JP2007224303A - ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用 - Google Patents

ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2007224303A
JP2007224303A JP2007041079A JP2007041079A JP2007224303A JP 2007224303 A JP2007224303 A JP 2007224303A JP 2007041079 A JP2007041079 A JP 2007041079A JP 2007041079 A JP2007041079 A JP 2007041079A JP 2007224303 A JP2007224303 A JP 2007224303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl
catalyst
aryl
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007041079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007224303A5 (ja
JP5618455B2 (ja
Inventor
Werner Obrecht
ヴェルナー・オブレヒト
Christopher Ong
クリストファー・オング
Julia Maria Mueller
ユリア・マリア・ミューラー
Oskar Prof Dr Nuyken
オスカル・ヌイケン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lanxess Deutschland GmbH
Original Assignee
Lanxess Deutschland GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lanxess Deutschland GmbH filed Critical Lanxess Deutschland GmbH
Publication of JP2007224303A publication Critical patent/JP2007224303A/ja
Publication of JP2007224303A5 publication Critical patent/JP2007224303A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5618455B2 publication Critical patent/JP5618455B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/16Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing coordination complexes
    • B01J31/22Organic complexes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/02Hydrogenation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/38Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
    • B01J23/40Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals of the platinum group metals
    • B01J23/46Ruthenium, rhodium, osmium or iridium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/02Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/08Depolymerisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C2019/09Metathese

