まず、本実施形態の回胴式遊技機の概要について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、通常変動態様により種々の図柄を変動表示可能であるのに加え、回胴演出として該通常変動態様とは異なる複数種類の特別変動態様により種々の図柄を変動表示可能な回胴手段と、複数種類の役を対象に内部抽選を行い、当選役を決定する抽選手段と、所定期間内において、前記抽選手段によって特定の役に当選する度に、該特定の役の当選に応じた所定のポイントを加算記憶可能な記憶手段と、前記所定期間内における一の遊技開始時に、前記記憶手段によって加算記憶されたポイントの合計値が区切りの値に到達した場合に、後に実行する回胴演出の種類を選択する回胴演出選択手段と、前記回胴演出選択手段により選択された回胴演出を所定のタイミングで実行する回胴演出実行手段と、を備えた回胴式遊技機において、前記区切りの値は複数設定され、前記回胴演出選択手段は、前記ポイントの合計値が前記区切りの値に到達する度に前記複数種類の回胴演出から1つの回胴演出を選択し、前記回胴演出実行手段は、前記所定のタイミングとして前記所定期間の終了時に、選択された回胴演出を実行する。
本実施形態では、所定期間中(例えば、ビッグボーナス中)、特定の役に当選する度に、その役の種類に応じたポイントが加算記憶されていく。そして、獲得したポイントの合計値が複数設定された区切りの値に到達する度に、例えば、回胴演出選択テーブルを参照して回胴演出が選択され、実行される。なお、このポイントには、所定期間中に当選し、所定期間の経過後にまとめて付与されたポイント等も含まれる。
ポイントの加算契機は、「当選役の入賞」としてもよい。ここで「特定の役の当選」を契機としているのは、当選役によっては入賞させるのに遊技者による「目押し」が必要となるためである。「特定の役の当選」をポイントの加算契機とすることで、目押しに失敗して入賞しなかった場合に、ポイントが付与されなくなるのを回避することができる。
また、「回胴演出」とは、回胴手段の一部又は全部が通常の回転方向とは異なる逆回転をしたり、不動状態となったり、通常の回転速度とは異なる高速回転又は低速回転をするアクションである。本実施形態の回胴演出は、所定期間が終了したとき実行されるが、複数回実行されることもあり、意外性のある興趣の高い回胴式遊技機を実現することができる。
本実施形態において、前記回胴演出選択手段は、当選した役の種類毎に前記ポイントの合計値を求め、該合計値に基づいて実行する回胴演出を選択することが好ましい。
本実施形態では、当選した役の種類毎にポイントの合計値を求める。例えば、スイカ、チェリー等の役に当選した場合、スイカに当選したとき得られるポイントの合計値に基づいて回胴演出が選択される。また、チェリーに当選したとき得られるポイントの合計値に基づいて、もう一度、回胴演出が選択される。これにより、様々な回胴演出が発生する可能性が生じ、遊技者が遊技に飽きることがなくなる。
本実施形態において、前記回胴演出選択手段は、当選した役の種類に関係なく前記ポイントの合計値を求め、該合計値に基づいて実行する回胴演出を選択することもできる。
本実施形態では、当選した役の種類に関係なくポイントの合計値を求める。例えば、スイカ、チェリー等の役に当選した場合、スイカに当選したとき得られるポイントとチェリーに当選したとき得られるポイントの合計値を求め、その合計値に基づいて回胴演出が選択される。この方法によっても様々な回胴演出が発生する可能性があるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態において、前記回胴演出選択手段は、前記ポイントの合計値が所定値に到達する度に実行する回胴演出を選択することが好ましい。
本実施形態の回胴演出選択手段は、獲得したポイントの合計値が所定値に到達する度(例えば、10ポイント毎)に回胴演出を選択する。これにより、回胴演出が複数回実行される可能性が高まる。
また、本実施形態において、所定条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段をさらに備え、前記回胴演出実行手段は、前記回胴演出選択手段により選択された回胴演出を実行した後、前記回胴手段において特定図柄を停止表示することにより、遊技者に前記特典遊技の付与を報知することが好ましい。
本実施形態の回胴演出実行手段は、回胴演出を実行した後、回胴手段において特定図柄を表示(「777」を有効入賞ライン上に揃える等)して停止する。これにより、遊技者は、特典遊技(後述するAT遊技)が付与されたか否かを把握し易くなる。
次に、図面を参照して、本実施形態の回胴式遊技機の詳細について説明する。
<1.機械的構成>
まず、図1に本実施形態の回胴式遊技機の外観を示す。回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、その上部には、液晶画面視認部4が設けられている。回胴視認部3の内側には、回胴装置210の回胴(リール)5a、5b、5cが横並びに、遊技者側から視認し得るように設けられている。
回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図2参照)を有しており、回胴5a〜5cの停止時の上記図柄の組合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。回胴装置210は、本発明の「回胴手段」に相当する。
図柄配列帯については、詳細を後述するが、回胴5a〜5cに役を構成する図柄が表示されており、本実施形態では回転方向に21コマの図柄が配置されている。特に、図柄に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動されるように構成され、回胴5a〜5cが回転することにより、上記図柄を変動表示するようになっている。
なお、回胴5a〜5cは、回胴駆動モータ211a〜211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転又は停止が行われる機械式の回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような表示装置に表示され、画像上で回転又は停止が行われる演出的な回胴であってもよい。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個又は4個又は任意の数、配設してもよい。
回胴視認部3には、ここを横及び斜めに横断する形で、計5本の入賞ライン3aが施されている。入賞ライン3aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダル(遊技媒体、遊技価値)の投入枚数に応じて有効となる入賞ライン数が変化する。
有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」という)3a上で、回胴5a〜5cが停止した際の停止図柄の組合せ表示態様が、内部抽選で当選した役と一致した場合に入賞が確定し、上記停止図柄の組合せに応じた遊技メダルが遊技者に付与される。
液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の液晶画面6aに対応して、例えば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者は、この液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。
この液晶画面6aには、遊技に伴う画像や動画による演出が表示される。液晶表示装置6は、演出を表示する演出装置として機能する。例えば、当選役を入賞させるために遊技者に回胴の押し順を報知するAT(アシストタイム)遊技状態においては、操作手順を遊技者に報知する主たる手段として働く。
本実施形態では液晶表示装置6を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等でもよく、回転式ドラム、7セグによる表示装置、又はこれらを組合せたものであってもよい。
回胴視認部3の左右両側には、発光色や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知する手段の一例となる。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル又は入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわち、クレジットされた範囲内で遊技メダルを最大枚数、一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8とがある。
また、操作した回数に応じて最大賭け数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a〜5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する)が設けられている。
