本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。なお、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、3つの連続する図柄が表示結果として透視窓3に導出表示される。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できる。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では、規定数として3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。3つのリール2L,2C,2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
筐体1a内部には、図2に示すように、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜LM4を設定している。無効ラインLM1〜LM4は、これら無効ラインLM1〜LM4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうちのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態での起動時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
特別ワークは、遊技状態を示す遊技状態フラグが格納される遊技状態格納ワークおよび内部当選フラグが格納される内部当選フラグ格納ワークを含み、設定変更状態に移行する場合にも特別ワークは初期化されることがないため、設定変更がされた場合でも設定変更前の遊技状態および内部当選フラグ(特に持越中の特別役の当選フラグ)が維持される。一方、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時には、初期化0により特別ワークも含むRAM41cの全ての領域が初期化されるので、この場合には、遊技状態および内部当選フラグも初期化されることとなる。以下では、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動する操作をRAMクリア操作とも呼ぶ。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役ともいう。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。なお、後述するBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)、CB(チャレンジボーナス)といった特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合でも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。RAM41cの所定領域には、判定値テーブルが格納されている。0〜65535の判定値の範囲内で定められた各役に対応する判定値の範囲(判定値数)は、判定値テーブルによって特定可能である。メイン制御部41は、取得した乱数値と判定値テーブルにより特定される各役の判定値の範囲とに応じて入賞を許容するか否かの判定を行う。
具体的には、内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態、および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
次に、リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L,32C,32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L,32C,32Rを336ステップ駆動させることでリール2L,2C,2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
特別役を備えた場合は次のようなリール制御を行う。たとえば、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
[第1実施形態に係るスロットマシン]
図5〜図17を参照しながら、第1実施形態に係るスロットマシン1について説明する。なお、図1〜図4を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。
[第1実施形態に係る入賞役]
図5は、第1実施形態に係る遊技状態の遷移を説明するための図である。図6および図7は、第1実施形態に係る役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。
図6を参照して、入賞役のうちの特別役について説明する。第1実施形態に係る特別役としては、ビッグボーナスであるBB1およびBB2と、レギュラーボーナスであるRB1およびRB2a〜RB2n(以下、特別役であるRB2a〜RB2nを総称してRB2と呼ぶことがある)とが設けられている。
BB1は、非内部中において入賞ラインLNに「ベル/プラム−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB1を構成する左リールの「ベル」/「プラム」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「ベル」は、各リールにおいて各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてBB1に当選したときには、他の役が優先されない限り停止操作のタイミングに関わらずBB1を入賞させることができる。なお、本実施の形態においては、小役(後述の中段ベル)や再遊技役(後述の通常リプレイ)がBB1と同時当選することがあり、この場合、小役や再遊技役がBB1よりも優先的に入賞する。BB1が入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−リプ」の文字画像(あるいは7−7−リプレイに対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BB1が入賞したときには、7揃いが外れたことを遊技者に想起させる情報が報知される。
非内部中においてBB1が入賞すると、遊技状態がBB1一般中に移行する。BB1一般中は、当該BB1一般中において払い出されたメダルの総数が360枚を超えることで終了する。
BB2は、非内部中において入賞ラインLNに「ベル/プラム−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2を構成する左リールの「ベル」/「プラム」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「リプレイ」は、各リールにおいて各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてBB2に当選したときには、他の役が優先されない限り停止操作のタイミングに関わらずBB2を入賞させることができる。なお、本実施の形態においては、小役(後述の中段ベル)や再遊技役(後述の通常リプレイ)がBB2と同時当選することがあり、この場合、小役や再遊技役がBB2よりも優先的に入賞する。BB2が入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BB2が入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。
BB2は、いわゆる貫通型のボーナスであり、非内部中においてBB2が入賞すると、非内部中における遊技状態(RT状態ともいえる)を維持したままで、BB2中の遊技が行われる。ここで、本実施の形態における貫通型のボーナスとは、小役や特別役の当選確率は変化するが、現在制御中の遊技状態におけるリプレイ当選確率は維持したままで遊技が進行するボーナスのことを意味する。BB2中は、当該BB2中において払い出されたメダルの総数が32枚を超えることで終了し、その後、再び元の非内部中におけるRT状態に戻る。
RB1は、BB1一般中における非持越中において入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。RB1を構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「ベル」は、各リールにおいて各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてRB1に当選したときには、他の役が優先されない限り停止操作のタイミングに関わらずRB1を入賞させることができる。
RB2の種類としては、RB2a〜RB2nがあり、BB1一般中における非持越中またはRB2(RB2a〜RB2n)持越中において入賞ラインLNに図6に示す各図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。各RB2に対応するリール図柄(たとえば「赤7」)は、左リールにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてRB2に当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてRB2の入賞を取りこぼすことがある。以下、各RB2(RB2a〜RB2n)について説明する。
RB2aは、BB1一般中における非持越中またはRB2持越中において入賞ラインLNに「赤7−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。RB2aを構成する左リールの「赤7」は、左リールにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてRB2aに当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてRB2aの入賞を取りこぼすことがある。具体的には、RB2aに当選した場合、左リールにおいて、「青7」、「白7」、および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第2〜4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2aの入賞を取りこぼす。RB2bに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」、「白7」、および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1,3,4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2bの入賞を取りこぼす。RB2cに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」、「青7」、および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1,2,4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2cの入賞を取りこぼす。RB2dに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」、「青7」、および「白7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1〜3操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2dの入賞を取りこぼす。RB2eに当選した場合、左リールにおいて、「白7」および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第3,4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2eの入賞を取りこぼす。RB2fに当選した場合、左リールにおいて、「青7」および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第2,4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2fの入賞を取りこぼす。RB2gに当選した場合、左リールにおいて、「青7」および「白7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第2,3操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2g入賞を取りこぼす。RB2hに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」および「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1,4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2hの入賞を取りこぼす。RB2iに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」および「白7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1,3操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2iの入賞を取りこぼす。RB2jに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」および「青7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1,2操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2jの入賞を取りこぼす。RB2kに当選した場合、左リールにおいて、「BAR」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第4操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2kの入賞を取りこぼす。RB2lに当選した場合、左リールにおいて、「白7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第3操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2lの入賞を取りこぼす。RB2mに当選した場合、左リールにおいて、「青7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第2操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2mの入賞を取りこぼす。RB2nに当選した場合、左リールにおいて、「赤7」を入賞ラインLN上に引き込む操作タイミング(後述する第1操作タイミング)でストップスイッチ8Lが操作されると、RB2nの入賞を取りこぼす。
特に、本実施の形態の場合、図3に示すように、左リール2Lにおいて黒BARがチェリーの近辺に配置されている。このため、遊技者は、チェリー(後述の中段チェリーや下段チェリー)の入賞を取りこぼさないように、左リール2Lにおいて透視窓3に黒BARが表示されたタイミングでストップスイッチ8Lを操作(いわゆる目押し)する傾向にある。なお、左リール2Lの黒BAR近辺にはスイカも配置されているため、スイカの役が設けられているときには、なおさら遊技者が黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作するようになる。
RB1およびRB2は、BB1一般中に限り当選可能である。BB1一般中にRB1が当選したときには、停止操作のタイミングに関わらずRB1が入賞するため、必ずRB1中へと遊技状態が移行する。この場合、BB1一般中においてRB1中での遊技が行われる。RB1中において2ゲーム消化すると、再びBB1一般中における非持越中に遊技状態が移行する。BB1一般中にRB2が当選したときには、停止操作のタイミングに応じてRB2が入賞する。RB2が入賞すると、RB2中へと遊技状態が移行する。この場合、BB1一般中においてRB2中での遊技が行われる。RB2中において2ゲーム消化すると、再びBB1一般中における非持越中に遊技状態が移行する。一方、RB2が当選した場合にRB2の入賞を取りこぼしたときには、RB2持越中へと遊技状態が移行する。この場合、BB1一般中においてRB2持越中での遊技が行われる。RB2持越中においてRB2が入賞すると、RB2中へと遊技状態が移行する。なお、RB1およびRB2は、BB1一般中に限り当選可能であるものに限らず、その他の遊技状態においても当選可能であってもよい。また、この場合、BB1一般中においては、その他の遊技状態よりもRB1およびRB2の当選確率が高まってもよい。
次に、図7を参照して、入賞役のうちの小役および再遊技役について説明する。小役には、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、1枚ベル9、1枚1、1枚2、中段ベル、右上がりベル、下段ベル、中段チェリー、および下段チェリーが含まれる。また、再遊技役には、通常リプレイが含まれる。
なお、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、および1枚ベル9を1枚ベルともいい、1枚1および1枚2を1枚役ともいう。
1枚ベルの各々は、単独では左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している1枚ベルに入賞しないが、同時に当選する役の種類によっては、いずれかの役が入賞する。たとえば、1枚ベル1Aを構成する左リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、1枚ベル1Aを構成する中リールの「チェリーa」、および右リールの「白7」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において1枚ベル1Aに当選していても、中リール、右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している1枚ベル1Aに入賞しない。しかし、1枚ベルの全て(以下、全1枚ベルともいう)が同時に当選したときには、左リールの「リプレイ」、中リールの「チェリーa」/「チェリーb」/「プラム」、右リールの「白7」/「チェリーa」/「BAR」/「プラム」が各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において全1枚ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらずいずれかの役を入賞させることができる。1枚ベルの各々が入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せ(左リールにおいては「ベル」以外にも「青7」または「白7」が揃うこともある)が上段、すなわち無効ラインLM1に揃い、メダルが1枚払い出される。
1枚役の各々は、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、1枚ベル1を構成する左リールの「プラム」/「スイカ」、中リールの「ベル」、および右リールの「赤7」/「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において1枚ベル1に当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず1枚ベル1を入賞させることができる。1枚役の各々が入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
中段ベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、中段ベルを構成する左リールの「ベル」/「リプレイ」、中リールの「ベル」、および右リールの「ベル」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において中段ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず中段ベルを入賞させることができる。中段ベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
右上がりベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、右上がりベルを構成する左リールの「プラム」/「スイカ」、中リールの「ベル」、および右リールの「白7」/「チェリーa」/「BAR」/「プラム」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において右上がりベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず右上がりベルを入賞させることができる。右上がりベルが入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せ(左リールにおいては「ベル」以外にも「青7」または「白7」が揃うこともある)が右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。右上がりベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