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用を提供する。
【解決手段】特定の触媒を使用することにより、増大された活性を用いてニトリルゴムのメタセシス分解を行うことが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニトリルゴムのメタセシス分解のための特定の触媒の使用に関する。
ニトリルゴムという用語は、略して「NBR」ともいわれ、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリルと、少なくとも1種の共役ジエンと、所望により1種以上のさらなる共重合性モノマーと、のコポリマーまたはターポリマーであるゴムを意味する。
水素化ニトリルゴムとは、略して「HNBR」ともいわれ、ニトリルゴムの水素化により製造されるものである。したがって、共重合ジエン単位のC=C二重結合は、HNBRでは完全水素化または部分水素化されている。共重合ジエン単位の水素化度は、通常、50〜100%の範囲内である。
水素化ニトリルゴムは、非常に良好な耐熱性、優れた耐オゾン性および耐薬品性、さらには優れた耐油性を有する特殊ゴムである。
HNBRの上述の物理的性質および化学的性質は、非常に良好な機械的性質、特に高い耐摩耗性に関連する。このため、HNBRは、さまざまな用途で広く使用されてきた。HNBRは、たとえば、自動車分野では、シール、ホース、ベルト、およびクランプエレメントとして、また石油採取分野では、ステーター、油井シール、およびバルブシールとして、さらには航空機産業、電子産業、機械産業、および造船産業では、多数の部品として、使用される。
市販のHNBRグレード品は、通常、55〜105の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有し、これは、約200,000〜500,000の範囲内の重量平均分子量M(測定方法:等価ポリスチレンに対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))に対応する。この際に測定される多分散指数PDI(PDI=M/M、ただし、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である)は、分子量分布の幅に関する情報を与え、ほとんどの場合、3以上である。残留二重結合含有率は、通常、1〜18%の範囲内である(IR分光法により測定)。
HNBRの加工性は、ムーニー粘度が比較的高いことに起因して厳しい制約を受ける。多くの用途では、より低い分子量ひいてはより低いムーニー粘度を有するHNBRグレード品を得ることが望ましいであろう。これにより加工性は間違いなく向上するであろう。
分解によりHNBRの鎖長を短くしようとする多くの試みがこれまでになされてきた。たとえば、ロールミルやスクリュー装置などにかけて熱機械的処理(素練り)を施すことにより分子量を減少させることが可能である(特許文献1)。しかしながら、この熱機械的分解には、ヒドロキシル基、ケト基、カルボキシル基、およびエステル基のような官能基が、部分酸化の結果として分子中に組み込まれたり、それに加えてポリマーのマイクロ構造が実質的に改変されたりするという欠点がある。
55未満の範囲のムーニー粘度(ML1+4@100℃)あるいは約200,000g/mol未満の数平均分子量Mに対応する低分子量を有するHNBRの調製は、長い間、従来の生成方法では不可能であった。その理由は、第1に、NBRの水素化時にムーニー粘度の急激な増加が起こることであり、第2に、水素化に使用されるNBR供給原料のモル質量を意のままに低減させることができないため、生成物の粘着性が強くなりすぎて利用可能な工業プラントではもはや後処理を行うことができないことである。困難を伴うことなく既設の工業プラントで処理しうるNBR供給原料の最低ムーニー粘度は、約30ムーニー単位(ML1+4@100℃)である。そのようなNBR供給原料を用いて得られる水素化ニトリルゴムのムーニー粘度は、55ムーニー単位(ML1+4@100℃)程度である。
より最近の先行技術では、この問題は、30ムーニー単位未満のムーニー粘度(ML1+4@100℃)またはM<70,000g/molの数平均分子量になるように水素化前のニトリルゴムの分子量を分解により減少させることにより解決される。この場合、分子量の減少は、通常、低分子量1−オレフィンを添加してメタセシスにより達成される。メタセシス反応は、有利には、水素化反応と同一の溶媒中で行われる(in situ)。このようにすれば、分解反応が終了した後、後続の水素化に付す前、分解されたNBR供給原料を溶媒から単離する必要はない。極性基に対して、特にニトリル基に対して耐性を有するメタセシス触媒が、メタセシス分解反応を触媒するために使用される。
(特許文献2)および(特許文献3)には、オレフィンメタセシスによるニトリルゴム出発ポリマーの分解および後続の水素化を含む方法が記載されている。この場合、ニトリルゴムは、第1の工程で、コオレフィンと、オスミウム、ルテニウム、モリブデン、またはタングステンの錯体をベースとする特定の触媒と、の存在下で反応され、第2の工程で水素化される。(特許文献3)に係るこの経路により、30,000〜250,000の範囲内の重量平均分子量(M)、3〜50の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)、および2.5未満の多分散指数PDIを有する水素化ニトリルゴムを得ることが可能である。
メタセシス触媒は、特に、(特許文献4)および(特許文献5)から公知である。それらは、以下の原理的構造:
Figure 2007224303
〔式中、Mは、オスミウムまたはルテニウムであり、RおよびRは、広範な構造的多様性を有する有機基であり、XおよびXは、陰イオン性配位子であり、そしてLおよびLは、非荷電電子供与体である〕
を有する。「陰イオン性配位子」という慣用語は、金属中心から切り離して考えたときに閉電子殻を有して常に負に帯電された配位子を記述すべく、そのようなメタセシス触媒に関する文献で使用される。
そのような触媒は、閉環メタセシス(RCM)、交差メタセシス(CM)、および開環メタセシス(ROMP)に好適である。しかしながら、記載の触媒は、ニトリルゴムの分解を行うのに必ずしも好適であるとは限らない。
ニトリルゴムのメタセシスは、「グラブス(Grubbs)(I)触媒」からなる群からのいくつかの触媒を用いて首尾よく実施可能である。好適な触媒は、たとえば、特定の置換パターンを有するルテニウム触媒、たとえば、以下に示される触媒ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドである。
Figure 2007224303
メタセシスおよび水素化の後、ニトリルゴムは、これまで先行技術に従って調製可能であった水素化ニトリルゴムよりも低い分子量さらには狭い分子量分布を有する。
しかしながら、メタセシスを行うために利用されるグラブス(Grubbs)(I)触媒の量は多い。(特許文献6)の実験では、それらは、たとえば、使用されるニトリルゴムを基準にして307ppmおよび61ppmのRuである。また、必要な反応時間は長く、分解後の分子量は依然として比較的高い(M=180,000g/molおよびM=71,000g/molである(特許文献6)の実施例3を参照されたい)。
(特許文献7)には、二モード(バイモーダル)または多モード(マルチモーダル)の分子量分布を有する低分子量HNBRゴムをベースとするブレンド、さらにはこれらのゴムの加硫物が記載されている。メタセシスを行うために、使用されるニトリルゴムを基準にして614ppmのルテニウムに対応する0.5phrのグラブス(Grubbs)I触媒が実施例に従って使用される。
さらに、(特許文献8)には、「グラブス(Grubbs)(II)触媒」として当技術分野で公知の一群の触媒が開示されている。
そのような「グラブス(Grubbs)(II)触媒」、たとえば、[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(フェニルメチレン)ジクロリドをNBRメタセシスに使用するのであれば、これはまた、コオレフィンを用いなくとも首尾よく行われる(特許文献9)。好ましくはin situで行われる後続の水素化の後、水素化ニトリルゴムは、グラブス(Grubbs)(I)型の触媒を使用したときよりも低い分子量および狭い分子量分布(PDI)を有する。したがって、分子量および分子量分布から判断して、メタセシス分解は、グラブス(Grubbs)I型の触媒を使用したときよりもグラブス(Grubbs)II型の触媒を使用したときのほうが効率的に進行する。しかしながら、この効率的なメタセシス分解に必要なルテニウムの量は、依然として比較的多い。また、グラブス(Grubbs)II触媒を用いてメタセシスを行う場合、依然として長い反応時間が必要とされる。
Figure 2007224303
ニトリルゴムのメタセシス分解のための上述の方法のいずれにおいても、所望の低分子量ニトリルゴムを生成するために、比較的多量の触媒を使用しなければならず、かつ長い反応時間が必要である。
EP−A−0419952 WO−A−02/100905 WO−A−02/100941 WO−A−96/04289 WO−A−97/06185 WO−A−03/002613 米国特許出願公開第2004/0127647A1号明細書 WO−A−00/71554 US−A−2004/0132891
したがって、本発明の目的は、ゲル化を伴うことなく、それと同時に現時点で入手可能なメタセシス触媒よりも高い活性で、ニトリルゴムのメタセシス分解を可能にし、ひいては同等の貴金属含有率で反応速度の増加および分解ニトリルゴムの低分子量化を可能にする、触媒を提供することである。
驚くべきことに、この目的は、以下に記された一般式(I)で示される触媒を用いて達成可能である。
本発明は、ニトリルゴムのメタセシスのための、一般式(I)
Figure 2007224303
〔式中、
Mは、ルテニウムまたはオスミウムであり、
Yは、酸素(O)、硫黄(S)、N−R基、またはP−R基であり、ただし、Rは、以下に定義されるとおりであり、
およびXは、同一であるかもしくは異なる配位子であり、
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、またはアルキルスルフィニル基であり、それらはいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよく、
、R、R、およびRは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、有機基、または無機基であり、
は、水素であるか、またはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、もしくはアリール基であり、そして
Lは、配位子である〕
で示される触媒の使用を提供する。
一般式(I)で示される触媒は、原理的には公知である。このクラスの化合物の代表例は、米国特許出願公開第2002/0107138A1号明細書およびAngew.Chem.Int.Ed.,2003年,第42巻,第4592頁にホベイダ(Hoveyda)らにより記載された触媒、ならびにWO−A−2004/035596、Eur.J.Org.Chem.,2003年,第963−966頁、およびAngew.Chem.Int.Ed.,2002年,第41巻,第4038頁にグレーラ(Grela)により、ならびにJ.Org.Chem.,2004年,第69巻,第6894−96頁およびChem.Eur.J.,2004年,第10巻,第777−784頁に記載された触媒である。この触媒は商業的に入手可能であり、または上掲の参照文献に記載されたように調製することができる。
驚くべきことに、一般式(I)で示される構造的特徴を有する触媒を用いてゲル形成を伴うことなくニトリルゴムのメタセシス分解を行うことが可能であり、そのような触媒はさらに、グラブス(Grubbs)II触媒よりも高い活性を示す。
本特許出願の目的で使用される「置換型」という用語は、指定の原子の原子価を超えないことかつ置換により安定な化合物を生じることを条件として、いずれの場合も指定の基のうちの1つにより、指定の基上または原子上の水素原子が置き換えられていることを意味する。
本特許出願および本発明の目的では、一般的用語または好ましい範囲で上記または以下に与えられる基の定義、パラメーター、または説明はすべて、任意の方法で、すなわち、それぞれの範囲および好ましい範囲の組合せを含めて、互いに組み合わせることが可能である。
一般式(I)で示される触媒において、Lは、配位子、通常は、電子供与体機能を有する配位子である。Lは、P(R基でありうる。ただし、基Rは、それぞれ互いに独立して、C〜C−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基、またはアリール基、あるいは置換型もしくは無置換型のイミダゾリジン基(「Im」)である。
〜C−アルキルは、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、またはn−ヘキシルである。
〜C−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを包含する。
アリールは、6〜24個の骨格炭素原子を有する芳香族基を包含する。6〜10個の骨格炭素原子を有する好ましい単環式、二環式、もしくは三環式の炭素環式芳香族基は、たとえば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニルである。
イミダゾリジン基(Im)は、通常、一般式(IIa)または(IIb)
Figure 2007224303
〔式中、
