まず、実施形態の回胴式遊技機の概要について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、遊技に関する情報を表示可能な表示領域を有する遊技情報表示手段と、複数種類の図柄を表示する複数の回胴を有し、各回胴の回転停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する遊技結果表示手段と、操作有効期間中に遊技者が操作可能な操作手段と、所定条件の成立に応じて、通常遊技状態と比較して遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技制御手段と、を備えた回胴式遊技機であって、前記特別遊技状態の終了条件は、所定回数の遊技が行われること及び所定量の遊技価値を遊技者が獲得することの2つであり、前記遊技制御手段は、少なくとも前記特別遊技状態への移行時に、前記終了条件の選択のため、遊技者に前記操作手段を操作する機会が付与されることを特徴とする。
本実施形態の回胴式遊技機には、通常遊技状態と比較して遊技者に有利な特別遊技状態(後述するAT遊技)があり、所定条件の成立により移行する。特別遊技状態では、例えば、回胴回転停止ボタンの操作手順が報知されるので、遊技者は容易に遊技価値(後述する遊技メダル)を獲得できるようになる。
特別遊技状態の終了条件としては、実行した特別遊技状態の遊技回数と、獲得した遊技価値の量(特に差枚数)の2つがあり、選択されている終了条件の成立まで特別遊技状態が継続される。
本実施形態では、特別遊技状態への移行時に、終了条件の選択のため、遊技者に操作手段(後述する演出用ボタン)を操作する機会が付与される。これにより、新たな終了条件で特別遊技を行える可能性が生じるので、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲の減衰を防止することができる。
本実施形態において、遊技者が前記操作手段を操作した場合に、抽選により前記2つの終了条件のうち何れか1つが選択されることが好ましい。
本実施形態では、遊技者が操作手段を操作した場合に、抽選により1つの終了条件が選択されるので、遊技者が1つの終了条件を選択可能であったり、予め一方が選択されているものと比較して、偶然の要素を含んだ遊技性となる。
また、本実施形態において、前記特別遊技状態における遊技の実行回数及び獲得した遊技価値量は、終了条件として選択されていない場合でも1回の遊技毎に更新されることが好ましい。
本実施形態では、特別遊技状態における遊技の実行回数や獲得した遊技価値量を、終了条件として選択されていない場合でも1回の遊技毎に更新するので、終了条件が途中で切替わっても、遊技をスムーズに進行させることができる。
また、本実施形態において、前記特別遊技状態における所定のタイミングで、遊技者に前記操作手段を操作する機会が付与されることが好ましい。
本実施形態では、例えば、実行回数の条件が選択されている場合、特別遊技状態に移行してから20ゲームを行ったタイミングで、遊技者に操作手段を操作する機会が付与される。従って、これまでの終了条件が変更される可能性が生じるので、遊技者の遊技意欲の減衰を防止することができる。
また、本実施形態において、前記特別遊技状態の延長に特化した延長特化遊技状態への移行時に、遊技者に前記操作手段を操作する機会が付与されることが好ましい。
本実施形態では、延長特化遊技状態(後述する上乗せ特化ゾーン)への移行時に、遊技者に操作手段を操作する機会が付与される。例えば、特別遊技状態から延長特化遊技状態へ移行するとき、遊技者の操作手段の操作により終了条件が変更される可能性が生じるので、特別遊技状態における楽しみが増える。
以下、図面を参照して、実施例の回胴式遊技機の詳細を説明する。
<1.機械的構成>
図1に回胴式遊技機の外観を示す。まず、この回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための筐体1と、筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、そこには、回胴(リール)5a、5b、5cが横並びに、遊技者側から視認し得るように設けられている。
回胴5a〜5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図3参照)を有しており、回胴5a〜5cの停止時の図柄組合せにより遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
図柄配列帯の詳細は後述するが、回胴5a〜5cには、役を構成する図柄が回転方向に21コマ配置されている。特に、図柄に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動されるように構成され、回胴5a〜5cが回転することにより、上記図柄が変動表示するようになっている。回胴5a〜5cを含む回胴装置210は、本発明の「遊技結果表示手段」に相当する。
なお、回胴5a〜5cは、回胴駆動モータ211a〜211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転又は停止が行われる機械式の回胴に限定されず、液晶表示装置のような表示装置に表示され、画像上で回転又は停止が行われる演出的な回胴であってもよい。回胴の数は3個に限定されるものではなく、4個以上配設してもよい。
回胴視認部3には、その中央を横断する形で入賞ライン3aが施されている。有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」という)3a上で、回胴5a〜5cが停止した際の図柄組合せが内部抽選で当選した役と一致した場合に入賞が確定し、停止した図柄組合せに応じた遊技メダルが遊技者に付与される。
回胴視認部3の上部には、前扉2の裏側に装着された表示装置として、液晶表示装置4(LCDユニット)が設けられている。また、液晶表示装置4の液晶画面4aが、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者は、液晶画面4aを前側から視認可能となっている。液晶表示装置4は、本発明の「遊技情報表示手段」に相当する。
液晶画面4aには、遊技に伴う画像や動画(演出)が表示される。液晶表示装置4は、演出を表示する演出装置として機能する。また、当選役を入賞させるために遊技者に操作手順を報知するAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)遊技状態においては、主たる報知手段として働く。
実施例では液晶表示装置4を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等でもよく、回転式ドラム、7セグによる表示装置、又はこれらを組合せたものであってもよい。
また、液晶画面4aの一部を覆う位置に手の形状をした可動体6a、6bが設けられている。可動体6a、6bは、遊技の進行に応じて演出として動作をする。具体的には、可動体6a、6bの一方又は両方が液晶画面4aの下方位置まで高速落下する。
次に、回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技価値としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7が設けられている。また、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル又は入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわち、クレジットされた範囲内で遊技メダルを最大枚数、一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8が設けられている。
さらに、遊技履歴の確認や音量調整の際に用いられる十字キー9と、液晶画面4aにおいて操作が促されたとき、操作が有効となる演出用ボタン10が設けられている。例えば、遊技者が演出用ボタン10を操作することで、液晶画面4aで実行中の画像が変化したり、上述の可動体6a、6bが動作する。なお、演出用ボタン10は、本発明の「操作手段」に相当する。
次に、回胴視認部3の左右両側には、発光色や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができる。
回胴視認部3の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、回胴5a〜5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、回胴回転停止ボタンを総称して、「回胴回転停止ボタン12」という)が設けられている。また、回胴回転始動レバー11の左側には、貯蓄した遊技メダルを返却、精算するための貯留メダル精算ボタン15が設けられている。
上記回胴回転停止ボタン12には、その内部に、操作が有効であるか否かを遊技者に報知するための発光装置(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯等)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
また、操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられている。さらに、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置(後述するホッパーユニット500)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
前扉2の前扉上部両側及び前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16も、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができる。
次に、図2Aに回胴式遊技機の有効入賞ラインを示す。図示するように、中段の直線ライン(破線)が唯一の有効入賞ラインである。例えば、内部抽選でベル役に当選した場合には、中段の直線ラインにその図柄組合せが並ぶと入賞となり、所定数の遊技メダルが付与される。なお、上記の場合、内部抽選で当選したベル役を当選役といい、実際に入賞した場合、ベル役が入賞役になる。
次に、図2Bに入賞役を構成する全図柄を示す。図示するように、遊技を構成する図柄は全部で10種類ある。「バー」、「赤7」、「白7」は通常、ボーナスを構成する図柄として用いられるが、この回胴式遊技機にはビッグボーナスやレギュラーボーナスがないので、これらの図柄は、主に小役を構成する(詳細は後述する)。
スイカの図柄は、「スイカ1」と「スイカ2」の2種類があり、「スイカ役」の他、様々な小役を構成する。また、チェリーの図柄も「チェリー1」と「チェリー2」の2種類があり、「チェリー役」の他、様々な小役を構成する。なお、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」は、それぞれ1種類である。
