まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、前記表示手段の表示領域に表示される各種演出を制御する表示制御手段と、所定の動作が可能な可動体と、前記可動体の動作を制御する可動体制御手段と、を備えた遊技機であって、前記表示制御手段は、前記可動体が動作する前に、該可動体の動作を示唆する可動体動作示唆画像を表示し、所定の契機で前記可動体動作示唆画像を変化させ、前記可動体制御手段は、前記可動体動作示唆画像の変化の態様に応じて前記可動体を動作させる。
本実施形態では、表示制御手段が、可動体が動作する前に可動体の動作を示唆する可動体動作示唆画像を表示する。これにより、遊技者は、間もなく可動体が動作する可能性があると予想する。例えば、可動体の動作が大当り期待度の高い予告演出として定められている場合には、遊技者は、可動体動作示唆画像が出現しただけで、大当りを期待するようになる。
また、表示制御手段は、時間が経過する等、所定の契機で可動体動作示唆画像を変化させる。そして、可動体動作示唆画像の変化の態様によって、可動体が動作したり、しなかったりするので、可動体を用いた効果的な演出を行うことができる。
本実施形態の遊技機において、前記可動体動作示唆画像は、前記可動体の形状を象った画像であることが好ましい。
本実施形態では、可動体動作示唆画像が可動体の形状を象ったものとなっているので、仮に可動体が複数あった場合にも、遊技者が可動体動作示唆画像を見て、動作する可能性のある可動体を認識することができる。これにより、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記表示演出制御手段は、前記可動体の動作停止予定位置まで前記可動体動作示唆画像を移動させることが好ましい。
本実施形態では、可動体動作示唆画像の変化として、可動体の動作停止予定位置まで可動体動作示唆画像を移動させる。例えば、可動体が動く経路を、可動体動作示唆画像が事前に動作停止予定位置まで移動することで、遊技者は、どのように可動体が動作するのか予想できるようになる。これにより、興趣の高い遊技機を実現することができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記表示演出制御手段は、前記可動体動作示唆画像の色彩を変化させてもよい。
本実施形態では、可動体動作示唆画像の変化として、可動体動作示唆画像の色彩を変化させる。例えば、赤色が最も大当り期待度が高い等、期待度に応じた色彩を定めておくことで、遊技者は、可動体動作示唆画像の変化した色彩を見ただけで大当りの期待度や可動体が動作するか否かを予想できるようになる。これによっても、興趣の高い遊技機を実現することができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記表示演出制御手段は、前記可動体動作示唆画像が徐々に認識可能となるように変化させてもよい。
本実施形態では、可動体動作示唆画像の変化として、可動体動作示唆画像が徐々に認識可能となるように変化させる。例えば、初めは可動体動作示唆画像が殆んど視認できないほど薄かったり、可動体動作示唆画像とは認識できないような形状をしているが、徐々に可動体動作示唆画像と認識できる表示に変更する。これにより、遊技者の期待度が徐々に高まっていく予告演出を行うことができる。
また、本実施形態の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記所定の契機は、遊技者の前記操作手段の操作であることが好ましい。
本実施形態では、遊技者が操作手段を操作することで可動体動作示唆画像が変化するようになっているので、遊技者が遊技に参加して、自ら大当り期待度を認識したり、可動体の動作を楽しむことができる。
以下、図面を参照して、実施例の回胴式遊技機の詳細を説明する。
<1.機械的構成>
図1に回胴式遊技機の外観を示す。まず、この回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための筐体1と、筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、そこには、回胴(リール)5a、5b、5cが横並びに、遊技者側から視認し得るように設けられている。
回胴5a〜5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図3参照)を有しており、回胴5a〜5cの停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
図柄配列帯の詳細は後述するが、回胴5a〜5cには、役を構成する図柄が回転方向に21コマ配置されている。特に、図柄に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動されるように構成され、回胴5a〜5cが回転することにより、上記図柄が変動表示するようになっている。
なお、回胴5a〜5cは、回胴駆動モータ211a〜211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転又は停止が行われる機械式の回胴に限定されず、液晶表示装置のような表示装置に表示され、画像上で回転又は停止が行われる演出的な回胴であってもよい。回胴の数は3個に限定されるものではなく、4個以上配設してもよい。
回胴視認部3には、入賞ライン3aの一部(破線)が示されている。有効な入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」という)上で、回胴5a〜5cが停止した際の図柄の組合せが、内部抽選で当選した役と一致した場合に入賞が確定し、停止した図柄の組合せに応じた遊技メダルが遊技者に付与される。
回胴視認部3の上部には、前扉2の裏側に装着された表示装置として、液晶表示装置4(LCDユニット)が設けられている。また、液晶表示装置4の液晶画面4aが、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者は、液晶画面4aを前側から視認可能となっている。なお、液晶表示装置4は、本発明の表示手段に相当する。
液晶画面4aには、遊技に伴う画像や動画(演出)が表示される。液晶表示装置4は、演出を表示する演出装置として機能する。また、当選役を入賞させるために遊技者に操作手順を報知するAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)遊技状態においては、主たる報知手段として働く。
実施例では液晶表示装置4を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等でもよく、回転式ドラム、7セグによる表示装置、又はこれらを組合せたものであってもよい。
また、液晶画面4aの一部を覆う位置に手の形状をした可動体6a、6bが設けられている。可動体6a、6bは、遊技の進行に応じて演出として動作をする。具体的には、可動体6a、6bの一方又は両方が液晶画面4aの下方位置まで高速落下する。
次に、回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技価値としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7が設けられている。また、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル又は入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわち、クレジットされた範囲内で遊技メダルを最大枚数、一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8が設けられている。
さらに、遊技モードの変更や音量調整の際に用いられる十字キー9と、液晶画面4aにおいて操作が促されたとき、操作が有効となる演出用ボタン10が設けられている。例えば、遊技者が演出用ボタン10を操作することで、液晶画面4aで実行中の画像が変化したり、上述の可動体6a、6bが動作する。なお、演出用ボタン10は、本発明の操作手段に相当する。
次に、回胴視認部3の左右両側には、発光色や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、ART遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができる。
回胴視認部3の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、回胴5a〜5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、回胴回転停止ボタンを総称して「回胴回転停止ボタン12」という)が設けられている。また、回胴回転始動レバー11の左側には、貯蓄した遊技メダルを返却、精算するための貯留メダル精算ボタン15が設けられている。
