JP6813249B2 - 木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法 - Google Patents

木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、間接加熱方式のロータリーキルンにて木質系バイオマスを炭化処理する木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法に関する。
近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、従来であれば山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されていた廃木材や間伐材等の木質系バイオマスをチップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラで燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気でもって蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。一方、同じ木質系バイオマスではあっても、例えば山林や公園等の整備に伴って発生し、難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮(バーク)、また建築現場等で発生する端材、或いは建築物の解体現場等で発生する建築廃材等は、大きさや性状等が一様でなく、発熱量にもバラツキがある上、不純物等も混入しやすいため、バイオマス燃料として利用するにはあまり適さず、依然としてその多くが産業廃棄物として有償にて廃棄処分されているのが実情である。
なお、このような難利用材等の木質系バイオマスをそのまま燃焼させるのではなく、例えば炭化炉等を用いて炭化処理を行えば、一定の発熱量に調整できて安定して燃焼させることが可能となり、更にそれを微粉化処理等することでバーナ等の燃料としても利用可能な木炭燃料として回収できると考えられる。
本出願人は、特許文献1(特願2016−47208)に示すように、回転自在に傾斜支持した内筒と、該内筒を覆う外筒とから成る二重筒構造の間接加熱方式のロータリーキルンを採用した炭化炉にて木質系バイオマスを炭化処理し、この炭化処理に伴って発生する木ガスを熱風発生炉に導入して燃焼分解させ、その際に生じる熱風を前記炭化炉の外筒内(外筒と内筒との隙間空間内)に供給して有効利用するようにした自立燃焼型の木質系バイオマスの炭化処理装置を出願している。
前記炭化処理装置では、キルン内に供給する木質系バイオマスの流下方向に対して熱風を並行に流して加熱する並流加熱方式を採用している。この並流加熱方式では、前記熱風発生炉にて発生させる高温熱風を先ずはキルン供給側に導入させるので、キルン供給側の内筒内の雰囲気温度を高温に維持できる。それ故、高含水率の木質系バイオマスを供給しても、キルン供給側の内筒温度、例えば樹皮等であれば木ガス発生温度である約300℃程度以上でも維持でき、バイオマス中の水分を十分蒸発させることができる。その結果、水分の抜け不足が原因で生じるキルン供給側の内筒内壁面へのバイオマスの付着成長という不具合も阻止できるものとしている。
特願2016−47208
しかしながら、前記炭化炉は、間接加熱かつ並流加熱方式のロータリーキルンを採用しており、加熱効率的には難があるものとなっている。一般的に、並流加熱方式はキルンから排出される加熱素材よりも排ガス温度が高くなる一方、素材の流下方向に対して熱風を反対方向から流す向流加熱方式は排出される加熱素材よりも排ガス温度を低くすることができ、加熱効率的には向流加熱方式の方が良い。また、前記炭化炉は、直接加熱方式よりも加熱効率の劣る間接加熱方式を採用せざるを得ないものの、炭化処理に伴って発生する木ガスを燃焼分解させて発生する熱風を利用する自立燃焼型であるために、加熱効率を向上させて重油等の化石燃料をできるだけ節約できるものが望まれる。
本発明は上記の点に鑑み、木質系バイオマスを効率よく炭化処理可能な木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、木質系バイオマス供給側の内筒温度を素早く高められる並流加熱方式と、加熱効率に優れる向流方式とを上手く併用し、両加熱方式の長所を生かすことができればと考え、本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、間接加熱方式のロータリーキルンにて木質系バイオマスを炭化処理する炭化炉と、該炭化炉の炭化処理に伴って生じる木ガスを燃焼分解する熱風発生炉と、該熱風発生炉にて生じた熱風を前記炭化炉の外筒に供給する熱風供給ダクトとを備えると共に、該熱風供給ダクトを途中で分岐し、その一方の分岐ダクトを前記炭化炉外筒のバイオマス供給側端部に接続する一方、他方の分岐ダクトを排出側端部に接続し、各分岐ダクトには流路開閉用のダンパーを開閉自在に備え、前記炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度に基づいて前記各ダンパーを手動または自動にて開閉制御し、前記内筒温度が所定温度未満の場合は熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向に、前記内筒温度が所定温度以上の場合は熱風の流れを向流方向に切り替える運転制御器を備えたことを特徴としている。