、R、R10、R11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、好ましくはC〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、好ましくはC〜C10−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、好ましくはC〜C10−アルケニル、C〜C20−アルキニル、好ましくはC〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、好ましくはC〜C14−アリール、C〜C20−カルボキシレート、好ましくはC〜C10−カルボキシレート、C〜C20−アルコキシ、好ましくはC〜C10−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、好ましくはC〜C10−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、好ましくはC〜C10−アルキニルオキシ、C〜C20−アリールオキシ、好ましくはC〜C14−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、好ましくはC〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルチオ、好ましくはC〜C10−アルキルチオ、C〜C20−アリールチオ、好ましくはC〜C14−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、好ましくはC〜C10−アルキルスルホニル、C〜C20−アルキルスルホネート、好ましくはC〜C10−アルキルスルホネート、C〜C20−アリールスルホネート、好ましくはC〜C14−アリールスルホネート、またはC〜C20−アルキルスルフィニル、好ましくはC〜C10−アルキルスルフィニルである〕
で示される構造を有する。
基R、R、R10、R11のうちの1つ以上は、互いに独立して、場合により、1個以上の置換基、好ましくは直鎖状もしくは分枝状のC〜C10−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C24−アリールにより置換されていてもよく、さらには、これらの上述の置換基は、好ましくは、ハロゲン、特に塩素または臭素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、およびフェニルよりなる群から選択される1個以上の基により置換されていてもよい。
一般式(I)で示される新規な触媒の好ましい実施形態では、RおよびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C24−アリール、特に好ましくはフェニル、直鎖状もしくは分枝状のC〜C10−アルキル、特に好ましくはプロピルまたはブチルであり、あるいはそれらが結合されている炭素原子を含めて一緒になって、シクロアルキル基またはアリール基を形成し、さらには、上述の基はいずれも、直鎖状もしくは分枝状のC〜C10−アルキル、C〜C10−アルコキシ、C〜C24−アリール、および官能基(ヒドロキシ、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボキシル、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメート、およびハロゲンよりなる群から選択される)よりなる群から選択される1個以上のさらなる基により置換されていてもよい。
新規な触媒の好ましい実施形態では、基R10およびR11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、直鎖状もしくは分枝状のC〜C10−アルキル、特に好ましくはi−プロピルまたはネオペンチル、C〜C10−シクロアルキル、好ましくはアダマンチル、C〜C24−アリール、特に好ましくはフェニル、C〜C10−アルキルスルホネート、特に好ましくはメタンスルホネート、C〜C10−アリールスルホネート、特に好ましくはp−トルエンスルホネートである。
好ましいものとして上述したこれらの基R10およびR11は、場合により、直鎖状もしくは分枝状のC〜C−アルキル、特にメチル、C〜C−アルコキシ、アリール、および官能基(ヒドロキシ、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボキシル、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメート、およびハロゲンよりなる群から選択される)よりなる群から選択される1個以上のさらなる基により置換されていてもよい。
特に、基R10およびR11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、i−プロピル、ネオペンチル、アダマンチル、またはメシチルである。
特に好ましいイミダゾリジン基(Im)は、構造(IIIa〜f)を有する。ただし、Mesは、いずれの場合も、2,4,6−トリメチルフェニル基である。
Figure 2007224303
一般式(I)で示される触媒において、XおよびXは、同一であるかもしくは異なっており、たとえば、水素、ハロゲン、擬ハロゲン、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、C〜C24−アリール、C〜C20−アルコキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルキルジケトネート、C〜C24−アリールジケトネート、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C24−アリールスルホネート、C〜C20−アルキルチオール、C〜C24−アリールチオール、C〜C20−アルキルスルホニル、またはC〜C20−アルキルスルフィニルでありうる。
また、上述の基XおよびXは、1個以上のさらなる基、たとえば、ハロゲン基、好ましくはフッ素基、C〜C10−アルキル基、C〜C10−アルコキシ基、またはC〜C24−アリール基により置換されていてもよく、さらには、場合により、後者の基もまた、ハロゲン、好ましくはフッ素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、およびフェニルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい。
好ましい実施形態では、XおよびXは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、ハロゲン、特にフッ素、塩素、もしくは臭素、ベンゾエート、C〜C−カルボキシレート、C〜C−アルキル、フェノキシ、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオール、C〜C24−アリールチオール、C〜C24−アリール、またはC〜C−アルキルスルホネートである。
特に好ましい実施形態では、XおよびXは、同一であり、それぞれ、ハロゲン、特に塩素、CFCOO、CHCOO、CFHCOO、(CHCO、(CF(CH)CO、(CF)(CHCO、PhO(フェノキシ)、MeO(メトキシ)、EtO(エトキシ)、トシレート(p−CH−C−SO)、メシレート(2,4,6−トリメチルフェニル)、またはCFSO(トリフルオロメタンスルホネート)である。
一般式(I)中、基Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、またはアルキルスルフィニル基であり、それらはいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
基Rは、通常、C〜C30−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルアミノ、C〜C20−アルキルチオ、C〜C24−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、またはC〜C20−アルキルスルフィニル基であり、それらはいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
は、好ましくは、C〜C20−シクロアルキル基、C〜C24−アリール基、または直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル基であり、後者は、場合により、1個以上の二重結合もしくは三重結合または1個以上のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素が介在可能である。Rは、特に好ましくは、直鎖状もしくは分枝状のC〜C12−アルキル基である。
〜C20−シクロアルキル基は、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを包含する。
〜C12−アルキル基は、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、またはn−ドデシルでありうる。特に、Rは、メチルまたはイソプロピルである。
〜C24−アリール基は、6〜24個の骨格炭素原子を有する芳香族基である。6〜10個の骨格炭素原子を有する特に好ましい単環式、二環式、もしくは三環式の炭素環式芳香族基としては、たとえば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントレニル、またはアントラセニルが挙げられうる。
一般式(I)中、基R、R、R、およびRは、同一であるかもしくは異なっており、水素、有機基、または無機基でありうる。
好ましい実施形態では、R、R、R、Rは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、ハロゲン、ニトロ、CF、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、またはアルキルスルフィニルであり、それらはいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
、R、R、Rは、通常、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、ニトロ、CF、C〜C30−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルアミノ、C〜C20−アルキルチオ、C〜C24−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、またはC〜C20−アルキルスルフィニルであり、それらはいずれも、場合により、1個以上のC〜C30−アルキル基、C〜C20−アルコキシ基、ハロゲン基、C〜C24−アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
特に有用な実施形態では、R、R、R、Rは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、ニトロ、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル基またはC〜C20−シクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝状のC〜C20−アルコキシ基、あるいはC〜C24−アリール基、好ましくはフェニルまたはナフチルである。C〜C30−アルキル基およびC〜C20−アルコキシ基は、場合により、1個以上の二重結合もしくは三重結合または1個以上のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素が介在していてもよい。
さらに、脂肪族もしくは芳香族の構造を介して、基R、R、R、またはRのうちの2個以上を架橋させることが可能である。たとえば、RおよびRは、式(I)で示されるフェニル環中でそれらが結合されている炭素原子を含めて、全体としてナフチル構造が生成されるように、縮合フェニル環を形成することが可能である。
一般式(I)中、Rは、水素であるか、またはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、もしくはアリール基である。Rは、好ましくは、水素であるか、またはC〜C30−アルキル基、C〜C20−アルケニル基、C〜C20−アルキニル基、またはC〜C24−アリール基である。Rは、特に好ましくは水素である。
本発明に係る使用に特に好適な触媒は、一般式(IV)
Figure 2007224303
〔式中、
M、L、X、X、R、R、R、R、およびRは、一般式(I)に対して与えられている意味を有する〕
で示される触媒である。
これらの触媒は、原理的には、たとえば、米国特許出願公開第2002/0107138A1号明細書(ホベイダ(Hoveyda)ら)から公知であり、そこに示される調製方法により得ることができる。
特に好ましいのは、一般式(IV)で示される触媒であり、ただし、
Mは、ルテニウムであり、
およびXは、いずれもハロゲン、特にいずれも塩素であり、
は、直鎖状もしくは分枝状のC〜C12−アルキル基であり、
、R、R、Rは、一般式(I)に対して与えられている意味を有し、そして
Lは、一般式(I)に対して与えられている意味を有する。
なかでも特に好ましいのは、一般式(IV)で示される触媒であり、ただし、
Mは、ルテニウムであり、
およびXは、いずれも塩素であり、
は、イソプロピル基であり、
、R、R、Rは、すべて水素であり、そして
Lは、式(IIa)または(IIb)
Figure 2007224303
〔式中、
、R、R10、R11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルチオ、C〜C24−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C24−アリールスルホネート、またはC〜C20−アルキルスルフィニルである〕
で示される置換型もしくは無置換型のイミダゾリジン基である。
一般構造式(IV)に包含されるなかでも特に好ましい触媒は、式(V)
Figure 2007224303
で示されるものであり、文献中では「ホベイダ(Hoveyda)触媒」ともよばれる。
一般構造式(IV)に包含されるさらなる好適な触媒は、式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、および(IXX)で示されるものであり、ただし、Mesは、いずれの場合も、2,4,6−トリメチルフェニル基である。
Figure 2007224303
Figure 2007224303
本発明に係る使用に特に好適なさらなる触媒は、一般式(XIII)
Figure 2007224303
〔式中、
M、L、X、X、R、およびRは、一般式(I)に対して与えられている意味を有し、
基R12は、同一であるかもしくは異なっており、基R、R、R、およびRに対して与えられている意味を有し、ただし、水素は除外され、そして
nは、0、1、2、または3である〕
で示される触媒である。
これらの触媒は、原理的には、たとえば、WO−A−2004/035596(グレーラ(Grela))から公知であり、そこに示される調製方法により得ることができる。
