JP2008308570A - 高含水廃棄物の利用方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高含水廃棄物を利用することにより安価な原料を用いてCO2の排出量を大幅に削減するとともに、操業コストを低減することができる高含水廃棄物の利用方法および処理装置を提供する。
【解決手段】 高含水廃棄物を炭化もしくは乾燥して得られた燃料を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の利用方法および処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高含水廃棄物の利用方法および処理装置に関する。
具体的には、コーヒー滓、ビール粕、茶滓などのように、含水率が50〜90%である有機系廃棄物(バイオマス)の利用方法および処理装置に関する。
近年、京都議定書への批准を始めとしてCO2に対する削減要求が高く、バイオマス等の再生可能エネルギーの利用に関する要求が高まっていている。
特に、自治体は廃棄物処理の過程でCO2を排出しており、これらのプロセスに対してバイオマスを有効に利用することができれば、国内におけるCO2排出量の低減に大きく寄与できる。
バイオマスの利用に関しては従来から種々の提案がなされており、例えば下記特許文献1には、生物由来の有機性資源および/または化石資源と黒液とを混合する手段、前記混合物を不活性ガス雰囲気下に500から800℃で熱分解する手段、および前記手段で生成する多孔性炭化物を500から900℃で熱分解・賦活する手段を少なくとも備えることにより、バイオマスや褐炭などの資源を有効利用し、生産性よく、しかも製造コストを低減した高濃度水素を含むガス、および活性炭などを得る生物由来の有機性資源および/または化石資源処理システムが提案されている。
また、おが屑を高圧で成型し、炭化させることでバイオマス由来の炭化物を作ることが可能であるが、国内においてはおが屑の確保が難しく、原料が高コストであるという問題があった。
また、炭化物の強度を確保する場合、炭化前の成型時に高圧での成型が必要になるが、高圧での成型には多大な動力が必要で、炭化物の製造が高コストになるという問題点があった。
さらに、炭化する際には成型品を部分燃焼させ、そのときに発生する揮発分の燃焼によって必要な温度を確保することが可能であるが、廃棄物の部分燃焼排ガスであるため、完全燃焼及び除塵その他の排ガス処理が必要となると共に、排ガスの持つ顕熱は大気に放散されており、熱が有効に利用できていないという問題点があった。
特開2007−38144号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、高含水廃棄物を利用することにより安価な原料を用いてCO2の排出量を大幅に削減するとともに、操業コストを低減することができる高含水廃棄物の利用方法および処理装置を提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果、コーヒー滓、ビール粕、茶滓などのように含水率が50〜90%の有機系廃棄物(バイオマス)を原料とする炭化物を廃棄物処理の助燃料として利用することにより安価な原料を用いてCO2の排出量を大幅に削減するとともに、操業コストを低減することができる高含水廃棄物の利用方法および処理装置を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載したとおりの下記内容である。
(1)高含水廃棄物を炭化もしくは乾燥して得られた燃料を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の利用方法。
(2)高含水廃棄物を乾燥後に成型した成型品を炭化して得られた成型炭を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の利用方法。
(3)前記高含水廃棄物が、コーヒー滓、ビール粕、茶滓のいずれかであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の高含水廃棄物の利用方法。
(4)前記炭化物製造の工程として、高含水廃棄物の乾燥工程を有し、該乾燥工程の熱源として廃棄物処理設備の排熱を利用することを特徴とする、(1)乃至(3)いずれか一項に記載の高含水廃棄物の利用方法。