また、上記各種ボタンには、その内部に、操作が有効であるか否かを遊技者に報知するための発光装置(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯など)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
本実施形態では、回胴5a〜5cの停止手段として回胴回転停止ボタン12a〜12c、メダルのベット等にMAXBETボタン8を利用するので、これらボタンの内部にLEDを設けて、通常遊技やAT遊技等の操作型遊技において、上記各ボタン操作の有効、無効を当該LEDの発光態様により遊技者に報知するようにしている。
上述のMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a〜12cには、それぞれ、これらが操作された際に操作検出情報を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図4参照)が備えられている。
また、操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。さらに、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置(後述するホッパーユニット500)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
前扉2の前扉上部両側及び前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する手段の一例となる。
なお、本実施形態において、AT遊技状態の間、上記操作手順等を遊技者に報知する演出装置は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができるものであれば、いかなる装置も採用することができる。
図2は、本実施形態の回胴式遊技機の各回胴の図柄配列帯を展開した図である。
左列は図1の回胴5aに対応する図柄配列、中列は同じく回胴5bに対応する図柄配列、右列は同じく回胴5cに対応する図柄配列である。各列には図柄が21コマあり、上より0〜20までのコマ番号が割り当てられている。
遊技者は、各遊技で変動する回胴5a、5b、5cに対し、それぞれ、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して変動を停止させる。そして、有効入賞ライン上に並んだ図柄の組合せに応じた遊技メダルが払い出される。
図3は、本実施形態の回胴式遊技機の有効入賞ラインを示す図である。
まず、2本の非直線状の有効入賞ラインがある(図3(a)参照)。1本目は、左列が上段、中列が中段、右列が上段の小V字型であり、2本目は、左列が下段、中列が中段、右列が下段の小山型である。
次に、2本の直線状の有効入賞ラインがある(図3(b)参照)。1本目は、左列が上段、中列が中段、右列が下段の右下がり型であり、2本目は、左列が下段、中列が中段、右列が上段の右上がり型である。これらの有効入賞ラインは、各遊技の遊技メダルの賭け数により増減するが、最大賭け数をベットした場合には、4本全てのラインが有効となる。
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
図4は、本実施形態の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像、光又は音による演出を制御する副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440を中心に構成される。
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8a、貯留メダル投入ボタン9の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9a、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11a、停止スイッチ基板360が接続されており、これらスイッチ等から信号が入力される。
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a〜12cの内部に設けられるLED(図示省略)が搭載されている。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211c及び回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、回胴5a〜5cの回転動作、及び目的の位置で回胴5a〜5cを停止させる停止動作を実現している。
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520及びホッパーモータ510が配置されている。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、メダル貯留部(図示省略)に取り付けられたセンサであり、メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている(図示省略)。回胴設定基板430は、上記の各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380を制御する制御基板である。また、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置6を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。なお、この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
液晶制御CPUは、液晶制御コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムにより液晶表示装置6に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置6に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
なお、本実施形態では、演出制御基板420と液晶制御基板460を別個の基板でとしているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
(2−2.主制御基板)
次に、図5を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板である。
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、及びスイッチ入力回路408を備えている。
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、上記の各回路が連携し合って行われている。また、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
主制御基板400、特に1チップマイクロコンピュータ401は、本発明の「抽選手段」、「回胴演出選択手段」、「回胴演出実行手段」、「特典遊技付与手段」に相当する。
1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、及びメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込信号を付与する割込みコントローラ回路401eを備えている。
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機自体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル、入賞役に応じた払出枚数が定義された払出枚数データテーブル等が記憶されている。
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている(図示省略)。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、及びその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cを駆動制御する制御信号を出力する。回胴5a〜5cの回転制御及び停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成する。
次に、上記停止制御装置による回胴5a〜5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cに駆動パルス信号を出力する。
モータ駆動回路407は、回胴5a〜5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a〜5cの回転を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401には、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。これらの検出信号は、回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに回胴駆動モータ211a〜211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して回胴5a〜5cの回転動作を実現している。
