(A)第1の実施形態
以下、本発明のリモコンシステム、遠隔指示器及び遠隔被指示器の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態では、本発明のリモコンシステム、遠隔指示器及び遠隔被指示器を用いて、シャッター用のリモコンシステムを実現する場合を説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のリモコンシステムの全体構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態のリモコンシステム1は、遠隔指示器10と遠隔被指示器20とを有して構成される。
遠隔指示器10は、利用者側に設けられるリモコン送信機に相当し、遠隔被指示器20は、シャッター近傍に設けられるリモコン受信機に相当する。
遠隔指示器10は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、取得したGPS情報に基づいてシャッターに対する開閉動作を無線で指示するものである。
遠隔指示器10は、例えば、既に利用者車両内等に設置されているGPS受信装置と連携させて動作するユニットとしてもよいし、また新たにGPS機能を有するユニットとしてもよい。本実施形態では、説明便宜のために、GPS機能を有し、利用者車両に搭載するユニットを遠隔指示器10として説明する。
遠隔被指示器20は、受信電波の復調信号に基づいて、シャッター駆動部30に対して開信号、閉信号等の開閉制御信号を与えるものである。
遠隔被指示器20は、例えば、シャッター制御盤(図示しない)の前面や下面等、又はシャッター近傍の壁面などに設けられるものである。なお、遠隔被指示器20の設置位置は特に限定されない。
以下では、まず、遠隔指示器10の内部構成を図1を参照して説明する。図1に示すように、遠隔指示器10は、GPS受信機11、GPS制御部12、制御部13、送信部14、アンテナ15、電源16、動作状態出力部17、GPS操作部18、を少なくとも有する。
電源部16は、当該遠隔指示器10の各部に対する動作電圧を供給するものである。本実施形態では、電源部16は、車両のエンジン始動で供給される電源(例えばDC12V又はDC24V)の入力部を想定する。
GPS受信機11は、GPS衛星から常時又は定期的に送信されてくる電波を捕捉し、その捕捉電波を所定の復調方式で復調し、その復調信号をGPS制御部12に与えるものである。なお、GPS受信機11の機能は、既存する技術を適用することができる。
GPS制御部12は、GPS機能を制御するものであり、GPS受信機11が受信した信号に基づいてGPS情報(緯度経度情報)を取得するものである。また、GPS制御部12は、利用者操作によるGPS操作部18より、指定されたシャッター位置(これをスタート位置ともいい、1又は複数指定する。例えば自宅と外出先を該当位置として指定されるものでもよい)の緯度経路情報を所定の地図情報から割り出し、そのシャッター位置の緯度経度情報を制御部13に与えるものである。また、GPS制御部12は、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されている。
GPS操作部18は、利用者により操作される操作部である。GPS操作部18は、例えば、GPS制御部12の制御の下、タッチパネル形式によるものや、リモコン操作によるものなど、種々の形態を取ることができる。
なお、GPS受信機11、GPS制御部12及びGPS操作部18は、既存するGPSを利用したナビゲーションシステムを適用するようにしてもよい。
制御部13は、当該遠隔指示器10の全体の機能を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータ等で構成されている。本実施形態の制御部13は、GPS制御部12から取得したGPS情報に基づいて、開動作又は閉動作を指示する信号の送信制御を行なう。これにより、利用者によるリモコン操作がない場合でも開動作や閉動作等の指示信号を自動送信することができる。
制御部13は、GPS制御部12から取得したシャッター位置をスタート位置として記録するものである。
制御部13は、GPS制御部12から取得したGPS情報とシャッター位置とに基づいて、現在位置からシャッター位置までの距離が予め設定された距離A以内であるかが判断される。そして、シャッター位置が現在位置から距離A以内であると判断した場合、制御部13は、シャッターの開動作を指示するための原送信信号を組み立てて、この開動作を示す原送信信号を送信部14から送信させるものである。
なお、シャッター位置が現在位置から距離A以内であると判断しない場合、制御部13は、シャッターの開動作を示す原送信信号を送信しない。
ここで、本実施形態では、制御部13が、車両位置とシャッター位置との2点間距離に基づいて判定するものとする。具体的には、制御部13は、当該車両の位置情報を中心とし、半径A以内のエリアに、シャッターが存在するか否かにより判定する。
また、制御部13は、現在位置からシャッター位置までの距離が距離Aを越えたと判断すると、シャッターの閉動作を指示するための原送信信号を組み立てて、この閉動作を示す原送信信号を送信部14から送信させるものである。このときも上記と同様の判断方法により判定する。
なお、現在位置からシャッター位置までの距離がAを超えたと判断しない場合、制御部13は、シャッターの閉動作を示す原送信信号を送信しない。
さらに、制御部13は、現在位置からシャッター位置までの距離が距離B以上になることを検出すると、閉動作を指示するための原送信信号の送信制御も停止させ、待機状態になる。このときも上記と同様の判断方法により判定する。
