JP2007201069A - 太陽電池形成用ポリイミドフィルム - Google Patents

太陽電池形成用ポリイミドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた太陽電池形成用ポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】下記式(I)
Figure 2007201069

(Arは炭素数6〜20の4価の芳香族基を表し、Arは炭素数6〜20の非反応性の置換基を含んでもよい2価の芳香族基を表す)
からからなる繰り返し単位を有する全芳香族ポリイミドから主としてなり、100〜250℃の温度でのフィルム面内の直行する2方向の線膨張係数が−10〜12ppm/℃である太陽電池形成用ポリイミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池形成用ポリイミドフィルムに関するものであり、特に全芳香族ポリイミドフィルム層上に薄膜太陽電池を形成するのに好適な高耐熱性、低熱線膨張性を有するフィルム、およびそれからなる太陽電池に関する。
従来の太陽電池としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、CIS(あるいはCIGS型)、ガリウム砒素、カドミウム・テルルなどの半導体を使用した太陽電池、色素増感型太陽電池、厚膜半導体を基材上に印刷積層して作製されるものなどが知られている。
太陽電池の基本的な構成として、基材上に、電極層、光電変換層、透明電極層を順次形成してなる構成が挙げられる。光電変換層は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換するよう構成された層( 積層構造である場合を含む)であり、通常、上述のような半導体からなる。太陽電池の基材としてはガラス板、ステンレス板や可撓性基材が挙げられる。軽量化、フレキシブル化を目的として有機基材を用いて薄膜太陽電池、厚膜太陽電池を形成する試みも古くから行われている。試みられた太陽電池としては、例えば、繊維布帛基材表面に金属箔が貼り合わされ、その金属箔上に非晶質シリコン薄膜が形成されてなる太陽電池がある( 特許文献1参照) 。薄膜半導体を形成する時にフィルム基材に加わる熱応力を緩和するために、太陽電池の製造時にフィルム基材の他にさらに支持基材を用いる製法も提案されている。(特許文献2参照)。さらに、フィルム基材そのものの耐熱性を改善することを目的として、特定の組成、特定の物性を示す耐熱性フィルムを基材に用いて薄膜太陽電池を作製することも提案されている(特許文献3〜7参照)。
半導体層、たとえば、薄膜のポリシリコンを得る方法としては、固相成長法とレーザーアニ−ル法が知られている。固相成長法ではアニール温度を低温化することが困難であることから、エキシマーレーザーを利用したレーザーアニ−ル法の開発が進められている(例えば特許文献8、9)。レーザー照射によりシリコン膜が溶融、結晶化してポリシリコンとなるが、それでも最高温度は400℃台に達するため、通常のプラスチック基板を使用した加工は通常は困難である。実際、薄膜半導体用基板としてプラスチック基板が使用可能であるという記載はあるが、実際に使用されている例は少ない。さらに、高温での加工が可能である場合にも、プラスチック基板は熱膨張率が高いため、形成されたポリシリコンとの寸法変化が懸念される。
特開平5−308143号公報 特開平5−315630号公報 特開平11−29645号公報 特開平11−245291号公報 特開2001−127327号公報 特開2002−265643号公報 特開2005−303013号公報 特開平4−37144号公報 特開2002−231654号公報
本発明の目的は、ポリシリコンを用いたTFTを形成するのに有効な屈曲性のあるプラスチック基板材料を提供することにある。さらに詳しくは、400℃までの温度変化でも熱膨張が小さく、シリコンとの間での熱での寸法変化が小さく、高温での熱処理に有用なプラスチック基板材料を提供することにある。
本発明は下記式(I)
Figure 2007201069
(Arは炭素数6〜20の4価の芳香族基を表し、Arは炭素数6〜20の非反応性の置換基を含んでもよい2価の芳香族基を表す)
からからなる繰り返し単位を有する全芳香族ポリイミドから主としてなり、100〜250℃の温度でのフィルム面内の直行する2方向の線膨張係数が−10〜12ppm/℃である太陽電池形成用ポリイミドフィルムである。
また、さらに本発明は、1Hzでの粘弾性において100〜400℃におけるtanδが、100℃におけるtanδの3倍を超えないことを特徴とする上記に記載の太陽電池形成用ポリイミドフィルムである。また本発明は上記に記載の太陽電池形成用ポリイミドフィルム上に、電極層および半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる太陽電池である。