回胴回転停止ボタン12には、その内部に、操作が有効であるか否かを遊技者に報知するための発光装置(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯等)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
また、操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられている。さらに、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置(後述するホッパーユニット500)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
前扉2の前扉上部両側及び前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16も、ART遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができる。
次に、図2Aに回胴式遊技機の有効入賞ラインを示す。まず、2本の非直線状の有効入賞ラインがある。1本目(図中の(1))は、左列が上段、中列が中段、右列が上段の小V字型であり、2本目(図中の(2))は、左列が下段、中列が中段、右列が下段の小山型である。
また、2本の直線状の有効入賞ラインがある。1本目(図中の(3))は、左列が上段、中列が中段、右列が下段の右下がり型であり、2本目(図中の(4))は、左列が下段、中列が中段、右列が上段の右上がり型である。例えば、内部抽選でベル役に当選した場合、何れかの有効入賞ライン上にその図柄の組合せが並べば入賞となり、所定数の遊技メダルが付与される。なお、上記の場合、内部抽選で当選したベル役を当選役といい、実際に入賞した場合、ベル役が入賞役になる。
次に、図2Bに入賞役を構成する全図柄を示す。図示するように、遊技を構成する図柄は全部で10種類ある。「バー」、「赤7」、「白7」は通常、ボーナスを構成する図柄として用いられるが、一部、リプレイ役等の小役を構成する(詳細は後述する)。
リプレイの図柄は、「リプレイA」と「リプレイB」の2種類がある。また、ベルの図柄も「ベルA」と「ベルB」の2種類がある。特に「ベルA」は、ベル役以外の小役を構成することがある。なお、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク」は、それぞれ図柄が1種類である。
次に、図3に各回胴の図柄配列帯の展開図を示す。左列は図1の回胴式遊技機の回胴5a、中列は同じく回胴5b、右列は同じく回胴5cに対応する図柄配列である。各列には図柄が21コマあり、下側より0〜20までのコマ番号が割り当てられている。
遊技者は、各遊技で変動する回胴5a、5b、5cに対し、それぞれ、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して変動を停止させる。そして、有効入賞ライン上に所定の図柄の組合せが並んだ場合、役に応じた遊技メダルが払い出される。
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
図4は、実施例の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像、光又は音による演出を制御する副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440を中心に構成される。
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置4が接続されている。また、電源基板440は、回胴式遊技機に電源が投入されると、各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号を送信する。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8a、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11a、貯留メダル精算ボタン15の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ15a、停止スイッチ基板360が接続されており、これらスイッチ等から信号が入力される。
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a〜12cの内部に設けられるLED(図示省略)が搭載されている。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211c及び回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、回胴5a〜5cの回転動作、及び目的の位置で回胴5a〜5cを停止させる停止動作を実現している。
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520及びホッパーモータ510が配置されている。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、サブタンク(図示省略)に取り付けられたセンサであり、遊技メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている(図示省略)。回胴設定基板430は、上記の各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380を制御する制御基板である。また、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置4を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。なお、この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
液晶制御CPUは、液晶制御コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムにより液晶表示装置4に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置4に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
なお、本実施例では、演出制御基板420と液晶制御基板460を別個の基板でとしているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
(2−2.主制御基板)
次に、図5を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板である。
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、及びスイッチ入力回路408を備えている。
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、上記の各回路が連携し合って行われている。また、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、及びメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機自体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル、入賞役に応じた払出枚数が定義された払出枚数データテーブル等が記憶されている。
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている(図示省略)。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、及びその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cを駆動制御する制御信号を出力する。回胴5a〜5cの回転制御及び停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成する。
次に、上記停止制御装置による回胴5a〜5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cに駆動パルス信号を出力する。
モータ駆動回路407は、回胴5a〜5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a〜5cの回転を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401には、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。これらの検出信号は、回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに回胴駆動モータ211a〜211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して回胴5a〜5cの回転動作を実現している。