なお、本実施形態では、車両位置を中心とした距離A又はB内のエリアにシャッター位置が存在するか否かにより判断することとするが、これ以外の方法により判断してもよい。
例えば、予め用意しておいた地図情報を用いて、その地図上の道路経路を考慮した道路経路距離に基づいて判断してもよい。この地図上の道路経路距離を求める場合、例えばカーナビゲーションシステムに利用される地図情報を搭載したGPS制御部12がその道路経路距離を求め、GPS制御部12で求められた距離を制御部13が取得する。そして、その距離と、距離A又は距離Bとを比較することにより判定するようにしてもよい。
また、制御部13に予め設定されている距離Aは距離Bよりも短いものとする。これにより、現在位置がシャッター位置から距離A以内のエリアにおいては、シャッター状態を開とすることができるので、当該車両のシャッター通過を可能とすることができ、現在位置がシャッター位置から距離A以内のエリアを外れると、シャッターを閉鎖させることができる。さらに、現在位置がシャッター位置から距離B以内のエリアを外れると、シャッターを閉鎖させることができると共に、無駄な電波放射をしないようにすることができる。また、距離A及び距離Bは共に、送信部14からアンテナ15を介して送信された電波の到達距離以内のものである。さらに、距離Aは、シャッターの動作速度の関係で、全閉から全開になるまでの時間を考慮して調整された距離であることが望ましい。また、距離A、距離Bは、車両の移動速度によって随時変化する可変の距離であってもよい。
図2は、制御部13が組み立てる原送信信号のデータフォーマット例を説明する説明図である。図2に示すように、本実施形態の原送信信号のデータフォーマットは、原送信信号の先頭を示す「フラグF」、遠隔指示器10を識別するための識別コードを含む「識別コード部ID」、開動作又は閉動作を指示する情報を含む「情報部INF」とを有する。なお、制御部13には、予め割り当てられた遠隔指示器10の識別コードが登録されているものとする。
また、制御部13は、原送信信号を送信させる際、所定周期毎に原送信信号を繰り返し送信部14に与えて、送信させるようにする。
送信部14は、制御部13から原送信信号を受け取ると、その原送信信号に基づいて所定の変調処理を行ない、変調した無線周波数帯の信号をアンテナ15を介して空間に放射させるものである。ここで、送信部14による変調方式は、特に限定されないが、例えば、ASK変調方式やFSK変調方式などを適用することができる。また、送信部14は、必要に応じて、バンドパスフィルタや電力増幅器が内蔵されている。
動作状態出力部17は、制御部13が原送信信号の送信制御の実行時に、送信状態であることを出力するものである。これにより、利用者に対して、送信動作状態であることを知らせることができる。動作状態出力部17は、開動作指示時及び又は閉動作指示時を示すことができるものであれば広く適用することができ、例えば、発光素子や、音声及び又は音響出力装置や、又はこれらを結合したものがある。
アンテナ15は、送信部14において変調された原送信信号を放射するものである。アンテナ15は、遠隔指示器10を構成する筐体内部に設けられていてもよいし、筐体外部に突出する形式(例えば、携帯電話のアンテナと同様な形式で)で設けられていても良い。
続いて、遠隔開閉被指示部20の内部構成を図1を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態の遠隔被指示器20は、制御部21、受信部22、登録部23、IDメモリ、アンテナ25、を少なくとも有する。
アンテナ25は、遠隔指示器10から放射された電波を捕捉し、その捕捉電波を電気信号(無線受信信号)に変換して、受信部22に与えるものである。アンテナ25は、遠隔指示器10が種々の位置をとり得るので、受信感度を考慮し、例えば、外部に突出する形式で設けられていることが好ましい。また、アンテナ25としては、遠隔指示器10が種々の位置をとり得るので、例えば、無指向性又は指向範囲がかなり広いものを適用する。
受信部22は、アンテナ25から与えられた無線受信信号に対して所定の復調処理を行ない、その復調信号を制御部21に与えるものである。ここで、復調信号は、何らかの異常が生じてなければ、遠隔指示器10が送信した原送信信号に相当するものである。なお、受信部22は、必要に応じて、無線周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタや前置増幅器や復調信号の帯域を通過帯域とするローパスフィルタが含まれる。また、受信部22の受信感度によって(すなわち、受信部23が動作し得る電界強度によって)、交信可能な遠隔指示器10との距離や範囲が定まる。
制御部21は、当該遠隔被指示器20の各部の制御を行なうものであり、例えば、マイクロコンピュータで構成されている。ここで、図1では、制御部21が、遠隔操作に係る制御だけでなく、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行なうものとして記載している。
なお、遠隔操作に係る制御を行なう制御部と、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行なう制御部とが、分離して設けられていても良い。例えば、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行なう制御部が、遠隔被指示器20とは別体のユニットに設けられていても良い。
制御部21は、後述する登録部23が、当該遠隔被指示器20に対し、指示し得る遠隔指示器10の識別コードの登録を指示したときには、その識別コードを取り込んでIDメモリ24に格納させる。
