JP4173062B2 - アスファルトプラントのドライヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラントのドライヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルトプラント工場では、道路舗装材を製造する各種設備が設置されており、使用されるエネルギーは主として骨材加熱に使用されるA重油または都市ガスなどの液体または気体燃料と、プラント稼働に使用される電力である。このアスファルトプラント工場においても地球温暖化防止のためのCO2(二酸化炭素)の排出量抑制が命題となっており、CO2排出量を削減する義務がある。アスファルトプラントのCO2排出量はアスファルト混合物生産量の原単位から概算すると、燃料で約25kg−CO2/トン、電力で約5kg−CO2/トンであり、燃料によるCO2排出量が大部分を占めている。
【0003】
現在、アスファルトプラントに使用されている燃料の発熱量から見た有効熱の効率は80%程度であり、ドライヤの排ガス温度が100〜120℃となっていてこれ以上に排ガス温度を下げることは結露の問題があり、加熱効率を高めることが限界に達していて抜本的なCO2削減の方法は極めて困難な状況にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、アスファルトプラントのCO2削減のために、CO2循環物質(CO2排出にカウントされない)である間伐材や木質廃棄物等の木質系燃料を使用することができないかと考えた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑み、木質系燃料を使用し、CO2の削減を図るアスファルトプラントのドライヤを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤは、回転自在に支持したドラムの一端部に液体または気体燃料を燃焼させるバーナを配設し、該バーナより発生する燃焼ガスをドラム内に供給してドラム内を転動流下する骨材を加熱するようにしたアスファルトプラントのドライヤにおいて、定量切り出し手段を排出部に配設した木質系燃料貯蔵ビンと、該木質系燃料貯蔵ビンより切り出した木質系微粉を圧送する圧送ブロアと、該圧送ブロアより圧送する木質系微粉を前記バーナの火炎が形成する燃焼領域に吹き込むように連結した供給ダクトとを備え、ドラム内での骨材加熱に要する熱量供給はバーナが主となるように木質系燃料貯蔵ビンから木質系微粉を所定量切り出してバーナの燃焼領域に吹き込み、バーナの燃焼と木質系微粉の燃焼の双方で骨材を加熱し、この加熱した骨材温度に基づいてバーナ燃焼量を制御することで木質系微粉の燃焼による発熱相当量のバーナ燃焼量を低減させるように構成したことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤは、回転自在に支持したドラムの一端部に液体または気体燃料を燃焼させるバーナを配設し、該バーナより発生する熱風をドラム内に供給してドラム内を転動流下する骨材を加熱するようにしたアスファルトプラントのドライヤにおいて、木質系燃料を燃焼させる燃焼装置と、該燃焼装置にて発生する燃焼ガスを供給ダクトを介して前記ドラム内に供給する送風機とを備え、ドラム内での骨材加熱に要する熱量供給はバーナが主となるように燃焼装置から所定量の燃焼ガスを前記ドラム内に供給し、バーナの燃焼と木質系燃料の燃焼ガスの双方で骨材を加熱し、この加熱した骨材温度に基づいてバーナ燃焼量を制御することで木質系燃料の燃焼ガス保有熱相当量のバーナ燃焼量を低減させるように構成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、バーナにて液体燃料(または気体燃料)を燃焼させてドラム内に燃焼ガスを送り込むと共に、所望量の木質系微粉を圧送ブロアによってバーナの燃焼領域に吹き込んで燃焼させて骨材を加熱する。そして、骨材の温度制御をバーナの燃焼量の制御によって行えば、供給される木質系微粉の燃焼による発熱量に相当する液体燃料が節約され、アスファルトプラント工場のCO2の削減を図ることができる。
