以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、それぞれリプレイの当選態様が異なる遊技状態であるリプレイタイム0状態〜リプレイタイム4状態(以下、リプレイタイムのことを「RT」と記載)と、ボーナスが入賞した場合に移行する遊技状態であるボーナス状態と、のいずれの遊技状態においても3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3、クレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBS及び表示装置330に表示される映像や画像を操作するための操作手段としてのジョグダイヤルJGも設けられている。ジョグダイヤルJGは、左右に回転可能なリング状のダイヤル部JGDと、ダイヤル部JGDの回転中心に設けられ押下操作することができるボタン部JGBとから構成されている。ダイヤル部JGDは、回転方向及び回転量(角度)を検知可能なセンサとセンサが検知した回転方向及び回転量(角度)を信号(選択信号)として出力可能な出力部とから構成されるダイヤルユニット250を内蔵している。ボタン部JGBは、ボタン部JGBが押下操作された場合に遊技制御手段100(図2参照)へ信号を出力するスイッチセンサ260を内蔵している。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がオン動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、ダイヤルユニット250及びスイッチセンサ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作を制御する。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
また、遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム状態制御手段200を含む。遊技制御手段100を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。
各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(非当選)が対応づけられている。ここで、遊技状態がRT0状態〜RT4状態である場合に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEと、遊技状態がRT0状態〜RT4状態のいずれかである状態で、本実施形態においてボーナスとして用意されている第2種特別役物に係る連続作動装置としてのチャレンジビッグボーナス(以下、「CBB」と記載)に当選した場合に移行する遊技状態であるRT0内部状態〜RT4内部状態において選択される内部抽選テーブルF〜内部抽選テーブルJと、は、小役の当選確率が同一に設定されており、小役として、打順ベル1〜打順ベル6と、共通ベル役と、3枚ベル役と、チェリー役と、スイカ役と、チャンス役と、レア役と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEでは、CBBが抽選対象として設定されており、CBBの当選後に実行される遊技状態であるRT0内部状態〜RT4内部状態において選択される内部抽選テーブルF〜内部抽選テーブルJでは、CBBの代わりにハズレ(非当選)が抽選対象となっている。そして、遊技状態がボーナス状態である場合に選択される内部抽選テーブルKでは、入賞することで14枚の払い出しがなされる第1小役と、入賞することで13枚の払出がなされる第2小役と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、特殊小役1〜特殊小役6、チェリー役、スイカ役、チャンス役及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選態様として、打順ベル1〜打順ベル6が設定されている。
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
打順ベル1〜打順ベル6は、ベルAと、特殊小役1〜特殊小役6のうちいずれか1種類と、が重複して当選する。ここで、ベルAは、打順ベル1〜打順ベル6の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば打順ベル1の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、特殊小役1〜特殊小役6は、打順ベル1〜打順ベル6の当選時にベルAを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞可能な入賞役であり、例えば打順ベル1の当選時である場合には、打順2〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞する。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、打順ベル1〜打順ベル6の当選時にベルAを入賞させることができない打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ特殊小役1〜特殊小役6を入賞させることができない押下タイミングで各ストップボタンが押下操作された場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(ハズレ)が発生する。また、以下の記載において、打順ベル1〜打順ベル6の当選時にベルAを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、打順ベル1〜打順ベル6の当選時にベルAを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
共通ベル役は、ベルAに当選し、打順及び押下タイミングによらずベルAが入賞可能に構成されている。また、3枚ベル役は、打順及び押下タイミングによらずベルBが入賞可能に構成されている。また、チェリー役、スイカ役及びチャンス役は、ストップボタンB1の押下タイミングが適切な場合に入賞可能に構成された小役であり、打順ベル1〜打順ベル6、共通ベル役及び3枚ベル役よりも当選確率が低くなるように構成されている。そして、レア役は、ストップボタンB1の押下タイミングが適切な場合に入賞可能に構成された小役であり、チェリー役、スイカ役及びチャンス役よりも当選確率が低く、小役の中で最も当選確率が低くなるように構成されている。また、チェリー役、スイカ役、チャンス役又はレア役の当選時に、ストップボタンB1の押下タイミングがチェリー役、スイカ役、チャンス役又はレア役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(ハズレ)となる。
ベルAの配当は、入賞時に規定投入枚数よりも多い枚数の払出数(例えば9枚)に設定されている。また、ベルBの配当は、規定投入枚数である3枚と同じ払出数に設定されている。また、スイカ役の配当は、規定投入枚数よりも多い枚数の払出数(例えば6枚)に設定されている。また、チェリー役及びチャンス役は、入賞時に規定投入枚数よりも少ない枚数の払出枚数(例えば2枚)に設定されている。特殊小役1〜特殊小役6及びレア役は、入賞時に規定投入枚数よりも少ない枚数の払出枚数(例えば1枚)に設定されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から当選状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、CBBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でCBBに当選すると、CBBの抽選フラグの当選状態を、CBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、CBBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、CBBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているCBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス状態である場合、内部抽選の結果によらずすべての小役の抽選フラグをON状態にセットする。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」と記載)の数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、CBBが入賞し遊技状態がボーナス状態に移行した場合、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から75ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようにリールの停止制御を実行する。ここで、ストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で1コマ分回転可能に構成されている。なお、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3のうち、予め定められた少なくとも1つのリールをストップボタンが押下された時点から75ms以内に停止するようにリールの停止制御を実行すればよい。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、CBB、リプレイ、ベルA、ベルB、特殊小役1〜特殊小役6、チェリー役、スイカ役、チャンス役及びレア役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
本実施形態において、ベルAは、上述した通り、打順ベル1〜打順ベル6の当選時に正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合又は共通ベル役の当選時に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず必ず入賞可能に構成されている。つまり、ベルAの入賞図柄組合せを構成する各図柄は、押下検出位置に関わらずに有効ラインL1上に表示可能な位置関係で第1リールR1〜第3リールR3にそれぞれ配列されている。また、リプレイ及びベルBも同様に各ストップボタンの押下タイミングによらずに必ず入賞できるように構成されている。一方、CBBと、特殊小役1〜特殊小役6と、チェリー役と、スイカ役と、チャンス役と、レア役と、は、各入賞役の入賞図柄組合せを構成する図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように、各リールに配列されている。