次に、図3に各回胴の図柄配列帯の展開図を示す。左列は図1の回胴式遊技機の回胴5a、中列は同じく回胴5b、右列は同じく回胴5cに対応する図柄配列である。各列には図柄が21コマあり、下側より0〜20までのコマ番号が割り当てられている。
遊技者は、各遊技で変動する回胴5a、5b、5cに対し、それぞれ、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して変動を停止させる。そして、有効入賞ライン上に所定の図柄組合せが並んだ場合、役に応じた遊技メダルが払い出される。
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
図4は、実施例の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像、光又は音による演出を制御する副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440を中心に構成される。
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置4が接続されている。また、電源基板440は、回胴式遊技機に電源が投入されると、各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号を送信する。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8a、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11a、貯留メダル精算ボタン15の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ15a、停止スイッチ基板360が接続されており、これらスイッチ等から信号が入力される。
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a〜12cの内部に設けられるLED(図示省略)が搭載されている。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211c及び回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、回胴5a〜5cの回転動作、及び目的の位置で回胴5a〜5cを停止させる停止動作を実現している。
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520及びホッパーモータ510が配置されている。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、サブタンク(図示省略)に取り付けられたセンサであり、遊技メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている(図示省略)。回胴設定基板430は、上記の各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380を制御する制御基板である。また、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置4を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。なお、この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
液晶制御CPUは、液晶制御コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムにより液晶表示装置4に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置4に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
なお、本実施例では、演出制御基板420と液晶制御基板460を別個の基板でとしているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
(2−2.主制御基板)
次に、図5を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板である。
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、及びスイッチ入力回路408を備えている。
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、上記の各回路が連携し合って行われている。また、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、及びメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機自体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル、入賞役に応じた払出枚数が定義された払出枚数データテーブル等が記憶されている。
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている(図示省略)。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、及びその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cを駆動制御する制御信号を出力する。回胴5a〜5cの回転制御及び停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成する。
次に、上記停止制御装置による回胴5a〜5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cに駆動パルス信号を出力する。
モータ駆動回路407は、回胴5a〜5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a〜5cの回転を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401には、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。これらの検出信号は、回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに回胴駆動モータ211a〜211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して回胴5a〜5cの回転動作を実現している。
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴5a〜5cの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(実施例では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
次に、回胴5a〜5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作される毎に有効入賞ライン上に停止させる図柄の種類を決定する。
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン上に停止させるように回胴駆動モータ211a〜211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a〜5cを停止させている。
具体的には、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
当選役を構成する図柄と停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(実施例では、最大4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成する図柄を所定の有効入賞ライン上に引き込む形で回胴の停止制御が行われる。
なお、有効入賞ライン上に停止した図柄は、上記基準位置に停止した図柄から自ずと定まるので、回胴5a〜5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
このように、本実施例では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で回胴5a〜5cの停止制御が行われる。
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380及び液晶制御基板460を制御する制御基板である。
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b及びサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d及びサブCPU421cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400から送信される上記制御コマンドに基づいて、演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを選択する。そして、選択した演出パターンを現出するのに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ制御用の音声コマンド、液晶制御コマンド等を出力する。なお、1チップマイクロコンピュータ421は、本発明の「遊技制御手段」に相当する。
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置4等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、遊技に伴う演出内容を定めた演出パターンテーブル(図示省略)が記憶されている。
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、各種演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶制御コマンドを送信したりする。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている(図示省略)。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。
<3.各種テーブル>
(3−1.入賞役と払出枚数の対応表:図6A〜6D)
図6A〜6Dは、回胴式遊技機の入賞役と払出枚数の対応表である。表中の役名称は入賞役を示しており、「CBB」から「チャンスC」までの36区分、合計96種類がある。
表中の「役構成」は、入賞役の図柄組合せを示している。例えば、「CBB」の場合、回胴5aに対応する左列が「白7」、回胴5bに対応する中列が「チェリー2」、回胴5cに対応する右列が「ブランク」である。以下では、役構成を「白7・チェリー2・ブランク」のように表記する。
