JP2012176280A - 調剤装置の薬品ストック構造 - Google Patents

Abstract

【課題】容易にＰＴＰ錠剤シートの補充や取り出し作業を行うことができる調剤装置の薬品ストック構造を提供する。
【解決手段】この調剤装置１は、錠剤カセット５００のカセット基部５１０上に薬品を含むＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・をストックするための本体上部５３０を備えたものであって、この本体上部５３０は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁を備え、カセット基部５１０は、本体上部５３０を前後方向にスライド自在に支持する支持部５１１０を備えるとともに、本体上部５３０を収容するときに、該本体上部５３０に搭載されたＰＴＰ錠剤シート９００が所定姿勢になるように該ＰＴＰ錠剤シート９００を案内する左右両側壁５１６ａ，５１７ａを備えている。
【選択図】図１４

Description

本発明は、調剤装置の薬品ストック構造に関し、特にＰＴＰ（プレス スルー パッケージ）錠剤シートと呼ばれる包装形式の錠剤を、錠剤カセットに入れて自動的に調剤する調剤装置の錠剤カセットの薬品ストック部に積載する構造に好適である。

従来、病院等の薬局における調剤作業は薬剤師が医師の処方箋に従って行っているが、特に診療分野が広い総合病院等にあっては、常時取り出し可能にしておく錠剤の種類が多くなり、保管場所を必要とするばかりか、処方箋に基づいて調剤する作業は非常に精神的、肉体的に負担を強いられるものであった。

そこで、予め設定したプログラムに基づいて所定の錠剤の所定個数分を、ＰＴＰ錠剤シートの端数分を含めて自動的に調剤する調剤装置が開発された（例えば特許文献１，２参照）。なお、ＰＴＰ錠剤シートとは、錠剤側を押圧することで底のアルミシート部分を破ることにより錠剤を取り出すようにした包装形式であり、一般には錠剤の１０個以上を１枚のシート状にして供給される。

ここでは、ＰＴＰ錠剤シートを複数枚載置した錠剤カセットはカセット棚に収容されており、ヘッド装置に搭載されているチャッキング装置の爪部が、錠剤カセットの前面に形成されている溝部に直接潜入して、相対位置合わせを行うとともに、錠剤カセット内の最下位置にあるＰＴＰ錠剤シートをチャッキングして外部に取り出すようになっている。

この錠剤カセット１０００では、図１６に示すように、幅規制部材１０１１でＰＴＰ錠剤シートの幅方向を規制する一方、前壁体１０２０と、棒体１０４１及び棒体ベース１０４２をカセットベースに固定した一体物１０４０でＰＴＰ錠剤シートの長手方向を規制している。

上記従来技術では、錠剤カセット１０００は、その本体にＰＴＰ錠剤シートの積載部が一体となった状態でカセット棚１３００に固定されていた。

しかし、錠剤カセット１０００を収納したカセット棚１３００は複数段あるのが通常であるため、上方のカセット棚１３００が邪魔になり、錠剤カセット１０００の上方からＰＴＰ錠剤シートを補充や取り出し作業を行うことができない場合がある。

したがって、錠剤カセット１０００の後方からＰＴＰ錠剤シートの補充や取り出し作業を行いたいのであるが、このときには、棒体１０４１及び棒体ベース１０４２の一体物１０４０が邪魔になり、ＰＴＰ錠剤シートの補充や取り出し作業を行うことが困難であった。

特に、カセット棚１３００に隣り合う錠剤カセットを互いに密着させて設置している場合には、隣り合う錠剤カセット１０００が邪魔になって、特定の錠剤カセット１０００からＰＴＰ錠剤シートの補充や取り出し作業を行うことがより困難であった。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、容易にＰＴＰ錠剤シートの補充や取り出し作業を行うことができる調剤装置の薬品ストック構造を提供することを目的とする。

本発明は、錠剤カセットのカセット基部上に、薬品を含む錠剤シートをストックするための薬品ストック部を備えた調剤装置の薬品ストック構造であって、前記薬品ストック部は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁を備え、前記カセット基部は、前記薬品ストック部を前後方向にスライド自在に支持するレール部材を備えるとともに、前記薬品ストック部を収容するときに、該薬品ストック部に搭載された錠剤シートが所定姿勢になるように該錠剤シートを案内する左右両側壁を備えたことを特徴とするものである。

本発明によれば、前記錠剤カセットに、前記薬品ストック部を前後方向にスライド自在に支持するレール部材が備えられているので、錠剤カセットの薬剤ストック部を前後方向にスライドさせてカセット基部からある程度だけ離間させた位置にもってくることができる。したがって、錠剤カセットを収納したカセット棚が複数段あっても、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせることにより、その上方のカセット棚を回避できる。このため、錠剤カセットの上方から錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

特に、カセット棚に隣り合う錠剤カセットを互いに密着させて設置している場合であっても、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせることにより、隣り合う錠剤カセットが邪魔にならなくなって、特定の錠剤カセットから錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

また、本発明によれば、前記薬品ストック部は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁を備えたので、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせて後方に引き出した上、この薬品ストック部の左右両側壁の切り欠かれた部分から薬品を搬入して該左右両側壁で案内することで、その薬品を錠剤カセットにさらに補充しやすくなる。また、前記左右両側壁の切り欠かれた部分から、前記錠剤カセットに補充された薬品を、その錠剤カセット外へさらに取り出しやすくなる。

