JP2024048836A - 炭化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】処理エネルギーを効率化する炭化システムを提供すること。【解決手段】処理対象有機物を炭化する炭化システム1は、処理対象有機物9を収容する第一室(炭化室21)と、第一室21内の処理対象有機物9を加熱する加熱装置3と、第一室21内の温度を直接的又は間接的に検出する温度検出装置(例えば、温度センサ41)と、内部に加熱装置3が配置され、第一室21内で処理対象有機物9から発生した可燃性ガスが導入される第二室(二次燃焼室22)と、第二室22内に大気を導入する空気導入装置(吸気ファン54)と、温度検出装置41によって検出された第一室21内の温度が所定温度となるように、加熱装置3及び空気導入装置54を制御する制御装置7と、を備え、制御装置7は、加熱装置3及び空気導入装置54を制御することにより、第二室22内の可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱により第一室21内の処理対象有機物9を加熱する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化システムに関する。
従来、生ごみ等の有機物を処理する際に、炭化させる処理を行うことで、焼却するよりも二酸化炭素の排出を削減し、固定できるため、炭化システムの研究開発が行われている。
生ごみを処理する際には、生ごみに含まれる水分を乾燥させて処理することが好ましく、生ごみの処理器でごみを加熱することが知られている(例えば、特許文献1参照)。乾燥させた生ごみは、さらに加熱され、熱分解がなされて炭化される。
特開2003-230870号公報
生ごみ等の処理対象有機物を炭化させる場合、処理エネルギーを多く必要とするので、処理エネルギーを効率化し、ひいては気候変動の緩和又は影響軽減することが求められている。
(1) 処理対象有機物(例えば、処理対象有機物9)を炭化する炭化システム(例えば、炭化システム1)であって、前記処理対象有機物を収容する第一室(例えば、炭化室21)と、前記第一室内の前記処理対象有機物を加熱する加熱装置(例えば、加熱装置3)と、前記第一室内の温度を直接的又は間接的に検出する温度検出装置(例えば、温度センサ41)と、内部に前記加熱装置が配置され、前記第一室内で前記処理対象有機物から発生した可燃性ガスが導入される第二室(例えば、二次燃焼室22)と、前記第二室内に大気を導入する空気導入装置(例えば、吸気ファン54)と、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が所定温度となるように、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する制御装置(例えば、制御装置7)と、を備え、前記制御装置は、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記第二室内の前記可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱により前記第一室内の前記処理対象有機物を加熱する、炭化システム。
(2) 前記制御装置は、前記第一室内の温度が第一の所定温度となるように前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記処理対象有機物を乾燥させる第一処理と、前記第一室内の温度が前記第一の所定温度よりも高い第二の所定温度となるように前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記処理対象有機物を炭化させる第二処理と、前記加熱装置を停止させるとともに前記空気導入装置を稼働させることにより、前記処理対象有機物を冷却させる第三処理と、を実行する、(1)に記載の炭化システム。
(3) 前記制御装置は、前記第二処理において、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が前記第二の所定温度で一定となるように、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する、(2)に記載の炭化システム。
(4) 前記第二室内の前記可燃性ガスが燃焼して生成した排ガスを外部に排出するための排気通路(例えば、排気通路60)と、前記排気通路に設けられた空燃比検出装置(例えば、空燃比センサ43)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記空燃比検出装置によって検出された酸素濃度に応じて前記空気導入装置を制御する、(1)又は(2)に記載の炭化システム。
(5) 前記排気通路には、排気浄化触媒(例えば、排気浄化触媒61)が設けられる、(4)に記載の炭化システム。
