JP2005215029A - 光学フィルム - Google Patents

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正一 中田
Masayuki Kimura
雅之 木村
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Abstract

【課題】ディスプレイ、光エレクトロニクスなどの光学分野で有用な、偏光制御用の光学フィルムを提供する。
【解決手段】感光性薄膜に偏光または無偏光の放射線を照射して形成される光学的異方性層を有する光学フィルム。ここで、上記感光性薄膜が、下記(1)〜(3)のそれぞれで表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する重合体を含有してなるフィルム。−P1−CR1=CR2−CO−Q1−・・・(1)、P2−CR3=CR4−CO−Q2−・・・(2)、−P3−CR5=CR6−CO−Q3・・・(3)、ここで、P1,P3、Q1、Q2は、互に独立に、芳香環を有する2価の有機基であり、P2、Q3は、互に独立に、芳香環を有する1価有機基であり、R1〜R6は、互いに独立に、水素原子またはアルキル基である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学素子に用いられる光学フィルムに関する。さらに詳しくは、ディスプレイ、光エレクトロニクスなどの光学分野で偏光制御に用いられる光学フィルムに関する。
従来から、ディスプレイ、光エレクトロニクスなどの光学分野において、位相差板、視野角改良フィルムなどの光学フィルムが用いられている。これらの光学フィルムには様々な用途があるが、近年では特に、液晶表示素子における偏光制御のために多用されるようになっている。
位相差板とは、互いに垂直な方向に振動する直線偏光が板を通過したとき、これらの間に所定の光路差を与える複屈折板をいう。通常用いられる位相差板には、得られる光路差と用いる光の真空中での波長との比により、4分の1、2分の1、1波長板等の種類がある。
このような位相差板には、従来より、白雲母を適当な厚さに劈開した薄板や、一方向に分子配向させた合成樹脂板等が用いられてきた。しかしながら、白雲母を劈開して得られる位相差板には、大面積のものが得られないという問題点があった。また、一方向に分子配向させた合成樹脂板からなる位相差板においては、その光学特性が面内で十分均一でないという問題点があった。さらに、前記のような方法で得られる位相差板は、その全面にわたって同一の光学特性を有するものであり、面内の複数の領域にそれぞれ異なった光学特性を付与することはできなかった。
位相差板を製造する別の方法として、延伸された樹脂フィルムないしはラビング処理された高分子薄膜上で液晶をホモジニアス配向させたのち、固化させる方法が知られている(特許文献1、2参照)。この方法によれば、光学特性が面内で均一な位相差板を得ることができる。しかし、この方法を用いる場合においても、面内の複数の領域にそれぞれ異なった光学特性を有する光学フィルムを得ようとすれば、レジストにより保護層を設けてラビングするという、複雑なプロセスが必要とされる。
これらの問題を解決する手段として、特許文献3は、基板上に形成した感光性薄膜に偏光または無偏光の放射線を照射することにより液晶配向膜を形成し、次に、この配向膜上で光学的機能をもつ液晶物質を配向させることにより所期の光学特性を有する層を形成し、さらに、この層を固化させて光学的機能層とする方法を開示している。
しかしながら、配向膜を用いるこのような方法では、配向膜の塗布工程、配向処理工程、液晶物質の配向工程など、製造工程が依然として煩雑であり、したがって、製造費が高くなるという問題もある。
視野角改良フィルムは、液晶表示素子に付与してその視野角を改良する目的で用いられるものであり、該液晶表示素子の屈折特性を好適に補償する屈折特性を有する。かかる、視野角改良フィルムに好適な屈折特性としては、その屈折率楕円体が好適な形状および傾斜を有していることが挙げられる。
視野角改良フィルムの製造法としては、従来より、配向処理された高分子薄膜上でディスコティック液晶を傾斜配向させたのち、必要に応じて固化させる方法が知られている(特許文献4参照)。しかし、この方法では、配向膜の塗布工程、配向処理工程、液晶物質の配向工程など、製造工程が煩雑であり、したがって、光学フィルムの製造費が高くなるという問題がある。また、この方法を用いて面内の複数の領域にそれぞれ異なった光学特性を有する光学フィルムを得ようとすれば、レジストにより保護層を設けてラビングするという、さらに複雑なプロセスが必要とされる。
特開平9−304778号公報 特開2001−129927号公報 特願2002−172111明細書 特開平7−98411号公報
本発明の第1の目的は、ディスプレイ、光エレクトロニクスなどの光学分野で有用な、偏光制御用の光学フィルムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、任意に傾斜した任意形状の屈折率楕円体を有する偏光制御用の光学フィルムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、面内の複数の領域にそれぞれ異なった光学特性を有する偏光制御用の光学フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、感光性薄膜に偏光または無偏光の放射線を照射して形成される光学的異方性層を有することを特徴とする光学フィルムによって達成される。
本発明により、面内均一性の優れた光学フィルムを簡便に得ることができる。それらを液晶セルと組み合わせたときに、効果的な光制御が可能となり、優れた電気光学特性を持つ液晶素子を作製することができる。また、本発明により、任意に傾斜した任意形状の屈折率楕円体を有する光学フィルムが簡便に得られるので、それらを液晶セルと組み合わせたときに、最適な光学補正を行うことができ、優れた視野角特性をもつ液晶素子を作製することができる。
さらに、本発明により、面内の複数の領域に異なる光学特性を有する光学フィルムが簡便に得られるので、それらを用いた電気光学素子の面内の各領域において、異なる光学設計を行うことができる。
従って、本発明の光学フィルムは、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示素子に好適に用いられる。
また、面内の複数の領域に異なる光学特性を有する光学フィルムは、偏光ホログラフィーを用いた光学素子を構成する場合にも有用であり、例えば、光ピックアップなどの装置に好適に用いられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
感光性重合体
本発明で用いられる感光性薄膜は、有利には、放射線に感応する構造を有する感光性重合体を含有する。ここでいう“感応”とは、放射線の照射を受けると、光励起反応によってエネルギー準位が高まり、次いでエネルギーを放出して安定状態に戻ることを意味する。
このような構造としては、下記式(I)、(II)および(III)のそれぞれで表される共役エノン構造(以下、「特定構造」ともいう)を例示することができる。

−P1−CR1=CR2−CO−Q1− ・・・・・(I)

2−CR3=CR4−CO−Q2− ・・・・・(II)

−P3−CR5=CR6−CO−Q3 ・・・・・(III)
ここで、P1、P3、Q1およびQ2は、互に独立に、芳香環を有する2価の有機基であり、P2およびQ3は、互に独立に、芳香環を有する1価の有機基であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互に独立に、水素原子またはアルキル基である。
上記式(I)、(II)および(III)におけるP1、P3、Q1およびQ2は芳香環を有する2価の有機基であり、またP2およびQ3は芳香環を有する1価の有機基である。P1、P2、P3、Q1、Q2およびQ3としては、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20の、芳香環を有する有機基が好ましい。
