JP3635526B2 - 建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器及び建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器 - Google Patents
建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器及び建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器及び建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器に関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの無線遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
開閉体の開閉をリモコン送信機(遠隔操作器)を用いて指示できるようにした建物開口部用開閉装置も多く提案されている。例えば、ガレージ用シャッターにおいては、ユーザが車両から降りることなくシャッターの開閉を実行できることが便利であり、リモコンシステムが適用されることも多い。
【0003】
このようなシャッター用のリモコンシステムでは、シャッター近傍の壁面や、シャッターの収納ボックスの前面又は下面に、受信アンテナが取り付けられ、リモコン送信機からの電波を捕捉する。
【0004】
リモコン受信機(遠隔被操作器)においては、受信アンテナが捕捉して変換した電気信号(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)が受信部によって復調され、リモコン送信機が送信しようとした原送信信号(復調信号)が受信制御部に与えられる。そして、受信制御部によって、復調信号が解読されて、シャッターの開、閉又は停止を指示する開閉制御信号が形成されてシャッター制御部に与えられる。これにより、リモコン操作者が意図したシャッターの動作(開、閉又は停止など)が実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のリモコンシステムは、以下のような種々の課題を有するものであった。
【0006】
従来のリモコンシステムは、リモコン操作者は、シャッター方向を見て操作することを前提としている。
【0007】
リモコン送信機(遠隔操作器)は、その送信電波の指向性は限定されているとは言え、リモコン送信機の向きが完全に受信アンテナの方向に向いていなくても、通信ができるように、その指向性は緩やかである。また、建物内部の壁面などによって電波が反射するため、リモコン操作者がシャッターを見えない位置にいても指示を与えることができ、そのようなことを知っているリモコン操作者も多い。
【0008】
そのため、リモコン操作者が、シャッターが見えない位置でリモコン送信機を操作したり、シャッター方向を見ないでリモコン送信機の向きをラフに受信アンテナ側に向けて操作したりすることもあり得る。また、シャッターに対する駆動操作を行うとシャッターの動きを確認することなく、移動するリモコン操作者もいる。さらに、夜間の取り締まりなどでは、暗闇でリモコン送信機を操作することもあるが、シャッターの動きは良く見えないこともある。
【0009】
このような場合において、従来では、リモコン操作者は、自己が指示したシャッター動作がリモコン受信機側で受け付けられたかを確認することができず、また、正しくそのシャッター動作が行われているかも確認することができない。
【0010】
例えば、開状態にあるシャッターに対して閉動作をリモコン送信機から指示しても、その指示が受け付けられない場合には継続して開状態にあるが、リモコン操作者は指示を出したので閉状態になったと勘違いすることもあり得る。また例えば、開状態にあるシャッターに対して閉動作をリモコン送信機から指示しても、障害物が存在するために、シャッターの障害物検出構成が機能して途中でシャッターが止まったとしても、リモコン操作者はそのことを認識することができない。
【0011】
さらに、シャッターが見えない位置のリモコン操作者は、シャッターの現状を正しく理解できないので、無駄な指示を行うこともある。例えば、シャッターが開状態にあるのに、開動作を指示するようなこともあり得る。例えば、リモコン操作と、シャッター近傍に設けられているボタン操作との双方に対応できるシャッター装置の場合、リモコン操作者が認識しているシャッター状態と、実際のシャッター状態とが異なることも生じ易い。
【0012】
また、仮に、リモコン操作者が、シャッター方向を常に見て操作したとしても、その指示が受け付けられたかは、シャッターが指示した動作を行うまでは確認できない。リモコン操作と、シャッター近傍に設けられているボタン操作との双方に対応できるシャッター装置の場合には、ボタン操作ユニットには開閉動作を明らかにするLEDなどを備えており、リモコン操作された場合にも、ボタン操作ユニットにおけるLEDなどを点灯させることも考えられるが、リモコン操作者からLEDなどの状態を確認することはまずできない。
【0013】
上述したような種々の課題は、シャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の建物開口部用開閉装置のリモコンシステムにも同様に生じている。
【0014】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、遠隔操作器の操作者が開閉体方向を視認していないとしても、操作者による指示内容に応じた開閉体動作をより確実に実行させることができる、建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、遠隔操作器及び遠隔被操作器を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を遠隔操作器が空間に放射し、遠隔被操作器がその無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システムにおいて、(1)上記遠隔被操作器は、上記開閉体の開動作を指示する情報を受信し、指示された開動作が正常終了したときに開動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段を有し、(2)上記遠隔操作器は、(2−1)上記遠隔被操作器から無線送信された開動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、(2−2)上記開動作を指示する情報を無線送信したときから、開動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する開動作監視用タイマと、(2−3)上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、(2−4)上記開動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、開動作の終了情報の受信により、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、(2−5)上記開動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、(2−6)開動作が指示された場合において、開動作処理継続中を管理し、開動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有することを特徴とする。また、第2の本発明は、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を遠隔操作器が空間に放射し、遠隔被操作器がその無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システムにおいて、(1)上記遠隔被操作器は、上記開閉体の閉動作を指示する情報を受信し、指示された閉動作が正常終了したときに閉動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段を有し、(2)上記遠隔操作器は、(2−1)上記遠隔被操作器から無線送信された閉動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、(2−2)上記閉動作を指示する情報を無線送信したときから、閉動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する閉動作監視用タイマと、(2−3)上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、(2−4)上記閉動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、閉動作の終了情報の受信により、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、(2−5)上記閉動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、(2−6)閉動作が指示された場合において、閉動作処理継続中を管理し、閉動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有することを特徴とする。
【0016】
第3の本発明は、対向する遠隔操作器が空間に放射した、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器において、上記開閉体の開動作を指示する情報を受信し、指示された開動作が正常終了したときに開動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段と、対向する上記遠隔操作器を、当該遠隔被操作器からの無線送信信号を有効に受信し得る状態にさせるパイロット信号を上記遠隔操作器に送信するパイロット信号送信手段とを備えることを特徴とする。また、第4の本発明は、対向する遠隔操作器が空間に放射した、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器において、上記開閉体の閉動作を指示する情報を受信し、指示された閉動作が正常終了したときに閉動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段と、対向する上記遠隔操作器を、当該遠隔被操作器からの無線送信信号を有効に受信し得る状態にさせるパイロット信号を上記遠隔操作器に送信するパイロット信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