下段ベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、下段ベルを構成する左リールの「プラム」/「スイカ」、中リールの「白7」/「BAR」/「リプレイ」/「チェリーa」/「チェリーb」/「プラム」、および右リールの「赤7」/「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において下段ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず下段ベルを入賞させることができる。下段ベルが入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せ(左リールにおいては「ベル」以外にも「青7」または「白7」が揃うこともある)が下段、すなわち無効ラインLM2に揃う。下段ベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
中段チェリーは、左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ入賞しない。たとえば、中段チェリーを構成する左リールの「チェリーa」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において中段チェリーに当選していても、左リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している中段チェリーを入賞させることができない。中段チェリーが入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
下段チェリーは、左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ入賞しない。たとえば、下段チェリーを構成する左リールの「BAR」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している下段チェリーを入賞させることができない。下段チェリーが入賞したときには、「チェリー」の図柄が左リールの下段に導出される。下段チェリーが入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
通常リプレイは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、中段リプレイを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において中段リプレイに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず中段リプレイを入賞させることができる。中段リプレイが入賞したときには、リプレイゲームが付与される。
[第1実施形態に係る抽選対象役]
図8は、第1実施形態に係る抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。なお、入賞役の“+”は、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを意味する。
内部抽選の対象役には、押し順ベルA1、押し順ベルA2、押し順ベルA3、押し順ベルB1、押し順ベルB2、押し順ベルB3、押し順ベルC1、押し順ベルC2、押し順ベルC3、押し順ベルD1、押し順ベルD2、押し順ベルD3、弱チェリー、強チェリー、1枚役、ボーナス中押し順ベル、通常リプレイ、BB1重複a、BB1重複b、BB2重複a、BB2重複b、BB2単独、RB1、およびRB2A〜RB2P(以下、内部抽選の対象役であるRB2A〜RB2Pを総称してRB2と呼ぶことがある)が含まれる。
図8に示すように、各抽選対象役は、所定の役のみが単独で抽選されるか、あるいは複数の役が同時に抽選される。たとえば、押し順ベルA1は、中段ベル+1枚ベル1A+1枚ベル1B+1枚ベル4A+1枚ベル4B+1枚1の組合せである。また、ボーナス中押し順ベルは、中段ベル+右上がりベル+下段ベルの組合せである。さらに、BB1は、中段ベルまたは通常リプレイと同時にしか当選しない。具体的には、BB1の抽選対象役としては、BB1重複aおよびBB1重複bのみが設けられており、BB1重複aは、BB1+中段ベルの組合せであり、BB1重複bは、BB1+通常リプレイの組合せである。一方、BB2は、中段ベルまたは通常リプレイと同時に当選することも、単独で当選することもある。具体的には、BB2の抽選対象役としては、BB2重複a、BB2重複b、およびBB2単独が設けられており、BB2重複aは、BB2+中段ベルの組合せであり、BB2重複bは、BB2+通常リプレイの組合せであり、BB2単独は、BB2の単独当選である。RB1は、単独で当選する。一方、RB2は、中段ベルまたは通常リプレイと同時に当選することも、単独で当選することもある。具体的には、RB2の抽選対象役としては、RB2A、RB2B、RB2C、RB2D、RB2E、RB2F、RB2G、RB2H、RB2I、RB2J、RB2K、RB2L、RB2M、RB2N、RB2O、およびRB2Pが設けられており、RB2A、RB2B、RB2C、RB2D、RB2E、RB2F、RB2G、RB2H、RB2I、RB2J、RB2K、RB2L、RB2M、およびRB2Nは単独で当選し、RB2Oは、RB2d+中段ベルの組合せであり、RB2Pは、RB2d+通常リプレイの組合せである。
ここで、BB1およびBB2のいずれにおいても、中段ベルや通常リプレイと同時当選することがある。さらに、前述したように、BB1およびBB2のいずれにおいても、中段ベルや通常リプレイと同時当選した場合には、中段ベルや通常リプレイが優先的に入賞し(本実施の形態においては中段ベルや通常リプレイが必ず入賞する)、BB1やBB2の当選は次のゲームに持ち越される。このため、中段ベルや通常リプレイが入賞することで、BB1およびBB2のいずれかに当選していることを遊技者に示唆することができる。
なお、BB1やBB2と同時当選する可能性のある中段ベルや通常リプレイを重複役とも称する。
図9は、第1実施形態に係る押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。図9に示すように、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときに、当選役のうちの最も払い出しの多い中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルが入賞する一方で、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときに、1枚ベルや1枚役が入賞したり、あるいは入賞を取りこぼしたりするようにリール制御が行われる。押し順ベルに当選したときにおいて、正解手順でリールを停止させたときに導出される小役を「主役」、不正解手順でリールを停止させたときに導出され得る小役を「副役」ともいう。
このように、押し順ベルのいずれかに当選したときには、当選役の種類に応じた操作態様(正解手順)でリールを停止させたときに、中段ベル、右上がりベル、および下段ベルのいずれかが必ず入賞し、8枚のメダルを獲得できる一方で、当選役の種類に応じた正解手順以外でリールを停止させたときに、1枚のメダルを獲得できるか、1枚もメダルを獲得できない。このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた正解手順でリールを停止させたか否かによって払い出されるメダル数の期待値が変わる。
押し順ベルのいずれかに当選しても、その種類が分からなければ正解手順を意図的に選択することはできず、正解手順でリールを停止させることができれば、8枚のメダルを確実に獲得できるものの、正解手順でリールを停止させることができなければ、メダルが獲得できても1枚のみであり、メダルを1枚も獲得できないこともある。
但し、詳しくは後述するが、本実施の形態においては、当選している状況に応じて、押し順ベルに当選したときに、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御も行われる。たとえば、非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順が正解手順でなければ主役を入賞させることができないが、RB2持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようにリール制御が行われる。
なお、主役を入賞させるためのストップスイッチの操作手順が報知されるAT(アシストタイム)に制御されるものであってもよい。
また、ボーナス中押し順ベルは、主役のみが同時当選しているため、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ずいずれかの主役が入賞するようになっている。
[第1実施形態に係る内部抽選の判定値数]
図10は、第1実施形態に係る遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。図10に示すように、内部抽選の対象となる役の各々に対して判定値数が設定されている。なお、図10においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に判定値数を示す。○印は抽選対象役となることを意味する。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数である。なお、設定値に応じて判定値数を変化させてもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1では、判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「2000」が設定されている抽選対象役の当選確率は、2000/65536となる。
第1実施形態では、大きく分けて非内部中とBB1一般中との間で遊技状態が遷移する。非内部中には、不利RTと、有利RTとが含まれる。また、BB1一般中には、非持越中と、RB2持越中と、RB1中と、RB2中とが含まれる。各役に対応する判定値の範囲は、RAM41cの所定領域に格納された判定値テーブルにより特定可能である。RAM41cには、非内部中における不利RT用の判定値テーブルと、非内部中における有利RT用の判定値テーブルと、BB1一般中における非持越中用の判定値テーブルと、BB1一般中におけるRB2持越中用の判定値テーブルと、BB1一般中におけるRB1中用の判定値テーブルと、BB1一般中におけるRB2中用の判定値テーブルと、BB2中における不利RT用の判定値テーブルと、BB2中における有利RT用の判定値テーブルとが記憶されている。メイン制御部41は、制御中の遊技状態の種類に応じた判定値テーブルを用いて、判定値の範囲を特定し、内部抽選を実行する。
非内部中について、不利RTおよび有利RTのいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が約1/2.7である。一方、不利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/7.3であり、かつハズレになることがあるのに対して、有利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/3であり、かつハズレになることがない。
また、非内部中においては、BB1およびBB2のいずれかに当選する確率のうち、BB2が単独当選する確率は約75%であるのに対して、BB1およびBB2のいずれかが重複役と同時当選する確率は約25%である。具体的には、BB1重複aと、BB1重複bと、BB2重複aと、BB2重複bと、BB2単独との当選確率の合算を100%とすると、そのうち、BB1重複aと、BB1重複bと、BB2重複aと、BB2重複bとの当選確率の合算は約75%になり、BB2単独の当選確率は約25%になる。つまり、BB1およびBB2のいずれかに当選したゲームのうち、大部分においてはそのゲームでBB2が入賞するが、約4回に1回はそのゲームで重複役が入賞する。そして、重複役が入賞した場合、入賞結果に基づきBB1やBB2の当選を遊技者が認識できないようになっている。
また、非内部中においては、BB1やBB2が重複役と同時当選する確率のうち、BB1に当選する確率は約30%であるのに対して、BB2に当選する確率は約70%である。具体的には、BB1重複aと、BB1重複bと、BB2重複aと、BB2重複bとの当選確率の合算を100%とすると、そのうち、BB1重複aと、BB1重複bとの当選確率の合算は約30%になり、BB2重複aと、BB2重複bとの当選確率の合算は約70%になる。つまり、重複役に入賞したときには、たまにBB1に当選していることもあるが、大抵はBB2に当選している。このため、重複役に入賞したときには、BB1よりもBB2に当選していることを遊技者に期待させることができる。
BB1一般中について、非持越中およびRB2持越中のいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が約1/2.7である。一方、非持越中においては、リプレイの当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB2持越中においては、リプレイの当選確率が約1/3である。なお、非持越中においては、RB1の当選確率が約1/16であり、RB2(RB2A〜RB2P)の当選確率が約1/400であるが、RB2持越中はRB2の当選を持ち越した状態であるため、RB1およびRB2のいずれも当選することがない。
RB1中においては小役の当選確率が非持越中やRB2持越中よりも高まる。具体的に、RB1中においては、払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの当選確率が約1/1.8、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルの当選確率が約1/8であり、小役の当選確率が高くなっている。また、RB1中においては、リプレイの当選確率は約1/7.3である。さらに、RB1中であるため、RB1には当選することがないが、RB2には約1/400の当選確率で当選することがある。
RB2中においては小役の当選確率が非持越中やRB2持越中よりも高まる。具体的に、RB2中においては、払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの当選確率が約1/1.8、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルの当選確率が約1/8であり、小役の当選確率が高くなっている。また、RB2中においては、リプレイの当選確率は約1/7.3である。さらに、RB2中においては、RB2に限らずRB1にも当選することがない。
BB2は貫通型のボーナスであるため、BB2中においては、非内部中における不利RTまたは有利RTを引き継ぐ。また、BB2中においては小役の当選確率が高まる。具体的に、BB2中においては、不利RTおよび有利RTのいずれにおいても、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルの当選確率が約1/1.5であり、小役の当選確率が高くなっている。一方、不利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/7.3であり、かつハズレになることがあるのに対して、有利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/3であり、かつハズレになることがない。
[第1実施形態に係る遊技状態の遷移]
図5および図10を参照しながら、第1実施形態に係る遊技状態の遷移について説明する。
まず、BB1一般中の非持越中において約1/16といった比較的高確率でRB1が当選した場合、必ずRB1が入賞してRB1中へと遊技状態が移行する。RB1中においては、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルよりも払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの方が高い確率で当選し、かつリプレイ当選確率も高くないため(約1/7.3)、2ゲーム消化する間の純増枚数は減る。このため、RB1中においては、払出率が1未満になる。RB1中の遊技が終了すると、非持越中へと遊技状態が移行し、再びRB1が比較的高確率で当選することで非持越中とRB1中との間で遊技状態が遷移する。これにより、純増枚数が減り続けることになる。
一方、BB1一般中の非持越中において約1/400といった低確率で運良くRB2(RB2A〜RB2P)が当選した場合、遊技者が当選しているRB2の入賞を取りこぼす取りこぼし図柄(たとえば、RB2K当選時では黒BAR。詳しくは後述する)を狙ってストップスイッチ8Lを操作する限りRB2の入賞を取りこぼし、RB2持越中へと遊技状態が移行する。一方、遊技者が取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作しなければ、RB2が入賞してRB2中へと遊技状態が移行する。RB2中においては、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルよりも払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの方が高い確率で当選し、かつリプレイ当選確率も高くないため(約1/7.3)、2ゲーム消化する間の純増枚数は減る。このため、RB2中においては、払出率が1未満になる。RB2中の遊技が終了すると、非持越中へと遊技状態が移行し、再びRB1が比較的高確率で当選することで非持越中とRB1中との間で遊技状態が遷移する。これにより、純増枚数が減り続けることになる。
このように、BB1一般中では大部分のゲームで1枚払い出しとなるため、全体的なメダルの払出率は1を超えることがない。
ここで、「取りこぼし図柄」について以下説明する。RB2A当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄(指標図柄)は、白7、青7、およびBARである。RB2B当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7、白7、およびBARである。RB2C当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7、青7、およびBARである。RB2D当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7、青7、および白7である。RB2E当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、白7およびBARである。RB2F当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、青7およびBARである。RB2G当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、青7および白7である。RB2H当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7およびBARである。RB2I当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7および白7である。RB2J当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7および青7である。RB2K当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、BARである。RB2L当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、白7である。RB2M当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、青7である。RB2N当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7である。RB2O当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7、青7、白7、およびBARである。すなわち遊技者がいずれの図柄を狙ってもRB2入賞を取りこぼす。RB2P当選時においてRB2入賞を取りこぼす際に遊技者が狙う取りこぼし図柄は、赤7、青7、白7、およびBARである。すなわち遊技者がいずれの図柄を狙ってもRB2入賞を取りこぼす。
なお、RB1中やRB2中においては、賭数をメダル2枚に変更し、2ゲーム中においては必ず2枚のメダルが払い出されるものであってもよい。すなわち、RB1中やRB2中においては、純増枚数が0枚であってもよい。
RB2持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われる。具体的に、RB2持越中に押し順ベルが当選したときには、非持越中に押し順ベルに当選したときとは異なり、RB2が同時当選することになる。つまり、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB2持越中に押し順ベルが当選したときとでは、内部当選フラグが異なる。このことを利用して、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB2持越中に押し順ベルが当選したときとでリール制御を異ならせるようにした。
非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役を入賞させるのに対して、不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。一方、RB2持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御が行われる。
