JP2007259907A

JP2007259907A - 薬剤カート

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Publication number: JP2007259907A
Application number: JP2006085533A
Authority: JP
Inventors: Shoji Yuyama; 正二湯山
Original assignee: Yuyama Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Yuyama Manufacturing Co Ltd
Priority date: 2006-03-27
Filing date: 2006-03-27
Publication date: 2007-10-11
Anticipated expiration: 2026-03-27
Also published as: EP2000424A9; CN101410311B; EP2000424A2; US8146753B2; KR101352656B1; EP2000424A4; CN101410311A; WO2007111142A1; JP4961791B2; US20100164337A1; KR20080114762A

Abstract

【課題】薬剤の充填時および戻し時の作業性の良い薬剤カートを提供する。
【解決手段】複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容する上方に開口したカセット１０と、カセット１０が複数載置され、薬剤カート１の本体３から引き出し可能な棚板８と、カセット１０内に最後尾の薬剤１５を前方に向かって押し付ける押付け部材４７とを備えた薬剤カート１において、押付け部材４７をカセット１０内の所定位置にロックするロック手段６１と、棚板８の押込み動作と引出し動作に伴ってロック手段６１による押付け部材４７のロックを解除するロック解除手段６２，６３とを備えた。
【選択図】図１７

Description

本発明は、複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容したカセットを薬剤の種類毎に多数設けた薬剤カートであって、病院等にて必要な薬剤を最先頭から１つずつ取り出し、あるいは戻せるようにするとともに、取り出した薬剤の個数を計数したり、在庫を管理することができる薬剤カートに関する。

この種の薬剤カートとして、特許文献１、特許文献２には、取出し側が下になるように傾斜させたカセットに複数の薬品を一列に整列させて収容し、最後尾の薬品に当接する重りによって薬品を前方に付勢し、カセットの前端の角部に設けた出入口から１つずつ薬品を取り出し、または取り出した薬品を戻せるようにした薬品収納装置が提案されている。

特許文献３には、複数のアンプルを棚部に列状に収納し、最後端に位置するアンプルを直線移動部材で追従し、直線移動部材の直線運動を回転運動に変換し、その回転変位に基づいて収納アンプルを計数する装置が提案されている。

また、特許文献４にも、上記文献１−３と同様、薬品載置部にアンプルを列状に載置し、押し部材によってアンプル列を前面側に付勢する装置が提案されている。
特開２００１−１９８１９４号公報特開２００１−２５８９９４号公報特開２００５−２８０９７１号公報特開２００５−３３００４８号公報

しかしながら、前記特許文献１，２，３の装置では、作業者の手で付勢部材を付勢力に抗して押さえながらアンプルを１本ずつ充填していく必要があるので、充填作業の効率が悪いという問題があった。また、特許文献４の装置では、押し部材の薬品に対向する面を上方に向かうに従ってアンプルから遠ざかるように曲面状に形成することで、アンプルの挿入作業をスムーズにしているが、付勢部材を付勢力に抗して押さえながらアンプルを１本ずつ充填していく煩雑さは解消されていない。

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、薬剤の充填時の煩雑さがなく、作業性の良い薬剤カートを提供することを課題とする。

前記課題を解決するため、本発明は、
複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容する上方に開口したカセットと、前記カセットが複数載置され、薬剤カートの本体から引き出し可能な棚板と、前記カセット内に最後尾の薬剤を前方に向かって押し付ける押付け部材とを備えた薬剤カートにおいて、
前記押付け部材を前記カセット内の所定位置にロックするロック手段と、
前記棚板の押込み動作と引出し動作に伴って前記ロック手段による押付け部材のロックを解除するロック解除手段とを備えたものである。

上記解決手段によると、棚板を引き出したときにロック手段により押付け部材を所定位置にロックすることができる。棚板の押込み動作によりロック解除手段がロック手段による押付け部材のロックを解除するので、薬剤の充填作業が終了してから特別な解除を行う必要がない。

前記ロック手段は、前記カセットに回動可能に設けられたロックレバーからなり、前記ロックレバーは、前記押付け部材に係止する爪を備え、前記爪が前記押付け部材に係止する方向に付勢されていることが好ましい。

