JP6124494B1 - 植物性バイオマス半炭化物の製造装置 - Google Patents

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Abstract

安全かつ有害ガスの処理が容易であり熱効率に優れてランニングコストが低く加熱に伴う劣化や酸化を生じることなく連続して多量に且つ均質な植物性バイオマスの半炭化物を製造可能な植物性バイオマス半炭化物の製造装置を提供する。植物性バイオマスである処理原料を200〜400℃の過熱水蒸気により乾燥処理する乾燥用スクリューコンベアと、前記処理原料を300〜600℃の過熱水蒸気により半炭化処理する半炭化スクリューコンベアと、前記処理原料の半炭化物を無酸素状態において大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置とを有する植物性バイオマス半炭化物の製造装置。

Description

本発明は、例えば木材加工工場、廃棄物中間処理場などから発生する木質材や農産物のように光合成由来で生育し構成される所謂、植物性バイオマスを処理原料として熱分解することにより半炭化物を製造する製造装置に関するものである。
近頃、発電などのエネルギー源として世界的に原子力は安全の面で危惧があり、また、重油も価格や貯蔵面で問題が生じており、旧来の石炭が見直されてその依存度が高まっているが、石炭は、燃料密度が低く運搬や保管に適していない点や温室効果ガス(COガス)発生量の増加が課題となっている。
一方、例えば木材チップ、木造家屋の廃材、農作物などの植物性バイオマス(再生可能な、植物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)は燃料として使用するとバイオマスから生じる温室効果ガス(COガス)は再び植物により固定化されることから温室効果ガス(COガス)フリーとみなされ、加えて石炭の使用量が減少することから温室効果ガス(COガス)の排出量を低減することができることから、植物性バイオマスを固形燃料として石炭の代わりに或いは石炭と混焼させることが提案されている。
ところが、植物性バイオマスは、一般に水分含有量が例えば20〜60%と高く、また空隙率が高いことから輸送並びに保管効率が低く、更に、そのまま燃焼させると発熱量が低く、主成分が繊維質で構成されているため粉砕性も低いなどの問題点がある。
そこで、植物性バイオマスを300℃程度、酸素10%未満の雰囲気で熱分解させて植物性バイオマスを半炭化して燃料とする手段が研究されている。この方法は、植物性バイオマスを酸素濃度が低く300℃程度の温度雰囲気で分解温度の低いヘミセルロースを熱分解して結束を解くとともに水分含有量を低価させ、更に、リグニンやセルロースからなる繊維質を熱分解することにより単位質量当たりの発熱量を増加させ、繊維質が分解し、炭素を主体とした成分として加圧粉砕を容易として輸送や保管更には燃料としての使い勝手を向上させたものであり、特に、300℃程度と低温で熱分解させることによりリグニンの熱分解を抑制して固体燃料中に揮発分が一部残留し、着火性も石炭と同等となるばかりかバインダーとしての効果を持たせて固形化を図ることができるなどの多くの利点を有し、更に耐水性、自然発火耐性に優れている。
そして、従来、例えば特開2005−2907号公報(特許文献1)、特開2006−291155号公報(特許文献2)、特開2012−219176号公報(特許文献3)、特開2015−229751号公報(特許文献4)などに植物性バイオマスについての実用可能な半炭化物の製造手段が提示されている。
ところで、前記特許文献1に記載の技術は、セメント焼成設備から発生する排ガスを利用することで、半炭化に必要な熱源を確保するものであり、半炭化燃料の製造装置の外部に設けたセメント焼成設備を燃焼設備とし、この燃焼設備で発生する高温の排ガスを利用することを前提としている。このように、半炭化燃料の製造装置の外部に熱源を設けることは、装置の規模や製作コストが増大し、装置の設置上、大きな制約となる。
また、特許文献2に記載の技術では、半炭化に必要な熱源として、植物性バイオマス自身の熱分解ガスを利用することにより外部からの熱供給を削減でき、半炭化燃料の製造装置の運転コストを低減できるとともに熱源の設置による制約を受けないが、熱分解ガスを高発熱量で利用するために、熱分解ガスの一部を熱媒体として装置内に循環させることから熱分解ガスは、温度が低下するとその成分が凝縮し、タールや凝縮水として装置の配管等に付着して配管に付着したタールは、除去するために装置を長期にわたり停止する必要があり、運転の障害となり、装置の隔壁や伝熱面、配管にタールや凝縮水等が付着すると、これらの付着物に含まれる成分が隔壁や伝熱面、配管に付着して成長し、流路を縮小、閉塞するなど、運転上の障害がある。
更に、前記特許文献3には、バイオマスを加熱して乾燥させる乾燥装置と、乾燥装置で乾燥させたバイオマスを熱分解する熱分解装置と、乾燥装置と熱分解装置に加熱用の熱を供給する燃焼装置とを備え、熱分解装置は、燃焼装置で発生した燃焼排ガスの一部が供給され、供給された燃焼排ガスをバイオマスと直接混合することで、バイオマスを加熱して熱分解し、発生した熱分解ガスと加熱に用いた燃焼排ガスとの混合気体を燃焼装置に供給するようにした半炭化装置が提示されているが、乾燥装置、熱分解装置の具体的な構成は開示されていない。
