本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。なお、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、3つの連続する図柄が表示結果として透視窓3に導出表示される。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できる。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では、規定数として3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。3つのリール2L,2C,2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、左第1停止、中第1停止、右第1停止がある。なお、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれるようにしてもよい。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
筐体1a内部には、図2に示すように、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筐体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜LM4を設定している。無効ラインLM1〜LM4は、これら無効ラインLM1〜LM4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうちのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
また、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態での起動時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
特別ワークは、遊技状態を示す遊技状態フラグが格納される遊技状態格納ワークおよび内部当選フラグが格納される内部当選フラグ格納ワークを含み、設定変更状態に移行する場合にも特別ワークは初期化されることがないため、設定変更がされた場合でも設定変更前の遊技状態および内部当選フラグ(特に持越中の特別役の当選フラグ)が維持される。一方、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時には、初期化0により特別ワークも含むRAM41cの全ての領域が初期化されるので、この場合には、遊技状態および内部当選フラグも初期化されることとなる。以下では、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動する操作をRAMクリア操作とも呼ぶ。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役ともいう。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。なお、後述するBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)といった特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合でも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。また、このような特別役の当選フラグを持ち越した状態を持越中とも称する。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。RAM41cの所定領域には、判定値テーブルが格納されている。0〜65535の判定値の範囲内で定められた各役に対応する判定値の範囲(判定値数)は、判定値テーブルによって特定可能である。メイン制御部41は、取得した乱数値と判定値テーブルにより特定される各役の判定値の範囲とに応じて入賞を許容するか否かの判定を行う。
具体的には、内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態、および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
次に、リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L,32C,32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L,32C,32Rを336ステップ駆動させることでリール2L,2C,2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
特別役を備えた場合は次のようなリール制御を行う。たとえば、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスや有利RTなどの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順、正解手順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では弱チェリー、強チェリー、BB1、BB2、BB3)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選時に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される期待度(信頼度)やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役(AT抽選対象役)の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、強チェリー、弱チェリーの順となるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される期待度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBBと同時当選していないときよりも、BBと同時当選しているときの方が高くなるようにAT抽選が行われるようにしてもよい。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタ演出(キャラクタA演出、キャラクタB演出など)、ボタン演出、連打演出、フリーズ演出、連続演出などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
フリーズ演出とは、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させる演出である。フリーズ演出では、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち少なくともいずれかの操作を有効化するタイミングを遅延させる演出であればよく、その対象が1のストップスイッチであってもよく、また2以上のストップスイッチであってもよい。本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rすべての操作を有効化するタイミングを所定期間に亘り遅延させることにより、フリーズを発生させる。フリーズ演出中は、たとえば、リールが回転しなかったり、リールが通常時とは異なる速度で回転したり、リールが逆回転に回転するものであってもよい。フリーズ演出は、ボーナスとATとが当選したとき(BB+AT当選時)に実行されるフリーズ抽選において、所定確率(たとえば、50%)で当選するように定められている。なお、フリーズ演出は、ゲーム開始時ではなく、ゲーム中やゲーム終了時のタイミングで実行されるようにしてもよい。
連続演出とは、複数ゲームにわたってBB当選あるいはAT当選の可能性を示唆する演出を実行した後に、抽選結果を報知する演出である。たとえば、連続演出においては、味方キャラクタXと敵キャラクタYとが戦う演出が実行される。このような連続演出は、少なくとも2ゲーム以上継続される。そして、味方キャラクタXが敵キャラクタYに勝利すると、BB当選あるいはAT当選したこと、または、BB当選およびAT当選したことが報知される。逆に味方キャラクタXが敵キャラクタYに敗れると、BB当選もAT当選もしていなかったことが報知される。なお、連続演出の結果からは、BB当選はしているが、それがBBのみ当選しているのかBB+AT当選しているのかを分からなくすることができる。また、連続演出は、1ゲームで終了する場合があってもよい。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の期待度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している期待度が、フリーズ演出、連続演出、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、AT当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドにより特定の抽選対象役に当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、AT当選したゲームからATを開始する。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、有利RTに制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。また、上乗せ抽選は、BB当選とともにAT当選した場合における、ボーナス遊技中(BB中)においても実行される。なお、BB当選のみの場合には、ボーナス遊技中にAT抽選が実行されるようにすればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。なお、AT中の上乗せ示唆演出とBB中の上乗せ示唆演出は演出内容が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、AT中とBB中とで、上乗せされるATゲーム数が異なるようにしてもよい。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づきBBなどの特別役に当選したか否かを判断できる。また、サブ制御部91は、特別役の持越中においては、内部抽選でハズレとなったか否かを判断することで、特別役を入賞させることができるゲームであるか否かを判断することができる。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順ともいう)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信されるのに対して、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。サブ制御部91は、操作コマンドに基づき当選したBBを入賞させることができたか否か、すなわちBB初当り時においてBB入賞を取りこぼしてBBを持ち越したか否か、および持越中のBBを入賞させることができたか否かを判断できる。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
サブ制御部91は、当選示唆演出抽選によって、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を決定したときには、BB抽選・AT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、BB抽選およびAT抽選の結果を報知する。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「ボーナス確定」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出(確定表示演出)が実行され、AT当選であったときには「AT確定」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出(特典報知演出)が実行される。またBB当選かつAT当選であったときにはフリーズ演出や連続演出等演出の実行後に「ボーナス確定」といったメッセージが表示される。ここで、フリーズ演出が実行された場合は、BB当選かつAT当選の状態であるので、「ボーナス確定」の画面表示の段階では、BB当選かつAT当選であることが分かる。それに対し、連続演出が実行された後の「ボーナス確定」の画面表示の段階では、BB当選のみであるのか、BB当選かつAT当選であるのかが分からなくなっている。なお、連続演出後の「ボーナス確定」の画面表示において、ナビ演出が実行された場合には、BB当選かつAT当選であることが確定する。また、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行されるようにしてもよい。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[第1実施形態に係るスロットマシン]
上記のような構成を有するスロットマシン1において、図5〜図22を参照しながら、第1実施形態について説明する。なお、図1〜図4を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。
[遊技状態の遷移]
図5は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図5に示すように、非内部中には、有利RT,不利RTの他に中間RTが存在する。中間RTは、有利RTから転落リプ入賞(転落リプ入賞となる表示結果が導出)されることで移行する遊技状態である。中間RTは、不利RTと比べ再遊技役(単にリプレイとも称する)の当選確率が高くなっている。また、ATへの当選確率は、不利RT<中間RT<有利RTの順に高い。また、中間RTにおいて、昇格リプ入賞(昇格リプ入賞となる表示結果が導出)されることで有利RTへ移行する。また、中間RTからは、転落リプ入賞(転落リプ入賞となる表示結果が導出)されることで不利RTへと移行する。不利RTからは、BB入賞させビッグボーナスを経由することで有利RTへ移行する。また、不利RTからは、BAR揃いリプレイ当選時において、BAR揃いリプ入賞または昇格リプ入賞により有利RTへ移行する。また、中間RTからは、昇格リプ入賞により有利RTへ移行する。不利RTからBAR揃いリプレイに当選すると、ボーナスに当選するまで、継続する無限ARTに制御される。また、無限ARTでは、ボーナス終了後のATゲーム数を上乗せする上乗せ抽選が実行されるようにしてもよい。また、BAR揃いリプレイ当選時に、フリーズ演出を発生させるようにしてもよい。ない、BAR揃いリプレイ当選後は、無限ARTではなく、100ゲーム等の所定のゲームでATが終了するようにしてもよい。