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の高含水廃棄物の利用方法に用いる処理装置であって、乾燥装置、成型機、および、炭化装置を、発電設備を備えた廃棄物処理施設に隣接させて配置し、高含水廃棄物を廃棄物処理設備の排熱を利用して乾燥して得られた乾燥物を、廃棄物処理施設の発電によって得られた電力で加圧成型し、成型された廃棄物を炭化して得られた炭化物を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の処理装置。
(6)前記乾燥、炭化の際に発生する排ガスを廃棄物処理施設に吹き込み、燃焼処理し、さらに熱回収することを特徴とする、(5)に記載の高含水廃棄物の処理装置。
<作用>
(1)の発明によれば、廃棄物の処理時に使用していた化石燃料を例えばバイオマス高含水廃棄物を炭化もしくは乾燥して得られた燃料に置き換えることで、CO2の排出量を削減することができる。
(2)の発明によれば、高含水廃棄物を乾燥後に成型した成型品を炭化して得られた成型炭を利用することで、コークス代替等の高度な利用が可能となる。
また、従来の木質系のバイオマスを成型する場合、事前に破砕処理を行う必要があるが、破砕には動力がかかるため、エネルギー、コストの面で問題があるうえ、国内ではおが屑の入手が困難である。
(3)の発明によれば、高含水廃棄物としてコーヒー滓、ビール粕、茶滓のいずれかを用いることにより、あらかじめ利用に際し破砕してあるため、成型のために別途破砕する必要がないので安価に高品質の成型品を得ることができるうえ、原料を安価に入手することができる。
また、コーヒー滓、ビール粕、茶滓は水分を多く含むため、事前の乾燥が必要となる。
(4)の発明によれば、乾燥に排熱を利用することで、エネルギーを有効に利用することができ、製造コストを削減することができる。
また、通常成型には大きな動力が必要となり、製造コストに大きな影響を与える。
(5)の発明によれば、必要な動力を自ら発電した電力を用いて行うことで、成型コストを大幅に低減させることができる。
また、炭化時に発生する排ガスは大気に放散する際に完全燃焼処理及び、排ガス処理が必要となる。
(6)の発明によれば、排ガスの処理装置を隣接する廃棄物処理設備と兼用とすることで設備の簡略化によるコストの低減、また、排ガスに含まれるガスの顕熱、可燃性ガスのエネルギーを回収することができる。それにより発電量が向上し、成型に必要な動力の全量若しくは一部をまかなうことも可能となる。
本発明によれば、コーヒー滓、ビール粕、茶滓などのように含水率が50〜90%の有機系廃棄物(バイオマス)を原料とする炭化物を廃棄物処理の助燃料として利用することにより安価な原料を用いてCO2の排出量を大幅に削減するとともに、操業コストを低減することができる高含水廃棄物の利用方法および処理装置を提供することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態について図1および図2を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明における高含水廃棄物の利用方法の実施形態を例示する図である。
図1において、1は廃棄物、2は溶融炉、3は燃焼室、4はボイラ、5はバグフィルタ、6は触媒反応塔、7は煙突、8は発電機、9はコーヒー滓、10は乾燥装置、11はバグフィルタ、12は成型機、13は炭化装置、14は成型コークスを示す。
廃棄物を溶融処理する方法には、例えばシャフト炉式廃棄物溶融炉が使用される。これは図1に示すように、溶融炉2の上部から処理対象となる廃棄物1や助燃料としてのコークス、塩基度調整剤としての石灰石等を装入し、装入された廃棄物1は、溶融炉2の上層から乾燥・予熱帯(約300〜400℃)、熱分解帯(約300〜1000℃)、燃焼・溶融帯(約1700〜1800℃)を通過して溶融処理される。
また、高温の燃焼排ガスは、溶融炉2内の廃棄物の充填層を対向流として上昇し、溶融炉上部の排ガス管から可燃ガスとして燃焼室3へ導入されて燃焼され、燃焼排ガスは、排ガス管を通ってボイラ4に導入されて熱交換により廃熱が回収された後、減温塔で温度を調整してバグフィルタ5に通し、更には、触媒反応塔6で公害物質を除去した後、煙突7から排出される。
