まず、本実施形態の遊技機の概要を説明する。
本実施形態の遊技機は、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する抽選手段と、前記決定された当選役に応じて、遊技結果を導出表示可能な遊技結果表示手段と、遊技に関する演出を行うための演出手段と、前記演出手段で行われる演出を制御する演出制御手段と、特別条件が成立した場合に、通常遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技を付与可能な特別遊技付与手段と、少なくとも前記特別条件に含まれる、所定の起算点からカウントされる単位遊技を所定回数実行することにつき、該所定回数を決定する遊技回数決定手段と、を備えた遊技機であって、前記演出制御手段は、前記所定回数の到来を示唆する通常演出と、該到来の確定を告知する特別演出とを制御可能であり、前記単位遊技の所定数毎に区切られた範囲である累積回数帯のうち、何れか1以上の累積回数帯において他の累積回数帯よりも前記通常演出が行われる可能性が高くなるように制御可能であり、電源断が発生した後、再度電源が投入された場合には、前記通常演出が行われる可能性が高い累積回数帯を異ならせることを特徴とする。
本実施形態では、遊技回数決定手段が、特別条件に含まれる、単位遊技の所定の遊技回数を決定する。そして、実際に遊技回数がその回数に到達すると、当りが発生する(いわゆる、ゲーム数解除)。
また、演出制御手段は、複数ある累積回数帯のうち何れか1以上の累積回数帯(ゾーン等と呼ばれ、遊技回数100〜150回、350〜400回等、遊技回数に幅があるもの)又は、特定の周期(例えば、遊技回数100回毎)で、通常演出が行われ易くなるよう制御する。
演出制御手段は、電源復帰する際、通常演出が行われる可能性が高い累積回数帯を異ならせるので、電源投入後に様々なタイミングで演出が実行されるようになり、遊技者が演出の出方に基づいて遊技モードを推定する等の攻略が難しくなる。従って、特定の遊技者のみが利益を獲得する状況を回避することができる。
本実施形態において、前記遊技回数決定手段は、前記特別遊技付与手段により前記特別遊技が付与された後に、前記所定回数を新たに決定することが好ましい。
本実施形態では、特別遊技が付与された後、例えば、1ゲーム目のレバーオン時に、遊技回数決定手段が、新たに特別遊技を付与する所定の遊技回数を決定する。これにより、当りが発生する毎に次に当りとなる遊技回数はもちろんのこと、通常演出や特別演出が発生するタイミングが予想されにくくなる。
また、本実施形態において、前記単位遊技の累積回数を初期化することで、前記累積回数帯を変更することが好ましい。
本実施形態では、単位遊技の累積回数を初期化することで、たとえ電源投入時に同じ遊技モードが選択された場合でも、通常演出が発生し易い累積回数帯がずれて演出の発生するタイミングが変化する。これにより、攻略要素をさらに減らすことができる。
また、本実施形態において、前記遊技モードを変更することで、前記累積回数帯を変更するようにしてもよい。
各遊技モードでは、通常演出が発生し易い累積回数帯がそれぞれ異なっているから、遊技モードを変更することで累積回数帯がずれて、演出の発生するタイミングが変化する。これによっても、攻略要素をさらに減らすことができる。
また、本実施形態において、前記累積回数帯の変更は、出玉率に変化をもたらす設定変更を伴わない電源投入時であることが好ましい。
本実施形態では、設定変更を伴わない通常の電源投入により累積回数帯を変更するので、実質毎日、累積回数帯が変更される。これにより、演出の出方等から設定変更が行われたか否かを推測することもできなくなる。
以下、図面を参照して、実施例の回胴式遊技機の詳細を説明する。
<1.機械的構成>
図1に回胴式遊技機の外観を示す。まず、この回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための筐体1と、筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、そこには、回胴(リール)5a、5b、5cが横並びに、遊技者側から視認し得るように設けられている。
回胴5a〜5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図3参照)を有しており、回胴5a〜5cの停止時の図柄組合せにより遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
図柄配列帯の詳細は後述するが、回胴5a〜5cには、役を構成する図柄が回転方向に21コマ配置されている。特に、図柄に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動されるように構成され、回胴5a〜5cが回転することにより、上記図柄が変動表示するようになっている。なお、回胴5a〜5cは、本発明の「遊技結果表示手段」に相当する。
なお、回胴5a〜5cは、回胴駆動モータ211a〜211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転又は停止が行われる機械式の回胴に限定されず、液晶表示装置のような表示装置に表示され、画像上で回転又は停止が行われる演出的な回胴であってもよい。回胴の数は3個に限定されるものではなく、4個以上配設してもよい。
回胴視認部3には、その中央を横断する形で入賞ライン3aが施されている。有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」という)3a上で、回胴5a〜5cが停止した際の図柄組合せが内部抽選で当選した役と一致した場合に入賞が確定し、停止した図柄組合せに応じた遊技メダルが遊技者に付与される。
回胴視認部3の上部には、前扉2の裏側に装着された表示装置として、液晶表示装置4(LCDユニット)が設けられている。また、液晶表示装置4の液晶画面4aが、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者は、液晶画面4aを前側から視認可能となっている。
液晶画面4aには、遊技に伴う画像や動画(演出)が表示される。液晶表示装置4は、演出を表示する演出装置として機能するので、本発明の「演出手段」の1つである。また、当選役を入賞させるために遊技者に操作手順を報知するAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)遊技状態においては、主たる報知手段として働く。
実施例では液晶表示装置4を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等でもよく、回転式ドラム、7セグによる表示装置、又はこれらを組合せたものであってもよい。
また、液晶画面4aの一部を覆う位置に手の形状をした可動体6a、6bが設けられている。可動体6a、6bは、遊技の進行に応じて演出として動作をする。具体的には、可動体6a、6bの一方又は両方が液晶画面4aの下方位置まで高速落下する。
次に、回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7が設けられている。また、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル又は入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわち、クレジットされた範囲内で遊技メダルを最大枚数、一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8が設けられている。
さらに、遊技履歴の確認や音量調整の際に用いられる十字キー9と、液晶画面4aにおいて操作が促されたとき、操作が有効となる演出用ボタン10が設けられている。例えば、遊技者が演出用ボタン10を操作することで、液晶画面4aで実行中の画像が変化したり、上述の可動体6a、6bが動作する。
次に、回胴視認部3の左右両側には、発光色や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができる。なお、装飾ランプ部13も、本発明の「演出手段」の1つである。
回胴視認部3の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、回胴5a〜5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、回胴回転停止ボタンを総称して、「回胴回転停止ボタン12」という)が設けられている。また、回胴回転始動レバー11の左側には、貯蓄した遊技メダルを返却、精算するための貯留メダル精算ボタン15が設けられている。