ここで、中間RTからは、1/65536より大きい確率で昇格リプレイ当選時または押し順リプ当選時の正解手順により、有利RTへ移行する。それに対し、不利RTからは、1/65536の確率でBAR揃いリプレイに当選することにより、有利RTへ移行する。よって、中間RTから有利RTへ移行する割合は、不利RTから有利RTへ移行する割合よりも高くなるように制御される。
このように、通常遊技状態としての不利RTからは、ビックボーナスを経由すること以外の特殊条件が成立(BAR揃いリプレイ当選時のBAR揃いリプ入賞または昇格リプ入賞)したときに、有利RTへ制御可能である。よって、不利RT中にビッグボーナスを経由すること以外の特殊条件が成立したときに有利RTへ制御可能であるため、不利RT中においてビッグボーナスとなることを待つのみとなる遊技性を防ぐことができる。
また、特殊条件は、BAR揃いリプ入賞が発生したときに成立する。BAR揃いリプは、BAR揃いリプレイ当選時に正解手順で操作されたときに入賞できる。BAR揃いリプレイは、1/65536という極めて低い確率でしか当選しないが、不利RT中に当選することがあるので、遊技者を表示結果に注目させることができる。
また、有利RTから遊技状態が転落してしまったとしても中間RTへ制御される。また、不利RTから有利RTへ制御するよりも高い確率で、中間RTから有利RTへ制御される。言い換えると、中間RTからは、不利RTよりも有利RTへ制御されやすい。さらに、不利RTからも有利RTへ制御されることがある。よって、遊技状態が転落したとしても転落に対する救済が可能となる。
非内部中においてBB(BB1〜BB3)が入賞すると、遊技状態がBB中に移行する。BB中が終了して非内部中へと遊技状態が遷移する経路としては、ルート1と、ルート2とがある。ルート1は、遊技状態がRB持越中に制御されており、所定数を超える払出しがあったときにBB中が終了した場合の経路である。また、ルート2は、遊技状態がRB持越中以外の遊技状態に制御されており、所定数を超える払出しがあったときにBB中が終了した場合の経路である。ルート1の経路でBB中が終了した場合、非内部中の有利RTへと遊技状態が移行する。一方、ルート2の経路でBB中が終了した場合、非内部中の不利RTへと遊技状態が移行する。
また、非内部中においてBBが小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BBが単独当選している場合にBB入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。BB持越中において、BBが入賞すると、遊技状態がBB中に移行する。
また、RBは、BB中に限り当選可能である。BB中にRBが当選したときには、停止操作のタイミングに応じてRBが入賞する。RBが入賞すると、RB中へと遊技状態が移行する。この場合、BB中においてRB中での遊技が行われる。RB中において2ゲーム消化すると、再びBB中における非持越中に遊技状態が移行する。一方、RBが当選した場合にRBの入賞を取りこぼしたときには、RB持越中へと遊技状態が移行する。この場合、BB中においてRB持越中での遊技が行われる。RB持越中においてRBが入賞すると、RB中へと遊技状態が移行する。なお、RBは、BB中に限り当選可能であるものに限らず、その他の遊技状態においても当選可能であってもよい。また、この場合、BB中においては、その他の遊技状態よりもRBの当選確率が高まってもよい。
ここで、BB中において、所定数を超えるメダルの払出しがあり、かつ、RB持越中である場合には、その後の遊技状態が有利遊技状態としての有利RTに移行する。有利RTは、後述する通常遊技状態としての不利RTと比べ再遊技役(リプレイ)の当選確率が高くなっている。よって、メダルを消費しづらくすることができ、遊技者にとって有利な状態である。また、BB中において、非持越中あるいはRB中である場合には、所定枚数を超えるメダルの払出しにより、遊技状態が通常遊技状態としての不利RTに移行する。不利RTは、再遊技役(リプレイ)の当選確率が低く、遊技をすればするほどメダルが消費されていくので、遊技者にとって不利な状態である。
また、非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順が正解手順でなければ主役を入賞させることができないが、RB持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず後述する主役を入賞させるようにリール制御が行われる。このようにするには、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでは、内部当選フラグが異なることを利用して、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでリール制御を異ならせるようにすればよい。RB持越中である場合には、当選フラグが押し順ベル+RBとなり、当該フラグになったことで主役のみが入賞するリール制御を行うことにより、操作手順に関わらず主役を入賞可能となる。このようにすれば、RB持越中にメダルを増加させることができる。
また、非内部中の有利RTや中間RTは、BB中のRB持越中と同様に、リプレイ当選確率が約1/3である。つまり、ルート1の経路では、リプレイ当選確率は維持されたままで遊技状態が遷移する。また、非内部中の有利RTや中間RTは、BB中のRB持越中と同様に、押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御が行われる。
また、非内部中の不利RTは、BB中の非持越中と同様に、リプレイ当選確率が約1/7.3である。つまり、ルート2の経路もルート1の経路と同様に、リプレイ当選確率は維持されたままで遊技状態が遷移する。また、非内部中の不利RTは、BB中の非持越中と同様に、押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチが正解手順で操作されたときに主役を入賞させるのに対して、不正解手順で操作されたときに副役を入賞させるか、あるいは入賞を取りこぼすようなリール制御が行われる。
図5に示すように、ビッグボーナスの終了後に有利RTへ制御可能なものにおいて、有利RTからは、中間RTを経由して不利RTに制御可能である。また、不利RTからは、ビッグボーナスを経由すること、あるいは、BAR揃いリプレイ当選時のBAR揃いリプ入賞または昇格リプ入賞によって有利RTへと制御可能である。さらに、中間RTからは、ビッグボーナス以外の昇格リプに入賞するという条件で有利RTへ制御可能である。このようにすれば、一度有利RTから転落してもすぐに不利RTへ制御されないようにすることで、遊技の興趣が低下してしまうことを極力防止することができる。また、中間RTからは、ビッグボーナスを経由すること以外の条件により有利RTへ制御可能であるので、興趣を向上させることができる。
また、図5に示すように、ビッグボーナス中(BB中)にRB取りこぼしによるRB持越し状態となり、RB持越し状態で所定数を超える払出しがあったときには、ビッグボーナス終了後に有利RTへ移行する。また、ビッグボーナス中(BB中)にRB入賞させたときには、ビッグボーナス終了後に不利RTへ移行する。このように、RB持越し状態という特定条件が成立することで、ビッグボーナス終了後に有利RTへ制御することができる。また、一度有利RTから転落しても中間RTからは、有利RTへ制御可能であるので、興趣を向上させることができる。
また、図5に示すように、非内部中においてBBが小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BBが単独当選している場合にBB入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。そして、ビッグボーナス中(BB中)にRBが当選した場合に、RBの入賞を取りこぼすという特定条件が成立したときには、RB持越中へと遊技状態が移行する。RB入賞を取りこぼすためには、所定のタイミングでストップスイッチ8L〜8Rを操作する必要がある。このように、特定条件を成立させるためには、BB中にRB入賞を持ち越されるようにしないといけないため、技術介入性を持たせた遊技とすることができる。
[入賞役]
図6は、特別役の種類、特別役の図柄組合せ、および特別役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図7は、小役の種類、小役の図柄組合せ、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。図6を参照して、入賞役のうちの特別役について説明する。特別役としては、ビッグボーナスであるBB1,BB2およびBB3と、レギュラーボーナスであるRBとが設けられている。
BB1は、非内部中において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB1を構成する「赤7」は、各リールにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、内部抽選においてBB1に当選したときには、他の役が優先されているときは他の役を入賞させる制御を行い、他の役が優先されていないときは、停止操作タイミングにより「赤7」を入賞させる制御を行う。なお、本実施の形態においては、小役(後述の中段ベル)や再遊技役(後述の通常リプレイ)がBB1と同時当選することがあり、この場合、小役や再遊技役がBB1よりも優先的に入賞する。BB1が入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の赤色の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BB1が入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。
非内部中においてBB1が入賞すると、遊技状態がBB中(BB1中)に移行する。BB1中は、当該BB1中において払い出されたメダルの総数が360枚を超えることで終了する。非内部中においてBB1が小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BB1が単独当選している場合にBB1入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。BB持越中において、BB1が入賞すると、遊技状態がBB中(BB1中)に移行する。
BB2は、非内部中において入賞ラインLNに「青7−青7−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2を構成する「青7」は、各リールにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、内部抽選においてBB2に当選したときには、他の役が優先されているときは他の役を入賞させる制御を行い、他の役が優先されていないときは、停止操作タイミングにより「青7」を入賞させる制御を行う。なお、本実施の形態においては、小役(後述の中段ベル)や再遊技役(後述の通常リプレイ)がBB2と同時当選することがあり、この場合、小役や再遊技役がBB2よりも優先的に入賞する。BB2が入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の青色の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BB2が入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。
非内部中においてBB2が入賞すると、遊技状態がBB中(BB2中)に移行する。BB2中は、当該BB2中において払い出されたメダルの総数が240枚を超えることで終了する。非内部中においてBB2が小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BB2が単独当選している場合にBB2入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。BB持越中において、BB2が入賞すると、遊技状態がBB中(BB2中)に移行する。
BB3は、非内部中において入賞ラインLNに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3を構成する「白7」は、各リールにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、内部抽選においてBB3に当選したときには、他の役が優先されているときは他の役を入賞させる制御を行い、他の役が優先されていないときは、停止操作タイミングにより「白7」を入賞させる制御を行う。なお、本実施の形態においては、小役(後述の中段ベル)や再遊技役(後述の通常リプレイ)がBB3と同時当選することがあり、この場合、小役や再遊技役がBB3よりも優先的に入賞する。BB3が入賞したときには、液晶表示器51の画面上に「7−7−7」の白色の文字画像(あるいは7−7−7に対応する図柄画像)が表示される。すなわち、BB3が入賞したときには、7揃いになったことを遊技者に想起させる情報が報知される。
非内部中においてBB3が入賞すると、遊技状態がBB中(BB3中)に移行する。BB3中は、当該BB3中において払い出されたメダルの総数が120枚を超えることで終了する。非内部中においてBB3が小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BB3が単独当選している場合にBB3入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。BB持越中において、BB3が入賞すると、遊技状態がBB中(BB3中)に移行する。
RBは、BB中における非持越中またはRB持越中において入賞ラインLNに「赤7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBを構成する左リールの「赤7」は、左リールにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてRBに当選したときには、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに応じてRBの入賞を取りこぼすことがある。
特に、本実施の形態の場合、図3に示すように、左リール2Lにおいて黒BARがチェリーの近辺に配置されている。このため、遊技者は、チェリー(後述の中段チェリーや下段チェリー)の入賞を取りこぼさないように、左リール2Lにおいて透視窓3に黒BARが表示されたタイミングでストップスイッチ8Lを操作(いわゆる目押し)する傾向にある。これにより、左リール2Lにおいて黒BARから5コマ以上離れて配置されている赤7が入賞ラインLN上に停止されないようになっている。その結果、左リール2Lにおいて黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作する遊技者は、大抵の場合、RBに当選したときにRBの入賞を取りこぼす。なお、左リール2Lの黒BAR近辺にはスイカも配置されているため、スイカの役が設けられているときには、なおさら遊技者が黒BARを狙ってストップスイッチ8Lを操作するようになる。
