JP2004174426A - 廃棄物処理装置 - Google Patents

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泰男 三柴
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Abstract

【課題】コスト高を招くことなく安全かつ効率良く資源回収が可能な廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】処理槽20内では、還元雰囲気中で高温の循環蒸気との直接接触により被処理物が乾燥ないし炭化される。また処理槽20から出た循環蒸気に含まれる余剰な排気を循環系外へ導き、前記処理槽20内を負圧状態に維持すると共に、余剰な排気を熱発生部40へ導入しそのまま燃焼させて脱臭ないし無害化処理を行う。また、加熱部30における廃熱を、廃熱回収部60によって高温水または蒸気として余計なガス成分を含まない状態で安全かつ簡易に回収することができ、ここで回収した廃熱は、廃熱回収部60から他の装置に熱源として供給する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物を循環蒸気によって乾燥ないし炭化することにより、ダイオキシン類の有害物質を発生させることなく、安定かつ効率良く資源回収を可能とする廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、廃飲料、食品残渣、発酵汚泥等の有機性廃棄物は水分含有が多く、有機物や窒素成分濃度が非常に高く、水質汚濁および大気汚染防止の観点から、高度な総合廃水処理やダイオキシン対応型の焼却処分等のエネルギー多消費型プロセスが用いられていた。また、廃飲料等の廃液処理については、膜分離や多重効用式蒸発法等が適用されているが、高価な設備投資や運転費が割高であるため、廃棄物処理には不適であり、省エネルギーおよび資源回収型の処理装置が求められていた。
【0003】
低コスト化が可能な資源回収型の処理装置としては、メタン発酵装置や炭化処理装置が普及しつつあり、例えば、特許文献1に開示されたように、これらを組み合わせた装置も知られている。すなわち、メタン発酵処理により生じた残渣を炭化処理することで、処理残渣を極力少なくした装置であり、発酵処理時に生じるメタンガスを主成分とするバイオガスを炭化処理装置へ導き燃焼させて残渣を加熱炭化すると共に、メタン処理槽に加熱器を設け、バイオガスを加熱器へ導き燃焼させてメタン処理槽を高温菌が活性を示す温度に加熱するように構成している。
【0004】
また、特許文献1に開示された炭化処理装置、あるいは特許文献2に開示されたように、有機性廃棄物を単独で処理する炭化処理装置としては、従来から固定床炉(平炉、乾留炉等)や移動床炉(流動炉、ロータリー炉、スクリュー炉等)が広く用いられており、処理槽に有機廃棄物を入れて、処理槽をこれに付設した加熱装置で直接加熱して炭化処理を行う構成であった。
【0005】
これらの炭化処理装置は、いずれも循環系外へ排出されたガスを脱臭ないし無害化処理するために、例えば、活性炭槽や白金触媒燃焼室を設ける等の特別な工夫が必要となる。特許文献2に開示された炭化処理装置では、処理槽から出た排ガスは、炭化処理用の加熱装置とは全く別に設けられた脱臭装置のバーナーによって燃焼されて脱臭ないし無害化処理されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−046997号公報
【特許文献2】
特開2000−157949号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の炭化処理装置では、被処理物の加熱のための熱源とは全く別に、余分な排ガスを燃焼分解して脱臭ないし無害化処理するための燃焼脱臭装置等が必要となり、特に脱臭ないし無害化処理に関して設備コストが嵩むと共に、電気および都市ガスを多く消費する等によりランニングコストも嵩むという問題点があった。
【0008】
また、特許文献1に開示された装置では、炭化処理装置において発生する排ガスの処理が問題となるばかりでなく、発酵処理時に生じるバイオガスを有効利用する構成はあっても、炭化処理装置における廃熱処理を示唆するような開示は何もなく、かかる炭化処理装置における廃熱を有効に活用することができないものであり、装置全体としては結局エネルギーの無駄を招くという問題があった。
【0009】
また、従来の炭化処理装置では、大抵は単槽かつバッチ運転で不均等混合であったため、廃飲料や食品残渣のように、水分含有が多く有機物濃度が高い被処理物に対しては、乾燥工程で粘着性を帯びたタール状物質となりやすく、処理が不安定であり良質な炭化物が得にくく、かつ多量の熱量を要するためにランニングコストも嵩むという問題があった。
【0010】
さらに、被処理物が熱風またはヒーターで直接加熱されるため、処理物の局部的な燃焼焦げ付きや溶解が起こり、ダイオキシン等の有害ガスや臭気が発生し、滅菌処理や処理物排出等が困難となり安全性の確保や安定運転に支障があった。また、処理槽内の密閉性が悪く、圧力・温度調整が不充分で、臭気・有害ガスの発生やダスト類の飛散の問題があった。また、排気中に飛散したダストの回収・滅菌が不完全で、破砕機廻りや排気ラインの滅菌対策や緊急時の安全対策が不充分であった。