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持する熱風温度調整手段を備えたことを特徴としている。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記熱風温度調整手段は、前記炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器と、前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器とからなることを特徴としている。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理方法では、運転開始時には熱風発生炉にて発生する熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向として炭化炉を加熱し、炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度が所定温度以上となれば、前記熱風発生炉にて発生する熱風の流れをバイオマスの流下方向に対して向流方向となるように切り替えた後、バイオマスを炭化炉内に供給して炭化処理することを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、木質系バイオマスを炭化処理する間接加熱方式の炭化炉と、該炭化炉の炭化処理に伴って発生する木ガスを燃焼分解する熱風発生炉と、該熱風発生炉にて発生した熱風を前記炭化炉の外筒に供給する熱風供給ダクトとを備えると共に、該熱風供給ダクトを途中で分岐し、その一方の分岐ダクトを前記炭化炉外筒のバイオマス供給側端部に接続する一方、他方の分岐ダクトを排出側端部に接続し、各分岐ダクトには流路開閉用のダンパーを開閉自在に備え、前記炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度に基づいて前記各ダンパーを開閉制御し、前記内筒温度が所定温度未満の場合は熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向に、前記内筒温度が所定温度以上の場合は熱風の流れを向流方向に切り替える運転制御器を備えたので、例えば、運転開始時等においては、並流方向へ熱風を流すことによってバイオマス供給側の内筒温度を付着を生じにくい温度まで素早く高められると共に、内筒温度が十分に高くなれば向流方向へ切り替えるなど、並流加熱方式と向流加熱方式とを臨機応変に使い分けることによって効率よくバイオマスを炭化処理できる。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持する熱風温度調整手段を備えたので、例え炭化炉での木ガス発生量にバラツキが生じても炉内のバイオマスを略一定温度にて炭化処理でき、所望性状の炭化物を安定して回収できる。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記熱風温度調整手段は、前記炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれるタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器と、前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器とからなるので、木質系バイオマスの炭化処理に伴って発生する木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収でき、残りのタール成分を含んだ木ガスを燃焼分解することで得られる熱風を炭化炉に供給することで炉内のバイオマスを略一定温度にて炭化処理でき、所望性状の炭化物を安定して回収できる。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理方法によれば、運転開始時には熱風発生炉にて発生する熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向として炭化炉を加熱し、炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度が所定温度以上となれば、前記熱風発生炉にて発生する熱風の流れをバイオマスの流下方向に対して向流方向となるように切り替えた後、バイオマスを炭化炉内に供給して炭化処理するので、運転開始時には並流方向に流れる熱風によってバイオマス供給側の内筒温度を付着を生じにくい温度まで素早く高められると共に、内筒温度が十分に高まって定常運転となれば向流方向に切り替えた熱風によって効率よくバイオマスを炭化処理できる。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法の一実施例を示す概略説明図である。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法にあっては、回転自在に傾斜支持した内筒と、該内筒を覆う外筒とからなる間接加熱方式のロータリーキルン構造とした木質系バイオマス炭化処理用の炭化炉と、該炭化炉の炭化処理に伴って生じる可燃性の木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉と、該熱風発生炉にて発生した熱風を前記炭化炉の外筒に供給する熱風供給ダクトとを備える。
