JP2007245788A - 液体タンクおよび液体貯留装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部にウォッシャ液を貯留するためのウォッシャタンク10であって、ウォッシャタンク10の上部壁面11には、筒状の注液パイプ20を接続するための接続孔12aを開口形成可能な開口形成面部12が設けられると共に、開口形成面部12に隣接して上部壁面11から上部側方へ向けて膨出形成された袋筒状の膨出部13が設けられ、膨出部13は、その先端部を切除することにより筒状の注液パイプ50を接続するための接続孔13aを開口形成可能である。
【選択図】図5
Description
このようなウォッシャ装置では、注液パイプの形状が異なってもタンクを共用できるようにするため、また、製造上注液パイプをタンクと一体に形成することが困難な場合があるため、別体に形成されたタンクと注液パイプとが接続固定されて形成されている。
注液パイプ220は、その下端部位がウォッシャタンク210に形成された接続孔から内部へ挿入されている。注液パイプ220の下端部位は、グロメット230を介在させてウォッシャタンク210の接続孔に液密的に取付けられている。注液パイプ220の上端には、蓋部222が開閉可能に枢着されている。ウォッシャ液の注入作業時には蓋部222を開けることにより上端部から注液パイプ220を介してウォッシャ液をウォッシャタンク210内に注入することができ、常時は蓋部222を密閉させてウォッシャ液が溢れ出たり、異物が混入したりすることを防止することができる。
そこで、図12の例では、ウォッシャタンク250の上部壁面251から上部側方へ向けて迎えの接続部253が延出形成され、この接続部253に注液パイプ260が接続されている。注液パイプ260の上端部には、蓋部262が取付けられている。接続部253は、円筒状の延出部位であり、注液パイプ260の下端部位がOリング264を介して液密的に挿入固定されている。
このように、例えば、同じ車種であってもグレードの違いによって補機類が追加されたり、バッテリの大きさが大きくなったりすると、タンク容量等の仕様に変更の必要がなくとも、注液パイプの接続性の点から、図11や図12のように異なる形状のタンクを採用しなくてはならなくなる。
このため、タンクの標準化が困難で複数種類のタンクを部品として保有しなければならず、製造コストアップの要因となっていた。
したがって、本発明の液体タンクでは、開口形成面部を孔あけ加工して第1接続孔を形成すれば、液体タンクの上部壁面に注液パイプを直接接続することができ、上面壁部から上部側方へ延出する膨出部の先端部を切除して第2接続孔を形成すれば、膨出部からさらに膨出方向へ延出するように注液パイプを接続することができる。このように、本発明の液体タンクでは、選択的に複数の接続方法で注液パイプを接続することが可能であり、液体タンクの配設状況に応じてこれらを選択して適切な取付状態を確保することができる。これにより、液体タンクを配設スペースの状況にかかわらず共通化して用いることができる。
本発明の液体タンクでは、迎え用の膨出部に注液パイプを接続する場合には、膨出部の先端部を切除することにより注液パイプの下端側を接続可能な第2接続孔を形成することができる。そして、この第2接続孔は液体タンク最外側壁面よりも外側に位置するので、上方から見たときに液体タンクの上部壁面が他の配設部材等によって遮蔽されていても、第2接続孔を他の配設部材等によって遮蔽されない視認可能な位置に配置することができる。これにより、注液パイプを液体タンクへ接続する作業性を向上させることができる。
本発明の液体貯留装置では、迎え用の膨出部に注液パイプを接続する場合には、膨出部の先端部を切除することにより注液パイプの下端側を接続可能な第2接続孔を形成することができる。そして、この第2接続孔は液体タンク最外側壁面よりも外側に位置するので、上方から見たときに液体タンクの上部壁面が他の配設部材等によって遮蔽されていても、第2接続孔を他の配設部材等によって遮蔽されない視認可能な位置に配置することができる。これにより、注液パイプを液体タンクへ接続する作業性を向上させることができる。