そして、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、上述した通り、規定投入枚数よりも多い払出数に設定されているベルAの配当は、9枚に定められている。また、規定投入枚数よりも多い払出数に設定されているスイカ役の配当は、6枚に定められている。また、規定投入枚数と同数の払出数に設定されているベルBの配当は、3枚に定められている。また、規定投入枚数よりも少ない払出数に設定されている特殊小役1〜特殊小役6、チェリー役、チャンス役及びレア役のうち、特殊小役1〜特殊小役6及びレア役の配当は、いずれも1枚に定められ、チェリー役及びチャンス役の配当は、2枚に定められている。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上にリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、RT0状態〜RT4状態の間で移行させるRT状態移行制御処理と、CBBの当選時に現在の遊技状態に対応する遊技状態に移行させるボーナス成立状態移行制御処理と、CBBが入賞した場合に現在の遊技状態からボーナス状態に移行させるボーナス状態移行制御処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
図4(A)は、遊技状態移行制御手段170が実行するRT状態移行制御処理において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。また、図5は、各遊技状態における遊技状態の移行契機となるリプレイであるRT1移行リプレイ〜RT4移行リプレイを含む各遊技状態におけるリプレイの当選態様を示す図である。なお、以下の記載において、図5に示す当選役である打順リプレイ1〜打順リプレイ15と、通常リプレイと、RT4移行リプレイと、をまとめて「リプレイ役」とも記載する。
図4(A)に示すように、RT0状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、RT0状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT0状態において打順ベル1〜打順ベル6のいずれかが当選し、かつ特殊小役1〜特殊小役6及びベルAのいずれもが入賞しなかった場合にRT1状態へ移行する。また、RT0状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルKのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定され、かつ入賞することでRT2状態〜RT4状態への移行条件が成立するリプレイであるRT2移行リプレイ〜RT4移行リプレイが抽選対象として設定されていない内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
RT1状態は、複数種類の遊技状態の中でいずれの遊技状態からも移行可能な通常の状態に相当する遊技状態で、RT1状態からはRT2状態とRT4状態とへの移行が可能となっている。具体的には、RT1状態において、打順リプレイ1〜打順リプレイ6のいずれかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、RT2状態に移行する。また、RT1状態において、RT4移行リプレイに当選しRT4移行リプレイに入賞した場合にRT4状態に移行する。RT1状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルKのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定され、打順リプレイ1〜打順リプレイ6と、通常リプレイと、RT4移行リプレイと、が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
図5(A)に示すように、RT1状態においては、リプレイとして、打順リプレイ1〜打順リプレイ6と、通常リプレイと、RT4移行リプレイと、に当選可能に構成されている。
打順リプレイ1〜打順リプレイ6は、RT2移行リプレイと、通常リプレイ1〜通常リプレイ6のうちいずれか1種類と、が重複して当選する。ここで、RT2移行リプレイは、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば打順リプレイ1の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、通常リプレイ1〜通常リプレイ6は、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時にRT2移行リプレイを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞可能な入賞役であり、例えば打順リプレイ1の当選時である場合には、打順2〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。
通常リプレイは、通常リプレイに当選した場合に、各ストップボタンの打順及び押下タイミングによらずに入賞する。また、RT4移行リプレイも同様に、各ストップボタンの打順及び押下タイミングによらずに入賞する。また、図5(A)〜図5(D)に示すように、通常リプレイは、RT1状態〜RT4状態のいずれの遊技状態においても当選可能に構成されている。また、図5(A)〜図5(C)に示すように、RT4移行リプレイは、RT1状態〜RT3状態のいずれの遊技状態においても当選可能に構成されている。
RT2状態は、RT1状態においてRT2移行リプレイに入賞したことを契機として移行する遊技状態である。RT2状態からは、RT1状態と、RT3状態と、RT4状態と、への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態において、打順リプレイ7〜打順リプレイ12のいずれかに当選した場合には、RT3移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にRT3状態に移行し、RT3移行リプレイを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にRT1状態に移行する。また、RT2状態において、RT4移行リプレイに当選しRT4移行リプレイに入賞した場合にRT4状態に移行する。RT2状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルKのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定され、打順リプレイ7〜打順リプレイ12と、通常リプレイと、RT4移行リプレイと、が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
図5(B)に示すように、RT2状態においては、リプレイとして、打順リプレイ7〜打順リプレイ12と、通常リプレイと、RT4移行リプレイと、に当選可能に構成されている。
打順リプレイ7〜打順リプレイ12は、RT3移行リプレイと、RT1移行リプレイ1〜RT1移行リプレイ6のうちいずれか1種類と、が重複して当選する。ここで、RT3移行リプレイは、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば打順リプレイ7の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、RT1移行リプレイ1〜RT1移行リプレイ6は、打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時にRT3移行リプレイを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞可能な入賞役であり、例えば打順リプレイ7の当選時である場合には、打順2〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。
RT3状態は、RT2状態又はRT4状態においてRT3移行リプレイに入賞したことを契機として移行する遊技状態である。RT3状態からは、RT1状態と、RT4状態と、への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において、打順ベル1〜打順ベル6のいずれかに当選し、かつベルAを入賞させることができない不正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にRT1状態に移行する。また、RT3状態においては、RT4移行リプレイに当選しRT4移行リプレイに入賞した場合にRT4状態に移行する。
ここで、RT3状態においては、後述するアシストタイム状態制御手段200(以下、アシストタイム状態のことを「AT状態」とも記載)が、非AT状態から演出制御手段180によってベルAの入賞を補助する演出である入賞補助演出が実行されるAT状態に移行可能に構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1では、AT状態が継続する限り打順ベル1〜打順ベル6の当選時に演出制御手段180による入賞補助演出によって正解打順が報知されベルAが入賞することで、RT3状態が継続し、AT状態が終了し非AT状態に移行し、打順ベル1〜打順ベル6の当選時に正解打順が判別できなくなることで、ベルAを入賞させることができなくなり、RT3状態からRT1状態に移行するように構成されている。
RT3状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルKのうち、小役、リプレイ及びボーナスのいずれかに確実に当選し、図5(C)に示すように、リプレイとして通常リプレイと、RT4移行リプレイと、が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
RT4状態は、RT1状態〜RT3状態のいずれかにおいてRT4移行リプレイに入賞したことを契機として移行する遊技状態である。RT4状態からは、RT1状態と、RT3状態と、への移行が可能となっている。具体的には、RT4状態において、打順ベル1〜打順ベル6のいずれかに当選し、かつベルAを入賞させることができない不正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にRT1状態に移行する。また、RT3状態においては、RT4移行リプレイに当選しRT4移行リプレイに入賞した場合にRT4状態に移行する。なお、RT4状態では、RT3状態と同様に、AT状態制御手段200が非AT状態からAT状態に移行することで、AT状態が継続する間はRT4状態が継続可能となるように構成されている。
RT4状態では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルKのうち、小役、リプレイ及びボーナスのいずれかに確実に当選し、図5(D)に示すように、リプレイとして打順リプレイ13〜打順リプレイ15と、通常リプレイと、が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
打順リプレイ13〜打順リプレイ15は、RT3移行リプレイと、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ3のうちいずれか1種類と、が重複して当選する。ここで、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ3は、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば打順リプレイ13の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、RT3移行リプレイは、打順リプレイ13〜打順リプレイ15の当選時に特殊リプレイ1〜特殊リプレイ3を入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞可能な入賞役であり、例えば打順リプレイ13の当選時である場合には、打順3〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。