特に好ましいのは、一般式(XIII)で示される触媒であり、ただし、
Mは、ルテニウムであり、
およびXは、いずれもハロゲン、特にいずれも塩素であり、
は、直鎖状もしくは分枝状のC〜C12−アルキル基であり、
12は、一般式(I)に対して与えられている意味を有し、
nは、0、1、2、または3であり、そして
Lは、一般式(I)に対して与えられている意味を有する。
なかでも特に好ましいのは、一般式(XIII)で示される触媒であり、ただし、
Mは、ルテニウムであり、
およびXは、いずれも塩素であり、
は、イソプロピル基であり、
nは、0であり、そして
Lは、式(IIa)または(IIb)
Figure 2007224303
〔式中、
、R、R10、R11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、直鎖状もしくは分枝状の環式もしくは非環式のC〜C30−アルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C20アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルチオ、C〜C24−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C24−アリールスルホネート、またはC〜C20−アルキルスルフィニルである〕
で示される置換型もしくは無置換型のイミダゾリジン基である。
一般式(XIII)に包含される特に好適な触媒は、構造(XIV)
Figure 2007224303
を有し、文献中では「グレーラ(Grela)触媒」ともよばれる。
一般式(XIII)に包含されるさらなる好適な触媒は、構造(XV)
Figure 2007224303
を有する。
他の選択肢の実施形態では、一般式(XVI)
Figure 2007224303
〔式中、
、D、D、およびDは、それぞれ、式(XVI)で示されるケイ素にメチレン基を介して結合される一般式(XVII)
Figure 2007224303
(ここで、
M、L、X、X、R、R、R、R、およびRは、一般式(I)に対して与えられている意味を有するか、またはすべての上述の好ましい実施形態もしくは特に好ましい実施形態に対して与えられている意味を有しうる)
で示される構造を有する〕
で示される樹枝状触媒を使用することも可能である。
一般式(XVI)で示されるような触媒は、米国特許出願公開第2002/0107138A1号明細書から公知であり、そこに与えられている情報に従って調製可能である。
さらなる代替実施形態では、一般式(XVIII)
Figure 2007224303
〔式中、
記号●は、担体を表す〕
で示される触媒を使用することが可能である。
担体は、好ましくは、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)コポリマー(PS−DVB)である。
式(XVIII)で示されるこれらの触媒は、原理的には、Chem.Eur.J.,2004年,第10巻,第777−784頁から公知であり、そこに記載されている調製方法により得ることができる。
式(I)、(IV)〜(XVI)、(XVIII)、および(IXX)で示される上述の触媒はすべて、NBRメタセシスにそのままの状態で使用可能であるか、または固体担体に適用して固定することが可能である。固相または担体として、第1にメタセシスの反応混合物に対して不活性でありかつ第2に触媒の活性を損なわない材料を使用することが可能である。触媒を固定するために、たとえば、金属、ガラス、ポリマー、セラミックス、有機ポリマー球体、または無機ゾルーゲルを使用することが可能である。
すべての上述の一般式および特定の式(I)、(IV)〜(XVI)、(XVIII)、および(IXX)で示される触媒は、ニトリルゴムのメタセシス分解にきわめて好適である。
本発明に係る使用では、ニトリルゴムは、一般式(I)で示される触媒の存在下で、メタセシス反応に付される。
本発明に従ってメタセシスに使用される触媒の量は、特定の触媒の性質および触媒活性に左右される。触媒の使用量は、使用されるニトリルゴムを基準にして、5〜1000ppm、好ましくは5〜500ppm、特に5〜250ppmの貴金属である。
NBRメタセシスは、コオレフィンを用いずにまたはコオレフィンの存在下で実施可能である。これは、好ましくは、直鎖状もしくは分枝状のC〜C16−オレフィンである。好適なコオレフィンは、たとえば、エチレン、プロピレン、イソブテン、スチレン、1−ヘキセン、および1−オクテンである。1−ヘキセンまたは1−オクテンを使用することが好ましい。コオレフィンが液体である場合(たとえば、1−ヘキセンの場合など)、コオレフィンの量は、好ましくは、使用されるニトリルゴムを基準にして0.2〜20重量%の範囲内である。コオレフィンがガスである場合(たとえば、エチレンの場合など)、コオレフィンの量は、1×10Pa〜1×10Paの範囲内で圧力、好ましくは5.2×10Pa〜4×10Paの範囲内の圧力が室温で反応槽内に設定されるように選択される。
メタセシス反応は、使用される触媒を失活させたりさらにはなんらかの他の形で反応に悪影響を及ぼしたりしない好適な溶媒中で実施可能である。好ましい溶媒としては、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、およびシクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましい溶媒は、クロロベンゼンである。場合により、たとえば、1−ヘキセンのときにように、コオレフィン自体が溶媒として機能しうる場合は、さらなる追加の溶媒の添加を省略することも可能である。
メタセシスの反応混合物中のニトリルゴムの使用濃度は、決定的に重要であるというわけではないが、当然ながら、反応混合物の過度に高い粘度およびそれに伴う混合の問題により反応が悪影響を受けることがないように、注意しなければならない。反応混合物中のNBRの濃度は、全反応混合物を基準にして、好ましくは1〜20重量%の範囲内、特に好ましくは5〜15重量%の範囲内である。
メタセシス分解は、通常は10℃〜150℃の範囲内、好ましくは20℃〜100℃の範囲内の温度で行われる。
反応時間は、いくつかの因子、たとえば、NBRのタイプ、触媒のタイプ、使用する触媒濃度、および反応温度に左右される。反応は、典型的には、通常の条件下で3時間以内に終了する。メタセシスの進行は、標準的分析法、たとえば、GPC測定により、または粘度測定により、監視可能である。
ニトリルゴム(「NBR」)として、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および所望により1種以上のさらなる共重合性モノマーの反復単位を含むコポリマーまたはターポリマーを、メタセシス反応で使用することが可能である。
共役ジエンは、任意の性質でありうる。(C〜C)共役ジエンを使用することが好ましい。特に好ましいのは、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ピペリレン、またはそれらの混合物である。なかでも特に好ましいのは、1,3−ブタジエンおよびイソプレンまたはそれらの混合物である。とりわけ好ましいのは、1,3−ブタジエンである。
α,β−不飽和ニトリルとして、任意の公知のα,β−不飽和ニトリル、好ましくは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、またはそれらの混合物などの(C〜C)α,β−不飽和ニトリルを使用することが可能である。特に好ましいのは、アクリロニトリルである。
したがって、特に好ましいニトリルゴムは、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンとのコポリマーである。
共役ジエンおよびα,β−不飽和ニトリルのほかに、当業者に公知の1種以上のさらなる共重合性モノマー、たとえば、α,β−不飽和のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸、それらのエステルまたはアミドを使用することが可能である。α,β−不飽和のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸として好ましいのは、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、およびメタクリル酸である。α,β−不飽和カルボン酸のエステルとして、好ましくは、それらのアルキルエステルおよびアルコキシアルキルエステルを使用する。α,β−不飽和カルボン酸の特に好ましいアルキルエステルは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、およびオクチルアクリレートである。α,β−不飽和カルボン酸の特に好ましいアルコキシアルキルエステルは、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、およびメトキシエチル(メタ)アクリレートである。上述したようなアルキルエステルと、上述したような形態のアルコキシアルキルエステルと、の混合物を使用することも可能である。
使用されるNBRポリマー中の共役ジエンおよびα,β−不飽和ニトリルの割合は、広範囲にわたりさまざまな値をとりうる。共役ジエンまたはその合計の割合は、全ポリマーを基準にして、通常は40〜90重量%の範囲内、好ましくは55〜75重量%の範囲内である。α,β−不飽和ニトリルまたはその合計の割合は、全ポリマーを基準にして、通常10〜60重量%、好ましくは25〜45重量%である。モノマーの割合は、いずれの場合も、合計すると100重量%になる。追加のモノマーは、全ポリマーを基準にして、0〜40重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%の量で存在可能である。この場合、1種もしくは複数種のα,β−不飽和ニトリルおよび/または1種もしくは複数種の共役ジエンの対応する割合は、追加のモノマーの割合と置き換えられ、いずれの場合も、全モノマーの割合は、合計すると100重量%になる。
上述のモノマーの重合によるニトリルゴムの調製については、当業者に十分に公知であり、ポリマーの文献中に広範に記述されている。
また、本発明の目的に使用しうるニトリルゴムは、たとえば、ランクセス・ドイチュランドゲーエムベーハー(Lanxess Deutschland GmbH)からの商品名ペルブナン(Perbunan)(登録商標)およびクリナック(Krynac)(登録商標)の製品系列の製品として市販されている。
メタセシスに使用されるニトリルゴムは、30〜70、好ましくはで30〜50の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する。これは、200,000〜500,000の範囲内、好ましくは200,000〜400、00の範囲内の重量平均分子量Mに対応する。使用されるニトリルゴムはまた、2.0〜6.0の範囲内、好ましくは2.0〜4.0の範囲内の多分散度PDI=M/Mを有する。ただし、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である。
ムーニー粘度の測定は、ASTM規格D1646に準拠して行われる。
本発明のメタセシス法により得られるニトリルゴムは、5〜30、好ましくは5〜20の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する。これは、10,000〜200,000の範囲内、好ましくは10,000〜150,000の範囲内の重量平均分子量Mに対応する。得られるニトリルゴムはまた、1.5〜4.0の範囲内、好ましくは1.7〜3の範囲内の多分散度PDI=M/Mを有する。ただし、Mは数平均分子量である。
本発明のメタセシス分解法の後、得られた分解ニトリルゴムの水素化を行うことが可能である。これは、当業者に公知の方法により実施可能である。
均一系もしくは不均一系の水素化触媒を用いて水素化を行うことが可能である。in situで、すなわち、その前にメタセシス分解もまた行われた同一の反応槽内で、かつ分解ニトリルゴムを単離する必要なしに、水素化を行うことも可能である。水素化触媒は、単に反応槽に添加されるにすぎない。
使用される触媒は、通常、ロジウム、ルテニウム、またはチタンをベースとするが、白金、イリジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、コバルト、または銅を、金属としてまたは好ましくは金属化合物の形態で使用することも可能である(たとえば、US−A−3,700,637、DE−A−2539132、EP−A−0134023、DE−A−3541689、DE−A−3540918、EP−A−0298386、DE−A−3529252、DE−A−3433392、US−A−4,464,515、およびUS−A−4,503,196を参照されたい)。
均一相における水素化に好適な触媒および溶媒は、以下に記載されており、DE−A2539132およびEP−A−0471250から公知である。
選択的水素化は、たとえば、ロジウムまたはルテニウムを含有する触媒の存在下で達成可能である。たとえば、一般式
(R B)MX
〔式中、Mは、ルテニウムまたはロジウムであり、基Rは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、C〜C−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基、C〜C15−アリール基、またはC〜C15−アラルキル基である〕
で示される触媒を使用することが可能である。Bは、リン、ヒ素、硫黄、またはスルホキシド基S=Oであり、Xは、水素または陰イオン、好ましくはハロゲン、特に好ましくは塩素または臭素であり、lは、2、3、または4であり、mは、2または3であり、そしてnは、1、2、または3、好ましくは1または3である。好ましい触媒は、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)クロリド、およびトリス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)クロリド、さらには式((CP)RhHで示されるテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウムヒドリド、およびトリフェニルホスフィンがトリシクロヘキシルホスフィンにより完全にまたは部分的に置き換えられた対応する化合物である。触媒は、少量で利用可能である。ポリマーの重量を基準にして、0.01〜1重量%の範囲内、好ましくは0.03〜0.5重量%の範囲内、特に好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲内の量が好適である。