芳香環を有する1価の有機基(P2、Q3)としては、具体的には、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ペンチルフェニル基、3−オクチルフェニル基、3−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、ビフェニル基、4−ペンチルビフェニル基、4−オクチルビフェニル基、4−フルオロビフェニル基、3,4−ジフルオロビフェニル基、3,4,5−トリフルオロビフェニル基、1−ナフチル基、4−オクチル−1−ナフチル基、5−ペンチル−1−ナフチル基、2−ナフチル基、6−オクチル−2−ナフチル基、9−アントリル基、10−オクチル−9−アントリル基、10−ペンチル−9−アントリル基を挙げることができる。これらは互いに同一でも異なっていてもよい。
また、芳香環を有する2価の有機基(P1、P3、Q1、Q2)としては、具体的には、1,2−フェニレン基、3−フルオロ−1,2−フェニレン基、4−フルオロ−1,2−フェニレン基、3−メトキシ−1,2−フェニレン基、4−メトキシ−1,2−フェニレン基、3−メチル−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2−フルオロ−1,3−フェニレン基、4−フルオロ−1,3−フェニレン基、5−フルオロ−1,3−フェニレン基、2−メトキシ−1,3−フェニレン基、4−メトキシ−1,3−フェニレン基、5−メトキシ−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基などが挙げられる。これらは互いに同一でも異なっていてもよい。
また、式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ水素原子またはアルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。これらのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明で用いられる感光性重合体としては、例えば上記特定構造を主鎖または側鎖に有するものを挙げることができる。得られる光学的異方性が大きいことから、上記特定構造を側鎖に有するものが好ましい。前記感光性重合体の骨格には特に制限はなく、具体的には、(1)ポリアミック酸エステル(2)ポリスチレン誘導体、(3)ポリ(スチレン−co−フェニルマレイミド)誘導体、および、(4)ポリ(メタ)アクリレート誘導体を例示することができる。これらのうち、耐熱性の点から、(1)ポリアミック酸エステル(2)ポリスチレン誘導体、および(3)ポリ(スチレン−co−フェニルマレイミド)誘導体が好ましい。
前記感光性重合体中の、特定構造を有する繰り返し単位の比率は、全繰返し単位の10〜100%が好ましく、50〜90%が特に好ましい。
さらに、前記感光性重合体には、下記式(IV)で表される有機基(以下、「特定メソゲン」ともいう)を導入して光学的異方性を増幅することが好ましい。
−P4−T4−Q4− ・・・・・(IV)
ここで、P4およびQ4は2価の芳香環、複素環または脂環を表しそしてT4は単結合または2価の結合基を表す。
かかる2価の芳香環、複素環または脂環(P4、Q4)としては、具体的には、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチリデン基、2,6−アントリリデン基、1,3−シクロブチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチリデン基、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチリデン基、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−デカヒドロ−2,6−ナフチリデン基などが挙げられる。これらは互いに同一でも異なっていてもよい。
4で表される2価の結合基としては、具体的には、ケト基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合、ビニレン基、アセチレン基、アゾ基、アゾキシ基、アゾメチン基、炭素数1〜10のメチレン鎖、および、前記結合基から選ばれる互いに同じでも異なっていてもよい2個以上の基を連結して得られる結合基を挙げることができる。これらのうち、エステル結合、アミド結合、炭素数2のメチレン鎖であるエチレン基、および、エーテル結合と炭素数2のメチレン鎖の結合基である−O−(CH22−O−で表される基が好ましい。
前記特定メソゲンは、前記感光性重合体の主鎖中および/または側鎖中に導入することができる。得られる光学的異方性が大きいことから、側鎖中に導入することが好ましい。前記特定メソゲンが前記感光性重合体の側鎖中に導入される場合、前記特定構造と同一側鎖中で共存していてもよく、また、前記特定構造を含まない側鎖中にあってもよい。また、特定構造と特定メソゲンが共存している側鎖と、特定構造のみを有する側鎖および/または特定メソゲンのみを有する側鎖が組み合わされて存在していてもよい。また、特定構造と特定メソゲンが共存している側鎖にあっては、特定構造と特定メソゲンのいずれが主鎖結合部位に近く位置していてもよい。
さらにまた、特定構造と特定メソゲンが主鎖中または側鎖中で共存している場合においては、特定構造(I)〜(III)中の有機基P1、P3、Q1、またはQ2と、特定メソゲン(IV)中の有機基P4またはQ4が、その構造の一部または全部を共有していてもよい。
前記ポリアミック酸エステルは、(イ)下記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物と(ロ)下記式(VI)で表されるジアミン化合物とを重縮合させることにより得られるポリアミック酸と、(ハ)特定構造を有するハロゲン化物、(ニ)特定構造を有するアルコールまたは(ホ)特定構造を有するフェノール類とを反応させることにより得られる。
Figure 2005215029
ここでS5は4価の有機基である。
2N−T6−NH2 ・・・・・(VI)
ここで、T6は2価の有機基である。
ポリアミック酸エステルの合成に用いられる上記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物(イ)としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3−オキサビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン、および、下記式(VII)および(VIII)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 2005215029
Figure 2005215029
(式中、R7およびR9は、芳香環を有する二価の有機基を示し、R8およびR10は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR8およびR10は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、および、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン二無水物、下記式(1)〜(18)で表される化合物等の芳香族および複素環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 2005215029
Figure 2005215029
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(VII)で表される化合物のうち下記式(19)〜(21)で表される化合物および上記式(VIII)で表される化合物のうち下記式(22)で表される化合物が好ましい。また、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物および下記式(19)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2005215029