また、制御部21は、受信部22からの復調信号を解読して、送信元の遠隔指示器10が当該シャッターに対する指示を出せるものであるか確認をした後、指示されているシャッターの動作内容、すなわち、シャッターの開動作、閉動作を認識すると共に、その認識内容(開動作、閉動作)に基づいて、シャッターの開動作、閉動作を実行させる開閉制御信号を形成し、シャッター駆動部30に与える。
なお、制御部21は、送信元の遠隔指示器10が当該シャッターに対する指示を出す送信元として許可されていない場合や、遠隔指示器10からの指示内容が現状のシャッター状態と矛盾する場合には(例えば、シャッターの開状態において開動作が指示されたような場合には)、その指示内容を無効とするか無視する。
シャッター駆動部30はシャッターを上下動させるためのモータを中心に構成されているものであり、制御部21からの開閉制御信号に応じて、モータに対して所望の動作(正回転、逆回転など)を実行させ、シャッターを開動作、閉動作、停止動作させる。また、シャッター駆動部30は、シャッターの位置やモータの回転速度などの情報を制御部21に与える。
登録部23は、当該遠隔被指示器20に対して、シャッター動作の指示を発効し得る遠隔指示器10の識別コードを登録する処理(削除を含む)を行なうものであり、その登録方法は既存のいずれの方法であっても良い。なお、登録数は1個に限定しても良く、2個以上の登録を認めるものであっても良い。
IDメモリ24は、登録された識別コードを記憶しているものである。例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリが好ましい。
(A−2)第1の実施形態の動作
以下、第1の実施形態のリモコンシステム1における遠隔指示器10における自動送信処理の動作を説明する。
図3は、遠隔指示器10における自動送信処理を示すフローチャートである。
まず、利用者は車両のエンジンをかけると、車両内の電源電圧が遠隔指示器10に供給され、遠隔指示器10の各構成部が起動する。また、その後、車両が走行中である場合にも、同様に車両内の電源電圧が遠隔指示器10に供給されているので、遠隔指示器10の各構成部は作動している。
GPS受信機11は、GPS制御部12の制御の下、周期的にGPS衛星から放射された電波信号を捕捉し、随時当該車両位置を示すGPS情報(緯度経度情報)を得る。そして、GPS受信機11により受信されたGPS情報は、GPS制御部12を介して、制御部13に与えられる(F101)。
GPS情報が制御部13に与えられると、制御部13において、GPS情報に基づく現在位置の緯度経度情報と予め登録されているシャッター位置とに基づいて、現在位置からシャッター位置までの距離が求められる。そして、制御部13は、その現在位置からシャッター位置までの距離が、予め設定されている距離A以内であるか判断する(F102)。
このとき、現在位置からシャッター位置までの距離が距離Aを越えている場合、当該車両はシャッター位置から離れた位置(すなわち、シャッターを作動させる必要性がない位置)にあると判断し、制御部13はシャッター動作を指示する信号の送信制御を行なわない待機状態とする(F103)。
一方、現在位置からシャッター位置までの距離が距離A以内である場合、当該車両がシャッター位置の近くにあり、制御部13は、当該遠隔指示器10に割り当てられた識別コードとシャッターを開動作させる指示情報とを含む原送信信号(図2参照)を組み立てて(F104)、その原送信信号を送信部14に与える。そして、送信部14が変調処理を行ない空間に放射する(F105)。
これにより、シャッター側の遠隔被指示器20に対して、シャッターを開動作させることを指示することができる。
このとき、制御部13は、現在位置からシャッターまでの距離が距離A以内にある期間、一定時間毎に、シャッターを開動作させる指示情報を含む原送信信号を繰り返し送信させるようにする(F106)。
また、現在位置からシャッター位置までの距離が距離A以内にあり、シャッターを開動作させようとする状態においては、制御部13は、動作状態出力部17を制御し、シャッターを開動作指示していることを示す出力をさせる。これにより、シャッターの開動作状態を指示していることを利用者に知らせることができる。
その後、現在位置からシャッター位置までの距離が距離Aを越えたと制御部13が判断すると(F106)、制御部13は、当該遠隔指示器10に割り当てられた識別コードとシャッターを閉動作させることを指示する指示情報とを含む原送信信号(図2参照)を組み立て(F107)、その原送信信号を送信部14に与える。そして、送信部14が変調処理を行ない空間に放射する(F108)。
このとき、制御部13は、現在位置からシャッター位置までの距離が距離B以内であるか否かを判断しており、距離B以内である期間、一定時間毎に、シャッターを閉動作させる指示情報を含む原送信信号を繰り返し送信させるようにする(F109)。
そして、現在位置からシャッター位置までの距離が距離Bを越えたと制御部13が判断すると、制御部13は、当該閉動作を指示する原送信信号の送信制御を停止し、本実施形態の送信信号の自動送信処理を待機状態とする(F103)。
以上のようにして、遠隔指示器10は、GPS受信機11が受信した当該車両の位置情報とシャッター位置との関係に基づいて、所定の距離A以内にシャッター位置があるときに、自動的にシャッターを開動作させる原送信信号を送信させるようにすることができる。これにより、利用者がシャッター動作を操作することなく、シャッターを開状態にすることができる。
また、遠隔指示器10は、シャッター位置との距離が一旦距離A以内になり、開動作指示の原送信信号を送信した後、その距離が距離A以上になったときには、閉動作指示の原送信信号を送信させるようにすることができる。これにより、シャッター通過後に、シャッターを閉動作させることができる。