ここで、左右両側壁を切り欠いた残りの部分の上端が、錠剤シートに平行である場合には、その錠剤シートと当該残りの部分の上端とが線接触となる。このため、錠剤シートの左右いずれか一方が当該残りの部分の上端に乗りかかって横傾斜状態となり、この錠剤シートが錠剤カセット内の所定位置に収納されなくなる、いわゆる錠剤シートの横ブリッジが発生することがある。そして、この横ブリッジにより、一番下の錠剤シートの後端に押出部材がかかりにくくなって、錠剤シートの錠剤カセットからの払い出しを阻害するおそれがあった。

この点、本発明によれば、前記カセット基部は、前記薬品ストック部を収容するときに、該薬品ストック部に搭載された錠剤シートが所定姿勢になるように該錠剤シートを案内する左右両側壁を備えたので、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせて後方に引き出したときには、錠剤シートが左右両側壁の残りの部分の上端に乗りかかって横傾斜状態となっていたとしても、薬品ストック部をスライドさせて前方のカセット基部に収容させるときには、カセット基部の左右両側壁でその横傾斜状態の錠剤シートが案内されて所定姿勢になるので、錠剤シートの横ブリッジを簡単に解消することができる。

また、前記カセット基部の左右両側壁は、前記薬品ストック部を収容した状態で、該薬品ストック部の左右両側壁の切り欠いた部分を左右両側から覆うように形成されていることが好ましい。

この場合、前記カセット基部の左右両側壁は、前記薬品ストック部を収容した状態で、該薬品ストック部の左右両側壁の切り欠いた部分を左右両側から覆うように形成されているので、薬品ストック部の全体にわたり、錠剤シートの横ブリッジを確実に解消することができる。

また、前記レール部材は、前記薬品ストック部を、前記カセット基部からオーバーハングさせた状態で、該カセット基部の後方の所定位置にまでスライド可能であることが好ましい。

この場合、前記レール部材は、前記薬品ストック部を、前記カセット基部からオーバーハングさせた状態で、該カセット基部の後方の所定位置にまでスライド可能であるので、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部を大きくスライドさせることにより、錠剤カセットの上方から錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

また、前記レール部材は、前記カセット基部の後方の所定位置で、前記薬品ストック部のスライドを停止させるストッパ手段を備えることが好ましい。

この場合、前記レール部材は、前記カセット基部の後方の所定位置で、前記薬品ストック部のスライドを停止させるストッパ手段を備えているので、カセット基部のレール部材から薬品ストック部が完全に外れることがなくなる。したがって、薬品ストック部をレール部材に挿入するといった手間のかかる作業が発生しなくなる。

また、前記ストッパ手段は、前記レール部材の後側に立設された舌片と、前記薬品ストック部の前側に垂設され、該薬品ストック部が前記レール部材上を後方にスライドして、前記舌片に当接可能となる突片とを備えていることが好ましい。

この場合、前記ストッパ手段は、前記レール部材の後側に立設された舌片と、前記薬品ストック部の前側に垂設され、該薬品ストック部が前記レール部材上を後方にスライドして、前記舌片に当接可能となる突片とを備えているので、簡単な構成で、カセット基部のレール部材から薬品ストック部が完全に外れることをなくすことができる。

また、前記薬品ストック部は、前記カセット基部上に収容されたときに該カセット基部にロックされ、前記カセット基部上から引き出されたときに前記ロックが解除されるロック手段を備えることが好ましい。

この場合、前記薬品ストック部は、前記カセット基部上に収容されたときに該カセット基部にロックされ、前記カセット基部上から引き出されたときに前記ロックが解除されるので、そのロック状態では薬品を含む錠剤シートを頭出しさせた状態でチャッキングすることができるようになる。また、薬品ストック部が錠剤カセットから引き出された状態で前記ロックが解除されるので、その場合には、錠剤カセットの薬剤ストック部を前後方向にスライドさせてカセット基部からある程度だけ離間させた位置にもってくることができる。

したがって、錠剤カセットを収納したカセット棚が複数段あっても、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせることにより、その上方のカセット棚を回避できる。このため、錠剤カセットの上方から薬品を含む錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

また、前記ロック手段は、前記レール部材の前側に立設され、後方に向かって先下がりに形成された舌片と、前記薬品ストック部の前側に形成され、該薬品ストック部が前記レール部材上をスライドして、前記舌片が嵌脱自在となる嵌合孔とを備えることが好ましい。

この場合、前記ロック手段は、前記レール部材の前側に立設され、後方に向かって先下がりに形成された舌片と、前記薬品ストック部の前側に形成され、該薬品ストック部が前記レール部材上をスライドして、前記舌片が嵌脱自在となる嵌合孔とを備えているので、簡単な構成で、ロック又はその解除を確実に行うことができる。

本発明によれば、前記錠剤カセットに、前記薬品ストック部を前後方向にスライド自在に支持するレール部材が備えられているので、錠剤カセットの薬剤ストック部を前後方向にスライドさせてカセット基部からある程度だけ離間させた位置にもってくることができる。したがって、錠剤カセットを収納したカセット棚が複数段あっても、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせることにより、その上方のカセット棚を回避できる。このため、錠剤カセットの上方から錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

特に、カセット棚に隣り合う錠剤カセットを互いに密着させて設置している場合であっても、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせることにより、隣り合う錠剤カセットが邪魔にならなくなって、特定の錠剤カセットから錠剤シートの補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

また、本発明によれば、前記薬品ストック部は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁を備えたので、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせて後方に引き出した上、この薬品ストック部の左右両側壁の切り欠かれた部分から薬品を搬入して該左右両側壁で案内することで、その薬品を錠剤カセットにさらに補充しやすくなる。また、前記左右両側壁の切り欠かれた部分から、前記錠剤カセットに補充された薬品を、その錠剤カセット外へさらに取り出しやすくなる。