また、前記熱風供給ダクトを途中で分岐し、その一方の分岐ダクトを前記炭化炉外筒のバイオマス供給側端部に接続する一方、他方の分岐ダクトを排出側端部に接続し、各分岐ダクトの途中にはそれぞれ流路開閉用のダンパーを開閉自在に備える。また、前記炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度に基づいて前記各ダンパーを手動または自動にて開閉制御し、炭化炉外筒内の熱風の流れを炭化炉内筒内のバイオマスの流下方向に対して並流方向または向流方向に切り替える運転制御器を備える。
前記運転制御器には、例えば樹皮等の高含水率の木質系バイオマスが内筒内壁面と付着を生じにくくなる所定の温度、例えば、樹皮等の木ガス発生温度である約300℃程度を予め設定しておき、前記炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度が前記設定温度未満であれば外筒内の熱風の流れを並流方向としてバイオマス供給側の内筒を予熱処理する一方、バイオマス供給側の内筒温度が前記設定温度以上となれば外筒内の熱風の流れを手動または自動にて向流方向に切り替えて加熱効率を優先した運転に切り替えるように制御する。
また、好ましくは、前記熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度(例えば、炭化炉にて所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した所定の温度範囲)に維持する熱風温度調整手段を備えると、例え炭化炉での木ガス発生量に多少バラツキを生じても熱風発生炉で発生する熱風温度を一定に保て、所望性状の炭化物を安定して回収できる。なお、前記熱風温度調整手段としては、例えば、熱風温度が前記所定温度を下回る場合には熱風発生炉に備えた補助バーナを一時的に燃焼したり、熱風温度が所定温度以上となる場合には適宜量の外気を導入するなど、様々な手段を採用し得る。
また、好ましくは、前記熱風温度調整手段として、前記炭化炉と熱風発生炉との間に、炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器を備えると共に、前記熱風発生炉下流の熱風温度に応じて前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器を備えてもよい。その場合、炭化処理によって生じる木ガス中のタール成分を燃焼分解して得られる熱エネルギーを極力無駄にせずに熱風発生炉下流の熱風温度を一定に維持できると共に、例えば、前記外気供給ファンから空冷熱交換器に供給して温まった外気を熱風発生炉に燃焼用空気として供給すれば熱風発生炉での加熱効率を高められるという効果も期待できる。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置において、例えば高含水率の樹皮等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、先ず、前記バイオマスをある程度のタール成分を残した状態で炭化させるのに適した加熱温度(例えば約400〜500℃)と、内筒内のバイオマスを前記加熱温度に間接的に加熱するのに適した外筒内の熱風温度(例えば約900〜1000℃)とを実験等によって予め求め、該熱風温度等をタール燃焼量制御器に設定登録する。また、前記バイオマスの付着を抑制可能な温度として、例えば樹皮から木ガスが発生する温度である約300℃を運転制御器に設定登録する。
次いで、前記運転制御器にて各分岐ダクトのダンパーを開閉制御し、炭化炉内筒内の木質系バイオマスの流下方向に対して外筒内の熱風の流れ方向を並流方向にした後、熱風発生炉の補助バーナを燃焼して炭化炉に熱風を供給して予熱処理する。このとき、熱風発生炉からの熱風を並流方向に流すことにより、付着を生じやすいバイオマス供給側の炭化炉内筒の温度を素早く高められる。
そして、前記内筒温度が運転制御器に予め設定登録した前記設定温度よりも高くなれば、運転制御器により手動または自動にて各分岐ダクトのダンパーを開閉制御し、バイオマスの流下方向に対して熱風の流れ方向を向流方向に切り替えた後、バイオマスを炭化炉内に所定量ずつ供給して還元雰囲気下で間接的に加熱して炭化処理していく。このとき、炉内を流下するバイオマスに対して熱風発生炉からの熱風を向流方向に流すことによって効率よく炭化処理できる。
