JP2011173499A - 被覆部材の排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】インレットボックス内に進入した水が車両外板側へ流出することなく、良好な排水性を有し、且つ組み付け性が良好な被覆部材の排水構造の提供。
【解決手段】車両のアウタパネルに設けたインレットボックス20の第1開口26とインナパネル30の第2開口34とを連結する給油管の外周を被覆する被覆部材40の排水構造であって、第1開口周縁に係合する第1固定部41と第2開口周縁に係合する第2固定部42と、第1固定部と第2固定部とを連結し、第1固定部と第2固定部と連結部とを貫通する通水孔44を形成して排水孔部45とし、排水孔部の外周にシールリップ41cを設け、第1開口の最下部に下方に設けた切欠部26aに被覆部材の前記排水孔部を挿通することにより、シールリップをインレットボックスの周壁面22aに当接するよう構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に設けられた給油口を被覆するために設けられる被覆部材の排水構造に関する。
従来、インレットボックスは、その下側周壁面を車両外側下方向に傾斜させて車両外板に取り付けられていた。これは、インレットボックス内へ進入した洗車水や雨水などを車両の外板側に流下させて、内部への水の滞留を防止するためである。しかし、進入した水を外板側へ流下させると車両外板が汚れやすく車両の外観を損ねる可能性があった。
かかる問題を解決するために特許文献1には、図7に示す排水構造が提案されている。図7は、インレットボックスの排水構造100を模式的に示す縦断面図であり、110は車両の外板、120はインレットボックス、130はインナパネル、140は被覆部材、150はリッド、160は燃料給油管である。燃料タンク(図示せず)から延出された給油管160は、車体のインナパネル130に形成された開口を経て、インレットボックス120内に突入している。給油管160の先端側の周囲には、概ね筒状をなす被覆部材140が配設されており、この被覆部材140は給油管160を被覆するとともにインレットボックス120とインナパネル130とに係合している。そして、インレットボックス120の最下底となる位置には、短管状をなすドレン口122が突出して設けられている。このドレン口122は、被覆部材140に形成された貫通孔に貫入しており、その先端をインナパネル130の内側に臨ませている。
これにより、インレットボックス120内に進入した水は、ドレン口122からインナパネル130の内側に排出され、インレットボックス120内に水が滞留することを防止できるわけである。
特開2006−327236号公報
特許文献1の排水構造100では、短管状のドレン口122がインレットボックス120と一体に形成されている。これ故、車両外側面の外観や取付面のシール性を考慮すると、インレットボックス120の金型を、成形されたインレットボックス120がドレン口122の軸方向に抜き出し可能なように設計しなければならず、インレットボックスに関する設計の自由度が制約されることとなる。また、被覆部材140の組み付け性や被覆部材140とドレン口122とのシール性が低下するという課題も残る。
本発明は、このような従来技術の不都合を解消するべくなされたものであり、その主な目的は、インレットボックス内に進入した水が車両の外板側へ流出することなく、良好な排水性を有するとともに、組み付け性が良好な被覆部材の排水構造を提供することである。
本発明の被覆部材の排水構造は、車両のアウタパネルの開口に設けたインレットボックスに形成された第1開口とインナパネルに形成された第2開口とを連結し、該インレットボックス内に位置する給油管の外周を被覆する被覆部材の排水構造であって、被覆部材は、前記第1開口周縁に係合する第1固定部と前記第2開口周縁に係合する第2固定部と、この第1固定部と第2固定部とを連結する連結部と、第1固定部と第2固定部と連結部とを貫通する通水孔を有し径方向に突出して形成された排水孔部とよりなり、前記第1固定部は該第1固定部と連続する前記排水孔部との外周に前記第1開口周縁に当接するシールリップを有し、前記インレットボックスの取付状態において前記第1開口の最下部に下方に突出して設けられた切欠部に前記被覆部材の前記排水孔部を挿通することにより、該シールリップが該インレットボックスの周壁面に当接するようになされていることを特徴とする。
