<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図である。
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXメダル投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160a〜cはスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。全面扉102の下部に設けられたタイトルパネル162は、遊技台を装飾するためのものであり、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置200が配設されている。この演出装置200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材202と、水平方向に移動自在な水平可動部材204と、これらの可動部材202、204の奥側に配設された液晶表示装置157を備えており、液晶表示装置157が演出表示を行うと共に、垂直可動部材202および水平可動部材204が液晶表示装置157の手前で演出動作を行う構造となっている。また、垂直可動部材202および水平可動部材204の手前側には、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204を覆うようにして透明なカバー部材205が配設されている。このカバー部材205の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域206および下部遮蔽領域208がそれぞれ設けられており、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204の一部を遮蔽している。
<演出装置>
次に、演出装置200について説明する。図2(a)および(b)は、カバー部材205を取り外した状態の演出装置200の正面図である。上述のように演出装置200は、液晶表示装置157と、液晶表示装置157の前方に配設された垂直可動部材202および水平可動部材204を有して構成されている。また、演出装置200には、これらの可動部材202、204を駆動するための左駆動機構210、右駆動機構220および上駆動機構230が配設されている。ている。
垂直可動部材202は、宇宙船のコックピットにおける計器盤の模型であり、液晶表示装置157と略同じ幅に構成されている。垂直可動部材202は、左方に向けて突出した左ブラケット202aを介して左駆動機構210に接続されると共に、右方に向けて突出した右ブラケット202bを介して右駆動機構220に接続されている。また、垂直可動部材202の中央部には、略四角形状の開口部202cが形成されており、前方の遊技者がこの開口部202cを通して奥側の液晶表示装置157の表示を視認することができるようになっている。演出では、液晶表示装置157によって開口部202cの後方に遊技者に対するメッセージが表示される。
水平可動部材204は、宇宙船のコックピットにおける照準器の模型であり、液晶表示装置157の上部に配設されている。水平可動部材202は、上方に向けて突出した上ブラケット204aを介して上駆動機構230に接続されている。水平可動部材202の中央部には、十字線と共にその周囲には開口部が形成されており、遊技者は水平可動部材202を通して奥側の液晶表示装置157の表示を視認することが可能となっている。
左駆動機構210は、液晶表示措置157の左側面に配設されており、上下方向に配設されたガイドレール211と、ガイドレール211に沿って移動する左スライダ212と、左スライダ212が固定されると共に複数のプーリ213に巻き回された無端ベルト214と、無端ベルト214を走行させる左モータ215から構成されている。左駆動機構210は、左モータ215で無端ベルト214を走行させることによって左スライダ212を上下に移動させる。左モータ215は、本実施例ではステッピングモータであり、左スライダ212を任意の位置まで移動させて停止させることが可能である。ガイドレール211の下端近傍には左センサA216が配設され、上端近傍には、左センサB217が配設されており、左スライダ212の下限位置および上限位置をそれぞれ検出する。垂直可動部材202の左ブラケット202aは、左スライダ212に揺動自在に接続されている。
右駆動機構220は、液晶表示措置157の右側面に配設されており、左駆動機構210と同様に、ガイドレール221と、右スライダ222と、複数のプーリ223と、無端ベルト224と、右モータ225と、右センサA226と、右センサB227から構成されている。右駆動機構220は、ステッピングモータである右モータ225で無端ベルト224を走行させることによって右スライダ222を上下方向の任意の位置まで移動させて停止させる。垂直可動部材202の右ブラケット202bは、右スライダ222に揺動自在に接続されている。
上駆動機構230は、液晶表示措置157の上面に配設されており、左右駆動機構210、220と同様に、ガイドレール231と、上スライダ232と、複数のプーリ233と、無端ベルト234と、上モータ235と、上センサA236と、上センサB237から構成されている。上駆動機構230は、ステッピングモータである上モータ235で無端ベルト234を走行させることによって上スライダ232を左右方向の任意の位置まで移動させて停止させる。上センサA236は上スライダ232の左限位置を検出し、上センサBは、上スライダ232の右限位置を検出する。水平可動部材204の右ブラケット204aは、上スライダ232に接続されている。
左駆動機構210および右駆動機構220は、左右スライダ212、222を移動させることによって、垂直可動部材202を液晶表示装置157の前方において上下方向に移動させる。また、左駆動機構210および右駆動機構220は、それぞれ独立に制御されて動作するため、図2(b)に示されるように、垂直可動部材202を斜めに傾いた状態にすることも可能となっている。なお、垂直可動部材202の左右ブラケット202a、202bは、伸縮可能に構成されている。上駆動機構230は、上スライダ232を移動させることによって、図2(b)に示されるように、水平可動部材204を液晶表示装置157の前方において左右方向に移動させる。
左駆動機構210の左スライダ212の基準位置(原点)は、左センサA216が左スライダ212を検出する位置(下限位置)に設定されており、右駆動機構220の右スライダ222の基準位置(原点)は、右センサA226が右スライダ222を検出する位置(下限位置)に設定されている。従って、垂直稼動部材202の基準位置は、図2(a)に示されるように、液晶表示装置157の下端近傍において略水平状態となる位置に設定される。
また、上駆動機構230の上スライダ232の基準位置(原点)は、上センサA236が上スライダ232を検出する位置(左限位置)に設定されている。従って、水平可動部材204の基準位置は、液晶表示装置157の左上角部近傍の位置に設定される。基準位置にある垂直可動部材202および水平可動部材204は、カバー部材205の下部遮蔽領域208および上部遮蔽領域206に半ば遮蔽された状態となる(図1参照)。
垂直可動部材202および水平可動部材204は、演出において後述する副制御部600に制御され、絶対座標動作(主動作)と相対座標動作(副動作)の2種類の動作を行う。このうち、絶対座標動作は、上記基準位置を基点とした制御による動作であり、相対座標動作は、絶対座標動作を中断(停止)した時の各可動部材202、204の位置を基点とした制御による動作である。垂直可動部材202および水平可動部材204の動作の詳細については後述する。
なお、本実施例の演出装置200は、液晶表示装置157の下面に、上駆動機構230と同様に構成された下駆動機構をさらに備えることが可能に構成されている。従って、演出装置200は、2つの水平可動部材204を備える、または1つの水平可動部材204を垂直可動部材202と同様に2つの駆動機構によって駆動することのいずれかをオプションとして選択することが可能となっている。
<制御部>
次に、図3〜図6を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンド(制御コマンドとも言う)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、副制御部500より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部600と、によって構成されている。
<主制御部300>
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
本実施例では、メダル投入ボタン132は、演出用投入ボタンとしても機能させている。すなわち、メダル投入ボタン132は、遊技者の操作を介入させる演出を行う場合に、遊技者による演出操作を受け付けるためのボタンとしても機能するようになっている。具体的には、遊技者によるスタートレバー135の操作から全てのリール110〜112が停止するまでの間に、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合、CPU310は、遊技者による演出操作があったもの(演出用投入ボタンの受付)と判断し、遊技者の操作に対応した処理を実行する。そして、全てのリール110〜112の停止から遊技者によりスタートレバー135が操作されるまでの間に、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合、CPU310は電子的に貯留メダルを3枚投入する。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400に信号(例えば、ボーナスや小役の内部当選を示すコマンド、演出用投入ボタン受付コマンド等)を送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部400>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。さらに、CPU410には、データバスを介して主制御部300から信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461が接続されている。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
また、CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理を自ら実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース460を介して副制御部500に送信する。また、CPU410は、演出処理において入出力インタフェース470を介して副制御部600からのコマンドを受信する。
<副制御部500>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の副制御部500について説明する。副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
このCPU510は、副制御部400のCPU410からの信号(コマンド)を入出力インタフェース520を介して受信し、副制御部500全体を制御する。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。ROM512には、副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM535、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU510からの信号をもとにCG−ROM535に記憶された画像データを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
また、CPU510には、主制御部300および副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、入出力インタフェース520が接続されている。入出力インタフェース520は、副制御部400から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部600に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU510は、入出力インタフェース520を介して副制御部400から受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置157の表示を制御する処理を実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース520を介して副制御部600に送信する。
<副制御部600>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の副制御部600について説明する。副制御部600は、演算処理装置であるCPU610や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路614は、水晶発振器611から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU610に供給する回路である。
このCPU610は、副制御部500のCPU510からの信号(コマンド)を入出力インタフェース620を介して受信し、副制御部600全体を制御する。
また、CPU610にはタイマ回路615がバスを介して接続されている。CPU610は、所定のタイミングでデータバスを介してROM612の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路615に送信する。タイマ回路615は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU610に送信する。CPU610は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU610には、バスを介して、ROM612およびRAM613が接続されている。ROM612には、副制御部600全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM613は、CPU610で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
また、CPU610には、外部の機器から信号を受信するための入力インタフェース660、および外部の機器へ信号を送信するための出力インタフェース670が接続されている。入力インタフェース660には、演出装置200の各駆動機構210、220、230が備える左センサA216、左センサB217、右センサA226、右センサB227、上センサA236および上センサB237が接続されている。なお、本実施例の副制御部600は、オプションとしてさらに下センサA667、および下センサB668を接続可能に構成されている。
出力インタフェース670には、演出装置200の各駆動機構210、220、230が備える各モータ215、225、235がドライバを介して接続されている。具体的には、左モータドライバ671を介して左モータ215、右モータドライバ672を介して右モータ225、上モータドライバ673を介して上モータ235が接続されている。なお、本実施例の副制御部600は、オプションとしてさらに下モータドライバ674を介して下モータ675を接続可能に構成されている。
また、CPU610には、副制御部400および副制御部500と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路650が接続されており、アドレスデコード回路650には、入出力インタフェース620、入力インタフェース660および出力インタフェース670が接続されている。入出力インタフェース620は、副制御部500から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部400に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU610は、入出力インタフェース620を介して副制御部500から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の各駆動機構210、220、230を制御する処理を実行すると共に、コマンドを入出力インタフェース620を介して副制御部400に送信する。
なお、主制御部300と副制御部400の間の情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、主制御部300からはコマンド等の信号を副制御部400へ送信することができるが、副制御部400からはコマンド等の信号を主制御部300へ送信することはできない。
