JP2006003029A - 加熱調理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加熱物から発生する臭いや加熱室の汚れ、あるいは浮遊する菌にラジカル化した蒸気を作用させて被加熱物の品質を保持する加熱調理装置を提供する。
【解決手段】被加熱物を収納する加熱室3と、加熱手段5と、蒸気発生手段8と、ラジカル発生手段12と、制御手段13とを備え、ラジカル化した蒸気を加熱室内に吹出して被加熱物から発生する臭いや加熱室の汚れ、菌に作用させることで、被加熱物の品質を保持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラジカル化した蒸気を加熱室に投入して、加熱室の手入れを簡便にし、被加熱物の品質を保持できる加熱調理装置に関するものである。
従来、この種加熱調理装置には、電子レンジの排気口に流出されるガス量を感知して電子レンジ内部や厨房空間内に存在する匂いを除去するようにする陰イオン発生制御方法および装置を搭載したものがある。(例えば、特許文献1参照)。
図3は特許文献1に記載された従来の陰イオン発生制御装置を搭載した電子レンジを示すものである。図3に示すように、ケース101には加熱室102が設けられている。被加熱物103は、ターンテーブル104に載置して加熱室102内に配設される。加熱室102内の空気は、触媒105により脱臭された後、排気口106を介して排出される。触媒105によって脱臭された排気は、ケース101外に排出される際に、さらに陰イオン発生回路107から発生する陰イオンによって再脱臭される。陰イオン発生回路107は、電源供給部108から供給される電圧から高電圧を発生させる高電圧発生器(図示していない)と高電圧発生器から発生した高電圧に対応する陰電圧を電極(図示していない)に印加して陰イオンを発生する陰イオン発生器(図示していない)から構成される。排気口106から流出されるガスはセンサー100によって感知され、センサー100の感知電圧に基づくガス量から陰イオン発生回路から発生する陰イオンの量や冷却ファン109は制御される。
特許第2726254号公報
しかしながら、前記従来の構成では、排気口に流出されるガス量に基づいて触媒105は排出ガスの量が増加すると回転が速くなる制御となっており、加熱室外へはガスを早く排出できるが、陰イオンとガスが充分反応しないうちにガスが装置外へ排出され臭気が周辺に拡散するといった問題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被加熱物から発生する臭気や加熱室の汚れ、菌などにラジカル化した蒸気を作用させることにより、コンパクトな構成で被加熱物の品質を保持することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理装置は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に供給する蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気をラジカル化するラジカル発生手段と、前記加熱室内に収納された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記蒸気発生手段と前記ラジカル発生手段と前記加熱手段を制御する制御手段を備え、ラジカル化した蒸気を加熱室に収納された被加熱物および/または加熱室内に存在する臭気や汚れ、菌に作用させるものである。
これによって、被加熱物から発生する臭気や加熱室壁面に付着した汚れ、あるいは加熱室内に浮遊する菌にラジカル化した蒸気が作用し、被加熱物の品質を保持することができる。
本発明の加熱調理装置は、ラジカル化した蒸気を被加熱物から発生する臭気や加熱室壁面に付着した汚れ、あるいは加熱室内に浮遊する菌に作用させて被加熱物の品質を保持することができる。
第1の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に供給する蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気をラジカル化するラジカル発生手段と、前記加熱室内に収納された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記蒸気発生手段と前記ラジカル発生手段と前記加熱手段を制御する制御手段を備え、ラジカル化した蒸気を被加熱物から発生する臭気や加熱室壁面に付着した汚れ、あるいは加熱室内に浮遊する菌に作用させることにより、被加熱物の品質を保持することができる。
第2の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に供給する蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気をラジカル化するラジカル発生手段と、前記加熱室内に収納された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の湿度を検知する湿度検知手段と、前記蒸気発生手段と前記ラジカル発生手段と前記加熱手段を制御する制御手段を備え、加熱室内の湿度に応じて蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を動作制御することにより、被加熱物を適度な水分量に保持することができる。
第3の発明は、特に、第1または2の発明の制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を加熱手段動作中に動作させることにより、加熱中に発生した臭気にラジカル化した蒸気を作用させて加熱室および排気中に含まれる臭気を少なくすることができる。
第4の発明は、特に、第1または2の発明の制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を加熱手段停止中に動作させることにより、加熱室に残った臭気や汚れにラジカル化した蒸気を作用させて、簡便に脱臭および加熱調理装置の手入れができる。