さらに、非持越中においては、リプレイ当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB2持越中においては、リプレイ当選確率が約1/3である。これにより、RB2持越中は、非持越中よりも所有するメダルを減らすことなく、かつ主役の入賞によって純増枚数を増やすことができる。実際、非持越中においては、純増枚数が1未満であるのに対して、RB2持越中においては、純増枚数が1以上となる。
なお、RB2持越中においては、約1/3.7の確率でハズレになり、ハズレの場合はRB2が単独当選した状態になる。その結果、RB2に入賞してしまうこともある。しかし、遊技者が取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作する限りRB2の入賞を取りこぼすため、遊技状態は概ねRB2持越中に維持される。なお、RB2持越中において、内部抽選でハズレにならないように判定値数が設定されていてもよい。このようにすれば、一旦、RB2持越中に遊技状態が制御されると、当該RB2持越中において遊技状態を維持することができる。
BB1一般中(非持越中、RB2持越中、RB1中、RB2中)において、360枚を超えてメダルが払い出されると、非内部中へと遊技状態が移行する。ここで、BB1一般中が終了して非内部中へと遊技状態が遷移する経路としては、ルート1と、ルート2とがある。ルート1は、遊技状態がRB2持越中に制御されているときにBB1一般中が終了した場合の経路であり、ルート2は、遊技状態がRB2持越中以外の遊技状態に制御されているときにBB1一般中が終了した場合の経路である。ルート1の経路でBB1一般中が終了した場合、非内部中の有利RTへと遊技状態が移行する。一方、ルート2の経路でBB1一般中が終了した場合、非内部中の不利RTへと遊技状態が移行する。
非内部中の有利RTは、BB1一般中のRB2持越中と同様に、リプレイ当選確率が1/3である。つまり、ルート1の経路では、リプレイ当選確率は維持されたままで遊技状態が遷移する。また、非内部中の有利RTは、BB1一般中のRB2持越中と同様に、押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御が行われる。
非内部中の不利RTは、BB1一般中の非持越中と同様に、リプレイ当選確率が1/7.3である。つまり、ルート2の経路もルート1の経路と同様に、リプレイ当選確率は維持されたままで遊技状態が遷移する。また、非内部中の不利RTは、BB1一般中の非持越中と同様に、押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役を入賞させるのに対して、不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。
非内部中の有利RTおよび不利RTともに、貫通型のボーナスであるBB2が入賞すると、リプレイ当選確率が維持されたままでBB2中の遊技が行われる。有利RTおよび不利RTともに、BB2中においては、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルが約1/1.5といった高確率で当選し、かつ払い出しが1枚となる1枚役や1枚ベルには当選しない。このため、BB2中においては、払い出されるメダルは必ず8枚になる。よって、メダルの払い出しが5回行われるとBB2が終了する(すなわち、払い出しが32枚を超える)。
このように、BB2中は大部分のゲームで8枚払い出しとなるため、全体的なメダルの払出率は1以上あるいは1を超える。
一方、非内部中の有利RTおよび不利RTともに、BB1が入賞すると、再びBB1一般中へと遊技状態が移行する。ここで、非内部中の有利RTおよび不利RTともに、BB1の当選確率(BB1重複aおよびBB1重複bの合算確率)よりも、BB2の当選確率(BB2重複a、BB2重複b、およびBB単独の合算確率)の方が高い。このため、非内部中の有利RTおよび不利RTともに、BB1よりも高い確率でBB2が当選し、その度に32枚以上のメダルを獲得することができる。よって、非内部中の有利RTおよび不利RTともに、払出率が1以上になる。
さらに、BB2は貫通型のボーナスであるため、有利RTにおいて行われたBB2は、不利RTにおいて行われたBB2よりも、リプレイ当選確率が高い。実際、不利RTにおいて行われたBB2は、リプレイ当選確率が約1/7.3であり、その分、ハズレになることがあるのに対して、有利RTにおいて行われたBB2は、リプレイ当選確率が約1/3であり、ハズレになることがない。このため、有利RTは、不利RTよりも、純増枚数が多くなり、最も有利な状態である。
以上のように、第1実施形態では、遊技者は、まず非持越中において取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作し続ける。非持越中とRB1中との間で遊技状態が遷移することで純増枚数が減り続けるが、運良くRB2が当選すると、RB2持越中へと遊技状態を移行させることができる。RB2持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われることにより、押し順ベル当選時に純増枚数を増やして払出率を1以上に維持することができる。
RB2持越中においてBB1一般中の終了条件が成立すると、非内部中における有利RTへと遊技状態が移行する。また、RB2持越中以外においてBB1一般中の終了条件が成立すると、非内部中における不利RTへと遊技状態が移行する。
非内部中においては、BB1よりも高い確率で貫通型のBB2に入賞する。このため、非内部中においては、BB1に入賞するまで、非内部中とBB2中との間で遊技状態が遷移し、純増枚数が増え続け、払出率は1を超える。BB1に入賞すると、再びBB1一般中へと遊技状態が移行して、所謂、通常状態に戻り、再び払出率が1未満となる。
このように、非内部中においては、BB1に入賞すれば、払出率が1を超えないBB1一般中に遊技状態が移行する一方で、BB2に入賞すれば、払出率が1を超える非内部中に遊技状態を継続させることができる。このため、遊技者は、非内部中において重複役が入賞した場合、BB1よりもBB2に当選していることを期待することになる。
[期待演出]
図11および図12を参照しながら、期待演出について説明する。図11は、期待演出の演出内容およびその選択確率について説明するための図であり、図12は、期待演出の流れについて説明するための図である。
本実施の形態においては、BB1重複a、BB1重複b、BB2重複a、BB2重複b、およびBB2単独のいずれかに当選したときに、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91が期待演出を実行する。期待演出には、BB1重複演出と、BB2重複演出と、BB2単独演出とが含まれる。
具体的には、図11および図12に示すように、非内部中の内部抽選によりBB1重複aおよびBB1重複bのいずれかに当選した場合には、100%の確率でBB1重複演出が実行される。BB1重複演出が実行されると、まず重複役の入賞後に継続バトル演出に突入して味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う演出画像が液晶表示器51に表示される。そして、継続バトル演出中のその後のゲームでBB1に入賞すると、「7−7−リプ」の文字画像(あるいは7−7−リプレイに対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されるとともに、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出画像と「継続失敗」の文字画像とが液晶表示器51に表示される。その後は、遊技状態がBB1一般中に移行する。
非内部中の内部抽選によりBB2重複aおよびBB2重複bのいずれかに当選した場合には、100%の確率でBB2重複演出が実行される。BB2重複演出が実行されると、BB1重複演出と同様に、まず重複役の入賞後に継続バトル演出に突入して味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う演出画像が液晶表示器51に表示される。そして、継続バトル演出中のその後のゲームでBB2に入賞すると、BB1重複演出とは異なり、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されるとともに、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出画像と「継続成功」の文字画像とが液晶表示器51に表示される。その後は、遊技状態が非内部中を継続したままでBB2に突入する。
非内部中の内部抽選によりBB2単独に当選した場合には、100%の確率でBB2単独演出が実行される。BB2単独演出が実行されると、BB2単独に当選したゲーム内で7を狙え演出が実行され、「逆押しで7を狙え」の文字画像が液晶表示器51に表示される。そして、そのゲーム内で遊技者が7を狙ってリールを停止させることでBB2に入賞すると、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されるとともに、「継続確定」の文字画像が液晶表示器51に表示される。その後は、遊技状態が非内部中を継続したままでBB2に突入する。
このように、非内部中において重複役に当選したときには、BB1やBB2よりも優先的に重複役が入賞するため、この時点では、遊技者は、BB1およびBB2のいずれが当選しているのか認識することができない。さらに、BB1およびBB2のいずれが当選していても、重複役が入賞したときには継続バトル演出に突入する。継続バトル演出では、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで、遊技者にとって有利な非内部中を維持することができるため、遊技者に継続バトル演出の結果に注目させることができる。また、重複役に入賞したときには、BB1よりもBB2に当選している確率が高いため、一旦継続バトル演出に突入すると、BB1よりもBB2に当選していることを遊技者に期待させることができる。具体的には、継続バトル演出に突入すると、70%の勝率で味方キャラクタが敵キャラクタに勝利して、非内部中の継続が確定する。その一方で、約30%という低い確率ではあるが、BB1に当選している可能性もあるため、一旦継続バトル演出に突入すると、遊技者はBB1に当選しないことを願って継続バトル演出の結果に注目することになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、7を狙え演出が実行されたときには、BB2に単独当選していることを遊技者に確定的に報知することができるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
[取りこぼし操作タイミング]
図13〜図17を参照しながら、取りこぼし操作タイミングについて説明する。先に説明したように、BB1一般中の非持越中において、RB2(RB2a〜RB2n)に当選したとき、RB2入賞を取りこぼすことによって遊技者にとって有利な状態であるRB2持越中に制御される(図6、図7参照)。RB2持越中の状態のままBB1が終了すると、非内部中に遊技状態が移行し、有利者にとって有利な状態である有利RTにさらに制御される。このように、RB2入賞を取りこぼすことで遊技者にとって有利な状態になる。以下、RB2当選時にRB2の入賞を取りこぼすためのストップスイッチ8Lにおける操作タイミング(取りこぼし操作タイミングともいう)について説明する。
図13は、左リールのリール配列と取りこぼし操作タイミングについて示す図である。前述のとおり、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、ストップスイッチ8Lの操作によって、リール2Lの回転が停止して図柄が停止表示される。このとき、リール2Lにおいて、ストップスイッチ8Lが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄まで引き込まれる。
図13では、取りこぼし操作タイミングとして、第1操作タイミング〜第4操作タイミングを示している。第1操作タイミングは、RB2入賞図柄を構成する「赤7」を引き込むリール制御が行われるときの操作タイミングを示すものである。
第1操作タイミングは、「赤7」を含む合計5コマ分の図柄である15〜20番図柄が入賞ラインLN上に表示されたタイミングでストップスイッチ8Lが操作されるタイミングである。「赤7」を構成図柄に持つRB2が当選したときに、第1操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「赤7」が引き込まれて表示される。一方、「赤7」を構成図柄に持たないRB2が当選したときに、第1操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「赤7」が引き込まれない。この場合、当該「赤7」を構成図柄に持たないRB2の入賞は取りこぼす。
第2操作タイミングは、「青7」を含む合計5コマ分の図柄である10〜14番図柄が入賞ラインLN上に表示されたタイミングでストップスイッチ8Lが操作されるタイミングである。「青7」を構成図柄に持つRB2が当選したときに、第2操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「青7」が引き込まれて表示される。一方、「青7」を構成図柄に持たないRB2が当選したときに、第2操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「青7」が引き込まれない。この場合、当該「青7」を構成図柄に持たないRB2の入賞は取りこぼす。
第3操作タイミングは、「白7」を含む合計5コマ分の図柄である5〜9番図柄が入賞ラインLN上に表示されたタイミングでストップスイッチ8Lが操作されるタイミングである。「白7」を構成図柄に持つRB2が当選したときに、第3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「白7」が引き込まれて表示される。一方、「白7」を構成図柄に持たないRB2が当選したときに、第3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「白7」が引き込まれない。この場合、当該「白7」を構成図柄に持たないRB2の入賞は取りこぼす。
第4操作タイミングは、「BAR」を含む合計5コマ分の図柄である0〜4番図柄が入賞ラインLN上に表示されたタイミングでストップスイッチ8Lが操作されるタイミングである。「BAR」を構成図柄に持つRB2が当選したときに、第4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「BAR」が引き込まれて表示される。一方、「BAR」を構成図柄に持たないRB2が当選したときに、第4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されると、入賞ラインLN上に「BAR」が引き込まれない。この場合、当該「BAR」を構成図柄に持たないRB2の入賞は取りこぼす。
このように、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じて「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれを引き込めるかについて異ならせることができる。RB2Aに当選した場合、第2〜4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Bに当選した場合、第1,3,4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Cに当選した場合、第1,2,4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Dに当選した場合、第1〜3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Eに当選した場合、第3,4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Fに当選した場合、第2,4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Gに当選した場合、第2,3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Hに当選した場合、第1,4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Iに当選した場合、第1,3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Jに当選した場合、第1,2操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Kに当選した場合、第4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Lに当選した場合、第3操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Mに当選した場合、第2操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Nに当選した場合、第1操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。RB2Oに当選した場合、第1〜4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。すなわち、いかなるタイミングでストップスイッチ8Lが操作されてもRB2の入賞を取りこぼす。RB2Pに当選した場合、第1〜4操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されるとRB2の入賞を取りこぼす。すなわち、いかなるタイミングでストップスイッチ8Lが操作されてもRB2の入賞を取りこぼす。
[択数当てチャンス]
RB2に当選すると、遊技者がどの図柄を狙うかを選択する「択数当てチャンス」が実行される。遊技者は、有利な遊技状態に移行するために、RB2の入賞を取りこぼし可能な図柄を狙うことになる。狙うべき図柄は「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の4種類あり、このうち1図柄が取りこぼし図柄である場合を「1/4チャンス」、2図柄が取りこぼし図柄である場合を「2/4チャンス」、3図柄が取りこぼし図柄である場合を「3/4チャンス」、全ての図柄が取りこぼし図柄である場合を「100%チャンス」という。
つまり、RB2A〜RB2Dのいずれかに当選したときには取りこぼし図柄が3種類あるため、3/4チャンスが実行される。RB2E〜RB2Jのいずれかに当選したときには取りこぼし図柄が2種類あるため、2/4チャンスが実行される。RB2K〜RB2Nのいずれかに当選したときには取りこぼし図柄が1種類あるため、1/4チャンスが実行される。RB2OまたはRB2Pに当選したときには取りこぼし図柄が4種類あるため、100%チャンスが実行される。
図13に示したように、RB2の引き込みに関し、「赤7」を引き込む第1操作タイミング、「青7」を引き込む第2操作タイミング、「白7」を引き込む第3操作タイミング、「BAR」を引き込む第4操作タイミングがある。これらが入賞図柄を構成しない場合は、RB2を取りこぼすこととなる。
ここで、まず「1/4チャンス」について説明する。たとえば、「赤7」、「青7」、「白7」が入賞図柄を構成している場合(RB2Kに当選)、「BAR」を狙ってストップスイッチ8Lを操作すれば(目押しをすれば)、RB2の入賞を取りこぼすことになる。つまり、取りこぼし可能となるのは、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の4図柄のうち「BAR」の1図柄である。このため、遊技者にとって取りこぼしを発生させるためいずれかの図柄を狙って目押しをする場合、1/4の確率で取りこぼしが発生することになる。
次に「2/4チャンス」について説明する。たとえば、「赤7」、「青7」が入賞図柄を構成している場合(RB2Eに当選)、「白7」、「BAR」を狙ってストップスイッチ8Lを操作すれば(目押しをすれば)、RB2の入賞を取りこぼすことになる。つまり、取りこぼし可能となるのは、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の4図柄のうち「白7」、「BAR」の2図柄である。このため、遊技者にとって取りこぼしを発生させるためいずれかの図柄を狙って目押しをする場合、2/4の確率で取りこぼしが発生することになる。
次に「3/4チャンス」について説明する。たとえば、「赤7」が入賞図柄を構成している場合(RB2Aに当選)、「青7」、「白7」、「BAR」を狙ってストップスイッチ8Lを操作すれば(目押しをすれば)、RB2の入賞を取りこぼすことになる。つまり、取りこぼし可能となるのは、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の4図柄のうち「青7」、「白7」、「BAR」の3図柄である。このため、遊技者にとって取りこぼしを発生させるためいずれかの図柄を狙って目押しをする場合、3/4の確率で取りこぼしが発生することになる。
次に「100%チャンス」について説明する。RB2Oに当選した場合は、RB2dと中段ベルに同時入賞し、RB2Pに当選した場合は、RB2dと通常リプレイに同時入賞する。たとえば、RB2Oに当選した場合は、中段ベルの図柄をRB2よりも優先的に入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。中段ベルにおいては、100%引き込み可能な「ベル/リプレイ−ベル−ベル」の図柄で構成されているため、中段ベルは必ず入賞する。その結果、いずれの図柄を目押ししたとしても、100%の確率で取りこぼしが発生することになる。