前記各カセットのロックレバーは、共通支軸に固定され、該共通支軸を中心に回動可能であることが好ましい。これにより、各カセット毎に支軸を設ける必要がないし、１つのロックレバーのみを回動させればよいため、構造が簡単となる。

前記ロック解除手段は、
前記棚板に回動可能に設けられ、前記ロックレバーを付勢力に抗して回動させ、前記ロックレバーの爪と前記押付け部材の係合を解除するロック解除レバーと、
前記薬剤カートの本体に設けられ、前記棚板の押込みと引出し時に、前記少なくともいずれか１つのカセットの前記ロック解除レバーに係止するロック解除部材とからなることが好ましい。

前記ロック解除レバーは、前記ロック解除部材に係合する係合部と、前記ロックレバーに当接して該ロックレバーを作動させる作動部とからなることが好ましい。

前記ロック解除レバーの前記係合部は前記ロック解除レバーの支軸から下方に延び、前記作動部は前記ロックレバーの支軸から両側に水平方向に延びていることが好ましい。これにより、係合部にロック解除ピンが押込み側から係合しても引出し側から係合しても、作動部が回動してロックレバーを作動させることができる。

前記ロック解除部材は、前記本体の前方側部分に設けられた第１ロック解除部材と、後方側部分に設けられた第２ロック解除部材とからなることが好ましい。これにより、棚板を押し込むとただちにロック解除レバーが第１ロック解除部材に当接してロックが解除されるので、整列した薬剤の列が乱れたり、最後尾の薬剤が倒れたりすることがない。

前記ロック解除部材はピンからなることが好ましい。また、ピンに限らず、板状の突片でもよいし、ねじ等の代用品でもよい。

前記ロック解除部材は、前記本体の前方側部分に設けられた第１ロック解除端と、後方側部分に設けられた第２ロック解除端を両端に有するロック解錠棒でもよい。

本発明によれば、押付け部材のロック手段とロック解除手段を設けたので、押付け部材を所定位置にロックすることにより、付勢力に抗して押付け部材を押さえながら薬剤を充填する必要がなくなり、容易にかつ迅速に薬剤の充填作業を行うことができ、しかも複数の薬剤を同時に充填することも可能となる。また、棚板の押込み動作と引出し動作に伴ってロック手段が解除されるので、薬剤の充填作業が終了してから特別な解除を行う必要がなくなり、充填作業の煩雑さが解消され、作業性が向上する。

以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。

図１は、本発明に係る薬剤カート１の正面図及び側面断面図、図２は図１の薬剤カート１のシャッタ２を閉じた状態の正面図及び側面断面図である。

薬剤カート１は、前面が開口する箱状の本体３を有する。本体３の前面の下半部は垂直で、上半部は後方に傾斜している。本体３の底面には４つのキャスタ４が設けられ、薬剤カート１を移動可能になっている。本体３の下半部には、上下方向に３個の引出体５が前方へ引出し可能に設けられている。これらの引出体５には種々の備品が収納される。本体３の上半部の前面の開口は、図２に示すように、シャッタ２によって閉鎖可能になっている。また、この本体３の上半部には引出ラック６が前方へ引出し可能に設けられている。

前記引出ラック６は、左右の側板７と、上下３段の棚板８とからなっている。各棚板８は左右の側板７に設けたスライドレール９に沿って前方に引出し可能に支持されている。上下３段の棚板８の前端は、１段目が手前にあり、２段目、３段目と上方にゆくにつれて、後方にずれて階段状に配置されている。各棚板８の上面には、それぞれ複数のカセット１０が併設されている。各棚板８の前端には、図４に示すように、前面パネル１１が直立位置（図１（ｂ）の１段目と３段目のカセット１０参照）と水平位置（図１（ｂ）の２段目のカセット１０参照）の間で支軸１１ａを中心として回動可能に取り付けられている。前面パネル１１には、カセット１０と対応する位置にＬＥＤ１２が設けられている。各棚板８の後端にはキャッチ１３が設けられ、該キャッチ１３は棚板８を押し込んだときに側板７に設けたキャッチ受け１４に係合して、棚板８が衝撃等によって不用意に脱出するのを防止している。