第5の発明は、特に、第1または2の発明の制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段の動作を加熱手段の動作と連動させて制御することにより、加熱中の被加熱物から発生する臭い成分の量に応じてラジカル化した蒸気の加熱室への投入量を可変制御できるので、被加熱物をより良い状態に保持することができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の蒸気発生手段は、蒸気量を可変制御することにより、被加熱物の加熱状態に適した蒸気量を投入できるので、反応させる蒸気が不足することを防ぐことができる。
第7の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の蒸気発生手段は、蒸気の粒径を可変できることにより、蒸気を被加熱物の加熱状態に適した状態にすることができるため、効率良く反応させることができる。
第8の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の蒸気発生手段は、蒸気温度を可変できることにより、被加熱物の変質を防ぐことができる。
第9の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明のラジカル発生手段は、ラジカル化させる蒸気の割合を可変できることにより、被加熱物の状態に応じた環境を実現できるので被加熱物の品質を保持できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理装置の正面断面図、図2は図1の加熱調理装置の平面断面図である。
図1〜2において、本発明の加熱調理装置の本体1には、被加熱物を出し入れする扉2が取り付けられるとともに被加熱物を収納する加熱室3が組み込まれている。気流発生手段4は、一端が加熱室3と連通しており加熱室3内に気流を発生させる。気流発生手段4には加熱室3の気流を循環させる、あるいは外気を取り入れる切り替え手段を設けている(図示していない)。加熱室3の上面に設けた加熱手段5は、加熱室3内の空気や蒸気、被加熱物を加熱する際に使用する。加熱室3には、加熱室3の湿度を検知する湿度検知手段6も配設されている。
蒸気吹出口7a、7bは、加熱室3、蒸気発生手段8と連通し蒸気発生手段8からの蒸気を加熱室3へ吹出す。蒸気吹出口は2つに限るものではない。蒸気発生手段8は、貯水手段9、水加熱手段10から構成される。蒸気発生手段8は送水手段(図示していない)や送水管(図示していない)を併設しても構わないものとする。
加熱室3内の空気や蒸気は排出口11から排出される。排出口11には排出口開閉手段(図示していない)を配設しても構わない。
蒸気吹出口7a、7bと蒸気発生手段8の間にはラジカル発生手段12が設けられ、蒸気吹出口7a、7bから加熱室3に蒸気が吹出される際にラジカル発生手段12により蒸気はラジカル化される。ラジカル発生手段12は、ラジカル化した蒸気とラジカル化していない蒸気の加熱室での割合を可変することができる。ラジカル発生手段12の制御方法としては動作時間を可変する、あるいは通電と非通電を一定時間で繰り返す方法などで制御する。ラジカル発生には、静電磁場や超音波、放電などの手段を用いることができる。
蒸気発生手段8は、加熱室3に吹出す蒸気の粒径を可変できる構成(図示していない)を有している。粒径を可変することで、被加熱物の状態に適した蒸気を投入することができる。
制御手段13は、操作部(図示していない)からの操作入力信号や各検知手段からの信号に基づき、気流発生手段4、加熱手段5、蒸気発生手段8などの動作を制御する。加熱条件、制御条件などは、記憶手段(制御手段と一体)に一時的あるいは恒久的に記憶される。操作部には表示部、自動加熱操作キー、手動加熱設定キー、加熱開始キーなどが配設される。
次に、上記構成からなる加熱調理装置について、その動作、作用を説明する。操作部からの操作により被加熱物の加熱を開始すると、制御手段13は加熱手段5に所定時間通電して加熱室3の雰囲気温度を上昇させ、被加熱物を加熱する。制御手段13は蒸気発生手段8の動作も同時に開始する。発生蒸気量は、水加熱手段10あるいは送水手段の入力電力を可変することで制御する。
蒸気発生手段8において発生した蒸気は、蒸気吹出口7a、7bから加熱室3に吹出される。ラジカル発生手段12は、蒸気発生手段8で発生した蒸気をラジカル化する。蒸気がラジカル化することで臭い成分や汚れと反応しやすくなり、臭い成分や汚れを簡便に除去できるものである。また、ラジカルは反応性に富むため菌などに作用し繁殖を抑えることができる。蒸気発生手段8とラジカル発生手段12への通電は任意で設定することも可能である。
加熱調理中や加熱調理後は、被加熱物が焦げることによって悪臭が発生することがある。また、魚肉類は加熱初期には特有の臭気が混在する。加熱調理が進行した場合や被加熱物の量が多い場合には、臭い成分の発生量が多くなるため、ラジカル化した蒸気の投入量を増やす必要がある。そこで、水加熱手段10あるいは送水手段とラジカル発生手段への入力電力も増加して臭い成分と蒸気を速やかに反応させる。一方、臭い成分の発生が少ない場合には、各手段への入力電力を減らして消費電力の増加を抑えることができるものである。なお、投入する蒸気量は臭い成分の発生量より多くする方が望ましい。
次に、蒸気発生手段8の動作について簡単に説明する。制御手段13は、加熱室3の湿度を検知する湿度検知手段6の検知信号に基づいて、蒸気発生手段8の動作を制御する。加熱室3の湿度が既定値より低い場合は、蒸気発生手段8から発生する蒸気量を増やし乾燥を防ぐ。一方、加熱室3の湿度が既定値に達すると蒸気発生手段8の動作を停止し、被加熱物がべたつくのを防ぐ。
蒸気発生手段8は発生蒸気量や発生蒸気の温度を可変できる。被加熱物量が多い場合には発生蒸気量を既定量よりも増加させる。また、蒸気温度を可変することで、効果的にラジカル化した蒸気を被加熱物へ作用させることができる。例えば、被加熱物が冷蔵あるいは常温の場合、加熱室3内での蒸気温度が約60℃程度になるようにし、被加熱物が蒸気の熱で変性することを防ぎながらラジカル化した蒸気を臭い成分や菌に作用させて被加熱物の品質を保持する。一方、焼き調理や蒸し調理では、蒸気温度を高くして被加熱物の温度が低下することを防ぐ。