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、ポリアミック酸エステルの合成に用いられる(ロ)ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、1−ドデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−テトラデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−ペンタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−ヘキサデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−オクタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレステリルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1(4,4−ジメチル−コレスタ−24−エン−3−イルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン、1(4,4−ジメチル−コレスタ−5,24−ジエン−3−イルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、テトラデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、ペンタデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、ヘキサデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、オクタデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレステリルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレスタニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、4,4−ジメチル−コレスタ−24−エン−3−イルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、4,4−ジメチル−コレスタ−5,24−ジエン−3−イルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、(2,4−ジアミノフェノキシ)パルミテート、(2,4−ジアミノフェノキシ)ステアレート、(2,4−ジアミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゾエート、および、下記式(23)〜(24)で表される化合物などの芳香族ジアミン;
Figure 2005215029
メタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,3−ビス(2−アミノエトキシ)プロパン、1,4−ビス(2−アミノエトキシ)ブタン、1,4−ビス(2−アミノエトキシ)ブタン、1,5−ビス(2−アミノエトキシ)ペンタン、1,6−ビス(2−アミノエトキシ)ヘキサン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)プロパン、1,4−ビス(3−アミノプロポキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノプロポキシ)ブタン、1,5−ビス(3−アミノプロポキシ)ペンタン、および、1,6−ビス(3−アミノプロポキシ)ヘキサンなどの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(IX)〜(X)で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 2005215029
(式中、R11は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、X1は2価の有機基を示す。)
Figure 2005215029
(式中、X2は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、R12は2価の有機基を示し、2つのX2は、同一でも異なっていてもよい。)
下記式(XI)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
Figure 2005215029
(式中、R13は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR13は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、qは1〜3の整数であり、rは1〜20の整数である。)
下記式(25)〜(26)で表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2005215029
(式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数である。)
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(23)〜(24)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(IX)で表される化合物のうち下記式(27)で表される化合物、上記式(X)で表される化合物のうち下記式(28)で表される化合物、および、上記式(XI)で表される化合物のうち1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンが好ましい。
Figure 2005215029
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、特定メソゲンを有するジアミン化合物として、例えば、4−(4−トランス−n−へプチルシクロヘキシルフェノキシ)−1,3−ジアミノべンゼン、4−(4−トランス−ぺンチルシクロヘキシルフェノキシ)−1,3−ジアミノべンゼン、4−トランス−ペンチルビシクロヘキシル−3、5−ジアミノベンゾエート、4−〔3−(4−ビフェニルオキシ)プロポキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔8−(4−ビフェニルオキシ)オクチルオキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔3−(4−シアノビフェニル−4’−オキシ)プロポキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔12−(4−シアノビフェニル−4’−オキシ)ドデシルオキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔6−(4−メトキシビフェニル−4’−オキシ)ヘキシルオキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔12−(4−メトキシビフェニル−4’−オキシ)ドデシルオキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔3−(4−フルオロビフェニル−4’−オキシ)プロポキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、4−〔3−(4−トリフルオロメトキシビフェニル−4’−オキシ)プロポキシ〕−1,3−ジアミノベンゼン、および、5−〔6−(4−シアノビフェニル−4’−オキシ)ヘキシル〕−3,5−ジアミノベンゾエートを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、ポリアミック酸エステルの合成に用いられる(ハ)特定構造を有するハロゲン化物としては、具体的には、1−ブロモ−3−(4−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−3−(4’−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−4−(4−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−4−(4’−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−6−(4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−3−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