そして、運転が安定してくると前記補助バーナを消火して自立燃焼運転に移行する。このとき、前記熱風発生炉下流の熱風温度が予め設定登録した前記設定温度範囲を下回るようであれば、熱風温度調整手段である、例えば補助バーナを一時的に燃焼させる一方、熱風温度が設定温度範囲以上となれば、例えば適宜量の外気を導入させるなどして熱風温度を前記設定温度範囲内に維持する。
また、例えば、熱風温度調整手段として空冷熱交換器とタール燃焼量制御器を採用した場合には、熱風温度が設定温度範囲を下回れば、外気供給ファンからの外気供給量を減じて熱風発生炉でのタール燃焼量を増加させる一方、熱風温度が設定温度範囲以上となれば、外気供給量を増やして熱風発生炉でのタール燃焼量を減じて熱風温度を設定温度範囲内に維持する。
このように、上記木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、内筒温度の低い運転開始時等においては、並流加熱方式にてバイオマス供給側の内筒温度を素早く高められ、例え樹皮等の高含水率の木質系バイオマスであっても内筒内壁面への付着を効果的に抑制できると共に、内筒温度が十分に高くなれば手動または自動にて向流加熱方式に切り替えるなど、臨機応変に使い分けることによってバイオマスを効率良く炭化処理できる。
また、熱風温度調整手段にて熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度範囲に維持するようにすれば、例え炭化炉での木ガス発生量に多少バラツキが生じても一定温度の熱風を炭化炉に安定供給でき、例えばバーナ用の木炭燃料等に適した所望性状の炭化物を回収できる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は木質系バイオマスの炭化処理装置であって、例えば難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮等の木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉2と、該炭化炉2での炭化処理に伴って生じる可燃性のタール成分を含んだ木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉3とを併設し、これら炭化炉2と熱風発生炉3とを木ガス導出ダクト4及び熱風供給ダクト5にて連結し、前記炭化炉2で生じる木ガスを前記木ガス導出ダクト4を介して熱風発生炉3に供給する一方、前記熱風発生炉3にて発生させた熱風は前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ供給する構成としている。また、前記炭化炉2には熱風排気用の排気ダクト6を備え、該排気ダクト6の途中にはメインダンパー7を開閉自在に備えると共に、その下流側にメインファン8を備えている。
前記炭化炉2は、円筒状の鋼板の内壁面に複数の掻き上げ羽根9を周設してなる内筒10を回転自在に傾斜支持し、その一端部には隔壁11を介して木質系バイオマス供給用の供給ホッパ12とスクリューコンベヤ13とを備えている一方、他端部には木質系バイオマスを炭化処理することで生成した炭化物を排出する排出ホッパ14を備えている。
前記排出ホッパ14下部の排出シュート15の途中には開閉ダンパー16を上下に二段備えていると共に、前記排出シュート15の下端部には炭化物排出用のスクリューコンベヤ17を連結しており、排出ホッパ14内に払い出した炭化物を排出する際には、前記各開閉ダンパー16を順次開閉操作させて常に上下何れかの開閉ダンパー16を閉鎖状態に保ちながら排出すると共に、スクリューコンベヤ17内を排出中の炭化物で常時満たすようにすることにより、コンベヤ終端の排出口18からの内筒10内への外気(酸素)の侵入を極力遮断し、内筒10内部を炭化処理に適した還元雰囲気下に維持可能なように図っている。
また、前記スクリューコンベヤ17の途中には水噴射ノズル19を備えており、近傍に設置した貯水タンク20内の冷却水を給水配管21を介して前記水噴射ノズル19に供給し、スクリューコンベヤ17内を流下する高温の炭化物に対して冷却水を所定量ずつ噴射して適度に湿潤・冷却させ、排出した炭化物の飛散や自然発火等の不具合防止を図っている。
図中の22は前記内筒10内に供給した木質系バイオマスを間接加熱する熱風を通過させる外筒であって、内筒10の長手方向の中間部分の外周を適当な隙間間隔Aを保持して囲うように形成しており、前記外筒22のバイオマス供給側の端部には熱風の導入・排出兼用の開口部23を備える一方、バイオマス排出側の端部にも同様に熱風の導入・排出兼用の開口部24を備えている。
前記外筒22の内周壁には保温用のキャスター25を周設すると共に、隙間空間A内に導入した熱風の流れを妨げる邪魔板26を千鳥状に取り付けて熱風の通過時間を長くし、熱風の保有熱量を内筒10内の木質系バイオマスの加熱に極力有効利用するように図っている。