【0011】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、被処理物の発火・溶解を防止すると共に有害ガスや臭気の発生を防止し、しかも排ガスの処理に特別な処理装置を別途用意することなく、大元の熱源をそのまま利用して燃焼脱臭ないし無害化処理することが可能であり、コスト高を招くことなく、安全かつ効率良く資源回収が可能であり、しかも炭化・乾燥処理中に生じる廃熱を他の装置の熱源として有効に活用することができる廃棄物処理装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]有機性廃棄物を循環蒸気によって乾燥ないし炭化することにより資源回収を可能とする廃棄物処理装置(10)であって、
前記有機性廃棄物を含む被処理物を混合可能な状態で収納し、該被処理物を乾燥ないし炭化させる処理槽(20)と、該処理槽(20)内に循環させる蒸気を高温に加熱する加熱部(30)と、該加熱部(30)に熱源としての熱風を循環系外から供給する熱発生部(40)とを有し、
前記処理槽(20)から出た循環蒸気に含まれる余剰な排気を循環系外へ導き、前記処理槽(20)内を負圧状態に維持すると共に、前記余剰な排気を前記熱発生部(40)へ導入しそのまま燃焼させて脱臭ないし無害化処理を行い、
前記加熱部(30)における廃熱を高温水または蒸気として回収し、他の装置の熱源として供給可能な廃熱回収部(60)をさらに備えたことを特徴とする廃棄物処理装置(10)。
【0013】
[2]前記処理槽(20)では、前記被処理物を還元雰囲気中で循環蒸気と直接接触させることにより乾燥ないし炭化させ、該処理槽(20)内の還元雰囲気は、前記循環蒸気による昇温時または出口蒸気温度が所定値以上に上昇した時に、該循環蒸気中に水を噴霧することにより形成することを特徴とする[1]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0014】
[3]前記処理槽(20)と前記加熱部(30)とをそれぞれ一対の配管(11)で連結して、蒸気の閉鎖循環路を形成し、
前記各配管(11)のうち前記処理槽(20)から前記加熱部(30)へ蒸気を送る復路(11b)の途中より、前記余剰な排気を前記熱発生部(40)へ導く排気管(12)を分岐させたことを特徴とする[1]または[2]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0015】
[4]前記処理槽(20)に供給する被処理物を事前に破砕する破砕機(19)を有し、
前記各配管(11)のうち前記加熱部(30)から前記処理槽(20)へ蒸気を送る往路(11a)の途中より、必要に応じて蒸気を前記破砕機(19)へ導く滅菌用配管(13)を分岐させたことを特徴とする[1],[2]または[3]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0016】
[5]前記配管(11)の途中に集塵部(50)を設け、該集塵部(50)により閉鎖循環路中に飛散したダスト類を密閉状態で集塵し、集塵済みのダスト類を前記処理槽(20)へと移送し、該処理槽(20)内にて未だ含水率の高い被処理物にダスト類を直接接触させて捕捉し、再処理することを特徴とする[1],[2],[3]または[4]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0017】
[6]前記処理槽(20)は、その内部に被処理物を載せる処理床(21)を縦方向へ多段状に配設して構成され、各処理床(21)に、被処理物を順次移動させる移送機構(22)と、被処理物の滞留量を調節可能な排出機構(23)とをそれぞれ設けたことを特徴とする[1],[2],[3],[4]または[5]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0018】
[7]前記移送機構(22)と前記排出機構(23)の作動を少なくとも制御することにより、前記処理槽(20)内における被処理物の加熱温度および滞留時間を調節可能な制御手段(100)を有することを特徴とする[6]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0019】
[8]前記処理槽(20)における被処理物の流入口(20a)と排出口(20b)に、処理槽(20)内の被処理物の発火防止用のシール機構を設けたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6]または[7]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0020】
[9]前記処理槽(20)における被処理物の排出口(20b)の下流側に、該排出口(20b)より排出された被処理物を冷却するための冷却機構(70)を設けたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]または[8]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0021】
[10]前記処理槽(20)において、被処理物の性状および処理物の用途に応じて循環蒸気を、被処理物の流れの方向と一致し直接接触する並流接触と、被処理物の流れの方向と逆向きに互いに対向して直接接触する向流接触と、前記処理槽に複数箇所から導入されて前記並流接触および前記向流接触を含む分流接触とのいずれかに選択的に設定可能であることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8]または[9]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0022】
[11]前記熱発生部(40)で生じた燃焼ガスの一部を、前記加熱部(30)により加熱された循環蒸気に混合させて、前記処理槽(20)内に導入して循環させることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9]または[10]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0023】