−3−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−4−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−4−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−6−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−3−(4’−メトキシ−4−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−3−(4−メトキシ−4’−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−4−(4’−メトキシ−4−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−4−(4−メトキシ−4’−カルコニルオキシ)ブタン、1−ブロモ−6−(4’−メトキシ−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−メトキシ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、などの臭化物、および、前記臭化物の臭素原子をフッ素原子、塩素原子または沃素原子で置き換えた化合物が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、反応性が高く合成が容易であることから、臭化物が好ましく、とりわけ1−ブロモ−6−(4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−メトキシ−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−メトキシ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−メトキシ−4−カルコニルオキシ)オクタン、および、1−ブロモ−8−(4−メトキシ−4’−カルコニルオキシ)オクタンが特に好ましい。
また、特定構造と特定メソゲンをともに有するハロゲン化物として、例えば1−ブロモ−6−(4’−フェニル−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−フェニル−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−フェニル−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−フェニル−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−(2−フェノキシエトキシ)−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(2−フェノキシエトキシ)−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−(2−フェノキシエトキシ)−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(2−フェノキシエトキシ)−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−(2−フェニルエチル)−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(2−フェニルエチル)−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−(2−フェニルエチル)−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(2−フェニルエチル)−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−シクロヘキシル−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−シクロヘキシル−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−シクロヘキシル−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−シクロヘキシル−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−(2−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(2−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−(2−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(2−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4’−(2−シクロヘキシルエチル)−4−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(2−シクロヘキシルエチル)−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4’−(2−シクロヘキシルエチル)−4−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(2−シクロヘキシルエチル)−4’−カルコニルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4−(4−カルコニル)フェノキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(4’−カルコニル)フェノキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−(4−カルコニル)フェノキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(4’−カルコニル)フェノキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4−(4’−メトキシ−4−カルコニル)フェノキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(4−メトキシ−4’−カルコニル)フェノキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−(4’−メトキシ−4−カルコニル)フェノキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(4−メトキシ−4’−カルコニル)フェノキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4−(4−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(4’−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−(4−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)オクタン、1−ブロモ−8−(4−(4’−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)オクタン、1−ブロモ−6−(4−(4’−メトキシ−4−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−(4−メトキシ−4’−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−(4’−メトキシ−4−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)オクタン、および、1−ブロモ−8−(4−(4−メトキシ−4’−カルコニル)シクロヘキシルオキシ)オクタンを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
