JP6095177B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、メダルやパチンコ玉のような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
上述した遊技機においては、制御処理で必要となるデータの容量を軽減するために、基準となる値(基準値)と、データ容量が小さい演算用の値(演算値)と、を有し、基底値と演算値とを用いて、制御処理で用いる値を導出する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された遊技機においては、例えば、設定値「1」における抽選確率データを基準値とし、基準値と設定値「2」〜「6」における各抽選確率データとの差分値を予め設定した増分係数で除算することでデータの容量を小さくした値を演算値としている。そして、例えば設定値「2」における抽選確率データが必要な制御処理を実行する場合、設定値「2」における演算値に増分係数を乗算し、乗算した値を基底値に加算することで、データの容量が大きい設定値「2」における抽選確率データを記憶することなく設定値「2」における抽選確率データを導出でき、設定値「2」における抽選確率データを用いた制御処理を実行する。
特開2001−104544号公報
ところで、近年、遊技機においては、制御処理の実行時において用いる値(制御値)の数を増やし、用いると決定した制御値によって制御処理の内容に多様性が出るように構成することで、遊技性を向上させている。データ容量を削減しつつ制御値の数を増やすために、複数の抽選テーブルから決定される複数の値を用いて制御値を導出する構成が考えられる。
しかし、制御値を用いる制御処理の数が増えると、制御処理毎に制御値を導出するため、複数の抽選テーブルから決定される複数の値が制御処理の数の分だけ必要であることから、制御処理の数に比例して複数の抽選テーブルの数が増えてしまい、データ容量が増大してしまう。
そこで、本発明は、データ容量を増やすことなく多様な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的としている。
(1)本発明は、乱数を生成する乱数生成手段(110)と、
抽選により決定される値を用いる制御処理で用いられる値である制御値を決定する制御値決定手段(180)と、
前記制御値決定手段が前記乱数生成手段から取得する乱数に対して、基底値が対応付けられた共通テーブル及び中間値が対応付けられた複数の中間テーブルを記憶するテーブル記憶手段(196)と、を備え、
前記制御値決定手段は、
前記乱数生成手段から取得した乱数と、前記テーブル記憶手段に記憶されている前記共通テーブルと、を参照して前記基底値を決定する基底値決定処理と、
前記乱数生成手段から取得した乱数と、前記テーブル記憶手段に記憶されている前記複数の中間テーブルのうち少なくとも1つの中間テーブルと、を参照して少なくとも1つの前記中間値を決定する中間値決定処理と、
前記基底値決定処理で決定した前記基底値と、前記中間値決定処理で決定した少なくとも1つの前記中間値と、を用いて少なくとも1つの前記制御値を決定する制御値決定処理と、を実行する、ことを特徴とする。
本発明では、制御値決定手段が、基底値決定処理において、乱数生成手段から取得した乱数と共通テーブルとを参照して基底値を決定し、中間値決定処理において、乱数生成手段から取得した乱数と複数の中間テーブルのうち少なくとも1つの中間テーブルとを参照して中間値を決定する。そして、制御値決定処理において、基底値決定処理で決定した基底値と中間値決定処理で決定した少なくとも1つの中間値とを用いて、少なくとも1つの制御値を決定する。
つまり、本発明の遊技機は、いずれの制御値を決定する場合においても変更されない共通テーブルを参照して決定される基底値と、決定する制御値によって変更可能な中間テーブルを参照して決定される中間値と、を用いて制御値を決定するため、制御値を決定するために必要なデータを削減でき、データ容量を増やすことなく多様な遊技性を実現可能となる。
(2)また、本発明の遊技機は、前記複数の中間テーブルにおいて、それぞれ前記中間値に対応付けられている乱数は、同一のバイト数で構成される、ことを特徴とする。
このため、本発明の遊技機は、中間テーブルを参照する際に必要な乱数のバイト数がいずれの中間テーブルを参照する場合にも同一であることから、使用する中間テーブルに応じて取得する乱数のバイト数を変更する必要がなく、データ容量を削減することができる。
(3)また、本発明の遊技機は、前記共通テーブルにおいて、前記基底値に対応付けられている乱数は、前記複数の中間テーブルにおいて、それぞれ前記中間値に対応付けられている乱数と同一のバイト数で構成される、ことを特徴とする。
このため、本発明の遊技機は、共通テーブルを参照する際に必要な乱数のバイト数がいずれの中間テーブルを参照する場合と同一であることから、基底値決定処理を実行する場合と中間値決定処理で実行する場合とで取得する乱数のバイト数を変更する必要がない。つまり、本発明の遊技機は、制御値を決定するために必要となる乱数のバイト数を変更する必要がなく、データ容量を削減することができる。
本発明によれば、データ容量を増やすことなく多様な遊技性を実現可能な遊技機を提供することができる。
本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。 (A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、演出状態の状態遷移図である。 (A)は、本発明の実施形態の遊技機の基底値抽選テーブルを示す図、(B)は、第1中間値抽選テーブルを示す図、(C)は、第2中間値抽選テーブルを示す図である。 本発明の実施形態の遊技機における遊技において実行される遊技の制御処理を示すフローチャートである。 図5に示した遊技の制御処理において実行される基底値抽選処理を示すフローチャートである。 図5に示した遊技の制御処理において実行される制御値設定処理を示すフローチャートである。 図7に示した制御値設定処理において実行される第1制御値抽選処理を示すフローチャートである。 図7に示した制御値設定処理において実行される第2制御値抽選処理を示すフローチャートである。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がオン動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210と、複数の操作検出手段としてのベットスイッチ220、スタートスイッチ230及びストップスイッチ240と、の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作を制御する。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
また、遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180及び記憶手段190を含む。遊技制御手段100を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、遊技制御手段100を構成する各手段が実行する制御処理において、各手段が取得する乱数を生成する手段である。乱数を発生させる複数のハードウェアカウンタと、ハードウェアカウンタから発生した乱数を格納する複数の乱数格納領域と、を有している。各ハードウェアカウンタは、それぞれ0〜65535の65536個の値の範囲で循環するインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)によって構成され、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号が入力された場合に、乱数として2バイトの乱数を発生させて各乱数格納領域に乱数を格納する。
なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号が入力されることに基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。