また、副制御部400と副制御部500、副制御部500と副制御部600、および副制御部600と副制御部400の間の直接的な情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、副制御部400から副制御部500へ、副制御部500から副制御部600へ、および副制御部600から副制御部400へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができるが、副制御部500から副制御部400へ、副制御部600から副制御部500へ、および副制御部400から副制御部600へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができない。従って、副制御部500から副制御部400へ信号を送信する場合は、副制御部500から副制御部600を介して副制御部400へ信号を送信するようになっている。同様に、副制御部600から副制御部500へ信号を送信する場合は、副制御部600から副制御部400を介して副制御部500へ信号を送信し、副制御部400から副制御部600へ信号を送信する場合は、副制御部400から副制御部500を介して副制御部600へ信号を送信する。
<図柄配列>
次に、図7を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施例では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施例では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例では、左リール110の番号1のコマには「BB1図柄」、中リール111の番号0のコマには「CHANCE図柄(チャンス図柄)」、右リール112の番号2のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出枚数、および各入賞役の作動を示した図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役1(BB1)と、特別役2(BB2)と、特別役3(RB)と、小役(CHANCE、ベル、スイカ、チェリー)と、再遊技役(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。また、本実施例において、特別役1(BB1)はボーナス役1(BB1)と言うことがあり、特別役2(BB2)はボーナス役2(BB2)と言うことがあり、特別役3(RB)はボーナス役3(RB3)と言うことがある。また、これら特別役1〜3を総称してボーナス役と言うことがある。
本実施例における入賞役のうち、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)および特別役3(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく前回遊技で投入した枚数と同じ枚数のメダルを投入したものとする再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施例における「入賞役」には、作動役である、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)および再遊技役1、再遊技役2が含まれる。また、「入賞」とは、入賞役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されることをいうが、本実施例における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)、再遊技役への入賞が含まれる。
「特別役1(BB1)、特別役2(BB2)」(以下、特別役1(BB1)および特別役2(BB2)を「ビッグボーナス(BB)」と総称する場合がある)は、入賞によりビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組合せ「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2に対応する図柄組合せ「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」が、有効ライン上に揃って入賞する状態にある。
「特別役3(RB)」(以下、特別役3(RB)を「レギュラーボーナス」と称する場合がある。)は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。なお、本実施例では、上述したビッグボーナス遊技(BB遊技)およびレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を合わせて特別遊技又は単にボーナス遊技と言うことがある。また特別遊技は、通常遊技よりも遊技媒体の獲得率が高く、遊技者に有利な遊技状態である。
「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、小役4(チェリー)」(以下、単に「CHANCE」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、CHANCEが「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、チェリーが「チェリー図柄−ANY−ANY」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー図柄−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよいことを示している。「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、および小役4(チェリー)」」を一般役と言う。
「再遊技役(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技状態(RT0モード)と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)と、BB遊技とRB遊技を含むボーナス遊技(RT2モード)と、再遊技変動遊技(RT3モード)と、に大別することができる。
<通常遊技状態(RT0モード)>
通常遊技状態(RT0モード)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が複数回の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいい、本実施例では、後述する特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)、ボーナス遊技(RT2モード)、および再遊技変動遊技(RT3モード)以外の遊技状態をいう。この通常遊技状態(RT0モード)では、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。また、再遊技変動遊技(RT3モード)が終了した場合には、通常遊技状態(RT0モード)に移行する。
<特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)>
この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、特別役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、通常遊技状態(RT0モード)において、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)、または後で説明する再遊技変動遊技(RT3モード)において、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施例では、100ゲーム)を消化した場合に移行する。また、BB1、BB2またはRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、入賞した特別役(特別役1〜3)の種類に応じて、次に説明するBB遊技(BB1遊技、BB2遊技)やRB遊技に移行する。
<BB遊技(RT2モード)>
BB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施例では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。BB遊技の一つであるBB1遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技の一つであるBB2遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB2に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技(BB1遊技またはBB2遊技)は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(例えば、リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技(RT2モード)>
RB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施例では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。RB遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、RB遊技は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、104枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、予め定めた所定の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」、「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた所定の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた所定の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了するようにしてもよい。
<再遊技変動遊技(RT3モード)>
再遊技変動遊技(RT3モード)の内容は特に限定されないが、本実施例では、再遊技役の内部当選確率を、通常遊技状態(RT0モード)における再遊技役(例えば、再遊技役1(リプレイ))の内部当選確率(本実施例では、約1/7.3)よりも上昇させる変動を行う遊技状態である。再遊技変動遊技状態(RT3モード)は、BB遊技状態(RT2モード)において、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合、および通常遊技状態(RT0モード)において、CHANCEに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、再遊技変動遊技状態(RT3モード)では、所定の遊技数(本実施例では、100ゲーム)を消化した場合に通常遊技状態(RT0モード)に移行し、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施例では、100ゲーム)を消化した場合に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。なお、本実施例では、再遊技変動遊技をリプレイタイムとも言う。また、本実施例で特典遊技とは、例えばRT準備状態やRT状態をいうが、これに限定されず通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与される遊技であればよい。したがって、例えば、AT(アシストタイム:入賞役の内部当選等をランプ等で遊技者に報知する機能)、ART(アシストリプレイタイム:上述のATとRTを併せ持つ機能)、ST(ストックタイム:ボーナス役の内部当選フラグを一時的に貯留し、一定の条件を満たした場合にボーナス役の内部当選フラグを放出する機能)等でもよい。
<主制御部の処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。そして、各処理の実行によって得られた情報は、所定のタイミングで副制御部400に適宜送信される。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、主制御部メイン処理のステップS101において各種の初期化処理が実行され、各種の初期設定が行われる。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。また、ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、副制御部400に対してスタート信号(コマンド)を送信する。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定し、ステップS104では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、現在の遊技状態に応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う(抽選手段)。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果、入賞役に内部当選したと判定した場合には入賞役に対応するコマンドを、また、ハズレ(入賞役の非当選)と判定した場合にはハズレに対応するコマンドを、副制御部400に送信する。例えば、特別役に内部当選した場合には、副制御部400に対して特別役(ボーナス役)内部当選コマンドを送信し、スイカまたはチェリーに内部当選した場合には、副制御部400に対してスイカ/チェリー内部当選コマンドを送信する。
ステップS106では、ROM312に格納されているリール停止制御データ選択テーブルを参照し、ステップS105の内部抽選結果等に基づいて候補となるリール停止制御データを選択する。また、ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、演出用投入ボタン受付処理を行う。演出用投入ボタン受付処理については後述する。
ステップS109では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。また、ステップS109では、全てのリール110〜112が停止した場合に、副制御部400に対して第3停止コマンドを送信する。
ステップS110では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、このステップS110では、入賞判定の結果、入賞役に入賞したと判定した場合に、入賞役に対応するコマンドを副制御部400に送信する。例えば、有効ライン上に「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」が表示された場合(チャンスに入賞した場合)には、副制御部400に対してCHANCE図柄表示コマンドを送信する。また、BB1、BB2、またはRBに入賞した場合も同様に、副制御部400に対してBB1入賞コマンド、BB2入賞コマンド、またはRB入賞コマンドをそれぞれ送信する。
ステップS111では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<演出用投入ボタン受付処理>
次に、図10を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるステップS108の演出用投入ボタン受付処理について説明する。なお、同図は、演出用投入ボタン受付処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201では、操作有効期間であるか否かを判定する。本実施例では、メダル投入ボタン132を演出用投入ボタンとしても機能させており、ここでは、この演出用投入ボタンの遊技者による操作を受け付ける操作有効期間中であるか否かを判定する。具体的には、現在、スタートレバー135が操作されてから全てのリール110〜112が停止されるまでの間の操作有効期間中であるか否かを判定する。操作有効期間中である場合はステップS202に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS202では、遊技者による演出用投入ボタン(メダル投入ボタン)132の操作を受け付けたか否かを判定する。演出用投入ボタン132の操作を受け付けた場合はステップS203に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS203では、遊技者による演出用投入ボタン132の操作を受け付けた旨の演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。なお、副制御部400〜600では、この演出用投入ボタン受付コマンドの受信に基づいた所定の演出処理が実行される。例えば、後述する演出「対戦1」を実行中の場合、副制御部400は演出用投入ボタン受付コマンドを受信した旨の制御コマンドを副制御部500、および副制御部500を介して副制御部600に送信する。この制御コマンドの受信に基づいて、副制御部600は、水平可動部材204を停止(副動作)させ、その後、副制御部500は、UFOに向けて飛行するミサイルの画像を液晶表示装置157に表示させる。