次に、図7を参照して、入賞役のうちの小役について説明する。小役には、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、1枚ベル9、1枚1、1枚2、中段ベル、右上がりベル、下段ベル、中段チェリー、および下段チェリーが含まれる。
なお、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル2、1枚ベル3、1枚ベル4A、1枚ベル4B、1枚ベル5、1枚ベル6、1枚ベル7A、1枚ベル7B、1枚ベル8、および1枚ベル9を1枚ベルともいい、1枚1および1枚2を1枚役ともいう。
1枚ベルの各々は、単独では左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している1枚ベルに入賞しないが、同時に当選する役の種類によっては、いずれかの役が入賞する。たとえば、1枚ベル1Aを構成する左リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、1枚ベル1Aを構成する中リールの「チェリーa」、および右リールの「白7」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において1枚ベル1Aに当選していても、中リール、右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している1枚ベル1Aに入賞しない。しかし、1枚ベルの全て(以下、全1枚ベルともいう)が同時に当選したときには、左リールの「リプレイ」、中リールの「チェリーa」/「チェリーb」/「プラム」、右リールの「白7」/「チェリーa」/「BAR」/「プラム」が各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において全1枚ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらずいずれかの役を入賞させることができる。1枚ベルの各々が入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せが上段、すなわち無効ラインLM1に揃い、メダルが1枚払い出される。
1枚役の各々は、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、1枚ベル1を構成する左リールの「青7」/「スイカ」、中リールの「ベル」、および右リールの「赤7」/「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において1枚ベル1に当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず1枚ベル1を入賞させることができる。1枚役の各々が入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
中段ベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、中段ベルを構成する左リールの「ベル」、中リールの「ベル」、および右リールの「ベル」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において中段ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず中段ベルを入賞させることができる。中段ベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
右上がりベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、右上がりベルを構成する左リールの「青7」/「スイカ」、中リールの「ベル」、および右リールの「白7」/「チェリーa」/「BAR」/「プラム」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において右上がりベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず右上がりベルを入賞させることができる。右上がりベルが入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。右上がりベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
下段ベルは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、下段ベルを構成する左リールの「青7」/「スイカ」、中リールの「白7」/「BAR」/「リプレイ」、および右リールの「赤7」/「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において下段ベルに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず下段ベルを入賞させることができる。下段ベルが入賞したときには、「ベル−ベル−ベル」の組合せが下段、すなわち無効ラインLM2に揃う。下段ベルが入賞したときには、メダルが8枚払い出される。
中段チェリーは、左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ入賞しない。たとえば、中段チェリーを構成する左リールの「チェリーa」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において中段チェリーに当選していても、左リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している中段チェリーを入賞させることができない。中段チェリーが入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
下段チェリーは、左リール、中リール、および右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ入賞しない。たとえば、下段チェリーを構成する左リールの「BAR」は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している下段チェリーを入賞させることができない。下段チェリーが入賞したときには、「チェリー」の図柄が左リールの下段に導出される。下段チェリーが入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、図8を参照して、入賞役のうちの再遊技役について説明する。なお、リプはリプレイを省略した記載である。再遊技役には、維持リプ、昇格リプ、転落リプ、制御用リプ1、制御用リプ2、制御用リプ3、制御用リプ4、制御用リプ5、およびBAR揃いリプが含まれる。
通常リプレイは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、中段リプレイを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において中段リプレイに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず中段リプレイを入賞させることができる。中段リプレイが入賞したときには、リプレイゲームが付与される。
維持リプは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、維持リプを構成する左リールの「ベル」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において維持リプに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず維持リプを入賞させることができる。維持リプが入賞したときには、リプレイゲームが付与される。維持リプは、遊技状態が現在のまま維持されるリプレイである。
昇格リプは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、昇格リプを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「ベル」、および右リールの「リプレイ」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において昇格リプに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず昇格リプを入賞させることができる。昇格リプが入賞したときには、リプレイゲームが付与される。昇格リプは、遊技状態が昇格する可能性のあるリプレイである。
転落リプは、停止操作のタイミングに関わらず入賞する。たとえば、転落リプを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、および右リールの「ベル」は、各々5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において転落リプに当選したときには、停止操作のタイミングに関わらず転落リプを入賞させることができる。転落リプが入賞したときには、リプレイゲームが付与される。転落リプは、遊技状態が転落する可能性のあるリプレイである。
また、制御用リプ1〜5は、制御用のリプレイであって、維持リプ、昇格リプ、および転落リプと同時に当選する。ストップスイッチの操作タイミングに関わらず、制御用リプ1〜5と同時当選している維持リプ、昇格リプ、および転落リプを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイ1〜5は、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
[抽選対象役]
図9は、抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。なお、入賞役の“+”は、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを意味する。
内部抽選の対象役には、押し順ベルA1、押し順ベルA2、押し順ベルA3、押し順ベルA4、押し順ベルB1、押し順ベルB2、押し順ベルB3、押し順ベルB4、押し順ベルC1、押し順ベルC2、押し順ベルC3、押し順ベルC4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、ボーナス中押し順ベル、通常リプレイ、BAR揃いリプレイ、昇格リプレイ、押し順リプA、押し順リプB、押し順リプC、押し順リプD、押し順リプE、押し順リプFが含まれる。
図9に示すように、各抽選対象役は、所定の役のみが単独で抽選されるか、あるいは複数の役が同時に抽選される。たとえば、押し順ベルA1は、中段ベル+1枚ベル1A+1枚ベル1B+1枚ベル4A+1枚ベル4B+1枚1の組合せである。また、ボーナス中押し順ベルは、中段ベル+右上がりベル+下段ベルの組合せである。また、通常リプは、単独で当選する。
図10は、特別役の抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。特別役の内部抽選の対象役には、BB1重複a、BB1重複b、BB1重複c、BB2重複a、BB2重複b、BB2重複c、BB3重複a、BB3重複b、BB3重複c、BB1単独、BB2単独、BB3単独、RBが含まれる。
図10に示すように、各抽選対象役は、所定の役のみが単独で抽選されるか、あるいは複数の役が同時に抽選される。BB1,BB2,BB3は、中段ベルや通常リプレイ、あるいは中段チェリーのいずれかと同時に当選することも、単独で当選することもある。たとえば、BB1の抽選対象役としては、BB1重複a、BB1重複b、BB1重複c、およびBB1単独が設けられており、BB1重複aは、BB1+中段ベルの組合せであり、BB1重複bは、BB1+通常リプレイの組合せであり、BB1重複cは、BB1+中段チェリーの組合せであり、BB1単独は、BB1の単独当選である。
ここで、BB1、BB2またはBB3のいずれにおいても、中段ベルや通常リプレイ、あるいは中段チェリーのいずれかと同時当選することがある。さらに、前述したように、BB1やBB2、あるいはBB3のいずれにおいても、中段ベルや通常リプレイのいずれかと同時当選した場合には、中段ベルや通常リプレイが優先的に入賞し(本実施の形態においては中段ベルや通常リプレイが必ず入賞する)、BB1やBB2、あるいはBB3の当選は次のゲームに持ち越される。なお、中段チェリーとBBとが同時当選したときには、左リール2Lの図柄配置によりボーナスを引込むタイミングであれば、ボーナスを引込み、中段チェリーを引込むタイミングであれば中段チェリーを引込み、いずれも引込めないタイミングであれば、ハズレを引込むように制御される。
なお、BB1やBB2、あるいはBB3のいずれかと同時当選する可能性のある中段ベルや通常リプレイ、あるいは中段チェリーを重複役とも称する。
[押し順ベル当選時のリール制御]
図11は、BB持越中以外の押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。本実施の形態では、BB持越中とそれ以外では、押し順ベル当選時のリール制御が異なる。図12は、BB1持越中の押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。また、図13は、BB2持越中の押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。また、図14は、BB3持越中の押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。
図11に示すように、BB持越中以外においては、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときに、当選役のうちの最も払い出しの多い中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルが入賞する一方で、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときに、1枚ベルや1枚役が入賞したり、あるいは入賞を取りこぼしたりするようにリール制御が行われる。押し順ベルに当選したときにおいて、正解手順でリールを停止させたときに導出される小役を「主役」、不正解手順でリールを停止させたときに導出され得る小役を「副役」ともいう。