なお、図1に示すように、ボイラ4により回収された熱を発電機8の動力として用いることにより発電した電力は、補助動力、販売用電力、成型動力として用いることができる。また、廃棄物溶融炉の他の方式として、灯油を燃料として廃棄物を表面溶融する表面溶融方式、廃棄物を部分燃焼によりガス化し、生成ガス、チャー、灯油を用いてダストを燃焼・溶融する旋回溶融方式がある。
このように、廃棄物溶融炉ではコークス、灯油等の助燃料を使用するが、地球温暖化防止の観点から石炭などの化石燃料に由来するCO2の削減が求められている。
そこで、本発明は、高含水廃棄物を炭化して得られた炭化物を廃棄物処理設備の助燃料として利用することによりCO2の排出を著しく低減することができる。シャフト式の溶融炉の場合、乾燥物若しくは炭化物を廃棄物と共に炉に投入するか、シャフト炉に設けられた羽口から吹き込む方法、表面溶融等のバーナーによって溶融する場合には炭化物若しくは乾燥物をバーナーにて燃焼させて溶融の熱源として利用する方法、旋回溶融炉等の燃焼・溶融炉の場合はバーナーで燃焼し熱源とする方法、若しくは回収された廃棄物由来のチャーと混合し、燃焼・溶融炉に投入する方法が可能である。
本発明においては高含水廃棄物の種類は問わないが、従来は肥料や堆肥の原料として使用されていた、コーヒー滓、ビール粕、茶滓などのように、含水率が50〜90%である有機系廃棄物(バイオマス)を用いることが好ましい。
コーヒー滓、ビール粕、茶滓は安価であるうえ、粒径が1mmφ以下なので粉砕することなくそのまま成型コークス14の原料として使用できるので原料コストが安価であり、操業コストも低減することができる。
また、高含水廃棄物を炭化もしくは乾燥して得られた燃料を廃棄物処理設備の助燃料としてそのまま利用することもできるが、コークスの強度や熱伝達率を確保するためには、圧縮成型する必要があり、そのためには、あらかじめ乾燥装置10により乾燥させることが好ましい。
また、図1に示すように、前記炭化物製造の工程として、高含水廃棄物の乾燥工程を有し、該乾燥工程の熱源として例えばボイラ4の排ガスを乾燥装置10に導入して廃棄物処理設備の排熱を利用することによりエネルギーを有効に利用することができ、製造コストを削減することができる。このとき、乾燥温度が300℃以上では廃棄物処理設備での熱利用量が減少するため廃棄物発電によって得られる電力が低下する等、熱効率上好ましくない。また、100℃以下では乾燥プロセスの効率が低くなり、設備が大型化し、現実的ではないからである。
また、本発明は乾燥装置を高含水廃棄物の排出部の近隣に設置することも可能である。
また、図1に示すように、乾燥装置10、成型機12、および、炭化装置13を、発電設備8を備えた廃棄物処理施設に隣接させて配置し、高含水廃棄物を廃棄物処理設備の排熱を利用して乾燥して得られた乾燥物を、廃棄物処理施設の発電によって得られた電力で加圧成型し、成型された廃棄物を炭化して得られた炭化物を廃棄物処理設備の助燃料として利用することにより、必要な動力を自ら発電した電力を用いて行うことで、成型コストを大幅に低減させることができる。
また、図1に示すように、乾燥、炭化の際に発生する排ガスを廃棄物処理施設(例えば燃焼室3)に吹き込み、燃焼処理し、さらにボイラ4により熱回収することにより、排ガスの処理装置を隣接する廃棄物処理設備と兼用とすることで設備の簡略化によるコストの低減、また、排ガスに含まれるガスの顕熱、炭化物から発生する揮発物などの可燃性ガスのエネルギーを回収することができる。それにより発電量が向上し、成型に必要な動力の全量若しくは一部をまかなうことも可能となる。
特に廃棄物処理設備での発電量が廃棄物処理設備での電力消費量よりも多く、常時余剰電力を系統の繋がった電力会社に販売している廃棄物処理施設での適用メリットが大きい。販売価格は一般に購入電力に比べ安価であるため、成型機をスタンドアロンにした場合に比較し、自家発電電力を用いれば電力コストが大幅に低減できる。
通常、炭化物を燃料として利用する場合、原料に含まれる揮発分は燃料として利用できないことが多い。排ガスを廃棄物処理設備に吹き込み、燃焼、熱回収処理を経ることで、原料の持つエネルギーのすべてを回収することができる。特にバイオマスではバイオマスの持つエネルギーの70%以上が揮発分由来であるため、揮発分の有効利用を行うことで総合エネルギー効率が向上できる。