さらに、本発明によれば、前記カセット基部は、前記薬品ストック部を収容するときに、該薬品ストック部に搭載された錠剤シートが所定姿勢になるように該錠剤シートを案内する左右両側壁を備えたので、錠剤カセットの前後方向に薬品ストック部をスライドさせて後方に引き出したときには、錠剤シートが左右両側壁の残りの部分の上端に乗りかかって横傾斜状態となっていたとしても、薬品ストック部をスライドさせて前方のカセット基部に収容させるときには、カセット基部の左右両側壁でその横傾斜状態の錠剤シートが案内されて所定姿勢になるので、錠剤シートの横ブリッジを簡単に解消することができる。

本発明の一実施形態に係る調剤装置の主たる構成要素を示す分解斜視図である。 錠剤カセットのチャッキングユニットに対向する側から見た斜視図である。 錠剤カセットの分解斜視図である。 シート飛び出し防止機構の構成を示す斜視図である。 錠剤カセットの組み立て図であって、その本体上部をカセット基部の後方に大きく突出させた状態を示す側断面図である。 錠剤カセットの組み立て図であって、その本体上部をカセット基部内に収容した状態を示す側断面図である。 カセット棚の棚板上に複数個の錠剤カセットが搭載されている状態を示す斜視図である。 特定の錠剤カセットの本体上部を後方に引き出した状態を示す斜視図である。 錠剤カセットのシートの頭出し前の状態を示す斜視図である。 錠剤カセットのシートの頭出し後の状態を示す斜視図である。 他のシート飛び出し防止機構の構成を示す斜視図である。 錠剤カセットの本体上部内の所定位置にＰＴＰ錠剤シートの横ブリッジが発生した様子を示す斜視図である。 図１２において棒状部材を省略した斜視図である。 他の錠剤カセットの本体上部を後方に引き出した状態を示す斜視図である。 他の錠剤カセットの本体上部をカセット基部に収容した状態を示す斜視図である。 従来の一例における錠剤カセットの全体構成を示す斜視図である。

図１は本発明の一実施形態に係る調剤装置１の主たる構成要素を示す分解斜視図である。

図１に示すように、この調剤装置１は、箱状の装置本体１００の奥側左右に２台設けられたＹキャリッジ２００，２００と、これらのＹキャリッジ２００，２００にそれぞれ支持されたＸキャリッジ３００，３００と、これらのＸキャリッジ３００，３００にそれぞれ支持されたチャッキングユニット４００，４００と、前記装置本体１００の手前側左右に２台設けられ、複数の錠剤カセット５００，５００，・・・を左右方向に並べて搭載可能なカセット棚６００，６００と、これらのカセット棚６００，６００の下部にそれぞれ配置されたカッティングユニット７００，７００と、左右のカセット棚６００，６００の下方に、両カセット棚６００，６００の左右両端間に亘って配置された１台の搬送コンベアユニット８００とを備えている。

以下、複数存在する構成要素については、その代表的なものについて説明する。

Ｙキャリッジ２００は、サーボモータ２１０と、このサーボモータ２１０で駆動される縦軸方向（図１中のＹ方向）のボールネジ２２０と、ボールネジ２２０の左右にそれぞれ配置された縦ガイド２３０，２３０と、ボールネジ２２０の回転により上下動するナット２４０とを備えており、Ｘキャリッジ３００は、縦ガイド２３０，２３０に案内されつつ、ボールネジ２２０の回転によりナット２４０とともに上下動するキャリッジ本体３１０と、このキャリッジ本体３１０上に、サーボモータ４１０と、このサーボモータ４１０で駆動される横軸方向（図１中のＸ方向）のボールネジ４１５と、図示しないナットとを備えている。

図２は錠剤カセット５００のチャッキングユニット４００に対向する側から見た斜視図、図３はその分解斜視図、図４はシート飛び出し防止機構５４０１の構成を示す斜視図、図５は錠剤カセット５００の組み立て図であって、その本体上部５３０をカセット基部５１０の後方に大きく突出させた状態を示す側断面図、図６は錠剤カセット５００の組み立て図であって、その本体上部５３０をカセット基部５１０上の所定位置に収容した状態を示す側断面図である。なお、以下では、錠剤カセット５００のチャッキングユニット４００に対向する側を前、その反対側を後という。

本実施形態における錠剤カセット５００は、後述する図７〜図１０に示すように積載される各種ＰＴＰ錠剤シート（錠剤シートに相当する。）９００，９００，・・・よりも若干幅広に形成されている。したがって、錠剤カセット５００としては、各種ＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・の有する幅に応じて、幅寸法のみが異なるものが複数用意される。それらの具体的な構成は、いずれも図２，図３に示すように、断面凹状をなす長尺のカセット基部５１０と、このカセット基部５１０の長手方向にスライドさせて着脱自在に嵌合されるカセット本体５２０とからなっている。

カセット基部５１０の底板５１０１の裏面側には、図略の突起が前後（及び左右）にそれぞれ形成され、その底板５１０１の後端は上方に屈曲されて弾性を有する左右二条の舌片５１０２，５１０２が形成されている。前記底板５１０１の後部の表面側には断面逆凹状の支持部材５１０３が形成され、この支持部材５１０３で片持ち支持される左右二条の舌片５１５，５１５がそれぞれ前部に向かって先下がりに形成されている。なお、この舌片５１５，５１５は、前記図２に示すように、ともにカセット基部５１０の左右壁５１６，５１７内に配置されており、この舌片５１５，５１５で前記ＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・の端数分がチャッキングされるようになっている。ただし、前記舌片５１５の条数は二条に限定されず、一条でもよいし、三条以上であってもよい（この点は、他の舌片５１０２等についても同様である）。