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴5a〜5cの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(本実施形態では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
次に、回胴5a〜5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作される毎に有効入賞ライン上に停止させる図柄の種類を決定する。
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン上に停止させるように回胴駆動モータ211a〜211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a〜5cを停止させている。
具体的には、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
当選役を構成する図柄と停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成する図柄を所定の有効入賞ライン上に引き込む形で回胴の停止制御が行われる。
なお、有効入賞ライン上に停止した図柄は、上記基準位置に停止した図柄から自ずと定まるので、回胴5a〜5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
このように、本実施形態では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で回胴5a〜5cの停止制御が行われる。なお、有効入賞ライン上に当選役が並んだ場合、その当選役に入賞することになるので、入賞した役を入賞役という。
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380及び液晶制御基板460を制御する制御基板である。
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b及びサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d及びサブCPU421cに割込信号を付与する割込みコントローラ回路421eを備えている。
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400からの上記制御コマンドに基づいて、演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを選択して、選択した演出パターンを現出するに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ制御用の音声コマンド、液晶制御コマンドなどを出力する。
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置6等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、遊技に伴う演出内容を定めた演出パターンテーブル(図示省略)が記憶されている。
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、各種演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶制御コマンドを送信したりする。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている(図示省略)。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを決定するために利用される。
<3.各種テーブル>
(3−1.入賞役と払出枚数の対応表:図6)
図6は、本実施形態の入賞役と払出枚数の対応表である。対応表の1列目は入賞役の種類を示しており、「RB(レギュラーボーナス)」から「チェリーC」までの25種類がある。
対応表の次列は払出枚数であり、「3BET」、「2BET」とは、遊技におけるメダルの賭け数がそれぞれ3枚、2枚であることを示している。本実施形態の回胴式遊技機では、通常遊技状態は3BETによる遊技、ボーナス遊技状態は2BETによる遊技が行われ、「チェリー役」のように払出枚数が遊技状態によって異なる役もある。
役構成、すなわち図柄の組合せは、例えば、「RB」では、回胴5aに対応する左列が「青7」、回胴5bに対応する中列が「青7」、回胴5cに対応する右列が「バー」であることを示している。以下では、役構成を「青7・青7・バー」のように表記する。
[ボーナス役]
図6に示すように、ボーナス役は、「RB(レギュラーボーナス)」と「BB(ビッグボーナス)」の2種類がある。まず、「RB」の役構成は、「青7・青7・バー」である。RBとは、BBと比較して利益の小さなボーナスであり、所定枚数メダルを獲得可能な特別遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「RB」に入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
一方、「BB」の役構成は、「青7・青7・青7」である。BBはRBと比較して利益の大きなボーナスであり、RBよりも多い枚数のメダルを獲得可能な特別遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「BB」に入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
上記ボーナス役は、その当選フラグを次回遊技に持ち越すことが許容されている。すなわち、遊技者は、ボーナス役が当選した遊技でその組合せを有効入賞ライン上に停止させることができなくても、当選フラグが消滅することなく、次回以降の遊技でボーナス役の組合せを停止させることができる。
ボーナス役の当選フラグが持ち越されている状態でも、各遊技で内部抽選が行われ、ボーナス役以外の小役が当選する場合がある。このような場合、当選フラグが次回以降の遊技に持ち越されることのない小役を優先して入賞させるように、回胴5a〜5cの停止制御が行われる。
[再遊技(リプレイ)役]
図6に示すように、全部で10種類の再遊技役がある。再遊技役とは、入賞した場合に、今回の遊技で投入した遊技メダル数と同一枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始できる役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始可能とする。遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技を行える点では、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものである。
役構成としては、「リプレイA・リプレイA・リプレイA」のように同一再遊技図柄の組合せの他、「青7・赤7・青7」や「青7・赤7・バー」のように図柄が全て揃っていない組合せもある。なお、遊技状態がRT(リプレイタイム)遊技に移行した場合には、再遊技役が当選しやすい状態となり、メダルの消費を抑えながら遊技を進めていくことができる。
[ベル役]
図6に示すように、ベル役は全部で8種類あり、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が9枚である。役構成としては、「ベルA・ベルA・ベルA」のように同じベル図柄の組合せがある他、「ベルA・ベルA・ベルB」のように図柄が全て揃っていないものもある。
回胴5a〜5cには、それぞれ「ベルA」、「ベルB」の2種類の図柄が配置されているので(図2参照)、組合せとして可能な計8種類のベル役が定義されている。遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作する手順等によって、当選したベル役に入賞したり、しなかったりする性質がある。
[チェリー役]
図6に示すように、チェリー役は、「チェリーA」、「チェリーB」及び「チェリーC」の3種類があり、何れも3BETのとき払出枚数が1枚、2BETのとき払出枚数が4枚である。チェリーAの役構成は、「チェリー・ANY・ANY」であるが、「ANY」とは、図柄の種類は問わないという意味である。チェリーAの有効入賞ライン上の図柄の組合せは、左列がチェリー図柄であれば中右列は何れの図柄であってもよい(単チェリー)。
また、チェリーBの役構成は、「チェリー・チェリー・ANY」であり、有効入賞ライン上の図柄の組合せは、左列(上段又は下段)、中列(中段)がチェリー図柄であれば右列は何れの図柄であっても払出枚数のメダルを獲得可能である(2連チェリー)。
