JP2007203167A - 生ゴミ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生ゴミ等の処理対象から発生する粉塵の焦げ付きを防止または抑制し得る生ゴミ処理装置を提供する。
【解決手段】この生ゴミ処理装置1は、投入される生ゴミ等の処理対象Sを、処理槽20内で攪拌しつつ加熱する処理をするものであり、バーナー30と、そのバーナー30で発生する熱気を処理槽20内に導入可能に処理槽20の上部に付設される燃焼室70と、を備えている。そして、バーナー30にはブロワ38が付設されており、処理槽20内での攪拌処理が継続中は、このブロワ38を常に回転させることで、燃焼室70内に向けて、バーナー20の停止中にも外気を常時送り込んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、生ゴミ処理装置に係り、特に、食品工場等にて廃棄される生ゴミ等の処理対象を、処理槽内で攪拌しつつ加熱する処理をする生ゴミ処理装置の改良に関する。
この種の生ゴミ処理装置では、例えば有用な微生物等を処理対象に添加し、これを処理槽内で攪拌しつつ加熱する処理をして例えば発酵させ、これによる発酵調製物を家畜飼料または堆肥として活用している。なお、本明細書において、「処理槽内で処理対象を攪拌しつつ加熱する処理」を、以下、「調製処理」ともいう。
このような調製処理による発酵調製物を長期保存可能とするためには、その含有する水分を例えば約10%以下にする必要がある。そのため、通常、発酵させた処理対象を、さらに調製処理して所定の水分量以下に乾燥させている。しかし、このような調製処理には、多大な熱量を必要とする。そこで、従来、その処理コストを考慮して、比較的安価なバーナーを用いて、その燃焼熱でこのような調製処理を行なっている(例えば特許文献1ないし3参照)。
例えば特許文献1に記載の技術では、処理対象を調製処理するために、処理槽内にバーナー(多孔バーナー)を直に設けており、そのバーナーで発生する熱気によって処理対象を加熱処理している。
また、例えば特許文献2に記載の技術においても、処理槽は、加熱室と撹拌室との間に隔壁を有しない、いわば一室で構成されている。そして、その処理槽内に直に噴射するようにバーナーを設けており、そのバーナーで発生する熱気によって処理対象を加熱処理している。
また、特許文献3に記載の技術では、処理槽内に、U字状に曲げられた放熱管を設けており、この放熱管内にバーナーの火炎を吹き込み、これによる輻射熱によって処理対象を加熱処理している。
特開平08−319188号公報 特開2005−87966号公報 特開2002−200467号公報
ところで、生ゴミ等の処理対象は、上述の調製処理がされる際に、その水分が少なくなるにつれて処理槽内で粉塵を発生する。
ここで、例えば特許文献1に記載の技術では、処理槽内にバーナー(多孔バーナー)を直に設けており、処理対象を、いわば直接的に加熱しているので、処理槽内に浮遊した粉塵を炭化させ易い。そして、この焦げ付いた粉塵が発酵調製物内に混入して、製品となる家畜飼料や堆肥の品質を低下させてしまう。このことは、例えば特許文献2に記載の技術において同様であり、粉塵の焦げ付きを防止する上では、未だ検討の余地がある。
また、例えば特許文献3に記載の技術では、処理対象に対し輻射熱によって、いわば間接的な加熱を行なっているので、上記直接的に加熱するものと比べて粉塵の焦げ付きを抑制し得る。しかし、その処理槽内に、U字状に曲げられた放熱管を直に設けているので、その放熱管自体の上部に粉塵が堆積し易い。そして、放熱管の上部に堆積した粉塵は、放熱管からの輻射熱でやはり焦げ付いてしまう。そのため、この焦げ付いた粉塵が発酵調製物内に再び混入すれば、製品となる家畜飼料や堆肥の品質が低下することになる。なお、放熱管の上部に断熱材等を施工して堆積した粉塵の焦げ付きを防ぐことも考えられるが、この場合、その施工や、堆積した粉塵を清掃する等のメンテナンスが必要になる。また、処理対象から生じる粉塵は、処理対象の含有する水分が少なくなるにつれその量が増加する。そして、放熱管近傍まで浮遊した粉塵は、輻射熱による間接的な加熱とはいえ、やはり輻射熱によって焦げ付いてしまうので、粉塵の焦げ付きを防止する上では、未だ検討の余地がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、生ゴミ等の処理対象から発生する粉塵の焦げ付きを防止または抑制し得る生ゴミ処理装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、投入される生ゴミ等の処理対象を、処理槽内で攪拌しつつ加熱する処理をする生ゴミ処理装置であって、バーナーと、そのバーナーで発生する熱気を前記処理槽内に導入可能な燃焼室と、を備え、さらに、前記処理槽内での攪拌処理が継続中は、前記燃焼室内に向けて外気を常に送り込む外気送気手段を備えることを特徴としている。
本発明によれば、処理槽とは別に燃焼室を備えているので、バーナーで発生する熱気は、この燃焼室を介して処理槽内に導入される。そのため、処理槽内の処理対象は、いわば間接的に加熱される。したがって、例えば処理槽内にバーナーを直に設けたものと比べて、調製処理過程での粉塵の焦げ付きを抑制することができる。また、処理対象がその一部だけ過加熱されることで部分的に生じる焦げ付きの発生も抑制される。
そして、上記外気送気手段は、攪拌処理中は、燃焼室内に外気を常に送り込むように構成しているので、処理槽の内圧に対し燃焼室の内圧が常に高く保たれる。これにより、処理槽内に浮遊した粉塵が燃焼室側に近づくことが抑制される。そのため、燃焼室側に近づいた粉塵の焦げ付きが抑制される。したがって、処理対象内への焦げ付いた粉塵の混入が防止または抑制されて、製品となる発酵調製物の品質を向上させることができる。
ここで、前記外気送気手段は、処理槽内の熱気を燃焼室に再供給することがない構成とされていればより好ましい。このような構成であれば、例えば処理槽内の熱気を一旦取り込んで再び処理槽内に戻すような循環する構成のとき、その循環される熱気内に粉塵が含まれていても、その粉塵が燃焼室内に向けて再び供給されないからである。したがって、循環される熱気内の粉塵の焦げ付きを防止する上でより好適である。
