JP2007210217A - 透湿性防水布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】透湿性樹脂膜上に柄を有しており意匠性に優れ、かつ、樹脂膜が直接、肌に触れた場合においても化粧料や防虫剤等などで透湿性防水膜上の柄が消えない透湿性防水布帛を提供することを課題としている。
【解決手段】 繊維布帛の少なくとも片面に透湿性防水樹脂膜を有し、該透湿性防水樹脂膜上に耐溶剤性ウレタン樹脂膜により柄が形成されており、前記柄が有機溶剤を用いて処理した後も、消えないことを特徴とする透湿性防水布帛。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透湿性防水樹脂膜上に柄を有する透湿性防水布帛に関するものである。
合羽やスキ−ウエア−、ウインドブレ−カ−をはじめ、靴材、ハウスラップ材など湿気を通過させるが、雨などの水の進入を防止する素材として透湿性防水布帛は様々なものに使用されている。
このような透湿性防水布帛として、例えば、繊維布帛の片面に、ポリウレタン重合体の樹脂溶液をコ−テイングし、湿式凝固して得られた微多孔質被膜を有するコ−テイング加工布(特許文献1)や繊維布帛の片面にウレタン樹脂の無孔質膜を貼り合せて得られた透湿性防水布帛(特許文献2)、さらに、延伸膨張させた多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜(以下、PTFE膜という)を繊維布帛の片面に貼り合わせた透湿性防水布帛も知られている。
また、近年、消費者のファッションに対する要望がより厳しくなり、透湿性や防水性といった機能性を付与した透湿性防水布帛に対しても、風合いが柔らかく、軽いものが求められてきており、透湿性防水布帛を用い縫製されたスキ−ウエア−やウインドブレ−カ−、コ−ト、カッパなどで裏地を使用せず、樹脂膜面が直接衣服の内側に使用されるケ−スも増えてきている。
特開昭55−80583 特開平7−9631
そこで、本発明者らは、意匠性を付与するため透湿性防水樹脂膜に点状などの柄を付与する検討をおこなった。そうしたところ、裏地がないために、これらの柄は、直接、肌に触れることになるのであるが、化粧料や虫除けのために用いた防虫スプレ−に含まれる成分N,N’−ジエチル−m−トルアマイド(以下、「DEET」という)により、付与した柄が消えてしまうことがわかってきた。
したがって、本発明では、樹脂膜が直接、肌に触れた場合においても化粧料や防虫剤などで透湿性防水膜上の柄が消えない透湿性防水布帛を提供することを課題としている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の透湿性防水布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に透湿性防水樹脂膜を有し、該透湿性防水樹脂膜上に耐溶剤性ウレタン樹脂膜により柄が形成されており、前記柄が有機溶剤を用いて処理した後も、消えないことを特徴とする。
また、前記有機溶剤が、N,N’−ジエチル−m−トルアマイド、アミド系溶媒から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、透湿性防水樹脂膜がウレタン樹脂を主成分とするとよい。
また、柄を形成する前記耐溶剤性ウレタン樹脂膜がウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネ−トを有する有機ポリイソシアネ−トを反応させてなることを特徴とする。
本発明の透湿性防水布帛は、衣服等として用いた場合、裏地を用いず、透湿性防水樹脂膜が直接、目視できるものであるが、透湿性防水樹脂膜上に柄を有し、直接、肌に透湿性防水樹脂膜面が触れた場合においても、柄が消えないため、ウインドブレ−カ−、コ−ト、ジャケット、スキ−ウエア−、スノ−ボ−ドウエア−などに用いても、意匠性に優れかつソフトで軽い衣服を提供できる。また、テントなどに用いた場合にもテントの内側に柄があり意匠性に優れ、DEET等を含む防虫剤が付着しても柄が消えないものが提供できる。
本発明の透湿性防水布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に透湿性防水樹脂膜を有し、該透湿性防水樹脂膜上に耐溶剤性ウレタン樹脂膜により柄が形成されており、前記柄が有機溶剤を用いて処理した後も、消えないことを特徴とする。
本発明に有用な繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテ−ト、レ−ヨン、ポリ乳酸などの化学繊維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維やこれらの混繊、混紡、交織品であってもよく、特に限定されるものではない。また、それらは織物、編物、不織布等いかなる形態であってもよい。