各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。ここで、遊技状態が通常状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「内部抽選テーブルA」と記載)と、遊技状態がボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「内部抽選テーブルB」と記載)と、は、小役の当選確率が同一に設定されており、小役として、入賞時に規定投入枚数よりも多いメダルの払い出しが実行される複数種類のベル役と、入賞時に規定投入枚数よりも少ないメダルの払い出しが実行されるとともに、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞可能となる複数種類の取りこぼし役とにそれぞれ乱数値が対応付けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのビッグボーナス(以下、「BB」と記載)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、BBが抽選対象として設定されている。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAとリプレイの当選確率が異なっており、内部抽選テーブルAにおけるBB及びハズレの代わりにリプレイを抽選対象とすることで、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高くなるように設定されている。遊技状態がボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「内部抽選テーブルC」と記載)は、小役として、複数種類のベル役に重複して当選するJAC1と、複数種類の取りこぼし役に重複して当選するJAC2とに乱数値が対応付けられている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBBに当選すると、BBの抽選フラグの当選状態を、BBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチからリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」と記載)の数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、BB、リプレイ、ベル役、取りこぼし役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
本実施形態において、複数種類のベル役は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず必ず入賞可能なベル役と、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞可能なベル役と、のいずれであってもよい。ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能なベル役の入賞図柄組合せを構成する各図柄は、押下検出位置に関わらずに有効ラインL1上に表示可能な位置関係で第1リールR1〜第3リールR3にそれぞれ配列されている。また、リプレイも同様に各ストップボタンの押下タイミングによらずに必ず入賞できるように構成されている。一方、BBと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞可能なベル役と、取りこぼし役と、は、各入賞役の入賞図柄組合せを構成する図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように、各リールに配列されている。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、規定投入枚数よりも多い払出数に設定されている複数種類のベル役の配当は、いずれも8枚に定められている。また、規定投入枚数よりも少ない払出数に設定されている複数種類の取りこぼし役の配当は、いずれも1枚に定められている。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上にリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図3(A)に示すように、通常状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。ここで、遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。なお、本実施形態において、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態を有しているが、これに限らず、例えば、通常状態やボーナス成立状態とはリプレイの当選確率が異なるリプレイタイム状態(RT状態)を有していてもよく、また、それぞれリプレイの当選確率が異なる複数のRT状態を有していてもよい。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてBBが当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また、通常状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定され、かつBBが抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。内部抽選テーブルBにおいては、上述した通り、BBが持越可能フラグに対応付けられた当選役であることから、BBを抽選対象から除外し、BBの代わりにリプレイが抽選対象となっている。このため、内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高く設定されている。
また、ボーナス成立状態では、上述した通り、BBが入賞するまでBBに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。遊技状態移行制御手段170は、BBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されると、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、BBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち他の内部抽選テーブルとは小役の当選確率が異なる構成の内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
また、ボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段170は、予め定められた所定枚数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数によって終了条件が定められていてもよい。また、ボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1〜第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1〜第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
本実施形態のスロットマシン1では、演出制御手段180が、図3(B)に示すように、通常演出状態、チャンスゾーン状態(CZ状態)、特別演出状態としてのアシストタイム状態(AT状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定の移行条件の成立に基づき、演出状態をCZ状態やAT状態に移行する制御を行う。また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
