JP2007256484A - 液晶の配向剤、配向膜、液晶表示素子および光学部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】けい皮酸構造および共役エノン構造を共に有する重合体を含有する液晶配向剤。
【選択図】なし
Description
このような液晶セルにおいては、液晶を基板面に対し所定の方向に配向させるため、基板表面に液晶配向膜を設ける必要がある。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成されている。しかし、液晶配向膜の形成をラビング処理により行うと、工程内でほこりが発生したり、静電気が発生したりしやすいために、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるという問題があった。特にTFT(Thin Film Transistor)素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留まり低下の原因となるという問題もあった。さらに、今後ますます高精細化される液晶表示素子においては、画素の高密度化に伴い基板表面に凹凸が生じるために、均一にラビング処理を行うことが課題となる。
また、上記とは別の液晶表示素子の動作モードとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向モードも知られている。この動作モードでは、基板間に電圧を印加して液晶分子が基板に平行な方向に向かって傾く際に、液晶分子が基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾くようにする必要がある。このための手段として、例えば、基板表面に突起を設ける方法、透明電極にストライプを設ける方法、ラビング配向膜を用いることにより液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けてわずかに傾けておく(プレチルトさせる)方法などが提案されている。
また、従来、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光学分野において、偏光板、位相差板、旋光性光学フィルムなどの光学部材が用いられている。これらの光学部材には様々な用途があり、例えば、液晶表示装置において偏光板、補償板、視野角改良フィルムなどの部材として多用されるほか、光ディスク装置において光ピックアップ素子用位相差板としても用いられている。
このような光学部材の製造方法としては、従来、延伸配向した樹脂フィルムを用いる方法など、多くの方法が知られている。しかし、このような方法により製造した光学部材は、その全面にわたって同一の光学特性を有するものであり、面内の異なる領域に異なる光学特性を有するものを得ることはできなかった。
このように、前記光配向技術により製造した液晶配向膜(以下、光配向膜ともいう)は、液晶表示素子及び光学部材に有効に適用されうるものである。しかしながら、従来の光配向技術には、液晶配向能を付与するために利用可能な放射線の波長域が狭いという問題があった。例えば、ポリビニルシンナメートのようなけい皮酸誘導体系の材料は、320nmより短波長の紫外線に効果的に感応することが知られており、多くの場合、高圧水銀灯の313nmの波長の紫外線が用いられる(非特許文献1参照)。 一方、共役エノン系材料及びアゾベンゼン系材料に対しては、通常、320nmより長波長の紫外線または可視光線が効果的に用いられる(特許文献6、12〜15参照)。
このような事情のため、従来の光配向技術において、放電ランプ、ハロゲンランプなどを光源として用いた場合には、照射された放射線のうちごく一部の波長域のみが有効に活用されるに過ぎなかった。
−P1−CR1=CR2−CO−D1− (I)
−P2−CR3=CR4−CO−D2− (II)
│
(ここで、P1およびP2は、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい芳香族基又は不飽和複素環基であり、但しP1は2価の基であり、P2は3価の基である、D1およびD2は酸素原子またはNR(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)であり、R1、R2、R3、およびR4は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
および、下記式(III)、(IV)および(V)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造、
−P3−CR5=CR6−CO−Q3− (III)
−P4−CR7=CR8−CO−Q4− (IV)
│
−Q5−CO−CR9=CR10−P5− (V)
│
(ここで、P3、P4、P5、Q3、Q4およびQ5は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい、芳香族基又は不飽和複素環基であり、但しP3、P5、Q3、およびQ4は2価の基であり、そして、P4およびQ5は3価の基であり、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
を共に有する重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤により達成される。
かかる重合体を含有する薄膜に放射線の照射を行なうと、けい皮酸構造および/または共役エノン構造が放射線に感応して、放射線の偏光軸で定まる一定方向に配向された構造が形成される。ここで「感応」とは、放射線の照射により電子が光エネルギーを吸収して励起され、場合によっては結合を生成または解離して、元の基底状態に戻ることを意味する。このようにして得られた液晶配向膜上では、液晶配向方位が、前記の一定方向に配向された構造により制御される。
前記のけい皮酸構造は、上記式(I)および(II)のそれぞれで表される構造のいずれかであり、共役エノン構造は、(III)、(IV)および(V)のそれぞれで表される構造のいずれかである。
上記式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)中、P1、P2、P3、P4、P5、Q3、Q4およびQ5は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい芳香族基又は不飽和複素環基である。これらのうち、P1、P3、P5、Q3およびQ4は2価の基であり、P2、P4およびQ5は3価の基である。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させることにより得られる。また、ポリイミドは、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより得られる。
本発明の光配向剤に含有される重合体として用いられるポリアミック酸およびポリイミドの合成には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物のうちの少なくとも1つの成分に、けい皮酸構造を有する化合物および共役エノン構造を有する化合物が用いられる。好ましくは、ジアミン化合物に、けい皮酸構造を有する化合物および共役エノン構造を有する化合物が用いられる。
ポリアミック酸エステルは、ポリアミック酸と、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類とを反応させることにより得られる。本発明で用いられるポリアミック酸エステルは、けい皮酸構造および共役エノン構造が、テトラカルボン酸二無水物またはジアミン化合物の少なくともいずれか一方に含まれていてもよく、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類に含まれていてもよい。好ましくは、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類にけい皮酸構造および共役エノン構造が含まれる。
これらの共役エノン構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのけい皮酸構造を有するジアミン化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、好ましくはテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体(ポリアミック酸)の分子量が低下することがある。