(6) 前記第一室及び前記第二室を接続し、前記処理対象有機物から発生したガス及び前記空気導入装置により導入された大気が流通する接続通路(例えば、第一通路510)をさらに備え、前記接続通路には、前記第一室内で生成した水蒸気を外部に排出する開閉弁(例えば、開閉弁55)が設けられ、前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度に応じて前記開閉弁の開閉制御を実行する、(1)又は(2)に記載の炭化システム。
(7) 前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が所定時間内で一定温度以上昇温した場合には、前記空気導入装置を稼働させるとともに前記加熱装置を停止させる、(1)又は(2)に記載の炭化システム。
(8) 前記処理対象有機物の重量を計測する重量検出装置をさらに備え、前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度及び前記重量検出装置によって検出された前記処理対象有機物の重量に基づいて、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する、(1)又は(2)に記載の炭化システム。
(1)の炭化システムによれば、第一室で生成した合成ガスを二次燃焼で利用することで、熱効率を向上させることができ、ひいては気候変動の緩和又は影響軽減に寄与する。炭化システムの運転にあたり、炭化時に消費される電力を効率化することができる。
(2)の炭化システムによれば、第一処理における第一の所定温度で処理対象有機物の乾燥を促進し、第二処理における第二の所定温度で処理対象有機物の炭化を促進することができる。制御装置により最適な温度に制御することで、効率的に処理対象有機物を炭化させることができる。
(3)の炭化システムによれば、制御装置7で加熱装置3及び吸気ファン54を制御し、フィードバック制御により炭化室21内の温度を、炭化が最も効率的に促進される第二の所定温度に維持することができる。これにより炭化が促進し、熱効率を最適化することができる。
(4)の炭化システムによれば、空燃比検出装置によって検出された酸素濃度に応じて空気導入量をフィードバック制御することができるので、合成ガスを二次燃焼させながら第一室の温度を一定に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(5)の炭化システムによれば、排気される合成ガスに含まれる有害成分を、排気浄化触媒によって浄化させることができる。さらに、排気通路を流通するガスは、第二室において温度が高くなっているため、排気浄化触媒の活性化に第二室の合成ガスの熱を用いることができ、効率的に浄化させることができる。
(6)の炭化システムによれば、第一室で発生した水蒸気を第二室へ至る前に外部へ排出することができるので、第二室の温度を下げることがなく、熱効率を向上させることができる。
(7)の炭化システムによれば、第一室で処理対象有機物を加熱している際に、処理対象有機物が酸素と結合して燃える場合がある。このような場合に、加熱装置を停止して空気導入装置を稼働させることで、炭化システムを素早く冷却し、酸素による燃焼を防止することができる。
(8)の炭化システムによれば、処理対象有機物の重量が減少したことが検出され、それが第一室内の温度が処理対象有機物を炭化している温度であった場合、加熱装置を停止して空気導入装置から空気を導入させるように制御することができる。これによれば、処理対象有機物にプラスチック等が含まれていて、吸熱反応によりプラスチックが分解したと推定されるときに、炭化システムを素早く冷却し、有害ガスの発生を防止することができる。
本実施形態の炭化システムを示す図である。 本実施形態の炭化システムの運転制御を示すフロー図である。 本実施形態の炭化システムにおける物質の量的な変化を示す図である。 本実施形態の炭化システムにおける加熱装置と吸気ファンの運転状況を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は生ごみを処理する炭化システム1である。炭化システム1は、生ごみ等の処理対象有機物9を無酸素又は低酸素で炭化させる無煙炭化器であり、例えば家庭等で利用できる小型の装置である。本明細書において、処理対象有機物9とは、例えば生ごみのような炭化させる対象の有機物であり、生ごみの状態から乾燥した状態のごみ、炭化が進行する途中の炭化物も含む。炭化システム1は、処理機本体2と、加熱装置3と、センサ4と、空気導入管5と、排気管6と、制御装置7と、を有し、電力で駆動される。
処理機本体2は、略直方形の容器により構成され、内部が二室に分割されている。処理機本体2は、第一室としての炭化室21と、第二室としての二次燃焼室22と、を有する。
炭化室21は、処理機本体2の上部に配置され、処理対象有機物9を収容する。炭化室21は、上部が開口して蓋211により開閉される。炭化室21には、例えば生ごみが直接投入される。炭化室21の底面21bは、後述する二次燃焼室22の上面22aと隣接しており、伝熱性の高い部材、例えば金属等で構成される。炭化室21には、処理対象有機物9の出し入れを容易にする内釜のようなライナー部材が配置されてよい。ライナー部材もまた金属で構成される。