続いて、本実施形態の遠隔被指示器20における動作について図面を参照して説明する。図4は、遠隔被指示器20における動作を示すフローチャートである。
遠隔被指示器20においては、遠隔指示器10から放射された電波の待ち状態となっており、放射電波が到来してくると、アンテナ25が電波を捕捉し、受信部22が復調処理を行なう。そして、受信部22により復調された復調信号(ここでは、原送信信号に復元されているものとする)が、制御部21に与えられる。
制御部21に原送信信号が与えられると、制御部21は、その原送信信号の「識別コード部ID」に含まれている識別コードが、IDメモリ24に登録されている識別コードIDと一致するか否かを判断する(F201)。
ここで、IDメモリ24に登録される識別コードは、シャッター動作を指示することが許可されている遠隔指示器10に割り当てられたものであり、1台の遠隔指示器10に対する識別コードだけでなく、複数台の遠隔指示器10に対する複数の識別コードの登録があってもよい。
なお、受信した原送信信号の「識別コード部ID」に含まれる識別コードが登録されているものと不一致する場合、制御部21は、当該原送信信号を廃棄し、処理を終了する。
受信した原送信信号の「識別コード部ID」に含まれる識別コードが登録されているものと一致する場合、制御部21は、当該原送信信号の情報部INFに含まれている情報内容を判断する(F202)。
すなわち、情報部INFに含まれている情報が開動作を指示する情報である場合、制御部21は、シャッター駆動部30に通知するための開信号(開動作を指示する制御信号)を形成し(F203)、その開信号をシャッター駆動部30に通知する(F205)。
また、情報部INFに含まれている情報が閉動作を指示する情報である場合、制御部21は、シャッター駆動部30に通知するための閉信号(閉動作を指示する制御信号)を形成し(F204)、その閉信号をシャッター駆動部30に通知する(F205)。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態のリモコンシステム1によれば、遠隔指示器10にGPS機能を設け、車両の位置情報とシャッター位置情報とに基づく両者の距離が所定距離以内になったときに、シャッターを開動作させる信号を自動的に送信させることができる。
その結果、利用者にとっては、シャッター動作の操作指示をさせることなく、車両がシャッターに近づいてきたときに自動的にシャッターが開き、シャッター開口部を通過することができる。
また、第1の実施形態のリモコンシステム1によれば、一旦開動作指示の信号を放射させた遠隔指示器10が、車両の位置情報とシャッター位置情報とに基づく両者の距離が所定距離以上になったときに、シャッターを閉動作させる信号を自動的に送信させることができる。
その結果、利用者にとっては、シャッター開口部通過後、車両がシャッターから離れたときに自動的にシャッターを閉状態にさせることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明のリモコンシステム、遠隔指示器及び遠隔被指示器の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態も第1の実施形態と同様に、シャッター用のリモコンシステムに適用した場合を説明するが、本実施形態は、遠隔被指示器が、複数のシャッターの開閉動作を制御する場合を想定して説明する。
本実施形態は、遠隔被指示器が、遠隔指示器からの原送信信号に含まれている車両の位置情報に基づいて、車両がシャッターに向かってくる方角を認識する。その方角に応じたシャッターに対して遠隔被指示器が開閉制御する点に特徴がある。
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、本実施形態のリモコンシステムの構成例を、上空から地面に向けて見下ろしたときのイメージ図である。なお、第2の実施形態の全体構成は、第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、図1で示した構成要素及びそれに付与した符号を用いて説明する。
図5に示すように、本実施形態のリモコンシステム2において、遠隔被指示器20は、3台のシャッター駆動部30−1〜30−3と接続し、3基のガレージ用のシャッター40−1〜40−3の開閉動作を制御するものである。
また、図5において、各シャッター40−1〜40−3は、3方向に伸びる道路に面しているものとし、図5の図面上方向が北方向を指すとき、遠隔被指示器20を中心に、西方向に伸びる道路を道路イ、東方向に伸びる道路を道路ロ、南方向に伸びる道路を道路ハとする。
また、図5において、車両50−1は道路イの方向からシャッターに近づいてきた場合の車両を示し、車両50−2は道路ロの方向からシャッターに近づいてきた場合の車両を示し、車両50−3は道路ハの方向からシャッターに近づいてきた場合の車両を示す。なお、車両50−1〜50−3は、遠隔指示器10を搭載しており、遠隔指示器10の識別コードは遠隔被指示器20に登録されているものとする。
遠隔指示器10は、第1の実施形態と同様に、GPS機能により取得したGPS情報を利用して、シャッター動作を指示する原送信信号を自動的に送信するものである。本実施形態の遠隔指示器10の内部構成は図1で説明した構成要素に対応する。
また、本実施形態の遠隔指示器10は、送信する原送信信号の情報部INFに車両位置情報を付与する。この原送信信号の形成は、第1の実施形態と同様に制御部13が行なう。
遠隔指示器10の制御部13は、GPS制御部12からGPS情報を受け取り、その位置情報(緯度経度情報)を情報部INF(図2参照)に付与して、原送信信号を組み立てて、送信部14に送信させるものである。