また、前記外気送気手段は、前記燃焼室内に向けて外気を送り込み可能な送風機と、前記処理槽内での攪拌処理が継続中はその送風機を常に回転させる制御をする圧力制御手段と、を備えた構成とすることが好ましい。このような構成であれば、外気送気手段を簡素な構成とし、その施工や清掃等のメンテナンスを容易とする上で好適である。また、この構成において、前記送風機は、バーナーに付設されて燃焼用空気を送るブロワが兼ねていることが好ましい。このような構成であれば、外気送気手段は、バーナーの噴射口から燃焼室内に向けて外気を送り込むことができるので、例えば燃焼室に対し、外気送気手段専用の開口やその取付部を設けることを不要とする上で好適である。
また、前記送風機は、前記燃焼室に直接付設される第一の送風機と、バーナーに付設されて燃焼用空気を送るブロワが兼ねる第二の送風機と、を備えて構成されていることが好ましい。このような構成であれば、燃焼室に対し、外気送気手段専用の開口やその取付部を設けることにはなるものの、外気送気手段専用の第一の送風機を備えているので、細かい送気管理をする上で好適であり、より十分な送気量を確保する上で好適である。
また、前記燃焼室は、処理槽の上部に付設されていることが好ましい。このような構成であれば、この燃焼室に対して粉塵が堆積することはない。また、舞い上がった粉塵が燃焼室内に侵入することが抑制される。したがって、粉塵の焦げ付きを防止する上でより好適である。
また、処理槽内の熱気を一端側から吸い込むとともに他端側から再び処理槽内に吹き出すという循環をさせるための導風管と、処理槽内の熱気を一端側から吸い込むとともに他端から排気をさせるための排気管と、をさらに備え、これら排気管および導風管は、燃焼室の近傍に且つその処理槽側の面より低い位置に、各吸い込み側となる端部がそれぞれ配置されていることが好ましい。このような構成であれば、処理槽の上部に浮遊した粉塵は、各吸い込み側に向けて吸引されるので、燃焼室側に粉塵が近づくことが抑制される。したがって、浮遊した粉塵の焦げ付きを抑制する上でより好適である。
本発明によれば、生ゴミ等の処理対象から生じる粉塵の焦げ付きを防止または抑制することができる。
以下、本発明に係る生ゴミ処理装置の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、本発明に係る生ゴミ処理装置を、例えば惣菜、その他の食物などの生ゴミ等、処理すべき処理対象を攪拌しつつ加熱する調製処理をして、家畜飼料または堆肥とし得る発酵調製物を製造可能な生ゴミ処理装置に適用した例である。
図1はその生ゴミ処理装置を説明する概略構成図である。なお、同図(a)はその正面図であり、同図では処理槽および燃焼室を、攪拌羽の主軸方向の断面で示している。また、同図(b)は同図(a)でのA−A断面図である。
図1に示すように、この生ゴミ処理装置1は、ベース部分を構成するフレーム10を備えており、このフレーム10上には、処理槽20が設置されている。処理槽20は、横断面の下方部分が上方開放の優弧状に形成されており、その上方が下方に開放する略矩形状をなして一体に形成されている。フレーム10と処理槽20との間には、不図示のロードセルが設けられている。このロードセルは、処理槽20およびその処理槽20内に投入される生ゴミ等の処理対象Sを含めた重量を測定可能になっており、その測定された対象の重量を後述の制御盤50に出力可能に構成されている。なお、同図ではフレーム10の一部図示を省略しているが、モ−タ40および制御盤50についてもフレーム10に対して固定されている。
処理槽20には、その上部の一端の側に、生ゴミ等の処理対象Sを投入するための投入口21が設けられている。この投入口21には、開閉可能な開閉蓋22が取り付けられている。また、処理槽20の下部には、開閉可能な蓋を有する取出口24が処理槽20の長手方向での略中央部に設けられており、この取出口24から、調製処理後の処理対象S、つまり、製造された発酵調製物を取り出し可能になっている。
処理槽20内には、同図に示すように、スクリュウ状の攪拌羽60が回動可能に設置されている。
詳しくは、攪拌羽60は主軸61を有して構成されている。主軸61は、処理槽20の長手方向に貫通しており、その両端が処理槽20の両側壁に対し回動可能にそれぞれ支持されている。そして、主軸61は、その処理槽20内に位置する部分に、その径方向に向けて放射状に延びるスクリュウ支持腕62が、軸方向で交互に向きを変えて複数固定されている。各スクリュウ支持腕62には、主軸61の軸方向での前半部(図1(a)左側半部)と後半部(図1(a)右側半部)とに前撹拌羽根64および後撹拌羽根66がそれぞれ固定されている。これら前、後撹拌羽根64、66は、共にスクリュウ状をなし、それぞれ捩れ方向が相互に逆であり、かつピッチが略等しくなっており、処理対象を攪拌しつつ粉砕可能に形成されている。さらに、主軸61は、その一端側が動力伝達手段42を介してモータ40に連結されている。これにより、この攪拌羽60は、モータ40の駆動力を動力伝達手段42を介してその主軸61が回転されることで、各撹拌羽根64、66によって生ゴミ等の処理対象を処理槽20内部で均一に攪拌可能になっている。
さらに、処理槽20の上部には燃焼室70が備えられている。
詳しくは、処理槽20の上面部には、投入口21とは反対の側に、略矩形状の開口部20aが貫通形成されており、この開口部20a全体を覆うように、略直方体状の箱形の燃焼室70が上方から付設されている。そして、この燃焼室70の下部には仕切網26が開口部20a全体を覆うように設けられている。この仕切網26は、例えば円形の孔が全面に亘って多数形成された金属製の網が用いられている。つまり、この仕切網26は、いわば通気性のある隔壁になっており、この仕切網26で処理槽20と燃焼室70とを仕切っている。さらに、その仕切網26上に、複数の耐火物90が載置されている。この耐火物90には、耐火煉瓦を用いている。ここで、燃焼室70は高温になるので、ロックウール等の断熱材92が、燃焼室70の内壁面に施工されている。また、燃焼室70の一方の側面(同図(a)での右側)には、開口部70aが形成されている。