本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムは、400℃に至る耐熱性と無機半導体材料と同等の熱膨張係数を有するため、薄膜太陽電池形成用の基材として好適に使用することが可能である。本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムは従って、そのまま薄膜半導体装置の一部として使用することも可能であり、また、他のプラスチック基材などに薄膜半導体部分を転写して使用することも可能である。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムは、下記式(I)
Figure 2007201069
(Arは炭素数6〜20の4価の芳香族基を表し、Arは炭素数6〜20の非反応性の置換基を含んでもよい2価の芳香族基を表す)
からなる繰り返し単位を有する全芳香族ポリイミドから主としてなる。
好ましいArおよびArの具体例としては、以下の芳香族テトラカルボン酸成分および芳香族ジアミン成分を構成するものが挙げられる。
ポリイミドを構成する芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸を挙げることができるが、使用する芳香族テトラカルボン酸成分として、25モル%を超えない範囲で他の芳香族テトラカルボン酸を使用しても良い。使用可能な芳香族テトラカルボン酸としては、例えば1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,6,7−フェナンスレンテトラカルボン酸、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン等が挙げられる。
また、これらの芳香族テトラカルボン酸成分は二種以上を同時に併用することもできる。好ましい芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸単独からなるものが好ましいが、その他にも、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、および、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸あるいは、それらの組合せからなるものを使用したものが好ましいものとして例示される。ピロメリット酸以外のテトラカルボン酸成分の使用比率としては、全テトラカルボン酸成分に基づき、15モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。ピロメリット酸二無水物25モル%以上とすることで、線膨張係数が12ppm/℃以下の全芳香族ポリイミドフィルムを得ることが容易になる。
式(I)におけるArをイミド化反応後に構成する芳香族ジアミン成分としては、例えば1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、等およびそれらのハロゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げられる。
上記の芳香族ジアミン成分は二種以上を同時に併用することもできる。また、好ましい芳香族ジアミン成分としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが例示される。更に好ましい芳香族ジアミン成分としては、全ジアミン成分に基づき、1,4−フェニレンジアミンが30モル%以上とすることで、100〜250℃の温度での線膨張係数が12ppm/℃以下のポリイミドフィルムを得ることが可能である。1,4−フェニレンジアミン成分が多いほど、線膨張係数を12ppm/℃以下とすることが容易になるため、1,4−フェニレンジアミンの使用量としては、40〜100モル%が好ましく、より好ましくは1,4−フェニレンジアミンが50〜100モル%であり、更に好ましくは60〜100モル%である。
ただし、パラ配向のフェニレンジアミン、例えば、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィドなどを使用する場合には、1,4−フェニレンジアミンの比率が少なくても、線膨張係数を12ppm/℃以下とすることが容易となるために、1,4−フェニレンジアミンの比率を少なくすることが可能である。この場合には、1,4−フェニレンジアミンの比率は、30〜90モル%であることがより好ましく、35〜80モル%であり、更に好ましくは40〜70モル%であり、更に好ましくは45〜60モル%である。
本発明の薄膜半導体形成用ポリイミドフィルムは、100〜250℃の温度でのフィルム面内の直行する2方向の線膨張係数が−10〜12ppm/℃である。線膨張係数を−10〜12ppm/℃とすることで、半導体材料との線膨張係数差が小さくなり、半導体層形成後の積層フィルムの反りが小さくなる。例えば、太陽電池用の半導体としてよく使用されるシリコンでは、線膨張係数が2〜3ppm/℃と非常に小さいため、それと同等の線膨張係数であることが好ましい。他の太陽電池用の半導体においても、一般には線膨張係数は小さいため、同等の線膨張係数を有する材料を使用することが半導体形成時の反りなどを低減し、熱応力を低減する上で好ましい。