また、繊維布帛は、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などを施してあってもよい。
また、本発明に有用な透湿性防水樹脂膜とは、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)、ナイロン樹脂、アクリル樹脂などを用いて得られた透湿性と防水性を合わせ持つ樹脂膜をいう。衣服、運動用衣服などの用途に用いられる場合は、伸縮性や強度の観点よりウレタン樹脂を主成分とするものが好ましく用いられる。
ウレタン樹脂は、エ−テル系、エステル系、エステル−エ−テル系、カ−ボネ−ト系やアミノ酸やシリコ−ンで変性されたものであってもよい。
また、透湿性防水樹脂膜は、多孔質膜、無孔質膜いずれであってもよい。
このような透湿性樹脂膜は、湿式凝固法によって得られる微多孔質膜であっても、PTFEフィルムなどを延伸して得られる微多孔質膜であっても、離型紙上に樹脂液を塗布、乾燥し無孔質膜を製造したものであっても、Tダイなどで押出し形成した無孔質膜であっても、ナイフコ−タ−等を用い直接、樹脂溶液を繊維布帛に付与、乾燥し、得られた無孔質膜であってもよい。
透湿性防水樹脂膜の厚みは、その用いられる樹脂の種類と求められる透湿性、防水性より任意に選択すればよいが、無孔質のウレタン樹脂の場合には、5μm〜100μmが好ましい。5μm未満であると充分な防水性が得られないことがあり、100μmを超えると風合いが硬化したり、充分な透湿性が得られないことがある。また、微多孔質のウレタン樹脂膜の場合には10μm〜500μmが好ましい。10μm未満であると充分な防水性が得られないことがあり、500μmを超えると風合いが硬化したり、充分な透湿性が得られないことがある。
また、本発明でいう透湿性、防水性とは、塩化カルシウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上および/または酢酸カリウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上、防水性は、耐水圧が350mmHO以上のものをいう。
また、透湿性防水樹脂膜とは、透湿性防水樹脂膜を繊維布帛に付与した透湿性防水布帛に対し、塩化カルシウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上および/または酢酸カリウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上であり、かつ、耐水圧が350mmHO以上の防水性を付与できるものをいう。
ここでいう酢酸カリウム法による透湿度とは、JIS L1099−1993B法にて測定した値をいう。また、塩化カルシウム法とは、JIS L1099−1993A−1法にて測定した値をいう。なお、塩化カルシウム法、酢酸カルシウム法ともに、透湿度は、24時間当りの透湿量に換算したものをいう。
また、耐水圧は、JIS L1091−1998耐水度試験(静水圧法)にて測定をおこない耐水圧が2000mmHO以下のものをA法(低水圧法)、2000mmHOを超えるものをB法(高水圧法)に準じた方法で測定した値をいう。なお、A法(低水圧法)と比較しやすいように、B法(高水圧法)においても水柱の高さmmHOに換算し記した。
得られる透湿性防水布帛は、透湿性や防水性は用途により要求されるものに任意に設定すればよいが、塩化カルシウム法による透湿度は、2000g/m・24hrs以上あればよい。より好ましくは5000g/m・24hrs以上、20000g/m・24hrs以下であるとよい。塩化カルシウム法にて透湿度が5000g/m・24hr未満であると衣服とした場合、縫製の方法によってはムレ感がますことがある。また、20000g/m・24hrsを超えた場合には、目的とする防水性が得られないことがある。
また、酢酸カリウム法による透湿度は、2000g/m・24hrs以上あればよい。より好ましくは、10000g/m・24hrs以上であるとよい。
耐水圧は、その用途に応じ任意に設定すればよいが、350mmHO以上あればよい。用途等に応じ、必要であれば2000mmHO以上、さらには20000mmHO以上であってもよい。
レインコ−トのような用途であれば耐水圧は、350mmHO以上であればよい。また、スキ−ウエア−のように濡れた椅子などに腰掛ける用途などの場合は、2000mmHOを下回ると濡れた椅子などに座ると水が染みてくる可能性があるので、2000mmHO以上が好ましく、より好ましくは8000mmHO以上あるとよい。また、特に大きな水圧のかかる用途では20000mmHO以上であってもよい。
本発明では、繊維布帛の少なくとも片面に透湿性防水樹脂膜を有するのであるが、繊維布帛と透湿性防水樹脂膜は、接着剤を介して貼り合わされていてもよいし、繊維布帛の上に直接、積層されていてもよい。
