基づいて抽せんを行う。
ここで、図14および図16(b)に示すRT3の抽せんテーブルを見ると、1BB-H~1BB-Jの条件装置が作動することはない。すなわち、設定値「6」の2枚賭け遊技で作動した特殊ボーナスの条件装置の作動条件装置情報は、他の設定値に変更された後も「1」(すなわち作動中の状態)を維持しているが、RT3においては抽せんによって特殊ボーナスの条件装置が作動することがない。したがって、リール制御手段115は、たとえ抽せん結果がハズレになったとしても作動している特殊ボーナスの条件装置に対応する図柄組合せを揃えるリール停止制御を実施しない。何故なら、そのようなリール停止制御を行ってしまうと、RT3において作動することがない(抽せん対象となっていない)条件装置に対応する図柄組合せが揃ってしまうことになり、抽せん手段110による抽せんの内容と、停止表示された図柄組合せとの間に矛盾が生じてしまうからである。
なお、上述した場合に特殊ボーナスの条件装置に対応する図柄組合せを揃えるリール停止制御を行ってもよいが、図柄組合せが揃ったとしてもそれによる特典(この場合、ボーナス遊技)を付与しないようにする。したがって、この場合における特殊ボーナスの図柄組合せは、ハズレと同じ扱いとなる。
以上のことから、設定値が「6」の2枚賭け遊技において、いずれかの特殊ボーナスの条件装置が作動している状態で他の設定値に変更すると、変更後の設定値において、RT状態はRT3となり、かつ、作動している特殊ボーナスの条件装置に対応する図柄組合せが揃わない。このため、RT状態はRT3から1種BB作動中へ移行することがないので、常にRT3に滞在している状態で遊技を行うことになる。また、RT3では、図21に示したように、他のRT状態よりもAT1またはAT2へ移行し得る期待度が高くなっている。
本実施形態では特殊ボーナス(すなわち、1BB-H~J)に係る条件装置は、設定値が「6」かつ2枚賭け遊技の場合のみ作動し得るようにしている。これは、できるだけ遊技が行われる可能性が低い状態のときに特殊ボーナスに係る条件装置が作動し得るようにすることで、特殊ボーナスに係る条件装置が作動して目的のRT状態(本実施形態においてはRT3)へ移行した後は、遊技が行われ易い状況で目的のRT状態における遊技が行われるようにするためである。
一般にスロットマシンにおいては設定値の値が大きい程、出玉率が高くなるように設定されているため、遊技場の経営上な観点から、例えばイベントなどの特別な営業を行うとき以外は設定値を「6」以外に設定する傾向がある。また、一般にスロットマシンにおいては、2枚賭け遊技よりも3枚賭け遊技の方が出玉率が高く設定されている。これにより、遊技者は出玉率がより高いと予測される3枚賭け遊技を行う傾向にある。したがって、設定値が「6」のときに2枚賭け遊技が行われる可能性は低くなる傾向にある。
そこで、本実施形態では、設定値が「6」かつ2枚賭け遊技のときだけ、特殊ボーナスに係る条件装置が作動するようにしておき、特殊ボーナスに係る条件装置が作動して目的のRT状態へ移行させた後は、よく使用される設定値(「6」以外)に変更されると、そのRT状態から他のRT状態へ移行できなくしている。具体的には、設定値「6」以外のときは、設定値「6」以外のときは抽せんによって特殊ボーナスに係る条件装置が作動する可能性がないようにすることで、特殊ボーナスに係る条件装置が作動している状態であっても、対応する図柄組合せを揃えられないようにしている。
なお、本実施形態においては、特殊ボーナスに係る条件装置が作動し得る設定値が「6」(一般に、出玉率が最も高くなる設定値)になっているが、設定値が「6」以外のときに特殊ボーナスに係る条件装置が作動し得るようにしてもよい。但し、特殊ボーナスに係る条件装置が作動し得る設定値は、例えば主制御手段100のRWMがクリアされた後にセットされる設定値の初期値(一般に、出玉率が100%未満となる設定値「1」)でないことが好ましい。
例えば、設定値が「1」のときに特殊ボーナスに係る条件装置が作動し得るようにして、特殊ボーナスに係る条件装置が作動した後に、他の設定値に変更すると、特殊ボーナスに係る条件装置の作動状態を維持したまま、作動した特殊ボーナスの条件装置に対応した図柄組合せが揃わないようしたとする。このような状況において、設定値を「1」して特殊ボーナスに係る条件装置を作動させ目的のRT状態へ移行し、設定値を「1」以外にした後に、RWMがクリアされる状況が発生した場合、設定値が初期値(「1」)に設定されるため、遊技者が特殊ボーナスに関する図柄組合せを表示できる状況が発生しやすくなる。また、ホール管理者においては、メダルの獲得機会が最も低い設定値「1」が通常の経営上の運用である場合に、他の設定値に変更することを忘れてしまう虞がある。ゆえに、遊技機で出玉率が最も高くなる設定値「1」以外に設計することで、ホール管理者が設定値に関する運用の誤りに気づきやすくなる。
また、現在のRT状態および設定値を報知することで、例えば遊技場のスタッフが、目的のRT状態(RT3:特殊ボーナスの条件装置が作動した状態)へ移行させる操作を行う際の参考にすることができる。例えば、演出用ランプ72の発光色によって報知する場合は、非RTかつ設定値が「6」以外のときの発光色を赤、非RTかつ設定値が「6」のときの発光色を緑、RT3のときの発光色を白、RT1、RT2または1種BB作動中のときの発光色を青とする。また、このような報知を行う期間は非遊技中とする。
演出用ランプ72の色が赤色だった場合、非RTかつ設定値が「6」以外であることを示しているので、ます設定値を「6」に変更して演出用ランプ72の色を緑色にする。この状態で2枚賭け遊技を行い、特殊ボーナスの条件装置を作動させる(RT状態がRT3へ移行する)と演出用ランプ72の色が白色になるので、設定値を「6」以外に変更する。これにより、RT状態がRT3に固定されることになる。また、演出用ランプ72の色が青色だった場合は、非RTおよびRT3以外のRT状態であることを意味するので、3枚賭け遊技を行って、作動しているボーナスの条件装置に対応する図柄組合せを揃えたのち、それにより開始された1BB遊技を終了させる、または、進行中の1BB遊技を終了させる。その結果、RT状態が非RTとなり、演出用ランプ72の色が赤色または緑色となるので、各発光色に応じて上述した操作を行う。
(遊技区間制御手段の説明)
図10に戻り、遊技区間制御手段125は、有利区間カウンタ126、純増枚数カウンタ127およびATカウンタ128を有し、通常区間と有利区間との間の移行、および有利区間内における性能(「遊技状態」ともいう)の変更(移行)を行う。
「通常区間」とは、ストップスイッチの操作態様(各ストップスイッチの操作タイミングや操作順序など)に応じて有利/不利が発生する抽せんの結果が決定された遊技において、有利なストップスイッチの操作態様を把握可能な情報(例えば、作動した入賞及び再遊技条件装置番号など)を、主制御手段100から副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間をいう。
「有利区間」とは、ストップスイッチの操作態様に応じて有利/不利が発生する抽せんの結果が決定された遊技において、有利なストップスイッチの操作態様を把握可能な情報(例えば、作動した条件装置を表す入賞及び再遊技条件装置番号)を、主制御手段100から副制御手段200へ送信することが可能な遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様を遊技者に報知可能な区間をいう。有利区間にはさらに複数の性能(遊技状態)が存在し、有利区間に滞在中は所定の条件に従ってこれらの性能が遷移する。
有利区間カウンタ126は、通常区間から有利区間へ移行すると、有利区間において行われたすべての遊技回数のカウントを開始する。具体的には通常区間から有利区間へ移行するとカウント値の初期値として1500(D)がセットされ、有利区間で遊技が行われるごとに1ずつ減算される。純増枚数カウンタ127は、通常区間から有利区間へ移行すると、有利区間中の純増枚数(メダルの払出枚数から投入枚数を引いた値)のカウントを開始する。具体的には、カウント値の初期値は0であり、このカウント値に対して、有利区間の各遊技におけるメダル投入枚数の値の減算とメダル払出枚数の値の加算とが行われる。
ATカウンタ128は、有利区間において後述する「AT1」および「AT2」という遊技状態へ移行すると、各ATで行われた遊技の回数をカウントする。具体的には有利区間において「AT1」および「AT2」へ移行すると所定の初期値(後述する)がセットされ、AT中で遊技が行われるごとに1ずつ減算される。
以下、図20を参照して遊技区間制御手段125による遊技状態の移行制御について説明する。遊技区間制御手段125は、遊技区間の種類(通常区間または有利区間)を区間種別番号SCの値によって管理し、遊技状態を遊技状態番号(GS)の値に基づいて管理している。図20に示すように、通常区間の区間種別番号SCは「0」と定められており、有利区間の区間種別番号SCは「1」と定められている。また、通常区間および有利区間内の遊技状態(性能)は、遊技状態番号GSの値によって管理している。本実施形態における遊技状態の種類と遊技状態番号は、通常区間の「通常」(GS=0)、有利区間の「通常」(GS=1)、「CZ中」(GS=2)、「AT1」(GS=3)、「AT2」(GS=4)および「引き戻し」(GS=5)の6つの遊技状態が設けられている。
図20において、遊技区間の初期状態は通常区間(SC=0)かつ通常(GS=0)である。通常区間の「通常」(GS=0)において、抽せん状態が非RTまたは1BB-B内部中のときに3枚賭け遊技が行われたときに、抽せん手段110による抽せんにより、再遊技-Aまたは入賞-Aの条件装置が作動すると(再遊技-Aまたは入賞-Aが当せん)、有利区間(SC=1)の「通常」(GS=1)へ移行する(矢印ア参照)。ここで、2枚賭け遊技が行われた場合は、再遊技-Aまたは入賞-Aの条件装置が作動しても有利区間の「通常」へは移行しない。通常区間らか有利区間へ移行すると、有利区間カウンタ126には初期値として1500(D)がセットされ、純増枚数カウンタ127には「0」がセットされる。そして、各カウンタにおいて、有利区間で行われた遊技回数および有利区間における純増枚数のカウントが開始される。
有利区間の「通常」において、抽せん手段110の抽せんにより特定の条件装置が作動した(換言すると、レア役が当せんした)ときに「CZ中」(GS=2)へ移行する(矢印イ参照)。また、「通常」において800回の遊技が行われても特定の条件装置が作動しなかった場合も「CZ中」へ移行する(矢印イ参照)。なお、ここで、「特定の条件装置」としては、例えば図12に示す再遊技-A(チャンス目A)、再遊技-B(チャンス目B)、入賞-C(弱チェリー)、入賞-D(強チェリー)および入賞-E(チャンス目C)とする。
「CZ中」において、役抽せん手段110の抽せんにより上述した特定の条件装置が作動すると、AT移行抽せんが行われ、このAT移行抽せんによって、AT1への移行、AT2への移行またはハズレのいずれかが決定される。そして、AT移行抽せんによってAT1への移行が決定された場合、遊技状態は「AT1」(GS=3)へ移行する(矢印ウ参照)。また、AT移行抽せんによってAT2への移行が決定された場合、遊技状態は「AT2」(GS=4)へ移行する(矢印エ参照)。そして、AT移行抽せんの結果がハズレとなった場合は、有利区間の「通常」(GS=1)へ移行する(矢印オ参照)。なお、「CZ中」においてAT移行抽せんが行われるまでは「CZ中」に滞在し続ける。
「AT1」および「AT2」において、抽せん手段110の抽せんにより入賞-A1~A12の何れかの条件装置が作動した場合、作動した条件装置の種類が遊技者に対して報知される。本実施形態では、作動した条件装置の種類の報知態様として、対応する図柄組合せを構成する図柄(目押し図柄)を画像表示装置70の画面に表示する(詳しくは後述する。)。また、抽せん手段110の抽せんにより入賞-B1~B6の何れかの条件装置が作動した場合、作動した条件装置に対応付けられている押し順(図12の「備考」欄参照。)が遊技者に対して報知される。
「AT1」へ移行すると、ATカウンタ128に9の値がセットされる。そして、遊技が行われるごとにATカウンタ128の値が1ずつ減算されていき、カウンタの値が0になり、「AT1」において10回目の遊技が開始されたときに、抽せん手段110の抽せんにより入賞-A1~A12の何れかの条件装置が作動した場合は、後述する「二択チャンス」という特典ゲームが行われる。このゲームでは、遊技者に対して目押し図柄を報知する際に、基本的に右リール40Rの目押し図柄のみを伏せ、右リール40Rを停止させる際に、「赤チェリー」図柄と「緑チェリー」図柄のどちらを目押しするかを遊技者に選択させる。
そして、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃わなかった場合(「二択チャンス」失敗)は、「二択チャンス」が行われた遊技が終了すると、遊技状態が「引き戻し」(GS=5)へ移行する(矢印カ参照)。これに対して、「二択チャンス」の特典ゲームにおいて、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃った場合(「二択チャンス」成功)は、遊技者に付与する特典として、ATカウンタ128に9の値がセットされ、「AT1」における遊技をさらに10回可能とする。なお、「AT1」において10回目の遊技が開始されたときに、抽せん手段110の抽せんにより入賞-A1~A12以外の条件装置が作動した場合は、「二択チャンス」は行われず、その遊技が終了すると、遊技状態が「引き戻し」(GS=5)へ移行する。
このように、「AT1」において10回(「二択チャンス」失敗時もしくは不実行時)または20回(「二択チャンス」成功時)が行われると、遊技状態が「AT1」から「引き戻し」へ移行する。なお、10回目の遊技で入賞-A1~A12の条件装置が作動しなかった場合は、ATカウンタ128の値が「0」になったとしても、入賞-A1~A12の条件装置が作動するまで(すなわち、「二択チャンス」が行われるまで)AT1の遊技状態を継続させてもよい。
次に「AT2」へ移行した場合は、最初の遊技が行われるときに、「AT2」における遊技回数が抽せん(遊技回数抽せん)によって決定される。ここでは、10回、30回、50回または100回の遊技回数のうちいずれかに決定され、決定された遊技回数はATカウンタ128にセットされる。なお、抽せんによって決定される各遊技回数の選択確率は、遊技回数が少ないほど高く設定されている。そして、遊技が行われるごとにATカウンタ128の値が1ずつ減算されていき、カウンタの値が0になると、すなわち、抽せんによって決定された遊技回数だけ遊技が行われると、遊技状態が「AT2」から「引き戻し」へ移行する(矢印キ参照)。
ここで、「AT1」におけるメダルを獲得することができる期待値(以下、「メダル獲得期待値」という。)と、「AT2」におけるメダル獲得期待値とを比較した場合、「AT2」の方が大きくなるように定められている。
遊技状態が「引き戻し」において、役抽せん手段110の抽せんにより前述した特定の条件装置が作動すると、前述したAT移行抽せんが行われ、このAT移行抽せんによって、AT1への移行、AT2への移行またはハズレのいずれかが決定される。そして、AT移行抽せんによってAT1への移行が決定された場合、遊技状態は「AT1」へ移行し(矢印ウ参照)、AT2への移行が決定された場合、遊技状態は「AT2」へ移行する(矢印エ参照)。また、AT移行抽せんの結果がハズレとなった場合は、通常区間(SC=0)の「通常」(GS=0)へ移行する(矢印オ参照)。なお、「引き戻し」においてAT移行抽せんが行われるまでは「引き戻し」に滞在し続ける。