なお、原送信信号の送信タイミングは、第1の実施形態と同様に、車両位置とシャッター位置との距離と、距離A又は距離Bとに基づいて行なう。
遠隔被指示器20は、第1の実施形態と同様に、遠隔指示器10からの原送信信号に含まれているシャッター動作指示情報に基づいて、開閉制御信号を形成し、シャッター駆動部30に通知するものである。本実施形態の遠隔被指示器20の内部構成は図1で説明した構成要素に対応する。
また、遠隔被指示器20は、受信した原送信信号の情報部INFに含まれている車両の位置情報に基づいて、車両が当該シャッターに向かってくる方角を認識し、その方角に応じたシャッター40−1〜40−3を駆動制御するシャッター駆動部30−1〜30−3に対して、開閉制御信号を通知する。
遠隔被指示器20の制御部21は、当該遠隔被指示器20の位置情報を予め記録してある。この遠隔被指示器20の位置情報は、例えば、緯度経路情報等が該当する。
制御部21は、受信した原送信信号の情報部INFに付与されている車両の位置情報を取り出すと、当該遠隔被指示器20の位置を中心として、車両がどの方角に位置しているかを認識する。そして、制御部21は、車両位置の方角に応じたシャッター駆動部30−1〜30−3に対して開閉制御信号を通知する。これにより、車両が向かってくる方角に応じて、車両が通過し易いシャッター40−1〜40−3の自動開閉をさせることができる。
なお、受信した原送信信号の情報部INFに含まれている車両の位置情報が、シャッター駆動部30−1〜30−3に対する開閉制御信号の通知に対応しない方角の位置情報である場合は、制御部21は、遠隔被指示器20が受信した原送信信号の情報部INFに含まれる指示内容を無効とするか無視する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態のリモコンシステム2における遠隔被指示器20の動作について図6を参照して説明する。なお、遠隔指示器10における動作は、原送信信号に含ませる情報が異なるのみであるので、ここでの遠隔指示器10の動作説明は省略する。
図6において、遠隔被指示器20の制御部21に原送信信号が与えられると、制御部21は、その原送信信号の「識別コード部ID」に含まれている識別コードが、IDメモリ24に登録されている識別コードと一致するか否かを判断する(F301)。なお、受信した原送信信号の「識別コード部ID」に含まれる識別コードが登録されているものと不一致する場合、制御部21は、当該原送信信号を廃棄し、処理を終了する。
受信した原送信信号の「識別コード部ID」に含まれる識別コードが登録されているものと一致する場合、制御部21は、当該原送信信号の情報部INFに含まれている情報内容を判断する(F302)。
このとき、情報部INFに含まれている情報が開動作を指示する情報である場合、制御部21は、シャッター駆動部30に通知するための開信号(開動作を指示する制御信号)を形成する(F303)。
また、制御部21は、情報部INFに含まれている車両の位置情報を取得すると(F304)、車両の位置情報と当該遠隔被指示器20の位置情報とを比較し、当該遠隔被開閉指示部20の位置を中心としたときに、車両がどの方角に位置しているかを認識する(F305)。
そして、制御部21が車両位置の方角を認識すると、その認識結果に基づいて開閉制御の対象とするシャッター駆動部30−1〜30−3を決定し(F306)、決定した制御対象シャッターを記録する(F307)。
ここで、制御部21による制御対象シャッターの決定方法は、種々の方法が考えられるが、例えば、車両位置の方角に応じて制御対象とするシャッター40−1〜40−3を予め決めておいた規則を制御部21が記憶しておき、当該車両位置の方角に基づいて制御対象シャッターを決定する方法がある。
例えば、車両位置が西方向にあるときシャッター40−1を制御し、南方向にあるときシャッター40−2を制御し、東方向にあるときシャッター40−3を制御するという規則が、制御部21に記憶されているとする。
この場合、例えば、道路イを通ってシャッターに向かってくる車両50−1に搭載の遠隔指示器10が、開動作を指示する原送信信号を自動送信してくると、制御部21は、車両位置情報に基づいて当該車両位置を西方向と認識する。そして、制御部21は、当該車両位置が西方向であるから、予め記憶している規則に基づいて、制御対象シャッターをシャッター40−1と決定する。
同様に、例えば、道路ロから向かってきた車両50−2の遠隔指示器10から開動作指示の原送信信号が与えられたとき、当該車両位置が東方向であるから、予め記憶している規則に基づいて、制御対象シャッターをシャッター40−3と決定し、また例えば、道路ハから向かってきた車両50−3の遠隔指示器10から開動作指示の原送信信号が与えられたとき、当該車両位置が南方向であるから、予め記憶している規則に基づいて、制御対象シャッターをシャッター40−2と決定する。
制御部21において、車両位置の方角に基づいて制御対象のシャッターが決定すると、制御部21は、その制御対象シャッターを駆動制御するシャッター駆動部30−1〜30−3に対して開信号を通知する(F308)。
一方、F302において、情報INFに含まれている情報が閉動作を指示する情報である場合、制御部21は、シャッター駆動部30に通知するための閉信号(閉動作を指示する制御信号)を形成する(F309)。