通常演出状態は、演出状態がCZ状態及びAT状態でない場合に実行される演出状態であり、他の演出状態に移行するまで継続する演出状態である。通常演出状態において、演出制御手段180は、予め定められた所定の当選役に当選した場合又は後述するポイント加算演出の実行時に加算した値が所定の値となった場合にCZ状態に移行するか否かを抽選により決定するCZ抽選を実行する。また、通常演出状態において、演出制御手段180は、所定の当選役とは異なる特定の当選役に当選した場合にAT状態に移行するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。
CZ状態は、演出状態が通常演出状態であり、通常演出状態においてCZ抽選に当選した場合に移行する演出状態である。CZ状態において、演出制御手段180は、CZ状態の開始時にCZ終了判定カウンタ197に所定のゲーム数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、1ゲームごとにAT状態に移行するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、予め定められた当選役に当選した場合にのみAT抽選が実行される通常演出状態よりもAT状態に移行しやすい演出状態となっている。演出制御手段180は、AT抽選に当選した場合には、演出状態をCZ状態からAT状態に移行する。また、演出制御手段180は、AT抽選に当選することなく予め設定された遊技回数(例えば、10ゲーム)の遊技が実行され、CZ終了判定カウンタ197の記憶値が0となった場合に、CZ状態から通常演出状態に演出状態を移行しCZ状態を終了する。
AT状態は、通常演出状態及びCZ状態において実行されるAT抽選に当選した場合と、AT状態に移行することなく所定の遊技回数(例えば、1000ゲーム)の遊技が実行された場合とに移行する演出状態である。AT状態において、演出制御手段180は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞可能なベル役の当選時に、遊技情報表示部DSに該ベル役を入賞可能なストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングを示唆する表示を実行するとともに、該ベル役に当選したことを報知する演出として、例えば該ベル役を構成する入賞図柄組合せを表示装置330に表示させることで、該ベル役を入賞可能な押下タイミングを示唆する入賞を補助する入賞補助演出を演出装置300に実行させる。このため、AT状態は、遊技者がメダルを獲得することが容易な遊技者にとってメダルの払い出しに関して有利な演出状態となっている。
また、演出制御手段180は、AT状態の開始時に設定される遊技回数(例えば、50ゲーム)の遊技が実行された場合に、AT状態から通常演出状態に演出状態を移行しAT状態を終了する。なお、本実施形態において、AT状態は、通常演出状態から移行する場合と、CZ状態から移行する場合と、AT状態に移行することなく1000ゲームの遊技が実行されて移行する場合とのいずれの場合であっても、AT状態の開始時にAT終了判定カウンタ198にセットされるATゲーム数として同一の値(50ゲーム)がセットされるが、これに限らず、例えばAT状態への移行契機によってAT終了判定カウンタ198にセットされる値がそれぞれ異なるように構成されていてもよい。このように構成する場合、スロットマシン1は、AT状態の移行契機によってAT状態の利益を享受できる回数が変化するため、遊技者にいずれの移行契機の成立を狙うかを選択させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
そして、演出制御手段180は、表示装置330やスピーカ等を用いて演出状態の移行に係る処理を示唆する示唆演出を実行する。本実施形態において、演出制御手段180は、示唆演出として、演出状態が通常演出状態である場合に、遊技の実行ごとに表示装置330に表示する数字を加算するポイント加算演出と、演出状態がAT状態であり、かつATゲーム数を増加させる条件が成立した場合に、所定の回数の遊技が実行されるまで、遊技の実行ごとに表示装置330に表示されている数字を減算するポイント減算演出と、を実行する。
ポイント加算演出において、演出制御手段180は、所定の値になるまで遊技の実行ごとに記憶手段190の加算演出カウンタ(不図示)の記憶値を加算し、加算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することで、表示装置330に表示されている値を加算する演出を実行する。そして、演出制御手段180は、表示装置330に表示されている値が所定の値になった場合、つまり、加算演出カウンタの記憶値が所定の値(例えば300)以上となった場合に、CZ抽選処理を実行するとともに、表示装置330にCZ抽選処理を実行したことを示唆する演出を実行する。なお、加算演出カウンタは、初期値が0に設定され、後述する設定した制御値に基づく演出処理(図5のステップS12参照)において、第1制御値が設定されている場合に、該第1制御値が加算されるカウンタである。
ポイント減算演出において、演出制御手段180は、ポイント減算演出が継続するゲーム数を表示し、ポイント減算演出が継続するゲーム数が0となるまでは、遊技の実行ごとに記憶手段190の減算演出カウンタ(不図示)の記憶値を減算し、減算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することで、表示装置330に表示されている値を減算する演出を実行する。そして、演出制御手段180は、表示装置330に表示されている値が0(0以下)になった場合、つまり、減算演出カウンタの記憶値が0(0以下)となった場合に、AT終了判定カウンタに値を加算する処理を実行するとともに、表示装置330にATゲーム数を加算する処理を実行したことが示唆する演出を実行する。なお、減算演出カウンタは、初期値が例えば1000に設定され、後述する設定した制御値に基づく演出処理(図5のステップS12参照)において、第2制御値が設定されている場合に、該第2制御値が減算されるカウンタである。
演出制御手段180は、ポイント加算演出及びポイント減算演出の実行時において、加算するポイント及び減算するポイントを乱数を用いた抽選を実行して決定している。図4は、演出制御手段180がポイント加算演出及びポイント減算演出の実行時において、テーブル記憶手段としての演出抽選テーブル記憶手段196から取得する抽選テーブルを示す図である。本実施形態において、演出制御手段180は、ポイント加算演出を実行する際に、図4(A)に示す基底値抽選テーブルと、図4(B)に示す第1中間値抽選テーブルと、を用いる。また、演出制御手段180は、ポイント減算演出を実行する際に、図4(A)に示す基底値抽選テーブルと、図4(C)に示す第2中間値抽選テーブルと、を用いる。ここで、ポイント加算演出の実行時及びポイント減算演出の実行時に共通して用いられる基底値抽選テーブルは、本実施形態における共通テーブルを構成する。また、演出制御手段180が取得する乱数に対して第1中間値が対応付けられている第1中間値抽選テーブルと、演出制御手段180が取得する乱数に対して第2中間値が対応付けられている第2中間値抽選テーブルと、は、それぞれ本実施形態における中間テーブルを構成する。
図4(A)に示すように、基底値抽選テーブルは、演出制御手段180が乱数生成手段110から取得する乱数に基底値「1」、「3」、「5」、「7」、「10」が対応付けられた抽選テーブルである。また、基底値抽選テーブルには、乱数「0」〜「255」の1バイトの乱数が対応付けられている。
図4(B)に示すように、第1中間値抽選テーブルは、演出制御手段180が乱数生成手段110から取得する乱数に第1中間値「1」、「2」、「3」、「4」、「5」が対応付けられた抽選テーブルである。また、第1中間値抽選テーブルには、乱数「0」〜「255」の1バイトの乱数が対応付けられている。
図4(C)に示すように、第2中間値抽選テーブルは、演出制御手段180が乱数生成手段110から取得する乱数に第2中間値「10」、「20」、「50」、「80」、「100」が対応付けられた抽選テーブルである。また、第2中間値抽選テーブルには、乱数「0」〜「255」の1バイトの乱数が対応付けられている。