<副制御部400の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図11(a)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。ステップS303では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データ等の更新を行う。具体的には、例えば、副制御部500へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて動作制御データ等を更新する。
ステップS304では、ステップS303で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)のドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS305へ進み、該当しない場合はステップS306に進む。ステップS305では、副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。ステップS306では、ステップS303で更新した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS307へ進み、該当しない場合はステップS302に戻る。ステップS307では、副制御部500に制御コマンド(例えば、特別役内部当選コマンドや演出用投入ボタン受付コマンドを主制御部300から受信した旨のコマンド等)を送信してステップS302に戻る。
次に、図11(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理について説明する。同図は、副制御部400のコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。ステップS401では、RAM413に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述するストローブ割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS402へ進み、該当しない場合はステップS401に戻る。ステップS402では、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。具体的には、例えば、取得した制御コマンドの解析結果が上述した特別役内部当選コマンドや演出用投入ボタン受付コマンドである場合には、これらのコマンドを副制御部300から受信した旨を示す制御コマンドを副制御部500へ送信する準備を行う。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
次に、図11(c)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が制御コマンドの送信とともに出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS501では、主制御部300が出力した制御コマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図11(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理のステップS601では、RAM413の所定記憶領域に記憶した汎用タイマを更新する。なお、本実施例では、割込み処理を5回行う毎に汎用タイマを1つ加算することによって汎用タイマの更新周期を10ms(=2ms×5回)に設定している。
<副制御部500の処理>
次に、副制御部500の処理について説明する。図12(a)は、副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM513内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、CG−ROM535に記憶した画像データやカラーパレットデータのうち、使用頻度の多いデータをVRAM613に転送する処理等を行う。ステップS702では、コマンド入力処理を行う。ここでは、まず、RAM513に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述する副制御部500の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。そしてコマンド記憶領域に未処理の制御コマンドが格納されている場合には、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。具体的には、例えば、取得した制御コマンドの解析結果が、特別役内部当選コマンドや演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部300から受信した旨のコマンドである場合には、これらのコマンドを副制御部400から受信した旨を示す制御コマンドを副制御部600へ送信する準備を行う。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
また、ここでは、解析した制御コマンド(例えば、特別役内部当選コマンド)の内容に基づいて抽選を行い、実行する演出の態様を決定する。例えば、副制御部500は抽選によって演出の種類を決定するが、このときに、今回の遊技で内部当選した入賞役の種類に応じて異なる抽選テーブルを使用する。
図13は、副制御部500が演出の種類を抽選する場合に参照するテーブルを示した図である。本実施例では、演出の種類として「なし」、「隕石衝突1、2」、「対戦1、2」、「確定」、「プレミアム1〜5」の11種類を設定している。
各演出の概要について説明すると、「なし」においては、液晶表示装置157に宇宙空間の画像を表示すると共に、左端および右端を交互に上下させてゆらゆらと揺れる通常動作(主動作)を垂直可動部材202に行わせる。「確定」においては、液晶表示装置157にボーナスが確定した旨の表示を行わせ、「プレミアム1〜5」においては、液晶表示動作装置157にボーナスが確定した旨の表示を「確定」とは異なる特別な態様で表示する。「隕石衝突1、2」、「対戦1、2」においては、垂直可動部材202または水平可動部材204に主動作と副動作を組み合わせた動作を行わせる。「隕石衝突1、2」、「対戦1、2」の演出内容の詳細については後述する。
これらの演出が抽選で選択される確率は、図13に示されるように、内部当選した入賞役の種類ごとに異なる値が設定されており、各々の演出に対応する入賞役の選択確率は予めROM512に記憶されている。例えば、BB1に内部当選した場合は、「なし」が選択される確率は4%であり、「隕石衝突1」が選択される確率は5%であり、「隕石衝突2」が選択される確率は20%であり、「対戦1」が選択される確率は5%であり、「対戦2」が選択される確率は35%であり、「確定」が選択される確率は30%であり、「プレミアム1」が選択される確率は0.3%であり、「プレミアム2」が選択される確率は0.2%であり、「プレミアム3」が選択される確率は0.2%であり、「プレミアム4」が選択される確率は0.2%であり、「プレミアム5」が選択される確率は0.1%となっている。また、ベルに内部当選した場合は、「なし」が選択される確率は90%、「隕石衝突1」が選択される確率は5%、「対戦1」が選択される確率は5%となっており、その他の演出が選択される確率は0%となっている。
図12(a)に戻って、抽選により、垂直可動部材202および水平可動部材204を動作させる演出が選択された場合には、左モータ215、右モータ225および上モータ226の駆動制御に関するデータを含んだコマンド(後述するモータコマンド)等を副制御部600に送信する準備を行う。
ステップS703では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、例えば、副制御部600へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて演出のための制御データ等の更新を行う。ステップS704では、液晶演出処理を行う。ここでは、VDP534により、液晶表示装置157に演出用の画像を表示させる処理等を行う。ステップS705では、ステップS703で更新した演出データの中に副制御部600に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS706に進み、該当しない場合はステップS702に戻る。ステップS706では、副制御部600に制御コマンドを送信する。ここでは、垂直可動部材202および水平可動部材204を動作させる演出を行う場合に、モータコマンド等を副制御部600に送信する。コマンドを送信した後は、ステップS702に戻る。
次に、図12(b)を用いて、副制御部500の割込み処理について説明する。同図は、副制御部500割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部500は、所定の周期(本実施例では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部500割込み処理を実行する。ステップS801では、副制御部400からの受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部400からコマンドを受信した場合はステップS802に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS802では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM513のコマンド記憶領域に記憶する。
<副制御部600の処理>
次に、副制御部600の処理について説明する。図14(a)は、副制御部600のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS901では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM613内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御して、垂直可動部材202および水平可動部材204を基準位置に移動させる処理を行う。ステップS902では、RAM613のコマンド記憶領域に未処理コマンド(後述する副制御部600の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS903に進み、そうでない場合はステップS904に進む。ステップS903では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
ステップS904では、未処理コマンドがモータコマンドであるか否かを判定する。未処理コマンドが、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御するためのモータコマンドである場合はステップS905に進み、そうでない場合はステップS906に進む。ステップS905では、動作停止の要求を行う。ここでは、後述するインターバルタイマ割込み処理に対して動作停止を要求する。具体的には、RAM613の所定の領域に動作停止を要求する旨の情報を記憶する。
ステップS906では、後述するインターバルタイマ割込み処理の絶対座標動作処理の駆動停止処理においてパーツリストデータの要求がされたか否かを判定する。具体的には、RAM613の所定の領域にパーツリストデータの取得を要求する旨の情報が記憶されているか否かを判定する。本実施例では、後述するステップS907において、受信したモータコマンドに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツリストデータを参照して制御情報を取得する。そして、後述するインターバルタイマ割込み処理において、取得したパーツリストデータに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツデータを参照してより詳細な制御情報を取得する。
図15は、モータコマンド、パーツリストデータおよびパーツデータの構造を示した概念図である。同図に示されるように、副制御部500から送信されるモータコマンドは、2byte×4の合計8byte長のデータによって構成されており、先頭から2byteごとに、左モータ215、右モータ225、上モータ235および下モータ675についてどのパーツリストデータを参照するかを示した情報(各々のパーツリストデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。なお、本実施例では、下モータ675は使用していないのでモータコマンドの下モータ675の領域には無効コマンドが格納されているが、下モータ675の領域に無効コマンドを格納するのではなく、モータコマンドを2byte×3の合計6byte長のデータで構成してもよい。
パーツリストデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「動作回数」、「データ数(N)」および「データ1〜N」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施例では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。また、「動作回数」の領域には、0〜65535の範囲で動作回数が格納されている(0の場合は無限ループとなる)。「データ数」の領域には、0〜65535の範囲でデータ1〜Nの総数(N)が格納されている(0の場合は無効(無視)となる)。「データ1〜N」の領域には、パーツデータを参照するためのアドレス(各々のパーツデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。すなわち、パーツリストデータは最小単位の制御情報である複数のパーツデータを時系列的に組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
パーツデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「移動位置(停止ポジション)」、「移動に要する時間」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施例では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。「移動位置」の領域には、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報(例えば、基準位置(原点)から移動先までのモータのステップ数)が0.4ミリ単位で格納されている。「移動に要する時間」の領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納されている(0の場合は最速動作となる)。
図14(a)に戻って、ステップS907では、モータコマンドに基づくパーツリストデータの受渡しを行う。ここでは、まず、RAM613に設定されたパーツリストデータ記憶領域に記憶されていたパーツリストデータを消去する。そして、今回の未処理コマンド(モータコマンド)に基づいてROM612から取得したパーツリストデータをパーツリストデータ記憶領域に記憶する。
ステップS908では、副制御部400へコマンドを送信するか否かを判定する。副制御部400へコマンドを送信する場合はステップS909に進み、そうでない場合は、ステップS902に戻る。ステップS909では、副制御部400へコマンドを送信して、ステップS902に戻る。副制御部600メイン処理では上記ステップS902〜S909の処理を繰り返し実行する。
次に、図14(b)を用いて、副制御部600の割込み処理について説明する。同図は、副制御部600割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施例では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部600割込み処理を実行する。ステップS1001では、受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部500からコマンドを受信した場合はステップS1002に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS1002では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM613のコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図16を用いて、副制御部600のインターバルタイマ割込み処理について説明する。なお、同図は、インターバルタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施例では、0.3msに1回)でインターバルタイマ割込み処理を実行する。
