JP3892946B2 - 錠剤ブリスターパック収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業の利用分野】
本発明は、錠剤ブリスターパックを収納する調剤台に使用される収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、錠剤ブリスターパックを収納する調剤台10に使用される収納容器1は図1や、図3、図9に示す収納容器に保管し、患者の処方箋に従ってこれらの収納容器から処方された数だけを取出し患者に手渡している。
調剤師は、患者の処方箋が届く度にシート状にブリスターパックされた錠剤が1シート21錠、10錠、20錠等、種類に応じてまちまちなため、調剤師が処方箋を見て、その患者に適した数に1シートから切取って患者に手渡し、余った端数のブリスターパック錠剤は、図1に示す端数収納部3に保管して、次の処方があった時に端数を使用して患者に提供する。
【0003】
これらの収納容器は、病院内の薬局で使用されることが多く、そのため300処方以上処理する薬局では、この収納容器にブリスターパック錠剤がある程度の量保管する事が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし近年、医薬分業が進む中で調剤薬局で使用するには前記病院仕様の調剤台では大きすぎるため、扱う薬品数を減らさず、設置スペースを取らない、調剤台の要求が高まっているため、従来、図1のような大きい収納容器を図2に示す高さの収納容器に設計し、更に収容量を確保するために底板の傾斜を平らになるように設計して、この容器に合わせて調剤台の棚設計を行った結果、60%の収納スペースに縮小できる。
【0005】
この反面、従来の収納容器では容器底板のスライド面を取出し口に向かって配置していたが、高さ方向を縮小して収容量を増加させると前記底板スライド面が取出し方向から外れて、前面の壁に向かってしまい、ブリスターパックの先端が引っかかって取出し難くなる問題と、収納容器各棚に配置された収納容器の高さ方向が短縮したため、収納容器の奥に収納されたブリスターパックが取り出し難い問題が発生したため、引出してから取出す方式に変更したが、調剤作業に当たり、収納容器が棚から抜けてしまい、収納されたブリスターパックを散乱させる事態が発生する。
【0006】
本発明は、高密度に収納配置可能な調剤台において、収納容器から取り出し易く、奥に収納したブリスターパック錠剤を散乱させることのない錠剤ブリスターパック収納容器の提供にある。
【0007】
本発明は、以上の課題を解決するため、収納容器の斜め上方側に向けて、収納された錠剤ブリスターパックTをスライドさせて取り出す方式の収納容器スライド面2の一端部に、錠剤ブリスターパックを更に斜め上方側に向けて案内する案内面6を備え、前記案内面6の先端部と前記収納容器1の前板4の間に端数の錠剤ブリスターパックT’を収納する端数収納部3を設けた。
【0008】
また、収納容器1を棚体8に配置すると共に、収納容器1を前方に引き出した時に収納容器1が棚体8から外れないようにするためのストッパー5を設け、各棚体8に前記ストッパー部5を支持して収納容器1が棚体8から外れないように構成した。
【0009】
更に、収納容器1の斜め上方側に向けて収納された錠剤ブリスターパックTをスライドさせ取り出す方式の収納容器スライド面2の前方、下方端部側に端数の錠剤ブリスターパックTを収納する端数収納部3を設け、収納容器1を棚体8に配置すると共に、前記棚体8の前方に備えた支持部9により収納容器1の引出しを一定の距離で阻害するストッパー部5を設けた。
【0010】
【実施の形態】
図2、図5、図6、図8は本発明の実施例である。
図1、図3、図7、図9は従来例を示し、図4は、発明に至るまでの過程において、発生した問題を本発明と対比可能に説明するために添付した参考図である。
本発明の背景として、高密度に収納が可能で、取出し易い調剤台の設計要件が、ある。