第5の本発明は、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を、遠隔被操作器宛に空間に放射する、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器において、(1)上記遠隔被操作器から無線送信された開動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、(2)上記開動作を指示する情報を無線送信したときから、開動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する開動作監視用タイマと、(3)上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、(4)上記開動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、開動作の終了情報の受信により、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、(5)上記開動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、(6)開動作が指示された場合において、開動作処理継続中を管理し、開動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有することを特徴とする。また、第6の本発明は、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を、遠隔被操作器宛に空間に放射する、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器において、(1)上記遠隔被操作器から無線送信された閉動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、(2)上記閉動作を指示する情報を無線送信したときから、閉動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する閉動作監視用タイマと、(3)上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、(4)上記閉動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、閉動作の終了情報の受信により、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、(5)上記閉動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、(6)閉動作が指示された場合において、閉動作処理継続中を管理し、閉動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、遠隔操作器及び遠隔被操作器を、シャッターのリモコンシステムに適用した第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。なお、この第1の実施形態の場合、シャッター動作を遠隔操作器だけが指示できるシャッター装置を意図している。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1が第1の実施形態のリモコンシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0020】
図1において、第1の実施形態のリモコンシステム1は、従来におけるリモコン送信機が該当する遠隔操作器10と、従来におけるリモコン受信機が該当する遠隔被操作器20とから構成されている。
【0021】
遠隔操作器10は、操作部11、制御部12、送信部13、送受信切換部14、送受共用アンテナ15、受信部16、表示部17、電源部18及び電源作動回路19を有する。
【0022】
電源部18は、当該遠隔操作器10の各部に対する動作電圧を供給するものである。なお、後述するように、受信部16に対しては、電源部18からの電源電圧は、電源作動回路19を介して供給されるようになされている。電源部18としては、一般的な電池の他、太陽電池などの2次電池を適用可能である。
【0023】
操作部11は、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作を指示するためのキー(図2参照)を備え、ユーザの操作に応じて、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作の指示信号を制御部12に与えるものである。
【0024】
図2は、遠隔操作器10の表面(操作パネル面)を示す平面図である。遠隔操作器10の表面10Fには、操作部11の構成要素であるシャッターの開動作(OPEN)、閉動作(CLOSE)及び停止動作(STOP)を指示するためのキー11a〜11cが設けられている。また、遠隔操作器10の表面10Fには、これらのキー11a〜11cに関連して、後述する表示部17の構成要素である開発光素子(例えばLED)17a、閉発光素子17b、停止発光素子17cも設けられている。
【0025】
制御部12は、当該遠隔操作器10の全体を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータで構成されている。第1の実施形態の遠隔操作器10は、送信機能だけでなく、受信機能をも有し、制御部12は、送信動作及び受信動作の双方を制御する。
【0026】
制御部12は、操作部11から、開動作、閉動作又は停止動作の指示信号を受けると、原送信信号(例えばシリアル送信データ:図3参照)を組み立てて送信部13に与えるものである。また、制御部12は、操作部11から、開動作、閉動作又は停止動作の指示信号を受けたときには、指示を受け付けたことを表示部17に表示動作させる。さらに、制御部12は、操作部11から、開動作、閉動作又は停止動作の指示信号を受けたときには、その時点から少なくとも所定時間の間だけ電源作動回路19を動作させて、電源部18の電源電圧を受信部16に供給させるようにすると共に、常時は、送信部13と送受共用アンテナ15とを接続させている送受信切換部14を、所定時間の間、受信部16と送受共用アンテナ15とを接続させるように切り換える。
【0027】
なお、以下では適宜、電源作動回路19を動作させて電源部18の電源電圧を受信部16に供給させると共に、送受信切換部14によって受信部16と送受共用アンテナ15とを接続させている状態を受信可能状態と呼ぶ。逆に、送受信切換部14によって送信部13と送受共用アンテナ15とを接続させている状態を送信可能状態と呼ぶ。
【0028】
制御部12は、受信部16から、遠隔被操作器20が送信した原送信信号が与えられると、その原送信信号を解読し、解読内容に応じ、表示部17に表示動作を実行させる。ここで、無線変調されていない信号を、原送信信号と呼んでいる。
【0029】
図3は、遠隔操作器10と遠隔被操作器20とで授受される原送信信号のデータフォーマットを示す説明図である。このデータフォーマットは、遠隔操作器10が送信元であるときでも、遠隔被操作器20が送信元であるときでも同様である。
【0030】
原送信信号は、原送信信号の先頭を示すフラグシーケンスFと、送信元又は送信先である遠隔操作器10の識別コードIDと、送信したい情報(例えば、開動作指示、閉動作指示、停止動作指示など)を含む情報部INFとでなる。
【0031】
遠隔操作器10の制御部12は、操作部11のキー11a、11b又は11cが押下されている間、図3に示した原送信信号を繰り返し送信部13に与える。なお、キー11a、11b又は11cの押下時間が短い場合には、予め、最低の繰り返し回数を定めておき、その回数だけ、図3に示した原送信信号を繰り返し送信部13に与えるようにしても良い。また、遠隔操作器10の制御部(例えばマイクロコンピュータ)12には、当該遠隔操作器10の識別コードIDが組み込まれている。
【0032】
送信部13は、このような原送信信号(送信データ)を変調して無線周波数帯(例えば315MHz程度)の信号(無線送信信号)にし、送受信切換部14を介して、送受共用アンテナ15から空間に放射させる。送信部13には、必要に応じて、バンドパスフィルタや電力増幅器が内蔵されている。なお、原送信信号(送信データ)の変調方式は任意であるが、例えば、ASK変調方式やFSK変調方式を適用し得る。
【0033】
送受信切換部14は、上述したように、制御部12の制御下で、送受共用アンテナ15を、送信部13又は受信部16に接続させるものである。
【0034】
送受共用アンテナ15は、送信部13からの遠隔被操作器20への無線送信信号を空間に放射したり、遠隔被操作器20側からの電波を捕捉して電気信号(無線受信信号)に変換するものである。上述したように、送受共用アンテナ15を送信アンテナとして機能させるか、受信アンテナとして機能させるかは、制御部12による送受信切換部14への制御により、時間的に明確に切り分けられている。
【0035】
なお、従来の遠隔操作器(リモコン送信機)の場合、送信機能しか対応していないため、アンテナは遠隔操作器を構成する筐体内部に設けられていることが多い。この第1の実施形態の送受共用アンテナ15は、当該遠隔操作器10を構成する筐体内部に設けられていても良く、また、受信感度との関係から、筐体外部に突出する形式(例えば、携帯電話のアンテナと同様な形式で)で設けられていても良い。
【0036】
受信部16は、電源作動回路19から供給された電源電圧を用い、送受信切換部14を介して送受共用アンテナ15から与えられた無線受信信号に対して復調処理し、遠隔被操作器20が送信しようとした原送信信号(復調信号)を得るものであり、このようにして得られた復調信号を制御部12に与える。
【0037】
図1において、遠隔被操作器20は、送受共用アンテナ21、送受信切換部22、受信部23、制御部24、送信部25、IDメモリ26及び登録部27を備えている。なお、電源部も備えているが、第1の実施形態の特徴とは無関係であるので、図示は省略している。
【0038】
また、遠隔被操作器20は、シャッター駆動部30及び障害物検出装置31と接続されている。
【0039】
送受共用アンテナ21は、遠隔操作器10からの放射電波を捕捉し、電気信号(無線受信信号)に変換するものであり、また、当該遠隔被操作器20から遠隔操作器10への無線送信信号を電波として空間に放射するものである。この送受共用アンテナ21は、遠隔操作器10が種々の位置をとり得るので、受信感度を考慮し、例えば、外部に突出する形式で設けられていることが好ましい。また、送受共用アンテナ21としては、遠隔操作器10が種々の位置をとり得るので、例えば、無指向性又は指向範囲がかなり広いものを適用する。
【0040】
送受信切換部22は、制御部24の制御下で、送受共用アンテナ21を、受信部23又は送信部25に接続させるものである。この送受信切換部22の機能により、送受共用アンテナ21を、送信アンテナとして機能させるか、受信アンテナとして機能させるかが、時間的に明確に切り分けられる。なお、送受信切換部22は、常時は、送受共用アンテナ21を受信部23に接続させるようになっており(この状態を受信可能状態と呼ぶ)、送信が必要になったときに必要期間でのみ、送受共用アンテナ21を送信部25に接続させる(この状態を送信可能状態と呼ぶ)。
【0041】
受信部23は、送受信切換部22を介して送受共用アンテナ21から与えられた無線受信信号に対して復調処理し、遠隔操作器10が送信しようとした原送信信号(復調信号)を得るものであり、このようにして得られた復調信号を制御部24に与える。受信部23には、必要に応じて、無線周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタや前置増幅器や復調信号の帯域を通過帯域とするローパスフィルタが含まれる。なお、受信部23の受信感度によって(すなわち、受信部23が動作し得る電界強度によって)、交信可能な遠隔操作器10との距離や範囲が定まる。
【0042】
制御部24は、当該遠隔被操作器20の各部の制御を行うものであり、例えば、マイクロコンピュータで構成されている。ここで、図1では、制御部24が、遠隔操作に係る制御だけでなく、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行うものとして記載している。
【0043】
なお、遠隔操作に係る制御を行う制御部と、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行う制御部とが、分離して設けられていても良い。例えば、シャッター駆動部30に対する駆動制御を行う制御部が、遠隔被操作器20の外部ユニットに設けられていても良い。
【0044】
制御部24は、後述する登録部27が、当該遠隔被操作器20に対し、指示し得る遠隔操作器10の識別番号の登録を指示したときには、その識別番号を取り込んでIDメモリ26に格納させる。
【0045】
また、制御部24は、受信部23からの復調信号を解読して、送信元の遠隔操作器10が当該シャッターに対する指示を出せるものであるか確認をした後、指示されているシャッターの動作内容、すなわち、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作を認識すると共に、その認識内容(開動作、閉動作又は停止動作)に基づいて、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作を実行させるシャッター駆動信号を形成し、シャッター駆動部30に与える。
【0046】
なお、制御部24は、送信元の遠隔操作器10が当該シャッターに対する指示を出せない場合や、遠隔操作器10からの指示内容が現状のシャッター状態と矛盾する場合には(例えば、シャッターの開状態において開動作が指示されたような場合には)、その指示内容を無視する。