本実施形態のスロットマシン1では、RT0状態〜RT4状態の間で遊技状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1においては、通常の遊技が実行されるRT1状態と、RT3状態への遊技状態の移行に期待感を遊技者に与えることができるRT2状態と、小役、ボーナス又はリプレイに必ず当選するとともに、AT状態制御手段200が非AT状態からAT状態に移行することで打順ベル1〜打順ベル6の当選時にベルAを入賞させてメダルを獲得することができるRT3状態及びRT4状態と、でそれぞれ異なる遊技性を実現している。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態においてCBBに当選した場合に、CBBに当選したことを契機としてリプレイの当選確率が変化することがない構成となっている。また、遊技状態移行制御手段170は、CBBが入賞した場合に現在の遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行し、予め定められた所定枚数(例えば、14枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、ボーナス状態に移行する以前の遊技状態に遊技状態を移行する。例えば、RT1状態においてCBBが入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態の終了後にRT1状態に遊技状態を移行する。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1〜第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1〜第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
AT状態制御手段200は、当選した役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(AT状態)と、入賞補助制御が実行されない非アシストタイム状態(非AT状態)と、の間で移行させる制御を実行する。本実施形態において、AT状態制御手段200は、AT状態において、複数種類の役のうち打順ベル1〜打順ベル6の当選時に正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、例えば表示装置330に正解打順を表示する演出等の演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段180に実行させる。
図4(B)に示すように、AT状態制御手段200は、非AT状態として、第1非アシストタイム状態としての通常非アシストタイム状態(通常非AT状態)と、第2非アシストタイム状態としてのチャンスゾーン状態(CZ状態)と、を有している。
通常非AT状態は、入賞補助制御が実行されない非AT状態であり、かつCZ状態でない場合に実行される状態であり、他の状態に移行するまで継続する状態である。通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、予め定められた所定の当選役に当選した場合や予め定められた所定の遊技回数の遊技が実行された場合等の、予め定められた抽選条件が成立した場合に、CZ状態に移行するか否かを抽選により決定するCZ抽選を実行する。本実施形態のAT状態制御手段200においては、内部抽選でチャンス役に当選した場合にCZ抽選を実行する。また、通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、所定の当選役(本実施形態ではチャンス役)とは異なる特定の当選役(例えば、内部抽選において他の当選役よりも当選確率の低いレア役)に当選した場合にAT状態に移行するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。
また、本実施形態のAT状態制御手段200は、記憶手段190に設けられたカウンタであり、記憶する値が所定の値(本実施形態では値「1000」)となった場合に、非AT状態からAT状態に移行する値であるポイントを計数するポイント累積カウンタ197Aの記憶値を更新する処理である通常ポイント更新処理を実行可能に構成されている。通常ポイント更新処理において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を予め設定された所定の値である値「1000」に近づく方向に(本実施形態では加算)、値「1」〜「10」の範囲で更新する処理を実行する。そして、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」以上となった場合に、通常非AT状態からAT状態に移行する。
CZ状態は、通常非AT状態においてCZ抽選に当選した場合に移行する状態であり、通常非AT状態よりもAT状態に移行する確率が高い状態である。CZ状態において、AT状態制御手段200は、CZ状態の開始時にカウンタ記憶手段197のCZ終了判定カウンタ197Bに所定の遊技回数に対応する値(例えば、10回)をセットする。CZ状態において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を更新する処理であるCZポイント更新処理を実行するように構成されている。ここで、CZポイント更新処理において、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理とは異なり、値「0」〜「400」の範囲でポイント累積カウンタ197Aの記憶値を加算する処理を実行する。また、CZ状態において、AT状態制御手段200は、10回の遊技が実行された時点でポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達している場合、通常非AT状態においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達した場合と同様にAT状態に移行する。
また、10回の遊技が実行された時点でポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していなかった場合、AT状態制御手段200は、記憶手段190の移行抽選テーブル記憶手段198からポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じたAT状態移行抽選テーブルを取得し、AT状態に移行するか否かを決定するAT状態移行抽選処理を実行するように構成されている。ここで、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きい程、AT状態への移行を決定する「AT状態移行」に当選する確率が高いAT状態移行中抽選テーブルを取得するように構成されている。
このように、CZ状態は、通常非AT状態における通常ポイント更新処理よりもCZポイント更新処理においてポイントが加算されやすい状態であり、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達する確率が通常非AT状態よりも高いとともに、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達しない場合にも、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きいほどAT状態へ移行する確率が高くなるAT状態移行抽選を実行するため、レア役の当選時に実行されるAT抽選でAT状態への移行に当選した場合と、CZ状態よりもポイント更新処理で増加するポイントが少ない中でポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達した場合と、にAT状態に移行する通常非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。この、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じた確率でAT状態に移行するか否かを決定するステップS27の処理(図7参照)は、本実施形態における移行抽選処理を構成する。
ここで、上述したように、AT状態制御手段200は、通常非AT状態において内部抽選でチャンス役に当選した際に実行するCZ抽選で、CZ状態移行に当選した場合にCZ状態を実行するように構成されている。また、AT状態制御手段200は、CZ状態の終了時にポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達しなかった場合に、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を用いてAT状態に移行するか否かを決定するAT状態移行抽選を実行する。つまり、AT状態制御手段200は、CZ状態おいてポイント累積カウンタ197Aの記憶値を参照して実行するAT状態移行抽選の実行契機が、通常非AT状態における内部抽選でチャンス役に当選した場合に実行するCZ抽選で当選し、かつCZ状態においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達しなかった場合となるように構成されている。
つまり、本実施形態のスロットマシン1は、CZ状態においてAT状態制御手段200によるAT状態移行抽選の実行契機にランダム性を有する構成であると共に、通常ポイント更新処理及びCZポイント更新処理によってAT状態移行抽選の実行時において参照されるポイント累積カウンタ197Aの記憶値にもランダム性を有する構成となっているため、AT状態移行抽選の実行によってAT状態に移行する期待度が変化に富んだものになり、AT状態の移行に関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。なお、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を更新する通常ポイント更新処理及びCZポイント更新処理は、本実施形態おける更新処理を構成する。また、AT状態移行抽選処理を実行する契機を発生させるか否かを決定する通常非AT状態処理(図6参照)におけるステップS10の処理は、本実施形態における契機発生抽選処理を構成する。
AT状態は、AT抽選又はAT状態移行抽選処理においてAT状態移行に当選した場合と、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達した場合と、に移行する演出状態である。AT状態において、AT状態制御手段200は、上述した通り、複数種類の役のうち打順ベル1〜打順ベル6の当選時に正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段180に実行させる。このため、AT状態は、遊技者がメダルを獲得することが容易になっており、遊技者にとってメダルの払い出しに関して有利な状態となっている。