このような設計的背景を解決する手段として、図3に示す従来の収納容器1を図4に示すように、高さ方向に短縮設計する事で棚段を増加させることが1つの手段として考えられる。
このように、収納容器1を短縮する設計は当然ながら収納容器1のブリスターパック収納量も縮小されることになる。
【0011】
図3の従来例に示す設計的背景として、収納量と取り出し易さ、また端数のブリスターパックを分別して収納できる事が課題であり、これらの課題を解決するため、収納容器1を引き出さずに取り出せるように、取出し口7を広く且つ集積するブリスターパックが取出し口7の方向に倒壊してこぼれないように、且つ端数収納部3のブリスターパックもこぼれることのないように前板4を設け、端数のブリスターパックを入れる端数収納部3を備えて、スライド面2から前板4により上方に向けてブリスターパックの先端部が押し上がって取出される。
前板4の外面には収納される薬剤名が表示できるホルダーが備えられている。
このため、収納容器1を棚体から引出す必要もなく取り出すことができる。
【0012】
図7は収納容器1を棚体8から引出すことなく取出口7から取り出す様子を示している。
この場合、スライド面2に沿ってブリスターパックTが移動し、前板4の角度で上方に取り出されているのがわかる。
【0013】
本発明の構成は、高集積する条件が設計課題であり、その条件から発生する問題点の主要部分に、高集積条件が原因で取り出し難くなる問題がある。
そこで、図6に示すようにスライド面2の先端部に案内6を設ける事でスライド面2をできるだけ水平に且つ低い位置に設けて、収納容量を増やし、この収納容量の増加対策で、前板4に取り出し時にブリスターパックTの先端が引っかかって取り出しにくくなる問題を案内6を前記前板4の略上方に向けたアール形状の突起を設けている。取出口7から手Hにより、ブリスターパックTの下部先端を引出しスライド面2をスライドさせると、ブリスターパックTの先端部が案内6により上方に持ち上げられ取出口7からブリスターパックTが取り出される。
【0014】
図8はこの様子を詳細に示している。
取出口7から手HによりブリスターパックTをスライドさせる過程で、ブリスターパックTの両端部が案内6の先端とスライド面2で支持されるため、手Hの押し圧加重でブリスターパックTが湾曲する。
このため、案内6の先端部の方向は、前板4の面に向かっていてもブリスターパックTの先端部は直接取出口7に向かうため、図7のよう前板4にブリスターパックTの先端が当らないため取出しがスムースに行うことができる。
また、端数のブリスターパックT’が端数収納部3に収納されていても、取出し中のブリスターパックTには接触することなく前板4の上方に導き出され、容易に取り出すことができる。
【0015】
本発明の実施例では、スライド面2が前板4の上方に向かって上り勾配になっているが、本発明のように案内6を設けるなら水平にしてもよく、この場合、端数収納部3は案内6の先端部と前板4の間に形成される。
端数収納部3の深さ大きさを十分に確保するには案内6の大きさを調整することで実施できる。
【0016】
本発明の実施に当たっては、もう一つの大きなテーマが存在する。
収納容器1の高さ方向を短縮すると、取出口7から手Hが入らなくなるか、少なくとも手を入れにくくなるため、指先で前板4やスライド面2、案内6の引っかかりを利用するなりして収納容器1を棚体8から引き出した後、図6で説明した手順でブリスターパックTを取出す。
【0017】
このように収納容器1を引出して取出すと、スライド面2とブリスターパックTの接触抵抗により収納容器1が棚体8から外れて落下するおそれが高く、本発明の趣旨である取出しやすい要件から外れた考えである。
そこで、図6に示すように収納容器1にストッパー5を設け棚体8に備えた支持部9により収納容器1の引出しを一定の距離で阻害している。
このように構成する事で収納容器1が落下する事なく容易に取り出すことができる。
【0018】
図5は第二実施例を示している。