更にまた、前記特許文献4には、レトルト炉、スクリュー炉、ロータリー炉、攪拌式流動炉、固定床ガス化炉などを用いて植物性バイオマスを230〜270℃で加熱して半炭化物を製造する手段が提示されており、殊に、上下二段に配置したスクリューコンベアの中で原料を螺送しながらスクリューコンベアに過熱水蒸気を吹き込んで気相雰囲気を200℃として上段から下段に順次移送されて途中で乾燥、半炭化されて下段から排出される構造の半炭化製造装置が提示されているが、上下二段にしたのは単に移送距離を半分にして設置長さの減少を図っただけであり、単一のスクリューコンベアを用いた場合と同じく乾燥行程と半炭化行程を異なるスクリューコンベアで行うものでなく、二段にした効果を十分に発揮するものでない。加えて、スクリューコンベアの具体的構造については何ら触れられていない。
一方、前記特許文献4に記載されている植物性バイオマスの半炭化物を製造するのに適した炉として特開2004−352538号公報(特許文献5)、特開2006−8737号公報(特許文献6)などに連続して操業が可能で多量の半炭化物を効率よく製造する点で優れているとしてスクリュー炉が提示されている。
しかしながら、前記従来周知のスクリュー炉は、ケース体の耐火材で被覆した部分を外部からバーナで加熱する外部加熱式や乾留により発生した高温ガスをスクリュー炉の内部に挿入するものであり、外部加熱方式では、半炭化の温度領域が狭く熱効率が低いばかりかケース体における加熱部の腐食や酸化が促進されて耐久性にも問題がある。また、乾留ガスのような高温ガスを用いる場合には半炭化の際に各種の有害成分を含む乾留ガスの処理に設備と手間が掛かるという問題がある。
特開2005−2907号公報 特開2006−291155号公報 特開2012−219176号公報 特開2015−229751号公報 特開2004−352538号公報 特開2006−8737号公報
そこで本発明は、連続して多量に且つ均質な植物性バイオマスの半炭化物を製造可能なことは言うまでもなく、熱効率に優れてランニングコストが低く加熱に伴う劣化や酸化を生じることなく、無酸素、常圧で半炭化を行うことで安全で、特に、乾留時に生じる有害ガスの処理が容易で、且つ原料である植物性バイオマスの種類や形状および製造される炭化物の所望の性状に合わせて無駄なく迅速に製造が可能な植物性バイオマスの半炭化製造装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされたものであって、第1の発明である植物性バイオマスの半炭化製造装置は、一方の端面から他方の端面に向かって回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に200〜400℃である過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備えるとともに前記ケース体の一方側に所定の形状に破砕した植物性バイオマスである処理原料を投入する投入部を、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気により乾燥処理された前記処理原料を排出する排出部を備える乾燥用スクリューコンベアと、回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に300〜600℃である過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備え、前記ケース体の一方側に前記乾燥用スクリューコンベアにおける排出部から排出される乾燥処理された処理原料を投入する投入部を備え、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気による加熱処理された前記処理原料の半炭化物を排出する排出部を備える半炭化用スクリューコンベアと、前記半炭化用スクリューコンベアの排出部から排出される前記処理原料の半炭化物を無酸素状態において大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置を有することを特徴とする。
また、第2の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第1の発明において、前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアにおけるノズル配管が、ケース体内に一方側から他方側にかけてそれぞれ固定状態で前記回転スクリューの軸芯と平行に延設されるとともに、前記回転スクリューに向けた多数の過熱水蒸気噴出ロが延設方向に所定の隙間を有してそれぞれ設けられていることを特徴とする。
更に、第3の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第1または第2の発明において、前記半炭化物排出装置は排出用コンベアを有し、該排出用コンベアの入口側から前記加熱処理された半炭化物を充填投入するとともに前記半炭化用スクリューコンベア内に充填された過熱水蒸気又は飽和蒸気を散布して該排出用コンベア内を無酸素状態とすることを特徴とする。
更にまた、第4の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第2または第3の発明において、前記排出用コンベアの出口側に加湿帯を有し、入ロ側から投入された前記半炭化物が、前記加湿帯において液化した前記過熱水蒸気又は飽和蒸気によって加湿され、該排出用コンベアの出ロから100℃未満の温度で排出されることを特徴とする。