このように構成すると、迎え用の膨出部に注液パイプを接続する場合には、膨出部の一定内径寸法部の先端部位を切除することにより、注液パイプの接続部(挿入部)と液密な径寸法関係が得られるようになる。これにより、注液パイプと膨出部とのシール性の確保は勿論のこと、注液パイプの液体タンクへの装着状態のバラツキを防止して安定化させることができる。
このように構成すると、液体タンクが薄肉に形成されていても、シール部材によって注液パイプと第1接続孔との間のシール性を確保することができると共に、注液パイプの装着状態の安定性を向上させることができる。
このように構成すると、注液パイプを第1接続孔または第2接続孔へ取付ける際に、力強く挿入しても、鍔部によって規定される所定の挿入長さ分だけ挿入した状態で注液パイプを取付けることができる。また、鍔部の当接状態を目視等することにより、規定通りの挿入代で取付けられているか否かを容易に確認できる。これにより、注液パイプの高さ位置のバラツキを防止することが可能である。
図1〜図9は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は第1接続状態のウォッシャ装置の正面図、図2は第1接続状態のウォッシャ装置の上面図、図3は第1接続状態のウォッシャ装置の側面図、図4はウォッシャタンクの上部壁面付近の説明図、図5は第1接続状態の注液パイプの取付け状態の説明図である。図6は第2接続状態のウォッシャ装置の正面図、図7は第2接続状態のウォッシャ装置の上面図、図8は第2接続状態のウォッシャ装置の側面図、図9は第2接続状態の注液パイプの取付け状態の説明図である。
図10は本発明の他の実施形態に係る第2接続状態の注液パイプの取付け状態の説明図である。
図1〜図3に示すように、本例の液体貯留装置としてのウォッシャ装置Wは、車両のエンジンルーム内に設置される液体タンクとしてのウォッシャタンク10と、ウォッシャタンク10の上部に接続された注液パイプ20と、ウォッシャタンク10の下部に取付けられたポンプ装置30等を主要構成要素としている。
ウォッシャタンク10は、エンジンルーム内に配設されたときに車両上方に位置する上部壁面11に注液パイプ20の下端部が接続されている。また、ウォッシャタンク10の底部付近の側面10aにはポンプ取付孔(不図示)が穿設され、このポンプ取付孔にポンプ装置30が挿入固定されている。
インペラの回転によって取込口から吸い込まれたウォッシャ液は、ポンプ装置30内のポンプ室で昇圧され、内部通路を通ってバルブ装置32に導かれる。バルブ装置32は、2つの吐出口32a,32bを有しており、吐出口32aにはフロントノズルまで配索されるホース33aが接続され、吐出口32bにはリヤノズルまで配索されるホース33bが接続されている。ホース33a,33bは、ウォッシャタンク10上部までは、ウォッシャタンク10に設けられた複数箇所のホース支持部15に保持され、ウォッシャタンク10の側面に沿わせて配索されている。
すなわち、ポンプ装置30のインペラが正回転した場合には、ウォッシャ液は、吐出口32a,ホース33aを通ってフロントノズルへ導かれ、ウインドシールドへ噴射される。一方、ポンプ装置30のインペラが逆回転した場合には、ウォッシャ液は、吐出口32b,ホース33bを通ってリヤノズルへ導かれ、リヤウインドウへ噴射される。
図4(A),(B)は、それぞれ本例のウォッシャタンク10を側方,上方から見た説明図である。図4のウォッシャタンク10は、注液パイプ20が接続される前の状態を示している。本例のウォッシャタンク10は、上部壁面11に平面状の部位である開口形成面部12と、この開口形成面部12に隣接して上部壁面11から上部側方へ向けて膨出形成された袋筒状の膨出部13が設けられている。膨出部13は、先端部が閉じた状態に膨出形成された、注液パイプ20の接続を迎えるための接続部である。