また、チェリーCの役構成は、「チェリー・チェリー・チェリー」であり、有効入賞ライン上にチェリー図柄が揃ったとき払出枚数のメダルを獲得可能である(3連チェリー)。なお、チェリー役についは、「BB」、「RB」と同時成立(重複当選)する役となっている(図7A参照)。
[スイカ役]
図6に示すように、スイカ役は1種類で、3BETのとき払出枚数が9枚、2BETのとき払出枚数が12枚である。役構成としては、「スイカ・スイカ・スイカ」である。いわゆる小役としては、最も払出枚数の多い役である。なお、スイカ役についても、「BB」、「RB」と同時成立する役となっている。
[1枚役]
図6に示すように、1枚役は1種類で、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が1枚である。役構成としては、「青7・バー・ベルA」である。1枚役についても、「BB」、「RB」と同時成立する役となっている。
(3−2.役抽選テーブル:図7A、7B)
図7Aは、本実施形態の役抽選テーブルを示した図である。本実施形態では、遊技状態(通常遊技状態、ボーナス遊技状態)に応じて役抽選テーブルが異なり、抽選対象の役も異なっている。
例えば、通常遊技状態の「状態1」では、合計39種類の役が当選し得る。同様に、「状態2」では35種類、ボーナス遊技状態の「BB作動中」では3種類、「RB作動中」では14種類の役が当選し得る。何れの役にも当選しない場合は外れとなるが、図面上省略した。なお、実際の役抽選テーブルには、抽選のための判定値が記憶されている。
例えば、「状態1」の1段目は「BB」となっているので、「状態1」では「BB」が当選し得る。なお、「BB&チェリー」とは、「BB」と「チェリー」が重複当選することを意味し、同様に、「RB&チェリー」とは、「RB」と「チェリー」が重複当選することを意味する。
このような重複当選役があることで、遊技者は「チェリー」に入賞した場合に、同時に「BB」、「RB」の何れかのボーナス役にも当選しているのではないかと期待感を抱くことになる。
また、「複合ベル」とはベル役であるが、「ベル1」〜「ベル8」が成立する役であり、これが内部当選した遊技では、遊技者の操作により、「ベル1」〜「ベル8」の何れかが停止する。
次に、図7Bに、主に複数の役が停止可能な当選役の一覧を示す。例えば、「RP3」とは再遊技役の1つであるが、「リプレイ3」、「リプレイ5」、「リプレイ7」が成立する役である。「RP3」が当選したゲームでは、遊技者の操作により、上記3種類の再遊技役のうち何れかが停止する。
「AT1」はAT(アシストタイム)役の1つであり、「スイカ」、「ベル1」、「ベル6」が成立する。例えば、「AT1」が当選したゲームでは、遊技者の操作により、上記3種類のうち何れかの役が停止する。何れの役が有効入賞ライン上に停止するかは、遊技者の回胴回転停止ボタンの停止順と停止操作のタイミングにより決定される。
図7Aに戻り、遊技状態が通常遊技状態の「状態2」の場合、再遊技役が「RP11」〜「RP16」となっている点が上記の「状態1」と相違するが、その他の点では、「状態1」と同じである(図7A参照)。
遊技状態がボーナス遊技状態の「BB作動中」の場合、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」、「全小役」の3種類が当選し得る。「ボーナス中チェリー1」の内容は、「チェリーB」である(図7B参照)。また、「ボーナス中チェリー2」の内容は、「チェリーB」、「1枚役」であるから、遊技者の操作により、何れかが停止する。また、「全小役」とは、ベル役、スイカ役等の全ての小役のことを示す。
遊技状態がボーナス遊技状態の「RB作動中」の場合、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」の他、12種類のアシスト役が当選し得る。「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」については、上述の内容と同じである。また、「RB中AT1」とは、RB作動中に当選する「AT1」である。
(3−3.当選役データ:図8)
図8は、本実施形態の当選役データを示した図である。当選役データとは、内部抽選の結果に応じて設定されるデータであり、主制御基板400のメインRAM401bに割り当てられた所定の記憶領域に格納される。当選役データは、各ビットが当選役(成立役)に対応しており、データ量は全体で約4バイトである。
当選役データは誤入賞判定処理(図18参照)に用いられるデータでもある。誤入賞判定は、各ゲームにおける回胴5a〜5cの停止後に、当選役データと後述する停止役データをビット演算することで一致、不一致を判定する。不一致の場合は、内部抽選で当選していない役が何らかの誤作動や不正により入賞したことを意味する。
また、「成立役」とは今回のゲームで当選した役の他、後述するボーナス持越しフラグに対応する役、すなわちボーナス役のように以前のゲームにおいて内部成立した役が含まれる。例えば、1バイト目ビット1の「BB」は、内部抽選により「BB」が成立したゲームで設定される他、「BB」フラグが持ち越されているゲームにおいても、他の小役が当選していない場合に設定され得る。
なお、「BB&スイカ」のように当選役が複数ある場合は、それぞれに対応した複数のビットが当選役データとして設定される。
(3−4.停止役データ:図9)
図9は、本実施形態の停止役データを示した図である。停止役データとは、遊技者が回胴5a〜5cの停止操作を完了したとき、停止結果に応じて作成されるデータであり、主制御基板400のメインRAM401bに割り当てられた所定の記憶領域に格納されている。停止役データは、各ビットが入賞役に対応しており、データ量は全体として約4バイトである。
停止役データは、誤入賞判定処理(図18参照)に用いられるデータでもある。2バイト目に「RT作動図柄1」〜「RT作動図柄4」が記憶されている点が当選役データと異なるが(図8参照)、RT作動図柄は、遊技状態がリプレイタイムへ移行する際に出現する図柄であるので、誤入賞の判定は行わない。このため、停止役データには含まれているが、当選役データには含まれていない。
(3−5.小役出現率テーブル:図10)
図10は、本実施形態の小役出現率テーブルを示した図である。小役出現率は、遊技状態が通常遊技中であるか、又はビッグボーナス中であるかにより異なる。
まず、図10(a)を参照して、通常遊技中の小役出現率について説明する。分類1は「スイカ役」であり、小役合成(当選率)は、1/55.6である。「スイカ役」には、停止ラインによる「弱スイカ」と「強スイカ」の2種別があり、振分け率は、「弱スイカ」が91.6%、「強スイカ」が8.4%である。
また、個別出現率は、「弱スイカ」が1/61であるのに対し、「強スイカ」は、1/662と出現率が低くなっている。これにより、「弱スイカ」に当選したときの獲得ポイントが5、「強スイカ」に当選したとき獲得ポイントが10となっている。
分類2は、「チェリー役」及び「中段チェリー役」であり、小役合成は、それぞれ1/72.9、1/8192.0である。「中段チェリー役」は、極めて当選し難い役となっている。
「チェリー役」には、「単」、「2連」、「3連」の3種別がある。「単」とは、単チェリーことで、左の回胴5aの上段又は下段にチェリー図柄が停止した状態である。振分け率は72.2%である。
また、「2連」とは、2連チェリーのことで、左の回胴5a及び中央の回胴5bの有効入賞ライン上にチェリー図柄が停止した状態である。振分け率は23.4%である。また、「3連」とは、3連チェリーのことで、全ての回胴5a〜5cの有効入賞ライン上にチェリー図柄が並んだ状態である。振分け率は4.4%である。「単」、「2連」、「3連」の個別出現率は、それぞれ1/101、1/312、1/1638であり、獲得ポイントは、それぞれ10、15、25である。
「中段チェリー役」とは、後述するチャンス目の一種であり、左の回胴5aの中段にチェリー図柄が停止した状態をいう。これ以外の種別はないので、振分け率は100.0%である。「中段チェリー役」の個別出現率は1/8192と極めて低いため、獲得ポイントは、75となっている。
分類3は、「チャンス目」であり、小役合成は、1/121.1である。「チャンス目」とは、払出しのある役ではないが、特定の出目で停止した状態をいい、主に、ボーナスに当選した可能性がある場合等に出現する。
「チャンス目」には、「スベリ無し弱」、「スベリ無し強」、「スベリ有り弱」、「スベリ有り強」の4種別がある。なお、「スベリ」とは、遊技者が回胴回転停止ボタンを操作したとき、回胴が数コマ滑って停止することをいい、「弱」、「強」とは、停止出目の違いによる。
「スベリ無し弱」、「スベリ無し強」、「スベリ有り弱」、「スベリ有り強」の振分け率は、それぞれ39.2%、8.3%、29.4%、23.1%である。また、個別出現率は、それぞれ1/309、1/1456、1/412、1/524であり、獲得ポイントは、それぞれ15、25、15、20となっている。
なお、「スイカ役」、「チェリー役」、「中段チェリー役」、「チャンス目」は、総称して「レア役」と呼ばれるが、レア役合成の当選率は、1/25.0である。本実施形態では、「レア役の当選」がポイント獲得の契機となっている。