加えて、第5の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第2または第3の発明において、前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアのケース体内の圧力が大気圧より高い正圧状態で運転されることを特徴とする。
第6の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第1,2,3,4または5の発明において、前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアからの過熱水蒸気を含む乾留ガスは、脱臭装置に備えた燃焼炉によって800℃以上の温度に過熱して、含まれる臭気を除去するとともに、前記燃焼炉からの燃焼排ガスの保有熱を利用して前記過熱水蒸気を発生させることを特徴とする。
第7の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第1,2,3,4,5または6の発明において、前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用スクリューコンベアまたは半炭化用スクリューコンベアの少なくとも一方を減少または増加することを特徴とする。
第8の発明に係る植物性バイオマスの半炭化物製造装置は、前記第1,2,3,4,5,6または7の発明において、前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用スクリューコンベアと半炭化用スクリューコンベアの間に、一方の端面から他方の端面に向かって回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備えるとともに前記ケース体の一方側に前記処理原料を投入する投入部を、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気により処理された前記処理原料を排出する排出部を備える第3のスクリューコンベアを有することを特徴とする。
第1の発明によると、例えば前記特許文献5、特許文献6に示されているような従来の外部加熱式のスクリューコンベアにより植物性バイオマスを半炭化するものと異なり過熱水蒸気を直接用いることにより熱効率がよく、耐久性に優れているとともに、無酸素常圧で加熱するので安全であり、特に、加熱手段として高温ガスでなくよりエネルギーの蓄積量の多く、200℃を超えるような高温では乾燥ガスよりも乾燥能力が高くなる過熱水蒸気を用いたので乾燥並びに半炭化能力に優れ、炭化物の表面に水分が存在することから乾燥し過ぎて半炭化物が粉砕する心配もない。特に、前記従来のスクリューコンベア式の半炭化製造装置のように乾燥と半炭化を1つのスクリューコンベアにより行うものでなく、前記特許文献5に記載されている半炭化装置と同様に上下2段のスクリューコンベアを有しているので少ない地理的面積で設置することができるが、上下2段のスクリューコンベアを特許文献5に記載の発明が同一条件で過熱水蒸気を吹き込んで乾燥と半炭化を行うのに対して上下2段のスクリューコンベアを乾燥用スクリューコンベアと半炭化用スクリューコンベアにより構成したことで、それぞれの目的に合わせた条件で過熱水蒸気を吹き込み或いは蒸気を排出するなどを可能として効率の良い半炭化物の製造を可能にし、殊に、半炭化物の原料となる植物性バイオマスの例えば水分量などの性状や形状に合わせてそれぞれの行程に合わせて異なる温度やスクリューの搬送速度などを変化させることもできることから効率のよい製造が可能である。加えて、半炭化用スクリューコンベアの排出部から排出される前記処理原料の半炭化物を無酸素状態で前記半炭化物が大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置を有することから予め設定した性状の均質な半炭化物を確実に製造することができる。
また、例えば前記特許文献5、特許文献6に示されているような従来の外部加熱式のスクリューコンベアにより植物性バイオマスを半炭化するものと異なり、熱効率がよく、耐久性に優れているとともに、無酸素常圧で加熱するので安全であり、特に、加熱手段として200℃を超えるような高温では乾燥ガスよりも蓄熱量が多く乾燥能力が高くなる過熱水蒸気を用いたので乾燥並びに半炭化能力に優れ、半炭化物の表面に水分が存在することから乾燥し過ぎて製造祖される半炭化物が粉砕してしまう心配もなくペレットを作成し易い。特に、前記従来のスクリューコンベア式の半炭化装置のように乾燥と半炭化を1つのスクリューコンベアにより連続して行うものでなく、乾燥用スクリューコンベアと半炭化用スクリューコンベアにより構成したことで、原料となる植物性バイオマスの性状や形状に合わせてそれぞれ異なる温度やスクリューの搬送速度などを変化させることできわめて効率のよい製造が可能である。加えて、半炭化用スクリューコンベアの排出部から排出される前記処理原料の半炭化物を無酸素状態で前記半炭化物が大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置を有することから予め設定した性状の均質な半炭化物を確実に製造することができる。