【0009】
また、本発明の請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、木質系燃料を燃焼させる燃焼装置を備え、メインのバーナにて液体燃料(または気体燃料)を燃焼させてドラム内に熱風を送り込むと共に、木質系燃料を燃料装置にて燃焼させてその燃焼ガスをドラム内に供給して骨材を加熱する。そして、骨材の温度制御をメインのバーナの燃焼量制御によって行えば、供給される木質系燃料の燃焼ガスの熱量に相当する液体燃料が節約され、アスファルトプラント工場のCO2の削減を図ることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1中の1はアスファルトプラントに設置される骨材加熱用のドライヤであって、内周部に多数の掻き上げ羽根を周設した円筒状のドラム2を回転自在に傾斜支持し、ドラム2の一端部のホットホッパ3側に設置したバーナ4にて液体燃料又は気体燃料を燃焼させてドラム内に燃焼ガスを供給する一方、ドラム2の他端側のコールドホッパ側に設置したベルトコンベヤ6を介して骨材ホッパ内の骨材をドラム内に供給し、掻き上げ羽根で骨材を掻き上げながらドラム内を転動流下させる間に、骨材を所定温度まで加熱している。
【0012】
8は木質系燃料の微粉を貯蔵する木質系燃料貯蔵ビンであって、該貯蔵ビン8の排出部には定量切り出しのためにスクリューフィーダー9(ロータリーバルブでも良い)が配設されると共に、該スクリューフィーダー9の排出部は圧送ブロア10を備えた供給ダクト11に連結されている。また、供給ダクト11の先端部はバーナ4の火炎が形成される燃焼領域に木質系微粉を吹き込むようにバーナ4またはその付近に連結されている。このとき、供給ダクト11はバーナ4に対し接線方向に連結し、木質系微粉をバーナの火炎が形成された燃焼領域に旋回させながら吹き込んで木質系微粉を燃焼しやすいようにすると好ましい。
【0013】
また、ドライヤ1のコールドホッパ側に排気ダクト12が連結され、該排気ダクト12の下流にはバーナ4より送り込む燃焼ガスや圧送ブロア10により供給するエアー、及びドラム2内にて発生する水蒸気を吸引排気するファン13が配設されると共に、ドラム2内から飛散する粉塵を捕捉する集塵機14が配設されている。
【0014】
上記ドライヤ1にて骨材を加熱するときには、骨材ホッパより骨材を切り出してベルトコンベヤ6によってドラム2内に供給する一方、バーナ4にて液体燃料または気体燃料を燃焼させてドラム2内に燃焼ガスを送り込んで骨材を加熱する。このとき、木質系燃料貯蔵ビン8よりスクリューフィーダー9にて木質系微粉を適宜量ずつ切り出し、圧送ブロア10よりの送風によって供給ダクト11を通過させてバーナ4の燃焼領域に吹き込んで燃焼させる。そして、加熱する骨材の温度制御をバーナ4の燃焼量の制御によって行う。例えば、木質系燃料の燃焼による熱量の供給は骨材加熱に必要な熱量の約0〜30%程度とすると良い。これによって、供給される木質系微粉の発熱量に相当する液体燃料または気体燃料が節約され、CO2の削減を図れる。
れている。
【0015】
また、図2は木質系燃料を利用した他の実施例であって、図2において図1と同一符号は同一構成要素を示す。図2では、木質系燃料を燃焼させる燃焼装置15を備え、燃焼装置15で発生する燃焼ガスをドラム2内に供給し、骨材の加熱に利用する。
【0016】
前記燃焼装置15は、液体燃料又は気体燃料によって燃焼させる着火バーナ16を備え、木質系燃料貯蔵ビン8に貯蔵した木質系微粉をスクリューフィーダー9にて切り出し、圧送ブロア10よりの送風によって供給ダクト11aを介して着火バーナ16の燃焼領域に吹き込んで燃焼させている。また、燃焼装置15には燃焼ガスをドライヤ1に供給するための送風機17が備えられると共に、燃焼ガスを排気する排気ダクト11bの先端がドライヤ1のホットホッパ3に連結されている。
【0017】