カセット本体５２０は、さらに複数のＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・を積載可能で、かつ、その前壁下部に開放状態のシート出口を有する本体上部（薬品ストック部に相当する。）５３０と、この本体上部５３０の下部に一体となるように取り付けられた本体下部５４０と、この本体下部５４０をカセット基部５１０上でスライド自在に支持する支持部（レール部材に相当する。）５１１０とからなっている。

支持部５１１０は、前後に延びる底板５１１１の左右両端を上方に屈曲させて左右両側壁となし、この左右両側壁をさらに左右対称のコの字状に屈曲させてなるスライドレール５１１２，５１１２と、前記底板５１１１の前部に設けられ、その後方に向かって先下がりに形成されている舌片５１１５と、前記底板５１１１の後部に設けられ、その上方に向かう左右二条の舌片５１１６，５１１６とからなっている。スライドレール５１１２，５１１２のうちの一方（例えば図２中では向かって右側であり、図３中では向かって左側である。）の前端には、凹状の切り欠き部５１１７が形成されている。支持部５１１０は、カセット基部５１０の天井面５１０４に固定される。

本体下部５４０は、支持部５１１０のスライドレール５１１２，５１１２間に嵌合されて前後方向にスライド自在となるものであるが、その単体で見ると、図３に示すように、断面凹状の長尺形状をなした底面５４１上に前記本体上部５３０の一番下に積載された図略のＰＴＰ錠剤シートを順次に取り出すためのリンク機構５５０と、シート飛び出し防止機構５４０１とを備えている。

このシート飛び出し防止機構５４０１は、図４に示すように、側面視でＬ字状の本体部材５４０２と、この本体部材５４０２を軸心５４０３まわりに回転自在に軸支する支持部材５４０４とを有している。また、本体部材５４０２は、錠剤カセット５００の本体下部５４０に固定された支持部材５４０４に対して向かって時計まわり（図４中のＡ方向）に回転可能となるように、バネ５４０５で弾性付勢されている。

そして、図５に示すように、錠剤カセット５００の本体上部５３０が本体下部５４０とともに、支持部５１１０のスライドレール５１１２上をスライドして、前記カセット基部５１０の後方に突出している状態（オーバーハングさせた状態）では、前記シート飛び出し機構５４０１の本体部材５４０２の前後端がともに、前記スライドレール５１１２上の後端側にある。したがって、このときにスライドレール５１１２から受ける反力により、本体部材５４０２の回転が規制される。これにより、本体上部５３０へのＰＴＰ錠剤シートの補充時にそのＰＴＰ錠剤シートが前記シート出口から前方に飛び出すことが防止されるので、その補充が容易となる。

一方、錠剤カセット５００の本体上部５３０が本体下部５４０と共に、支持部５１１０のスライドレール５１１２上をスライドして、その本体上部５３０がカセット基部５１０上に完全に収容された状態となるまでは、前記シート飛び出し機構５４０１の本体部材５４０２の前後端がともに、前記スライドレール５１１２上に沿ってスライドする。したがって、このときにスライドレール５１１２から受ける反力により、本体部材５４０２の回転が規制される。これにより、本体上部５３０に補充されたＰＴＰ錠剤シートが前記シート出口から前方に飛び出すことが防止されるので、スライドのスピードを上げて、その作業効率を向上させることができる。そして、図６に示すように、錠剤カセット５００の本体上部５３０が本体下部５４０と共に、支持部５１１０のスライドレール５１１２上をスライドして、その本体上部５３０がカセット基部５１０上に完全に収容された状態となると、前記シート飛び出し機構５４０１の本体部材５４０２の前端のみが、前記スライドレール５１１２の切り欠き部５１１７の上方に存することになる。このときにはスライドレール５１１２から受ける反力がまったくなくなるため、バネ５４０５の弾性付勢力で直立状態を維持する程度になる。したがって、前記本体上部５３０の一番下に積載された前記ＰＴＰ錠剤シート９００を、本体下部５４０のリンク機構５５０の働きでもって頭出ししようとすると、この頭出ししようとされるＰＴＰ錠剤シート９００の先端が、前記シート飛び出し機構５４０１の本体部材５４０２の頂部付近に当接することになる。

すると、前記バネ５４０５の弾性付勢力に抗して、その本体部材５４０２が前方（図４中のＡ方向と逆方向）へと回転し、当該一番下に積載された前記ＰＴＰ錠剤シート９００が前記シート出口から頭出しされる。この頭出しされたＰＴＰ錠剤シート９００は、チャッキングユニット４００のチャック４３０で把持して容易に引き出すことができるようになる。

また、本体下部５４０の底面５４１の前方よりの部分は一部切り欠かれており、図６に示すように、この切り欠き部分（嵌合孔に相当する。）５４７に前記舌片５１１５が嵌合することで、本体下部５４０はそのスライド範囲のうちの前端側の位置でいわゆるロック状態となる（ロック手段としての機能である）。

このロック状態は、図５に示すように、本体下部５４０を後方へ引き出すことで、切り欠き部分５４７から前記舌片５１１５が脱出して簡単に解除される（これもロック手段としての機能である）。

さらに、本体下部５４０の底面５４１の前記切り欠き部分５４７の後方には、その底面５４１の幅方向に離間した位置には２個の螺子孔５４８，５４８が形成されており、この螺子孔５４８，５４８には螺子５４５，５４５が螺合されて、底面５４１の裏側にその先端部分がそれぞれ突出するようになっている（突片に相当する）。そして、図５で示すように、当該先端部分が前記舌片５１１６，５１１６にそれぞれ当接することで、本体下部５４０のスライド範囲のうちの後端側の位置が規制される（ストッパ手段としての機能である）。