なお、接着剤を用いる場合には、ウレタン系、エポキシ系、メラミン系、ナイロン系など、また、一液型、二液型であってもよく公知接着剤を用いることができるが、透湿性防水布帛がウレタン樹脂を主成分とする場合には、ウレタン系の接着剤が好ましく、溶剤を用いない接着剤、湿気硬化型樹脂、特に湿気硬化型ホットメルトタイプのウレタン樹脂が好ましい。
本発明では、透湿性防水樹脂膜上に、耐溶剤性ウレタン樹脂膜により柄が形成されており、前記柄が有機溶剤を用いて処理した後も、消えないことを特徴とする。
本発明の柄とは、点状、線状、格子状をはじめ、菱形、星型、蝶々柄、幾何学柄、文字など様々な柄をいう。柄を付与する透湿性防水樹脂膜の化粧料やDEET等による透湿性や防水性低下防止の観点からは、透湿性防水樹脂膜表面積の65%以上、より好ましくは80%以上が柄を形成する耐溶剤性ウレタン樹脂膜で覆われているとよい。
また、耐溶剤性ウレタン樹脂膜及び有機溶剤を用いて処理した後も柄が消えないとは、エチルアルコ−ル、メチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、イソブチルアルコ−ル、DEET、アミド系溶媒(N,N’−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)、ジメチルアセトアミドなど)などの有機溶剤から選択される少なくとも1種を含有している有機溶剤を脱脂綿に付与させて、透湿性防水樹脂膜上の柄を軽く1回擦り、2分間乾燥させる操作を20回繰り返す処理、特に本発明では、米国市販防虫剤(商品名:Cutter OUTDOORSMAN、組成:DEET 21.85%、DEETの異性体 1.15%、その他の成分 77.0%)、及び、前記防虫剤に代えて、50%DMF/50%エタノ−ル溶液を用いて前記処理を行い柄が消えないものをいう。
特に、防虫剤として使用されているDEETは、ウレタン樹脂の溶剤として用いられるDMFと化学構造が似ており、衣服を着用した状態で防虫剤を肌に付与すると、DEETが直接、柄を形成するウレタン樹脂膜に付着したり、肌に多量に付着したDEETが柄を形成するウレタン樹脂膜と長時間にわたり接触しながら擦られたりし、柄が消えてしまう可能性が高いが、本発明の透湿性防水布帛では、DEETに対し耐久性があるため、柄が消えない。
本発明の柄を形成する前記耐溶剤性ウレタン樹脂膜が、ウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネ−ト(B0)を有する有機ポリイソシアネ−ト(B)を反応させてなるとよい。
また、透湿性の観点からは、ウレタン樹脂(A)が親水性ウレタン樹脂(a)であるとよい。さらに好ましくは、前記親水性ウレタン樹脂(a)が、オキシエチレン基含有高分子ジオ−ル(d)と、有機ジイソシアネ−ト(e)と、鎖伸長剤(f)とからなるポリウレタン樹脂であり、前記親水性ポリウレタン樹脂(a)に対してオキシエチレン基(以下「OE基」という)含有量が10〜80質量%であることが好ましい。
また、本発明のポリウレタン樹脂(A)は、有機ポリイソシアネ−ト(B)と反応させ、有機溶剤に対し耐久性をもたせるため末端基としてOHを有することが好ましい。末端基濃度は、ポリウレタン樹脂(A)の固形分として、水酸基価が好ましくは0.5〜25、さらに好ましくは1〜20、より好ましくは1.5〜15である。
また、親水性ポリウレタン樹脂には、柄を付与するウレタン樹脂膜の水による膨潤を抑える観点からは、非親水性ポリウレタン樹脂を混合して用いてもよい。
さらに前記有機ポリイソシアネ−ト(B)は、官能基数が3以上のポリイソシアネ−ト(B0)を含有する。これ以外のものとして、有機ジイソシアネ−ト(e)を含有してもよい。前記有機ポリイソシアネ−ト(B)が官能基数2の有機ジイソシアネ−ト(e)しか含有しない場合には、DEET等に対する耐久性が不十分となる可能性が高い。前記有機ポリイソシアネ−ト(B)の平均官能基数は、DEETに対する耐久性の観点からは、平均官能基数2.3〜5の脂肪族ポリイソシアネ−ト及び脂環式ポリイソシアネ−トからなる郡より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