ここで、「レア役の入賞」をポイント獲得の契機としてもよいが、役によっては遊技者に高度な「目押し」の技術が求められる。従って、ここでは、「レア役の当選」をポイント獲得の契機とし、目押しに失敗してもポイントが獲得できるようにしている。
また、通常遊技中の上記ポイントが獲得できる場面としては、自力解除ゾーンが挙げられる。「自力解除ゾーン」とは、特定役の当選を契機に突入する10〜20ゲームの特定遊技状態であり、本発明の「所定期間」の一例である。自力解除ゾーンでは、例えば、ベル役やリプレイ役に当選した場合に解除抽選が行われ、解除するとAT遊技状態等の特典遊技状態に移行する。
自力解除ゾーンのような遊技状態を設けていない回胴式遊技機の場合、設定変更後又はボーナス終了後にカウンタをリセットし、通常遊技中、特定役に当選する度に当選役に対応するポイントを獲得できるようにしてもよい。
自力解除ゾーン等で獲得したポイントは、分類毎又は分類に関係なく、その合計値を算出し、後述するリールアクション選択の際に利用する。なお、リールアクションは、合計値が所定値に到達したとき又は区切りの値に到達する度に選択される。
次に、図10(b)を参照して、ビッグボーナス中における小役出現率について説明する。ビッグボーナス中の小役合成(当選率)と個別出現率は、通常遊技中の約10倍となっている。
分類1の「スイカ役」の小役合成(当選率)は、1/5.6である。種別、振分け率は同じであるが、獲得ポイントは、「弱スイカ」が1、「強スイカ」が2である。
分類2の「チェリー役」の小役合成は、1/7.3である。種別、振分け率は同じであるが、獲得ポイントは、「単(チェリー)」が2、「2連(チェリー)」が3、「3連(チェリー)」が5である。また、「中段チェリー役」の小役合成は、1/819.2であり、種別、振分け率は同じであるが、獲得ポイントは、15である。
分類3の「チャンス目」の小役合成は、1/12.1である。種別、振分け率は同じであるが、獲得ポイントは、「スベリ無し弱」が3、「スベリ無し強」が5、「スベリ有り弱」が3、「スベリ有り強」が4である。また、レア役の合成当選率は、1/2.5である。
ビッグボーナスは、例えば、30ゲームで終了するが、遊技者は各ゲームで当選役に対応するポイントを獲得することができる。ビッグボーナス中(本発明の「所定期間」の一例)に獲得したポイントは、分類毎、又は分類に関係なくその合計値を算出し、後述するリールアクション選択の際に利用する。
ビッグボーナスのない回胴式遊技機の場合、AT遊技中の上乗せ特化ゾーンにおいて、特定役に当選する度に当選役に対応するポイントを獲得できるようにしてもよい。なお、「上乗せ特化ゾーン」とは、AT遊技のゲーム数を加算するチャンスが連続的又は集中して発生する特定遊技状態であり、本発明の「所定期間」の一例である。
(3−6.リールアクション選択テーブル:図11)
図11は、本実施形態のリールアクション選択テーブルを示した図である。ここで、「リールアクション」とは、通常の変動方向、変動速度とは異なる態様で回胴5a〜5cの一部又は全部を動作させ、ボーナス役や特定の小役の当選を報知する演出をいう。
例えば、「フリーズ」と呼ばれるリールアクションは、遊技者がゲームを開始しようとして回胴回転始動レバー11を操作するものの、一定期間は回胴5a〜5cの図柄変動が開始しない(不動状態)。すなわち、遊技がロックされ、遊技者に対し一切の操作が無効となったという印象を与える演出である。
「フリーズ」のみでもリールアクションとして成立するが、本実施形態では、「フリーズ」の後、回胴5a〜5cを通常とは異なる下方から上方へ向かって高速で変動する「高速逆回転」を組合せたリールアクションを実行する。1つの回胴のみが他の回胴に遅れて変動を開始する「遅れ変動」等を実行してもよい。
まず、図11(a)を参照して、分類毎の獲得ポイント別リールアクション選択率(パターン1)について説明する。
ここでは、ビッグボーナスや自力解除ゾーン等の特定遊技状態が終了したとき、分類1(「スイカ役」)、分類2(「チェリー役」、「中段チェリー役」)、分類3(「チャンス目」)毎に獲得ポイントを集計する。
例えば、各分類の獲得ポイントが1〜7であったとき、獲得ポイント「1〜7」の場合のリールアクション選択が実行される。具体的な選択率は、アクションAが93.6%、アクションBが3.8%、アクションCが1.5%、アクションDが0.8%、アクションEが0.3%で、合計100.0%である。アクションA〜Eの内容は後述するが、アクションAからアクションEに順にAT遊技に当選し易い、又はAT遊技状態が継続し易いものとなっている。
また、各分類の獲得ポイントが8〜14であったとき、獲得ポイント「8〜14」の場合のリールアクション選択が実行される。このときの選択率は、アクションAが34.4%、アクションBが27.5%、アクションCが18.3%、アクションDが12.2%、アクションEが7.6%であるから、獲得ポイント「1〜7」の場合と比較してアクションD、Eが発生し易くなる。
同様に、各分類の獲得ポイントが15〜21であったとき、獲得ポイント「15〜21」の場合のリールアクション選択が実行され、獲得ポイントが22以上であったとき、獲得ポイント「22〜」の場合のリールアクション選択が実行される。なお、獲得ポイント「22〜」の場合の選択率は、アクションA〜Dが0.0%、アクションEが100.0%であるから、必ずアクションEが発生する。
パターン1は、分類毎にリールアクション選択が実行されるので、上記の例では、リークアクションが合計3回発生することになる。これにより、遊技者はリールアクションを楽しむことができ、遊技に飽きることがなくなる。
なお、リールアクションの後、回胴5a〜5cが特定の出目で停止した場合には、AT遊技状態への移行が確定するか、AT遊技のゲーム数を加算する。特定の出目で停止しなかった場合には、AT遊技状態に移行せず、AT遊技のゲーム数も加算されない。
次に、図11(b)を参照して、合計の獲得ポイント別リールアクション選択率(パターン2)について説明する。
ここでは、ビッグボーナスや自力解除ゾーン等の特定遊技状態が終了したとき、分類1(「スイカ役」)、分類2(「チェリー役」、「中段チェリー役」)、分類3(「チャンス目」)の合計の獲得ポイントを集計する。
各分類の合計の獲得ポイントが1〜4であったとき、獲得ポイント「1〜4」の場合のリールアクション選択が実行される。具体的な選択率は、アクションAが93.6%、アクションBが3.8%、アクションCが1.5%、アクションDが0.8%、アクションEが0.3%で、合計100.0%である。
同様に、各分類の合計の獲得ポイントが5〜9であったとき、獲得ポイント「5〜9」の場合のリールアクション選択が実行され、獲得ポイントが10〜14であったとき、獲得ポイント「10〜14」の場合のリールアクション選択が実行される。合計の獲得ポイントが大きくなるほど、アクションD、Eが発生し易くなり、獲得ポイントが35以上となったとき、必ずアクションEが発生する。
例えば、獲得ポイントが10を超える度にリールアクション選択を実行してもよい。これにより、パターン2によっても複数回、リールアクションが発生することになり、遊技の興趣が向上する。このとき、回数を重ねる度にアクションA→Bのようにリールアクションを発展させてもよいし、アクションA+Bのように2つのアクションが選択されるようにしてもよい。
(3−7.リールアクションの例:図12A、12B)
次に、図12A、12Bを参照して、リールアクション(アクションA〜E)の例を説明する。なお、後述するリールアクションA〜Eは、本発明の「回胴演出」に相当する。
アクションAは、左の回胴5aのみ高速逆回転するものである(図12A(a)参照)。5〜10秒間、回胴5a〜5cを動作させた後、所定の出目で図柄が停止する。回胴5aを高速逆回転させた後に通常の回転に戻し、その後、回胴5a〜5cを停止させてもよい。AT継続抽選の当選率は5%であり、アクションA〜Eの中では最も低い。
アクションBは、左の回胴5a及び中央の回胴5bが高速逆回転するものである(図12A(b)参照)。AT継続抽選の当選率は、25%である。また、アクションCは、左の回胴5a及び右の回胴5cが高速逆回転するものである(図12A(c)参照)。AT継続抽選の当選率は、50%である。また、アクションDは、全ての回胴5a〜5cが高速逆回転するものである(図12A(d)参照)。AT継続抽選の当選率は、75%である。
アクションEは、全ての回胴5a〜5cが上下方向にガタガタ揺れ、今にも回転が始まるような動作をした後、高速逆回転するものである(図12B(e)参照)。AT継続抽選の当選率は、100%であり、アクションA〜Eの中では最も高い。
アクションA〜Eを組合せた新たなアクションを発生させることもできる。例えば、アクションA+BやアクションC+Dの組合せを作ることで、発生するリールアクションの種類を増やすことができる。
AT継続抽選に当選し、AT遊技状態が継続する場合には、例えば、回胴5a〜5cが右上がりに「青7・青7・青7」のような特定図柄で自動停止し、液晶画面6aに「+30G」が表示される(図12B(f)参照)。これは、AT遊技が30ゲーム加算されたことを報知する表示である。
図示しないが、AT継続抽選に初めて当選した場合には、液晶画面6aに「AT突入!」等の表示をしてもよい。一方、AT継続抽選に外れた場合には、液晶画面6aに「残念!」等の表示がされると共に、回胴の有効入賞ライン上には特定図柄が揃わない。