【0047】
シャッター駆動部30はシャッターを上下動させるためのモータを中心に構成されているものであり、制御部24からのシャッター駆動信号に応じて、モータに対して所望の動作(正回転、逆回転、回転停止など)を実行させ、シャッターを開動作、閉動作、停止動作させる。また、シャッター駆動部30は、シャッターの位置やモータの回転速度などの情報を制御部24に与える。
【0048】
障害物検出装置31は、シャッター近傍やシャッターに接触している障害物を検出するものであり、障害物検出情報を制御部24に与えるものである。
【0049】
制御部24は、遠隔操作器10からの有効な原送信信号を受信し、シャッター駆動信号をシャッター駆動部30に出力したときなどには、送受信切換部22を、送信部25と送受信共用アンテナ21とを接続させるように制御する。
【0050】
制御部24は、遠隔操作器10からの有効な原送信信号を受信し、シャッター駆動信号をシャッター駆動部30に出力したり、シャッター駆動部30からの情報や障害物検出装置31からの検出情報によって遠隔操作器10への送信が必要となったりしたときには、遠隔操作器10への原送信信号を形成して送信部25に与える。この原送信信号のフォーマットも、例えば、図3に示した構成を有する。また、図3に示すフォーマット構成の原送信信号を所定回数(例えば5回)繰り返して送信部25に与える。
【0051】
送信部25は、このような原送信信号(送信データ)を変調して無線周波数帯(例えば315MHz程度)の信号(無線送信信号)にし、送受信切換部22を介して、送受共用アンテナ21から電波として空間に放射させる。送信部25にも、必要に応じて、バンドパスフィルタや電力増幅器が内蔵されている。
【0052】
なお、この遠隔被操作器20から遠隔操作器10へ(この通信方向を必要に応じて下り方向と呼ぶ)の原送信信号(送信データ)の変調方式も任意であるが、例えば、ASK変調方式やFSK変調方式を適用し得、遠隔操作器10から遠隔被操作器20へ(この通信方向を必要に応じて上り方向と呼ぶ)の無線送信信号と同様であることが好ましい。また、この第1の実施形態では、上り方向の通信と、下り方向との通信が時分割で実行されるため、上り方向での無線周波数と下り方向との無線周波数とは異なっていても良いが、送信部13及び25を同一構成にできたり、受信部16及び23を同一構成にできたりすることから、同一周波数であることは好ましい。
【0053】
登録部27は、当該遠隔被操作器20に対して、シャッター動作の指示を発行し得る遠隔操作器10の識別番号を登録する処理(削除を含む)を行うものであり、その登録方法は既存のいずれの方法であっても良い。なお、登録数は1個に限定しても良く、2個以上の登録を認めるものであっても良い。
【0054】
IDメモリ26は、登録された識別番号を記憶しているものである。例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリが好ましい。
【0055】
(A−2)第1の実施形態の動作
以下、第1の実施形態のリモコンシステムにおける遠隔操作器10での動作を説明する。
【0056】
遠隔操作器10の制御部12は、操作部11の開動作指示キー11a、閉動作指示キー11b又は停止動作指示キー11cの操作を監視している。
【0057】
そして、開動作指示キー11aが操作されたときには、図4及び図5のフローチャートに示す処理を開始し、閉動作指示キー11bが操作されたときには、図6及び図7のフローチャートに示す処理を開始し、停止動作指示キー11cが操作されたときには、図8及び図9のフローチャートに示す処理を開始する。
【0058】
制御部12は、開動作指示キー11aが操作され、図4及び図5のフローチャートに示す処理を開始したときには、開動作中情報又は閉動作中情報(後述する図5のステップ111、図7のステップ160参照)などが内部記憶されているか否かに基づいて、シャッターが現在開動作可能な状態にあるか否かを確認する(ステップ100)。
【0059】
シャッターが開動作可能な状態にないと、制御部12は、今回の操作を無視し、直ちに、開動作指示キー11aの操作時の処理を終了する。なお、閉動作中や開動作中の開動作の指示が受け付けられない場合は、後述するように、既に閉発光素子17b又は開発光素子17aが点滅しているので、操作者は、操作が無視された理由を確認できる。
【0060】
開動作指示キー11aが操作されたとき、シャッターが開動作可能な状態にあれば、制御部12は、そのキー11aの操作期間だけ、開発光素子17aを点灯させると共に(ステップ101)、情報部INFに開動作の指示情報を含む原送信信号を作成して送信部13に与え(ステップ102)、送信部13に変調処理させて空間に放射させる(ステップ103)。なお、開発光素子17aの点灯処理と、原送信信号の作成、送信処理とは並行的に実行される。また、今回の原送信信号は、開動作指示であることを内部記憶する。
【0061】
その送信後、制御部12は、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を受信部16に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19を作動させて受信部16に動作電源を供給させる(ステップ104)。また、制御部12は、内蔵するタイマ1の計時を開始させる(ステップ105)。なお、タイマ1が計時する所定時間は、シャッターが全閉鎖状態から全開放状態に移行するのに要する時間より長くなっている。
【0062】
以上のようにして受信可能状態に移行すると、制御部12は、遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられたか否かの確認と(ステップ106)、タイマ1による所定時間の計時終了の確認と(ステップ107)を繰り返し行う。すなわち、所定時間だけの受信監視状態に移行する。
【0063】
遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられると、制御部12は、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致するか否かを確認する(ステップ108)。一致しない場合には、制御部12は、ステップ106及び107でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。
【0064】
なお、識別番号が一致しない原送信信号が、遠隔被操作器20側から与えられた場合には、表示部17に異常表示させるようにしても良い。また、遠隔被操作器20が複数の遠隔操作器10からの指示を受け付けられるものである場合には、識別番号が一致しなくても、ステップ109以降のその情報部INFの解読処理に進むようにしても良い。
【0065】
遠隔被操作器20側から与えられた原送信信号の識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致していると、制御部12は、その原送信信号の情報部INFの情報の内容を判別する(ステップ109)。
【0066】
ここで、遠隔被操作器20側から与えられる原送信信号の情報部INFに挿入されている情報の種類は、「開動作開始」、「開動作終了」、「閉動作開始」、「閉動作終了」、「停止」又は「異常発生」の6種類であるとする(遠隔被操作器20についての後述する動作説明参照)。
【0067】
受信した原送信信号の情報部INFの情報の内容が開動作開始であると、制御部12は、それが妥当の情報であるか否かを確認する(ステップ110)。例えば、既に開動作開始が到来していた場合には、妥当でないとする。開動作開始が妥当でないと、制御部12は、ステップ106及び107でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。一方、開動作開始が妥当であると、制御部12は、開動作中という情報を内部記憶すると共に(ステップ111)、開発光素子11aを点滅させ(ステップ112)、ステップ106及び107でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。
【0068】
また、受信した原送信信号の情報部INFの情報の内容が開動作終了であると、制御部12は、それが妥当の情報であるか否かを確認する(ステップ113)。例えば、開動作が開始されていないのに開動作終了が到来していた場合には、妥当でないとする。開動作終了が妥当でないと、制御部12は、ステップ106及び107でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。一方、開動作終了が妥当であると、制御部12は、内部記憶していた開動作中という情報を消去すると共に(ステップ114)、点滅していた開発光素子11aを消灯させる(ステップ115)。その後、制御部12は、タイマ1の計時を途中終了(リセット)させ(ステップ116)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ117)。これにより、送信可能状態に復帰する。
【0069】
さらに、遠隔被操作器20からの原送信信号の情報部INFの情報の内容が異常発生であると、制御部12は、内部に異常発生情報を記憶すると共に(ステップ118)、表示部17に異常発生を表示させる(ステップ119)。その後、この場合も、制御部12は、タイマ1の計時を途中終了(リセット)させ(ステップ116)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ117)。
【0070】
なお、表示部17による異常発生通知に基づく異常表示は、例えば、全ての発光素子17a〜17cの同時点滅であっても良く、また、3個の発光素子17a〜17cの点灯を短時間ずつ巡回させる方法であっても良い。さらに、図2とは異なるが、異常発生専用の発光素子を設け、それを点灯させる方法であっても良い。
【0071】
さらにまた、遠隔被操作器20からの原送信信号の情報部INFの情報の内容が閉動作開始、閉動作終了又は停止であると、制御部12は、ステップ106及び107でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。これは、今回の操作が開動作の指示に関係するものであるのに、無関係な応答であるためである。
【0072】
なお、情報部INFの情報が閉動作開始、閉動作終了又は停止である原送信信号が、遠隔被操作器20側から与えられた場合に、表示部17に異常表示させるようにしても良い。
【0073】
制御部12は、タイマ1がタイムアップしたときには、表示部17に異常表示させ(ステップ120)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ117)。なお、タイマ1がタイムアップするのは、タイマ1が計時する所定時間内で、異常発生の情報や有効な開動作終了の情報が、遠隔被操作器20側から到来しない場合である。
【0074】
このように遠隔被操作器20側で開動作が正しく実行されずにタイムアップによって当該遠隔操作器10側で異常を検出した場合の異常表示は、遠隔被操作器20側から異常発生が通知された場合の異常表示と同一態様の表示でも良く、また、区別できるように、異なる表示態様であっても良い。
【0075】
例えば、異常発生通知に基づく異常表示を全ての発光素子17a〜17cの同時点滅で行い、タイムアップに基づく異常表示を3個の発光素子17a〜17cの短時間ずつの巡回点灯で行うようにしても良い。
【0076】
以上のような処理により、開動作指示キー11aが操作された場合において、遠隔被操作器20側でそれを正しく受信して開動作が正しく実行された場合には、その開動作中の期間では開発光素子11aが点滅し、何らかの異常や、当該遠隔操作器10からの送信信号が遠隔被操作器20で受信されないような場合には、それに応じた表示がなされる。
【0077】
次に、閉動作指示キー11bが操作されたときの遠隔操作器10での動作を、図6及び図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