通常、式R B〔式中、R、m、およびBは、触媒に関連して上記に与えられている意味を有する〕で示される配位子である共触媒と共に触媒を使用することが好適である。好ましくは、mは、3であり、Bは、リンであり、そして基Rは、同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは、トリアルキル基、トリシクロアルキル基、トリアリール基、トリアラルキル基、ジアリール−モノアルキル基、ジアリール−モノシクロアルキル基、ジアルキル−モノアリール基、ジアルキル−モノシクロアルキル基、ジシクロアルキル−モノアリール基、またはジシクロアルキル−モノアリール基を有する共触媒である。
共触媒の例は、たとえば、米国特許第4,631,315号明細書中に見いだしうる。好ましい共触媒は、トリフェニルホスフィンである。好ましくは、共触媒は、水素化されるニトリルゴムの重量を基準にして、0.3〜5重量%の範囲内、好ましくは0.5〜4重量%の範囲内の量で使用される。さらに、ロジウム含有触媒と共触媒との重量比は、好ましくは1:3〜1:55の範囲内、より好ましくは1:5〜1:45の範囲内である。水素化されるニトリルゴム100重量部を基準にして、水素化されるニトリルゴム100重量部あたり、0.1〜33重量部の共触媒、好ましくは0.5〜20重量部、なかでも特に好ましくは1〜5重量部、特に2重量部超かつ5重量部未満の共触媒を使用することが適切である。
この水素化の実際的実施については、米国特許第6,683,136号明細書から当業者に十分に公知である。通常、トルエンまたはモノクロロベンゼンのような溶媒中において、水素化されるニトリルゴムを100〜150℃の範囲内の温度および50〜150barの範囲内の圧力の水素で2〜10時間処理することにより実施される。
本発明の目的では、水素化とは、出発ニトリルゴム中に存在する二重結合を少なくとも50%、好ましくは70〜100%、特に好ましくは80〜100%反応させることである。
不均一系触媒を使用する場合、これらは、通常、炭素、シリカ、炭酸カルシウム、または硫酸バリウムなどに担持されたパラジウムをベースとする担持触媒である。
水素化の終了後、ASTM規格D1646に準拠して測定したときに、10〜50、好ましくは10〜30の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する水素化ニトリルゴムが得られる。これは、2000〜400,000g/molの範囲内、好ましくは20,000〜200,000の範囲内の重量平均分子量Mに対応する。得られる水素化ニトリルゴムはまた、1〜5の範囲内、好ましくは1.5〜3の範囲内の多分散度PDI=M/Mを有する。ただし、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である。
[実施例]
[種々のRu触媒の存在下におけるニトリルゴムのメタセシス分解]
以下の実施例において、いずれの場合も同一量のルテニウムで、一般構造式(I)で示される触媒のメタセシス活性が、グラブス(Grubbs)II触媒を使用したときよりも高いことを示す。
以下の触媒を使用した:
Figure 2007224303
アルドリッチ(Aldrich)から製品番号569755としてホベイダ(Hoveyda)触媒を入手した。
Figure 2007224303
J.Org.Chem.,2004年,第69巻,第6894−6896頁に発表された方法により、グレーラ(Grela)触媒を調製した。
Figure 2007224303
マテリア(パサディナ/カリフォルニア州)(Materia(Pasadena/California))からグラブス(Grubbs)II触媒を入手した。
ランクセス・ドイチュランドゲーエムベーハー(Lanxess Deutschland GmbH)製のニトリルゴムペルブナン(Perbunan)(登録商標)NT3435を用いて、以下に記載の分解反応を行った。このニトリルゴムは、以下の特性を有していた:
アクリロニトリル含有率:35重量%
ムーニー粘度(ML1+4@100℃):34ムーニー単位
残留水分含有率:1.8重量%
:240,000g/mol
:100,000g/mol
PDI(M/M):2.4
以下の本文中では、このニトリルゴムを略してNBRと記す。
[実施されるメタセシス反応の一般的な説明]
いずれの場合も、使用前に蒸留しかつ室温でアルゴンを流すことにより不活性化した293.3gのクロロベンゼン(以下、「MCB」/アルドリッチ(Aldrich)製と記す)を用いて、メタセシス分解を行った。10時間かけて室温で40gのNBRをそれに溶解させた。いずれの場合も、0.8g(2phr)の1−ヘキセンをNBR含有溶液に添加し、混合物を30分間攪拌してそれを均一にした。
以下の表に示される出発原料の量を用いて、室温でメタセシス反応を行った。
いずれの場合も、アルゴン下、室温で、Ru含有触媒を20gのMCBに溶解させた。MCB中のNBR溶液への触媒溶液の添加は、触媒溶液の調製直後に行った。以下の表に示した反応時間の後、いずれの場合も、約5mlを反応溶液から採取し、ただちに約0.2mlのエチルビニールエーテルと混合して反応を停止させ、続いて、5mlのDMAc(アルドリッチ(Aldrich)製のN,N−ジメチルアセトアミド)で希釈した。いずれの場合も、2mlの溶液をGPCボトル中に入れ、DMAcで3mlに希釈した。GPC分析を行う前に、いずれの場合も、テフロン(登録商標)(Teflon)(登録商標)製の0.2μmシリンジフィルター(クロマフィル(Chromafil)PTFE 0.2μm;マッハライ・ナーゲル(Machery−Nagel)製)で溶液を濾過した。続いて、ウォーターズ(Waters)の装置(Mod.510)を用いて、GPC分析を行った。ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)製の4つのカラム:1)PLgel 5μm Mixed−C、300×7.5mm、2) PLgel 5μm Mixed−C、300×7.5mm、3)PLgel 3μm Mixed−E、300×7.5mm、および4)PLgel 3μm Mixed−E、300×7.5mmを組み合わせて使用することにより、分析を行った。
ポリマース・タンダーズ・サービシズ(Polymer Standards Services)からの直鎖状ポリ(メチルメタクリレート)を用いて、GPCカラムの較正を実施した。ウォーターズ(Waters)製のRI検出器(ウォーターズ410)を検出器として使用した。70℃でDMAcを溶出液として用いて、0.5ml/minの流量で分析を行った。ミレニアム(Millenium)製のソフトウェアを用いて、GPC曲線を評価した。
元のNBRゴム(分解前)および分解されたニトリルゴムの両方について、以下の特性をGPC分析により決定した:
[kg/mol]:重量平均モル質量
[kg/mol]:数平均モル質量
PDI:モル質量分布の幅(M/M
[実施例シリーズ1〜3:
2phrの1−ヘキセンの存在下における「ホベイダ(Hoveyda)触媒」と「グラブス(Grubbs)II触媒」との活性比較]
実施例シリーズ1および2において、2つのルテニウム含有率(23.8ppmおよび161.4ppm)で「ホベイダ(Hoveyda)触媒」の活性を「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性と比較した。これらの活性比較は、2.0phrの1−ヘキセンを用いて行った。
実施例シリーズ3において、「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いて8.6ppmのルテニウム添加および2.0phrの1−ヘキセン量でメタセシス分解を行った。
[実施例1.1(本発明に係る)]
Figure 2007224303
実施例1.1で得られた分解ニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。
[実施例1.2(比較)]
Figure 2007224303
実施例1.1および1.2で分子量MおよびMの低下を比較することにより、161ppmのルテニウム量で「ホベイダ(Hoveyda)触媒」の活性が「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性よりも有意に高いことが示される。「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いた場合、メタセシス反応は、約30分後に終了するが、「グラブス(Grubbs)II触媒」を用いた場合、メタセシス分解は、425分間の反応時間の後でも、依然として終了しない。いずれの場合も同一の反応時間で、「ホベイダ(Hoveyda)触媒」は、「グラブス(Grubbs)II触媒」よりも小さいモル質量を与える。
[実施例2.1(本発明に係る)]
Figure 2007224303
Figure 2007224303
試験2.1で「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いて分解させたニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。
[実施例2.2(比較)]
Figure 2007224303
試験2.1および2.2で分子量MおよびMを比較することにより、同一の量のルテニウム(24ppm)および1−ヘキセン(2phr)でホベイダ(Hoveyda)触媒(V)の活性がグラブス(Grubbs)II触媒の活性よりも有意に高いことが示されている。いずれの場合も同一の反応時間で、ホベイダ(Hoveyda)触媒(V)は、グラブス(Grubbs)II触媒よりも小さいモル質量を与えた。
[実施例3(本発明に係る)]
Figure 2007224303
実施例3(「ホベイダ(Hoveyda)触媒」/8.6ppmのルテニウム)を実施例2.2(「グラブス(Grubbs)II触媒」/23.8ppmのルテニウム)と比較することにより、同一の反応時間における平均分子量MおよびMは、ルテニウム量が有意に少ないにもかかわらず「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いたときのほうが「グラブス(Grubbs)II触媒」を用いたときよりも小さいことが示された。
また、この実施例シリーズ3で「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いて分解させたニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。
[実施例シリーズ4および5:
2phrの1−ヘキセンの存在下における「グレーラ(Grela)触媒」と「グラブス(Grubbs)II触媒」との活性比較]
実施例シリーズ4および5において、2つのルテニウム含有率(23〜24ppmおよび60ppm)で「グレーラ(Grela)触媒」の活性を「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性と比較した。いずれの場合も、2.0phrの1−ヘキセンを用いて活性比較を行った。
[実施例4.1(本発明に係る)]
Figure 2007224303
[実施例4.2(比較)]
Figure 2007224303
試験4.1および4.2で平均分子量MおよびMを比較することにより、同一の量のルテニウム(22.9/23.8ppm)および1−ヘキセン(2phr)で「グレーラ(Grela)触媒」の活性が「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性よりも有意に高いことが示されている。いずれの場合も同一の反応時間で、「グレーラ(Grela)触媒」は、「グラブス(Grubbs)II触媒」よりも小さい分子量を与えた。
試験4.1で「グレーラ(Grela)触媒」を用いて分解させたニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。
[実施例5.1(本発明に係る)]
Figure 2007224303
[実施例5.2(本発明に係る)]
Figure 2007224303
試験5.1および5.2で平均分子量MおよびMを比較することにより、同一の量のルテニウム(60ppm)および1−ヘキセン(2phr)で「グレーラ(Grela)触媒」の活性が「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性よりも有意に高いことが示されている。「グレーラ(Grela)触媒」を用いた場合、MおよびMの最終値は約185分間後に達成されたが、「グラブス(Grubbs)II触媒」を用いた場合、メタセシス分解は、425分間の反応時間の後、まだ終了していなかった。いずれの場合も同一の反応時間で、「グレーラ(Grela)触媒」は、「グラブス(Grubbs)II触媒」よりも小さい分子量を与えた。
試験5.1で「グレーラ(Grela)触媒」を用いて分解させたニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。
[実施例6:
1−ヘキセンを添加していないときの「ホベイダ(Hoveyda)触媒」と「グラブス(Grubbs)II触媒」との活性比較]
試験6.1および6.2において、60ppmのルテニウム含有率で「ホベイダ(Hoveyda)触媒」の活性を「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性と比較した。1−ヘキセンを用いることなく活性比較を行った。
[実施例6.1(本発明に係る)]
Figure 2007224303
[実施例6.2(比較)]
Figure 2007224303
実施例6.1および6.2で平均分子量MおよびMを比較することにより、同等の量のルテニウム(約60ppm)で1−ヘキセンが添加されない場合、「ホベイダ(Hoveyda)触媒」の活性が「グラブス(Grubbs)II触媒」の活性よりも高いことが示されている。「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いた場合、平均分子量MおよびMは、同一の反応時間で「グラブス(Grubbs)II触媒」を用いた場合よりも小さい。
実施例6.1で1−ヘキセンを用いずに「ホベイダ(Hoveyda)触媒」を用いて得られた分解ニトリルゴムは、ゲルを含んでいなかった。