このように、BB持越中以外において、押し順ベルのいずれかに当選したときには、当選役の種類に応じた操作態様(正解手順)でリールを停止させたときに、中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルのいずれかが必ず入賞し、8枚のメダルを獲得できる一方で、当選役の種類に応じた正解手順以外でリールを停止させたときに、1枚のメダルを獲得できるか、1枚もメダルを獲得できない。このため、BB持越中以外においては、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた正解手順でリールを停止させたか否かによって払い出されるメダル数の期待値が変わる。
BB持越中以外においては、押し順ベルのいずれかに当選しても、その種類が分からなければ正解手順を意図的に選択することはできず、正解手順でリールを停止させることができれば、8枚のメダルを確実に獲得できるものの、正解手順でリールを停止させることができなければ、メダルが獲得できても1枚のみであり、メダルを1枚も獲得できないこともある。
なお、主役を入賞させるためのストップスイッチの操作手順が報知されるAT(アシストタイム)に制御される場合には、主役を入賞可能である。また、BB持越中以外においては、ボーナス中押し順ベルは、主役のみが同時当選しているため、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ずいずれかの主役が入賞するようになっている。
ここで、押し順ベルに当選したときの具体的な例について説明する。たとえば、押し順ベルA1に当選したときには、押し順共通コマンドがメイン制御部41からサブ制御部91へと送信される。押し順共通コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選したことを示すコマンドである。よって、サブ制御部91は、押し順共通コマンドのみでは、左第1停止が正解手順である押し順ベルA1〜A4に当選しているのか、中第1停止が正解手順である押し順ベルB1〜B4に当選しているのか、あるいは、右第1停止が正解手順である押し順ベルC1〜C4に当選しているのかを判定することはできない。押し順ベルA1に当選したときがAT中でない場合には、押し順ベルに当選したことを示す押し順共通コマンドがメイン制御部41からサブ制御部91へと送信される。それに対し、押し順ベルA1に当選したときがAT中である場合には、押し順ベルに当選したことを示す押し順共通コマンドとともに押し順ベルA1に対応する操作手順を示すコマンド(左第1停止が正解手順であることを示すコマンド)がメイン制御部41からサブ制御部91へと送信される。サブ制御部91では、AT中である場合には、押し順ベルに対応する操作手順を示すコマンドに基づいて正解手順である左第1停止を示すナビ演出を実行する。このような場合には、たとえば、左リール2Lを最初に操作させるための数字が画面上に表示されるとともに、中リール2Cを2番目に操作させ、右リール2Rを3番目に操作させるための数字が画面上に表示される。なお、第1停止のみが報知されるようにしてもよい。また、小役に当選した場合には、必ずナビ演出を実行するようにしてもよいし、所定の確率でナビ演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、押し順ベルに当選した場合に、100%の割合で押し順が報知されるようにしてもよいし、50%の割合で押し順が報知されるようにしてもよい。このような割合は、小役に当選したときの抽選により決定されるようにしてもよい。
ここで、図11に示すように、各押し順ベルに当選したときの正解手順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止であるため何れかの3択に当選することにより正解手順が導かれる。それに対し、左第1停止した後に、中を押すか、右を押すかまでを含めて正解手順としてもよい。このような場合には、6択に当選することにより正解手順が導かれる。AT中においてナビ演出が実行される場合には、このような3択や6択の正解手順が報知される。
図12に示すように、BB1持越中においては、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときと、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときのいずれにおいても、当選役のうちの最も払い出しの多い中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルのいずれかが入賞する。つまり、全て「主役」が入賞するようにリール制御が行われる。
このように、BB1持越中において、押し順ベルのいずれかに当選したときには、当選役の種類に応じた操作態様(正解手順)でリールを停止させたときであっても、正解手順以外の不正解手順でリールを停止させたときであっても、中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルのいずれかが必ず入賞し、8枚のメダルを獲得できる。このため、BB1持越中において、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた正解手順でリールを停止させたか否かに関わらず、払い出されるメダル数が一定である。また、BB1持越中において、押し順ベルの当選時には、必ず「主役」の表示結果が導出される。
図13に示すように、BB2持越中においては、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときに、当選役のうちの最も払い出しの多い中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルが入賞する一方で、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときに、1枚ベルや1枚役が入賞したり、あるいは入賞を取りこぼしたりするようにリール制御が行われる。これは、図11に示すBB持越中以外の押し順ベルの組合せと同じである。なお、図13ではBB2持越中であるため図11に示すようにボーナス中押し順ベルには当選しないようになっている。
このように、BB2持越中において、押し順ベルのいずれかに当選したときには、当選役の種類に応じた操作態様(正解手順)でリールを停止させたときに、中段ベルや右上がりベル、あるいは下段ベルのいずれかが必ず入賞し、8枚のメダルを獲得できる一方で、当選役の種類に応じた正解手順以外でリールを停止させたときに、1枚のメダルを獲得できるか、1枚もメダルを獲得できない。このため、BB2持越中においては、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた正解手順でリールを停止させたか否かによって払い出されるメダル数の期待値が変わる。また、BB2持越中において、押し順ベルの当選時には、「主役」または「副役」のうちいずれかの表示結果が導出される。
図14に示すように、BB3持越中においては、各押し順ベルは、対応する正解手順でストップスイッチが操作されたときと、正解手順以外の不正解手順でストップスイッチが操作されたときのいずれにおいても、1枚ベルや1枚役が入賞したり、あるいは入賞を取りこぼしたりするようにリール制御が行われる。つまり、主役が入賞することなく、副役が入賞するか、あるいは入賞を取りこぼすようにリール制御が行われる。
このように、BB3持越中において、押し順ベルのいずれかに当選したときには、当選役の種類に応じた操作態様(正解手順)でリールを停止させたときであっても、正解手順以外の不正解手順でリールを停止させたときであっても、1枚ベルや1枚役が入賞し、1枚のメダルを獲得できたり、あるいは入賞を取りこぼしたりする。このため、BB3持越中において、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた正解手順でリールを停止させたか否かに関わらず、払い出されるメダル数が少なくなる。また、BB3持越中において、押し順ベルの当選時には、「副役」の表示結果が導出されるかあるいは入賞を取りこぼす。
なお、BB2については、「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合が、BB持越中以外の割合と同じである場合について説明した。しかしながら、BB2についても「主役」と「副役」との割合を異ならせるようにしてもよい。また、BB1は、必ず「主役」となるBB3は、「副役」かあるいは入賞を取りこぼすものについて説明した。しかしながら、「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合は、どのように変更してもよい。
たとえば、BB1における入賞確率は、「主役」が80%,「副役」や「ハズレ」が20%、BB2は、「主役」が60%,「副役」や「ハズレ」が40%、BB3は、「主役」が30%,「副役」や「ハズレ」が70%のように適宜変更してもよい。このような場合には、当選役の一部の「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合を変更してもよいし、当選役の一部の操作手順に対応する「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合を変更してもよい。具体的には、押し順ベルA1〜A4のみ「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合を変更し、押し順ベルB1〜B4および押し順ベルC1〜C4は、「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合を変更しないようにしてもよい。また、押し順ベルA1において、通常左第1停止のみ「主役」であったものを、左第1停止、および中第1停止を「主役」とし、右第1停止を「副役」や「ハズレ」とすることで押し順の一部のみ「主役」と「副役」や「ハズレ」との割合を変更してもよい。
図12〜図14に示すように、BBの種類によりBB持越中の押し順ベルの図柄組合せが異なることで、導出される表示結果が異なる。具体的には、BB1〜BB3において、「主役」と「副役」や「ハズレ」との導出される割合が異なるように制御される。このようにすれば、BB当選していることを「主役」表示結果が導出されなかったとき(「副役」や「ハズレ」表示結果が導出されたとき)に否定されないようにすることができ、遊技の興趣が向上する。
また、図11に示すように、「副役」は、入賞が発生する1枚ベルや1枚役である。また、「ハズレ」は、入賞が発生しない表示結果である。よって、BBの種類によりBB持越中の押し順ベルの図柄組合せを異ならせることで、いずれのBBとなっているかの絞込みができるようになり、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、取りこぼしたときに入賞が発生しないハズレとなる場合があった。しかしながら、取りこぼしを無くし、必ず入賞が発生するようにしてもよい。よって、BBの種類によりBB持越中の押し順ベルの図柄組合せを異ならせることで、いずれのBBとなっているかの絞込みができるようになり、興趣を向上させることができる。
また、図12〜図14に示すように、BBの種類により「副役」の導出される割合が異なる。たとえば、BB1持越中において、押し順ベルA1に当選したときの不正解手順で操作されたときの表示結果(リプレイ−チェリーa−白7)と、BB2持越中において、押し順ベルA1に当選したときの不正解手順で操作されたときの表示結果(リプレイ−チェリーa−白7)とが導出される確率が異なる。このようにすれば、「副役」が導出される割合に注目させることができる。
また、図11〜図13に示すように、BB1当選が持ち越されたときと、BB2当選が持ち越されたときと、BB持越中以外のときとで、主役として同じ中段ベル(ベル−ベル−ベル)が導出される。このようにすれば、主役からはBB当選となっていることが確定しないため主役の出現割合からBB当選していることへの推測を楽しむことができる。
[押し順リプのリール制御]
図15は、押し順リプ当選時のリール制御を説明するための図である。図15に示すように、各押し順リプは、操作手順により、昇格リプ、維持リプ、転落リプのうちのいずれかのリプレイが導出される。各押し順リプにおいて、正解手順で操作されたときには、昇格リプが入賞となる表示結果が導出され、不正解手順で操作されたときには、維持リプあるいは転落リプが入賞となる表示結果が導出される。
押し順リプAは、左第1停止により昇格リプが入賞し、中第1停止により維持リプが入賞し、右第1停止により転落リプが入賞する。押し順リプBは、左第1停止により維持リプが入賞し、中第1停止により転落リプが入賞し、右第1停止により昇格リプが入賞する。押し順リプCは、左第1停止により転落リプが入賞し、中第1停止により昇格リプが入賞し、右第1停止により維持リプが入賞する。押し順リプDは、左第1停止により昇格リプが入賞し、中第1停止により転落リプが入賞し、右第1停止により維持リプが入賞する。押し順リプEは、左第1停止により転落リプが入賞し、中第1停止により維持リプが入賞し、右第1停止により昇格リプが入賞する。押し順リプFは、左第1停止により維持リプが入賞し、中第1停止により昇格リプが入賞し、右第1停止により転落リプが入賞する。
また、押し順リプAと押し順リプEとは、昇格リプと転落リプとを導出する手順が逆となっている。具体的には、押し順リプAでは、正解手順である左第1停止により昇格リプが入賞し、不正解手順である右第1停止により転落リプが入賞する。それに対し、押し順リプEでは、不正解手順である左第1停止により転落リプが入賞し、正解手順である右第1停止により昇格リプが入賞する。また、このような昇格リプと転落リプとで導出する手順が逆となる関係は、押し順リプBと押し順リプFとの間、押し順リプCと押し順リプDとの間でも成立する。
このような押し順リプの関係において、ATに制御されているときには、正解手順によるナビが実行されるため、押し順リプに対応する正解手順が報知され昇格リプが入賞するので、中間RTから有利RTへと制御することができる。また、ATに制御されていないときには、遊技者の運により中間RTから有利RTへと制御することができるので、興趣を向上させることができる。
また、押し順リプに当選したときの具体的な例について説明する。たとえば、押し順リプAに当選したときがAT中でない場合には、押しリプに当選したことを示す押し順リプ共通コマンドがメイン制御部41からサブ制御部91へと送信される。それに対し、押し順リプAに当選したときがAT中である場合には、押し順リプに当選したことを示す押し順リプ共通コマンドとともに押し順リプAに対応する操作手順を示すコマンドがメイン制御部41からサブ制御部91へと送信される。サブ制御部91では、AT中である場合には、押し順リプに対応する操作手順を示すコマンドに基づいて正解手順である左第1停止を示すナビ演出を実行する。このような場合には、たとえば、左リール2Lを最初に操作させるための数字が画面上に表示されるとともに、中リール2Cを2番目に操作させ、右リール2Rを3番目に操作させるための数字が画面上に表示される。なお、第1停止のみが報知されるようにしてもよい。
[内部抽選の判定値数]