また、前記炭化炉2の内筒10には、木質系バイオマス供給側の内筒温度を検出する熱電対等の内筒温度センサ27を備えている。該内筒温度センサ27の設置位置としては、例えば木質系バイオマス供給側の外筒22の端部付近に備えるとよい。また、回転体である内筒10の外周面には前記内筒温度センサ27にて検出した内筒温度の信号データを取り込んで無線送信する送信機28を固着している一方、内筒10から離間した地上面等には前記送信機28より送信される前記信号データを非接触にて受信する受信機29を設置していると共に、該受信機29にて受信した内筒温度の信号データを後述する運転制御器へ逐次出力するように構成した無線テレメータ装置30を備えている。
一方、前記熱風発生炉3は、前記炭化炉2より導出する可燃性のタール成分を含んだ木ガスを木ガス導出ダクト4を介して導入させて燃焼分解する略L字形状の炉本体31を備え、該炉本体31は導入した木ガスが通過するのに約2秒程度以上かかる炉長としており、木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガス中に含まれる可燃性のタール成分や、細かい炭化物等の飛散性未燃分等を高温雰囲気に維持した前記炉本体31内を通過させる間に自燃にて完全に燃焼分解させると共に、その際に生じる高温の熱風を前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ供給するようにしている。
図中の32は、A重油、プロパンガス等の化石燃料を使用して前記炉本体31内に熱風を供給する補助バーナであって、運転開始時など限定的に燃焼させて炉本体31内、及び下流の炭化炉2の内筒10を所望温度に予熱し、予熱完了後は消火するようにしている。
また、前記熱風発生炉3下流の熱風供給ダクト5を途中で分岐し、その一方の分岐ダクト5aを炭化炉外筒22のバイオマス供給側端部に備えた前記開口部23に接続する一方、他方の分岐ダクト5bを排出側端部に備えた前記開口部24に接続し、各分岐ダクト5a、5bの途中にはそれぞれ流路開閉用のダンパー33、34を開閉自在に備えている。
また、前記分岐ダクト5aをダンパー33位置よりも下流側にて再分岐して排気用の分岐ダクト6aを備える一方、他方の分岐ダクト5bも同様にダンパー34位置よりも下流側にて再分岐して排気用の分岐ダクト6bを備え、これら各分岐ダクト6a、6bの他端部を共に下流の排気ダクト6に連結して合流させている。また、前記各分岐ダクト6a、6bの途中にもそれぞれ流路開閉用のダンパー35、36を開閉自在に備えている。
図中の37は、前記炭化炉2のバイオマス供給側の内筒温度に基づいて前記各分岐ダクト5a、5b、6a、6bに備えた各ダンパー33、34、35、36を開閉制御し、炭化炉2への熱風供給方向をバイオマスの流下方向に対して並流方向または向流方向に切り替える運転制御器であって、各種データや制御信号等を入出力する入出力部38と、各種設定値等を記憶格納する設定記憶部39と、前記各種データや設定値等を基に各種の制御を実行する制御部40とからなる。
前記設定記憶部39には、例えば高含水率の木質系バイオマスが内筒内壁面と付着を生じにくくなる目安の内筒温度である基準内筒温度や、前記炭化炉2に供給する熱風を並流方向または向流方向に流す場合における前記各ダンパー33、34、35、36の開閉動作を登録した加熱モード等を記憶格納している。なお、前記基準内筒温度としては、例えば、バイオマス中に付着原因となる水分がほとんど残っていないと考えられる木ガス発生温度を好適に採用することができ、例えば樹皮等であれば木ガス発生温度の約300℃程度を設定登録するとよい。
また、前記加熱モードにおいて、例えば並流加熱モードが選択された場合には、分岐ダクト5a、6bのダンパー33、36を開放すると共に、分岐ダクト5b、6aのダンパー34、35を閉鎖し、熱風発生炉3から供給する熱風を図中の実線矢印にて示す方向、即ち並流方向へ流すようにしている一方、向流加熱モードが選択された場合には、分岐ダクト5b、6aのダンパー34、35を開放すると共に、分岐ダクト5a、6bのダンパー33、36を閉鎖し、熱風発生炉3から供給する熱風を図中の二点鎖線矢印にて示す方向、即ち向流方向へ流すようにしている。
また、前記制御部40では、前記炭化炉2の内筒温度センサ27にて検出する内筒温度と、前記設定記憶部39に登録した基準内筒温度とを比較し、内筒温度の検出値が前記基準内筒温度未満であれば手動または自動にて並流加熱モードを選択し、該並流加熱モードに応じ、前記のように各ダンパー33、34、35、36を開閉制御して熱風を並流方向に流す一方、内筒温度の検出値が前記基準内筒温度以上となれば手動または自動にて向流加熱モードを選択し、該向流加熱モードに応じて各ダンパー33、34、35、36を開閉制御して熱風を向流方向に流す。
また、前記炭化炉2の内筒10と熱風発生炉3とを連結する木ガス導出ダクト4の途中には、炭化炉2の内筒10から導出する木ガスと外気とを熱交換させ、木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器41を介在させている。
