JP3971919B2 - 有機廃棄物の炭化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、木材,籾殻,おから,畜糞類,バカス,根菜類の残さ,かんきつ類のしぼりかす等の有機廃棄物や、有機汚泥等の炭化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機廃棄物等を第1の領域で加熱し、そこから気体を抜出す押出し機の形にした蒸留器へ連続的に導き、その後次の域において一層高い温度に加熱し、最終の域においてその内容物を冷却し残さを固体形にして抜き出す構成とし、被処理物の供給側から終端に至るに従い各処理を行わせ、各工程を有機的に結合して一連の乾留装置としたものがある(例えば、実公昭63−12544号公報)。
【0003】
また、上記の形態では筒外部より加熱するため莫大な燃料費を要することとなるから、筒内に火炎を導入して廃棄物としての籾殻の表面を燃焼させ燻製炭を生成させる構成としたものがある(特開平11−61143号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記前者の構成にあっては、加熱温度の管理について配慮はあるが、内部原料の燃焼状態を直接監視する燃焼温度の管理については配慮がなく、後者にあっても同様に籾殻の表面を燃焼させる燃焼温度の管理について配慮がなく、ロータリ炉内において必要な炭化状態を得られず、又は燃焼過剰による灰化を惹き起こすこととなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような技術的手段を講じた。請求項1に記載の発明は、供給された有機廃棄物の原料を燃焼して乾燥処理する乾燥区間Aと、該乾燥区間Aで乾燥された原料を燃焼して炭化処理する炭化区間Bと、該炭化区間Bで炭化処理された原料を消火する消火区間Cとを回転自在なロータリ炉14内に備え、該ロータリ炉14の内側は全区間に亘り非連続の羽根31を螺旋状に配接して設け、前記消火区間Cには円筒状の消火筒35を前記羽根31の内周縁との間に若干の隙間を存した状態に配置し、該消火筒35はその内側端部から導入外気を前記炭化区間Bへ供給する構成とし、前記ロータリ炉14内には炭化区間Bにおける原料温度の分布を検出する温度検出手段を設けて炭化燃焼の進み又は遅れを検出し、この検出結果に基づいて前記消火筒35の内側端部の導入外気供給位置をロータリ炉長手方向に変更制御すべく構成したことを特徴とする有機廃棄物の炭化装置の構成とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の効果】
ロータリ炉14内に供給された有機廃棄物の原料は乾燥区間Aで乾燥処理され、次いで、炭化区間Bで炭化処理される。そして、炭化処理された有機廃棄物は消火区間Cの消火筒35と羽根31の間の隙間に供給されて消火される。炭化区間Bでは温度検出手段で原料温度の分布が検出され、予め設定した標準的な温度分布との比較によって炭化燃焼の進み又は遅れを検出し、その炭化燃焼の進み又は遅れに基づいて消火筒35の内側端部の外気導入供給位置をロータリ炉長手方向に変更制御する。
これによって、原料温度の分布が検出され、予め設定した標準的な温度分布との比較によって炭化燃焼の進み又は遅れが検出でき、目標温度に達しない個所に向けて消火筒35の内側端部位置を調整しながら外気を導入し、燃焼を促進して目標の温度に近づけられて、目標とする温度分布を得ながら、過剰燃焼や燃焼不足を防止することができる。また、消火筒35を利用して外気を導入するから、各別の空気供給装置を必要としないためコスト低廉が図れる
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は装置全体の概要フロー図であり、有機性廃棄物を原料タンク1からコンベア手段2を経て炭化装置3の投入口に供給し、炭化物は炭化装置3終端の取出口から排出回収され別なコンベア手段4を経て製品タンク5に貯留される。一方炭化炉3始端側から排出される未燃焼ガスは2次燃焼炉6にて処理され煙突7から排気される構成である。8は制御盤、9はオイルサービスタンクである。
【0025】