[12]前記処理槽(20)内における乾留ガスの一部を、前記熱発生部(40)に導き熱源として利用することを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]または[11]記載の廃棄物処理装置(10)。
【0024】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]記載の廃棄物処理装置によれば、各種の有機性廃棄物である被処理物は、処理槽(20)に収納されて充分に混合され、該処理槽(20)を含む循環系内を循環する蒸気は、同じく循環系内にある加熱部(30)により高温に加熱される。ここで加熱部(30)に対しては、循環系外にある熱発生部(40)より熱源としての熱風が供給される。なお、有機性廃棄物とは有機性廃液を含む概念とする。
【0025】
処理槽(20)内では、混合されている被処理物に蒸気が直接接触することにより乾燥処理が実行され、続いて乾燥した被処理物がさらに蒸気で加熱されることにより炭化処理が実行される。乾燥ないし炭化の各処理工程において、処理槽(20)から出る余剰な排気は、循環系外へ導かれて前記加熱部(30)に熱源として熱風を供給する熱発生部(40)へ導入され、そのまま熱発生部(40)で燃焼脱臭ないし無害化処理される。
【0026】
それにより、排気は循環系外へ不用意に排出されることがなく、また、前記処理槽(20)内は負圧状態となるので、処理槽(20)内で発生する臭気が外部に漏れるおそれもない。しかも、排気の燃焼脱臭ないし無害化処理には、特別な処理機構を別途用意する必要もなく、前記加熱部(30)の熱源である熱発生部(40)をそのまま利用するので、設備コストやランニングコストを充分に抑えることができる。
【0027】
しかも、加熱部(30)には、循環系外にある熱発生部(40)より熱源である熱風が供給されるから、加熱部(30)では燃焼ガスが生じることはなく、該燃焼ガスの処理を問題とすることなく廃熱を、廃熱回収部(60)によって、高温水または蒸気として余計なガス成分を含まない状態で安全かつ簡易に回収することができる。ここで回収した廃熱は、廃熱回収部(60)から他の装置に熱源として供給することにより、他の装置において熱源にかかるランニングコストを抑えることができ、装置全体として効率の良い資源回収が可能となる。
【0028】
また、前記[2]に記載のように、処理槽(20)において、被処理物を還元雰囲気中で蒸気と直接接触させることにより乾燥ないし炭化させれば、被処理物の局部的な燃焼焦げ付きや溶解を防止しつつ炭化効率を高めることができる。また、蒸気による昇温時または出口蒸気温度が所定値以上に上昇した時に、循環蒸気中に水を噴霧することにより、処理槽(20)内の温度を高温に維持しつつ、極めて簡易に処理槽(20)内の還元雰囲気を形成することができる。
【0029】
また、前記[3]に記載のように、処理槽(20)と加熱部(30)とをそれぞれ一対の配管(11)で連結して蒸気の閉鎖循環路を形成し、各配管(11)のうち処理槽(20)から加熱部(30)へ蒸気を送る復路(11b)の途中より、前記余剰な排気を熱発生部(40)へ導く排気管(12)を分岐させれば、排気を外部に漏らすことなく確実に熱発生部(40)へ導くことが可能となる。
【0030】
また、前記[4]に記載のように、処理槽(20)に供給する被処理物をその性状に応じて事前に破砕する破砕機(19)を配設してもよい。この破砕機(19)には、配管(11)の往路(11a)の途中より分岐する滅菌用配管(13)を延ばして、この滅菌用配管(13)により異常停止時等に必要に応じて破砕機(19)へ高温蒸気を供給すれば、加熱保持により滅菌処理を実行することができる。
【0031】
また、前記[5]に記載のように、配管(11)の途中に集塵部(50)を設け、該集塵部(50)により閉鎖循環路中に飛散したダスト類を密閉状態で集塵し、集塵済みのダスト類を前記処理槽(20)へと移送し、該処理槽(20)内にて未だ含水率の高い廃棄物にダスト類を直接接触させて捕捉させるように設定すれば、効率よく安価にダスト類を再処理することが可能となる。
【0032】
また、前記[6]に記載のように、処理槽(20)を、処理床(21)が縦方向へ多段状に配設された多段構造とすれば、間欠的なバッチ運転にも連続運転にも適用することができ、多量の廃棄物を効率良く処理することが可能となり、また、処理対象物の特性に応じて、加熱温度および保持時間を容易に調整することができる。
【0033】
前記各処理床(21)では、移送機構(22)の作動により被処理物が順次移動すると共に、排出機構(23)の作動により被処理物の滞留量を調節できるようになっているが、前記[7]に記載のように、前記移送機構(22)と前記排出機構(23)の作動を制御手段(100)によって適宜制御することにより、前記処理槽(20)内における被処理物の加熱温度および滞留時間を任意に調節することができる。
【0034】
また、前記[8]に記載のように、前記処理槽(20)における被処理物の流入口(20a)と排出口(20b)にシール機構を設けることで、処理槽(20)内への空気の流入を防ぐことにより、処理槽(20)内の被処理物が高温により発火ないし燃焼することを未然に防止することができる。
【0035】
また、前記[9]に記載のように、前記処理槽(20)における被処理物の排出口(20b)の下流側に冷却機構(70)を設けることで、外部へ排出されて空気に触れる被処理物を事前に充分冷却することが可能となり、被処理物が高温により発火ないし燃焼することを未然に防止することができる。