本体上部５３０は、本体下部５４０に固定されるものであるが、その本体下部５４０と前記支持部５１１０を介して、カセット本体５２０のカセット基部５１０へ組み立てられた状態では、その後部から中間部にかけてはカセット基部５１０の左右側壁５１６，５１７内に出没自在に配置され、その中間部から前部にかけてはカセット基部５１０の左右側壁５１６，５１７の上方に突出して配置される側面視Ｌ字状をなしており、当該突出させた左右両側壁５３１１，５３１２が前端で互いに内側に屈曲されることにより、所定の間隙を介して対向配置されることで、前壁５３１を形成している。左右両側壁５３１１，５３１２の上端同士は補強板５３２で互いに連結されている。

この本体上部５３０の後部には、棒状部材５３３が起伏可能に立設されており、ＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・の充填時に倒伏させて、前記前壁５３１間にＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・を挟み込んだ状態で、この棒状部材５３３を起立させることで、各ＰＴＰ錠剤シート９００，９００，・・・を整列させるようになっている。本体上部５３０の底面５３０１の前方に形成された四角形状の孔５３０２は、前記螺子５４５，５４５を挿通するためのものである。

以下、調剤装置１の錠剤カセット５００の使用方法について概略説明する。

ここで、図７はカセット棚６００の棚板６０２上に複数個の錠剤カセット５００が搭載されている状態を示す斜視図、図８は特定の錠剤カセット５００の本体上部５３０を後方に引き出した状態を示す斜視図、図９は図７の状態にある錠剤カセット５００のシートの頭出し前の状態を示す斜視図、図１０は図７の状態にある錠剤カセット５００のシートの頭出し後の状態を示す斜視図である。

まず、図７に示すように、カセット棚６００の棚板６０２上には、多数の錠剤カセット５００，５００，・・・が搭載されている。この場合には、隣り合う錠剤カセット５００，５００が邪魔になって、例えば同図７中の中央にある特定の錠剤カセット５００からＰＴＰ錠剤シート９００の補充や取り出しを行うのが困難である。

そこで、図８に示すように、錠剤カセット５００の本体上部５３０を本体下部５４０とともに、カセット基部５１０の後方に引き出して、棒状部材５３３を後方に倒伏させることとする。このとき、前記引き出し操作をするだけで、前記舌片５１１５が前記切り欠き部分５４７から脱出する結果、簡単にロック状態が解除される。

また、錠剤カセット５００の本体上部５３０をスライドさせて後方に引き出している間は、シート飛び出し防止機構５４０１の働きでもって、ＰＴＰ錠剤シート９００が、その前方の開口部である前記シート出口から脱落するのが防止される。

すなわち、前記シート飛び出し防止機構５４０１は、その本体部材５４０２が、前記スライド中は前記支持部５１１０のスライドレール５１１２で回転が規制されるとともにその頂部が、錠剤カセット５００の本体上部５３０の一番下に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００の前端に当接するように弾性付勢されて直立状態を維持しているから、この状態では前記ＰＴＰ錠剤シート９００が錠剤カセット５００の本体上部５３０の前壁下部のシート出口から飛び出すことはない。

そして、棒状部材５３３を後方に倒伏させると、前記本体上部５３０が後方に開放された状態となり、この開放状態の本体上部５３０にＰＴＰ錠剤シート９００を容易に補充あるいは取り出すことができる。

しかる後、再び棒状部材５３３を起立させて、前記錠剤カセット５００の本体上部５３０を前方に押し戻すのであるが、このときにも、錠剤カセット５００の本体上部５３０をスライドさせて前方に押し戻している間は、シート飛び出し防止機構５４０１の働きでもって、ＰＴＰ錠剤シート９００が、その前方の開口部である前記シート出口から脱落するのが防止される。

すなわち、前記シート飛び出し防止機構５４０１は、前記と同様に、その本体部材５４０２が、前記スライド中は前記支持部５１１０のスライドレール５１１２で回転が規制されるとともにその頂部が、錠剤カセット５００の本体上部５３０の一番下に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００の前端に当接するように弾性付勢されて直立状態を維持しているから、この状態では前記ＰＴＰ錠剤シート９００が錠剤カセット５００の本体上部５３０の前壁下部のシート出口から飛び出すことはない。

そして、前記本体上部５３０とともに本体下部５４０が支持部５１１０のスライドレール５１１２上をスライドしてその前端に達すると、前記舌片５１１５が前記切り欠き部分５４７に嵌合する結果、簡単にロック状態となる。このときの状態は図９に示すとおりである。

すなわち、このときには前記シート飛び出し防止機構５４０１の本体部材５４０２も前記スライドレール５１１２の前端の切り欠き部５１１７の上方に到達しているから、本体部材５４０２のスライドレール５１１２から受ける反力がまったくなくなり、前記本体部材５４０２はバネ５４０５の弾性付勢力で直立状態を維持する程度になっている。

チャッキングユニット４００は、図１に示すように、キャリッジ本体３１０から前方（図１中のＺ方向）に延びるＺキャリッジ４１１と、このＺキャリッジ４１１に配置されたロータリーソレノイド４２０と、このロータリーソレノイド４２０で駆動されるチャック４３０と、このチャック４３０の左右にそれぞれ配置された横ガイド４４０，４４０と、横ガイド４４０，４４０間の下部に設けられた一次バケット４５０と、この一次バケット４５０の前部に設けられたラインセンサー４６０と、一次バケット４５０の下方に設けられたシャッター４７０付きの二次バケット４８０とを備えている。Ｚキャリッジ４１１は、いずれも図示しないサーボモータと、ボールネジと、ナットとからなっている。