上記回胴回転停止ボタン12には、その内部に、操作が有効であるか否かを遊技者に報知するための発光装置(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯等)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
また、操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられている。さらに、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置(後述するホッパーユニット500)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
前扉2の前扉上部両側及び前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16も、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順を遊技者に報知することができ、本発明の「演出手段」の1つでもある。
次に、図2Aに回胴式遊技機の有効入賞ラインを示す。図示するように、中段の直線ライン(破線)が唯一の有効入賞ラインである。例えば、内部抽選でベル役に当選した場合には、中段の直線ラインにその図柄組合せが並ぶと入賞となり、所定枚数の遊技メダルが付与される。なお、上記の場合、内部抽選で当選したベル役を当選役といい、実際に入賞した場合、ベル役が入賞役になる。
次に、図2Bに入賞役を構成する全図柄を示す。図示するように、遊技を構成する図柄は全部で10種類ある。「バー」、「赤7」、「青7」は通常、ボーナスを構成する図柄として用いられるが、この回胴式遊技機にはビッグボーナスやレギュラーボーナスがないので、これらの図柄は、主に小役を構成する(詳細は後述する)。
スイカの図柄は、「スイカ1」と「スイカ2」の2種類があり、「スイカ役」の他、様々な小役を構成する。また、チェリーの図柄も「チェリー1」と「チェリー2」の2種類があり、「チェリー役」の他、様々な小役を構成する。なお、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」は、それぞれ1種類である。
次に、図3に各回胴の図柄配列帯の展開図を示す。左列は図1の回胴式遊技機の回胴5a、中列は同じく回胴5b、右列は同じく回胴5cに対応する図柄配列である。各列には図柄が21コマあり、下側より0〜20までのコマ番号が割り当てられている。
遊技者は、各遊技で変動する回胴5a、5b、5cに対し、それぞれ、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して変動を停止させる。そして、有効入賞ライン上に所定の図柄組合せが並んだ場合、役に応じた遊技メダルが払い出される。
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
図4は、実施例の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像、光又は音による演出を制御する副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440を中心に構成される。
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置4が接続されている。また、電源基板440は、回胴式遊技機に電源が投入されると、各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号を送信する。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8a、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11a、貯留メダル精算ボタン15の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ15a、停止スイッチ基板360が接続されており、これらスイッチ等から信号が入力される。
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a〜12cの内部に設けられるLED(図示省略)が搭載されている。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211c及び回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、回胴5a〜5cの回転動作、及び目的の位置で回胴5a〜5cを停止させる停止動作を実現している。
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520及びホッパーモータ510が配置されている。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、サブタンク(図示省略)に取り付けられたセンサであり、遊技メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている(図示省略)。回胴設定基板430は、上記の各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380を制御する制御基板である。また、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置4を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。なお、この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
液晶制御CPUは、液晶制御コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムにより液晶表示装置4に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置4に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
なお、本実施例では、演出制御基板420と液晶制御基板460を別個の基板でとしているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
(2−2.主制御基板)
次に、図5を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板である。
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、及びスイッチ入力回路408を備えている。なお、主制御基板400、特に1チップマイクロコンピュータ401は、本発明の「抽選手段」に相当する。
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、上記の各回路が連携し合って行われている。また、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、及びメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機自体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル、入賞役に応じた払出枚数が定義された払出枚数データテーブル等が記憶されている。
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている(図示省略)。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、及びその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cを駆動制御する制御信号を出力する。回胴5a〜5cの回転制御及び停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成する。
次に、上記停止制御装置による回胴5a〜5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a〜211cに駆動パルス信号を出力する。