官能基数3以上のポリイソシアネ−ト(B0)としては、例えば、前記有機ジイソシアネ−ト(e)(3モル)とトリメチロ−ルプロパン(以下、「TPM」という)(1モル)を反応させたウレタン変性体、前記有機ジイソシアネ−ト(e)(3モル)と水(1モル)を反応させたビュ−レット変性体、前記有機ジイソシアネ−ト(e)のイソシアヌレ−ト変性体、前記変性体の2量体(例えば、前記ウレタン変性体またはビュレット変性体、またはイソシアヌレ−ト変性体(2モル)と水またはエチレングリコ−ル(1モル)とを反応させた変性体など)、前記変成体の3量体(例えば、前記ウレタン変性体またはビュ−レット変性体、またはイソシアヌレ−ト変性体(3モル)と水またはエチレングリコ−ル(2モル)とを反応させた変性体など)など、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、脂肪族ジイソシアネ−トを用いた前記変性体である脂肪族ポリイソシアネ−ト及び脂環式ジイソシアネ−トを用いた前記変成体である脂環族ポリイソシアネ−トおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられ、さらに好ましくは、イソシアヌレ−ト変性体の脂肪族ポリイソシアネ−ト、イソシアヌレ−ト変性体の脂環式ポリイソシアヌレ−トおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられ、特に好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(以下、「HDI」という)のイソシアヌレ−ト変性体、イソホロンジイソシアネ−ト(以下、「IPDI」という)のイソシアヌレ−ト変性体およびこれらの混合物が挙げられる。
官能基数3以上のポリイソシアネ−ト(B0)と有機ジイソシアネ−ト(e)の質量比(B0):(e)は、好ましくは50:50〜100:0、さらに好ましくは、60:40〜100:0である。
本発明において、ウレタン樹脂(A)と有機ポリイソシアネ−ト(B)の使用比率は、ポリウレタン樹脂(固形分)100質量部に対して、有機ポリイソシアネ−ト(B)を好ましくは3〜60質量部、さらに好ましくは10〜50質量部、より好ましくは15〜35質量部である。3質量を下回ると、DEET等への耐久性が不十分なことがある。60質量部を上回ると風合が硬化することがある。
また、柄を形成するウレタン樹脂膜中には、顔料を入れ着色するとさらに意匠性が増して好ましい。
さらに、柄を形成する耐溶剤性ウレタン樹脂膜中には、粒子径が0.1〜100μmの角張った無機や有機微粒子や球状の無機や有機の微粒子を添加し、ドライ感やすべり感を付与し、柄部のタッチなどを変化させてもよい。
次に、本発明の透湿性防水布帛の製造方法について説明をおこなう。ただし、下記の製造方法に限定されるものではない。
染色加工や必要に応じ撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、吸水加工、防汚加工などの加工を施され上記の繊維布帛に対し、透湿性防水樹脂膜を付与する。
透湿性防水樹脂膜の付与の方法としては、
1、繊維布帛の上に樹脂溶液を塗布し、水または樹脂溶液の溶媒を含んだ水溶液に浸漬し、樹脂を凝固させる湿式凝固法によって微多孔質膜を形成する方法
2、PTFE膜などを延伸して微多孔質膜としたものを接着剤を用い繊維布帛に貼り合わせる方法
3、離型紙上に樹脂溶液を塗布、乾燥し無孔質膜を製造したものを接着剤を用い繊維布帛と貼り合わせ、必要に応じ40℃〜90℃で5時間〜100時間エ−ジングした後、離型紙を剥がす方法(ラミネ−ト法)
4、繊維布帛の上に樹脂溶液を用いTダイなどで押出し形成した無孔質膜を直接積層させる方法
5、ナイフコ−タ−、パイプコ−タ等を用い直接、繊維布帛に樹脂溶液を付与、乾燥し、無孔質膜を形成する方法が挙げられる。
これらの透湿性防水樹脂膜を付与する際に用いられる樹脂溶液には、架橋剤、顔料、触媒、紫外線吸収剤等公知の添加剤を添加してもよい。
次に、得られた透湿性防水樹脂膜上に、柄を付与するための耐溶剤性ウレタン樹脂溶液を付与する。
柄を付与するための耐溶剤性ウレタン樹脂膜用樹脂液は、グラビアコ−タ、スクリ−ン捺染機などを用い任意の柄を形成させながら透湿性防水樹脂膜上に付与することができる。
樹脂溶液を付与した後、60℃〜140℃にて乾燥し、必要に応じカレンダ−処理や撥水加工、制電加工等の処理や100〜170℃でのキュアリングを行う。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。また、例中の「部」は質量部である。
以下の実施例における評価は次の方法によった。
A 耐有機溶剤性試験
有機溶剤として、DEETを含有している米国市販防虫剤(商品名:Cutter OUTDOORSMAN、組成:DEET 21.85%、DEETの異性体 1.15%、その他の成分 77.0%)を脱脂綿に付与させて、透湿性防水樹脂膜上の柄を軽く1回擦り、2分間乾燥させる操作を20回繰り返す。また、前記防虫剤に代えて、50%DMF/50%エタノ−ル溶液を用いても評価をおこなう。
B 透湿度
酢酸カリウム法 JIS L1099−1993B法にて測定した。
塩化カルシウム法 JIS L1099−1993A−1法にて測定した。