二次燃焼室22は、炭化室21の下方に配置され、内部が空洞の空間である。二次燃焼室22は、内部にガス攪拌部24を有する。二次燃焼室22は、炭化室21で生ごみ等から発生した合成ガスが導入され、合成ガスが燃焼する空間である。合成ガスとは、生ごみ等の有機物を無酸素又は低酸素で加熱した際に発生するガスであり、水蒸気、メタン、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素等で構成され、有害・可燃成分を含む。したがって
合成ガスは、可燃性ガスである。
二次燃焼室22の上面22aは、炭化室21の底面21bに隣接している。二次燃焼室22の上面22a及び炭化室21の底面21bは、炭化室21及び二次燃焼室22が隣接する隣接面23を構成し、天地方向に対して交差する方向に延びる。より具体的には、隣接面23は、略水平方向に延びている。二次燃焼室22と炭化室21との隣接面23側に、後述する加熱装置3が配置されることで、炭化室21と二次燃焼室22の両方が加熱される。二次燃焼室22は、例えば800度前後まで加熱される。
ガス攪拌部24は、サイクロン式の羽根を有する攪拌機であり、二次燃焼室22内のガスを攪拌する。ガス攪拌部24には、後述する空気導入管5の下流端が接続される。
加熱装置3は、二次燃焼室22の内部における隣接面23側、すなわち二次燃焼室22の上面22aに沿って配置される。加熱装置3は、電熱コイルであり、電力により加熱されて昇温する。加熱装置3は、炭化室21の底面21bを介して、底面21b側に配置された炭化室21内の処理対象有機物9を加熱し、乾燥及び炭化させる。また、加熱装置3が昇温し、後述する空気導入管5から酸素の供給を受けることで、二次燃焼室22に充満した可燃性の合成ガスが発火して燃焼する。
空気導入管5は、導入管本体51と、炭化室接続部52と、二次燃焼室接続部53と、空気導入装置としての吸気ファン54と、開閉弁55と、逆止弁56と、を有する。また、空気導入管5は、第一通路510と、第二通路520と、を有する。
導入管本体51は、処理機本体2の脇に、上下方向に沿って延びる管である。導入管本体51は、処理機本体2に対して間を空けて配置されている。導入管本体51は、上端が開放された状態で処理機本体2の上部に配置され、下端が後述する二次燃焼室接続部53を介して二次燃焼室22に接続されている。
炭化室接続部52は、一端が炭化室21に接続され、他端が導入管本体51に接続される管状の部分である。炭化室接続部52は、導入管本体51から分岐している。
二次燃焼室接続部53は、一端が二次燃焼室22に接続され、他端が導入管本体51に接続される管状の部分である。二次燃焼室接続部53は、炭化室接続部52から下方に間を開けて配置され、導入管本体51から分岐している。二次燃焼室接続部53は、二次燃焼室22側の下流端が、二次燃焼室22内のガス攪拌部24に接続されている。二次燃焼室接続部53は、炭化室21内で生成された合成ガスを、二次燃焼室22内に供給するとともに、ガス攪拌部24を用いて攪拌するように配置されている。
第一通路510は、炭化室21と二次燃焼室22とを接続する接続通路である。第一通路510は、炭化室接続部52から導入管本体51の下方に流れて、二次燃焼室接続部53を通じて二次燃焼室22へ至る合成ガスの流路である。第一通路510は、図1に示すように、処理機本体2における炭化室21及び二次燃焼室22の隣接面23に対して略直交する面に沿って、炭化室21及び二次燃焼室22から間を空けて配置されている。第一通路510は、炭化室接続部52の近傍で、断面積が狭くなるように構成され、炭化室21内の合成ガスを、ベンチュリ効果で吸引するようになっている。第一通路510には、処理対象有機物9から発生した合成ガス及び、後述する吸気ファン54で導入された大気の両方が流通する。
第二通路520は、第一通路510に外部からの空気を導入するものであり、第一通路510に合流する。具体的には、第二通路520は、導入管本体51の上端から炭化室接続部52と導入管本体51との接続部までを言う。
吸気ファン54は、第二通路520に設けられ、大気を第二通路520内へ導入するように回転する。吸気ファン54によって外部から導入された大気は、第二通路520から第一通路510へ流通し、二次燃焼室22へ導入される。吸気ファン54は、例えばシロッコファンのようなものであってよい。
逆止弁56は、第二通路520に設けられる。逆止弁56は、第二通路520を流通する大気が、外部から処理機本体2側に向かってのみ流れるように設けられる。逆止弁56は、例えばディスク式等の縦配管に用いられるものが好ましい。しかし、逆止弁56の種類は特に限定されず、導入管本体51の配置によって適宜変更可能である。