モータ駆動回路407は、回胴5a〜5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a〜5cの回転を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401には、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。これらの検出信号は、回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに回胴駆動モータ211a〜211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して回胴5a〜5cの回転動作を実現している。
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴5a〜5cの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(実施例では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
次に、回胴5a〜5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作される毎に有効入賞ライン上に停止させる図柄の種類を決定する。
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン上に停止させるように回胴駆動モータ211a〜211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a〜5cを停止させている。
具体的には、回胴回転停止ボタン12a〜12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
当選役を構成する図柄と停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(実施例では、最大4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成する図柄を所定の有効入賞ライン上に引き込む形で回胴の停止制御が行われる。
なお、有効入賞ライン上に停止した図柄は、上記基準位置に停止した図柄から自ずと定まるので、回胴5a〜5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
このように、本実施例では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で回胴5a〜5cの停止制御が行われる。
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380及び液晶制御基板460を制御する制御基板である。
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。演出制御基板420、特に1チップマイクロコンピュータ421は、本発明の「演出制御手段」、「特別遊技付与手段」、「遊技回数決定手段」及び「遊技モード決定手段」に相当する。
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b及びサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d及びサブCPU421cに割込信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400から送信される制御コマンド及び電源基板440からの電源投入信号に基づいて、「遊技モード選択テーブル」(図8参照)から1つの遊技モードを選択する。また、1チップマイクロコンピュータ421は、選択した遊技モードを現出するに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ制御用の音声コマンド、液晶制御コマンド等を出力する。
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置4等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、上述の「遊技モード選択テーブル」が記憶されている。
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、各種演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶制御コマンドを送信したりする。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている(図示省略)。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、例えば、「遊技モード選択テーブル」から1つの遊技モードを決定するために利用される。
<3.各種テーブル>
(3−1.入賞役と払出枚数の対応表:図6A〜6C)
図6A〜6Cは、回胴式遊技機の入賞役と払出枚数の対応表である。表中の役名称は入賞役を示しており、「CBB」から「チャンスC」までの31区分、合計82種類がある。
表中の「役構成」は、入賞役の図柄組合せを示している。例えば、「CBB」の場合、回胴5aに対応する左列が「青7」、回胴5bに対応する中列が「チェリー2」、回胴5cに対応する右列が「ブランク」である。以下では、役構成を「青7・チェリー2・ブランク」のように表記する。
表中の「種別」には、「作動」、「再遊技」、「入賞」の3種類がある。「作動」とは、特定の遊技状態に移行する契機となる役であり、遊技メダルの払出しはない。また、「再遊技」も再度、遊技が行える役であり、払出しはない。「入賞」は、賭け数に応じた配当、すなわち、遊技メダルの払出しが得られる役である。
表中の「払出し」は払出枚数であり、「2枚」、「3枚」とは、遊技におけるメダル賭け数を示している。実施例の回胴式遊技機では、通常遊技状態では3枚、AT遊技状態では2枚の賭け数による遊技となる。
[ボーナス役]
ボーナス役として、区分1の「CBB」がある。詳細は後述するが、従来のビッグボーナスやレギュラーボーナスとは異なるものである。また、上述の通り、「CBB」の役構成は「青7・チェリー2・ブランク」であり、遊技メダルの払出しはない。
ボーナス役は、その当選フラグを次回遊技に持ち越すことが許容されている。すなわち、遊技者は、ボーナス役に当選した遊技でその図柄組合せを有効入賞ライン上に停止させることができなくても、当選フラグが消滅することなく、次回以降の遊技でボーナス役の組合せを停止させることができる。
ここで、実施例の回胴式遊技機では、「CBB」には高い確率で当選して当選フラグが成立するものの、遊技者がその図柄組合せを揃えることができないようになっている。通常遊技状態は、「CBB」の当選フラグが成立しているが揃えられない代わりに、後述する「再遊技役」に当選し易い状態となっている。
[再遊技役]
再遊技役(リプレイ)は、区分2〜14の合計22種類がある(図6A参照)。再遊技役とは、入賞した場合に今回の遊技で投入した遊技メダルと同一枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始可能な役である。
すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始できる。遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技を行える点では、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものである。
役構成としては、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」のような再遊技図柄の組合せの他、「スイカ1・チェリー1・ベル」や「スイカ1・ブランク・ベル」のように図柄が全て揃っていない組合せもある。
役名称「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」は、有利な遊技状態に移行する契機となり得る「弱レア役」に相当する。また、役名称「赤7揃いリプレイ1」〜「赤7揃いリプレイ3」や「中段チェリー1」〜「中段チェリー4」も特殊な再遊技役と定義されている。
[ベル役]
ベル役は、区分15〜24の合計26種類がある(図6A、6B参照)。役構成としては、「ベル・ベル・ベル」のようなベル図柄の組合せの他、「リプレイ・ベル・リプレイ」のように図柄が全て揃っていない組合せもある。なお、ベル役の払出しは、AT遊技状態のとき2枚、通常遊技状態のとき9枚又は3枚である(役名称「中段ベル1」、「右下ベル1」)。