また、蒸し調理では蒸気の粒径を大きくし、蒸気から被加熱物への熱量を増やし加熱促進する。一方、被加熱物の温度上昇を抑えながら水分を供給する場合や少量の蒸気を被加熱物の表面全体に付着させる場合は粒径を小さくする。
次に、ラジカル発生手段12の動作について加熱手段5の動作時に蒸気発生手段8とラジカル発生手段12を連動して動作させる場合について説明する。加熱中にラジカル発生手段12を動作させるため、被加熱物から発生する臭い成分を除去できる。このため、排気による臭い成分の拡散や被加熱物への臭い成分の付着を防ぎながら加熱調理ができる。
また、加熱前半では被加熱物から発生する臭いは少ないため、ラジカル発生手段12への通電は行わないか、入力電力は小さくする。一方、加熱後半では被加熱物から発生する臭いが多くなるため、ラジカル発生手段12への通電量を増加させる。
次に、ラジカル発生手段12を加熱手段5の停止時に動作させる場合について説明する。ラジカル発生手段12は、被加熱物の加熱調理後に一定時間動作させる。ラジカル化した蒸気を加熱室3に残った臭い成分や汚れに作用させ、加熱室3への付着を防ぎ、手入れを簡便にできる。また、被加熱物や加熱室3に存在する菌にラジカル化した蒸気を作用させ、被加熱物の品質を保持することができるものである。
なお、蒸気発生手段8とラジカル発生手段12は操作部などから動作制御し、任意の時にラジカル化した蒸気を加熱室3へ投入することもできる。
なお、蒸気発生手段8は、発生した蒸気を加熱するための加熱手段を設け、100℃以上の過熱蒸気とすることも可能である。また、加熱室3には蒸気温度を検知する温度検知手段を設けても構わない。
また、本実施の形態では、加熱手段5は加熱室3の上面しか図示していないが、下面や背面に配設することも可能であり、加熱手段5は、ヒータ、マイクロ波など、どのような手段を用いても構わないものとする。特に、気流発生手段4を動作させながら加熱する条件において、焦げ色を濃くする場合には輻射伝熱の多い加熱手段を選択し、焦げ色を薄くする場合には対流伝熱の多い加熱手段を選択する。
なお、加熱室内にガス濃度を検知するガス検知手段を設け、ガス検知手段の検知信号に基づく制御を行っても構わない。
さらに、ラジカル化した蒸気の割合を可変する場合には、ラジカル発生手段12を通過する蒸気を通す管とラジカル発生手段12を通過しない蒸気を通す管の二股にし、加熱室3に蒸気を投入する場合に、2つの管を通った蒸気を混合して加熱室3へ吹出す管を配設した構成としても構わない。
以上のように、本発明に係わる加熱調理装置は、ラジカル化した蒸気を被加熱物から発生する臭いや加熱室内の汚れ、菌に作用させて、被加熱物の品質を保持することが可能となるので、電子レンジ、オーブンレンジ、オーブンあるいはグリラーなどと複合させた調理装置の加熱・保存にも有効であり、特に、オーブンレンジにおける被加熱物の加熱・保存に適している。
本発明の実施の形態1における加熱調理装置の正面断面図 同加熱調理装置の平面断面図 従来の加熱調理装置の概略断面図
符号の説明
3 加熱室
5 加熱手段
6 湿度検知手段
7a、7b 蒸気吹出口
8 蒸気発生手段
12 ラジカル発生手段
13 制御手段

Claims (9)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に供給する蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気をラジカル化するラジカル発生手段と、前記加熱室内に収納された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記蒸気発生手段と前記ラジカル発生手段と前記加熱手段を制御する制御手段を備え、ラジカル化した蒸気を加熱室に収納された被加熱物および/または加熱室内に存在する臭気や汚れ、菌に作用させる加熱調理装置。
  2. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に供給する蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気をラジカル化するラジカル発生手段と、前記加熱室内に収納された被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の湿度を検知する湿度検知手段と、前記蒸気発生手段と前記ラジカル発生手段と前記加熱手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記加熱室内の湿度に応じて蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を動作制御する加熱調理装置。
  3. 制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を加熱手段動作中に動作させる請求項1または2に記載の加熱調理装置。
  4. 制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段を加熱手段停止中に動作させる請求項1または2に記載の加熱調理装置。
  5. 制御手段は、蒸気発生手段および/またはラジカル発生手段の動作を加熱手段の動作と連動させて制御する請求項1または2に記載の加熱調理装置。
  6. 蒸気発生手段は、発生蒸気量を可変制御する請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  7. 蒸気発生手段は、蒸気の粒径を可変できる請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  8. 蒸気発生手段は、蒸気温度を可変できる請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
  9. ラジカル発生手段は、ラジカル化させる蒸気の割合を可変できる請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
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