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴5a〜5cの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(実施例では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
次に、回胴5a〜5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作される毎に有効入賞ライン上に停止させる図柄の種類を決定する。
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン上に停止させるように回胴駆動モータ211a〜211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a〜5cを停止させている。
具体的には、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
当選役を構成する図柄と停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(実施例では、最大4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成する図柄を所定の有効入賞ライン上に引き込む形で回胴の停止制御が行われる。
なお、有効入賞ライン上に停止した図柄は、上記基準位置に停止した図柄から自ずと定まるので、回胴5a〜5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
このように、本実施例では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で回胴5a〜5cの停止制御が行われる。
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380及び液晶制御基板460を制御する制御基板である。
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b及びサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d及びサブCPU421cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400から送信される上記制御コマンドに基づいて、演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを選択する。そして、選択した演出パターンを現出するのに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ制御用の音声コマンド、液晶制御コマンド等を出力する。なお、1チップマイクロコンピュータ421は、本発明の表示制御手段及び可動体制御手段に相当する。
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置4等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、遊技に伴う演出内容を定めた演出パターンテーブル(図示省略)が記憶されている。
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、各種演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶制御コマンドを送信したりする。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている(図示省略)。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。
<3.各種テーブル>
(3−1.入賞役と払出枚数の対応表:図6)
図6は、実施例の回胴式遊技機の入賞役と払出枚数の対応表である。対応表の1列目は入賞役の種類を示しており、「RB(レギュラーボーナス)」から「1枚役」までの24種類がある。
対応表の次列は払出枚数であり、「3BET」、「2BET」とは、各遊技における遊技メダルの賭け数がそれぞれ3枚、2枚であることを示している。実施例の回胴式遊技機では、通常遊技状態は3BETによる遊技、ボーナス遊技状態は2BETによる遊技が行われ、「チェリー役」のように払出枚数が遊技状態によって異なる入賞役もある。
役構成、すなわち図柄の組合せは、例えば、「RB」では、回胴5aに対応する左列が「白7」、回胴5bに対応する中列が「白7」、回胴5cに対応する右列が「バー」であることを示している。以下では、役構成を「白7・白7・バー」のように表記する。
[ボーナス役]
図示するように、ボーナス役には、「RB(レギュラーボーナス)」と「BB(ビッグボーナス)」の2種類がある。「RB」は、役構成が「白7・白7・バー」である。RBとは、BBと比較して利益の小さなボーナスであり、所定枚数(約60枚)のメダルを獲得可能な遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「RB」が入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
一方、「BB」は、役の構成が「白7・白7・白7」である。BBはRBと比較して利益の大きなボーナスであり、RBよりも多い所定枚数(約210枚)のメダルを獲得可能な遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「BB」が入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
上記ボーナス役は、当選フラグを次回遊技に持ち越すことが許容されている。すなわち、遊技者は、ボーナス役に当選した遊技でボーナス図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させることができなくてもフラグが消滅せず、次回以降の遊技でボーナス図柄の組合せを停止させることができる。
また、ボーナスのフラグが持ち越されている状態でも、各遊技で内部抽選が行われ、ボーナス役以外の小役に当選する場合がある。このような場合、当選フラグが次回以降の遊技に持ち越されることのない小役を優先して入賞させるように、回胴5a〜5cの停止制御が行われる。
[再遊技(リプレイ)役]
図示するように、再遊技役は全部で10種類ある。再遊技役は、入賞した場合に今回の遊技で投入した遊技メダル数と同一枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始できる役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始可能とする。遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技が可能になるという点では、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
役構成としては、「リプレイA・リプレイA・リプレイA」のように同一再遊技図柄の組合せがあるが、この他にも「白7・赤7・白7」や「白7・赤7・バー」のように図柄が全て揃っていない組合せもある。
[ベル役]
図示するように、ベル役は全部で8種類あり、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が9枚である。役構成としては、「ベルA・ベルA・ベルA」のような同一ベル図柄の組合せの他、「ベルA・ベルA・ベルB」のように図柄が全て揃っていないベル役もある。
回胴5a〜5cには、それぞれ「ベルA」、「ベルB」の2種類の図柄が配置されているので(図2B参照)、組合せとして可能な計8種類のベル役が定義されている。遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作する手順等によって、当選したベル役が入賞したり、しなかったりする性質がある。
[チェリー役]
図示するように、チェリー役には「チェリーA」と「チェリーB」の2種類があり、何れも3BETのとき払出枚数が1枚、2BETのとき払出枚数が4枚である。チェリーAの役構成は、「ANY・チェリー・ANY」であるが、「ANY」は図柄の種類は問わないという意味である。すなわち、有効入賞ライン上の図柄の組合せは、中列がチェリー図柄であれば左右列は何れの図柄であってもよい。
また、チェリーBの役構成は、「ANY・バー・ANY」であり、有効入賞ライン上の図柄の組合せは、中列がバー図柄であれば左右列は何れの図柄であっても、払出枚数の遊技メダルを獲得できる。なお、チェリー役は、「BB」及び「RB」と同時成立(重複当選)する小役となっている(図7A参照)。
[スイカ役]
図示するように、スイカ役が1つあり、3BETのとき払出枚数が9枚、2BETのとき払出枚数が12枚である。役構成としては、「スイカ・スイカ・スイカ」である。いわゆる小役としては、最も払出枚数の多い役である。なお、スイカ役についても、「BB」及び「RB」と同時成立する小役となっている。
[1枚役]