区分17〜24の「ベルハズレ」もベル役に属する。特に、通常遊技状態において、回胴回転停止ボタン12の操作手順が関係する「押し順ベル」に当選した場合には、操作手順の報知がないので、手順が不正解となるが、その代わりにベルハズレが入賞する。なお、ベルハズレの払出しは、AT遊技状態のとき2枚、通常遊技状態のとき1枚である。
[スイカ役]
スイカ役は、区分25の合計11種類がある(図6B、6C参照)。スイカの図柄は2種類あるが、役構成は、これらスイカ図柄の組合せの他、ベルやチェリーの図柄を含む組合せもある。
スイカ役は、何れも有利な遊技状態に移行する契機となり得る「弱レア役」又は「強レア役」に相当する。なお、スイカ役の払出しは、AT遊技状態のとき2枚、通常遊技状態のとき3枚である。
[チェリー役]
チェリー役は、区分26〜28の合計19種類がある(図6C参照)。チェリーの図柄も2種類あるが、役構成は、主に「チェリー1」、「バー」、「スイカ2」等の図柄を含む組合せとなる。
チェリー役も、何れも有利な遊技状態に移行する契機となり得る「弱レア役」又は「強レア役」に相当する。なお、チェリー役の払出しは、AT遊技状態のとき2枚、通常遊技状態のとき1枚である。
[チャンス役]
最後に、チャンス役は、区分29〜31の合計3種類がある(図6C参照)。役名称「チャンス1」、「チャンス2」及び「チャンス3」の3種類であり、役構成は、それぞれ「リプレイ・スイカ2・ブランク」、「ベル・スイカ2・リプレイ」、「ブランク・チェリー2・ブランク」である。
チャンス役は、何れも有利な遊技状態に移行する契機となり得る「強レア役」に相当する。なお、チャンス役の払出しは、AT遊技状態のとき2枚、通常遊技状態のとき1枚である。
(3−2.当選役と入賞対象役の対応表:図7)
図7は、回胴式遊技機の当選役と入賞対象役の対応表である。ここで、入賞対象役は、図6A〜6C中の区分番号で示されている。
通常遊技状態では、番号「1」〜「46」の合計46種類の役に当選する可能性があり、当選役によって入賞対象役が異なる。番号「0」の非当選(純ハズレ)が選択される場合もある。一方、ボーナス中は、番号「47」の「CBB中」となる。
例えば、番号「1」の「通常リプレイ1」の場合、区分番号が「2」〜「6」となっているので、遊技者の操作により、区分名「通常リプレイA」〜「通常リプレイE」に対応する何れかの役が入賞する(図6A参照)。
また、番号「22」の「中左右3枚ベル」の場合には、区分番号が「16」、「17」、「19」、「22」、「23」となっている。AT遊技状態では、操作手順が報知されるので、区分名「右下ベル」を入賞させることが可能である。しかし、通常遊技状態では、操作手順が報知されないので、区部名「左ベルハズレA」、「左ベルハズレC」、「左ベルハズレF」、「中ベルハズレ」に対応する何れかの役が入賞する(図6A、6B参照)。
番号「40」〜「45」は、当選確率の低いレア役となっている。レア役に当選した場合には、通常、液晶画面4a中で当選報知や、何らかの予告が発生するため、遊技者は対応する入賞役を揃えることができる。
(3−3.遊技モード選択テーブル、当りゲーム数選択テーブル、モード演出発生態様テーブル:図8)
次に、図8を参照して、遊技モード選択テーブル、当りゲーム数選択テーブル及び各遊技モードにおける演出発生態様について説明する。遊技モードには、モードA〜Cの3種類があり、それぞれ選択される確率が異なっている。各遊技モードの詳細は後述する。
遊技モードは、回胴式遊技機に電源を投入した時(以下、電源オン時)、すなわち、電源基板440からの電源投入信号に応じて選択される。また、ボーナス(AT遊技)終了後にも遊技モードが選択される。ボーナス終了後の遊技モード選択は、例えば、ボーナス終了後の第1ゲーム開始時に行われる。
まず、図8(イ)に、回胴式遊技機の電源オン時の遊技モードの選択テーブルを示す。モードAは、「通常モード」とも呼ばれ、電源オン時の選択率は60%と最も高い。モードBは、「地獄モード」とも呼ばれ、電源オン時の選択率は30%である。モードCは、「天国モード」とも呼ばれ、電源オン時の選択率は10%である。
次に、図8(ロ)に、ボーナス終了後の各遊技モードの選択テーブルを示す。モードAにおける遊技中にボーナス(AT遊技)に当選した場合には、例えば、ボーナス終了後の第1ゲーム開始時に遊技モードが1つ選択される。この場合、再度、モードAが選択される確率は50%である。また、モードBが選択される確率は30%、モードCが選択される確率は20%である。
モードBにおける遊技中にボーナスに当選した場合にも、例えば、ボーナス終了後の第1ゲーム開始時に遊技モードが1つ選択される。この場合、モードAは選択されることはなく、再度モードBが選択される確率は50%、モードCは選択される確率が50%である。
また、モードCにおける遊技中にボーナスに当選した場合にも、例えば、ボーナス終了後の第1ゲーム開始時に遊技モードが1つ選択される。この場合、モードAが選択される確率は50%、モードBが選択される確率は10%、再度モードCが選択される確率は40%である。
次に、図8(ハ)に、当りゲーム数選択テーブルを示す。「当りゲーム数(本発明の「所定回数」に相当)とは、次回のボーナス当選、すなわち当りが発生するゲーム数であり、1000ゲームを100ゲーム毎に区切った10の範囲(本発明の「累積回数帯」に相当)の何れかに属する。当りゲーム数は、遊技モードが選択された後に、当該選択された遊技モードに対応する当りゲーム数選択テーブルに基づき、決定される。なお、一度決定された当りゲーム数は、ボーナス終了や設定の変更が行われる場合を除いて変更されない。
例えば、上記遊技モードの選択時に「モードA」が選択された場合、1〜100ゲームの間に当りが発生する確率は10%、101〜200ゲームの間に当りが発生する確率は20%である。モードAでは、201〜300ゲームの間や401〜500ゲームの間で当りが発生する可能性はない。また、遅くとも701〜800ゲームの間で当りが発生するので、801ゲーム以降に当りが発生する可能性もない。
また、上記遊技モードの選択時に「モードB」が選択された場合には、201〜300ゲームの間に当りが発生する確率は10%、401〜500ゲームの間に当りが発生する確率は20%である。1〜100ゲームの間、101〜200ゲームの間、301〜400ゲームの間で当りが発生する可能性はない。また、「モードC」が選択された場合には、1〜100ゲームの間に必ず当りが発生する。
次に、図8(ニ)に、「モードA」の演出発生態様のテーブルを示す。図示するように、モードAでは、1〜100ゲームの間で前兆演出(本発明の「通常演出」又は「特別演出」に相当)が発生する可能性があり、150ゲーム前後では前兆演出が発生する可能性が高くなる。通常、当りとなる可能性のある範囲で前兆演出がタイミングよく発生するようになっている。
例えば、当りゲーム数が「180ゲーム」、遊技モードが「モードA」と決定された場合、1〜100ゲームの間で前兆演出が発生する可能性はあるが、嘘の演出であって当りとなることはない。また、101〜200ゲームの間では、当りゲームに至る前の160ゲーム目くらいから前兆演出が頻繁に行われるようになり、最終的に180ゲーム目で演出が完結して、当りが発生する。
次に、図8(ホ)に、「モードB」の演出発生態様のテーブルを示す。図示するように、モードBでは、201〜300ゲームの間で前兆演出が発生する可能性があり、450ゲーム前後では前兆演出が発生する可能性が高くなる。ここでも、モードAの場合と同様に、当りとなる可能性のある範囲で前兆演出がタイミングよく発生するようになっている。
例えば、当りゲーム数が「440ゲーム」に決定された場合、201〜300ゲームの間で前兆演出が発生する可能性はあるが、嘘の演出であって当りとなることはない。また、401〜500ゲームの間では、当りゲームに至る前の420ゲーム目くらいから前兆演出が頻繁に行われるようになり、最終的に440ゲーム目で演出が完結して、当りが発生する。
最後に、図8(ヘ)に、「モードC」の演出発生態様のテーブルを示す。図示するように、モードCでは、1〜100ゲームの間で前兆演出が発生し、それ以降は前兆演出が発生しない。
例えば、当りゲーム数が「60ゲーム」に決定された場合、当りゲームに至る前の40ゲーム目くらいから前兆演出が頻繁に行われるようになり、最終的に60ゲーム目で演出が完結して、当りが発生する。
ここで、図8(ニ)〜(ヘ)に示す演出発生態様のテーブルに適用されるゲーム数(「累積回数」)は、電源オン時にリセットされる。一度決定された当りゲーム数はリセットされないが、演出発生態様のテーブルに適用されるゲーム数は0回から開始する。これにより、当りゲーム数が属する範囲が変更されるので、前兆演出の発生タイミングも変化し、遊技モードを推測するのが困難になる。