たとえば、フィルム上に薄膜のシリコン層を形成する場合、形成後の温度変化に対しても、そりや残留ひずみの小さな基板とすることが可能となる。そのため、半導体がシリコンである場合には、−6〜8ppm/℃であることがさらに好ましく、−2〜6ppm/℃であることがさらに好ましく、−1〜5ppm/℃であることがさらに好ましい。このように、熱膨張係数の好適な範囲は、形成する半導体層の熱膨張係数±5ppm/℃程度の範囲内となるようにすることが、好ましくは形成する半導体層の熱膨張係数±3ppm/℃、さらに好ましくは形成する半導体層の熱膨張係数±3ppm/℃の範囲内である。
さらに、熱膨張係数は、積層フィルムとして実現することも好ましく実施できる。ここで、積層フィルムとは、先述のポリイミドフィルムと他の樹脂材料層から構成される積層フィルム全体を指し、ポリイミドと接着層が十分な剥離強度を有している積層体をさす。この積層フィルムは、ポリイミド/樹脂層のような2層からなるものでもよく、ポリイミド/樹脂層/ポリイミド、樹脂層/ポリイミド/樹脂層のような3層からなるものでもよい。このような積層フィルムとして使用される場合でも、熱膨張の好適な範囲は、本発明のフィルムを単独で使用する場合について記載した上述の範囲と同じである。
積層フィルムとして使用する場合の樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリシロキサン変性ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、全芳香族ポリアミド系樹脂、あるいはフェノール系樹脂などが挙げられるなど耐熱性の優れる樹脂が使用可能である。例えば、全芳香族ポリアミドからなる樹脂層(B)を製造する場合、重合後のポリマー溶液をそのまま用いてもよいし、一旦、ポリマーを単離後、溶剤に再溶解したものを用いてもよい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒が好ましいが、濃硫酸、濃硝酸、ポリりん酸等の強酸性溶媒を用いても構わない。前記芳香族ポリアミド溶液には、所望により、溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加することができる。溶液中のポリマー濃度は1〜60重量%程度さらには3〜40重量%であることが好ましい。上記のようにして調製されたポリマー溶液を本発明のポリイミドフィルムにキャスト(流延とも言う)し、乾燥により溶媒を飛散させる。キャストの方法としては、ダイ押し出しによる方法、アプリケータを用いた方法、コーターを用いた方法などが挙げられる。
太陽電池形成用ポリイミドフィルムの厚みとしては、厚みが2〜100μmであることが好ましい。2μm以上の厚みを有することが、得られたフィルムの剛性を維持する上で好ましい。また、厚みを100μm以下とすることが、基板に屈曲性を付与する上で好ましい。基材フィルムの厚みは、より好ましくは、4〜75μmであり、さらに好ましくは、6〜50μmである。こうした厚みは、本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルム単独であっても、上述の積層フィルムとして実現されるものであってもかまわない。この場合、ポリイミドフィルムの厚みとしては、2〜100μmが好適に使用可能であり、より好ましくは、4〜50μmであり、さらに好ましくは、6〜25μmである。
本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムの弾性率は直交する2方向それぞれ4GPa以上であることが好ましい。弾性率は高いほど曲げに対して腰のあるフィルムとすることが可能となる。したがって、薄いフィルムの場合にはより弾性率の高いフィルム、厚いフィルムの場合には弾性率の低いフィルムとすることが、基材としての剛性と適度の屈曲性を付与する上で好ましい。フィルムの弾性率が、4GPaでは、フィルム厚みとしては25〜100μm程度、7GPaでは、フィルム厚みとしては20〜75μm程度、15GPaでは、フィルム厚みとしては18〜50μm程度である。これは積層フィルムを使用する場合でも、積層フィルム全体の弾性率、厚みについてほぼ妥当する。
本発明のポリイミドフィルムは、1Hzで測定した粘弾性測定において100〜400℃におけるtanδが、100℃におけるtanδの2.5倍を超えないことが好ましい。100〜400℃においてtanδが、100℃の値の3倍を超える場合、この温度範囲で貯蔵弾性率が小さくなり、フィルムが変形しやすくなることを示しており、半導体形成時に十分な寸法安定性を示せなくなる。tanδの変化は小さいほど好ましく、100〜400℃におけるtanδが、100℃におけるtanδの2.5倍を超えないことが好ましく、2.2倍を超えないことがさらに好ましく、2.0倍を超えないことがさらに好ましい。
以上のような、本発明の全芳香族ポリイミドフィルムの製造方法としては、ポリイミドの構成成分において記載した芳香族テトラカルボン酸のアミド酸形成性誘導体と芳香族ジアミンを溶媒中で反応せしめてポリアミック酸とした後、イミド化あるいはイソイミド化を行い、延伸配向させた後、溶剤乾燥と熱処理を行うことにより、好ましく製造可能である。以下、本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムを製造する方法を詳述する。