最後に、図示するように、1枚役が1つあり、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が1枚である。役構成としては、「白7・バー・ベルA」である。1枚役についても、「BB」及び「RB」と同時成立する小役となっている。
(3−2.役抽選テーブル:図7A、7B)
次に、図7Aは、役抽選テーブルを示す図である。実施例の回胴式遊技機では、遊技状態により役抽選テーブルが異なり、抽選対象の役も異なる。
例えば、通常遊技状態の「RT1」では、合計39種類の役に当選し得る。また、通常遊技状態の「RT2」では35種類、「BB作動中」では3種類、「RB作動中」では14種類の役に当選し得る。何れの役にも当選しない場合はハズレであるが、図面上省略した。なお、実際の役抽選テーブルには、抽選のための判定値が記憶されている。「RT1」、「RT2」(実際は「RT3」もある)は内部状態の名称であるが、詳細は後述する。
図7Aの「RT1」の列の1段目が「BB」となっているが、遊技状態が「RT1」のとき、「BB」に当選し得ることを示している。また、「BB&チェリー」とは、「BB」と「チェリー」が重複当選することを意味し、同様に、「RB&チェリー」とは、「RB」と「チェリー」が重複当選することを意味する。
このような重複当選の役があることで、「チェリー」が入賞した場合に、遊技者は同時に「BB」又は「RB」の何れかのボーナス役にも当選しているのではないかと期待感を抱くことになる。
「複合ベル」とはベル役であるが、「ベル1」〜「ベル8」が成立する役であり、「複合ベル」が内部当選した遊技では、遊技者の操作により「ベル1」〜「ベル8」の何れかが停止する。
特に、ART遊技では、回胴回転停止ボタン12の操作手順が報知されるので、遊技者が報知に従って操作することで、ベル役を入賞させることができる。具体的には、最初の停止操作が手順と一致した場合、有効入賞ライン上にベル図柄を引き込むよう制御するので、実際にベル図柄が停止し、「ベル1」〜「ベル8」が入賞する可能性が残される。
しかし、次に操作手順を間違えると、リール制御の対象を「ハズレ」に変更するので、有効入賞ライン上にベル図柄以外の図柄を引き込む。これにより、「ベル1」〜「ベル8」が入賞する可能性はなくなる。すなわち、ハズレとなる。
図7Bには、主に複数の役が停止可能な当選役の一覧を示す。例えば、「RP3」は、再遊技役であるが、「リプレイ3」、「リプレイ5」又は「リプレイ7」が成立する役である。「RP3」が内部当選した遊技では、遊技者の操作により、上記3種類の再遊技役うち何れかが停止する。
また、「AT1」は、「スイカ」、「ベル1」又は「ベル6」が成立する役であり、3種類のうち何れかの役が停止する。何れの役が有効入賞ライン上に停止するかは、遊技者の回胴回転停止ボタン12の停止順や停止操作タイミングにより決まる(いわゆる、押順役)。なお、停止順や停止操作タイミングによっては、何れの役も停止しない場合がある。
図7Aに戻り、通常遊技状態の「RT2」では再遊技役が「RP11」〜「RP16」となっている点が「RT1」と異なるが、その他の点は「RT1」と同じである。遊技状態が「BB作動中」のとき、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」又は「全小役」の3種類に当選し得る。なお、図7Bに示す通り、「ボーナス中チェリー1」の内容は、「チェリーB」である。
また、「ボーナス中チェリー2」の内容は、「チェリーB」及び「1枚役」であるから、遊技者の操作により何れかが停止する。また、「全小役」とは、ベル役、スイカ役等の全ての小役のことを示す。
遊技状態が「RB作動中」のときには、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」の他、12種類の押順役に当選し得る。「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」については、上述した内容と同じである。また、「RB中AT1」とは、RB中に当選する「AT1」である。
(3−3.停止制御用データ設定テーブル:図8A、8B)
次に、図8A、8Bは、停止制御用データ設定テーブルを示す図である。停止制御用データは、複数ある停止制御テーブル(図示省略)を選択するときに参照されるデータであり、当選役に応じて設定される。
停止制御用データのデータ数は、0〜73までの合計74種類であるため(図8A、8B参照)、全体でも1バイトで足りる容量である。1つの役に対し1つの停止制御用データを割り当てるとデータ量は膨大になってしまうが、「RP3」のように、複数の再遊技役(「リプレイ3」、「リプレイ5」又は「リプレイ7」)が停止可能な当選役に対し、1つの停止制御用データを定義しているので、記憶容量を抑えられる。
図8A、8Bでは、各遊技状態での抽選対象を「○」印で示している。例えば、「チェリー」(停止制御用データ17)は、通常遊技状態(ボーナス非当選)で抽選されるが、「AT1」(停止制御用データ18)等の押順役は通常遊技中(ボーナス非当選)、及びボーナス遊技状態(RB作動中)にて抽選される。
また、通常遊技状態の「ハズレ」は、「停止制御用データ0」が設定されるが(図8A参照)、BB作動中の「ハズレ」は、「停止制御用データ72」が設定される(図8B参照)。
また、通常遊技状態の「チェリー」の場合、ボーナス非当選では「停止制御用データ17」、BB当選では「停止制御用データ37」、RB当選では「55」が設定され、ボーナス遊技状態では「停止制御用データ34、35」がそれぞれ設定される。
このように、同種類の当選役であっても遊技状態に対応して異なる停止制御用データが割り当てられているものがあり、回胴5a〜5cを用いた演出(リール演出)の抽選をするとき等に、遊技状態の判別をすることなく停止制御用データを判断するだけで済む。
<4.各遊技状態への遷移と演出例>
(4−1.状態遷移図:図9)
図9は、遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。実施例の回胴式遊技機には、通常遊技状態やボーナス遊技状態の他、ART遊技状態やART遊技の準備状態が存在する。
まず、通常遊技状態は、後述するボーナス遊技やART遊技が発動していない通常時の遊技状態であり、主制御側の内部状態は既出の「RT1」である。そして、通常遊技状態においてボーナス役に当選すると、ボーナス遊技状態に移行する。
ボーナス遊技には、「REGULAR BONUS(レギュラーボーナス)」と「BIG BONUS(ビッグボーナス)」の2種類がある。何れも目押し不要で、ほぼ毎ゲーム小役に当選するので、遊技者は大量の遊技メダルを獲得することができる。
「REGULAR BONUS」での遊技メダルの獲得枚数は、純増で約60枚である。また、「BIG BONUS」での遊技メダルの獲得枚数は、純増で約210枚である。ボーナス遊技状態では、所定の契機で「7揃いチャンス」(図示省略)と呼ばれる特別ゲームが行われる。
「7揃いチャンス」は、後述するART準備状態への移行チャンスゲームである。例えば、遊技者が回胴回転停止ボタン12a〜12cを指示された手順で操作し、「赤7」又は「白7」図柄が有効入賞ライン上に並んだ場合、ART準備状態に移行する。7図柄が揃わなかった場合や、「7揃いチャンス」自体がなかった場合には、ボーナス遊技の終了後、後述するチャンスゾーン(Chance Zone)に移行するか、通常遊技状態に戻る。
また、通常遊技状態において、レア小役(ノーマルモードの場合、チェリー役等)に当選した場合にも、チャンスゾーンに移行することがある。チャンスゾーン(内部状態は「RT1」)とは、ART遊技状態の移行前に経由する遊技状態である。
チャンスゾーンには、「亡魂ゾーン」、「亡魂ゾーン呪」、「亡魂ゾーン呪縛」の3種類があり、ART遊技状態に移行する期待度がそれぞれ10%、20%、30%に設定されている。
チャンスゾーンにおいて、特定の小役に当選すると、ART準備状態に移行する。一方、チャンスゾーンにおいて、特定の小役に当選しなかった場合や転落押し順に正解した場合には、通常遊技状態に戻る。なお、通常遊技状態において、レア小役に当選した場合や所定のゲーム数を消化した場合には、直接、ART準備状態に移行する。
ART準備状態とは、ART遊技状態の移行前に経由する遊技状態であるが、突入時の内部状態は「RT1」である。ここでは、毎ゲーム、内部状態の昇格リプレイが抽選され、特定の再遊技役に当選すると内部状態「RT2」に昇格する。そして、内部状態が「RT2」になった後も昇格リプレイの抽選が継続して行われ、さらに特定の再遊技役に当選すると内部状態「RT3」に昇格する。
内部状態が「RT3」になると、ART遊技状態に移行する。ART遊技状態とは、液晶画面4aや装飾ランプ部13で報知された手順(いわゆる、「押し順ナビ報知」)に従って、遊技者が停止ボタンを操作することで遊技メダルを獲得可能な遊技状態である。
実施例のART遊技状態は「みちづれRUSH」と呼ばれ、1セットが50ゲームで構成されている。また、ART遊技の中で特定の小役に当選したときゲーム数の上乗せ抽選が行われ、その当選によりART遊技状態が継続していく可能性がある。詳細は後述するが、1回の上乗せ抽選の当選で加算されるゲーム数は、遊技モードに応じて差がある。