そして、ＰＴＰ錠剤シート９００の端数打ち抜きが不要である場合には、図示しないコントローラからの動作指令を受けて、チャッキングユニット４００のチャック４３０が前方へ移動して、そのチャック４３０で直接に錠剤カセット５００の押圧部材５４３を押圧することで、そのリンク機構５５０の働きでもって、押出部材５４６を前向きに移動させる。

この移動された押出部材５４６で、錠剤カセット５００の一番下側に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００の後端を押圧することにより、そのＰＴＰ錠剤シート９００の先端が若干当該錠剤カセット５００より突出して、いわゆる頭出しがなされるのであるが、前記一番下に積載された前記ＰＴＰ錠剤シート９００を、本体下部５４０のリンク機構５５０の働きでもって頭出ししようとすると、この頭出ししようとされるＰＴＰ錠剤シート９００の先端が、前記シート飛び出し機構５４０１の本体部材５４０２の頂部付近に直角に当接することになる。

すると、前記バネ５４０５の弾性付勢力に抗して、その本体部材５４０２が前方（図４中のＡ方向と逆方向）へと回転し、当該一番下に積載された前記ＰＴＰ錠剤シート９００が前記シート出口から頭出しされる。

これにより、図１０に示すように、その本体上部５３０に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００がその一番下側から突出するので、この突出したＰＴＰ錠剤シート９００をチャッキングユニット４００のチャック４３０でチャッキングできるようになる。

そして、前記チャック４３０でその頭出しされたＰＴＰ錠剤シート９００をチャッキングして前方に引っ張り出し、その引っ張り出したＰＴＰ錠剤シート９００を一次バケット４５０内に落下させるためにチャック４３０によるチャッキングを解除する。Ｘキャリッジ３００と、Ｙキャリッジ２００とを用いて一次バケット４５０を二次バケット４８０上に移動させる。そして、一次バケット４５０の図示しない底部シャッターを開口して、ＰＴＰ錠剤シート９００を二次バケット４８０内に落下させる。ついで、二次バケット４８０の底部シャッター４７０を開口して、ＰＴＰ錠剤シート９００を搬送コンベアユニット８００上に落下させる。

カッティングユニット７００は、ＰＴＰ錠剤シート９００の端数打ち抜きをするために、図示しない縦刃と横刃とを備えている。そして、ＰＴＰ錠剤シート９００の端数打ち抜きが必要である場合にも、前述したように、チャッキングユニット４００のチャック４３０で錠剤カセット５００の押圧部材５４３を押圧してリンク機構５５０で押出部材５４６を前向きに移動させる。

この移動された押出部材５４６で、錠剤カセット５００の一番下側に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００の後端を押圧することにより、そのＰＴＰ錠剤シート９００の頭出しがなされる。前記チャック４３０でその頭出しされたＰＴＰ錠剤シート９００をチャッキングして前方に引っ張り出し、今度はその引っ張り出したＰＴＰ錠剤シート９００をチャッキングしたまま、カッティングユニット７００に搬送する。そして、前記縦刃と横刃とを用いてＰＴＰ錠剤シート９００の端数打ち抜きを行って、当該打ち抜いた端数分のＰＴＰ錠剤シート９００を直接搬送コンベアユニット８００上に落下させるようになっている。

前記ＰＴＰ錠剤シート９００の端数打ち抜きを行った残部は、チャック４３０でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット５００に戻すが、この場合には、ＰＴＰ錠剤シート９００の残部は、カセット基部５１０の舌片５１５，５１５下の残部収納部５１５ａに頭出しした状態で挿入して収納される。

この残部収納部５１５ａに収納されたＰＴＰ錠剤シート９００の残部は、その後、前記チャック４３０でその頭出しされたＰＴＰ錠剤シート９００の残部をチャッキングして前方に引っ張り出して、ラインセンサー４６０で形状をチェックする。そして、ＰＴＰ錠剤シート９００の残部のさらなる端数打ち抜きが不要である場合には、そのＰＴＰ錠剤シート９００の残部を、一次バケット４５０内に落下させるためにチャック４３０によるチャッキングを解除する。Ｘキャリッジ３００と、Ｙキャリッジ２００を用いて一次バケット４５０を二次バケット４８０上に移動させる。ついで、一次バケット４５０の図示しない底部シャッターを開口して、ＰＴＰ錠剤シート９００を二次バケット４８０内に落下させる。ついで、二次バケット４８０の底部シャッター４７０を開口して、ＰＴＰ錠剤シート９００を搬送コンベアユニット８００上に落下させる。

一方、ＰＴＰ錠剤シート９００の残部のさらなる端数打ち抜きが必要である場合にも、前述したように、前記チャック４３０でカセット基部５１０の舌片５１５，５１５下の残部収納部５１５ａから、その頭出しされたＰＴＰ錠剤シート９００の残部をチャッキングして前方に引っ張り出す。その引っ張り出したＰＴＰ錠剤シート９００の残部をチャッキングしたまま、カッティングユニット７００に搬送する。そして、前記縦刃と横刃とを用いてＰＴＰ錠剤シート９００残部のさらなる端数打ち抜きを行って、当該打ち抜いたさらなる端数分のＰＴＰ錠剤シート９００を直接搬送コンベアユニット８００上に落下させる。

一方、前記ＰＴＰ錠剤シート９００のさらなる端数打ち抜きを行った残部は、チャック４３０でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット５００に戻すが、この場合も、ＰＴＰ錠剤シート９００の残部は、カセット基部５１０の舌片５１５，５１５下の残部収納部５１５ａに頭出しした状態で挿入して収納される。