開閉弁55は、第一通路510に設けられる。炭化室21で生ごみを燃焼させる際、初期の段階では、生ごみから水蒸気が発生する。開閉弁55は、後述するセンサ4によって炭化室21内の温度が検出され、検出された温度に応じて開閉される。開閉弁55の種類は特に問わないが、流量調節の可能なバルブであることが好ましい。例えば、バタフライバルブを第一通路510に設けるとともに、第一通路510に外部へ通じる開口を配置してよい。また、第一通路510に開口を設け、開口を覆う蓋の開閉角度を調整するような構成であってもよい。
排気管6は、一端が二次燃焼室22に接続され、他端が外部に開放される管である。排気管6は、二次燃焼室22で合成ガスが燃焼して生成した排ガスを外部に排出する管であり、排気通路60を構成する。排気通路60には、排気浄化触媒61が設けられる。排気浄化触媒61は、酸化反応を促進する酸化触媒であってよく、合成ガス中に含まれる有害物質を無害化可能な触媒であれば特に限定されない。排気浄化触媒61は、フィルターの形式で排気通路60に配置される。排気浄化触媒61は、排気管6を通じて二次燃焼室22の熱により昇温される。
センサ4は、炭化システムを制御する際に必要な値を検出する各種のセンサ4であり、温度検出装置としての温度センサ41、圧力センサ42、空燃比検出装置としての空燃比センサ43、重量検出装置としての重量センサ44を含む。これらのセンサ4は、後述する制御装置7と信号を送信可能に接続されており、検出した値は制御装置7へ送信される。
温度センサ41は、炭化室21内に配置される。温度センサ41は、炭化室21の室内の温度を検出する装置である。温度センサ41は、例えばサーミスタを炭化室21内部に取り付けて直接的に温度を検出してもよい。温度センサ41は、炭化室21の外に非接触で配置されて、間接的に温度を検出してもよい。
圧力センサ42は、炭化室21内に配置される。圧力センサ42は、炭化室21内の圧力を検出する。圧力センサ42は、例えばゲージ式であってよい。
空燃比センサ43は、排気管6内の排気通路60に設けられ、排気通路60内を流通する合成ガスの酸素濃度を検出する。
重量センサ44は、炭化室21内に収容された処理対象有機物9の重量を計測するセンサである。重量センサ44は、炭化システム1の運転期間中に水分を含んだ生ごみが炭化して炭化物となっていく間、継続的に処理対象有機物9の重量を計測している。
制御装置7は、上記のセンサ4のそれぞれから検出結果を受信し、検出結果に基づいてフィードバック制御を行う。制御装置7は、処理機本体2に設けられた中央演算処理装置である。
図2を参照して、炭化システム1の運転制御方法を説明する。生ごみ等の処理対象有機物9は、炭化システム1の蓋211を開けて炭化室21に配置され、乾燥される(乾燥工程S1)。乾燥工程S1では、制御装置7は、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度を、第一の所定温度として100度となるように、加熱装置3及び吸気ファン54を制御する。この処理を第一処理とする。図3に示すように、乾燥工程S1では、加熱装置3が昇温されることで、生ごみの乾燥が進行する。また、乾燥に伴い、処理対象有機物9の重量が徐々に低下する。ここで、圧力センサ42により炭化室21内の圧力が検出され、炭化室21内の圧力が大気圧よりも低くなるように制御される。これにより減圧乾燥が行われ、生ごみが効率よく乾燥される。減圧乾燥は、吸気ファン54を回転させることで、炭化室21の空気が第一通路510から吸引され、炭化室21が減圧されるように行われる。同時に、乾燥に伴い、生ごみから水蒸気が発生する。
温度センサ41によって検出される炭化室21内の温度が100度より低い場合、炭化室21内で生成した水蒸気を、開閉弁55を開いて外部へ排出する。生ごみから出るガスが水蒸気の段階では、揮発性のガスは少なく、水蒸気を二次燃焼室22へ導入しても効率的な燃焼に寄与しにくい。また、炭化室21内の温度が100度以下では、処理対象有機物9から有害なガスが発生する可能性も低い。そこで、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度に応じて開閉弁55の開閉制御を実行する。
外部からの空気は、吸気ファン54により吸引され、第二通路520から第一通路510に合流して二次燃焼室22へ導入される。
温度センサ41は、炭化室21から排出されるガスの温度を検出し続けている。温度センサ41から排出されるガスの温度が100度を超えたことが検出されると、制御装置7は、乾燥工程S1が終了したと判断する。
なお、乾燥工程S1の間に、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度が、所定時間内で一定温度以上昇温した場合、吸気ファン54を稼働させるとともに加熱装置3を停止させてよい。ここでいう所定時間、一定温度とは、比較的短い時間であり、短い時間内に急な温度の昇温があった場合、生ごみが炭化せずに酸素と結合して燃焼していると推定される。そこで、加熱装置3を停止するとともに外気の導入量を増加させて炭化室21を冷却する。所定時間、一定温度とは、炭化システム1の規模や処理する生ごみの量によって設定される。加熱装置3は、停止してから所定時間経過後に自動で運転を開始してもよく、又は使用者によって再度運転が開始されるまで、炭化システム1の運転自体を停止してもよい。