4−(2−ブロモエトキシ)シンナメート)、メチル(4−(6−ブロモヘキシルオキシ)シンナメート)、エチル(4−(6−ブロモヘキシルオキシ)シンナメート)、フェニル(4−(2−ブロモエトキシ)シンナメート)、3−コレステリル)(4−(6−ブロモヘキシルオキシ)シンナメート)、3−コレスタニル(4−(6−ブロモヘキシルオキシ)シンナメート、)、 1−ブロモ−2−(オリザニルオキシ)エタン、1−ブロモ−6−(オリザニルオキシ)ヘキサンの如き臭化物、ならびに、対応するフッ化物、塩化物およびヨウ化物を挙げることができる。これらの有機ハロゲン化物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、これらの有機ハロゲン化物のうちでは、反応性が高い点から、臭化物およびヨウ化物が好ましく、臭化物が特に好ましい。
けい皮酸構造を有するフェノール類としては、例えば、4−ヒドロキシけい皮酸メチル、4−ヒドロキシけい皮酸エチル、4−ヒドロキシけい皮酸フェニル、4−ヒドロキシけい皮酸セチル、4−ヒドロキシけい皮酸ステアリル、4−ヒドロキシけい皮酸−3−コレステリル、4−ヒドロキシけい皮酸−3−コレスタニル、フェルラ酸メチル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸フェニル、フェルラ酸セチル、フェルラ酸ステアリル、フェルラ酸−3−コレステリル、フェルラ酸−3−コレスタニル、および、γ−オリザノールを挙げることができる。これらのうち、好ましいものとして、γ−オリザノールを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
かかる他の有機ハロゲン化物としては、例えば臭化セチル、臭化ステアリル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、塩化セチル、塩化ステアリル、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、および、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタンを挙げることができる。
これらのうち、臭化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン、塩化アセチルおよび塩化ステアロイルが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、1,1,1−トリフルオロエタノールが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
他のフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、4−セチルオキシフェノール、4−セチルフェノール、4−ステアリルオキシフェノール、4−ステアリルフェノールおよび4−トリフルオロメチルフェノールを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリアミック酸エステルの合成に用いられるポリアミック酸の合成手法としては、先に記載した、特定重合体であるポリアミック酸の合成手法と同様な方法を用いることができる。
ポリアミック酸とアルコール類またはフェノール類を反応する際に用いられる触媒としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、クロロぎ酸メチルのような脱水触媒を挙げることができる。これらの脱水触媒は、必要に応じて、ジメチルアミノピリジン等の助触媒と組み合わせて用いることができる。
ポリアミック酸エステルの合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃の温度条件下で行われる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製することができる。
本発明の液晶配向剤は、けい皮酸構造、および/または、共役エノン構造を有する重合体を含有する溶液からなる。この際用いられる溶剤としては、該重合体を溶解し得る有機溶剤であれば特に制限はない。このような溶媒としては、例えば、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。また、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した貧溶媒を併用することもできる。
本発明の液晶配向剤は、溶液特性および電気特性の改善のため、特定構造を持たない重合体を含有することができる。かかる重合体としては、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、耐熱性および電気特性の点から、ポリアミック酸が好ましい。また、液晶配向剤に含有される全重合体に対する、特定構造を有しない重合体の比率は、0〜99重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、50〜90重量%が特に好ましい。
さらに、前述の多官能エポキシ含有化合物を使用する際、架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどの塩基触媒を添加することができる。
本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する方法としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法等により塗布し、例えば40〜200℃の温度で加熱して塗膜を形成させる。塗膜の膜厚は、固形分として、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
前記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートの如きプラスチックフィルムからなる透明基板を用いることができる。
前記透明導電膜としては、SnO2からなるNESA膜、In2O3−SnO2からなるITO膜等を用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方法等が用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
前記光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が使用できる。また、前記の好ましい波長領域の紫外線は、フィルター、回折格子等を前記光源と併用する手段等により得ることができる。
なお、本発明における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度を表す。
本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶表示素子は、次のようにして製造される。前記液晶配向膜が形成された基板を準備し、その2枚を液晶配向膜を照射した直線偏光放射線の偏光方向が所定の角度となるように対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。次いで、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで冷却して、注入時の流動配向を除去することが望ましい。
前記シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエポキシ樹脂等を用いることができる。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板等を挙げることができる。
T.J.Scheffer et. al. J. Appl. Phys.vo.19, p.2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した。