第2の発明によれば、乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアにおけるノズル配管が、ケース体内に一方側から他方側にかけてそれぞれ固定状態で前記回転スクリューの軸芯と平行に延設されるとともに、回転スクリューに向けた多数の過熱水蒸気噴出ロが延設方向に所定の隙間を有してそれぞれ設けられていることから、過熱水蒸気が軸線に沿ってケース体の全域にわたって処理原料に散布されるので各スクリューコンベア内をより均一に高温にすることができ、更に、ノズル配管が回転スクリューとは独立して固定状態で取付けているので、その取付けが容易で且つ製造コストも低価となる。また、熱が植物性バイオマスに直接伝わり拡散がなく、スクリューコンベア内に、回転スクリューの軸芯と平行に配置されているので、過熱水蒸気を特定の箇所から放出する場合に比較して、装置本体の長さ方向に対してより均等に加熱することができる。
第3の発明によれば、半炭化物排出装置は排出用コンベアを有し、該排出用コンベアの入口側から前記加熱処理された半炭化物を充填投入するとともに前記半炭化用スクリューコンベア内に充填された過熱水蒸気又は飽和蒸気を流して該排出用コンベア内を無酸素状態とすることにより製造された半炭化物が粉砕するのを防止するばかりか空気に触れて発火し或いは酸化するのを防止できるとともに第4の発明のように、前記排出用コンベアの出口側に加湿帯を有し、入ロ側から投入された前記半炭化物が、前記加湿帯において液化した前記過熱水蒸気又は飽和蒸気によって加湿され処理対象物が燃焼しない100℃未満の温度になれば、蒸気は水になり、処理に困るガスが発生せず、装置構成が簡略化される。
また、第5の発明によれば、乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアのケース体内の圧力が大気圧より高い正圧状態で運転されることから、ケース体の内部への空気の侵入を防止でき、熱処理過程にある処理原料の燃焼を防止できる。
更に、第6の発明によれば、乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアからの過熱水蒸気を含む乾留ガスは、脱臭装置に備えた燃焼炉によって800℃以上の温度に過熱して、含まれる臭気を除去するとともに、前記燃焼炉からの燃焼排ガスの保有熱を利用して前記過熱水蒸気及び前記超高温の過熱蒸気を発生させることにより環境汚染が抑制される。また、燃焼炉からの燃焼排ガスの保有熱を利用して過熱水蒸気及び超高温の過熱水蒸気を発生させているので、より効率的に運転ができる。
更にまた、第7の発明によれば、前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用のスクリューコンベアまたは半炭化用のスクリューコンベアの少なくとも一方を減少または増加することにより処理原料の種類、用途、処理量に応じて無駄のない熱処理装置を提供することができる。
加えて、第8の発明によれば、前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用のスクリューコンベアまたは半炭化用のスクリューコンベアの少なくとも一方を増加することにより処理原料の種類、用途、処理量に応じて無駄のない熱処理装置を提供することができるばかりか半炭化前の乾燥した状態の処理原料を所定の温度範囲と水分の存在下で予熱させることで処理原料の成分を分解させて乾燥した処理原料を半炭化して製造した半炭化物と異なる性状の半炭化物を得ることができる。
本発明の好ましい実施の形態を示す全体側面概略図。 図1に示した実施の形態の要部の拡大図。 図1に示した実施の形態の過熱水蒸気の循環を示すブロック説明図。 本発明の異なる実施の形態を示す部分側面概略図。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1乃至図3は本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、本発明である植物性バイオマス半炭化物の製造装置は、例えば木材チップ、木造家屋の廃材、農作物などの各種植物性バイオマスである処理原料の粉砕物Bを高温の過熱水蒸気により処理原料の水分を除去して乾燥処理する乾燥用スクリューコンベア1と、前記乾燥用スクリューコンベア1において乾燥処理された処理原料を超高温の過熱水蒸気により半炭化処理して半炭化物にする半炭化用スクリューコンベア2と、前記半炭化用スクリューコンベア2において形成された処理原料の半炭化物を無酸素状態で該処理原料が大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置3と、前記乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2に高温の過熱水蒸気を発生させるための水蒸気発生装置4および過熱水蒸気発生装置5とから構成される。
また、本実施の形態では前記乾燥用スクリューコンベア1,半炭化用スクリューコンベア2および半炭化物排出装置3は2階建の基台6に支持されて上下方向に段階的に配置されており、設置面積の縮小化と運搬経路の短縮化や駆動源の共通化などによる製造工程の効率化並びに人的作業の効率化を図っている。