まず、ステップS1101では、後述するデータ更新記憶処理のステップS1205でセットされる相対座標動作フラグがONであるか否かを判定する。ここでは、RAM613の所定の領域に記憶された相対座標動作の開始を示す相対座標動作フラグがONであるか否かを判定し、相対座標動作フラグがONでない場合はステップS1102に進み、相対座標動作フラグがONである場合はステップS1103に進む。ステップS1102では、各可動部材202、204に絶対座標動作を行わせる絶対座標動作処理を実行し、ステップS1103では、各可動部材202、204に相対座標動作を行わせる相対座標動作処理を実行する。絶対座標動作処理および相対座標動作処理の詳細については後述する。
ステップS1104では、パーツリストデータの受渡しがされたか否かを判定する。ここでは、副制御部600メイン処理のステップS907においてRAM613のパーツリストデータ記憶領域にパーツリストデータが新たに記憶されたか否かを判定し、パーツリストデータが記憶された場合はステップS1105に進み、そうでない場合はステップS1106へ進む。
ステップS1105では、データ更新記憶処理を実行する。以下、図17を用いて、データ更新記憶処理について説明する。同図は、データ更新記憶処理の流れを示すフローチャートである。
データ更新記憶処理のステップS1201では、RAM613のパーツリストデータ記憶領域に記憶されたパーツリストデータを参照し、これに基づいてROM612に予め記憶されたパーツデータを抽出して取得する。ステップS1202では、取得したパーツデータが絶対座標動作用のものであるか否かを判定する。すなわち、パーツデータの「動作パターン」の領域に0が格納されている場合はステップS1203に進み、1が格納されている場合はステップS1204に進む。
ステップS1203では、RAM613の絶対座標動作用の指定記憶領域に抽出したパーツデータを新たに記憶する。このとき、それまで絶対座標動作用の指定記憶領域に記憶されていたパーツデータは消去される。ステップS1204では、RAM613の相対座標動作用の指定記憶領域に抽出したパーツデータを新たに記憶する。このとき、それまで相対座標動作用の指定記憶領域に記憶されていたパーツデータは消去される。
ステップS1205では、相対座標動作フラグをONにセットする。これにより、次の割込みにおいてステップS1103の相対座標動作処理が実行される。ステップS1206では、後述する絶対座標動作処理の駆動停止処理のステップS1404でセットされる駆動停止フラグをOFFにリセットする。駆動停止フラグとは、モータを一次停止させるか否かを示す情報であり、RAM613の所定の領域に記憶されている。
図16に戻って、ステップS1106では、座標処理を行う。ここでは、各モータ215、225、235の累積ステップ数から各スライダ212、222、232の現在位置の座標(例えば、ステップ数)を算出してRAM613の所定の領域に記憶する。ここで記憶された各スライダ212、222、232の現在位置の座標は、例えば、液晶表示装置157に表示する画像を、垂直可動部材202や水平可動部材204の現在位置に合わせて配置する場合等に使用される。
次に、図18を用いて、インターバルタイマ割込み処理におけるステップS1102の絶対座標動作処理について説明する。なお、同図は、絶対座標動作処理の流れを示すフローチャートである。絶対座標動作処理は、各モータ215、225、235について個別に実行される。
絶対座標動作処理のステップS1301では、駆動停止処理を行う。以下、図19を用いて、駆動停止処理について説明する。同図は、駆動停止処理の流れを示すフローチャートである。
駆動停止処理のステップS1401では、動作停止の要求があるか否かを判定する。ここでは、副制御部600メイン処理のステップS905においてRAM613の所定の領域に動作停止を要求する旨の情報が記憶されたか否かを判定する。動作停止を要求する旨の情報が記憶されている場合はステップS1402に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS1402では、駆動停止フラグがONであるか否かを判定する。駆動停止フラグがOFFである場合はステップS1403に進み、駆動停止フラグがONである場合は処理を終了する。
ステップS1403では、駆動停止情報を設定する。ここでは、各モータ215、225、235の駆動を一次停止させるために各モータドライバ671、672、673に出力する駆動停止情報(1パルスの信号)の設定を行う。駆動停止情報は、例えば「励磁」、「トルク」、「CW/CCW(回転方向)」の項目から構成され、RAM613の所定の領域に記憶される。RAM613の所定の領域にそれまで記憶されていた駆動停止情報は消去される。ステップS1404では、駆動停止フラグをONにセットする。ステップS1405では、設定した駆動停止情報を1パルスの信号として各モータドライバ671、672、673に出力する。ステップS1406では、パーツリストデータの要求を行う。ここでは、上述した副制御部600メイン処理に対してパーツリストデータの取得を要求する。具体的には、RAM613の所定の領域にパーツリストデータの取得を要求する旨の情報を記憶する。
図18に戻って、ステップS1302では、駆動停止フラグがONであるか否かを判定する。駆動停止フラグがOFFである場合はステップS1303に進み、駆動停止フラグがONである場合は処理を終了する。ステップS1303では、駆動情報の変更タイミングであるか否かを判定する。ここでは、後述する絶対座標動作用のステップ数カウンタが0であるならば、変更タイミングであると判定する。変更タイミングである場合はステップS1304に進み、そうでない場合はステップS1307に進む。ステップS1304では、インターバルタイマ割り込み処理のステップS1105のデータ更新記憶処理においてRAM613の絶対座標動作用の指定記憶領域に記憶されたパーツデータを参照して駆動情報を更新設定する。ここでは、各モータ215、225、235を駆動させるために各モータドライバ671、672、673に出力する駆動情報(1パルスの信号)の設定を行う。この駆動情報は、現在の各スライダ212、222、232の座標位置(各モータ215、225、235のステップ数)とパーツデータの「移動位置」および「移動に要する時間」に基づいて設定される。駆動情報は、例えば「励磁」、「トルク」、「CW/CCW(回転方向)」の項目から構成されている。ここで、「励磁」は、使用する励磁(1−2相または2相等)を設定するものである。「トルク」は、モータの駆動トルクを設定するものであり、通常は100に設定されるが、モータ停止後に所定時間を経過した場合は50が設定される。「CW/CCW」はモータの回転方向を設定するものであり、現在のステップ数が移動先のステップ数より小さいならば正回転に、現在のステップ数が移動先のステップ数より大きいならば負回転に設定される。設定された駆動情報はRAM613の所定の領域に記憶され、RAM613の所定の領域にそれまで記憶されていた駆動情報は消去される。なお、駆動情報は、上述の駆動停止情報とは別の領域に記憶される。
ステップS1305では、絶対座標動作用のステップ数カウンタの設定を行う。絶対座標動作用のステップ数カウンタとは、絶対座標動作において各モータドライバ671、672、673に出力されるモータのステップ数をカウントするためのものであり、RAM613の所定の領域に記憶されている。ここでは、総移動ステップ数がステップ数カウンタの初期値として設定される。総移動ステップ数は、例えば、パーツデータの「移動位置」のステップ数(基準位置から移動先までのステップ数)から、現在のステップ数を減じた数値の絶対値を求めることで算出される。現在のステップ数は、後述するステップS1310の現在ステップ数更新処理において更新された数値を使用する。
ステップS1306では、絶対座標動作用の出力回数カウンタの設定を行う。絶対座標動作用の出力回数カウンタとは、絶対座標動作において、各モータドライバ671、672、673に駆動情報の信号を出力するタイミングをカウントするためのものであり、RAM613の所定の領域に記憶されている。ここでは、上述のインターバルタイマ割込み処理(割込み周期:0.3ms)を何回実行するごとに、駆動情報の信号を出力するかが出力回数カウンタの基準値として設定される。出力回数カウンタの基準値は、2相励磁の場合、例えば、パーツデータの「移動に要する時間」の時間(ms)を割込み周期の0.3(ms)で除した数値を、さらにステップS1305で算出した総移動ステップ数で除することで算出される。1−2相励磁の場合、1回の出力(1パルスの信号)で1/2ステップとなるため、出力回数カウンタの基準値は上記演算結果の1/2の数値となる。なお、励磁が同じ且つ移動ステップ数の総数が同じ場合、出力回数カウンタの基準値が小さいほど速い動きとなる。算出された出力回数カウンタの基準値は、RAM613の所定の領域に記憶される。
ステップS1307では、各モータドライバ671、672、673に信号を出力するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、ステップS1306において設定した出力回数カウンタの基準値と、後述するステップS1311の出力回数カウンタ更新処理において更新された出力回数カウンタの数値を比較して、両者が等しい場合に信号を出力するタイミングであると判定する。信号を出力するタイミングである場合はステップS1308に進み、そうでない場合はステップS1309に進む。
ステップS1308では、設定した駆動情報を示す信号を各モータドライバ671、672、673に出力する。ここでは、駆動情報を示す1パルスのデジタル信号を各モータドライバ671、672、673に出力する。なお、駆動情報を示す信号を受信した各モータドライバ671、672、673は、受信した変更をアナログ信号に変換した上で各モータ215、225、235に出力し、各モータ215、225、235を駆動する。各モータ215、225、235は、1パルスのデジタル信号によって、2相励磁ならば1ステップ回転し、1−2相励磁ならば1/2ステップ回転する。
ステップS1309では、絶対座標動作用のステップ数カウンタの更新処理を行う。ここでは、2相励磁の駆動情報を出力した場合には、記憶された絶対座標動作用のステップ数カウンタの数値から1を減算する。また、1−2相励磁の駆動情報を出力した場合には、出力が2回行われたときに、記憶された絶対座標動作用のステップ数カウンタの数値から1を減算する。
ステップS1310では、絶対座標動作用の現在ステップ数の更新処理を行う。絶対座標動作用の現在ステップ数とは、絶対座標動作における各スライダ212、222、232の現在位置を記憶するためのものであり、RAM613の所定の領域に記憶されている。ここでは、今回出力した駆動情報が、2相励磁且つ正回転であるならば記憶された現在ステップ数に1を加算して新たに記憶し、2相励磁且つ負回転であるならば記憶された現在ステップ数から1を減算して新たに記憶する。また、今回出力した駆動情報が、1−2相励磁且つ正回転であるならば、出力が2回行われたときに記憶された現在ステップ数に1を加算して新たに記憶し、1−2相励磁且つ負回転であるならば、出力が2回行われたときに記憶された現在ステップ数から1を減算して新たに記憶する。
ステップS1311では、絶対座標動作用の出力回数カウンタの更新処理を行う。ここでは、記憶された出力回数カウンタの数値に1を加算して新たに記憶する。但し、ステップS1304において駆動情報の更新設定がされた場合には、出力回数カウンタに1を設定し、ステップS1308において駆動情報が出力された場合には出力回数カウンタに0を設定する。
次に、図20を用いて、インターバルタイマ割込み処理におけるステップS1103の相対座標動作処理について説明する。なお、同図は、相対座標動作処理の流れを示すフローチャートである。相対座標動作処理は、絶対座標動作処理と同様に、各モータ215、225、235について個別に実行される。
相対座標動作処理のステップS1501では、補正処理を行う。以下、図21を用いて、補正処理について説明する。同図は、補正処理の流れを示すフローチャートである。
補正処理のステップS1601では、相対座標動作を実行中であるか否かについて判定する。相対座標動作を実行中でない場合はステップS1602に進み、相対座標動作を実行中である場合は処理を終了する。ステップS1602では、これから実行する相対座標動作が各スライダ212、222、232の動作可能範囲内であるか否かを判定する。具体的には、相対座標動作用の指定記憶領域に記憶されたパーツデータの「移動位置」に設定された移動量と、各スライダ212、222、232の現在位置から上限位置または下限位置(上スライダ232の場合は、左限位置または右限位置)までの距離を比較して判定する。実行する相対座標動作が動作可能範囲内でない場合はステップS1603に進み、動作可能範囲内である場合は処理を終了する。
ステップS1603では、相対座標動作用の指定記憶領域に記憶されたパーツデータを補正する。ここでは、パーツデータの「移動位置」に設定された移動量を各スライダ212、222、232の動作可能範囲内の数値となるように補正する。例えば、左スライダ212の現在位置から下限位置までの距離が10であり、パーツデータの「移動位置」に設定された下方向の移動量が20である場合には、パーツデータの「移動位置」に設定された下方向の移動量を10に変更して記憶する。また、左スライダ212の現在位置が下限位置である場合には、パーツデータの「移動位置」に設定された下方向の移動量を0に変更して記憶する。
図20に戻って、ステップS1502では、駆動情報の変更タイミングであるか否かを判定する。ここでは、後述する相対座標動作用のステップ数カウンタの数値が0であるならば、変更タイミングであると判定する。変更タイミングである場合はステップS1503に進み、そうでない場合はステップS1506に進む。
ステップS1503では、インターバルタイマ割り込み処理のステップS1105のデータ更新記憶処理においてRAM613の相対座標動作用の指定記憶領域に記憶されたパーツデータを参照して駆動情報を更新設定する。ここでは、各モータ215、225、235を駆動させるために各モータドライバ671、672、673に出力する駆動情報(1パルスの信号)の設定を行う。算出された駆動情報はRAM613の所定の領域に記憶され、RAM613の所定の領域にそれまで記憶されていた駆動情報は消去される。なお、駆動情報は、駆動停止情報とは別の領域に記憶される。
ステップS1504では、相対座標動作用のステップ数カウンタの設定を行う。相対座標動作用のステップ数カウンタとは、相対座標動作において各モータドライバ671、672、673に出力されるモータのステップ数をカウントするためのものであり、RAM613の所定の領域に絶対座標動作用のステップ数カウンタとは別に記憶されている。ここでは、総移動ステップ数がステップ数カウンタの初期値として設定される。総移動ステップ数は、例えば、パーツデータの「移動位置」のステップ数(基準位置から移動先までのステップ数)から、現在のステップ数を減じた数値の絶対値を求めることで算出される。現在のステップ数は、後述するステップS1511の現在ステップ数更新処理において更新された数値を使用する。
ステップS1505では、相対座標動作用の出力回数カウンタの設定を行う。相対座標動作用の出力回数カウンタとは、相対座標動作において、各モータドライバ671、672、673に駆動情報の信号を出力するタイミングをカウントするためのものであり、RAM613の所定の領域に絶対座標動作用の出力回数カウンタとは別に記憶されている。ここでは、上述のインターバルタイマ割込み処理(割込み周期:0.3ms)を何回実行するごとに、駆動情報の信号を出力するかが出力回数カウンタの基準値として設定される。出力回数カウンタの基準値は、2相励磁の場合、例えば、パーツデータの「移動に要する時間」の時間(ms)を割込み周期の0.3(ms)で除した数値を、さらにステップS1305で算出した総移動ステップ数で除することで算出される。1−2相励磁の場合、1回の出力(1パルスの信号)で1/2ステップとなるため、出力回数カウンタの基準値は上記演算結果の1/2の数値となる。
ステップS1506では、各モータドライバ671、672、673に信号を出力するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、ステップS1505において設定した出力回数カウンタの基準値と、後述するステップS1512の出力回数カウンタ更新処理において更新された出力回数カウンタの数値を比較して、両者が等しい場合に信号を出力するタイミングであると判定する。信号を出力するタイミングである場合はステップS1507に進み、そうでない場合はステップS1512に進む。ステップS1507では、設定した駆動情報を示す信号を各モータドライバ671、672、673に出力する。
ステップS1508では、相対座標動作用のステップ数カウンタの更新処理を行う。ここでは、2相励磁の駆動情報を出力した場合には、記憶された相対座標動作用のステップ数カウンタの数値から1を減算する。また、1−2相励磁の駆動情報を出力した場合には、出力が2回行われたときに、記憶された相対座標動作用のステップ数カウンタの数値から1を減算する。