演出制御手段180は、ポイント加算演出の実行時において、まず、乱数生成手段110から取得した乱数と演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている基底値抽選テーブルとを比較して基底値を決定する。次に、演出制御手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数と演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている第1中間値抽選テーブルとを比較して第1中間値を決定する。そして、演出制御手段180は、決定した基底値と第1中間値とを乗算することで得られた値を、第1制御値として設定し、設定した第1制御値を加算演出カウンタの記憶値を加算し、加算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することで、表示装置330に表示されている値に加算する演出を実行する。
上述した通り、演出制御手段180は、基底値を、「1」、「3」、「5」、「7」、「10」のいずれか1つに決定し、第1中間値を、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のいずれか1つに決定するため、第1制御値を1〜50の範囲で設定することが可能に構成されている。つまり、演出制御手段180は、ポイント加算演出の実行時において、遊技の実行ごとに1〜50の範囲のうちの所定の値をランダムに加算する演出を実行するため、遊技ごとに異なる演出を実行可能であり、多様な遊技性を実現可能になっている。
また、演出制御手段180は、ポイント減算演出の実行時において、まず、乱数生成手段110から取得した乱数と演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている基底値抽選テーブルとを比較して基底値を決定する。次に、演出制御手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数と演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている第2中間値抽選テーブルとを比較して第2中間値を決定する。そして、演出制御手段180は、決定した基底値と第2中間値とを乗算することで得られた値を、第2制御値として設定し、減算演出カウンタの記憶値から設定した第2制御値を減算し、減算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することで、表示装置330に表示されている値を第2制御値で減算する演出を実行する。
上述した通り、演出制御手段180は、基底値を、「1」、「3」、「5」、「7」、「10」のいずれか1つに決定し、第2中間値を、「10」、「20」、「50」、「80」、「100」のいずれか1つに決定するため、第1制御値を10〜1000の範囲で設定することが可能に構成されている。つまり、演出制御手段180は、ポイント加算演出の実行時において、遊技の実行ごとに10〜1000の範囲のうちの所定の値をランダムに減算する演出を実行するため、遊技ごとに異なる演出を実行可能であり、多様な遊技性を実現可能になっている。
なお、本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また、上記コンピュータシステムにおいて、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また、上記コンピュータシステムにおいて、リールユニット310、ホッパーユニット320等は、必須の構成要件ではない。これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.遊技の実行時における制御処理
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1において、演出制御手段180が実行するポイント加算演出及びポイント減算演出に係る制御処理の詳細について説明する。
<遊技の制御処理>
図5は、本実施形態におけるスロットマシン1において、遊技制御手段100を構成する各手段が実行する1回の遊技において実行する各制御処理を示すフローチャートである。
まず、遊技制御手段100の投入受付手段105が、投入されたメダルの枚数が規定投入数か否かを判定する(S1)。この処理において、投入受付手段105は、規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されたか否かを判定し、規定投入数のメダルが投入状態に設定されるまで、ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS1の処理において、規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合には(YES)、遊技制御手段100の内部抽選手段120は、スタートスイッチ230が開始操作を検出したか否かを判定する(S2)。この処理において、内部抽選手段120は、遊技者によりスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出したか否かを判定し、スタートスイッチ230が開始操作を検出していないと判定した場合には(NO)、ステップS2の処理を繰り返す。
ステップS2の処理において、スタートスイッチ230が開始操作を検出したと判定した場合には(YES)、内部抽選手段120は、内部抽選処理を実行する(S3)。この処理において、内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、乱数生成手段110から乱数を取得するとともに、現在の遊技状態に基づき内部抽選テーブル記憶手段191から内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのいずれかを選択する。そして、内部抽選手段120は、取得した乱数を選択した内部抽選テーブルと比較し、比較結果に応じて内部抽選に当選したか否かを判定する乱数判定処理を実行する。また、内部抽選手段120は、乱数判定処理の結果に基づき、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に記憶された当選したと判定された役に対応する抽選フラグを、当選状態に設定する抽選フラグ設定処理を実行する。
次に、遊技制御手段100の演出制御手段180が、基底値抽選処理を実行する(S4)。この処理において、演出制御手段180は、乱数生成手段110から乱数値を取得するとともに、演出抽選テーブル記憶手段196から基底値抽選テーブル(図4(A)参照)を取得する。そして、演出制御手段180は、取得した乱数を基底値抽選テーブルと比較し、比較結果に応じて基底値を決定する基底値決定処理を実行する。
次に、演出制御手段180は、制御値設定処理を実行する(S5)。この処理において、演出制御手段180は、第1制御値と第2制御値とのいずれかの制御値を設定する処理を実行する。なお、演出制御手段180は、記憶手段190の演出フラグ格納領域(不図示)を参照して、セットされている演出フラグに基づき第1制御値と第2制御値とのいずれを設定するのかを選択する。
次に、遊技制御手段100のうちリール制御手段130が、リール回転処理を実行する(S6)。この処理において、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始する。次に、リール制御手段130が、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち有効なストップボタンが押下操作されたか否かを判定する(S7)。この処理において、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3が定常回転となったことを契機として、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に実行される停止操作を有効化する。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち回転中のリールに対応する有効なストップボタンが押下操作されストップスイッチ240からリール停止信号が出力されたか否かを判定し、有効なストップボタンが押下操作されていないと判定した場合には(NO)、ステップS7の処理を繰り返す。