各棚板８のカセット１０は、それぞれ異なる薬剤（本実施形態ではアンプル）１５が収容され、収容される薬剤１５に応じて異なる大きさになっているが、基本的構造は同一であるので、以下、いずれか１つのカセット１０について説明する。

カセット１０は、図３に示すように、薬剤１５を一列で整列して収容可能な上方に開口する前後方向に長い箱形状を有する。カセット１０の後部は全部よりも高く形成されている。カセット１０の前端面には、図４に示すように、前記前面パネル１１の裏面の穴１６に係合する突部１７が設けられている。カセット１０の後端面には、棚板８に立設したカセット取付けステー１８のピン１９に係合するピン受け２０が設けられている。ピン１９は、図６（ｂ）に示すように、断面が長円形であってその基台２１の取付中心から偏った位置に設けられ、ピン受け２０は、図６（ａ）に示すように、断面がＵ字形であってその基台２２の取付中心から偏った位置に設けられている。ピン１９とピン受け２１の取付角度は、３６°で１０段階に取り付けることができ、各カセット１０毎に異なる角度で取り付けることで、誤装着を防止することができる。ピン１９とピン受け２０は、１組みに限らず、２組以上設けることができる。カセット１０の後端のピン受け２０の下方には、カセット取付けステー１８に設けた棚側コネクタ２３に電気的に接続するカセット側コネクタ２４が設けられている。カセット１０の後部の上面は、透明なカバー２５で覆われ、該カバー２５に当該カセット１０に収容される薬品の名称や写真が表示されている。カセット１０の前部側面には、カセット１０に収容される最先頭の薬剤１５ａから２番目の薬剤１５ｂの肩部（肩部がない場合は頭部でもよい）の上方を覆う逆Ｌ字形の抜止め部材２６が取り付けられている。

カセット１０の内部底面には、図７に示すように、後述する図１０の定荷重バネ５４の帯板が配設されるとともに押付け部材４７がスライド可能に係合するスライド溝２７と、薬剤１５の大きさに応じてカセット１０の内幅を調整するためのスペーサ２８が装着されるスペーサ取付け溝２９が形成されている。カセット１０の内部側面には、押付け部材４７の振止め突起４９が係合する振止レール３０が形成され、その下方には、スライド抵抗ユニット３１とラックギヤ４６が前後方向に延びるように取り付けられている。

スライド抵抗ユニット３１は、図８，図９に示すように細長い矩形の絶縁基板３２の一端部に、プラス側導体パターン３３、マイナス側導体パターン３４、および検出側導体パターン３５が配設され、マイナス側導体パターン３４は、基板３２の他端側に延びている。基板３２の導体パターン３３，３４，３５の上には両面テープ３６により第１と第２の２つの細長いスライド抵抗板３７，３８が平行に貼り付けられている。第１のスライド抵抗板３７は、マイラーフィルム３９上に抵抗ペースト４０を焼付け、両端部に銀ペースト４１，４２をさらに焼き付けたものである。両端の銀ペースト４１，４２間の抵抗ペースト４０の抵抗は１０Ωである。第２スライド抵抗板３８も、同様に、マイラーフィルム３９上に抵抗ペースト４３を焼き付け、一端部から一方の側縁部を通って他端部まで銀ペースト４４を焼き付けたものである。第１スライド抵抗板３７の一端の銀ペースト４１は、プラス側導体パターン３３に金具４５を介して接続され、他端の銀ペースト４２は、金具４５を介してマイナス側導体パターン３４に接続されている。第２スライド抵抗板３８の銀ペースト４４は金具４５を介して検出側導体パターン３５に接続されている。このスライド抵抗ユニット３１のプラス側導体パターン３３は図１２に示すように５Ｖの定電圧電源のＶｃｃ端子に接続され、マイナス側導体パターン３４は接地され、検出用導体パターン３５は制御装置１００の検出端子に接続されている。