ステップS1509では、相対座標動作用のステップ数カウンタの数値が0であるか否かを判定する。相対座標動作用のステップ数カウンタの数値が0である場合はステップS1510に進み、そうでない場合はステップS1511に進む。ステップS1510では、上述のデータ更新記憶処理のステップS1205でONにセットされた相対座標動作フラグをOFFにリセットする。
ステップS1511では、相対座標動作用の現在ステップ数の更新処理を行う。相対座標動作用の現在ステップ数とは、相対座標動作における各スライダ212、222、232の現在位置を記憶するためのものであり、RAM613の所定の領域に絶対座標動作用の現在ステップ数とは別に記憶されている。ここでは、今回出力した駆動情報が、2相励磁且つ正回転であるならば記憶された現在ステップ数に1を加算して新たに記憶し、2相励磁且つ負回転であるならば記憶された現在ステップ数から1を減算して新たに記憶する。また、今回出力した駆動情報が、1−2相励磁且つ正回転であるならば、出力が2回行われたときに記憶された現在ステップ数に1を加算して新たに記憶し、1−2相励磁且つ負回転であるならば、出力が2回行われたときに記憶された現在ステップ数から1を減算して新たに記憶する。
ステップS1512では、相対座標動作用の出力回数カウンタの更新処理を行う。ここでは、記憶された出力回数カウンタの数値に1を加算して新たに記憶する。但し、ステップS1503において駆動情報の更新設定がされた場合には、出力回数カウンタに1を設定し、ステップS1507において駆動情報が出力された場合には出力回数カウンタに0を設定する。
<演出例>
次に、図22〜27を用いて、垂直可動部材202および水平可動部材204を使用した演出について説明する。
<隕石衝突1、2>
まず、図13に示した複数の演出のうち、「隕石衝突1、2」について説明する。図22(a)〜(c)および図23(a)〜(c)は、「隕石衝突1」の態様を示した図である。本演出では、まず、図22(a)に示されるように、垂直可動部材202および水平可動部材204は、基準位置に位置している。また、液晶表示装置157は宇宙空間の画像を表示している。そして、この状態から、垂直可動部材202に通常動作を行わせる。この通常動作は、基準位置を基点にして動作する絶対座標動作(主動作)である。本演出における絶対座標動作では、同図(b)および(c)に示されるように、垂直可動部材202の右端および左端を交互に上下させて、垂直可動部材202をゆらゆらと揺れるように動作させる。具体的には、まず、左モータ215を駆動制御して左スライダ212を図の(1)位置から(2)位置に移動させ、次に、右モータ225を駆動制御して右スライダ222を図の(1)位置から(2)位置に移動させ、これと略同時に、左モータ215を駆動制御して左スライダ212を図の(2)位置から(1)位置に移動させる。以後は、左スライダ212および右スライダ222を、それぞれ逆方向に(1)位置と(2)位置の間で往復動作させる。なお、(1)位置は左右スライダ212、222の下限位置(基準位置)に、(2)位置は左右スライダ212、222の可動範囲の略中央に予め設定されている。本演出では、このように垂直可動部材202をゆらゆらと揺れるように動作させることで、宇宙船が揺れながら宇宙空間を飛行する様子を表現している。
次に、所定のタイミングで、図23(a)に示されるように、液晶表示装置157に隕石が前方から接近する画像を表示させると共に、垂直可動部材202の絶対座標動作を中断させる。また、これと略同時に、液晶表示装置157の垂直可動部材202の開口部202cの奥の部分には、「危険!!!」と遊技者に対するメッセージを表示する。ここで、所定のタイミングとは、内部当選した入賞役に関するコマンドを副制御部600が受信したときでもよいし、遊技者がストップボタン137〜139のいずれかを操作した旨のコマンドを副制御部600が受信したときでもよいし、遊技の開始、演出の開始または遊技者の操作等の所定のタイミングから所定の時間が経過したときでもよい。なお、この例では、左スライダ212が(2)位置から(1)位置に向けて移動途中の(3)位置に、右スライダ222が(1)位置から(2)位置に向けて移動途中の(3)位置にあるときに絶対座標動作(主動作)が中断されている。
絶対座標動作が中断された後には、垂直可動部材202に相対座標動作(副動作)を行わせる。すなわち、絶対座標動作が中断された時の左右スライダ212、222の位置である(3)位置を基点にした動作を、垂直可動部材202に行わせる。本演出における相対座標動作では、同図(b)に示されるように、垂直可動部材202を振動するように小刻みに上下に往復動させる。具体的には、左右スライダ212、222が同時に(3)位置→(4)位置→(3)位置→(5)位置→(3)位置と動く動作を、連続して2セット行う。このとき、液晶表示装置157には、隕石が衝突して弾ける画像を表示させる。本演出では、このように垂直可動部材202を振動するように動作させることで、隕石の衝突により宇宙船が振動する様子を表現している。
なお、(4)位置は(3)位置から所定の距離だけ上方に離れた位置に、(5)位置は(3)位置から所定の距離だけ下方に離れた位置に予め設定されている。従って、(3)位置の位置によっては、(4)位置または(5)位置が左右スライダ212、222の可動範囲外となる場合がある。このような場合には、(4)位置または(5)位置を補正した上で、垂直可動部材202に相対座標動作を行わせる。図24(a)および(b)ならびに図25(a)および(b)は、相対座標動作における動作位置の補正を示した図である。
図24(a)に示されるように、右スライダ222が(1)位置の近傍にあるときに絶対座標動作が中断された場合、(3)位置から所定の距離だけ下方に設定された(5)位置は下限位置である(1)より下方に位置することとなる。すなわち、(5)位置は右スライダ222の動作範囲外に位置することとなる。このような場合、右スライダ222の相対座標動作は、図24(b)に示されるように、(5)位置を動作範囲の下限である(1)位置に補正(変更)して行う。また、(5)位置の補正に合わせて、右スライダ222の移動速度を補正する。すなわち、右スライダ222は、(3)位置→(4)位置→(3)位置→(1)位置→(3)位置と動く動作を行うこととなる。一方、左スライダ212は、(4)位置および(5)位置が共に動作範囲内に位置しているため、通常通り(3)位置→(4)位置→(3)位置→(5)位置→(3)位置と動く動作を行う。従って、左スライダ212が(3)位置から(5)位置まで移動する間に、右スライダ212はこれより短い距離の(3)位置から(1)位置まで移動することとなり、そのままでは左右スライダ212、222の動作にズレが生じてしまう。このため、右スライダ222の(3)位置から(1)位置までの移動に要する時間と左スライダ212の(3)位置から(5)位置までの移動に要する時間が等しくなるように、右スライダ222の移動速度を低速に補正し、左右スライダ212、222の動作を同期させるようにしている。
また、図25(a)に示されるように、右スライダ222が(1)位置にあるときに絶対座標動作が中断された場合((3)位置と(1)位置が同じ位置になる場合)、右スライダ222は、相対座標動作における(3)位置((1)位置)→(5)位置((1)位置より下方への動作)→(3)位置((1)位置)の移動が不可能となる。一方、左スライダ212は、(3)位置と(2)位置が同じ位置となっており、通常通り(3)位置((2)位置)→(4)位置→(3)位置((2)位置)→(5)位置→(3)位置((2)位置)と動く動作を行う。このような場合、同図(b)に示されるように、左スライダ212が(3)位置((2)位置)→(5)位置→(3)位置((2)位置)と移動している間、右スライダ222を(3)位置((1)位置)で待機させるように補正を行う。これにより、右スライダ222は、(3)位置((1)位置)→(4)位置→(3)位置((1)位置)の移動のみ行うこととなる。この場合にも、左右スライダ212、222の動作にズレが生じるため、左スライダ212の(3)位置((2)位置)→(5)位置→(3)位置((2)位置)の移動と同じタイミングで、同じ所要時間だけ右スライダ222を待機させることで、左右スライダ212、222の動作を同期させるようにしている。
図23(a)〜(c)に戻って、相対座標動作が終了したとき、左右スライダ212、222は、同図(c)に示されるように(3)位置にある。すなわち、左右スライダ212、222は、絶対座標動作が中断されたときの位置にある。本演出では、相対座標動作の終了後、垂直可動部材202に絶対座標動作を(3)位置から再開させる。具体的には、絶対座標動作の中断時に(2)位置から(1)位置に向けて移動途中であった左スライダ212を(3)位置から(1)に向けて移動させ、絶対座標動作の中断時に(1)位置から(2)位置に向けて移動途中であった右スライダ222を(3)位置から(2)に向けて移動させる。以後は、左スライダ212および右スライダ222を、それぞれ逆方向に図の(1)位置と(2)位置の間を往復動作させる。また、相対座標動作が終了したときには、同図(c)に示されるように、「ボーナス?」等の内部当選した入賞役の種類を示唆するメッセージを開口部202cの奥の液晶表示装置157に表示する。
なお、相対座標動作が終了したときに左右スライダ212、222が正確に(3)位置に戻るのではなく、相対座標動作が終了したときに左右スライダ212、222が(3)位置の近傍に戻るように設定してもよい。すなわち、相対座標動作が終了した時の左右スライダ212、222の位置は、垂直可動部材202が絶対座標動作を中断したときと略同一の状態となっていればよい。ここで、絶対座標動作を中断したときと略同一の状態とは、絶対座標動作を中断したときの状態との差異が、垂直可動部材202の視認者(遊技者)が一見して気付かない程度の差異であり、視認者が違和感を持つことのない状態を意味している。
以上で、「隕石衝突1」の演出は終了する。なお、「隕石衝突2」では、上記演出動作および表示を2回繰り返す。すなわち、「隕石衝突2」は、隕石が2回衝突する様子を表現した演出となっており、遊技者の期待感をより盛り上げる演出となっている。
<対戦1、2>
次に、「対戦1、2」について説明する。図26(a)〜(c)および図27(a)〜(c)は、「対戦1」の態様を示した図である。本演出では、まず、図26(a)に示されるように、垂直可動部材202および水平可動部材204は、基準位置に位置している。そして、液晶表示装置157は宇宙空間を飛行するUFOの画像を表示する。その後、同図(b)に示されるように、液晶表示装置157に「的の中央でBETボタンを押してUFOを攻撃せよ!」というメッセージを表示すると共に、垂直可動部材202を上方に移動させ、水平可動部材204を右方に移動させる。具体的には、左右モータ215、225を駆動制御して、左右スライダ212、222を、基準位置である(1)位置から上方の(2)位置まで略同時に移動させる。また、これと略同時に、上モータ235を駆動制御して、上スライダ232を基準位置である(A)位置から右方の(B)位置に移動させる。これらの垂直可動部材202および水平可動部材204の動作は、基準位置を基点にした絶対座標動作である。
次に、同図(c)に示されるように、左右スライダ212、222を(2)位置で停止させて、垂直可動部材202を停止させる。そして、水平可動部材204を左右に往復動作させる。具体的には、上スライダ232を(B)位置からさらに右方の(C)位置に移動させ、再び(B)位置に戻すという動作を繰り返す。なお、垂直可動部材202の停止動作および水平可動部材204の動作は絶対座標動作である。本演出では、このように、液晶表示装置157に移動表示されるUFOの前方で水平可動部材204を左右に往復動させ、UFOの画像と水平可動部材204がちょうど重なったところで遊技者にメダル投入ボタン(BETボタン)132を操作させるという面白みのある演出を行う。
遊技者によるメダル投入ボタン132の操作を受け付けた場合、図27(a)に示されるように、絶対座標動作(主動作)を中断すると共に、上スライダ232を停止させる。ここでは、上スライダ232が(C)位置から(B)位置に向かう途中の(D)位置で絶対座標動作を中断した例を示しており、上スライダ232と共に水平可動部材204は(D)位置で停止した状態となる。なお、この水平可動部材204の停止動作は、絶対座標動作を中断した時の水平可動部材204の位置を基点として行われるものであるため、相対座標動作(副動作)である。水平可動部材204を停止させた後には、液晶表示装置157の開口部202cの奥の部分に「LOCK ON!」というメッセージを表示すると共に、液晶表示装置157の中央部分にUFOに向けて飛行するミサイルの画像を表示する。
その後、所定のタイミングで、同図(b)に示されるように、水平可動部材204の絶対座標動作を再開する。具体的には、まず、絶対座標動作の中断時に(C)位置から(B)位置に向けて移動途中であった上スライダ232を(D)位置から(B)に向けて移動させ、その後上スライダ232に(B)位置→(C)位置→(B)位置の移動を繰り返させる。そして、同図(c)に示されるように、UFOにミサイルが命中して爆発する画像を液晶表示装置157に表示すると共に、垂直可動部材202を上下に振動させる。具体的には、左右スライダ212、232に略同時に(2)位置→(3)位置→(2)位置→(4)位置→(2)位置と移動する相対座標動作を行わせる。これにより、UFOの爆発で宇宙船が振動する様子を表現する。垂直可動部材202に相対座標動作を行わせた後は、再び垂直可動部材202を(2)位置で停止させる絶対座標動作を行わせた上で、(1)位置へ移動させる絶対座標動作を行わせる。
以上で、「対戦1」の演出は終了する。本演出は、このように、遊技者の操作によってUFOにミサイルを命中させることで、ボーナス役等の遊技者の利益の大きい入賞役の内部当選を遊技者に期待させる演出となっている。なお、「対戦2」は、「対戦1」と同様の演出態様を実行するが、「対戦1」よりも大きいUFOの画像を表示することにより、遊技者の期待感をより盛り上げる演出となっている。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例は、上記実施例1に係る演出装置1200およびこれに関する処理をパチンコ機1000に適用したものである。このため、同一部分についてはその説明を省略する。以下、図28〜340を用いて、パチンコ機1000について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図28および29を用いて、パチンコ機1000の全体構成について説明する。なお、図28はパチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1000は、ガラス製または樹脂製の透明板部材1152および透明部材保持枠(ガラス枠)1154からなる扉部材1156の奥側に視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)1102を備えている。扉部材1156の下方には、後述する発射モータ1602によって回動する発射杆1138と、この発射杆1138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域1104に向けて打ち出す発射槌1140と、この発射槌1140によって打ち出す球を後述する外レール1106に導くための発射レール1142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール1142に供給するための貯留皿1144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置1110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン1146を配設している。
また、発射杆1138および発射槌1140の下方には、発射杆1138を制御して遊技領域1104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル1148を配設していると共に、貯留皿1144の下方には、貯留皿1144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿1150を設けている。
図29は、遊技盤1102を正面から見た略示正面図である。遊技盤1102には、外レール1106と内レール1108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域1104を区画形成している。
遊技盤1102の略中央には、演出装置1200を配設している。この演出装置1200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材1202と、水平方向に移動自在な水平可動部材1204と、これらの可動部材1202、1204の奥側に配設された液晶表示装置である装飾図柄表示装置1110を備えている。また、垂直可動部材1202および水平可動部材1204の手前側には、装飾図柄表示装置1110、垂直可動部材202および水平可動部材204を覆うようにして透明なカバー部材1205が配設されている。このカバー部材1205の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域1206および下部遮蔽領域1208がそれぞれ設けられており、装飾図柄表示装置1110、垂直可動部材1202および水平可動部材1204の一部を遮蔽している。演出装置1200は、装飾図柄表示装置1110が装飾図柄および演出画像の表示を行うと共に、垂直可動部材1202および水平可動部材1204が装飾図柄表示装置1110の手前で演出動作を行う構造となっており、上記演出装置200と同様の構成であるため、説明は省略する。