<4.主制御基板による制御処理>
(4−1.主制御側メイン処理:図13)
次に、本実施形態の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。図13は、遊技動作制御プログラムに従い、主制御基板400(以下、主制御手段という)が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。主制御手段は、電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS11〜ステップS27の処理を行う。
まず、主制御手段は、RAM初期化処理を行う(ステップS11)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するための処理である。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御手段は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ、MB作動中フラグなどを設定する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、主制御手段は、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御手段は、始動レバーが操作されたか否かを判定する(ステップS14)。これは、遊技者によって回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、主制御基板400が回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視する。
回胴回転始動レバー11が操作された場合には、「YES」の判定となり、ステップS15に進む。一方、回胴回転始動レバー11が操作されていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS13に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS15の処理には移行しない。
ステップS15では、主制御手段は、内部抽選用乱数取得処理を行う。主制御手段は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16では、主制御手段は、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、ステップS15で取得した内部抽選用乱数値と役抽選テーブル(図7A参照)とに基づいて当選役を決定し、その抽選結果情報を設定する処理である。以下、内部抽選処理の詳細を説明する。
(4−2.内部抽選処理:図14)
図14は、図13中の内部抽選処理(ステップS16)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、遊技状態を取得する(ステップS161)。具体的には、図13のステップS12で設定した遊技状態フラグを取得する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御手段は、遊技状態に応じた役抽選テーブルを選択する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態の状態1である場合には、図7Aの「状態1」の列を選択する。その後、ステップS163に進む。
ステップS163では、主制御手段は、役抽選テーブルと抽選用乱数値に基づき当選役を抽選する。具体的には、取得した内部抽選用乱数の値(図13:ステップS15)と選択された役抽選テーブルに記憶されている判定値とを比較し、当選役を抽選する。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、主制御手段は、抽選結果に基づき当選役データ(図8参照)と停止制御用データを設定する。例えば、内部抽選の結果、「BB」が当選した場合には、図8の当選役データの1バイト目ビット1を設定する。同時に、停止制御用データ設定テーブル(図示省略)から当選役に応じた停止制御用データを設定する。その後、ステップS165に進む。
最後に、主制御手段は、遊技開始コマンドをセットする(ステップS165)。「遊技開始コマンド」には、当選役に関する情報や、現在の遊技状態に関する情報が含まれるが、後に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、内部抽選処理を終了する。
なお、この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は遊技毎にクリアされるが、ボーナス役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
図13に戻り、内部抽選処理(ステップS16)が終了すると、主制御手段は、リール演出処理(ステップS17)を行う。以下、リール演出処理の詳細を説明する。
(4−3.リール演出処理:図15)
図15は、図13中のリール演出処理(ステップS17)の内容を示すフローチャートである。リール演出処理は、回胴5a〜5cが通常の回転起動を開始する前に、演出としての動作(リールアクション)する場合の制御処理である。
まず、主制御手段は、所定期間が終了したか否かを判定する(ステップS171)。ここで、「所定期間」とは、ビッグボーナスや自力解除ゾーン等の特定遊技状態の期間である。所定期間が終了した場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、まだ所定期間が終了していない場合には、「NO」の判定となり、リール演出処理を終了する。
所定期間が終了した場合(ステップS171でYES)、主制御手段は、獲得ポイントが所定値に到達したか否かを判定する(ステップS172)。所定値に到達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS173に進む。一方、まだ所定値に到達していない場合には、「NO」の判定となり、リール演出処理を終了する。
獲得ポイントが所定値に到達した場合(ステップS172でYES)、主制御手段は、獲得ポイントに応じたリール演出選択テーブルを選択する(ステップS173)。リール演出選択テーブルは、図11のリールアクション選択テーブルのことである。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御手段は、リール演出選択処理を行う。例えば、獲得ポイントが「1〜7」である場合、パターン1のリール演出選択処理では、93.6%の確率でアクションAが選択される(図11参照)。その後、ステップS175に進む。
ステップS175では、主制御手段は、フリーズ開始処理を行う。これは、リール演出の実行前に回胴5a〜5cを一度、不動状態とする処理である。その後、ステップS176に進む。
ステップS176では、主制御手段は、リール演出実行処理を行う。これは、リール演出選択処理(ステップS174)で選択されたリール演出(アクションA〜E又はこれらの組合せ)を実行する処理である。その後、ステップS177に進む。
ステップS177では、主制御手段は、結果報知処理を行う。これは、リール演出の後に、AT継続抽選の結果を報知する処理である(図12B(f)参照)。その後、ステップS178に進む。
最後に、主制御手段は、フリーズ解除処理を行う(ステップS178)。ここでは、回胴5a〜5cの不動状態を解除するので、通常の回転準備が整う。その後、リール演出処理を終了する。
なお、分類毎の獲得ポイントでリール演出選択処理を実行する形態や、獲得ポイントが区切りの値に到達する度にリール演出選択処理を実行する形態の場合には、S172〜S177の処理を複数回ループするようにすればよい。
図13に戻り、リール演出処理(ステップS17)が終了すると、主制御手段は、回胴回転開始設定処理(ステップS18)を行う。以下、回胴回転開始設定処理の詳細を説明する。
(4−4.回胴回転開始設定処理:図16)
図16は、図13中の回胴回転開始設定処理(ステップS18)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、ウェイトタイマを取得する(ステップS181)。ウェイトタイマは、次の遊技を開始するまでの時間を設定するためのタイマである。その後、ステップS182に進む。
次に、主制御手段は、ウェイトタイマが0であるか否かを判定する(ステップS182)。ウェイトタイマの設定時間(4.1秒)が経過するまでは、遊技者による遊技を開始する操作が無効とされる。
ウェイトタイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、ウェイトタイマが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合、主制御手段は、待ち時間が消費したか否かを判定する(ステップS183)。待ち時間が消費するまでは、「NO」の判定となり、ループする。一方、待ち時間が消費した場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。これにより、次の遊技が開始可能となるまでに少なくとも4.1秒かかるようになっている。