Claims (23)

  1. ニトリルゴムのメタセシスのための、一般式(I)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    Mは、ルテニウムまたはオスミウムであり、
    Yは、酸素(O)、硫黄(S)、N−R基、またはP−R基であり、
    およびXは、同一であるかもしくは異なる配位子であり、
    は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、またはアルキルスルフィニル基であり、それらはいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよく、
    、R、R、Rは、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、有機基、または無機基であり、
    は、水素であるか、またはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、もしくはアリール基であり、そして
    Lは、配位子である〕
    で示される触媒の使用。
  2. 前記一般式(I)中のLが、P(R基であり、基Rが、それぞれ互いに独立して、C〜C−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基、またはアリール基、あるいは置換型もしくは無置換型のイミダゾリジン基(「Im」)である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記イミダゾリジン基(Im)が、一般式(IIa)または(IIb)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    、R、R10、R11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C20−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルチオ、C〜C20−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C20−アリールスルホネート、またはC〜C20−アルキルスルフィニルである〕
    で示される構造を有する、請求項2に記載の使用。
  4. 前記イミダゾリジン基(Im)中のR10およびR11が、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、直鎖状もしくは分枝状のC〜C10−アルキル、特に好ましくはi−プロピルまたはネオペンチル、C〜C10−シクロアルキル、好ましくはアダマンチル、C〜C24−アリール、特に好ましくはフェニル、C〜C10−アルキルスルホネート、特に好ましくはメタンスルホネート、あるいはC〜C10−アリールスルホネート、特に好ましくはp−トルエンスルホネートである、請求項3に記載の使用。
  5. 前記イミダゾリジン基(Im)が、構造(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)(IIIe)、または(IIIf)
    Figure 2007224303
    〔式中、Mesは、いずれの場合も、2,4,6−トリメチルフェニル基である〕
    を有する、請求項3に記載の使用。
  6. 前記一般式(I)中のXおよびXが、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、ハロゲン、擬ハロゲン、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、C〜C24−アリール、C〜C20−アルコキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルキルジケトネート、C〜C24−アリールジケトネート、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C24−アリールスルホネート、C〜C20−アルキルチオール、C〜C24−アリールチオール、C〜C20−アルキルスルホニル、またはC〜C20−アルキルスルフィニルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記一般式(I)中のXおよびXが、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、もしくは臭素、ベンゾエート、C〜C−カルボキシレート、C〜C−アルキル、フェノキシ、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオール、C〜C24−アリールチオール、C〜C24−アリール、またはC〜C−アルキルスルホネートである、請求項6に記載の使用。
  8. 前記一般式(I)中のXおよびXが、同一であり、それぞれ、ハロゲン、特に塩素、CFCOO、CHCOO、CFHCOO、(CHCO、(CF(CH)CO、(CF)(CHCO、PhO(フェノキシ)、MeO(メトキシ)、EtO(エトキシ)、トシレート(p−CH−C−SO)、メシレート(2,4,6−トリメチルフェニル)、またはCFSO(トリフルオロメタンスルホネート)である、請求項6に記載の使用。
  9. 前記一般式(I)中の基Rが、C〜C30−アルキル基、C〜C20−シクロアルキル基、C〜C20−アルケニル基、C〜C20−アルキニル基、C〜C24−アリール基、C〜C20−アルコキシ基、C〜C20−アルケニルオキシ基、C〜C20−アルキニルオキシ基、C〜C24−アリールオキシ基、C〜C20−アルコキシカルボニル基、C〜C20−アルキルアミノ基、C〜C20−アルキルチオ基、C〜C24−アリールチオ基、C〜C20−アルキルスルホニル基、またはC〜C20−アルキルスルフィニル基であり、それらがいずれも、場合により、1個以上のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基により置換されていてもよい、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記一般式(I)中の基R、R、R、およびRが、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、ニトロ、CFであるか、またはC〜C30−アルキル基、C〜C30−シクロアルキル基、C〜C20−アルケニル基、C〜C20−アルキニル基、C〜C24−アリール基、C〜C20−アルコキシ基、C〜C20−アルケニルオキシ基、C〜C20−アルキニルオキシ基、C〜C24−アリールオキシ基、C〜C20−アルコキシカルボニル基、C〜C20−アルキルアミノ基、C〜C20−アルキルチオ基、C〜C24−アリールチオ基、C〜C20−アルキルスルホニル基、もしくはC〜C20−アルキルスルフィニル基であり、それらがいずれも、場合により、1個以上のC〜C30−アルキル基、C〜C20−アルコキシ基、ハロゲン基、C〜C24−アリール基、もしくはヘテロアリール基により置換されていてもよい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記基Rが、水素、C〜C30−アルキル基、C〜C20−アルケニル基、C〜C20−アルキニル基、またはC〜C24−アリール基である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  12. 一般式(IV)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    M、L、X、X、R、R、R、R、およびRは、前記一般式(I)に対して与えられている意味を有する〕
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  13. 前記一般式(IV)中、
    Mが、ルテニウムであり、
    およびXが、いずれも塩素であり、
    が、イソプロピル基であり、
    、R、R、Rが、すべて水素であり、そして
    Lが、式(IIa)または(IIb)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    、R、R10、R11は、同一であるかもしくは異なっており、それぞれ、水素、直鎖状もしくは分枝状のC〜C30−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C20−カルボキシレート、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニルオキシ、C〜C20−アルキニルオキシ、C〜C24−アリールオキシ、C〜C20−アルコキシカルボニル、C〜C20−アルキルチオ、C〜C24−アリールチオ、C〜C20−アルキルスルホニル、C〜C20−アルキルスルホネート、C〜C24−アリールスルホネート、またはC〜C20−アルキルスルフィニルである〕
    で示される置換型もしくは無置換型のイミダゾリジン基である、請求項12に記載の使用。
  14. 式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、または(IXX)
    Figure 2007224303
    Figure 2007224303
    〔式中、Mesは、いずれの場合も、2,4,6−トリメチルフェニル基である〕
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  15. 一般式(XIII)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    M、L、X、X、R、およびRは、一般式(I)に対して与えられている意味を有し、
    基R12は、同一であるかもしくは異なっており、一般式(I)中の基R、R、R、およびRに対して与えられている意味を有し、ただし、水素は除外され、そして
    nは、0、1、2、または3である〕
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  16. 式(XIV)または(XV)
    Figure 2007224303
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  17. 一般式(XVI)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    、D、D、およびDは、それぞれ、式(XVI)で示されるケイ素にメチレン基を介して結合される一般式(XVII)
    Figure 2007224303
    (ここで、
    M、L、X、X、R、R、R、R、およびRは、一般式(I)に対して与えられている意味を有する)
    で示される構造を有する〕
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  18. 一般式(XVIII)
    Figure 2007224303
    〔式中、
    記号●は、担体、好ましくはポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)コポリマー(PS−DVB)を表す〕
    で示される触媒が使用される、請求項1に記載の使用。
  19. 使用される触媒の量が、使用されるニトリルゴムを基準にして、5〜1000ppm、好ましくは5〜500ppm、特に5〜250ppmの貴金属である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用。
  20. 前記メタセシスが、コオレフィンを用いずに、または好ましくは直鎖状もしくは分枝状のC〜C16−オレフィン、特に好ましくはエチレン、プロピレン、イソブテン、スチレン、1−ヘキセン、もしくは1−オクテンであるコオレフィンの存在下で行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および所望により1種以上のさらなる共重合性モノマーの反復単位を含むコポリマーまたはターポリマーが、ニトリルゴムとして使用される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の使用。
  22. 使用されるニトリルゴムが、30〜70、好ましくは30〜50の範囲内のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使用。
  23. ニトリルゴムが、一般式(I)で示される触媒の存在下でメタセシス分解に付され、続いて、得られた分解ニトリルゴムが、好ましくはin situで、水素化に付されることを特徴とする、水素化ニトリルゴムの調製方法。
JP2007041079A 2006-02-22 2007-02-21 ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用 Active JP5618455B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102006008521.3 2006-02-22
DE102006008521A DE102006008521A1 (de) 2006-02-22 2006-02-22 Verwendung von Katalysatoren mit erhöhter Aktivität für die NBR-Metathese