【0036】
また、前記[10]に記載のように、被処理物の性状および処理物の用途に応じて循環蒸気を、被処理物の流れの方向と一致し直接接触する並流接触と、被処理物の流れの方向と逆向きに互いに対向して直接接触する向流接触と、前記処理槽に複数箇所から導入されて前記並流接触および前記向流接触を含む分流接触とのいずれかに選択的に設定することで、より適切な乾燥ないし炭化処理を行うことができる。
【0037】
具体的には例えば、並流接触によれば、高揮発性の被処理物の安定した乾燥物を得ることができ、向流接触によれば、一般の被処理物全般を効率よく乾燥ないし乾留・炭化することができ、分流接触によれば、高含水性の被処理物を効率よく乾燥ないし乾留・炭化することができる。
【0038】
また、前記[11]に記載のように、前記熱発生部(40)で生じた燃焼ガスの一部を、前記加熱部(30)により加熱された循環蒸気と混合して、前記処理槽(20)内に導入して循環させることで、処理槽(20)内をさらに高温化することができ、高温炭化処理が可能となる。
【0039】
さらにまた、前記[12]に記載のように、前記処理槽(20)内における乾留ガスの一部を、前記熱発生部(40)に導き熱源として利用することで、熱発生部(40)における燃料費を大幅に節約することができ、コスト低減が可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る廃棄物処理装置10は、外部から供給される有機性廃棄物である被処理物を、還元雰囲気中で高温の循環蒸気と並流で直接接触させることにより乾燥ないし炭化することで資源回収を可能とする装置である。ここで有機性廃棄物とは、一般家庭の生ごみや食品残渣、ジュース類の廃飲料、食品工場の廃棄物、畜産廃棄物、それにメタン発酵装置や蒸発濃縮装置における残渣等を広く含むものである。
【0041】
図1に示すように、廃棄物処理装置10は、被処理物を混合可能な状態で収納して乾燥ないし炭化させる処理槽20と、該処理槽20内に循環させる熱媒である蒸気を高温に加熱する加熱部30と、該加熱部30に熱源としての熱風を蒸気の循環系外から供給する熱発生部40と、前記加熱部30における廃熱を高温水または蒸気として回収する廃熱回収部60とを有して成る。
【0042】
処理槽20と加熱部30とは、一対の配管11a,11bで連結されており、蒸気の閉鎖循環路が構成されている。加熱部30から処理槽20側へ高温蒸気を送る方が往路配管11aであり、処理槽20から加熱部30側へ蒸気や排気(乾留ガス等)を送る方が復路配管11bとなっている。このような閉鎖循環系における復路配管11bの途中より、処理槽20から出た余剰な排気を熱発生部40へ導く排気管12が分岐している。また、復路配管11bにおいて、排気管12が分岐する部位より上流側には集塵部50が設けられている。
【0043】
処理槽20は、その内部に廃棄物を載せる処理床21を縦方向へ多段状に配設して、各処理床21に、廃棄物である被処理物を順次移動させる移送機構22と、被処理物の滞留量を調節可能な排出機構23とをそれぞれ設けたものである。処理槽20の内部には2枚の処理床21が配設されており、底面部を含めて縦方向に3段の処理ゾーンが形成されている。ここで上段の処理床21と天井部との間が乾燥ゾーンとなり、底面部と下段の処理床21との間が炭化ゾーンとして設定されている。
【0044】
処理槽20における乾燥ゾーンの一端(上流)側には、前記往路配管11aの終端である循環蒸気の高温側入口が連通接続すると共に、被処理物の流入口20aが設けられている。一方、処理槽20における炭化ゾーンの他端(下流)側には、前記復路配管11bの始端である循環蒸気の低温側出口が連通接続すると共に、被処理物の排出口20bが設けられている。
【0045】
流入口20aには、シール機構を介して破砕機19が連通接続されている。ここでシール機構は、流入口20aから外部の空気が侵入することを防ぐことにより、処理槽20内の被処理物の発火を防止するための機構であり、例えば、マテリアルシールやダブルバンパー等を適用するとよい。また、前記破砕機19は、被処理物の特性に応じて事前にさらに破砕処理を行い、該破砕処理後の被処理物を処理槽20に自動的に供給可能なものである。
【0046】
破砕機19には、往路配管11aの途中より分岐する滅菌用配管13が延ばされており、この滅菌用配管13により異常停止時等に必要に応じて、破砕機19へ高温の循環蒸気を供給することで、加温保持して滅菌処理が実行されるように設定されている。なお、被処理物を事前に破砕する必要がないような場合には、破砕機19の代わりに、単に所定量貯留した被処理物を液面制御や自動弁の開閉タイマー等により、自動的に処理槽20に供給可能な供給装置を設けるようにしても良い。
【0047】
排出口20bには、バルブ状に開閉可能な排出ゲート24が設けられており、排出ゲート24には、シール機構を介して冷却機構70が連通接続されている。ここでシール機構は、排出口20bから外部の空気が侵入することを防ぐことにより、処理槽20内の被処理物の発火を防止するための機構であり、例えば、マテリアルシールやダブルバンパー等を適用するとよい。
【0048】
冷却機構70は、前記排出口20bないし排出ゲート24から排出される高温の被処理物(炭化物)を水で冷却することにより、被処理物の自然発火を防止するための機構であり、具体的には例えば、被処理物を移送する移送配管71を冷却管72内に内挿して、かかる冷却管72内に冷却水を一定方向に流入および排出させるように構成されている。
【0049】