図3及び図4に示すように、乾燥工程S1の後、制御装置7は、炭化室21内の温度が、100度よりも高い第二の所定温度として350度となるように、加熱装置3及び吸気ファン54を制御する。これにより、制御装置7は、二次燃焼室22内の合成ガス(可燃性ガス)を燃焼させる。燃焼により生じる燃焼熱により、炭化室21内の処理対象有機物9を加熱し、乾燥させた処理対象有機物9を炭化させる。この処理を第二処理とする。
第二処理において、制御装置7は、温度センサ41により検出された炭化室21内の温度が350度で一定となるように、センサ4のそれぞれが検出した値を元に、フィードバック制御を行う。加熱装置3は、炭化室21から排出されるガスの温度を100度から350度とするため、初期に急激に昇温する。そして、これを維持するため徐々に加熱装置3自体の温度を下げる。また、制御装置7は、吸気ファン54の回転数を制御して空気導入量を制御する。炭化工程S2の初期では、炭化室21から合成ガスが生成するため、吸気ファン54の回転数を増加させて、二次燃焼室22に導入する空気の量を増加させる。加熱装置3の加熱温度と同様に、処理対象有機物9の炭化が進むとともに導入する空気の量を低下させる。
炭化工程S2では、炭化室21内で処理対象有機物9から生じた合成ガスが、第一通路510を通じて二次燃焼室22へ送られる。そして、合成ガスは、ガス攪拌部24により攪拌される。二次燃焼室22内は、加熱装置3により高温となっているため、合成ガスに含まれる可燃性の成分により発火する。
炭化工程S2では、空燃比センサ43により、排気通路60内の空燃比を検出している。そして、あらかじめ目標として設定されている空燃比の値に対して、排気通路60内の酸素濃度の値に応じて、吸気ファン54の回転数を増減し、目標の空燃比に近づけるように吸気ファン54を制御する。
重量センサ44は、炭化システム1の運転中、炭化室21の生ごみ等の処理対象有機物9の重量を検出している。炭化工程S2において、制御装置7は、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度及び重量センサ44によって検出された処理対象有機物9の重量に基づいて、加熱装置3及び吸気ファン54を制御する。具体的には、所定時間の間に重量センサ44が処理対象有機物9の重量の減少を検出し、かつその重量の減少が生じたときの炭化室21内の温度が100度以上、350度程度であった場合、吸気ファン54の回転数を制御し空気導入量を増加させ、加熱装置3を停止させる。生ごみとして処理装置に投入される処理対象有機物9の中に、容器等のプラスチック素材が混合している場合がある。プラスチックが吸熱反応によって分解される場合に、排気ガスとして一酸化炭素等の有害なガスが排出される場合がある。そこで、プラスチック等の異物の発火を想定し、重量の減少が短い時間内に急に発生した場合に上記の制御を行う。重量の減少が生じたときの炭化室21の温度が100度以上で、350度程度であれば、炭化工程S2中であるため、プラスチック等の異物の吸熱反応であると考えられる。重量の減少が生じたときの炭化室21内の温度が100度より低ければ、乾燥工程S1中であり、水蒸気が蒸発したことによるものと考えられる。そこで、炭化工程S2中に重量の減少が検出された場合に、吸気ファン54の回転を増加させて二次燃焼室を急冷するとともに、有害ガスを排出する処理対象有機物9の加熱を停止する。所定時間、重量は、炭化システム1の規模や処理する生ごみの量によって設定される。加熱装置3は、停止してから所定時間経過後に自動で運転を開始してもよく、又は使用者によって再度運転が開始されるまで、炭化システム1の運転自体を停止してもよい。
温度センサ41が炭化室21の温度が低下したことを検出し、空燃比センサ43が排気通路60を流通するガスの酸素濃度が上昇したことを検出し、重量センサ44が処理対象有機物9の重量が小さくなったことを検出すると、制御装置7は、炭化が終了したと判断する。
炭化工程S2が終了すると、制御装置7は、加熱装置3を停止させる。一方、制御装置7は、吸気ファン54を稼働させて、強制冷却を行う(冷却工程S3)。空気導入管5を通じて導入される大気は、加熱装置3が作動していないので、二次燃焼室22を通って炭化室21へ送られ、処理が済んで炭化した処理対象有機物9を冷却する。この処理を第三処理とする。
炭化室21の温度がさらに低下し、処理対象有機物9の重量が減少すると、制御装置7は、冷却工程S3が終了したと判断する。これにより、制御装置7は、炭化システム1の運転制御を終了する。
本実施形態の炭化システムによれば、以下の効果が奏される。