表中の「種別」には、「作動」、「再遊技」、「入賞」の3種類がある。「作動」とは、特定の遊技状態に移行する契機となる役であり、遊技メダルの払出しはない。また、「再遊技」も再度、遊技が行える役であり、払出しはない。「入賞」は、賭け数に応じた配当、すなわち、遊技メダルの払出しが得られる役である。
表中の「払出し」は払出枚数であり、「2枚」、「3枚」とは、遊技におけるメダル賭け数を示している。実施例の回胴式遊技機では、通常遊技状態、AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態では3枚、CBB遊技状態では2枚の賭け数による遊技となる。
[ボーナス役]
ボーナス役として、区分番号1の「CBB」がある。上述の通り、「CBB」の役構成は「白7・チェリー2・ブランク」であり、遊技メダルの払出しはない。
ボーナス役は、その当選フラグを次回遊技に持ち越すことが許容されている。すなわち、遊技者は、ボーナス役に当選した遊技でその図柄組合せを有効入賞ライン上に停止させることができなくても、当選フラグが消滅することなく、次回以降の遊技でボーナス役の組合せを停止させることができる。
実施例の回胴式遊技機では、「CBB」に高い確率(例えば、1/4.5)で当選するが、ボーナス当選ゲームでボーナス役を揃えられなかった場合、当選フラグを次回ゲームに持ち越す。そして、CBBが内部当選した状態になると、後述する「再遊技役」の当選確率が上がるRT(リプレイタイム)遊技に移行する。
このRT遊技では、「再遊技役」や他の小役を優先して入賞させるリール制御を行うので、小役に当選する限り遊技者はボーナス役を揃えることができない。すなわち、この回胴式遊技機の通常遊技は、常にボーナス役の当選フラグを持ち越した状態で行われる。
[再遊技役]
再遊技役(リプレイ)は、区分番号2〜16の合計30種類がある(図6A参照)。再遊技役とは、入賞した場合に今回の遊技で投入した遊技メダルと同一枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始可能な役である。
すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始できる。遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技を行える点では、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものである。
役構成は、「リプレイ・リプレイ・リプレイ(通常リプレイA)」のような再遊技図柄による組合せの他、「スイカ1・チェリー1・ベル(通常リプレイB)」や「白7・ベル・スイカ2(赤7上段リプレイ)」のように様々な図柄を組合せたものもある。
また、区分名「赤7中段リプレイ」は特殊な再遊技役であり、この役の入賞を介して、AT遊技状態に移行する。具体的には、副制御手段の抽選により、例えば、役名称「赤7中段リプレイ1」に当選すると、AT遊技状態への移行が決定し、赤7を揃えることができるように操作手順が報知される。そして、遊技者がその操作手順に従って操作を行うと、実際に赤7が有効入賞ライン上に揃い、AT遊技が開始する。
また、区分名「チャンスリプレイA/B」、「中段チェリーA/B」及び「ベルリプレイA/B」も特殊な再遊技役であり、モードアップ等の遊技者に有利な遊技状態に移行する契機となる。
[ベル役]
ベル役は、区分番号17〜25の合計29種類がある(図6B参照)。役名称「中段ベル1」の役構成は、「ベル・ベル・ベル」であり、払出しは通常遊技状態及びAT遊技状態のとき8枚である。
区分番号18〜25の「ベルハズレ」もベル役に属する。特に、通常遊技状態では、回胴回転停止ボタン12(以下、停止ボタンという)の操作手順が関係する「押し順ベル」に当選した場合、操作手順の報知がないので、手順が不正解となる。しかし、ベルハズレの図柄を引込み可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、これが入賞する。なお、ベルハズレの払出しは、通常遊技状態及びAT遊技状態のとき1枚である。
[スイカ役]
スイカ役は、区分番号26〜29の合計9種類がある(図6C参照)。スイカの図柄は2種類あるが、役構成は、これらスイカ図柄による組合せの他、ベルやチェリーの図柄を含む組合せもある。
スイカ役は、何れも遊技者に有利な遊技状態に移行する契機となる「弱レア役」又は「強レア役」に相当する。なお、スイカ役の払出しは、通常遊技状態及びAT遊技状態のとき3枚である。
[チェリー役]
チェリー役は、区分番号30〜33の合計24種類がある(図6D参照)。チェリーの図柄も2種類あるが、役構成は、主に「チェリー1」、「バー」、「スイカ2」等の図柄を含む組合せとなる。
チェリー役についても、何れも遊技者に有利な遊技状態に移行する契機となる「弱レア役」又は「強レア役」に相当する。なお、チェリー役の払出しは、通常遊技状態及びAT遊技状態のとき1枚である。
[チャンス役]
最後に、チャンス役は、区分番号34〜36の合計3種類がある(図6D参照)。役名称「チャンス1」、「チャンス2」及び「チャンス3」の3種類であり、役構成は、それぞれ「白7・スイカ2・ブランク」、「赤7・スイカ2・スイカ2」、「ベル・赤7・チェリー2」である。
チャンス役についても、何れも遊技者に有利な遊技状態に移行する契機となる「強レア役」に相当する。なお、チャンス役の払出しは、通常遊技状態及びAT遊技状態のとき1枚である。
(3−2.当選役と入賞対象役の対応表:図7)
図7は、回胴式遊技機の当選役と入賞対象役の対応表である。ここで、入賞対象役は、図6A〜6D中の区分番号で示されている。
通常遊技状態では、番号「1」〜「42」の合計42種類の役に当選する可能性があり、当選役によって入賞対象役が異なる。番号「0」の非当選(純ハズレ)が選択される場合もある。一方、ボーナス中は、番号「42」の「CBB中」となる。
例えば、番号「2」の「通常リプレイ1」の場合、区分番号が「2」〜「6」となっているので、遊技者の操作により、区分名「通常リプレイA」〜「通常リプレイE」に対応する何れかの役が入賞する(図6A参照)。
また、番号「23」の「中左右8枚ベル1」の場合には、区分番号が「17」、「18」、「24」となっている。これは、停止ボタンを「中」、「左」、「右」の順番で操作することで8枚の払出しが得られる、いわゆる押し順ベルである。AT遊技中は操作手順が報知されるので、遊技者が報知に従って操作することで、区分番号「17」の「8枚ベル」を入賞させることができる。
一方、操作手順を間違えた場合には、区分番号「18」の「左ベルハズレA」又は区分番号「24」の「中ベルハズレ」が入賞し得る(図6B参照)。
具体的には、最初の停止操作が手順と一致した場合(「中」ボタン操作)、回胴5bの中段に「ベル」を引き込むよう制御するので、実際に「ベル」が停止し、「中段ベル」入賞の可能性が残される。しかし、次に操作手順を間違えると(例えば、「右」ボタン操作)、リール制御の対象を「中ベルハズレ」に変更するので、回胴5cの中段に「白7」や「チェリー1」を引き込む。これにより、「8枚ベル」が入賞する可能性はなくなる。
そして、最後の停止操作(「左」ボタン操作)により、回胴5aの中段に「スイカ1」又は「スイカ2」が停止すれば、「中ベルハズレ」が入賞する。一方、「スイカ1」又は「スイカ2」が停止しなければ、外れとなる。
なお、最初の停止操作で手順を間違えた場合(例えば、「左」ボタン操作)には、回胴5aの中段に、例えば、「リプレイ」を引き込むように制御するので、この時点で「8枚ベル」が入賞する可能性はなくなるが、「左ベルハズレA」が入賞する可能性は残される。
番号「36」〜「41」は、当選確率の低いレア役となっている。レア役に当選した場合には、通常、液晶画面4a中で当選報知や、何らかの予告が発生するため、遊技者は対応する入賞役を揃えることができる。
<4.AT遊技状態の終了条件と演出例>
(4−1.副制御側の状態遷移図:図8)
図8は、回胴式遊技機の副制御側の遊技状態の遷移を示した図である。ここでは、通常遊技状態やAT遊技状態の他に、チャンスゾーンや上乗せ特化ゾーン等の遊技状態が存在する。
まず、RAMクリアした直後は、通常遊技状態の「一般中」と呼ばれる状態となるが、約1/4.5の確率でCBB(ボーナス)に当選するので、その後は、「CBB中」(図7の番号「42」)と呼ばれる状態となる。
実施例の回胴式遊技機では、CBB中の再遊技役の当選確率が約1/2.46と高く設定されている。非当選(純ハズレ)の場合に、CBBの図柄組合せを揃えることも可能だが、その確率は低い。また、回胴5a〜5cは小役優先で制御されているので、CBBが内部成立しているが、その図柄組合せを揃えることができない状態である。この「CBB中」の状態が、実施例の回胴式遊技機の通常遊技状態である。
また、通常遊技状態では、左の回胴5aから操作(左→中→右、左→右→中)するルールとなっており、違反した場合(変則押し)には、例えばAT抽選やその発動が行われなくなるペナルティが課せられる。
通常遊技状態では、主に、再遊技役や押し順ベルに当選するので、いわゆるRT(リプレイタイム)遊技に近い遊技状態となっている。しかし、上記押し順ベルは操作手順が報知されず、左の回胴5aからの押し順正解がない。従って、遊技者は、これを入賞させることができず、払出しが得られないようになっている。
図8の説明に戻るが、通常遊技状態において、再遊技役が例えば、5回以上連続して発生した場合には、後述するチャンスゾーンに移行する。また、特定の小役に当選したとき貯まるポイントが最大となった場合にも、ミッションステージを経由してチャンスゾーンに移行する。ミッションステージとは、所定のミッション(指令)を完遂すると利益がもたらされる遊技状態であり、ここでは、ミッション完遂によりチャンスゾーンに移行する。
チャンスゾーン(自力高確率状態)とは、通常遊技状態と比較してAT遊技状態に移行し易くなる高確率の遊技状態である。例えば、遊技者がチャンスゾーン中に自力で再遊技役を引いた(再遊技役に当選した)場合に、AT遊技移行抽選が行われる。
ここで、チャンスゾーンには、「亡魂ゾーン」、「亡魂ゾーン呪」、「亡魂ゾーン呪縛」の3種類があり、AT遊技状態に移行する期待度がそれぞれ10%、20%、30%に設定されている。
チャンスゾーンにおいて、遊技者が自力で再遊技役を引いた場合には、後述するチャンスアクションを経由して特別遊技状態に移行し得る。なお、チャンスゾーンにおいて、再遊技役を引けなかった場合には、通常遊技状態に転落する。
通常遊技状態では、チャンス役に当選した場合や所定のゲーム数を消化した場合に、「前兆」、「連続演出」及び後述するチャンスアクションを経て、チャンスゾーン又は特別遊技状態に移行する。
ここで、前兆とは、頻繁に予告演出が発生するゾーン(10〜30ゲームの期間)が周期的に到来する演出である。そして、何れかのゾーンで当りが発生するようになっている。もちろん、ゾーンの周期には複数のパターンがあり、当りの含まれないゾーンにおいては、予告演出は遊技を盛り上げるための嘘演出となる。
また、連続演出とは、例えば、1回の遊技毎に徐々に発展していくような演出であり、当り期待度に応じて複数の演出パターンが用意されている。連続演出は、チャンスゾーンに移行する場合と特別遊技状態に移行する場合とで、少なくとも途中まで共通の演出となっている。