演出装置1200の下方には、普通図柄表示装置1112と、特別図柄表示装置1114と、普通図柄保留ランプ1116と、特別図柄保留ランプ1118と、高確中ランプ1120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置1110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成している。この装飾図柄表示装置1110は、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、右図柄表示領域1110cおよび演出表示領域1110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110bおよび左図柄表示領域1110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1110a、1110b、1110c、1110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置1112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置1114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1116は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ1118は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ1120は、遊技状態が高確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率よりも高く設定した遊技状態)であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
遊技領域1104には、一般入賞口1122と、普図始動口1124と、第1特図始動口1126と、第2特図始動口1128と、可変入賞口1130を配設している。一般入賞口1122は、本実施例では遊技盤1102に複数配設しており、この一般入賞口1122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1122に入賞した場合)、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。貯留皿1144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1122に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤1102の左側に1つ配設している。普図始動口1124を通過した球は一般入賞口1122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機1000は、普図表示装置1112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1126は、本実施例では遊技盤1102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。また、第1特図始動口1126への入球を所定の球検出センサが検出した場合には、内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合には、特図表示装置1114および装飾図柄表示装置1110に当選したことを示す図柄を停止表示すると共に、大当たり遊技を開始する。この大当り遊技は、後述する可変入賞口1130に入球する確率が高くなるため、通常遊技(電源投入後に最初に開始される遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。なお、第1特図始動口1126に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口1126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。また、第2特図始動口1128への入球を所定の球検出センサが検出した場合には、内部抽選が行われ、この内部抽選に当選した場合には、特図表示装置1114および装飾図柄表示装置1110に当選したことを示す図柄を停止表示すると共に、大当り遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤1102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置1114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。なお、可変入賞口1130に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1132や、遊技釘1134を複数個、配設していると共に、内レール1108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口1136を設けている。
また、演出装置1200の左方から下方にかけては、ワープ装置1230が配設されている。ワープ装置1230は、演出装置1200の左方に設けた入球口1232に入った遊技球を演出装置1200の前面下方の前面ステージ1234に排出し、さらに、前面ステージ1234に排出した遊技球が前面ステージ1234の中央部後方に設けた第2の入球口1236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口1126の上方である演出装置1200の下部中央に設けた排出口1238から第1特図始動口1126に向けて排出するものである。この排出口1238から排出した遊技球は特図始動口1126に入球しやすくなっている。
このパチンコ機1000は、遊技者が貯留皿1144に貯留している球を発射レール1142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル1148の操作量に応じた強度で発射モータ1602を駆動し、発射杆1138および発射槌1140によって外レール1106、内レール1108を通過させて遊技領域1104に打ち出す。そして、遊技領域1104の上部に到達した球は、打球方向変換部材1132や遊技釘1134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1124を通過するのみでアウト口1136に到達する。
<制御部>
次に、図30を用いて、このパチンコ機1000の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1000の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に演出の制御を行う副制御部1400と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1600と、パチンコ機1000に供給される電源を制御する電源管理部1650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1000の主制御部1300について説明する。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発信器1314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発信器1314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ1318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1316および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1320と、特図表示装置1114の表示制御を行うための表示回路1322と、普図表示装置1112の表示制御を行うための表示回路1324と、各種状態表示部1326(普図保留ランプ、特図保留ランプ、高確中ランプ等)の表示制御を行うための表示回路1328と、第2特図始動口や可変入賞口等を開閉駆動する各種ソレノイド1330を制御するためのソレノイド回路1332を接続している。
なお、第1特図始動口に球が入賞したことを球検出センサ1318が検出した場合には、センサ回路1320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1316は、第1特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1316は、第2特図始動口に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1334を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1652にパチンコ機1000の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源管理部1500から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1336を設けており、この電圧監視回路1336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、副制御部1400に信号(コマンド)を送信するための出力インタフェースと、払出制御部1550に信号(コマンド)を送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部1400および払出制御部1550との通信を可能としている。なお、主制御部1300と副制御部1400および払出制御部1550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400および払出制御部1550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部1400および払出制御部1550からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1000の副制御部1400について説明する。
副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1402には、スピーカ1416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1418と、各種ランプ1420の制御を行うための表示回路1422と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1110の制御を行うための副制御部1500と、チャンスボタン1146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路1380を接続している。
副制御部1500は、図示は省略するが、演算処理装置であるCPUや、ROMやRAM等の各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えている。副制御部1500のCPUは、副制御部1400のCPU1404からの信号(コマンド)を入出力インタフェースを介して受信し、副制御部1500全体を制御する。また、CPUには、バスを介して、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が接続されている。このVDPには、水晶発信器が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM、VRAMが接続されている。VDPは、CPUからの信号をもとにROMに記憶された画像データを読み出し、RAMのワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータを介して装飾図柄表示装置1110の表示画面に画像を表示する。なお、装飾図柄表示装置1110には、CPUによって装飾図柄表示装置1110の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。副制御部1500のCPUは、入出力インタフェースを介して副制御部1400から受信したコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置1110の表示を制御する処理を実行する。
副制御部1600は、図示は省略するが、演算処理装置であるCPUや、ROMやRAM等の各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えている。副制御部1600のCPUは、副制御部1400からの信号(コマンド)を入出力インタフェースを介して受信し、副制御部1600全体を制御する。
また、副制御部1600のCPUには、外部の機器から信号を受信するための入力インタフェース、および外部の機器へ信号を送信するための出力インタフェースが接続されている。入力インタフェースには、演出装置1200の各駆動機構が備える左センサA1661、左センサB1662、右センサA1663、右センサB1664、上センサA1665および上センサB1666が接続されている。なお、本実施例の副制御部1600は、オプションとしてさらに下センサA1667、および下センサB1668を接続可能に構成されている。
出力インタフェースには、演出装置1200の各駆動機構が備える各モータが駆動部を介して接続されている。具体的には、左モータ駆動部1671を介して左モータ1672、右モータ駆動部1673を介して右モータ1674、上モータ駆動部1675を介して上モータ1676が接続されている。なお、本実施例の副制御部1600は、オプションとしてさらに下モータ駆動部1677を介して下モータ1678を接続可能に構成されている。
また、副制御部1600のCPUには、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路が接続されており、このアドレスデコード回路には、副制御部1400と信号(コマンド)を送受信するための入出力インタフェースが接続されている。副制御部1600のCPUは、入出力インタフェースを介して副制御部1400から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の各駆動機構210、220、230を制御する処理を実行する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機1000の払出制御部1550、発射制御部1600、電源管理部1650について説明する。
払出制御部1550は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1552を制御すると共に、払出センサ1554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1556を介して、パチンコ機1000とは別体で設けられたカードユニット1654との通信を行う。
発射制御部1600は、払出制御部1550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル1148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル1148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1138および発射槌1140を駆動する発射モータ1602の制御や、貯留皿1144から発射レール1142に球を供給する球送り装置1604の制御を行う。
電源管理部1650は、パチンコ機1000に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、副制御部1400等の各制御部や払出装置1552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部1650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<図柄の種類>
次に、図31(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置、装飾図柄表示装置、普図表示装置が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図31(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図31(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置の左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。また、本実施例では、大当たりを報知する場合には、装飾図柄を青に着色して表示し、特別大当たりを報知する場合には、装飾図柄を赤に着色して表示する。
なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図31(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<主制御部メイン処理>
次に、図32を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込みによりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS1701では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込みマスクの設定、I/Oポート1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT1313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS1702では、WDT1313のカウンタの値をクリアし、WDT1313による時間計測を再始動する。
ステップS1703では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1336が、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS1702に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1704に進む。
ステップS1704では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS1705では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)にはステップS1707に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1707に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員等が操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1707に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1707に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS1706に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1000を初期状態にすべくステップS1707に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1707に進む。
ステップS1706では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込み許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1000は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS1708、ステップS1709内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS1707では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM1308の全ての記憶領域の初期化等を行う。
ステップS1708では、割込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込み許可の設定を行ってステップS1709に進む。
ステップS1709では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込み処理を行っている間を除いて、ステップS1708およびS1709の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込み処理>
次に、図33を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割込み信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込み信号を契機として主制御部タイマ割込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS1801では、タイマ割込みスタート処理を行う。このタイマ割込みスタート処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理等を行う。
ステップS1802では、WDT1313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1803では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、上述の透明部材保持枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ1318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、前々回のタイマ割込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS1803では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)への入球、または普図始動口1124の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口1122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口1122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS1804およびステップS1805では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS1708で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。
ステップS1806では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS1807では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置1112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置1114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間等を計時するためのタイマ等を含む各種タイマを更新する。
ステップS1808では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口1122、第1、第2特図始動口1126、1128、および可変入賞口1130)に入賞(入球)があった場合に、RAM1308に入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS1809では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口1126、1128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路1316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM1308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口1124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM1308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、または可変入賞口1130の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、および可変入賞口1130の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS1810では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS1811では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図31(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図31(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口1128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1812に移行するようにしている。
ステップS1812では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口1128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS1813では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置1114に図31(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置1114に図31(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図31(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口1130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1814に移行するようにしている。
ステップS1814では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口1130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、大当たり判定テーブル、高確率状態移行判定テーブル、タイマ番号決定テーブル等を使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS1803で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM1308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口1126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口1128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS1809で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM1308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM1308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS1815)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS1807のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込み処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS1815では、コマンド設定送信処理を行う(詳細は後述する)。なお、副制御部1400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示す等コマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号等を示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値等を含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値等を含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数等を含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口1126への入賞の有無、第2特図始動口1128への入賞の有無、可変入賞口1130への入賞の有無等を含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM1308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1110、各種ランプ1420、スピーカ1416等に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置1110、各種ランプ1420、スピーカ1416等に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1816では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1334を介してパチンコ機1000とは別体の情報入力回路1652に出力する。
ステップS1817では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS1803において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無等を監視し、透明部材枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド1330を駆動して第2特図始動口1128や、可変入賞口1130の開閉を制御したり、表示回路1322、1324、1328を介して普図表示装置1112、特図表示装置1114、各種状態表示部1326等に出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS1810)で設定した出力予定情報を出力ポート1310を介して副制御部400に出力する。
ステップS1818では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1820に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1819に進む。
ステップS1819では、タイマ割込みエンド処理を行う。このタイマ割込みエンド処理では、ステップS1801で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込み許可の設定等を行う。
ステップS1820では、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部1400の処理>
次に、図34(a)〜(g)を用いて、副制御部1400の処理について説明する。同図(a)は、副制御部1400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部1400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路1402のCPU1404は、リセット割込みによりリセットスタートしてROM1406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS1901で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS1902では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS1903では、I/O410の出力ポートを介して副制御部1500にコマンドを出力する。
ステップS1904では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS1905に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS1902に進む。