カセット１０内に一列で整列して収容される薬剤１５は、押付け部材４７によって前面側に向かって押し付けられている。押付け部材４７は図１０に示すように矩形の板状で、下面には前記カセット１０のスライド溝２７に係合する係合突部４８が形成され、側面には前記カセット１０の振止めレール３０に係合する振止め突起４９が形成されている。押付け部材４７の前端上方角部は斜めに切除されて傾斜面５０が形成されている。この傾斜面５０には、薬剤の挿入方向から見て円弧状の面からなる挿入ガイド部５１が形成されている。傾斜面５０の角度は、上方から薬剤１５を挿入する際に必ず薬剤１５が挿入ガイド５１と接触するように設定されている。また、挿入ガイド部５１の円弧面の曲率半径は、薬剤１５の半径より大きくなっている。挿入ガイド部５１は押付け部材４７の前端面に連続している。押付け部材４７の底には凹部５２ａが形成され、該凹部５２ａに定荷重バネ５３が収容されている。定荷重バネ５３は、巻回された長尺の帯板からなり、先端を引き出すと一定の力で元に戻るもので、商業的に入手可能なコンストン（登録商標）等が使用されている。定荷重バネ５３の帯板は、図１１に示すように、前記カセット１０のスライド溝２７に沿って配設され、その先端はカセット１０の前端側に固定されている。押付け部材４７の後端面に設けたＬ字形の突出部４７ａには、前記カセット１０のラックギヤ４６に噛合するピニオンギヤ５４と該ピニオンギヤ５４に連結されたオイルダンパ５５が設けられている。ピニオンギヤ５４は、オイルダンパ５５の働きにより回転時に負荷がかかるようになっている。これにより、定荷重バネ５３の付勢力により押付け部材４７が急に移動して収容した薬剤１５に衝突するといった不具合の発生を防止することができる。

押付け部材４７の側面の前記振止め突起４９の下方には凹部５２ｂが形成され、該凹部５２ｂに前記スライド抵抗ユニット３１に摺接する１対のブラシ５６が取り付けられている。このブラシ５６は、導電体からなる板状の基部５７と、該基部５７に取り付けられ互いに平行な導電体でかつ弾性体である摺動部５８，５９とからなっている。このブラシ５６は、図１１に示すように、基部５７を押付け部材４７に取り付けることで、摺動部５８，５９の先端部が前記スライド抵抗ユニット３１の第１と第２のスライド抵抗板３７，３８にスライド可能に圧接するようになっている。摺動部５８，５９の先端は切込み６０が形成され、多少傾いてもスライド抵抗板３７，３８に均一に接触するようになっている。

前記各カセット１０には、図１３，１４，１５に示すように、ロック手段としてのロックレバー６１、ロック解除手段としてのロック解除レバー６２及びロック解除ピン６３が設けられている。

前記ロックレバー６１は、図１６に示すように、カセット１０の下方で棚板８の両側壁間に回動可能に水平に架設された共通支軸６４に固定されている。図１５に示すように、棚板８の押込み方向に延びるロックレバー６１の一端の上面にはカセット１０の底壁に設けた孔６５からカセット１０内を臨む爪６６が形成され、棚板８の引出し方向に延びる他端には共通支軸６４と平行な円柱状の突部６７が形成されている。ロックレバー６１は、図１４に示すねじりバネ６８により、前記爪６６が孔６５からカセット１０内に突入して押付け部材４７の下面に係合する方向に付勢されている。

前記ロック解除レバー６２は、棚板８の両側壁に前記共通支軸６４と平行に突設された水平な支軸６９を中心に回動可能に取り付けられている。ロック解除レバー６２は、支軸６９から下方に垂下する係合部７０と、支軸６９の上部から棚板８の引出し方向及び押込み方向に延びる作動部７１とからなり、支軸６９に沿って見たときに略Ｔ字形をなしている。作動部７１の上面は、前記カセット１０のうち両側に位置するカセット１０の下方に設けられた前記ロックレバー６１の円柱状の突部６７が当接する凹面になっている。

前記ロック解除ピン６３は、本体３の両側板７の後方側（押込み側）部分に円柱状に突設され、棚板８の押込み時に前記ロック解除レバー６２の係合部７０と係合可能になっている。