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007224303A true JP2007224303A (ja) 2007-09-06
JP2007224303A5 JP2007224303A5 (ja) 2010-02-18
JP5618455B2 JP5618455B2 (ja) 2014-11-05

Family

ID=38068324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007041079A Active JP5618455B2 (ja) 2006-02-22 2007-02-21 ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用

Country Status (11)

Country Link
US (4) US8609782B2 (ja)
EP (1) EP1826220B1 (ja)
JP (1) JP5618455B2 (ja)
KR (1) KR101367536B1 (ja)
CN (2) CN102199311A (ja)
AT (1) ATE492567T1 (ja)
BR (1) BRPI0700452A (ja)
DE (2) DE102006008521A1 (ja)
MX (1) MX2007002174A (ja)
PL (1) PL1826220T3 (ja)
TW (1) TWI402275B (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013503227A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 低分子量水素化ニトリルゴムの製造方法
KR20130043213A (ko) * 2010-07-28 2013-04-29 란세스 도이치란트 게엠베하 디엔-기재 중합체의 수소화
JP2013516392A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 ザンナン・サイテック・カンパニー・リミテッド Rompとrcm反応に対する高効率複分解触媒
JP2013538263A (ja) * 2010-08-09 2013-10-10 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 部分水素化ニトリルゴム
KR101405744B1 (ko) 2009-08-31 2014-06-10 란세스 도이치란트 게엠베하 저분자량의 임의로 수소화된 니트릴 고무를 포함하는 가황성 중합체 조성물
JP2015501207A (ja) * 2011-10-21 2015-01-15 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 触媒組成物およびニトリルゴムの水素化のためのそれらの使用
JP2015520288A (ja) * 2012-06-22 2015-07-16 ユニバーシティ オブ ウォータールー ラテックス中のジエン系ポリマーのタンデムメタセシス及び水素化
JP2016501834A (ja) * 2012-10-29 2016-01-21 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG ルテニウムベースのメタセシス触媒、それらの製造用の前駆体およびそれらの使用
US9346908B1 (en) 2014-12-25 2016-05-24 Industrial Technology Research Institute Olefin-metathesis catalysts and method for preparing low-molecular-weight nitrile butadiene rubber
JP2021505705A (ja) * 2017-12-08 2021-02-18 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ルテニウム錯体触媒を使用してニトリルゴムを製造するためのプロセス

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006008521A1 (de) * 2006-02-22 2007-08-23 Lanxess Deutschland Gmbh Verwendung von Katalysatoren mit erhöhter Aktivität für die NBR-Metathese
DE102006008520A1 (de) * 2006-02-22 2007-08-23 Lanxess Deutschland Gmbh Neue Katalysator-Systeme und deren Verwendung für Metathese-Reaktionen
DE102006040569A1 (de) * 2006-08-30 2008-03-06 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zum Metathese-Abbau von Nitrilkautschuken
DE102007039525A1 (de) * 2007-08-21 2009-02-26 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zum Metathese-Abbau von Nitrilkautschuk
EP2143489A1 (de) * 2008-07-08 2010-01-13 Lanxess Deutschland GmbH Katalysator-Systeme und deren Verwendung für Metathese-Reaktionen
EP2289623A1 (en) * 2009-08-31 2011-03-02 LANXESS Deutschland GmbH Metathesis of nitrile rubbers in the presence of transition metal catalysts
EP2289622A1 (en) * 2009-08-31 2011-03-02 LANXESS Deutschland GmbH Ruthenium based catalysts for the metathesis of nitrile rubbers
TWI503330B (zh) 2009-09-17 2015-10-11 Lanxess Deutschland Gmbh 腈橡膠及其在有機溶劑中之製程
EP2385074A1 (de) * 2010-05-07 2011-11-09 LANXESS Deutschland GmbH Nitrilkautschuke und deren Herstellung in organischen Lösungsmitteln
EP2298824A1 (de) * 2009-09-17 2011-03-23 LANXESS Deutschland GmbH Nitrilkautschuke und deren Herstellung in organischen Lösungsmitteln
EP2484700B1 (de) 2011-02-04 2013-10-09 LANXESS Deutschland GmbH Funktionalisierte Nitrilkautschuke und ihre Herstellung
CN104023845B (zh) * 2011-10-21 2016-10-05 朗盛德国有限责任公司 包括格鲁布斯-荷维达型络合物和末端烯烃的催化剂组合物及其用于氢化丁腈橡胶的用途
EP3784390A1 (en) 2018-04-27 2021-03-03 ARLANXEO Deutschland GmbH Use of ruthenium and osmium catalysts for the metathesis of nitrile rubber
KR20210035780A (ko) 2018-07-23 2021-04-01 아란세오 도이치란드 게엠베하 니트릴 고무의 복분해를 위한 촉매의 용도
EP3894074A2 (en) * 2018-12-12 2021-10-20 ARLANXEO Deutschland GmbH Catalyst system containing a metathesis catalyst and at least one phenolic compound and a process for metathesis of nitrile-butadiene rubber (nbr) using the catalyst system
CN113166280B (zh) 2018-12-17 2023-07-11 阿朗新科德国有限责任公司 用于生产peg丙烯酸酯-hnbr共聚物的方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004300444A (ja) * 2001-06-12 2004-10-28 Bayer Inc 水素化ニトリルゴムの製造方法
JP2006503085A (ja) * 2002-10-15 2006-01-26 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング メタセシス反応用(予備)触媒としてのルテニウム錯体
JP2007023282A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Lanxess Inc 低ムーニーのニトリルターポリマーの製造方法
JP2007077394A (ja) * 2005-08-30 2007-03-29 Lanxess Deutschland Gmbh ニトリルゴムをメタセシスにより分解するための触媒の使用
JP2007534796A (ja) * 2004-02-23 2007-11-29 ランクセス・インコーポレーテッド 低分子量ニトリルゴムの調製方法
JP2007534797A (ja) * 2004-02-23 2007-11-29 ランクセス・インコーポレーテッド 低分子量水素化ニトリルゴムの調製方法