本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムの製造方法は、下記の工程1〜4から成る。
工程1:酸無水物及び下記式(II)
N−AR−NH (II)
(Arは非反応性の置換基を含んでいてもよい芳香族基であり、式(I)のものと同じ)
で表わされる芳香族ジアミン化合物とを下記式(1)
0.95≦a/b≦1.05 ・・・(1)
(ここでaは酸無水物のモル数、bは上記式(II)で表わされる芳香族ジアミンのモル数を表わす。)
を同時に満足する割合で溶媒中にて反応せしめてポリアミック酸溶液を得る。
工程2: ポリアミック酸溶液を支持体上に流延した後、ポリアミック酸の一部あるいはすべてをイミド化および/またはイソイミド化しゲルフィルムを製膜する。
工程3: 得られたゲルフィルムを二軸延伸する。
工程4: 得られた2軸延伸フィルムを熱処理する。
工程1では、無水ピロメリット酸と芳香族ジアミン化合物との溶液重合反応により、ポリアミック酸溶液が調整される。ポリアミック酸の重合方法としては、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。
aを酸無水酸のモル数、bを芳香族ジアミンのモル数とすると、a/bの値が0.95未満または1.05より大きい値の場合、得られるポリアミック酸の重合度が低く、製膜が困難となる。好ましくは0.97以上1.03未満である。原料の仕込み方法については特に限定はなく、添加順序や添加方法は従来既存のいずれの方法でもよいが、好ましくは、ジアミン成分を先ず溶媒に溶解し、次いで所望の反応温度にて(A)を添加し、重合させる。
該ポリアミック酸の重合時の反応温度は−20℃以上、80℃以下が好ましい。−20℃未満の場合、充分な反応速度が得られず、好ましくない。また、80℃より高いと、部分的にイミド化が起きたり、副反応が発生したりする為、安定してポリアミック酸が得られなくなる場合がある。このましくは−10℃以上、70℃以下であり、更に好ましくは、0℃以上60℃以下である。
反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと略す)、1,3−ジメチルイミダゾリジノンよりなる群から選ばれる少なくとも一種からなる溶媒が挙げられる。好ましくは、NMP及び/又はDMAcであり、特に好ましくは、DMAcである。また、必要に応じて、重合反応やポリアミック酸溶解性に影響しない範囲で、他の有機溶剤を適宜加えても構わない。例えば、ピリジン、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン、トリエチレンジアミンなどの非反応性有機アミン化合物や、トルエン、キシレンなどの如く芳香族炭化水素系溶媒などが例示される。添加量は特に限定されるものではないが、例えば30wt%以下の範囲である。
該ポリアミック酸溶液の濃度は0.1wt%以上40wt%以下が好ましい。0.1wt%未満の場合、充分に重合を進めることが困難であり、フィルムを製膜するのに、充分な粘度の溶液が得られなくなることがある。40wt%より濃い濃度の場合、逆に高粘度となり、製膜製に劣る溶液となったり、オリゴマーが析出して均質なポリアミック酸溶液が得られなくなったりする場合がある。好ましくは1wt%以上30wt%以下であり、更に好ましくは、3wt%以上25wt%以下である。また、ポリアミック酸の重合途中及び/又は重合終了時に溶媒で希釈し、最終的に得られるポリアミック酸溶液の濃度を調整することも出来る。本発明の工程1は低湿度条件で行われることが好ましい。例えば、窒素、アルゴンといった低湿度不活性ガス雰囲気下や、乾燥空気雰囲気下が好ましい。
該ポリアミック酸溶液中のポリアミック酸はその分子鎖末端を何らかの形で封止されていてもよい。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、例えば、酸無水物成分としては、無水フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体、アミン成分としてはアニリン及びその置換体が好ましい例として挙げられる。この中でも、無水フタル酸およびその置換体及び/又はアニリン及びその置換体が特に好ましい例として挙げることが出来る。また末端封止剤の添加タイミングは特に限定されず、ポリアミック酸の重合原料仕込み時、重合途中、重合終了時のいずれに添加しても良い。添加量は実質的重合が停止し且つポリアミック酸溶液の粘度が安定する為に必要な量でよい。
工程2では、工程1にて得られたポリアミック酸溶液を支持体上に流延した後、ポリアミック酸の一部あるいはすべてをイミド化および/またはイソイミド化しゲルフィルムを製膜する。工程1で得られたポリアミック酸溶液を支持体上に流延するには、一般に知られている湿式製膜並びに乾式製膜方法等、従来公知のいかなる製膜方法を用いてもよい。この製膜方法としては、ダイ押出による工法、アプリケーターを用いたキャスティング、コーターを用いる方法などが例示される。ポリアミド酸の流延に際して支持体として用いられるものとしては、金属製ベルト、キャスティングドラムなどを用いることができる。またポリエステルやポリプロピレンのような有機高分子フィルムを支持体として用いることも出来る。