また、通常区間から有利区間へ移行してから、有利区間カウンタ126の値が0になると、すなわち、有利区間中に行われた遊技回数が1500回に達すると、通常区間へ移行する(矢印ク参照)。また、有利区間中に純増枚数カウンタ127の値が2400(D)を超えると、すなわち、有利区間中の純増枚数が2400枚を超えると、通常区間へ移行する(矢印ク参照)。ここで、有利区間中の遊技回数が1500回に達する前であっても、純増枚数が2400枚を超えたときは通常区間へ移行し、有利区間中の純増枚数が2400枚を超える前であっても、遊技回数が1500回に達したときは通常区間へ移行する。そして、有利区間から通常区間へ移行する際に、有利区間に関するすべての情報がクリアされる。
ここで、図21を参照して、「CZ中」(GS=2)および「引き戻し」(GS=5)で実行されるAT移行抽せんによるAT1またはAT2への移行期待度(以下、「AT移行期待度」ともいう。)およびAT1またはAT2におけるメダル獲得枚数の期待値(以下、「AT獲得枚数期待値」ともいう。)と、RT状態および設定値との関係について説明する。なお、図21において、AT移行期待度は、A~Eのアルファベットで示しており、期待度の大きさは、A>B>C>D>E>0の関係になっている。
まず、AT移行抽せんによるAT移行期待度は、RT状態に応じて異なっており、非RT、RT1およびRT2におけるAT移行期待度は、設定値に関わらずEとなっている。これに対してRT3におけるAT移行期待度は設定値に応じてA~Dとなっている。したがって、RT3におけるはAT移行期待度が最も高いといえる。また、RT3におけるAT移行期待度は設定値「1」のときはD、「2」のときはB、「5」のときはC、「6」のときはAとなっている。
次にAT獲得枚数期待値は、RT状態には影響されず、設定値に応じて異なっている。すなわち、設定値「1」のときは400枚、「2」のときは450枚、「5」のときは500枚、「6」のときは200枚となっている。
以上のことから、非RT、RT1およびRT2のときは、AT1またはAT2へ移行する期待度は低く、AT1またはAT2で獲得できるメダル枚数の期待値は、設定値が「6」のときにもっとも少なくなる。これに対して、RT3では、設定値が「6」のときにAT獲得枚数期待値が最も低くなるのは他のRT状態と同様であるが、AT移行期待度が最も高い(A)ため、遊技者にとって必ずしも利益が少ない状態とも言い切れない。また、RT3において、設定値が「6」のときはAT中に獲得できるメダルが少ないものの、比較的高い頻度でATへ移行できるのに対して、設定値が「5」のときは、設定値が「6」に比べてATへ移行する頻度は低いものの、ひとたびATへ移行すると獲得できるメダルの枚数は設定値が「6」よりも多い、という性質を帯びる。
また、本実施形態では、有利区間になっている(区間種別番号SC=1)ことを、有利区間ランプを点灯させることで目視により確認することができる。本実施形態では、図1に示したクレジット数表示器27の上位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして利用している。なお、クレジット数表示器27の上位桁におけるセグメントDPの位置は、図11(a)に示したセグメントDPの位置と同様である。
有利区間ランプとして、図1に示した獲得枚数表示器28の8セグメント表示器におけるセグメントDPを使用してもよい。この場合、獲得枚数表示器28をクレジット数表示器27と横並び、または上下に並べて設けることが好ましい。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、併せて現在の遊技状態が有利な遊技状態になっているか否かを確認できるようになるからである。さらに、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行する際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。これにより、例えば1遊技の終了後(メダルの払い出しがない場合はすべてのリールの停止後であり、メダルの払い出しがある場合は払い出し後)や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、遊技履歴画面や二次元コード画面を画像表示装置70に表示するスロットマシン10では、遊技者が有利区間ランプの点灯を見落としにくくなる。
具体的には、1遊技の終了後や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面を画像表示装置70に表示する。そして、メニュー画面が表示されている状況下では、選択スイッチ38の操作により、遊技履歴画面、パスワード入力するためのパスワード入力画面、二次元コード画面のうち、次にどの画面を表示するか選択可能となっている。すなわち、遊技者は遊技を終えるときに、遊技履歴を確認するため、または携帯端末に備わっている二次元コードリーダーを起動させて二次元コードを取得するため、決定スイッチ39を操作することになる。
そして、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設けていることにより、決定スイッチ39を操作する際に、その視界には獲得枚数表示器28が入っているため、有利区間ランプが点灯していれば、点灯に気づかないことは稀であると言える。すなわち、次の遊技から有利区間に移行することに気付かず遊技を終えてしまうことを抑制することができる。もちろん、クレジット数表示器27のセグメントDPを、有利区間ランプとして使用する場合も、クレジット数表示器27は決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することが決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。
なお、有利区間ランプを点灯させるタイミングは、清算スイッチ33の操作が有効になる前が望ましい。一般に、大半の遊技者は遊技をやめる際に、クレジットにメダルが残っていないか確認をする。そして、クレジットにメダルが残っていたときは、清算スイッチ33を操作することになる。したがって、遊技者が清算スイッチ33を操作する(遊技をやめる)前に、有利区間ランプを点灯させて、区間移行抽せんに当選したことを報知することにより、誤って(区間移行抽せんに当選していることに気が付かず)遊技をやめてしまうことを抑止できる。
(フリーズ制御手段の説明)
図10に戻り、フリーズ制御手段130は、所定の状況になると遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行する。本実施形態では、「AT1」(GS=3)において「二択チャンス」の遊技が開始された場合に、スタートスイッチ36が操作されてから所定時間だけフリーズさせる。具体的には、「AT1」での10回目の遊技開始時において入賞-A1~A12の条件装置が作動した場合、フリーズが発生する。フリーズの発生中は画像表示装置70に「二択チャンス!」というメッセージが表示され、フリーズが開始してから所定時間が経過すると、フリーズが解除されてリール40L,40C,40Rが一斉に回転する。
なお、10回目の遊技で入賞-A1~A12の条件装置が作動しなかったときに、それ以降の遊技において入賞-A1~A12のいずれかの条件装置が作動するまで(すなわち、「二択チャンス」が行われるまで)AT1の遊技状態を継続させる場合は、入賞-A1~A12のいずれかの条件装置が作動したときにフリーズを発生させてもよい。
(報知遊技制御手段の説明)
報知遊技制御手段135は、有利区間に移行すると、滞在している遊技状態と作動した条件装置とに応じて、遊技者に有利な遊技結果が得られるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作態様を報知する。具体的には、役抽せん手段110の抽せんによって入賞-A1~A12の条件装置が作動したときは、作動した条件装置に対応する目押し図柄を報知する。また、役抽せん手段110の抽せんによって入賞-B1~B6の条件装置が作動したときは、作動した条件装置に応じて入賞13または入賞14の図柄組合せが揃う押し順を報知する。
操作態様の報知は、指示番号という記号と数値とからなる表示態様を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。ここで、獲得枚数表示器28は、指示番号を表示する表示器としても使用されることから、獲得枚数表示器28を「指示モニタ」ともいう。指示番号には、入賞-A1~A12の条件装置が作動したときに表示される「押し順系」(図22(a))と、入賞-B1~B6の条件装置が作動したときに表示される「目押し系」(図22(b))と、「AT1」において「二択チャンス」が実行されたときに表示される「二択チャンス系」(図22(c))とがある。
「押し順系」の指示番号を表示するときは、図22(a)に示すように、獲得枚数表示器28の上位桁において、表示している指示番号が「押し順系」であることを示すために、セグメントdおよびg(図11(a)参照)を点灯させる。そして、獲得枚数表示器28の下位桁において、左→中→右(順押し)を報知するときは「1」を、左→右→中(ハサミ押し)を報知するときは「2」を、中→左→右(順中押し)を報知するときは「3」を、中→右→左(逆中押し)を報知するときは「4」を、右→左→中(逆ハサミ押し)を報知するときは「5」を、右→中→左(逆押し)を報知するときは「6」を、それぞれ表示する。
また、獲得枚数表示器28に指示番号を表示したときは、それに併せて表示した指示番号の意味が遊技者に理解されやすい表示態様を画像表示装置70に表示する。例えば、図21(a)の「液晶表示」欄に示すように、まず、画像表示装置70の画面に「1」、「2」、「3」の3つの丸数字を画面の横方向に並べて表示する。画面の横方向に並べた3つの丸数字の表示位置は、一番左の丸数字が左ストップスイッチ37Lの操作順序を示し、真ん中の丸数字が中ストップスイッチ37Cの操作順序を示し、一番右の丸数字が右ストップスイッチ37Rの操作順序を示している。このように、画像表示装置70の画面に正解押し順を表示することを、「押し順ナビ」ともいう。
そして、丸数字の値は操作すべき順序を示しており、「1」の丸数字は最初に操作(第1停止操作)すべきこと(第1停止操作)を示し、「2」の丸数字は2番目に操作(第2停止操作)すべきことを示し、「3」の丸数字は最後に操作(第3停止操作)すべきことを示している。さらに、操作すべき順序に応じて丸数字の大きさも異なっており、「1」の丸数字が最も大きく、「3」の丸数字が最も小さく、「2」の丸数字がそれらの中間の大きさで表示される。したがって、例えば獲得枚数表示器28の下位桁に「5」を表示して逆ハサミ押し(右→左→中)を指示した場合、画像表示装置70の画面には、一番右側に最も大きい丸数字「1」が表示され、一番左側に2番目に大きい丸数字「2」が表示され、真ん中に一番小さい丸数字「3」が表示される。
「目押し系」の指示番号を表示するときは、図22(b)に示すように、獲得枚数表示器28の上位桁において、表示している指示番号が「目押し系」であることを示すために、セグメントa、d、gのいずれか1つを点灯させる。ここで、入賞-A1~A4のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の上位桁におけるセグメントaを点灯させる。そして、入賞-A1が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。
ここで、図22(b)に示す目押し系の指示番号は、目押しする図柄番号を指示するものであったが、リール上における特定の範囲内での停止操作を指示するものであってもよい。たとえば、入賞-A1の条件装置が作動した場合、対応する図柄組合せのうち中リール40Cの図柄は「赤チェリー」図柄であことから、指示番号「-1」(但し「-」はセグメントaの位置に対応)は、中リール40Cにおける「赤チェリー」図柄の引込可能範囲である図柄番号9~図柄番号18(右リール40Rにおいては図柄番号10~図柄番号19)の図柄が中段Mに達するタイミングで操作することを意味するものであってもよい。
またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-赤7-赤7」の図柄組合せが表示される(図22(b)の「液晶表示」欄参照)。ここで、画像表示装置70に表示される目押し系に関する操作態様は各リールを停止させる際に目印となる図柄を報知している。例えば「赤7-赤7-赤7」の表示は、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rを各々停止させる際は、各リールの「赤7」図柄が中段Mを通過するタイミングを狙って各ストップスイッチを操作すればよいことを示している。
例えば、中リール40Cにおいては、図柄番号9~18のいずれかの図柄が中段Mに達するタイミングで中ストップスイッチ37Cを停止操作すれば、図柄番号13または18の「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる(すなわち、引込可能範囲は10コマ)。これに加えて、図柄番号13および18の「赤チェリー」図柄の間(具体的には図柄番号16)に、視認性が高く、「赤チェリー」図柄と同系色の「赤7」図柄が配置されている。したがって、遊技者が「赤7」図柄を目安とし、「赤7」図柄が中段Mに達するタイミングで中ストップスイッチ37Cを停止操作しても、「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。より詳しく言えば、「赤7」図柄が中段Mに達するタイミングに対して、中ストップスイッチ37Cの停止操作のタイミングが若干前後しても、引込制御によって「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。このため、画像表示装置70において、入賞-A1に対応する図柄組合せを構成していない図柄(ここでは「赤7」図柄)を報知したとしても、遊技者は報知された図柄を目安にして、作動した条件装置(ここでは入賞-A1)に対応する図柄組合せを容易に揃えることができる。
したがって、獲得枚数表示器28に表示される指示番号は、中リール40Cの「ブランクA」図柄(図柄番号12)と、右リール40Rの「リプレイA」図柄(図柄番号13)という、視認性の低い図柄を目押しすることを指示しているが、画像表示装置70においては、それとは異なる視認性の高い「赤7」図柄を報知することにより、遊技者の目押しに関する負担を軽減させることができる。
なお、図22(b)の「液晶表示」欄に示した図柄組合せは、遊技者に対して報知する内容を概略的に図示したものであり、画像表示装置70の画面には背景画像に加え、報知する図柄に演出を施した画像が表示される(例えば、後述する図26参照)。このように、画像表示装置70の画面に各ストップスイッチを操作する際に目印となる図柄を表示することを、「目押しナビ」ともいう。また、本実施形態では、目押しナビとして、画像表示装置70に視認性の高い図柄で構成された図柄組合せを表示していたが、作動した条件装置に対応する図柄組合せをそのまま表示するようにしてもよい。例えば、入賞-A1が作動した場合は、画像表示装置70に「赤7-赤チェリー-赤チェリー」の図柄組合せを表示する。このような場合であっても、遊技者が実際に中リール40Cおよび右リール40Rの停止操作を行う際は、「赤7」図柄を目印にしてストップスイッチを操作すればよい。すなわち、前述したように「赤7」図柄が中段Mに達するタイミングに対して、中ストップスイッチ37Cの停止操作のタイミングが若干前後しても、引込制御によって「赤チェリー」図柄を中段Mに停止させることができる。したがって、本実施形態においては、たとえ報知された図柄と異なる図柄を目安にストップスイッチを停止操作したとしても、作動した条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができ、かつ、遊技者の目押しに関する負担を軽減させることができる。