前記空冷熱交換器41は、内部を上・中・下層の三室に分割した縦長のケーシング42内に複数の所定径の鋼管43を垂直方向に配管し、該鋼管43の上端開口部を上層室44a内に開口させる一方、鋼管43の下端開口部を下層室44c内に開口させ、前記木ガス導出ダクト4より前記上層室44a内に導入した木ガスを鋼管43内を通して前記下層室44c内へ導出させる構成としている。
また、図中の45は外気供給ファンであって、例えばインバータ付きとして送風量を可変できるようにすると好ましい。前記外気供給ファン45より供給する外気を前記空冷熱交換器41の中層室44b内に導入し、鋼管43中間部の周囲を通過させる間に鋼管43内を流れる高温の木ガスを空冷し、高沸点のタール成分の一部を凝縮させて木ガスから分離させ、前記下層室44c底部に設けた回収タンク46に滴下させ、開閉弁47を有した排出管48を介して下位に備えたドラム缶49等にて回収する一方、タール成分の一部を分離除去した木ガスは下流側の木ガス導出ダクト4から熱風発生炉3へと送り出すようにしている。
また、外気供給ファン45より中層室44b内に供給して木ガスとの熱交換によって昇温した外気は、基端部を中層室44bに連結した燃焼用空気供給ダクト50を介して前記熱風発生炉3へ自燃用の燃焼用空気として供給するようにしている。前記燃焼用空気供給ダクト50の途中には外気導入口51を備えていると共に、該外気導入口51は開閉ダンパー52にて開度調整自在としており、該開閉ダンパー52を開放操作した場合には、前記外気導入口51より適宜量の外気が燃焼用空気供給ダクト50を介して熱風発生炉3へと導入されるようにしている。
また、前記熱風発生炉3下流側の熱風供給ダクト5の途中には、熱風発生炉3より導出する熱風温度を検出する熱風温度センサ53と、熱風中の残存酸素濃度を検出する酸素濃度センサ54とを備えている。
図中の55は、炭化炉2より導出する木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を調整制御し、熱風温度を所定温度に維持する熱風温度調整手段であるタール燃焼量制御器であって、前記熱風温度センサ53にて検出する熱風温度に基づいて前記空冷熱交換器41の外気供給ファン45を制御し、熱風発生炉3にて発生させる熱風温度を調整するようにしている。
前記タール燃焼量制御器55には、例えば炭化炉2にて所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した熱風の温度範囲を予め設定登録しておき、例えば、前記熱風温度センサ53にて検出する熱風温度が予め設定した前記温度範囲より高いと判断すれば、前記外気供給ファン45を稼働させて前記ケーシング42の中層室44b内へ外気を供給し、鋼管43内を流れる木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収し、熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じて熱風発生炉3から炭化炉2に導出する熱風温度を前記温度範囲内に維持可能としている。なお、熱風温度が前記設定温度を下回る場合には、例えば、前記外気供給ファン45からの外気供給量を減じたり、或いは熱風発生炉3に備えた前記補助バーナ32を一時的に燃焼させるようにしてもよい。
また、前記熱風発生炉3に自燃用の燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファン等を別途備え、前記外気供給ファン45より空冷熱交換器41に供給した外気を大気放出させるようにしてもよいが、本実施例のように、木ガスとの熱交換によって昇温した外気を燃焼用空気供給ダクト50を介して熱風発生炉3へ供給して自燃用の燃焼用空気として利用するようにすれば、効果的に燃焼効率を高めることが可能となる。
ただし、この場合、例えば前記熱風温度センサ53にて検出する熱風温度が予め設定した温度範囲を下回れば、前記タール燃焼量制御器55では余剰熱量がないものと判断して前記外気供給ファン45を稼働させず、外気の供給を行わないため、熱風発生炉3には燃焼用空気は供給されずに酸素濃度不足を生じ、また例え外気供給ファン45の稼働条件が揃って外気を供給した場合でも、この外気は高温の木ガスとの熱交換によって昇温されることで熱膨張し、単位空気量あたりの酸素量(酸素濃度)が低下してやはり酸素濃度不足を生じ、場合によっては不完全燃焼や失火等を来すおそれがある。
そこで、前記タール燃焼量制御器55では、炭化炉2より導出する木ガスを自燃にて必要最小限度の酸素濃度で完全燃焼させたときの排ガス中の残存酸素濃度である下限残存酸素濃度を設定登録しておくと共に、前記酸素濃度センサ54にて検出する熱風中の残存酸素濃度を逐次取り込み、それが前記下限残存酸素濃度よりも低い場合には酸素濃度不足と判断し、熱風温度にかかわらず前記外気導入口51の開閉ダンパー52を開放させ、常温の外気を熱風発生炉3内へ導入させるようにしている。
また、前記木ガス導出ダクト4の途中を分岐させ、一方を前記空冷熱交換器41に連結する一方、他方を空冷熱交換器41へ通さずにバイパスダクト56として下流側の木ガス導出ダクト4に連結し、各ダクトの途中にはダンパー57、58を開閉自在に備えるようにしてもよく、例えば熱風温度が前記温度範囲に満たない場合や、空冷熱交換器41の鋼管43内部に付着するタール成分を取り除くなどのメンテナンスを行う場合には、各ダンパー57、58を開閉制御して木ガスをバイパスダクト56側に流すようにするとよい。