また、本発明においては成型した炭化物の形状は問わないが、中空筒状の炭化物が好ましい。
中空筒状の炭化物では、大幅な使用量増加もなく排出されるスラグ温度が1500℃以上に安定した運転が可能であるが、中空筒状の炭化物とほぼ同形状の中実柱状(ペレット)の炭化物は排出されるスラグ温度が維持できず、操業継続ができない場合があるからである。これは、ペレット成型時に、成型の圧力が中心まで均一に伝わらないため、成型が不十分であり、炉底部の高温雰囲気で崩壊・粉化したためだと考えられる。
図2は本発明による中空筒状炭化物の断面形状を示す図である。
中空筒状炭化物15の断面形状について、図2に示すように、外径D、内径dとして、このD及びdを変更して試験を行った結果、D=30〜60mm、d=10〜30mm、さらにd/Dが0.1〜0.5の範囲にすることにより、成型時に原料に均一な圧力がかかり、かつ、成型物の肉厚が適切になるため、この範囲とすることが望ましい。ここで、発明者らの実験結果では、中空筒状炭化物の断面形状については、このD,dが適切な範囲にあれば、図2(a)に示す円形をはじめ、(b)の四角形、(c)の六角形、(d)の三角形など特に変わりないことがわかった。
また、図2(e)に示すように、中空筒状炭化物9の軸方向の長さLは、30mm未満では粒径が小さすぎ、形成した火格子の中を均等にガスが流れにくくなる。発明者らの実験結果によれば、30mm未満の炭化物が30質量%を超えると、火格子部での通気抵抗が増加し、安定操業が得られにくくなることがわかった。また、300mmを超える長いものであれば、供給系での詰まり、棚つりなどによるトラブルを誘発しやすく、発明者らの実験結果では、300mmを超えるものが5質量%を超えると供給系のトラブルだけでなく、溶融炉内へ装入された中空筒状炭化物が炉内で積み重なり、大きな空隙を持つ火格子を形成することにより、安定したガス流れが確保できないことがわかった。そこで、炭化物の軸方向の長さLは30〜300mmの範囲とし、範囲外のものについては、30mm未満が30質量%未満、また、300mmを超えるものについては5質量%未満とすることが望ましい。これらは、篩選別などで達成可能である。
また、中空筒状の炭化物の原料については、乾燥して水分10質量%以下としたものが、成形性が良好であり、乾留時の割れもなく、強固な炭化物となるため、炉底部の高温領域においても火格子の形成が可能である。
また、その原料の成型は例えば乾式のスクリュー型押出成型機を用い、ダイスを50〜400℃に加熱して成型した中空筒状の固形物を炭化した条件が、炭化物が緻密になるため、冷間での搬送時等における崩壊もなく、炉底部の高温雰囲気でも粉化しにくい。
さらに、中空筒状の炭化物の乾留温度を変更して、炭化物の性状を調査した。これは、シャフト炉下部の下段羽口直近の状況に近く、炭化物の乾留温度を600℃以上とすることで、炭化物を空気中で高温にしても重量減少率が高炉コークスと同等であり、シャフト炉炉底部の高温雰囲気で、崩壊しにくいことがわかった。また、乾留温度が1200℃を超えても固定炭素、かさ比重、灰分量および重量減少率はそれほど変化しないため、乾留のエネルギー効率が低下してしまう。そこで、乾留温度は600〜1200℃とするのが望ましい。
また、炭化物を空気中で1000℃に加熱し、30分保持した後、酸素を遮断して徐冷したものの圧潰強度が1000N以上なければ、溶融炉下部で炭化物が崩壊・粉化し、使用量が増加することがわかった。
また、本発明による中空筒状の炭化物の使用量は、廃棄物の性状によって変化し、廃棄物に対して質量比0.5〜10%となり、通常使用する高炉コークスと比較して大幅に増加することはなかった。この割合より多くの炭化物を使用すると、その発熱量は廃棄物の溶融には過剰であり、発電回収することは可能であるものの、運転コストの上昇を招くことになる。また、本発明の中空筒状の炭化物は、通常使用する高炉コークスと併用できるため、炭化物単独で使用しても、高炉コークスと混合して使用しても、特に問題なく使用可能である。