そして、本実施の形態に用いられる乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2は基本的に長尺の回転スクリュー11(21)が円筒形のケース体12(22)内に軸線方向に回転可能に軸支されており、前記ケース体12(22)の側端から突出させた回転スクリュー11(21)の軸をケース体12(22)に配置した駆動装置により回転駆動させる従来周知のものでよいが、各回転スクリュー11(21)の回転速度(移送速度)は個別に調整可能であることが好ましく、前記ケース体12(22)は高温度で使用するため、周囲が例えば、ステンレス、耐熱鋼等の耐熱材料で構成され、内外部には強度を有するレンガや耐熱耐摩耗性セラミック等を貼着して耐熱性を付与するとともに各所にパッキンなどを配置して(図示せず)低圧の気密状態に保持可能としている。
特に、前記乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2は図2に示すように、ケース体12(22)の内部に前記図1に示した過熱水蒸気発生装置5から過熱水蒸気供給管52を介して移送される高温の過熱水蒸気を回転スクリュー11(21)に向けて噴出する多数の過熱水蒸気噴出口13(23)を所定の間隔で配置したノズル配管14(24)を備えており、乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2内を均一に高温にすることができるばかりか供給される過熱水蒸気の熱がケース体12(22)内に拡散することなく回転スクリュー11(21)により移送される処理原料に直接伝播されて効率よく加熱が行われ、加えて、ノズル配管14(24)が回転スクリュー11(21)の軸芯と平行に配置されているので、過熱水蒸気を特定の箇所から放出する場合に比較して、装置本体の長さ方向に対してより均等に加熱することができ、更に、ノズル配管14(24)を回転スクリュー11(21)とは独立して固定状態で取付けているので、取付けが容易で且つ製造コストも低廉である。
尚、乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2は一本の回転スクリュー11(21)により形成してもよいが、一対の回転スクリュー11,11(21,21)を幅方向に並列させた所謂ダブルスクリューコンベア(図示せず)としてもよく、この場合には搬送量を増大することが可能であるとともに搬送時に処理原料が並列に配置した一対の回転スクリュー11,11(21,21)の中央に寄せながら軸線方向に搬送されるのでノズル配管14(24)を回転スクリュー11,11(21,21)の幅方向の中心に沿って配置することにより、ノズル配管14(24)から噴出される過熱水蒸気が回転スクリュー11,11(21,21)により搬送される処理原料をより確実にむら無く加熱することができる。
尚、本実施の形態では、前記水蒸気発生装置4内に配置したボイラー(図示せず)で発生した高温の水蒸気(120〜300℃)を過熱水蒸気発生装置5に供給して更に加熱して超高温の過熱水蒸気(200〜1000℃)を発生させ、過熱水蒸気供給管52を介して乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2内に供給しているが、水蒸気発生装置4で発生した飽和蒸気から、蒸気加熱器(スーパースチーマー)によって、一度で高温及び超高温の過熱水蒸気(200〜1000℃)を発生させてもよい。
また、乾燥用スクリューコンベア1の天井部には吸引配管81が設けられて処理原料を高温で加熱した際に生じる揮発分を含む排ガス(乾留ガス)およびケース体12内の水蒸気を排気装置9に配置したファン92で外部に排出するが、本実施の形態では前記吸引配管81は排気装置9へ接続する際に水蒸気発生装置4および過熱水蒸気発生装置5を経由して乾燥用スクリューコンベア1から排出される排ガスを脱臭装置8で高温に過熱して水蒸気発生装置4および過熱水蒸気発生装置5の燃料の一部として交換してから排気装置9から排出する構成でありリサイクルによる省力化が図られている。尚、ケース体12の底部には水抜き用のドレーン口(図示せず)が設けられており、ケース体12内で凝縮した水分はケース体12の外部に排出される。
そして、乾燥用スクリューコンベア1はケース体12の一方側に投入コンベア7から投入される植物性バイオマスからなる所定の形状に粉砕された処理原料が投入される投入部15が、ケース体12の他方側に前記ノズル配管14の過熱水蒸気噴出口13から噴出される過熱水蒸気により乾燥処理された処理原料を排出する排出部16を備えており、前記投入部15はケース体12内に差し込まれている投入シュート管と、この投入シュート管の基側が接続されるロータリーバルブ(ロータリーフィーダ)を有しており、このロータリーバルブはケース体12の高さより高い補助架台の上に設けられ、モータによって駆動されて放射状に配置された内部の仕切り羽根が回転し、その上のサブホッパーに貯められた処理原料を少しずつ密閉状態で乾燥用スクリューコンベア1内に投入される構造となっており(図示せず)、乾燥用スクリューコンベア1の排出部16は、ケース体12の底部に設けられているパイプ状の排出シュートおよびその下部に設けられた開閉バルブを有しており(図示せず)、開閉バルブの出口側が半炭化用スクリューコンベア2の投入部25に連結されている。