上記炭化装置3は、架台10に適宜固定される供給側固定筒11、排出側固定筒12、及びこれら固定筒11,12との間に位置して駆動ローラ13,13によって水平軸芯回りに回転自在なロータリ炉14を設けてなる。炭化装置3の供給側端には供給タンク15を位置させ、該タンク15の底部から上記供給側固定筒11に亘り供給螺旋16を設けてあり、その駆動軸17を供給螺旋モータ18によって回転連動する構成である。
【0026】
上記供給側固定筒11の上部には点検口19を設け、下部には粉塵取出し口20を設けている。前記ロータリ炉14は、所定長さの炉筒単位を複数フランジ接合(図例では4筒)して必要長さの炉長を確保すべく形成され、供給側から乾燥区間A,炭化区間B,消火区間Cに構成される。即ち、ロータリ炉14には前後2ケ所に燃焼用バーナ21,22を備え、うち一方が乾燥区間Aにあって乾燥用バーナ21とされ、他方は炭化区間Bにあって炭化用バーナ22とされる。いずれも耐火材で構成された加熱バーナ炉23,24をロータリ炉14を取り巻くように架台10に固定し、このバーナ炉23,24の一側にバーナ21,22を挿入固定して設けてある。なお、これらバーナ21,22は、燃料供給バルブ25,26、燃料ノズル等の燃料供給装置を構成すると共に、燃焼ファン27,28を伴って燃焼盤部に燃焼用空気を供給できる構成である。また、ロータリ炉14の炭化区間Bにはこのバーナ炉24の内側に対応して小孔29,29…を穿設してなり、ロータリ炉14の内側には該炉14の回転方向(イ)に対して遅れ角を有して火炎導入パイプ30,30…を設けている(図8)。
【0027】
上記ロータリ炉14の内側は、その全区間に亘り非連続の羽根31,31…を螺旋状に配設して設けると共に、乾燥区間Aには上記非連続部において炉14の長手方向に略沿って撹拌羽根32,32…を設けてある。なおこの撹拌羽根32高さhは、上記螺旋羽根31高さHよりも低位に形成している(図9)。
【0028】
さて、前記ロータリ炉14の消火区間Cには、円筒状の消火筒35を前記螺旋羽根31の内周縁との間に若干の隙間を存した状態にして、当該螺旋羽根31を利用して固定板部35aを介して片持ち状でかつ着脱自在に取り付けてなる。該消火筒35はその一端の挿入内側端は消火区間Cの始端部位まで延長され、他端の外側端はロータリ炉14から脱する状態にあって前記排出側固定筒12内にのぞませてある。この消火筒35は、固定筒12内にのぞむ部分には覆板36を備え、一方内側端は開放状態となっている。即ち、消火区間Cでは原料炭化物の移動する空間のみを残して、内部円筒をもってロータリ炉14内空間を閉塞して外部空気に晒されないよう構成するもので、酸素供給を可及的に少なくして消火に至らしめる構成である。
【0029】
また、前記排出側固定筒12から炭化区間Bに延出して3本の空気導入パイプ39〜41を設ける。該空気導入パイプ39〜41は、上記覆板36の中心を貫通すべく設け、その外側端部を排出側固定筒12に適宜に支持させると共に、片持ち状にして内側端は炭化区間Bに至るように延長されて設けられている。そして空気導入パイプ39の先端は、炭化区間Bにおける原料の温度が所定温度に達する始端点a付近にその吐出口をのぞませ、次いで空気導入パイプ40は原料温度が所定温度に達する中間点b付近に、また空気導入パイプ41は原料温度が所定温度に達する終端点c付近に各先端吐出口がのぞむように配置されている。これら空気導入パイプ39〜41の空気入口側には夫々開度調整弁42〜44を設けると共に共通の送風ファン45を接続してなり、後記制御部によって、外部空気を炭化区間B内所定個所に必要量につき供給できる構成としている。なお、該空気導入パイプ39〜41の空気供給によって炭化区間B内局所における燃焼状態が促進される構成であり、逆に空気供給を抑制し又は遮断すると該燃焼状態を抑制する構成である。開度調整弁42〜44と送風ファン45との作動によって導入空気量を大小に変更制御しうる構成である。42m〜44mは開度調整弁42〜44の制御用モータである。
【0030】
上記排出側固定筒12の下部は排出螺旋46を後部側接続の排出筒47に亘って設けてなり、ロータリ炉14の後部端から落下する炭化物を受ける構成とし、排出筒47先端の開口部から炭化物を機外に排出できる構成としている。48,49,49はシャワーで、排出側固定筒12及び排出筒47とに都合3連に設けられて、移送途中の炭化物を冷却できる構成である。