(ニ)特定構造を有するアルコールとしては、例えば、4−(4−カルコニル)シクロヘキサノール、4−(4’−カルコニル)シクロヘキサノール、および、前記(ハ)ハロゲン化物のハロゲン原子を水酸基で置き換えた化合物を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、6−(4−カルコニルオキシ)−1−ヘキサノール、6−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)−1−ヘキサノール、8−(4−カルコニルオキシ)−1−オクタノール、および、8−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)−1−オクタノールが好ましい。
(ホ)特定構造を有するフェノール類としては、例えば、4−ヒドロキシカルコン、4’−ヒドロキシカルコン、4’−ヒドロキシフルオロ−4−カルコン、4−フルオロ−4’−ヒドロキシカルコン、4−(4−カルコニル)フェノール、4−(4’−カルコニル)フェノールなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリアミック酸エステルの合成においては、その性状を改善し、さらに、得られる光学的異方性の大きさを増すために、特定構造を含むハロゲン化物、アルコールまたはフェノール類とともに、(ハ’)特定構造を含まないハロゲン化物、(ニ’)特定構造を含まないアルコールまたは(ホ’)特定構造を含まないフェノール類を用いることができる。
かかる(ハ’)特定構造を含まないハロゲン化物としては、例えば臭化セチル、臭化ステアリル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、塩化セチル、塩化ステアリル、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン等を挙げることができる。また、特定構造を含まず、特定メソゲンを含むハロゲン化物として、例えば1−ブロモ−3−(4−ビフェニリルオキシ)プロパン、1−ブロモ−3−(4−シクロヘキシルフェノキシ)プロパン、1−ブロモ−4−(4−ビフェニリルオキシ)ブタン、1−ブロモ−4−(4−シクロヘキシルフェノキシ)ブタン、1−ブロモ−6−(4−ビフェニリル)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4−シクロヘキシルフェノキシ)ヘキサン、1−ブロモ−8−(4−ビフェニリルオキシ)オクタン、および、1−ブロモ−8−(4−シクロヘキシルフェノキシ)オクタンを挙げることができる。
また、(ニ’)特定構造を含まないアルコールとしては、例えば、前記の(ハ’)、特定構造を含まないハロゲン化物のハロゲン原子を水酸基で置き換えた化合物を挙げることができる。
(ホ’)特定構造を含まないフェノール類としては、例えば、フェノール、4−シクロヘキシルフェノール、ビフェノール、クレゾール、4−セチルオキシフェノール、4−セチルフェノール、4−ステアリルオキシフェノール、4−ステアリルフェノールおよび4−トリフルオロメチルフェノール等を挙げることができる。
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリアミック酸エステルは、前記(イ)テトラカルボン酸二無水物成分と(ロ)ジアミン成分を重縮合させてポリアミック酸を得て、次いで、必要に応じて触媒の存在下で、(ハ)特定構造を有するハロゲン化物、(ニ)特定構造を有するアルコールまたは(ホ)特定構造を有するフェノール類と反応させることにより得られる。さらに、場合によっては、耐熱性を改善するため、残留するポリアミック酸構造を脱水閉環してイミド構造とすることもできる。
ポリアミック酸と特定構造を有するハロゲン化物を反応する際に用いられる触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジン等の塩基触媒を挙げることができる。
ポリアミック酸と特定構造を有するアルコールまたはフェノール類を反応する際に用いられる触媒としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびクロロギ酸メチル等のような脱水触媒を挙げることができる。これらの脱水触媒は、必要に応じて、ジメチルアミノピリジン等の助触媒と組み合わせて用いることができる。
ポリアミック酸エステル中に残留しているポリアミック酸構造の脱水閉環反応は、ポリアミック酸エステルを加熱する方法により、または、ポリアミック酸エステルを、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、または、1,3−ジメチルイミダゾリジノンのような非プロトン性有機溶媒に溶解し、この溶液中に無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの脱水剤およびピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法により行うことができる。
さらに、前記ポリスチレン誘導体(2)またはポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体(3)は、水酸基で置換されたポリスチレン重合体、または、水酸基で置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体と、(ハ)特定構造を有するハロゲン化物とを、必要に応じて触媒存在下で反応させることにより得られる。
前記の、水酸基で置換されたポリスチレン重合体、および、水酸基で置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体は、ヒドロキシスチレン誘導体および/またはヒドロキシフェニルマレイミド誘導体を、必要に応じてアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物または過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などの触媒存在下で重合し、さらに場合によっては、酸性または塩基性条件下で加水分解することにより得られる。
前記ヒドロキシスチレン誘導体としては、例えば、4−アセトキシスチレン、3−アセトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、3−t−ブトキシスチレン、および、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンを挙げることができる。また、前記ヒドロキシフェニルマレイミド誘導体としては、4−アセトキシフェニルマレイミド、3−アセトキシフェニルマレイミド、4−ヒドロキシフェニルマレイミド、3−ヒドロキシフェニルマレイミド、4−t−ブトキシフェニルマレイミド、および、3−t−ブトキシフェニルマレイミドを挙げることができる。
また、前記の、水酸基で置換されたポリスチレン重合体、および、ヒドロキシ置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体の合成に際しては、得られるポリスチレン誘導体またはポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体の性状を改善し、さらに、得られる光学的異方性の大きさを増すために、(へ)他のラジカル重合性モノマーを、共重合成分として併用することができる。
(へ)他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば4−(4−(4−ビフェニリルオキシ)ブトキシ)スチレン、4−(6−(4−ビフェニリルオキシ)ヘキシルオキシ)スチレン、4−(8−(4−ビフェニリルオキシ)オクチルオキシ)スチレン、4−(4−(4−ビフェニリルオキシ)ブトキシ)フェニルマレイミド、4−(6−(4−ビフェニリルオキシ)ヘキシルオキシ)フェニルマレイミド、および、4−(8−(4−ビフェニリルオキシ)オクチルオキシ)フェニルマレイミドなどの特定メソゲンを有するモノマー;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート化合物;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート化合物;
ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート化合物;