その後、何れの遊技状態に移行するかを告知するのがチャンスアクションである。実施例の回胴式遊技機には、可動体6a、6bが設けられているが、これらの動作態様により移行する遊技状態が告知される。
チャンスアクションでは、例えば、演出用ボタン10の操作が促され、遊技者がこれを操作した場合に、可動体6a、6bが動作するようになっている。そして、可動体6a、6bのうち、一方だけが動作した場合にはチャンスゾーンに移行し、両方が動作した場合にはチャンスゾーンより利益の高い特別遊技状態に移行する。
上記のように、共通の演出が行われた後、可動体6a、6bを用いたチャンスアクションが行われることで、最終的な結果告知が行われるまで遊技者のAT遊技状態に移行する期待感を保持することができる。
なお、チャンスゾーンから特別遊技状態に移行する際にもチャンスアクションが行われるが、特別遊技状態に移行することが確定した場合に行われるので、可動体6a、6bの両方が動作する。
次に、特別遊技状態は、液晶画面4aや装飾ランプ部13で報知された手順に従って、遊技者が停止ボタンを操作することで、多くの遊技メダルが獲得可能な遊技状態である。
実施例の特別遊技状態には、「みちづれRUSH(AT遊技)」と「恐怖BONUS(AT遊技)」の2種類があり、突入時には、「恐怖BONUS」に移行するようになっている。「恐怖BONUS」は、40ゲーム固定のボーナス遊技(擬似ボーナス)であり、その中で特定の小役に当選した場合に「みちづれRUSH」への移行抽選が行われる。
「みちづれRUSH」は、初期値が50ゲームのAT遊技(詳細は後述する)であるが、特定の小役に当選した場合にゲーム数の上乗せ抽選が行われるので、AT遊技状態が継続していく可能性がある。AT遊技のゲーム数を全て消化した場合には、引戻しゾーンに移行する。引戻しゾーンを経由して、再度「みちづれRUSH」に復帰する場合もあるが、引戻せなかった場合には、通常遊技状態に転落する。
また、「みちづれRUSH」の中で「チャンス役」に当選した場合には、「7揃いチャンス」と呼ばれる中継ゲームに移行する。「7揃いチャンス」は、AT遊技状態と後述する上乗せ特化ゾーンとを中継するゲームである。例えば、遊技者が停止ボタンを指示された手順で操作して7図柄が揃った場合、上乗せ特化ゾーンに移行する。
上乗せ特化ゾーンとは、AT遊技のゲーム数を加算するチャンスが連続的又は集中して発生する高確率状態である。上乗せ特化ゾーンでは、AT遊技状態で上乗せ抽選の対象となっていない「ベル役」であっても上乗せ抽選を行い、例えば、7ゲームを最低保障してゲーム数を大量に上乗せする。
実施例の回胴式遊技機には、「呪いATTACK」と「絶恐乱舞」の2種類の上乗せ特化ゾーンがある。AT遊技状態において、特定の小役に当選した場合には、「絶恐乱舞」に移行する。「絶恐乱舞」において、さらにチェリー役やスイカ役に当選した場合には、「絶恐乱舞」又は「みちづれRUSH」のゲーム数、又はその両方を上乗せする。
また、上記の「7揃いチャンス」において、「赤7・赤7・赤7」が入賞した場合には「呪いATTACK」に移行する。「呪いATTACK」の場合、20〜30ゲームずつAT遊技のゲーム数が加算される場合もある。
なお、上乗せ特化ゾーンは、通常遊技状態から直接移行する場合もある。当選確率の極めて低いが、当選した場合、回胴5a〜5cによるフリーズ演出の後、上乗せ特化ゾーンの1つである「呪いATTACK」に移行する。
そして、上乗せ特化ゾーンにおいて、AT遊技のゲーム数(例えば、100ゲーム)が加算された後、AT遊技状態に移行する。この場合、AT遊技(「みちづれRUSH」)の開始時の残りゲーム数は150ゲームとなる。
(4−2.終了条件の管理:図9A、9B)
次に、図9Aを参照して、AT遊技が2つの終了条件で同時に管理される回胴式遊技機について説明する。
AT遊技とは、液晶表示装置4やスピーカ16を用いて、各回胴に対応する停止ボタンの停止順を報知する遊技である。この報知を「押し順ナビゲーション表示(以下、押し順ナビ)」といい、遊技者がこれに従って遊技することでベル役等の小役が入賞し、遊技者が大量の遊技メダルを獲得することができる。
AT遊技状態に移行する条件は、上述したように、自力高確率状態で特定の当選役に当選すること等がある。また、AT遊技の終了条件には、所定回数の遊技が行われることの他、AT遊技状態で遊技者が所定数(差枚数)の遊技メダルを獲得することがある。
ここで、差枚数とは、払出枚数から投入枚数を差し引いた枚数をいう。例えば、1回の遊技で遊技メダルを3枚ベットし、8枚の払出しがあった場合には、差枚数は+5となる。また、1回の遊技で遊技メダルを3枚ベットし、外れとなった場合には、差枚数は−3である。なお、差枚数が「+5」の場合には、液晶画面の残り枚数の表示から5を減算するが、差枚数が「−3」等の負の数となる場合には、通常、残り枚数を加算しない。
図9Aにおいて、ケース(1)〜(3)は、AT遊技の「終了条件」が「何れか0」の場合である。これは、上記2つの終了条件のうち、何れか一方の条件が成立した時点でAT遊技が終了することを意味する。概略図の例は、AT遊技が進行して残りゲーム数が0となったとき、一方の条件が成立したことになるので、「THE END」の表示が現れ、AT遊技が終了することを示している。
また、図中の「上乗せ」とは、AT遊技状態でチェリー役等(レア役)に当選した場合に、AT遊技状態がさらに継続するように終了条件のゲーム数や獲得枚数を加算することをいう。「上乗せ」には、「何れか少ない方」、「何れか多い方」及び「両方」の3種類があるが、「多い」、「少ない」は、両条件を比較して決定する。
実施例の回胴式遊技機は、AT遊技状態における遊技メダルの純増枚数が約3.0枚であるので、50ゲームを行うと平均して約150枚の遊技メダルを獲得できる。しかし、概略図の例では、獲得枚数が100枚(残りが200枚)であり、平均を下回っている。従って、両条件を比較すると、残りが少なく、先に終了すると予想される「ゲーム数」の条件が「何れか少ない方」に該当する。
概略図では、「何れか少ない方」に上乗せしたときの例として、画面上で「+100G」と表示されると共に、残りの「ゲーム数」が更新された様子が示されている。また、「何れか多い方」に上乗せしたときの例として、画面上で「+300枚」と表示されると共に、残りの「獲得枚数」が更新された様子が示されている。
一方、「両方」とは、両方の条件に対して上乗せすることを意味するので、遊技者にとって最も利益が大きく、遊技メダルの獲得枚数も多くなる。このとき、概略図に示すように、画面上で「+100G & +300枚」のように表示され、残りの「ゲーム数」及び「獲得枚数」が更新される。
次に、ケース(4)〜(6)は、AT遊技の「終了条件」が「両方が0」の場合である。これは、上記2つの終了条件が共に成立した時点でAT遊技が終了することを意味する。概略図の例は、AT遊技が進行して残りゲーム数が0となっても、「獲得枚数」の条件が成立していないので、「ADDITIONAL TIME !!」との表示が現れ、AT遊技状態が継続することを示している。
「上乗せ」について、「何れか少ない方」、「何れか多い方」及び「両方」の3種類があり、AT遊技状態でレア役に当選した場合に、終了条件であるゲーム数や獲得枚数を加算する点は、ケース(1)〜(3)と同じである。
ここでは、差枚数により遊技メダルの残り枚数を表示しているが、「払出枚数」で表示してもよい。払出枚数とは、配当表(図6A〜6D参照)の払出数であり、1回の遊技で遊技メダルを3枚ベットし、8枚の払出しがあった場合には、払出枚数は+8になる。
また、AT遊技の終了条件として、「押し順ナビ回数」もある。これは、AT遊技状態に移行してから、「押し順ナビ」が所定回数(例えば60回)、出現した時点でAT遊技が終了するものである。従って、「ゲーム数」又は「獲得枚数」の終了条件のうち1つを、「押し順ナビ回数」に変更してもよい。
次に、図9Bを参照して、AT遊技状態が2つの終了条件のうちの何れか1つで(非同時に)管理される回胴式遊技機を説明する。
まず、ケース(1)〜(10)は、所定の「決定・切替タイミング」で遊技者が終了条件の1つを「任意選択」できる場合である。例えば、通常遊技状態からAT遊技状態(上乗せ特化ゾーンを含む)に移行する際(ケース(1)、(2))に、遊技者が十字キー9や演出用ボタン10を操作して、終了条件を1つ選択することができる。
ここで、図中の「Wカウント」とは、ゲーム数と獲得枚数の両条件をカウントするか否かである。「Wカウント」を「する(内部/表示)」理由は、初めに選択されなかった条件を後で選択することがあるからで、回胴式遊技機の内部でカウントする。なお、「Wカウント」を「しない」場合は、初めに選択した終了条件をAT遊技の終了まで変更しない、又はできない場合である。
選択されていない終了条件は必ずしも画面上に表示する必要はないが、両方を表示することが好ましい。そのメリットとして、常に両条件についての進行状況を比較できることが挙げられる。これにより、終了条件の切替タイミングとなったとき、切替えることで得するか否かを遊技者が判断することができる。
AT遊技状態の任意のタイミングで終了条件を選択するようにしてもよいが(ケース(3)、(4))、毎ゲームではなく、少なくともAT遊技を20ゲーム行ってから、又は30枚の遊技メダルを獲得した後に切替可能とすることが好ましい。
また、上乗せ特化ゾーンや擬似ボーナスに移行したとき終了条件を切替可能としてもよい(ケース(5)、(6))。1セットのAT遊技が終了したとき、次セットが残っている場合、終了条件を切替可能とすることもできる(ケース(7)、(8))。実施例の回胴式遊技機では、AT遊技の1セットが50ゲームで構成されている。そして、AT遊技中には、所定のゲーム数のみならず、セット単位で上乗せをする場合がある。
1セットの終了時にAT遊技の終了条件を切替えた場合には、次セットから新たな終了条件のAT遊技となる。なお、1セットの終了時には、必ず終了条件を選択させなくてもよいし、変更を望まない場合もある(ケース(9)、(10))。この場合には、前回の終了条件まま、次セットのAT遊技が開始する。
次に、ケース(11)〜(15)は、回胴式遊技機の内部で終了条件が選択される場合と、内部的に予め決定している場合である。例えば、通常遊技状態からAT遊技状態に移行する際(ケース(11)、(12))に、遊技者が演出用ボタン10を操作することで、何れか1つの終了条件が選択される。
ここで、「抽選」の場合とは、演出用ボタン10の操作を契機に何れかの終了条件が選択されるものである。また、「固定」の場合とは、既に内部的に終了条件が決定しているが、あたかも遊技者が選択したかのような効果を出すため、演出として演出用ボタン10を操作させるものである。
「決定・切替タイミング」は、遊技者の「任意選択」の場合と同じであり、通常遊技状態からAT遊技状態(上乗せ特化ゾーンを含む)に移行するとき、AT中、上乗せ特化ゾーンに移行するとき、1セットの終了時があり、1セットの終了時には終了条件が切替わらない場合もある。なお、概略図では、切替タイミングの画面の表示例のみを示した。
(4−3.AT遊技状態の演出例:図10A〜10E)