制御部12は、閉動作指示キー11bが操作されたときには、図6及び図7に示す処理を開始し、まず、開動作中情報又は閉動作中情報などが内部記憶されているか否かに基づいて、シャッターが現在閉動作可能であるか否かを確認する(ステップ150)。
【0079】
シャッターが閉動作ができない状態にあると、制御部12は、今回の閉動作指示操作を無視し、直ちに、閉動作指示キー11bの操作時の処理を終了する。なお、既に閉動作中又は開動作中によって閉動作指示を受け付けられない場合には、閉発光素子17b又は開発光素子17aが点滅しているので、操作者は、操作が無視された理由を確認できる。
【0080】
閉動作指示キー11bが操作されたとき、シャッターが閉動作が可能な状態にあれば、制御部12は、そのキー11bの操作期間だけ、閉発光素子17bを点灯させると共に(ステップ151)、情報部INFに閉動作の指示情報を含む原送信信号を作成して送信部13に与え(ステップ152)、送信部13に変調処理させて空間に放射させる(ステップ153)。なお、閉発光素子17bの点灯処理と、原送信信号の作成、送信処理とは並行的に実行される。また、今回の原送信信号は、閉動作指示であることを内部記憶する。
【0081】
その送信後、制御部12は、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を受信部16に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19を作動させて受信部16に動作電源を供給させる(ステップ154)。また、制御部12は、内蔵するタイマ2の計時を開始させる(ステップ155)。なお、タイマ2が計時する所定時間は、シャッターが全開放状態から全閉鎖状態に移行するに要する時間より長くなっている。ここで、上述したタイマ1による計時時間と、タイマ2による計時時間とは同じであっても良い。
【0082】
以上のようにして受信可能状態に移行すると、制御部12は、遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられたか否かの確認と(ステップ156)、タイマ2による所定時間の計時終了の確認と(ステップ157)を繰り返し行う。すなわち、所定時間だけの受信監視状態に移行する。
【0083】
遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられると、制御部12は、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致するかを確認する(ステップ158)。一致しない場合には、制御部12は、ステップ156及び157でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。
【0084】
ここでも、識別番号が一致しない原送信信号が、遠隔被操作器20側から与えられた場合に、表示部17に異常表示させるようにしても良い。また、遠隔被操作器20が複数の遠隔操作器10からの指示を受け付けられるものである場合には、識別番号が一致しなくても、ステップ159以降のその情報部INFの解読処理に進むようにしても良い。
【0085】
遠隔被操作器20側から与えられた原送信信号の識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致していると、制御部12は、その原送信信号の情報部INFの情報の内容を判別する(ステップ159)。
【0086】
受信した原送信信号の情報部INFの情報の内容が閉動作開始であると、制御部12は、それが妥当の情報であるか否かを確認する(ステップ160)。例えば、既に閉動作開始が到来していた場合には、妥当でないとする。閉動作開始が妥当でないと、制御部12は、ステップ156及び157でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。一方、閉動作開始が妥当であると、制御部12は、閉動作中という情報を内部記憶すると共に(ステップ161)、閉発光素子11bを点滅させ(ステップ162)、ステップ156及び157でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。
【0087】
また、受信した原送信信号の情報部INFの情報の内容が閉動作終了であると、制御部12は、それが妥当の情報であるか否かを確認する(ステップ163)。例えば、閉動作が開始されていないのに閉動作終了が到来していた場合には、妥当でないとする。閉動作終了が妥当でないと、制御部12は、ステップ156及び157でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。一方、閉動作終了が妥当であると、制御部12は、内部記憶していた閉動作中という情報を消去すると共に(ステップ164)、点滅していた閉発光素子11bを消灯させる(ステップ165)。その後、制御部12は、タイマ2の計時を途中終了(リセット)させ(ステップ166)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ167)。これにより、送信可能状態に復帰する。
【0088】
さらに、遠隔被操作器20からの原送信信号の情報部INFの情報の内容が異常発生であると、制御部12は、内部に異常発生情報を記憶すると共に(ステップ168)、表示部17に異常発生を表示させる(ステップ169)。その後、この場合も、制御部12は、タイマ2の計時を途中終了(リセット)させ(ステップ166)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ167)。
【0089】
なお、閉動作指示に対する遠隔被操作器20からの異常発生応答に基づく異常表示も、例えば、全ての発光素子17a〜17cの同時点滅であっても良く、また、3個の発光素子17a〜17cの点灯を短時間ずつ巡回させる方法であっても良い。さらに、図2とは異なるが、異常発生専用の発光素子を設け、それを点灯させる方法であっても良い。
【0090】
また、閉動作指示に対する遠隔被操作器20からの異常発生応答に基づく異常表示と、開動作指示に対する遠隔被操作器20からの異常発生応答に基づく異常表示とは、同一の表示態様であっても良く、異なる表示態様であっても良い。異なる表示態様としては、例えば、閉動作指示に対する遠隔被操作器20からの異常発生応答に基づく異常表示を、閉発光素子11bの点灯、他の発光素子11a及び11cの点滅で行い、開動作指示に対する遠隔被操作器20からの異常発生応答に基づく異常表示を、開発光素子11aの点灯、他の発光素子11b及び11cの点滅で行うことを挙げることができる。
【0091】
さらにまた、遠隔被操作器20からの原送信信号の情報部INFの情報の内容が開動作開始、開動作終了又は停止であると、制御部12は、ステップ156及び157でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。これは、今回の操作が閉動作の指示に関係するものであるのに、無関係な応答であるためである。
【0092】
なお、情報部INFの情報が開動作開始、開動作終了又は停止である原送信信号が、遠隔被操作器20側から与えられた場合に、表示部17に異常表示させるようにしても良い。
【0093】
制御部12は、タイマ2がタイムアップしたときには、表示部17に異常表示させ(ステップ170)、次に、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させる(ステップ167)。ここで、タイマ2がタイムアップするのは、異常発生の情報や有効な閉動作終了の情報が、タイマ2が計時する所定時間内で遠隔被操作器20側から到来しない場合である。
【0094】
このように遠隔被操作器20側で閉動作が正しく実行されずにタイムアップによって当該遠隔操作器10側で異常を検出した場合の異常表示は、遠隔被操作器20側から異常発生が通知された場合の異常表示と同一態様の表示でも良く、また、区別できるように、異なる表示態様であっても良い。
【0095】
以上のような処理により、閉動作指示キー11bが操作された場合において、遠隔被操作器20側でそれを正しく受信して閉動作が正しく実行された場合には、その閉動作中の期間では閉発光素子11bが点滅し、何らかの異常や、当該遠隔操作器10からの送信信号が遠隔被操作器20で受信されないような場合には、それに応じた表示がなされる。
【0096】
次に、停止動作指示キー11cが操作されたときの遠隔操作器10での動作を、図8及び図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0097】
停止動作指示キー11cが操作されたときには、制御部12は、図8及び図9に示す処理を開始し、まず、図4及び図5に示した開動作指示キー11aが操作されて開始された処理が完了していないか、また、図6及び図7に示した閉動作指示キー11bが操作されて開始された処理が完了していないかを確認する(ステップ200)。
【0098】
図4及び図5に示した処理が継続中の場合、又は、図6及び図7に示した処理が継続中の場合には、それらの処理を途中でも終了させる(ステップ201)。なお、この途中終了処理では、送受信切換部14や電源作動回路19が受信を可能な状態にしていても、送信が可能な状態への復帰を伴う。なお、途中終了でも、表示部17での表示は継続させる。例えば、シャッターの開動作中を示す開発光素子17aの点滅表示が実行されていれば、その点滅表示を継続させ、シャッターの閉動作中を示す閉発光素子17bの点滅表示が実行されていれば、その点滅表示を継続させ、異常発生を示す表示部17の表示が実行されていれば、その異常発生表示を継続させる。
【0099】
また、制御部12は、そのキー11cの操作期間だけ、停止発光素子17cを点灯させると共に(ステップ202)、情報部INFに停止動作の指示情報を含む原送信信号を作成して送信部13に与え(ステップ203)、送信部13に変調処理させて空間に放射させる(ステップ204)。なお、停止発光素子17cの点灯処理と、原送信信号の作成、送信処理とは並行的に実行される。また、今回の原送信信号は、停止動作指示であることを内部記憶する。
【0100】
その送信後、制御部12は、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を受信部16に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19を作動させて受信部16に動作電源を供給させる(ステップ205)。また、制御部12は、内蔵するタイマ3の計時を開始させる(ステップ206)。ここで、タイマ3が計時する所定時間は、遠隔被操作器20側がこの原送信信号を受信してシャッターを停止させ、停止させたことを返信し、その原送信信号が当該遠隔操作器10が受信認識するのに要する最小期間より多少長く選定されている。なお、このタイマ3による計時時間が、上述したタイマ1やタイマ2による計時時間と同じであっても良い。
【0101】
以上のようにして受信し得る状態に移行すると、制御部12は、遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられたか否かの確認と(ステップ207)、タイマ3による所定時間の計時終了の確認と(ステップ208)を繰り返し行う。すなわち、所定時間だけの受信監視状態に移行する。
【0102】
遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられると、制御部12は、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致するかを確認する(ステップ209)。一致しない場合には、制御部12は、ステップ207及び208でなる、所定時間だけの受信監視状態に戻る。
【0103】
ここでも、識別番号が一致しない原送信信号が、遠隔被操作器20側から与えられた場合に、表示部17に異常表示させるようにしても良い。また、遠隔被操作器20が複数の遠隔操作器10からの指示を受け付けられるものである場合には、識別番号が一致しなくても、ステップ210以降のその情報部INFの解読処理に進むようにしても良い。
【0104】