なお、塩化カルシウム法、酢酸カルシウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算した。
C 耐水圧
JIS L1091−1998耐水度試験(静水圧法) 耐水圧が2000mmHO以下のものをA法(低水圧法)、2000mmHOを超えるものをB法(高水圧法)に準じた方法で測定した。
水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなった。
なお、単位は、A法(低水圧法)と比較しやすいように、B法(高水圧法)においても水柱の高さmmHOで換算し記した。
なお、透湿度及び耐水圧の測定は、耐有機溶剤試験を行っていないもので測定をおこなった。
実施例1
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなったものを繊維布帛として用いた。
また、離型紙(ポリプロピレンコ−テイング品。目付け55g/m)上に下記ウレタン樹脂溶液を塗布し、120℃で30秒間熱処理を行い、厚さ20μmの透湿性防水樹脂膜を形成した。
ウレタン樹脂溶液
エ−テル系ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
メチルエチルケトン 70部
白顔料 8部
グラビアコ−タを用い湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂 タイホ−スNH300(大日本インキ化学工業株式会社製)を110℃に加熱し、溶融させ、点状に、透湿性防水樹脂膜上に付与した。
次に、この接着剤を付与した面と繊維布帛を重ね合わせニップロ−ルを用い圧着した。
圧着した後、40℃で72時間エ−ジングした後、離型紙を剥離し、繊維布帛の片面に透湿性防水樹脂膜を付与した。
次に、柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液をグラビアコ−タを用い透湿性樹脂膜上に点状に付与し、120℃にて1分間熱処理をおこなった。
柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液
EO基の含有量が50%の親水性ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
メチルエチルケトン 30部
官能基数3のヘキサメチレンジイソシアネ−トイソシアヌレ−ト変性体 5部
アミン系触媒 0.5部
黒色顔料(カ−ボンブラック) 5部
次に、繊維布帛面に、グラビアコ−タを用い用い撥水剤アサヒガ−ドAG5690(フッ素系撥水剤、旭ガラス(株)製)5%溶液にて撥水処理をおこない、140℃にて仕上げセットを行い、透湿性防水樹脂膜面に点状の柄(透湿性防水樹脂膜面の75%柄を付与)を有する透湿性防水布帛を得た。
得られた透湿性防水布帛の性能は下記の通りであった。
耐有機溶剤性 防虫剤:柄は消えなかった。
50%DMF/50%エタノ−ル溶液:柄は消えなかった。
透湿性 塩化カルシウム法 5650g/m・24hrs
酢酸カリウム法 24500g/m・24hrs
耐水圧 20000mmHO以上
比較例1
実施例1の柄付与のためのウレタン樹脂溶液中のイソシアネ−トを除いた以外は実施例1と同様にし、透湿性樹脂膜面に点状の柄を有する透湿性防水布帛を得た。
得られた透湿性防水布帛の性能は下記の通りであった。
耐有機溶剤性 防虫剤:柄は消えてしまった。
50%DMF/50%エタノ−ル溶液:柄は消えてしまった。

透湿性 塩化カルシウム法 5500g/m・24hrs
酢酸カリウム法 24200g/m・24hrs
耐水圧 20000mmHO以上
実施例2
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなったものを繊維布帛として用いた。
次に、ナイフコ−タを用い、繊維布帛上に、下記ウレタン樹脂溶液を塗布した。
ウレタン樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
DMF 40部
白色顔料 3部
引き続き15%DMF水溶液に浸漬し、凝固、湯洗い、水洗を行い微多孔質膜からなる透湿性防水樹脂膜を繊維布帛上に付与した。
次に、柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液をグラビアコ−タを用い透湿性樹脂膜上に菱形状に付与し、120℃にて1分間熱処理をおこなった。
柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液
EO基の含有量が30%の親水性ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
メチルエチルケトン 30部
官能基数3のヘキサメチレンジイソシアネ−トイソシアヌレ−ト変性体 5部
アミン系触媒 0.5部
黒色顔料(カ−ボンブラック) 5部
