JP2005280971A - 収納棚装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で且つ精度良く収納数をリアルタイムで計数できる収納棚装置を提供する。
【解決手段】複数のアンプル容器Sを前後方向に列状に収納可能な棚部3と、列状のアンプル容器S全体を前方に向けて付勢する付勢手段9と、列の最後端に位置するアンプル容器Sの移動に対応して移動する直線移動部材8と、直線移動部材8の直線移動の変位を回転移動の変位に変換する変換手段10と、前記回転移動の変位を検出する回転角度検出手段11と、回転角度検出手段11からの出力信号に基いて列におけるアンプル容器Sの収納数を求める計数手段と、を備えた収納棚装置とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、物品を列状に収納する収納棚装置に関するものである。
物品を列状に収納し、収納した物品を出し入れ口側に向けて付勢する付勢手段を備えた収納棚装置の一例が特許文献1に開示されている。この種の収納棚装置では、収納されている物品の数を自動的に計数できる機能を備えたものがあり、特に物品を一度に複数個取り出した場合であっても残りの物品の数をリアルタイムで計数できる機能を備えたものがある。前記特許文献1には、ホール素子等の磁気センサを利用して当該機能を実現する技術が開示されており、具体的には物品を押圧する重りに永久磁石を取り付けると共に、物品の収納ケース側に複数のホール素子を所定ピッチで配置し、物品の収納数に対応したホール素子と永久磁石とを反応させることで収納数を求める構成となっている。
特開2001−199508号公報(段落0031〜0044、図5、図7、図8)
しかしながら、ホール素子を複数要する構造ではコストがかかるので経済性において問題があり、ケーブル数も多くなるため配線が複雑になりやすい。また、ホール素子と磁石の距離とでONの位置が変わってくるため誤作動を招くおそれがあり、さらに、ホール素子の性質上、物品を取り出すときと入れるときとでONする位置が変わるといった観点からも誤作動を招くおそれがある。そして、収納ケースにホール素子を埋設したり、或いは収納ケースの外側にホール素子を取り付ける場合には、磁気を通すべく収納ケースを樹脂材等で形成しなければならず、コストの面で制約を受けやすい。また、大きさの異なる物品への収納変更という問題を考慮し、前記特許文献1では、対象物品の内で最小の物品に対応した最小ピッチにてホール素子を配置し、永久磁石の長さを前記ピッチ以上の長さとすることで、大きな物品に対しても前記ピッチで対応させる技術が記載されている(特許文献1における第3実施例(段落0040〜0044))。しかし、物品の大きさを考慮して複数のホール素子を配置する方法は、各ホール素子間での取り付け誤差も生じやすいので、ある大きさの物品によっては計数精度に影響が出るおそれもある。
本発明は、以上のような問題を解決するために創作されたものであり、大きさの異なる物品への収納変更に対応でき、簡単な構造で且つ精度良く収納数をリアルタイムで計数できる収納棚装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、複数の物品を前後方向に列状に収納可能な棚部と、列状の物品全体を前方に向けて付勢する付勢手段と、列の最後端に位置する物品の移動に対応して移動する直線移動部材と、前記直線移動部材の直線移動の変位を回転移動の変位に変換する変換手段と、前記回転移動の変位を検出する回転角度検出手段と、前記回転角度検出手段からの出力信号に基いて列における物品の収納数を求める計数手段と、を備えた収納棚装置とした。当該収納棚装置によれば、従来のホール素子を利用した方法のように複数のホール素子を要することなく単体のセンサで足り、配線作業も容易となって経済的な装置を構築できる。また、取り付け誤差の影響を受けにくい構造となるので、物品の計数精度が向上する。
本発明によれば、大きさの異なる物品への収納変更に容易に対応でき、簡単な構造で且つ精度良く収納数をリアルタイムで計数できる。
図1は本発明にかかる収納棚装置1の外観斜視図である。収納棚装置1は、筐体2の内部に、前方に水平状に引き出し可能な棚部3を複数備えており、図では2列で各列に複数段として備えた場合を示している。筐体2は樹脂板やステンレス板等から構成される縦長の直方体形状を呈した部材であり、棚部3を引き出し可能とするべくその前面側は開口形成され、底部には移動用のキャスタ2aが取り付けられている。一方の棚列の上部には、物品収納数の表示機能や物品に関する設定機能等を有するタッチパネル式のディスプレイ装置4が収納されている。なお、本実施形態の収納棚装置1は、本発明の構成要素である棚部3の他に、付勢手段等を有していない通常の引き出し棚5も備えている。