このようにして、錠剤カセット５００に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００はその端数まで無駄なく調剤に供されることとなる。

搬送コンベアユニット８００は、ローラ群等８０１と、このローラ群等８０１で前後・左右方向に移動される錠剤取出バケット８０２，８０２とを備えている。そして、前記二次バケット４８０からシャッター４７０を介して落下したＰＴＰ錠剤シート９００又はその残部は、ローラ群等８０１で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット８０２，８０２のいずれかに落下されるようになっている。

一方、前記カッティングユニット７００から落下したＰＴＰ錠剤シート９００の残部又はさらなる残部も、同様に、ローラ群等８０１で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット８０２，８０２のいずれかに落下される。

このようにして、錠剤取出バケット８０２，８０２には、調剤されたＰＴＰ錠剤シート９００又はその残部が収納されるようになっている。

この実施形態によれば、錠剤カセット５００に、本体上部５３０を本体下部５４０とともに前後方向にスライド自在に支持する支持部５１１０が備えられているので、錠剤カセット５００の本体上部５３０である薬剤ストック部を前後方向にスライドさせてカセット基部５１０からある程度だけ離間させた位置にもってくることができる。したがって、錠剤カセット５００を収納したカセット棚６００の棚板６０２が複数段あっても、錠剤カセット５００の前後方向に本体上部５３０をスライドさせることにより、その上方のカセット棚６００の棚板６０２を回避できる。このため、錠剤カセット５００の上方からＰＴＰ錠剤シート９００の補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

特に、カセット棚６００の棚板６０２上で隣り合う錠剤カセット５００，５０を互いに密着させて設置している場合であっても、錠剤カセット５００の前後方向に本体上部５３０をスライドさせることにより、隣り合う錠剤カセット５００，５００が邪魔にならなくなって、特定の錠剤カセット５００からＰＴＰ錠剤シート９００の補充や取り出し作業を容易に行うことができるようになる。

なお、上記実施形態では、左右に２台のカセット棚６００，６００を配置しているが、前後に配置することとしてもよいし、１台、或いは３台以上のカセット棚を配置することとしてもよい。その場合には、各キャリッジ、チャッキングユニット、カッティングユニット等の台数もこれに対応したものとするのが作業効率の点から好ましい。

また、上記実施形態では、シート飛び出し防止機構５４０１は、図４に示すように、上部が前下がりとなっている本体部材５４０２を有しているが、これに代えて、図１１に示すように、上部が後下がりとなっている本体部材５４０２ａを有するシート飛び出し防止機構５４０１ａを使用することとしてもよい。このシート飛び出し防止機構５４０１ａによれば、錠剤カセット５００の本体上部５３０の一番下に積載されたＰＴＰ錠剤シート９００を、本体下部５４０のリンク機構５５０の働きでもって頭出しをしようとすると、この頭出ししようとされるＰＴＰ錠剤シート９００の先端が、前記シート飛び出し機構５４０１ａの本体部材５４０２ａの頂部付近に鈍角で当接することとなる。したがって、前記シート防止機構５４０１のように、その本体部材５４０２の頂部付近に直角に当接する場合に比べて、頭出ししたＰＴＰ錠剤シート９００が本体部材５４０２ａを回転させやすくなる。

また、このシート飛び出し防止機構５４０１ａの本体部材５４０２ａをＰＴＰ錠剤シート９００が通過する際に、その角部が鈍角であるため、直角の角部を有する前記シート飛び出し防止機構５４０１の本体部材５４０２をＰＴＰ錠剤シート９００が通過する場合に比べて、ＰＴＰ錠剤シート９００に傷がつきにくくなる。

また、上記実施形態では、図２に示すように、本体上部５３０は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁５３１１，５３１２を備えているので、錠剤カセット５００の前後方向に本体上部５３０をスライドさせて後方に引き出した上、この本体上部５３０の左右両側壁５３１１，５３１２の切り欠かれた部分からＰＴＰ錠剤シート（薬品に相当する。）９００を搬入して該左右両側壁５３１１，５３１２で案内することで、そのＰＴＰ錠剤シート９００を錠剤カセット５００の本体上部５３０にさらに補充しやすくなる。また、前記左右両側壁５３１１，５３１２の切り欠かれた部分から、前記錠剤カセット５００に補充されたＰＴＰ錠剤シート９００を、その錠剤カセット５００の本体上部５３０の外部へさらに取り出しやすくなる。

しかしながら、図１２及び図１３（図１２において棒状部材５３３を省略したもの）に示すように、左右両側壁５３１１，５３１２を切り欠いた残りの部分の上端Ｐ，Ｑが、ＰＴＰ錠剤シート９００に平行である場合には、そのＰＴＰ錠剤シート９００と当該残りの部分の上端Ｐ，Ｑとが線接触となる。このため、ＰＴＰ錠剤シート９００の左右いずれか一方が当該残りの部分の上端Ｐ，Ｑに乗りかかって底面５３０１に対して横傾斜状態となり、このＰＴＰ錠剤シート９００が錠剤カセット５００の本体上部５３０内の所定位置に収納されなくなる、いわゆる錠剤シートの横ブリッジが発生することがある。そして、この横ブリッジにより、一番下のＰＴＰ錠剤シート９００の後端に押出部材（図略）がかかりにくくなって、ＰＴＰ錠剤シート９００の錠剤カセット５００からの払い出しを阻害するおそれがあった。