エチレン、プロピレン、ブテン、スチレン、p−メチルスチレン、p−トリフルオロメチルスチレン、α−メチルスチレン、p−トリフルオロメチル−α−メチルスチレン、4−(4−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ)スチレン、p−セチルオキシスチレン、p−パルミトイルオキシスチレン、4−トリフルオロメチルフェニル−3−(4−ビニルフェニル)プロピオネート、4−セチル−3−(4−ビニルフェニル)プロピオネート、4−ステアリル−3−(4−ビニルフェニル)プロピオネート、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル化合物;
無水マレイン酸、フェニルマレイミド、4−フルオロフェニルマレイミド、3,5−ジフルオロフェニルマレイミド、4−(トリフルオロメチル)フェニルマレイミド、4−(セチルオキシ)フェニルマレイミド、4−(パルミトイルオキシ)フェニルマレイミド等のマレイン酸誘導体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類などが挙げられる。
前記ポリスチレン誘導体またはポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体の合成に用いられるハロゲン化物としては、例えば、先に挙げた(ハ)特定構造を有するハロゲン化物と同じハロゲン化合物を挙げることができる。
前記ポリスチレン誘導体またはポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体の合成においては、その性状を改善し、さらに、得られる光学的異方性の大きさを増すために、(ハ)特定構造を含むハロゲン化物とともに、特定構造を含まないハロゲン化物を用いることができる。かかる、特定構造を含まないハロゲン化物としては、例えば、先に挙げた(ハ’)特定構造を含まないハロゲン化物と同じハロゲン化合物を挙げることができる。
ヒドロキシ置換されたポリスチレン重合体またはヒドロキシ置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体と、有機ハロゲン化物とを反応する際に用いられる触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基触媒を挙げることができる。
また、前記ポリスチレン誘導体またはポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体は、特定構造を側鎖に有するスチレン誘導体および/または特定構造を側鎖に有するフェニルマレイミド誘導体を、必要に応じてアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物または過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などの触媒存在下で重合することによっても得られる。
前記ポリ(メタ)アクリレート誘導体は、特定構造を有する(メタ)アクリレート化合物を、必要に応じてアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物または過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などの触媒存在下で重合することによって得ることができる。前記(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、特開平9−335092号公報および特開平10−321617号公報で、特定構造を有する(メタ)アクリレート化合物として例示されている化合物を挙げることができる。これらのうち、特開平10−321617号公報に例示されている化合物が、得られる光学的異方性が大きい点から好ましい。
また、前記ポリ(メタ)アクリレート誘導体の合成に際しては、得られるポリ(メタ)アクリレート誘導体の性状を改善し、さらに、得られる光学的異方性の大きさを増すために、特定構造を含む(メタ)アクリレート化合物とともに、他のラジカル重合性モノマーを併用することができる。かかる、他のラジカル重合性モノマーとしては、先に挙げた、(へ)他のラジカル重合性モノマーと同じ化合物を例示することができる。
これらの感光性重合体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
感光性薄膜の添加剤
本発明で用いられる感光性薄膜は、得られる光学的異方性の増幅および安定化のために、前記感光性重合体とともに、種々の低分子または高分子の添加剤を含有することができる。
得られる光学的異方性の増幅に用いられる添加剤としては、例えば、低分子または高分子の液晶化合物を挙げることができる。
前記低分子液晶化合物としては、例えば、ネマチック相、コレステリック相、スメクチック相等を形成する、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等を挙げることができる。
これらのうち、ネマチック相を形成する低分子液晶化合物が好ましい。より具体的には、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルおよび4−シアノ−4’−ヘキシルビフェニル等のビフェニル系液晶を例示することができる。
前記低分子液晶化合物は、ラジカル重合性を有する液晶モノマーであってもよい。かかる液晶モノマーとしては、具体的には、下記式(29)〜(32)で表される構造を有するモノアクリレート、
Figure 2005215029
下記式(33)〜(37)で表される構造を有するジアクリレート、
Figure 2005215029
下記式(38)〜(40)で表される構造を有するトリアクリレート、
Figure 2005215029
を挙げることができる。
これらの液晶モノマーは、単独で、または組み合わせて用いることができる。得られる光学的機能層の耐熱性、透明性の点から、モノアクリレートとジアクリレートまたはトリアクリレートを組み合わせて用いるのが好ましい。
また、前記の液晶モノマーを感光性薄膜に含有させる場合には、放射線照射工程での重合反応を促進する目的で、ベンゾインなどの光ラジカル開始剤を併用することが好ましい。
前記高分子液晶化合物としては、各種の主鎖型および側鎖型高分子液晶を挙げることができ、より具体的には、下記式(41)〜(45)で表される高分子化合物を挙げることができる。
Figure 2005215029
本発明において用いられる感光性薄膜は、得られる光学的異方性の安定化のために、熱硬化性の架橋剤を含有することもできる。熱硬化架橋剤としては、多官能エポキシ含有化合物が有効であり、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、および、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。
また、前記熱硬化性架橋剤は、側鎖に熱硬化性基を有する高分子化合物であってもよい。かかる高分子化合物としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有ビニルモノマーのラジカル重合体を挙げることができる。これらのモノマーは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
前記ラジカル重合体には、本発明の効果を損なわない程度に他のラジカル重合性モノマーを併用することができる。かかる、他のラジカル重合性モノマーとしては、先に挙げた、(へ)他のラジカル重合性モノマーを例示することができる。これらのうち、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、が好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
さらに、側鎖に熱硬化性基を有する高分子化合物の別の例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の下記式(i)で表されるエポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の下記式(ii)で表されるようなエポキシ樹脂;多官能型エポキシ樹脂等の下記式(iii)で表されるようなエポキシ樹脂を挙げることができる。