図16は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。図16に示すように、内部抽選の対象となる役の各々に対して判定値数が設定されている。なお、図16においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。○印は抽選対象役となることを意味する。なお、各抽選対象役に対する判定値数の記載は、省略してある。また、設定値に応じて判定値数を変化させてもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1では、判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「2000」が設定されている抽選対象役の当選確率は、2000/65536となる。
本実施の形態では、大きく分けて非内部中、BB持越中、およびBB中との間で遊技状態が遷移する。非内部中には、不利RTと、中間RTと、有利RTとが含まれる。また、BB中には、非持越中と、RB持越中と、RB中とが含まれる。各役に対応する判定値の範囲は、RAM41cの所定領域に格納された判定値テーブルにより特定可能である。RAM41cには、非内部中における不利RT用の判定値テーブルと、非内部中における中間RT用の判定値テーブルと、非内部中における有利RT用の判定値テーブルと、BB持越中用の判定値テーブルと、BB中における非持越中用の判定値テーブルと、BB中におけるRB持越中用の判定値テーブルと、BB中におけるRB中用の判定値テーブルとが記憶されている。メイン制御部41は、制御中の遊技状態の種類に応じた判定値テーブルを用いて、判定値の範囲を特定し、内部抽選を実行する。
非内部中について、不利RT、中間RT、および有利RTのいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が同じ(約1/2.7)である。一方、不利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/7.3であり、かつハズレになることがあるのに対して、中間RT、および有利RTにおいては、リプレイの当選確率が約1/3であり、かつハズレになることがない。よって、中間RTおよび有利RTは、不利RTよりも有利な状態であると言える。また、不利RTでのみBAR揃いリプレイに当選することがあり、その確率は、1/65536である。
BB持越中、非持越中およびRB持越中のいずれにおいても、押し順ベルの当選確率が同じ(約1/2.7)である。また、BB持越中、非持越中およびRB持越中のいずれにおいても、ボーナスが持ち越されている状態であるため、BB1〜BB3の重複当選、BB1〜BB3の単独当選、およびRB当選となることはない。また、BB持越中および非持越中におけるリプレイの当選確率は、約1/7.3であるのに対して、RB持越中においては、リプレイの当選確率が約1/3である。なお、RB持越中はRBの当選を持ち越した状態であるため、RBが当選することがない。
RB中においては、小役の当選確率が非持越中やRB持越中よりも高まる。また、RB中においては、リプレイの当選確率は約1/7.3である。さらに、RB中であるため、RBには当選することがない。
ここで、BB当選後は、BB当選に割り当てられていた抽選対象役の判定値数がハズレ当選に割り当てられるため、ハズレ確率(ハズレ当選の確率)が高くなる。より具体的には、ハズレの当選確率は、有利RT=中間RT<不利RT<BB持越中のような抽選確率で高くなるようになっている。このように、BB当選後は、BB当選以前のいずれの遊技状態よりもハズレ当選確率が高くなっている。なお、本実施の形態では、有利RTおよび不利RTにおいてはハズレに当選しないようになっているが、ハズレに当選するようにしてもよい。このような場合には、有利RT<中間RT<不利RT<BB持越中のような抽選確率でハズレに当選するようにすればよい。このようにすれば、BB当選後は、BB当選以前よりもハズレの当選確率を高くすることができる。よって、BB持越中では、ハズレ確率が高くなることにより、ビッグボーナスを「7」図柄(ビッグボーナス)を揃え易い。また、BB当選後は、ハズレの確率が小役の合算確率より高くなる。よって、BB持越中では、ハズレ確率が小役確率よりも高くなることにより、ビッグボーナスを「7」図柄(ビッグボーナス)を揃え易い。また、BBの種類により、異なる払出し枚数でBBが終了する。たとえば、BB1は360枚を超える払出しにより終了し、BB2は240枚を超える払出しにより終了し、BB3は120枚を超える払出しにより終了する。
また、本実施の形態においては、当選している状況に応じて、押し順ベルに当選したときに、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようなリール制御も行われる。たとえば、非持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順が正解手順でなければ主役を入賞させることができないが、RB持越中に押し順ベルに当選したときには、ストップスイッチの操作手順に関わらず必ず主役を入賞させるようにリール制御が行われる。このようにするには、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでは、内部当選フラグが異なることを利用して、非持越中に押し順ベルに当選したときと、RB持越中に押し順ベルが当選したときとでリール制御を異ならせるようにすればよい。RB持越中である場合には、押し順ベル+RBのフラグを新たに作成し、当該フラグが主役のみに対応するフラグとすることにより、操作手順に関わらず主役を入賞可能となる。
[ゲームの流れについて]
ここで、本実施の形態でのゲームの流れについて説明する。メイン制御部41は、チェリー等の抽選対象役に当選した場合に、AT抽選を行う。また、メイン制御部41は、BB当選時にAT抽選を行う。また、BBは、チェリー等と同時当選することがある。たとえば、BB当選時にAT当選していた場合には、次のゲームから有利区間が始まる。ここで、有利区間とは、CZのようなAT抽選の高確率状態、およびATのような純増枚数が多くなる状態など、遊技者にとっての有利度合いが高い状態にある区間を含む区間のことを言う。また、有利区間作動抽選とは、有利区間に移行するか否かを決定する抽選のことであり、たとえば、CZ抽選およびAT抽選のことを指す。
たとえば、AT当選かつBB当選した後、所定ゲーム数に亘り前兆期間に突入する。前兆期間では、AT当選やBB当選を示唆する演出が実行される。なお、ATやBBに非当選の場合にもAT当選やBB当選を示唆する演出が実行されるようにすればよい。そして、前兆期間終了後にBB確定画面が表示される。BB確定画面において、ナビ演出が実行されることにより、ATが確定する(ATの確定報知が行われる)。その後、BB単独当選時に、7図柄を狙わす演出が発生し、7図柄を揃えることでBB入賞する。BB中は、BB終了後に実行されるATの上乗せ抽選が実行される。そして、BB終了後にATに突入する。
[確定画面表示について]
図17は、確定画面表示について説明するための図である。図17(A)は、フリーズからのボーナスにおけるボーナス確定画面(確定画面とも称する)について説明するための図である。また、図17(B)は、フリーズなしのボーナスにおけるボーナス確定画面について説明するための図である。
図17(A)に示すようなフリーズ演出は、BB当選とAT当選とが同時に決定された場合に実行される演出である。遊技者は、フリーズ演出が発生するとBB当選とAT当選とが確定するため、非常にうれしい。ここで、BBは図10に示すような、中段チェリー等の役との重複当選あるいは、単独当選により当選する。たとえば、中段チェリーとBB1とが重複当選したときに、BB当選とAT当選とに決定され、その演出としてフリーズ演出が選択されたとする。すると、中段チェリーとBB1とが重複当選したゲームから数ゲーム後に図17(a)に示すフリーズ演出が実行される。フリーズ演出では、通常遊技されていた画面が暗転し、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延させる制御が行われる。そして、フリーズ演出が実行されているゲームにおいて、図17(b)のようなボーナス確定画面が表示される。さらに、フリーズ演出が発生したゲームにおいて、押し順ベルに当選していた場合には、図17(c)に示すように、ボーナス確定画面において押し順ベル当選に対応する操作手順を報知するナビ演出が実行される。
次にフリーズなしのボーナス当選におけるボーナス確定画面について説明する。フリーズなしのボーナスでは、たとえば、連続演出が実行される。連続演出は、BB当選のみしている場合にも、BB当選かつAT当選の場合にも実行される演出である。たとえば、中段チェリーとBB1とが重複当選したときに、BB当選とAT当選とに決定され、その演出として連続演出が選択されたとする。すると、中段チェリーとBB1とが重複当選したゲームから数ゲーム後(当該ゲームからでもよい)に数ゲーム間に亘り連続演出が実行される。味方キャラクタXと敵キャラクタYとが戦う連続演出において味方キャラクタXが勝ったときは、図17(d)のように、連続演出の最終画面において「WIN」の文字が表示される。そして、BBが持越された状態で、次のゲームで押し順ベルに当選したとする。なお、BB持越し後の次のゲームではなく、複数ゲーム先に押し順ベルに当選したときであってもよい。
押し順ベルが当選したゲームにおいて、BB当選かつAT当選である場合には、高い確率で図17(e)に示すように、ボーナス確定画面においてナビ演出が実行される。また、押し順ベルが当選したゲームにおいて、BB当選かつAT当選である場合であっても、図17(f)に示すように、ボーナス確定画面においてナビ演出が実行されない場合がある。また、BB当選のみのときは、押し順ベル当選したゲームにおいてナビ演出が実行されることはなく、図17(f)に示すナビ演出なしの画面となる。このように、連続演出後のボーナス確定画面においては、BB当選かつAT当選であったとしてもBB当選のみと同じくナビ演出が実行されないことがある。よって、遊技者からは、ボーナス確定画面でナビ演出が実行されなかったときにATに同時に当選しているか否かが分からない。なお、BB当選かつAT当選の場合には、ボーナス確定画面において必ずナビ演出を実行するようにしてもよい。
BB1〜BB3のいずれかのBBに当選したときには、BB当選のみのときと、BB当選かつAT当選のときとがある。そして、フリーズ演出は、BB当選かつAT当選のときにのみ発生する。さらに図17(a)〜(c)に示すように、フリーズ演出が実行されるBB当選かつAT当選の状況では、ボーナス確定画面において押し順ベル当選に対応する操作手順を報知するナビ演出が実行される。このようにすれば、BB当選かつAT当選という状況において、ボーナス確定画面表示中に、押し順ベルに対応する操作態様を報知するので、BB当選となったときのフリーズ演出の発生の有無と、ボーナス確定画面表示での操作態様の報知との関係について考慮することができる。
具体的には、フリーズ演出が発生することによりBB当選となるとともに、AT当選となっているので、このような有利な状態においては、ボーナス確定画面表示中にナビ演出が実行されないことで、メダルが減少してしまうことを防ぐことができる。
また、図17(d)に示す連続演出は、BB1〜BB3のいずれかのBBに当選したときに、BB当選かつAT当選のときの状況と、BB当選のみのときの状況とで、実行可能な共通の演出である。連続演出後のボーナス確定画面表示において、BB当選かつAT当選のときには、BB当選のみのとき(BB当選のみのときは)よりも高い確率で、図17(e)のような押し順ベル当選に対応する操作手順を報知するナビ演出が実行される。このようにすれば、BB当選かつAT当選という状況であるときには、BB当選のみという状況であるときよりも高い確率で、ボーナス確定画面表示中に、押し順ベルに対応する操作態様を報知するので、BB当選となったときのATの付与の有無と、ボーナス確定画面表示での操作態様の報知との関係について考慮することができる。
具体的には、ボーナス確定画面表示中に、ナビ演出が実行されることで、BBに当選しているとともに、ATにも当選しているという、BB当選かつAT当選の状況であることに対する期待度が上がり、興趣を向上することができる。
ここで、BB当選(BB1〜BB3のいずれか)かつ押し順ベル当選(押し順ベルA1〜C4のいずれか)のときには、押し順ベルに対応する入賞がボーナスに対応する入賞よりも優先的に発生する。このように、押し順ベルに対応する入賞がボーナスに対応する入賞よりも優先的に発生するため、図17(A)に示すように、BB当選となったときのフリーズ演出の発生の有無と、ボーナス確定画面表示での操作態様の報知との関係について考慮することができる。また、押し順ベルに対応する入賞がボーナスに対応する入賞よりも優先的に発生するため、図17(B)に示すように、BB当選となったときのATの付与の有無と、ボーナス確定画面表示での操作態様の報知との関係について考慮することができる。
[ボーナス中の遊技について]
次に、ボーナス中の遊技の流れについて説明する。図17に示すようなボーナス確定画面表示の後は、ボーナス単独当選時に「7を狙え」の画面が表示される演出がされて、遊技者はボーナス図柄(「7」図柄)を狙う。「7」図柄(ボーナス図柄)が入賞することで、遊技状態がボーナス状態へと移行する。ボーナスは、各ボーナス毎に決められた所定枚数の払出しにより終了する。AT当選している場合には、ボーナス中において、ATの上乗せ抽選が行われる。ボーナス中のチェリー当選等により上乗せ抽選に当選すると、ボーナス終了後に制御されるAT状態でのゲーム数が増加する。また、ボーナスのみに当選している場合には、AT自体の抽選をすればよい。たとえば、ボーナス中のチェリー当選等によりATに制御するか否かの抽選をし、AT当選すれば、ボーナス後にATに制御されるようにすればよい。
このように、ボーナス遊技中では、ATの上乗せ当選が行われる。よって、ボーナス遊技中の興趣を向上することができる。また、連続演出が実行され、ボーナス確定画面においてナビ演出が実行されず、AT当選が確定していない場合には、ボーナス遊技中にATに当選していたことが報知される。よって、ボーナス遊技中の興趣を向上することができる。
図18は、通常BB当選時処理を説明するためのフローチャートである。通常BB当選時とは、通常遊技状態におけるBB当選時を意味している。また、通常遊技状態とは、図5に示す不利RTに制御されている状態のことである。
メイン制御部41は、まず、BB当選かつAT当選したときであるか否かを判定する(S10)。メイン制御部41は、BBのみに当選したときであると判定した場合には(S10でN)、BB内部フラグをオンの状態にし(S17)、BB当選時の演出決定テーブル(図示省略)に基づき、演出内容を決定する。その後、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、BB当選かつAT当選したときであると判定した場合には(S10でY)、BB+AT内部フラグをオンの状態にし(S11)、図19(A)に示す、BB+AT当選時の演出決定テーブルに基づき、演出内容を決定し(S12)する。次いで、S13の処理へ移行する。なお、BB当選かつAT当選している場合には、BB内部フラグおよびAT内部フラグを2つオンするようにしてもよい。