図2は棚部3の外観斜視図である。棚部3は平面視矩形状のフレーム3aの前面に引き出し用の取っ手3bを備え、上方の開口部を物品の出し入れ口として複数の物品を前後方向に列状に収納する構成となっている。なお、この場合の「前後方向」とは前後の成分方向を含んでいれば足り、後記するように傾斜状に列をなした場合をも包含するものである。収納対象の物品としては例えば薬品用のアンプル容器Sであり、図ではこのアンプル容器Sを複数列として収納した場合を示している(中程の列は省略して図示してある)。前後に隣接し合うアンプルS同士は互いに接触するように収納される。
各列は底板3cから立設する仕切り板6によって仕切られる。前記仕切り板6同士の間隔を適宜に設定することで列ごとに大きさの異なる物品、例えば、ある列では大きいアンプル容器Sを収納し、別の列では小さいアンプル容器Sを収納することが可能である。底板3cは前方に向けて下がる傾斜面として形成されており(図3参照)、各アンプル容器Sはこの底板3cに載置されることで傾斜した状態で棚部3に収納される。なお、フレーム3aの側面には筐体2(図1)からの引き出しをガイドするガイドレール3dが取り付けられており、前記したように棚部3自体は水平状に引き出される。
各列には、最後端に位置するアンプル容器Sに常に接する直線移動部材8が設けられている。この直線移動部材8は、両側の仕切り板6にガイドされて傾斜した底板3cをその自重により滑るように構成されており、つまり、列に沿って直線移動するように構成されており、これにより直線移動部材8は最後端のアンプル容器Sを介して列全体のアンプル容器Sを前方に向けて押圧する重りの機能を果たす。つまり、本実施形態においては、傾斜した底板3cと直線移動部材8とで、列状のアンプル容器S全体を前方に向けて付勢する付勢手段9を構成する。底板3cを水平状に形成した場合にはこのような重力を利用した方式は困難なので、直線移動部材8を前方に向けて付勢する付勢手段、例えばばね機構等を別途に設ける必要がある。いずれの場合にしろ、列状の物品全体を前方に向けて付勢可能であれば付勢手段の具体的構成は限定されない。
さて、本発明の収納棚装置1は、直線移動部材8の直線移動の変位を回転移動の変位に変換する変換手段10と、前記回転移動の変位を検出する回転角度検出手段11と、回転角度検出手段11からの出力信号に基いて列におけるアンプル容器Sの収納数を求める計数手段12(図6参照)とを備えたことを主な特徴とする。
変換手段10の一例としてはリンク機構を用いることができる。図3はリンク機構を用いた場合の棚部3の作用説明図であり、(a)はアンプル容器Sが最大数として収納されている場合、(b)は数本取り出した場合、(c)は空となった場合を示している。直線移動部材8の後部には、アンプル容器Sの列方向と直交する方向(図3における紙面奥−手前方向)に沿う軸16を構成するブラケット13が固設され、第1リンクバー14の一端側が軸16回りに回転可能となるように取り付けられる。第1リンクバー14は、前記一端側から直線状に延設された後に若干屈曲形成された形状からなり、その屈曲部の先端をリンク接続の他端側とし、軸17を介して第2リンクバー15の一端側に接続する。第2リンクバー15はL字形状に屈曲形成された形状からなり、その他端側は軸18回りに回転可能となるように取り付けられる。軸18は、棚部3の上部後方に位置するように、フレーム3aの両側面の後部間に橋梁状に掛け渡したブラケット19に形成されるものである(図2を参照)。
以上により、直線移動部材8の直線移動の変位は、第1リンクバー14或いは第2リンクバー15に関する回転変位に変換される。以上のリンク機構は各列に対応して設けられている。なお、本実施形態のようにアンプル容器Sの収納列が複数形成されている場合、図3(a)〜(c)からも判るように、直線移動部材8のいかなる位置にかかわらず、アンプル容器Sの最大収納範囲内において、リンク機構の可動部材(第1リンクバー14)が仕切り板6よりも上方に突出しない構造とすれば、換言すると、リンク機構の少なくとも一部の可動部材(第1リンクバー14)が、物品の最大収納範囲内において常に仕切り板6の上辺よりも下方に位置する構造とすれば、アンプル容器Sの出し入れ勝手が向上することとなる。その理由は、例えば、隣接する列同士において、一方の列のアンプル容器Sの収納数が他方に比べて少ないような場合、リンク機構の可動部材が仕切り板6よりも上方に突出していると、他方の列のアンプル容器Sを手で取り出す際に干渉しやすくなるからであり、これに対して可動部材が仕切り板6よりも上方に突出しない構造とすることにより、アンプル容器Sがいかなる配列で収納されている場合であっても任意のアンプル容器Sをスムースに出し入れできるようになる。