膨出部13は、その先端部がウォッシャタンク10の側壁面よりも外側に位置するように上部壁面11から斜め上方へ一体に膨出形成されている。この膨出部13は、図4(A)の切除線Lに沿って先端部を切除することにより、注液パイプ20を接続可能な第2接続孔としての接続孔13aを開口形成可能である。
この場合、図5(A)に示すように、上部壁面11の開口形成面部12に所定形状の接続孔12aを穿孔する。そして、接続孔12aに弾性部材で形成された略円筒状のシール部材であるグロメット40を装着する。
グロメット40は、外周面に環状の周回溝41を有しており、この周回溝41を接続孔12aの周縁部に嵌め込むことにより、上部壁面11に取付けられる。また、グロメット40は、パイプ本体21の外径寸法よりも僅かに小径な内径寸法を有する内周面(内周部)42を有している。
抜止部22aが内周面42を通過してウォッシャタンク10内に挿入されると、鍔部22cがグロメット40の上面と当接する。これにより、パイプ本体21は、ウォッシャタンク10内へのそれ以上の挿入が規制される。つまり、鍔部22cは、パイプ本体21をグロメット40内もしくはウォッシャタンク10内へ挿入する挿入代を規定するものである。したがって、エンジンルーム内に取付けられたウォッシャタンク10に注液パイプ20を取付ける作業では、エンジンルーム上方から視認可能なグロメット40に接続部22を押し当て、そのまま挿入していけば自然と挿入長さが規定されるので、取付け作業が容易となる。
また、鍔部22cとグロメット40との当接状態を目視等で確認することにより、規定の挿入代で注液パイプ20が取付けられているか否かを容易に確認することが可能である。
これにより注液パイプ20の装着状態のバラツキの発生を防止することができる。
また、本例では、パイプ本体21にウォッシャタンク10からパイプ本体21を引き抜く方向の外力が掛かった場合には、抜止部22aがグロメット40の下面と当接するため、パイプ本体21がウォッシャタンク10から不用意に引き抜かれてしまうことがないようになっている。
図6〜図8に示すウォッシャ装置Wは、図1〜図3に示したウォッシャ装置Wと異なり、開口形成面部12に形成した接続孔12aに注液パイプ20を接続するのではなく、膨出部13に形成した接続孔13aに注液パイプ50を接続している。
本例では、注液パイプ50は注液パイプ20と異なるものを使用している。注液パイプ50は、エンジンルーム内の他の配設部材の配設状況・配設スペースに応じて適宜選択すればよい。
図9(A)に示すように、注液パイプ50をウォッシャタンク10へ取付けるには、まず、膨出部13の先端部を切除して、接続孔13aを形成する。本例では、膨出部13の先端部位の内周面には、先端部から所定の軸方向長さにわたって内径D1に設定された円筒状の一定内径寸法部13bが形成されている。
膨出部13の一定内径寸法部13bの内径D1は、円筒部52aの外径D2よりも僅かに大径に設定されている。
接続部52が所定長さだけ挿入されるとOリング53が一定内径寸法部13bと当接する。さらに接続部52が挿入されるとOリング53が一定内径寸法部13bと摺接しつつ、鍔部52cによって規定される挿入代(接続部52の先端から鍔部52cまでの長さ)分だけ押し込まれたときに、鍔部52cが接続孔13aの周縁部と当接する。
なお、このとき一定内径寸法部13bの内径が軸方向にわたって略同一なので、Oリング53と一定内径寸法部13bとの当たりの程度が略同一となり、安定してシール性を確保することができると共に、装着状態のバラツキを防止することができる。
なお、上記実施形態においては、膨出部13の(第2)接続孔13aに注液パイプ50を接続する場合、開口形成面部12に(第1)接続孔12aを開口形成せずに膨出部13の先端部を切除して(第2)接続孔13aを形成していたが、開口形成面部12に(第1)接続孔12aが開口形成されたウォッシャタンク10の膨出部13の先端部を切除して(第2)接続孔13aを形成して注液パイプ50を接続し、(第1)接続孔12aには別途閉塞部材を装着して(第1)接続孔12aを液密に閉塞するようにしても良い。
10‥ウォッシャタンク(液体タンク)、10a‥側面、11‥上部壁面、
12‥開口形成面部、12a‥接続孔(第1接続孔)、13‥膨出部、