[1/4チャンス]
図14は、BB一般中の非持越中において、RB2K当選時(「1/4チャンス」発生時)の取りこぼし操作タイミングについて説明する図である。スタートスイッチ7を操作し、内部抽選によりRB2Kに当選すると1/4チャンスが発生する。具体的には、メイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したサブ制御部91は、RB2Kに当選したことを特定し、それに基づき液晶表示器51やスピーカ53,54を制御することで1/4チャンス演出を実行する。このとき、図14(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作により、透視窓3から見える各リール2L,2C,2Rは回転を開始する。また、液晶表示器51の画面の中央には「?」が表示され、その周りを回転するように「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の画像が表示される。これにより、遊技者は、RB2が当選したことを認識することができる。ただし、遊技者は、当選しているRB2の種類まで特定できないので、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」いずれかの図柄を狙って停止させようとする。遊技者が狙って目押しした図柄が取りこぼし図柄であった場合は、有利な状態であるRB2持越し中へと遊技状態が遷移する。
図6および図8に示すように、RB2Kに当選した場合は、入賞ラインLNに「赤7/青7/白7−チェリー/プラム−ベル」の組合せが揃ったときに入賞役であるRB2kに入賞する。つまり、左リールにおいて、赤7、青7、白7を狙って停止させた場合(第1〜3操作タイミング)は、中リールのチェリー/プラムおよび右リールのベルは、100%引き込みが行われるため、RB2kに入賞するとともに、RB2へと遊技状態が移行する。その一方で、左リールにおいて、黒BARを狙って停止させた場合(第4操作タイミング)は、RB2kに入賞せず取りこぼしが発生するため、有利状態であるRB2持越し中へと遊技状態が遷移する。すなわち、赤7、青7、白7、BARのうち、任意の図柄を狙って停止させた場合、1/4の確率(BAR狙い)で有利な状態へ移行することになる。
どの図柄を狙って停止させるかは、原則としては、遊技者任せであり運任せになる。しかし、示唆演出として狙うべき図柄を表示させることもある。ここでは、示唆演出として、液晶表示器51の左部に黒い星印の「黒キャラ」が表示されることがある。これは、黒色の「BAR」を狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、BARを狙うことにより取りこぼしを発生させることができる。
また、遊技補助表示器12には、メイン制御部41の制御によって「73」が表示される。詳しくは後述するが、「73」の表示は、図17に示すように、当選役RB2Kに対応する指示ナビの態様として「73」を表示するものである。ここで左側の「7」は、「7(赤7、青7、白7のいずれかまたは複数)」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものであり、「3」は該当する図柄が3つ(つまり赤7、青7、白7の全て)であることを示唆するものである。
図14(b)に示すように、黒BARを狙って左リールを停止させた場合(第4操作タイミング)、透視窓3のリール2Lには「BAR」が表示され、液晶表示器51には「BARを狙え!」が表示される。これは、BARを狙って揃えることにより、取りこぼしが発生する可能性があることを示唆するものである。
図14(d)に示すように、遊技者はさらにBARを狙ってBARを揃えると、液晶表示器51には「勝利!」が表示され、取りこぼしにより有利状態であるRB2持越し中(連チャン準備ゾーン)へと遊技状態が遷移することを示唆している。ただし、左リールに赤7、青7、白7を引き込まず、取りこぼしが発生しさえすれば、RB2持越し中へと遊技状態が移行するため、実際にはBARを揃える必要はない。
図14(c)に示すように、白7を狙って左リールを停止させた場合(第3操作タイミング)、透視窓3のリール2Lには「白7」が表示され、液晶表示器51には「白7を狙え!」が表示される。これは、白7を狙って揃えることにより、取りこぼしが発生する可能性があることを示唆するものである。
図14(e)に示すように、遊技者はさらに白7を狙って白7を揃えようとする。しかし、実際には、左リールに白7を引き込んだ場合には、「白7−チェリー/プラム−ベル」の組合せを引き込む制御が行われる。この時、中リールにはチェリーまたはプラムが100%引き込まれ、右リールにはベルが100%引き込まれることになる。この場合、RB2(RB2k)に入賞するため、RB2中へと状態が移行する。そして、中リールにプラムを引き込んだ場合、透視窓3のリール2L,2C,2Rには「BAR−プラム−ベル」が表示される。液晶表示器51には取りこぼしが発生しなかったことを示唆する「残念!」が表示される。なお、図14(c)に示す例において、第2操作タイミングまたは第3操作タイミングでストップスイッチ8Lを操作した場合にも、RB2が入賞するため、図14(e)に示す例と同様に「残念!」の文字画像が液晶表示器51に表示される。
[3/4チャンス]
図15は、BB一般中の非持越中において、RB2A当選時(「3/4チャンス」発生時)の取りこぼし操作タイミングについて説明する図である。スタートスイッチ7を操作し、内部抽選によりRB2Aに当選すると3/4チャンスが発生する。具体的には、メイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したサブ制御部91は、RB2Aに当選したことを特定し、それに基づき液晶表示器51やスピーカ53,54を制御することで3/4チャンス演出を実行する。このとき、図15(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作により、透視窓3から見える各リール2L,2C,2Rは回転を開始する。また、液晶表示器51の画面の中央には「?」が表示され、その周りを回転するように「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の画像が表示される。これにより、遊技者は、RB2が当選したことを認識することができる。ただし、遊技者は、当選しているRB2の種類まで特定できないので、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」いずれかの図柄を狙って停止させようとする。遊技者が狙って目押しした図柄が取りこぼし図柄であった場合は、有利な状態であるRB2持越し中へと遊技状態が遷移する。
図6および図8に示すように、RB2Aに当選した場合は、入賞ラインLNに「赤7−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞役であるRB2aに入賞する。つまり、左リールにおいて、赤7を狙って停止させた場合(第1操作タイミング)は、中リールのベルおよび右リールのベルは、100%引き込みが行われるため、RB2aに入賞するとともに、RB2へと遊技状態が移行する。その一方で、左リールにおいて、青7、白7、BARを狙って停止させた場合(第2〜4操作タイミング)は、RB2aに入賞せず取りこぼしが発生するため、有利状態であるRB2持越し中へと遊技状態が遷移する。すなわち、赤7、青7、白7、BARのうち、任意の図柄を狙って停止させた場合、3/4の確率(青7、白7、BAR狙い)で有利な状態へ移行することになる。
どの図柄を狙って停止させるかは、原則としては、遊技者任せであり運任せになる。しかし、示唆演出として狙うべき図柄を表示させることもある。ここでは、示唆演出として、液晶表示器51の左部に青い星印の「青キャラ」、白い星印の「白キャラ」、黒い星印の「黒キャラ」が表示されることがある。これは、青色の「青7」、白色の「白7」、黒色の「BAR」を狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、青7、白7、BARを狙うことにより取りこぼしを発生させることができる。
また、遊技補助表示器12には、「71」が表示される。詳しくは後述するが、「71」の表示は、図17に示すように、当選役RB2Aに対応する指示ナビの態様として「71」を表示するものである。ここで左側の「7」は「7(赤7、青7、白7のいずれかまたは複数)」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものであり、「1」は該当する図柄が1つ(つまり赤7、青7、白7のいずれか)であることを示唆するものである。
図15(b)に示すように、白7を狙って左リールを停止させた場合(第3操作タイミング)、透視窓3のリール2Lには「白7」が表示され、液晶表示器51には「白7を狙え!」が表示される。これは、白7を狙って揃えることにより、取りこぼしが発生する可能性があることを示唆するものである。
図15(d)に示すように、遊技者はさらに白7を狙って白7を揃えると、液晶表示器51には「勝利!」が表示され、取りこぼしにより有利状態であるRB2持越し中へと遊技状態が移行することを示唆している。ただし、左リールに赤7を引き込まず、取りこぼしが発生しさえすれば、RB2持越し中へと遊技状態が移行するため、実際には白7を揃える必要はない。なお、図15(b)に示す例において、第2操作タイミングまたは第4操作タイミングでストップスイッチ8Lを操作した場合にも、RBの入賞を取りこぼすため、図15(d)に示す例と同様に「勝利!」の文字画像が液晶表示器51に表示される。
図15(c)に示すように、赤7を狙って左リールを停止させた場合(第1操作タイミング)、透視窓3のリール2Lには「赤7」が表示され、液晶表示器51には「赤7を狙え!」が表示される。これは、赤7を狙って揃えることにより、取りこぼしが発生する可能性があることを示唆するものである。
図15(e)に示すように、遊技者はさらに赤7を狙って赤7を揃えようとする。しかし、実際には、左リールに赤7を引き込んだ場合には、「赤7−ベル−ベル」の組合せを引き込む制御が行われる。この時、中リールにはベルが100%引き込まれ、右リールにはベルが100%引き込まれることになる。この場合、RB2(RB2a)に入賞するため、RB2中へと状態が移行する。そして、透視窓3のリール2L,2C,2Rには「赤7−ベル−ベル」が表示される。液晶表示器51には取りこぼしが発生しなかったことを示唆する「残念!」が表示される。
[100%チャンス]
図16は、BB一般中の非持越中において、RB2O当選時(「100%チャンス」発生時)の取りこぼし操作タイミングについて説明する図である。スタートスイッチ7を操作し、内部抽選によりRB2Oに当選すると100%チャンスが発生する。具体的には、メイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したサブ制御部91は、RB2Oに当選したことを特定し、それに基づき液晶表示器51やスピーカ53,54を制御することで100%チャンス演出を実行する。このとき、図16(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作により、透視窓3から見える各リール2L,2C,2Rは回転を開始する。また、液晶表示器51の画面の中央には「?」が表示され、その周りを回転するように「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」の画像が表示される。これにより、遊技者は、RB2が当選したことを認識することができる。ただし、遊技者は、当選しているRB2の種類まで特定できないので、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」いずれかの図柄を狙って停止させようとする。遊技者が狙って目押しした図柄が取りこぼし図柄であった場合は、有利な状態であるRB2持越し中へと遊技状態が遷移する。
図6および図8に示すように、RB2Oに当選した場合は、RB2dと中段ベルが同時当選する。このとき、中段ベル(「ベル/リプレイ−ベル−ベル」)を引き込む制御が行われる。この場合、いずれの図柄を狙って停止させた場合でも、左リールのベル/リプレイ、中リールのベルおよび右リールのベルは100%引き込みが行われるため、必ず中段ベルに入賞することになる。その結果、RB2に入賞せず取りこぼしが発生するため、有利状態であるRB2持越し中へと遊技状態が移行する。すなわち、いずれの図柄を狙っても100%有利な状態へ移行することになる。
どの図柄を狙って停止させるかは、原則としては、遊技者任せであり運任せになる。しかし、示唆演出として狙うべき図柄を表示させることもある。ここでは、示唆演出として、液晶表示器51の左部に赤い星印の「赤キャラ」、青い星印の「青キャラ」、白い星印の「白キャラ」、黒い星印の「黒キャラ」が表示されることがある。これは、赤色の「赤7」、青色の「青7」、白色の「白7」、黒色の「BAR」を狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、赤7、青7、白7、BARを狙うことにより取りこぼしを発生させることができる。すなわち、何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができる。
また、遊技補助表示器12には、「89」が表示される。詳しくは後述するが、「89」の表示は、図17に示すように、当選役RB2Oに対応する指示ナビの態様として「89」を表示するものである。ここで左側の「8」は「BAR」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものであり、「9」は「ベル/リプレイ」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものである。本実施例においては、「9」は中段ベル(「ベル/リプレイ−ベル−ベル」が当選したことを意味するものであるため、上述のとおり、何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができることを示唆するものである。
図16(b)に示すように、赤7、青7、白7、BARのいずれを狙って左リールを停止させた場合であっても(第1〜4操作タイミング)、透視窓3のリール2Lには「ベル」または「リプレイ」が表示され(本例では「ベル」)、液晶表示器51には「勝利確定!」が表示される。これは、100%取りこぼしが発生することを示唆するものである。
図16(c)に示すように、遊技者は何を狙っても中リールに「ベル」、右リールに「ベル」が表示され、液晶表示器51には「勝利!」が表示され、取りこぼしにより有利状態であるRB2持越し中へと遊技状態が移行することを示唆している。
前述のように、BB1一般中においてRB当選した場合、RB入賞してRB2に状態遷移するよりも、取りこぼしてRB2に状態遷移する方が、遊技者にとって有利な状態となる。以下、図14〜図16の「択数当てチャンス」に沿って説明する。
BB1一般中の非持越中においては、RB2の当選確率は約1/400と低確率であるため、360枚払い出してBB1が終了するまでの大半は非持越中の状態にある。先に説明したように、非持越中においては純増枚数が減り続けることになる。ここで、運良く約1/400の確率でRB2に当選した場合は、RB2入賞してRB2の遊技状態に移行するか、RB2を取りこぼしてRB2持越中(連チャン準備ゾーン)へと遊技状態が移行する。
RB2当選時には、遊技者がどの図柄を狙うかを選択する「択数当てチャンス」が実行される。この時RB2(RB2A〜RB2P)のいずれに当選するかによって、取りこぼし確率の異なる「1/4チャンス」、「2/4チャンス」、「3/4チャンス」、「100%チャンス」が設定される。
たとえば、左リールの「赤7」、「青7」、「白7」が入賞図柄であり、「BAR」が取りこぼし図柄であったとする(1/4チャンス)。遊技者の選択により、たとえば「赤7」を狙って目押しが成功した場合、RB2入賞によりRB2の遊技状態に移行する。「BAR」を狙って目押しが成功した場合、RB2を取りこぼしてRB2持越中の遊技状態に移行する。
RB2の遊技状態に移行した場合、2ゲーム消化(払出率は1未満)すると、再び非持越中へと遊技状態が移行する。つまり、RB2に入賞した場合は、せっかく約1/400の低確率に当選したにもかかわらず、非持越中に戻ってしまい、純増枚数が減り続けることになる。
その一方で、RB2持越中(連チャン準備ゾーン)へと遊技状態が移行した場合は、先に説明したように、リプレイ当選確率が高く、押し順ベル当選時に必ず主役入賞するため、純増枚数が1以上となる。
遊技者は、取りこぼし図柄(この例では、BAR)を狙い続ける限りは、RB2に入賞することなくRB2を取りこぼし続ける。このため、RB2持越中に維持し続ける限りは、純増枚数が増え続ける。
つまり、払い出しが360枚に達してBB1一般中が終了するまでの間、RB2非持越中の状態(RB2が当選しない、または当選してもRB2入賞で再度非持越中に戻る状態)においては純増枚数が減り続けるが、一度RB2持越中になれば純増枚数を増やしながらBB1一般中が終了するのを待つことができる。そして、上述のように、BB1一般中が終了し、非内部中に遊技状態が移行した後も、不利RTよりも純増枚数が多く、最も有利な状態である有利RTに移行することができる。
以上のことから、RB2に入賞するよりも、RB2の入賞を取りこぼしの方が残りのBB1一般中を有利な状態で消化できるため、サブ制御部91により制御される液晶表示器51ではRB2を取りこぼさせるための図柄を示唆するナビを行っている。
[指示ナビ]
図17は、RB2の当選役(RB2A〜RBP)にそれぞれ対応する指示ナビの態様を示す図である。本実施の形態においては、メイン制御部41により制御される遊技補助表示器12において、RB2を入賞させるための図柄を示唆している(指示ナビを行っている)。また、サブ制御部91により制御される液晶表示器51では、RB2の入賞を取りこぼさせるための図柄を示唆している。これにより遊技者がRB2を入賞させるための図柄を回避して目押しする(RB2を取りこぼさせるための図柄を狙って目押しする)ことにより、有利な状態であるRB2持越中に遊技状態が移行される。以下、遊技補助表示器12に表示される指示ナビについて説明する。
遊技補助表示器12の左側または右側には、「1」〜「3」、「7」〜「9」の数字が表示される。ここで、「7」は、「7(赤7、青7、白7のいずれかまたは複数)」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものである。「8」は、「BAR」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものである。「9」は、「ベル/リプレイ」が左リールの入賞図柄を構成することを示唆するものである。「1」〜「3」は、原則として「7(赤7、青7、白7)」の個数を示すものであり、遊技補助表示器12の右側に表示される。
たとえば、RB2A当選した場合の入賞図柄は「赤7−ベル−ベル」であるが、この場合、「7」の個数は1つであるため、遊技補助表示器12には「71」が表示される。RB2E当選した場合の入賞図柄は「赤7/青7−リプレイ−リプレイ」であるが、この場合、「7」の個数は2つであるため、遊技補助表示器12には「72」が表示される。RB2K当選した場合の入賞図柄は「赤7/青7/白7−チェリー/プラム−ベル」であるが、この場合、「7」の個数は3つであるため、遊技補助表示器12には「73」が表示される。「BAR」を示す「8」、「ベル/リプレイ」を示す「9」に関しては、「2」、「3」は表示されず、右側には「1」が表示される。
さらに、RB2Jのように入賞図柄が「白7/BAR−リプレイ−リプレイ」のように、「7」と「BAR」が同時に存在するような場合は、遊技補助表示器12には「78」が表示される。また、RB2Oのように、RB2d(「BAR−ベル−ベル」)と中段ベル(「ベル/リプレイ−ベル−ベル」)が同時当選する場合には、「BAR」を示す「8」、「ベル/リプレイ」を示す「9」を表示するため、遊技補助表示器12には「89」が表示される。
第1実施形態における主な効果は、以下となる。
前述した実施の形態においては、図8に示したように、BB1一般中の非持越中におけるRB2の当選結果には、RB2A〜RB2Pといったように複数種類あり、その種類に応じて、有利な持越状態へと遊技状態を制御する取りこぼし操作タイミングが異なることで、遊技者が操作態様を選択して遊技を行えるため、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、図14、図15に示したように、BB1一般中の非持越中におけるRB2の当選結果が、図8のRB2L〜RB2N当選(図14の1/4チャンス)と、図8のRB2E〜RB2J当選(2/4チャンス)、図8のRB2A〜RB2D当選(3/4チャンス)であるかによって、取りこぼし可能な範囲が異なるため、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、図16に示したように、RB2にはRB2O、RB2P当選(図16の100%チャンス)が含まれ、RB2O、RB2P当選時にストップスイッチ8Lの操作態様にかかわらずRB2Oは中段ベル、RB2Pは通常リプレイを100%入賞させる制御が行われて必ず持越し状態となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、図14〜図16に示したように、BB1一般中の非持越中においてRB2に当選したときに、遊技補助表示器12の表示または液晶表示器51のキャラクタ表示により取りこぼし操作タイミングを報知するため、持越し状態にしやすくなる。
重複役が入賞して継続バトル演出が実行されると、BB1およびBB2のいずれかに当選していることを継続バトル演出によって遊技者に示唆することができる。これにより、継続バトル演出に対して遊技者に注目させることでメダルの払出率が1を超えるBB2への制御について遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