また、AT状態制御手段200は、AT状態の開始時に設定される遊技回数(例えば、50回)の遊技が実行された場合に、AT状態から通常非AT状態に移行しAT状態を終了する。なお、本実施形態において、AT状態は、通常非AT状態から移行する場合と、CZ状態から移行する場合と、のいずれの場合であっても、AT状態の開始時に記憶手段190のAT終了判定カウンタ(不図示)にセットされるAT遊技回数として同一の値(50回)がセットされるが、これに限らず、例えばAT状態への移行契機によってAT終了判定カウンタにセットされる値がそれぞれ異なるように構成されていてもよい。このように構成する場合、スロットマシン1は、AT状態の移行契機によってAT状態の利益を享受できる回数が変化するため、遊技者にいずれの移行契機の成立を狙うかを選択させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、AT状態制御手段200は、例えば、非AT状態からAT状態に移行することなく所定の遊技回数(例えば、1000回)の遊技が実行された場合に非AT状態からAT状態に移行するように構成されていてもよい。
上述した通り、AT状態が実行される際には、遊技状態移行制御手段170によって制御されている遊技状態が、小役、リプレイ又はボーナスに必ず当選し、他の遊技状態よりもリプレイの当選確率が高く設定されたRT3状態又はRT4状態となっている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、AT状態における遊技がリプレイに高確率で当選する状態で実行される、いわゆるアシストリプレイタイム(以下、「ART」と記載)遊技となっている。
2.通常非AT状態における制御処理
次に、図6〜図9を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1において、AT状態制御手段200が実行する通常非AT状態における制御処理のうち、非AT状態からAT状態への移行に係る処理の詳細について説明する。なお、以下に説明する通常非AT状態処理とCZ状態処理とは、内部抽選手段120による内部抽選に係る制御処理の実行後から、リール制御手段130が第1リールR1〜第3リールR3の加速を終了するまでの間にAT状態制御手段200によって実行開始される制御処理である。
<通常非AT状態処理>
図6は、本実施形態におけるスロットマシン1において、通常非AT状態でAT状態制御手段200が実行する各制御処理を示すフローチャートである。
まず、AT状態制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選において、複数種類の役のうちレア役に当選したか否かを判定する(S1)。この処理において、AT状態制御手段200は、内部抽選でレア役に当選したか否かを判定することで、通常非AT状態からAT状態へ移行する制御を実行するか否かを判定しており、レア役に当選したと判定した場合には(YES)、通常非AT状態からAT状態に移行するか否かを決定するAT抽選を実行する(S2)。
ステップS2の処理において、AT状態制御手段200は、記憶手段190に設けられた移行抽選テーブル記憶手段198から複数の乱数のそれぞれに対して、通常非AT状態からAT状態への移行を決定させる「AT状態移行」と「ハズレ(非当選)」とのいずれかが対応付けられたAT抽選テーブル(不図示)を取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数をAT抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき通常非AT状態からAT状態に移行するか否かを決定する。
次に、AT状態制御手段200は、AT状態制御手段200は、ステップS2の処理においてAT状態移行に当選したか否かを判定する(S3)。この処理において、AT状態制御手段200は、AT状態移行に当選したか否かを判定することで、AT状態への移行に係る制御処理と、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値の更新に係る処理と、のいずれの制御処理を実行するかを判定する。
ステップS1の処理において、レア役に当選していないと判定した場合(NO)又はステップS3の処理において、AT状態移行に当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を加算することで、所定の値である値「1000」に近づく方向に向かって更新する処理である通常ポイント更新処理を実行する(S4)。この処理において、AT状態制御手段200は、まず、ポイント更新処理の実行時に加算する値が記憶されたデータテーブルであり、ポイント更新テーブル記憶手段199に記憶されている通常ポイント更新テーブルを取得する。
図8(A)は、通常ポイント更新テーブルを示す図である。図8(A)に示すように、AT状態制御手段200による通常ポイント更新処理において使用される通常ポイント更新テーブルは、当選役に応じて加算される値が設定されている。例えば、当選役がベル役であった場合、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値に値「1」を加算する処理を実行する。また、図8(A)に示すように、AT状態制御手段200は、チェリー役やスイカ役、チャンス役、レア役のように、他の役よりも当選する確率が低い役が当選役である場合に、通常ポイント更新処理において加算する値が大きくなるように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、比較的当選しにくい役に当選した際にAT状態制御手段200がより多くの値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するため、当選しにくい役を引いたことで高まる遊技者の興趣を維持することができる。
ステップS4の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値である値「1000」に達しているか否かを判定する(S5)。この処理において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を参照し、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達しているか否かを判定することで、通常非AT状態からAT状態への移行に係る処理を実行するか又は通常非AT状態からCZ状態への移行に係る処理を実行するかを決定する。
ステップS3の処理において、AT状態移行に当選したと判定した場合(YES)又はステップS5の処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、通常非AT状態からAT状態に状態を移行する(S6)。この処理において、AT状態制御手段200は、次回の遊技からAT状態での遊技を開始するために、通常非AT状態からAT状態へ状態を移行する。次に、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に値「0」をセットすることで、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を初期化する処理を実行し(S7)、通常非AT状態処理を終了する。AT状態への移行に伴いポイント累積カウンタ197Aの記憶値を初期化することで、AT状態制御手段200は、AT状態から非AT状態へ移行した際に、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値がすぐに値「1000」に達してしまい、設計者の意図しない方法でAT状態に移行してしまうことで遊技性が低下してしまうことを防ぐことができる。
ステップS5の処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選において、複数種類の役のうちチャンス役に当選したか否かを判定する(S8)。この処理において、AT状態制御手段200は、内部抽選でチャンス役に当選したか否かを判定することで、通常非AT状態からCZ状態へ移行する制御を実行するか否かを判定しており、チャンス役に当選していないと判定した場合には(NO)、通常非AT状態処理を終了する。
一方、ステップS8の処理において、チャンス役に当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、CZ抽選を実行する(S9)。この処理において、AT状態制御手段200は、移行抽選テーブル記憶手段198から複数の乱数のそれぞれに対して、通常非AT状態からCZ状態への移行を決定させる「CZ状態移行」と「ハズレ(非当選)」とのいずれかが対応付けられたCZ状態移行抽選テーブル(不図示)を取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を移行抽選テーブル記憶手段198に記憶されているCZ状態移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき通常非AT状態からCZ状態に移行するか否かを決定する。
次に、AT状態制御手段200は、ステップS9の処理でCZ状態移行に当選したか否かを判定する(S10)。この処理において、CZ状態移行に当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、次回の遊技も通常非AT状態で遊技させるために、他の状態へ移行することなく通常非AT状態処理を終了する。一方、CZ状態移行に当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、次回の遊技からCZ状態での遊技を開始するために、通常非AT状態からCZ状態に移行して(S11)、通常非AT状態処理を終了する。
<CZ状態処理>
図7は、本実施形態におけるスロットマシン1において、CZ状態でAT状態制御手段200が実行する各制御処理を示すフローチャートである。
まず、AT状態制御手段200は、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0であるか否かを判定する(S21)。この処理において、AT状態制御手段200は、CZ状態で実行される遊技回数を計数するCZ終了判定カウンタ197Bが0であるか否かを判定することで、今回の遊技がCZ状態における1回目の遊技であるか否かを判定し、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0であると判定した場合には(YES)、CZ状態における1回目の遊技が開始されることから、CZ終了判定カウンタ197BにCZ状態を実行する遊技回数である値「10」をセットする(S22)。
ステップS22の処理を実行した後又はステップS21の処理において、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0ではないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を加算することで、所定の値である値「1000」に近づく方向に向かって更新する処理であるCZポイント更新処理を実行する(S23)。この処理において、AT状態制御手段200は、まず、CZポイント更新処理の実行時に加算する値が記憶されたデータテーブルであり、ポイント更新テーブル記憶手段199に記憶されているCZポイント更新テーブルを取得する。