本発明にかかる被覆部材の排水構造によれば、インレットボックスに進入した水は、被覆部材に一体に形成されている排水孔部の通水孔を介してインナパネルの内側に排出される。従って、インレットボックスに進入した水はアウタパネル側に流出することがなく、また、この排水構造によってインレットボックスに関する設計の自由度が制約されることはない。
また、通水孔は被覆部材の径方向に突出して形成された排水孔部を貫通するようにされているので、通水孔の大きさや形状は被覆部材を他部材へ固定する固定部周辺の形状に制約されることがない。従って、排水性を考慮して最適な大きさや形状を有する通水孔を採用することができる。
さらに、第1固定部はこの第1固定部と連続する排水孔部との外周に第1開口周縁に当接するシールリップを有している。そして、インレットボックスの取付状態において第1開口の最下部となる部位には下方に突出して切欠部が設けられている。そして、被覆部材の排水孔部をこの切欠部に挿通して被覆部材をインレットボックスに組み付けた状態では、シールリップはインレットボックスの周壁面に当接するように構成されている。このため、シールリップは第1開口を確実にシールするとともに、進入した水を通水孔に導入することができる。なお、排水孔部は被覆部材に一体に形成されているので、安価な排水構造とすることができる。
また、このような被覆部材の排水構造において、シールリップは、前記インレットボックスの内部に開口する通水孔における入水口の周縁部であり、シールリップの最外周部を頂部として両側に車両内側へ延伸して第1固定部の外周に形成されたこのシールリップの一般部分に連続する徐変部を有することが望ましい。
第1開口の切欠部がインレットボックスの側壁を部分的に切り欠いて形成されている場合には、このシールリップの徐変部が切欠部の三次元形状とされる周縁面を確実にシールすることができる。これ故、さらに安定したシール性を確保することができる。
さらに、本発明の被覆部材の排水構造において、取付状態で最下部となる前記インレットボックスの周壁は、該周壁部の前記排水孔部に近接して該周壁部の一般部よりもさらに下方へ下降する傾斜部を有することが望ましい。
この傾斜部にシールリップの先端が位置するように構成することで、水の滞留を防ぐことができ、より確実な排水性を実現することができる。
本発明の被覆部材の排水構造によれば、良好な排水性を有するとともに、組み付け性が良好な被覆部材の排水構造を提供することがきる。
実施形態に係る被覆部材の排水構造を示す断面模式図である。 実施形態に係る被覆部材の排水構造を説明する一部切欠の部材斜視図である。 実施形態に係る被覆部材の(a)平面図と(b)側面図である。 図3における(a)排水孔部と(b)一般部の部分断面図である。 図1における排水孔部近傍の断面を拡大して示す断面拡大図である。 他の実施形態に係る被覆部材を示す断面図である。 従来技術に係るインレットボックスの排水構造を示す断面模式図である。
以下、本発明の好適な一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の被覆部材の排水構造を模式的に示す断面図であり、図2は、その主要な構成部材を一部切り欠いた斜視図で示したものである。
本実施形態の被覆部材の排水構造1は、車体アウタパネル10の開口12の内周壁に接合されたインレットボックス20とインナパネル(以後、ホイールハウスアウタと称する)30とを接続し、インレットボックス20内に突入している給油管50の外周を被覆する被覆部材40の排水構造である。アウタパネル10の開口12には、車体外側に開閉自在なリッド60が設けられている。
インレットボックス20は、鋼板などの金属やポリプロピレン等の樹脂からなり、有底の略円筒形状とされており、取付状態において最下部となる周壁部22aが車体の外側から内側に向かって下降するように傾斜して開口12の内側に取り付けられている。また、インレットボックス20の底部24には円形の第1開口26が設けられており、この第1開口26には取付状態で最下部となる周壁部22aに臨むように略半円形に第1切欠部26aが形成されている。
ホイールハウスアウタ30には、インレットボックス20の底部24に対向して取付座部32が突設されている。取付座部32には、第1開口26に対応する位置に円形の第2開口34が設けられており、第2開口34には第1切欠部26aに対向する部位に略半円形の第2切欠部36が設けられている。
被覆部材40はNBRとPVCなどよりなる円筒形状のゴム体であり、図3及び図4に示すように、第1開口周縁に係合する第1固定部41と、第2開口周縁に係合する第2固定部42と、この第1固定部41と第2固定部42とを連結する連結部43と、第1固定部41と第2固定部42と連結部43とを貫通する通水孔44を有し径方向に突出して形成された排水孔部45と、第2固定部42に連続して給油管50を挿通する挿通部46とからなる。