BB2は単独当選することがあるため、メダルの払出率が1を超えるBB2への制御について遊技者の期待感をさらに向上させることができる。
BB1一般中の非持越中においてRB2の当選フラグを持ち越したときにはRB2持越中へと遊技状態が移行する。RB2持越中においては、非持越中と異なるリール制御が行われることにより、非持越中における払出率よりもRB2持越中における払出率が高くなる。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができる。
非内部中においてBB1に入賞したときに非持越中へと遊技状態が移行し、非持越中は、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な状態である。実際、非持越中においては、RB1やRB2に入賞することで、小役の当選確率が高まる。このように、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な非持越中からRB2持越中へと遊技状態を制御させることができる。
BB1一般中の非持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役が入賞するのに対して不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるかあるいは入賞を取りこぼす。一方、BB1一般中のRB2持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役が入賞する。このように、非持越中においてストップスイッチの操作手順に応じて導出されることがある副役よりも付与されるメダル数が大きい主役がRB2持越中においてストップスイッチの操作手順に関わらず導出される。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
RB2持越中においては、非持越中、RB1中、およびRB2中のいずれよりもリプレイ当選確率が高いため、払出率をさらに高めることができる。
RB2持越中において360枚を超えるメダルが払い出されて終了条件が成立したときには、非持越中において360枚を超えるメダルが払い出されて終了条件が成立したときよりも遊技者を有利にさせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
RB2持越中において360枚を超えるメダルが払い出されて終了条件が成立した後の非内部中における不利RTと、非持越中、RB1中、およびRB2中のいずれかにおいて360枚を超えるメダルが払い出されて終了条件が成立した後の非内部中における有利RTとでは、リプレイ当選確率が異なることで遊技者にとっての有利度が異なり、さらに、遊技状態が維持されたまま(具体的には、リプレイの当選確率が維持されたまま)で払出率が高まるBB2中の遊技が実行される。これにより、BB2中の遊技が実行される際に制御中の遊技状態を維持できないことに対する遊技者の不満を解消することができる。また、非内部中における有利度が、BB1一般中の終了条件が成立したときの状態に応じて異なるため、遊技の興趣を向上させることができる。
非持越中においてRB1に当選したときにはストップスイッチの操作に関わらず必ずRB1に入賞して遊技状態がRB1中へと制御されるが、非持越中においてRB2に当選したときにはストップスイッチの操作に応じてRB2に入賞するため、RB2に入賞しなかったときには遊技状態がRB2持越中へと制御される。これにより、遊技状態をRB2持越中へと制御させるために、RB1ではなくRB2に当選することを遊技者が待つといった遊技性を構築することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技状態がRB1中に制御された場合であっても、RB1中においてRB2が内部抽選の対象役になっている。このため、RB1中においてもRB2に当選することを遊技者が待つといった遊技性を構築することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
BB1一般中は360枚を超える払い出しが行われることにより終了する。つまり、遊技者にとって非内部中よりも不利となるBB1一般中は天井ゲーム(払出枚数が360枚を超えるゲーム)に到達することで終了するため、遊技者にいつまでも不利な状態で遊技させることがなく、遊技者に希望を持たせることができる。また、天井ゲームに到達した後の遊技状態である非内部中においては、高確率でBB2に当選し、BB2中において純増枚数が増加する。このため、非内部中においては、BB1に当選するまで純増枚数を増加させることができ、遊技者を喜ばせることができる。その一方で、非内部中においては、BB1に当選すると、BB1に入賞して再びBB1一般中に遊技状態が戻るため、遊技者はBB1に当選しないように願って遊技することになり、遊技の興趣を向上させることができる。
図10に示すように、非持越中やRB2持越中においては、押し順ベルA1の判定値の範囲(たとえば、1〜2000)、押し順ベルA2の判定値の範囲(たとえば、2001〜4000)、押し順ベルA3の判定値の範囲(たとえば、4001〜6000)、押し順ベルB1の判定値の範囲(たとえば、6001〜8000)、押し順ベルB2の判定値の範囲(たとえば、8001〜10000)、押し順ベルB3の判定値の範囲(たとえば、10001〜12000)、押し順ベルC1の判定値の範囲(たとえば、12001〜14000)、押し順ベルC2の判定値の範囲(たとえば、14001〜16000)、押し順ベルC3の判定値の範囲(たとえば、16001〜18000)、押し順ベルD1の判定値の範囲(たとえば、18001〜20000)、押し順ベルD2の判定値の範囲(たとえば、20001〜22000)、および押し順ベルD3の判定値の範囲(たとえば、22001〜24000)の各々は、重複しない。
よって、非持越中やRB2持越中においては、中段ベルが当選する押し順ベルA1、押し順ベルB1、押し順ベルC1、および押し順ベルD1の各々の判定値の範囲は、右上がりベルが当選する押し順ベルA2、押し順ベルB2、押し順ベルC2、および押し順ベルD2の各々の判定値の範囲と重複しない関係にある。中段ベルが当選する押し順ベルA1、押し順ベルB1、押し順ベルC1、および押し順ベルD1の各々の判定値の範囲は、下段ベルが当選する押し順ベルA3、押し順ベルB3、押し順ベルC3、および押し順ベルD3の各々の判定値の範囲と重複しない関係にある。右上がりベルが当選する押し順ベルA2、押し順ベルB2、押し順ベルC2、および押し順ベルD2の各々の判定値の範囲は、下段ベルが当選する押し順ベルA3、押し順ベルB3、押し順ベルC3、および押し順ベルD3の各々の判定値の範囲と重複しない関係にある。つまり、非持越中やRB2持越中においては、中段ベル、右上がりベル、下段ベルの各々は重複して当選しない。
一方、RB1中やRB2中においては、押し順ベルに当選しない代わりに、ボーナス中押し順ベルに当選するため、中段ベル、右上がりベル、および下段ベルの各々の判定値の範囲は、互いに重複する関係にある(たとえば、1〜8000)。つまり、RB1中やRB2中においては、中段ベル、右上がりベル、下段ベルの各々は重複して当選する。
ここで、非持越中やRB2持越中において中段ベルに対応する判定値数は、押し順ベルA1の判定値数と、押し順ベルB1の判定値数と、押し順ベルC1の判定値数と、押し順ベルD1の判定値数とを加算した8000であり、ボーナス中押し順ベルの判定値数と同じである。つまり、「非持越中やRB2持越中において中段ベルに対応する判定値の範囲」=「RB中においてボーナス中押し順ベル(中段ベルともいえる)に対応する判定値の範囲」の関係となる。非持越中やRB2持越中において右上がりベルに対応する判定値数は、押し順ベルA2の判定値数と、押し順ベルB2の判定値数と、押し順ベルC2の判定値数と、押し順ベルD2の判定値数とを加算した8000であり、ボーナス中押し順ベルの判定値数と同じである。つまり、「非持越中やRB2持越中において右上がりベルに対応する判定値の範囲」=「RBにおいてボーナス中押し順ベル(右上がりベルともいえる)に対応する判定値の範囲」の関係となる。非持越中やRB2持越中において下段ベルに対応する判定値数は、押し順ベルA3の判定値数と、押し順ベルB3の判定値数と、押し順ベルC3の判定値数と、押し順ベルD3の判定値数とを加算した8000であり、ボーナス中押し順ベルの判定値数と同じである。つまり、「非持越中やRB2持越中において下段ベルに対応する判定値の範囲」=「RB中においてボーナス中押し順ベル(下段ベルともいえる)に対応する判定値の範囲」の関係となる。
そのため、RB中においても、非持越中やRB2持越中と同じ判定値数を用いて、中段ベル、右上がりベル、および下段ベルの各々の内部抽選が行われる。つまり、RB中における中段ベル、右上がりベル、および下段ベルの各々の当選確率は、非持越中やRB2持越中における中段ベル、右上がりベル、および下段ベルの各々の当選確率と同じである。
さらに、ボーナス中押し順ベルの判定値数(8000)は、全ての押し順ベルの判定値数の合計(24000)よりも小さい。つまり、ボーナス中押し順ベルの判定値の範囲は、全ての押し順ベルの判定値の範囲を併せた範囲よりも狭い範囲であり、「ボーナス中押し順ベルに対応する判定値の範囲」<「中段ベル、右上がりベル、および下段ベルの全てに対応する判定値の範囲を併せた範囲」の関係となる。
これにより、RB中においては、全ての押し順ベルの判定値の範囲を併せた範囲からボーナス中押し順ベルの判定値の範囲を除いた範囲(判定値数としては16000)が空くことになる。本実施の形態においては、この空いた範囲に対して、全1枚ベルやハズレの当選範囲を割り当てている。このようにすることで、RB中における1枚役の当選確率を上げて1枚払い出しを多くすることにより、RB中における払出率を1未満としている。その結果、遊技全体の払出率が高く維持されてしまうこと(ベースが上がるともいう)を防止することができる。そして、その他の遊技状態における払出率を高く維持することができ、メリハリのある遊技性を確立することができる。
このように、RB中においては、取得した乱数値とボーナス中押し順ベルの判定値数とに基づいて中段ベル、右上がりベル、および下段ベルが重複当選する。さらに、ボーナス中押し順ベルの判定値の範囲は、非持越中やRB2持越中における全ての押し順ベルの判定値の範囲を併せた範囲よりも狭い範囲である。そのため、RB中においては、全ての押し順ベルの判定値の範囲を併せた範囲からボーナス中押し順ベルの判定値の範囲を除いた範囲が空くことになり、たとえば、遊技全体の払出率を抑えるために、RB中における当選範囲などの設計の自由度を向上させることができる。
[第2実施形態に係るスロットマシン]
図18〜図23を参照しながら、第2実施形態に係るスロットマシン1について説明する。なお、図1〜図4を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第2実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。
[第2実施形態に係る入賞役など]
図18は、第2実施形態に係る遊技状態の遷移を説明するための図である。図19および図20は、第2実施形態に係る役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。
図19を参照して、入賞役のうちの特別役について説明する。第2実施形態に係る特別役としては、ビッグボーナスであるBBと、レギュラーボーナスであるRBa〜RBn(以下、特別役であるRBa〜RBnを総称してRBと呼ぶことがある)と、チャレンジボーナスであるCBとが設けられている。
BBは、非内部中において入賞ラインLNに「ベル/プラム−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBを構成する左リールの「ベル」/「プラム」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「ベル」は、各リールにおいて各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてBBに当選したときには、他の役が優先されない限り停止操作のタイミングに関わらずBBを入賞させることができる。BBが入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BBが入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。非内部中においてBBが入賞すると、遊技状態がBB一般中に移行する。BB一般中は、当該BB一般中において払い出されたメダルの総数が360枚を超えることで終了する。なお、BBは「ベル/プラム−リプレイ−ベル」の組合せに限らず、その他の組合せであってもよい。たとえば、BBは「7−7−7」のように、7揃いの図柄組合せであってもよい。
RBaは、BB一般中における非持越中において入賞ラインLNに「赤7−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBaを構成する左リールの「赤7」は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてRBaに当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてRBaの入賞を取りこぼすことがある。具体的には、左白7/左青7/左BARの3つを狙うことによってRBaの入賞を取りこぼす。RBb〜RBdについても同様に、たとえば、左赤7/左白7/左BARなどの3つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBeにおいては、BB1一般中における非持越中またはRB2持越中において入賞ラインLNに「赤7/青7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、左白/左BARの2つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBf〜RBjについても同様に、たとえば、左青7/左BARなどの2つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBkにおいては、BB1一般中における非持越中またはRB持越中において入賞ラインLNに「赤7/青7/白7−チェリー/プラム−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、左BARの1つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBl〜RBnについても同様に、たとえば、左白7などの1つを狙うことによって入賞を取りこぼす。
RBは、BB一般中に限り当選可能である。BB一般中にRBが当選したときには、停止操作のタイミングに応じてRBが入賞する。RBが入賞すると、RB中へと遊技状態が移行する。RB中において、いずれかの役に8回入賞したとき、または12ゲーム消化したときには、再びBB一般中における非持越中に遊技状態が移行する。一方、RBの入賞を取りこぼした場合、RB持越中へと遊技状態が移行する。この場合、BB一般中においてRB持越中での遊技が行われる。なお、RBは、BB一般中に限り当選可能であるものに限らず、その他の遊技状態においても当選可能であってもよい。また、この場合、BB一般中においては、その他の遊技状態よりもRBの当選確率が高まってもよい。
CBは、非内部中において入賞ラインLNに「白7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。CBを構成する左リールの「白7」は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてCBに当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてCBの入賞を取りこぼすことがある。なお、CBを構成する左リール2Lの「白7」は、黒BARから5コマ以内に配置されているため、遊技者が黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作すれば、CBを入賞させることができるようになっている。しかし、実際、CBは通常リプレイと同時当選し、かつ通常リプレイが優先的に入賞するため、CBに初めて当選したゲームにおいては、必ずCBの入賞を取りこぼすようになっている。CBの入賞を取りこぼすと、CB内部中へと遊技状態が移行する。CB内部中においては、内部抽選でハズレになるとCBが単独当選した状態となり、CBに入賞可能となる。CBに入賞すると、CB中へと遊技状態が移行する。なお、CBは「白7−リプレイ−リプレイ」の組合せに限らず、その他の組合せであってもよい。たとえば、CBは、「ベル−リプレイ−リプレイ」のように、各リールにおいて構成図柄が5コマ以内に配置されるものであってもよい。なお、この場合であっても、CBが通常リプレイと同時当選したときには通常リプレイが優先的に入賞することで、CBの入賞を取りこぼすことになる。また、たとえば、CBは「白BAR−白BAR−白BAR」のように、白BAR揃いの図柄組合せであってもよい。また、CBが入賞したときには、いずれかのライン上に特定の図柄が揃って導出されるものであってもよい。たとえば、CBが入賞したときには、右上がりに白BARが揃ってもよい。
図20に示す小役および再遊技役、図21に示す抽選対象役により入賞が許容される役の組合せ、および図22に示す押し順ベル当選時のリール制御は、第1実施形態において説明した図7、図8、および図9に示す内容と基本的に同じであるため、説明を省略する。なお、図21に示す抽選対象役においては、重複役と同時当選するボーナスは設けられていない点で、図8に示す抽選対象役と異なる。
[第2実施形態に係る内部抽選の判定値数]
図23は、第2実施形態に係る遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。図23に示すように、内部抽選の対象となる役の各々に対して判定値数が設定されている。
第2実施形態では、大きく分けて非内部中と、BB1一般中と、CB内部中およびCB中とがある。BB1一般中には、非持越中と、RB持越中と、RB中とが含まれる。各役に対応する判定値の範囲は、RAM41cの所定領域に格納された判定値テーブルにより特定可能である。RAM41cには、非内部中用の判定値テーブルと、BB一般中における非持越中用の判定値テーブルと、BB一般中におけるRB持越中用の判定値テーブルと、BB一般中におけるRB中用の判定値テーブルと、CB内部中用の判定値テーブルと、CB中用の判定値テーブルとが記憶されている。メイン制御部41は、制御中の遊技状態の種類に応じた判定値テーブルを用いて、判定値の範囲を特定し、内部抽選を実行する。
非内部中について、押し順ベルの当選確率が約1/2.7、BBの当選確率が約1/10、リプレイの当選確率が約1/7.3、CBの当選確率が約1/20である。なお、CBは通常リプレイと同時当選するが、単独当選してもよい。たとえば、「白7−リプレイ−リプレイ」の組合せからなるCB1と、「青7−ベル−ベル」の組合せからなるCB2とを備え、これらのCBが非内部中にそれぞれ単独当選するようにしてもよい。このようにすれば、CB1およびCB2のいずれが当選しているのか分からないため、遊技者は当選しているCB1やCB2の入賞を取りこぼすことになる。また、CBは、他のCB(他CBと称する)と同時当選するものであってもよい。たとえば、非内部中においては、CB+他CBが当選し、かつ非内部中において他CBを優先的に入賞させてもよい(たとえば、右リールにおいて他CBの構成図柄を入賞ラインLN上に引き込めたときには他CBが入賞し、引き込めなかったときにはCBも他CBも入賞しない)。そして、非内部中にCB+他CBが当選したゲームにおいて、他CBが入賞したときにはCBへと遊技状態が移行することでCB内部中への遊技状態の移行を回避することができる。一方、非内部中にCB+他CBが当選したゲームにおいて、他CBが入賞しなかったとき(すなわち、CBも他CBも入賞しなかったとき)にはCB内部中へと遊技状態が移行する。そして、CB内部中においては、CB+他CBの当選が持ち越している状態となるが、CB内部中において所定役(たとえば、1枚役)が当選したゲームにおいては、CBおよび他CBのうち、今度はCBを優先的に入賞させてもよい。そして、非内部中においてCB+他CB+1枚役が当選したゲームにおいて、CBが入賞したときにはCBへと遊技状態が移行し、CB内部中での遊技を終了させることができる。
BB一般中について、非持越中およびRB持越中のいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が約1/2.7である。一方、非持越中においては、リプレイの当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB持越中においては、リプレイの当選確率が約2/3である。なお、非持越中においては、RB(以下、内部抽選の対象役であるRBA〜RBPを総称してRBと呼ぶことがある)の当選確率が約1/2.1であるが、RB持越中はRBの当選を持ち越した状態であるため、RBに当選することがない。
RB中について、払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの当選確率が約1/1.8であるのに対して、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルの当選確率が約1/8である。また、リプレイの当選確率は約1/7.3である。さらに、RB中であるため、RBには当選することがない。
CB内部中について、押し順ベルの当選確率が約1/2.7、リプレイの当選確率が約2/3である。なお、CB内部中においては、約1/300の確率でハズレになる。