次に、図10A〜10Eを参照して、AT遊技状態の演出例を説明する。以下の演出例は、図9A、9Bの概略図をより具体的に表したものである。
まず、図10Aを参照して、AT遊技状態が、そのゲーム数と遊技メダルの獲得枚数(差枚数)の両条件で管理される場合を説明する。図10A(a)に示すように、AT遊技状態では、液晶画面4aの上部に残りゲーム数の表示領域61と、残り獲得枚数の表示領域62がある。
残りゲーム数については、表示領域61に「残GAME 001」と示されていることから、最後のAT遊技である。しかし、残り獲得枚数については、表示領域62に「残枚数 090」と示されているように、全て獲得するのには程遠い数である。
AT遊技状態では、毎ゲームではないが、表示領域63に押し順ナビが表示される。従って、遊技者は、その手順に従って停止ボタンを操作することで、小役(例えば、ベル役)を獲得することができる。なお、液晶画面4a下部の「XXX RUSH」はAT遊技の名称であり、実施例の回胴式遊技機では、「みちづれRUSH」になる。
その後、図10A(b)に示すように、残りゲーム数が0となり、終了条件の1つが成立する。このとき、表示領域61は、薄く目立たない表示に変化する。一方、もう1つの終了条件である残り獲得枚数は、表示領域62に「残枚数 085」と示されているように、獲得していない遊技メダルが多数残っている。従って、これを遊技者に獲得させるため、AT遊技状態が延長される。
液晶画面4aの中央には、「まだ続くよ!」と示された表示領域64が出現する。すなわち、両方の終了条件が成立するまでAT遊技状態は継続する。その後、さらに遊技を継続していくと、図10A(c)の表示になる。
図10A(c)は、表示領域62に「残枚数 005」と示されていることから、AT遊技が終了に近いところまで進行した状態といえる。ここでも、遊技者は、表示領域63の押し順ナビに従って停止ボタンを操作することで、小役を獲得することができる。その後、図10A(d)の表示になる。
図10A(d)は、AT遊技状態の終了報知である。「TOTAL 300枚」は、今回のAT遊技における遊技メダルの獲得枚数が300枚であったことを意味する。また、「GAME 133G」は、今回のAT遊技のゲーム数が全部で133ゲームであったことを意味する。
このように、実施例の回胴式遊技機では、AT遊技が2つの終了条件で管理され、1回のゲーム毎に残りゲーム数と獲得枚数の表示が更新される。さらに、各ゲーム終了時にAT遊技の終了条件が確認され、両方の終了条件が成立するまでAT遊技状態が継続する。これにより、遊技者は遊技メダルの獲得枚数が比較的少ないのに、ゲーム数の条件でAT遊技が終了してしまうような事態を回避することができる。
逆に、AT遊技状態に移行してから小役の当選が集中して、すぐに最大獲得枚数に到達する場合もあり得る。この場合には、本来であれば実行できたAT遊技のゲーム数が多く残ってしまうことになるので、残りのゲーム数分を延長させることができる。何れの場合も、遊技者は多くの遊技メダルを獲得できるようになり、遊技意欲の減衰を防止することができる。
なお、上記の表示領域61、62の数値は、主に1セットのAT遊技状態の残りゲーム数、残り獲得枚数を表わしているが、複数セットに亘りAT遊技が継続していることが分かるように、AT遊技状態の総ゲーム数や総獲得枚数を併せて表示してもよい。例えば、図10A(c)において、表示領域61の下に新たな表示領域を設けて、「TOTAL GAME 0120」のように総ゲーム数を加算方式で表示することができる。
次に、図10Bを参照して、AT遊技状態が、そのゲーム数と遊技メダルの獲得枚数(差枚数)の両条件で管理される場合であって、AT遊技中にゲーム数の上乗せが行われた場合を説明する。
まず、図10B(a)は、液晶画面4aの上部に残りゲーム数の表示領域61と、残り獲得枚数の表示領域62が表示されている。表示領域61に「残GAME 051」と示されていることから、残りのAT遊技のゲーム数は51回である。また、表示領域62に「残枚数 200」と示されていることから、現在100枚の遊技メダルを獲得し、残りが200枚の状態である。
なお、遊技メダルの獲得枚数は、100枚であるから平均の約150枚を下回っている。従って、このままAT遊技が進行していくと、300枚を獲得できずに上限の100回に到達することが予想される。
一方、図10B(a)では、雷が落ちる予告が出現している。これを受けて、遊技者が何れの小役も取得できるように停止ボタンを操作すると、図10B(b)の表示になる。図10B(b)は、チェリー役が入賞したことで、表示領域65に「GET!」の文字とチェリー図柄からなる報知が出現した様子を示している。
ここで、表示領域61のゲーム数は更新されるが、払出枚数が1枚であるチェリー役(差枚数−2)が入賞しても差枚数は変化せず、表示領域62の残り獲得枚数は更新されない。
また、「チェリー役」はレア役であり、終了条件の更新が行われる。具体的には、図10B(c)の表示領域64に「+100G」と示されているように、「ゲーム数」の終了条件を加算する。これは、残りゲーム数を100ゲーム上乗せすることを意味する。
上述した通り、ゲーム数の終了条件の方が先に成立する可能性が高い(終了に近い条件)ので、今回は「ゲーム数」を上乗せすることで、両条件のバランスが保てるようにする。なお、「獲得枚数」を上乗せすることで、終了に遠い条件を変更してもよいし、両方の条件を変更してもよい。その後、図10B(d)の表示になる。
図10B(d)は、表示領域61が更新され、「残GMAE 150」となったことを示している。そして、ゲーム数と獲得枚数の両条件が成立するまでAT遊技状態が継続される。
次に、図10Cを参照して、AT遊技状態が、そのゲーム数と上述した「押し順ナビ回数」の両条件で管理される場合を説明する。
まず、図10C(a)は、液晶画面4aの上部に残りゲーム数の表示領域61と、押し順ナビ回数の表示領域62が表示されている。表示領域61に「残GAME 050」と示されていることから、残りのAT遊技のゲーム数は50回である。また、表示領域62に「ナビ回数 40/60」と示されていることから、60回行われる押し順ナビの大半が終了した状態である。
実施例の回胴式遊技機では、AT遊技状態における遊技メダルの押し順ナビの表示確率が約1/1.77であるから、AT遊技100ゲームに対して約57回の押し順ナビが実行される。ここでは、50ゲームが終了した時点で既に40回の押し順ナビが実行されていることから、このままAT遊技が進行していくと、多くのゲーム数を残したままAT遊技が終了することが予想される。
一方、図10C(a)では、雷が落ちる予告が出現している。これを受けて、遊技者が何れの小役も取得できるように停止ボタンを操作すると、図10C(b)の表示になる。図10C(b)は、チェリー役が入賞したことで、表示領域65に「GET!」の文字とチェリー図柄からなる報知が出現した様子を示している。このとき、表示領域61表示が更新される。
ここで、「チェリー役」は、レア役であるので、終了条件の更新が行われる。具体的には、図10C(c)の表示領域64に「ナビ+10回」と示されているように、「押し順ナビ回数」の終了条件を加算する。これが押し順ナビ回数の上乗せである。
上述した通り、押し順ナビ回数の終了条件の方が先に成立する可能性が高い(終了に近い条件)ので、今回は「押し順ナビ回数」を上乗せすることで、両条件のバランスが保てるようにする。その後、図10C(d)の表示になる。
図10C(d)は、表示領域62が更新され、「ナビ回数 40/70」となったことを示している。これにより、AT遊技の残り回数が49ゲームで、残りのナビ回数が30回となるから、押し順ナビの表示確率が設定された数値に近づくようになる。その後、ゲーム数と獲得枚数の両条件が成立するまでAT遊技状態が継続される。
次に、図10Dを参照して、AT遊技状態が、そのゲーム数と遊技メダルの獲得枚数(差枚数)の何れか1つの終了条件で管理される場合を説明する。図10D(a)、又は(b)に示すように、AT遊技状態への移行時には、遊技者に終了条件の1つを選択させる画面が現れる。
図10D(a)は、十字キー9の左右のボタンで表示領域66の「ゲーム数(100G)」か、表示領域67に示す「獲得枚数(300枚)」かの選択が可能な画面となっている。このとき、液晶画面4aの左下部には、十字キーマーク9’が出現する。
液晶画面4aの下方に「好きな方を選べるよ!」と表示されているように、遊技者が十字キー9を操作すると、矢印68が左右方向に動く。そして、決定には演出用ボタン10を用いる。このとき、液晶画面4aの右下部に演出用ボタンキーマーク10’が出現する。
図10D(b)も、遊技者に終了条件の1つを選択させる画面であるが、演出用ボタンキーマーク10’のみ出現する。これは、演出用ボタン10を押下することで、回胴式遊技機の内部で何れかの条件が抽選される方式である。また、実際には、回胴式遊技機の内部で既に終了条件が決定されているが、演出として遊技者に演出用ボタン10を操作させるものであってもよい。
例えば、遊技者がゲーム数の終了条件を選択した場合又は抽選で選択された場合、図10D(c)の表示になる。図示するように、枠が光ることで選択されたことを示す表示領域66’が液晶画面4aの中央上部に表示される。また、魔女のキャラクタ69と共に、「XXX RUSH 突入!」との表示が出現する。その後、AT遊技状態が開始し、図10D(d)の表示になる。
図10D(d)は、AT遊技の初回ゲームを示している。液晶画面4aの左上部には、ゲーム数に関する表示領域61のみが出現する。押し順ナビが表示領域63で行われる点は、選択された終了条件に関わらず同じである。
なお、所定のタイミングで終了条件を切替えることが可能であるので、回胴式遊技機の内部では、「獲得枚数」もカウントしている。このように、AT遊技を管理する終了条件が遊技者により、又は機械の内部で選択されることで、興趣の高い回胴式遊技機を実現することができる。
また、遊技者が獲得枚数の終了条件を選択した場合又は抽選で選択された場合、図10D(e)の表示になる。図示するように、枠が光ることで選択されたことを示す表示領域67’が液晶画面4aの中央上部に表示される。その後、AT遊技状態が開始し、図10D(f)の表示になる。図10D(f)は、AT遊技の初回ゲームを示しているが、液晶画面4aの右上部に残り獲得枚数に関する表示領域62のみが出現する。
次に、図10Eを参照して、AT遊技状態が、そのゲーム数と遊技メダルの獲得枚数(差枚数)の何れか1つの終了条件で管理される場合であって、AT遊技中に終了条件を変更した場合を説明する。
まず、図10E(a)は、ベル役が入賞したことで、表示領域65に「GET!」の文字とベル図柄からなる報知が出現した様子を示している。なお、ここでは、「ゲーム数」の終了条件が選択されているので、表示領域61に「残GAME 081」と表示されている。その後、図10E(b)の表示になる。
図10E(b)は、AT遊技をちょうど20回行ったことで、改めて終了条件が選択可能となった様子を示している。図示するように、表示領域70では、図10D(a)と同じ画面が液晶画面4aの下方に小さく表示される。
終了条件を切替える場合には、十字キー9と演出用ボタン10を操作することで、新たに選択することができる。なお、終了条件を切替える必要がない場合には、この表示を無視して、表示領域63の押し順ナビに従って、回胴回転停止ボタン12を操作すればよい。