白色顔料(酸化チタン) 5部
次に、繊維布帛面に、グラビアコ−タを用い撥水剤アサヒガ−ドAG5690(フッ素系撥水剤、旭ガラス(株)製)5%溶液にて撥水処理をおこない、140℃にて仕上げセットを行い、透湿性防水樹脂膜面上に菱形の柄を有する透湿性防水布帛を得た(透湿性防水樹脂膜面の85%柄を付与)。
得られた透湿性防水布帛の性能は下記の通りであった。
耐有機溶剤性 防虫剤:柄は消えなかった。
50%DMF/50%エタノ−ル溶液:柄は消えなかった。
透湿性 塩化カルシウム法 7650g/m・24hrs
酢酸カリウム法 6500g/m・24hrs
耐水圧 8000mmH
実施例3
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなったものを繊維布帛として用いた。
次に、ナイフコ−タを用い、繊維布帛上に、下記ウレタン樹脂溶液を塗布した。
ウレタン樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
DMF 40部
白色顔料 3部
引き続き15%DMF水溶液に浸漬し、凝固、湯洗い、水洗を行い微多孔質膜からなる透湿性防水樹脂膜を繊維布帛上に付与した。
次に、離型紙(ポリプロピレンコ−テイング品。目付け55g/m)上に下記ウレタン樹脂溶液を塗布し、120℃で30秒間熱処理を行い、厚さ20μmの無孔質の透湿性防水樹脂膜を形成した。
ウレタン樹脂溶液
エ−テル系ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
メチルエチルケトン 70部
白顔料 8部
グラビアコ−タを用い湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂 タイホ−スNH300(大日本インキ化学工業株式会社製)を110℃に加熱し、溶融させ、点状に、透湿性防水樹脂膜上に付与した。
次に、この接着剤を介し、先に繊維布帛上に付与されて微多孔質膜からなる透湿性防水樹脂膜と離型紙上に形成された無孔質の透湿性樹脂膜とを重ね合わせニップロ−ルを用い圧着した。
圧着した後、40℃で72時間エ−ジングした後、離型紙を剥離し、繊維布帛の片面に微多孔質と無孔質のウレタン樹脂を積層した透湿性防水樹脂膜を付与した。
次に、柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液をロ−タリ−スクリ−ンを用い無孔質の透湿性防水樹脂膜上に文字柄を付与し、120℃にて1分間熱処理をおこなった。
柄を付与する耐溶剤性ウレタン樹脂膜用溶液
EO基の含有量が50%の親水性ウレタン樹脂(固形分30%) 50部
EO基の含有量が0%の非親水性ウレタン樹脂(固形分30%) 50部
メチルエチルケトン 30部
官能基数3のヘキサメチレンジイソシアネ−トイソシアヌレ−ト変性体 5部
アミン系触媒 0.5部
シルバ−顔料(アルミニウム) 5部
次に、繊維布帛面に、グラビアコ−タを用い用い撥水剤アサヒガ−ドAG5690(フッ素系撥水剤、旭ガラス(株)製)5%溶液にて撥水処理をおこない、140℃にて仕上げセットを行い、透湿性樹脂膜面に点状の柄を有する透湿性防水布帛を得た(透湿性防水樹脂膜面の65%柄を付与)。
得られた透湿性防水布帛の性能は下記の通りであった。
耐有機溶剤性 DEET:柄は消えなかった。
50%DMF/50%エタノ−ル溶液:柄は消えなかった。
透湿性 塩化カルシウム法 4100g/m・24hrs
酢酸カリウム法 6500g/m・24hrs
耐水圧 20000mmHO以上

Claims (4)

  1. 繊維布帛の少なくとも片面に透湿性防水樹脂膜を有し、該透湿性防水樹脂膜上に耐溶剤性ウレタン樹脂膜により柄が形成されており、前記柄が有機溶剤を用いて処理した後も、消えないことを特徴とする透湿性防水布帛。
  2. 前記有機溶剤が、N,N’−ジエチル−m−トルアマイド、アミド系溶媒から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の透湿性防水布帛。
  3. 透湿性防水樹脂膜がウレタン樹脂を主成分とすることを特徴する請求項1または2記載の透湿性防水布帛。
  4. 柄を形成する前記耐溶剤性ウレタン樹脂膜がウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)を反応させてなることを特徴とする請求項1〜3記載の透湿性防水布帛。
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CN102330337A (zh) * 2011-07-28 2012-01-25 吴江征明纺织有限公司 一种防蚊防水透湿织物用整理剂
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