Figure 2005215029
(式中、Xはメチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のフルオロアルキレン基または脂環式骨格を有する2価の有機基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはp価の有機基であり、mは0〜4の整数であり、m’は0〜3の整数であり、nおよびpは2〜20の数である。)
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート828、同1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコート807、同834(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152、同154、同157H65(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等を、その他、環式脂肪族エポキシ樹脂として、アラルダイトCY175、同CY177、同CY179(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ERL−4234、ERL−4299、ERL−4221、ERL−4206(以上、U.C.B社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ工業(株)製)、エピコート871、同872、EP1032H60(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等を、脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、エピコート190P、同191P(以上、油化シェルエポキシ(株)製)エポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等を挙げることができる。
さらに、前述の多官能エポキシ含有化合物を使用する際、架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどの塩基触媒を添加することができる。
また、本発明で用いられる光配向膜は、基板との接着性を改善する目的で、官能性シラン含有化合物を含有することができる。官能性シラン含有化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができ、さらに特開昭63ー291922号公報記載のテトラカルボン酸二無水物とアミノ基含有シラン化合物との反応物などを挙げることができる。
基板
本発明の光学フィルムの作製に際して用いられる基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラス等のガラス、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリアリレートの如き樹脂フィルムを挙げることができる。前記基板は、光学フィルムの保護層として用いられる場合には、透明、かつ、複屈折の小さなものであることが好ましい。
感光性薄膜
本発明で用いられる感光性薄膜は、例えば次に示す方法により有利に作製される。
まず、前記感光性重合体、および、必要に応じて、前記添加剤を溶媒に溶解し、感光性ワニスを調製する。この際用いられる溶剤としては、該重合体を溶解し得る有機溶剤であれば特に制限はない。このような溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロエタン、テトラクロロエタンのようなハロゲン化溶媒;シクロヘキサノンのようなケトン系溶媒を例示することができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。なお、前記溶媒には、用いられる重合体の貧溶媒を、重合体が析出しない範囲で併用することができる。
次に、前記感光性ワニスを、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法等により前記基板上に塗布し、40〜200℃の温度で加熱して塗膜を形成させる。塗膜の膜厚は、固形分として、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜10μmである。感光性ワニスの塗布に際しては、基板と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板上に、予め官能性シラン含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
光学的機能層
次いで、前記塗膜に直線偏光ないしは部分偏光された放射線、または、無偏光の放射線を照射し、場合によってはさらに150〜250℃の温度で加熱処理を行い、光学的異方性を付与して、光学的機能層とする。放射線としては、150nm〜800nmの波長を有する紫外線および可視光線を用いることができる。320nm〜450nmの波長を有する紫外線が好ましい。また、得られる光学的異方性を改善するために、基板を50〜250℃に加熱しつつ、照射を行ってもよい。また、前記放射線の照射は、基板面に垂直の方向から行っても、斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。
本発明の光学フィルムに付与される屈折特性は、前記の放射線照射工程により制御される。前記薄膜に直線偏光された放射線を照射した場合、得られる光学的機能層には、放射線の電気ベクトルを回転軸とする扁長な屈折率楕円体が形成される。一方、前記薄膜に無偏光の放射線を照射した場合、屈折率楕円体は、放射線の光軸を回転軸とする扁平な形状となる。さらに、部分偏光された放射線を用いた場合には、偏光度に応じ、直線偏光と無偏光の場合の中間的な結果を与える。
そこで、放射線照射に際して、電気ベクトルの方向、光軸の方向、および/または,偏光度の異なる放射線を必要に応じて組み合わせてもちいることにより、各種の光学フィルムに好適な、任意に傾斜した任意形状の屈折率楕円体を有する光学的異方層を得ることができる。
また、前記放射線照射に際しては、面内の異なる領域に異なる光学特性を有する光学部材を作製する目的で、偏光状態、光軸の方向、およびエネルギーの異なった放射線を、面内の各領域に照射することができる。照射される放射線の偏光状態、光軸の方向、およびエネルギーを面内で変化させる方法としては、フォトマスクを介して照射を行う方法、必要に応じて光強度、入射角等を変化させつつ、塗膜を光線により掃引する方法、などを挙げることができる。これらの方法は、単独で、または、組み合わせて用いることができる。さらに、これらの方法の1つないしは両方と、基板全面への一括照射を組み合わせて行ってもよい。特に好ましい方法は、フォトマスクを介しての照射により基板の一部に第一の配向性を付与した後、基板全面への露光により残部へ第二の配向性を付与することである。
前記光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が使用できる。前記の好ましい波長領域の紫外線は、フィルター、回折格子等を前記光源と併用する手段等により得ることができるが、簡便には、偏光板としてパイレックス(登録商標)ガラス製偏光板など320nmより短い波長の紫外線を透過しないものを、前記光源とともに用いてもよい。
光学フィルム
次に、前記光学的機能層に必要に応じて適当な保護層を付加し、本発明の光学フィルムを得ることができる。この際、光学的機能層の作製時に用いられた基板は、剥離するなどして除去してもよく、また、それ自体を光学的機能層の保護層として利用してもよい。
前記の、付加される保護層としては、例えば、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレートのような樹脂層を挙げることができる。これらの保護層は、必要に応じ、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤等を含有していてもよい。また、これらの保護層は、透明、かつ、複屈折の小さなものであることが好ましい。
作用