遊技者がART遊技のゲーム数を全て消化した場合には、基本的に通常遊技状態に戻る。なお、ART遊技状態において、「押し順ナビ報知」に従わなかった場合や押し順を間違えた場合には、内部状態が「RT1」に転落する場合がある。
(4−2.可動体を用いた予告演出の例:図10)
次に、図10A、10Bを参照して、可動体を用いた予告演出の例を説明する。可動体6a、6bが動作する予告演出は、一般に、ボーナス役が当選した場合等の大当り期待度の高い演出となっている。
まず、予告演出の開始時、すなわち、可動体6a、6bが動作を開始する前に、可動体6a、6bの形状を象ったエフェクト画像60(本発明の可動体動作示唆画像に相当)が出現する(図10A(a)参照)。なお、エフェクト画像60は、可動体6a、6bが最終的に停止する位置(本発明の動作停止予定位置に相当)に到達するまでの間に出現させてもよい。
また、液晶画面4a中に「連打!」との文字と演出用ボタンマーク10’が表示される。そして、遊技者が指示通りに演出用ボタン10を連打すると、エフェクト画像60が徐々に下降を始める。
エフェクト画像60が下降しているとき、可動体6a、6bは、完全に静止している場合もあるが、小さく振動して今にも動き出しそうな動作をする場合もある。このような振動により、遊技者は、可動体6a、6bの両方又は何れか一方の動作の可能性を認識する。
その後、エフェクト画像60の全体が見え始め、エフェクト画像60が動作停止予定位置まで下降する(図10A(b)参照)。最後に、可動体6a、6bがエフェクト画像60と重なる位置まで高速落下する(図10A(c)参照)。
遊技者が演出用ボタン10を操作してもエフェクト画像60が下降しない場合もある。また、エフェクト画像60は、動作停止予定位置まで下降するが、可動体6a、6bが落下せず演出が終了する場合や、一方の可動体しか落下しない場合もある。
図10A(c)に示すように、両方の可動体6a、6bが落下した場合には、その後、ボーナス役の当選を報知する演出が行われる。例えば、図10A(d)に示すように、可動体6a、6bが初期位置に復帰するのに合わせて、「BONUS確定」の文字が上昇してくる。
一方、図10A(e)に示すように、可動体6aのみが落下した場合には、その後、チャンスゾーンへの移行を報知する演出が行われる。例えば、図10A(f)に示すように、可動体6aが初期位置に復帰するのに合わせて、「亡魂ゾーン突入」の文字が上昇してくる。もちろん、可動体6bのみが落下する場合があってもよい。
このように、エフェクト画像60の動きや到達位置によって、遊技者に大当りの期待度を抱かせることができる。なお、エフェクト画像60は下降しないが、両方の可動体6a、6bが落下するような、良い意味で遊技者の期待を裏切る予告演出を実行することもできる。
例えば、図10B(a)では、可動体6a、6bのそれぞれを象ったエフェクト画像60a、60bが出現し、遊技者が指示通りに演出用ボタン10を連打すると、エフェクト画像60a、60bが徐々に下降を始める。
その後、遊技者が演出用ボタン10の操作を継続すると、エフェクト画像60aは可動体6aの動作停止予定位置まで下降するが、エフェクト画像60bは逆に上昇して、元の位置に戻る(図10B(b)参照)。従って、遊技者は、今回動作する可能性があるのは可動体6aのみだと予想する。
そして、最終的に、遊技者の予想に反して両方の可動体6a、6bが落下する場合がある(図10B(c)参照)。このとき、エフェクト画像60bは、可動体6bと共に移動する。その後、図10B(d)に示すように、ボーナス役の当選を報知する演出が行われる。
一方、最終的に、遊技者の予想通り可動体6aのみが落下する場合がある(図10B(d)参照)。この場合には、図10B(e)に示すように、チャンスゾーンへの移行を報知する演出が行われる。
このように、可動体が複数ある場合には、エフェクト画像の移動や変化の態様に応じて、可動体が様々なパターンで動作する。例えば、一方の可動体のみが動作して演出が終了したように見せ、数秒経過してからもう一方の可動体が動作する演出があってもよい。これにより、可動体の動作に応じてボーナス役やレア小役の当選、又は遊技状態の移行等を報知することができる。
(4−3.可動体を用いた予告演出の変形例:図11A〜11C)
次に、図11A〜11Cを参照して、可動体を用いた予告演出の変形例を説明する。
まず、図11Aは、遊技者の演出用ボタン10の操作に応じて、エフェクト画像の色彩が変化する例である。まず、予告演出の開始時に、液晶画面4a中に「連打!」との文字と演出用ボタンマーク10’が表示される(図11A(a)参照)。
ここでは、可動体6a、6bを象ったエフェクト画像61a、61bが、初めから可動体6a、6bの動作停止予定位置に出現する。しかし、エフェクト画像61a、61bは薄い色彩で表示され、目立たない態様となっている。そして、遊技者が指示通りに演出用ボタン10を連打すると、徐々にエフェクト画像61a、61bが濃い色彩に変化していく(図11A(b)、(c)参照)。
大当り期待度に応じて、予め色彩を定めておいてもよい。例えば、大当り期待度の低い方から順に青色、緑色、赤色、金色のように定める。最終的に、エフェクト画像61a、61bが青色に変化した場合には、可動体6a、6bが動作することは殆んどない。
しかし、エフェクト画像62a、62bが赤色や金色に変化した場合には、最終的に可動体6a、6bが動作する可能性が高く、さらにボーナスに当選している可能性も高い。なお、ボーナス役の当選が確定する模様やキャラクタをエフェクト画像61a、61b内に表示するようにしてもよい。
図11A(d)は、可動体6a、6bがエフェクト画像61a、61bと重なる位置まで高速落下した様子を示している。両方の可動体6a、6bが落下した場合には、その後、上述したようなボーナス役の当選を報知する演出が行われる。
一方、遊技者が演出用ボタン10の操作を継続すると、エフェクト画像61aは所定の色彩に変化していくが、エフェクト画像61bは変化が止まってしまう場合がある(図11A(e)参照)。このような場合、遊技者は、今回動作する可能性があるのは可動体6aのみだと予想する。
図11A(f)は、遊技者の予想通り可動体6aのみが落下した様子を示している。その後、上述したようなチャンスゾーンへの移行を報知する演出が行われる。
図11A(e)では、エフェクト画像61bのみが消えてしまう変化としてもよい。これによっても、遊技者は、今回動作する可能性があるのは可動体6aのみだと予想する。もちろん、その後、両方の可動体6a、6bが落下するような、良い意味で遊技者の期待を裏切る予告演出を実行することもできる。
次に、図11Bを参照して、遊技者の演出用ボタン10の操作に応じて、エフェクト画像の形状が変化する例を説明する。まず、予告演出の開始時に、液晶画面4a中に「連打!」との文字と演出用ボタンマーク10’が表示される(図11B(a)参照)。
ここでも、エフェクト画像62が初めから可動体6a、6bの動作停止予定位置にあるが、可動体6a、6bとは全く異なる形状で表示されている。そして、遊技者が指示通りに演出用ボタン10を連打すると、徐々にエフェクト画像62が可動体6a、6bを象った形状に変化していく(図11B(b)、(c)参照)。
図11B(c)に示すように、可動体6a、6bを象ったエフェクト画像62a、62bに変化した場合には、最終的に可動体6a、6bが動作する可能性が高く、さらにボーナスに当選している可能性も高い。
なお、図11B(a)、又は図11B(b)のエフェクト画像62から、可動体6a、6bの形状とはかけ離れた画像(例えば、山脈や岩)に変化する偽予告演出が含まれていてもよい。
図11B(d)は、可動体6a、6bがエフェクト画像62a、62bと重なる位置まで高速落下した様子を示している。両方の可動体6a、6bが落下した場合には、その後、上述したようなボーナス役の当選を報知する演出が行われる。
一方、図11B(e)に示すように、可動体6aのみが落下する場合もある。この場合、エフェクト画像62bのみ、可動体6bの形状とは異なる形状に変化するようにしてもよい。その後、上述したようなチャンスゾーンへの移行を報知する演出が行われる。
ボーナス役に当選した場合の演出として、可動体6aが落下した後にエフェクト画像62bをそのまま残しておき、数秒経過してから可動体6bを落下させてもよい(図11B(e)→(d))。これにより、良い意味で遊技者の期待を裏切る予告演出を実行することができる。
次に、図11C参照して、遊技者の演出用ボタン10の操作に応じてエフェクト画像が徐々に明確になる例を説明する。まず、予告演出の開始時に、液晶画面4a中に「連打!」との文字と演出用ボタンマーク10’が表示される(図11C(a)参照)。
ここでも、エフェクト画像63a、63bが初めから可動体6a、6bの動作停止予定位置にあるが、僅かにその輪郭が分かるような態様で表示されている。そして、遊技者が指示通りに演出用ボタン10を連打すると、徐々にエフェクト画像63a、63bが明確になり、可動体6a、6bを象った形状が現れる(図11C(b)、(c)参照)。