ステップS7の処理において、有効なストップボタンが押下操作されたと判定した場合には(YES)、リール制御手段130は、押下操作されたストップボタンに対応したリールを停止する(S8)。この処理において、リール制御手段130は、抽選処理において決定された当選役(又はハズレ)に基づき、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されてから所定の停止時間として190ms以内に第1リールR1〜第3リールR3を停止するリール制御を実行する。
次に、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3のすべてが停止したか否かを判定する(S9)。この処理において、第1リールR1〜第3リールR3のうち少なくとも1つがまだ停止していないと判定した場合には(NO)、リール制御手段130は、ステップS7に処理を戻す。
ステップS9の処理において、すべてのリールが停止したと判定した場合には(YES)、遊技制御手段100のうち入賞判定手段140が、入賞判定処理を実行する(S10)。この処理において、入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3のすべてが停止したことを契機として、有効ラインL1上に表示されている図柄組合せと記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルとに基づき、予め定められた入賞の形態であるか否かを判定する。そして、入賞判定手段140は、入賞した役に対応する処理を実行する。
次に、遊技制御手段100は、入賞役に応じた各種の設定処理を実行する(S11)。ステップS11の処理において、遊技制御手段100は、例えば、ステップS10の処理でメダルの払い出しを伴う小役に入賞したと判定した場合には、入賞した小役に設定されている配当と同じ枚数のメダルを払出制御手段150に払い出させる払出処理の実行を設定する。
次に、遊技制御手段100の演出制御手段180が、設定した制御値に基づく演出処理を実行し(S12)、1回の遊技における制御処理を終了する。この処理において、演出制御手段180は、ステップS5の処理において第1制御値を設定した場合には、ポイント加算演出を実行し、第2制御値を設定した場合には、ポイント減算演出を実行する。
演出制御手段180は、ポイント加算演出の実行時においては、ステップS5の処理で決定する第1制御値を加算演出カウンタに加算し、加算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することでポイント加算演出を実行し、加算した結果、加算演出カウンタの記憶値がが所定の値(例えば300)以上となった場合に、CZ抽選処理を実行するとともに、表示装置330にCZ抽選処理を実行したことを示唆する演出を実行する。なお、演出制御手段180は、CZ抽選処理を実行した場合に、加算演出カウンタの記憶値を初期化、すなわち加算演出カウンタの記憶値を初期値である0に設定するように構成されている。
また、演出制御手段180は、ポイント減算演出の実行時においては、減算演出カウンタの記憶値からステップS5の処理で決定する第2制御値を減算し、減算演出カウンタの記憶値を表示装置330に表示することでポイント減算演出を実行し、減算した結果、減算演出カウンタの記憶値が0以下となった場合に、加算するATゲーム数を抽選により決定するとともに、表示装置330にATゲーム数を加算する処理を実行したことを示唆する演出を実行する。なお、演出制御手段180は、減算演出カウンタの記憶値が0以下になったことに基づきATゲーム数を加算する処理を実行した場合に、減算演出カウンタの記憶値を初期化、すなわち減算演出カウンタの記憶値を初期値である1000に設定するように構成されている。
これらの演出に係る処理を実行する、ステップS12の処理が、本実施形態における制御値を用いる制御処理を構成する。なお、演出制御手段180は、制御値を設定していない場合、ステップS12の処理を実行することなく遊技の制御処理を終了する。
<基底値抽選処理>
図6は、図5に示した遊技の制御処理のステップS4において実行される基底値抽選処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御手段180は、演出抽選テーブル記憶手段196から基底値抽選テーブルを取得する(S21)。この処理において、演出制御手段180は、図4(A)に示す基底値抽選テーブルを取得する。次に、演出制御手段180は、乱数生成手段110から乱数を取得する(S22)。この処理において、演出制御手段180は、基底値抽選テーブルにおいて基底値に対応付けられている乱数が1バイトの乱数であることから、乱数生成手段110から1バイトの乱数(0〜255)のいずれかを取得する。
次に、演出制御手段180は、基底値初期値を設定する(S23)。この処理において、演出制御手段180は、基底値抽選テーブルを参照し、基底値の初期値として基底値「1」を設定する。
次に、演出制御手段180は、設定した基底値に当選したか否かを判定する(S24)。この処理において、演出制御手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数が基底値抽選テーブルにおいて設定している基底値に対応付けられている乱数であるか否かを判定する。具体的には、例えばステップS23の処理の直後である場合、演出制御手段180は、基底値として初期値である基底値「1」を設定していることから、取得した乱数が基底値抽選テーブルにおいて基底値「1」に対応付けられている乱数「0」〜「200」のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS24の処理において、設定した基底値に非当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が基底値抽選テーブルにおいて設定している基底値に対応付けられている乱数ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段180は、設定した基底値を更新する(S25)。この処理において、演出制御手段180は、基底値抽選テーブルを参照し、現在設定している基底値に対応付けられている乱数の最大値に1加算した乱数が対応付けられている基底値を設定する基底値更新処理を実行する。具体的には、例えば、現在設定されている基底値が「1」である場合、演出制御手段180は、基底値抽選テーブルを参照し、基底値「1」に対応付けられている乱数の最大値「200」に1加算した乱数「201」が対応付けられている基底値「3」を、新たな基底値として設定する。
次に、演出制御手段180は、基底値抽選テーブルを更新し(S26)、ステップS24に処理を戻す。この処理において、演出制御手段180は、ステップS22の処理で乱数生成手段110から取得した乱数と、基底値抽選テーブルのうちステップS25の処理で設定した基底値に対応付けられた乱数と、をステップS24の処理の実行時に比較するために、ステップS25の処理で設定した基底値に対応付けられている乱数が比較対象となるように、取得した基底値抽選テーブルのうち参照する領域を更新する。
このように、ステップS24の処理において、設定した基底値に当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が基底値抽選テーブルにおいて設定している基底値に対応付けられている乱数であると判定するまで、演出制御手段180は、ステップS24〜ステップS26の処理を繰り返し、設定した基底値に当選したと判定した場合には(YES)、設定した基底値を今回の遊技において制御値を決定するために用いる基底値に決定する。この、ステップS24の処理が、本実施形態における基底値決定処理を構成する。
<制御値設定処理>
図7は、図5に示した遊技の制御処理のステップS5において実行される制御値設定処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御手段180は、第1制御値を用いる制御処理の実行中か否かを判定する(S31)。この処理において、演出制御手段180は、記憶手段190の演出フラグ格納領域を参照し、ポイント加算演出の実行中である場合にセットされるポイント加算演出フラグがセット(ON状態)であるか否かを判定している。