入賞-A2が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「2」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-赤7-緑7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A3が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「3」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-緑7-赤7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A4が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「4」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-緑7-緑7」の図柄組合せが表示される。
また、入賞-A5~A8のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の上位桁におけるセグメントgを点灯させる。そして、入賞-A5が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-赤7-赤7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A6が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「2」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-赤7-緑7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A7が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「3」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-緑7-赤7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A8が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「4」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-緑7-緑7」の図柄組合せが表示される。
また、入賞-A9~A12のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の上位桁におけるセグメントdを点灯させる。そして、入賞-A9が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-赤7-赤7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A10が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「2」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-赤7-緑7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A11が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「3」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号13の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-緑7-赤7」の図柄組合せが表示される。
入賞-A12が作動したときは、獲得枚数表示器28の下位桁に「4」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rにおいては図柄番号3の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しすることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-緑7-緑7」の図柄組合せが表示される。
「二択チャンス系」の指示番号を表示するときは、図22(c)に示すように、獲得枚数表示器28の上位桁において、表示している指示番号が「二択チャンス系」であることを示すために、セグメントaおよびgを点灯させる。そして、「AT1」において「二択チャンス」が行われたときに、入賞-A1またはA2の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。
またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-赤7-?」の図柄組合せが表示される。このように、画像表示装置70の画面に各ストップスイッチを操作する際に目印となる図柄を表示する際に、右リール40Rについて目印となる図柄を伏せることを、「二択ナビ」ともいう。
入賞-A3またはA4の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「2」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-緑7-?」の図柄組合せが表示される。
入賞-A5またはA6の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「3」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-赤7-?」の図柄組合せが表示される。
入賞-A7またはA8の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「4」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-緑7-?」の図柄組合せが表示される。
入賞-A9またはA10の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「5」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号12の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-赤7-?」の図柄組合せが表示される。
入賞-A11またはA12の条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「6」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cにおいては図柄番号2の「ブランクA」図柄を中段Mに目押しし、右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-緑7-?」の図柄組合せが表示される。
上述したように、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」~「6」が表示されたときは、右リール40Rにおいて、遊技者に「赤チェリー」図柄を目押しするか、「緑チェリー」図柄を目押しするかの二者択一を選択させるものであるが、さらに、中リール40Cおよび右リール40Rのそれぞれにおいて、遊技者に「赤チェリー」図柄を目押しするか、「緑チェリー」図柄を目押しするかの二者択一(すなわち合計四者択一)の選択させるようにしてもよい。
この場合、入賞-A1~A4のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「7」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号14の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cおよび右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「赤7-?-?」の図柄組合せが表示される。このように、画像表示装置70の画面に各ストップスイッチを操作する際に目印となる図柄を表示する際に、中リール40Cおよび右リール40Rについて目印となる図柄を伏せることを、「四択ナビ」ともいう。
入賞-A5~A8のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「8」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号1の「リプレイB」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cおよび右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「緑7-?-?」の図柄組合せが表示される。
入賞-A9~A12のいずれかの条件装置が作動した場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に「9」を表示する。このときの指示番号は、左リール40Lにおいては図柄番号8の「リプレイA」図柄を中段Mに目押しし、中リール40Cおよび右リール40Rについては目押しする図柄番号が不明であることを示す。またこのとき、画像表示装置70の画面には、「白7-?-?」の図柄組合せが表示される。
(入賞判定手段の説明)
図10に戻り、入賞判定手段140は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4~図9に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、1BB-A~1BB-Dの図柄組合せのうち、いずれかが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、次の遊技からRB-A遊技が連続作動する1BB遊技が開始される。また、1BB-E~1BB-Jの図柄組合せのうち、いずれかが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、次の遊技からRB-B遊技が連続作動する1BB遊技が開始される。
また、再遊技01~再遊技04の図柄組合せが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、入賞01~入賞23の図柄組合せが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、表示された図柄組合せに対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した小役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算し、クレジット枚数の上限(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段145は、遊技が行われていないときや遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示する。異常検出手段145が検出するエラーの種類には、電断復帰エラー、エンプティエラー、メダル詰まりエラーおよびドア開放エラーがある。
電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源スイッチ82a(図2参照)をON(以下、「オン」または「投入」ともいう。)したときに、主制御手段100のRWMの内容が正常でないとき(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー)など)に検出されるエラーである。ただし、出荷後、初めて電源をONしたときにも検出され得る。エンプティエラー(エラーコード:CA)は、本体部12内に収容されているホッパー83のメダル貯留部90に貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。メダル滞留エラー(エラーコード:C1)は、メダル投入口32がセレクタ80内で滞留しているときに検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cd)は、本体部12内に設けられたドアスイッチ44によって、スロットマシン10の前面扉14が開放されているときに検出されるエラーである。
また、これらのエラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段150によって獲得枚数表示器28に表示され、エラーが発生したことが報知される。ここで、何らかの異常を検出したときに、検出した異常に対応するエラーコードを副制御手段200へ送信し、副制御手段200が受信したエラーコードに対応する報知を行ってもよい。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、エンプティエラー、メダル滞留エラーおよびドア開放エラーは、非遊技中(エンプティエラーは除く)および遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段100は、遊技の進行が不可能な状態(以下、「遊技不可能状態」ともいう。)となるが、遊技不可能状態から遊技の進行を再開する方法(復帰する方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、エンプティエラー、メダル滞留エラーまたはドア開放エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、本体部12内に設けられた設定/リセットスイッチ82c(図2参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。このように、エンプティエラー、メダル滞留エラーおよびドア開放エラーは設定/リセットスイッチ82cの操作によって遊技の制御処理を再開(復帰)させることができるため、復帰可能エラーと称する。
これに対して、電源投入直後に検出され得る電断復帰エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、本体部12内に設けられたキースイッチ82b(図2参照)をオンにした状態で、電源の再投入を行う必要がある。これにより、設定変更処理の状態となり、このときRWMの所定の記憶領域がクリア(すなわちRWMが初期化)される。このように、電断復帰エラーは遊技の制御処理を再開(復帰)させることができないため、復帰不可能エラーと称する。