ステップS182、S183の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ウェイトタイマをセットする(ステップS184)。具体的には、0となったウェイトタイマに再度、4.1秒をセットする。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、主制御基板400は、回転起動処理を行う。この回転起動処理では、リール演出の有無を確認し、これに応じたリールの起動設定及び時間設定を行う。その後、ステップS186に進む。
最後に、主制御手段は、回胴回転始動時のデータ設定を行う(ステップS186)。具体的には、回胴の回転状態を示す回転状態フラグをセットし(全回胴回転中)、制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作されたときに生成される「回胴回転開始コマンド」をセットする。その後、回胴回転開始設定処理を終了する。
再び、図13に戻り、回胴回転開始設定処理(ステップS18)が終了すると、主制御手段は、回胴停止処理(ステップS19)を行う。以下、回胴停止処理の詳細を説明する。
(4−5.回胴停止処理:図17)
図17は、図13中の回胴停止処理(ステップS19)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、回胴回転停止ボタン12a〜12cの有効な停止操作があったか否かを判定する(ステップS191)。回胴回転始動レバー11が操作されて回胴5a〜5cが回転を開始した後、全ての回胴が概ね一定の回転速度になる。このとき、回胴5a〜5cに対応する回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作が受付可能な状態となる。
回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作は、上記の受付可能な状態となった場合にのみ有効となり、受付可能な状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても無効な操作として扱われる。
有効な停止操作(第1停止操作)があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS192に進む。一方、有効な停止操作がなかった場合には、「NO」の判定となり、有効な停止操作があるまでループする。
ステップS192では、主制御手段は、停止準備データをセットする。停止準備データとは、回胴回転停止ボタン12a〜12cの押し順を示す停止順番データ、現在停止している回胴数を示す回胴停止数データ、停止操作の対象となる回胴を示す停止対象回胴番号、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間)であり、本ステップでこれらのデータがセットされる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御手段は、図柄停止制御処理を行う。図柄停止制御処理とは、滑りコマ数を計算して回胴5a〜5cの停止を制御する処理である。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、主制御手段は、停止結果情報コマンドをセットする。「停止結果情報コマンド」とは、図柄停止情報を含む制御コマンドである。その後、ステップS195に進む。
次に、主制御手段は、停止間隔タイマが0となったか否かを判定する(ステップS195)。停止間隔タイマとは、第1停止操作の後に、第2停止操作を受付可能とするまでの時間を計測するタイマである。
停止間隔タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS196に進む。一方、まだ停止間隔タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、当該タイマが0となるまでループする。
ステップS195の判定が「YES」である場合、主制御手段は、全ての回胴が停止したか否かを判定する(ステップS196)。第1停止操作後、第2停止操作後は、「NO」の判定となり、再度、ステップS191〜S196の処理を繰り返す。第3停止操作後は、全ての回胴が停止したことになるので、「YES」の判定となり、ステップS197に進む。
最後に、主制御手段は、入賞情報コマンドをセットする(ステップS197)。「入賞情報コマンド」には、入賞役の情報が含まれ、全回胴停止時に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、回胴停止処理を終了する。
再び、図13に戻り、回胴停止処理(ステップS19)が終了すると、主制御手段は、入賞判定処理(ステップS20)を行う。以下、入賞判定処理の詳細を説明する。
(4−6.入賞判定処理:図18)
図18は、図13中の入賞判定処理(ステップS20)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグを設定する(ステップS201)。具体的には、当り図柄フラグから、入賞役に応じたビット値をメインRAM401bの所定の領域に格納する。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、主制御手段は、当り図柄フラグに基づいて、払出枚数を算出する。具体的には、当り図柄フラグと払出枚数データテーブル(図示省略)により、メダルの払出枚数を算出する。その後、ステップS203に進む。
次に、主制御手段は、全ライン終了か否かを判定する(ステップS203)。全ての有効入賞ラインについて、払出枚数の算出が終了していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS202、S203の処理を繰り返す。一方、全ラインについて払出枚数の算出が終了した場合には、「YES」の判定となり、ステップS204に進む。
ステップS204では、主制御手段は、払出枚数データテーブルを参照し、払出枚数を設定する。例えば、「ベル1」に入賞した場合には、払出枚数データテーブルの「ベル1」を参照して、払出枚数の情報を取得する。その後、ステップS205に進む。
最後に、主制御手段は、誤入賞判定処理を行う(ステップS205)。詳細は省略するが、当選フラグ(当選役)の反転値と、当り図柄フラグ(入賞役)の論理積を演算することで誤入賞を判定する処理である。その後、入賞判定処理を終了する。
再び、図13に戻り、ステップS20の入賞判定処理が終了すると、主制御手段は、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。主制御手段は、上述の入賞判定処理で取得した払出枚数に基づいてクレジットの加算、又はホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す。さらに、各制御動作にエラーがないか否かを監視する。その後、ステップS22に進む。
次に、主制御手段は、再遊技役が停止したか否かを判定する(ステップS22)。再遊技役が停止した場合には、「YES」の判定となり、ステップS23に進む。一方、再遊技役が停止していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS24に進む。
ステップS22の判定が「YES」である場合、主制御手段は、再遊技開始設定処理を行う(ステップS23)。これは、再遊技(リプレイ遊技)の作動開始を設定する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ステップS22の判定が「NO」である場合、主制御手段は、ボーナス遊技作動中か否かを判定する(ステップS24)。現在、ボーナス遊技の作動中である場合には、「YES」の判定となり、ステップS25に進む。一方、ボーナス遊技の作動中でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS26に進む。
ステップS24の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。これは、ボーナス遊技を継続又は終了するため監視処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ステップS24の判定が「NO」である場合、主制御手段は、ボーナス役が停止したか否かを判定する(ステップS26)。ボーナス役が停止した場合には、「YES」の判定となり、ステップS27に進む。一方、ボーナス役が停止していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ステップS26の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
(4−7.主制御側タイマ割込み処理:図19)