遠隔被操作器20側から与えられた原送信信号の識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致していると、制御部12は、その原送信信号の情報部INFの情報の内容を判別する(ステップ210)。
【0105】
受信した原送信信号の情報部INFの情報内容が停止であると、制御部12は、内部記憶していた開動作中や閉動作中や異常発生などの情報や後述する停止指示の再送回数をクリアし(ステップ211)、その後、開発光素子17aや閉発光素子17bが点滅していてもそれを消灯し、停止発光素子17cを短時間だけ点滅させて停止したことを報知させる(ステップ212)。さらに、制御部12は、タイマ3の計時を途中終了(リセット)させ(ステップ213)、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させ、停止動作指示キー11cの操作から開始された一連の処理を終了する(ステップ214)。
【0106】
停止動作指示に対する遠隔被操作器20からの応答の原送信信号の情報部INFの情報内容が停止以外であるとき、又は、上述したステップ208でタイマ3がタイムアップしたと判断されたときには、制御部12は、再送回数が上限値(例えば2回)になっているか否かを確認する(ステップ215)。
【0107】
再送回数が上限値になっていないと、制御部12は、内部記憶の再送回数を1だけ増加させた後(ステップ216)、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させて(ステップ217)、上述したステップ203に戻って、停止動作に係る原送信信号を再送させる。
【0108】
再送回数の上限値だけの再送を行っても、遠隔被操作器20から停止を内容とする原送信信号が届かない場合には、すなわち、タイムアップ回数と、停止以外の原送信信号の受信回数との和が、再送回数の上限値に達した場合には、制御部12は、表示部17に停止指示に対する異常表示を実行させ(ステップ218)、その後、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19の作動を停止させて受信部16への動作電源の供給も停止させ、停止動作指示キー11cの操作から開始された一連の処理を終了する(ステップ214)。
【0109】
停止指示に対する異常表示も、他の異常表示と同様な態様で行っても良く、また、異なる態様で行っても良い。異なる態様で行う方法としては、例えば、停止発光素子17cを点灯させ、他の発光素子17a及び17bを点滅させることを挙げることができる。
【0110】
以上のような処理により、停止動作指示キー11cが操作された場合において、遠隔被操作器20側でそれを正しく受信して停止動作が正しく実行された場合には、停止発光素子11cが短時間だけ点滅し、停止が実行されない場合には、自動的に停止動作の指示に係る原送信信号を所定回数だけ再送し、それでも停止を実行した応答がない場合には、停止が実行されないことに応じた表示がなされる。
【0111】
次に、第1の実施形態のリモコンシステムにおける遠隔被操作器20での動作を説明する。ここで、図10及び図11が、遠隔被操作器20での動作を示すフローチャートである。
【0112】
遠隔被操作器20の制御部24は、受信部23から、遠隔操作器10が送信した原送信信号の到来を監視しており、原送信信号が与えられると、図10に示す処理を開始する。
【0113】
そしてまず、制御部24は、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔被操作器20に動作指示を出すことが認められている遠隔操作器10に割り当てられている、IDメモリ26に格納されている識別番号に一致するかを確認する(ステップ250)。一致しない場合には、制御部24は、直ちに処理を終了する。
【0114】
遠隔操作器10側から与えられた原送信信号の識別番号IDが、動作指示を出すことが認められている遠隔操作器10の識別番号に一致していると、制御部24は、その原送信信号における情報部INFの情報の内容を判別する(ステップ251)。
【0115】
原送信信号の情報部INFの内容が開動作の指示であると、制御部24は、シャッター状態が開動作の可能な状態か否かを確認する(ステップ252)。既に全開放状態にあるなど、開動作を実行できない状態にあると、制御部12は、直ちに処理を終了する。
【0116】
シャッター状態が開動作の可能な状態であると、制御部24は、シャッター駆動部30に対して開動作を起動すると共に、開動作中であることを内部記憶する(ステップ253)。その後、制御部24は、情報部INFに開動作開始を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ254)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ255)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ256)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ257)、遠隔操作器10からの原送信信号の受信処理を終了する。
【0117】
また、遠隔操作器10からの原送信信号の情報部INFの内容が閉動作の指示であると、制御部24は、シャッター状態が閉動作の可能な状態か否かを確認する(ステップ258)。既に全閉鎖状態にあるなど、閉動作を実行できない状態にあると、制御部12は、直ちに処理を終了する。
【0118】
シャッター状態が閉動作の可能な状態であると、制御部24は、シャッター駆動部30に対して閉動作を起動すると共に、閉動作中であることを内部記憶する(ステップ259)。その後、制御部24は、情報部INFに閉動作開始を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ260)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ255)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ256)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ257)、遠隔操作器10からの原送信信号の受信処理を終了する。
【0119】
さらに、遠隔操作器10からの原送信信号の情報部INFの内容が停止動作の指示であると、制御部24は、シャッター状態が停止動作の可能な状態か否かを確認する(ステップ261)。既に停止状態にあるなど、停止動作を実行できない状態にあると、制御部12は、直ちに処理を終了する。
【0120】
シャッター状態が停止動作の可能な状態であると、制御部24は、シャッター駆動部30に対して停止動作を起動すると共に、停止状態であることを内部記憶する(ステップ262)。その後、制御部24は、情報部INFに停止を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ263)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ255)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ256)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ257)、遠隔操作器10からの原送信信号の受信処理を終了する。
【0121】
開動作によって、シャッターが全開放状態になると、シャッター駆動部30から(例えばモータに関連して設けられている上限リミットスイッチから)、制御部24に全開放状態になったことが通知される。このとき、制御部24は、図11(A)に示す処理を開始する。
【0122】
そしてまず、制御部24は、情報部INFに開動作終了を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ300)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ301)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ302)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ303)、全開放通知に伴う一連の処理を終了する。
【0123】
また、閉動作によって、シャッターが全閉鎖状態になると、シャッター駆動部30から(例えばモータに関連して設けられている下限リミットスイッチから)、制御部24に全閉鎖状態になったことが通知される。このとき、制御部24は、図11(B)に示す処理を開始する。
【0124】
そしてまず、制御部24は、情報部INFに閉動作終了を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ350)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ351)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ352)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ353)、全閉鎖通知に伴う一連の処理を終了する。
【0125】
さらに、開動作中や閉動作中において、障害物検出装置31から検出通知があったときや、シャッター駆動部30から異常通知(例えば、モータの回転数の異常な低下)があったときには、制御部24は、図11(C)に示す処理を開始する。
【0126】
そしてまず、制御部24は、シャッター駆動部30に対し停止を指示する(ステップ400)。その後、制御部24は、情報部INFに異常発生を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成する(ステップ401)。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後(ステップ402)、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる(ステップ403)。最後に、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻し(ステップ404)、異常に係る通知に伴う一連の処理を終了する。
【0127】
次に、開動作指示キー11aが操作された場合におけるリモコンシステム1の全体の処理の流れを簡単に説明する。
【0128】
遠隔操作器10において、開動作指示キー11aが操作されると、開動作を指示できることを確認し、キー11aの操作期間だけ、開発光素子17aを点灯させ、その後、開動作を指示する原送信信号を組み立てて遠隔被操作器20に送信する。送信後には、受信可能状態にする。
【0129】
遠隔被操作器20においては、このようにして送信された開動作を指示する原送信信号が与えられると、挿入されている識別番号IDに基づいて自己に指示を出せる遠隔操作器10からの信号であること、現在開動作できる状態にあることを確認した後、シャッター駆動部30に対し開動作を起動し、開動作開始を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に返送し、返送後、受信可能状態に戻す。
【0130】
遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び開動作開始を含む原送信信号を受信すると、開発光素子17aを点滅させて開動作中を操作者に通知する。このときには、受信可能状態を継続する。
【0131】
遠隔被操作器20は、シャッター駆動部30に対し開動作を起動した後は、シャッター駆動部30側からの全閉鎖状態の通知を待ち受けており、その通知を受けると、開動作終了を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に送信し、送信後、受信可能状態に戻す。
【0132】
遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び開動作終了を含む原送信信号を受信すると、開発光素子17aを点滅から消灯に変化させ、送信可能状態に戻す。
【0133】