そして、この燃焼室70の側面の開口部70aに、バーナー30がその噴射口31を開口部70a側に向けて配置されている。なお、処理槽20および燃焼室70には差圧計(不図示)が相互の圧力差を測定可能に設けられており、この差圧計で測定された差圧が制御盤50に出力可能になっている。
バーナー30は、熱気を発生させて処理槽20内を加熱するものであり、その噴射口31を開口部70a側に向けて、図示を省略した支持フレームを介して処理槽20に支持されている。そして、このバーナー30には、その噴射口31とは反対の側に、外気をバーナー30内に向けて燃焼用空気を送り込むためのブロワ38がさらに付設されている。これにより、バーナー30は、燃焼用の外気を取り込んで安定燃焼を継続でき、燃焼による熱気が燃焼室70に進入する。
ここで、図2に、図1(a)でのB矢視部分を拡大して示す。なお、同図では燃焼室70を横断面にて示している。
同図に示すように、この生ゴミ処理装置1は、燃焼室70に向けて外気を送り込み可能な送風機を二つ備えている。その一つは、第一の送風機としてのブロワ37であり、このブロワ37は、燃焼室70に、バーナー30と同じ側からバーナー30と併設されて、燃焼室70に直接付設されている。また、他の一つは、ブロワ38であり、つまり、第二の送風機であるブロワ38は、バーナー30に付設されて燃焼用空気を送るブロワ38が兼ねている。なお、ブロワ37およびブロワ38は、いずれもインバータ(不図示)によって、その回転数を制御盤50で制御可能になっている。また、ブロワ37、38は、処理槽20内の熱気を燃焼室70に再供給することなく外気のみを燃焼室70に向けて送り込むように構成されている。
上記構成によって、燃焼室70は、バーナー30からの熱風の流れをその内部で分散しつつ処理槽20内に誘導し、さらに、燃焼室70内の耐火物90は、バーナー30からの熱気を受けて処理槽20内に赤外線を輻射可能になっている。つまり、燃焼室70は、バーナー30で発生する熱気を、仕切網26および耐火物90を通して処理槽20内に送り込み、処理槽20内部をいわば間接的に加熱可能になっている。なお、上記複数の耐火物90は、図2に示すように、バーナー30とは反対側では仕切網26の周囲に適宜の間隔を空けて、また、耐火物90相互に適宜の間隔を空けて載置されている。なお、仕切網26上でのバーナー側については、耐火物90を隙間無く敷き詰めている。これは、後述する導風管72の吸い込み側の開口部(貫通孔74)への強い熱風の流れ込みを防ぐためである。
なお、図1(a)では、燃焼室70側から処理槽20内に向けて示される矢印のうち、実線の矢印は分散された熱風のイメージを、また、破線の矢印は輻射熱のイメージをそれぞれ表している。
さらに、処理槽20には、二つの貫通孔74が、その燃焼室70側の側壁20bの上部、且つ、幅方向両側の位置にそれぞれ開口している(図1(b)参照)。なお、図1(a)では図示の便宜上、これら二つの貫通孔74が高さ方向で異なる位置に図示されているが、高さ方向での相互の位置は同じである。
各貫通孔74には、処理槽20の外部から導風管72の一端側がそれぞれ取り付けられている。各導風管72には、その途中部分に、貫通孔74側から反対の側に向けて送風可能な導風ファン76が取り付けられている。そして、導風管72の他端側72bは、貫通孔74より処理槽20内の低い位置且つ攪拌羽60の旋回範囲の外に設けられた裏面側の導風管接続部75に繋がっている。そして、導風管72は、その他端側72bが、処理槽20内に熱気を吹き出し可能に、主軸方向に沿って設けられている。この導風管72の他端側72bは、横断面が矩形状をなしており、さらに、処理対象Sの攪拌されている方向に向かって斜め下向きに熱気を吹き出し可能なように、スリット状の吹き出し穴が管路に沿って多数形成されている。これにより、各導風管72は、熱風循環系統を構成し、つまり、貫通孔74から処理槽内の熱気を導風ファン76で管路内に誘導し、それぞれの導風管接続部75側から処理槽20内に導いて、他端側72bから再び吹き出すという循環が可能になっている。
ここで、各導風管72は、それぞれ配管経路が異なる。そのため、単に配管したのみでは、循環される熱風は、配管相互で温度差が生じてしまう。そこで、この生ゴミ処理装置1では、配管経路の短い方にのみ、外気をさらに取り込むための外気取込み穴78を導風ファン76の上流に設けている。これにより、各導風管72相互での循環される熱風の温度差を小さくして、処理槽20内全体の温度のばらつきを、より少なくすることを可能としている。
また、処理槽20には、その上部の略中央(投入口21と燃焼室70との間の位置)に排気管80が設けられている。この排気管80は、導風管72より径大の管路であり、その一端が処理槽20内に突出して設けられた吸い込み側の開口部80aになっている。そして、その途中部分に排気ファン86が取り付けられており、他端が大気に開放されている。この排気ファン86は処理槽20内の吸い込み側の開口部80aから反対の側に向けて送風可能に設置されており、これにより、排気管80は、処理槽20内での熱気、熱風、ガス等を排出可能になっている。なお、この排気ファン86はインバータ(不図示)によって、その回転数を制御盤50で制御可能になっている。
ここで、上記排気管80および各導風管72は、燃焼室70の仕切網26近傍に、且つ仕切網26の下面より低い位置に、処理槽20内に向けた各吸い込み側の開口部をそれぞれ配置している。この例では、燃焼室70下面での主軸61の軸方向両側で略対向する位置に、各吸い込み側となる端部、つまり、排気管80の吸い込み側の開口部80aと導風管72の吸い込み側の開口部(貫通孔74)とをそれぞれ設けている。この配置により、処理槽20の上部に浮遊した粉塵は、各吸い込み側の開口部に向けて吸引されるので、燃焼室側に近づくことが抑制され、浮遊した粉塵の焦げ付きを抑制可能になっている。
