JP2007305371A - 電解質膜及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロトン伝導性基を有するポリマーがジビニルベンゼンスルホン酸又はその塩により架橋されている電解質ポリマーを含有する電解質膜であり、好ましくは、多孔性基材の細孔内に前記電解質ポリマーを充填してなる。特に、前記多孔性基材が、重量平均分子量50万以上のポリエチレンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋させたものであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
この際には、高濃度の電解質モノマー溶液とすることにより、これまで重合困難であった架橋重合が促進され、緻密な重合体が得られる。この第3モノマーを含有する電解質濃度中、第3モノマーの溶液中濃度は30〜95%が好ましく、50〜90重量%がより好ましい。ビニルスルホン酸の溶液中の濃度が低すぎると多孔膜への充填が不十分となり電解質膜の均一性やプロトン伝導性に劣る。また、溶液中濃度が高すぎると、充填用モノマー溶液の粘度が高すぎて、多孔性基材への浸透が困難になり、また気泡の生成などの問題があり、さらには得られる電解質膜の柔軟性が失われてしまう。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置を用いて、カラム温度140℃、溶離液o−ジクロロベンゼンの条件で分子量分布を測定した。
1/10000 直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した。
1/10000 直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した厚みを用い、フィルムの単位面積S(cm2)あたりの重さW(g)、平均厚みt(μm)、密度d(g/cm3)から下式Aにより算出した値を使用した。
空孔率(%)=(1−(104×W/S/t/d))×100 式A
充填時の重量増加率αは、電解質を充填する前の多孔性基材の乾燥重量をma、充填重合後の乾燥重量をmbとしたとき、次式Bにより算出した。
α=(mb−ma)/ma×100 式B
膜を水(温度:25℃)中で膨潤させ、その後2枚の白金箔電極で膜を挟んでプロトン伝導性測定用試料を作製し、ヒューレット・パッカード社製HP4192Aによりインピーダンス測定を行った。測定周波数範囲は10kHz〜1MHzとした。得られたインピーダンスの実数部分を横軸に、虚数部分を縦軸にしてプロットし、極小値の実数部分の値を膜抵抗R(Ω)とした。膨潤させたときの膜の厚みをt(μm)とすると、プロトン伝導率σ(S/cm)は式Cから求めることができる。
σ=10−4×t/R 式C
得られた電解質膜の初期面積をSo、初期膜厚をTo、30重量%のメタノール水溶液に浸漬し、十分に馴染ませた後の面積をS1、膜厚をT1としたとき、膨潤率を膜面積変化率(=面積変化率×厚み変化率)として次式より算出した。
膨潤率Sd=[(S1−So)/So]×[(T1−To)/To]×100
25℃におけるメタノール透過性能をチャンバー拡散セルを用いた拡散実験により求めた。供給液は水140gと、水200gを、膜を挟み込んだL字型セル(透過膜面積8.04E−4m2)両端それぞれに入れ、膜面をなじませ、攪拌しながら25℃に安定させた。ついで60gのメタノールを水140gを入れたセルに素早く加え、投入時間を0として一定時間ごとにサンプルをサンプリングした(1mlサンプリングして、1ml水を加えて希釈による濃度補正を後で行った)。サンプリングした溶液をYanaco社製ガスクロマトグラフィにて評価して各メタノール濃度を求めた。単位膜面積、単位時間あたりのメタノール重量濃度変化をメタノール透過流速として算出した。
ノルボルネンの開環重合体の粉末(日本ゼオン社製、ノーソレックスNB、重量平均分子量200万以上)3重量%、熱可塑性エラストマー(住友化学社製TPE821)16重量%、重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン81重量%からなる重合体組成物16重量部と流動パラフィン84重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは金属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、115℃の温度でシート厚が0.5mmになるまでヒートプレスし,115℃の温度で同時に縦横4.5×4.5倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた微多孔フィルムを空気中で85℃・6時間熱処理し、ついで116℃で2時間熱処理して本発明による多孔質基材A−1を得た。この多孔質基材は厚み17μm、空孔率39%であった。
多孔性基材A−1の重量を秤量後、0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液に含浸し、超音波処理及び減圧脱気処理を行い、基材膜の親水化を行った。0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を20℃以下に保ちながら、ビニルスルホン酸(以下、「VSA」と略記する、純度98%)72重量%、架橋剤:m‐ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下「m‐DVB‐SNa」と略記する)16重量%になるようにそれぞれを混合した後、VSA、m‐DVB‐SNaの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤V−50(和光純薬工業社製)が1mol%になるよう添加して、充填用電解質モノマー溶液を調製した。このモノマー溶液を20℃以下に保ちながら減圧操作を行い、脱気処理をした。
実施例1において、基材の親水化後、0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を20℃以下に保ちながら、VSAを78重量%、架橋剤:p−ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下「p‐DVB−SNa」と略記する)10重量%になるようにそれぞれを混合した以外は,実施例1と同様の操作を2回繰り返して行い、膜B−2を得た。この膜の重量増加率を算出し、プロトン伝導性、膨潤率、メタノール透過係数を測定により得た。
実施例1において、基材の親水化後、0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を20℃以下に保ちながら、VSAを79重量%、架橋剤:ジビニルベンゼン(m−/p−混合体、以下「DVB」と略記する)9重量%になるようにそれぞれを混合した以外は、実施例1と同様に行い、膜C‐1を得た。この膜の重量増加率を算出し、プロトン伝導性、膨潤率、メタノール透過係数を測定により得た。
実施例1において、基材の親水化後、0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を20℃以下に保ちながら、VSAを77重量%、架橋剤:N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド(以下「MBA」と略記する)11重量%になるようにそれぞれを混合した以外は、実施例1と同様に行い、膜C−2を得た。この膜の重量増加率を算出し、プロトン伝導性、膨潤率、メタノール透過係数を測定により得た。
Nafion112(デュポン社製)を膜C−3として用いた。この膜のプロトン伝導性、膨潤率、メタノール透過係数を測定により得た。
以上で得られた結果を表1に示す。
これに対して、プロトン伝導性を有さない架橋剤を使用した比較例1〜2の電解質膜では、プロトン伝導性が劣っており、またメタノール透過流速が大きくなる場合がある。
Claims (5)
- プロトン伝導性基を有するポリマーがジビニルベンゼンスルホン酸又はその塩により架橋されている電解質ポリマーを含有する電解質膜。
- 多孔性基材の細孔内に前記電解質ポリマーを充填してなる請求項1記載の電解質膜。
- 前記多孔性基材が、重量平均分子量50万以上のポリエチレンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋させたものである請求項1又は2に記載の電解質膜。
- 前記プロトン伝導性基を有するポリマーがビニルスルホン酸の重合体である請求項1〜3いずれかに記載の電解質膜。
- 請求項1〜4いずれかに記載の電解質膜を用いてなる固体高分子型燃料電池。
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