復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域がクリアされ、クリアされた記憶領域に記憶されていた遊技に関する情報は維持されないため、初期状態(例えば、RT状態は非RT、区間種別番号SCは「0」(通常区間)、遊技状態番号GSは「0」(通常中))から遊技が行われることになる。このため、有利区間ランプが点灯している状態で復帰不可能エラーが発生した場合や設定変更作業を行った場合は、復帰したときに有利区間ランプが消灯することになる。
(LED表示制御手段の説明)
LED表示制御手段150は、主制御手段100のROMに記憶されたLEDセグメントテーブルに基づいて、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の表示制御を行う。LEDセグメントテーブルは、数字、アルファベット、記号などを8セグメント表示器に表示するために、各セグメントa~g(図11(a)参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め8セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。また、LED表示制御手段150は、有利区間ランプ(クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP)の点灯制御も行っている。ただし、図1に示したATランプALPの点灯制御は、副制御手段200が行っている。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段155は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。なお、主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。
制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信してもよい。
主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドによって送信される情報のうち、主要なものとしては、設定値に関するもの、遊技状態に関するもの、投入されたメダルの枚数に関するもの、抽せん結果に関するもの、遊技区間の移行や有利区間内の性能(遊技状態)の移行制御に関するもの(遊技回数、遊技区間制御手段125内の各種カウンタの値や遊技状態の移行に関する各種抽せん結果など)、各種スイッチ操作に関するもの、リールの停止制御に関するもの、遊技の結果に関するもの、発生したエラーの種類を示すもの等がある。
遊技状態に関する情報としては、図19に示した各RT状態(非RT、RT1~RT3、1種BB作動中)および図20に示した区間種別番号SCと遊技状態番号GSを示す情報などがある。また、抽せん結果に関するものとしては、演出グループ番号、ボーナス条件装置番号および指示番号などがある。また、各種スイッチ操作に関するものとしては、清算スイッチ33、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたことを示す情報などがある。リールの停止制御に関するものとしては、停止表示させる図柄およびいわゆる滑りコマ数を示す情報などがある。遊技の結果に関するものとしては、停止表示させた図柄や払い出すメダル枚数を示す情報などがある。
エラーの種類を示すコマンドとしては、前述した異常検出手段145によって検出される、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーなどがある。これにより、副制御手段200がエラーの種類を示すコマンドを受信すると、受信したコマンドによって示されるエラーの種類に応じた画像表示や音声を発生する。例えば、副制御手段200がドア開放エラーが発生したことを示すコマンドを受信した場合、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示する。
また、副制御手段200は、前面扉14が開いているときに、本体部12内に設けられたキースイッチ82bがオンにされると、管理者モードへ移行する。この管理者モードは、遊技場のスタッフによってスロットマシン10に関する各種設定が可能となるモードであり、例えば、演出中に発生する演出音の音量調整、遊技待機画面を表示しているときの演出用ランプ72の点滅パターンのテスト、遊技者に対して遊技に関する各種情報を表示するか否かの選択が可能となる。
なお、演出音の調整や演出時におけるランプ類の光量調整については、管理者モードへ移行したときに画像表示装置70に表示されるメニュー画面に含まれている演出音の音量調整やランプ類の光量調整に対応した項目を選択することで、音量や光量を可能としてもよいし、管理者モードへ移行するとメニュー画面を経ることなく、選択スイッチ38を操作することで調整可能としてもよい。この場合、例えば選択スイッチ38の上下スイッチを操作することで演出音の増減を可能とし、左右スイッチを操作することでランプの光量の増減を可能としてもよい。
(外部信号送信手段の説明)
外部信号送信手段160は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、AT信号等を外部へ出力する。本実施形態では、ボーナス役の図柄組合せ(図4参照)が入賞ラインL上に揃うとBB信号がオンになり、ボーナス遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、AT1またはAT2へ移行するとAT信号がオンになり、AT1またはAT2から他の遊技状態へ移行するとオフ状態となる(レベル出力)。上述した各種信号の出力処理(外部信号出力処理)は、図23に示すタイマ割込処理のステップS520で実行される。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、副制御基板202と、画像制御基板204とを含んで構成されている。副制御基板202は、CPU、ROMおよびRWM等で構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する。画像制御基板204は、CPU、ROM、RWMおよびVDP(Video Display Processor)で構成され、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64R、および、演出用ランプ72などの演出手段を駆動する。なお、ATランプALPなどの一部の演出手段の駆動を副制御基板202が担ってもよい。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽せん手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、RT状態、抽せん手段110による抽せんの結果、区間種別番号SC、遊技状態番号GS、遊技状態番号の移行に関わる各種カウンタ(図10参照)の値等や各種抽せんの結果などに応じた演出をいう。また、選択スイッチ38および決定スイッチ39が操作されたか否かを示すオン/オフ信号に応じて、遊技履歴に関する情報や、図4~図9に示した各種図柄組み合わせ(以下、「配当組合せ」や「配当表」ともいう。)などを、画像表示装置70に表示する。
ここで、選択スイッチ38および決定スイッチ39の各オン/オフ信号は副制御手段200に入力されて処理されるので、これらのスイッチをまとめて「サブスイッチ」ともいう。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽せんによって決定する演出抽せん手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における区間種別番号SC(0または1)および遊技状態番号GS(0~5)に対応する演出状態を設け(ただし、必ずしも1対1で対応していなくてよい。)、演出状態制御手段214によって遊技区間制御手段125と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送受信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段250とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(ATランプALP、演出用ランプ72)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像制御基板204で発生した異常を検知することができ、画像制御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70およびスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70およびスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
以下、図23および図24に示すフローチャートを参照して、主制御手段100が実行する遊技制御の処理内容について説明する。
<遊技進行メイン処理の説明>
まず、図23に示すフローチャート参照して、スロットマシン10で実行される遊技の進行の制御を行うための遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間の設定や、副制御手段200に対して、現在の設定値、遊技状況(次の遊技が再遊技やボーナス遊技中であるか否か)、現在のRT状態、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSなどの情報が送信される。
次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS12)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、本体部12内に設けられたキースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入待機表示処理では、キースイッチ82bがオフからオンに変化したことが検出されると、設定値の表示を開始することを示す設定値表示開始コマンドを副制御手段200へ送信するとともに、設定確認モードへ移行して、獲得枚数表示器28の下位桁に現在の設定値を表示する。このとき、獲得枚数表示器28の上位桁は消灯してもよいし、下位桁に設定値を表示していることを示す表示態様を表示してもよい。また、設定値を表示しているときに、キースイッチ82bがオンからオフに変化したことが検出されると、現在の設定値の表示を終了して、設定値の表示を終了することを示す設定値表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する。
なお、獲得枚数表示器28における設定値の表示を終了した後は、設定値を表示する前の表示内容に戻してもよいし、消灯してもよいし、「0」を表示してもよい。また、設定確認モードへの移行条件は、キースイッチ82bがオンになったことの他、前回の遊技で再遊技役が入賞していないこと、前面扉14が開放されていること、設定/リセットスイッチ82cがオンにされたこと、などのいずれかであってもよく、またはこれらを組み合わせたものであってもよい。
ステップS12の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS14の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS16)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理(詳しくは後述する)などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。また、2枚賭け遊技および3枚賭け遊技のいずれも可能なRT状態(具体的には非RT、RT1~RT3)においては、少なくとも2枚のメダルが投入されるとスタートスイッチ36の操作受付可能状態になる。
ステップS18の判断処理で、スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS18の判断結果がNOとなって、ステップS12の処理に戻る。一方、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80内のソレノイド45(図10参照)をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS20)。そして、投入されたメダルの枚数、現在の設定値およびRT状態に応じた抽せんテーブル(図13~図16参照)に基づいて、作動する条件装置を決定するための抽せん処理を行う(ステップS22)。次いで、抽せん処理の抽せん結果や、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSに応じて図20に示した各種遊技区間および遊技状態の移行制御を行うための各抽せんが行われる遊技区間抽せん処理を行う(ステップS24)。
次に主制御手段100は、AT1(GS=3)またはAT2(GS=4)において、抽せんによって入賞-A1~A12または入賞-B1~B6のいずれかの条件装置が作動した場合は、作動した条件装置に対応する指示番号(図22参照)を獲得枚数表示器28に表示するための指示表示処理を行う(ステップS26)。そして、遊技区間関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS28)。ここで、遊技区間関連情報は、現在の区間種別番号SC、遊技状態番号GSおよびRT状態における遊技に関する情報であり、例えば、遊技区間制御手段125が有する各カウンタの値や、ステップS22の抽せん処理、およびステップS24の遊技区間抽せん処理で行われた各種抽せん結果に関する情報などが該当する。
次に主制御手段100は、抽せんで決定された入賞及び再遊技条件装置番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示するための演出グループ番号を生成するマスク処理を行う(ステップS30)。そして、抽せんの結果に応じたボーナス条件装置番号および演出グループ番号、表示した指示番号の内容を示す指示モニタ情報などの各種情報を含む抽せん関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS32)。次に主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS34)、リール停止管理処理を行う(ステップS36)。
このリール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。ここで、リールの停止制御は、入賞及び再遊技条件装置番号およびボーナス条件装置番号に基づいて行われる。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図4~図9に示した図柄組合せ(配当組合せ)のいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い、表示判定処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS38)。入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、小役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、表示された図柄組合せに対応するメダル払出枚数をRWMの所定記憶領域に記憶する。そして、クレジットへの加算処理またはホッパーモータ46を駆動して、ホッパー83によりメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS40)。また、クレジットへの加算またはメダルの払い出し開始時と、クレジットへの加算または払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