図8(B)は、CZポイント更新テーブルを示す図である。図8(B)に示すように、AT状態制御手段200によるCZポイント更新処理において使用されるCZポイント更新テーブルは、当選役に応じて加算される値が、それぞれ下限値と上限値とを有するように設定されている。例えば、当選役がベル役であった場合、AT状態制御手段200は、CZポイント更新処理において、値「0」〜値「20」の範囲のいずれの値を加算するか決定する抽選であるポイント抽選を実行し、ポイント抽選で加算すると決定した値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算する処理を実行する。また、図8(B)に示すように、AT状態制御手段200は、チェリー役やスイカ役、チャンス役、レア役のように、他の役よりも当選する確率が低い役が当選役である場合に、CZポイント更新処理において加算する値が大きくなりやすいように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、比較的当選しにくい役に当選した際にAT状態制御手段200がより多くの値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するため、当選しにくい役を引いたことで高まる遊技者の興趣を維持することができる。
ステップS23の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、CZ状態において1回の遊技が実行されたことから、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値から1回の遊技に相当する値である値「1」を減算する(S24)。次に、AT状態制御手段200は、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0であるか否かを判定する(S25)。この処理において、AT状態制御手段200は、CZ状態において10回の遊技が実行されたか否かを判定し、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0ではないと判定した場合には(NO)、まだCZ状態において10回の遊技が実行されていないことから、CZ状態処理を終了する。
一方、CZ終了判定カウンタ197Bの記憶値が0であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、CZ状態において10回の遊技が実行されたことから、CZ状態から他の状態への移行に係る処理を開始する。AT状態制御手段200は、まず、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値である値「1000」に達しているか否かを判定する(S26)。この処理において、AT状態制御手段200は、通常非AT状態処理におけるステップS5の処理と略同様の処理を実行し、CZ状態からAT状態への移行に係る処理を実行するか又はCZ状態から通常非AT状態への移行に係る処理を実行するかを決定する。
ステップS26の処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、AT状態に移行するか否かをポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じた確率で決定するAT状態移行抽選処理を実行する(S27)。この処理において、AT状態制御手段200は、まず、移行抽選テーブル記憶手段198から、複数の乱数のそれぞれに対して、AT状態への移行を決定させる「AT状態移行」と「ハズレ(非当選)」とのいずれかが対応付けられた複数のAT状態移行抽選テーブルT11〜AT状態移行抽選テーブルT16(図9参照)のうちからいずれか1つのAT状態移行抽選テーブルを取得する。
AT状態移行抽選テーブルの取得時において、AT状態制御手段200は、図9に示すAT状態移行抽選テーブルT11〜AT状態移行抽選テーブルT16のうち、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じたAT状態移行抽選テーブルを取得する。例えば、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「0」〜値「99」である場合、AT状態制御手段200は、AT状態移行抽選テーブルT11を取得する。また、図9に示すように、AT状態移行抽選テーブルT11〜AT状態移行抽選テーブルT16は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きい値である場合にAT状態制御手段200に取得されるAT状態移行抽選テーブルであるほど、AT状態移行に対応付けられた乱数が多くなるように構成されている。
つまり、本実施形態のAT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を増加させやすいCZ状態の終了時に、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きくなる程AT状態への移行に当選しやすくなるAT状態移行抽選を実行するため、例えCZ状態においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値が閾値である値「1000」に到達しなかった場合であっても、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に近づけば近づく程AT状態移行抽選でAT状態に移行しやすくなるため、CZ状態におけるCZポイント更新処理でポイントが加算されていくことに対する遊技者の興趣を向上させることができる。この、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じた確率でAT状態に移行するか否かを決定するステップS27の処理は、本実施形態における移行抽選処理を構成する。
ステップS27の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、ステップS27の処理においてAT状態移行に当選したか否かを判定する(S28)。この処理において、AT状態移行に当選したと判定した場合(YES)又はステップS26の処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、AT状態に移行し(S29)、ポイント初期化処理を実行する(S30)。これらの処理において、AT状態制御手段200は、通常非AT状態処理(図6参照)のステップS6、ステップS7と略同様の処理を実行する。
ステップS28において、AT状態移行に当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、CZ状態での遊技が終了と判定し、次回の遊技から通常非AT状態での遊技を開始するために、CZ状態から通常非AT状態に移行する(S31)。
ステップS30又はステップS31の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、演出装置300によってジョグダイヤルJGのボタン部JGBの押下操作を遊技者に報知する演出である押下指示演出を演出制御手段180に実行させ(S32)、CZ状態処理を終了する。この処理において、AT状態制御手段200は、ジョグダイヤルJGのボタン部JGBが押下操作されスイッチセンサ260から出力される入力コマンドが入力された場合に、CZ状態から移行する状態がAT状態と非AT状態のいずれであるのかを報知する演出である判定結果報知演出を演出装置300が実行するように演出制御手段180を制御する。なお、AT状態制御手段200は、今回の遊技が終了し、次回の遊技が開始された時点でボタン部JGBが押下操作されていなかった場合には、判定結果報知演出を実行することなく次回の遊技を開始する。
ここで、AT状態制御手段200は、ステップS31の処理を実行した後、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を初期化することなくステップS32の処理を実行し、CZ状態処理を終了するように構成されている。つまり、AT状態制御手段200は、CZ状態の終了後に通常AT状態に移行すると決定した場合、CZ状態で加算したポイント累積カウンタ197Aの記憶値をCZ状態の後に実行する通常非AT状態においても使用する、つまりCZ状態で加算したポイントを持ち越すように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、CZ状態からAT状態に移行されなかった際に、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に近づいた状態で非AT状態での遊技を開始するため、非AT状態での遊技においてAT状態へ移行しやすくなり、CZ状態が終了してしまい非AT状態となってしまったことで生じる遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態のスロットマシン1におけるAT状態制御手段200は、AT抽選においてAT状態移行に当選した場合に通常非AT状態からAT状態に移行可能に構成されていると共に、通常非AT状態処理(図6参照)のステップS5の処理及びCZ状態処理(図7参照)のステップS26の処理においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値が予め設定された所定の値「1000」に達していると判定した場合と、ステップS26の処理においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達していないと判定した際に実行されるAT状態移行抽選処理においてAT状態移行に当選した場合と、に非AT状態からAT状態に移行可能に構成されている。また、本実施形態のスロットマシン1におけるAT状態制御手段200は、CZ状態において実行するAT状態移行抽選処理においてAT状態移行に当選する確率をポイント累積カウンタ197Aの記憶値の大きさに応じて変更するように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「1000」に達するまでの間に実行されるAT状態移行抽選処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値であるポイントの大きさに応じてAT状態移行に当選される確率に変化が生じるため、ポイントに関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1におけるAT状態制御手段200は、AT状態移行抽選処理をCZ状態において実行し、そのCZ状態に移行するか否かを通常非AT状態において実行されるCZ抽選によって決定するように構成されている。そして、本実施形態のAT状態制御手段200は、通常非AT状態においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値を更新する通常ポイント更新処理(図6のステップS4参照)と、CZ状態においてポイント累積カウンタ197Aの記憶値を更新するCZポイント更新処理(図7のステップS23参照)と、を実行可能に構成されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、CZ抽選においてCZ状態移行に当選することを契機としてAT状態移行抽選処理が実行されるため、AT状態移行抽選処理の実行契機にランダム性を有する構成であると共に、通常ポイント更新処理及びCZポイント更新処理によってポイント累積カウンタ197Aの記憶値を変化させることができるため、AT状態移行抽選処理の実行時において参照されるポイントにランダム性を有する構成となっている。この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態移行抽選処理の実行によってAT状態に移行する期待度が変化に富んだものになるので、AT状態の移行に関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