液晶表示素子に電圧をオン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)と、2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)38.4gと、6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)0.05モル(21.5g)とを、N−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体1a」という)77gを得た。
なお、上記2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)は、天然のγ−オリザノールを2−クロロエタノールと反応させてγ−オリザニルオキシエタノールを合成し、次いでこれを3,5−ジニトロベンゾイルハライドと反応させ、次いでこれを還元して製造した。
重合体1a 41.2gに、N−メチル−2−ピロリドン760g、ピリジン7.9gおよび無水酢酸10.2gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリイミド(以下、「重合体1b」という)35gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)38.4gに換えて、オリザニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾエート)37.0gを用いたほかは合成例1と同様にして、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体2a」という)68gを得た。
なお、上記オリザニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾエート)は天然のγ−オリザノールを3,5−ジニトロベンゾイルハライドと反応させ次いで還元することにより製造した。
重合体1a 41.2gに換えて、重合体2a 40.5gを用いたほかは合成例1と同様にして、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリイミド(以下、「重合体2b」という)34gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)38.4gと、6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)0.05モル(21.5g)に換えて、2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)19.2gと6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)0.025モル(10.8g)とp−フェニレンジアミン 0.025モル(2.54g)を用いたほかは合成例1と同様にして、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体3a」という)72gを得た。
重合体1a 41.2gに換えて、重合体3a 36.6gを用いたほかは合成例1と同様にして、けい皮酸構造および共役エノン構造を有するポリイミド(以下、「重合体3b」という)31gを得た。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)と、2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)78.1gを、N−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、けい皮酸構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体4a」という)99gを得た。
重合体4a 20.1gに、N−メチル−2−ピロリドン380g、ピリジン3.2gおよび無水酢酸4.08gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、けい皮酸構造を有するポリイミド(以下、「重合体4b」という)19gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)78.1gに換えて、天然のγ−オリザノールから合成されたオリザニル(2−(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート) 38.4gとp−フェニレンジアミン 0.05モル(5.4g)を併せて用いたほかは合成例3と同様にして、けい皮酸構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体5a」という)70gを得た。
重合体4a 20.1gに換えて、重合体5a 14.3gを用いたほかは合成例4と同様にして、けい皮酸構造を有するポリイミド(以下、「重合体5b」という)13gを得た。
ポリアミック酸の重合
オリザニル(2(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート)38.4gに換えて、オリザニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾエート)37.0gを用いたほかは合成例5と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体6a」という)69gを得た。
重合体4a 20.1gに換えて、重合体6a 14.0gを用いたほかは合成例4と同様にして、けい皮酸構造を有するポリイミド(以下、「重合体6b」という)13gを得た。
ポリアミック酸の重合
ピロメリット酸二無水物0.1モル(21.8g)と 6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)0.05モル(21.5g)とp−フェニレンジアミン 0.05モル(5.4g)をN−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、室温で6時間反応させた。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)と6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)0.05モル(21.5g)とp−フェニレンジアミン 0.05モル(5.4g)をN−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。
次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、共役エノン構造を有するポリアミック酸(以下、「重合体8a」という)48gを得た。
イミド化反応
得られた重合体8a 20.0gにN−メチル−2−ピロリドン300g、ピリジン8.2gおよび無水酢酸9.6gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。
次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、共役エノン構造を有するポリイミド(以下、「重合体8b」という)15gを得た。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)とp−フェニレンジアミン0.1モル(10.8g)をN−メチル−2−ピロリドン300gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、「重合体Aa」という)27.4gを得た。
20.0gの重合体Aaに、N−メチル−2−ピロリドン380g、ピリジン9.5gおよび無水酢酸12.3gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合体Ab」という)15.3gを得た。
ポリアミック酸の重合
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.1モル(19.6g)および2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル0.1モル(21.2g)をN−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、室温で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、ポリアミック酸(以下、「重合体Ba」という)40gを得た。