なお、図3に仮想線で示す符号41は第1リンクバー14の直線部における上辺から突設させた摘み部であり、この摘み部41を指で上方に持ち上げると、第1リンクバー14の一端側がブラケット13から容易に外れるようになっている。これにより、リンク機構を収納スペース周りから容易に外せることができ、収納スペース内の清掃等のメンテナンス性が向上する。
次いで回転角度検出手段11として本実施形態では公知の角度センサであるポテンショメータ20を利用しており、第2リンクバー15の回転変位(すなわち回転角度)を検出する態様としている。つまり、前記軸18を第2リンクバー15に固設した回転軸とし、この回転軸の回転角度を第2リンクバー15の動作角度θ(図3(c))としてポテンショメータ20により検出する。ポテンショメータ20の分解能力を考えて、リンク機構が作動した際の軸18の動作回転角度は大きいほど良く、前記したように第2リンクバー15をL字状に屈曲形成する構造等によりこの動作回転角度を大きく確保できる。同時に、L字状に屈曲形成することで棚部3の上方におけるリンク機構の可動スペースを小さくできるので、棚部3の小型化、特に高さ方向の省スペース化が図れる。このようにして第2リンクバー15の回転角度を検出したポテンショメータ20は、該回転角度に対応した信号(電流等のアナログ信号)を図6に示すように計数手段12に出力する。
計数手段12としては、回転角度検出手段11からの出力信号を直線移動部材8の直線移動変位量として演算する変位量演算手段21と、この変位量演算手段21の演算データからアンプル容器Sの収納数を割り出す収納数演算手段22と、を備えた構成とする。具体的には、予め直線移動部材8の移動距離を例えば0mm〜200mmの間で1mm刻みで測定し、各距離とそのときの回転角度検出手段11の出力信号とから両者の回帰曲線グラフを求める。出力信号が前記したように電流等のアナログ信号の場合はA/Dコンバータでデジタル値に変換した後に同グラフを求める。このようにして得た回帰曲線グラフを利用して演算プログラムを作成する。
したがって、この演算プログラムによれば、回転角度検出手段11の出力信号の値から前記回帰曲線グラフの関係を基に直線移動部材8の現在位置、つまり直線移動変位量を算出することができ、直線移動部材8の起点位置(アンプル容器Sが収納されていない状態の位置)及び最後端位置(アンプル容器Sが最大収納数として収納されている状態の位置)での学習からアンプル容器Sの直径を算出しておくことで、アンプル容器Sの収納数をリアルタイムで精度良く割り出すことができる。そして、大きさの異なるアンプル容器Sについてそれぞれ前記学習から各直径を算出しておき、その算出値をメモリ等に記憶させておく。これにより、例えば作業者が前記タッチパネル式のディスプレイ装置4(図1)でこれから収納しようとするアンプル容器Sについて初期設定すると、収納数演算手段22はこの設定されたアンプル容器Sに関する直径の算出値を基にして収納数を求める。このように本発明によれば、大きさの異なるアンプル容器Sの自動計数にも容易に対応可能となる。
以上により、任意の場所から任意の本数のアンプル容器Sを取り出しても、残りのアンプル容器Sは直線移動部材8に押されて前方に集まり、このときの直線移動部材8の移動距離から、前記変換手段10、回転角度検出手段11、計数手段12を介してアンプル容器Sの残りの収納数が自動的に計数される。その計数結果は例えば図1に示したディスプレイ装置4に表示されたり、図示しない記録装置に記録される。