図4(b)のA−A部分断面図に示ように、第1固定部41は、インレットボックス20の底部24に設けられた第1開口26の周縁と係合する部分であり、取付状態における外端側には、筒外側に突出する断面略U字状の第1リング保持部41aが設けられている。そして、この第1リング保持部41aに連続して、筒内側に突出する断面略U字状の第1係合部41bが設けられており、第1係合部41bの内部には第1開口26の内周縁が嵌入されるようになっている。第1リング保持部41aの内部には金属製のリング部材R1(図1参照)が保持されるようになっている。このリング部材R1を第1開口26の内縁よりも大径に形成することにより、第1係合部41bは第1開口26の周縁とリング部材R1とによって挟持され、第1リング保持部41aと第1係合部41bとからなる第1固定部41をインレットボックス20の底部24に強固に固定することができる。
また、第1固定部41のうち第1リング保持部41aの突出端には第1係合部41b方向に延びるシールリップ41cが、第1固定部41の全周と排水孔部45の側壁部45aの全周に亘って連続して設けられている。このシールリップ41cは比較的肉厚の薄い部分であり容易に変形できるため、インレットボックス20の底部24と第1固定部41との間を確実にシールすることができる。
第1係合部41bに連続して蛇腹状の連続部43が形成されている。連続部43は径方向に縮径している縮径部43aを備えている。この蛇腹状の連続部43によりインレットボックス20とホイールハウスアウタ30との間の製造誤差や組み付け誤差を吸収して被覆部材40の組み付け作業を容易に行うことができる。
連続部43に続いて第2固定部42が形成されている。第2固定部42は、ホイールハウスアウタ30の取付座部32に設けられた第2開口34の内縁と係合する部分であり、連続部43に隣接して筒内側に突出する断面略U字状の第2係合部42aが設けられている。この第2係合部42aの内部が第2開口34の内縁と係合する部分であり、第2開口34の内縁を第2係合部42aの内部に嵌入することで、第2固定部42が取付座部32に係合される。
また、第2係合部42aに連続して筒外側に突出する断面略U字状の第2リング保持部42bが設けられている。第2リング保持部42bの内部には金属製のリング部材R2(図1参照)が保持されるようになっている。このリング部材R2を第2開口34の内縁よりも大径に形成することにより、第2係合部42aは第2開口34の周縁とリング部材R2とによって挟持され、第2係合部42aと第2リング保持部42bとからなる第2固定部42をホイールハウスアウタ30の取付座部32に強固に固定することができる。
第2固定部42のうち第2リング保持部42bの突出端には第2係合部42a方向に延びるシールリップ42cが、第2固定部42の全周と排水孔部45の側壁部45aの全周に亘って連続して設けられている。このシールリップ42cは比較的肉厚の薄い部分であり容易に変形できるため、ホイールハウスアウタ30の取付座部32と第2固定部42との間を確実にシールすることができる。
第2固定部42の第2リング保持部42bに連続して給油管50を挿通する挿通部46が設けられている。挿通部46は、部分的に径方向に縮径している縮径部をもつ蛇腹部46aと、この蛇腹部46aに連続する径方向内側に向けて立壁状に延びた開口部46bとからなる。開口部46bの開口周縁は厚肉に形成されており給油管50の外周に弾接するように形成されている。
排水孔部45は、第1固定部41と連結部43及び第2固定部42の側壁に連結するとともに径方向に突出して形成されている。排水孔部45は、図4(a)のA−A部分断面図に示すように、進入した水を流出する通水孔44とこの通水孔44を区画する側壁部45aとからなる。通水孔44は、インレットボックス20の内側に開口する入水口44aを有し、排水孔部45を貫通してホイールハウスアウタ30の内側に排水口44bを開口している。
このように構成された被覆部材40の第1固定部41をインレットボックス20の第1開口26に係合して被覆部材40をインレットボックス20に組み付けた状態では、シールリップ41cは第1切欠部26aの周縁に沿って第1開口26をシールする。第1切欠部26aは、その下端部が下方に突出する取付状態で最下部となる周壁部22aに臨むように設けられているので、シールリップ41cの先端41fは周壁部22aの表面に当接して良好なシール性を保持することができる。