(1) 処理対象有機物9を炭化する炭化システム1を、処理対象有機物9を収容する炭化室21と、炭化室21内の処理対象有機物9を加熱する加熱装置3と、炭化室21内の温度を直接的又は間接的に検出する温度センサ41と、内部に加熱装置3が配置され、炭化室21内で処理対象有機物9から発生した可燃性ガスが導入される二次燃焼室22と、二次燃焼室22内に大気を導入する吸気ファン54と、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度が所定温度となるように、加熱装置3及び吸気ファン54を制御する制御装置7と、を含んで構成した。制御装置7が、加熱装置3及び吸気ファン54を制御することにより、二次燃焼室22内の可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱により炭化室21内の処理対象有機物9を加熱する。
これによれば、炭化室21で生成した合成ガスを二次燃焼で利用することで、熱効率を向上させることができ、ひいては気候変動の緩和又は影響軽減に寄与する。炭化システム1の運転にあたり、炭化時に消費される電力を効率化することができる。
(2)本実施形態によれば、制御装置7を、炭化室21内の温度が第一の所定温度(100度)となるように加熱装置3及び吸気ファン54を制御することにより、処理対象有機物9を乾燥させる第一処理と、炭化室21内の温度が第一の所定温度よりも高い第二の所定温度(350度)となるように加熱装置3及び吸気ファン54を制御することにより、処理対象有機物9を炭化させる第二処理と、加熱装置3を停止させるとともに吸気ファン54を稼働させることにより、処理対象有機物9を冷却させる第三処理と、を実行させた。
これによれば、第一処理における第一の所定温度で処理対象有機物9の乾燥を促進し、第二処理における第二の所定温度で処理対象有機物9の炭化を促進することができる。制御装置7により最適な温度に制御することで、効率的に処理対象有機物9を炭化させることができる。
(3)本実施形態によれば、制御装置7を、第二処理において、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度が第二の所定温度で一定となるように、加熱装置3及び吸気ファン54を制御した。
制御装置7で加熱装置3及び吸気ファン54を制御し、フィードバック制御により炭化室21内の温度を、炭化が最も効率的に促進される第二の所定温度(350度)に維持することができる。これにより炭化が促進し、熱効率を最適化することができる。
(4)本実施形態によれば、炭化システム1を、二次燃焼室22内の可燃性ガスが燃焼して生成した排ガスを外部に排出するための排気通路60と、排気通路60に設けられた空燃比センサ43と、をさらに含んで構成した。制御装置7を、空燃比センサ43によって検出された酸素濃度に応じて吸気ファン54を制御させた。
これによれば、空燃比センサ43によって検出された酸素濃度に応じて空気導入量をフィードバック制御することができるので、合成ガスを二次燃焼させながら炭化室21の温度を一定に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(5)本実施形態によれば、排気通路60に、排気浄化触媒61を設けた。
これによれば、排気される合成ガスに含まれる有害成分を、排気浄化触媒61によって浄化させることができる。さらに、排気通路60を流通するガスは、二次燃焼室22において温度が高くなっているため、排気浄化触媒61の活性化に二次燃焼室22の合成ガスの熱を用いることができ、効率的に浄化させることができる。
(6)本実施形態によれば、炭化室21及び二次燃焼室22を接続し、処理対象有機物9から発生した合成ガス及び吸気ファン54により導入された大気が流通する第一通路510をさらに含んで構成した。第一通路510に、炭化室21内で生成した水蒸気を外部に排出する開閉弁55を設け、制御装置7を、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度に応じて開閉弁55の開閉制御を実行させた。
これによれば、炭化室21で発生した水蒸気を二次燃焼室22へ至る前に外部へ排出することができるので、二次燃焼室22の温度を下げることがなく、熱効率を向上させることができる。
(7)本実施形態によれば、制御装置7を、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度が所定時間内で一定温度以上昇温した場合には、吸気ファン54を稼働させるとともに加熱装置3を停止させた。
炭化室21で生ごみ等の処理対象有機物を加熱している際に、処理対象有機物が酸素と結合して燃える場合がある。このような場合に、加熱装置3を停止して吸気ファン54を稼働させることで、炭化システム1を素早く冷却し、酸素による燃焼を防止することができる。
(8)本実施形態によれば、処理対象有機物9の重量を計測する重量センサ44をさらに含んで構成し、制御装置7を、温度センサ41によって検出された炭化室21内の温度及び重量センサ44によって検出された処理対象有機物9の重量に基づいて、加熱装置3及び吸気ファン54を制御させた。