ここで、遊技者が「獲得枚数」の終了条件の方に切替えたとすると、図10E(c)の表示となる。図示するように、枠が光ることで選択されたことを示す表示領域67’が液晶画面4aの中央上部に表示される。また、魔女のキャラクタ69と共に、「頑張ってね!」との表示が出現する。その後、AT遊技状態が再開し、図10E(d)の表示になる。
図10E(d)は、次回のAT遊技の様子を示している。液晶画面4aの右上部には、残り獲得枚数に関する表示領域62のみが出現する。押し順ナビが表示領域63で行われる点は、選択された終了条件に関わらず同じである。
終了条件の切替えが可能なタイミングは、AT遊技の実行ゲーム数に限られない。例えば、獲得枚数の終了条件が選択されていた場合には、30枚の遊技メダルを獲得したタイミングで終了条件を変更可能としてもよい。
また、上述したように、AT遊技の突入時、AT遊技の1セットの終了時に終了条件を変更可能とすることができる。AT遊技のゲーム数や獲得枚数が大幅に増加する上乗せ特化ゾーンに移行したとき、終了条件を変更可能とすることもできる。
また、図10E(b)の表示領域70は、図10D(b)の選択画面を表示してもよい。この場合には、演出用ボタン10の操作により何れかの終了条件が抽選されるか、又は回胴式遊技機の内部では予め決定されているが、演出として遊技者に演出用ボタン10を操作させるかである。
<5.主制御基板による制御処理>
(5−1.主制御側メイン処理:図11)
次に、実施例の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。
図11は、遊技動作制御プログラムに従い、主制御基板400(以下、主制御手段という)が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。主制御手段は、電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS11〜ステップS27の処理を行う。
まず、主制御手段は、RAM初期化処理を行う(ステップS11)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するための処理である。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御手段は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ等を設定する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、主制御手段は、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御手段は、始動レバーが操作されたか否かを判定する(ステップS14)。これは、遊技者によって回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、主制御基板400が回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視する。
回胴回転始動レバー11が操作された場合にはステップS15に進み、回胴回転始動レバー11が操作されていない場合にはステップS13に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS15の処理には移行しない。
ステップS15では、主制御手段は、内部抽選用乱数取得処理を行う。主制御手段は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16では、主制御手段は、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、ステップS15で取得した内部抽選用乱数値と役抽選テーブルとに基づいて当選役を決定し、その抽選結果情報を設定する処理である。以下、内部抽選処理の詳細を説明する。
(5−2.内部抽選処理:図12)
図12は、図11中の内部抽選処理(ステップS16)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、遊技状態を取得する(ステップS161)。具体的には、図11のステップS12で設定した遊技状態フラグを取得する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御手段は、遊技状態に応じた役抽選テーブル(図示省略)を選択する。その後、ステップS163に進む。
ステップS163では、主制御手段は、役抽選テーブルと抽選用乱数値に基づき当選役を抽選する。具体的には、取得した内部抽選用乱数の値(図11:ステップS15)と選択された役抽選テーブルに記憶されている判定値とを比較し、当選役を抽選する。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、主制御手段は、抽選結果に基づき当選役データと停止制御用データを設定する。停止制御用データは、停止制御用データ設定テーブル(図示省略)を参照して、当選役データに応じたデータを設定する。その後、ステップS165に進む。
最後に、主制御手段は、遊技開始コマンドをセットする(ステップS165)。「遊技開始コマンド」には、当選役に関する情報や、現在の遊技状態に関する情報が含まれるが、後に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、内部抽選処理を終了する。
なお、この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は遊技毎にクリアされるが、ボーナス役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
図11に戻り、内部抽選処理(ステップS16)が終了すると、主制御手段は、リール演出処理(ステップS17)を行う。以下、リール動作処理の詳細を説明する。
(5−3.リール演出処理:図13)
図13は、図11中のリール演出処理(ステップS17)の内容を示すフローチャートである。リール演出処理は、回胴5a〜5cが通常の回転起動を開始する前に、演出としての動作する場合の制御処理である。
まず、主制御手段は、当選役に応じたリール演出抽選テーブルを選択する(ステップS171)。リール演出抽選テーブル(図示省略)には、当選役毎に各リール演出の当選乱数が設定されている。その後、ステップS172に進む。
ステップS172では、主制御手段は、リール演出抽選処理を行う。具体的には、ステップS171で選択されたリール演出抽選テーブルを参照して、リール演出抽選が行われる。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、主制御手段は、リール演出種別コマンドをセットする。リール演出種別コマンドは、リール演出が「なし」の場合にも、その旨の制御コマンドが用意されているため、毎回セットされる。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御手段は、フリーズ開始処理を行う。これは、何れかのリール演出が選択された場合、その実行前に回胴5a〜5cを一度、不動状態とする処理である。その後、ステップS175に進む。
ステップS175では、主制御手段は、リール演出実行処理を行う。これは、ステップS172のリール演出抽選処理で選択されたリール演出を実行する処理である。リール演出には、回胴5a〜5cの不動状態が所定時間継続するフリーズ演出の他、逆回転変動やスロー変動が含まれる。その後、ステップS176に進む。
ステップS176では、主制御手段は、演出切替コマンドをセットする。演出切替コマンドは、リール演出の実行中に液晶画面4a等で実行されている演出を切替えるための制御コマンドである。その後、ステップS177に進む。
最後に、主制御手段は、フリーズ解除処理を行う(ステップS177)。ここでは、回胴5a〜5cの不動状態を解除するので、通常の回転準備が整う。その後、リール演出処理を終了する。
図11に戻り、リール演出処理(ステップS17)が終了すると、主制御手段は、回胴回転開始設定処理(ステップS18)を行う。以下、回胴回転開始設定処理の詳細を説明する。
(5−4.回胴回転開始設定処理:図14)
図14は、図11中の回胴回転開始設定処理(ステップS18)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、ウェイトタイマを取得する(ステップS181)。ウェイトタイマは、次の遊技を開始するまでの時間を設定するためのタイマである。その後、ステップS182に進む。
次に、主制御手段は、ウェイトタイマが0であるか否かを判定する(ステップS182)。ウェイトタイマの設定時間(4.1秒)が経過するまでは、遊技者による遊技を開始する操作が無効とされる。ウェイトタイマが0となった場合にはステップS184に進み、ウェイトタイマが0でない場合にはステップS183に進む。
ウェイトタイマが0でない場合(ステップS182でNO)、主制御手段は、待ち時間が消費したか否かを判定する(ステップS183)。待ち時間が消費するまでは、ループする。一方、待ち時間が消費した場合には、ステップS184に進む。これにより、次の遊技が開始可能となるまでに少なくとも4.1秒かかるようになっている。
ステップS182、S183の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ウェイトタイマをセットする(ステップS184)。具体的には、0となったウェイトタイマに再度、4.1秒をセットする。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、主制御基板400は、回転起動処理を行う。この回転起動処理では、リール演出の有無を確認し、これに応じたリールの起動設定及び時間設定を行う。その後、ステップS186に進む。
最後に、主制御手段は、回胴回転始動時のデータ設定を行う(ステップS186)。具体的には、回胴の回転状態を示す回転状態フラグをオン(全回胴回転中)とし、制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作されたときに生成される「回転開始コマンド」をセットする。その後、回胴回転開始設定処理を終了する。
再び、図11に戻り、回胴回転開始設定処理(ステップS18)が終了すると、主制御手段は、回胴停止処理(ステップS19)を行う。以下、回胴停止処理の詳細を説明する。
(5−5.回胴停止処理:図15)
図15は、図11中の回胴停止処理(ステップS19)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、回胴回転停止ボタン12a〜12cの有効な停止操作があったか否かを判定する(ステップS191)。回胴回転始動レバー11が操作されて回胴5a〜5cが回転を開始した後、全ての回胴が概ね一定の回転速度になる。このとき、回胴5a〜5cに対応する回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作が受付可能な状態となる。