そして、表示された図柄組合せの種類、ボーナス役に係る条件装置の作動の有無、ボーナス遊技が行われている場合はそのボーナス遊技の終了条件が成立したか否かの判断などに基づいて、図19に示したRT状態の移行処理を行う(ステップS42)。次いで、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSに応じて、図20に示した各種移行条件に従って、図20に示した遊技状態番号の移行を制御する遊技区間移行処理を行う(ステップS44)。
なお、ステップS44の遊技区間移行処理によって遊技状態番号GSが更新されたとしても、更新後の遊技状態番号GSに係る処理を実行するのは、次の遊技におけるスタートスイッチ36の操作時以降である。したがって、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されるまでは、更新後の遊技状態番号GSに係る処理は実行しない。
次に主制御手段100は、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号のオン/オフ制御や、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報の送信制御などの処理を含む遊技終了チェック処理を行う(ステップS46)。これにより1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
<タイマ割込処理の説明>
次に、図24を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、各種8セグメント表示器およびLEDの表示制御処理、図10に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出処理、副制御手段200に対する制御コマンドの送信処理、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力処理、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御処理(各種制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新など)等の各種処理を行っている。
主制御手段100は、自己が備えるタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されるごとに、図23に示すタイマ割込処理を開始する。タイマ割込処理が実行されると、図22の遊技進行メイン処理等において、実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、遊技進行メイン処理などで実行していた処理の続きから処理を再開することができる。
図23のタイマ割込処理が開始されると、まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御手段100が備えている電源監視回路(図示略)から出力されるものとする。この電源監視回路は、スロットマシン10に供給される電源電圧の値を監視しており、正常な電源電圧が供給されているときに何らかの原因で電圧値が所定値まで低下すると電源断検知信号を出力する。
ステップS502の判断処理において、電源断が検知された場合は判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS504)。この電源断処理を開始すると、まず、主制御手段100からスロットマシン10内の各装置へ制御信号等を出力するための出力ポート(後述するステップS516参照)の値をクリアする。この処理を行うことで、すべての出力ポートの全ビットの値が「0」となり、、例えばセレクタ80ソレノイド45がオフになって、メダル投入口32へ投入されたメダルは、返却通路81aを通って受け皿61へ返却されるようになる。
また、ホッパーモータ46が回転していた場合は、その回転が停止することになり、回転捕捉板91が惰性で回転してメダルがホッパー83から払い出されてしまうのを阻止することができる。さらに電源断処理では、SPレジスタ(スタックとして使用するRWMの記憶領域のアドレスを格納しているレジスタ)の値をRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグをセットし、RWMの所定アドレス範囲のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100は、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28などの表示制御を行うLED表示処理を実行する(ステップS506)。次に主制御手段100は、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS508)。このタイマ計測処理では、主制御手段100のRWMにおける所定記憶領域に保存されている各種計時用のカウント値が減算される。これにより、例えば、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間や、最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を計時することができる。
ここで、最小遊技時間は、規定数のメダルが賭けられた状況でスタートスイッチ36が操作された後にセットされる時間であって、時間値(カウント値)として1835(D)がRWMに記憶される。そして、記憶された時間値がタイマ割込処理が行われるごとに1ずつ減算されていき、時間値が「0」になる(2.235×10-3×1835=4.101225秒が経過する)まで、次の遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作があったとしても、リールを回転開始するための回転開始制御が実行されないようになっている。
また、各種センサの検出時間には、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ80内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値や、メダルがホッパー83内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。さらに、クレジット数が上限(50枚)に達しているときに小役が入賞した場合には、小役に対応したメダルの払出枚数をホッパー83から払い出すが、このときメダルが払い出されていないか否かを判断するためのメダル未払い時間等もある。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号(操作手段300からのオン/オフ信号など)を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート読み込み処理を行い(ステップS510)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、リール駆動管理処理を行う(ステップS512)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行ったか否かを判断し(ステップS514)、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行っていない場合は判断結果がNOとなって、再度ステップS512のリール駆動管理処理を行う。
全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理が行われると、ステップS514の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ソレノイド45の駆動信号、ホッパーモータ46の駆動信号など、各種装置を制御するための信号を出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS516)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS518)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS520)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS522)、図24のタイマ割込処理を終了する。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
以下、図25に示すフローチャートを参照して、遊技状態がAT1のときに、副制御手段200によって実行されるAT1報知制御処理の内容について説明する。AT1報知制御処理は、遊技状態がAT1となっているときに、抽せん手段110の抽せんの結果、入賞-A1~A12および入賞-B1~B6のいずかれの条件装置が作動したときに、作動した条件装置に対応する操作態様を報知する際に行う処理である。
AT1において、副制御手段200は、主制御手段100からスタートスイッチ36が操作されたことを示す制御コマンド(リール回転開始受付コマンド)を受信し、かつ、リール40L,40C,40Rが回転を開始する前であるか否かを判断する(ステップSs100)。ここで、リール40L,40C,40Rが回転を開始する前であるか否かは、各リールが回転を開始したときに、主制御手段100からリール毎に送信される「リール回転開始コマンド」を受信したか否かで判断する。そして、副制御手段200は、主制御手段100からリール回転開始受付コマンドを受信し、かつ、リール回転開始コマンドを受信していない場合は、ステップSs100の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、次に主制御手段100から指示モニタ情報を受信したか否かを判断する(ステップSs102)。指示モニタ情報は、獲得枚数表示器28に表示された指示番号の内容(図21参照)を示す情報であり、図22のステップS32の役抽せん関連情報の送信処理によって主制御手段100から送信される。
ステップSs102の判断処理において、副制御手段200が指示モニタ情報を受信していなかった場合は判断結果がNOとなって、図25に示すAT1報知制御処理を終了する。これに対して、副制御手段200が指示モニタ情報を受信していなかった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、受信した指示モニタ情報に応じた操作態様の報知画像(押し順ナビ、目押しナビ、二択ナビまたは四択ナビ)を画像表示装置70に表示する(ステップSs104)。
ここで、AT1の二択チャンスが行われたときに、入賞-A1の条件装置(赤7-赤チェリー-赤チェリー)が作動したときに、画像表示装置70に表示される演出画像の一例を図26に示す。まず、スタートスイッチ36が操作されて、全リールが回転を開始し、各ストップスイッチの操作受付可能状態になると、図26「(a)スタートスイッチオン」の「リール」欄に示すように、左ストップスイッチ37L,中ストップスイッチ37C,右ストップスイッチ37Rの自照式のボタン部分(操作面)が青く発光する。また、図22のステップS26の指示表示処理により、獲得枚数表示器28には対応する指示番号として「=1」が表示される(「指示モニタ」欄参照)。ここで、獲得枚数表示器28の上位桁に表示される「=」の態様は、セグメントaとgの点灯により表される(図22(c)参照)。そして、受信した指示モニタ情報に基づいて、「赤7-赤7-?」の図柄組合せが、他の演出画像と共に画像表示装置70に表示される(図26「(a)スタートスイッチオン」の「画像表示装置」欄参照)。
次に副制御手段200は、受信した指示モニタ情報に基づいて、入賞可能性パターンをRWMに記憶する(ステップSs106)。入賞可能性パターンとは、第1停止操作および第2停止操作が行われたことによって入賞ライン上に停止表示された図柄が、作動した条件装置に対応する図柄組合せが揃う可能性を残していることを示すパターンである。入賞可能性パターンは、入賞-A1~A12の各々に対して定められているが、図27に二択チャンスにおいて入賞-A1の条件装置が作動した場合の入賞可能性パターンを示す。この入賞可能性パターンは、入賞-A1~A12の各々について、副制御手段200のROMに予め記憶されているものであるが、主制御手段100から受信した指示モニタ情報に基づいて入賞可能性パターンを作成するようにしてもよい。
図27に示す入賞可能性パターンにおいて、第1停止操作時の入賞可能性パターンは、「赤7-X-X」、「X-赤チェリー-X」、「X-X-赤チェリー」および「X-X-緑チェリー」の4通りとなる。なお「X」は未だ図柄が停止表示されていない状態であることを示している。ここで、「赤7-X-X」は、左リール40Lの中段Mの位置に「赤7」図柄が停止表示され、他のリールは回転中であることを示している。「X-赤チェリー-X」は、中リール40Cの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄が停止表示され、他のリールは回転中であることを示している。「X-X-赤チェリー」は、右リール40Rの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄が停止表示され、他のリールは回転中であることを示している。「X-X-緑チェリー」は、右リール40Rの中段Mの位置に「緑チェリー」図柄が停止表示され、他のリールは回転中であることを示している。上述したように、入賞可能性パターンは指示モニタ情報に基づいているため、二択チャンス時における右リール40Rの図柄については、1つの図柄に特定できない。
次に第2停止操作時の入賞可能性パターンは、「赤7-赤チェリー-X」、「赤7-X-赤チェリー」、「赤7-X-緑チェリー」、「X-赤チェリー-赤チェリー」および「X-赤チェリー-緑チェリー」の5通りとなる。「赤7-赤チェリー-X」は、左リール40Lの中段Mの位置に「赤7」図柄、中リール40Cの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄が各々停止表示され、右リール40Rは回転中であることを示している。「赤7-X-赤チェリー」は、左リール40Lの中段Mの位置に「赤7」図柄、右リール40Rの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄が各々停止表示され、中リール40Cは回転中であることを示している。「赤7-X-緑チェリー」は、左リール40Lの中段Mの位置に「赤7」図柄、右リール40Rの中段Mの位置に「緑チェリー」図柄が各々停止表示され、中リール40Cは回転中であることを示している。