3.変形例
なお、本実施形態において、AT状態制御手段200は、通常非AT状態及びCZ状態においてポイント更新処理を実行するように構成されているが、これに限らず、例えばCZ状態のみにおいてポイント更新処理を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値の大きさに応じて、AT状態移行抽選処理においてAT状態移行に当選する確率を変更するように構成されているが、これに限らず、CZ状態において、CZ状態からAT状態に移行するか否かを決定するAT抽選を実行可能であり、そのAT抽選を実行する頻度をポイント累積カウンタ197Aの記憶値の大きさに応じて変更する構成にされていてもよい。具体的には、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「0」〜値「500」である場合、CZ状態に移行してから5回の遊技を実行した後にAT抽選を行うが、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「501」〜値「800」の場合、CZ状態に移行してから3回の遊技ごとにAT抽選を行い、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「801」〜値「999」の場合、1回の遊技ごとにAT抽選を行うように構成し、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きくなるにつれてAT抽選を実行する頻度を上昇する構成であってもよい。このように構成された場合、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が大きくなるにつれて、CZ状態においてAT抽選を実行する頻度が増加し、AT状態に移行しやすくなるため、ポイントに関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、AT状態制御手段200は、ポイント更新処理を通常非AT状態のみにおいて実行するように構成され、CZ状態においては、通常非AT状態でポイント累積カウンタ197Aに加算された累積カウンタ197Aの記憶値に応じた周期でAT抽選を実行するように構成されていてもよい。このように構成された場合、AT状態制御手段200は、CZ状態の制御処理において、AT抽選の実行周期を変更する処理が不要になるため、プログラムの容量を削減することができる。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、CZ状態の終了時にAT状態移行抽選処理を実行するように構成されているが、これに限らず、例えば、CZ状態において5回の遊技を実行した後のように、CZ状態における他のタイミングにAT状態移行抽選処理を実行するように構成されていてもよい。このように構成された場合、AT状態制御手段200は、CZ状態の終了時においてもAT状態移行抽選処理を実行するように構成されていることが好ましい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じてAT状態に移行する確率が変更されるAT状態移行抽選をCZ状態において実行し、通常非AT状態においては実行しないように構成されているが、これに限定されない。AT状態制御手段200は、通常非AT状態においても、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値に応じてAT状態に移行する確率が変更されるAT状態移行抽選を実行可能に構成されていてもよい。このように構成された場合、通常非AT状態において実行されるAT状態移行抽選は、移行抽選処理を構成する。また、通常非AT状態においてAT状態移行抽選を実行するか否かを決定する抽選は、契機発生抽選処理を構成する。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、CZ状態を終了する直前のステップS26において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値に達したか否かを判定するように構成されているが、これに限らず、通常非AT状態と同様にCZ状態においても、1回の遊技ごとにポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値に達したか否かを判定し、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値に達していると判定した場合、CZ状態からAT状態に移行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態のAT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が所定の値として値「1000」となった場合に非AT状態からAT状態へ移行するように構成されているが、非AT状態からAT状態へ移行する閾値は、値「1000」に限定されるものではない。また、AT状態制御手段200は、AT状態から非AT状態に移行する際に、閾値を抽選により決定することで変更可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態のポイント初期化処理において、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値の初期値として値「0」を設定するが、これに限らず、「1000」又は「−1000」等の他の値に設定されていてもよい。なお、初期値として正数をセットする場合、AT状態制御手段200は、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値が値「0」になった場合に非AT状態からAT状態へ移行するように構成し、通常ポイント更新処理及びCZポイント更新処理において、ポイント累積カウンタ197Aの記憶値を減算するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理において、それぞれの役に対してポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算する値が対応付けられた通常ポイント更新テーブルを使用したが、これに限らず、CZポイント更新テーブルと同様に、それぞれの役に対してポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算し得る値の範囲が対応付けられたポイント更新テーブルを取得し、内部抽選によって当選した役に対応付けられた値の範囲内からポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算する値を抽選によって決定するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理において、通常ポイント更新テーブルを参照し、当選役に対応付けられた値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するように構成されているが、これに限定されない。AT状態制御手段200は、例えば、通常ポイント更新テーブルにおいて当選役に対応付けられた値に乗算する係数であるポイント演算値を有するように構成し、通常ポイント更新処理の実行時において、通常ポイント更新テーブルを参照し、当選役に対応付けられた値を取得した後に、取得した値とポイント演算値とで乗算した結果の値となる演算結果値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するように構成されていてもよい。このように構成された場合、AT状態制御手段200は、ポイント演算値に応じた演出を演出装置300が実行するように演出制御手段180を制御してもよい。具体的には、AT状態制御手段200は、ポイント演算値が高くなればなるほど、表示装置330に表示されるキャラクタの能力が向上するような演出を演出制御手段180に実行させる。なお、AT状態制御手段200は、ポイント演算値を用いた演算において、取得した値とポイント演算値との乗算に限らず、例えば加算等、いずれの演算を実行してもよい。また、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理に限らず、CZポイント更新処理においても、ポイント演算値を用いた演算を実行し、演算結果値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、チャンス役として2枚の配当が設定された小役を有しているが、これに限らず、例えば、他のリプレイよりも当選確率が低く、打順によらず入賞可能な特殊なリプレイをチャンス役として有していてもよい。また、スロットマシン1は、チェリー役、スイカ役及びレア役についても、他のリプレイよりも当選確率が低く、打順によらず入賞可能な特殊なリプレイをチェリー役、スイカ役及びレア役として有するように構成されていてもよい。また、このように構成された場合、AT状態制御手段200は、通常ポイント更新処理及びCZポイント更新処理の実行時において、特殊なリプレイの当選時により多くの値をポイント累積カウンタ197Aの記憶値に加算するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、ボタン部JGBが押下されてスイッチセンサ260から出力される入力コマンドが入力されることによって、判定結果報知演出を実行させるように構成されているが、これに限らず、スロットマシン1に設けられた演出用の他の操作手段を遊技者が操作することを押下指示演出によって報知し、該他の操作手段が操作された場合に判定結果報知演出を演出制御手段180に実行させるように構成されていてもよい。ここで、他の操作手段としては、例えば、押下操作可能に構成した前面下扉DD等であってもよい。