図3および図4に示すように、前記移送機構22は、各処理床21上または底面部上に、被処理物の移送方向に沿って複数の円盤形の基盤22aを、略水平な状態で相互に径の一部が重なるように固設したものである。各基盤22aの上表面には、それぞれ一対の移送用の掻き分け刃22bが回転駆動可能に軸支されている。前記排出機構23は、各処理床21の先端側に開設された排出口23aを開閉可能なブロック体23bから成り、このブロック体23bを移動させて排出口23aの開口面積を調整することで、被処理物の滞留量を調節可能となっている。
【0050】
移送機構22は電動モータにより、排出機構23はソレノイド等によりそれぞれ駆動されるようになっており、移送機構22と排出機構23の作動を制御手段によって制御することにより、処理槽20内における被処理物の加熱温度および滞留時間を適宜調節できるように設定されている。ここで制御手段は、例えばマイクロコンピュータより構成され、マイクロコンピュータは、廃棄物処理装置10の動作を集中管理するものであり、インターフェース,CPU,RAM,ROM等から構成され、前記制御手段は主としてCPUの機能として実現される。
【0051】
また、処理槽20内の還元雰囲気は、循環蒸気による昇温時に該蒸気の入口側で蒸気中に水を噴出ノズル25により噴霧することで形成されるようになっている。また、前記破砕機19からの被処理物の供給を休止した場合も、処理槽20に連通した復路配管11bの始端における循環蒸気出口温度を検出して、該出口蒸気温度が所定値以上に上昇した時には、噴出ノズル25からの水のスプレー噴霧を行うように制御することで、処理槽20内の還元状態を安定して保持することができるように設定されている。
【0052】
熱発生部40は、通常のガスバーナーから構成されており、加熱部30は、その内部に密に配設された配管31に前記熱発生部40より発せられた熱風を受ける構造となっている。熱発生部40では、加熱部30に供給する熱風の温度を任意に調整できるようになっている。かかる熱発生部40の熱源は、都市ガスやLPG等が利用される。
【0053】
もちろん、熱発生部40はガスバーナーに限られるものではなく、オイルバーナーであってもよい。また、加熱部30は、その内部に配管31ではなくパネルを密に配設して構成してもよい。なお、閉鎖循環路の外部にある熱発生部40は、熱供給管41を介して加熱部30に連通接続されており、加熱部30からは、閉鎖循環路の外部となる加熱部専用の排気配管14が延ばされている。
【0054】
熱発生部40には、前述した排気管12の終端側が連通接続されるが、この排気管12は、前記処理槽20から出た循環蒸気に含まれる余剰な排気を循環系外へ導き、前記処理槽20内を負圧状態に維持すると共に、前記余剰な排気を熱発生部40へ導入しそのまま燃焼させて脱臭ないし無害化処理を行うための配管となる。また、排気管12の途中には圧力制御弁12aが設けられており、排気量および閉鎖循環路内の圧力を適宜調整できるようになっている。
【0055】
加熱部30より排気配管14を介して排出される排気はクリーンなものであり、加熱部30から回収した廃熱は、高温水または蒸気として他の装置の熱源として利用するように構成されている。すなわち、図1に示すように、加熱部30の近傍には、前記排気配管14に連通接続し加熱部30の廃熱を高温水または蒸気として回収するボイラー等から成る廃熱回収部60が設けられている。
【0056】
廃熱回収部60には、廃熱供給路61も連通接続されており、この廃熱供給路61を介して他の装置まで前記加熱部30の廃熱を高温水または蒸気として供給するように設定されている。ここで他の装置とは、熱源を必要とするものであれば何でも該当するが、具体的には例えば、廃棄物処理装置10に隣接して配設され、該廃棄物処理装置10により乾燥ないし炭化処理する前処理工程として、有機性廃棄物を発生蒸気の凝縮熱により蒸発濃縮する蒸発濃縮装置、有機性廃棄物を嫌気性条件下でメタン菌によりメタン発酵させるメタン発酵装置、あるいは炭化された処理物を堆肥原料として利用する堆肥製造装置等が該当する。
【0057】
集塵部50は、閉鎖循環路中に飛散したダスト類を密閉状態で集塵するダクトである。この集塵部50によって集塵されたダスト類は、前記処理槽20へと移送されて、該処理槽20内にて未だ含水率の高い廃棄物に直接接触することにより捕捉され、再処理に供されるようになっている。また、復路配管11bにおける前記集塵部50より上流側には、配管11内全体において蒸気を一定方向へ循環させるための循環ファン15が設けられている。なお、循環ファン15を集塵部50より上流側に設けることにより、この循環ファン15を利用して、集塵部50内のダスト類を処理槽20へ移送するように構成してもよい。
【0058】
処理槽20内部や配管11の適所には、それぞれ温度センサや圧力センサが設けられている。これらの温度・圧力センサの測定値を基にして、熱発生部40における加熱量を前記制御手段等で調整することで、処理槽20内部や循環蒸気の温度調整が可能であり、また、排気管12途中の圧力制御弁12aの調整により、処理槽20内部や配管11における負圧状態を任意の目標値に調整することができる。
【0059】
次に、第1実施の形態に係る廃棄物処理装置10の作用を説明する。
図2は廃棄物処理装置10における処理全体の流れを概略的に示すフローチャートである。各種の有機性廃棄物である被処理物が破砕機19に間欠的または連続的に投入・搬送されると(図2,S1)、前処理として充分に細かく破砕される(図2,S2)。なお、被処理物を事前に破砕する必要がないような場合には、破砕機19で単に所定量貯留した後、液面制御や自動弁の開閉タイマー等により、自動的に処理槽20に順次供給するようにしても良い。
【0060】