「X-赤チェリー-赤チェリー」は、中リール40Cの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄、右リール40Rの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄が各々停止表示され、左リール40Lは回転中であることを示している。「X-赤チェリー-緑チェリー」は、中リール40Cの中段Mの位置に「赤チェリー」図柄、右リール40Rの中段Mの位置に「緑チェリー」図柄が各々停止表示され、左リール40Lは回転中であることを示している。
ステップSs106の段階では、未だストップスイッチが停止操作されていない段階であるため、受信した指示モニタ情報に基づいて、「赤7-X-X」、「X-赤チェリー-X」、「X-X-赤チェリー」および「X-X-緑チェリー」という4通りの入賞可能性パターンがRWMに記憶される。
次に副制御手段200は、主制御手段100から停止図柄コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs108)。ここで、停止図柄コマンドは、ストップスイッチの停止操作が受け付けられるごとに、主制御手段100から送信されるコマンドである。停止図柄コマンドは、停止操作されたストップスイッチに対応するリールについて、ストップスイッチの停止操作の受付時に中段Mに位置していた図柄番号、およびその図柄番号から停止するまで移動する図柄数(滑りコマ数)の情報を含んでいる。したがって、停止操作受付時の図柄番号に滑りコマ数を加算することで、中段Mに停止する図柄番号を算出することができる。
ここで、ステップSs100の判断処理で、主制御手段100からリール回転開始受付コマンドを未だ受信していないとき、または、リール40L,40C,40Rが回転を既に開始した後であった場合は、判断結果がNOとなって、直ちにステップSs108へ移行する。また、ステップSs108の判断処理で、停止図柄コマンドを受信していない場合は判断結果がNOとなり、再びステップSs108の判断処理を行い、以下、停止図柄コマンドを受信するまでステップSs108の判断処理を繰り返す。
これに対して、ステップSs108の判断処理で、停止図柄コマンドを受信した場合は判断結果がYESとなり、受信した停止図柄コマンドに基づいて、停止操作されたストップスイッチに対応するリールにおいて、中段Mに停止する図柄番号(停止図柄番号)を算出し、RWMに記憶する(ステップSs110)。なお、RWMに記憶される停止図柄番号は、各リールに対応して記憶され、未だ停止していないリールについては回転中であること(「X」に相当)を示す情報が記憶されている。これにより、副制御手段200は、現時点で停止表示されている図柄組合せ(「停止パターン」ともいう。)を判断することができる。
次に副制御手段200は、現状の停止パターンがRWMに記憶されている入賞可能性パターンの中に含まれているか否かを判断する(ステップSs112)。ここで、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作され、目押しが成功した場合は、例えば図26の(b)「第1停止操作」、「目押し成功」の「リール」欄に示すように、左ストップスイッチ37Lの操作面における発光色は青から赤に変化し、左リールの中段Mに「赤7」図柄が停止表示される。
このリールの状態は「赤7-X-X」の停止パターンを示しており、図27に示した第1停止操作時の入賞可能性パターンに含まれていることから、ステップSs112の判断結果がYESとなり、図26の(b)「第1停止操作」、「目押し成功」の「画像表示装置」欄に示すように、画像表示装置70に表示されている目押しナビの画面は維持される(ステップSs114)。そして、副制御手段200は、RWMに記憶されている入賞可能性パターンを、第2停止操作時のもの(図27参照)に更新し(ステップSs116)、図25に示すAT1報知制御処理を終了する。
これに対して、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作され、目押しが失敗した場合の例として、図26の(b)「第1停止操作」、「目押し失敗(1)」の「リール」欄に示すように、左ストップスイッチ37Lの操作面における発光色は青から赤に変化し、左リールの中段Mに「緑7」図柄が停止表示されたとする。このリールの状態は「緑7-X-X」の停止パターンを示しており、図27に示した第1停止操作時の入賞可能性パターンに含まれていない。
これにより、ステップSs112の判断結果がNOとなり、図26の(b)「第1停止操作」、「目押し失敗(1)」の「画像表示装置」欄に示すように、画像表示装置70に表示されている目押しナビの画像は消去される(ステップSs118)。そして、副制御手段200は、RWMに記憶されている入賞可能性パターンをクリアして(ステップSs120)、図25に示すAT1報知制御処理を終了する。
ただし、目押しが失敗しても目押しナビが維持される場合もある。例えば、図26の(b)「第1停止操作」、「目押し失敗(2)」の「リール」欄に示すように、右ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると操作面における発光色は青から赤に変化し、右リールの中段Mに「緑チェリー」図柄が停止表示されたとする。このリールの状態は「X-X-緑チェリー」の停止パターンを示している。ここで、作動している条件装置は入賞-A1なので、対応する図柄組合せにおいて右リール40Rの図柄は「赤チェリー」図柄となり、目押しは失敗したことになる。但し、入賞可能性パターンは指示モニタ情報に基づいて作成されており、二択チャンスにおいては右リール40Rの図柄を1つに特定することができない以上、入賞可能性パターンから「X-X-緑チェリー」のパターンを排除することができない。したがって、「X-X-緑チェリー」のパターンは入賞可能性パターンに含まれることになり、ステップSs112の判断結果はYESとなって、図26の(b)「第1停止操作」、「目押し失敗(2)」の「画像表示装置」欄に示すように、目押しナビの表示は維持される。
次に、第1停止操作の目押しが成功したことにより、引き続き第2停止操作時に図25のAT1報知制御処理を行う場合について説明する。この場合、ステップSs100の判断処理では、既にリールが回転しているため判断結果がNOとなってステップSs108へ移行する。ステップSs108の判断処理で、停止図柄コマンドを受信した場合は判断結果がYESとなり、ステップSs112へ移行し、現在RWMに記憶されている入賞可能性パターンの中に、現時点で停止表示されている図柄組合せが含まれているか否かを判断する。
ここで、例えば第1停止操作時に左リール40の目押しに成功し、第2停止操作時に中リール40Cの目押しに成功したとする。この場合、図26の(c)「第2停止操作」、「目押し成功」の「リール」欄に示すように、左ストップスイッチ37Lおよび中ストップスイッチ37Cの操作面における発光色は青から赤に変化し、中段Mに停止表示されていた左リール40Lの「赤7」図柄に加え、中リール40Cの「赤チェリー」図柄が中段Mに停止表示される。
このリールの状態は「赤7-赤チェリー-X」の停止パターンを示しており、図27に示した第2停止操作時の入賞可能性パターンに含まれていることから、ステップSs112の判断結果がYESとなる。したがって、ステップSs114へ移行して、図26の(c)「第2停止操作」、「目押し成功」の「画像表示装置」欄に示すように、画像表示装置70に表示されている目押しナビの画面は維持される。そして、副制御手段200は、ステップSs116でRWMに記憶されている入賞可能性パターンを更新し、図25に示すAT1報知制御処理を終了する。ここで、次の第3停止操作によって入賞するか否かが確定するため、第3停止操作時における入賞可能性パターンは存在せず、RWMに記憶されていた第2停止操作時における入賞可能性パターンはクリアされる。
一方、例えば第1停止操作時に左リール40の目押しに成功したが、第2停止操作時に中リール40Cの目押しに失敗したとする。例えば、図26の(c)「第2停止操作」、「目押し失敗」の「リール」欄に示すように、中ストップスイッチ37Cの操作面における発光色は青から赤に変化し、左リール40Lの「赤7」図柄が中段Mに、中リール40Cの「緑チェリー」図柄が中段Mに停止表示されたとする。このリールの状態は「赤7-緑チェリー-X」の停止パターンを示しており、図27に示した第2停止操作時の入賞可能性パターンに含まれていない。
したがって、ステップSs112の判断結果がNOとなり、ステップSs118へ移行し、図26の(c)「第2停止操作」、「目押し失敗」の「画像表示装置」欄に示すように、画像表示装置70に表示されている目押しナビの画像は消去される。なお、目押しナビの画像は消去されても、獲得枚数表示器28に表示されている指示番号は維持される。そして、ステップSs120へ移行し、副制御手段200は、RWMに記憶されている入賞可能性パターンをクリアして、図25に示すAT1報知制御処理を終了する。
第2停止操作によって右リール40Rの「緑チェリー」図柄が中段Mに停止表示された場合、目押しには失敗したが、停止パターンは「赤7-X-緑チェリー」となる。この停止パターンは図27に示した入賞可能性パターンに含まれていることから、目押しナビの表示は維持される。
また、第1停止操作時に右リール40Rの「緑チェリー」図柄が中段Mに停止表示された場合、目押しには失敗しているものの、停止パターンは「X-X-緑チェリー」となる。この停止パターンは入賞可能性パターンに含まれていることから、目押しナビの表示は維持される。さらに、この状態で第2停止操作時に左リール40Lの「赤7」図柄が中段Mに停止表示された場合(「赤7-X-緑チェリー」)、または、中リール40Cの「赤チェリー」図柄が中段Mに停止表示された場合(「X-赤チェリー-緑チェリー」)は、それらの停止パターンがいずれも入賞可能性パターンに含まれていることから、目押しナビの表示は維持される。
なお、上述した説明では、二択チャンスが行われたときの例を示したが、通常の目押しナビを行う場合にも適用可能であることはいうまでもない。その場合、例えば入賞-A1の条件装置が作動したとすると、指示モニタ情報は「-1」(但し上位桁の「-」はセグメントaが点灯した状態となる。図21(b)参照。)に相当する情報となり、右リール40Rの図柄は「赤チェリー」図柄に確定する。したがって、通常の目押しナビを行う場合において、入賞-A1の条件装置が作動したときは、図27に示した入賞可能性パターンのうち「X-X-緑チェリー」、「赤7-X-緑チェリー」および「X-赤チェリー-緑チェリー」の3つの入賞可能性パターンは除外されることになる。また、図26に示した各ストップスイッチの操作態様に関する報知制御(具体的には、目押しナビの報知制御)は、操作態様として押し順を報知する場合において、一部の押し順を伏せる場合に適用させてもよい。ここで、「一部の押し順を伏せる場合」としては、例えば、第1停止操作すべきストップスイッチの種類は報知するが、第2停止操作および第3停止操作すべきストップスイッチの種類を報知しない場合などが考えられる。
(目押しナビの表示中に電源断となった場合)
次に、図28を参照して、画像表示装置70に押し順ナビが表示されているときに電源が遮断され、その後電源が復帰したときの目押しナビの表示態様の変化について説明する。例えば、遊技状態がAT1またはAT2において、スタートスイッチ36が操作され、目押しベルが当せんし、画像表示装置70に目押しの目印となる図柄を示す演出画像(目押しナビ)が表示された直後に電源断が発生した場合、電源復帰後に、主制御手段100から再度、演出グループ番号や指示モニタ情報が送信された場合は、副制御手段200はそれらの情報に基づいて電源が遮断する前の目押しナビを再現する。
例えば、AT1またはAT2において、スタートスイッチ36が操作され、抽せんが行われた結果、入賞-A1の条件装置が作動した場合、図28の「スタートスイッチオン(第1停止操作前)」の「電源断前」欄に示すように、通常(二択チャンス以外)の押し順ナビを表示する場合は、背景など他の演出画像とともに「赤7-赤7-赤7」の図柄組合せが画像表示装置70に表示される。また、二択チャンスが行われているときは、同様に「赤7-赤7-?」の図柄組合せが表示される。このときに電源断が発生し、その後復帰したときに、主制御手段100から再び演出グループ番号や指示モニタ情報が送信された場合は、図28の「スタートスイッチオン(第1停止操作前)」における「電断復帰」欄に示すように、それらの情報に基づいて電断前の目押しナビが再び画像表示装置70に表示される。
これに対して、目押しナビが表示された後、第1停止操作が受け付けられた直後に電源断した場合などは、電源が復帰したときに、主制御手段100から再び演出グループ番号や指示モニタ情報などの情報が送信されない場合がある。そのような場合は、電源断前の目押しナビを再び表示することができないため、副制御手段200は、電源断前に作動していた条件装置に対応する共通ナビを画像表示装置70に表示する。
例えば、二択チャンスにおいてスタートスイッチ36が操作され、入賞-A1の条件装置が作動したことによって「赤7-赤7-?」の目押しナビが表示され、この状態で左リールの「赤7」図柄が中段Mに停止タイミングで左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたとする。そのとき、左リール40Lが停止する前に電源断が発生して、その後復帰したときに、主制御手段100から再び演出グループ番号や指示モニタ情報などの情報が送信されなかった場合、副制御手段200は、赤色で「777」という数字のみをシステムナビとして表示する(図28「第1停止操作受付時」の「電断復帰」欄)。
このシステムナビは、電源断前に主制御手段100から送信された情報(例えば、入賞及び再遊技条件装置番号など)に基づいて、作動した条件装置に応じて生成されたものであり、通常時は画像表示装置70に表示されることはない。しかしながら、一旦生成されたシステムナビは、電源断が発生した場合であっても消失することがないようにバックアップされるため、電源復帰後に主制御手段100から何等情報を受け取らなくても再表示可能である。なお、生成したシステムナビの内容をバックアップする代わりに、作動した条件装置の種類を示す情報をバックアップしておき、電源が復帰した際に、バックアップしていた条件装置の種類に基づいてシステムナビを再度生成するようにしてもよい。したがって、電源復帰後に、主制御手段100から何等情報が送信されなかった場合、副制御手段200は、システムナビを画像表示装置70に表示する。ただし、システムナビは生成する際に参照する情報が、通常の目押しナビと異なるため、表示される内容に演出要素は無く、二択チャンス系の目押しナビ(すなわち「?」を含む図柄報知)は再現できないようになっている。
なお、電源復帰時に表示するシステムナビは、電源断が発生する前に、第1停止操作受付時に目押しに成功した場合(すなわち、入賞可能性が残っている場合)に限って表示するようしてもよいし、目押しに失敗していた場合であっても、システムナビを表示するようにしてもよい。
このように本実施形態では、1つの抽せん結果に対して、複数の方法によって遊技者に向けた報知画面を生成している。
[第2実施形態]
次に、図29~図33を参照して本発明の第2実施形態について説明する。ここで、第1実施形態で開示した内容は、第2実施形態においても適宜流用することができるため、以下では、第2実施形態の特徴的な内容について説明する。