合成例9で得られた重合体AbをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤(以下、「液晶配向剤P」という。)を調製した。この溶液をITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥させて薄膜を形成した。この薄膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。次に、前記ラビング処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、ラビング方向が反平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜のラビング方向と45度の角度をなすように貼り合わせて液晶表示素子を作製したところ、液晶の配向性は良好であった。電圧5Vを印加すると、印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察された。また、この液晶セルにおけるプレチルト角は0.5°であり、電圧保持率の判定は良であった。
合成例1〜2で得られた重合体1aおよび1b〜2bを、表1に示す組成でN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−1〜B−4を調製した。
E−1: N,N,N’,N’ −テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフ
フェニルメタン
E−2: ビスフェノールAジグリシジルエーテル
次に、液晶配向剤Pに代えて液晶配向剤B−1〜B−4を用いたほかは参考例と同様にして、基板上に薄膜を形成した。この薄膜表面に、Hg−Xeランプ、ショートカットフィルター、及びグランテーラープリズムを用いて、波長313nmおよび365nmの輝線を含む偏光紫外線を、基板法線から40度傾いた方向から50秒照射した。このとき、照射面での、波長313nmおよび365nmにおける照度は、各々、2mW/cm2および5mW/cm2であった。
次に、基板および偏光板の張り合わせの際に、ラビング方向に代えて、紫外線の光軸の基板面への射影方向に従い、液晶として、メルク社製ZLI−1565に代えて、メルク社製MLC−6608を用いた以外は、参考例と同様の方法で液晶表示素子を作製したところ、液晶の垂直配向性はいずれも良好であった。参考例1と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察された。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表2に示す。
合成例3で得られた重合体3a、3b、および、合成例9〜10で得られた重合体Aa、および、Baを、表3に示す組成でN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−5〜B−8を調製した。
次に、液晶配向剤B−1に代えて液晶配向剤B−5〜B−8を用い、液晶として、メルク社製ZLI−6608に代えて、メルク社製MLC−6221を用いたほかは実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。いずれの液晶表示素子においても、液晶は良好な水平配向性を示していた。参考例と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察され、電圧印加時の液晶配向性は良好であった。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表4に示す。
合成例4で得られた重合体4bと、合成例8で得られた重合体8bを、表5に示す組成でN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−9〜B−11を調製した。
次に、液晶配向剤B−1に代えて液晶配向剤B−9〜B−11を用いたほかは実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。いずれの液晶表示素子においても、液晶は良好な垂直配向性を示した。参考例1と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察され、電圧印加時の液晶配向性は良好であった。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表6に示す。
合成例5〜6で得られた重合体5a、6b、合成例7〜8で得られた重合体7a、8b、および、合成例9〜10で得られた重合体Aa、および、Baを、表7に示す組成でN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−12〜B−15を調製した。
次に、液晶配向剤B−5に代えて液晶配向剤B−12〜B−15を用いたほかは実施例5と同様にして液晶表示素子を作製した。いずれの液晶表示素子においても、液晶は良好な水平配向性を示していた。参考例と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察され、電圧印加時の液晶配向性は良好であった。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表8に示す。
液晶配向剤B−5に代えて液晶配向剤Pを用いたほかは実施例5と同様にして、液晶表示素子を作製したところ、液晶配向は認められなかった。
Claims (7)
- 下記式(I)および(II)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造、
−P1−CR1=CR2−CO−D1− (I)
−P2−CR3=CR4−CO−D2− (II)
|
(ここで、P1およびP2は、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい芳香族基又は不飽和複素環基であり、但しP1は2価の基であり、P2は3価の基であり、D1およびD2は酸素原子またはNR(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)であり、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
および、下記式(III)、(IV)および(V)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造、
−P3−CR5=CR6−CO−Q3− (III)
−P4−CR7=CR8−CO−Q4− (IV)
│
−Q5−CO−CR9=CR10−P5− (V)
│
(ここで、P3、P4、P5、Q3、Q4およびQ5は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい、芳香族基又は不飽和複素環基であり、但しP3、P5、Q3およびQ4は2価の基であり、そして、P4およびQ5は3価の基であり、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
を共に有する重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。 - 上記式(I)および(II)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する重合体と、上記式(III)、(IV)、および(V)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する重合体とを含有することを特徴とする液晶配向剤。
- 前記重合体の主鎖がポリアミック酸又はポリイミドである請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- 前記重合体の主鎖がポリアミック酸エステルである請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤からなる薄膜に、偏光または非偏光の放射線を照射して液晶配向能を付与してなる液晶配向膜。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
- 請求項5に記載の液晶配向膜上で液晶物質を配向させた後、配向状態を固定してなる光学部材。
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