一方、前記乾燥用スクリューコンベア1によって乾燥処理された処理原料が供給される前記炭化用スクリューコンベア2には、供給される過熱水蒸気が乾燥処理された処理原料を半炭化するのに必要な温度である点を除くと基本的には乾燥用スクリューコンベア14と同一であり、詳細な説明は省略する。
前記半炭化用スクリューコンベア2により半炭化された処理原料の半炭化物は、前記ケース体22の底部に備えられた排出部26から落下し、この排出部26の下部には、加熱された処理原料の半炭化物を無酸素状態で、その温度を大気中で燃えない温度(即ち、非自燃温度)まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置3が設けられている。
本実施の形態においては、半炭化物排出装置3には全長が約3m(2〜6m程度が好ましい)の排出用スクリューコンベア31が備えられ、半炭化用スクリューコンベア2によって加熱処理されて減容された処理原料の半炭化物を、過熱水蒸気で酸素を追い出した状態で、徐々に搬送し、排出される処理原料の半炭化物を100℃以下に降温する。前記排出用スクリューコンベア31のスクリューの回転には可変速モータ(図示せず)が使用されて、排出処理する半炭化物の量や温度などに応じて搬送速度を決めて、排出用スクリューコンベア31の搬送路を処理対象物で充填しながら、半炭化物を送り出している。
従って、ケース体22から排出された半炭化物は、排出部25から排出用スクリューコンベア31内に落ち込み、徐冷されながら燃焼することなく所定の性状を有する半炭化物として半炭化物排出口32から外部に排出される。
次に、本実施の形態である植物性バイオマス半炭化物の製造装置を用いて植物性バイオマスを半炭化する工程の詳細について図3に示した過熱水蒸気及び処理原料の流れを示すブロック図を参照して具体的に説明する。
まず、脱臭装置8において設置した重油、LPG、NGおよび前記乾燥用スクリューコンベア1,半炭化用スクリューコンベア2からの排ガスを燃料とする補助バーナ83を有する燃焼炉84の燃焼排ガスを、水蒸気発生装置4のボイラー41に与えて供給された約20℃の水を一旦蒸気にして更に加熱して例えば100〜1000℃の高温の過熱水蒸気(本実施の形態では150℃)を過熱水蒸気発生装置5の水蒸気過熱器51に供給して高温の過熱水蒸気を更に加熱して200〜1000℃(本実施の形態では750℃)の超高温の過熱水蒸気を発生させる。
そして、前記発生させた高温(約350℃)の過熱水蒸気を過熱水蒸気供給管52を通じてノズル配管14(24)の過熱水蒸気噴出口13(23)から乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2内に吐出させるとともに、処理原料である例えば0.5〜2cmに粉砕した木材チップである植物性バイオマスを投入コンベア7および投入部15を介して乾燥用スクリューコンベア1内に、例えば、880kg/hの割合で投入する。
乾燥用スクリューコンベア1に投入された処理原料は回転スクリュー11によりケース体12内を軸線方向に移送されながら高温加熱され、多分に水分を含んでいる場合であっても乾燥処理されて排出部16から投入部25を介して半炭化用スクリューコンベア2に移送されるが、乾燥用スクリューコンベア1内の処理原料の滞留時間は、回転スクリュー11の回転速度およびケース体12の傾斜によって変わるので、使用する処理原料の性状に合わせて処理原料が十分に乾燥する滞留時間になるように回転速度を調整する。
このとき、本実施の形態では、過熱水蒸気は約30〜200mmAq程度に加圧された状態となっているので、過熱水蒸気が侵入した乾燥用スクリューコンベア1内が無酸素状態となる。
次に、前記半炭化用スクリューコンベア2に投入された処理原料は回転スクリュー21によりケース体22内を軸線方向に移送されながらノズル配管21から供給される例えば300℃の過熱水蒸気により高温加熱して処理原料を半炭化させた後に半炭化物排出装置3に搬送して温度を下げて製品とし、必要であればペレット化して燃料とするなど(図示せず)各種の用途に供される。半炭化用スクリューコンベア2に投入された処理原料が半炭化されて半炭化用スクリューコンベア2から排出される場合には約500kg/h程度になる。
本実施の形態では、製造された半炭化物を半炭化物排出装置3により設定以上の炭化を阻止するとともに温度の下降により生じた水分で半炭化物を加湿することになるので回転スクリュー31の搬送速度、過熱水蒸気又は飽和蒸気の温度、圧力を制御することによって所定の湿度(例えば、1〜10%)の半炭化物を得ることができるとともに半炭化用スクリューコンベア2に冷却のための搬送部分を設けることによる長尺化や所望の半炭化度のばらつきを防ぐことができる。尚、本実施の形態は半炭化用のスクリューコンベア2を最終段階とするものでないことから例えば半炭化物排出装置3に搬送した半炭化物を外部から冷却して半炭化を終了させることで均質な半炭化物を得ることも可能である。
尚、本発明は前述のように例えば植物性バイオマスに含有される揮発成分を残留させて燃焼の際の発熱量を高めるとともに水分を残留させて結束性を保持させることが可能であるなど多くの利点を有しているが、本実施の形態は過熱水蒸気の温度や接触時間を変えて各種の用途にあった半炭化物を製造可能であり、また、必要であれば更に炭化を進めて炭化物を製造することも可能であることは言うまでもない。