本発明によれば、光学特性の面内均一性の高い、偏光制御用の光学フィルムを単純な工程で作製して提供することができる。さらに、本発明によれば、光学的機能層を形成する段階で、面内の異なる領域に偏光状態、光軸の方向、またはエネルギーの異なる放射線を照射することにより、面内の複数の領域にそれぞれ異なった光学特性を有する光学フィルムを作製して提供することができる。さらに、本発明によれば、光学的機能層の形成に際して、電気ベクトルの方向、光軸の方向、および/または,偏光度の異なる放射線を組み合わせて用いることにより、各種の光学フィルムに好適な屈折率楕円体を有する光学的異方層を、任意に得ることができる。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
合成例1
水酸基で置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体の合成
4−アセトキシスチレン0.05モル(8.1g)、N−(4−アセトキシフェニル)マレイミド0.05モル(11.6g)、およびα,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを、N,N−ジメチルアセトアミド80mlに溶解させ、窒素雰囲気下、80℃で8時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。
この反応生成物をメタノールで洗浄した後、40mlの濃塩酸を含む400mlのエタノール中で4時間加熱還流した。得られた粘凋な溶液を大過剰の水中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿を、水で洗浄した後、減圧下40℃で15時間乾燥させて、水酸基で置換されたスチレン−フェニルマレイミド重合体(以下、「重合体1a」という) 13.4gを得た。
特定構造を有するポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体の合成
重合体1a 3.1gに、N,N−ジメチルアセトアミド80ml、1−(4−カルコニルオキシ)−6−ブロモヘキサン9.7g、炭酸カリウム5.6g、およびヨウ化カリウム0.2gを加え、窒素雰囲気下、85℃で12時間反応させた。
次いで、反応混合物を大過剰の水中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この反応生成物を水およびエタノールで順次洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、特定構造を有するポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体(以下、「重合体1b」という)7.0gを得た。
合成例2
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)とp−フェニレンジアミン0.1モル(10.8g)をN−メチル−2−ピロリドン300gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。
次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。この反応性生物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、「重合体2a」という)27.4gを得た。
特定構造を有するポリアミック酸エステルの合成
重合体2a 16.6gにN−メチル−2−ピロリドン350g、1−ブロモ−6−(4−カルコニルオキシ)ヘキサン38.7gおよび炭酸カリウム13.8gを添加し、120℃で4時間反応させた。
次いで、反応混合液を水中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。得られた沈殿物を水で洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリアミック酸エステル(以下、「重合体2b」という)35.4gを得た。
合成例3
特定構造を有するポリメタクリレート誘導体の合成
4−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルコンカルボキシラート18.2g、4−(2−(メタクリロイルオキシ)エトキシ)ビフェニル14.1g、およびアゾビスイソブチロニトリル0.5gをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、窒素雰囲気下で10時間加熱還流した。粘凋な反応混合物をメタノール中に投入しポリマーを沈殿、乾燥させて、ポリメタクリレート(以下、「重合体3b」という)32gを得た。
比較合成例
イミド化反応
重合体2a 20.0gにN−メチル−2−ピロリドン380g、ピリジン9.5gおよび無水酢酸12.3gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。
次いで、反応混合液を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。この反応性生物を、メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合体Ab」という)15.3gを得た。
実施例1
位相差板の作成
合成例1で得られた重合体1bをγ−ブチロラクトンに溶解させて、固形分濃度10重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過し、液晶配向剤溶液を調製した。この溶液を、パイレックス(登録商標)ガラス基板の上に膜厚が7.5μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥し薄膜を形成した。次に、ランテクニカルサービス(株)製紫外線偏光露光装置LPU−2000Sを用いて、365nmの波長を主とする直線偏光した紫外線10J/cm2を法線方向から薄膜に照射して光学的異方性を付与し、位相差板とした。
得られた位相差板の遅行軸の方位は照射された紫外線の偏光方向と同一の方向であり、波長633nmでのリタデーションは0.317μmであった。さらに、遅行軸ベクトルおよびリタデーションは、面内で均一であった。
実施例2〜3
位相差板の作製
合成例1で得られた重合体1bに代えて合成例2〜3で得られた重合体2b〜3bを用い、感光性薄膜の厚さを表1に示すとおりとしたほかは、実施例1と同様にして、位相差板の作成を試みた。得られた位相差板の遅行軸の方位は、いずれの実施例においても、照射された紫外線の偏光方向と同一の方向であった。得られたリタデーションを表1に示す。いずれの実施例においても、遅行軸ベクトルおよびリタデーションは、位相差板の面内で均一であった。
Figure 2005215029
比較例
位相差板の作製
合成例1で得られた重合体1bに代えて比較合成例で得られた重合体Abを用いたほかは実施例1と同様にして、位相差板の作成を試みた。得られた光学フィルムは有意な光学的異方性を示さず、位相差板としての機能を持たなかった。

Claims (4)

  1. 感光性薄膜に偏光または無偏光の放射線を照射して形成される光学的異方性層を有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 光学的異方性層がそれぞれ異なった光学的異方性を有する、面内の複数の領域からなる請求項1の光学フィルム。
  3. 前記感光性薄膜が、下記式(I)、(II)および(III)のそれぞれで表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する重合体を含有してなる請求項1または2の光学フィルム。

    −P1−CR1=CR2−CO−Q1− ・・・・・(I)

    2−CR3=CR4−CO−Q2− ・・・・・(II)

    −P3−CR5=CR6−CO−Q3 ・・・・・(III)

    ここで、P1、P3、Q1およびQ2は、互に独立に、芳香環を有する2価の有機基であり、P2およびQ3は、互に独立に、芳香環を有する1価の有機基であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互に独立に、水素原子またはアルキル基である。
  4. 感光性薄膜に偏光または無偏光の放射線を照射することを特徴とする光学フィルムの製造法。
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