【0031】
前記燃焼炉6は、前記供給側固定筒11の一側面の開口部54に排ガス取出導管50を介して接続構成され、炉筒内部においてバーナ51火炎によって燃焼処理できる構成であり、該燃焼炉6終端側には煙突7を接続構成するものである。8は制御盤であり、内部に各種演算処理を行なう実行プログラムを内蔵する制御部55を備え、各部運転モータヘの出力制御、各バーナへの燃焼信号出力等を起動スイッチ類入力又は各種センサの検出入力等に基づいて実行させるものである。検出手段としては、原料タンク1に設ける満量レベルセンサ56、炭化区間Bの前部、中部、及び後部5ケ所に配設した温度検出手段57〜61を備え、各部駆動手段としては、前記供給螺旋モータ17、制御モータ42m〜44mの他に、ロータリ炉14を回転連動する駆動モータ62、排出螺旋46を駆動する排出螺旋モータ63を備え、各バーナは、その燃焼指令信号に基づき、燃料供給量バルブ25,26制御と燃焼ファン27,28の回転数制御とを行い、燃料供給量に応じた風量を自動的に確保し得るよう構成している。
【0032】
なお、上記温度検出手段57〜61は、いずれも前記空気導入パイプ39〜41の先端部を利用して垂下状に設けられ、ロータリ炉14内の原料温度、所謂芯温を測定できる構成である。即ち、温度検出手段57は前記最高温度T0に達する始端点a付近の原料温度Ta、温度検出手段58は同じく中間点b付近の原料温度Tb、温度検出手段59は同じく終端点c付近の原料温度Tcを夫々測定すると共に、温度検出手段60はこの最高温度T0に達する直前の温度上昇行程の所定位置dの原料温度Td、温度検出手段61は最高温度T0から下降行程の所定位置eの原料温度Teを測定するものである。図11におけるように、上面がやや扁平な山形を呈する標準温度分布を元に各種制御が行なわれる構成である。つまり、制御部55は、運転スイッチ64操作に基づき炭化処理を行なわせ、原料タンク1が満量になると供給螺旋用駆動モータ17を停止し、温度検出手段57〜61は炭化用バーナ22の燃焼状態を所定温度範囲になるよう燃料供給量及び燃焼ファン回転数、あるいは空気導入パイプ39〜41からの導入空気量を増減制御する構成である。
【0033】
前記炭化区間Bにおける燃焼中原料の温度分布状況は上記温度検出手段57〜61によって検知される。このうち温度検出手段57,58及び59は目標最高温度T0を検知し、温度検出手段60は該目標温度到達前の温度Tdを、温度検出手段61は該目標温度到達後の温度Teを夫々検知しながら、予め設定した前記標準温度分布P(図11、図12(イ))と比較し、これら温度検出手段57〜61の各検出値Ta〜Teをもって該標準温度分布P状態に近づける制御を行なう。標準温度分布においては、温度検出手段60及び61による検出値Td,Teが温度T1、温度検出手段57,58及び59による検出値Ta,Tb,Tcが目標の炭化最高温度T0(>T1)にあり、該目標炭化最高温度T0はロータリ炉14の長手方向に一定の保持範囲Lを呈するものである。
【0034】
次に、標準温度分布Pとの比較によって、燃焼量制御や空気供給量制御を行わせ、実運転状態の温度分布をこの標準温度分布Pに近づける燃焼制御手段について説明する。先ず、温度検出手段による検出値が、全て上記標準温度分布Pを下回るときは(図12(イ)点線)、次のような調整制御によって自燃を促進しながら保持範囲L全体の温度を嵩上げし標準温度分布Pに近づけるものである。(一)炭化用バーナ22を燃焼させると、丁度火炎の放射し得る位置を炭化最高温度の保持範囲Lと略一致すべく炭化用バーナ22が配設されているため全体の温度を上昇させることができる。(二)炭化用バーナ22の燃焼量、即ち燃料供給量及び燃焼ファン28の回転数を増加制御する。(三)燃焼停止中の炭化用バーナ22の燃焼ファン28を駆動して外気を炭化区間の原料に供給し自燃を促進する。(四)3本の外気導入パイプ39〜41の全部から外気導入量を増加制御する。即ち、開度調整弁42〜44を開度大側に調整するか、送風ファン45の回転数を増加制御する。(五)(一)〜(四)を複合的に制御する。