そして、制御部21は、F307において記憶している制御対象シャッターを確認し(F310)、その制御対象シャッターを駆動制御するシャッター駆動部30−1〜30−3に対して閉信号を通知する(F308)。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、複数のシャッターの開閉制御を行なう遠隔被指示器20が、原送信信号に含まれる車両位置情報に基づいて、車両位置の方角を認識し、その車両位置の方角に応じて制御するシャッターを決定することにより、シャッターが複数あるときに、車両が通過し易いシャッターの動作を制御することができる。その結果、より快適なシステムを利用者に提供できる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明のリモコンシステム、遠隔指示器及び遠隔被指示器の第3の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態も第1の実施形態と同様に、シャッター用のリモコンシステムに適用した場合を説明するが、本実施形態は、遠隔被指示器が、複数のシャッター装置の開閉動作を制御する場合を想定して説明する。
本実施形態は、遠隔指示器が、GPS機能により取得した車両の現在の位置情報から、開閉制御を指示するシャッター装置を決定し、その決定したシャッター装置に接続する遠隔指示器に対して開閉制御の指示を送信する点に特徴がある。
(C−1)第3の実施形態の構成
図7は、本実施形態のリモコンシステムの構成例を、上空から地面に向けて見下ろしたときのイメージ図である。
図7に示す第3の実施形態のリモコンシステム3の構成は、遠隔被指示器20を複数(図7では3個)備え、それぞれの遠隔被指示器20−1〜20−3が複数(図7では3台)のシャッター駆動部30−1〜30−3のそれぞれに接続している点が、図5に示す第2の実施形態のリモコンシステム2の構成と異なる。それ以外の構成は、第1及び第2の実施形態で説明した構成と対応するので、第1及び第2の実施形態で対応する構成要素についての詳細説明は省略する。
すなわち、図57示すように、本実施形態のリモコンシステム3は、3台のシャッター駆動部30−1〜30−3と、これらシャッター駆動部30−1〜30−3に接続する3個の遠隔被指示器20−1〜20−3とを備え、3基のガレージ用のシャッター40−1〜40−3の開閉動作を制御するものである。
なお、図7におけるガレージや道路イ〜道路ハの立地環境や車両50−1〜50−3の走行環境は、図5に示す第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
遠隔指示器10は、第1の実施形態と同様に、GPS機能によりGPS情報を取得し、そのGPS情報に基づいて、現在の車両の位置情報を認識することができるものである。
また、遠隔指示器10は、シャッター装置40−1〜40−3を中心として所定の距離内に車両が位置している場合に、当該車両が位置する方角エリアに対応し、選択する複数の識別コードを記憶しているものである。
すなわち、遠隔指示器10は、GPS機能により現在の車両の位置情報を認識すると、その車両の位置情報に基づいて当該車両がシャッター装置40−1〜40−3から見てどの方角エリアに位置しているかを認識し、その方角エリアに対応する識別コードを選択し、その選択した識別コードを識別コード部IDに乗せた原送信信号を送信するものである。方角エリアは、GPS地図情報に基づき、予め区別されて設定されている。
これにより、遠隔指示器10側が選択した識別コードが登録されている遠隔被指示器20に対して原送信信号を送信することができ、車両が現在位置している方角エリアに応じた遠隔被指示器20が、接続しているシャッター装置40の開閉制御を行なうことができる。
なお、各方角エリアは、この識別コードは、全ての車両に設置されている遠隔指示器10毎の固有のものであっても、共通のものであってもよい。それぞれの方角エリアに対応する遠隔指示器10の識別コードは、GPS機能に基づく地図情報より予め設定されるものが好ましい。さらに、図7に示すように複数のシャッター装置40−1〜40−3を備える場合、その方角を決定する基準位置(中心位置)は、例えば、3基のシャッター装置40−1〜40−3のうち、真ん中に位置するシャッター装置40−2の位置の位置情報として設定することが望ましい。
なお、遠隔指示器10による原送信信号の形成方式は、第1及び第2の実施形態で説明した方式と同様であるので、詳細な説明は省略する。
遠隔被指示器20−1〜20−3は、遠隔指示器10が送信した原送信信号を受信すると、その原送信信号に含まれている識別コードを読み出し、その識別コードに基づいて、自遠隔被指示器20−1〜20−3が識別コードに対応するものであるか否かを判断し、自遠隔被指示器20−1〜20−3が対応するものであると判定した場合、接続しているシャッター駆動部30−1〜30−3に対して開閉制御を行なうものである。また、遠隔被指示器20−1〜20−3は、自遠隔被指示器20−1〜20−3が対応するものでないと判定した場合、当該原送信信号を無視又は廃棄するものである。
なお、遠隔被指示器20−1〜20−3のそれぞれには、遠隔指示器10のそれぞれの方角エリアに対応する識別コードが登録されているものとする。
例えば、図7において、GPS機能に基づく地図情報等により、シャッター装置40を中心としてエリアが分かれており、識別コード「00」は車両の現在位置が西方向エリアにあるときに選択され、識別コード「01」は車両の現在位置が南方向エリアにあるときに選択され、識別コード「10」は車両の現在位置が東方向エリアにあるときに選択されるものとする。この場合、遠隔被指示器20−1には識別コード「00」で遠隔指示器10を登録し、遠隔被指示器20−2には識別コード「01」で遠隔指示器10を登録し、遠隔被指示器20−3には識別コード「10」で遠隔指示器10を登録するようにする。