S13において、メイン制御部41は、フリーズ演出を実行することに決定されたか否かを判定する。メイン制御部41は、フリーズ演出を実行することに決定されている場合には(S13でY)、ベルナビフラグをオンの状態にし(S14)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、フリーズ演出を実行することに決定されなかった場合には、図19(B)に示す、連続演出時ナビ演出決定テーブルに基づき、ナビ演出を実行するか否かを決定し(S15)、S16へ移行する。ここで、ベルナビフラグとは、AT当選している場合に、ボーナス確定画面以降、ナビ演出を実行するために設定されるフラグである。ベルナビフラグがオンされていることにより、押し順ベル、押し順リプ等の操作手順が報知される。また、ベルナビフラグがオンされていることにより、チェリー等の操作タイミングが必要な役を狙わすための報知がされる。
S16において、メイン制御部41は、ナビ演出を実行することに決定されたか否かを判定する。メイン制御部41は、ナビ演出を実行することに決定された場合には(S16でY)、ベルナビフラグをオンの状態にし(S14)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、ナビ演出を実行することが決定されなかった場合には(S16でN)、S14の処理を行わずに、処理を終了する。
S13〜S16の処理により、フリーズ演出が実行される場合には、図17(A)に示すように、ベルナビフラグがオンされていることにより、ボーナス確定画面以降において、ナビ演出が実行される。また、連続演出が実行される場合には、図17(B)に示すように、ナビ演出の実行が決定された場合には、ボーナス確定画面以降においてナビ演出が実行され、ナビ演出の実行が決定されなかった場合には、ボーナス確定画面以降においてナビ演出が実行されない。
図19は、BB当選かつAT当選時の演出決定テーブルおよび連続演出時のナビ演出決定テーブルを示す図である。図19(A)は、BB当選かつAT当選した場合に、実行される演出内容を決定するために用いられるテーブルである。図19(A)に示すように、BB当選かつAT当選した場合に実行される演出には、フリーズ演出と連続演出の2つの種類がある。フリーズ演出を実行すると決定される割合と、連続演出を実行すると決定される割合は、いずれも50%である。なお、この割合はどのように変更してもよく、その他の演出が決定される場合があってもよい。また、連続演出のゲーム数が複数ゲームの中から決定されるようにしてもよい。
図19(B)は、BB当選かつAT当選したときに、図19(A)のテーブルに基づき、連続演出を実行すると決定された場合のナビ演出を実行するか否かを決定するために用いられるテーブルである。図19(B)に示すように、BB当選かつAT当選し、連続演出が実行される場合には、ナビ演出を実行すると決定される割合は90%であり、ナビ演出を実行しないと決定される割合は10%である。このように、BB当選のみのときと、BB当選かつAT当選しているときとで実行される可能性のある連続演出では、ナビ演出ありがナビ演出なしよりも高い確率で決定される。なお、この割合は、適宜変更可能であり、100:0としてもよく、ナビ演出ありが高い確率で決定されるようにすればよい。
[BB持越中のゲームの流れ]
図20は、BB持越中のゲームの流れを説明するための図である。図20(A)では、AT中であるときに、内部抽選においてBBに当選し、ナビ演出が実行される状態で、BBが持越された場合の確定画面後にハズレに当選したゲームの流れを示している。たとえば、チェリーやベルなどとBBとが同時当選し、かつBB入賞を取りこぼした後、BB持越中において1ゲーム目、2ゲーム目に押し順ベルに当選し、3ゲーム目にBB確定画面(リプレイ当選)が表示され、4ゲーム目に押し順ベルに当選し、5ゲーム目にハズレに当選し、6ゲーム目に再度、押し順ベルに当選するという流れのゲームである。なお、BB当選後に複数ゲームに亘る連続演出が実行され、その結果によってBB確定が報知されるようにしてもよい。
BB当選してからの数ゲームでは、小役が当選しているためBBが持越されている。そして、BBが当選したゲームから、数ゲーム消化後にBB確定画面に「BB確定」の文字が表示される。このとき、BB当選からBB確定報知までのゲームにおいては、押し順ベルに当選したときにナビ演出が実行される。BB確定画面が表示されるゲームでは、リプレイが当選しているものとする。
BB確定画面後の次のゲームでは、押し順ベルに当選し、正解手順をナビするナビ演出が実行されている。さらに、その次のゲームでハズレに当選し、BB入賞となる「7」を揃えることができる状態(BB単独当選状態)になっている。このような状態では、当選しているビッグボーナスがBB1であるため、「赤7を狙え!」の指示が画面上に表示される。遊技者は、BB入賞が狙えるゲームにおいて「7」図柄を導出できなかったとする。このような場合には、次のゲームでは、押し順ベルに当選したとしてもナビ演出が実行されないように制御される。
本実施の形態では、AT中において、BBが持越されているときに、一度「7」を揃えられるゲームとなった次のゲームからは、ナビ演出が実行されないように制御される。BBが持越されているときに、「7」を揃えられるゲームとは、ハズレに当選したゲームである。
このように、AT中のBBが持越された以降のゲームのうち、BB入賞となる表示結果を導出可能なハズレに当選するゲームとなるまでのゲームでは、押し順ベルに当選したときに正解手順をナビするナビ演出が実行される一方で、AT中のBBが持越された以降のゲームのうち、ハズレに当選したゲームとなった以降のゲームでは、押し順ベルに当選したときにナビ演出が実行されない。よって、BB当選した後は、BB入賞を早期に導出させなければ、メダルが減ってしまう可能性がある。ゆえに、少なくともBBを導出可能なハズレに当選するゲームとなった以降の遊技においてはBBを導出するように遊技者を促すことができるため、BBとなった後に、「7」図柄を早期に導出させることを促すことができる。
また、AT中のBBが持越された以降のゲームのうち、ハズレに当選するゲームとなるまでは、押し順ベルに当選したときにナビ演出が実行されるので、ナビ演出も実行されず「7」図柄も導出できないゲームが連続して発生することを防ぐことができる。さらに、ハズレに当選するゲームまでは、ナビ演出を実行することで遊技者にメダルが獲得できないことによる不利な状態とさせず、「7」図柄を導出させることが有利であると遊技者に思わせることができる。
また、図20(B)では、AT中であるときに、内部抽選においてBBに当選し、ナビ演出が実行される状態で、BBが持越された場合の確定画面前にハズレに当選したゲームの流れを示している。たとえば、チェリーやベルなどとBBとが同時当選し、かつBB入賞を取りこぼした後、BB持越中において1ゲーム目にハズレに当選し、2ゲーム目に押し順ベルに当選し、3ゲーム目にBB確定画面(リプレイ当選)が表示され、4ゲーム目に押し順ベルに当選し、5ゲーム目にハズレに当選し、6ゲーム目に再度、押し順ベルに当選するという流れのゲームである。
図20(B)では、BB当選した後のBB持越中のゲームにおいてすぐにハズレに当選しているため、そのゲームで「7」を揃えられなかった場合には、押し順ベルに当選したときにナビ演出が実行されない。このように、図20(A)では、BB確定画面の表示されるゲームの前後のゲームにおいて押し順ベルに対するナビ演出が実行されている。それに対し、図20(B)では、BB確定画面の表示されるゲームの前後のゲームにおいて押し順ベルに対するナビ演出は実行されていない。つまり、BB確定画面は、押し順ベルに対するナビ演出の実行の契機とはならない。
本実施の形態では、AT中のBBが持越された以降のゲームのうち、ハズレに当選するゲームが押し順ベルに対するナビ演出を実行するか否かの契機となるゲームである。よって、図20(A)のように、ハズレとなるゲームがBB確定画面よりも後ろのゲームであれば、BB確定画面に関わらずハズレに当選した後のゲームから押し順ベルに対するナビ演出が実行されなくなる。また、図20(B)のように、ハズレとなるゲームがBB確定画面よりも前のゲームより早いゲームであれば、BB確定画面に関わらずハズレに当選した後のゲームからすぐに押し順ベルに対するナビ演出が実行されなくなる。
なお、本実施の形態では、押し順ベル等の操作手順ついてナビ演出を実行するものについて説明したが、ナビ演出は操作タイミングが必要となるものについて実行されるようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、BB確定画面は、押し順ベルの正解手順の報知がされなくなる契機とはならならず、押し順ベルの正解手順の報知がされなくなる契機は、ハズレに当選したゲームである。このようにすれば、BB持越中にハズレに当選するゲームがいつ来るか分からないため、BB確定画面が表示される前にも「7」図柄を導出させようとする遊技性を構築することができる。また、ハズレに当選したゲームがBB確定画面が表示される前であれば、BB確定画面が表示される前であってもハズレに当選したゲーム以降では正解手順が報知されないことでBBとなったことを遊技者に示唆することができる。
図21は、BB内部中におけるナビの設定処理を説明するための図である。ここで、BB内部中では、ATに制御されていることを前提として説明する。AT抽選に当選したときには、ナビ演出を実行するためのベルナビフラグをオンとする。BB内部中ナビ設定処理において、メイン制御部41は、ベルナビフラグがオフになっているか否かを判定する(S100)。メイン制御部41は、ベルナビフラグがオフになっている場合には(S100でY)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、ベルナビフラグがオフになっていない場合には(S100でN)、S101へ移行する。
S101では、メイン制御部41は、ボーナス当選中であるか否かを判定する。メイン制御部41は、ボーナス当選中でないと判定した場合には(S101でN)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、ボーナス当選中であると判定した場合には(S101でY)、S102へ移行する。
S102では、メイン制御部41は、今回のゲームで初当りであるか否かを判定する。メイン制御部41は、今回のゲームで初当りであると判定した場合には(S102でY)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、今回のゲームで初当りでないと判定した場合には(S102でN)、S103へ移行する。
S103では、メイン制御部41は、ハズレに当選したか否かを判定する。メイン制御部41は、ハズレに当選したと判定した場合には(S103でY)、ベルナビフラグをオフにし(S104)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、ハズレに当選していないと判定した場合には(S103でN)、S104の処理を行わずに処理を終了する。
S100〜S104の処理により、図17に示すようにAT中においてBBが持越されている場合における、ナビ演出が適切に実行されることになる。
ここで、AT中でのBB持越し状態においては、強チェリー等の特定役に当選することがある。このような場合は、S103においてハズレに当選していないため(A103でN)、S104においてベルナビフラグがオフされることはない。また、BB1と強チェリーとが同時に決定されているときには、中段チェリーを導出不可能な操作手順(たとえば、左リールで6番のチェリーを停止するようにストップスイッチ8Lを操作するタイミングではなく、20番や19番の赤7を停止するようにストップスイッチ8Lを操作するタイミング)でストップスイッチが操作されたときには、赤7−赤7−赤7を導出可能である。しかしながら、このような特定役の当選ゲームは、ベルナビフラグをオフとする契機(ナビ演出を終了する契機)とはならない。ベルナビフラグをオフとするゲームは、BB持越中において、ハズレに当選してBB単独当選となったゲームを基準として、それ以降のゲームが正解手順が報知されないゲームである。このように、強チェリー等の特定役に当選するゲームでは、ナビフラグがオフされることがない(ナビ演出が終了されない)ため、安心して「7」図柄を導出させることができる。
また、今回のゲームで初当りである場合には(S102でY)、ベルナビフラグをオフにしない。つまり、BB当選した初当りのゲームは、ベルナビフラグをオフとする契機(ナビ演出を終了する契機)とはならない。本実施の形態では、AT中でのBB持越し状態においては、BB単独当選が決定されたときに、赤7−赤7−赤7を導出可能である。このようなゲームは、BB持越中においてハズレに当選してBB単独当選となったゲームを基準としてそれ以降のゲームが正解手順が報知されないゲームである。このようにすれば、最初にBB単独当選となったゲームは除かれるため、初当りのときに「7」図柄を導出できなかったとしても遊技者がそれ以降の遊技で不利になることはない。
ここで、ATに制御されるゲーム数は、AT当選時に決定されている。本実施の形態では、決定されたATゲーム数が1ゲーム消化毎に1ずつ減少する。しかし、ビッグボーナス中は、ATゲーム数が減算されないようになっている。また、ベルナビフラグがオフになったとしても、その後のゲームではATゲーム数の減算が行われる。なお、ベルナビフラグをオフした後は、ATゲーム数の減算をしないようにしてもよい。
図22は、チェリー当選時のAT当選テーブルおよびBB当選時のAT当選テーブルを示す図である。図22(A)は、チェリー当選時のAT当選テーブルを示し、図22(B)は、BB当選時のAT当選テーブルを示す。
図22(A)に示すように、チェリー当選には、弱チェリーに当選する場合と強チェリーに当選する場合の2種類があり、それぞれ、RT状態によってATに当選する割合が異なっている。
RT状態が有利RTの場合に、弱チェリーに当選した場合には15%の割合でATに当選し、強チェリーに当選した場合には40%の割合でATに当選する。RT状態が中間RTの場合に、弱チェリーに当選した場合には10%の割合でATに当選し、強チェリーに当選した場合には20%の割合でATに当選する。RT状態が不利RTの場合に、弱チェリーに当選した場合には5%の割合でATに当選し、強チェリーに当選した場合には10%の割合でATに当選する。
図20(a)に示すように、弱チェリーまたは強チェリーのいずれに当選した場合であっても、ATに当選する割合は、RT状態が「有利RT>中間RT>不利RT」となっている。一方、ATに当選する割合は、「強チェリーに当選した場合>弱チェリーに当選した場合」となっている。なお、有利RTと中間RTとでは、ATに当選する割合が同じでもよいし、有利RTよりも中間RTの方がATに当選する割合が高くなるようなものでもよい。