図1において、被処理物は処理槽20に順次供給され、処理槽20内で充分に混合されながら還元雰囲気中で高温の循環蒸気と並流で直接接触することにより、先ずは乾燥ゾーンで乾燥され、続いて乾燥した被処理物が炭化ゾーンでさらに循環蒸気で加熱されることで炭化される(図2,S3)。炭化された被処理物(炭化物)は、排出ゲート24より外部へ排出され、そのまま冷却機構70に供給されて充分に冷却される。
【0061】
処理槽20を含む閉鎖循環路を循環する蒸気は、同じく循環系内にある加熱部30により高温に加熱される。ここで蒸気の温度は被処理物の性状に応じて任意に炭化温度に設定し、熱発生部40における燃焼量を制御する。例えば、処理槽20に導入される時点の循環蒸気の入口温度を、セルロース類の炭化温度に対応させて300〜500℃に設定し、処理槽20から排出される時点の出口温度を、蒸気凝縮温度より20〜30℃高い温度として130〜150℃に設定して、熱発生部40の燃焼量を制御する。
【0062】
処理槽20内での被処理物の保持時間は0.5時間以上(通常2〜5時間)に設定するとよい。このような乾燥ないし炭化処理によれば、可燃物の燃焼や焦げ付き、付着等を防止することができ、ダイオキシン等の有害物質の発生も防止することができる。また、処理槽20における被処理物の流入口20aと排出口20bにシール機構を設けることで、処理槽20内への空気の流入を防ぐことにより、処理槽20内の被処理物が高温により発火ないし燃焼することを未然に防止することができる。
【0063】
また、処理槽20内での前記乾燥ないし炭化工程において、排気管12にある圧力制御弁12aの制御により、前記処理槽20から出る余剰な排気は、排気管12を介して循環系外へ導かれて前記熱発生部40へ導入され、そのまま燃焼脱臭ないし無害化処理される。それにより、排気は循環系外へ不用意に排出されるおそれがない。
【0064】
しかも、処理槽20を含む循環系全体は負圧状態(例えば、槽内入口圧:0〜−20mmAq程度)となるので、処理槽20内で発生する臭気やダスト類が循環系外部に漏れるおそれもない。さらに、排気の燃焼脱臭ないし無害化処理には、特別な排気処理機構を別途用意することなく、前記加熱部30の熱源である熱発生部40をそのまま利用するので、特殊電力や高圧蒸気ボイラー等の付帯設備が不要となり、設備コストやランニングコストを充分に抑えることができる。
【0065】
また、処理槽20から飛散したダスト類は、復路配管11bの途中にある集塵部50によって密閉状態で集塵される。ここで集塵されたダスト類は、前記処理槽20へ再び移送されることにより、該処理槽20内にて未だ含水率の高い廃棄物との直接接触により捕捉されるため、効率よく安価にダスト類を再処理することも可能となる。
【0066】
さらに、加熱部30には、循環系外にある熱発生部40より熱源である熱風が供給されるから、加熱部30では燃焼ガスが生じることはなく、加熱部30より排気配管14を介して排出される排気はクリーンなものである。従って、加熱部30では、燃焼ガスの処理を問題とすることなく、廃熱を廃熱回収部60により、高温水または蒸気として余計なガス成分を含まない状態で安全かつ簡易に回収することができる。
【0067】
ここで回収した廃熱は、廃熱供給路61を介して他の装置に、高温水(0.1〜0.5MPa−G、100〜150℃)、または蒸気(0.5〜0.8MPa−G、150〜170℃)として供給され、それぞれ熱源として有効に利用される。それにより、他の装置において熱源にかかるランニングコストを抑えることができ、装置全体として安全かつ効率良く資源回収が可能となる。
【0068】
図5は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係る廃棄物処理装置は、処理槽20内を被処理物は上段側から下段側へと順次移動し、逆に循環蒸気は下段側から上段側へと循環して、被処理物と循環蒸気とが互いに向流で直接接触するように設定されている。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0069】
このような処理槽20では、その内部の上段の処理床21と天井部との間が乾燥ゾーンとなり、底面部と下段の処理床21との間が炭化ゾーンとなり、処理槽20内で、被処理物と高温の循環蒸気とが互いに向流で直接接触することにより、さらに充分な炭化処理が実行されるようになっている。
【0070】
図6は、本発明の第3実施の形態を示している。
本実施の形態に係る廃棄物処理装置は、処理槽20において、被処理物の性状および処理物の用途に応じて循環蒸気を、被処理物の流れの方向と一致し直接接触する並流接触と、被処理物の流れの方向と逆向きに互いに対向して直接接触する向流接触と、前記処理槽20に複数箇所から導入されて前記並流接触および前記向流接触を含む分流接触とのいずれかに選択的に設定可能に構成されている。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0071】
図6(a)に示すように、循環蒸気の入口である往路配管11aの終端を処理槽20の上部他端側に、循環蒸気の出口である復路配管11bの始端を処理槽20の下部他端側にそれぞれ連通接続し、また、被処理物の流入口20aを処理槽20の上部一端側に、被処理物の排出口20bを処理槽20の下部他端側にそれぞれ開設することで、図中矢印で示すように、循環蒸気と被処理物の流れの方向が一致し互いに直接接触する並流接触に設定することができる。かかる並流接触によれば、乾燥物が比較的低温の循環蒸気と接触することになり、高揮発性の被処理物の安定した乾燥物を得ることができる。
【0072】