図11C(c)に示すような明確なエフェクト画像63a、63bに変化した場合には、最終的に可動体6a、6bが動作する可能性が高く、さらにボーナスに当選している可能性も高い。
なお、図11C(a)、又は図11C(b)のエフェクト画像63a、63b以上に明確な態様にならなかったり、エフェクト画像63a、63bが徐々に消滅してしまうような偽予告演出が含まれていてもよい。
図11C(d)は、可動体6a、6bがエフェクト画像63a、63bと重なる位置まで高速落下した様子を示している。両方の可動体6a、6bが落下した場合には、その後、上述したようなボーナス役の当選を報知する演出が行われる。
一方、遊技者が演出用ボタン10の操作を継続すると、エフェクト画像63aは明確になるが、エフェクト画像63bはぼやけてしまう場合がある(図11C(e)参照)。このような場合、遊技者は、今回動作する可能性があるのは可動体6aのみだと予想する。
図11C(f)は、遊技者の予想通り可動体6aのみが落下した様子を示している。その後、上述したようなチャンスゾーンへの移行を報知する演出が行われる。
以上では、演出用ボタン10の連打により、エフェクト画像の変化が進行したが、1回目の操作でエフェクト画像が変化し、2回目の操作で可動体6a、6bが動作するようにしてもよい。このとき、演出用ボタン10の操作回数が分かるように演出用ボタンマーク10’を2つ重ねて表示すると分かり易い。
また、操作は1回のみとし、操作後は時間の経過と共に予告演出が進行していくようにしてもよい。このとき、演出用ボタン10の代わりに、MAXBETボタン8や十字キー9を構成する何れかのボタンを用いることもできる。
<5.主制御基板による制御処理>
(5−1.主制御側メイン処理:図12)
次に、実施例の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。
図12は、遊技動作制御プログラムに従い、主制御基板400(以下、主制御手段という)が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。主制御手段は、電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS11〜ステップS27の処理を行う。
まず、主制御手段は、RAM初期化処理を行う(ステップS11)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するための処理である。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御手段は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ等を設定する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、主制御手段は、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御手段は、始動レバーが操作されたか否かを判定する(ステップS14)。これは、遊技者によって回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、主制御基板400が回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視する。
回胴回転始動レバー11が操作された場合にはステップS15に進み、回胴回転始動レバー11が操作されていない場合にはステップS13に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS15の処理には移行しない。
ステップS15では、主制御手段は、内部抽選用乱数取得処理を行う。主制御手段は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16では、主制御手段は、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、ステップS15で取得した内部抽選用乱数値と役抽選テーブルとに基づいて当選役を決定し、その抽選結果情報を設定する処理である。以下、内部抽選処理の詳細を説明する。
(5−2.内部抽選処理:図13)
図13は、図12中の内部抽選処理(ステップS16)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、遊技状態を取得する(ステップS161)。具体的には、図12のステップS12で設定した遊技状態フラグを取得する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御手段は、遊技状態に応じた役抽選テーブル(図示省略)を選択する。その後、ステップS163に進む。
ステップS163では、主制御手段は、役抽選テーブルと抽選用乱数値に基づき当選役を抽選する。具体的には、取得した内部抽選用乱数の値(図12:ステップS15)と選択された役抽選テーブルに記憶されている判定値とを比較し、当選役を抽選する。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、主制御手段は、抽選結果に基づき当選役データと停止制御用データを設定する。停止制御用データは、停止制御用データ設定テーブル(図示省略)を参照して、当選役データに応じたデータを設定する。その後、ステップS165に進む。
最後に、主制御手段は、遊技開始コマンドをセットする(ステップS165)。「遊技開始コマンド」には、当選役に関する情報や、現在の遊技状態に関する情報が含まれるが、後に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、内部抽選処理を終了する。
なお、この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は遊技毎にクリアされるが、ボーナス役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
図12に戻り、内部抽選処理(ステップS16)が終了すると、主制御手段は、リール演出抽選処理(ステップS17)を行う。以下、リール演出抽選処理の詳細を説明する。
(5−3.リール演出抽選処理:図14)
図14は、図12中のリール演出抽選処理(ステップS17)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、前回遊技のボーナス持越しフラグを取得する(ステップS171)。例えば、前回の遊技で「BB」に当選し、そのフラグが今回の遊技に持ち越されていた場合は、ボーナス持越しフラグが成立した状態となる。その後、ステップS172に進む。
次に、主制御手段は、ボーナス持越し中であるか否かを判定する(ステップS172)。ボーナス持越しフラグが成立していた場合には、ステップS174に進む。これは、ボーナスの持越し中にリール演出が行われないようにするためである。一方、ボーナス持越しフラグが成立していない場合には、ステップS173に進む。
ボーナス持越し中でない場合(ステップS172でNO)、主制御手段は、停止制御用データに基づき演出を行うか否か抽選し、当選のとき演出当選フラグをセットする(ステップS173)。
この抽選の乱数値は128個あり、例えば、「BB」の場合、62/128で「フリーズ5秒」、26/128で「フリーズ5秒+逆回転30秒」、20/128で「左遅れ」、20/128で「右遅れ」のように選択される(図示省略)。
特に、「フリーズ演出」と「遅れ変動演出」に当選した場合、演出当選フラグがセットされる。なお、リール演出の一つである「フリーズ5秒+逆回転30秒」はフリーズを含むので、「フリーズ演出」の扱いとなる。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御手段は、演出種別コマンドをセットする。具体的には、各リール演出についての演出種別コマンドは、「00」(リール演出なし)、「01」(フリーズ5秒)、「02」(フリーズ5秒+逆回転30秒)、「03」(左遅れ)、「04」(右遅れ)であり、それぞれ異なる演出種別コマンドをセットする。なお、ボーナス持越し中の場合には、演出種別コマンド「00」がセットされる。その後、ステップS175に進む。
次に、主制御手段は、フリーズ演出に当選したか否かを判定する(ステップS175)。フリーズ演出に当選した場合にはステップS176に進み、当選しなかった場合には、リール演出抽選処理を終了する。なお、当選しなかった場合には、何れのリール演出にも当選しなかった場合の他、「遅れ変動演出」に当選した場合がある。
ステップS176では、主制御手段は、フリーズ時間をセットする。実施例の「フリーズ演出」は5秒間であり、主制御手段がこの時間をセットする。その後、ステップS177に進む。
最後に、主制御手段は、指定数割込み待ち処理を行う(ステップS177)。具体的には、前ステップのフリーズ時間(5秒)を、割込み処理の実行数によりカウントする。以上の処理を行った後、リール演出抽選処理を終了する。
図12に戻り、リール演出抽選処理(ステップS17)が終了すると、主制御手段は、回胴回転開始設定処理(ステップS18)を行う。以下、回胴回転開始設定処理の詳細を説明する。