本発明による操業は従来と比較して、化石燃料に由来するコークスを中空筒状炭化物15で代替する点で大きく異なるが、その他は実質的に変わるところはない。ここで使用する中空筒状の炭化物15は、原料として粒径1mm以下のコーヒー滓をロータリーキルンで水分3質量%に乾燥し、電気ヒーターでダイスを200℃に加熱したスクリュー押し出し式の成型機にて中空筒状の成型物としたものを、乾留炉にて、800℃で20時間乾留したものを使用した。ここで、成型物の断面形状は、断面六角形で、外形D=58mm、中心の円の直径d=18mm、d/D=0.31とした。ここで、この例では、乾燥にロータリーキルンを用いるが、乾燥機には、流動床式、気流乾燥式など各種乾燥炉が使用可能であり、また、乾留炉については、廃棄物溶融処理施設で発生する蒸気、排ガスの顕熱及び溶融炉から発生する可燃性ガスを乾留熱源として使用した。
ここで、乾留炉においても、乾燥機同様、流動床式、シャフト炉式、バッチ炉、電気炉など各種乾留炉が使用可能であり、この例により何ら制限を加えるものではないが、溶融炉に炭化炉を併設し、そのエネルギーを有効に活用することで、総合的なエネルギー効率を高めることが可能となる。
シャフト炉式の廃棄物溶融炉2に廃棄物1、成型コークス14、石灰石、中空筒状炭化物を装入し、上段羽口から空気を、下段送風口から酸素富化空気を吹込んで廃棄物を溶融処理した。いずれも上段送風量(空気)350Nm3/h、下段送風量(空気)250Nm3/h、酸素を富化するために、下段送酸量(純酸素)60Nm3/hとし、下段羽口での送風は酸素濃度36.3%の一定条件、また、高炉コークス及び中空筒状炭化物の使用量を40kg/廃棄物tとした。尚、廃棄物は、K市で排出される一般都市ごみを使用した。
試験の結果、中空筒状炭化物15は、従来熱源として使用していた高炉コークスに比べ溶融能力としては何ら変わりなく操業可能であることが確認できた。
なお、本実施例は充填層式の廃棄物溶融炉について述べたが、流動式のコークスベッド式溶融炉やキュポラ等コークスを使う溶融炉への適用も可能である。また、コークス以外の燃料(LPG、天然ガス、灯油等)を溶融熱源として使用する炉への適用も妨げない。
本発明の高含水廃棄物の利用方法の実施形態を例示する図である。 本発明に用いる成型炭化物の実施形態を例示する図である。
符号の説明
1 廃棄物
2 溶融炉
3 燃焼室
4 ボイラ
5 バグフィルタ
6 触媒反応塔
7 煙突
8 発電機
9 コーヒー滓
10 乾燥装置
11 バグフィルタ
12 成型機
13 炭化装置
14 成型コークス
15 中空円筒状炭化物

Claims (6)

  1. 高含水廃棄物を炭化もしくは乾燥して得られた燃料を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の利用方法。
  2. 高含水廃棄物を乾燥後に成型した成型品を炭化して得られた成型炭を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の利用方法。
  3. 前記高含水廃棄物が、コーヒー滓、ビール粕、茶滓のいずれかであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高含水廃棄物の利用方法。
  4. 前記炭化物製造の工程として、高含水廃棄物の乾燥工程を有し、該乾燥工程の熱源として廃棄物処理設備の排熱を利用することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の高含水廃棄物の利用方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の高含水廃棄物の利用方法に用いる処理装置であって、乾燥装置、成型機、および、炭化装置を、発電設備を備えた廃棄物処理施設に隣接させて配置し、高含水廃棄物を廃棄物処理設備の排熱を利用して乾燥して得られた乾燥物を、廃棄物処理施設の発電によって得られた電力で加圧成型し、成型された廃棄物を炭化して得られた炭化物を廃棄物処理設備の助燃料として利用することを特徴とする、高含水廃棄物の処理装置。
  6. 前記乾燥、炭化の際に発生する排ガスを廃棄物処理施設に吹き込み、燃焼処理し、さらに熱回収することを特徴とする、請求項5に記載の高含水廃棄物の処理装置。
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