なお、前記炭化炉2の外筒22内に供給した熱風は、炭化炉2が間接加熱方式であることより、外筒22より排出する時点においてもなお相当な熱量を保有しており、例えば、前記排気ダクト6の途中に炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉等を備え、該乾燥炉に前記排ガスを供給するようにすれば、排ガスの保有熱量をより無駄なく有効利用可能となる。また、前記乾燥炉に代えて、例えばアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させるようにしても前記同様に排ガスの保有熱量を有効利用できる。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置1を使用して、例えば高含水率の樹皮等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、先ず、前記バイオマスをある程度のタール成分を残した状態で炭化させるのに適した加熱温度範囲(例えば約400〜500℃)と、内筒10内のバイオマスを前記加熱温度範囲に間接的に加熱するのに適した外筒22内の熱風温度範囲(例えば約900〜1000℃)とを実験等によって予め求め、該熱風温度範囲を下限残存酸素濃度と共に前記タール燃焼量制御器55に設定登録する一方、前記炭化炉内筒10の内壁面に対するバイオマスの付着を抑制可能な基準内筒温度(例えば約300℃)を前記運転制御器37に設定登録する。
次いで、前記運転制御器37では、並流加熱モードを選択し、該並流加熱モードに応じて分岐ダクト5a、6bの各ダンパー33、36を開放する一方、分岐ダクト5b、6aの各ダンパー34、35を閉鎖し、熱風発生炉3から供給する熱風の流れ方向を内筒10内のバイオマスの流下方向に対して並流方向に調整した後、熱風発生炉3の補助バーナ32を点火燃焼して炭化炉2に熱風を供給して予熱処理を行う。このとき、炭化炉2では熱風がバイオマスの供給方向に対して並流方向に流れるため、付着を生じやすいバイオマス供給側の炭化炉内筒10の温度は素早く高められていく。
そして、前記内筒温度センサ27にて検出する内筒温度が予め設定登録した前記基準内筒温度以上となれば、運転制御器37では手動または自動にて向流加熱モードを選択し、該向流加熱モードに応じて分岐ダクト5b、6aの各ダンパー34、35を開放する一方、分岐ダクト5a、6bの各ダンパー33、36を閉鎖し、熱風の流れ方向を内筒10内のバイオマスの流下方向に対して向流方向に切り替えた後、バイオマスを炭化炉内筒10内に所定量ずつ供給していく。
前記炭化炉内筒10内に供給したバイオマスは、内筒10内壁面に付着することなく炉内に周設した複数の掻き上げ羽根9にて掻き上げられながら流下していき、その間に熱風発生炉2より外筒22内に供給される前記温度の熱風により間接的にかつ還元雰囲気下で加熱されて炭化処理され、タール成分のある程度残った所望状態の炭化物として回収される。このとき、バイオマスの流下方向に対して熱風を向流方向に流すことにより効率よく炭化処理できる。
そして、前記炭化炉2から十分な量の木ガスを生じ始めて炭化処理運転が安定してくると、前記補助バーナ32を消火して自立燃焼運転に移行する。このとき、前記熱風発生炉3下流の熱風供給ダクト5に備えた熱風温度センサ53にて検出する熱風温度が予め設定登録した前記設定温度範囲を下回れば、タール燃焼量制御器55では空冷熱交換器41に対する外気供給ファン45からの外気供給量を減じて熱風発生炉3でのタール燃焼量を増加させる一方、熱風温度が設定温度範囲以上となれば、外気供給量を増やして熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じ、熱風発生炉3から導出する熱風温度を前記設定温度範囲内に維持する。
また、前記酸素濃度センサ54にて検出する熱風中の残存酸素濃度を逐次取り込み、予め設定登録しておいた下限残存酸素濃度を下回れば外気導入口51の開閉ダンパー52を開放して熱風発生炉3内部へ外気を導入させて不完全燃焼、失火等の不具合を防止する。
なお、炭化処理する木質系バイオマスの性状(含水率等)のバラツキにより、熱風発生炉3から導出する熱風温度が低くなり過ぎ、外気供給ファン45からの外気供給を停止しても前記設定温度範囲に満たない場合には、例えば、熱風発生炉3の補助バーナ32を再着火させて一時的に熱風量を増加させるようにしてもよい。
このように、本発明の木質系バイオマスの炭化処理装置1によれば、炭化炉2の内筒温度の低い運転開始時においては、並流加熱方式によってバイオマス供給側の内筒温度を迅速に高められ、バイオマスの内筒10内壁面への付着成長を効果的に抑制できる。また、内筒温度がバイオマスの付着を抑制可能な程度まで十分に高くなれば、向流加熱方式に切り替えることにより加熱効率を優先した運転が可能となり、メンテナンス面と加熱効率面とを両立しながら好適に木質系バイオマスを炭化処理できる。