ビッグボーナスの終了後にATに制御されない場合であっても有利RTへは移行される。そして、有利RTや中間RTでは、不利RTよりもAT当選割合が高い。よって、ビッグボーナス終了後もATへの制御に関する有利度が高いので、興趣が向上する。また、中間RTから有利RTへ制御される可能性があるため、ATへ制御される可能性を高くすることができる。
また、ビッグボーナス終了後にATに制御されないときには、RT状態が有利RTの場合または中間RTの場合にはリプレイの当選確率が高くなっているため、不利RTに制御されるまでは、AT抽選対象役に当選しない限り演出を制限する。したがって、ビッグボーナス終了後にATに制御されなくとも、演出が実行された場合には、弱チェリーおよび強チェリーのいずれかに当選していることを遊技者に示唆することができるので、AT当選に対して期待を持つことができる。一方、RT状態が不利RTの場合には、不利RTに制御されている間は通常の演出が実行される。
図22(B)に示すように、BBの種類には、BB1、BB2、BB3の3種類があり、BB当選時には、BBの種類によってATに当選する割合が異なっている。BB1に当選した場合には30%の割合でATに当選し、BB2に当選した場合には20%の割合でATに当選し、BB3に当選した場合には10%の割合でATに当選する。このように、ATに当選する割合は、「BB1>BB2>BB3」となっている。
[第2実施形態に係るスロットマシンにおける遊技状態の遷移]
図23は、第2実施形態に係るスロットマシンにおける遊技状態の遷移を説明するための図である。図23に示すように、非内部中には、有利RT,不利RTの他に中間RTが存在する。中間RTは、有利RTからベルこぼしとなる表示結果が導出されることで移行する遊技状態である。また、中間RTにおいて、昇格リプ入賞が導出(昇格リプ入賞となる表示結果が導出)されることで有利RTへ移行する。また、中間RTからは、転落リプ入賞が導出(転落リプ入賞となる表示結果が導出)されることで不利RTへと移行する。さらに、有利RTからは、SB入賞となる表示結果が導出されることで不利RTに転落することがある。
ここで、ベルこぼしとは、たとえば、押し順ベルA1に当選したときに不正解手順である中・右第1停止とすることでハズレ表示結果が導出されることである。また、SB入賞の「SB」とは、シングルボーナスの略である。シングルボーナスとは、小役の当選確率が向上するゲームが1回行われるゲームのことである。SB入賞とは、このようなシングルボーナスに入賞することをいう。
非内部中においてBB入賞すると遊技状態がBB中に移行する。BBは、所定数を超える払い出しがあったときに終了する。また、非内部中においてBBが小役や再遊技役と同時当選した場合、あるいは、BBが単独当選している場合にBB入賞を取りこぼした場合には、BB非入賞となりBB持越中に遊技状態が移行する。BB持越中において、BBが入賞すると、遊技状態がBB中に移行する。
図23に示すように、第1の転落条件としてベルこぼしとなる表示結果が導出されることにより、有利RTから中間RTに制御される。また、第2の転落条件としてSB入賞となる表示結果が導出されることにより、有利RTから不利RTに制御される。このようにすれば、第1転落条件が成立したときには、すぐに不利RTに制御されることがなく中間RTに制御され、中間RTからは、昇格リプ入賞により有利RTへ制御される可能性があるので、興趣を向上させることができる。
また、図23に示すように、有利RTからは、SB入賞により不利RTへと制御されてしまうので、SBに当選したときは、SB入賞となる表示結果が導出されないようにすることにより、第2転落条件が成立してしまうことを回避し、不利RTへ転落することを防ぐことができる。
なお、図23において、図5に示したように、不利RTからBAR揃いリプレイ当選時において、BAR揃いリプ入賞または昇格リプ入賞により有利RTへ移行するようにしてもよい。
[実施の形態のまとめ]
前述した実施の形態は、以下のような構成を備えるものである。
前記状態制御手段は、前記有利遊技状態中(たとえば、有利RT中)において、
第1転落条件が成立したとき(たとえば、図23の第2実施形態に示すベルこぼしとなる表示結果が導出されること)に、前記有利遊技状態(たとえば、有利RT)から前記中間遊技状態(たとえば、中間RT)に制御し、
第2転落条件が成立したとき(たとえば、図20の第2実施形態に示すSB入賞となる表示結果が導出されること)に、前記有利遊技状態(たとえば、有利RT)から前記通常遊技状態(たとえば、不利RT)に制御する。
このような構成によれば、第1転落条件が成立したときには、すぐに通常遊技状態に制御されることがなく中間遊技状態に制御され、中間遊技状態を経由して有利遊技状態へ制御される可能性があるので、興趣を向上させることができる。
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
報知状態(たとえば、AT)において前記導出操作手段の操作手順を報知する報知手段(たとえば、メイン制御部41によるATに制御する処理)とをさらに備え、
前記状態制御手段は、前記中間遊技状態(たとえば、中間RT)から昇格表示結果(たとえば、昇格リプ入賞となる表示結果)が導出されることにより前記有利遊技状態(たとえば、有利RT)へ制御可能であり、
前記事前決定手段の決定結果が特殊決定結果(たとえば、押し順リプA当選)となったときに、当該特殊決定結果に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)で前記導出操作手段が操作されたときに前記昇格表示結果(たとえば、昇格リプ入賞となる表示結果)が導出され、当該特殊決定結果(たとえば、押し順リプA当選)に対応する不正解手順(たとえば、右第1停止)で前記導出操作手段が操作されたときに前記昇格表示結果と異なる非昇格表示結果(たとえば、転落リプ入賞となる表示結果)が導出され、
前記特殊決定結果は、互いに正解手順の異なる複数の特殊決定結果を含み(たとえば、押し順リプAは押し順リプEと手順が逆である)、
前記報知状態中(たとえば、AT中)は、前記特殊決定結果(たとえば、押し順リプA当選)に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)が報知される。
このような構成によれば、報知状態中は、特殊決定結果に対応する正解手順が報知されるので、確実に中間遊技状態から有利遊技状態へ制御することができ、報知状態以外では、遊技者の運により有利遊技状態へ制御することができるので、興趣を向上させることができる。
前記第1転落条件は、前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに当該第1決定結果に対応する不正解手順(たとえば、中・右第1停止)による表示結果が導出される条件(たとえば、ハズレ表示結果が導出されること)であり、
前記第2転落条件は、前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果(たとえば、SB当選)となったときに当該第2決定結果に対応する第2表示結果が導出される条件(たとえば、SB入賞となる表示結果が導出されること)である。
このような構成によれば、第2決定結果となったときに第2表示結果を導出させないようにすることにより、第2転落条件が成立してしまうことを回避することができる。
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
報知状態(たとえば、AT)において前記導出操作手段の操作手順を報知する報知手段(たとえば、メイン制御部41によるATに制御する処理)とをさらに備え、
前記状態制御手段は、前記特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス)の終了後に前記報知状態(たとえば、AT)に制御しないときにも、前記有利遊技状態(たとえば、有利RT)には制御し、
前記有利遊技状態(たとえば、有利RT)または前記中間遊技状態(たとえば、中間RT)では、前記通常遊技状態(たとえば、不利RT)よりも前記報知状態への制御に関する有利度が高い(たとえば、図22に示すように、有利RTや中間RTでは、不利RTよりもAT当選割合が高い)。
このような構成によれば、特別遊技状態の終了後も報知状態への制御に関する有利度が高いので、興趣が向上する。また、中間遊技状態から有利遊技状態へ制御される可能性があるため、報知状態へ制御される可能性を高くすることができ、興趣が向上する。
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
報知状態(たとえば、AT)において前記導出操作手段の操作手順を報知する報知手段(たとえば、メイン制御部41によるATに制御する処理)とをさらに備え、
前記特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス)の終了後に前記報知状態(たとえば、AT)に制御されないときにおいて、前記通常遊技状態に(たとえば、不利RT)制御されるまでは、前記報知状態の成立に関する決定結果以外での演出の発生を制限する(たとえば、ビッグボーナス終了後にATに制御されないときには、AT抽選対象役に当選しない限り演出を制限する)。
このような構成によれば、特別遊技状態の終了後に報知状態に制御されなくとも、演出が発生した時点で期待を持つことができる。
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を実行する処理)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
報知状態(たとえば、AT)において前記導出操作手段の操作手順を報知する報知手段(たとえば、メイン制御部41によるATに制御する処理)とを備え、
前記事前決定手段による決定結果が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス)に移行させることが可能な特別表示結果(たとえば、赤7−赤7−赤7)の導出が許容される特別決定結果(たとえば、BB1当選)となった場合において、当該特別表示結果が導出されなかったときには、前記特別決定結果が持ち越され(たとえば、BB持越中)、
前記報知手段は、
前記事前決定手段による決定結果が所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに、当該所定決定結果に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)を報知可能であり、
前記報知状態中の前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技(たとえば、BB持越中)のうち、前記特別表示結果を導出可能な特定遊技(たとえば、ハズレに当選したゲーム)となるまでの遊技では前記所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)を報知する一方で、前記報知状態中の前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技のうち、前記特定遊技となった以降の遊技(たとえば、ハズレに当選したゲーム以降のゲーム)では前記所定決定結果となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順を報知しない(たとえば、図20に示すようにBB持越中においてハズレに当選するまではナビを実行し、ハズレに当選したゲーム以降のゲームでは、ナビを実行しない)。
このような構成によれば、報知状態中の特別決定結果が持ち越された以降の遊技のうち、特別表示結果を導出可能な特定遊技となるまでの遊技では所定決定結果となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順を報知する一方で、報知状態中の前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技のうち、特定遊技となった以降の遊技では所定決定結果となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順を報知しないようになる。よって、少なくとも特別表示結果を導出可能な特定遊技となった以降の遊技においては特別表示結果を導出するように遊技者を促すことができるため、特別決定結果となった後に、特別表示結果を早期に導出させることを促すことができる。
また、このような構成によれば、特別表示結果を導出可能な特定遊技までは、正解手順を報知することで、正解手順も報知されず特別表示結果も導出できない遊技が連続して発生することを防ぐことができる。さらに、特別表示結果を導出可能な特定遊技までは、正解手順を報知することで遊技者を不利にさせず、特別表示結果を導出させることが有利であると遊技者に思わせることができる。
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果(たとえば、BB1当選)となったことに関する確定表示(たとえば、図20に示すBB確定画面)を行う表示手段(たとえば、液晶表示器51)をさらに備え、
前記報知手段は、前記報知状態中の前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技(たとえば、BB持越中)のうち、前記特定遊技(たとえば、ハズレに当選したゲーム)となるまでの遊技では前記表示手段が前記確定表示を行っているか否かに関わらず(たとえば、図20に示すBB確定画面)、前記所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)を報知する(たとえば、図20に示すように、BB確定画面の表示がベルナビの有無に関係ない)一方で、前記報知状態中の前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技のうち、前記特定遊技となった以降の遊技(たとえば、ハズレに当選したゲーム以降のゲーム)では前記所定決定結果となったときに当該所定決定結果に対応する正解手順を報知しない(たとえば、図20に示すようにBB持越中においてハズレに当選するまではナビを実行し、ハズレに当選したゲーム以降のゲームでは、ナビを実行しない)。
このような構成によれば、特定遊技が確定表示前であれば、確定表示前であっても特定遊技以降では正解手順が報知されないことで特別決定結果となったことを遊技者に示唆することができ、確定表示前にも特別表示結果を導出させようとする遊技性を構築することができる。
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった後の遊技(たとえば、BB当選後の持越中RT)では、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる以前の遊技(たとえば、不利RT,中間RT,有利RT等のRT)よりも、前記事前決定手段の決定結果が入賞が発生する表示結果のいずれの導出も許容されないハズレ決定結果となる確率が高い(たとえば、BB当選後の持越中RTは、不利RT,中間RT,有利RT等のRTよりもハズレが当選する確率が高い)。