そして、ドライヤ1にて骨材を加熱するときには、メインとなるバーナ4にて液体燃料または気体燃料を燃焼させてドラム2内に燃焼ガスを送り込んで骨材を加熱すると共に、木質系燃料貯蔵ビン8よりスクリューフィーダー9にて木質系微粉を適宜量ずつ切り出し、圧送ブロア10よりの送風によって供給ダクト11aを介して燃焼装置15の着火バーナ16の燃焼領域に吹き込んで燃焼させ、この燃焼ガスを送風機17によって排気ダクト11bを経由してドラム2内に送り込む。そして、加熱する骨材の温度制御をメインのバーナ4の燃焼量の制御によって行う。例えば、木質系燃料の燃焼による熱量の供給は骨材加熱に必要な熱量の約0〜30%程度とすると良い。これによって、供給される木質系微粉の発熱量に相当する液体燃料または気体燃料が節約され、CO2の削減を図れる。
【0018】
なお、前記燃焼装置15の実施例では、木質系微粉を燃焼させる装置を示したが、何らこれに限定するものではなく、チップ状等の木質系燃料を燃焼させる公知の各種燃焼装置を使用しても良い。またドライヤ1は新規骨材を加熱するドライヤだけでなく、アスファルト舗装廃材を加熱する廃材再生用ドライヤであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、木質系微粉を圧送ブロアにより液体または気体燃料を燃焼させるバーナの燃焼領域に吹き込ん燃焼させるので、木質系燃料を使用して液体又は気体燃料の使用量を減少させることができ、CO2の削減を図ることができる。
【0020】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、液体または気体燃料を燃焼させるメインのバーナより発生する燃焼ガスをドラム内に供給すると共に、木質系燃料を燃焼させる燃焼装置の燃焼ガスをドラム内に供給するようにしたので、木質系燃料を使用して液体又は気体燃料の使用量を減少させることができ、CO2の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアスファルトプラントのドライヤの一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るアスファルトプラントのドライヤの他の一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ドライヤ 2…ドラム
4…バーナ …骨材ホッパ
8…木質系燃料貯蔵ビン 9…スクリューフィーダー
10…圧送ブロア 11…供給ダクト
15…木質系燃料燃焼装置 16…着火バーナ
17…送風機

Claims (2)

  1. 回転自在に支持したドラムの一端部に液体または気体燃料を燃焼させるバーナを配設し、該バーナより発生する燃焼ガスをドラム内に供給してドラム内を転動流下する骨材を加熱するようにしたアスファルトプラントのドライヤにおいて、定量切り出し手段を排出部に配設した木質系燃料貯蔵ビンと、該木質系燃料貯蔵ビンより切り出した木質系微粉を圧送する圧送ブロアと、該圧送ブロアより圧送する木質系微粉を前記バーナの火炎が形成する燃焼領域に吹き込むように連結した供給ダクトとを備え、ドラム内での骨材加熱に要する熱量供給はバーナが主となるように木質系燃料貯蔵ビンから木質系微粉を所定量切り出してバーナの燃焼領域に吹き込み、バーナの燃焼と木質系微粉の燃焼の双方で骨材を加熱し、この加熱した骨材温度に基づいてバーナ燃焼量を制御することで木質系微粉の燃焼による発熱相当量のバーナ燃焼量を低減させるように構成したことを特徴とするアスファルトプラントのドライヤ。
  2. 回転自在に支持したドラムの一端部に液体または気体燃料を燃焼させるバーナを配設し、該バーナより発生する熱風をドラム内に供給してドラム内を転動流下する骨材を加熱するようにしたアスファルトプラントのドライヤにおいて、木質系燃料を燃焼させる燃焼装置と、該燃焼装置にて発生する燃焼ガスを供給ダクトを介して前記ドラム内に供給する送風機とを備え、ドラム内での骨材加熱に要する熱量供給はバーナが主となるように燃焼装置から所定量の燃焼ガスを前記ドラム内に供給し、バーナの燃焼と木質系燃料の燃焼ガスの双方で骨材を加熱し、この加熱した骨材温度に基づいてバーナ燃焼量を制御することで木質系燃料の燃焼ガス保有熱相当量のバーナ燃焼量を低減させるように構成したことを特徴とするアスファルトプラントのドライヤ。
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