さらに、燃焼室70には、図1に示すように、その外壁面の上部に、燃焼室70内にプローブが突出して設けられた熱電対式の燃焼室温度計32が装着されている。また、処理槽20には、その略U字状をなす円弧部分の外壁面に、処理槽20内にプローブが突出して設けられた熱電対式の処理槽温度計33が装着されている。さらに、処理槽20側壁の上部の導風管72には、その外壁面に、管内にプローブが突出して設けられた熱電対式の導風管温度計34が装着されている。そして、各温度計32、33、34は、それぞれが装着された部分での温度を、熱電対による電圧の変化として検出し、各信号線を介して温度コントローラ36に出力可能になっている。
温度コントローラ36は、各温度計32、33、34で検出された電圧の変化をそれぞれ温度データとして獲得し、その獲得した温度データを温度コントローラ内のRAMの所定領域に格納可能に構成されている。そして、温度コントローラ36は、格納された各温度データを、予め設定されている各設定温度データとそれぞれ比較可能になっている。ここで、各「設定温度データ」は、予めオフラインの状態にて測定されたそれぞれの温度に対する調製処理状態のデータ(以下、ラボデータという)に基づいて予め設定されており、これを設定温度データテーブルとして、温度コントローラ36内のROMの所定領域に適宜参照可能に格納している。ラボデータは、所定の量の処理対象Sに応じて、それぞれに対応した設定値として登録されている。なお、本実施形態の例では、温度コントローラ36での設定温度データの各設定値は、燃焼室温度計32に対応する設定値が900℃〜1200℃の範囲で、また、処理槽温度計33に対応する設定値が70℃に、さらに、導風管温度計34に対応する設定値が250℃〜280℃の範囲で、それぞれ投入される処理対象Sに応じて適切な値が設定される。さらに、温度コントローラ36は、各温度データを、予め設定されている設定温度データとそれぞれ比較して、各温度データが設定温度データに到達するまでは、「ON」の制御信号を出力し、各温度データが設定温度データに到達すれば、「OFF」の制御信号を出力するようになっている。そして、これらの制御信号は、信号線を介して制御盤50にそれぞれ供給可能になっている。
制御盤50は、内部にタイマーを備え、モ−タ40の電源の入/切、強弱等の制御をするとともに、温度コントローラ36からの制御信号に基づいて、バーナー30の電源の入/切、強弱、およびタイマー等を制御する調製制御処理が可能に構成されている。
詳しくは、この制御盤50は、以下、いずれも図示しない、所定の制御プログラムに基づいて、演算およびこの生ゴミ処理装置1のシステム全体を制御するCPUと、所定領域にあらかじめCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、生ゴミ処理装置1の操作パネル等を含めた外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(インターフェイス)とで構成されている。これらは、データを転送するための信号線であるバスで相互にかつデータ授受可能に接続されている。そして、その操作パネルからは上記調製制御処理の実行指令、および所定の量の処理対象Sに応じた必要な設定値を入力可能になっている。なお、モ−タ40およびバーナー30は、それぞれ、オペレータによるマニュアル操作での運転も可能になっている。
次に、この調製制御処理について詳しく説明する。
図3は、この制御盤50内で実行される調製制御処理を示すフローチャートである。また、図4は、制御盤内で実行される圧力制御処理(調製制御処理でのステップS14−A、ステップS14−B、およびステップS14−C)を示すフローチャートである。
この生ゴミ処理装置1での調製処理では、オペレータが、その実行指令を制御盤50の操作パネルから入力すると、図3に示す調製制御処理がCPUにおいて実行されて、まず、ステップS1からステップS4の、各定義された稼働のための処理が実質的にほぼ同時に実行されてステップS5に移行するようになっている。なお、ステップS1ではモ−タ40が駆動され、処理槽20内の攪拌羽60が動力伝達手段42を介して回転する。そして、ステップS2では排気ファン86を、予め設定された初期排気量で回転させる処理が、続くステップS3では導風ファン76を回転させる処理が実行される。
そして、ステップS4では、燃焼室70に向けて外気を送り込み可能な二つの送風機を回転させる処理が実行される。すなわち、燃焼室に直接付設されているブロワ37、および、バーナー30に付設されて燃焼用空気を送るブロワ38を共に回転させる処理が実行される。ここで、本実施形態の例では、二つのブロワ37、38を共に回転させているが、初期動作時における燃焼室70内のプレパージを主目的とする場合には、ステップS4で回転させるブロワは、バーナー30に付設されるブロワ38を少なくとも回転させることが好ましい。
ステップS5では、処理槽温度計33で測定され、温度コントローラ36から出力されてRAMの所定領域に格納されている制御信号を読み出し、処理槽温度計33が所定の設定温度を超えているか否かを判定する。すなわち、処理槽温度計33に対応する制御信号が「ON」の制御信号か「OFF」の制御信号かを判定し、「ON」と判定したとき(Yes)は、ステップS6に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS10に移行する。
ステップS6では、導風管温度計34で測定され、温度コントローラ36から出力されてRAMの所定領域に格納されている制御信号を読み出し、導風管温度計34が所定の設定温度を超えているか否かを判定する。すなわち、導風管温度計34に対応する制御信号が「ON」の制御信号か「OFF」の制御信号かを判定し、「ON」と判定したとき(Yes)は、ステップS7に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS9に移行する。
ステップS7では、燃焼室温度計32で測定され、温度コントローラ36から出力されてRAMの所定領域に格納されている制御信号を読み出し、燃焼室温度計32が所定の設定温度を超えているか否かを判定する。すなわち、燃焼室温度計32に対応する制御信号が「ON」の制御信号か「OFF」の制御信号かを判定し、「ON」と判定したとき(Yes)は、ステップS8に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS9に移行する。