回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作は、上記の受付可能な状態となった場合にのみ有効となり、受付可能な状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても無効な操作として扱われる。有効な停止操作(第1停止操作)があった場合にはステップS192に進み、有効な停止操作がなかった場合には有効な停止操作があるまでループする。
有効な停止操作があった場合(ステップS191でYES)、主制御手段は、停止準備データをセットする(ステップS192)。停止準備データとは、回胴回転停止ボタン12a〜12cの押し順を示す停止順番データ、現在停止している回胴数を示す回胴停止数データ、停止操作の対象となる回胴を示す停止対象回胴番号、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間)であり、本ステップでこれらのデータがセットされる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御手段は、図柄停止制御処理を行う。図柄停止制御処理とは、滑りコマ数を計算して回胴5a〜5cの停止を制御する処理である。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、主制御手段は、停止結果情報コマンドをセットする。「停止結果情報コマンド」とは、図柄停止情報を含む制御コマンドである。その後、ステップS195に進む。
次に、主制御手段は、停止間隔タイマが0となったか否かを判定する(ステップS195)。停止間隔タイマとは、第1停止操作の後に、第2停止操作を受付可能とするまでの時間を計測するタイマである。停止間隔タイマが0となった場合にはステップS196に進み、まだ停止間隔タイマが0となっていない場合には当該タイマが0となるまでループする。
停止間隔タイマが0となった場合(ステップS195でYES)、主制御手段は、全ての回胴が停止したか否かを判定する(ステップS196)。第1停止操作後、第2停止操作後は、再度、ステップS191〜S196の処理を繰り返す。第3停止操作後は、全ての回胴が停止したことになるので、ステップS197に進む。
最後に、全ての回胴が停止した場合(ステップS196でYES)、主制御手段は、入賞情報コマンドをセットする(ステップS197)。「入賞情報コマンド」には、入賞役の情報が含まれ、全回胴停止時に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、回胴停止処理を終了する。
再び、図11に戻り、回胴停止処理(ステップS19)が終了すると、主制御手段は、入賞判定処理(ステップS20)を行う。以下、入賞判定処理の詳細を説明する。
(5−6.入賞判定処理:図16)
図16は、図11中の入賞判定処理(ステップS20)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグを設定する(ステップS201)。具体的には、当り図柄フラグから、入賞役に応じたビット値をメインRAM401bの所定の領域に格納する。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、主制御手段は、当り図柄フラグに基づいて、払出枚数を算出する。具体的には、当り図柄フラグと払出枚数データテーブル(図示省略)により、遊技メダルの払出枚数を算出する。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、主制御手段は、払出枚数データテーブルを参照し、払出枚数を設定する(ステップS203)。その後、主制御手段は、誤入賞判定処理を行う(ステップS204)。詳細は省略するが、当選フラグ(当選役)の反転値と、当り図柄フラグ(入賞役)の論理積を演算することで誤入賞を判定する処理である。その後、入賞判定処理を終了する。
再び、図11に戻り、ステップS20の入賞判定処理が終了すると、主制御手段は、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。主制御手段は、上述の入賞判定処理で取得した払出枚数に基づいてクレジットの加算、又はホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す。さらに、各制御動作にエラーがないか否かを監視する。その後、ステップS22に進む。
次に、主制御手段は、再遊技役が停止したか否かを判定する(ステップS22)。再遊技役が停止した場合にはステップS23に進み、再遊技役が停止していない場合にはステップS24に進む。
再遊技役が停止した場合(ステップS22でYES)、主制御手段は、再遊技開始設定処理を行う(ステップS23)。これは、再遊技の作動開始を設定する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、再遊技役が停止しなかった場合(ステップS22でNO)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中か否かを判定する(ステップS24)。現在、ボーナス遊技の作動中(CBB中)である場合にはステップS25に進み、ボーナス遊技の作動中でない場合にはステップS26に進む。
現在、ボーナス遊技の作動中である場合(ステップS24でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。これは、ボーナス遊技を継続又は終了するため監視処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、ボーナス遊技の作動中でない場合(ステップS24でNO)、主制御手段は、ボーナス役(CBB)が停止したか否かを判定する(ステップS26)。ボーナス役が停止した場合にはステップS27に進み、ボーナス役が停止しなかった場合にはステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ボーナス役が停止した場合(ステップS26でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
(5−7.主制御側タイマ割込み処理:図17)
図17は、実施例の主制御基板でのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。ここで、実施例のタイマ割込み処理は、1.5ms毎に実行される。
まず、主制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS301)。これは、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる処理である。その後、ステップS302に進む。
ステップS302では、主制御手段は、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、回胴式遊技機に設けられたスイッチやセンサ類の検出情報を取得する。その後、ステップS303に進む。
ステップS303では、主制御手段は、回胴回転制御処理を行う。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータ211a〜211cに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴5a〜5cの回転位置やその速度を監視したりする。その後、ステップS304に進む。
ステップS304では、主制御手段は、定期更新処理を行う。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマの更新や、ウォッチドッグタイマの定期的なクリア等を行う。その後、ステップS305に進む。
ステップS305では、主制御手段は、コマンド出力処理を行う。これは、遊技の進行に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割込みで1つの演出制御コマンドが送信される。その後、ステップS306に進む。
ステップS306では、主制御手段は、表示出力処理を行う。表示出力処理では、回胴式遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。その後、ステップS307に進む。
ステップS307では、主制御手段は、異常監視処理を行う。異常監視処理では、上記ポート入力処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、回胴式遊技機の異常を監視する。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、主制御手段は、外部情報信号出力処理を行う。これは、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。
上記の各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、上記メダル投入信号や上記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。その後、ステップS309に進む。
最後に、主制御手段は、レジスタ復帰処理を行って、レジスタの内容を復帰させる(ステップS309)。その後、主制御側タイマ割込み処理を終了する。以上、主制御側で行われる処理について説明した。
<6.副制御部による制御処理>
(6−1.副制御側メイン処理:図18)
次に、主に演出制御基板420が実行する副制御側の処理内容について説明する。
図18は、演出制御プログラムに従い演出制御基板420(以下、演出制御手段という)が実行する副制御側のメイン処理を示すフローチャートである。回胴式遊技機に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、図18に示す副制御側メイン処理が開始する。
まず、演出制御手段は、初期設定を行う(ステップS401)。これは、電源投入時に行われる遊技動作開始前に必要な初期設定である。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、演出制御手段は、演出用乱数更新処理を行う。具体的には、演出を選択するために用いられる演出用乱数を定期的に更新する処理である。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、演出制御手段は、割込み許可状態に設定する。具体的には、コマンド受信割込み、タイマ割込み、外部INT等の割込み処理を許可する状態とする。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、演出制御手段は、割込み禁止状態に設定する。すなわち、ステップS403とステップS404の間の期間で各種割込み処理が実行される。その後、ステップS405に進む。