収納容器1を引出して取出すことを前提に考え、収納容器1を引出して取出す時、前記スライド面2とブリスターパックTの接触抵抗により収納容器1が棚体8から外れて落下しないように収納容器1にストッパー5を設け棚体8に備えた支持部9により収納容器1の引出しを一定の距離で阻害している。
個々で示したストッパー5は筒状の支持体11内にピン12を挿入したもので、このピン下部先端が収納容器1の引出し方向に沿って棚体8にピン12と係合する溝13を備えており、収納容器1の引出しを一定の距離に保つため、ピン12と係合する溝13の端部をもって支持部9としている。
【0019】
収納容器1を棚体8に収納する場合、ピン12が収納容器1の底面にそった位置になり、収納されるとピン12の自重で溝13に係合する。このピン12は鉄等の磁性体で形成しているため、取り外しの際は収納容器1の内部より、マグネットMでピン12を上方に持ち上げて外す事ができる。
【0020】
このような第二実施例には、第一実施のような案内6を備えていないため、スライド面2をスライドさせて、ブリスターパックTを取出すと前板4に当たってしりだし難くなるため、本発明を実施するには第一実施の方が好ましい。
【0021】
本発明の実施例では収納容器1に板状のストッパーを設けているが、収納容器の底に設けた溝に勘合する棚体に設けた突起により引き出しの案内を行い引き出しの距離が一定距離引きでされると収納容器の溝が終端部に達して棚体に設けた突起により同様のストッパー効果が実施できその他応用例は数多く考えられるが、そのいずれの手段を採用してもかまわない。
【0022】
また、案内6はアール形状に表現したが、スライド面からスライドに引っかかりを生じることがないなら角度の違う平面で構成してもよく、スライド中のブリスターパックTが案内6とスライド面との2点支持により、ブリスターパックTが湾曲し、スライドを阻害しないようにするならいずれの手段も本発明の構成に当てはめる事ができる。
【0023】
【効果】
以上、本発明の棚体は、調剤薬局向けに設置スペースが60%に設計できて、且、従来機能を越えた取出し易さが実現可能である。
また、コストも安く、収納容器にブリスターパックの補給を行う場合でも、この収納容器が棚体から外れて、残り少ないブリスターパックを散乱させたり、耳障りな落下音を立てる事のない錠剤ブリスターパック収納容器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の錠剤ブリスターパック収納容器を示す斜視図
【図2】 本発明の錠剤ブリスターパック収納容器を示す斜視図
【図3】 従来の錠剤ブリスターパック収納容器を示す側面断面図
【図4】 高集積化に伴う参考錠剤ブリスターパック収納容器を示す側面断面図
【図5】 高集積化に伴う参考錠剤ブリスターパック収納容器を示す側面断面図
【図6】 本発明の錠剤ブリスターパック収納容器を示す側面断面図
【図7】 従来の錠剤ブリスターパック取り出しを示す詳細断面図
【図8】 本発明の錠剤ブリスターパック取り出しを示す詳細断面図
【図9】 従来の錠剤ブリスターパック収納容器を配置した調剤台の斜視図
【符号の説明】
1.収納容器
2.スライド面
3.端数収納部
4.前板
5.ストッパー
6.案内
8.棚体
9.支持部
H.手
T.錠剤ブリスターパック

Claims (2)

  1. 収納容器の斜め上方側に向けて、収納された錠剤ブリスターパックTをスライドさせて取り出す方式の収納容器スライド面の一端部に、錠剤ブリスターパックを更に斜め上方側に向けて案内する案内面を備え、前記案内面先端部と前記収納容器1の前板4の間に端数の錠剤ブリスターパックT を収納する端数収納部を設けたことを特徴とする錠剤ブリスターパック収納容器。
  2. 前記収納容器を棚体に配置すると共に、収納容器を前方に引き出した時に収納容器が棚体から外れないようにするためのストッパーを設け、各棚体に前記ストッパー部を支持して収納容器が棚体から外れないように構成した請求項1に記載の錠剤ブリスターパック収納容器。
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