また、必要に応じて、遠隔被指示器20−1〜20−3のそれぞれに1つの遠隔指示器10内の複数の識別コードを登録するようにしてもよい。例えば、上記の例において、遠隔被指示器20−1に、識別コード「00」と「01」を登録するようにしてもよい。これにより、車両位置とシャッター位置40−1〜40−3の開閉動作との対応の組み合わせを細分化して設定することができる。
(C−2)第3の実施形態の動作
図8は、第3の実施形態の遠隔指示器10における動作を示すフローチャートである。なお、図8では、図3と対応する処理ルーチンについては、図3で示した符号を示している。
まず、第1の実施形態と同様にして、遠隔指示器10において、GPS受信機11によりGPS情報が取得され(F101)、制御部13によりGPS情報に基づく現在位置の緯度経度情報と予め登録されているシャッター位置とに基づいて、現在位置からシャッター位置までの距離が求められる。そして、制御部13は、その現在位置からシャッター位置までの距離が、予め設定されている距離A以内であるか判断する(F102)。
このとき、遠隔指示器10において、制御部13は、当該車両の現在の位置情報が、シャッター装置40−1〜40−3を中心としたときのどの方角エリアに位置するものであるかを認識し、その方角エリアに対応する識別コードを選択する(F201)。
例えば、図7において、GPS機能に基づく地図情報等により、シャッター装置40を中心としてエリアが分かれており、識別コード「00」は現在の車両位置が西方向エリアにあるときに選択され、識別コード「01」は現在の車両位置が南方向エリアにあるときに選択され、識別コード「10」は現在の車両位置が東方向エリアにあるときに選択されるものとする。
この場合、車両位置50−1においては、GPS機能に基づく地図情報により、現在の位置情報が、シャッター装置40を中心とした場合、西方向エリアに位置していることを認識する。従って、車両50−1の遠隔指示器10は、西方向エリアを示す識別コード「00」を選択する。
同様に、車両50−2においては、GPS機能に基づく地図情報により、現在の位置情報が、シャッター装置40を中心とした場合、東方向エリアに位置していることを認識するので、車両50−2の遠隔指示器10は、東方向エリアを示す識別コード「10」を選択する。
また、車両50−3においては、GPS機能に基づく地図情報により、現在の位置情報が、シャッター装置40を中心とした場合、南方向エリアに位置していることを認識するので、車両50−3の遠隔指示器10は、南方向エリアを示す識別コード「01」を選択する。
そして、識別コードが選択されると、制御部13は、この選択した識別コードを含む原送信信号を形成し(S104)、送信部14が所定の変調処理を行ない空間に放射する(F105)。
このとき、原送信信号には、第1の実施形態と同様に、シャッター装置40を開動作させることを指示する指示情報も乗せるものとする。
また、制御部13は、車両の現在の位置情報からシャッター装置40までの距離が距離A以内である期間、一定時間毎に原送信信号を繰り返し送信するようにする(F106)。F104からF109までの間、F201で選択した識別コードは選択され続けている。
なお、F107以降の処理ルーチンは、図3と同様であり、第1の実施形態で説明した動作を行なうので、ここでの説明は省略する。
このようにすることで、遠隔被指示器20−1〜20−3においては、遠隔指示器10が送信した原送信信号を受信すると、その原送信信号に含まれている識別コードに基づいて、自遠隔被指示器20−1〜20−3に対するものであるか否かを判断し、識別コードが自遠隔被指示器20−1〜20−3を登録されたものである場合に、原送信信号に含まれる指示情報に応じて、接続するシャッター駆動部30−1〜30−3に対して開閉動作信号を与え、シャッター装置40−1〜40−3を開閉動作させることができる。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、複数のシャッターの開閉制御を行なう遠隔被指示器20が、原送信信号に含まれる車両位置情報に基づいて、車両位置の方角を認識し、その車両位置の方角に応じて制御するシャッターを決定することにより、シャッターが複数あるときに、車両が通過し易いシャッターの動作を制御することができる。その結果、より快適なシステムを利用者に提供できる。
(D)他の実施形態
(D−1)上述した第1及び第2の実施形態では、遠隔指示器10はリモコン送信機として機能し、遠隔被指示器20はリモコン受信機として機能するものとして説明したが、遠隔指示器10及び遠隔被指示器20は共に、送信機能及び受信機能を有するものとしてもよい。
このように送受信可能とすることは、遠隔被指示器20が、自装置の開動作制御又は閉動作制御が可能な状態であるかの情報や、動作の開始・完了の通知情報等を、遠隔指示器10に対して返信することができ、シャッター側の状態を利用者に認識させることができる。
(D−2)上述した第1及び第2の実施形態のリモコンシステム1及び2は、遠隔指示器10と遠隔被指示器20との間に中継機を備え、授受される信号を中継できるシステムとしてもよい。
(D−3)上述した第1及び第2の実施形態の遠隔被指示器20は、受信した開動作指示の原送信信号に基づいて開動作を制御した後、シャッターの長時間の開状態をなくすために、シャッターが開状態となってから所定時間後に閉信号をシャッター駆動部30に通知するようにしてもよい。
この場合、遠隔被指示器20は、図9に示すように、開信号を通知後、閉信号を通知するまでの所定時間を計測するタイマ部26を有する。そして、制御部21が開信号をシャッター駆動部30に通知すると、タイマ26が計時し始め、所定時間経過したときにタイマ26がその旨を制御部21に知らせる。これを受けて、制御部21が、閉信号をシャッター駆動部30に通知することで実現することができる。