ステップS1905では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS1906では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置1110、スピーカ1416、各種ランプ1420、垂直可動部材1202および水平可動部材1204による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。また、ステップS1906では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS1903の処理で副制御部1500に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンド等)をRAM1408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS1907およびS1908によるスピーカ1416および各種ランプ1420を制御する準備を行う。さらに、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタン1146を用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS1907では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS1906で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ1416に出力する音声データをI/O1410の出力ポートに設定し、スピーカ1416の出力制御を音源IC1418に行わせる。
ステップS1908では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS1906で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ1420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O1410の出力ポートに設定し、各種ランプ1420の点灯や消灯の制御を表示回路1422に行わせる。
副制御部1400は、後述するストローブ割込み処理、チャンスボタン割込み処理、または副制御部タイマ割込み処理による中断を除いて、以降、ステップS1902〜S1904の処理を繰り返し実行する。
次に、図34(b)を用いて、上述の副制御部1400のメイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS1902)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2001では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS2002に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部1400のメイン処理に復帰する。
図34(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS2002では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図34(c)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口1130の開放制御を開始するたびに主制御部1300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口1130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS2101では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM1408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、変動番号選択テーブル、図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM1408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS2201では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置1110の左、中、右図柄表示領域1110a〜cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口1130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM1408の記憶領域に記憶する。
次に、図34(e)を用いて、副制御部1400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割込み処理は、副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS2301では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
次に、図34(f)を用いて、副制御部1400のチャンスボタン割込み処理について説明する。同図は、チャンスボタン割込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割込み処理は、副制御部1400がチャンスボタン検出回路1428によってチャンスボタン1146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割込み処理のステップS2401では、RAM1408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン1146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
次に、図34(g)を用いて、副制御部1400のCPU1404によって実行する変数更新割込み処理について説明する。同図は、副制御部変数更新割込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部1400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、変数更新割込み処理を所定の周期で実行する。変数更新割込み処理のステップS2501では、RAM1408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1904において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
なお、副制御部1500および副制御部1600が実行する処理については、実施例1における副制御部500および副制御部600が実行する処理と同様であるため、説明は省略する。
以上説明したように、本発明に係る遊技台(実施例1ではスロットマシン100、実施例2ではパチンコ機1000)は、動作可能に構成されて遊技に関する演出を行う可動部材(上記実施例では、垂直可動部材202、1202および水平可動部材204、1204)と、可動部材202、204、1202、1204の複数種類の動作制御を行う動作制御手段(上記実施例では、副制御部600、1600のインターバルタイマ割込み処理における絶対座標動作処理および相対座標動作処理)と、を備え、動作制御手段は、可動部材202、204、1202、1204の主動作(絶対座標動作)制御中に所定条件が成立した場合に、主動作制御を中断して可動部材202、204、1202、1204の副動作(相対座標動作)制御を行い、副動作制御が終了した後に、主動作制御を中断した時と略同一の状態から主動作制御を再開する。このため、可動部材202、204、1202、1204の絶対座標動作中(主動作)に相対座標動作(副動作)を割込ませた場合に、相対座標動作と絶対座標動作を違和感なく繋げることができる。これにより、可動部材202、204、1202、1204に複数種類の多彩な動作を行わせる演出を行った場合であっても、各動作を滑らかに連続させることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、動作制御手段は、可動部材202、204、1202、1204の主動作制御中に所定条件が成立した場合に、主動作制御を中断して可動部材202、204、1202、1204の副動作制御を行い、副動作制御が終了した後に、主動作制御を中断した時の可動部材202、204、1202、1204の位置から前記主動作制御を再開する。遊技者に違和感を持たせることなく絶対座標動作中に相対座標動作を割込ませるためには、このように、絶対座標動作の中断時と再開時の可動部材202、204、1202、1204の位置を一致させることが好適である。
また、動作制御手段は、予め定められた基準位置を基点にして主動作制御を行う主動作制御手段(上記実施例では、副制御部600、1600の絶対座標動作処理)と、所定条件が成立して主動作制御を中断した時の可動部材202、204、1202、1204の位置を基点にして副動作制御を行う副動作制御手段(上記実施例では、副制御部600、1600の絶対座標動作処理)と、を備える。このように、各処理を2系統化することで、各動作を滑らかに連続させながらも、処理負荷を軽減することができる。
また、副動作制御は、可動部材202、204、1202、1204に主動作制御を中断した時の位置から所定の動作をさせた後、主動作制御を中断した時の位置に可動部材202、204、1202、1204を再び戻す動作の制御である。このため、副動作の後に再開される主動作を違和感なく副動作に繋げることができる。
また、本発明に係る遊技台は、遊技者からの遊技操作を受け付ける操作受付手段(実施例1ではメダル投入ボタン132、実施例2ではチャンスボタン1146)をさらに備え、所定条件の成立は、操作受付手段132、1146による遊技者からの遊技操作の受け付けに基づく条件の成立である。このため、演出に遊技者を参加させることで、遊技の興趣を向上させることができる。本発明は、遊技者の操作によって可動部材202、204、1202、1204の動作を変化させる場合であっても、遊技者に違和感を与えることなくスムーズに動作を変化させることができるため、遊技者の任意操作によって演出の内容が変化するような演出に特に好適である。
また、本発明に係る遊技台は、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(実施例1では主制御部300のメイン処理のステップS105の入賞役内部抽選処理、実施例2では主制御部1300のタイマ割込み処理のステップS1814の特図関連抽選処理)をさらに備え、所定条件の成立は、抽選手段による抽選結果に基づく条件の成立である。このため、可動部材202、204、1202、1204の主動作から副動作への変化がランダムなタイミングで行われることとなり、単調な繰り返しになりがちな演出に変化や意外性を持たせることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。本発明は、ランダムなタイミングで可動部材202、204、1202、1204の動作を変化させる場合であっても、遊技者に違和感を与えることなくスムーズに動作を変化させることができるため、ランダムなタイミングで演出の内容が変化するような意外性のある演出に特に好適である。
また、主動作制御を中断して副動作制御を行う前に、副動作制御中の可動部材202、204、1202、1204の動作が予め定められた動作範囲を超えるか否かを判定する判定手段(上記実施例では、副制御部600、1600による補正処理のステップS1602)と、副動作制御中の可動部材202、204、1202、1204の動作が動作範囲を超えると判定手段により判定された場合に、副動作制御中の可動部材202、204、1202、1204の動作を動作範囲内とするように、副動作制御を行うためのデータを補正する補正手段(上記実施例では、副制御部600、1600による補正処理のステップS1603)と、をさらに備えている。このため、動作範囲を超えた動作を行うことによる装置の破損や制御停止による遊技の中断といった不具合を未然に防ぎながらも、主動作および副動作の動作内容の設定の自由度を高めることが可能となり、より多彩な動作を伴う演出を行うことができる。また、主動作を中断した時の可動部材202、204、1202、1204の位置によって副動作の動作内容が変化する場合があるため、演出内容に変化を持たせることができる。
また、本発明に係る遊技台は、遊技に関する演出表示を行う演出表示装置(実施例1では液晶表示装置157、実施例2では装飾図柄表示装置1110)と、動作制御手段による可動部材202、204、1202、1204の動作制御に関連して演出表示装置157、1110の表示制御を行う表示制御手段(上記実施例では副制御部500、1500のメイン処理のステップS704の液晶演出処理)と、をさらに備え、表示制御手段は、所定条件が成立した場合に、副動作制御に関連した表示制御を行う。可動部材202、204、1202、1204の複数種類の動作に演出表示装置157、1110の表示を連動させることで、演出内容の幅を広げることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技台は、動作可能に構成されて遊技に関する演出を行う可動部材202、204、1202、1204と、可動部材202、204、1202、1204の動作制御に関する処理を繰り返し実行するメイン処理手段(上記実施例では、副制御部600、1600のメイン処理)と、メイン処理手段において実行される処理に、所定時間毎に割込んで可動部材202、204、1202、1204の動作処理を実行する割込処理手段(上記実施例では、副制御部600、1600のインターバルタイマ割込み処理)と、を備え、割込処理手段は、第1のカウンタ(上記実施例では、絶対座標動作用の出力回数カウンタおよびステップ数カウンタ)を更新処理する第1カウンタ更新処理(上記実施例では、副制御部600、1600の絶対座標動作処理のステップS1309のステップ数カウンタ減算処理、およびステップS1311の出力回数カウンタ更新処理)、および予め定められた基準位置を基点にした可動部材202、204、1202、1204の主動作処理を第1カウンタ更新処理に基づいて実行する主動作処理手段(上記実施例では、副制御部600、1600の絶対座標動作処理)と、第2のカウンタ(上記実施例では、相対座標動作用の出力回数カウンタおよびステップ数カウンタ)を更新処理する第2カウンタ更新処理(上記実施例では、副制御部600、1600の相対座標動作処理のステップS1508のステップ数カウンタ減算処理、およびステップS1511の出力回数カウンタ更新処理)、および所定条件が成立して主動作処理が中断された時の可動部材202、204、1202、1204の位置を基点にした可動部材202、204、1202、1204の副動作処理を前記第2カウンタ更新処理に基づいて実行する副動作処理手段(上記実施例では、副制御部600、1600の相対座標動作処理)と、からなり、割込処理手段は、所定条件が成立した場合に、主動作処理手段に第1カウンタ更新処理を一時停止して保持させると共に主動作処理を中断させ、副動作処理手段に第2カウンタ更新処理、および第2カウンタ更新処理に基づく副動作処理を実行させ、副動作処理の実行が終了した後に、主動作処理手段に第1カウンタ更新処理を再開させると共に、再開した第1カウンタ更新処理に基づいて主動作処理を実行させる。このため、可動部材202、204、1202、1204の絶対座標動作(主動作)中に相対座標動作(副動作)を割込ませた場合に、相対座標動作(副動作)と絶対座標動作(主動作)を違和感なく繋げることができる。また、主動作処理および副動作処理をそれぞれ専用の処理手段で実行すると共に、それぞれに専用のカウンタを設定することで、処理負荷を増大させることなく、各動作を滑らかに連続させることができる。
また、副動作処理は、可動部材202、204、1202、1204に主動作処理を中断した時の位置から所定の動作をさせた後、主動作処理を中断した時の位置に可動部材202、204、1202、1204を再び戻す動作を制御する処理である。このため、副動作の後に再開される主動作を違和感なく副動作に繋げることができる。
また、本発明に係る遊技台は、主動作の制御データ(上記実施例では、パーツデータ)を記憶する第1記憶手段(上記実施例では、絶対座標動作用の指定記憶領域)と、副動作の制御データ(上記実施例では、パーツデータ)を記憶する第2記憶手段(上記実施例では、相対座標動作用の指定記憶領域)をさらに備えている。このように、2つの各処理手段がそれぞれ専用の記憶手段に記憶された情報を参照することにより、処理の複雑化を防止すると共に、処理負荷を低減させることができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、各可動部材202、204、1202、1204は、上記実施例において示した形状とは異なる形状のものであってもよいし、上記実施例において示した動作とは異なる動作をするものであってもよい。
また、本発明に係る遊技台は、上記パチンコ機1000(1種)以外に、パチンコ機(2種、3種)、封入式パチンコ機、およびパチロット等にも適用することができるし、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール等にも適用することができる。
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。