ロックレバー６１は、必ずしも共通支軸６４に指示する必要はなく、個別に設けてもよい。この場合、ロック解除レバー６２は、各ロックレバー６１毎に設け、ロック解除ピン６３も各ロックレバー６１毎に設ける。また、ロック解除ピン６３は、円柱状に限らず、板状のものでもよいし、ねじ等の代用品でもよい。

以上の構成からなる薬剤カート１において、薬剤１５を収納するには、前面パネル１１を開いてカセット１０を棚板８から取り出し、押付け部材４７を後方に移動させ、押付け部材４７とカセット１０の前端の間に所用数の薬剤１５を収容する。薬剤１５は押付け部材４７によって前方に押し付けられる。

カセット１０を棚板８に装着すると、カセット側コネクタ２４と棚側コネクタ２３が電気的に接触して、棚板８側からカセット１０のスライド抵抗ユニット３１に電圧が供給される。押付け部材４７のブラシ５６は第１と第２のスライド抵抗板３７，３８上を摺動し、薬剤１５の数量に応じた位置で停止する。ブラシ５６の停止位置をＰとすると、図１２に示すように、Ｐ位置にあるブラシ５６を介してＶｐ＝Ｒ２／Ｒの分圧が制御装置１００に入力される。制御装置１００は記憶装置に記憶した電圧又は演算条件を読み出し、演算装置で検出電圧に相当する薬剤個数を演算し、その結果を現在の薬剤個数として出力する。

薬剤カート１をホストコンピュータに接続した場合は当該ホストコンピュータから送信される処方情報、またはスタンドアロンの場合はバーコードリーダやキーボードで入力された処方情報に基づいて、処方に必要な薬剤１５が収容されたカセット１０に対応する前面パネル１１のＬＥＤ１２が点灯又は点滅する。なお、薬剤１５が欠品したときもＬＥＤ１２が点滅又は点灯する。

薬剤１５の取り出しは、カセット１０の最先頭の薬剤１５ａを持って上方に引き抜けばよい。このとき、２番目の薬剤１５ｂが摩擦により最先頭の薬剤１５ａとともに抜け出ようとすることがあるが、２番目の薬剤１５ｂは抜止め部材２６にあたって抜け出るのが阻止される。最先頭の薬剤１５ａを取り出すと押付け部材４７によって薬剤１５の列が前方に押し付けられ、２番目にあった薬剤１５ｂが最先頭にくる。このようにして、必要な数の薬剤１５を順次取り出すことができる。なお、上下３段の棚板８は、１段目、２段目、３段目と上方にゆくにつれて後方にずれて階段状に配置されているので、下方の１段目の棚板８のカセット１０から薬剤１５を取り出す場合、２段目の棚板８が邪魔にならない。

薬剤１５ａを取り間違えたり、余分に取り出したときは、当該薬剤１５ａをカセット１０に戻す必要がある。この場合、図３に示すように、薬剤１５の底を押付け部材４７の挿入ガイド部５１に沿って押し込んでゆくと、薬剤１５は最後尾の薬剤１５ｃと押付け部材４７の間に挿入され、最後尾となる。

このように、前記薬剤カート１は、薬剤１５を１個づつ確実に取り出すことができるとともに、一旦取り出した薬剤１５ａも簡単にカセット１０に戻すことができるので、薬剤１５の充填時および戻し時の作業性がよい。

以上、各カセット１０を棚板８から取り出して薬剤１５を収納する場合を説明したが、棚板８を本体３から引き出すことによって、各カセット１０に薬剤１５を集中的に収納することもできる。

すなわち、図１７（ａ）に示すように、棚板８が本体３に押し込まれた状態では、ロック解除レバー６２はその係合部７０がロック解除ピン６３に当接して時計回りに回動し、作動部７１の端部がロックレバー６１の突部６７を押し上げている。これにより、ロックレバー６１はその付勢力に抗して時計回り方向に回動し、爪６６がカセット１０の孔６５から退避している。この結果、押付け部材４７は前方に移動し、最後尾の薬剤１５を前方に押し付けている。