【0035】
逆に、標準温度分布Pを上回るときは(図12(イ)一点鎖線)、自燃を抑制する制御を行なう。(六)炭化用バーナ22の燃焼量を低下制御する。(七)燃焼停止中の炭化用バーナ22の燃焼ファン28回転を停止し外気取り入れ量を低下する。(八)3本の外気導入パイプ39〜41の全部から外気導入量を減少側制御する。(九)(六)〜(八)を複合的に制御する。
【0036】
次いで、最高温度T0の保持範囲Lが適正範囲より前後にずれた場合の制御は以下のように行なわれる。温度検出手段57〜61の検出値Tのうち、少なくとも、
Td>T1
Ta=Tb=T0
Tc<T0
Te<T1
を呈するときは、図12(ロ)の状態の保持範囲Lが適正範囲より前側にずれる炭化燃焼「進み」状態となっており、この場合には、空気導入パイプ39からの導入空気量を絞り、又は停止すると共に、空気導入パイプ41からの導入空気量を増加制御することにより、d点の温度を低下し、c点、e点の温度を上昇制御させることができる。
【0037】
また、温度検出手段57〜61の検出値Tのうち、
Td<T1
Ta<T0
Tb=Tc=T0
Te>T1
を呈するときは、図12(ハ)の状態の保持範囲Lが適正範囲より後側にずれる炭化燃焼「遅れ」状態となっており、この場合には、空気導入パイプ39からの導入空気量を増加し、空気導入パイプ41からの導入空気量を絞り、又は停止することにより、a点、d点の温度を上昇し、c点、e点の温度を低下させることができる。
【0038】
上記の導入空気量制御は、開度調整弁42〜44の弁開度の制御又は送風ファン45の送風量制御によって行われる構成である。また、制御部55は給水シャワー48,49,49のオン・オフ制御を司り、開口部47部に配設した温度検出手段65の検出結果に基づいて、元来消火目的のシャワー48,49,49の給水量を増減変更できる構成とし、炭化物の温度を調整できる構成としている。図例では単一の給水バルブ66にてソレノイド励磁によってオン、オフを行なう構成としたが、夫々のシャワー48,49,49にバルブを構成してもよい。なお符号67は給水管で、二又に分岐するうちの一方は上記シャワー48,49,49に通じ、他方は前記駆動ローラ13を冷却すべく該ローラ13を浸水させる貯水部68に給水する構成である。69は前記オイルサービスタンク9に通じる給油管である。
【0039】
上例の作用について説明する。炭化装置3等の各部を運転状態とし、有機性廃棄物や有機物汚泥(以下、原料)を予め水分20%〜30%程度に前処理して原料タンク1に供給する。廃棄物原料は、供給螺旋15の回転に伴い、供給側固定筒11を経て炭化装置3のロータリ炉14入り口から炉内に供給される。ロータリ炉14の入口側の乾燥区間Aにおいては、原料はロータリ炉14の回転と螺旋羽根30,30…の送り作用を受けて後方側へ移動しながらロータリ炉14を囲うように設けた加熱バーナ炉23にて当該ロータリ炉14が加熱されて(例えば約200℃〜約300℃)、内部流動の廃棄物は乾燥される。
【0040】
一方乾燥区間Aで所定に乾燥処理された原料は、炭化区間Bに至る。ここでは、まず初期段階では炭化用バーナ22の燃焼に伴い、小孔29,29…を通じて加熱バーナ炉22から火炎がロータリ炉14内に達し、原料に着火し燃焼する。やがて拡大内部燃焼状態が行き渡ると、炭化用バーナ22の燃料供給を遮断し燃焼を停止する。バーナ火炎の供給を断っても所謂自燃状態に入って原料の燃焼は継続しようとする。そこで、炭化用バーナ22は、燃料供給を絶った後にも燃焼ファン28の回転を維持して上記小孔29,29…に新鮮外気を供給できる構成としてあるから、酸素供給不足を伴わず、上記自燃状態を適正に継続し得るものである。こうして原料は800℃から1200℃の火炎に晒され炭化される。このとき、炭化物の芯温は、原料の性状状況にもよるが、およそ300℃〜400℃であり、その温度は、温度検出手段57〜61によって常時測定される。
【0041】
上記乾燥区間A及び炭化区間Bの加温処理に伴い、未燃焼の排ガスが発生するが、供給側固定筒11の排気口から排ガス導出管を経て燃焼炉6に達する。この際原料は順次下手方向に移動するものであるから、表面側からの加熱も相俟って乾燥速度を促進できる。
【0042】