以上は、シャッターの開動作が正しくなされた場合であるが、開動作中などにおいて、障害物検出装置31が検出動作したり、開動作を実行しているシャッター駆動部30が異常を検出したときには、開動作開始を遠隔操作器10に返送していても、遠隔被操作器20は、異常発生を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に送信し、送信後、受信可能状態に戻す。
【0134】
このとき、遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び異常発生を含む原送信信号を受信すると、異常発生表示を表示部17に実行させ、送信可能状態に戻す。これにより、操作者は、シャッター側での異常発生を認識することができる。
【0135】
次に、閉動作指示キー11bが操作された場合におけるリモコンシステム1の全体の処理の流れを簡単に説明する。
【0136】
遠隔操作器10において、閉動作指示キー11bが操作されると、閉動作を指示できることを確認し、キー11bの操作期間だけ、閉発光素子17bを点灯させ、その後、閉動作を指示する原送信信号を組み立てて遠隔被操作器20に送信する。送信後には、受信可能状態にする。
【0137】
遠隔被操作器20においては、このようにして送信された閉動作を指示する原送信信号が与えられると、挿入されている識別番号IDに基づいて自己に指示を出せる遠隔操作器10からの信号であること、現在閉動作できる状態にあることを確認した後、シャッター駆動部30に対し閉動作を起動し、閉動作開始を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に返送し、返送後、受信可能状態に戻す。
【0138】
遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び閉動作開始を含む原送信信号を受信すると、閉発光素子17bを点滅させて閉動作中を操作者に通知する。このときには、受信可能状態を継続する。
【0139】
遠隔被操作器20は、シャッター駆動部30に対し閉動作を起動した後は、シャッター駆動部30側からの全開放状態の通知を待ち受けており、その通知を受けると、閉動作終了を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に送信し、送信後、受信可能状態に戻す。
【0140】
遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び閉動作終了を含む原送信信号を受信すると、閉発光素子17bを点滅から消灯に変化させ、送信可能状態に戻す。
【0141】
以上は、シャッターの閉動作が正しくなされた場合であるが、閉動作中などにおいて、障害物検出装置31が検出動作したり、閉動作を実行しているシャッター駆動部30が異常を検出したときには、閉動作開始を遠隔操作器10に返送していても、遠隔被操作器20は、異常発生を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に送信し、送信後、受信可能状態に戻す。
【0142】
このとき、遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び異常発生を含む原送信信号を受信すると、表示部17に異常発生表示を実行させ、送信可能状態に戻す。これにより、操作者は、シャッター側での異常発生を認識することができる。
【0143】
次に、停止動作指示キー11cが操作された場合におけるリモコンシステム1の全体の処理の流れを簡単に説明する。
【0144】
遠隔操作器10において、停止動作指示キー11cが操作されたときには、シャッターの現状を確認せず、また、開動作や閉動作に応じた処理を行っていてもそれを途中で終了する。そして、キー11cの操作期間だけ、停止発光素子17cを点灯させ、その後、停止動作を指示する原送信信号を組み立てて遠隔被操作器20に送信する。送信後には、受信可能状態にする。
【0145】
遠隔被操作器20においては、このようにして送信された停止動作を指示する原送信信号が与えられると、挿入されている識別番号IDに基づいて自己に指示を出せる遠隔操作器10からの信号であること、現在停止動作できる状態にあることを確認した後、シャッター駆動部30に対し停止動作させ、停止を内容とする原送信信号を組み立て、受信可能状態から送信可能状態への切換を行って、遠隔操作器10に返送し、返送後、受信可能状態に戻す。
【0146】
遠隔操作器10においては、自己の識別番号及び停止を含む原送信信号を受信すると、停止発光素子17cを所定時間だけ点滅させて停止が実行されたことを操作者に通知する。このときには、送信可能状態に戻す。
【0147】
遠隔操作器10は、以上のように、遠隔被操作器20からの停止応答を待っているが、停止応答が与えられないときは、停止を内容とする原送信信号を自動的に再送する。所定回数の再送でも、遠隔被操作器20から停止応答がなければ、表示部17によって停止異常を表示させる。これにより、操作者はシャッター位置に向かうであろう。
【0148】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態のリモコンシステム1によれば、遠隔操作器10に受信機能を設け、遠隔被操作器20に送信機能を設けたので、シャッター動作やシャッター状態に関する情報を遠隔被操作器20から遠隔操作器10に与えることができる。
【0149】
ここで、遠隔操作器10において、遠隔被操作器20からの情報に応じて表示部17に表示動作させるので、操作者がシャッターの見えない場所にいたとしても、シャッター動作やシャッター状態を操作者が知ることができる。遠隔被操作器20からの情報として、異常発生もあるので、操作者は、異常発生時に迅速な対応がとれる。
【0150】
また、第1の実施形態のリモコンシステム1によれば、遠隔操作器10に受信機能を設けているが、受信部16の電源供給は、遠隔被操作器20に対して指示を送信してから所定時間以内としたので、遠隔操作器10での電源部18の消費電力を押さえることができる。その結果、仮に、電源部18として、充電機能を有しない電池を適用していたとしても、長期使用が可能である。
【0151】
さらに、第1の実施形態のリモコンシステム1によれば、開動作指示や閉動作指示より、遠隔被操作器20に伝送することの確度が高い停止指示に対しては、遠隔操作器10が自動的に再送するようにしたので、シャッターの停止をより確実に実行させることができる。
【0152】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、遠隔操作器及び遠隔被操作器を、シャッターのリモコンシステムに適用した第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。なお、この第2の実施形態の場合も、シャッター動作を遠隔操作器だけが指示できるシャッター装置を意図している。
【0153】
図12は、第2の実施形態のリモコンシステム1Aの全体構成を示すブロック図であり、上述した図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
【0154】
上述した第1の実施形態のリモコンシステム1は、上り方向の無線周波数と下り方向の無線周波数とが同一周波数である場合に有効なものである。なお、時分割で上り方向の通信と下り方向の通信とを切り分けているいわゆるピンポン伝送であるので、上り方向の無線周波数と下り方向の無線周波数とが異なっていても良い。
【0155】
この第2の実施形態のリモコンシステム1Aは、上り方向の無線周波数と下り方向の無線周波数とが異なる場合に好適なものである。
【0156】
図12に示すように、第2の実施形態の遠隔操作器10Aにおいて、送信部13は送信アンテナ15Sに直接接続されており、また、受信部16は受信アンテナ15Rに直接接続されている。すなわち、第1の実施形態においては、アンテナは送受共用であったが、この第2の実施形態の遠隔操作器10Aでは送信用及び受信用で別個に設けており、そのため、送受信切換部を省略している。
【0157】
同様に、第2の実施形態の遠隔被操作器20Aにおいて、送信部25は送信アンテナ21Sに直接接続されており、また、受信部23は受信アンテナ21Rに直接接続されている。すなわち、第1の実施形態においては、アンテナは送受共用であったが、この第2の実施形態の遠隔被操作器20Aでは送信用及び受信用で別個に設けており、そのため、送受信切換部を省略している。
【0158】
このように、送信及び受信のハードウェア構成は、第1の実施形態と同様であるが、遠隔操作器10Aから遠隔被操作器20Aへのシャッター動作の指示のための通信処理や、遠隔被操作器20Aから遠隔操作器10Aへの指示に対する応答の通信処理は、送受信切換部への切換処理を除けば、第1の実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
【0159】
この第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。これに加えて、第2の実施形態によれば、遠隔操作器10Aや遠隔被操作器20Aにおいて、送受信切換部を制御しないで済むという効果をも奏する。
【0160】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、遠隔操作器及び遠隔被操作器を、シャッターのリモコンシステムに適用した第3の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0161】
図13は、第3の実施形態の遠隔操作器10Bの表面(操作パネル面)を示す平面図であり、上述した図2との同一、対応部分には、同一符号を付して示している。
【0162】
この第3の実施形態の遠隔操作器10Bの表面10Fには、第1の実施形態と同様に、シャッターの開動作(OPEN)、閉動作(CLOSE)及び停止動作(STOP)を指示するためのキー11a〜11cと、これらのキー11a〜11cに関連して、開発光素子(例えばLED)17a、閉発光素子17b、停止発光素子17cが設けられている。これに加えて、シャッターの状態や動作を確認することを指示する確認(STATE)指示キー11dが設けられている。
【0163】
なお、ハードウェア的には、確認指示キー11dが設けられている点を除けば、第1の実施形態と同様である(図1参照)。
【0164】
開動作指示キー11a、閉動作指示キー11b及び停止動作指示キー11cが操作された際の遠隔操作器10B及び遠隔被操作器20B(第3の実施形態の遠隔被操作器の符号を20Bとする)の動作は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0165】
フローチャートの図示は省略するが、次に、確認指示キー11dが操作された際の遠隔操作器10B及び遠隔被操作器20Bの動作を説明する。
【0166】
遠隔操作器10Bの制御部12は、確認指示キー11dが操作されたときには、そのキーの操作期間だけ、3種類の発光素子17a〜17cを点灯させると共に、情報部INFに確認の指示情報を含む原送信信号を作成して送信部13に与え、送信部13に変調処理させて空間に放射させる。その送信後、制御部12は、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を受信部16に接続させるように切り換えさせると共に、電源作動回路19を作動させて受信部16に動作電源を供給させる。また、制御部12は、内蔵するタイマ4の計時を開始させる。なお、タイマ4が計時する所定時間は、確認指示に対する遠隔被操作器20Bからの応答の原送信信号を受信するに十分な時間になっている。
【0167】
遠隔被操作器20Bの制御部24は、受信部23から原送信信号が与えられると、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔被操作器20Bに動作指示を出すことが認められている遠隔操作器10Bに割り当てられている、IDメモリ26に格納されている識別番号に一致するかを確認した後、その原送信信号における情報部INFの情報の内容を判別する。
【0168】