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3700637A (en) * 1970-05-08 1972-10-24 Shell Oil Co Diene-nitrile rubbers
DE2539132A1 (de) 1975-09-03 1977-03-17 Bayer Ag Hydrierung von polymeren
CA1203047A (en) * 1982-12-08 1986-04-08 Hormoz Azizian Polymer hydrogenation process
CA1220300A (en) * 1982-12-08 1987-04-07 Polysar Limited Polymer hydrogenation process
DE3329974A1 (de) * 1983-08-19 1985-02-28 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Herstellung von hydrierten nitrilkautschuken
DE3433392A1 (de) * 1984-09-12 1986-03-20 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Hydrierung nitrilgruppenhaltiger ungesaettigter polymerer
DE3529252A1 (de) * 1985-08-16 1987-02-19 Bayer Ag Verfahren zur selektiven hydrierung ungesaettigter verbindungen
DE3540918A1 (de) * 1985-11-19 1987-05-21 Bayer Ag Verfahren zur selektiven hydrierung ungesaettigter verbindungen
DE3541689A1 (de) * 1985-11-26 1987-05-27 Bayer Ag Verfahren zur selektiven hydrierung nitrilgruppenhaltiger ungesaettigter polymerer
US4816525A (en) 1987-07-06 1989-03-28 University Of Waterloo Polymer hydrogenation process
DE3932019C1 (ja) 1989-09-26 1991-05-08 Bayer Ag, 5090 Leverkusen, De
DE4025781A1 (de) 1990-08-15 1992-02-20 Bayer Ag Hydrierte butadien/isopren/(meth-)acrylnitril- copolymerisate
DE4032597A1 (de) * 1990-10-13 1992-04-16 Bayer Ag Rueckgewinnung von hydrierkatalysatoren aus loesungen von hydriertem nitrilkautschuk
EP1253156A3 (en) 1992-04-03 2004-01-07 California Institute Of Technology High activity ruthenium or osmium metal carbene complexes for olefin metathesis reactions and synthesis and application thereof
US5831108A (en) 1995-08-03 1998-11-03 California Institute Of Technology High metathesis activity ruthenium and osmium metal carbene complexes
US6403802B1 (en) * 1998-09-10 2002-06-11 University Of New Orleans Research & Technology Foundation Use of catalyst system comprising nickel, palladium, or platinum and imidazoline-2-ylidene or imidazolidine-2-ylidene in amination reactions
WO2000071554A2 (en) 1999-05-24 2000-11-30 California Institute Of Technology Imidazolidine-based metal carbene metathesis catalysts
WO2002000590A1 (en) * 2000-06-23 2002-01-03 California Institute Of Technology Synthesis of functionalized and unfunctionalized olefins via cross and ring-closing metathesis
AU8477301A (en) * 2000-08-10 2002-02-25 Trustees Boston College Recyclable metathesis catalysts
CA2329844A1 (en) * 2000-12-28 2002-06-28 Bayer Inc. Esbo enhanced hydrogenation
US6838489B2 (en) * 2001-03-23 2005-01-04 Cymetech, Llc High activity metal carbene metathesis catalysts generated using a thermally activated N-heterocyclic carbene precursor
TW593386B (en) 2001-06-12 2004-06-21 Bayer Inc Process for the preparation of low molecular weight hydrogenated nitrile rubber
US6841623B2 (en) 2001-06-29 2005-01-11 Bayer Inc. Low molecular weight nitrile rubber
US6620955B1 (en) * 2001-11-15 2003-09-16 Richard L. Pederson Chelating carbene ligand precursors and their use in the synthesis of metathesis catalysts
CA2409434A1 (en) * 2002-10-17 2004-04-17 Bayer Inc. Polymer blends comprising low molecular weight nitrile rubber
CA2413607A1 (en) * 2002-12-05 2004-06-05 Bayer Inc. Process for the preparation of low molecular weight hydrogenated nitrile rubber
KR101269568B1 (ko) * 2005-07-04 2013-06-04 자난 사이텍 컴퍼니 리미티드 루테늄 착물 리간드, 루테늄 착물, 고정 루테늄 착물 촉매및 그의 제조방법과 용도
DE102006008521A1 (de) * 2006-02-22 2007-08-23 Lanxess Deutschland Gmbh Verwendung von Katalysatoren mit erhöhter Aktivität für die NBR-Metathese

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004300444A (ja) * 2001-06-12 2004-10-28 Bayer Inc 水素化ニトリルゴムの製造方法
JP2006503085A (ja) * 2002-10-15 2006-01-26 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング メタセシス反応用(予備)触媒としてのルテニウム錯体
JP2007534796A (ja) * 2004-02-23 2007-11-29 ランクセス・インコーポレーテッド 低分子量ニトリルゴムの調製方法
JP2007534797A (ja) * 2004-02-23 2007-11-29 ランクセス・インコーポレーテッド 低分子量水素化ニトリルゴムの調製方法
JP2007023282A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Lanxess Inc 低ムーニーのニトリルターポリマーの製造方法
JP2007077394A (ja) * 2005-08-30 2007-03-29 Lanxess Deutschland Gmbh ニトリルゴムをメタセシスにより分解するための触媒の使用

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013503227A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 低分子量水素化ニトリルゴムの製造方法
KR101405744B1 (ko) 2009-08-31 2014-06-10 란세스 도이치란트 게엠베하 저분자량의 임의로 수소화된 니트릴 고무를 포함하는 가황성 중합체 조성물
JP2013516392A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 ザンナン・サイテック・カンパニー・リミテッド Rompとrcm反応に対する高効率複分解触媒
KR101589353B1 (ko) * 2010-07-28 2016-01-27 란세스 도이치란트 게엠베하 디엔-기재 중합체의 수소화
KR20130043213A (ko) * 2010-07-28 2013-04-29 란세스 도이치란트 게엠베하 디엔-기재 중합체의 수소화
JP2013543520A (ja) * 2010-07-28 2013-12-05 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ジエン−ベースのポリマーの水素化
JP2013538263A (ja) * 2010-08-09 2013-10-10 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 部分水素化ニトリルゴム
JP2015501207A (ja) * 2011-10-21 2015-01-15 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 触媒組成物およびニトリルゴムの水素化のためのそれらの使用
JP2015520288A (ja) * 2012-06-22 2015-07-16 ユニバーシティ オブ ウォータールー ラテックス中のジエン系ポリマーのタンデムメタセシス及び水素化
JP2016501834A (ja) * 2012-10-29 2016-01-21 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG ルテニウムベースのメタセシス触媒、それらの製造用の前駆体およびそれらの使用
US11577232B2 (en) 2012-10-29 2023-02-14 Umicore Ag & Co. Kg Ruthenium-based metathesis catalysts, precursors for their preparation and their use
US11918985B2 (en) 2012-10-29 2024-03-05 Umicore Ag & Co. Kg Ruthenium-based metathesis catalysts, precursors for their preparation and their use
US9346908B1 (en) 2014-12-25 2016-05-24 Industrial Technology Research Institute Olefin-metathesis catalysts and method for preparing low-molecular-weight nitrile butadiene rubber
JP2021505705A (ja) * 2017-12-08 2021-02-18 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ルテニウム錯体触媒を使用してニトリルゴムを製造するためのプロセス
JP7248677B2 (ja) 2017-12-08 2023-03-29 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ルテニウム錯体触媒を使用してニトリルゴムを製造するためのプロセス

Also Published As

Publication number Publication date
TW200801045A (en) 2008-01-01
US20140066575A1 (en) 2014-03-06
CN101024703B (zh) 2012-09-26
BRPI0700452A (pt) 2007-11-06
US8609782B2 (en) 2013-12-17
JP5618455B2 (ja) 2014-11-05
US20080064822A1 (en) 2008-03-13
CN101024703A (zh) 2007-08-29
EP1826220B1 (de) 2010-12-22
TWI402275B (zh) 2013-07-21
CN102199311A (zh) 2011-09-28
EP1826220A3 (de) 2009-11-04
US20150307636A1 (en) 2015-10-29
ATE492567T1 (de) 2011-01-15
EP1826220A8 (de) 2009-02-25
US20120116026A1 (en) 2012-05-10
MX2007002174A (es) 2008-10-30
KR101367536B1 (ko) 2014-02-26
US9115219B2 (en) 2015-08-25
KR20070085161A (ko) 2007-08-27
EP1826220A2 (de) 2007-08-29
DE102006008521A1 (de) 2007-08-23
DE502007005995D1 (de) 2011-02-03
PL1826220T3 (pl) 2011-05-31
US9593168B2 (en) 2017-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5618455B2 (ja) ニトリルゴムのメタセシスのための増大された活性を有する触媒の使用
JP5618454B2 (ja) 新規な触媒系およびメタセシス反応のためのその使用
JP5393009B2 (ja) ニトリルゴムをメタセシス分解する方法
KR101374938B1 (ko) 니트릴 고무의 복분해를 위한 루테늄계 촉매
JP5235561B2 (ja) 触媒系およびメタセシス反応のためのその使用
JP5047564B2 (ja) ニトリルゴムをメタセシスにより分解するための触媒の使用
JP5544424B2 (ja) 低分子量水素化ニトリルゴムの製造方法
MXPA06009368A (es) Procedimiento para la preparacion de goma hidrogenada de nitrilo de bajo peso molecular.
MXPA06009520A (es) Procedimiento para la preparacion de caucho nitrilo de bajo peso molecular.
CN111655740B (zh) 用钌络合物催化剂制备丁腈橡胶的方法
CN112088044A (zh) 钌和锇催化剂用于丁腈橡胶复分解的用途
CN112469738A (zh) 催化剂用于丁腈橡胶的复分解的用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130128

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5618455

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250