ステップS31の処理において、第1制御値を用いる制御処理の実行中であると判定した場合には(YES)、演出制御手段180は、第1制御値抽選処理を実行し(S32)、制御値設定処理を終了する。この処理において、演出制御手段180は、基底値抽選処理(図6参照)で決定した基底値と、乱数生成手段110から取得した乱数と第1中間値抽選テーブル(図4(B)参照)とを比較して決定する第1中間値と、を乗算して第1制御値を決定する。
一方、ステップS31の処理において、第1制御値を用いる制御処理の実行中ではない判定した場合には(NO)、演出制御手段180は、第2制御値を用いる制御処理の実行中か否かを判定する(S33)。この処理において、演出制御手段180は、記憶手段190の演出フラグ格納領域を参照し、ポイント減算演出の実行中である場合にセットされるポイント減算演出フラグがセット(ON状態)であるか否かを判定し、第2制御値を用いる制御処理の実行中ではないと判定した場合には(NO)、制御値設定処理を終了する。
ステップS33の処理において、第2制御値を用いる制御処理の実行中であると判定した場合には(YES)、演出制御手段180は、第2制御値抽選処理を実行し(S34)、制御値設定処理を終了する。この処理において、演出制御手段180は、基底値抽選処理(図6参照)で決定した基底値と、乱数生成手段110から取得した乱数と第2中間値抽選テーブル(図4(C)参照)とを比較して決定する第2中間値と、を乗算して第2制御値を決定する。
<第1制御値抽選処理>
図8は、図7に示した制御値設定処理のステップS32において実行される第1制御値抽選処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御手段180は、演出抽選テーブル記憶手段196から第1中間値抽選テーブルを取得する(S41)。この処理において、演出制御手段180は、図4(B)に示す第1中間値抽選テーブルを取得する。次に、演出制御手段180は、乱数生成手段110から乱数を取得する(S42)。この処理において、演出制御手段180は、第1中間値抽選テーブルにおいて第1中間値に対応付けられている乱数が1バイトの乱数であることから、乱数生成手段110から1バイトの乱数(0〜255)のいずれかを取得する。
次に、演出制御手段180は、第1中間値初期値を設定する(S43)。この処理において、演出制御手段180は、第1中間値抽選テーブルを参照し、第1中間値の初期値として第1中間値「1」を設定する。
次に、演出制御手段180は、設定した第1中間値に当選したか否かを判定する(S44)。この処理において、演出制御手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数が第1中間値抽選テーブルにおいて設定している第1中間値に対応付けられている乱数であるか否かを判定する。具体的には、例えばステップS43の処理の直後である場合、演出制御手段180は、第1中間値として初期値である第1中間値「1」を設定していることから、取得した乱数が第1中間値抽選テーブルにおいて第1中間値「1」に対応付けられている乱数「0」〜「100」のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS44の処理において、設定した第1中間値に非当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が第1中間値抽選テーブルにおいて設定している第1中間値に対応付けられている乱数ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段180は、設定した第1中間値を更新する(S45)。この処理において、演出制御手段180は、第1中間値抽選テーブルを参照し、現在設定している第1中間値に対応付けられている乱数の最大値に1加算した乱数が対応付けられている第1中間値を設定する第1中間値更新処理を実行する。具体的には、例えば、現在設定されている第1中間値が「1」である場合、演出制御手段180は、第1中間値抽選テーブルを参照し、第1中間値「1」に対応付けられている乱数の最大値「100」に1加算した乱数「101」が対応付けられている第1中間値「2」を、新たな第1中間値として設定する。
次に、演出制御手段180は、第1中間値抽選テーブルを更新し(S46)、ステップS44に処理を戻す。この処理において、演出制御手段180は、ステップS42の処理で乱数生成手段110から取得した乱数と、第1中間値抽選テーブルのうちステップS45の処理で設定した第1中間値に対応付けられた乱数と、をステップS44の処理の実行時に比較するために、ステップS45の処理で設定した第1中間値に対応付けられている乱数が比較対象となるように、取得した第1中間値抽選テーブルのうち参照する領域を更新する。
このように、ステップS44の処理において、設定した第1中間値に当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が第1中間値抽選テーブルにおいて設定している第1中間値に対応付けられている乱数であると判定するまで、演出制御手段180は、ステップS44〜ステップS46の処理を繰り返し、設定した第1中間値に当選したと判定した場合には(YES)、設定した第1中間値を今回の遊技において制御値を決定するために用いる第1中間値に決定する。この、ステップS44の処理は、本実施形態における中間値決定処理を構成する。
第1中間値を決定した後、演出制御手段180は、図6に示すステップS24の処理で決定した基底値と、ステップS44の処理で決定した第1中間値と、を乗算し、乗算した結果を第1制御値として決定し(S47)、第1制御値抽選処理を終了する。ステップS47の処理において、演出制御手段180は、基底値決定処理で決定した基底値と、中間値決定処理で決定した第1中間値と、を乗算することで、基底値抽選テーブルに設定されている値の数(本実施形態においては5個)と、第1中間値抽選テーブルに設定されている値の数(本実施形態においては5個)と、の合計よりも多くの数(本実施形態においては、1,2,3,4,5,6,9,10,12,14,15,20,21,25,28,30,35,40,50の19個)の中から第1制御値を決定することができる。
このため、本実施形態の演出制御手段180は、ポイント加算演出において加算する第1制御値の数を増やすことができ、ポイント加算演出に多様性を出し、遊技性を向上させることができる。この、第1制御値を決定するステップS47の処理は、本実施形態における制御値決定処理を構成する。また、ステップS47の処理を実行する演出制御手段180は、本実施形態における制御値決定手段を構成する。
<第2制御値抽選処理>
図9は、図7に示した制御値設定処理のステップS34において実行される第2制御値抽選処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御手段180は、演出抽選テーブル記憶手段196から第2中間値抽選テーブルを取得する(S51)。この処理において、演出制御手段180は、図4(C)に示す第2中間値抽選テーブルを取得する。次に、演出制御手段180は、乱数生成手段110から乱数を取得する(S52)。この処理において、演出制御手段180は、第2中間値抽選テーブルにおいて第2中間値に対応付けられている乱数が1バイトの乱数であることから、乱数生成手段110から1バイトの乱数(0〜255)のいずれかを取得する。
次に、演出制御手段180は、第2中間値初期値を設定する(S53)。この処理において、演出制御手段180は、第2中間値抽選テーブルを参照し、第2中間値の初期値として第2中間値「1」を設定する。