CB中においては、全ての小役が同時に当選し、リプレイの当選確率は約1/7.3である。
[第2実施形態に係る遊技状態の遷移]
図18および図23を参照しながら、第2実施形態に係る遊技状態の遷移について説明する。
まず、非内部中において約1/20の確率でCBおよび通常リプレイが同時当選した場合、必ず通常リプレイが入賞してCB内部中へと遊技状態が移行する。
CB内部中においては、約1/2.7の確率で押し順ベルが当選するが、正解手順が分からない遊技者は、概ね主役の入賞を取りこぼす。このため、CB内部中においては、純増枚数が減り続ける。すなわち、CB内部中においては払出率が1未満となる。
CB内部中において約1/300といった低確率でハズレになった場合、ようやくCBが単独当選した状態になる。遊技者が黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作していると、CBが単独当選したときにCBが入賞してCB中へと遊技状態が移行する。
CB中においては、2枚賭けで1ゲームが開始し、かつ払い出されるメダルは必ず2枚となるため、純増枚数は0枚である。そして、この1ゲームが終了すると、再び非内部中へと遊技状態が移行する。
次に、非内部中においては、CBの当選確率(約1/20)よりも高い確率(約1/10)でBBに当選する。BBが当選した場合、必ずBBが入賞してBB一般中へと遊技状態が移行する。このように、一旦、遊技状態が非内部中に制御されると、CB内部中に遷移するよりも高い確率で、BB一般中へと遊技状態が移行する。しかし、非内部中において運悪くCBが当選してしまうと、約1/300といった低確率でハズレ当選にならない限り、いつまでもCB内部中に遊技状態が留まってしまい、純増枚数が減り続けることになる。
BB一般中の非持越中において、RBが当選した場合、遊技者が取りこぼし図柄(たとえば、RBK当選時では黒BAR)を狙ってストップスイッチ8Lを操作する限りRBの入賞を取りこぼし、RB持越中へと遊技状態が移行する。一方、遊技者が取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作しなければ、RBが入賞してRB中へと遊技状態が移行する。
RB中においては、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルよりも払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの方が高い確率で当選し、かつリプレイ当選確率も高くないため(約1/7.3)、純増枚数は減り続ける。RB中の遊技が終了すると、非持越中へと遊技状態が移行し、再びRBが当選可能となる。
RB持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われる。具体的に、RB持越中に押し順ベルが当選したときには、非持越中に押し順ベルに当選したときとは異なり、RBが同時当選することになる。つまり、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとで、内部当選フラグが異なる。このことを利用して、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでリール制御を異ならせるようにした。
非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役を入賞させるのに対して、不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。一方、RB持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御が行われる。
さらに、非持越中においては、リプレイ当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB持越中においては、リプレイ当選確率が約2/3である。これにより、RB持越中は、非持越中よりも所有するメダルを減らすことなく、かつ主役の入賞によって純増枚数を増やすことができる。実際、非持越中においては、純増枚数が1未満であるのに対して、RB持越中においては、純増枚数が1以上となる。
なお、RB持越中においては、内部抽選でハズレにならないように判定値数が設定されている。このため、一旦、RB持越中に遊技状態が制御されると、RBが単独当選することがなく、他の当選役が優先して入賞する。よって、RB持越中において遊技状態を維持することができる。
BB一般中(非持越中、RB持越中、RB中)において、360枚を超えてメダルが払い出されると、非内部中へと遊技状態が移行する。
以上のように、第2実施形態では、遊技者は、まずCB内部中において取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作し続ける。CB内部中においては純増枚数が減り続けるが、運良くハズレになると、CBが単独当選した状態になり、CB入賞することでCB中へと遊技状態を移行させることができる。CB中においては、1ゲーム消化することで非内部中へと遊技状態が移行する。
非内部中においては、BBの当選確率が高くなり、BB入賞によってBB一般中へと遊技状態が移行する。BB一般中の非持越中において取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作し続けると、RB当選したときにRBの入賞を取りこぼすことになり、RB持越中へと遊技状態を移行させることができる。RB持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われることにより、押し順ベル当選時に純増枚数を増やして払出率を1以上に維持することができる。
BB一般中において終了条件が成立すると、非内部中へと遊技状態が移行して、遊技者は、再びBB当選することを目指す。
第2実施形態における主な効果は、以下となる。BB一般中の非持越中においてRBの当選フラグを持ち越したときにはRB持越中へと遊技状態が移行する。RB持越中においては、非持越中と異なるリール制御が行われることにより、非持越中における払出率よりもRB持越中における払出率が高くなる。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができる。
非内部中においてBBに入賞したときに非持越中へと遊技状態が移行し、非持越中は、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な状態である。実際、非持越中においては、RBに入賞することで、1枚ベルや1枚役、および押し順ベルの当選確率が高まる。このように、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な非持越中からRB持越中へと遊技状態を制御させることができる。
BB一般中の非持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役が入賞するのに対して不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるかあるいは入賞を取りこぼす。一方、BB一般中のRB持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役が入賞する。このように、非持越中においてストップスイッチの操作手順に応じて導出されることがある副役よりも付与されるメダル数が大きい主役がRB持越中においてストップスイッチの操作手順に関わらず導出される。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
RB持越中においては、非持越中およびRB中のいずれよりもリプレイ当選確率が高いため、払出率をさらに高めることができる。
RB持越中においていずれかの役が必ず当選し、かつRBよりも優先的に当該いずれかの役が入賞する。このため、非持越中においてRBが当選した場合に当該RBの入賞を回避したときには、その後のRB持越中においてRBが入賞しない。これにより、一旦、遊技状態がRB持越中に制御されると、RB中へと遊技状態が遷移することがないため、遊技の興趣を向上させることができる。
非内部中においては、1/10といった高確率でBBに当選し、BB中において純増枚数が増加するため、遊技者を喜ばせることができる。その一方で、非内部中においては、CBに当選すると、CBの入賞を取りこぼしてCB内部中へと遊技状態が移行する。このため、遊技者はCBに当選しないように願って遊技することになり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態に係るスロットマシン]
図24〜図29を参照しながら、第3実施形態に係るスロットマシン1について説明する。なお、図1〜図4を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第3実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。
[第3実施形態に係る入賞役など]
図24は、第3実施形態に係る遊技状態の遷移を説明するための図である。図25および図26は、第3実施形態に係る役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。
図25を参照して、入賞役のうちの特別役について説明する。第3実施形態に係る特別役としては、ビッグボーナスであるBBと、レギュラーボーナスであるRBとが設けられている。
BBは、非内部中において入賞ラインLNに「ベル/プラム−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBを構成する左リールの「ベル」/「プラム」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「ベル」は、各リールにおいて各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてBBに当選したときには、他の役が優先されない限り停止操作のタイミングに関わらずBBを入賞させることができる。BBが入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BBが入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。非内部中においてBBが入賞すると、遊技状態がBB一般中に移行する。BB一般中は、当該BB一般中において払い出されたメダルの総数が360枚を超えることで終了する。なお、BBは「ベル−リプレイ−ベル」の組合せに限らず、その他の組合せであってもよい。たとえば、BBは「7−7−7」のように、7揃いの図柄組合せであってもよい。
RBaは、BB一般中における非持越中において入賞ラインLNに「赤7−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBaを構成する左リールの「赤7」は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてRBaに当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてRBaの入賞を取りこぼすことがある。具体的には、左白7/左青7/左BARの3つを狙うことによってRBaの入賞を取りこぼす。RBb〜RBdについても同様に、たとえば、左赤7/左白7/左BARなどの3つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBeにおいては、BB1一般中における非持越中またはRB2持越中において入賞ラインLNに「赤7/青7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、左白/左BARの2つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBf〜RBjについても同様に、たとえば、左青7/左BARなどの2つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBkにおいては、BB1一般中における非持越中またはRB持越中において入賞ラインLNに「赤7/青7/白7−チェリー/プラム−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、左BARの1つを狙うことによって入賞を取りこぼす。RBl〜RBnについても同様に、たとえば、左白7などの1つを狙うことによって入賞を取りこぼす。
RBは、BB一般中に限り当選可能である。BB一般中にRBが当選したときには、停止操作のタイミングに応じてRBが入賞する。RBが入賞すると、RB中へと遊技状態が移行する。RB中において、いずれかの役に8回入賞したとき、または12ゲーム消化したときには、再びBB一般中における非持越中に遊技状態が移行する。一方、RBの入賞を取りこぼした場合、RB持越中へと遊技状態が移行する。この場合、BB一般中においてRB持越中での遊技が行われる。
図26に示す小役および再遊技役は、第1実施形態において説明した図7に示す内容と基本的に同じであるため、説明を省略する。
図27は、第3実施形態に係る抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。
内部抽選の対象役には、押し順ベルA、押し順ベルB、押し順ベルC、弱チェリー、強チェリー、1枚役、ボーナス中押し順ベル、通常リプレイ、およびRBA〜RBN(以下、内部抽選の対象役であるRBA〜RBPを総称してRBと呼ぶことがある)が含まれる。
図27に示すように、各抽選対象役は、所定の役のみが単独で抽選されるか、あるいは複数の役が同時に抽選される。たとえば、押し順ベルAは、中段ベル+1枚ベル1A+1枚ベル1B+1枚ベル4A+1枚ベル4Bの組合せである。押し順ベルBは、右上がりベル+1枚ベル2+1枚ベル3+1枚ベル5の組合せである。押し順ベルCは、下段ベル+1枚ベル5+1枚ベル6+1枚ベル8の組合せである。
図28は、第3実施形態に係る押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。図28に示すように、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときに、当選役のうちの最も払い出しの多い主役(当選した押し順ベルに応じて中段ベル、右上がりベル、および下段ベルのいずれか)が入賞する一方で、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときに、副役(1枚ベル)が入賞したり、あるいは入賞を取りこぼしたりするようにリール制御が行われる。
また、第3実施形態においては、いずれの操作手順でストップスイッチが操作された場合であっても主役が入賞する確率が同じになるように、各押し順役に対応する操作手順が均等に割り当てられている。たとえば、押し順ベルAに当選した場合、左第1停止でストップスイッチが操作されたときに主役を入賞させるのに対して、左第1停止以外でストップスイッチが操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。押し順ベルBに当選した場合、中第1停止でストップスイッチが操作されたときに主役を入賞させるのに対して、中第1停止以外でストップスイッチが操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。押し順ベルCに当選した場合、右第1停止でストップスイッチが操作されたときに主役を入賞させるのに対して、右第1停止以外でストップスイッチが操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。
さらに、押し順ベルA〜Cは、当選確率が互いに同じである。このため、いずれの操作手順でストップスイッチがされても、遊技者にとって有利な主役が入賞する確率は同じになる。なお、第3実施形態に限らず、第1実施形態および第2実施形態においても、いずれの操作手順でストップスイッチが操作された場合であっても主役が入賞する確率が同じになるように、各押し順役に対応する操作手順が均等に割り当てられていてもよい。
[第3実施形態に係る内部抽選の判定値数]
図29は、第3実施形態に係る遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。図29に示すように、内部抽選の対象となる役の各々に対して判定値数が設定されている。
第3実施形態では、大きく分けて非内部中と、BB1一般中とがある。BB1一般中には、非持越中と、RB持越中と、RB中とが含まれる。各役に対応する判定値の範囲は、RAM41cの所定領域に格納された判定値テーブルにより特定可能である。RAM41cには、非内部中用の判定値テーブルと、BB一般中における非持越中用の判定値テーブルと、BB一般中におけるRB持越中用の判定値テーブルと、BB一般中におけるRB中用の判定値テーブルとが記憶されている。メイン制御部41は、制御中の遊技状態の種類に応じた判定値テーブルを用いて、判定値の範囲を特定し、内部抽選を実行する。
非内部中について、押し順ベルの当選確率が約1/2.7、BBの当選確率が約1/100、リプレイの当選確率が約1/7.3である。
BB一般中について、非持越中およびRB持越中のいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が約1/2.7である。一方、非持越中においては、リプレイの当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB持越中においては、リプレイの当選確率が約2/3である。なお、非持越中においては、RB(RBA〜RBP)の当選確率が約1/2.1であるが、RB持越中はRBの当選を持ち越した状態であるため、RBに当選することがない。
RB中について、払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの当選確率が約1/1.8であるのに対して、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルの当選確率が約1/8である。また、リプレイの当選確率は約1/7.3である。さらに、RB中であるため、RBには当選することがない。
[第3実施形態に係る遊技状態の遷移]
図24および図29を参照しながら、第3実施形態に係る遊技状態の遷移について説明する。
まず、非内部中においては、約1/2.7の確率で押し順ベルが当選するが、正解手順が分からない遊技者は、概ね主役の入賞を取りこぼす。このため、非内部中においては、純増枚数が減り続けることになる。
非内部中において約1/100といった低確率でBBが当選した場合、必ずBBが入賞してBB一般中へと遊技状態が移行する。
BB一般中の非持越中において、RBが当選した場合、遊技者が取りこぼし図柄(たとえば、黒BAR)を狙ってストップスイッチ8Lを操作する限りRBの入賞を取りこぼし、RB持越中へと遊技状態が移行する。一方、遊技者が取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作しなければ、RBが入賞してRB中へと遊技状態が移行する。
RB中においては、払い出しが8枚となるボーナス中押し順ベルよりも払い出しが1枚となる1枚役および1枚ベルの方が高い確率で当選し、かつリプレイ当選確率も高くないため(約1/7.3)、純増枚数は減り続ける。RB中の遊技が終了すると、非持越中へと遊技状態が移行し、再びRBが当選可能となる。
RB持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われる。具体的に、RB持越中に押し順ベルが当選したときには、非持越中に押し順ベルに当選したときとは異なり、RBが同時当選することになる。つまり、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとで、内部当選フラグが異なる。このことを利用して、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでリール制御を異ならせるようにした。
非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役を入賞させるのに対して、不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。一方、RB持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御が行われる。
さらに、非持越中においては、リプレイ当選確率が約1/7.3であるのに対して、RB持越中においては、リプレイ当選確率が約2/3である。これにより、RB持越中は、非持越中よりも所有するメダルを減らすことなく、かつ主役の入賞によって純増枚数を増やすことができる。実際、非持越中においては、払出率が1未満であるのに対して、RB持越中においては、払出率が1以上となる。
なお、RB持越中においては、内部抽選でハズレにならないように判定値数が設定されている。このため、一旦、RB持越中に遊技状態が制御されると、RBが単独当選することがなく、他の当選役が優先して入賞する。よって、RB持越中において遊技状態を維持することができる。
BB一般中(非持越中、RB持越中、RB中)において、360枚を超えてメダルが払い出されると、非内部中へと遊技状態が移行する。
以上のように、第3実施形態では、遊技者は、まず非内部中においてBB当選を目指す。非内部中においては純増枚数が減り続けるが、運良くBBが当選すると、BB入賞することでBB一般中へと遊技状態を移行させることができる。
BB一般中の非持越中において取りこぼし図柄を狙ってストップスイッチ8Lを操作し続けると、RB当選したときにRBの入賞を取りこぼすことができ、RB持越中へと遊技状態を移行させることができる。RB持越中においては、非持越中とは異なるリール制御が行われることにより、押し順ベル当選時に純増枚数を増やして払出率を1以上に維持することができる。