ここでの判別結果が確認指示であるので、制御部24は、内部記憶した情報に基づき、シャッター状態又はシャッター動作の現状を確認する。その後、制御部24は、情報部INFにシャッターの現状情報を含む遠隔操作器10宛の原送信信号を作成し、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と送信部25とを接続させるように切り換えた後、作成した原送信信号を送信部25に与え、送信部25に変調処理させて空間に放射させる。そして、制御部24は、送受信切換部22を、送受共用アンテナ21と受信部23とを接続させるように戻す。
【0169】
例えば、現状情報の種類としては、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(停止状態)」、「開放動作中」、「閉鎖動作中」及び「異常発生」とする。
【0170】
遠隔操作器10Bの制御部12は、上述したように、確認指示に係る原送信信号を送信して、受信し得る状態に移行すると、遠隔被操作器20が送信した原送信信号が受信部16から与えられたか否かの確認と、タイマ4による所定時間の計時終了の確認とを繰り返し行う。
【0171】
そして、タイマ4による所定時間以内に、遠隔被操作器20Bが送信した原送信信号が受信部16から与えられると、制御部12は、その原送信信号における識別番号IDが、当該遠隔操作器10に割り当てられている識別番号に一致することを確認した後、その原送信信号の情報部INFに挿入されているシャッター現状情報の内容を判別する。そして、制御部12は、その現状情報の内容に応じた表示を表示部17に所定時間だけ実行させた後、送受信切換部14を、送受信共用アンテナ15を送信部13に接続させるように戻す。
【0172】
この際の表示を、例えば、以下のように行う。原送信信号での現状情報が全開放状態であれば、開発光素子17aを点灯させる。原送信信号での現状情報が全閉鎖状態であれば、閉発光素子17bを点灯させる。原送信信号での現状情報が一部開放状態(停止状態)であれば、停止発光素子17cを点灯させる。原送信信号での現状情報が開放動作中であれば、開発光素子17aを点滅させる。原送信信号での現状情報が閉鎖動作中であれば、閉発光素子17bを点滅させる。原送信信号での現状情報が異常発生であれば、3個の発光素子17a〜17cを点滅させる。
【0173】
この第3の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0174】
これに加えて、第3の実施形態によれば、遠隔操作器に対する操作者は、必要に応じてシャッターの現状を確認することができる。例えば、1個の遠隔被操作器に対し、指示を発行できる遠隔操作器が複数の場合には、ある遠隔操作器の操作者が認識しているシャッターの現状と実際の現状とが異なることもあり得るが、確認指示で現状を確認し、適切な指示を与えることができる。また、遠隔操作と、シャッター装置側に設けられた操作部に対する手動操作の双方に応じられるシャッター装置においても、ある遠隔操作器の操作者が認識しているシャッターの現状と実際の現状とが異なることもあり得るが、確認指示で現状を確認し、適切な指示を与えることができる。
【0175】
(D)第4の実施形態
次に、本発明による建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、遠隔操作器及び遠隔被操作器を、シャッターのリモコンシステムに適用した第4の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0176】
図14は、この第4の実施形態のリモコンシステム1Cの全体構成を示すブロック図であり、上述した図1との同一、対応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0177】
上述した第1の実施形態は、遠隔操作器10の制御部12がシャッター動作の指示に係る原送信信号の送信を実行させた後、自動的に、遠隔操作器10を受信可能状態にするものであった。
【0178】
この第4の実施形態は、遠隔被操作器20Cが遠隔操作器10Cを受信可能状態にも制御できるようにしたものである。
【0179】
第4の実施形態の遠隔被操作器20Cは、第1の実施形態と同様な構成要素21〜27に加えて、パイロット送信部40及びパイロット送信アンテナ41を備えている。
【0180】
パイロット送信部40は、制御部24からパイロット信号の送信を指示されたときに、パイロット送信アンテナ41からパイロット信号を所定時間だけ空間に放射させるものである。ここで、パイロット信号は、遠隔操作器10Cを受信可能状態に切り換えることを指示する信号である。パイロット信号は、例えば、所定周波数の正弦波信号そのものであり、変調などがなされていないものである。
【0181】
なお、制御部24は、遠隔操作器10Cに何らかの情報(原送信信号)を送信するのに先立って、遠隔操作器10Cにパイロット信号を送信して、遠隔操作器10Cを受信可能状態に切り換えさせる。
【0182】
一方、第4の実施形態の遠隔操作器10Cは、第1の実施形態と同様な構成要素11〜19に加えて、パイロット受信アンテナ42及びパイロット受信部43を備えている。
【0183】
パイロット受信部43は、パイロット受信アンテナ42が捕捉したパイロット信号を認識したときに制御部12に通知するものである。
【0184】
このとき、制御部12は、当該遠隔操作器10Cが送信可能状態にあっても、受信可能状態に切り換える。
【0185】
この第4の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0186】
これに加えて、第4の実施形態によれば、遠隔操作器の基本的な通信可能状態が送信可能状態であっても、遠隔被操作器側から、遠隔操作器を受信可能状態に切り換えることができる。
【0187】
例えば、1個の遠隔被操作器に対し、指示を発行できる遠隔操作器が複数の場合において、ある遠隔操作器の指示に応じて、遠隔被操作器がシャッター駆動部を起動してシャッター状態が変わったとき、指示を発していない遠隔操作器に対し、シャッターの現状を通知することもできるようになる。すなわち、指示を発していない遠隔操作器が送信可能状態であっても、パイロット信号の送信によって受信可能状態に切り換えさせ、その後、シャッターの現状を通知することができる。
【0188】
(E)他の実施形態
上記各実施形態では、上り方向の通信と下り方向の通信とが時分割で行われるものを示したが、同時通信が可能なものであっても良い。
【0189】
また、上記各実施形態では、遠隔操作器において、受信部への電源供給は、受信処理が必要となった期間に限定しているが、常時、受信部へ電源供給を行うようにしても良い。逆に、受信部に対して、常時電源供給を行い、キー操作があったとき以降、所定時間の間だけ送信部に電源供給を行うようにしても良い。さらに、送信部及び受信部の双方共に、送信又は受信が必要になった期間に応じて、限定した期間だけ電源を供給するようにしても良い。
【0190】
また、遠隔操作器の受信部への電源供給の制御も、上記実施形態のものに限定されない。例えば、受信の可能性がある所定時間内で断続的に電源供給のオン、オフを繰り返しても良い。この場合には、遠隔操作器は受信できたことを遠隔被操作器に返信し、遠隔被操作器は、この返信を受信するまで、送信を繰り返す(再送でも良い)ようにしても良い。また、第2の実施形態のようなシステム構成であれば、遠隔操作器が受信部に電源供給しているタイミングで応答を送信することを遠隔被操作器に求めるようにしても良い。
【0191】
遠隔操作器において、受信部が受信可能か否かを表示させるようにしても良い。また、遠隔操作器が受信可能か否か、すなわち、受信部への電源供給がオンかオフかの情報をも遠隔被操作器に与え、遠隔被操作器が遠隔操作器への送信を行っても良いか認識できるようにしても良い。
【0192】
上記実施形態では、遠隔操作器において有効な応答を受信したときには、受信部への電源供給を停止するものを示したが、タイマの計時時間が経過するまでは、電源供給の停止を行わないようにしても良い。
【0193】
さらに、上記各実施形態では、各時点を捉えれば、遠隔操作器及び遠隔被操作器間の1対1の通信の場合を説明したが、遠隔被操作器が複数の遠隔操作器に同報通信を行うものであっても良い。この場合、各遠隔操作器が全て受信可能であることを要するが、この方法としては、第4の実施形態の方法を適用でき、また、各遠隔操作器の受信部に常時電源供給を行う方法を挙げることができる。例えば、シャッター装置に関連して設けられている、操作器(遠隔操作器ではない)の操作でシャッターの現状や動作状態が変わった場合に、全ての遠隔操作器にそのことを通知することは操作者がシャッターの現状などを認識できて好ましい。
【0194】
さらにまた、上記第1の実施形態では、自動再送機能を、停止指示の場合にのみ持たせたものを示したが、他の指示時にも自動再送機能を持たせるようにしても良い。
【0195】
また、上記各実施形態においては、1個の遠隔操作器が指示を与えることができる遠隔被操作器(従ってシャッター装置)が1個のものを示したが、1個の遠隔操作器が複数の遠隔被操作器に指示を与えることができるものであっても良い。この場合には、遠隔操作器及び遠隔被操作器間で授受する信号のフォーマットに、遠隔操作器だけでなく遠隔被操作器をも特定する情報を挿入することを要する。さらに、1個の遠隔被操作器が複数のシャッター装置に共通なものである場合においても、本発明を適用することができる。この場合には、遠隔操作器及び遠隔被操作器間で授受する信号のフォーマットに、遠隔操作器だけでなくシャッター装置をも特定する情報を挿入することを要する。
【0196】
さらにまた、上記各実施形態においては、遠隔操作器が発する指示が「開動作」、「閉動作」及び「停止動作」のものを示したが、これ以外の指示を出すことができるようにしても良い。例えば、全閉鎖状態又は全開放状態などから、排気、換気に必要な部分開放状態への移行を指示する「排気、換気」をも指示できるようにしても良い。また、遠隔被操作器から遠隔操作器への情報も、上記各実施形態のものに限定されない。例えば、単に、指示を受け付けたか否かを返送するようにしても良い。この場合において、受付けできないことを返送するときは、その理由(例えば、識別番号の相違、他の遠隔操作器からの指示で動作中など)をも返送するようにしても良い。同様に、異常理由などを返送するようにしても良い。
【0197】
また、上記各実施形態では、遠隔操作器において、操作者にシャッターの現状などの情報を報知する手段が発光素子であるものを示したが、これに代え、又は、これに加えて、他の報知手段を設けるようにしても良い。例えば、液晶ディスプレイ装置を設け、文字、図形、画像などの表示によって、シャッターの現状などのシャッター情報を報知しても良い。また例えば、ブザーやスピーカ(スピーカの場合には音声合成部も必要)を設けて、異常発生などを、音響、音声報知するようにしても良い。さらに例えば、遠隔操作器全体を振動させる振動部を設け、異常発生などを振動で報知するようにしても良い。なお、表示項目などを、操作者が選択できるようにしても良い。
【0198】
上記各実施形態においては、遠隔操作器は自己が発した指示と矛盾する応答が遠隔被操作器から与えられた場合には、無視するものを示したが、その応答通りの表示を行うようにしても良い。
【0199】
また、上記各実施形態では、遠隔操作器が報知手段(表示部)を備えるものであったが、報知手段(表示部)を備えていなくても良い。例えば、遠隔被操作器からの情報を自動再送を行うか否かにのみ利用するものであっても良い。
【0200】
さらに、上記各実施形態では、本発明をシャッターのリモコンシステムに適用したものを示したが、ドア、窓、オーバーヘッドドアなど一般的に開閉体を制御する建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム(リモコンシステム)に適用するようにしても良い。
【0201】
さらにまた、上記各実施形態では、無線回線での伝送媒体が電波であるものを示したが、赤外線であっても良い。この場合には、アンテナに代え、光電変換部や電光変換部を適用することとなる。
【0202】
【発明の効果】