次に、演出制御手段180は、設定した第2中間値に当選したか否かを判定する(S54)。この処理において、演出制御手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数が第2中間値抽選テーブルにおいて設定している第2中間値に対応付けられている乱数であるか否かを判定する。具体的には、例えばステップS53の処理の直後である場合、演出制御手段180は、第2中間値として初期値である第2中間値「10」を設定していることから、取得した乱数が第2中間値抽選テーブルにおいて第2中間値「10」に対応付けられている乱数「0」〜「220」のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS54の処理において、設定した第2中間値に非当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が第2中間値抽選テーブルにおいて設定している第2中間値に対応付けられている乱数ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段180は、設定した第2中間値を更新する(S55)。この処理において、演出制御手段180は、第2中間値抽選テーブルを参照し、現在設定している第2中間値に対応付けられている乱数の最大値に1加算した乱数が対応付けられている第2中間値を設定する第2中間値更新処理を実行する。具体的には、例えば、現在設定されている第2中間値が「10」である場合、演出制御手段180は、第2中間値抽選テーブルを参照し、第2中間値「10」に対応付けられている乱数の最大値「220」に1加算した乱数「221」が対応付けられている第2中間値「20」を、新たな第2中間値として設定する。
次に、演出制御手段180は、第2中間値抽選テーブルを更新し(S56)、ステップS54に処理を戻す。この処理において、演出制御手段180は、ステップS52の処理で乱数生成手段110から取得した乱数と、第2中間値抽選テーブルのうちステップS55の処理で設定した第2中間値に対応付けられた乱数と、をステップS54の処理の実行時に比較するために、ステップS55の処理で設定した第2中間値に対応付けられている乱数が比較対象となるように、取得した第2中間値抽選テーブルのうち参照する領域を更新する。
このように、ステップS54の処理において、設定した第2中間値に当選、つまり乱数生成手段110から取得した乱数が第2中間値抽選テーブルにおいて設定している第2中間値に対応付けられている乱数ではあると判定するまで、演出制御手段180は、ステップS54〜ステップS56の処理を繰り返し、設定した第2中間値に当選したと判定した場合には(YES)、設定した第2中間値を今回の遊技において制御値を決定するために用いる第2中間値に決定する。この、ステップS54の処理は、本実施形態における中間値決定処理を構成する。
第2中間値を決定した後、演出制御手段180は、図6に示すステップS24の処理で決定した基底値と、ステップS54の処理で決定した第2中間値と、を乗算し、乗算した結果を第2制御値として決定し(S57)、第2制御値抽選処理を終了する。ステップS57の処理において、演出制御手段180は、基底値決定処理で決定した基底値と、中間値決定処理で決定した第2中間値と、を乗算することで、基底値抽選テーブルに設定されている値の数(本実施形態においては5個)と、第2中間値抽選テーブルに設定されている値の数(本実施形態においては5個)と、の合計よりも多くの数(本実施形態においては、10,20,30,50,60,70,80,100,140,150,200,240,250,300,350,400,500,560,700,800,1000の20個)の中から第2制御値を決定することができる。
このため、本実施形態の演出制御手段180は、ポイント減算演出において減算する第2制御値の数を増やすことができ、ポイント減算演出に多様性を出し、遊技性を向上させることができる。この、第2制御値を決定するステップS57の処理は、本実施形態における制御値決定処理を構成する。また、ステップS57の処理を実行する演出制御手段180は、本実施形態における制御値決定手段を構成する。
以上のように、本実施形態のスロットマシン1において、演出制御手段180は、第1制御値抽選処理(図8参照)と、第2制御値抽選処理(図9参照)と、に示すように、第1制御値と、第2制御値と、のいずれの制御値を決定する場合にも、基底値抽選処理(図6参照)のステップS24で実行した基底値決定処理によって決定された基底値を用いている。また、演出制御手段180は、第1制御値を決定する場合には、第1中間値抽選テーブルを用いて決定される第1中間値を基底値に乗算することで第1制御値を決定し、第2制御値を決定する場合には、第2中間値抽選テーブルを用いて決定される第2中間値を基底値に乗算することで第2制御値を決定する。
つまり、本実施形態のスロットマシン1は、第1制御値及び第2制御値のいずれの制御値を決定する場合においても変更されない5種類の値が記憶された共通テーブルを参照して決定される基底値と、決定する制御値(第1制御値又は第2制御値)によって変更可能であり、それぞれ5種類の値が記憶された中間テーブル(第1中間値抽選テーブル又は第2中間値抽選テーブル)を参照して決定される中間値と、を乗算して、19種類の値から構成される第1制御値及び21種類の値から構成される第2制御値の40種類の値から構成される制御値を決定する。このため、各制御値を決定するために、例えば第1制御値を決定するために5種類の値が記憶された第1基底値抽選テーブルと5種類の値が記憶された第1中間値抽選テーブルとを有し、第2制御値を決定するために5種類の値が記憶された第2基底値抽選テーブルと5種類の値が記憶された第2中間値抽選テーブルとを有するような構成とは異なり、1つの共通テーブルによって第1制御値及び第2制御値を決定でき、例示した第1基底値抽選テーブル及び第2基底値抽選テーブルといったそれぞれ異なる複数の共通テーブルを設ける必要がなく、データ容量を増やすことなく多様な遊技性を実現可能となる。
また、スロットマシン1は、第1中間値抽選テーブルにおいて第1中間値に対応付けられている乱数を1バイトの乱数に設定するとともに、第2中間値抽選テーブルにおいて第2中間値に対応付けられている乱数を1バイトの乱数に設定している。つまり、スロットマシン1は、複数の中間テーブルのいずれにおいて、それぞれ中間値に対応付けられている乱数を同一のバイト数で構成している。
このため、本実施形態のスロットマシン1は、第1中間値抽選テーブルを参照する際と、第2中間値抽選テーブルを参照する際と、で必要な乱数のバイト数が同一であることから、使用する中間テーブルに応じて取得する乱数のバイト数を変更する必要がなく、データ容量を削減することができる。
さらに、スロットマシン1は、第1制御値抽選処理と、第2制御値抽選処理と、に示すように、取得する中間テーブル以外は略同一の制御処理を実行して、第1制御値と、第2制御値と、を決定可能に構成されている。つまり、スロットマシン1は、各制御値を決定する制御処理を実行する際に参照する制御プログラムを、中間テーブルを取得する処理を除き共通化可能に構成されており、制御プログラムの設計が容易となっている。
また、スロットマシン1は、図4(A)〜(C)に示すように、基底値抽選テーブルにおいても、第1中間値抽選テーブル及び第2中間値抽選テーブルと同じく、基底値に対応付けられている乱数のバイト数が1バイトとなっている。
このため、スロットマシン1は、共通テーブルを参照する際に必要な乱数のバイト数がいずれの中間テーブルを参照する場合と同一であることから、基底値抽選処理(図6参照)において取得する乱数と、第1制御値抽選処理又は第2制御値抽選処理において取得する乱数と、で同一のバイト数の乱数を取得するため、いずれの制御値を決定する場合にも必要となる乱数のバイト数を変更する必要がなく、データ容量を削減することができる。また、スロットマシン1は、各制御値を決定するために必要となるデータ(基底値、第1中間値又は第2中間値)をすべて1バイトの乱数から決定できるため、第1制御値抽選処理又は第2制御値抽選処理において、2バイトの乱数を用いる必要がなく、実行する処理によって参照する乱数のバイト数が異なるような複雑な処理を実行する必要がなくなり、第1制御値抽選処理及び第2制御値抽選処理を実行するために必要な各制御プログラムの設計が容易となっている。
なお、本発明のように構成せず、第1制御値を抽選により決定する際に用いられる19種類の値が記憶された第1制御値抽選テーブルと、第2制御値を抽選により決定する際に用いられる21種類の値が記憶された第2制御値抽選テーブルと、を有する構成とした場合、スロットマシンは、合計40種類の値に関するデータテーブルを有する必要があり、データ容量が大きくなってしまう。仮に、第1制御値及び第2制御値の他に、第3制御値等の制御値を複数有する場合、スロットマシンは、第3制御値等の制御値を抽選により決定する際に用いられるデータテーブルによって、データ容量が更に大きくなってしまう。