図１４は他の錠剤カセットの本体上部を後方に引き出した状態を示す斜視図、図１５は他の錠剤カセットの本体上部をカセット基部に収容した状態を示す斜視図である。

そこで、例えば図１５に示すように、カセット基部５１０は、本体上部５３０を収容するときに、該本体上部５３０に搭載されたＰＴＰ錠剤シート９００が、その底面５３０１と平行でかつ左右両側面５３１１,５３１２間に収まるような姿勢（所定姿勢に相当する。）となるように該ＰＴＰ錠剤シート９００を案内する左右両側壁５１６ａ，５１７ａを形成することが好ましい。この左右両側壁５１６ａ，５１７ａは、例えば略四角形状であり、本体上部５３０を完全に収容した状態で、該本体上部５３０の左右両側壁５３１１，５３１２の切り欠いた部分を左右両側から完全に覆うものである。

そして、図１４に示すように、錠剤カセット５００の前後方向に本体上部５３０をスライドさせて後方に引き出したときには、ＰＴＰ錠剤シート９００が左右両側壁５３１１，５３１２の残りの部分の上端Ｐ，Ｑに乗りかかって横傾斜状態となっていたとしても、図１５に示すように、本体上部５３０をスライドさせて前方のカセット基部５１０に収容させるときには、カセット基部５１０の左右両側壁５１６ａ，５１７ａでその横傾斜状態のＰＴＰ錠剤シート９００が案内されて前記姿勢になる。

このようにして、本体上部５３０の全体にわたり、ＰＴＰ錠剤シート９００の横ブリッジを簡単かつ確実に解消することができる。

また、上記実施形態では、各ＰＴＰ錠剤カセット５００，５００，・・・は、カセット棚６００の棚板６０２上に、該各ＰＴＰ錠剤カセット５００，５００，・・・の幅方向に列設されているが、この棚板は静止した平板状のものに限定されず、例えば所定の軸心まわりに回転する円筒形状のものであってもよい。その場合には、チャッキングユニット４００を、この回転する棚板上に搭載された各ＰＴＰ錠剤カセット５００，５００，・・・に対して相対移動させることで足りる。

１ 調剤装置
１００ 装置本体
２００ Ｙキャリッジ
３００ Ｘキャリッジ
４００ チャッキングユニット
４１１ Ｚキャリッジ
４２０ ロータリーソレノイド
４３０ チャック
５００ 錠剤カセット
５１０ カセット基部
５１１０ 支持部（レール部材に相当する。）
５１１２ スライドレール
５１１５ 舌片（ロック手段に相当する。）
５１１６ 舌片（ストッパ手段に相当する。）
５１１７ 切り欠き部
５１６，５１７ カセット基部の左右両側壁
５１６ａ，５１７ａ カセット基部の左右両側壁
５２０ カセット本体
５３０ 本体上部（薬品ストック部に相当する。）
５３０１ 本体上部の底面
５３１１，５３１２ 本体上部の左右両側壁
５４０ 本体下部
５４３ 押圧部材
５４５ 螺子（突片、ストッパ手段に相当する。）
５４６ 押出部材
５４７ 切り欠き部分（嵌合孔、ロック手段に相当する。）
５４８ 螺子孔
５４０１，５４０１ａ シート飛び出し防止機構
５４０２，５４０２ａ 本体部材
５５０ リンク機構
６００ カセット棚
６０２ 棚板
７００ カッティングユニット
８００ 搬送コンベアユニット
９００ ＰＴＰ錠剤シート（錠剤シート、薬品に相当する。）

特開平４−２６９９６０号公報 実開平５−０５４２２３号公報

Claims (7)

1. 錠剤カセットのカセット基部上に、薬品を含む錠剤シートをストックするための薬品ストック部を備えた調剤装置の薬品ストック構造であって、
   前記薬品ストック部は、後端から前方に向けて部分的に切り欠いた左右両側壁を備え、
   前記カセット基部は、前記薬品ストック部を前後方向にスライド自在に支持するレール部材を備えるとともに、前記薬品ストック部を収容するときに、該薬品ストック部に搭載された錠剤シートが所定姿勢になるように該錠剤シートを案内する左右両側壁を備えたことを特徴とする調剤装置の薬品ストック構造。
2. 前記カセット基部の左右両側壁は、前記薬品ストック部を収容した状態で、該薬品ストック部の左右両側壁の切り欠いた部分を左右両側から覆うように形成されていることを特徴とする請求項１記載の調剤装置の薬品ストック構造。
3. 前記レール部材は、前記薬品ストック部を、前記カセット基部からオーバーハングさせた状態で、該カセット基部の後方の所定位置にまでスライド可能であることを特徴とする請求項１又は２記載の調剤装置の薬品ストック構造。
4. 前記レール部材は、前記カセット基部の後方の所定位置で、前記薬品ストック部のスライドを停止させるストッパ手段を備えたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の調剤装置の薬品ストック構造。
5. 前記ストッパ手段は、前記レール部材の後側に立設された舌片と、前記薬品ストック部の前側に垂設され、該薬品ストック部が前記レール部材上を後方にスライドして、前記舌片に当接可能となる突片とを備えたことを特徴とする請求項４記載の調剤装置の薬品ストック構造。
6. 前記薬品ストック部は、前記カセット基部上に収容されたときに該カセット基部にロックされ、前記カセット基部上から引き出されたときに前記ロックが解除されるロック手段を備えたことを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の調剤装置の薬品ストック構造。
7. 前記ロック手段は、前記レール部材の前側に立設され、後方に向かって先下がりに形成された舌片と、前記薬品ストック部の前側に形成され、該薬品ストック部が前記レール部材上をスライドして、前記舌片が嵌脱自在となる嵌合孔とを備えたことを特徴とする請求項６記載の調剤装置の薬品ストック構造。

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