ステップS8では、バーナー30を点火(運転)する処理を実行ないし継続して、ステップS14−Bに移行する。
ステップS9では、バーナー30を消火(停止)する処理を実行ないし継続して、ステップS14−Bに移行する。
ステップS10では、バーナー30を消火(停止)する処理を実行ないし継続して、ステップS11に移行する。
ステップS11では、第一の排気量制御処理を実行する。ここでは、処理対象Sの温度を設定温度(例えば70℃)に維持するように冷却すべく、排気ファン86での、それまでの制御していた、上記予め設定された初期排気量を、それより大きい中程度の排気量に切り替えてステップS14−Aに移行する。
ステップS14−Aでは、所定の圧力制御処理が実行されてステップS12に移行する。ここで、この圧力制御処理は、処理槽20の内圧に対し燃焼室70の内圧が常に高く保たれるようにするものである。
ところで、単に、処理槽20の内圧に対し燃焼室70の内圧を常に高く保つようにするのであれば、例えば上記排気ファン86のみによる排気量制御をすることで足りるとも考えられるが、この場合、排気ファン86を駆動すると、その排気量を少なくしたとしても、排気管80から熱気を排気してしまうので、処理対象Sの温度は急激に低下する。そのため、本来必要な処理対象Sの温度を維持することが困難になる。しかし、単に排気ファン86を停止、あるいは極弱く運転するのみとすれば、例えば調製処理の発酵で発生するガス等によって処理槽20の内圧が上昇するので、燃焼室70側に処理槽20内のガス等が逆流してしまうことになる。
そこで、この圧力制御処理では、処理槽20内での攪拌処理が継続中は、バーナー30の停止中にも二つのブロワ37、38を常に回転させるようにそれぞれのインバータを制御する制御信号を制御盤50から出力している。これにより、排気ファン86の制御に拘わらず、処理槽20の内圧に対し燃焼室70の内圧を常に高く保つようになっている。
詳しくは、図4に示すように、ステップS14−Aに移行して圧力制御処理が実行されると、当該圧力制御処理での、ステップS141に移行する。ステップS141では、二つのブロワ37、38を回転させる制御信号が出力される。ここで、本実施形態では、上記ステップS4にて二つのブロワ37、38を共に回転させているが、上述のように、初期動作時における燃焼室70内のプレパージを主目的とする場合には、当該ステップS141において残るブロワを回転させるようにする(したがって、本実施形態の例では、実質的に上記ステップS4にて二つのブロワ37、38が共に回転する。)。
続くステップS143では、上記差圧計で測定された、処理槽20と燃焼室70との差圧を、差圧情報として獲得してステップS144に移行する。そして、ステップS144では、ステップS143で獲得された差圧情報が差圧の設定値より大きいか否かを判定する。すなわち、差圧値が設定値より大きければ(Yes)、ステップS145に移行し、そうでなければ(No)、ステップS146に移行する。
ここで、この差圧の設定値は、オフラインの状態にて測定された処理槽20と燃焼室70との差圧のデータに基づいて、予め設定している。つまり、本実施形態でのバーナー30は、図5に示すような適正使用範囲があり、燃焼室内圧力が指示線を越えない範囲でバーナーでの燃焼を制御する必要がある。当該バーナー30は、能力15万kcalの設定で使用しているので、同図から燃焼室70の内圧が24mmAq以下になるように差圧の設定値を定めており、これを差圧処理データテーブルとして、制御盤50内のROMの所定領域に適宜参照可能に格納している。
ステップS145では、ブロワ37およびブロワ38のインバータ周波数を下げるように制御信号が出力される。つまり、燃焼室70内の圧力を制御するためのファン(送風機)であるブロワ37およびブロワ38の単位時間あたりの回転数を減じて、処理を戻す。
ステップS146では、ブロワ37およびブロワ38のインバータ周波数を上げるように制御信号が出力される。つまり、ブロワ37およびブロワ38の単位時間あたりの回転数を増して、処理を戻す。
ここで、上記外気送気手段は、上記ステップS1およびステップS14−A(上記圧力制御手段に対応する)、並びに、ブロワ37およびバーナー30に付設されたブロワ38が対応する。
そして、ステップS12では、処理対象の温度が、設定温度まで下降したか、否かを判定する。つまり、現在の、処理槽温度計33に対応する制御信号が「ON」の制御信号か「OFF」の制御信号かを判定し、「ON」と判定したとき(Yes)は、ステップS13に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS14−Aに処理を戻す。
ここで、本実施形態では、処理槽20内の設定温度(例えば70℃)に対し、ヒステリシス値を設定している。この場合、設定温度を上回ったことによってバーナー30が停止した後は、「設定温度−ヒステリシス値」に低下するまではバーナー30を停止状態に保つように制御している。このヒステリシス値としては例えば2℃ないし3℃等を設定する。
ステップS13では、第二の排気量制御処理を実行する。ここでは、処理槽内の温度を設定温度(例えば70℃)に維持するように昇温すべく、それまでの制御していた中程度の排気量を、それより小さい排気量に切り替えてステップS14−Bに移行する。
ステップS14−Bでは、所定の圧力制御処理が実行されてステップS15に移行する。ここで、この圧力制御処理は、上述のステップS14−Aでの圧力制御処理と同一の処理であるので、その説明を省略する。
そして、ステップS15では、処理対象の調製処理が終了したか否かを判定する。この判定は、上記ロードセルによって測定される処理対象Sの重量が目標値まで減少した否かによって判定し、目標値まで減少したならば、「調製処理が終了」と判定し(Yes)、ステップS16に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS5に処理を戻す。ここで、処理対象の重量の目標値(目標重量)は、以下の式によって定めている。なお、下記投入対象水分率は、投入対象の重量に対する含有する水分の重量の割合である。