この状態で、薬剤１５の補充又は点検のために、棚板８を本体３から引き出すと、図１７（ｂ）に示すように、ロック解除レバー６２は、ロック解除ピン６３から離隔して拘束が無くなる。これにより、ロックレバー６１はその付勢力により反時計回りに回動し、その突部６７がロック解除レバー６２の作動部７１を押し下げる。この結果、ロック解除レバー６２は、反時計回りに回動し、ロックレバー６１の突部６７が作動部７１の上面に中央にきた時点で、静止した状態となる。ロックレバー６１の爪６６はカセット１０の孔６５に進入するが、押付け部材４７は既に前に移動しているため、押付け部材４７とは係合しない。

次に、引き出された棚板８のカセット１０のうち、薬剤１５を収納しようとするカセット１０の押付け部材４７を後方に移動させる。押付け部材４７がロックレバー６１の爪６６を押し下げながら乗り越えると、図１７（ｃ）に示すように、ロックレバー６１の爪６６が押付け部材４７に係合し、ロックされる。

このように、押付け部材４７は後方の所定位置にロックされているので、従来のように押付け部材４７を付勢力に抗して押さえることなく、最後尾の薬剤１５と押付け部材４７の間の空間に容易にかつ迅速に薬剤１５を補充することができ、補充作業が簡単である。

図１７（ｄ）に示すようにカセット１０に斜線ハッチングで示す薬剤１５を補充した棚板８を本体３に押し込むと、ロック解除レバー６２の係合部７０がロック解除ピン６３に当接して時計回りに回動し、作動部７１の端部がロックレバー６１の突部６７を押し上げる。これにより、ロックレバー６１はその付勢力に抗して時計回り方向に回動し、爪６６が押付け部材４７から退避する。この結果、押付け部材４７は最後尾の薬剤１５を押し付け、図１７（ａ）に示すように通常の薬剤１５の取出し動作が可能となる。

図１８（ａ）〜（ｄ）は、本体３の側板７の前方側（引出し側）部分と後方側（押込み側）部分の２箇所にそれぞれ第１，第２ロック解除ピン６３Ａ，６３Ｂを設けたものである。両者を明確に区別するために、前方の第１ロック解除ピン６３Ａは黒で塗り潰してある。

図１８（ａ）に示す棚板８の収容状態から棚板８を引き出してゆくと、ロック解除レバー６２は前方の第１ロック解除ピン６３Ａを乗り越えて、図１８（ｂ）に示す状態となる。ここで、図１８（ｃ）に示すように、押付け部材４７を後方に移動させてロックする。このロック状態で、薬剤１５を収容しなかった場合、又は薬剤１５を満杯にしなかった場合、棚板８を本体３に押し込んでゆくと、ロック解除レバー６２が前方の第１ロック解除ピン６３に当接して回動するので、ロックレバー６１が回動し押付け部材４７のロックが解除される。これにより、押付け部材４７は前方に移動して最後尾の薬剤１５を押し付ける。このように、ロック解除ピン６３Ａ，６３Ｂを本体３の側板７の後方側部分だけでなく前方側部分にも設けることで、棚板８を押し込むと直ちに押付け部材４７のロックを解除することができ、押込み動作の振動により薬剤１５の列が乱れたり、最後尾の薬剤１５が倒れたりするのを防止することができる。

前記第１ロック解除ピンＡと第２ロック解除ピン６３Ｂは、それぞれ別個の部材であるが、本発明のロック解除部材はこれに限らず、細長い棒によって１部品で構成してもよい。すなわち、図１９に示すように、本体３の側板７の前方側（引出し側）部分に位置する第１解除端と後方側（押込み側）部分に位置する第２解除端を両端に有する平坦なロック解除棒６３Ｃであってもよい。この場合、ロック解除レバー６２がロック解除棒６３Ｃに接触している間は、押付け部材４７のロックが解除され，同様の作用効果を奏する。

なお、薬剤カート１を使用しないときは、シャッタ２を閉じておけば、権限の無い第三者が薬剤１５を取り出すことができないので、安全である。また、シャッタ２を閉じると、薬剤カート１の電源が落ちるようにしておくことが好ましい。

前記実施形態において、図２０に示すように、薬剤カート１の本体の上面に表示パネル３ａを設け、該表示パネル３ａに取り出した薬剤１５の画像や名称とその数を表示することで、取り出した薬剤と表示パネルの表示を照合できるようにしてもよい。また、薬剤カート１の本体の側面に補助棚３ｂを収納可能に設けて、収納する薬剤１５や取り出した薬剤１５を一時的に載置する作業台として使用してもよい。