また、本発明における第2制御値の最大値「1000」は、基底値抽選処理(図6参照)において基底値として10に当選、つまり基底値抽選処理において1/256の確率で取得可能な乱数255を取得した場合で、かつ、第2制御値抽選処理(図9参照)において第2中間値として100に当選、つまり第2制御値抽選処理において1/256の確率で取得可能な乱数255を取得した場合に設定される値である。このため、第2制御値抽選テーブルを有する構成である場合には、最大値「1000」に対応付けられる乱数が、1/256の2乗の確率、つまり1/65536の確率で取得可能な乱数となり、最大値「1000」を表現するために2バイトのデータテーブルが必要となる。
最大値「1000」を含む2バイトのデータを表現するために第2制御値抽選テーブルに記憶された値をすべて2バイトの乱数に対応付けて表現した場合、スロットマシンは、第2制御値を決定する抽選を実行する際に、2バイトの乱数を取得して抽選を実行する構成となる。このように構成した場合、スロットマシンにおいては、1バイトの乱数に対応付けて表現可能な値についても2バイトの乱数に対応付ける必要があり、データテーブルの容量が大きくなってしまう。
また、2バイトの乱数に対応付けたデータと、1バイトの乱数に対応付けたデータと、が混在するように第2制御値抽選テーブルを構成した場合、スロットマシンにおいては、データテーブルの容量が不要に大きくなることを防止することができる。しかしながら、スロットマシンにおいては、第2制御値を抽選する場合に、第2制御値に対応付けられている乱数に応じて、取得する乱数を1バイト又は2バイトのいずれにする必要があるのかを判断する制御処理が必要があるため、第2制御値を決定するために実行する制御処理が複雑になってしまう。
本発明のスロットマシン1は、上述した通り、合計15種類の値に関するデータテーブルによって40種類の制御値を導出可能となっており、データ容量を増やすことなく多様な遊技性を実現可能となっている。また、スロットマシン1は、基底値抽選テーブルにおいて乱数に対応付けられている各基底値と、第1中間値抽選テーブルにおいて乱数に対応付けられている各第1中間値と、第2中間値抽選テーブルにおいて乱数に対応付けられている各第2中間値と、がすべて1バイトの乱数に対応付けられているため、データ容量が大きくなることを防ぐことができるとともに、第1制御値及び第2制御値を決定する制御処理が複雑になることを防ぐことができる構成となっている。
3.変形例
なお、本実施形態においては、ポイント加算演出において用いられる第1制御値と、ポイント減算演出において用いられる第2制御値と、を例に説明したが、これに限らず、複数の制御値が必要となる制御処理の実行時であれば、いずれの制御処理の実行時であっても本発明を適用し得る。
また、本実施形態において、基底値抽選テーブルは、基底値に1バイトの乱数が対応付けられているが、これに限らず、2バイトの乱数が対応付けられていてもよい。このように構成した場合、第1中間値抽選テーブル及び第2中間値抽選テーブルは、それぞれ中間値に1バイト又は2バイトのいずれの乱数が対応付けられていてもよく、第1中間値抽選テーブル及び第2中間値抽選テーブルで同一のバイト数の乱数が対応付けられていればよい。
また、本実施形態において、演出制御手段180は、第1制御値を決定する場合には基底値と第1中間値とを乗算しているが、これに限らず、基底値と第1中間値とを用いて決定していればよく、例えば、基底値と第1中間値とを加算した値を第1制御値として決定してもよい。また、演出制御手段180は、第2制御値を決定する場合も同様に、基底値と第2中間値とを用いて第2制御値を決定していればよい。
また、本実施形態において、演出制御手段180は、1回の遊技中において、第1制御値と第2制御値とを同時に決定しないように構成されているが、これに限らず、1回の遊技中に第1制御値と第2制御値とを同時に決定可能に構成されていてもよい。このように構成した場合、演出制御手段180は、図6のステップS24に示す基底値決定処理で決定した基底値と、図8のステップS44に示す中間値決定処理で決定した第1中間値と、を乗算して第1制御値を決定し、ステップS24で決定した基底値と、図9のステップS54に示す中間値決定処理で決定した第2中間値と、を乗算して第2制御値を決定するため、基底値と、複数の中間値と、を用いて複数の制御値を決定する構成となる。
また、本実施形態において、演出制御手段180は、基底値を決定する場合と、第1中間値を決定する場合又は第2中間値を決定する場合と、でそれぞれ乱数を取得するように構成されているが、これに限らず、例えば、基底値を決定する場合に取得した乱数を、第1中間値を決定する場合又は第2中間値を決定する場合に用いてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス状態として第1種特別役物のBBを採用しているが、これに限らず、例えば、第2種特別役物のチャレンジボーナス(CB)を採用してもよい。この場合、CB状態におけるメダル獲得の期待値が、100%以上になるように構成する必要がある。
また、本実施形態においては、遊技機としてスロットマシン1を例に説明したが、これに限らず、パチンコ玉が遊技盤上を転動するいわゆるパチンコ遊技機であっても、本発明を適用し得る。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100を有するように構成されているが、これに限らず、例えば制御基板として主制御基板と副制御基板とを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、内部抽選等の遊技の進行に係る抽選処理やリール制御を実行する各制御手段を主制御基板に有し、演出に係る制御処理として、いわゆるATの当否やATに関する抽選を含む制御処理を実行する各制御手段を副制御基板に有するようにしてもよい。また、ATの当否やATに関する抽選を含む制御処理に関しては、主制御基板を構成する制御手段が実行し、演出に関する制御処理に関しては、副制御基板を構成する制御手段が実行するように構成してもよい。
1…スロットマシン(遊技機):110…乱数生成手段:180…演出制御手段(制御値決定手段手段):196…演出抽選テーブル記憶手段(テーブル記憶手段)

Claims (3)

  1. 乱数を生成する乱数生成手段と、
    抽選により決定される値を用いる制御処理で用いられる値である制御値を決定する制御値決定手段と、
    前記制御値決定手段が前記乱数生成手段から取得する乱数に対して、基底値が対応付けられた共通テーブル及び中間値が対応付けられた複数の中間テーブルを記憶するテーブル記憶手段と、を備え、
    前記制御値決定手段は、
    前記乱数生成手段から取得した乱数と、前記テーブル記憶手段に記憶されている前記共通テーブルと、を参照して前記基底値を決定する基底値決定処理と、
    前記乱数生成手段から取得した乱数と、前記テーブル記憶手段に記憶されている前記複数の中間テーブルのうち少なくとも1つの中間テーブルと、を参照して少なくとも1つの前記中間値を決定する中間値決定処理と、
    前記基底値決定処理で決定した前記基底値と、前記中間値決定処理で決定した少なくとも1つの前記中間値と、を用いて少なくとも1つの前記制御値を決定する制御値決定処理と、を実行する、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記複数の中間テーブルにおいて、それぞれ前記中間値に対応付けられている乱数は、同一のバイト数で構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記共通テーブルにおいて、前記基底値に対応付けられている乱数は、前記複数の中間テーブルにおいて、それぞれ前記中間値に対応付けられている乱数と同一のバイト数で構成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
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