最後に、演出制御手段は、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS405)。なお、副制御側メイン処理では、電断が発生しない限り、ステップS402〜S405の処理を繰り返し実行する。
(6−2.副制御側タイマ割込み処理:図19)
次に、図19を参照して、副制御側タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、副制御側メイン処理に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、演出制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS411)。その後、ステップS412に進む。
ステップS412では、演出制御手段は、定期更新処理を行う。これは、演出等に用いられる各種タイマを更新する処理である。その後、ステップS413に進む。
ステップS413では、演出制御手段は、コマンド受信処理を行う。これは、主制御側から送信された各種制御コマンドを受信する処理であるが、詳細は後述する。その後、ステップS414に進む。
ステップS414では、演出制御手段は、演出シナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した演出制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等の概要を設定する。その後、ステップS415に進む。
ステップS415では、演出制御手段は、出力処理を行う。具体的には、液晶画面4aの表示やスピーカ16による音声、装飾ランプ部13による光を出力する。図10A〜10Eで示した押し順ナビも、本処理により出力される。その後、ステップS416に進む。
最後に、演出制御手段は、レジスタ復帰処理を行う(ステップS416)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
(6−3.コマンド受信処理:図20)
次に、図20を参照して、説明を後に回した副制御側タイマ割込み処理の中で行われるコマンド受信処理の詳細を説明する。
まず、演出制御手段は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。「メダル投入コマンド」は、メダル投入処理(図11:ステップS13)の中でセットされ、主制御基板400から演出制御基板420に送信される制御コマンドである。受信した制御コマンドが「メダル投入コマンド」である場合には、ステップS502に進み、「メダル投入コマンド」でない場合にはステップS503に進む。
受信した制御コマンドが「メダル投入コマンド」である場合(ステップS501でYES)、演出制御手段は、メダル投入コマンド受信時処理を行う(ステップS502)。ここでは、投入枚数のカウントやメダル投入時の音声等に関する処理が行われる。その後、コマンド受信処理を終了する。
次に、受信した制御コマンドが「メダル投入コマンド」でない場合(ステップS501でNO)、演出制御手段は、遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。「遊技開始コマンド」は、内部抽選処理(図12:ステップS165)の中でセットされ、主制御基板400から演出制御基板420に送信される制御コマンドである。
受信した制御コマンドが「遊技開始コマンド」である場合(ステップS503でYES)、演出制御手段は、遊技開始コマンド受信時処理を行う(ステップS504)。ここでは、遊技開始に伴う演出や押し順ベルの停止操作報知等に関する処理が行われる。その後、コマンド受信処理を終了する。
次に、受信した制御コマンドが「遊技開始コマンド」でない場合(ステップS503でNO)、演出制御手段は、入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS505)。「入賞情報コマンド」は、回転停止処理(図15:ステップS197)の中でセットされ、主制御基板400から演出制御基板420に送信される制御コマンドである。
受信した制御コマンドが「入賞情報コマンド」である場合(ステップS505でYES)、演出制御手段は、入賞情報コマンド受信時処理を行う(ステップS506)。
(6−4.入賞情報コマンド受信時処理:図21)
以下、図21を参照して、入賞情報コマンド受信時処理の詳細を説明する。
まず、演出制御手段は、入賞役種別情報を取得する(ステップS601)。入賞役とは、入賞ライン3a上に停止して入賞となった役のことである。その後、ステップS602に進む。
次に、演出制御手段は、AT遊技中であるか否かを判定する(ステップS602)。現在、AT遊技中である場合にはステップS603に進み、AT遊技中でない場合にはステップS608に進む。
まず、AT遊技中である場合(ステップS602でYES)、演出制御手段は、ゲーム数カウンタ値を1減算する(ステップS603)。これは、AT遊技へ移行したとき定められたAT遊技ゲーム数の残り回数をカウントする処理である。その後、ステップS604に進む。
次に、演出制御手段は、押し順ベルが成立したか否かを判定する(ステップS604)。実施例の回胴式遊技機では、成立、すなわち内部当選により後述する差枚数カウンタ値が変動するのは押し順ベルだけであるので、本ステップで、その成立の有無を判定している。押し順ベルが成立した場合にはステップS605に進み、成立しなかった場合にはステップS606に進む。
AT遊技中に押し順ベルが成立した場合には(ステップS604でYES)、演出制御手段は、差枚数カウンタ値を5減算する(ステップS605)。これは、押し順が正解した場合に得られるベル役の差枚数が5であるので、これを基に残りの獲得枚数(差枚数)をカウントする処理である。その後、ステップS606に進む。
次に、演出制御手段は、ゲーム数カウンタ値及び差枚数カウンタ値が0に到達したか否かを判定する(ステップS606)。これは、AT遊技のゲーム数と獲得枚数(差枚数)の両方の終了条件が成立したか否かの判定である。両方のカウンタ値が0に到達した場合にはステップS607に進み、まだ両方のカウンタ値が0に到達していない場合には、ステップS608に進む。
なお、ステップS606において、「及び」(アンド条件)を「又は」(オア条件)に変更することで、2つの終了条件のうち何れか一方が成立したときAT遊技が終了する回胴式遊技機の入賞情報コマンド受信時処理となる。
ゲーム数カウンタ値及び差枚数カウンタ値が0に到達した場合(ステップS606でYES)、演出制御手段は、AT遊技終了演出を実行する(ステップS607)。何れかのカウンタ値が0となるとAT遊技が終了するので、AT遊技終了演出が行われ、さらに、AT遊技の終了報知が行われる(図10A(d)参照)。その後、ステップS608に進む。
ステップS608では、演出制御手段は、遊技状態に応じた演出を実行する。具体的には、通常遊技状態又はAT遊技状態に応じた演出テーブルを参照し、演出を選択、実行する。その後、入賞情報コマンド受信時処理を終了する。
図20に戻り、入賞情報コマンド受信時処理が終了すると、コマンド受信処理も終了となる。
最後に、受信した制御コマンドが「入賞情報コマンド」でない場合(ステップS505でNO)、演出制御手段は、受信コマンドに応じた処理を行う(ステップS507)。これは、「メダル投入コマンド」、「遊技開始コマンド」及び「入賞情報コマンド」以外の制御コマンドを受信した場合の処理である。詳細は省略するが、各受信コマンドに応じた処理が行われる。
(6−5.入賞情報コマンド受信時処理(変形例):図22,23)
最後に、図22、23を参照して、チェリー役やスイカ役でも差枚数が変化する回胴式遊技機の入賞情報コマンド受信時処理の詳細を説明する。
まず、演出制御手段は、入賞役種別情報を取得する(ステップS701)。その後、ステップS702に進み、AT遊技中であるか否かを判定する(ステップS702)。現在、AT遊技中である場合にはステップS703に進み、AT遊技中でない場合にはステップS707に進む。
まず、AT遊技中である場合(ステップS702でYES)、演出制御手段は、ゲーム数カウンタ値を1減算する(ステップS703)。その後、ステップS704に進む。
次に、演出制御手段は、成立役に応じて、差枚数カウンタ値を減算する(ステップS703)。ここでは、成立役により差枚数カウンタ値が図23の差枚数の通り変化するので、成立役に応じた差枚数カウンタ値を減算する。その後、ステップS705に進む。
次に、演出制御手段は、ゲーム数カウンタ値及び差枚数カウンタ値が0に到達したか否かを判定する(ステップS705)。両方のカウンタ値が0に到達した場合にはステップS706に進み、まだ両方のカウンタ値が0に到達していない場合には、ステップS707に進む。
なお、ステップS705においても、「及び」(アンド条件)を「又は」(オア条件)に変更することで、2つの終了条件のうち何れか一方が成立したときAT遊技状態が終了する回胴式遊技機の入賞情報コマンド受信時処理となる。
ゲーム数カウンタ値及び差枚数カウンタ値が0に到達した場合(ステップS705でYES)、演出制御手段は、AT遊技終了演出を実行する(ステップS706)。その後、ステップS707に進む。
ステップS707では、演出制御手段は、遊技状態に応じた演出を実行する。その後、入賞情報コマンド受信時処理を終了する。以上、副制御側で行われる処理について説明した。
以上のように、実施例の回胴式遊技機には、AT遊技の終了条件として、所定回数の遊技が行われること、所定数の遊技メダルを遊技者が獲得することの2つがある。そして、AT遊技状態への移行時等に、遊技者に演出用ボタンを操作する機会を与えて、該操作により抽選を行って、2つの終了条件のうちの1つが選択される。これにより、遊技の興趣を高め、遊技意欲の減衰を防止することができる。
上記の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。実施例では、AT遊技のある回胴式遊技機を説明したが、AT遊技と同様にゲーム数や獲得枚数を加算するART遊技を備える回胴式遊技機にも本発明を適用できる。
実施例では、獲得枚数を差枚数で表示したが(図10A〜10E)、払出枚数で表示してもよい。また、AT遊技の終了条件の例として「ゲーム数」、「獲得枚数」及び「押し順ナビ回数」があることを示したが、2つの終了条件で同時に管理される場合には、その中の何れか2つの組合せとしてもよい。
一方、1つの終了条件で管理される場合(非同時)には、上記3つの終了条件の中から何れか1つを選択することもできる。このとき、選択されていない終了条件のデータについても画面上に表示してもよい。これにより、各終了条件の進行が確認でき、終了条件を切替える場合等に役立つ。
終了条件を切替えるタイミングは、AT遊技状態に移行したとき、AT中の任意のタイミング、上乗せ特化ゾーンに移行したとき、AT遊技の1セット終了時があったが、これ以外にも様々考えられる。例えば、AT中の任意のタイミングに関して、ゲーム数や獲得枚数の何れかがちょうど半分まで進行したとき等が挙げられる。
以上、実施例として回胴式遊技機について説明したが、パロット機や循環式の回胴遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。