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、AT状態において打順ベル1〜打順ベル6が当選した場合に、正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、表示装置330に正解打順を表示する演出等の演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段180に実行させるように構成されているが、入賞補助演出を演出制御手段180に実行させずに正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御のみを実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100を有するように構成されているが、これに限らず、例えば制御基板として主制御基板と副制御基板とを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、内部抽選等の遊技の進行に係る抽選処理やリール制御を実行する各制御手段を主制御基板に有し、演出に係る制御処理として、いわゆるATの当否やATに関する抽選を含む制御処理を実行する各制御手段を副制御基板に有するようにしてもよい。また、ATの当否やATに関する抽選を含む制御処理に関しては、主制御基板を構成する制御手段が実行し、演出に関する制御処理に関しては、副制御基板を構成する制御手段が実行するように構成してもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1において、CBBの入賞時に有効ラインL1上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せ(入賞図柄組合せ)を構成する各図柄は、滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように各リールに配列されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、CBBの入賞図柄組合せ(以下、CBBの入賞図柄組合せを「特定図柄組合せ」とも記載する)を構成する各図柄が、ストップスイッチ240がストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置に関わらずに有効ラインL1上に表示可能な位置関係で第1リールR1〜第3リールR3にそれぞれ配列されていてもよい。このように構成された場合、リール制御手段130は、RT0状態〜RT4状態における内部抽選でCBBに単独で当選した場合には、ストップスイッチ240が検出するストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作態様に関わらず、特定図柄組合せを有効ラインL1上に表示するように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
以下、CBBの当選時において押下検出位置に関わらずCBBを入賞可能に構成したスロットマシン1の変形例について記載する。
CBBの当選時において押下検出位置に関わらずCBBを入賞可能に構成した場合、スロットマシン1は、CBBの当選時に必ずCBBに入賞してしまうことから、CBBに非当選である状態で実行される遊技状態であるRT0状態〜RT4状態でCBBに当選した場合に、遊技状態がRT0内部状態〜RT4内部状態に移行するものの、該遊技中にCBBが入賞することで遊技状態がボーナス状態に移行してしまうことから、RT0内部状態〜RT4内部状態において遊技を開始することができない構成となってしまう。
上述した通り、本実施形態のスロットマシン1では、ロジック演算処理において、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、内部抽選でCBBと小役又はリプレイとが重複して当選した場合には、ストップスイッチ240が検出するストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作態様に関わらず、特定図柄組合せよりも、小役又はリプレイに対応付けられた入賞図柄組合せを優先させて有効ラインL1上に表示するように第1リールR1〜第3リールR3を停止させるように構成されている。
このような構成であることから、スロットマシン1は、CBBの当選時において押下検出位置に関わらずCBBを入賞可能に構成する場合には、RT0状態〜RT4状態において実行される内部抽選において、当選することでRT0状態〜RT4状態からRT0内部状態〜RT4内部状態に移行させる契機となるCBB(特定役)に単独で当選する当選態様の他に、CBBとは異なる小役又はリプレイ(通常役)とが重複した当選態様にも当選可能に構成されることが好ましい。このように構成された場合、スロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態における内部抽選でCBBと小役又はリプレイとが重複した当選態様に当選した場合に、遊技状態がRT0内部状態〜RT4内部状態に移行するとともに、内部抽選でCBBと小役又はリプレイとが重複した当選態様に当選した遊技におけるロジック演算処理において、小役又はリプレイをCBBに優先して入賞可能にリール停止制御が実行され、小役又はリプレイが入賞するか又はいずれも入賞しない取りこぼし(ハズレ)となることで、次回の遊技からRT0内部状態〜RT4内部状態での遊技を開始することが可能となる。
つまり、このように構成された場合、遊技状態移行制御手段170は、当選することで遊技状態を移行させる役であるCBB(特定役)にRT0状態〜RT4状態において当選した場合に、遊技状態を特定遊技状態としてのRT0内部状態〜RT4内部状態に移行可能となり、CBBが入賞、つまり特定図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、特定遊技状態としてのRT0内部状態〜RT4内部状態を終了させて特定遊技状態とは異なる第1遊技状態であるボーナス状態に遊技状態を移行する。また、遊技状態移行制御手段170は、CBBの当選時に特定図柄組合せが有効ラインL1上に表示されなかった場合に、遊技状態をボーナス状態に移行させることなく特定遊技状態を維持する。そして、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態において、メダルの払出総数が特定総数(本実施形態では14枚)に到達した場合に、ボーナス状態を終了させて、特定遊技状態及び第1遊技状態とは異なる第2遊技状態であるRT0状態〜RT4状態に遊技状態を移行する。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、RT3状態とRT4状態とにおいて、RT0状態〜RT2状態よりも高確率でリプレイに当選するように構成されている。そして、図5(C)、(D)に示すように、RT3状態では、通常リプレイとRT4移行リプレイとに当選可能に構成され、RT4状態では、打順リプレイ13〜打順リプレイ15と通常リプレイとに当選可能に構成されている。しかしながら、RT3状態及びRT4状態において当選可能なリプレイ役の構成は、これに限定されるものではない。
スロットマシン1は、RT3状態において、通常リプレイ及びRT4移行リプレイとは異なる入賞図柄組合せを有する特殊リプレイに当選可能に構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、RT4状態においても特殊リプレイに当選可能に構成されていてもよい。この場合、スロットマシン1は、特殊リプレイの入賞図柄組合せを、通常リプレイ、RT4移行リプレイ、RT3移行リプレイ及び特殊リプレイ1〜特殊リプレイ3の入賞図柄組合せとは異なる入賞図柄組合せで構成することが好ましい。また、スロットマシン1は、特殊リプレイに当選した場合に、特殊リプレイに当選したことに基づきAT状態においてAT状態が実行される期間の延長を設定する上乗せ処理を実行可能に構成されていてもよい。このように構成された場合、特殊リプレイは、AT状態が実行される期間の延長を設定する上乗せ処理の実行という遊技に関する特典を遊技者に付与可能な特殊役を構成する。
上述した通り、本実施形態のスロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態においてCBBに当選した場合に、CBBに当選したことを契機としてリプレイの当選確率が変化することがない構成となっているが、例えば、RT4内部状態においては、打順リプレイ13〜打順リプレイ15と特殊リプレイとが重複して当選するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、CBBに当選したことを契機として各リプレイの当選確率の合計値(総確率)については変更されないが、複数の当選態様(特殊リプレイの単独当選と、打順リプレイ13〜打順リプレイ15との重複当選)を有する特殊リプレイのいずれかに当選する確率については、CBBに当選しRT4内部状態に移行することで向上させることができるようになる。この、RT4内部状態において特殊リプレイに単独当選する当選態様については、例えば、RT4状態でCBBと重複して当選するリプレイとして特殊リプレイを割り当てることで、CBBに当選することで開始されるRT4内部状態において特殊リプレイに単独当選する当選態様が設けられるように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態において、CBBに単独当選する当選態様と、CBBと小役又はリプレイとに重複当選する当選態様とを有していることが好ましい。また、スロットマシン1は、RT4内部状態における内部抽選で打順リプレイ13〜打順リプレイ15及び特殊リプレイに重複して当選可能な当選態様に当選した場合、打順及びストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらずに特殊リプレイを入賞させるようにリール停止制御する、つまり、RT4内部状態においては、リール停止制御によってRT4状態よりも特殊リプレイに入賞する確率が高くなるように構成されることが好ましい。
このように構成されることで、スロットマシン1は、第1遊技状態であるボーナス状態及び第2遊技状態であるRT4状態である場合に特殊役が入賞する所定の確率よりも、特定遊技状態であるRT4内部状態において高確率で入賞するように制御される。このため、スロットマシン1は、RT4内部状態である場合に、AT状態が継続する期間を設定する上乗せ処理が他の遊技状態である場合よりも高頻度で実行されるとともに、特殊リプレイが入賞することで上乗せ処理を実行したことを遊技者に示唆することができるため、RT4内部状態における遊技性を向上させた魅力的な遊技性を遊技者に提供することができる。この、特殊役の入賞確率を制御するリール制御手段130と、遊技状態移行制御手段170と、内部抽選テーブル記憶手段191と、は、入賞確率制御手段を構成する。
なお、スロットマシン1においては、遊技に関する特典を遊技者に付与可能な特殊役として、特殊リプレイに限らず、特別小役を有していてもよい。特殊役として特別小役を有するように構成された場合、スロットマシン1は、共通ベル役の当選時にベルAと特別小役とが重複して当選するように構成され、RT4内部状態においては、共通ベル役の当選時にストップボタンの押下タイミングによらずに特別小役が入賞するようにリール停止制御が実行されるように構成されていてもよい。
上述した通り、スロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態においてCBBに当選した場合に、CBBに当選したことを契機としてリプレイの当選確率が変化することがない構成となっているため、RT4内部状態における内部抽選テーブルにおいては、RT4状態においてCBBの単独当選に対応付けられていた乱数が、「ハズレ(非当選)」に対応付けられ、CBBと小役の重複当選に対応付けられた乱数が、「小役」に対応付けられ、CBBとリプレイの重複当選に対応付けられた乱数が「リプレイ」に対応付けられることになる。RT4内部状態では、上述した通り、CBBの抽選フラグが常にON状態でセットされることになる。このため、スロットマシン1は、RT4内部状態における遊技での内部抽選において、いずれかの小役に当選した場合には、該当選した小役が入賞するかいずれの小役も入賞しない取りこぼし(ハズレ)となるようにリール停止制御され、いずれかのリプレイに当選した場合には、当選したリプレイが入賞するようにリール停止制御され、ハズレ(非当選)となった場合に、抽選フラグがON状態にセットされているCBBが単独で当選した状態となり、CBBが入賞するようにリール停止制御される。