本実施形態において、シールリップ41cは、入水口44aの周縁部であり、シールリップ41cの最外周部を頂部として、両側に緩やかに車両内側に変化して、第1リング保持部41aの外周に形成された一般部分に連続する徐変部41gを有している。本実施形態では、第1切欠部26aがインレットボックス20の取付状態で最下部となる周壁部22aを部分的に切り欠いて(すなわち、第1切欠部26aの外周部が投影的に底部24から突出して)形成されているので、シールリップ41cの徐変部41gは第1切欠部26aの三次元形状とされる周縁面を確実にシールすることが可能であり、さらに安定したシール性を確保することができる。
インレットボックス20が車両アウタパネル10に接合された取付状態において、インレットボックス20の最下部となる周壁部22aは車両外側から内側に向かって下降するようにされている。これ故、インレットボックス20内に進入した洗車水や雨水などは、周壁部22aに集合して被覆部材40側へ流下する。そして、シールリップ41cに誘導されて入水口44aから通水孔44に流入し、排水口44bからホイールハウスアウタ30の内側(例えば、ホイールハウス内)へ排水される。通水孔44はほぼ直管状に形成されているので、進入した洗車水や雨水などがインレットボックス20内に滞留することはない。
ここで、図5に示すように取付状態で最下部となる周壁部22aにおける排水孔部45に近接して取付状態で最下部となる周壁部22aの一般部よりもさらに下方へ降下する傾斜部22bを設けるとよい。そして、先端部41fが傾斜部22bに位置するようにシールリップ41cを配置することで、排水構造1の排水性をさらに高めることができる。
以上のように本実施形態おいては、排水孔部45は被覆部材40の外周に突出して設けられるので、通水孔44の大きさは被覆部材の他部材との固定部の形状によって制約を受けることはない。従って、インレットボックス20へ組み付け可能な範囲で大きな入水口44aを有する排水性の良好な排水孔部45とすることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することができる。例えば、上記の実施形態では、被覆部材40を連結部43に縮径部43aを有する蛇腹形状としたが、図6に示すように拡径部73aを有する蛇腹状の連結部73を備える被覆部材70としてもよい。このように構成することで組み付け作業性をさらに向上させることが期待できる。さらに、排水孔部75側にも拡径部73aを有する構成とすることで、組み付け作業性をさらに向上させることができる。
本発明は、車両に設けられた給油口付近を被覆しインレットボックス内に進入した水などが滞留することを防止する被覆部材の排水構造に好適に用いることができる。
10:アウタパネル 20:インレットボックス 22:周壁 24:底部 26:第1開口 26a:第1切欠部 30:ホイールハウスアウタ 32:取付座部 34:第2開口 36:第2切欠部 40:被覆部材 41:第1固定部 41c:第1シールリップ 42:第2固定部 43:連結部 44:通水孔 45:排水孔部

Claims (3)

  1. 車両のアウタパネルの開口に設けたインレットボックスに形成された第1開口とインナパネルに形成された第2開口とを連結し、該インレットボックス内に位置する給油管の外周を被覆する被覆部材の排水構造であって、
    前記被覆部材は、前記第1開口周縁に係合する第1固定部と前記第2開口周縁に係合する第2固定部と、該第1固定部と該第2固定部とを連結する連結部と、該第1固定部と該第2固定部と該連結部とを貫通する通水孔を有し径方向に突出して形成される排水孔部とよりなり、
    前記第1固定部は該第1固定部と連続する前記排水孔部との外周に前記第1開口周縁に当接するシールリップを有し、前記インレットボックスの取付状態において前記第1開口の最下部に下方に突出して設けられた切欠部に前記被覆部材の前記排水孔部を挿通することにより、該シールリップが該インレットボックスの周壁面に当接するようになされていることを特徴とする被覆部材の排水構造。
  2. 前記シールリップは、前記インレットボックスの内部に開口する前記通水孔の入水口の周縁部であり、該シールリップの最外周部を頂部として両側に車両内側へ延伸して前記第1固定部の外周に形成された該シールリップの一般部分に連続する徐変部を有する請求項1に記載の被覆部材の排水構造。
  3. 取付状態で最下部となる前記インレットボックスの周壁部は、前記排水孔部に近接して該周壁部の一般部よりもさらに下方へ降下する傾斜部を有する請求項1又は2に記載の被覆部材の排水構造。
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