また、図6(b)に示すように、循環蒸気の入口である往路配管11aの終端を処理槽20の下部他端側に、循環蒸気の出口である復路配管11bの始端を処理槽20の上部他端側にそれぞれ連通接続し、また、被処理物の流入口20aを処理槽20の上部一端側に、被処理物の排出口20bを処理槽20の下部他端側にそれぞれ開設することで、図中矢印で示すように、循環蒸気と被処理物の流れの方向が互いに逆向きとなり直接接触する向流接触に設定することができる。かかる向流接触によれば、乾燥物が高温の循環蒸気と接触することになり、有機物のガス化を促進し、効率よく乾燥ないし乾留・炭化することができ、安定した炭化物を生成することができる。
【0073】
さらに、図6(c)に示すように、循環蒸気の入口である往路配管11aの終端を2つに分岐させて処理槽20の上部他端側と下部他端側に、循環蒸気の出口である復路配管11bの始端を処理槽20の中段部他端側にそれぞれ連通接続し、また、被処理物の流入口20aを処理槽20の上部一端側に、被処理物の排出口20bを処理槽20の下部他端側にそれぞれ開設することで、図中矢印で示すように、循環蒸気が処理槽20に複数箇所から導入されて前記並流接触および前記向流接触を含む分流接触に設定することができる。かかる分流接触によれば、高含水性の被処理物を高温の循環蒸気と接触させ、かつ乾燥物のガス化を促進し、装置全体のコンパクト化を実現することができる。
【0074】
図7は、本発明の第4実施の形態を示している。
本実施の形態に係る廃棄物処理装置は、前記熱発生部40で生じた燃焼ガスの一部を、前記加熱部30により加熱された循環蒸気と混合して、該混合ガスを前記処理槽20内に導入して循環させるように構成したものである。図7に示す例では、被処理物と混合ガスとは向流(ないし分流)で直接接触するように設定されているが、並流で直接接触するように設定してもよい。
【0075】
熱発生部40からは燃焼ガス排出管11cが外部に延ばされており、該燃焼ガス排出管11cの先端は前記往路配管11aに接続されて、この先は混合ガス供給管11dを成し、該混合ガス供給管11dの先端側が処理槽20の下部他端側に連通接続されている。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0076】
このような本実施の形態によれば、前記熱発生部40で生じた燃焼ガスを、前記加熱部30により加熱された循環蒸気と混合した混合ガスを、混合ガス供給管11dを介して処理槽20内に導入して循環させることにより、処理槽20内をさらに高温化することができ、高温炭化処理が可能となる。
【0077】
図8は、本発明の第5実施の形態を示している。
本実施の形態に係る廃棄物処理装置は、前記処理槽20内における乾留ガスの一部を、前記熱発生部40に導き熱源として利用するように構成したものである。図8に示す例では、被処理物は、前記第4実施の形態で説明した混合ガスと、循環蒸気とに、分流で直接接触するように設定されているが、並流あるいは向流で直接接触するように設定してもよい。
【0078】
処理槽20からは乾留ガス排出管11eが外部に延ばされており、該乾留ガス排出管11eの先端は前記熱発生部40に連通接続されている。また、熱発生部40からは燃焼ガス排出管11cが外部に延ばされており、該燃焼ガス排出管11cの先端は前記往路配管11aが分岐した一方に接続されて、この先が混合ガス供給管11dを成し、該混合ガス供給管11dの先端側が処理槽20の下部一端側に連通接続されている。
【0079】
このような本実施の形態によれば、前記処理槽20内における乾留ガスの一部を、前記熱発生部40に導き熱源として利用することで、熱発生部40における燃料費を大幅に節約することができ、コスト低減が可能となる。なお、第1,第4実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0080】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0081】
【発明の効果】
本発明に係る廃棄物処理装置によれば、処理槽から出る余剰な排気は、循環系外へ導かれて熱発生部へ導入され、そのまま燃焼脱臭ないし無害化処理されるから、排気は循環系外へ不用意に排出されることがなく、また、前記処理槽内は負圧状態に維持されるので、処理槽内で発生する臭気が外部に漏れるおそれもない。さらに、排気の燃焼脱臭ないし無害化処理には、特別な処理機構を別途用意することなく、熱発生部をそのまま利用するので、設備コストやランニングコストを十分に抑えることができる。
【0082】
しかも、加熱部には、循環系外にある前記熱発生部より熱源である熱風が供給されるから、加熱部では燃焼ガスが生じることはなく、該燃焼ガスの処理を問題とすることなく廃熱を、廃熱回収部によって、高温水または蒸気気として余計なガス成分を含まない状態で安全かつ簡易に回収することができる。ここで回収した廃熱は、廃熱回収部から他の装置に熱源として供給することにより、他の装置において熱源にかかるランニングコストを抑えることができ、装置全体として効率の良い資源回収が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る廃棄物処理装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る廃棄物処理装置における処理全体を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る廃棄物処理装置を構成する炭化処理装置の処理槽内にある移送機構と排出機構を示す横断面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係る廃棄物処理装置を構成する炭化処理装置の処理槽内にある移送機構と排出機構を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態に係る廃棄物処理装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施の形態に係る廃棄物処理装置を示す説明図である。