（ａ）は本発明に係る薬剤カートの正面図、（ｂ）はその側面断面図（ａ）は図１の薬剤カートのシャッタを閉じた状態の正面図、（ｂ）はその側面断面図カセットの斜視図。カセットの側面図。カセットの上方から見た図。カセットのピンおよびピン受けの正面図。カセットの断面図。スライド抵抗ユニットの平面図。図８のスライド抵抗ユニットの分解斜視図。（ａ）は押付け部材の側面図、（ｂ）はその背面図、（ｃ）は平面図。カセットの縦断面図。スライド抵抗ユニットを用いた測定装置の回路図。ロック手段とロック解除手段を設けた押付け部材の拡大側面図。図１３の断面図。図１３のロック手段とロック解除手段の斜視図。図１３のロックレバー、共通支軸、ロック解除レバー及びロック解除ピンの位置関係を示す棚板の斜視図ロック手段とロック解除手段の動作の一例を順に示す側面図。ロック手段とロック解除手段の動作の他の例を順に示す側面図。ロック解除手段の他の例を示す側面図。薬剤カートの斜視図。

符号の説明

１薬剤カート
８棚板
１０カセット
１５薬剤
４７押付け部材
６１ロックレバー（ロック手段）
６２ロック解除レバー（ロック解除手段）
６３ロック解除ピン（ロック解除手段）
６３Ａ第１ロック解除ピン（ロック解除手段）
６３Ｂ第２ロック解除ピン（ロック解除手段）
６３Ｃロック解除棒（ロック解除手段）
６６爪
６８ねじりバネ

Claims

複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容する上方に開口したカセットと、前記カセットが複数載置され、薬剤カートの本体から引き出し可能な棚板と、前記カセット内に最後尾の薬剤を前方に向かって押し付ける押付け部材とを備えた薬剤カートにおいて、
前記押付け部材を前記カセット内の所定位置にロックするロック手段と、
前記棚板の押込み動作と引出し動作に伴って前記ロック手段による押付け部材のロックを解除するロック解除手段とを備えたことを特徴とする薬剤カート。
前記ロック手段は、前記カセットに回動可能に設けられたロックレバーからなり、前記ロックレバーは、前記押付け部材に係止する爪を備え、前記爪が前記押付け部材に係止する方向に付勢されていることを特徴とする請求項１に記載の薬剤カート。
前記各カセットのロックレバーは、共通支軸に固定され、該共通支軸を中心に回動可能であることを特徴とする請求項２に記載の薬剤カート。
前記ロック解除手段は、
前記棚板に回動可能に設けられ、前記ロックレバーを付勢力に抗して回動させ、前記ロックレバーの爪と前記押付け部材の係合を解除するロック解除レバーと、
前記薬剤カートの本体に設けられ、前記棚板の押込みと引出し時に、前記少なくともいずれか１つのカセットの前記ロック解除レバーに係止するロック解除部材とからなることを特徴とする請求項２又は３に記載の薬剤カート。
前記ロック解除レバーは、前記ロック解除部材に係合する係合部と、前記ロックレバーに当接して該ロックレバーを作動させる作動部とからなることを特徴とする請求項４に記載の薬剤カート。
前記ロック解除レバーの前記係合部は前記ロック解除レバーの支軸から下方に延び、前記作動部は前記ロックレバーの支軸から両側に水平方向に延びていることを特徴とする請求項５に記載の薬剤カート。
前記ロック解除部材は、前記本体の前方側部分に設けられた第１ロック解除部材と、後方側部分に設けられた第２ロック解除部材とからなることを特徴とする請求項４から６のいずれかに記載の薬剤カート。
前記ロック解除部材はピンからなることを特徴とする請求項４から７のいずれかに記載の薬剤カート。
前記ロック解除部材は、前記本体の前方側部分に設けられた第１ロック解除端と、後方側部分に設けられた第２ロック解除端を両端に有するロック解除棒からなることを特徴とする請求項４から６のいずれかに記載の薬剤カート。