BB一般中において終了条件が成立すると、非内部中へと遊技状態が移行して、遊技者は、再びBB当選することを目指す。
第3実施形態における主な効果は、以下となる。BB一般中の非持越中においてRBの当選フラグを持ち越したときにはRB持越中へと遊技状態が移行する。RB持越中においては、非持越中と異なるリール制御が行われることにより、非持越中における払出率よりもRB持越中における払出率が高くなる。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができる。
非内部中においてBBに入賞したときに非持越中へと遊技状態が移行し、非持越中は、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な状態である。実際、非持越中においては、RBに入賞することで、1枚ベルや1枚役、および押し順ベルの当選確率が高まる。このように、非内部中よりも小役の当選確率を高めることが可能な非持越中からRB持越中へと遊技状態を制御させることができる。
BB一般中の非持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役が入賞するのに対して不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるかあるいは入賞を取りこぼす。一方、BB一般中のRB持越中において押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役が入賞する。このように、非持越中においてストップスイッチの操作手順に応じて導出されることがある副役よりも付与されるメダル数が大きい主役がRB持越中においてストップスイッチの操作手順に関わらず導出される。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
RB持越中においては、非持越中およびRB中のいずれよりもリプレイ当選確率が高いため、払出率をさらに高めることができる。
RB持越中においていずれかの役が必ず当選し、かつRBよりも優先的に当該いずれかの役が入賞する。このため、非持越中においてRBが当選した場合に当該RBの入賞を回避したときには、その後のRB持越中においてRBが入賞しない。これにより、一旦、遊技状態がRB持越中に制御されると、RB中へと遊技状態が遷移することがないため、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[取りこぼし操作タイミングについて]
本実施の形態においては、図5に示すように、RB2(RB2A〜RB2P)の入賞を取りこぼすことによって、遊技者にとって有利な状態であるRB2持越中に制御される。つまり、RB2A〜RB2PのどのRBを取りこぼしても、共通の遊技状態(RB2持越中)に移行されることになる。しかし、これに限らず、取りこぼしたRB2A〜RB2Pの各RBに応じて遊技状態を移行させてもよい。たとえば、RB2A持越中〜RB2P持越中のいずれかの遊技状態に移行され、各持越中状態によって有利度(たとえば、リプレイ当選確率、AT抽選確率など)を変えてもよい。
本実施の形態においては、図15〜17に示す「択数当てチャンス」において、キャラクタが表示される示唆演出が実行されない場合、「1/4チャンス」、「2/4チャンス」、「3/4チャンス」、および「100%チャンス」のいずれであるのか、遊技者にはわからないようにしている。しかし、これに限らず、例えば、液晶表示器51に「択当てチャンス!」の文字を表示して各チャンス毎に文字の色を変えるようにしてもよい。たとえば、「100%チャンス」は「択当てチャンス!」の文字の色を赤、「3/4チャンス」は「択当てチャンス!」の文字の色をオレンジ色、「2/4チャンス」は「択当てチャンス!」の文字の色を黄色、「1/4チャンス」は「択当てチャンス!」の文字の色を黒色のようにして、赤、オレンジ色、黄色、黒色の順に期待度が高いことを遊技者に示唆してもよい。
本実施の形態においては、メイン制御部41により制御される遊技補助表示器12ではRB2を入賞させるための図柄を示唆し、サブ制御部91により制御される液晶表示器51ではRB2を取りこぼさせるための図柄を示唆している。しかし、これに限らず、液晶表示器51ではRB2を入賞させるための図柄を示唆してもよい。たとえば、RB2A当選時には、入賞図柄の組合せは「赤7−ベル−ベル」であるため、本実施の形態においては入賞を取りこぼすための「青7」を示唆する「青キャラ」、「白7」を示唆する「白キャラ」、「BAR」を示唆する「黒キャラ」が液晶表示器51に表示されていたが、入賞図柄を構成する「赤7」を示唆する「赤キャラ」を表示させてもよい。また、これらの示唆表示は、本実施の形態においては、表示させるときと表示させないときとがあったが、100%表示させるようにしてもよいし、100%表示させないようにしてもよい。
また、遊技補助表示器12における指示ナビではRB2を取りこぼさせるための図柄を示唆してもよい。たとえば、RB2A当選時には、入賞図柄の組合せは「赤7−ベル−ベル」であるため、本実施の形態においては、遊技補助表示器12には「71」を表示させていた(赤7、青7、白7のいずれか1つが入賞図柄を構成するものであることを示唆)が、「78」を表示させてもよい。つまり、取りこぼし図柄は「白7」、「青7」、「BAR」であるため、左側に取りこぼし図柄が「赤7」、「青7」、「白7」のいずれかまたは複数であることを示す「7」を表示させ、右側に取りこぼし図柄が「BAR」であることを示す「8」を表示させる。また、これらの示唆表示は、入賞図柄または取りこぼし図柄を正確に報知するものではない(本例では、「7」を表示しても、取りこぼし図柄が「白7」、「青7」であることが分からない)が、正確に表示させるものであってもよいし、示唆表示を全く行わないものであってもよい。
また、当選役に応じて入賞図柄が定められており、左リールを停止操作させたときには、入賞図柄を構成する図柄を引き込むリール制御を行うが(たとえば、「赤7」を引き込むリール制御)、これに限らず、押し順によっては入賞図柄を構成する図柄を引き込まないリール制御を行ってもよい(たとえば、右リールを第1停止したときは、左リール停止操作時に「赤7」を引き込むリール制御を行わない)。
[リール配列について]
本実施の形態においては、図6および図13に示すように、左リール2LのみにおいてRB2の種類および操作タイミングに応じて入賞を取りこぼす図柄が配置されていた。しかし、左リール2Lのみに限らず、中リール2Cのみや右リール2RのみにおいてもRB2の種類および操作タイミングに応じて入賞を取りこぼす図柄が配置されていてもよい。また、3つのリールのうちの2つ以上のリールにおいてRB2の種類および操作タイミングに応じて入賞を取りこぼす図柄が配置されていてもよい。本実施の形態においては、図13に示すように、1リールにおいて21コマの図柄が配置されており、RB2の入賞を取りこぼす操作タイミングとして4等分に分けられていた。しかし、1リールは21コマに限らずその他のコマ数であってもよい。さらに、その1リールにおけるコマ数に応じて、RB2の入賞を取りこぼす操作タイミングを分ける等分数を設定してもよい。たとえば、1リールは21コマにして7コマおきに入賞を取りこぼす図柄を配置してもよい。この場合、RB2の入賞を取りこぼす操作タイミングは3等分に分けられる。また、1リールは25コマにして5コマおきに入賞を取りこぼす図柄を配置してもよい。この場合、RB2の入賞を取りこぼす操作タイミングは5等分に分けられる。
[コマンドと示唆演出との関係について]
本実施の形態においては、図14〜17に示すように、取りこぼし図柄の示唆演出に関し、メイン制御部41の制御によって遊技補助表示器12への指示ナビの表示が行われるようにした。また、メイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したサブ制御部91は当選役(たとえば、RB2A)を特定し、サブ制御部91の制御により液晶表示器51への赤キャラ等のキャラクタ表示が行われるようにした。しかし、図14〜17に示す「内部当選コマンド」に基づく示唆演出を行うものに限らず、以下に説明するように、メイン制御部41が指示ナビを実行するか否かに応じて、サブ制御部91が示唆演出を実行するか否かを異ならせてもよい。
以下、メイン制御部41の制御による遊技補助表示器12における指示ナビが行われる場合と行われない場合とについて説明する。メイン制御部41の制御による指示ナビが行われる場合は、サブ制御部91の制御による示唆演出が行われるようにしてもよいし、行われないようにしてもよい。しかし、メイン制御部41の制御による指示ナビが行われない場合は、サブ制御部91の制御による示唆演出が行われないようにする。
メイン制御部41の制御による指示ナビが行われない場合は、メイン制御部41はサブ制御部91に対して、後述の「チャンスグループコマンド」を送信する。その一方で、メイン制御部41の制御による指示ナビが行われる場合は、メイン制御部41はサブ制御部91に対して、「チャンスグループコマンド」とともに、後述の「RB2コマンド」を送信する。
「チャンスグループコマンド」は、「1/4グループ」、「2/4グループ」、「3/4グループ」、および「100%グループ」のうちのいずれであるかを特定可能なコマンドである。ここで、「1/4グループ」はRB2K〜RB2Nのいずれかが当選しているとき(すなわち、「1/4チャンス」が実行されるとき)に設定され、「2/4グループ」はRB2E〜RB2Jのいずれかが当選しているとき(すなわち、「2/4チャンス」が実行されるとき)に設定され、「3/4グループ」はRB2A〜RB2Dのいずれかが当選しているとき(すなわち、「3/4チャンス」が実行されるとき)に設定され、「100%グループ」はRB2OまたはRB2Pが当選しているとき(すなわち、「100%チャンス」が実行されるとき)に設定される。サブ制御部91は、チャンスグループコマンドのみを受信した場合、当選役までは特定できないため、取りこぼし図柄を特定する示唆演出を行うことができない。
本実施の形態においては、当選役に対する指示ナビは、図17に示すようにしたが、ここでは、指示ナビの態様として、次のようにする。当選役RB2Aに対応する指示ナビの態様として「71」を表示し、当選役RB2Bに対応する指示ナビの態様として「72」を表示し、当選役RB2Cに対応する指示ナビの態様として「73」を表示し、当選役RB2Dに対応する指示ナビの態様として「74」を表示し、当選役RB2Eに対応する指示ナビの態様として「75」を表示し、当選役RB2Fに対応する指示ナビの態様として「76」を表示し、当選役RB2Gに対応する指示ナビの態様として「77」を表示し、当選役RB2Hに対応する指示ナビの態様として「78」を表示し、当選役RB2Iに対応する指示ナビの態様として「79」を表示し、当選役RB2Jに対応する指示ナビの態様として「81」を表示し、当選役RB2Kに対応する指示ナビの態様として「82」を表示し、当選役RB2Lに対応する指示ナビの態様として「83」を表示し、当選役RB2Mに対応する指示ナビの態様として「84」を表示し、当選役RB2Nに対応する指示ナビの態様として「85」を表示し、当選役RB2Oに対応する指示ナビの態様として「86」を表示し、当選役RB2Pに対応する指示ナビの態様として「87」を表示する。すなわち、当選役と指示ナビの表示が1対1で対応しているため、遊技者は、「RB2A」〜「RB2P」のいずれが当選したかを特定可能である。
「RB2コマンド」は、当選役が「RB2A」〜「RB2P」のいずれであるかを特定可能なコマンドである。すなわち、当選役とRB2コマンドが1対1で対応しているため、メイン制御部41における指示ナビと同様に、サブ制御部91においても「RB2A」〜「RB2P」のいずれが当選したかを特定可能である。
メイン制御部41は、指示ナビを実行しない場合、サブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」のみを送信する。このため、サブ制御部91は、チャンス演出(択数当てチャンス)を実行することはできるが、当選役までは特定できないので、取りこぼし図柄を特定する示唆演出までは実行することができない。一方、メイン制御部41は、指示ナビを実行する場合、サブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」とともに、「RB2コマンド」を送信する。このため、サブ制御部91は、チャンス演出を実行するとともに、当選役を特定できるので、取りこぼし図柄を特定する示唆演出をも実行することができる。
次に、メイン制御部41の制御による遊技補助表示器12への指示ナビが行われる場合について説明する。
まず、メイン制御部41によって指示ナビが実行される場合の1/4チャンスの演出例について説明する。RB2K当選時には、「チャンスグループコマンド」は「1/4グループ」が設定され、「RB2コマンド」は「82」が設定されるとともに、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」およびRB2K当選を特定可能な「RB2コマンド」を送信する。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「82」が表示される。「82」の表示は、当選役RB2Kに対応する指示ナビの態様として「82」が表示されるものである。これにより遊技者は、当選役RB2Kに対応する取りこぼし図柄が「BAR」であることを知ることができ、「BAR」を狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。
また、サブ制御部91の制御によって、液晶表示器51の左部に黒い星印の「黒キャラ」が表示される。これは、黒色の「BAR」を狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、BARを狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。
次に、メイン制御部41によって指示ナビが実行される場合の3/4チャンスの演出例について説明する。RB2A当選時には、「チャンスグループコマンド」は「3/4グループ」が設定され、「RB2コマンド」は「71」が設定されるとともに、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」およびRB2A当選を特定可能な「RB2コマンド」を送信する。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「71」が表示される。「71」の表示は、当選役RB2Aに対応する指示ナビの態様として「71」が表示されるものである。これにより遊技者は、当選役RB2Aに対応する取りこぼし図柄が「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかであることを知ることができ、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかを狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。
また、サブ制御部91の制御によって、液晶表示器51の左部に青い星印の「青キャラ」、白い星印の「白キャラ」、および黒い星印の「黒キャラ」が表示される。これは、青色の「青キャラ」、白色の「白キャラ」、および黒色の「BAR」のいずれかを狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかを狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。
次に、メイン制御部41によって指示ナビが実行される場合の100%チャンスの演出例について説明する。RB2O当選時には、「チャンスグループコマンド」は「100%グループ」が設定され、「RB2コマンド」は「86」が設定されるとともに、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」およびRB2O当選を特定可能な「RB2コマンド」を送信する。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「86」が表示される。「86」の表示は、当選役RB2Oに対応する指示ナビの態様として「86」が表示されるものである。これにより遊技者は、当選役RB2Oに対応する取りこぼし図柄が「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかであることを知ることができ、「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかを狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。すなわち、何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができる。
また、サブ制御部91の制御によって、液晶表示器51の左部に赤い星印の「赤キャラ」、青い星印の「青キャラ」、白い星印の「白キャラ」、および黒い星印の「黒キャラ」が表示される。これは、赤色の「赤キャラ」、青色の「青キャラ」、白色の「白キャラ」、および黒色の「BAR」のいずれかを狙って停止させることを示唆するキャラクタを表示するものであり、「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれかを狙えば確実に取りこぼしを発生させることができる。すなわち、何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができる。
次に、メイン制御部41の制御による遊技補助表示器12への指示ナビが行われない場合について説明する。
まず、メイン制御部41によって指示ナビが実行されない場合の1/4チャンスの演出例について説明する。RB2K当選時には、「チャンスグループコマンド」は「1/4グループ」が設定され、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」を送信する。なお、遊技補助表示器12への指示ナビが行われない場合には「RB2コマンド」が送信されない。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「25」を表示するようにしてもよい。これにより遊技者は、「1/4チャンス」が発生したことを知ることができる(「25」は25%=1/4を示すものであり、「1/4チャンス」が発生したことを示唆する)。このとき、「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」のいずれか1つが取りこぼし図柄であることを知ることができるが、確実に取りこぼしを発生させることはできない。
また、サブ制御部91においては、RB2K当選を特定することができず、示唆演出が実行されない。ただし、液晶表示器51の上部に「1/4チャンス」の文字が表示されるようにしてもよい。これは、「1/4チャンス」が発生したことを示唆するものであるが、遊技補助表示器12での示唆演出と同様、確実に取りこぼしを発生させることはできない。
次に、メイン制御部41によって指示ナビが実行されない場合の3/4チャンスの演出例について説明する。RB2A当選時には、「チャンスグループコマンド」は「3/4グループ」が設定され、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」を送信する。なお、遊技補助表示器12への示唆演出(指示ナビの表示)が行われない場合には「RB2コマンド」が送信されない。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「75」を表示するようにしてもよい(「75」は75%=3/4を示すものであり、「3/4チャンス」が発生したことを示唆する)。これにより遊技者は、「3/4チャンス」が発生したことを知ることができる。このとき、「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」の4つのうち3つが取りこぼし図柄であることを知ることができるが、確実に取りこぼしを発生させることはできない。
また、サブ制御部91においては、RB2A当選を特定することができず、示唆演出が実行されない。ただし、液晶表示器51の上部に「3/4チャンス」の文字が表示されるようにしてもよい。これは、「3/4チャンス」が発生したことを示唆するものであるが、遊技補助表示器12での示唆演出と同様、確実に取りこぼしを発生させることはできない。
次に、メイン制御部41によって指示ナビが実行されない場合の100%チャンスの演出例について説明する。RB2O当選時には、「チャンスグループコマンド」は「100%グループ」が設定され、メイン制御部41はサブ制御部91に対して「チャンスグループコマンド」を送信する。なお、遊技補助表示器12への示唆演出(指示ナビの表示)が行われない場合には「RB2コマンド」が送信されない。
メイン制御部41の制御によって、遊技補助表示器12には「99」を表示するようにしてもよい(「99」は100%を示唆するものであり、「100チャンス」が発生したことを示唆する)。これにより遊技者は、「100%チャンス」が発生したことを知ることができる。このとき、「赤7」、「青7」、「白7」、および「BAR」の4つのうち全て取りこぼし図柄であることを知ることができる。この場合は、RB2O当選が特定できないものの、結果として何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができる。
また、サブ制御部91においては、RB2O当選を特定することができず、示唆演出が実行されない。ただし、液晶表示器51の上部に「100%チャンス」の文字が表示されるようにしてもよい。これは、「100%チャンス」が発生したことを示唆するものであるが、遊技補助表示器12での示唆演出と同様、何を狙っても100%取りこぼしを発生させることができる。