このような構成によれば、特別決定結果となった後の遊技では、ハズレ決定結果となる確率が高くなることにより、特別表示結果を導出させやすくすることができる。
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった後の遊技(たとえば、BB当選後の持越中RT)では、前記事前決定手段の決定結果が入賞が発生する表示結果のいずれの導出も許容されないハズレ決定結果となる確率が、前記事前決定手段の決定結果が遊技用価値の付与を伴う付与表示結果の導出が許容される付与決定結果となる確率よりも高い(たとえば、BB当選後の持越中RTは、ハズレが当選する確率が小役が当選する確率よりも高い)。
このような構成によれば、特別決定結果となった後の遊技では、ハズレ決定結果となる確率が付与決定結果となる確率よりも高くなることにより、特別表示結果を導出させやすくすることができる。
前記特別決定結果は、前記事前決定手段によって特定表示結果(たとえば、中段チェリー)の導出が許容される特定決定結果(たとえば、強チェリー当選)と同時に決定されることがあり、
前記導出制御手段は、前記特別決定結果(たとえば、BB1当選)と前記特定決定結果(たとえば、強チェリー当選)とが同時に決定されたときにおいて、前記特定表示結果を導出不可能な操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに前記特別表示結果を導出可能であるが(たとえば、中段チェリーを導出不可能な操作手順でストップスイッチが操作されたときに赤7−赤7−赤7を導出可能である)、
前記特定遊技は、前記特別決定結果のみの導出が許容された遊技である(たとえば、ハズレに当選してBB単独当選となったゲームを基準として、それ以降のゲームが正解手順が報知されないゲームである)。
このような構成によれば、特定決定結果となる遊技は、正解手順を報知しない遊技とはならないため、安心して特定決定結果を導出させることができる。
前記導出制御手段は、前記特別決定結果が持ち越された以降の遊技(たとえば、BB持越中)において、前記事前決定手段によって前記特別決定結果のみが決定されたときに、前記特別表示結果を導出可能であり(たとえば、BB単独当選が決定されたときに、赤7−赤7−赤7を導出可能)、
前記特定遊技は、前記特別決定結果のみの導出が許容された遊技である(たとえば、BB持越中においてハズレに当選してBB単独当選となったゲームを基準としてそれ以降のゲームが正解手順が報知されないゲームである)。
このような構成によれば、最初に特別決定結果のみが決定されたときの遊技は除かれるため、当該遊技において特別表示結果を導出できなくとも遊技者に不利益となることはない。
前記事前決定手段による決定結果には、遊技者にとって有利な特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス)に移行させることが可能な第1特別表示結果(たとえば、赤7−赤7−赤7)の導出が許容される第1特別決定結果(たとえば、BB1当選)と、遊技者にとって有利な特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス)に移行させることが可能な第2特別表示結果(たとえば、青7−青7−青7)の導出が許容される第2特別決定結果(たとえば、BB2当選)とが含まれ、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに、当該所定決定結果に対応する正解手順(たとえば、左第1停止)で前記導出操作手段が操作されたときに当該所定決定結果に対応する対応表示結果(たとえば、ベル−ベル−ベル)を導出し、当該所定決定結果に対応する不正解手順(たとえば、中・右第1停止)で前記導出操作手段が操作されたときに当該所定決定結果に対応する前記対応表示結果とは異なる非対応表示結果(たとえば、リプレイ−チェリーa−白7)を導出し、
前記事前決定手段による決定結果が前記第1特別決定結果および前記所定決定結果となったとき(たとえば、BB1と押し順ベルA1とが同時当選)に前記対応表示結果(たとえば、ベル−ベル−ベル)が導出される確率と、前記事前決定手段による決定結果が前記第2特別決定結果および前記所定決定結果となったとき(たとえば、BB2と押し順ベルA1とが同時当選)に前記対応表示結果(たとえば、ベル−ベル−ベル)が導出される確率とが異なる(図12〜図14に示すように、BBの種類によりBB持越中の押し順ベルの当選組合せが異なることで、主役が導出される確率が異なる)。
このような構成によれば、特別決定結果となっていることを対応表示結果が導出されなかったときに否定されないようにすることができ、興趣を向上させることができる。
前記非対応表示結果は、入賞が発生する表示結果または入賞が発生しない表示結果である(たとえば、図11に示すように、主役を取りこぼしたときには副役である1枚ベルや1枚役が入賞するか、ハズレになる)。
このような構成によれば、特別決定結果の種類により対応表示結果が導出される確率を異ならせることで、いずれの特別決定結果となっているかの絞込みができるようになり、興趣を向上させることができる。
前記非対応表示結果は、入賞が発生する表示結果である(たとえば、主役を取りこぼしたときには副役である1枚ベルや1枚役が必ず入賞する)。
このような構成によれば、特別決定結果の種類により対応表示結果が導出される確率を異ならせることで、いずれの特別決定結果となっているかの絞込みができるようになり、興趣を向上させることができる。
前記事前決定手段による決定結果が前記第1特別決定結果(たとえば、BB1当選)および前記所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに前記非対応表示結果(たとえば、リプレイ−チェリーa−白7)が導出される確率と、前記事前決定手段による決定結果が前記第2特別決定結果(たとえば、BB2当選)および前記所定決定結果(たとえば、押し順ベルA1当選)となったときに前記非対応表示結果(たとえば、リプレイ−チェリーa−白7)が導出される確率とが異なる(たとえば、図12,図13に示すように、BB1持越中とBB2持越中とで副役の導出される確率が異なる)。
このような構成によれば、非対応表示結果が導出される割合に注目させることができる。
前記事前決定手段による決定結果が、前記第1特別決定結果(たとえば、BB1当選)となったときにおいて当該第1特別表示結果(たとえば、赤7−赤7−赤7)が導出されなかったときには、前記第1特別決定結果が持ち越され(たとえば、BB1当選が持ち越され)、
前記事前決定手段による決定結果が、前記第2特別決定結果(たとえば、BB2当選)となったときにおいて当該第2特別表示結果(たとえば、青7−青7−青7)が導出されなかったときには、前記第2特別決定結果が持ち越され(たとえば、BB2当選が持ち越され)、
前記第1特別決定結果および前記第2特別決定結果のいずれかが持ち越されているときと、前記第1特別決定結果および前記第2特別決定結果のいずれも持ち越されていないときとで、導出可能な前記対応表示結果が同じである(たとえば、図11〜図13に示すように、BB1持越中、BB2持越中、BB持越中以外のいずれにおいても主役として中段ベル(ベル−ベル−ベル)が導出される)。
このような構成によれば、対応表示結果からは特別決定結果となっていることが確定しないため、対応表示結果の出現割合から特別決定結果となっていることへの推測を楽しむことができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[フリーズ演出について]
前述した実施の形態では、ボーナスの種類により、フリーズ演出の実行割合が異なるようにしてもよい。たとえば、BB当選かつAT当選している場合には、BB1>BB2>BB3のような関係となるようにフリーズ演出が実行されるようにしてもよい。
また、フリーズ演出が実行されても、BB当選かつAT当選が確定しないパターンがあってもよい。たとえば、フリーズ演出が実行された場合には、BB当選のみとなる場合や、AT当選のみとなる場合があってもよい。
[確定画面について]
前述した実施の形態では、ボーナス確定画面において、押し順ベル等に当選した場合にナビ演出が実行される場合を説明した。しかしながら、押し順ベル等に当選した場合を契機として、ボーナス確定画面を表示するようにしてもよい。たとえば、連続演出において「WIN」と表示されてから、押し順ベルに当選するまではボーナス確定画面を表示せず「WIN」の画面のまま、あるいは、別の画面に切替え、押し順ベルに当選にしたときに、ボーナス確定画面を表示するようにしてもよい。そして、ボーナス確定画面において、は、高い割合でナビ演出が実行されるようにすればよい。
[連続演出について]
前述した実施の形態では、連続演出中にフリーズ演出が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、連続演出の途中で、BB当選かつAT当選が確定となり、いち早くATに当選していたことを知ることができる。
[遊技状態の遷移について]
前述した実施の形態では、不利RTから有利RTへ移行するよりも中間RTから有利RTへ移行することの方が移行しやすくなっていた。これは、不利RTから有利RTへ移行する契機となる抽選対象役よりも中間RTから有利RTへ移行する契機となる抽選対象役の方が当選確率が高いためである。しかしながら、当選確率の違いではなく選択数の違いにより移行しやすさが異なるようにしてもよい。具体的には、中間RTから有利RTへは3択の押し順から正解の手順で操作された場合に有利RTへ移行し、不利RTから有利RTへは、6択の押し順から正解手順で操作された場合に有利RTへ移行するようにすればよい。
[CZ(Chance Zone:チャンスゾーン)について]
前述した実施の形態では、所定のCZ開始条件が成立したときに、CZに制御されるようにしてもよい。ここで、CZとは、非CZ中である(CZに制御されていない)ときよりも、遊技者にとって特典(たとえば、ATゲーム)の付与に関する制御が有利となる状態である。また、CZ開始条件は、CZ抽選においてCZ当選することにより成立する条件としてもよい。また、CZ抽選の実行条件は、強チェリーまたは弱チェリーが当選することにより成立する条件とすればよい。なお、CZ抽選の実行条件は、他の役が当選することにより成立する条件としてもよい。また、CZ抽選の実行条件は、所定ゲーム数消化することにより成立する条件としてもよい。また、本実施の形態では、ボーナスと同時にATではなくCZに当選する場合があってもよい。
チェリー当選等によりCZ抽選が行われる場合には、次のようなゲームの流れとなってもよい。たとえば、BB当選時にCZ当選した場合には、次のゲームから有利区間に制御される。すると、所定ゲームに亘り前兆期間に突入する。なお、非CZおよびCZのいずれにおいても、CZ当選やBB当選を示唆する演出が実行されるようにすればよい。そして、前兆期間終了後にBB確定画面が表示される。BB確定画面において、ナビ演出が実行されることにより、CZが確定する(CZの確定報知が行われる)。その後、BB単独当選時に、7図柄を狙わす演出が発生し、7図柄を揃えることでBB入賞する。BB中は、CZに制御され、CZ中にAT当選を狙うゲーム性とすることができる。たとえば、BB中にRBを持ち越した状態では、押し順ベルに当選したときに主役を導出させるリール制御が行われる。そして、押し順ベルに当選したときに、ATの抽選が実行されるようにすればよい。
[有利区間について]
前述した実施の形態では、有利区間としてATについて説明した。しかしながら、有利区間は、小役の当選確率が通常遊技状態よりも高くなる高確率状態であってもよい。また。有利区間は、上述したCZやATゲーム数やATのセット数が高くなる特化ゾーンであってもよい。
[BB当選時について]
前述した実施の形態では、BB当選かつAT当選であった場合には、フリーズ演出の場合には、必ずボーナス確定画面でナビ演出が実行され、連続演出の場合には、所定の割合でナビ演出が実行される場合を説明した。また、BB当選のみであった場合には連続演出が実行される場合があるが、ボーナス確定画面ではナビ演出が実行されることはなかった。しかしながら、BB当選のみであった場合であっても、所定の割合でボーナス確定画面においてナビ演出が実行されるようにしてもよい。
また、BB当選のみであった場合には、BB中にCZの抽選が実行されるようにしてもよい。そして、BB中あるいは、BB終了後にCZに移行されるようにしてもよい。
[有利区間ランプについて]
前述した実施の形態では、AT状態において、AT状態に制御されていることを示す有効区間ランプを点灯するようにしてもよい。有効区間ランプは、たとえば、専用のLEDのランプを点灯させてもよいし、筐体1aにおいて遊技用表示部13の一部を用いて点灯させるようにしてもよい。また、ATとCZとで同じ有効区間ランプを点灯させてもよい。
[BBについて]
前述した実施の形態では、BB1〜BB3は、払出し枚数が異なるものについて説明した。また、BB1〜BB3では、AT当選割合が異なっていた。しかし、BBの種類により、払出し枚数が同じでAT当選割合が異なっていてもよいし、払出し枚数が異なるがAT当選割合が同じものであってもよい。
また、実行されるBBの種類により、設定差を示唆するものであってもよい。たとえば、一のBBは、奇数設定の場合に選択される割合が高く、他のBBは、偶数設定の場合に選択される割合が高いようなものでもよい。また、一のBBは、高設定(たとえば、設定5,6)の場合に選択される割合が高く、他のBBは、低設定(たとえば、設定1,2)の場合に選択される割合が高いようなものでもよい。このようにすれば、どのようなBBとなるかにも注目させることができる。
[救済について]
前述した実施の形態では、AT中においてBBが持越されているときには、ハズレに当選したゲーム以降のゲームでは、ナビ演出が実行されなかった。このような場合に、ナビ演出が実行されないゲームが複数回継続したときには、ナビ演出を実行する救済措置を取るようにしてもよい。たとえば、遊技初心者等は、中々図柄を揃えられないことが考えられる。よって、たとえば、10ゲームに亘って「7」図柄を揃えられないことを条件としてナビ演出を実行するようにしてもよい。
[ベルナビフラグオフタイミング]
前述した実施の形態では、BB持越中において、ハズレ当選となったゲーム以降のゲームにおいてすぐにベルナビフラグをオフにする例について説明した。しかしながら、ベルナビフラグは、ハズレ当選となったゲーム以降のゲームにおいてすぐにオフせずに、数ゲーム経過後にオフするようにしてもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当選示唆演出については、前述した実施の形態で説明したように、サブ制御部91により決定されるように構成してもよい。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。