上記温度検出手段による検出値Ta〜Teによって、予め制御部55の記憶手段に設定してなる標準温度分布Pの各点における設定温度T0又はT1と比較され、当該炭化処理の温度分布が理想とする標準温度分布Pとのずれが求められる。このずれのうち、全体的な高・低によるときは、前記(一)〜(五)の温度嵩上げ制御、又は(六)〜(九)の温度抑制制御を行なう。
【0043】
また、局部的な高低変動を来たし、最高温度T0の保持範囲Lが適正範囲から前後にずれるときは、空気導入パイプ39〜41を個別に制御し、該保持範囲Lを前後に調整し炭化燃焼の前期「遅れ」や「進み」を是正する。上記の標準温度分布は、被処理原料の種類、嵩比重、水分含有量等によって予め設定されるものである。例えば、嵩比重の大なる原料では燃焼し難い傾向となるため、嵩比重小の原料に対して温度T0値を高くし、その保持範囲Lも長くとる。また水分含有量の制御は乾燥区間Aとの兼ね合いにもよるが、含有量が大きいときは燃焼し難いため温度T0値を高く、その保持範囲Lも長くとる。
【0044】
なお、初期段階の炎供給においては、火炎導入パイプ26を、炉14の回転方向に対して遅れ角を有して設ける構成であるから、その吐出口は常時原料から退避する方向になり火炎や新鮮空気の供給が向上し、併せて螺旋羽根との関係で連れ回りしようとする原料を無理に落下して移行を阻害させることもない。又、上記小孔29数は、適宜取り扱う原料の多少やバーナ特性等によって決定付けされるものである。
【0045】
炭化区間Bで炭化処理された原料は消火区間Cに至る。ここでは、消火筒35が存在するため、螺旋羽根31,31…と当該消火筒35外周との間では酸素不足の状態になってロータリ炉14の終端部に至り、排出側固定筒12内に落下する。すなわち、消火筒35は、排出側固定筒12の蓋体37からの通風外気をその筒内を通過させて上記炭化区間Bに供給するものであるが、この筒外周からの通気は遮断状態にあるため、上記消火区間Cにある原料炭化物には酸素供給が抑制されるため、遂には消火に至ることとなる。
【0046】
上記ロータリ炉14からの炭化物は、排出側固定筒12内にて排出螺旋40で受けられつつシャワー48の給水を受け、未だ赤熱状態の原料炭化物を消火できる。排出螺旋46の回転で炭化物は移送され開口部70から機外に排出される。この移送工程中においても別のシャワー49,49で消火作用が継続されている。
【0047】
なお、シャワー48,49,49の給水量を夫々バルブ48a,49a,49bを設けて変更制御可能に構成し、前記温度検出手段65の検出結果に基づいて、バルブを制御する構成とすれば、炭化物のきめ細かい温度管理が可能となり、直後の搬出にも温度による弊害をなくして容易化がはかれる。
【0048】
上記のようにして回収された炭化物は、高温で蒸し焼きされた状態であるから有機物はなくアルカリ性となり、多孔質で表面積も多く、空気や水を保持しやすい性質を有し、土壌改良材、水質改良材等多くの用途がある。なお、上記の乾燥区間Aや炭化区間Bで発生する未燃焼ガスは、上流側へ移動しながら順次移動する原料を乾燥作用させながら、排ガス取出導管50を経て燃焼炉6に入り、高温で燃焼処理される構成である。
【0049】
図13、図14は消化筒35を利用した外気導入構成を示すもので、蓋体70に中央を外して適宜に開口71,72を形成し、また、この開口71,72の開度状態を変更できかつ、閉塞状態にも設定可能な開度調整弁73を設けてなる。即ち、開口71,72と同形状の開口74,75をもって、重合する上記開度調整弁73を中心部まわりに回動調整することにより、炭化区間B終端部への空気(酸素)供給を所定に行なわせることができ、特に零の状態(図14点線)も可能であるから、酸素の供給を遮断する状態をも可能である。従って、蓋体70の開口71,72からの通気量は開度調整弁73の開度調整によって大小に設定変更し得るものであるから、炭化区間Bの自燃状況等に応じてその開度を調整するとよい。また、この開度調整弁73は通気を遮断できる構成であるから、上記自燃状況によって当該遮断を選択することもできる。
【0050】