なお、スロットマシン1は、RT0状態〜RT4状態においてCBBに当選した場合に、CBBに当選したことを契機としてリプレイの当選確率が変化するように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、CBBに当選することで移行するRT0内部状態〜RT4内部状態において、RT0状態〜RT4状態においてCBBの単独当選に対応付けられていた乱数の一部がリプレイに対応付けられるように構成されていてもよい。特に、スロットマシン1は、RT4内部状態においてRT4状態よりもリプレイの当選確率が増加する際に、リプレイ役のうち上述した特殊リプレイの当選確率が増加するように構成されていてもよい。このように構成されることで、スロットマシン1は、RT4内部状態である場合に、AT状態が継続する期間を設定する上乗せ処理が他の遊技状態である場合よりも高頻度で実行されるとともに、特殊リプレイが入賞することで上乗せ処理を実行したことを遊技者に示唆することができるため、RT4内部状態における遊技性を向上させた魅力的な遊技性を遊技者に提供することができる。
また、スロットマシン1は、CBBに当選することで移行するRT0内部状態〜RT4内部状態において、RT0状態〜RT4状態においてCBBの単独当選に対応付けられていた乱数のすべてがリプレイに対応付けられるように構成されていてもよい。特に、スロットマシン1は、RT4内部状態においてRT4状態よりもリプレイの当選確率が増加する際に、リプレイ役のうち上述した特殊リプレイの当選確率が増加するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、RT0内部状態〜RT4内部状態における毎回の遊技において、CBBと小役又はリプレイとが必ず重複当選することになる。上述した通り、スロットマシン1では、ロジック演算処理において、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められていることから、RT0内部状態〜RT4内部状態における毎回の遊技においてCBBと小役又はリプレイとが必ず重複当選するように構成された場合には、内部抽選でストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な小役を含む当選態様(例えば、打順ベル1〜打順ベル6のようなストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な特殊小役1〜特殊小役6と、正解打順であればストップボタンの押下タイミングによらず入賞可能なベルAと、に重複して当選する当選態様や、チャンス役のようなストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な小役に単独で当選する当選態様)に当選することで、ストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な小役とCBBとが重複当選し、かつストップボタンの押下タイミングが該小役を入賞させることができない押下タイミングであった場合に、CBBが入賞するようにリール停止制御が実行されることで、RT0内部状態〜RT4内部状態からボーナス状態に移行可能に構成されていることが好ましい。
また、上述した通り、スロットマシン1において、内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス状態である場合、内部抽選の結果によらずすべての小役の抽選フラグをON状態にセットする。また、リール制御手段130は、ボーナス状態において、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から75ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようにリールの停止制御を実行する。この際、リール制御手段130は、すべての小役の抽選フラグがON状態にセットされていることに基づき、押下検出位置から停止表示可能な小役の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示するようにリール停止制御を実行する。そして、払出制御手段150は、ボーナス状態においてリール制御手段130が有効ラインL1上に停止表示させた図柄組合せから入賞判定手段140により入賞したと判定した小役に対応付けられた配当に基づき、メダルの払い出しを実行するように構成されている。このように構成された場合、内部抽選手段120は、当選状態設定手段を構成する。
また、上述した通り、スロットマシン1は、ボーナス状態において、入賞することで14枚の払い出し、つまりCBBの終了条件である特定総数の払出に到達する枚数である14枚の払い出しがなされる第1小役と、入賞することで13枚の払い出しがなされる第2小役と、に当選可能に構成されているが、第1小役と第2小役とは、RT0状態〜RT4状態及びRT0内部状態〜RT4内部状態においても当選可能に構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、ボーナス状態における内部抽選においてリプレイに当選可能に構成され、リプレイの当選時には第2小役を優先して入賞させるようにリール停止制御を実行し、リプレイの非当選時には第1小役を優先して入賞させるようにリール停止制御を実行するように構成されていてもよく、ボーナス状態において第2小役を入賞させた場合には、RT0状態〜RT4状態に移行させることなくボーナス状態を維持させるように構成される。
このように構成されることで、スロットマシン1は、ボーナス状態において、内部抽選でリプレイに当選した場合には、第1小役に対応する図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、特定総数よりも少ないメダルが遊技者に払い出される。このとき、ボーナス状態におけるメダルの払出総数が特定総数に到達していないため、次の遊技においてもボーナス状態が維持される。この場合、再び、内部抽選の結果に関わらず、第1小役および第2小役の双方が当選状態に設定され、リプレイの当否に応じて、特定総数以上のメダルを遊技者に払い出し可能な第2小役に対応する図柄組合せが有効ラインL1上に表示され得るので、多くのメダルを獲得可能になる。
なお、スロットマシン1において、第1小役の配当は、CBBの終了条件である特定総数の払出枚数と同数の払出枚数に設定されているが、これに限らず、CBBの終了条件である特定総数以上の払出枚数であればよい。また、スロットマシン1において、第2小役の配当は、CBBの終了条件である特定総数の払出枚数よりも少ない枚数である13枚に設定されているが、これに限らず、CBBの終了条件である特定総数未満の払出枚数であればよい。
以上より、本変形例に記載のスロットマシン1は、規定数の遊技媒体の投入下における遊技開始操作を契機に、特定役及び前記特定役と異なる通常役を含む複数種類の役のうち1又は複数の役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段(120)と、前記内部抽選で前記特定役に当選したときから前記特定役に対応付けられた特定図柄組合せが前記有効ラインに表示される前までの特定遊技状態を含む複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御する遊技状態移行制御手段(170)と、を備え、
前記複数種類の役に、遊技に関する特典を遊技者に付与可能な特殊役が含まれており、
前記特殊役の入賞確率を制御する入賞確率制御手段(130,170,191)を更に備え、
前記遊技状態移行制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記特定図柄組合せが前記有効ラインに表示された場合に前記特定遊技状態を終了させて前記特定遊技状態と異なる第1遊技状態に移行させる一方、前記特定図柄組合せが前記有効ライン上に表示されなかった場合に前記第1遊技状態に移行させることなく前記特定遊技状態を維持させ、
前記第1遊技状態において、前記遊技媒体の払出総数が特定総数に到達した場合に前記第1遊技状態を終了させて前記特定遊技状態及び前記第1遊技状態と異なる第2遊技状態に移行させ、
前記第2遊技状態において、前記内部抽選で前記特定役に当選した場合に前記第2遊技状態を終了させて前記特定遊技状態に移行させ、
前記リール制御手段は、
前記内部抽選で前記特定役に単独で当選した場合には、前記ストップスイッチの操作態様に関わらず、前記特定図柄組合せを前記有効ライン上に表示するよう前記リールを停止させる一方、前記内部抽選で前記特定役及び前記通常役に重複して当選した場合には、前記ストップスイッチの操作態様に関わらず、前記特定図柄組合せよりも、前記通常役に対応付けられた図柄組合せを優先させて前記有効ライン上に表示するよう前記リールを停止させ、
前記入賞確率制御手段は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態において、前記特殊役の入賞確率を所定の確率に制御すると共に、前記特定遊技状態において、前記特殊役の入賞確率を前記所定の確率よりも高確率に制御する、ことを特徴とする。
また、本変形例に記載のスロットマシン1において、
前記第1遊技状態において、前記内部抽選の結果に関わらず、前記小役を当選状態に設定する当選状態設定手段(120)を更に備え、
前記リール制御手段は、前記第1遊技状態において、前記小役が当選状態に設定されていることに起因して、前記小役に対応する図柄組合せを前記有効ライン上に表示させるように前記リールを停止させ、
前記払出制御手段は、前記小役に対応する図柄組合せが前記有効ラインに表示された場合に、所定数の遊技媒体を払い出す、ことを特徴とする。
また、本変形例に記載のスロットマシン1において、
前記小役には、前記特定総数よりも少ない遊技媒体を遊技者に払い出し可能な第1小役と、前記特定総数以上の遊技媒体を遊技者に払い出し可能な第2小役と、が含まれており、
前記当選状態設定手段は、前記第1遊技状態において、前記内部抽選の結果に関わらず、前記第1小役及び前記第2小役の双方を当選状態に設定し、
前記リール制御手段は、前記第1遊技状態において、前記内部抽選で前記リプレイに当選した場合に、前記第2小役よりも前記第1小役を優先させて、前記第1小役に対応する図柄組合せを前記有効ラインに表示可能とさせるように前記リールを停止させる一方、前記内部抽選で前記リプレイに当選しなかった場合に、前記第1小役よりも前記第2小役を優先させて、前記第2小役に対応する図柄組合せを前記有効ラインに表示可能とさせるように前記リールを停止させ、
前記遊技状態移行制御手段は、前記第1遊技状態における遊技媒体の払出総数が前記特定総数に到達していない場合には、前記第2遊技状態に移行させることなく前記第1遊技状態を維持させる、ことを特徴とする。