目標重量=((1−投入対象水分率)×投入対象重量)/(1−0.1)
ステップS16では、バーナー30を消火(停止)する処理を実行ないし継続して、ステップS17に移行する。
ステップS17では、第三の排気量制御処理を実行する。ここでは、処理対象Sを可及的速やかに冷却すべく、それまでは処理槽内の設定温度を例えば70℃に維持するように、上記第一および第二の排気量制御処理で制御していた排気量を、第一および第二の排気量制御処理での排気量より大きい排気量に切り替えてステップS14−Cに移行する。
ステップS14−Cでは、所定の圧力制御処理が実行されてステップS18に移行する。ここで、この圧力制御処理は、上述のステップS14−AおよびステップS14−Bでの圧力制御処理と同一の処理であるので、その説明を省略する。
そして、ステップS18では、処理対象の温度が、冷却終了温度まで下降したか、否かを判定する。ここで、処理対象の温度が冷却終了温度まで減少した否かの判定は、所定の時間Tと内部のタイマーでの経過時間TKとの比較(TK>T?)を行って判定する。つまり、所定の時間Tが経過したか否かを判定し、「TK>T」と判定したとき(Yes)は、ステップS18に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS14−Cに処理を戻す。なお、所定の時間Tは、予めオフラインの状態にて測定された処理対象Sの量や内容物に対する温度変化状態のデータに基づいて、予め所定の時間Tを設定し、これを冷却終了温度管理データテーブルとして、制御盤50内のROMの所定領域に適宜参照可能に格納している。なおまた、本実施形態は、タイマーによる時間で冷却終了温度を管理した例あるが、上記処理槽温度計33に対応する制御信号が「ON」の制御信号か「OFF」の制御信号かで判定するようにしてもよい。この場合、上記設定温度データに替えて、所望の冷却終了温度を設定温度データとして参照すればよい。
そして、ステップS19からステップS22では、各定義された所定の停止処理(調製終了処理)を順に実行する。停止処理は、各部ファンを停止する等の一連の機器の停止処理を実行し、調製終了情報を制御盤50の操作パネルに出力して調製制御処理を終了するものである。
すなわち、ステップS19では排気ファン86を停止させる処理が実行され、また、ステップS20ではモ−タ40が停止されることで、処理槽20内の攪拌羽60が停止される。そして、続くステップS21では導風ファン76を停止させる処理が実行される。さらに、ステップS22では、燃焼室70に向けて外気を送り込み可能な二つの送風機を停止させる処理が実行される。すなわち、燃焼室に直接付設されているブロワ37、および、バーナー30に付設されて燃焼用空気を送るブロワ38を共に停止させる処理が実行されて、調製制御処理が終了する。
なお、操作パネルの調製終了情報は、オペレータが操作する操作パネル上のディスプレーや標示灯に表示されるように構成されている。これにより、オペレータは、その表示によって調製処理が終了したことを容易に知ることが可能になっている。
次に、この生ゴミ処理装置の作用・効果について説明する。
この生ゴミ処理装置1は、先ず、オペレータが、攪拌羽を回転させながら、投入口21から、生ゴミ等の処理対象Sを所定の量だけ投入する。そして、処理対象を効率よく発酵させて良好な飼料を製造するために、土壌菌を主成分とする生ゴミ分解用の微生物製剤を、生ゴミと一緒に生ゴミ処理装置1に投入する。なお、その他、飼料になりそうなものを一緒に投入しても良い。
次に、オペレータは、制御盤50を操作して、上述した調製処理の実行指令を制御盤50の操作パネルから入力する。このとき、所定の量の処理対象Sに応じた設定値があわせて入力される。
これにより、モ−タ40が駆動され、処理槽20内の攪拌羽60が動力伝達手段42を介して回転する。そして、攪拌羽60に装着されている前、後攪拌羽根64、66で処理対象Sが細かく裁断されて、処理対象Sは、処理槽20内で攪拌されつつ粉砕処理されることで粒子化していく。
そして、上述の調製制御処理に基づいて、バーナー30が間欠的に適宜点火される(ステップS5〜ステップS15)。そのため、処理対象Sは、処理槽20内で攪拌されつつ粉砕されるとともに予め検討されているラボデータに基づく所望の加熱が適切になされ、これにより、好適な発酵がなされた品質の良い発酵調製物を製造することができる。
さらに、上述の調製制御処理に基づいて、処理対象Sの調製処理が終了したとの判定がされると(ステップS18の「Yes」条件が成立したとき)、上記一連の停止処理がなされて、操作パネル上のディスプレーや標示灯に表示がされるので、オペレータは、その表示によって調製処理が終了したことを容易に知ることができる。これにより、オペレータは、製造された発酵調製物を、取出口24の蓋を開き、取出口24から取り出す。このようにして、この生ゴミ処理装置1は、生ゴミ等の処理対象Sから所望の乾燥状態の発酵調製物を製造することができる。
ところで、一般に、生ゴミ等の処理対象は、調製処理がされる際に、その水分が少なくなるにつれて処理槽内で粉塵を発生する。さらに、その処理槽内に浮遊した粉塵が、バーナーの直火にふれると炭化され易い。そして、この焦げ付いた粉塵が発酵調製物内に混入すれば、製品となる家畜飼料や堆肥の品質を低下させてしまうことになる。
そこで、この生ゴミ処理装置1は、図1に示すように、処理槽20とは別に燃焼室70を備えており、この燃焼室70を処理槽20に付設している。これにより、バーナー30で発生する熱気は、この燃焼室70を介して処理槽20内に導入される。そのため、処理槽20内の処理対象Sは、いわば間接的に加熱される。したがって、粉塵が、バーナー30の直火にふれることがほとんどないので、調製処理過程での粉塵の焦げ付きを抑制することができる。そして、この燃焼室70は、処理槽20の上部に付設されているので、例えば処理槽内に放熱管を設けたものと比べて、この燃焼室70に対して粉塵が堆積することはない。また、舞い上がった粉塵が燃焼室内に侵入することが抑制される。したがって、粉塵の焦げ付きがより好適に防止または抑制される。