また、高温の過熱水蒸気で処理原料を曝すと加えられる熱によって乾燥或いは半炭化して可燃性の排ガス(乾留ガス)(温度は300℃程度)を発生するが、本実施の形態では、乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2から排出される排ガスを例えば吸引配管81に配置した集塵機(サイクロン)82により集塵して、燃焼炉84に供給し、燃焼炉84では補助バーナ83があるので、排ガス中の可燃分は全部燃焼する。これによって、燃焼炉84の内部を約800〜1000℃(好ましくは、850〜900℃)にし、排ガス中に含まれる臭い等の略完全な除去を行う。燃焼炉84では必要な場合に一次燃焼用空気又は酸素の供給を行う。
燃焼炉84を出た850〜900℃近傍の燃焼排ガスはその保有熱を利用して、前述した通り、水蒸気発生装置4のボイラー43及び過熱水蒸気発生装置5の水蒸気過熱器51で熱交換され、高温及び超高温の過熱水蒸気を発生する。ボイラー41及び水蒸気過熱器51を通った排ガスは排気装置8を介してサイクロンやフィルタなどの集塵浄化装置91で有害物を除去した後に外部に排出する。
また、前記排ガスが更に保有熱を有しているので、水を予熱する等エネルギー源として使用できることは当然であり、本実施の形態では、処理原料が植物性バイオマスであり、排ガス中に大量の可燃性ガスが混じるので、燃焼炉84ではこれが燃料となり、補助バーナ83からの燃料を著しく節約できる。
更に、本実施の形態では、稼働初期に乾燥用スクリューコンベア1の温度が上昇していないと、高温の過熱水蒸気を吹き込んでも直ちに温度が下がって処理原料の乾燥が困難となるため、前記乾燥用スクリューコンベア1に脱臭炉排ガスの循環又は補助バーナ(図示せず)を設けることによりその補助バーナで予め乾燥用スクリューコンベア1を予熱してから運転を行う。これは半炭化用スクリューコンベア2においても同様であるが、半炭化用スクリューコンベア2に処理原料が届くまでには時間がかかるので、その間に供給される超高温の過熱水蒸気によって半炭化用スクリューコンベア2を加熱することもできる。
尚、本実施の形態では乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2からの排ガスを水蒸気発生装置4に供給する場合を示したが、更に過熱水蒸気発生装置5にも或いはいずれか一方に供給する場合、或いは乾燥用スクリューコンベア1および半炭化用スクリューコンベア2のいずれか一方の排ガスを少なくとも前記水蒸気発生装置4または過熱水蒸気発生装置5のいずれか一方に供給することも可能である。
また、本実施の形態では上下2段に乾燥用スクリューコンベア1と半炭化用スクリューコンベア2を配置してそれぞれ乾燥、半炭化を行う場合を示したが、これに限るものでなく、例えばいずれか一方を用いて乾燥と半炭化を連続して行う場合、既にある程度乾燥している場合に両スクリューコンベアを半炭化用として使用する場合など使用する植物性バイオマスの性状や半炭化度に合わせて適宜用途を代えて使用することができる。
殊に、本実施の形態では乾燥用の過熱水蒸気と半炭化用の過熱水蒸気をそれぞれの許容温度範囲である300℃のものを用いたことから配管が簡単で並びに制御も容易であるがそれぞれ別の温度の過熱水蒸気を別々の配管により供給することも可能であり、この場合には使用する処理原料である植物性バイオマスの性状に合わせて乾燥用過熱水蒸気および半炭化用の過熱水蒸気の温度を選択して使用することで効率の良い半炭化を行うことができる。
図4は本発明の異なる実施の形態を示すものであり、全体の構成は前記図1および図2に示した実施の形態とほぼ同様であるが、上下に配置した乾燥用スクリューコンベア1と半炭化用スクリューコンベア2の間に前記乾燥用スクリューコンベア1と半炭化用スクリューコンベア2と同様な第3のスクリューコンベア10が配置されている点が異なる。
本実施の形態を用いた植物性バイオマスの半炭化物の製造方法も殆ど前記図1および図2に示した実施の形態とほぼ同様であるが、前記中間に配置した第3のスクリューコンベア10を乾燥用として或いは半炭化用としてまたは前半を乾燥用として後半を半炭化用として使用するなど、前記2段の製造装置では処理しにくい性状を有する植物性バイオマスを処理原料とする場合にも対応可能であり、例えば水分を多量に含む処理原料の場合に第3のスクリューコンベア10を乾燥用として使用することで乾燥用スクリューコンベア1の長さを延長する必要がないなどの利点を有している。半炭化用スクリューコンベア2に長さを必要とする場合も同様である。
また、第3のスクリューコンベア10を乾燥用スクリューコンベア1により乾燥した処理原料を水分の存在下で180〜240℃の範囲で予熱することで半炭化用スクリューコンベア2により半炭化前にセルロースやリグニンを残留させた状態でヘミセルロースを崩壊させておくことにより繊維組織の流動化を促すことでセルロース結束、リグニンの軟化により次に行われる半炭化用スクリューコンベア2における半炭化物の結束性、水分含量、燃焼効率の向上を図ることも可能である。
1 乾燥用スクリューコンベア、2 半炭化用スクリューコンベア、3 半炭化物排出装置、4 水蒸気発生装置、5 過熱水蒸気発生装置、6 基台、7 投入コンベア、8 脱臭装置、9 排気装置、10 第3のスクリューコンベア、11 回転スクリュー、12 ケース体、13 熱ガス噴出口、14 ノズル配管、15 投入部、16 排出部、21 回転スクリュー、22 ケース体、23 熱ガス噴出口、24 ノズル配管、25 投入部、26 排出部、31 排出用スクリューコンベア、32 半炭化物排出口、41 ボイラー、51 水蒸気過熱器、52 過熱水蒸気供給管、81 吸引配管、82 集塵機(サイクロン)、83 補助バーナ、84 燃焼炉、91 浄化装置、92 ファン