図29は、本実施形態(第2実施形態)における各リールの図柄配列を示す図である。図29(a)に示すように、本実施形態においても1つのリールにつき20個の図柄が印刷されている。なお、図29(a)に示す矢印は、遊技中(ただしリール演出中を除く)でリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
各リール上に配置される図柄の種類には、図29(b)に示すように、数字の“7”を青色と赤色で表した「青7」図柄および「赤7」図柄と、「BAR」の文字を主体とする「BAR」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、赤いサクランボおよび青いのサクランボを各々モチーフとした「赤チェリー」図柄および「青チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄と、がある。
また、本実施形態におけるメダル投入枚数の規定数は遊技状態(役物未作動時、RB作動時)に関わらず3枚のみであり、3枚賭け遊技が行われた場合、入賞ラインは、上段水平ライン、中段水平ライン、下段水平ライン、右上がりラインおよび右下がりラインの5本となる。
次に、本実施形態において遊技者に対して特典が付与される図柄組合せの一部を図30に示す。まず、本実施形態におけるボーナス役の図柄組合せには、「赤7-赤7-赤7」(名称:1BB-A)と、「赤7-赤7-BAR」(名称:1BB-B)の2種類がある。これらの図柄組合せが揃った場合、次の遊技から1BB遊技が開始されるが、開始される1BB遊技における終了条件や実行されるRB遊技は同じである。本実施形態の1BB遊技は、1BB遊技中に払い出されたメダルの枚数が合計239枚を越えた遊技で終了する。
再遊技役の図柄組合せは「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の一種類であり、対応する条件装置が作動した場合は、いずれかの入賞ライン上に必ず揃う図柄配列(図29(a)参照)となっている。
小役の図柄組合せは、入賞01~入賞07の7種類がある。入賞01の図柄組合せは「ベル-ベル-ベル」、入賞02の図柄組合せは「スイカ-スイカ-スイカ」、入賞03の図柄組合せは「スイカ-スイカ-BAR」であり、各々、いずれかの入賞ライン上に揃った場合は、15枚のメダルが払い出される。これにより、入賞01~入賞03のことを「15枚役」ともいう。また、入賞04の図柄組合せは「赤チェリー-ANY-ANY」、入賞05の図柄組合せは「青チェリー-ANY-ANY」であり、「ANY」とは任意の図柄を意味する。したがって、左リール40Lにおいて、表示窓21の上段U、中段M、下段Dのいずれかに停止表示すれば、中リール40Cおよび右リール40Rはどのような図柄が停止表示されてもメダルが発生することになる。
入賞04または入賞05の図柄組合せが揃った場合、4枚のメダルが払い出されることになる。これにより、入賞04および入賞05ことを「4枚役」ともいう。ただし、例えば入賞04の場合、左リール40Lの「赤チェリー」図柄が上段Uに停止したときは、上段水平ラインおよび右下がりラインに「赤チェリー-ANY-ANY」が揃ったことになるので、メダルの払出枚数は4×2=8枚となる。左リール40Lの「赤チェリー」図柄が下段Dに停止したときも、下段水平ラインと右上がりラインとに「赤チェリー-ANY-ANY」が揃ったことになるため、メダルの払出枚数は8枚となる。これに対して、。左リール40Lの「赤チェリー」図柄が中段Mに停止した場合は、中段水位ラインに停止したときは、中段水平ラインのみに「赤チェリー-ANY-ANY」が揃ったことになるので、メダルの払出枚数は4枚となる。また、メダルの払出枚数については、入賞05も同様である。
そして、入賞06の図柄組合せは「スイカ-スイカ-赤7」、入賞07の図柄組合せは「リプレイ-赤チェリー-赤7」であり、各々、いずれかの入賞ライン上に揃った場合は、7枚のメダルが払い出される。これにより、入賞06および入賞07のことを「7枚役」ともいう。
本実施形態では入賞ラインが5本あり、全てのリールが停止したときに、複数の入賞ライン上で小役の図柄組合せが揃った場合は、各図柄組合せに対応するメダル払出枚数の合計値が払い出される。ただし、メダル払出枚数の最大値は15枚であるため、メダル払出枚数の合計値が15枚を越える場合は、15枚のメダルが払い出されることになる。また、1BB-A、1BB-Bおよび再遊技の図柄組合せは役物未作動時のみ停止表示される可能性があり、入賞01~入賞07の図柄組合せは役物未作動時およびRB作動時のいずれにおいても停止表示される可能性がある。
次に、本実施形態の抽せん手段110による抽せんによって作動し得る条件装置について図31を参照して説明する。ここで、図31に示す条件装置は、1BB遊技中に作動し得る条件装置のうち、小役に係る条件装置の一部(入賞-Aおよび入賞-B)のみを示している。また、これらの条件装置が作動する確率については適宜定めればよい。
まず、入賞-Aの条件装置が作動した場合、入賞02~入賞05の図柄組合せのうち、いずれかが揃う可能性がある。ここで、入賞03の図柄組合せ(「スイカ-スイカ-BAR」)については、第1停止操作を行うときに、第1停止操作するストップスイッチに対応するリール上の特定図柄が中段Mに達するタイミングで行われた場合に限って停止表示され得る(詳しくは後述する。)。ここで、「特定図柄が中段Mに達するタイミング」は、リールの回転中に、特定図柄が上段Uの定位置から中段Mの定位置に到達するまでの間の期間となる。換言すると、特定図柄の滑りコマ数は1コマしかなく、特定図柄を中段Mに停止させるには、特定図柄が中段Mに達する直前に、いわゆる「ビタ押し」しなければならない。そして第1停止操作時に、対応するリール上の特定図柄を中段Mに「ビタ押し」することができなければ、入賞03の図が組合せを揃えることができない。ここで、本実施形態における「特定図柄」は、入賞03の図柄組合せを構成する図柄であり、具体的には、左リール40Lおよび中リール40Cにおいては「スイカ」図柄、右リール40Rにおいては「BAR」図柄となる。
なお、第1停止操作時に、対応するリール上の特定図柄を中段Mに「ビタ押し」することができたときは、第2停止操作以降は、任意のタイミングで停止操作を行った場合でも、中段水平ラインに入賞03の図柄組合せが揃うリール停止制御が行われる。これに対して、入賞-Aの条件装置が作動して第1停止操作を行った際に、特定図柄のビタ押しに失敗したときは、入賞02の図柄組合せ(「スイカ-スイカ-スイカ」)がいずれかの入賞ラインに必ず揃うことになる。
そして、1BB遊技中に入賞03の図柄組合せが揃った場合は、遊技者に対して15枚のメダルの払い出しに加えて、さらなる特典が付与される。遊技者に付与するさらなる特典としては、例えばATに滞在することができる遊技回数を所定回数だけ加算することが考えられる。ここで、加算する遊技回数は、予め定められた一定の回数であってもよいし、抽せんによって決定してもよい。また、遊技回数を加算する場合は、遊技者に対して加算する遊技回数を報知するようにしてもよく、その報知のタイミングは全リールが停止したとき(入賞03の図柄組合せが揃ったと判断されたとき)であってもよい。
次に、入賞-Bの条件装置が作動した場合、入賞01~入賞07の図柄組合せのうち、いずれかが揃う可能性がある。ここで、入賞06および入賞07の図柄組合せ(「スイカ-スイカ-赤7」および「リプレイ-赤チェリー-赤7」)は、各ストップスイッチを所定の押し順で停止操作し、なおかつ、所定のリールを停止させる際は、所定のタイミングで対応するストップスイッチを操作しなければ、入賞ライン上に停止表示させることができない。換言すると、そのような操作態様(詳しくは後述する。)で各ストップスイッチを操作することができたときは、入賞06および入賞07の図柄組合せが同時に停止表示される(重複入賞する)こととなる。そして、入賞06および入賞07の図柄組合せが同時に停止表示された場合は、メダル払出枚数が7+7=14枚となる。
これに対して、入賞-Bの条件装置が作動した遊技で、各ストップスイッチを所定の押し順で停止操作しなかった、または、所定の押し順で停止操作をしたが、所定のリールを停止させる際に所定のタイミングで対応するストップスイッチを停止操作しなかった場合は、入賞01~入賞03のいずれかの図柄組合せが、いずれかの入賞ラインに必ず揃い、15枚のメダルが払い出される。
<1BB遊技の仕様について>
前述したように、本実施形態の1BB遊技は、払い出されたメダルの枚数が合計239枚を越えた遊技で終了する。したがって、例えば15枚役の図柄組合せが16回揃うと(すなわち、合計240枚払い出されると)、1BB遊技が終了する。これに対して、1BB遊技中に、1度だけ入賞06および入賞07の図柄組合せが同時に停止表示され(すなわち、1度だけ14枚が払い出され)、その後15枚役の図柄組合せが15回揃った場合は、それまでに払い出されたメダルの枚数が、14(枚)×1(回)+15(枚)×15(回)=239枚となり、1BB遊技の終了条件を満たさないため、あと1回だけ小役を揃えられる余地が生じる。したがって、最後に15枚役が入賞した場合、239枚+15枚=254枚が払い出されて1BB遊技が終了することになる。
このように、1BB遊技中にすべて15枚役を揃えた場合は合計240枚のメダルを獲得できるが、1回だけ14枚が払い出された場合は合計254枚のメダルを獲得できるため、すべて15枚役を揃えた場合よりも14枚多くメダルを獲得することができる。
<入賞-Aの条件装置の作動時における入賞03の入賞手順>
次に1BB遊技中に入賞-Aの条件装置が作動したときに、入賞03の図柄組合せを揃えることができる操作態様について、図32を参照しつつ説明する。この場合、各ストップスイッチの押し順は任意でよいが、第1停止操作を行う場面において、操作するストップスイッチに応じてビタ押ししなければならない箇所(ビタ押しポイント)が異なっている。
まず、左ストップスイッチ37Lを第1停止操作する場合は、図32(a)に示すように、左リール40Lの図柄番号13、12、11の並び(ハッチングの枠内参照)が表示窓21に表示される直前にビタ押ししなければならない。換言すると、図柄番号12の「スイカ」図柄(特定図柄に相当)が中段Mに停止するように左ストップスイッチ37Lをビタ押ししなければならない。ビタ押しが成功した場合は、図32(b-1)に示すように、左リール40Lの図柄番号13、12、11の並びが表示窓21に停止表示される。
次に中ストップスイッチ37Cを第1停止操作する場合は、図32(a)に示すように、中リール40Cの図柄番号17、16、15の並び(ハッチングの枠内参照)が表示窓21に表示される直前にビタ押ししなければならない。換言すると、図柄番号16の「スイカ」図柄(特定図柄に相当)が中段Mに停止するように中ストップスイッチ37Cをビタ押ししなければならない。ビタ押しが成功した場合は、図32(b-2)に示すように、中リール40Cの図柄番号17、16、15の並びが表示窓21に停止表示される。
また、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作する場合は、図32(a)に示すように、右リール40Rの図柄番号6、5、4の並び(ハッチングの枠内参照)が表示窓21に表示される直前にビタ押ししなければならない。換言すると、図柄番号5の「BAR」図柄(特定図柄に相当)が中段Mに停止するように右ストップスイッチ37Rをビタ押ししなければならない。ビタ押しが成功した場合は、図32(b-3)に示すように、右リール40Rの図柄番号6、5、4の並びが表示窓21に停止表示される。
そして、第1停止操作時に特定図柄を中段Mに停止させることができた場合は、残りのストップスイッチの操作は、任意の順序で、かつ、任意のタイミングで操作しても、中段水平ラインに「スイカ-スイカ-BAR」(入賞03)の図柄組合せが揃うリール停止制御が行われる。これにより、15枚のメダルが払い出されるとともに、ATにおける遊技回数が加算される。
これに対して、各ストップスイッチを第1停止操作する際に、特定図柄を中段Mに停止させることができなかった場合は、図32(c)に示すように、中段水平ラインに「スイカ-スイカ-スイカ」(入賞02)の図柄組合せが揃うことになる。この場合、15枚のメダルが払い出されるが、ATの遊技回数は加算されない。
本実施形態では、入賞-Aの条件装置が作動し、第1停止操作を行う際に、目押しに成功して中段Mに停止させることができれば更なる特典が付与される特定図柄をすべてのリールに配置している。ここで、特定図柄を例えば右リール40Rにのみ配置したとすると、遊技者は更なる特典を得るために入賞-Aの条件装置が作動したときは、右リール40Rを最初に停止(すなわち、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作)することになる。すなわち、特定の押し順かつ特定の目押し位置(ここでは、右リール40Rの特定位置)で停止操作が行われるということは、入賞-Aの条件装置が作動した際に、押し順および目押し位置を含めて8000通りある停止操作のうち、特典が付与されることとなる停止操作が唯一の操作操作となり、遊技者が遊技を行う上で遊技性が単調化することになってしまう。したがって、遊技性の単調化を防ぐために、各リールに特定図柄を配置し、ビタ押しポイントを設けることで、遊技者自身が目押しの技量の難易度を選択できる遊技性を提供することができる。
なお、右リール40Rにおけるビタ押しポイントには、「BAR」図柄といった、他のリールにおける特定図柄よりもサイズが大きく(換言すると、あるリールの特定図柄の面積や横幅が、他のリールの特定図柄に比して大きく)、目立つ色を用いた図柄(視認性が高い図柄)が含まれているため、目押しする際の目印となり易く、ビタ押しが成功する可能性を高くすることができる。また、入賞-Aの条件装置が作動したときに入賞03の図柄組合せを揃えるには、例えば右リール40Rを最初に停止させる場合であれば、「BAR」図柄が中段Mに達するタイミングで右ストップスイッチ37Rを第1停止操作すればよいが、停止操作を行うタイミングを測る際の目安とする図柄(「指標図柄」ともいう。)は、「BAR」図柄に限らず、その1つ下にある「赤7」図柄(図柄番号4)を指標図柄としてもよい。「赤7」図柄を指標図柄とした場合、入賞03の図柄組合せを揃えるには、「赤7」図柄が下段Dの位置に達するタイミングで右ストップスイッチ37Rを第1停止操作する必要があることはいうまでもない。また、指標図柄の視認性を高くするために、反射率の高い塗料を用いたり、図柄に光透過領域を設けたりしてもよい。さらに、本実施形態では、1つのリール(具体的には右リール40R)の指標図柄のみを大きくしていたが、複数のリールにおける指標図柄の面積や横幅を大きくしてもよい。
<入賞-Bの条件装置の作動時における入賞06および入賞07の重複入賞手順>
次に1BB遊技中に入賞-Bの条件装置が作動したときに、入賞06および入賞07の図柄組合せを同時に揃えることができる操作態様について、図33を参照しつつ説明する。この場合、各ストップスイッチを右→左→中(逆ハサミ押し)の押し順で操作しなくてはならない。そして、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作する場合は、表示窓21に右リール40Rの図柄番号4、3、2の並びが表示されてから、図柄番号6、5、4の並びが表示されるまでの間(ハッチングの枠内参照)に行う必要がある。すなわち、図柄番号4、3、2の並びが表示されてから2コマ分が通過する期間内に右ストップスイッチ37Rを操作できた場合、図柄番号6、5、4の並びが表示窓21に停止表示される。