以上のように、複数の物品を前後方向に列状に収納可能な棚部3(図2)と、列状の物品全体を前方に向けて付勢する付勢手段9(図2)と、列の最後端に位置する物品の移動に対応して移動する直線移動部材8(図2)と、直線移動部材8の直線移動の変位を回転移動の変位に変換する変換手段10(図2)と、前記回転移動の変位を検出する回転角度検出手段11(図2)と、前記回転角度検出手段からの出力信号に基いて列における物品の収納数を求める計数手段12(図6)とを備える構成とすれば、従来のホール素子を利用した方法のように複数のホール素子を要することなく単体のセンサで足り、配線作業も容易となって経済的な装置を構築できる。また、大きさの異なる物品への収納変更という問題に関しても、複数のホール素子を取り付ける構造に比して本発明では取り付け誤差の影響を受けないので計数精度が向上する。
また、図6で説明したように、計数手段12として変位量演算手段21と収納数演算手段22とを備える構成とすれば、簡易な演算プログラムで物品の収納数を精度良く求めることができる。計数手段12はCPU等によって構成されるものであり、設置場所は例えば図2等に示した棚部3の底板3cの下部等である。
なお、前記変換手段10としてはリンク機構以外に様々な構造での適用が可能である。図4はこの変換手段10に関する他の実施例を示す説明図であり、(a)は外観斜視図、(b)は側面説明図である。先ず、直線移動部材8の後方に固定したケーシング31の内部に、回転軸32回りに回転可能となるように平歯車33を収装する。そして、可撓性があって張力のある条体、例えば箔状のスチールベルト34にその長手方向に沿って平歯車33の歯に対応するピッチで複数の噛合孔34aを形成する。スチールベルト34はケーシング31内の所定のガイド部にガイドされて噛合孔34aが平歯車33の歯に噛み合うように構成される。噛み合った部分以外のスチールベルト34の内、一端側はケーシング31内に巻装される構成であり、他端側はケーシング31の前部に形成された貫通孔を挿通して底板3c(図2)に沿って前方に延設され、直線移動部材8に固定される。
したがって、直線移動部材8が直線移動すると、スチールベルト34の張力によって、噛み合い部を介して平歯車33が直線移動部材8の移動距離に応じて回転するので、この平歯車33の回転角度(回転変位)を回転角度検出手段11で検出すれば良い。図では平歯車33に同軸上に小径の歯車35を固設し、この歯車35に噛合する歯車36の回転角度を角度センサで検出する態様としている。本実施例によれば、リンク機構の場合のように可動部材用の可動スペースを要しない構造となるので、棚部3の小型化、特に高さ方向の省スペース化が図れる。
当該他の実施例の変形例としては、図5にも示すように、直線移動部材8を中空状とし、そのケーシング31の内部に、回転軸32回りに回転可能となるように平歯車33を収装して、前記スチールベルト34を噛合させる構造とすることも可能である。この場合、スチールベルト34はケーシング31の後部に形成された貫通孔を挿通して後方に延設され、その先端部は棚部3の所定の固定箇所にて固定される。この態様では、回転角度検出手段11が直線移動部材8の内部に設置されるので、配線等に留意する必要がある。
以上、本発明について好適な実施形態を説明したが、各構成要素に関するレイアウトや形状、個数等について図面に記載したものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
本発明にかかる収納棚装置の外観斜視図である。 棚部の外観斜視図である。 変換手段としてリンク機構を用いた場合の棚部の作用説明図であり、(a)はアンプル容器が最大数として収納されている場合、(b)は数本取り出した場合、(c)は空となった場合を示す。 変換手段に関する他の実施例を示す説明図である。 変換手段に関する他の実施例の変形例を示す説明図である。 回転角度検出手段及び計数手段の構成ブロック図である。
符号の説明
S アンプル容器(物品)
1 収納棚装置
3 棚部
6 仕切り板
8 直線移動部材
9 付勢手段
10 変換手段
11 回転角度検出手段
12 計数手段
21 変位量演算手段
22 収納数演算手段

Claims (1)

  1. 複数の物品を前後方向に列状に収納可能な棚部と、
    列状の物品全体を前方に向けて付勢する付勢手段と、
    列の最後端に位置する物品の移動に対応して移動する直線移動部材と、
    前記直線移動部材の直線移動の変位を回転移動の変位に変換する変換手段と、
    前記回転移動の変位を検出する回転角度検出手段と、
    前記回転角度検出手段からの出力信号に基いて列における物品の収納数を求める計数手段と、
    を備えたことを特徴とする収納棚装置。
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