【図7】本発明の第4実施の形態に係る廃棄物処理装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の第5実施の形態に係る廃棄物処理装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…廃棄物処理装置
11a…往路配管
11b…復路配管
11c…燃焼ガス排出管
11d…混合ガス供給管
11e…乾留ガス排出管
13…滅菌用配管
14…排気配管
15…循環ファン
19…破砕機
20…処理槽
20a…流入口
20b…排出口
21…処理床
22…移送機構
22a…基盤
22b…掻き分け刃
23…排出機構
23a…排出口
23b…ブロック体
24…排出ゲート
30…加熱部
40…熱発生部
50…集塵部
60…廃熱回収部
61…廃熱供給路
70…冷却機構
71…移送配管
72…冷却管

Claims (12)

  1. 有機性廃棄物を循環蒸気によって乾燥ないし炭化することにより資源回収を可能とする廃棄物処理装置において、
    前記有機性廃棄物を含む被処理物を混合可能な状態で収納し、該被処理物を乾燥ないし炭化させる処理槽と、該処理槽内に循環させる蒸気を高温に加熱する加熱部と、該加熱部に熱源としての熱風を循環系外から供給する熱発生部とを有し、
    前記処理槽から出た循環蒸気に含まれる余剰な排気を循環系外へ導き、前記処理槽内を負圧状態に維持すると共に、前記余剰な排気を前記熱発生部へ導入しそのまま燃焼させて脱臭ないし無害化処理を行い、
    前記加熱部における廃熱を高温水または蒸気として回収し、他の装置の熱源として供給可能な廃熱回収部をさらに備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 前記処理槽では、前記被処理物を還元雰囲気中で循環蒸気と直接接触させることにより乾燥ないし炭化させ、該処理槽内の還元雰囲気は、前記循環蒸気による昇温時または出口蒸気温度が所定値以上に上昇した時に、該循環蒸気中に水を噴霧することにより形成することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理装置。
  3. 前記処理槽と前記加熱部とをそれぞれ一対の配管で連結して、蒸気の閉鎖循環路を形成し、
    前記各配管のうち前記処理槽から前記加熱部へ蒸気を送る復路の途中より、前記余剰な排気を前記熱発生部へ導く排気管を分岐させたことを特徴とする請求項1または2記載の廃棄物処理装置。
  4. 前記処理槽に供給する被処理物を事前に破砕する破砕機を有し、
    前記各配管のうち前記加熱部から前記処理槽へ蒸気を送る往路の途中より、必要に応じて蒸気を前記破砕機へ導く滅菌用配管を分岐させたことを特徴とする請求項1,2または3記載の廃棄物処理装置。
  5. 前記配管の途中に集塵部を設け、該集塵部により閉鎖循環路中に飛散したダスト類を密閉状態で集塵し、集塵済みのダスト類を前記処理槽へと移送し、該処理槽内にて未だ含水率の高い被処理物にダスト類を直接接触させて捕捉し、再処理することを特徴とする請求項1,2,3または4記載の廃棄物処理装置。
  6. 前記処理槽は、その内部に被処理物を載せる処理床を縦方向へ多段状に配設して構成され、各処理床に、被処理物を順次移動させる移送機構と、被処理物の滞留量を調節可能な排出機構とをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の廃棄物処理装置。
  7. 前記移送機構と前記排出機構の作動を少なくとも制御することにより、前記処理槽内における被処理物の加熱温度および滞留時間を調節可能な制御手段を有することを特徴とする請求項6記載の廃棄物処理装置。
  8. 前記処理槽における被処理物の流入口と排出口に、処理槽内の被処理物の発火防止用のシール機構を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の廃棄物処理装置。
  9. 前記処理槽における被処理物の排出口の下流側に、該排出口より排出された被処理物を冷却するための冷却機構を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の廃棄物処理装置。
  10. 前記処理槽において、被処理物の性状および処理物の用途に応じて循環蒸気を、被処理物の流れの方向と一致し直接接触する並流接触と、被処理物の流れの方向と逆向きに互いに対向して直接接触する向流接触と、前記処理槽に複数箇所から導入されて前記並流接触および前記向流接触を含む分流接触とのいずれかに選択的に設定可能であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の廃棄物処理装置。
  11. 前記熱発生部で生じた燃焼ガスの一部を、前記加熱部により加熱された循環蒸気に混合させて、前記処理槽内に導入して循環させることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の廃棄物処理装置。
  12. 前記処理槽内における乾留ガスの一部を、前記熱発生部に導き熱源として利用することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11記載の廃棄物処理装置。
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