(5−4.回胴回転開始設定処理:図15)
図15は、図12中の回胴回転開始設定処理(ステップS18)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、ウェイトタイマを取得する(ステップS181)。ウェイトタイマは、次の遊技を開始するまでの時間を設定するためのタイマである。その後、ステップS182に進む。
次に、主制御手段は、ウェイトタイマが0であるか否かを判定する(ステップS182)。ウェイトタイマの設定時間(4.1秒)が経過するまでは、遊技者による遊技を開始する操作が無効とされる。ウェイトタイマが0となった場合にはステップS184に進み、ウェイトタイマが0でない場合にはステップS183に進む。
ウェイトタイマが0でない場合(ステップS182でNO)、主制御手段は、待ち時間が消費したか否かを判定する(ステップS183)。待ち時間が消費するまでは、ループする。一方、待ち時間が消費した場合には、ステップS184に進む。これにより、次の遊技が開始可能となるまでに少なくとも4.1秒かかるようになっている。
ステップS182、S183の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ウェイトタイマをセットする(ステップS184)。具体的には、0となったウェイトタイマに再度、4.1秒をセットする。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、主制御基板400は、回転起動処理を行う。この回転起動処理では、リール演出の有無を確認し、これに応じたリールの起動設定及び時間設定を行う。その後、ステップS186に進む。
最後に、主制御手段は、回胴回転始動時のデータ設定を行う(ステップS186)。具体的には、回胴の回転状態を示す回転状態フラグをオン(全回胴回転中)とし、制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作されたときに生成される「回転開始コマンド」をセットする。その後、回胴回転開始設定処理を終了する。
再び、図12に戻り、回胴回転開始設定処理(ステップS18)が終了すると、主制御手段は、回胴停止処理(ステップS19)を行う。以下、回胴停止処理の詳細を説明する。
(5−5.回胴停止処理:図16)
図16は、図12中の回胴停止処理(ステップS19)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、回胴回転停止ボタン12a〜12cの有効な停止操作があったか否かを判定する(ステップS191)。回胴回転始動レバー11が操作されて回胴5a〜5cが回転を開始した後、全ての回胴が概ね一定の回転速度になる。このとき、回胴5a〜5cに対応する回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作が受付可能な状態となる。
回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作は、上記の受付可能な状態となった場合にのみ有効となり、受付可能な状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても無効な操作として扱われる。有効な停止操作(第1停止操作)があった場合にはステップS192に進み、有効な停止操作がなかった場合には有効な停止操作があるまでループする。
有効な停止操作があった場合(ステップS191でYES)、主制御手段は、停止準備データをセットする(ステップS192)。停止準備データとは、回胴回転停止ボタン12a〜12cの押し順を示す停止順番データ、現在停止している回胴数を示す回胴停止数データ、停止操作の対象となる回胴を示す停止対象回胴番号、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間)であり、本ステップでこれらのデータがセットされる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御手段は、図柄停止制御処理を行う。図柄停止制御処理とは、滑りコマ数を計算して回胴5a〜5cの停止を制御する処理である。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、主制御手段は、停止結果情報コマンドをセットする。「停止結果情報コマンド」とは、図柄停止情報を含む制御コマンドである。その後、ステップS195に進む。
次に、主制御手段は、停止間隔タイマが0となったか否かを判定する(ステップS195)。停止間隔タイマとは、第1停止操作の後に、第2停止操作を受付可能とするまでの時間を計測するタイマである。停止間隔タイマが0となった場合にはステップS196に進み、まだ停止間隔タイマが0となっていない場合には当該タイマが0となるまでループする。
停止間隔タイマが0となった場合(ステップS195でYES)、主制御手段は、全ての回胴が停止したか否かを判定する(ステップS196)。第1停止操作後、第2停止操作後は、再度、ステップS191〜S196の処理を繰り返す。第3停止操作後は、全ての回胴が停止したことになるので、ステップS197に進む。
最後に、全ての回胴が停止した場合(ステップS196でYES)、主制御手段は、入賞情報コマンドをセットする(ステップS197)。「入賞情報コマンド」には、入賞役の情報が含まれ、全回胴停止時に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、回胴停止処理を終了する。
再び、図12に戻り、回胴停止処理(ステップS19)が終了すると、主制御手段は、入賞判定処理(ステップS20)を行う。以下、入賞判定処理の詳細を説明する。
(5−6.入賞判定処理:図17)
図17は、図12中の入賞判定処理(ステップS20)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグを設定する(ステップS201)。具体的には、当り図柄フラグから、入賞役に応じたビット値をメインRAM401bの所定の領域に格納する。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、主制御手段は、当り図柄フラグに基づいて、払出枚数を算出する。具体的には、当り図柄フラグと払出枚数データテーブル(図示省略)により、遊技メダルの払出枚数を算出する。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、主制御手段は、払出枚数データテーブルを参照し、払出枚数を設定する(ステップS203)。その後、主制御手段は、誤入賞判定処理を行う(ステップS204)。詳細は省略するが、当選フラグ(当選役)の反転値と、当り図柄フラグ(入賞役)の論理積を演算することで誤入賞を判定する処理である。その後、入賞判定処理を終了する。
再び、図12に戻り、ステップS20の入賞判定処理が終了すると、主制御手段は、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。主制御手段は、上述の入賞判定処理で取得した払出枚数に基づいてクレジットの加算、又はホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す。さらに、各制御動作にエラーがないか否かを監視する。その後、ステップS22に進む。
次に、主制御手段は、再遊技役が停止したか否かを判定する(ステップS22)。再遊技役が停止した場合にはステップS23に進み、再遊技役が停止していない場合にはステップS24に進む。
再遊技役が停止した場合(ステップS22でYES)、主制御手段は、再遊技開始設定処理を行う(ステップS23)。これは、再遊技の作動開始を設定する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、再遊技役が停止しなかった場合(ステップS22でNO)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中か否かを判定する(ステップS24)。現在、ボーナス遊技の作動中(BB中又はRB中)である場合にはステップS25に進み、ボーナス遊技の作動中でない場合にはステップS26に進む。
現在、ボーナス遊技の作動中である場合(ステップS24でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。これは、ボーナス遊技を継続又は終了するため監視処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、ボーナス遊技の作動中でない場合(ステップS24でNO)、主制御手段は、ボーナス役(BB中又はRB中)が停止したか否かを判定する(ステップS26)。ボーナス役が停止した場合にはステップS27に進み、ボーナス役が停止しなかった場合にはステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ボーナス役が停止した場合(ステップS26でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