炭化室21内の温度が処理対象有機物9を炭化している温度下で、処理対象有機物の重量が減少したことが検出された場合、加熱装置を停止して吸気ファン54から空気を導入させるように制御することができる。これによれば、処理対象有機物9にプラスチック等が含まれていて、吸熱反応によりプラスチックが分解したと推定されるときに、炭化システム1を素早く冷却し、有害ガスの発生を防止することができる。
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。例えば、センサ4として説明している温度検出装置、重量検出承知、空燃比検出装置等は、検出対象が適切に検出可能であれば、種類や方式については特に限定されない。また、空気導入装置を吸気ファンとして説明したが、これに限定されない。例えば吸気ポンプ等であってもよい。
1 炭化システム
3 加熱装置
7 制御装置
9 処理対象有機物
21 炭化室(第一室)
22 二次燃焼室(第二室)
41 温度センサ(温度検出装置)
43 空燃比センサ(空燃比検出装置)
54 吸気ファン(空気導入装置)
55 開閉弁
60 排気通路
61 排気浄化触媒

Claims (8)

  1. 処理対象有機物を炭化する炭化システムであって、
    前記処理対象有機物を収容する第一室と、
    前記第一室内の前記処理対象有機物を加熱する加熱装置と、
    前記第一室内の温度を直接的又は間接的に検出する温度検出装置と、
    内部に前記加熱装置が配置され、前記第一室内で前記処理対象有機物から発生した可燃性ガスが導入される第二室と、
    前記第二室内に大気を導入する空気導入装置と、
    前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が所定温度となるように、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記第二室内の前記可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱により前記第一室内の前記処理対象有機物を加熱する、炭化システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記第一室内の温度が第一の所定温度となるように前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記処理対象有機物を乾燥させる第一処理と、
    前記第一室内の温度が前記第一の所定温度よりも高い第二の所定温度となるように前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御することにより、前記処理対象有機物を炭化させる第二処理と、
    前記加熱装置を停止させるとともに前記空気導入装置を稼働させることにより、前記処理対象有機物を冷却させる第三処理と、を実行する、請求項1に記載の炭化システム。
  3. 前記制御装置は、前記第二処理において、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が前記第二の所定温度で一定となるように、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する、請求項2に記載の炭化システム。
  4. 前記第二室内の前記可燃性ガスが燃焼して生成した排ガスを外部に排出するための排気通路と、
    前記排気通路に設けられた空燃比検出装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、前記空燃比検出装置によって検出された酸素濃度に応じて前記空気導入装置を制御する、請求項1又は2に記載の炭化システム。
  5. 前記排気通路には、排気浄化触媒が設けられる、請求項4に記載の炭化システム。
  6. 前記第一室及び前記第二室を接続し、前記処理対象有機物から発生したガス及び前記空気導入装置により導入された大気が流通する接続通路をさらに備え、
    前記接続通路には、前記第一室内で生成した水蒸気を外部に排出する開閉弁が設けられ、
    前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度に応じて前記開閉弁の開閉制御を実行する、請求項1又は2に記載の炭化システム。
  7. 前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度が所定時間内で一定温度以上昇温した場合には、前記空気導入装置を稼働させるとともに前記加熱装置を停止させる、請求項1又は2に記載の炭化システム。
  8. 前記処理対象有機物の重量を計測する重量検出装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出された前記第一室内の温度及び前記重量検出装置によって検出された前記処理対象有機物の重量に基づいて、前記加熱装置及び前記空気導入装置を制御する、請求項1又は2に記載の炭化システム。
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