以上のように、メイン制御部41が指示ナビを実行する場合は、サブ制御部91によって、取りこぼし図柄を遊技者が特定可能な示唆演出を実行してもよい。この場合、メイン制御部41からサブ制御部91に対しては、チャンスグループコマンドと、RB2コマンドとが送信されてもよい。あるいは、メイン制御部41が指示ナビを実行する場合は、サブ制御部91によって、取りこぼし図柄を遊技者が特定可能な示唆演出を実行しなくてもよい。この場合、メイン制御部41からサブ制御部91に対しては、チャンスグループコマンドと、RBコマンドとが送信されてもよいし、チャンスグループコマンドのみが送信されてもよい。一方、メイン制御部41が指示ナビを実行しない場合は、サブ制御部91によって、取りこぼし図柄を遊技者が特定可能な示唆演出を実行しない。この場合、メイン制御部41からサブ制御部91に対しては、チャンスグループコマンドのみが送信され、RBコマンドは送信されない。
[ボーナスについて]
本実施の形態においては、図5に示すように、払出率が1を超えないボーナスがBB1のみの1種類であったが、これに限らない。たとえば、払出率が1を超えないBB1として、BB1aおよびBB1bの2種類設けられていてもよい。また、BB1aとBB1bとは、BB1一般中の終了条件となるメダルの払出枚数が互いに異なっていてもよい。たとえば、BB1aは360枚を超える払い出しでBB1一般中が終了し、BB1bは60枚を超える払い出しでBB1一般中が終了してもよい。この場合、BB1aはBB1bよりも制御期間が長いため、遊技者にとってより不利なボーナスとなる。さらに、BB1aおよびBB1bのいずれであっても、重複役である中段ベルや通常リプレイと同時当選するとともに、重複役が当選したときには、図12に示す継続バトル演出が実行されてもよい。このようにすれば、継続バトル演出が実行されることで、遊技者にとって有利なBB2に当選しているのか、遊技者にとって不利なBB1に当選しているのかについて遊技者に注目させ、さらに、BB1のうち、終了タイミングが遅くなる(すなわち、BB1に制御される期間が長い)BB1aに当選しているのか、あるいは終了タイミングが早くなる(すなわち、BB1に制御される期間が短い)BB1bに当選しているのかについて遊技者に注目させることができる。
このように、メダルの払出率が1を超えないBB1一般中の終了条件がBB1aおよびBB1bのいずれであるかに応じて異なるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、払出率が1を超えないBBは、2種類に限らず、3種類以上設けられていてもよい。また、BBに限らず、RBやCBなど、その他のボーナス当選について継続バトル演出を実行してもよい。
本実施の形態においては、BB1は、「ベル−リプレイ−ベル」の組合せであったが、これに限らず、その他の組合せであってもよい。たとえば、BB1は「7−7−リプレイ」のように、7揃いが外れたかのような図柄組合せであってもよい。この場合、BB1重複演出においては、継続バトル演出中にBB1に入賞したときに「7−7−リプレイ」の図柄組合せが導出されるとともに、「7−7−リプ」の文字画像(あるいは7−7−リプレイに対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されてもよい。なお、継続バトル演出において、「7−7−リプ」の文字画像(あるいは7−7−リプレイに対応する図柄画像)は表示されなくてもよい。
また、BB2は、「ベル−リプレイ−リプレイ」の組合せであったが、これに限らず、その他の組合せであってもよい。たとえば、BB2は「7−7−7」のように、7揃いの図柄組合せであってもよい。この場合、BB2重複演出においては、継続バトル演出中にBB2に入賞したときに「7−7−7」の図柄組合せが導出されるとともに、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されてもよい。なお、継続バトル演出において、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)は表示されなくてもよい。さらに、BB2単独演出においては、7を狙え演出中にBB2に入賞したときに「7−7−7」の図柄組合せが導出されるとともに、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されてもよい。なお、7を狙え演出において、「7−7−7」の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)は表示されなくてもよい。
[重複役について]
本実施の形態においては、BB1およびBB2と重複当選する重複役として、中段ベルおよび通常リプレイを採用したが、重複役は、その他の役であってもよい。たとえば、重複役は、中段ベル以外のベルや通常リプレイ以外のリプレイであってもよい。また、重複役は、チェリーやスイカなど、当選確率が全体平均よりも低いレア役であってもよい。いずれにしても、重複役は、BB1やBB2よりも、リール制御によって優先的に入賞する役である方が好ましい。なお、重複役に当選したときには、後述するAT抽選を実行してもよく、この場合、継続バトル演出によって、BB1およびBB2のいずれに当選しているのかを示唆するものに加えて、AT当選しているか否かについても示唆してもよい。
[期待演出について]
本実施の形態においては、図11および図12に示す期待演出が実行されたが、これに限らず、その他の演出が行われてもよい。たとえば、BB1重複演出やBB2重複演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う継続バトル演出が実行されたが、BB1およびBB2のいずれに当選しているのかを遊技者に注目させる演出であれば、いずれの演出であってもよい。また、BB2単独演出は、7を狙え演出が実行されたが、BB2に当選していることを遊技者に確定的に報知する演出であれば、いずれの演出であってもよい。
本実施の形態においては、図11に示すように、BB1重複aおよびBB1重複bのいずれかに当選したときには、100%の確率でBB1重複演出が実行されたが、100%未満の所定確率でBB1重複演出が実行されてもよい。すなわち、BB1重複aおよびBB1重複bのいずれかに当選したときには、BB1重複演出が必ず実行されないものであってもよい。なお、BB1重複aおよびBB1重複bのいずれかに当選したときには、ガセの演出として、BB2重複演出が実行されてもよい。
また、BB2重複aおよびBB2重複bのいずれかに当選したときには、100%の確率でBB2重複演出が実行されたが、100%未満の所定確率でBB2重複演出が実行されてもよい。すなわち、BB2重複aおよびBB2重複bのいずれかに当選したときには、BB2重複演出が必ず実行されないものであってもよい。なお、BB2重複aおよびBB2重複bのいずれかに当選したときには、ガセの演出として、BB1重複演出が実行されてもよい。
また、BB2単独に当選したときには、100%の確率でBB2単独演出が実行されたが、100%未満の所定確率でBB2単独演出が実行されてもよい。すなわち、BB2単独に当選したときには、BB2単独演出が必ず実行されないものであってもよい。
本実施の形態においては、BB2のみ単独当選するものであったが、これに限らず、BB1も単独当選するものであってもよい。つまり、この場合、BB1およびBB2ともに、単独当選することも、重複役と重複当選することもある。さらに、BB1に単独当選したときには、BB1単独演出が実行されてもよい。具体的には、BB1単独演出が実行されると、BB1に単独当選したゲーム内で7を狙え演出が実行され、「逆押しで7を狙え」の文字画像が液晶表示器51に表示される。そして、そのゲーム内で遊技者が7を狙ってリールを停止させることでBB1に入賞すると、「7−7−リプ」の文字画像(あるいは7−7−リプレイに対応する図柄画像)が液晶表示器51に表示されるとともに、「継続失敗」の文字画像が液晶表示器51に表示される。その後は、遊技状態がBB1一般中に移行する。
このように、BB1およびBB2ともに単独当選するようにし、いずれに当選したときでも7を狙え演出を実行することで、7を狙って遊技者がリールを停止させたときに7揃いの画像が表示(あるいは、7揃いの図柄組合せが導出)されるかに対して遊技者に注目させることができる。なお、BB2単独当選は、BB1単独当選よりも当選確率を低く(たとえば、BB2単独当選の確率は、BB1単独当選の確率の1/10程度)すれば、7を狙え演出が実行されることで、有利なBB2に当選している確率が高くなる。この場合、7を狙え演出が実行されたときには、遊技者に対してBB2に当選していることについて期待させることができる。
[抽選対象役の判定値数について]
図10に示すように、第1実施形態においては、RB2持越中にハズレになることがあるため、RB2が単独当選した状態になる。しかし、これに限らず、RB2持越中においてハズレにならないようにしてもよい。さらに、RB2持越中においていずれかの役に当選したときには、当該いずれかの役をRBよりも優先的に入賞させてもよい。このようにすれば、非持越中においてRB2が当選した場合に当該RB2の入賞を回避したときには、その後のRB2持越中においてRB2が入賞しない。これにより、一旦、遊技状態がRB2持越中に制御されると、RB2中へと遊技状態が遷移することがないため、遊技の興趣を向上させることができる。
[リール制御について]
第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態のいずれにおいても、非持越中とRB持越中とで押し順ベル当選時のリール制御が異なっていた。たとえば、非持越中において押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役が入賞するのに対して不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるかあるいは入賞を取りこぼす一方で、RB持越中において押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役が入賞するものであった。しかし、このようなリール制御以外のリール制御であってもよい。
たとえば、非持越中においては1枚のメダルが払い出される1枚役や1枚ベルが当選するのに対して8枚のメダルが払い出される中段ベルが当選しないようにしてもよい。一方、RB持越中においては中段ベルが当選するのに対して1枚役や1枚ベルが当選しないようにしてもよい。このようにすれば、非持越中においては必ず1枚のメダルしか払い出されないため、払出率が1未満になるのに対して、RB持越中においては必ず8枚のメダルが払い出されるため、払出率が1以上になる。
たとえば、非持越中においては押し順ベルが当選したときにストップスイッチの操作手順に関わらず必ず副役が入賞するか、あるいは入賞を取りこぼすのに対して、RB持越中においては押し順ベルが当選したときにストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役が入賞するものであってもよい。このようにすれば、非持越中においては必ず1枚以上のメダルが払い出されないため、払出率が1未満になるのに対して、RB持越中においては必ず8枚のメダルが払い出されるため、払出率が1以上になる。このように、非持越中において入賞する副役よりも付与されるメダルの枚数が多い主役がRB持越中において入賞する。これにより、遊技者の技術介入と関係のある事象によって遊技者を有利にさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、非持越中においては押し順ベルが当選しても正解手順を報知するナビ演出が実行されないのに対して、RB持越中においては押し順ベルが当選したときに正解手順を報知するナビ演出が実行されるものであってもよい。
第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態のいずれにおいても、遊技者が黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作する限りRB2の入賞を取りこぼすようになっていたが、所定の押し順でストップスイッチを操作する限りRB2の入賞を取りこぼすようにしてもよい。たとえば、非持越中においては逆押しが推奨されており、逆押しでストップスイッチを操作する限り、RB2の入賞を取りこぼすようになっていてもよい。また、RB2は小役や再遊技役と同時に当選し、小役や再遊技役を入賞させるための情報(たとえば、操作タイミングや操作手順)が報知されてもよい。
第2実施形態において、CBの入賞を取りこぼしたときには、特定の図柄組合せが導出されてもよい。このような図柄組合せが導出されたときには、遊技者にとって不利となるCB内部中へと遊技状態が制御されることが示唆されるため、遊技者を落胆させてしまうが、反対に特定の図柄組合せが導出されなかったときには遊技者に安心感を与えることができる。
[遊技状態の遷移について]
第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態とは異なるような遊技状態の遷移が行われてもよい。
図30は、変形例1に係る遊技状態の遷移を説明するための図である。変形例1に係る遊技状態は、第1実施形態に係る遊技状態とは異なり、BB1一般中の非持越中において再遊技高確率状態と、再遊技低確率状態とが含まれる。たとえば、再遊技高確率状態はリプレイ当選確率が1/3であり(RB2持越中と同じリプレイ当選確率)、再遊技低確率状態はリプレイ当選確率が1/7.3である。
変形例1に係る遊技状態では、非持越中においてRB3に当選することが可能であり、RB3に当選したときに必ずRB3中へと遊技状態が遷移する。そして、RB1中およびRB2中のいずれかの遊技が終了したときには、非持越中における再遊技低確率状態へと遊技状態が移行するのに対して、RB3中の遊技が終了したときには、非持越中における再遊技高確率状態へと遊技状態が移行する。また、非内部中においてBB1が入賞したときには、非持越中の再遊技高確率状態へと遊技状態が移行する。なお、非持越中の再遊技高確率状態において、BB1一般中の終了条件が成立したときには、そのままのRT状態を維持して非内部中の有利RTへと遊技状態が移行する。
これにより、第1実施形態においては、非持越中にRB2の当選を持ち越さない限りリプレイ当選確率が高い状態で遊技をすることができなかったのに対して、変形例1においては、非持越中にRB3が当選したときにおいてもリプレイ当選確率が高い再遊技高確率状態で遊技をすることができる。さらに、第1実施形態においては、非内部中においてBB1が入賞したときにはリプレイ当選確率が低い状態で遊技をすることになるのに対して、変形例1においては、非内部中においてBB1が入賞したときにリプレイ当選確率が高い再遊技高確率状態で遊技をすることができる。このように、変形例1においては、非持越中にRB2の当選を持ち越さなくてもリプレイ当選確率が高い再遊技高確率状態で遊技をすることができるため、より遊技者を有利にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、RB3の当選確率は任意に設定可能であるが、たとえば、RB1よりも当選確率を高くすれば、再遊技高確率状態における遊技を頻繁に遊技者に行わせることで、所有するメダルを極力消費することなくRB2が当選するまで遊技者に遊技させることができる。反対に、RB1よりも当選確率を低くすれば、RB3が当選したときの喜びを一層強くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、変形例1においては、非内部中において貫通型のCBに入賞するようになっている。貫通型のCBはメダルの払い出しが27枚を超えると終了する。そして、CB中においては、1ゲームが2枚賭けとなり、押し順ベルに当選したときに遊技者が順押しでストップスイッチを操作すれば14枚のメダルが払い出され、遊技者が順押し以外(たとえば、逆押し)でストップスイッチを操作すれば13枚のメダルが払い出されるものであってもよい。このようにすれば、CB中においては、少なくとも1ゲーム目および2ゲーム目のいずれかにおいて遊技者が順押し以外でストップスイッチを操作すれば3ゲーム目に突入することができ、最高で31枚(13枚+14枚+14枚)のメダルを獲得することができる。なお、1ゲーム目あるいは2ゲーム目で順押し以外でストップスイッチを操作することは、予め遊技者が知っていてもよいし、ナビ演出によって報知してもよい。なお、このようなCBは、第1実施形態におけるBB2に置き換えてもよい。また、第1実施形態におけるBB2においても、上記CBのように1ゲーム目あるいは2ゲーム目に遊技者が特定の押し順(たとえば、順押し)以外でストップスイッチを操作すれば3ゲーム目に突入することができるようにしてもよい。
図31は、変形例2に係る遊技状態の遷移を説明するための図である。変形例2に係る遊技状態と、変形例1に係る遊技状態との違いは、BB1一般中が終了して非内部中へと遊技状態が移行するときの経路が1つしか設けられていないことである。具体的に、変形例1においては、非内部中に有利RTしか設けられていない。このため、RB2持越中においてBB1一般中が終了した場合に限らず、RB2持越中以外の遊技状態に制御されているときにBB1一般中が終了した場合であっても、非内部中に制御されたときには有利RTになる。つまり、第1実施形態や変形例1においては、BB1一般中において終了条件が成立したときのRT状態を維持したまま(すなわち、リプレイ当選確率を維持したまま)で非内部中へと遊技状態が移行するのに対して、変形例2においては、BB1一般中において終了条件が成立したときのRT状態を必ずしも維持することなく、非内部中において有利RTとなる。
第1実施形態において、非内部中においてBB3に入賞可能にするとともに、BB3に入賞したときには、BB3一般中へと遊技状態を移行させてもよい。また、BB3一般中は、BB1一般中と同様の遊技状態の遷移とするが、払出枚数が360枚を超えたときに終了するのではなく、それよりも少ない、たとえば100枚を超えたときに終了するように終了条件を設定してもよい。また、非内部中においてBB3に入賞したときには、変形例1や変形例2と同様に、非持越中の再遊技高確率状態へと遊技状態を移行させてもよい。
このようにすれば、BB2が繰り返し行われるといった有利な状態である非内部中がBB3の入賞によって終了したとしても、払出枚数が100枚を超えたときに再び非内部中へと遊技状態を戻すことができるとともに、リプレイ当選確率が高い状態で遊技を進めることができる。これにより、非内部中が終了したとしても、遊技者を大きく落胆させることを極力防止することができる。また、7揃い外れの図柄組合せが導出されて非内部中が終了するものである場合、その時点で遊技者が遊技を止めてしまうこともあり得るが、非持越中の再遊技高確率状態へと遊技状態を移行させることで、すぐに遊技者が遊技を止めてしまうことを回避することができる。たとえば、遊技者は、少なくともRB1やRB2が入賞して再遊技高確率状態が終了するまで遊技を続ける可能性が高いため、それまでの期間は遊技者が遊技を止めてしまうことを回避することができ、当該期間中に消化したゲームによって終了条件となるメダル枚数まである程度近づかせることもできる。
図5に示す第1実施形態における遊技状態の遷移、および図30に示す変形例1における遊技状態の遷移において、遊技状態がBB1一般中からルート1の経路で非内部中に移行する場合、有利RTではなく、一旦不利RTに移行してもよい。たとえば、不利RTとして、不利RT1と、不利RT2とを設け、不利RT1においては特殊リプレイに当選可能である一方で、不利RT2においては特殊リプレイに当選しないものであってもよい。そして、遊技状態がBB1一般中からルート1の経路で非内部中に移行するときには不利RT1に移行する一方で、遊技状態がBB1一般中からルート2の経路で非内部中に移行するときには不利RT2に移行してもよい。そして、ルート1の経路で移行した不利RT1においては、特殊リプレイに入賞することによって遊技状態が有利RTに移行するものであってもよい。このようにすれば、遊技状態がルート1の経路で非内部中に移行したときには、ルート2の経路で非内部中に移行したときよりも、遊技者にとっての有利度を高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ATについて]
本実施の形態においては、特定の役を入賞させるための操作手順を報知するナビ演出が実行されるAT(アシストタイム)に制御されないが、ATに制御されるものであってもよい。たとえば、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
たとえば、AT抽選においてナビストックやATゲーム数が付与されたときには、ATに制御され、押し順ベルに当選したときにナビ演出の実行によって主役を入賞させるための正解手順が報知されるものであってもよい。さらに、第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態のいずれにおいても、非持越中ではATに制御されないのに対して、RB持越中ではATに制御可能であってもよい。このようにすれば、非持越中に押し順ベルに当選したときには、正解手順が報知されないため主役の入賞を取りこぼすのに対して、RB持越中に押し順ベルに当選したときには、正解手順が報知されることで主役を入賞させることができる。また、非持越中ではAT抽選が実行されない、あるいはAT抽選が実行されてもナビストックやATゲーム数が付与されないのに対して、RB持越中ではAT抽選が実行されるものであってもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの他の変形例について]
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。