また、電源オン時に改めて遊技モードを選択し直すが、遊技モードが変更される場合と変更されない場合とが生じる。ここで、遊技モードが変更された場合には、累積回数をリセットしなくても、前兆演出の発生タイミングが変化する。
一方、以前と同一の遊技モードが選択された場合には、累積回数をリセットしなければ前日の続きとなってしまうので、必ずリセットされるようにする。これにより、ゲーム数が属する範囲が変更される。
演出発生態様のテーブルに適用されるゲーム数のリセットは、通常の電源オン時、すなわち、出玉率に変化をもたらす設定変更を伴わない電源オン時に行われる。設定変更を伴う電源オン時には、当然に該ゲーム数がリセットされる。これにより、設定変更が行われたか否かを推測するのも困難になる。
(3−4.電源投入時の動作例)
次に、図9を参照して、実施例の回胴式遊技機に電源が投入された際の動作例について説明する。なお、以下では、ボーナス当選後に次回の当りゲーム数が「280」に決定され、その後100ゲームを消化した時点で、閉店(回胴式遊技機の電源オフ)となった場合を説明する。
上述したように、電源オン時には遊技モードが新たに選択され、演出発生態様のテーブルに適用されるゲーム数はリセットされるが、当りゲーム数は変更されない。従って、この場合、電源オン時から180ゲーム目に当りが発生する。
この場合において、電源オン時の遊技モードの選択により「モードA」が選択されると、遊技モードが選択されてから101〜200ゲームの間は、前兆演出を行うことになっているので、180ゲームの数十ゲーム手前から前兆演出が頻繁に行われるようになる。本来、モードAでは、201〜300ゲームの間で前兆演出を行わないことになっているので、モードAが選択された場合には、偶然に当りゲームを含む所定のゲーム数範囲において前兆演出が行われる。
電源オン時の遊技モードの選択により「モードB」が選択された場合、遊技モードが選択されてから101〜200ゲームの間は、前兆演出を行わないことになっている。従って、モードBが選択された場合には、当りゲームを含む所定のゲーム数範囲において前兆演出が行われない。なお、当りとなる180ゲーム目やその直前の2〜3ゲームの期間は、前兆演出とは異なる連続当り予告等が行われる。
電源オン時の遊技モードの選択により「モードC」が選択された場合、図8(へ)に101〜200ゲームの欄は示されていないが、基本的に前兆演出は行われない。従って、モードCが選択された場合にも、当りゲーム含む所定のゲーム数範囲において前兆演出が行われないことなる。なお、1〜100ゲームの間では前兆演出が行われるが、嘘の演出となる。
このように、実施例の回胴式遊技機では、電源の投入後の最初の当りゲーム数が含まれる所定ゲーム数範囲において、必ずしも前兆演出が発生しなくなるので、遊技モードが見破られ難い。
なお、電源オン時の遊技モードの選択により「モードC」が選択された場合、最初の当りが180ゲーム目くらいであれば問題とならないが、当りが500ゲーム以上先にある場合には、101ゲーム以降、長い期間、前兆演出が行われないことになる。
これでは、遊技者が遊技に飽きてしまうので、電源オン時のモード選択では、モードCの選択率をより低く設定する、又はモードCを選択しないようにしてもよい。例えば、モードCは、設定変更した時及びボーナス終了後にのみ選択されるようにしてもよい。
<4.演出及び告知>
次に、図10A、10Bを参照して、液晶画面4aにおいて行われる前兆演出の例を説明する。
まず、前兆演出の開始前の通常時には、図10A(a)に示すように、壁から垂れ幕58が垂れ下がっている背景が表示されている。また、現在の背景と関連する「XXXステージ」という文字が表示されている。
次に、前兆演出が開始すると、図10A(b)に示すように、垂れ幕58がガサガサと揺れ、忍者のキャラクタ60が出現して「何者だ!」というセリフを発する。このとき、液晶画面4aでは、演出用ボタン10に見立てたPUSHボタンマーク10’及び遊技者に演出用ボタン10の操作を促す手のマーク59も表示される。
そして、遊技者が演出用ボタン10を操作すると、前兆演出が継続となるか、偽演出が確定して終了する。前兆演出が継続する場合、図10A(c)に示すように、垂れ幕58がめくれ上がり、鬼のキャラクタ61が登場する(「対決演出確定」)。
一方、偽演出が確定する場合には、図10A(d)に示すように、垂れ幕58がめくれ上がり、狸のキャラクタ62が登場する(「偽演出確定」)。この場合、その後に前兆演出が終了して液晶画面4aの表示が通常画面に戻る。
前兆演出が図10A(c)に示す「対決演出確定」になると、その後、図10B(a)の表示に切替わる。図10B(a)では、「あかオニを倒せ!」という文字と共に、忍者のキャラクタ60と鬼のキャラクタ61とが対峙する「対決演出1」が開始する。対決演出1では、例えば、忍者のキャラクタ60が鬼のキャラクタ61を攻撃する演出が行われる。
その後、図10B(b)に示すように「最後の攻撃」という文字が表示されると共に、忍者のキャラクタ60が鬼のキャラクタ61に斬りかかる「対決演出2」が表示される。なお、ここでも、PUSHボタンマーク10’及び手のマーク59が表示される。
その後、遊技者が演出用ボタン10を操作すると、ボーナス当選が確定するか、偽演出が確定して前兆演出が終了する。まず、ボーナス当選が確定する場合、図10B(c)に示すように、「大勝利!」及び「BONUS確定」の文字が表示される。このとき、鬼のキャラクタ61が消えて、忍者のキャラクタ60が中央に大きく表示される(「対決演出3(大当り)」)。その後、ボーナス遊技に移行する。
次に、偽演出が確定して前兆演出が終了する場合には、10B(d)に示すように、「敗北・・・」の文字が表示される。このとき、忍者のキャラクタ60が消えて、鬼のキャラクタ61が中央に大きく表示される(「対決演出4(外れ)」)。その後、前兆演出が終了して液晶画面4aの表示が通常画面に戻る。
このように、各遊技モードの前兆演出が発生するゲーム数範囲で、上記のような前兆演出が実行される。特に、「モードA」と「モードB」では、およそ200ゲームに1回は前兆演出が発生するので、遊技者が飽きることがなく遊技を継続するようになる。
<5.主制御基板による制御処理>
(5−1.主制御側メイン処理:図11)
次に、実施例の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。
図11は、遊技動作制御プログラムに従い、主制御基板400(以下、主制御手段という)が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。主制御手段は、電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS11〜ステップS27の処理を行う。
まず、主制御手段は、RAM初期化処理を行う(ステップS11)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するための処理である。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御手段は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ等を設定する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、主制御手段は、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御手段は、始動レバーが操作されたか否かを判定する(ステップS14)。これは、遊技者によって回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、主制御基板400が回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視する。
回胴回転始動レバー11が操作された場合には、「YES」の判定となり、ステップS15に進む。一方、回胴回転始動レバー11が操作されていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS13に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS15の処理には移行しない。