(5−7.主制御側タイマ割込み処理:図18)
図18は、実施例の主制御基板でのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。ここで、実施例のタイマ割込み処理は、1.5ms毎に実行される。
まず、主制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS301)。これは、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる処理である。その後、ステップS302に進む。
ステップS302では、主制御手段は、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、回胴式遊技機に設けられたスイッチやセンサ類の検出情報を取得する。その後、ステップS303に進む。
ステップS303では、主制御手段は、回胴回転制御処理を行う。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータ211a〜211cに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴5a〜5cの回転位置やその速度を監視したりする。その後、ステップS304に進む。
ステップS304では、主制御手段は、定期更新処理を行う。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマの更新や、ウォッチドッグタイマの定期的なクリア等を行う。その後、ステップS305に進む。
ステップS305では、主制御手段は、コマンド出力処理を行う。これは、遊技の進行に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割込みで1つの演出制御コマンドが送信される。その後、ステップS306に進む。
ステップS306では、主制御手段は、表示出力処理を行う。表示出力処理では、回胴式遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。その後、ステップS307に進む。
ステップS307では、主制御手段は、異常監視処理を行う。異常監視処理では、上記ポート入力処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、回胴式遊技機の異常を監視する。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、主制御手段は、外部情報信号出力処理を行う。これは、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。
上記の各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、上記メダル投入信号や上記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。その後、ステップS309に進む。
最後に、主制御手段は、レジスタ復帰処理を行って、レジスタの内容を復帰させる(ステップS309)。その後、主制御側タイマ割込み処理を終了する。以上、主制御側で行われる処理について説明した。
<6.副制御部による制御処理>
(6−1.副制御側メイン処理:図19)
次に、主に演出制御基板420が実行する副制御側の処理内容について説明する。
図19は、演出制御プログラムに従い演出制御基板420(以下、演出制御手段という)が実行する副制御側のメイン処理を示すフローチャートである。回胴式遊技機に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、図19に示す副制御側メイン処理が開始する。
まず、演出制御手段は、初期設定を行う(ステップS401)。これは、電源投入時に行われる遊技動作開始前に必要な初期設定である。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、演出制御手段は、演出用乱数更新処理を行う。具体的には、演出を選択するために用いられる演出用乱数を定期的に更新する処理である。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、演出制御手段は、割込み許可状態に設定する。具体的には、コマンド受信割込み、タイマ割込み、外部INT等の割込み処理を許可する状態とする。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、演出制御手段は、割込み禁止状態に設定する。すなわち、ステップS403とステップS404の間の期間で各種割込み処理が実行される。その後、ステップS405に進む。
最後に、演出制御手段は、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS405)。なお、副制御側メイン処理では、電断が発生しない限り、ステップS402〜S405の処理を繰り返し実行する。
(6−2.副制御側タイマ割込み処理:図20)
次に、図20を参照して、副制御側タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、副制御側メイン処理に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、演出制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS411)。その後、ステップS412に進む。
ステップS412では、演出制御手段は、定期更新処理を行う。これは、演出等に用いられる各種タイマを更新する処理である。その後、ステップS413に進む。
ステップS413では、演出制御手段は、コマンド受信処理を行う。これは、主制御側から送信された各種制御コマンドを受信する処理である。その後、ステップS414に進む。
ステップS414では、演出制御手段は、演出シナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した演出制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等の概要を設定する。その後、ステップS415に進む。
ステップS415では、演出制御手段は、出力処理を行う。具体的には、液晶画面4aの表示やスピーカ16による音声、装飾ランプ部13による光を出力する。その後、ステップS416に進む。
最後に、演出制御手段は、レジスタ復帰処理を行う(ステップS416)。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、副制御側で行われる処理について説明した。
以上のように、実施例の回胴式遊技機では、可動体が動作する前に、液晶画面に可動体の動作を示唆する可動体動作示唆画像を表示する。そして、遊技者が演出用ボタンを連打する等の操作に応じて可動体動作示唆画像を移動させたり、変形させたりする。これにより、可動体を用いた効果的な演出を実行することができる。
可動体動作示唆画像が表示される前又はその表示と同時に、可動体が初期位置で待機動作(上下又は左右方向の小さな振動や往復動作、円環状に動く動作等)を行い、その後の可動体動作示唆画像の移動や変形に応じて、可動体が落下動作をする場合もある。
ここで、待機動作を第1動作、落下動作を第2動作とすると、可動体動作示唆画像が示唆する対象は、第2動作である。このように対象となる動作(第2動作)が終了する前に、その動作を示唆する画像が表示されていれば、必ずしも可動体が完全に停止していなければならないわけではない。
また、上記の例では、第1動作と第2動作を異なる動作として説明したが、可動体の落下動作のうち、初期位置から最終停止位置に到達する途中の第1位置までの移動を第1動作、第1位置から最終停止位置までの移動を第2動作と定義してもよい。このように対象となる動作(第2動作)が終了する前に、その動作を示唆する画像が表示されていれば、必ずしも可動体が一連の動作を1回で完了させなければならないわけではない。すなわち、多段階の動作を組合せたものであってもよい。
上記の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。実施例では、2つの可動体がある回胴式遊技機を挙げて説明したが、本発明は、これに限られない。可動体は1つでも、3つ以上あってもよい。予告演出は、複数の可動体のうちの一部が動作する場合であってもよい。
また、実施例では、可動体動作示唆画像が、主にボーナス当選の予告演出として出現する例を説明したが、レア小役に当選した場合や、遊技モードが高確率状態に移行する場合等に出現するようにしてもよい。
可動体動作示唆画像の変化として、移動、着色、変形等があったが、これ以外にも発光したり、所定の模様や文字が現れる変化が含まれる。また、移動と変形等を組合せた態様としてもよい。
以上、実施例として回胴式遊技機を説明したが、パロット機や循環式の回胴遊技機、弾球遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。