Claims (8)

  1. 一方の端面から他方の端面に向かって回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に200〜400℃である過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備えるとともに前記ケース体の一方側に所定の形状に破砕した植物性バイオマスである処理原料を投入する投入部を、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気により乾燥処理された前記処理原料を排出する排出部を備える乾燥用スクリューコンベアと、
    回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に300〜600℃である過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備え、前記ケース体の一方側に前記乾燥用スクリューコンベアにおける排出部から排出される乾燥処理された処理原料を投入する投入部を備え、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気による加熱処理された前記処理原料の半炭化物を排出する排出部を備える半炭化用スクリューコンベアと、
    前記半炭化用スクリューコンベアの排出部から排出される前記処理原料の半炭化物を無酸素状態において大気中で自燃しない非自燃温度まで下げて外部に排出する半炭化物排出装置を有することを特徴とする植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  2. 前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアにおけるノズル配管が、ケース体内に一方側から他方側にかけてそれぞれ固定状態で前記回転スクリューの軸芯と平行に延設されるとともに、前記回転スクリューに向けた多数の過熱水蒸気噴出ロが延設方向に所定の隙間を有してそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  3. 前記半炭化物排出装置は排出用コンベアを有し、該排出用コンベアの入口側から前記加熱処理された半炭化物を充填投入するとともに前記半炭化用スクリューコンベア内に充填された過熱水蒸気又は飽和蒸気を散布して該排出用コンベア内を無酸素状態とすることを特徴とする請求項1または2記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  4. 前記排出用コンベアの出口側に加湿帯を有し、入ロ側から投入された前記半炭化物が、前記加湿帯において液化した前記過熱水蒸気又は飽和蒸気によって加湿され、該排出用コンベアの出ロから100℃未満の温度で排出されることを特徴とする請求項1,2または3記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  5. 前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアのケース体内の圧力が大気圧より高い正圧状態で運転されることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  6. 前記乾燥用スクリューコンベアおよび半炭化用スクリューコンベアからの過熱水蒸気を含む乾留ガスは、脱臭装置に備えた燃焼炉によって800℃以上の温度に過熱して、含まれる臭気を除去するとともに、前記燃焼炉からの燃焼排ガスの保有熱を利用して前記過熱水蒸気を発生させることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  7. 前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用スクリューコンベアまたは半炭化用スクリューコンベアの少なくとも一方を減少または増加することを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。
  8. 前記処理原料の半炭化処理量に応じて、乾燥用スクリューコンベアと半炭化用スクリューコンベアの間に、一方の端面から他方の端面に向かって回転スクリューを回転駆動可能に軸支したケース体の内部に過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出口を有するノズル配管を備えるとともに前記ケース体の一方側に前記処理原料を投入する投入部を、前記ケース体の他方側に前記過熱水蒸気により処理された前記処理原料を排出する排出部を備える第3のスクリューコンベアを有することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の植物性バイオマス半炭化物の製造装置。


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