ステップS15では、主制御手段は、内部抽選用乱数取得処理を行う。主制御手段は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16では、主制御手段は、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、ステップS15で取得した内部抽選用乱数値と役抽選テーブルとに基づいて当選役を決定し、その抽選結果情報を設定する処理である。以下、内部抽選処理の詳細を説明する。
(5−2.内部抽選処理:図12)
図12は、図11中の内部抽選処理(ステップS16)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、遊技状態を取得する(ステップS161)。具体的には、図11のステップS12で設定した遊技状態フラグを取得する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御手段は、遊技状態に応じた役抽選テーブルを選択する。その後、ステップS163に進む。
ステップS163では、主制御手段は、役抽選テーブルと抽選用乱数値に基づき当選役を抽選する。具体的には、取得した内部抽選用乱数の値(図11:ステップS15)と選択された役抽選テーブルに記憶されている判定値とを比較し、当選役を抽選する。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、主制御手段は、抽選結果に基づき当選役データと停止制御用データを設定する。停止制御用データは、停止制御用データ設定テーブル(図示省略)を参照して、当選役データに応じたデータを設定する。その後、ステップS165に進む。
最後に、主制御手段は、遊技開始コマンドをセットする(ステップS165)。「遊技開始コマンド」には、当選役に関する情報や、現在の遊技状態に関する情報が含まれるが、後に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、内部抽選処理を終了する。
なお、この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は遊技毎にクリアされるが、ボーナス役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
図11に戻り、内部抽選処理(ステップS16)が終了すると、主制御手段は、リール演出処理(ステップS17)を行う。以下、リール動作処理の詳細を説明する。
(5−3.リール演出処理:図13)
図13は、図11中のリール演出処理(ステップS17)の内容を示すフローチャートである。リール演出処理は、回胴5a〜5cが通常の回転起動を開始する前に、演出としての動作(リールアクション)する場合の制御処理である。
まず、主制御手段は、特別役に当選したか否かを判定する(ステップS171)。「特別役」とは、例えば、当選したときフリーズ演出が発生するレア役である。特別役に当選した場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、特定役に当選していない場合には、「NO」の判定となり、リール演出処理を終了する。
特別役に当選した場合(ステップS171でYES)、主制御手段は、当選役に応じたリール演出抽選テーブルを選択する(ステップS172)。リール演出抽選テーブル(図示省略)には、当選役毎に各リール演出の当選率が設定されている。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、主制御手段は、リール演出抽選処理を行う。具体的には、ステップS172で選択されたリール演出抽選テーブルを参照して、リール演出抽選が行われる。その後、ステップS174に進む。
次に、主制御手段は、何れかのリール演出に当選したか否かを判定する(ステップS174)。何れかのリール演出に当選した場合には、「YES」の判定となり、ステップS175に進む。一方、何れのリール演出にも当選しなかった場合には、「NO」の判定となり、リール演出処理を終了する。
何れかのリール演出に当選した場合(ステップS174でYES)、主制御手段は、フリーズ開始処理を行う(ステップS175)。これは、リール演出の実行前に回胴5a〜5cを一度、不動状態とする処理である。その後、ステップS176に進む。
ステップS176では、主制御手段は、リール演出実行処理を行う。これは、ステップS173のリール演出抽選処理で選択されたリール演出を実行する処理である。リール演出には、回胴5a〜5cの不動状態が所定時間継続するフリーズ演出の他、高速逆回転変動や遅れ変動が含まれる。その後、ステップS177に進む。
最後に、主制御手段は、フリーズ解除処理を行う(ステップS177)。ここでは、回胴5a〜5cの不動状態を解除するので、通常の回転準備が整う。その後、リール演出処理を終了する。
図11に戻り、リール演出処理(ステップS17)が終了すると、主制御手段は、回胴回転開始設定処理(ステップS18)を行う。以下、回胴回転開始設定処理の詳細を説明する。
(5−4.回胴回転開始設定処理:図14)
図14は、図11中の回胴回転開始設定処理(ステップS18)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、ウェイトタイマを取得する(ステップS181)。ウェイトタイマは、次の遊技を開始するまでの時間を設定するためのタイマである。その後、ステップS182に進む。
次に、主制御手段は、ウェイトタイマが0であるか否かを判定する(ステップS182)。ウェイトタイマの設定時間(4.1秒)が経過するまでは、遊技者による遊技を開始する操作が無効とされる。
ウェイトタイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、ウェイトタイマが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS183に進む。
ウェイトタイマが0でない場合(ステップS182でNO)、主制御手段は、待ち時間が消費したか否かを判定する(ステップS183)。待ち時間が消費するまでは、「NO」の判定となり、ループする。一方、待ち時間が消費した場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。これにより、次の遊技が開始可能となるまでに少なくとも4.1秒かかるようになっている。
ステップS182、S183の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ウェイトタイマをセットする(ステップS184)。具体的には、0となったウェイトタイマに再度、4.1秒をセットする。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、主制御基板400は、回転起動処理を行う。この回転起動処理では、リール演出の有無を確認し、これに応じたリールの起動設定及び時間設定を行う。その後、ステップS186に進む。
最後に、主制御手段は、回胴回転始動時のデータ設定を行う(ステップS186)。具体的には、回胴の回転状態を示す回転状態フラグをオン(全回胴回転中)とし、制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作されたときに生成される「回転開始コマンド」をセットする。その後、回胴回転開始設定処理を終了する。
再び、図11に戻り、回胴回転開始設定処理(ステップS18)が終了すると、主制御手段は、回胴停止処理(ステップS19)を行う。以下、回胴停止処理の詳細を説明する。
(5−5.回胴停止処理:図15)
図15は、図11中の回胴停止処理(ステップS19)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、回胴回転停止ボタン12a〜12cの有効な停止操作があったか否かを判定する(ステップS191)。回胴回転始動レバー11が操作されて回胴5a〜5cが回転を開始した後、全ての回胴が概ね一定の回転速度になる。このとき、回胴5a〜5cに対応する回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作が受付可能な状態となる。
回胴回転停止ボタン12a〜12cの操作は、上記の受付可能な状態となった場合にのみ有効となり、受付可能な状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても無効な操作として扱われる。
有効な停止操作(第1停止操作)があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS192に進む。一方、有効な停止操作がなかった場合には、「NO」の判定となり、有効な停止操作があるまでループする。