13a‥接続孔(第2接続孔)、13b‥一定内径寸法部、14‥取付部、
15‥ホース支持部、20‥注液パイプ、21‥パイプ本体、22‥接続部、
22a‥抜止部、22b‥円筒部、22c‥鍔部、25‥補給部、
26‥蓋部、28‥取付部、29‥ホース支持部、30‥ポンプ装置、
32‥バルブ装置、32a,32b‥吐出口、33a,33b‥ホース、
40‥グロメット(シール部材)、41‥周回溝、42‥内周面、
50‥注液パイプ、51‥パイプ本体、52‥接続部、52a‥円筒部、
52b‥周回溝、52c‥鍔部、53‥Oリング、55‥補給部、56‥蓋部、
58‥取付部、152‥接続部、152a‥円筒部、152b‥周回溝、
152c‥鍔部、210‥ウォッシャタンク、211‥上部壁面、
220‥注液パイプ、222‥蓋部、230‥グロメット、
250‥ウォッシャタンク、251‥上部壁面、253‥接続部、
260‥注液パイプ、262‥蓋部、264‥Oリング、
W‥ウォッシャ装置(液体貯留装置)
Claims (8)
- 内部に液体を貯留するための液体タンクであって、
該液体タンクの上部壁面には、筒状の注液パイプを接続するための第1接続孔を開口形成可能な開口形成面部が設けられると共に、該開口形成面部に隣接して前記上部壁面から上部側方へ向けて膨出形成された袋筒状の膨出部が設けられ、
該膨出部は、その先端部を切除することにより筒状の注液パイプを接続するための第2接続孔を開口形成可能であることを特徴とする液体タンク。 - 前記膨出部は、その先端部が前記液体タンクの最外側壁面よりも外側に位置するように前記上部壁面から斜め上方へ一体に膨出形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク。
- 内部に液体を貯留するための液体タンクと、下端側が前記液体タンクに接続され上端側から液体を注入可能な筒状の注液パイプと、を備えた液体貯留装置であって、
前記液体タンクの上部壁面には、前記注液パイプが接続された第1接続孔が開口形成されると共に、該第1接続孔に隣接して前記上部壁面から上部側方へ向けて袋筒状の膨出部が膨出形成され、
該膨出部は、先端部が切除されることにより前記注液パイプを接続可能な第2接続孔が形成可能であることを特徴とする液体貯留装置。 - 前記膨出部は、その先端部が前記液体タンクの側壁面よりも外側に位置するように前記上部壁面から斜め上方へ一体に膨出形成されてなることを特徴とする請求項3に記載の液体貯留装置。
- 前記膨出部には、前記膨出部の延出方向に沿う所定長さにわたって、前記注液パイプの下端部の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有し、前記注液パイプの下端部を挿入固定可能な一定内径寸法部が形成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の液体貯留装置。
- 前記第1接続孔の周縁には、略筒状のシール部材が装着されており、
前記注液パイプは、その下端部が前記シール部材に挿入された状態で該シール部材の内周部に液密に支持されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の液体貯留装置。 - 前記注液パイプの下端部には、その外周面に前記第1接続孔または第2接続孔へ挿入する挿入代を規定するための鍔部が形成されたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の液体貯留装置。
- 前記液体タンクは、車両ウインドウへ供給するためのウォッシャ液を貯留すると共に車両のエンジンルーム内に配置されるウォッシャタンクであり、
前記液体貯留装置は、ウォッシャタンクとして前記液体タンクを備えた車両用ウォッシャ装置であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の液体貯留装置。
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