図19は、本実施形態の主制御基板でのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。以下では、1.5ms毎に実行される前記タイマ割込み処理について説明する。
まず、主制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS301)。これは、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる処理である。その後、ステップS302に進む。
ステップS302では、主制御手段は、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、回胴式遊技機に設けられたスイッチやセンサ類の検出情報を取得する。その後、ステップS303に進む。
ステップS303では、主制御手段は、回胴回転制御処理を行う。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータ211a〜211cに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴5a〜5cの回転位置やその速度を監視したりする。その後、ステップS304に進む。
ステップS304では、主制御手段は、定期更新処理を行う。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマの更新や、ウォッチドッグタイマの定期的なクリア等を行う。その後、ステップS305に進む。
ステップS305では、主制御手段は、コマンド出力処理を行う。これは、遊技の進行に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割込みで1つの演出制御コマンドが送信される。その後、ステップS306に進む。
ステップS306では、主制御手段は、表示出力処理を行う。表示出力処理では、回胴式遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。その後、ステップS307に進む。
ステップS307では、主制御手段は、異常監視処理を行う。異常監視処理では、上記ポート入力処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、回胴式遊技機の異常を監視する。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、主制御手段は、外部情報信号出力処理を行う。これは、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。
上記の各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、上記メダル投入信号や上記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。その後、ステップS309に進む。
最後に、主制御手段は、レジスタ復帰処理を行って、レジスタの内容を復帰させる(ステップS309)。その後、主制御側タイマ割込み処理を終了する。以上、主制御側が行う処理について説明した。
<5.副制御部による制御処理>
(5−1.副制御側メイン処理:図20)
次に、主に演出制御基板420が実行する副制御側の処理内容について説明する。図20は、演出制御プログラムに従い演出制御基板420(以下、演出制御手段という)が実行する副制御側のメイン処理を示すフローチャートである。
回胴式遊技機に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、図20に示す副制御側メイン処理が開始する。
まず、演出制御手段は、初期設定を行う(ステップS401)。これは、電源投入時に行われる遊技動作開始前に必要な初期設定である。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、演出制御手段は、演出用乱数更新処理を行う。具体的には、演出を選択するために用いられる演出用乱数を定期的に更新する処理である。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、演出制御手段は、割込み許可状態に設定する。具体的には、コマンド受信割込み、タイマ割込み、外部INT等の割込み処理を許可する状態とする。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、演出制御手段は、割込み禁止状態に設定する。すなわち、ステップS403とステップS404の間の期間で各種割込み処理が実行される。その後、ステップS405に進む。
最後に、演出制御手段は、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS405)。なお、副制御側メイン処理では、電源断が発生しない限り、ステップS402〜S405の処理を繰り返し実行する。
(5−2.副制御側タイマ割込み処理:図21)
最後に、図21を参照して、副制御側タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、副制御側メイン処理に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、演出制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS411)。その後、ステップS412に進む。
ステップS412では、演出制御手段は、定期更新処理を行う。これは、演出等に用いられる各種タイマを更新する処理である。その後、ステップS413に進む。
ステップS413では、演出制御手段は、コマンド受信処理を行う。具体的には、主制御手段から送信された制御コマンドの種類を判別し、制御コマンドに基づいた処理を行う。その後、ステップS414に進む。
ステップS414では、演出制御手段は、演出シナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した演出制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等の概要を設定する。その後、ステップS415に進む。
ステップS415では、演出制御手段は、出力処理を行う。具体的には、液晶画面視認部4の表示や、スピーカ16による音声、装飾ランプ部13による光を出力する。その後、ステップS416に進む。
最後に、演出制御手段は、レジスタ復帰処理を行う(ステップS416)。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、副制御側が行う処理について説明した。
上記のように、本実施形態の回胴式遊技機は、所定期間中に内部抽選で特定の役に当選した場合に、その役の種類に応じたポイントを加算記憶する。そして、獲得したポイントの合計値に基づいてリールアクション(回胴演出)が選択され、実行される。従って、変化に富んだリールアクションを実行して、遊技の興趣を高めることができる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。
リールアクションは、遊技者の操作を契機に、獲得したポイントの合計値に基づいて選択可能としてもよい。例えば、遊技者が操作手段(始動レバー、BETボタン、チャンスボタン、停止ボタン等)を操作することで、リールアクションを選択できるようにする。これにより、能動的な遊技性となるので、遊技者の遊技意欲が向上する。
また、遊技者の操作を契機にリールアクションを実行可能としてもよい。遊技者の操作が可能となるタイミングは、所定期間の終了後の1ゲーム目としてもよいし、1〜5ゲーム目の間で遊技者が任意に決定できるようにしてもよい。また、予め定められたゲームで、遊技者が操作手段を操作したとき、突然、リールアクションが実行されるようにしてもよい。
また、上記のリールアクションの選択、実行を組合せて使用することも可能である。これにより、遊技者の能動的な遊技参加が期待できるとともに、遊技に意外性を持たせることができる。
ポイントの代わりとして、特定の役の種類に応じた「時間」を加算記憶するようにしてもよい。例えば、特定の役に当選する度に時間が加算され、合計30秒となった場合、30秒間で実行可能なリールアクションを複数回実行するようにする。
さらに、獲得したポイントの合計値が所定値に到達する度にリールアクションを選択するのと同様に、所定の時間(例えば、15秒)に到達する度にリールアクションを選択するようにしてもよい。このとき、アクションA→B→Cのように順番に選択したり、アクションA→A+B→A+B+Cのように選択することで、リールアクションを発展させることもできる。
今回、遊技者に有利な特典遊技としてAT遊技を例示したが、本発明は、これに限られるものではない。特典遊技は、リプレイ役の当選確率を高くするRT(リプレイタイム)遊技や、AT遊技とRT遊技を組合せたART(アシストリプレイタイム)遊技であってもよい。
以上、本実施形態として回胴式遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、パロット機等の他の遊技機にも適用可能である。