有効な停止操作があった場合(ステップS191でYES)、主制御手段は、停止準備データをセットする(ステップS192)。停止準備データとは、回胴回転停止ボタン12a〜12cの押し順を示す停止順番データ、現在停止している回胴数を示す回胴停止数データ、停止操作の対象となる回胴を示す停止対象回胴番号、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間)であり、本ステップでこれらのデータがセットされる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御手段は、図柄停止制御処理を行う。図柄停止制御処理とは、滑りコマ数を計算して回胴5a〜5cの停止を制御する処理である。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、主制御手段は、停止結果情報コマンドをセットする。「停止結果情報コマンド」とは、図柄停止情報を含む制御コマンドである。その後、ステップS195に進む。
次に、主制御手段は、停止間隔タイマが0となったか否かを判定する(ステップS195)。停止間隔タイマとは、第1停止操作の後に、第2停止操作を受付可能とするまでの時間を計測するタイマである。
停止間隔タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS196に進む。一方、まだ停止間隔タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、当該タイマが0となるまでループする。
停止間隔タイマが0となった場合(ステップS195でYES)、主制御手段は、全ての回胴が停止したか否かを判定する(ステップS196)。第1停止操作後、第2停止操作後は、「NO」の判定となり、再度、ステップS191〜S196の処理を繰り返す。第3停止操作後は、全ての回胴が停止したことになるので、「YES」の判定となり、ステップS197に進む。
最後に、全ての回胴が停止した場合(ステップS196でYES)、主制御手段は、入賞情報コマンドをセットする(ステップS197)。「入賞情報コマンド」には、入賞役の情報が含まれ、全回胴停止時に主制御基板400から演出制御基板420に送信される。その後、回胴停止処理を終了する。
再び、図11に戻り、回胴停止処理(ステップS19)が終了すると、主制御手段は、入賞判定処理(ステップS20)を行う。以下、入賞判定処理の詳細を説明する。
(5−6.入賞判定処理:図16)
図16は、図11中の入賞判定処理(ステップS20)の内容を示すフローチャートである。
まず、主制御手段は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグを設定する(ステップS201)。具体的には、当り図柄フラグから、入賞役に応じたビット値をメインRAM401bの所定の領域に格納する。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、主制御手段は、当り図柄フラグに基づいて、払出枚数を算出する。具体的には、当り図柄フラグと払出枚数データテーブル(図示省略)により、遊技メダルの払出枚数を算出する。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、主制御手段は、払出枚数データテーブルを参照し、払出枚数を設定する(ステップS203)。その後、ステップS204に進む。
最後に、主制御手段は、誤入賞判定処理を行う(ステップS204)。詳細は省略するが、当選フラグ(当選役)の反転値と、当り図柄フラグ(入賞役)の論理積を演算することで誤入賞を判定する処理である。その後、入賞判定処理を終了する。
再び、図11に戻り、ステップS20の入賞判定処理が終了すると、主制御手段は、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。主制御手段は、上述の入賞判定処理で取得した払出枚数に基づいてクレジットの加算、又はホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す。さらに、各制御動作にエラーがないか否かを監視する。その後、ステップS22に進む。
次に、主制御手段は、再遊技役が停止したか否かを判定する(ステップS22)。再遊技役が停止した場合には、「YES」の判定となり、ステップS23に進む。一方、再遊技役が停止していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS24に進む。
再遊技役が停止した場合(ステップS22でYES)、主制御手段は、再遊技開始設定処理を行う(ステップS23)。これは、再遊技の作動開始を設定する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、再遊技役が停止しなかった場合(ステップS22でNO)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中か否かを判定する(ステップS24)。現在、ボーナス遊技の作動中(CBB中)である場合には、「YES」の判定となり、ステップS25に進む。一方、ボーナス遊技の作動中でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS26に進む。
現在、ボーナス遊技の作動中である場合(ステップS24でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。これは、ボーナス遊技を継続又は終了するため監視処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
また、ボーナス遊技の作動中でない場合(ステップS24でNO)、主制御手段は、ボーナス役(CBB)が停止したか否かを判定する(ステップS26)。ボーナス役が停止した場合には、「YES」の判定となり、ステップS27に進む。一方、ボーナス役が停止しなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
ボーナス役が停止した場合(ステップS26でYES)、主制御手段は、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。その後、ステップS11のRAM初期化処理に戻る。
(5−7.主制御側タイマ割込み処理:図17)
図17は、実施例の主制御基板でのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。ここで、実施例のタイマ割込み処理は、1.5ms毎に実行される。
まず、主制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS301)。これは、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる処理である。その後、ステップS302に進む。
ステップS302では、主制御手段は、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、回胴式遊技機に設けられたスイッチやセンサ類の検出情報を取得する。その後、ステップS303に進む。
ステップS303では、主制御手段は、回胴回転制御処理を行う。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータ211a〜211cに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴5a〜5cの回転位置やその速度を監視したりする。その後、ステップS304に進む。
ステップS304では、主制御手段は、定期更新処理を行う。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマの更新や、ウォッチドッグタイマの定期的なクリア等を行う。その後、ステップS305に進む。
ステップS305では、主制御手段は、コマンド出力処理を行う。これは、遊技の進行に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割込みで1つの演出制御コマンドが送信される。その後、ステップS306に進む。
ステップS306では、主制御手段は、表示出力処理を行う。表示出力処理では、回胴式遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。その後、ステップS307に進む。