次に左ストップスイッチ37Lを第2停止操作するタイミングは任意でよく、どのようなタイミングで停止操作しても、表示窓21の上段Uには「スイカ」図柄、中段Mには「ベル」図柄、下段Dには「リプレイ」図柄が停止表示されることになる。最後に中ストップスイッチ37Cを第3停止操作する場合は、表示窓21に中リール40Cの図柄番号9、8、7の並びが表示されてから、図柄番号11、10、9の並びが表示されるまでの間(ハッチングの枠内参照)に行う必要がある。すなわち、図柄番号9、8、7の並びが表示されてから2コマ分が通過する期間内に中ストップスイッチ37Cを操作できた場合、図柄番号11、10、9の並びが表示窓21に停止表示される。
以上の操作態様で各ストップスイッチを停止操作することができたときは、図33(b)に示すように、右下がりラインに入賞06の「スイカ-スイカ-赤7」の図柄組合せが停止表示され、下段水平ラインに入賞07の「リプレイ-赤チェリー-赤7」の図柄組合せが停止表示されることとなり、合計14枚のメダルが払い出される。これに対して、右ストップスイッチ37Rまたは中ストップスイッチ37Cの目押しに失敗したときは、いずれかの15枚役がいずれかの入賞ラインに揃うことになる。
例えば、図33(c)に示す例では、右ストップスイッチ37Rの第1停止操作時は目押しに成功したが、中ストップスイッチ37Cを第3停止操作したときに目押しに失敗した例を示している。この場合、左ストップスイッチ37Lを第2停止操作した段階で、右下がりラインに入賞06の図柄組合せがテンパイし、下段水平ラインに入賞07の図柄組合せがテンパイするが、これに加えて、上段水平ラインにも入賞02の図柄組合せ(「スイカ-スイカ-スイカ」)がテンパイすることになる。そして、中ストップスイッチ37Cを第3停止操作するときに目押しに失敗すると、上段Uに「スイカ」図柄が停止して、上段水平ラインに入賞02の図柄組合せが揃い、15枚が払い出されることになる。
また、各ストップスイッチを逆ハサミ押し以外の押し順で操作した場合は、いずれかの入賞ラインに15枚役の図柄組合せが表示される。例えば、図33(d-1)に示す例では、中段水平ラインに入賞01の図柄組合せ(「ベル-ベル-ベル」)が揃った状態を示している。また、図33(d-2)に示す例では、右上がりラインに入賞03の図柄組合せ(「スイカ-スイカ-BAR」)が揃った状態を示している。ここで、前述したように、入賞-Aの条件装置が作動したときに入賞03の図柄組合せが中段水平ラインに表示されると、メダルの払い出しに加えて更なる特典が付与される。これに対して、入賞-Bの条件装置が作動したときに入賞03の図柄組合せが表示されてもメダルが払い出されるが、更なる特典は付与されない。
したがって、遊技者に不信感を与えないようにするため、入賞-Bの条件装置が作動したときは入賞03の図柄組合せを表示しないようにしてもよい。また、表示する場合は、入賞-Aの条件装置が作動したときに入賞03の図柄組合せが表示される入賞ラインとは異なる入賞ラインに停止表示してもよい。
<1BB遊技中のゲーム性について>
前述したように、本実施形態における1BB遊技の仕様(終了条件や小役の払い出し枚数など)により、1BB遊技中は一度だけ入賞06および入賞07の図柄組合せを同時に揃えて(重複入賞させて)14枚の払い出しを受けておけば、1回の1BB遊技で254枚のメダルを獲得することができる。したがって、1BB遊技から未だ入賞06および入賞07が重複入賞していない場合は、入賞-Bの条件装置が作動したときに逆ハサミ押し(右→左→中)の押し順で各ストップスイッチを操作し、かつ、各ストップスイッチを停止操作する際に、図33(a)においてハッチングで囲んで示す領域を目押しする。なお、入賞-Bの条件装置が作動した場合、そのことを遊技者に報知してもよい。
一度、入賞06および入賞07の図柄組合せを同時に揃えて14枚のメダルが払い出された後は、入賞-Bの条件装置が作動したときに逆ハサミ押し以外の押し順で各ストップスイッチを操作することで、入賞06および入賞07が重複入賞するのを回避し、15枚役を入賞させることができる。
また、1BB遊技中に入賞-Aの条件装置が作動したときは、第1停止操作を行う際に、最初に停止させるリールについて図32(a)に示すハッチングで囲んだ領域をビタ押しする。これにより、第1停止操作時にハッチングで囲んだ領域が表示窓21に停止表示された場合は、中段水平ラインに入賞03の図柄組合せが揃い、15枚のメダル払い出しに加え、更なる特典が遊技者に付与される。
ここで、入賞-Aの条件装置が作動した際に、入賞03の図柄組合せを揃えるために右ストップスイッチ37Rを第1停止操作する際に目押しする領域(図柄番号6~4)と、入賞-Bの条件装置が作動した際に、入賞06および入賞07を重複入賞させるために、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作する際に目押しする領域(図柄番号6~2)とに着目すると、各々の領域は重複している箇所(具体的には、図柄番号6~4)がある。
したがって、例えば遊技者が、入賞-Aまたは入賞-Bの条件装置のどちらが作動している分からない状態であっても、右リール40Rの図柄番号6~4の並びが表示窓21に表示されるタイミング(例えば、右リール40Rの図柄番号4の「赤7」図柄を指標図柄とした場合は、「赤7」図柄が下段Dに達するタイミング)で右ストップスイッチ37Rを第1停止操作すれば、中段水平ラインに停止表示される入賞03の図柄組合せ(入賞-Aの条件装置作動時)と、右下がりラインおよび下段水平ラインに停止表表示される入賞06および入賞07の図柄組合せ(入賞-Bの条件装置作動時)との双方をフォローする(換言すると、入賞可能性を維持する)ことができる。ここで、「遊技者が入賞-Aまたは入賞-Bの条件装置のどちらが作動している分からない状態」としては、例えば、1BB遊技中に入賞-Aの条件装置が作動したときはそのことを示唆する報知を行うスロットマシンにおいて、入賞-Aの条件装置が作動したときに電源断が発生して、そのことを示唆する報知を行うことができなかった場合などがある。
ここで、入賞-Aまたは入賞-Bの条件装置が作動している(ただし、遊技者にはどちらの条件装置が作動しているか判別がつかない)状態で、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作したときに、目押しに成功して、右リール37Rの図柄番号6~4の並びが表示窓21に停止表示されたとする。そこで、第2停止操作時に左ストップスイッチ37Lを任意のタイミングで行ったときに、入賞-Aの条件装置が作動していれば左リール40Lの「スイカ」図柄は中段Mに停止し、入賞-Bの条件装置が作動していれば「スイカ」図柄は上段Uに停止することになる。
これにより、第2停止操作によって左リール40Lの「スイカ」図柄が上段Uに停止した場合(すなわち、入賞-Bの条件装置が作動していると判別できる)は、既に一度、入賞06および入賞07を重複入賞しているのであれば、第3停止操作時に中リール40Cの「赤7」図柄が表示窓21内に表示されていないタイミングで、中ストップスイッチ37Cを停止操作すれば、再度、入賞06および入賞07が重複入賞してしまうのを回避することができる。
なお、1BB遊技中に既に一度入賞06および入賞07が重複入賞している状況で、入賞-Aまたは入賞-Bの条件装置が作動したときに、右リール40Rの図柄番号6~4が表示窓21に表示されているタイミングで右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたとする。この場合、入賞-Aの条件装置が作動していたときは、図柄番号6~4が表示窓21に表示されるように右リール40Rを停止させ、入賞-Bの条件装置が作動していたときは、図柄番号4の「赤7」図柄が表示窓21内に表示されないように、右リール40Rを停止させてもよい。すなわち、リール停止制御によって入賞06および入賞07の重複入賞を回避し、いずれかの15枚役の図柄組合せを揃えるようにしてもよい。
また、入賞-Aおよび入賞-Bの条件装置に対応する図柄組合せは、操作態様(押し順、操作タイミング)に応じて入賞ライン上に揃う図柄組合せが変化する(換言すると、付与される特典やメダルの払出枚数が変動する)ものであるが、右リール40Rの少なくとも「赤7」図柄は双方で最大の有利度を得られる停止操作位置(目押しポイント)となっている。このように、双方に共通の停止操作位置を用意することで、技量の少ない遊技者にも優しい設計を提供することができ、初心者から上級者まで幅広く興趣を高めることができる。
(目押し成功時の示唆)
また、1BB遊技中に入賞-Aの条件装置が作動した場合において、第1停止操作時に図32(a)に示す各リールにおけるハッチングで囲まれた領域を表示窓21に停止表示させることができた(以下、単に「目押しに成功した」ともいう。)場合に、目押しに成功したことを示唆してもよい。示唆する方法としては効果音を発生してもよい。この場合、効果音を発生するタイミングは、目押しに成功したことが判断できたタイミングであってもよい。例えば第1実施形態で説明したように、ストップスイッチの操作が受け付けられたときに、リールの停止位置に関する情報(停止図柄番号)が主制御手段100から送信されるのであれば、副制御手段200において、受信した停止図柄番号に基づいて第1停止操作時の目押しに成功したと判断し、目押しに成功したと判断した場合、効果音を発生させてもよい。なお、目押しに成功したときに効果音を発生させる代わりに(または、効果音を発生させると共に)、画像表示装置70に「ビタ押し成功!」などのメッセージを表示したり、演出用ランプ72を特別な点灯パターンで点滅させたりしてもよい。
ここで、副制御手段200において、受信した停止図柄番号に基づいて第1停止操作時の目押しに成功したと判断した場合において、そのリールが停止する前に電源断が発生したときは、電源が復帰したときに目押しに成功したことを示唆する効果音を発生させず、入賞03の図柄組合せが揃った後、ATの遊技回数を加算することが決定された場合にそのことを報知してもよい。
上述したように、第1停止操作されたリールが停止する前に電源断が発生した場合、電源復帰後におけるリールの停止位置が、本来の定位置からずれる虞がある。この場合、第1停止操作されたストップスイッチに対応するリールの出目(リールが停止したときに表示窓21に停止表示される図柄の並び)が、図32(a)にハッチングで示した領域からずれることになり、出目からでは目押しに成功したか否かを判断できないことも起こり得る。そのような場合でも、ATの遊技回数が加算されたことを報知することで、遊技者は第1停止操作時の目押しに成功したことを知ることができる。したがって、上述したATの遊技回数が加算されたこと報知するということは、目押しに成功したことを報知しているともいえる。なお、ATの遊技回数が加算されたことのみならず、例えば、加算された遊技回数を画像表示装置70に表示してもよいし、これに加えてATの遊技回数が加算されたこと祝福するような演出(いわゆる上乗せ演出)を行ってもよい。
これに限らず、副制御手段200において、受信した停止図柄番号に基づいて第1停止操作時の目押しに成功したと判断した場合において、そのリールが停止する前に電源断が発生したときは、電源が復帰したときに目押しに成功したことを示唆する効果音を発生させてもよい。または、電源が復帰したときは効果音を発生させないが、電源復帰後に行われた第2停止操作時または第3停止操作時に効果音を発生させてもよい。
また、入賞-Aの条件装置が作動した遊技において、第1停止操作が行われたときに目押しに成功した場合、第1停止操作されたストップスイッチの種類に関わらず、目押しに成功したことを示唆する効果音を発生させてもよい。このとき、第1停止操作されたストップスイッチの種類に応じて発生する効果音の種類を異ならせてもよい。また、特定のストップスイッチ(例えば右ストップスイッチ37R)が第1停止操作された結果、目押しに成功した場合に限って目押しに成功したことを示唆する効果音を発生させてもよい。この場合、特定のストップスイッチ以外のストップスイッチが第1停止操作されたときに目押しが成功したときは、そのことを示す効果音を発生せず、入賞03の図柄組合せが揃い、ATの遊技回数が加算されたときに、加算されたことのみを報知する。これにより、遊技者は第1停止操作時に目押しに成功したことを察することはできないが、全リールが停止した後に目押しに成功していたことを知ることができる。
<1BB遊技中に入賞06および入賞07の図柄組合せを複数回揃えてしまった場合>
前述したように、本実施形態においては、1BB遊技中に15枚役を16回揃える(合計のメダル払出枚数が240枚)前に、一度だけ入賞06および入賞07の図柄組合せを同時に揃える(すなわち入賞06および入賞07を重複入賞させる)ことで、14枚のメダルを獲得すれば、1回の1BB遊技で254枚のメダルを獲得することができる。これに対して、例えば、入賞06および入賞07を2回重複入賞させてしまった場合、1回の1BB遊技で獲得できるメダルの枚数は、14枚×2回+15枚×15回=253枚となり、獲得できるメダル枚数が1枚減ってしまう。
そこで、1BB遊技中に入賞06および入賞07を複数回、重複入賞させてしまった場合は、再び最大の獲得枚数が得られる払い出し枚数となるまで、入賞-Bの条件装置が作動したときに、入賞06および入賞07が重複入賞する操作態様(図33参照)で停止操作を行うことを示唆する報知を行ってもよい。ここで、例えば、操作ミスなどにより2回目の入賞06および入賞07の重複入賞を行ってしまった場合、引き続き入賞-Bの条件装置が作動したときに、入賞06および入賞07が重複入賞する操作態様で停止操作を行うようにする。そして、14枚の払い出しを16回受けた以降は、15枚役が揃うような操作態様で停止操作を行う。これにより、14枚×16回+15枚×2回=254枚のメダルを獲得することできる。
そこで、入賞06および入賞07を2回重複入賞させてしまった場合は、14枚の払い出しを16回受けるまで、入賞-Bの条件装置が作動したときに、入賞06および入賞07が重複入賞する操作態様で停止操作を行うことを示唆する報知を行ってもよい。そして、14枚の払い出しを16回受けた後は、入賞-Bの条件装置が作動したときに15枚役を揃えることを示唆する報知を行ってもよい。また、遊技者の中には、入賞06および入賞07を2回重複入賞させてしまった場合は、14枚の払い出しを16回受けるまで、入賞-Bの条件装置が作動したときに、入賞06および入賞07が重複入賞する操作態様で停止操作を行えば、あとは15枚役を2回揃えることで1回の1BB遊技で254枚のメダルを獲得できることを認識している者もいる可能性がある。その場合、入賞-Bの条件装置が作動するごとに入賞06および入賞07が重複入賞する操作態様で停止操作を行うことを報知すると、その報知を煩わしいと感じる虞もある。そこで、14枚の払い出しを16回受けるまでは入賞-Bの条件装置が作動しても何も報知せず、14枚の払い出しを16回受け、その後、最初に入賞-Bの条件装置が作動したときに、15枚役を揃える操作態様を行うことを示唆する報知を行ってもよい。
なお、上述した各実施形態では遊技機としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、スロットマシン以外にも例えば、ぱちんこ遊技機、パロット、アレンジボール、じゃん球遊技機、カジノマシン(ストップスイッチを備えておらず、遊技者の操作に依らずリールの回転が停止するスロットマシン)などの各種遊技機にも適用可能である。