流延されたポリアミック酸溶液中のポリアミック酸の一部あるいはすべてをイミド化および/またはイソイミド化する方法としては、例えば、<1>脂肪族酸無水物及び有機アミンを用いる方法と<2>ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いる方法とが好ましい例として挙げられる。脂肪族酸無水物として、好ましい例としては無水酢酸などが挙げられ、有機アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチルアミンピリジン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミンといった三級脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレンの如き芳香族アミン、ピリジンおよび4−(N,N−ジメチル)アミノピリジンなどのピリジン誘導体、ピコリン及びその誘導体が挙げられる。これらのうち、ピリジン、トリエチレンジアミン、ピコリン、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジンが好ましく用いることができ、更にこの中でもピリジン、トリエチレンジアミンが特に好ましく用いることが出来る。
上記イミド/イソイミド化剤による反応方法としては、例えば、<1>支持体上に流延されたポリアミック酸溶液を支持体ごとイミド/イソイミド化剤溶液中に浸漬する方法、<2>あらかじめ工程1で得られたポリアミック酸溶液に、低温下で該イミド/イソイミド化剤を添加/混練した後、流延し得られたフィルムを加熱し、反応せしめる方法などが挙げられる。この際、方法<1>におけるイミド/イソイミド化剤の使用量およびその溶液の濃度は、特に限定されるものではない。同様に、方法<2>におけるイミド/イソイミド化剤の使用量は、特に限定されるものではない。いずれの場合において、目的とする、アミック酸を十分にイミド/イソイミドに化学反応せしめるに必要な量があればよく、これらの量は、反応時間・温度・ポリアミック酸濃度・流延厚みなどの諸条件により最適な条件が異なる。
また、得られたゲルフィルム中のイミド/イソイミドの比率は特に限定はない。イミド化剤の種類によりこの比率は大きく異なる。
上記のごとく工程2にて得られたゲルフィルムは、均質かつ高度に膨潤した延伸性に優れたゲルフィルムとなる。このような延伸性に優れたゲルフィルムを得ることは、本発明の特筆すべき特徴の一つであり、後の工程により、低熱膨張のポリイミドフィルムを得るために好適なものである。
本発明における上記の工程2は低湿度雰囲気下で行うことが望ましい。窒素、アルゴンといった不活性ガス雰囲気下や乾燥空気中で行うことが好ましく、この中でも、工業的な生産コストなどの観点から乾燥空気が最も好ましい。
また、該ゲルフィルムは洗浄によりイミド化触媒・洗浄溶剤以外の他の有機溶剤などを除去したものを含む。洗浄方法や温度・時間は特に限定するものではないが、例えば、工程1にて溶媒として例示されたものや、トルエンや他のアルキルベンゼン類といった芳香族炭化水素、イソプロピルアルコールをはじめとする脂肪族アルコール類や高級アルコール類、ベンジルアルコールやその他エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤などが挙げられ、該ゲルフィルムをこれら有機溶剤に浸漬し洗浄することが可能である。特に、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて得られたゲルフィルムの場合、ゲルフィルム中にイソイミド基が多く、後の工程において効率的に延伸配向効果を得るためには、トルエンなどで十分洗浄することが好ましい。一方、脂肪族酸無水物および有機アミンを用いて得られたゲルフィルムの場合、比較的、ゲルフィルム中にイミド基が多いため、ポリアミック酸重合溶媒と同じ有機溶剤を用いて洗浄することが好ましい。また、ゲルフィルムの洗浄の時期は、ゲルフィルムが支持体上にあるままでもよいが、工程2に留まるものではなく、例えば、工程3以降である支持体から分離した後でも、更には、延伸処理した後でもよく、それぞれの時期に複数回に分けて行ってもよい。
工程3では、工程2で得られたゲルフィルムを支持体から分離した後、二軸延伸を行う。延伸倍率は特に限定されるものではないが、縦横それぞれの方向に1.03〜10倍の倍率で行うことができる。好ましくは1.1〜8倍であり、さらに好ましくは1.3〜6倍である。1.5〜5倍が特に好ましい。延伸温度は特に限定するものではないが、例えば−10〜100℃が好ましい例として挙げられる。より好ましくは、−5〜90℃であり、更に好ましくは、0℃〜80℃である。なお、延伸は逐次延伸方法、同時二軸延伸方法のいずれの方法を用いてもよく、更には、溶剤中、空気又は乾燥空気中、不活性雰囲気中のいずれの雰囲気において行ってもよい。特に好ましくは、空気又は乾燥空気中で行うことが好ましい例として挙げることができる。