以上のように、本発明の建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器及び建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器によれば、遠隔被操作器が、開閉体の状態や状態変化などの開閉体情報を1又は複数の遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段を有し、一方、遠隔操作器が、遠隔被操作器から無線送信された開閉体情報を受信する開閉体情報受信手段を有するので、遠隔操作器の操作者が開閉体方向を視認していないとしても、操作者による指示内容に応じた開閉体動作をより確実に実行させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の遠隔操作器の操作パネル面を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態の遠隔操作器及び遠隔被操作器間で授受する信号フォーマットを示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の遠隔操作器での開動作指示に係る処理を示すフローチャート(1)である。
【図5】第1の実施形態の遠隔操作器での開動作指示に係る処理を示すフローチャート(2)である。
【図6】第1の実施形態の遠隔操作器での閉動作指示に係る処理を示すフローチャート(1)である。
【図7】第1の実施形態の遠隔操作器での閉動作指示に係る処理を示すフローチャート(2)である。
【図8】第1の実施形態の遠隔操作器での停止動作指示に係る処理を示すフローチャート(1)である。
【図9】第1の実施形態の遠隔操作器での停止動作指示に係る処理を示すフローチャート(2)である。
【図10】第1の実施形態の遠隔被操作器の処理を示すフローチャート(1)である。
【図11】第1の実施形態の遠隔被操作器の処理を示すフローチャート(2)である。
【図12】第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態の遠隔操作器の操作パネル面を示す平面図である。
【図14】第4の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1A、1C…リモコンシステム。
10、10A、10B、10C…遠隔操作器、
11…操作部、
11a…開動作指示キー、
11b…閉動作指示キー、
11c…停止動作指示キー、
11d…確認指示キー、
12、24…制御部、
13、25…送信部、
14、22…送受信切換部、
15、21…送受共用アンテナ、
16、23…受信部、
17…表示部、
17a…開発光素子、
17b…閉発光素子、
17c…停止発光素子、
19…電源作動回路、
20、20A、20C…遠隔被操作器、
30…シャッター駆動部、
31…障害物検出装置。
Claims (8)
- 開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を遠隔操作器が空間に放射し、遠隔被操作器がその無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システムにおいて、
上記遠隔被操作器は、上記開閉体の開動作を指示する情報を受信し、指示された開動作が正常終了したときに開動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段を有し、
上記遠隔操作器は、
上記遠隔被操作器から無線送信された開動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、
上記開動作を指示する情報を無線送信したときから、開動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する開動作監視用タイマと、
上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、
上記開動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、開動作の終了情報の受信により、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、
上記開動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、
開動作が指示された場合において、開動作処理継続中を管理し、開動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有する
ことを特徴とする建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム。 - 開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を遠隔操作器が空間に放射し、遠隔被操作器がその無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システムにおいて、
上記遠隔被操作器は、上記開閉体の閉動作を指示する情報を受信し、指示された閉動作が正常終了したときに閉動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段を有し、
上記遠隔操作器は、
上記遠隔被操作器から無線送信された閉動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、
上記閉動作を指示する情報を無線送信したときから、閉動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する閉動作監視用タイマと、
上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、
上記閉動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、閉動作の終了情報の受信により、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、
上記閉動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異 常報知を行う報知手段と、
閉動作が指示された場合において、閉動作処理継続中を管理し、閉動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有する
ことを特徴とする建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム。 - 上記遠隔被操作器は、上記遠隔操作器に対してパイロット信号を送信するパイロット信号送信手段を備え、
上記遠隔操作器は、上記パイロット信号の受信期間で上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能にするパイロット信号受信手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物開口部用開閉装置の無線遠隔操作システム。 - 対向する遠隔操作器が空間に放射した、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器において、
上記開閉体の開動作を指示する情報を受信し、指示された開動作が正常終了したときに開動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段と、
対向する上記遠隔操作器を、当該遠隔被操作器からの無線送信信号を有効に受信し得る状態にさせるパイロット信号を上記遠隔操作器に送信するパイロット信号送信手段と
を備えることを特徴とする建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器。 - 対向する遠隔操作器が空間に放射した、開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を受信処理して上記開閉体の状態変更の指示を認識する建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器において、
上記開閉体の閉動作を指示する情報を受信し、指示された閉動作が正常終了したときに閉動作の終了情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信すると共に、上記開閉体の停止動作を指示する情報を受信し、停止起動して停止情報を1又は複数の上記遠隔操作器に無線送信する開閉体情報送信手段と、
対向する上記遠隔操作器を、当該遠隔被操作器からの無線送信信号を有効に受信し得る状態にさせるパイロット信号を上記遠隔操作器に送信するパイロット信号送信手段と
を備えることを特徴とする建物開口部用開閉装置の遠隔被操作器。 - 開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を、遠隔被操作器宛に空間に放射する、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器において、
上記遠隔被操作器から無線送信された開動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、
上記開動作を指示する情報を無線送信したときから、開動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する開動作監視用タイマと、
上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、
上記開動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、開動作の終了情報の受信により、上記開動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、
上記開動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、
開動作が指示された場合において、開動作処理継続中を管理し、開動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記開動作監視用タイマの計時を途 中終了させる停止指示受付判定手段とを有する
ことを特徴とする建物開口部用開閉装置の遠隔操作器。 - 開閉体の開動作、停止動作又は閉動作を指示する情報を含む無線送信信号を、遠隔被操作器宛に空間に放射する、建物開口部用開閉装置の遠隔操作器において、
上記遠隔被操作器から無線送信された閉動作の終了情報又は停止情報を受信する開閉体情報受信手段と、
上記閉動作を指示する情報を無線送信したときから、閉動作の起動から正常終了までに要する期間より長い所定時間を計時する閉動作監視用タイマと、
上記停止動作を指示する情報を無線送信したときから、上記遠隔被操作器において開閉体の停止動作を起動するのに要する期間より長い所定時間を計時する停止動作監視用タイマと、
上記閉動作監視用タイマ又は上記停止動作監視用タイマが計時動作している期間において、上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能し、閉動作の終了情報の受信により、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止すると共に、停止情報の受信により、上記停止動作監視用タイマの計時を途中終了させ、上記開閉体情報受信手段の受信動作を禁止する通信動作制御手段と、
上記閉動作監視用タイマ及び上記停止動作監視用タイマがタイムアップしたときに異常報知を行う報知手段と、
閉動作が指示された場合において、閉動作処理継続中を管理し、閉動作処理継続中において停止動作の指示を受け付け、その受け付け時に、上記閉動作監視用タイマの計時を途中終了させる停止指示受付判定手段とを有する
ことを特徴とする建物開口部用開閉装置の遠隔操作器。 - 上記遠隔被操作器が送信したパイロット信号の受信期間で上記開閉体情報受信手段の受信動作を可能にするパイロット信号受信手段を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の建物開口部用開閉装置の遠隔操作器。
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