また、この生ゴミ処理装置1によれば、ブロワ37、および、バーナー30に付設したブロワ38を備えており、さらに、この二つのブロワ37、38を、上述の調製制御処理に基づいて、処理槽20内での攪拌処理が継続中は、常に回転するように制御(ステップS4およびステップS14−A,S14−B,S14−C)して外気送気手段を構成している。すなわち、この生ゴミ処理装置1によれば、攪拌処理中は、バーナー30の停止中にも燃焼室70に外気を常時送り込むように構成している。
これにより、処理槽20の内圧に対し燃焼室70の内圧が常に高く保たれるので、処理槽20内に浮遊した粉塵が燃焼室70側に近づくことが抑制される。そのため、浮遊した粉塵が燃焼室70側に近づくことによるその粉塵の焦げ付きが抑制される。したがって、処理対象S内への焦げ付いた粉塵の混入が防止または抑制されて、製品となる発酵調製物の品質をさらに向上させることができる。また、この生ゴミ処理装置1での例のように外気送気手段を構成すれば、外気送気手段を簡素な構成とし、その施工や清掃等のメンテナンスが容易である。
また、この生ゴミ処理装置1によれば、ブロワ37、38は、処理槽20内の熱気を燃焼室70に再供給することなく外気のみを燃焼室70に向けて送り込むように構成されている。そして、排気管80は他端が大気に開放されており、また、二系統ある導風管72は熱気を処理槽20内でのみ循環させるように構成されている。これにより、二系統ある導風管72は、処理槽20内の熱気を一旦取り込んで再び処理槽20内に戻しているが、その循環される熱気内に粉塵が含まれていても、その粉塵が燃焼室70内に向けて再び供給されない。したがって、循環される熱気内の粉塵の焦げ付きは防止される。
また、この生ゴミ処理装置1によれば、排気管80および各導風管72は、燃焼室70の近傍に且つその処理槽側の面、つまり、燃焼室70の仕切網26近傍に且つ仕切網26の下面より低い位置に、処理槽20内に向けた各吸い込み側の開口部をそれぞれ配置している。これにより、処理槽20の上部に浮遊した粉塵は、各吸い込み側の開口部に向けて吸引されるので、燃焼室70側に近づくことが抑制される。したがって、燃焼室70の下面近傍に浮遊した粉塵の焦げ付きをより好適に抑制することができる。
また、この生ゴミ処理装置1によれば、燃焼室70、処理槽20および導風管72の三箇所に各温度計32、33、34が装着されており、その出力する温度情報を温度コントローラ36を介して制御盤50に制御信号として供給可能になっている。そして、制御盤50は、その温度情報に基づいた温度コントローラ36の制御信号に応じて、バーナー30の電源の入/切、強弱、およびタイマーを制御可能に構成されている。これにより、処理槽20内の処理対象Sの温度を適正な範囲に管理して、処理槽20内での焦げ付きをより好適に抑制することができる。
すなわち、例えば排気管80からの排気温度のみによる監視では、処理槽20内の処理対象Sの温度と排気温度との差異が大きいので、処理槽20内での焦げ付きが生じ易いが、この生ゴミ処理装置1によれば、三箇所の温度を監視し、これをラボデータに基づいて管理しているので、処理槽20内の温度をより厳密に管理することができる。したがって、例えば発酵処理で増殖した有用微生物が過加熱によって死滅することをより好適に防止できる。また、過加熱による処理対象Sの焦げ付きや、浮遊した粉塵の焦げ付きをより好適に抑制することができる。また、循環する熱風を所定の温度以下に抑えることができるので、機器各部の熱破壊を防止することができる。
また、この生ゴミ処理装置1によれば、燃焼室70内の耐火物90は、燃焼室70の下部側に設置されており、仕切網26上で複数の耐火物90が相互に適宜の間隔を空けて載置されているので、熱風の流れを必要以上に妨げることなく、熱風を分散する効果が得られる。さらに、耐火物90に耐火煉瓦を用いているので、バーナー30からの熱気を受けて処理槽20内に赤外線を輻射することによって、処理槽20をより均一に加熱することができる。
特に、この生ゴミ処理装置1によれば、生ゴミを、攪拌・粉砕・昇温・発酵・乾燥させて家畜飼料や堆肥などに用い得る発酵調製物とし、その発酵調製物を長期保管可能にするために、昇温・発酵後、例えば70℃程度を維持し、水分が約10%前後となるまで乾燥させる場合において、その際の、処理対象の焦げ付きや乾燥ムラを好適に抑制することができる。さらに、その調製処理過程での粉塵の焦げ付きや、その焦げ付いた粉塵が発酵調製物内に再び混入することを好適に防止または抑制することができる。
また、飼料や堆肥等への加工に際して、有用な微生物を増殖させてその価値を高める場合においては、乾燥時の上限温度をより厳密に管理する必要があるが、この生ゴミ処理装置1によれば、処理対象Sに生じる加熱ムラを低減させることができるので、その管理が容易になる。したがって、例えば発酵処理で増殖した有用微生物が過加熱によって死滅することを防止できる。
なお、本発明に係る生ゴミ処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なのは勿論である。
例えば、上記実施形態では、バーナー30の噴射口31に併設して開口を設け、その開口にブロワ37を装着して、外気送気手段を構成する二つのブロワ37、38を備える例で説明したが、これに限定されず、燃焼室70内に向けて外気を送り込み可能な配置であれば、例えばブロワ38のみを備える構成としてもよい。外気送気手段専用のブロワ37の開口部やその取付部を設けることを不要とする上では、バーナーに付設したブロワ38にて、外気送気手段を構成することが好ましい。しかし、上記実施形態のように、燃焼室に対し、外気送気手段専用のブロワ37を備えれば、外気送気手段専用の開口やその取付部を設けることにはなるものの、細かい送気の管理をする上で好適であり、より十分な送気量を確保する上で好適である。
また、上記実施形態では、燃焼室70は、処理槽20の上部に付設されている例で説明したが、これに限定されず、例えば燃焼室70を処理槽20の側面に付設してもよい。しかし、舞い上がった粉塵が燃焼室70内に侵入することをより好適に防止または抑制する上では、燃焼室70を、処理槽20の上部に付設することが好ましい。