最後に、工程4では、工程3により得られた2軸延伸フィルムを熱処理し、二軸配向ポリイミドフィルムを形成する。熱処理方法としては、熱風加熱、真空加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱の他、熱板、ホットロールを用いた接触による加熱などが例示できる。この際、段階的に温度を上げることで、溶媒除去乾燥、イミド化および/またはイソイミドをイミドへの転移反応を進行させることが好ましい。
この熱処理は定長乃至緊張下において行うことができる。また、熱処理の開始温度は、特に限定されるものではないが、最高温度としては、250〜650℃の温度で熱処理することが好ましい。多段階で徐々に昇温及び/又は降温せしめながら実施することもできる。250℃未満の熱処理では充分にイミド化反応が進行しない場合がある。650℃より高温の処理の場合、ポリイミドが熱劣化を起こす場合があり、好ましくない。好ましくは、300〜600℃であり、更に好ましくは、350〜550℃である。
本発明のポリイミドフィルムは、フィルムの生産性、巻き取り性、操作性の向上のために、滑剤を添加することができる。滑剤としては、無機または有機の微粒子を用いることができ、無機微粒子としてはシリカ、アルミナなどといった金属酸化物が挙げられる。好ましく用いることができる滑剤の粒子径は0.01〜10μmの範囲であり、その添加量はフィルム全体の0.001〜1重量%程度の範囲である。
本発明のポリイミドフィルムの表面は、薄膜半導体との安定した接着力を得る、表面平滑性を付与する、あるいは、適度の剥離強度を持たせる、などの目的で、コロナ処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等の各種表面処理並びに硝酸などの酸処理、水酸化カリウムのようなアルカリ処理、シランカップリング剤処理など各種表面改質剤による処理を行っても良い。
本発明の太陽電池は、上述したフィルム基材上に半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる。前記積層体は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層を必須の構成として有し、通常、得られた電気エネルギーを取出すための電極層などをさらに有する。
すなわち本発明は上述したポリイミドフィルム上に、電極層および半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる太陽電池を包含する。より詳細には光電変換層を一対の電極層で挟んでなり、具体的にはポリイミドフィルム、裏面電極層、光電変換層、集電電極層からなる太陽電池である。光電変換層と集電電極層の間にはバッファー層を設けても良い。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし、本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよい。
上記一対の電極層のうちの一つの電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、フィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばCV
D(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Mo、およびそれらの合金、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In、SnO、ZnO、CdSnO、ITO(InにSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属箔膜である。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層は、半導体からなる層であ
り、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅/インジウム/セレン(CIS)あるいは銅/インジウム/ガリウム/セレン(CIGS)、ガリウム砒素、カドミウム・テルルなどの半導体を上げることができる。光電変換層は、異なる半導体からなる複数の層を有する積層体であってもよい。半導体層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得ることができる。
たとえば、無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiH4にフォスフィン(PH3)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiH4ガスのみで約500nmのaSi(i層)を形成し、続いてSiH4にジボラン(B2H6)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
光電変換層を挟む一対の電極層のうち、フィルム基材とは反対側に設けられる電極層(以下、集電電極層ともいう)は、導電フィラーとバインダー樹脂を含む導電性ペーストを固めてなる電極層であったり、透明電極層であったりしてもよい。透明電極層としては、In、SnO、ZnO、CdSnO、ITO(InにSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の材料を好ましく用いることができる。