上記の消化筒35利用の場合には、炭化区間Bの最終地点への外気導入が可能であるが、以下のように改良することにより、自燃状態のロータリ炉14長手方向への空気量供給をなし得る。すなわち、消火筒35に第2筒76を接続する。その接続構成は、消化筒35本体に対して前後に摺動可能に設け、その摺動量を任意に調整可能に構成している。第2筒76の突出量によって、炭化区間Bにおける外気供給位置を前後に変更できるため、前記温度検出手段57〜61の検出結果に基づいて、前部・中央・後部のいずれの位置を指示しながら自燃状態を制御しうるものである。消火筒35の内側端と第2筒76との間に図外摺動作動手段を構成し、前記温度検出手段の検出結果から温度分布を入力した制御部は、この摺動作動手段を摺動動作させて、相対的に温度の低い箇所に外気を導入すべくなす。次いで、全体的な温度の高低具合を入力した温度検出データに基づいて判定し、全体的に温度が高いときは開度調整弁73を回転制御する制御モータ(図示せず)に回転出力して入り口からの空気導入量を少なくする。逆に、全体的に温度が低いときは開度調整弁73を全開近くに当該モータで設定して外気の取り込み量を増加する。このように、一端山形の温度分布を確保した後、全体的な温度の嵩上げや低下を行わせて標準の温度分布に接近させる。
【0051】
前記実施例における温度検出手段は、ロータリ炉14内に5個の温度センサを設ける構成としたが、個数はこれに限定されるものでなく、種々に変更でききる。また、センサ手段自体も実施例のように直接炭化原料に接触する構成のみならず、ロータリ炉14の外部に非接触の例えば赤外線温度センサを構成して監視するものとしてもよい。また、接触型にあって、ロータリ炉14と一体に回転する温度検出手段を構成する場合には、1回転の途中で、原料温度雰囲気温度、燃焼中温度、排出ガス中の温度等種々の状態下での温度測定を行うから、原料温度以外をカット処理して温度分布を検出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炭化施設全体の概要図である
【図2】 炭化装置及び燃焼炉装置の概要説明図である
【図3】 炭化装置の側面図である
【図4】 炭化装置の平面図である
【図5】 一部断面した炭化装置の側面図である
【図6】 ロータリ炉の断面図である
【図7】 ロータリ炉の背面図である
【図8】 ロータリ炉の炭化区間の断面図である
【図9】 ロータリ炉内側斜視図である
【図10】 ロータリ炉後部の側断面図である
【図11】 標準温度分布を示すグラフである
【図12】 (イ)(ロ)(ハ)は温度分布を示すグラフである
【図13】 別実施例の消火筒部断面図である
【図14】 開度調整弁の作用説明図である
【図15】 制御ブロック図である
【符号の説明】
1…原料タンク、2…コンベア手段、3…炭化装置、4…コンベア手段、5…製品タンク、6…燃焼炉、8…制御盤、10…架台、11…供給側固定筒、12…排出側固定筒、13…駆動ローラ、14…ロータリ炉、16…供給螺旋、18…供給螺旋モータ、21…乾燥用バーナ、22…炭化用バーナ、23,24…加熱バーナ炉、25,26…燃料供給バルブ、27,28…燃焼ファン、29…小孔、30…火炎導入パイプ、31…螺旋羽根、32…撹拌羽根、35…消火筒、36…蓋体、39〜41…外気導入パイプ、42〜44…調節バルブ、55…制御部、57〜61…温度検出手段、

Claims (1)

  1. 供給された有機廃棄物の原料を燃焼して乾燥処理する乾燥区間Aと、該乾燥区間Aで乾燥された原料を燃焼して炭化処理する炭化区間Bと、該炭化区間Bで炭化処理された原料を消火する消火区間Cとを回転自在なロータリ炉14内に備え、該ロータリ炉14の内側は全区間に亘り非連続の羽根31を螺旋状に配接して設け、前記消火区間Cには円筒状の消火筒35を前記羽根31の内周縁との間に若干の隙間を存した状態に配置し、該消火筒35はその内側端部から導入外気を前記炭化区間Bへ供給する構成とし、前記ロータリ炉14内には炭化区間Bにおける原料温度の分布を検出する温度検出手段を設けて炭化燃焼の進み又は遅れを検出し、この検出結果に基づいて前記消火筒35の内側端部の導入外気供給位置をロータリ炉長手方向に変更制御すべく構成したことを特徴とする有機廃棄物の炭化装置
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