また、上記実施形態では、処理槽20に導風管72および排気管80を備え、これら導風管72および排気管80が、燃焼室70の近傍に且つその処理槽側の面より低い位置に、各吸い込み側となる端部をそれぞれ配置している例で説明したが、これに限定されず、他の位置に配管してもよい。しかし、処理槽の上部に浮遊した粉塵を、各吸い込み側に向けて吸引して、燃焼室側に粉塵が近づくことを抑制する上では、上記実施形態のように、燃焼室70の近傍に且つその処理槽側の面より低い位置に、各吸い込み側となる端部をそれぞれ配置して構成することが好ましい。
また、上記実施形態では、外気送気手段は、処理槽20内での攪拌処理が継続中は、ブロワ37、38が共に、バーナー30の停止中にも燃焼室内に向けて外気を常時送り込む構成例で説明したが、これに限定されず、外気送気手段は、処理槽内での攪拌処理が継続中は、ブロワ37、38のうち少なくとも一方のブロワが、バーナー30の停止中にも、燃焼室内に向けて外気を送り込むように構成されていればよい。より具体的には、少なくともバーナー30の停止中にブロワ37、38の少なくとも一方を回転させる制御を、圧力制御手段で実行させる構成とすることができる。すなわち、バーナー30が運転中であれば、その熱風の噴射によって燃焼室70内の圧力を高く保てるからである。しかし、上記実施形態での例のように、ブロワ37、38共に、燃焼室70内に向けて外気を常時送り込むような構成であれば、その制御を容易にする上では好適である。
また、上記実施形態では、排気ファン86はインバータによって回転数を制御可能になっているので、このインバータを、上記圧力制御処理においてさらに制御してもよい。この場合、例えば燃焼室70に、その内圧を検出可能に圧力計を設ける。そして、このときの圧力計からの圧力情報に対応する、必要な周波数の指令をインバータに出力可能に構成する。この周波数の指令は、例えば処理槽20の内圧に対し燃焼室70の内圧を常に高く保つことのできるそのときの周波数を、予めデータとして取得しておき、そのデータに基づいて、必要な周波数を参照可能に設定テーブルを用意する。そして、前記圧力計からの圧力情報に基づいて設定テーブルを参照し、そのときの必要な周波数の指令をインバータに出力可能に構成する。これにより、当該圧力制御処理において、排気ファン86をさらに制御しつつ圧力制御を行なうことができる。なお、この場合、バーナーは間欠運転されるので燃焼室70の内圧変動が大きく、燃焼室70の内圧の適切な監視が難しいことと、予めデータを取得したり、参照する設定テーブルを用意する等の手間を要する等の問題があるので、簡素な構成で圧力制御処理を実行する構成とする上では、上記実施形態の例のように、処理槽20内での攪拌処理が継続中は、バーナー30の停止中にもブロワ38を常に一定の速度で回転させるようにブロワ38を制御する制御信号を出力する構成のみによって圧力制御処理を構成してもよい。
図1は本発明に係る生ゴミ処理装置の一実施形態を説明する概略構成図である。 図1(a)でのB矢視部分を拡大して示す説明図である。 制御盤内で実行される調製制御処理を示すフローチャートである。 制御盤内で実行される圧力制御処理を示すフローチャートである。 バーナーの燃焼量と燃焼室内の適正圧力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 生ゴミ処理装置
20 処理槽
21 投入口
22 開閉蓋
24 取出口
26 仕切網
30 バーナー
31 噴射口
32 燃焼室温度計
33 処理槽温度計
34 導風管温度計
36 温度コントローラ
37 第一の送風機
38 ブロワ(第二の送風機)
40 モ−タ
42 動力伝達手段
50 制御盤
60 攪拌羽
61 主軸
62 スクリュウ支持腕
64 前攪拌羽根
66 後攪拌羽根
70 燃焼室
72 導風管
74 貫通孔
75 導風管接続部
76 導風ファン
78 外気取り込み穴
80 排気管
86 排気ファン
90 耐火物
92 断熱材
HW バーナーの火炎
S 処理対象(ないしは発酵調製物)

Claims (6)

  1. 投入される生ゴミ等の処理対象を、処理槽内で攪拌しつつ加熱する処理をする生ゴミ処理装置であって、
    バーナーと、そのバーナーで発生する熱気を前記処理槽内に導入可能な燃焼室と、を備え、
    さらに、前記処理槽内での攪拌処理が継続中は、前記燃焼室内に向けて外気を常に送り込む外気送気手段を備えることを特徴とする生ゴミ処理装置。
  2. 前記外気送気手段は、前記燃焼室内に向けて外気を送り込み可能な送風機と、前記処理槽内での攪拌処理が継続中はその送風機を常に回転させる制御をする圧力制御手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理装置。
  3. 前記送風機は、バーナーに付設されて燃焼用空気を送るブロワが兼ねていることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理装置。
  4. 前記送風機は、前記燃焼室に直接付設される第一の送風機と、バーナーに付設されて燃焼用空気を送るブロワが兼ねる第二の送風機と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理装置。
  5. 前記燃焼室は、処理槽の上部に付設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の生ゴミ処理装置。
  6. 前記処理槽内の熱気を一端側から吸い込むとともに他端側から再び前記処理槽内に吹き出すという循環をさせるための導風管と、前記処理槽内の熱気を一端側から吸い込むとともに他端から排気をさせるための排気管と、をさらに備え、
    これら排気管および導風管は、前記燃焼室の近傍に且つその処理槽側の面より低い位置に、各吸い込み側となる端部がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項5に記載の生ゴミ処理装置。
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