本発明の太陽電池形成用ポリイミドフィルムは、高い耐熱性により、上述のような従来公知のCVD法などで作成される電極、半導体薄膜の形成温度に耐えることができ、しかも冷却によっても、電極、半導体薄膜に匹敵する小さな熱膨張係数により、フレキシブルな基板材料でありながら、太陽電池を作成するのに好適な基板として使用可能である。フレキシブルな太陽電池形成用基材を使用することにより、ロール・ツー・ロールでの生産性の高い製造プロセスが可能となり、産業上有益な製造手段を提供することも可能となる。さらに必要に応じて、形成された、電極、半導体薄膜を他のフレキシブルな材料に転写することも可能である。
以下、実施例により本発明方法をさらに詳しく具体的に説明する。ただしこれらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)フィルム機械物性
ヤング率及び強伸度は50mm×10mmのサンプルを用いて、25℃にて引っ張り速度5mm/分にて、オリエンテックUCT−1Tにより測定を行った。
(2)線熱膨張係数
約13mm(L)×4mmのサンプルを用いて、TAインスツルメントTMA2940Thermomechanical Analyzerにより、昇温速度10℃/分にて、50℃〜450℃の範囲で昇温、降温させ、100℃から250℃の間での試料長の変化量ΔLを測定し、下記式(2)
線熱膨張係数(ppm/℃)=10000×ΔL/L・・・(2)
より算出した。
(3)動的粘弾性測定
レオメトリック・サイエンティフィック(株)社製RSAII型により、−100〜500℃の範囲を振動数1Hzにより測定した。
[実施例1]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、脱水NMP21kgを入れ、更に1,4−フェニレンジアミン340.0g、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル629.3gを加え完全に溶解させた。その後、ジアミン溶液の温度を20℃とした。このジアミン溶液に無水ピロメリット酸1371gを複数回に分けて、段階的に添加し1時間反応させた。この時反応溶液の温度は20〜40℃であった。更に該反応液を60℃とし、2時間反応させ、粘調溶液としてポリアミック酸NMP溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液をPETフィルム上に、ドクターブレードを用いて、厚み400μmにキャストし、無水酢酸1050ml、ピリジン450g及びNMP1500mlからなる30℃の脱水縮合浴に8分浸漬しイミド/イソイミド化させ、支持体であるガラス板から分離し、ゲルフィルムを得た。
得られたゲルフィルムをNMPに室温下20分浸漬させ洗浄を行った後、該ゲルフィルムの両端をチャック固定し、室温下、直交する2軸方向にそれぞれ2.0倍に10mm/secの速度で同時二軸延伸した。
延伸後のゲルフィルムを枠固定し、乾燥空気を用いた熱風乾燥機にて160℃、20分、乾燥処理を実施した。次いで、熱風循環式オーブンを用いて300℃〜450℃まで多段的に昇温していき全芳香族ポリイミドフィルムからなる基材(A)を得た。従って、該基材(A)は、下記式(I−a)
Figure 2007201069
で表される繰り返し単位50モル%および下記式(I−b)
Figure 2007201069
で表される繰り返し単位50モル%とからなる全芳香族ポリイミドフィルムよりなる基材(A)である。得られた基材(A)の厚みは14μmであり、縦方向横方向のヤング率は9GPaであった。また、該基材(A)の線熱膨張係数は2ppmであった。
さらに、粘弾性測定の結果、100℃におけるtanδの値は、0.029であり、100〜400℃におけるtanδの最大値は、400℃において0.036(100℃での約1.24倍)であった。

Claims (3)

  1. 下記式(I)
    Figure 2007201069
    (Arは炭素数6〜20の4価の芳香族基を表し、Arは炭素数6〜20の非反応性の置換基を含んでもよい2価の芳香族基を表す)
    からからなる繰り返し単位を有する全芳香族ポリイミドから主としてなり、100〜250℃の温度でのフィルム面内の直行する2方向の線膨張係数が−10〜12ppm/℃である太陽電池形成用ポリイミドフィルム。
  2. 1Hzでの粘弾性において100〜400℃におけるtanδが、100℃におけるtanδの3倍を超えないことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池形成用ポリイミドフィルム。
  3. 請求項1または2いずれかに記載の太陽電池形成用ポリイミドフィルム上に、電極層および半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる太陽電池。
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