このとき、炭化処理運転中に熱風方向を向流方向に切り替えることにより、熱風の下流側となるバイオマス供給側の炭化炉内筒10の温度が再び低下する懸念もあるが、熱風と被処理物であるバイオマスとが非接触で熱交換の行われにくい、即ち熱風温度の低下しにくい間接加熱方式である上、熱風の通過する前記外筒22の内周壁には保温用のキャスター25を周設してあるため、実際には熱風出口温度はそれ程には低下せず、バイオマスの付着のおそれは少ないと考えられる。ただし、それにもかかわらず炭化炉内筒10の温度が前記基準内筒温度を下回った場合には、例え運転途中であっても熱風の流れ方向を一時的に並流方向に戻したり、前記補助バーナ32を再着火してもよく、そうすることによって内筒10内壁面へのバイオマスの付着をより効果的に防止できる。
なお、本実施例では、熱風の流れ方向を並流・向流の切り替えるあたって、分岐ダクト5a、5b、6a、6bに流路開閉用のダンパー33、34、35、36を備えたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、熱風供給ダクト5の分岐部や、分岐ダクト5a、5bの分岐部に流路切替弁(三方弁)等を備えるようにしてもよいし、また分岐ダクト5a、5bと分岐ダクト6a、6bを合流させずに別途に外筒22に連結してもよい等、種々変更を加えることができる。
また、本実施例では、運転開始時等には並流加熱方式とし、バイオマス供給側の内筒温度が上昇すると向流加熱方式に切り替える例を説明したが、供給するバイオマスの種類・性状等によっては並流加熱方式のみにて加熱したり、或いは向流加熱方式のみにて加熱する等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて臨機応変に使い分け得ることは勿論である。
本発明は、剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材を含め、各種の木質系バイオマスの炭化処理装置として広く利用できる。
1…木質系バイオマスの炭化処理装置
2…炭化炉 3…熱風発生炉
4…木ガス導出ダクト 5…熱風供給ダクト
5a、5b、6a、6b…分岐ダクト 6…排気ダクト
10…内筒(炭化炉) 22…外筒(炭化炉)
27…内筒温度センサ 30…無線テレメータ装置
32…補助バーナ 33、34、35、36…ダンパー
37…運転制御器
41…空冷熱交換器(熱風温度調整手段)
45…外気供給ファン(熱風温度調整手段)
53…熱風温度センサ(熱風温度調整手段)
55…タール燃焼量制御器(熱風温度調整手段)

Claims (4)

  1. 間接加熱方式のロータリーキルンにて木質系バイオマスを炭化処理する炭化炉と、該炭化炉の炭化処理に伴って生じる木ガスを燃焼分解する熱風発生炉と、該熱風発生炉にて生じた熱風を前記炭化炉の外筒に供給する熱風供給ダクトとを備えると共に、該熱風供給ダクトを途中で分岐し、その一方の分岐ダクトを前記炭化炉外筒のバイオマス供給側端部に接続する一方、他方の分岐ダクトを排出側端部に接続し、各分岐ダクトには流路開閉用のダンパーを開閉自在に備え、前記炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度に基づいて前記各ダンパーを手動または自動にて開閉制御し、前記内筒温度が所定温度未満の場合は熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向に、前記内筒温度が所定温度以上の場合は熱風の流れを向流方向に切り替える運転制御器を備えたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  2. 前記熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持する熱風温度調整手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置。
  3. 前記熱風温度調整手段は、前記炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器と、前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器とからなることを特徴とする請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の木質系バイオマスの炭化処理装置の運転方法であって、運転開始時には熱風発生炉にて発生する熱風の流れを炭化炉内のバイオマスの流下方向に対して並流方向として炭化炉を加熱し、炭化炉のバイオマス供給側の内筒温度が所定温度以上となれば、前記熱風発生炉にて発生する熱風の流れをバイオマスの流下方向に対して向流方向となるように切り替えた後、バイオマスを炭化炉内に供給して炭化処理することを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理方法。
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