ステップS307では、主制御手段は、異常監視処理を行う。異常監視処理では、上記ポート入力処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、回胴式遊技機の異常を監視する。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、主制御手段は、外部情報信号出力処理を行う。これは、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。
上記の各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、上記メダル投入信号や上記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。その後、ステップS309に進む。
最後に、主制御手段は、レジスタ復帰処理を行って、レジスタの内容を復帰させる(ステップS309)。その後、主制御側タイマ割込み処理を終了する。以上、主制御側が行う処理について説明した。
<6.副制御部による制御処理>
(6−1.副制御側メイン処理:図18)
次に、主に演出制御基板420が実行する副制御側の処理内容について説明する。
図18は、演出制御プログラムに従い演出制御基板420(以下、演出制御手段という)が実行する副制御側のメイン処理を示すフローチャートである。回胴式遊技機に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、図18に示す副制御側メイン処理が開始する。
まず、演出制御手段は、初期設定を行う(ステップS401)。これは、電源投入時に行われる遊技動作開始前に必要な初期設定である。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、演出制御手段は、演出用乱数更新処理を行う。具体的には、演出を選択するために用いられる演出用乱数を定期的に更新する処理である。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、演出制御手段は、割込み許可状態に設定する。具体的には、コマンド受信割込み、タイマ割込み、外部INT等の割込み処理を許可する状態とする。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、演出制御手段は、割込み禁止状態に設定する。すなわち、ステップS403とステップS404の間の期間で各種割込み処理が実行される。その後、ステップS405に進む。
最後に、演出制御手段は、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS405)。なお、副制御側メイン処理では、電断が発生しない限り、ステップS402〜S405の処理を繰り返し実行する。
(6−2.副制御側タイマ割込み処理:図19)
次に、図19を参照して、副制御側タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、副制御側メイン処理に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、演出制御手段は、レジスタ退避処理を行う(ステップS411)。その後、ステップS412に進む。
ステップS412では、演出制御手段は、定期更新処理を行う。これは、演出等に用いられる各種タイマを更新する処理である。その後、ステップS413に進む。
ステップS413では、演出制御手段は、コマンド受信処理を行う。コマンド受信処理の詳細については後述する。その後、ステップS414に進む。
ステップS414では、演出制御手段は、演出シナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した演出制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等の概要を設定する。その後、ステップS415に進む。
ステップS415では、演出制御手段は、出力処理を行う。具体的には、液晶画面4aの表示やスピーカ16による音声、装飾ランプ部13による光を出力する。なお、可動体6a、6bの動作も本ステップで実行される。その後、ステップS416に進む。
最後に、演出制御手段は、レジスタ復帰処理を行う(ステップS416)。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、副制御側で行われる処理について説明した。
以上のように、実施例の回胴式遊技機では、電源を投入する度に遊技モードが選択される。従って、演出の状態を見ただけでは遊技モードの推定が困難で、遊技の出玉率に変化をもたらす設定変更が行われたか否かも遊技者に容易に認識されない。これにより、特定の遊技者のみが利益を得る状況の発生を回避することができる。
上記の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。実施例では、AT遊技のある回胴式遊技機を説明したが、ART遊技、RT遊技、CT(チャレンジタイム)遊技のある回胴式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、回胴式遊技機のタイプによって、主制御側で遊技状態の移行制御を行う等の多少の相違点がある。
上記の実施例では、各遊技モードの演出発生態様テーブルに適用されるゲーム数(累積回数)は、電源オンする度にリセットされることとしたが、前日と異なる遊技モードが選択された場合に限って当該累積回数をリセットしなくてもよい。
また、上記の実施例では、遊技モードに基づいて演出が発生し易い当りゲーム数が選択されるよう制御するが、遊技モードとは別に演出の発生頻度の制御を目的とした演出モードを用意してもよい。
当りゲーム数は、必ずしもそのゲーム数において直ちにボーナスの確定告知を実行したり、ボーナス役に当選したり(ボーナス役の図柄が揃えられる状態への移行を含む)、実際にボーナス遊技が開始するものに限られない。
例えば、当りゲーム数が「150ゲーム目」に決定された場合、150ゲーム目から比較的期待度の高い連続演出(例えば、2〜3ゲーム)が発生し、その後、ボーナスの確定告知をする場合もある。この場合、当りゲーム数の決定と同時期に予め連続演出の種類や該連続演出のゲーム数を決定してもよいし、150ゲーム目到達時期に決定するようにしてもよい。
また、150ゲーム目にボーナスの確定告知をした場合、告知から実際にボーナス遊技が開始するまでには、最大数十ゲームの間隔が生じることがある。例えば、「150ゲーム目」で利益の小さいボーナスが確定するが、その後の待機期間(昇格抽選期間)中にチェリー役等のレア役に当選することで利益の大きいボーナスに昇格し、利益の大きいボーナス遊技が実行される。なお、上記の昇格抽選期間とは、ボーナスの確定告知から所定の条件(例えば、ベル役が2回入賞する、又は7揃いリプレイ役に当選する等)を満たすまでの期間をいう。
当りゲーム数をカウントする起算点も、設定変更後又はボーナス終了後の第1ゲームの開始時(レバーオン時)に限られない。例えば、ボーナス遊技の最終ゲームにおける第3停止ボタンの操作時(ボタンの押下時又はボタンを離した時)や、ボーナス終了後に特定役の当選又は取りこぼし(1回又は複数回)が発生した時点を、当りゲーム数をカウントする起算点としてもよい。
なお、ゲーム数のカウントについては、説明のために「カウント」という表現を用いているが、規定ゲーム数に達したかどうかに関わる判定制御フローでは、加算方式に限定されるものではなく、減算方式による判定でもよい。
また、カウントについては、単純に単位遊技の1回毎に1カウントするだけでもよいが、別途、中断条件や短縮条件などを設定してもよい。例えば、通常時には、左停止ボタンから操作することを遊技者に強制し、それ以外の停止ボタンから操作した場合には、ペナルティとして所定期間(例えば、5ゲーム)カウントをストップするようにしてもよい。
一方、抽選手段による抽選の結果、所定役(例えば、チェリー役)に当選した場合、短縮抽選を実行する。そして、それまで1ずつカウントしていたものを、所定役に当選した場合に、そのゲームだけ20カウントしたり、そのゲームから10ゲーム間は1ゲームあたり2〜5の範囲でカウントをするようにしてもよい。
このように、中断条件及び/又は短縮条件が設定された遊技機においては、予め決められた当りゲーム数と、実際に遊技者が遊技した単位遊技の回数が一致しない場合も起こり得る。
以上、実施例として回胴式遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、パロット機等の他の遊技機にも適用可能である。