(D−4)上述した第2の実施形態では、車両の位置情報をGPS情報に基づく緯度経度情報としたが、これに限定されず、当該車両の位置を特定する情報であれば、例えば、移動通信システム(例えばPHS等)で利用される制御信号の授受に基づく位置特定情報や、例えばジャイロなど自律的に特定した位置情報などとしてもよい。
(D−5)上述した第2の実施形態では、遠隔被指示器20が自装置20を中心としたときの車両位置の方角に基づいて複数のシャッターの動作を制御する場合を説明した。しかし、遠隔指示器10と遠隔被指示器20の位置関係を特定することができれば、車両位置の方角に限定しなくても、広く適用できる。
例えば、図10において、遠隔被指示器20が、各シャッターの位置情報(例えば、緯度経度情報)を予め登録しておく。そして、遠隔指示器10から、車両50の位置情報(緯度経度情報)を含んだ原送信信号が与えられると、車両と各シャッター40−1〜40−3との間の距離のうち最も小さいもの(すなわち、車両50から最も近いシャッター)に対して開閉動作を制御するようにしても実現できる。
なお、この車両位置と各シャッター位置との距離の比較処理を、遠隔指示器10の制御部13が行なうようにしてもよい。この場合、制御部13に、各シャッターの位置情報を予め登録しておく必要がある。
(D−6)上述した第1及び第2の実施形態において、原送信信号の情報部INFに、例えば、車両速度情報、車両と各シャッターとの距離情報、シャッターに到着するまでの予定時間(予定時刻)情報等を付与してもよい。そして、遠隔被指示器20が、これら情報に基づいて、シャッターの動作速度(すなわち開動作速度及び又は閉動作速度)や、開閉動作のタイミングを調整するようにしてもよい。
(D−7)上述した第1及び第2の実施形態の遠隔指示器10は、利用者操作により、自動送信モードとマニュアルモードとに切り替える動作モード切替手段を有するようにしてもよい。これにより、利用者意思により必要に応じて、開閉動作指示をマニュアルモードにしたり、自動送信モードにしたりすることができる。この場合、これら動作モードを制御する2個の制御部を有し、例えばスイッチにより、接続を切り替えることで実現することができる。
(D−8)上記各実施形態では、本発明をシャッターのリモコンシステムに適用したものを示したが、ドア、窓、オーバーヘッドドアなど一般的に開閉体を制御する開閉装置の無線遠隔操作システム(リモコンシステム)に適用するようにしても良い。
また、上記各実施形態では、無線回線での伝送媒体が電波であるものを示したが、赤外線であっても良い。この場合には、アンテナに代え、光電変換部や電光変換部を適用することとなる。
さらに、上述した各実施形態では、遠隔指示器10を車両に搭載した場合を示すが、車両搭載用に限定されず、人が所持するリモコンタイプの開閉指示器であってもよい。
(D−9)第2の実施形態では、遠隔被指示器20が遠隔指示器10から受け取った車両位置情報を基にシャッター位置に対する車両位置の方角を割り出して制御対象のシャッターの決定を行なうものとして説明したが、遠隔指示器10がシャッター位置と現在位置との位置関係に基づいて制御対象のシャッターを決定し、制御対象のシャッターを指定する情報を情報部INFに含ませて、遠隔被指示器20に対して原送信信号を送信するようにしてもよい。このとき、遠隔指示器10は、現在位置がシャッター位置に対する方角毎のどのエリアに含まれているかによって、制御対象のシャッターを決定する。また、遠隔被指示器20は、情報部INFに含まれる制御対象のシャッターを指定する情報に基づいて、制御対象のシャッターを駆動制御するシャッター駆動部30に対して開閉制御信号を通知する。
(D−10)遠隔指示器10は、現在位置がシャッター位置から距離A以内の位置で遠隔指示器10の電源を切る際に、閉動作を示す原送信信号を、開動作を示す原送信信号を送信した遠隔被指示器20に対して自動的に送信してから電源が切れるようにしてもよい。この場合、例えば、車両を当該シャッターを設けたガレージに駐車させてエンジンを切った際に、略同時に遠隔指示器10の電源も切れ、シャッターを自動的に閉鎖することができる。
(D−11)遠隔被指示器20の送信部から送信する原送信信号の方式を通常のリモコン送信機と同一とすることで、遠隔被指示器を通常のリモコン送信機用の受信機と兼ねることができる。
(D−12)図3のF102の判断内容を、「距離が距離A以内?」に代えて、「距離が距離C以内?」としてもよい(距離C<距離A)。このようにすることによって、距離A付近でシャッター位置を中心とした略円周方向に移動している場合に開動作を示す原送信信号や閉動作を示す原送信信号がチャタリングすることを防ぐことができる。
(D−13)各実施形態では、原送信信号の伝送を遠隔指示器10から遠隔被指示器20まで無線により行なうものを示したが、この原送信信号の伝送を電話回線やインタネット回線などを介して行なうようにしてもよく、この場合には、送信部、アンテナに代えて、遠隔指示器10に接続した携帯電話等を適用することもできる。
さらに、本発明における遠隔指示器10の構造および/または機能を携帯電話等に内蔵してもよい。
(D−14)図示しない障害物感知装置や、図示しない操作部によるシャッターを停止させるための停止指令があった場合には、遠隔被指示器が受信した遠隔指示器からの原送信信号に含まれる動作指示情報にかかわらず、シャッターの停止制御を行なうようにしてもよい。
1、2、3…リモコンシステム、10…遠隔指示器、11…GPS受信機、12…GPS制御部、13…制御部、14…送信部、15…アンテナ、16…電源、17…動作状態出力部、18…GPS操作部、20…遠隔被指示器、21…制御部、22…受信部、23…登録部、24…IDメモリ、25…アンテナ、30…シャッター駆動部。